クロマトグラフィーカラムおよびその操作
管状側壁(1)を備えるハウジング(10)と、微粒子媒体のベッドを収容するための閉鎖されたベッド空間を側壁と共に画成し少なくとも1つの端部ユニットが軸方向に摺動可能である、対向し軸方向に離隔された端部ユニット(2、3)と、摺動可能な端部ユニットに結合され、カラムベッド空間内へと内側に延びる軸方向駆動要素(5)と、反対側の端部ユニット上またはその向こう側に配置され駆動要素に結合される駆動部(4)とを具備する、クロマトグラフィーカラム(100)が開示される。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]本発明は、クロマトグラフィーカラムおよびそれらを操作する方法に関する。詳細には、本発明は、使用時にカラムのベッド空間を占める微粒子媒体の充填および/または抜出しなど、カラム端部ユニットを動かすのに有用な構造および方法に関する。本発明は、いかなるサイズのカラムにも関し、特に、その内径が通常200mm以上、おそらく最高約3000mmとなることがある、工業的な分取クロマトグラフィーにおいて有用な種類の、より大きいカラムに関する。
【0002】
[0002]従来の工業規模のクロマトグラフィーカラムは、ほぼ常に円筒形の、管状側壁を有するカラムハウジング、および、使用時に微粒子媒体のベッドを収容するための閉鎖されたベッド空間を側壁と共に画成する、対向し軸方向に離隔された端部ユニット(一般にプレート、またはエンドプレートと呼ばれる)からなる。ほとんどの工程では、微粒子媒体は、分離される成分を含む液体(移動相)がカラム内を通過するときに動かない充填ベッドを形成するために、緊密に充填される。ただし、より緩やかに分散されまたは流動化/膨張された粒子ベッドをクロマトグラフィー工程に使用する、カラム/工程もある。
【0003】
[0003]カラム端部ユニットは、ベッド空間に適切な微粒子媒体を保持する透過性構造または要素と組み合わされた、移動相の液体が通過するための導管を有する。通常、透過性構造または要素は、カラムの端部を横断して延びる、液体を透過するが微粒子媒体を透過しない透過層(たとえばメッシュまたは焼結品)である。充填層カラムは一般に、そのような透過層をカラムの両端部に有する。
【0004】
[0004]通常、カラムは軸方向に直立し、すなわち、頂部および底部の端部ユニットを備え、以下では説明の便宜上これを前提とする。
【0005】
[0005]従来から、少なくとも1つの端部ユニットが、たとえばベッド空間の体積を調整することができるように、管状側壁と封止関係で軸方向に摺動可能である。頂端部ユニットが摺動可能なプレートを有し、底端部ユニットが固定された端部プレートを有することが多い。充填カラムを形成するとき、所望の深さの充填層を形成するために十分なスラリーでベッド空間を満たした後に、摺動可能なプレート(以下で説明するようにピストンまたは端部ユニットピストンと呼ばれる)は、2つの透過性端部構造の間でベッドが堅く捉えられるまで固定端部プレートに向かって動かされる。
【0006】
[0006]最近、スラリー弁を備える端部ユニットを有するクロマトグラフィーカラムが一般的になってきた。こうしたカラムでは、スラリーを流し込むために頂端部ユニットを取り外す必要がない。スラリーは、まずベッド空間からすべての空気を押し出し(カラムの「プライミング」と呼ばれる)、次いでベッド用の十分な媒体が存在するまで媒体を蓄積して、直接弁を通して送り込むことができる。次いで弁を遮断し、必要に応じて、ベッドを圧縮するために頂端部ユニットを下降させることができる。必要に応じて、次いで液体をベッドを通して流下することができ(「流入充填」と呼ばれる)、充填ベッドの上方に透明な上澄みが形成される。この下降流は、頂部ピストンが押し下げられるときに、液体の送込みをピストンが代わりに行うよう頂部弁を閉じることによって、維持することができる。クロマトグラフィーは、カラムを開くことを必要とせずに進行する。いくつかの変形では、使用済みのベッドも、弁を開き、キャリア液を送り込み、開いた弁からベッドをスラリーとして徐々に除去することによって、クロマトグラフィー後に端部ユニット内の弁を通して廃棄することができる。これらのスラリー弁の例が、スラリー制御用の制御された流れポートまたは導管の様々な構成、ならびに、ポートまたは導管を開閉するためのバルブ内の様々な機械的運動を用いる、WO96/10451、GB2258415、およびUS6117317に見られる。本発明の実施形態は、特に、バルブ制御されたスラリー流れポートまたは導管を一方または両方の端部に有するカラムに有用である。
【0007】
[0007]可動端部プレートの摺動運動を制御することには、特に大きいカラムで技術的に問題がある。一般的な端部ユニットは、管状側壁に接触し外側に向かってそれを封止する大直径ピストンを有し(または大直径ピストンであり)、それが動くとき、特にそれが充填工程においてベッド上へと軸方向に摺動するときに、正確に径方向平面に保たれなければならない。軸に安定的に直交させて維持するために、従来の構造は、底端部ユニットまたは底端部プレート内の取付け部からカラムハウジングの周りへと上方に延びる、垂直方向に調整可能な周辺支持ピラーを多数有する。「調整用フランジ」と呼ばれる頂部環状支持要素は、支持ピラー上で支持され、径方向内側にある程度延び、カラム内部に張り出す。次いで摺動端部ユニットは、ピストンを必要とされる可能性があるところまで管状ハウジング内へと下降させるために十分長い、一列の垂直支持ロッドによって調整用フランジから懸架される。いくつかの垂直ロッドは、固定され、案内部として機能し、調整用フランジ内の開口を通って摺動可能に延びる。その他のロッドは、調整用フランジに固定されており、カラム基部に取り付けられまたはそこにあり頂端部ユニットを上下に動かすように動作可能である駆動機構に結合される。駆動部は、ねじ作動式または油圧式、自動、あるいは手動とすることができる。
【0008】
[0008]いずれを使用しても、端部ユニットを正確な高さに維持すること、すなわちすべての周囲駆動ロッド内で正確に同じ運動を実現することには、重大な困難が伴う可能性がある。油圧駆動を用いて、周方向に分布する各ユニットにおける力/位置を適当に同等にするための、特別なシステムを利用することができる。ただし、それらは高価および複雑である。さらに、クロマトグラフィーカラム周囲の空間は、非常に重要である。上述の固定されたピラーおよび駆動ロッドは既に、たとえば交換用透過層の取外し/挿入などの保守操作のためにカラム内部にアクセスすることが困難になり得るほど、カラム周囲で障害物となる。さらなる駆動制御機構に伴い、障害および複雑さが増すことは極めて望ましくない。
【発明の概要】
【0009】
[0009]本発明の一実施形態によれば、クロマトグラフィーカラムは、特に端部ユニットを軸方向に駆動するのに使用するための、しかし、さらにまたは代替として端部ユニットにてスラリー流を制御するのに使用するための、カラムベッド空間を通るカラム端部ユニットへの内部結合部を提供する。カラムの使用によって、カラムの充填および抜取りに有用な様々な動作方法がもたらされ、それらはまた、本発明の実施形態であり、以下で説明する。
【0010】
[0010]一実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、管状側壁を備えるハウジングと、微粒子媒体のベッドを収容するための閉鎖されたベッド空間を側壁と共に画成する、対向し軸方向に離隔され、少なくとも一方が軸方向に摺動可能である端部ユニットと、摺動可能な端部ユニットに結合され、カラムベッド空間の内部に延びる軸方向駆動要素と、反対側の端部ユニット上またはその向こう側に配置され、駆動要素に結合された駆動部とを具備する。
【0011】
[0011]本発明の一実施形態によるクロマトグラフィーカラムは、内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、ハウジングがその上に軸方向垂直に取り付けられ、底端部ユニットを通る開口部を有する底端部ユニットと、ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットであって、上面、下面を備え、さらに、頂端部ユニットの上面および下面を貫通し底端部ユニット内の開口部と軸方向に位置合せされる第1の弁の開口部を有する第1の弁をさらに備える、頂端部ユニットと、頂端部ユニットの上面に結合され、第1の弁の開口部および底端部ユニット内の開口部と軸方向に位置合せされる開口部を備えるフレームと、底端部ユニット内の開口部、管状ハウジングの内部空間、第1の弁の開口部、およびフレーム内の開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に可動な駆動要素とを具備し、駆動要素がさらに第1の弁の凹部を備え、第1の弁の凹部は、第1の開口部を通して動かすことができ、駆動要素の軸方向運動によって、第1の弁の凹部が第1の弁の開口部の内外に動かされる。
【0012】
[0012]別の実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、ハウジングがその上に軸方向垂直に取り付けられ、底端部ユニットを通る開口を有する底端部ユニットと、ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットであって、上面、下面、および、上面および下面を貫通する頂端部ユニット開口部を有し、開口部が底端部ユニットの開口部と軸方向に位置合せされた、頂端部ユニットと、頂端部ユニットの上面に結合され、頂端部ユニット開口部および底端部ユニット開口部と軸方向に位置合せされた開口部を備えるフレームと、底端部ユニットの開口部、管状ハウジングの内部空間、頂端部ユニットの開口部、およびフレーム内の開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に可動な駆動要素と、駆動要素に結合可能でありフレームの直径よりも大きい直径を有する保持具とを具備し、保持具が駆動要素に結合された後に、駆動要素の軸方向運動によって頂端部ユニットがハウジング内で摺動式に動かされる。
【本発明の詳細な説明】
【0013】
[0025]ハウジングを備え、内部ベッド空間および対向する端部ユニットを有する、クロマトグラフィーカラムの一実施形態では、カラムベッド空間内で内部へと延びる軸方向駆動要素が、軸方向に摺動可能なカラム端部ユニットに結合され、反対側の端部ユニット上またはその向こう側で駆動部に結合される。軸方向駆動結合構造をベッド内に設けることによって、カラムハウジング外部のかさばる支持および駆動構造を、削減しまたはなくすことができる。
【0014】
[0026]都合が良いことに、ベッド空間を通って軸方向に延びベッドと接触する駆動要素は、必ずしもクロマトグラフィーの性能に深刻な影響を与えないことが見出されている。
【0015】
[0027]当然、内部駆動要素は、好ましくは中心対称性である。摺動可能な端部ユニット上の中心で作用するようにカラムの中央軸上を延びる、単一の駆動要素を有することが好ましい。そのような駆動要素から摺動可能な端部ユニットへと軸方向張力を伝達するための適当な結合構造を設けることによって、軸に対する端部ユニットの直交性を維持するための余分な方策を大幅に単純化し、またはなくすことも可能になる。カラムの好ましい一実施形態で、駆動要素(たとえば中央単一ロッド)は、端部ユニット内を通過する。これは端部ユニットの外側の中心で、たとえば、その一方の端部ユニットの表面の向こう側に離隔された位置にて、フレームを備える力分配要素に結合し、このフレームは、張力駆動要素への中央結合部、および端部ユニットの外側への周方向に分配された(1つまたは複数の)結合部または構造を有する。力分配要素は、駆動要素への結合部用の中心ユニオンを備えるフレーム、および、径方向外側へと突出し端部ユニットとの結合部へと(軸方向)内側に延びる、複数の等間隔に離隔されたリムを備えることが好都合である。
【0016】
[0028]好ましくは、たとえば単一の中央ロッドなど内部駆動要素は、端部ユニット構造(その透過性要素を含めて)を通って軸方向に摺動可能であるが、軸方向運動を駆動するために、駆動要素/端部ユニットの1つまたは複数の所定の相対軸方向位置にて、端部ユニット構成に軸方向に結合することもできる。一実施形態では、望まれる場合、この解放可能な係合によって、結合具の駆動部を動作させることなく端部ユニットの運動を可能にすることができる。別の実施形態では、これは、端部ユニットの局部的な運動のみを制御するために駆動要素を使用することによって、駆動の有効な軸方向範囲を拡大または移動させることができ、より大きい運動は、駆動要素と非結合状態にされて行われる。駆動のための軸方向係合部は、一方向のみの駆動(通常駆動要素を伸張する方向の)が用いられる場合、1方向にのみ係止することができる。すなわち、適切な係止は、圧縮性のスペーサ構造によって実現可能とすることができる。別の実施形態では、駆動要素と端部ユニットとの相対運動によって、駆動要素が端部ユニットの制御機構の、特にスラリーポートまたは導管流れ制御部内の動作部品として機能することを可能にすることができる。すなわち、係止構成は、駆動要素が弁動作部材を構成しまたは弁動作部材と結合される充填弁の様々な相対的な状態に対応して、中心駆動要素を対応する駆動可能な端部ユニットに対して(好ましくは軸方向に異なる)2つ以上の利用可能な位置のうちの選択された1つにて保持するために、設けることができる。
【0017】
[0029]内部駆動要素構造(たとえば単一の中央ロッド)を利用するために、カラムの反対側の端部の/端部の向こう側にある対応する駆動部もまた、単一中央駆動部、好ましくは加圧流体(気体または液体)によって作動される駆動部、および最も好ましくは油圧駆動とすることができる。たとえば、油圧ラムは、下方端部ユニットまたはカラムの取付け端部プレートの下側に取り付けることができ、(1つまたは複数の)駆動要素は、その下方端部ユニットまたは端部プレートを通って摺動可能に上方に延びる。任意で、摺動可能な駆動要素は、下方ユニット/プレートに対する、および(またはその代わりに)上方端部ユニットのための、上記のような弁機能の動作など動作相互作用をもたらすことができる。
【0018】
[0030]本発明の別の実施形態では、アクセス弁アセンブリは、スラリー流れを、端部ユニットを通してベッド空間に対して充填し、および/または抜き出すための、スラリーポートまたは導管を備える。端部ユニットの典型的な実施形態は、弁の開口部を備え弁スリーブ部分を有する弁を含み、上記で議論したような軸方向内部駆動要素(たとえばロッド)は、対応する弁導管を様々な(たとえば開および閉)状態の間で切り替えるように、前記スリーブ内でそれらの間の相対運動、好ましくは軸方向運動によって働く、中央要素を構成する。すなわち、弁オリフィスは、閉状態でロッドの全直径部分を封止し、開状態で凹部または直径が低減されたロッド部分と位置合せされてそれらの間の流れを可能にする、1つまたは複数のランドを有することができる。好ましくは、オリフィス構造は、端部ユニットに対して固定され、端部ユニットに対する駆動要素の運動によって、弁状態を調整する。ただし、可動オリフィスまたはスリーブをその代わりに使用することができる。当業者である読者はまた、隣接する関連位置が開く閉状態をもたらすために(すなわち駆動要素の相対的な凹部を有する代わりに)駆動要素上の局部的なランドを使用することができることを理解するであろう。ただし、端部ユニットを通してロッドをかなりの範囲動かすことができることが望ましい場合は、凹部付きロッドが好ましい。というのも、それによってあらかじめ決められた封止状態がもたらされるためである。
【0019】
[0031]一実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、管状側壁を備えるハウジングと、微粒子媒体を収容するための閉鎖されたベッド空間を側壁と共に画成し、端部ユニットの少なくとも一方が軸方向に摺動可能である、対向し軸方向に離隔された端部ユニットと、摺動可能な端部ユニットに結合され、カラムベッド空間内へと内側に延びる軸方向駆動要素と、反対側の端部ユニット上またはその向こう側に配置され、駆動要素に結合された駆動部とを具備する。好ましい一実施形態では、駆動要素は、ハウジングに対して中心対称性に配置される。
【0020】
[0032]カラムの一実施形態において、カラムは、中心軸を有し、駆動要素は、中心軸に沿って延び摺動可能な端部ユニット上の中心で作用する単一駆動要素である。
【0021】
[0033]通常、カラムの摺動可能な端部ユニットは、開口部を備え、その開口部を通って駆動要素が延びる。
【0022】
[0034]一実施形態では、クロマトグラフィーカラムはさらに、摺動可能な端部ユニットの外面上に力分配器を備え、駆動要素が、力分配器に結合される。いくつかの実施形態では、力分配器は、分配器を駆動要素に解放可能に結合する結合具を備え、および/または力分配器は、駆動要素に結合される中央ユニオンと、端部ユニットの外面上に周方向に分布する接合部へと径方向および軸方向に延びる、等間隔に離隔された複数のリムとを備える。
【0023】
[0035]一実施形態では、結合具は、摺動可能な端部ユニットと駆動要素とを1つまたは複数の所定の相対軸方向位置で結合する、係止要素を備える。あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、結合具は、圧縮性のスペーサ要素を備える。
【0024】
[0036]好ましい一実施形態では、摺動可能な端部ユニットの開口部は、充填弁を有するスラリー導管を備える。
【0025】
[0037]通常、駆動要素は、充填弁の作動部材に結合され、またはそれを構成する。
【0026】
[0038]好ましい一実施形態では、充填弁は、閉状態で作動部材の全直径部分を封止し、開状態で作動部材の凹部または直径が低減された部分と位置合せされてそれらの間の流れを可能にする1つまたは複数の封止ランドを有する、オリフィスを備える。いくつかの実施形態では、オリフィスは、環状間隙を備え、作動部材は、弁からベッド空間内へと放出されるスラリーを偏向させるための、傾斜した衝突面を備える。
【0027】
[0039]本発明によるクロマトグラフィーカラムのいくつかの実施形態によれば、各端部ユニットは、中央開口部を備え、その開口部を通って駆動要素が延びる。必要に応じて、各開口部は、弁を備えることができ、駆動要素は、弁のための作動部材に結合されまたはそれを構成する。好ましい実施形態では、各弁は、閉状態で作動部材の全直径部分を封止し、開状態で作動部材の凹んだまたは直径が低減された部分と位置合せされてそれらの間の流れを可能にする1つまたは複数の封止ランドを有する、オリフィスを備える。
【0028】
[0040]本発明の別の実施形態によるクロマトグラフィーカラムは、内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、ハウジングをその上に軸方向垂直に取り付けることができ、底端部ユニットを通る開口部を備える底端部ユニットと、上面、下面を有し、さらに、頂端部ユニットの上面および下面を貫通し底端部ユニット内の開口部と軸方向に位置合せされる第1の開口部を有する第1の弁の開口部を備えハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットと、頂端部ユニットの上面に結合されており、第1の弁の開口部および底端部ユニット内の開口部と軸方向に位置合せされた開口部を備えるフレームと、底端部ユニット内の開口部、管状ハウジングの内部空間、第1の弁の開口部、およびフレーム内の開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に運動可能な駆動要素とを具備し、駆動要素がさらに、第1の開口部を通って運動可能な第1の弁の凹部を備え、駆動要素の軸方向運動によって、第1の弁の凹部が弁の第1の弁の開口部の内外へと動かされる。
【0029】
[0041]別の実施形態では、クロマトグラフィーカラムが、内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、ハウジングがその上に軸方向垂直に取り付けられ、底端部ユニットを通る開口部を有する底端部ユニットと、上面、下面、ならびに、上面および下面を貫通し、底端部ユニットの開口部と軸方向に位置合せされた頂端部ユニット開口部を有する、ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットと、頂端部ユニット開口部および底端部ユニット開口部と軸方向に位置合せされた開口部を備える、頂端部ユニットの上面に結合されたフレームと、底端部ユニット開口部、管状ハウジングの内部空間、頂端部ユニットの開口部、およびフレーム内の開口部を通って延びる、ロッドを備える軸方向に可動な駆動要素と、フレームの開口部直径よりも大きい直径を有し、駆動要素と結合可能な保持具とを具備し、保持具が駆動要素に結合された後に、駆動要素の軸方向運動によって、頂端部ユニットがハウジング内で摺動式に動かされる。
【0030】
[0042]一実施形態で、カラムは駆動要素に結合可能な保持具をさらに備え、保持具は、フレームの開口部直径よりも大きい直径を有し、保持が駆動要素に結合された後に、駆動要素の軸方向運動によって頂端部ユニットがハウジング内で摺動式に動かされる。
【0031】
[0043]いくつかの実施形態では、カラムはさらに、第2の弁を備える。たとえば、一実施形態では、カラムの底端部ユニットは、底端部ユニット内の開口部に挿入され第2の弁の開口部を備える、第2の弁をさらに備え、駆動要素は、第2の弁の開口部を通して動かすことができる第2の弁の凹部をさらに備え、駆動要素の軸方向運動によって、第2の弁の凹部が第2の弁の開口部の内外に動かされる。
【0032】
[0044]典型的な一実施形態で、第1の弁は、少なくとも1つのポートを備える第1の弁アセンブリを備え、第1の弁アセンブリは、第1の弁の開口部を備える。第1および第2の弁を備えるいくつかの実施形態では、第2の弁は、少なくとも1つのポートを備える第2の弁アセンブリを備え、弁アセンブリは、第2の弁の開口部を備える。第1の弁アセンブリおよび/または第2の弁アセンブリは、少なくとも2つのポートを備えることができる。
【0033】
[0045]カラムの好ましい実施形態では、カラムは、駆動要素を軸方向に動かすラムをさらに備える。いくつかの実施形態では、駆動要素が第1の端部および第2の端部を有し、第1の端部がねじ切りされた部分を備え、および/または、第2の端部がピストンを備える。
【0034】
[0046]いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、フレームと保持具の間、および駆動要素の一部の周りに挿入可能なカラーをさら備える。
【0035】
[0047]一実施形態では、駆動要素は、軸方向に異なる2つ以上の位置の間で移動可能である。
【0036】
[0048]好ましくは、駆動要素は、管などの中空ロッドではなく、中実ロッドである。中実ロッドは、上記諸実施形態の駆動に望ましい強度をもたらす。上記文書のWO96/10451(Euroflow社)では、中空ロッドが噴霧ノズルとして使用された。しかし、ロッドとオリフィス開口との間の間隙を通して、カラム内へとスラリーを噴霧することが等しく実行可能である。実際、この環状間隙を制作することによって、径方向に方向付けられた複数の開口部を有するノズルに比べて、カラムの周りのより均一なスラリーの分配を実現することができる。ロッドの環状凹部は、弁から放出されるスラリーを径方向外側にカラムベッド空間内部へと偏向させるための、滑らかな錐形表面など傾斜した衝突面を有することができる。
【0037】
[0049]中央ロッドの周りからスラリーを内部へと噴霧すること、特に上記のような傾斜した衝突面を用いて噴霧することは、それ自体新規であり、ロッドが駆動要素の一部であるかその他であるかとは無関係に、本発明の一独立実施形態である。
【0038】
[0050]いずれにしても、カラムは、スラリーを噴射するための、またはカラムを下方から充填するときに空気を外に出すための、そのような弁を頂部に有することができる。カラムは、スラリーをカラムの外に洗い出す(抜き出す)ために、そのような弁を底部に有することができる。または、そのような弁を、頂部および底部の両方に設けることができる。後者の場合、単一の中央駆動要素は、頂部および底部弁両方の作動部材として作用する。駆動要素は、(たとえばランドまたは凹部によって)2つの弁のうちの1つのみを一度に動作させるようになすことができる。または、駆動要素は、2つの端部ユニットが適当な軸方向間隔にあるときに、たとえば頂部および底部端部ユニットの間隔がロッド凹部の間隔に対応し、ロッド凹部が頂部および底部弁ランドと位置合せされるとき頂部および底部弁の両方が開かれるように、駆動要素が頂部および底部弁の両方を一度に作動させることを可能にする、複数の弁作動特徴(たとえば軸方向に離隔された凹部など)を有することができる。
【0039】
[0051]典型的な実施形態は、単一スラリーポートまたは導管の、弁による流れ調節に関する。通常、端部ユニットは、クロマトグラフィーのために後方で透過性保持構造のみと連通する、別個に制御される移動相ポートまたは導管を有する。しかし、必要に応じて、たとえば、循環もしくは現場洗浄機能性、および/またはたとえばWO96/10451(Euroflow社)で提案されるような同じ弁を用いた充填および抜出し能力などのために、さらなる導管を設けることができる。
【0040】
[0052]本発明の一実施形態は、内部ベッド空間を形成する円筒形側壁を有するクロマトグラフィーカラムと、カラムがその上に軸方向垂直に取り付けられる固定された底端部ユニットと、管状ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットと、頂端部ユニット内の中央弁の開口部と、頂部プレート上にフレームを備える力分配構造と、頂端部ユニットの中央弁の開口部を通って延びるロッドを備え、軸方向駆動部をその上の力分配構造に連結するように結合可能な中央張力駆動要素と、底端部ユニットの下に取り付けられた油圧ラムなど駆動部とを備える装置であって、張力駆動要素は、カラムの内部ベッド空間を通り、それを軸方向に動かすように動作可能な駆動部へと下方に延び、張力駆動要素は、カラム外部と内部ベッド空間との間に連通する導管内で弁として作用するように、頂端部ユニットの相補的な部分的な部分と協働するようになされた、1つまたは複数の部分を有し、駆動要素によって頂端部ユニットの軸方向位置を調整するために、駆動部を使用することができ、さらに、上述の弁を開および閉状態の間で調整するために、駆動要素を頂端部ユニットに対して軸方向に動かすことができる。
【0041】
[0053]ベッド空間を通って下方に延びるロッドを有することは、ベッドが可能な限り均一となるべきであることが前提とされる通常の慣例から根本的に逸脱している。ただし、本発明によれば、ロッドに近接する局部的な不連続は、一般に重大な不利点ではなく、いずれにしても側壁に近接する領域よりも体積がかなり小さいことが見出されている。さらに、中央ロッドが充填/抜取り弁の中央弁部材として作用する、本発明による構造では、充填/抜取り弁を使用する従来のカラムと比べた場合、これは不利ではない。こうした従来のカラムには、中央弁のちょうど反対側に小さな「デッドスポット」がある(そこには透過性のメッシュが存在しないためである)。このデッドスポットを、カラムの長さに沿った中実ロッドでふさぐことは、より不利となる問題に影響を及ぼさず、実際、それによって分配バンドにおける全体的な、中央における乱れの要素を低減させることができる。
【0042】
[0054]本発明による装置の実施形態に関連して、本発明の実施形態は、多くの対応する新しい操作工程を含む。
【0043】
[0055]まず、および一般に、本発明による方法の実施形態は、上記で議論したいずれかのクロマトグラフィー装置を使用するクロマトグラフィーを包含する。これは、カラムの充填、カラムの稼働、およびカラムの抜出しのうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。この方法の実施形態はまた、たとえば透過層の取外し/挿入など、保守操作を含むこともできる。有利には、透過層は、カラムの構成要素を支持するクレーンを使用せずに、取外し、交換することができる。
【0044】
[0056]本発明による一実施形態では、ある工程は、カラム内に微粒子媒体のベッドを形成することを含み、この方法は、媒体のスラリーを、その端部ユニットスラリーポート、好ましくは上記のような弁で調節されるポートを通してカラムベッド空間内へと通過させること、および、微粒子媒体をベッド空間に蓄積することを含む。過剰なキャリア流体は、たとえば反対側の端部ユニットの透過性要素を通って、外部へと通過することができる。通常、スラリーは頂部から充填され、過剰な液体は、底部にある移動相ポートを通って流出する。これは、中央駆動要素を、スラリーが送り込まれる端部ユニットに対する弁開位置に駆動することを含む。
【0045】
[0057]さらに、または代替として、本発明による方法の別の実施形態は、カラム内にスラリーを充填することを含み、カラム内で、弁部材を形成する中央駆動要素が、流入するスラリーを拡散させる下方スラリー衝突面を備える環状の360°の凹部を有する。
【0046】
[0058]本発明の別の任意の実施形態は、所期のベッド高さをもたらすために十分な媒体が送り込まれた後に、流入充填を含む。この実施形態によれば、可動端部ユニットは、(駆動部を用いて)ベッド空間内の微粒子のかたまりより上に離隔され、間に液体を有する位置となる(またはそれに隣接する)。頂端部ユニット内にあるいかなるスラリーポートも、たとえば、中央駆動要素を端部ユニットに対して調整することによって閉じられる。次いで液体は、端部ユニットの全領域でカラム内へと放出されるように、頂部移動相導管を通して送り込まれ、ベッドを通過し、同様にその透過性要素を通って反対側の端部を離れる。微粒子ベッドを通る液体の下向きの流れは、充填を強化する。
【0047】
[0059]この方法の別の実施形態では、別個のまたはさらなる充填段階で、通常頂端部ユニットである可動端部ユニットを微粒子ベッドの頂部上へと引くために、内部駆動要素を使用する。通常、可動端部ユニットの移動相ポート(入口)が遮断され、可動端部ユニットが微粒子から依然離隔されている少なくとも1つの位相で、液体が駆動されるにつれて流入充填が行われるように、対向端部ユニットの移動相ポートが開く。この手順で、内部駆動要素は、完全に径方向に、すなわち軸に対して直角に、端部ユニットをまたは端部ユニットピストンを動かし続けることができる。
【0048】
[0060]ベッドが充填されると、駆動機構を付勢し続けることによって、または機械的係止部によって、可動端部ピストンを定位置に保持することができる。
【0049】
[0061]さらなる実施形態では、記載されたような中央駆動要素を端部ユニットに対して動かして、その端部ユニット内のスラリー導管の弁を閉から開位置へと調整し、ベッド媒体をスラリーとして開いたバルブから流出させるために液体を送り込むことによって、充填カラムが非充填状態にされる。たとえば、頂端部ユニット弁を、(中央ロッドを摺動させることによって)開き、媒体を崩すため液体を噴霧することができ、次いでそれを、ピストン端部にて駆動要素を用いて頂端部ユニットのピストンを徐々に下降させることによって、吸い出し、および/または押し出すことができる。
【0050】
[0062]上記のものと組み合わせることができる別の任意の実施形態は、中央駆動要素(たとえばロッド)が、たとえば環状凹部など2つの軸方向に離隔された凹部を有する排出動作であり、端部ユニットまたは端部プレート間の間隔が凹部の間隔と一致し、それらの弁が両方開くように凹部が端部ユニットまたはプレートと位置合せされるまで、頂端部ユニットを底端部ユニットに漸次近付けて下降させることを含む。次いで液体を、頂部開口部を通して自由に送り込むことができ、残存するスラリーが、開いた底部弁を通って流出する。
【0051】
[0063]次に、本発明の各構成要素を以下で詳細に説明し、同様の構成要素は同様の参照番号を有する。
【0052】
[0064]図1および図1aに示す本発明の実施形態を参照すると、ハウジング10を有する大型の工業用クロマトグラフィーカラム100が、管状の鋼鉄カラム側壁1、固定された底端部2、および摺動可能な頂端部ユニット3を備える。図1はまた、調整用フランジ700と、たとえば頂端部ユニット3を定位置に係止するための、摺動可能頂端部3およびカラムハウジング上に配置される垂直支持ロッド(案内ロッド702およびタイロッド701として示す)とを備える、調整可能なフレーム700を示す。図1はまた、追加フランジまたはプレート900、ならびに、たとえばカラム充填の準備時など所望されるときに頂端部ユニットの上方向運動を可能にするための、支持部901(ボルトとして示す)を示す。以下でより詳細に説明するように、図1はまた、保持具541および固定プレート62も示す。図示を容易にするために、図1は、追加フランジ900の下面と保持具541の上面との間の間隔、および保持具541の底面と固定プレート62の頂面との間の間隔を示す。ただし、追加フランジ900は使用されるとき、保持具541がフランジ900と固定プレート62との間で固定されるように、たとえば支持具901を締めることによって固定される。その他の図には示さないが、調整フレームおよび/または追加フランジもしくはプレートは、本発明のいかなる実施形態で使用することもできる。
【0053】
[0065]図1および図1aに示す実施形態では、頂端部ユニット3は、当分野で知られるようにカラム壁部の内側に係合する、外側に方向付けられた環状封止部31を有する。底端部ユニットはまた、固定された環状封止部21によって上方のカラム壁部に対して封止される。この図示の実施形態では、底端部ユニット2は、当分野で知られるように車輪付き支持部11上に立つ。構成部品は鋼鉄製であるが、透明の合成カラムチューブなど、その他の材料も可能である。ラムなどの油圧駆動部4は、底端部ユニット2の真下で中心に固定される。その駆動要素5(たとえばロッド)は、底端部ユニット2の中央開口を上向きに通り、カラム管中心軸を上向きに、対向する頂端部ユニット3内の中央開口を通って延びる。駆動用の駆動流体は、それが駆動要素に接触する可能性がある場合、カラム内部の状態との適合性によって選択することができる。適当な駆動流体は、限定ではないが、水、特に精製/滅菌水(たとえば「注射用蒸留水」)、またはグリセロール、またはグリセロール/水の混合物を含む。あるいは、空圧駆動を使用することもできる。
【0054】
[0066]フレーム6を備える力分配要素が、頂端部ユニット3の頂部に固定されており、頂端部ユニット3は、好ましくは3つまたは4つの等間隔に離隔された脚部61を有し、脚部61は、その外側端部が頂端部ユニットの縁部付近にボルト付けされており、固定プレート62にて、駆動要素5がそこを通ることができる中央開口と中心で出会う。
【0055】
[0067]駆動要素5の底端部は、油圧駆動部4内で動作可能なピストン53を担持する。駆動要素5の頂端部は、その先端にて固定ねじ部54を有し、その下方に間隔をおいて、第1の環状凹部55、および(任意で)第2の同様の形状の環状凹部56(図1aに示す)を有する。この図示の実施形態では、凹部または各凹部55、56は、中央円筒形くびれ59および上方および下方円錐部分58を有する(図8参照)。以下でより詳細に説明しまた図2に示すように、凹部が、(たとえば、弁が環帯55、および1つまたは複数の封止部または封止ランド352を備える)弁の開口部と位置合わせされるとき、間隙が設けられ、弁が開位置となる。
【0056】
[0068]通常、カラムは、直径200mmから2000mmである。図示したものは、例示用の400mmカラムを表す。中央駆動要素5は、好ましくは、カラムが加圧流体で満たされたときに外向きの荷重を頂端部ユニット3上に送ることができる、高張力鋼の中実鋼鉄ロッドである。400mmのカラムでは、その力は3または4メートルトン、あるいは最大でそれ以上になることがある。
【0057】
[0069]各頂端部および底端部ユニット2、3は、プレートアセンブリ20、30を備え、プレートアセンブリは、中実の鋼鉄外部プレート27、37と、多くの流体流れ案内チャネル(図示せず)が加工されたわずかに凹状の流れ制御面を形成する内部の機械加工されたプレート28、38と、プレートアセンブリの内面全体にわたり縁部封止部によって締付けられた好ましくは平坦なメッシュ(または焼結)ディスクである、透過性要素29、39とを備える。透過性要素の裏側は、表面加工されたチャネルプレート28、38上の支持フィンの縁部に後方を接触させて載る。要素の中心は、他の2つの端部ユニットを貫通する中央穴と位置合わせされた穴を有し、それらの穴の中に、スラリー弁アセンブリ8を備える弁が取り付けられる。図示のスラリー弁アセンブリは、端部ユニットの裏側内へと窪んだ弁ブロック81を有し、透過性要素39の中心を支持および保持する前方管状延長部を備える、管状の軸方向オリフィスを画成する。弁ブロックは、スラリーが通過するための、中心へと拡張された開口82を有する。管状弁スリーブの前方開口にて、図示の弁は、前方リングフランジ351を有する中実のスリーブまたは環帯35(図2も参照)を有し、この前方リングフランジ351は、透過性要素39の円形内縁部を締付け、金属管状弁構造内へとねじ込まれる。弁は、後方で端部ユニットを通して外部結合ポートと連通する。図1に811で印される一方のポート(以下、ポート811を「MPポート」または「移動相ポート」と呼ぶ)は、移動相液体用であり、透過性要素と表面加工された内部プレートとの間の流れチャネル空間内へと連通する。このポートを通して送り込まれる液体は、透過性要素39を通して、一般にクロマトグラフィーのためにベッド面の全領域上に流れる(ただし以下を参照)。図1に812で印される別のポート(以下、ポート812を「スラリーポート」と呼ぶ)は、環状弁スリーブと直接連通し、それが開くと、カラム内部と直接、すなわち透過性要素39を通さずに連通する。3つのポート構造を記載するWO96/10451を参照すると、そこで「廃棄ポート」と呼ばれるポートが、ここでは「スラリーポート」となり得る。
【0058】
[0070]中央駆動要素5は、この中央弁の可動操作部材として作用する。駆動要素5は、カラムスペースの内外へと動かなくてはならないなので、(WO96/10451の注入器ノズルと異なり)封止リングを担持しない。その代わりに、封止リングなど1つまたは複数の封止部または封止ランド352が、環帯35の内面上に取り付けられる。駆動要素5の凹部55が1つまたは複数の封止部352と位置合わせされると、間隙ができ、弁が開きスラリーを内部または外部へと通過させることが可能になる。駆動要素5の完全な直径は、封止環帯35と向かい合わせになるとき、(1つまたは複数の)封止部を封止し、ポートが完全に閉じられる。金属弁ブロック81内へとねじ込まれる環帯は、好ましくは、金属ロッド5の汚損を避けるための、PEEKなどのエンジニアリングプラスチックである。
【0059】
[0071]図3から図5は、頂端部ユニット3の頂部上のフレームを備える、例示的な力分配構造のさらなる詳細をいくつか示す。図1および図1aも参照されたい。図示の力分配フレーム6は、駆動要素5がその中を通ることができる中央孔を備える、頂部固定またはフレームプレート62を有する。ロッドの端部ねじ部54上にねじ込まれるナットなど保持具541は、ロッドがこの孔を通って引き下げられることを妨げ、構造の第1の軸方向結合位置を提供し、弁の凹部55(および図1aに示すさらなる凹部56)がいずれもフレームの真下にあり、凹部55が図2に示す弁の開位置に位置合わせされる。油圧駆動部4からの軸方向の引きは、頂端部ユニット3上に、対応する均等に分配された下向きの力をかける。図1に示すように(フランジ900と固定プレート62との間に保持具541をきつく挟んで)固定プレート62に取り付けられた、追加フランジまたはプレート900が使用されるとき、油圧駆動部4からの軸方向の押しによって、頂端部ユニットが上向きに、すなわち底端部ユニット2から離れて動かされる。
【0060】
[0072]たとえば、頂端部ユニット3を所望の充填ベッド高さより上の所望の初期位置に配置するために、および追加プレート900が上記のように(および図1に全体的に示すように)取り付けられた状態で、カラムを充填のために準備するとき、駆動部4は、駆動要素5を上向きに駆動するように動作し、これによってまた、頂端部ユニット3が初期位置へと上向きに動かされる。追加プレート900は、以下で説明するように、たとえばスペーサカラーを用いる前、およびプライミング時に駆動要素5を下げる前に、続いて取り外される。
【0061】
[0073]図3から図5を参照すると、別の軸方向結合位置をもたらすために固定プレート62と頂部保持具541(図5)の間に導入することができる、取外し可能なスペーサカラー7が設けられており、この別の軸方向結合位置では、その弁が閉じられ、平坦な円筒形駆動要素のみがベッド空間内へと下方に延びるように、凹部55、56が、頂端部ユニットの中央開口より上に移動される。この図示の実施形態で、スペーサカラー7は、ピボット73によって結合された対向する半円形リム71、72を有する枢動枠として形成され、枠は、それが落下しないようにピボット73にて頂部固定プレート62に接合される。頂端部ユニットを固定した状態でカラムを通して駆動要素5を上方へと駆動することによって、その頂部部品は、スペーサリム71、72が共にナットの下で揺動し、リム先端の相互係止部品74内の位置合わせされた係止開口75を通る係止ピン76(図4)によって定位置に係止されるように、固定プレート62の上方に突出する。この位置で駆動部は、弁構造を閉じた状態で、引張荷重を上方端部に加えることができる。
【0062】
[0074]図6は、頂部弁を開くために駆動要素5が下げられ、水または20%エタノールなどの液体を、下方の移動相ポートまたは導管を通して送り込み、空気を頂部スラリーポートまたは導管を通して逃がすことが可能になる、プライミング段階を示す。(これはまた、頂部移動相ポートまたは導管を通って逃れる。)全ての空気が追い出されると、弁9(たとえば3方向弁)が切り替えられて、スラリーを、図7に示すように、スラリー供給部から頂部スラリー導管を通してカラム空間内へと下方に送り込む。過剰な液体は、底部移動相ポートまたは導管を通って流出する。底部透過性要素29は、充填ベッドとして蓄積する微粒子媒体を保持する。
【0063】
[0075]図8は、ロッド凹部にて錐形の中実面58を有する、中実ロッド構造の利点を示す。注入されたスラリーは、これらの錘形面に出会い、スラリー注入にわずかな非均一性をもたらすことがあるWO96/10451および同様の設計のノズル噴射とは対照的に、均一に、360°のパターンに広がる。
【0064】
[0076]ベッドを形成するための十分な媒体が注入されると、これを流入充填することができる。これは、ベッドをより密接に充填された状態へと押し付けるために、ベッドを通る駆動液体を利用する。これを図9に示す。油圧駆動部4は、張力駆動要素5を上方へと、頂端部ユニットを通り頂端部ユニットに対して最も高い位置へと駆動し、その中央弁を閉じるように操作される。スペーサカラー7は、この位置を係止するために保持具ナット541の真下に係合される。次いで液体を、図示のように、頂端部ユニットの移動相ポート(ここでは入口ポートとして示す)811を通し、頂部メッシュを通し、ベッドを通って下方へと送り込むことができる。
【0065】
[0077]図10は、頂端部ユニットを下方へと引くために駆動部4を使用することによる、代替のまたはさらなる段階を示し、ここでは頂部バルブが閉じられた状態で(すなわち頂端部ユニットMPおよびスラリーポートが閉じられている)カラム内の液体が、ベッドを流入充填するためにベッドを通して押され、底端部ユニットの移動相(出口ポートとして示す)811を通して、過剰な液体を押し出す。油圧駆動部4はこのために、加圧流体をピストン53上方で受けることができる。頂端部ユニット3がベッドの頂部に出会うとき、ベッドは捉えられ、使用準備状態となる。
【0066】
[0078]この段階の最後に、アキュムレータボトルを使用し、ベッドに恒常的に力を与えることによって、油圧駆動部4を加圧されたままにすることができ、あるいは、たとえばタイバーなどの支持ロッド、およびカラムハウジング上方に配置された調整用フランジ(たとえば、図1に示すような調整用フランジ703)によるなど、機械的手段によって、頂端部ユニットを定位置に係止することができる。
【0067】
[0079]ベッドを抜き出すためには、駆動要素5を十分に上昇させて、スペーサカラー7を取り外す。次いで駆動要素5は、その上方凹部55によって頂端部ユニットの弁の開状態がもたらされるまで、取付けプレート62を通って引き下げられる(図11)。下方凹部56は、ベッド空間内部を完全に通過し、その下方に離隔されることに留意されたい。
【0068】
[0080]この位置で(また図12に示すように)、媒体は、抜出し液体中へと噴霧し、スラリーポートのいくつかの吸引部と組み合わされた駆動要素5を通して端部プレートピストン3を徐々に引き下げることによりスラリー化された媒体を除去することによって、解体し、送り出すことができる。たとえば、図12は、抜出し液を内部に噴霧することを可能にし、スラリー化された媒体を頂端部ユニットスラリーポート812から引き出すことを可能にするように、弁9を動作させることができることを示す。崩壊およびスラリー化のためのさらなる液体は、頂部および/または底部の透過性要素を通して(たとえば移動相ポート811を通して)送り込むことができる。
【0069】
[0081]図13は、駆動要素5の下方凹部56が、底端部2の弁封止部と位置合せされそこでスラリー弁を開くところまで、頂端部ユニット3が引き下ろされた、最終段階を示す。この状態で、頂部および底部スラリー弁はいずれも開いており、残っている全てのスラリーは、容易に洗浄されカラム内部から排出することができる。
【0070】
[0082]カラムが使用されていないとき、頂端部ユニットを外し、(たとえば透過性要素29、39を交換するためなど)通常の保守のためのアクセス、およびその他を可能にすることができるように、保持具541を取り外すことができる。いくつかの実施形態では、保持具541が取り外された後、たとえば、フランジ900を把持し/取り付けて、頂端部ユニットをより容易に持ち上げることが可能になるように、フランジ900を固定プレート62に再び取り付けることができる。たとえば、フランジ900を把持し頂端部ユニットを所望の高さへと上向きに引いた後に、所望の数のタイロッド701を(たとえば保持器を用いて)締結して端部ユニットを定位置に保持することができ、必要に応じて所望の数の案内ロッドを取り外すことができ、フランジ900もまた取り外すことができ、および、透過性要素にアクセスしそれを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態による例示的なカラムの概略立面図である。
【図1a】本発明の別の実施形態による例示的なカラムを示す概略立面図である。
【図2】カラムの頂部弁の部分詳細図である。
【図3】駆動要素を頂端部ユニットに結合するために使用されるスペーサカラーを示す上面図である。
【図4】駆動要素を頂端部ユニットに結合するために使用されるスペーサカラーを示す接合部の詳細図である。
【図5】駆動要素を頂端部ユニットに結合するために使用される、スペーサカラーを示すin−situの概略断面図である。
【図6】使用中のカラムのプライミングを示す図である。
【図7】スラリーを用いたカラム充填を示す図である。
【図8】駆動要素上の弁動作間隙の詳細、および充填時のスラリーへの効果をを示す概略図である。
【図9】流入充填工程を示す図である。
【図10】油圧駆動部によって駆動される流入充填、またはベッドの捕捉を示す図である。
【図11】頂端部ユニットの抜取り位置への調整を示す図である。
【図12】進行中の抜取りを示す図である。
【図13】最終排出段階を示す図である。
【発明の背景】
【0001】
[0001]本発明は、クロマトグラフィーカラムおよびそれらを操作する方法に関する。詳細には、本発明は、使用時にカラムのベッド空間を占める微粒子媒体の充填および/または抜出しなど、カラム端部ユニットを動かすのに有用な構造および方法に関する。本発明は、いかなるサイズのカラムにも関し、特に、その内径が通常200mm以上、おそらく最高約3000mmとなることがある、工業的な分取クロマトグラフィーにおいて有用な種類の、より大きいカラムに関する。
【0002】
[0002]従来の工業規模のクロマトグラフィーカラムは、ほぼ常に円筒形の、管状側壁を有するカラムハウジング、および、使用時に微粒子媒体のベッドを収容するための閉鎖されたベッド空間を側壁と共に画成する、対向し軸方向に離隔された端部ユニット(一般にプレート、またはエンドプレートと呼ばれる)からなる。ほとんどの工程では、微粒子媒体は、分離される成分を含む液体(移動相)がカラム内を通過するときに動かない充填ベッドを形成するために、緊密に充填される。ただし、より緩やかに分散されまたは流動化/膨張された粒子ベッドをクロマトグラフィー工程に使用する、カラム/工程もある。
【0003】
[0003]カラム端部ユニットは、ベッド空間に適切な微粒子媒体を保持する透過性構造または要素と組み合わされた、移動相の液体が通過するための導管を有する。通常、透過性構造または要素は、カラムの端部を横断して延びる、液体を透過するが微粒子媒体を透過しない透過層(たとえばメッシュまたは焼結品)である。充填層カラムは一般に、そのような透過層をカラムの両端部に有する。
【0004】
[0004]通常、カラムは軸方向に直立し、すなわち、頂部および底部の端部ユニットを備え、以下では説明の便宜上これを前提とする。
【0005】
[0005]従来から、少なくとも1つの端部ユニットが、たとえばベッド空間の体積を調整することができるように、管状側壁と封止関係で軸方向に摺動可能である。頂端部ユニットが摺動可能なプレートを有し、底端部ユニットが固定された端部プレートを有することが多い。充填カラムを形成するとき、所望の深さの充填層を形成するために十分なスラリーでベッド空間を満たした後に、摺動可能なプレート(以下で説明するようにピストンまたは端部ユニットピストンと呼ばれる)は、2つの透過性端部構造の間でベッドが堅く捉えられるまで固定端部プレートに向かって動かされる。
【0006】
[0006]最近、スラリー弁を備える端部ユニットを有するクロマトグラフィーカラムが一般的になってきた。こうしたカラムでは、スラリーを流し込むために頂端部ユニットを取り外す必要がない。スラリーは、まずベッド空間からすべての空気を押し出し(カラムの「プライミング」と呼ばれる)、次いでベッド用の十分な媒体が存在するまで媒体を蓄積して、直接弁を通して送り込むことができる。次いで弁を遮断し、必要に応じて、ベッドを圧縮するために頂端部ユニットを下降させることができる。必要に応じて、次いで液体をベッドを通して流下することができ(「流入充填」と呼ばれる)、充填ベッドの上方に透明な上澄みが形成される。この下降流は、頂部ピストンが押し下げられるときに、液体の送込みをピストンが代わりに行うよう頂部弁を閉じることによって、維持することができる。クロマトグラフィーは、カラムを開くことを必要とせずに進行する。いくつかの変形では、使用済みのベッドも、弁を開き、キャリア液を送り込み、開いた弁からベッドをスラリーとして徐々に除去することによって、クロマトグラフィー後に端部ユニット内の弁を通して廃棄することができる。これらのスラリー弁の例が、スラリー制御用の制御された流れポートまたは導管の様々な構成、ならびに、ポートまたは導管を開閉するためのバルブ内の様々な機械的運動を用いる、WO96/10451、GB2258415、およびUS6117317に見られる。本発明の実施形態は、特に、バルブ制御されたスラリー流れポートまたは導管を一方または両方の端部に有するカラムに有用である。
【0007】
[0007]可動端部プレートの摺動運動を制御することには、特に大きいカラムで技術的に問題がある。一般的な端部ユニットは、管状側壁に接触し外側に向かってそれを封止する大直径ピストンを有し(または大直径ピストンであり)、それが動くとき、特にそれが充填工程においてベッド上へと軸方向に摺動するときに、正確に径方向平面に保たれなければならない。軸に安定的に直交させて維持するために、従来の構造は、底端部ユニットまたは底端部プレート内の取付け部からカラムハウジングの周りへと上方に延びる、垂直方向に調整可能な周辺支持ピラーを多数有する。「調整用フランジ」と呼ばれる頂部環状支持要素は、支持ピラー上で支持され、径方向内側にある程度延び、カラム内部に張り出す。次いで摺動端部ユニットは、ピストンを必要とされる可能性があるところまで管状ハウジング内へと下降させるために十分長い、一列の垂直支持ロッドによって調整用フランジから懸架される。いくつかの垂直ロッドは、固定され、案内部として機能し、調整用フランジ内の開口を通って摺動可能に延びる。その他のロッドは、調整用フランジに固定されており、カラム基部に取り付けられまたはそこにあり頂端部ユニットを上下に動かすように動作可能である駆動機構に結合される。駆動部は、ねじ作動式または油圧式、自動、あるいは手動とすることができる。
【0008】
[0008]いずれを使用しても、端部ユニットを正確な高さに維持すること、すなわちすべての周囲駆動ロッド内で正確に同じ運動を実現することには、重大な困難が伴う可能性がある。油圧駆動を用いて、周方向に分布する各ユニットにおける力/位置を適当に同等にするための、特別なシステムを利用することができる。ただし、それらは高価および複雑である。さらに、クロマトグラフィーカラム周囲の空間は、非常に重要である。上述の固定されたピラーおよび駆動ロッドは既に、たとえば交換用透過層の取外し/挿入などの保守操作のためにカラム内部にアクセスすることが困難になり得るほど、カラム周囲で障害物となる。さらなる駆動制御機構に伴い、障害および複雑さが増すことは極めて望ましくない。
【発明の概要】
【0009】
[0009]本発明の一実施形態によれば、クロマトグラフィーカラムは、特に端部ユニットを軸方向に駆動するのに使用するための、しかし、さらにまたは代替として端部ユニットにてスラリー流を制御するのに使用するための、カラムベッド空間を通るカラム端部ユニットへの内部結合部を提供する。カラムの使用によって、カラムの充填および抜取りに有用な様々な動作方法がもたらされ、それらはまた、本発明の実施形態であり、以下で説明する。
【0010】
[0010]一実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、管状側壁を備えるハウジングと、微粒子媒体のベッドを収容するための閉鎖されたベッド空間を側壁と共に画成する、対向し軸方向に離隔され、少なくとも一方が軸方向に摺動可能である端部ユニットと、摺動可能な端部ユニットに結合され、カラムベッド空間の内部に延びる軸方向駆動要素と、反対側の端部ユニット上またはその向こう側に配置され、駆動要素に結合された駆動部とを具備する。
【0011】
[0011]本発明の一実施形態によるクロマトグラフィーカラムは、内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、ハウジングがその上に軸方向垂直に取り付けられ、底端部ユニットを通る開口部を有する底端部ユニットと、ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットであって、上面、下面を備え、さらに、頂端部ユニットの上面および下面を貫通し底端部ユニット内の開口部と軸方向に位置合せされる第1の弁の開口部を有する第1の弁をさらに備える、頂端部ユニットと、頂端部ユニットの上面に結合され、第1の弁の開口部および底端部ユニット内の開口部と軸方向に位置合せされる開口部を備えるフレームと、底端部ユニット内の開口部、管状ハウジングの内部空間、第1の弁の開口部、およびフレーム内の開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に可動な駆動要素とを具備し、駆動要素がさらに第1の弁の凹部を備え、第1の弁の凹部は、第1の開口部を通して動かすことができ、駆動要素の軸方向運動によって、第1の弁の凹部が第1の弁の開口部の内外に動かされる。
【0012】
[0012]別の実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、ハウジングがその上に軸方向垂直に取り付けられ、底端部ユニットを通る開口を有する底端部ユニットと、ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットであって、上面、下面、および、上面および下面を貫通する頂端部ユニット開口部を有し、開口部が底端部ユニットの開口部と軸方向に位置合せされた、頂端部ユニットと、頂端部ユニットの上面に結合され、頂端部ユニット開口部および底端部ユニット開口部と軸方向に位置合せされた開口部を備えるフレームと、底端部ユニットの開口部、管状ハウジングの内部空間、頂端部ユニットの開口部、およびフレーム内の開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に可動な駆動要素と、駆動要素に結合可能でありフレームの直径よりも大きい直径を有する保持具とを具備し、保持具が駆動要素に結合された後に、駆動要素の軸方向運動によって頂端部ユニットがハウジング内で摺動式に動かされる。
【本発明の詳細な説明】
【0013】
[0025]ハウジングを備え、内部ベッド空間および対向する端部ユニットを有する、クロマトグラフィーカラムの一実施形態では、カラムベッド空間内で内部へと延びる軸方向駆動要素が、軸方向に摺動可能なカラム端部ユニットに結合され、反対側の端部ユニット上またはその向こう側で駆動部に結合される。軸方向駆動結合構造をベッド内に設けることによって、カラムハウジング外部のかさばる支持および駆動構造を、削減しまたはなくすことができる。
【0014】
[0026]都合が良いことに、ベッド空間を通って軸方向に延びベッドと接触する駆動要素は、必ずしもクロマトグラフィーの性能に深刻な影響を与えないことが見出されている。
【0015】
[0027]当然、内部駆動要素は、好ましくは中心対称性である。摺動可能な端部ユニット上の中心で作用するようにカラムの中央軸上を延びる、単一の駆動要素を有することが好ましい。そのような駆動要素から摺動可能な端部ユニットへと軸方向張力を伝達するための適当な結合構造を設けることによって、軸に対する端部ユニットの直交性を維持するための余分な方策を大幅に単純化し、またはなくすことも可能になる。カラムの好ましい一実施形態で、駆動要素(たとえば中央単一ロッド)は、端部ユニット内を通過する。これは端部ユニットの外側の中心で、たとえば、その一方の端部ユニットの表面の向こう側に離隔された位置にて、フレームを備える力分配要素に結合し、このフレームは、張力駆動要素への中央結合部、および端部ユニットの外側への周方向に分配された(1つまたは複数の)結合部または構造を有する。力分配要素は、駆動要素への結合部用の中心ユニオンを備えるフレーム、および、径方向外側へと突出し端部ユニットとの結合部へと(軸方向)内側に延びる、複数の等間隔に離隔されたリムを備えることが好都合である。
【0016】
[0028]好ましくは、たとえば単一の中央ロッドなど内部駆動要素は、端部ユニット構造(その透過性要素を含めて)を通って軸方向に摺動可能であるが、軸方向運動を駆動するために、駆動要素/端部ユニットの1つまたは複数の所定の相対軸方向位置にて、端部ユニット構成に軸方向に結合することもできる。一実施形態では、望まれる場合、この解放可能な係合によって、結合具の駆動部を動作させることなく端部ユニットの運動を可能にすることができる。別の実施形態では、これは、端部ユニットの局部的な運動のみを制御するために駆動要素を使用することによって、駆動の有効な軸方向範囲を拡大または移動させることができ、より大きい運動は、駆動要素と非結合状態にされて行われる。駆動のための軸方向係合部は、一方向のみの駆動(通常駆動要素を伸張する方向の)が用いられる場合、1方向にのみ係止することができる。すなわち、適切な係止は、圧縮性のスペーサ構造によって実現可能とすることができる。別の実施形態では、駆動要素と端部ユニットとの相対運動によって、駆動要素が端部ユニットの制御機構の、特にスラリーポートまたは導管流れ制御部内の動作部品として機能することを可能にすることができる。すなわち、係止構成は、駆動要素が弁動作部材を構成しまたは弁動作部材と結合される充填弁の様々な相対的な状態に対応して、中心駆動要素を対応する駆動可能な端部ユニットに対して(好ましくは軸方向に異なる)2つ以上の利用可能な位置のうちの選択された1つにて保持するために、設けることができる。
【0017】
[0029]内部駆動要素構造(たとえば単一の中央ロッド)を利用するために、カラムの反対側の端部の/端部の向こう側にある対応する駆動部もまた、単一中央駆動部、好ましくは加圧流体(気体または液体)によって作動される駆動部、および最も好ましくは油圧駆動とすることができる。たとえば、油圧ラムは、下方端部ユニットまたはカラムの取付け端部プレートの下側に取り付けることができ、(1つまたは複数の)駆動要素は、その下方端部ユニットまたは端部プレートを通って摺動可能に上方に延びる。任意で、摺動可能な駆動要素は、下方ユニット/プレートに対する、および(またはその代わりに)上方端部ユニットのための、上記のような弁機能の動作など動作相互作用をもたらすことができる。
【0018】
[0030]本発明の別の実施形態では、アクセス弁アセンブリは、スラリー流れを、端部ユニットを通してベッド空間に対して充填し、および/または抜き出すための、スラリーポートまたは導管を備える。端部ユニットの典型的な実施形態は、弁の開口部を備え弁スリーブ部分を有する弁を含み、上記で議論したような軸方向内部駆動要素(たとえばロッド)は、対応する弁導管を様々な(たとえば開および閉)状態の間で切り替えるように、前記スリーブ内でそれらの間の相対運動、好ましくは軸方向運動によって働く、中央要素を構成する。すなわち、弁オリフィスは、閉状態でロッドの全直径部分を封止し、開状態で凹部または直径が低減されたロッド部分と位置合せされてそれらの間の流れを可能にする、1つまたは複数のランドを有することができる。好ましくは、オリフィス構造は、端部ユニットに対して固定され、端部ユニットに対する駆動要素の運動によって、弁状態を調整する。ただし、可動オリフィスまたはスリーブをその代わりに使用することができる。当業者である読者はまた、隣接する関連位置が開く閉状態をもたらすために(すなわち駆動要素の相対的な凹部を有する代わりに)駆動要素上の局部的なランドを使用することができることを理解するであろう。ただし、端部ユニットを通してロッドをかなりの範囲動かすことができることが望ましい場合は、凹部付きロッドが好ましい。というのも、それによってあらかじめ決められた封止状態がもたらされるためである。
【0019】
[0031]一実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、管状側壁を備えるハウジングと、微粒子媒体を収容するための閉鎖されたベッド空間を側壁と共に画成し、端部ユニットの少なくとも一方が軸方向に摺動可能である、対向し軸方向に離隔された端部ユニットと、摺動可能な端部ユニットに結合され、カラムベッド空間内へと内側に延びる軸方向駆動要素と、反対側の端部ユニット上またはその向こう側に配置され、駆動要素に結合された駆動部とを具備する。好ましい一実施形態では、駆動要素は、ハウジングに対して中心対称性に配置される。
【0020】
[0032]カラムの一実施形態において、カラムは、中心軸を有し、駆動要素は、中心軸に沿って延び摺動可能な端部ユニット上の中心で作用する単一駆動要素である。
【0021】
[0033]通常、カラムの摺動可能な端部ユニットは、開口部を備え、その開口部を通って駆動要素が延びる。
【0022】
[0034]一実施形態では、クロマトグラフィーカラムはさらに、摺動可能な端部ユニットの外面上に力分配器を備え、駆動要素が、力分配器に結合される。いくつかの実施形態では、力分配器は、分配器を駆動要素に解放可能に結合する結合具を備え、および/または力分配器は、駆動要素に結合される中央ユニオンと、端部ユニットの外面上に周方向に分布する接合部へと径方向および軸方向に延びる、等間隔に離隔された複数のリムとを備える。
【0023】
[0035]一実施形態では、結合具は、摺動可能な端部ユニットと駆動要素とを1つまたは複数の所定の相対軸方向位置で結合する、係止要素を備える。あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、結合具は、圧縮性のスペーサ要素を備える。
【0024】
[0036]好ましい一実施形態では、摺動可能な端部ユニットの開口部は、充填弁を有するスラリー導管を備える。
【0025】
[0037]通常、駆動要素は、充填弁の作動部材に結合され、またはそれを構成する。
【0026】
[0038]好ましい一実施形態では、充填弁は、閉状態で作動部材の全直径部分を封止し、開状態で作動部材の凹部または直径が低減された部分と位置合せされてそれらの間の流れを可能にする1つまたは複数の封止ランドを有する、オリフィスを備える。いくつかの実施形態では、オリフィスは、環状間隙を備え、作動部材は、弁からベッド空間内へと放出されるスラリーを偏向させるための、傾斜した衝突面を備える。
【0027】
[0039]本発明によるクロマトグラフィーカラムのいくつかの実施形態によれば、各端部ユニットは、中央開口部を備え、その開口部を通って駆動要素が延びる。必要に応じて、各開口部は、弁を備えることができ、駆動要素は、弁のための作動部材に結合されまたはそれを構成する。好ましい実施形態では、各弁は、閉状態で作動部材の全直径部分を封止し、開状態で作動部材の凹んだまたは直径が低減された部分と位置合せされてそれらの間の流れを可能にする1つまたは複数の封止ランドを有する、オリフィスを備える。
【0028】
[0040]本発明の別の実施形態によるクロマトグラフィーカラムは、内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、ハウジングをその上に軸方向垂直に取り付けることができ、底端部ユニットを通る開口部を備える底端部ユニットと、上面、下面を有し、さらに、頂端部ユニットの上面および下面を貫通し底端部ユニット内の開口部と軸方向に位置合せされる第1の開口部を有する第1の弁の開口部を備えハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットと、頂端部ユニットの上面に結合されており、第1の弁の開口部および底端部ユニット内の開口部と軸方向に位置合せされた開口部を備えるフレームと、底端部ユニット内の開口部、管状ハウジングの内部空間、第1の弁の開口部、およびフレーム内の開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に運動可能な駆動要素とを具備し、駆動要素がさらに、第1の開口部を通って運動可能な第1の弁の凹部を備え、駆動要素の軸方向運動によって、第1の弁の凹部が弁の第1の弁の開口部の内外へと動かされる。
【0029】
[0041]別の実施形態では、クロマトグラフィーカラムが、内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、ハウジングがその上に軸方向垂直に取り付けられ、底端部ユニットを通る開口部を有する底端部ユニットと、上面、下面、ならびに、上面および下面を貫通し、底端部ユニットの開口部と軸方向に位置合せされた頂端部ユニット開口部を有する、ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットと、頂端部ユニット開口部および底端部ユニット開口部と軸方向に位置合せされた開口部を備える、頂端部ユニットの上面に結合されたフレームと、底端部ユニット開口部、管状ハウジングの内部空間、頂端部ユニットの開口部、およびフレーム内の開口部を通って延びる、ロッドを備える軸方向に可動な駆動要素と、フレームの開口部直径よりも大きい直径を有し、駆動要素と結合可能な保持具とを具備し、保持具が駆動要素に結合された後に、駆動要素の軸方向運動によって、頂端部ユニットがハウジング内で摺動式に動かされる。
【0030】
[0042]一実施形態で、カラムは駆動要素に結合可能な保持具をさらに備え、保持具は、フレームの開口部直径よりも大きい直径を有し、保持が駆動要素に結合された後に、駆動要素の軸方向運動によって頂端部ユニットがハウジング内で摺動式に動かされる。
【0031】
[0043]いくつかの実施形態では、カラムはさらに、第2の弁を備える。たとえば、一実施形態では、カラムの底端部ユニットは、底端部ユニット内の開口部に挿入され第2の弁の開口部を備える、第2の弁をさらに備え、駆動要素は、第2の弁の開口部を通して動かすことができる第2の弁の凹部をさらに備え、駆動要素の軸方向運動によって、第2の弁の凹部が第2の弁の開口部の内外に動かされる。
【0032】
[0044]典型的な一実施形態で、第1の弁は、少なくとも1つのポートを備える第1の弁アセンブリを備え、第1の弁アセンブリは、第1の弁の開口部を備える。第1および第2の弁を備えるいくつかの実施形態では、第2の弁は、少なくとも1つのポートを備える第2の弁アセンブリを備え、弁アセンブリは、第2の弁の開口部を備える。第1の弁アセンブリおよび/または第2の弁アセンブリは、少なくとも2つのポートを備えることができる。
【0033】
[0045]カラムの好ましい実施形態では、カラムは、駆動要素を軸方向に動かすラムをさらに備える。いくつかの実施形態では、駆動要素が第1の端部および第2の端部を有し、第1の端部がねじ切りされた部分を備え、および/または、第2の端部がピストンを備える。
【0034】
[0046]いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、フレームと保持具の間、および駆動要素の一部の周りに挿入可能なカラーをさら備える。
【0035】
[0047]一実施形態では、駆動要素は、軸方向に異なる2つ以上の位置の間で移動可能である。
【0036】
[0048]好ましくは、駆動要素は、管などの中空ロッドではなく、中実ロッドである。中実ロッドは、上記諸実施形態の駆動に望ましい強度をもたらす。上記文書のWO96/10451(Euroflow社)では、中空ロッドが噴霧ノズルとして使用された。しかし、ロッドとオリフィス開口との間の間隙を通して、カラム内へとスラリーを噴霧することが等しく実行可能である。実際、この環状間隙を制作することによって、径方向に方向付けられた複数の開口部を有するノズルに比べて、カラムの周りのより均一なスラリーの分配を実現することができる。ロッドの環状凹部は、弁から放出されるスラリーを径方向外側にカラムベッド空間内部へと偏向させるための、滑らかな錐形表面など傾斜した衝突面を有することができる。
【0037】
[0049]中央ロッドの周りからスラリーを内部へと噴霧すること、特に上記のような傾斜した衝突面を用いて噴霧することは、それ自体新規であり、ロッドが駆動要素の一部であるかその他であるかとは無関係に、本発明の一独立実施形態である。
【0038】
[0050]いずれにしても、カラムは、スラリーを噴射するための、またはカラムを下方から充填するときに空気を外に出すための、そのような弁を頂部に有することができる。カラムは、スラリーをカラムの外に洗い出す(抜き出す)ために、そのような弁を底部に有することができる。または、そのような弁を、頂部および底部の両方に設けることができる。後者の場合、単一の中央駆動要素は、頂部および底部弁両方の作動部材として作用する。駆動要素は、(たとえばランドまたは凹部によって)2つの弁のうちの1つのみを一度に動作させるようになすことができる。または、駆動要素は、2つの端部ユニットが適当な軸方向間隔にあるときに、たとえば頂部および底部端部ユニットの間隔がロッド凹部の間隔に対応し、ロッド凹部が頂部および底部弁ランドと位置合せされるとき頂部および底部弁の両方が開かれるように、駆動要素が頂部および底部弁の両方を一度に作動させることを可能にする、複数の弁作動特徴(たとえば軸方向に離隔された凹部など)を有することができる。
【0039】
[0051]典型的な実施形態は、単一スラリーポートまたは導管の、弁による流れ調節に関する。通常、端部ユニットは、クロマトグラフィーのために後方で透過性保持構造のみと連通する、別個に制御される移動相ポートまたは導管を有する。しかし、必要に応じて、たとえば、循環もしくは現場洗浄機能性、および/またはたとえばWO96/10451(Euroflow社)で提案されるような同じ弁を用いた充填および抜出し能力などのために、さらなる導管を設けることができる。
【0040】
[0052]本発明の一実施形態は、内部ベッド空間を形成する円筒形側壁を有するクロマトグラフィーカラムと、カラムがその上に軸方向垂直に取り付けられる固定された底端部ユニットと、管状ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットと、頂端部ユニット内の中央弁の開口部と、頂部プレート上にフレームを備える力分配構造と、頂端部ユニットの中央弁の開口部を通って延びるロッドを備え、軸方向駆動部をその上の力分配構造に連結するように結合可能な中央張力駆動要素と、底端部ユニットの下に取り付けられた油圧ラムなど駆動部とを備える装置であって、張力駆動要素は、カラムの内部ベッド空間を通り、それを軸方向に動かすように動作可能な駆動部へと下方に延び、張力駆動要素は、カラム外部と内部ベッド空間との間に連通する導管内で弁として作用するように、頂端部ユニットの相補的な部分的な部分と協働するようになされた、1つまたは複数の部分を有し、駆動要素によって頂端部ユニットの軸方向位置を調整するために、駆動部を使用することができ、さらに、上述の弁を開および閉状態の間で調整するために、駆動要素を頂端部ユニットに対して軸方向に動かすことができる。
【0041】
[0053]ベッド空間を通って下方に延びるロッドを有することは、ベッドが可能な限り均一となるべきであることが前提とされる通常の慣例から根本的に逸脱している。ただし、本発明によれば、ロッドに近接する局部的な不連続は、一般に重大な不利点ではなく、いずれにしても側壁に近接する領域よりも体積がかなり小さいことが見出されている。さらに、中央ロッドが充填/抜取り弁の中央弁部材として作用する、本発明による構造では、充填/抜取り弁を使用する従来のカラムと比べた場合、これは不利ではない。こうした従来のカラムには、中央弁のちょうど反対側に小さな「デッドスポット」がある(そこには透過性のメッシュが存在しないためである)。このデッドスポットを、カラムの長さに沿った中実ロッドでふさぐことは、より不利となる問題に影響を及ぼさず、実際、それによって分配バンドにおける全体的な、中央における乱れの要素を低減させることができる。
【0042】
[0054]本発明による装置の実施形態に関連して、本発明の実施形態は、多くの対応する新しい操作工程を含む。
【0043】
[0055]まず、および一般に、本発明による方法の実施形態は、上記で議論したいずれかのクロマトグラフィー装置を使用するクロマトグラフィーを包含する。これは、カラムの充填、カラムの稼働、およびカラムの抜出しのうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。この方法の実施形態はまた、たとえば透過層の取外し/挿入など、保守操作を含むこともできる。有利には、透過層は、カラムの構成要素を支持するクレーンを使用せずに、取外し、交換することができる。
【0044】
[0056]本発明による一実施形態では、ある工程は、カラム内に微粒子媒体のベッドを形成することを含み、この方法は、媒体のスラリーを、その端部ユニットスラリーポート、好ましくは上記のような弁で調節されるポートを通してカラムベッド空間内へと通過させること、および、微粒子媒体をベッド空間に蓄積することを含む。過剰なキャリア流体は、たとえば反対側の端部ユニットの透過性要素を通って、外部へと通過することができる。通常、スラリーは頂部から充填され、過剰な液体は、底部にある移動相ポートを通って流出する。これは、中央駆動要素を、スラリーが送り込まれる端部ユニットに対する弁開位置に駆動することを含む。
【0045】
[0057]さらに、または代替として、本発明による方法の別の実施形態は、カラム内にスラリーを充填することを含み、カラム内で、弁部材を形成する中央駆動要素が、流入するスラリーを拡散させる下方スラリー衝突面を備える環状の360°の凹部を有する。
【0046】
[0058]本発明の別の任意の実施形態は、所期のベッド高さをもたらすために十分な媒体が送り込まれた後に、流入充填を含む。この実施形態によれば、可動端部ユニットは、(駆動部を用いて)ベッド空間内の微粒子のかたまりより上に離隔され、間に液体を有する位置となる(またはそれに隣接する)。頂端部ユニット内にあるいかなるスラリーポートも、たとえば、中央駆動要素を端部ユニットに対して調整することによって閉じられる。次いで液体は、端部ユニットの全領域でカラム内へと放出されるように、頂部移動相導管を通して送り込まれ、ベッドを通過し、同様にその透過性要素を通って反対側の端部を離れる。微粒子ベッドを通る液体の下向きの流れは、充填を強化する。
【0047】
[0059]この方法の別の実施形態では、別個のまたはさらなる充填段階で、通常頂端部ユニットである可動端部ユニットを微粒子ベッドの頂部上へと引くために、内部駆動要素を使用する。通常、可動端部ユニットの移動相ポート(入口)が遮断され、可動端部ユニットが微粒子から依然離隔されている少なくとも1つの位相で、液体が駆動されるにつれて流入充填が行われるように、対向端部ユニットの移動相ポートが開く。この手順で、内部駆動要素は、完全に径方向に、すなわち軸に対して直角に、端部ユニットをまたは端部ユニットピストンを動かし続けることができる。
【0048】
[0060]ベッドが充填されると、駆動機構を付勢し続けることによって、または機械的係止部によって、可動端部ピストンを定位置に保持することができる。
【0049】
[0061]さらなる実施形態では、記載されたような中央駆動要素を端部ユニットに対して動かして、その端部ユニット内のスラリー導管の弁を閉から開位置へと調整し、ベッド媒体をスラリーとして開いたバルブから流出させるために液体を送り込むことによって、充填カラムが非充填状態にされる。たとえば、頂端部ユニット弁を、(中央ロッドを摺動させることによって)開き、媒体を崩すため液体を噴霧することができ、次いでそれを、ピストン端部にて駆動要素を用いて頂端部ユニットのピストンを徐々に下降させることによって、吸い出し、および/または押し出すことができる。
【0050】
[0062]上記のものと組み合わせることができる別の任意の実施形態は、中央駆動要素(たとえばロッド)が、たとえば環状凹部など2つの軸方向に離隔された凹部を有する排出動作であり、端部ユニットまたは端部プレート間の間隔が凹部の間隔と一致し、それらの弁が両方開くように凹部が端部ユニットまたはプレートと位置合せされるまで、頂端部ユニットを底端部ユニットに漸次近付けて下降させることを含む。次いで液体を、頂部開口部を通して自由に送り込むことができ、残存するスラリーが、開いた底部弁を通って流出する。
【0051】
[0063]次に、本発明の各構成要素を以下で詳細に説明し、同様の構成要素は同様の参照番号を有する。
【0052】
[0064]図1および図1aに示す本発明の実施形態を参照すると、ハウジング10を有する大型の工業用クロマトグラフィーカラム100が、管状の鋼鉄カラム側壁1、固定された底端部2、および摺動可能な頂端部ユニット3を備える。図1はまた、調整用フランジ700と、たとえば頂端部ユニット3を定位置に係止するための、摺動可能頂端部3およびカラムハウジング上に配置される垂直支持ロッド(案内ロッド702およびタイロッド701として示す)とを備える、調整可能なフレーム700を示す。図1はまた、追加フランジまたはプレート900、ならびに、たとえばカラム充填の準備時など所望されるときに頂端部ユニットの上方向運動を可能にするための、支持部901(ボルトとして示す)を示す。以下でより詳細に説明するように、図1はまた、保持具541および固定プレート62も示す。図示を容易にするために、図1は、追加フランジ900の下面と保持具541の上面との間の間隔、および保持具541の底面と固定プレート62の頂面との間の間隔を示す。ただし、追加フランジ900は使用されるとき、保持具541がフランジ900と固定プレート62との間で固定されるように、たとえば支持具901を締めることによって固定される。その他の図には示さないが、調整フレームおよび/または追加フランジもしくはプレートは、本発明のいかなる実施形態で使用することもできる。
【0053】
[0065]図1および図1aに示す実施形態では、頂端部ユニット3は、当分野で知られるようにカラム壁部の内側に係合する、外側に方向付けられた環状封止部31を有する。底端部ユニットはまた、固定された環状封止部21によって上方のカラム壁部に対して封止される。この図示の実施形態では、底端部ユニット2は、当分野で知られるように車輪付き支持部11上に立つ。構成部品は鋼鉄製であるが、透明の合成カラムチューブなど、その他の材料も可能である。ラムなどの油圧駆動部4は、底端部ユニット2の真下で中心に固定される。その駆動要素5(たとえばロッド)は、底端部ユニット2の中央開口を上向きに通り、カラム管中心軸を上向きに、対向する頂端部ユニット3内の中央開口を通って延びる。駆動用の駆動流体は、それが駆動要素に接触する可能性がある場合、カラム内部の状態との適合性によって選択することができる。適当な駆動流体は、限定ではないが、水、特に精製/滅菌水(たとえば「注射用蒸留水」)、またはグリセロール、またはグリセロール/水の混合物を含む。あるいは、空圧駆動を使用することもできる。
【0054】
[0066]フレーム6を備える力分配要素が、頂端部ユニット3の頂部に固定されており、頂端部ユニット3は、好ましくは3つまたは4つの等間隔に離隔された脚部61を有し、脚部61は、その外側端部が頂端部ユニットの縁部付近にボルト付けされており、固定プレート62にて、駆動要素5がそこを通ることができる中央開口と中心で出会う。
【0055】
[0067]駆動要素5の底端部は、油圧駆動部4内で動作可能なピストン53を担持する。駆動要素5の頂端部は、その先端にて固定ねじ部54を有し、その下方に間隔をおいて、第1の環状凹部55、および(任意で)第2の同様の形状の環状凹部56(図1aに示す)を有する。この図示の実施形態では、凹部または各凹部55、56は、中央円筒形くびれ59および上方および下方円錐部分58を有する(図8参照)。以下でより詳細に説明しまた図2に示すように、凹部が、(たとえば、弁が環帯55、および1つまたは複数の封止部または封止ランド352を備える)弁の開口部と位置合わせされるとき、間隙が設けられ、弁が開位置となる。
【0056】
[0068]通常、カラムは、直径200mmから2000mmである。図示したものは、例示用の400mmカラムを表す。中央駆動要素5は、好ましくは、カラムが加圧流体で満たされたときに外向きの荷重を頂端部ユニット3上に送ることができる、高張力鋼の中実鋼鉄ロッドである。400mmのカラムでは、その力は3または4メートルトン、あるいは最大でそれ以上になることがある。
【0057】
[0069]各頂端部および底端部ユニット2、3は、プレートアセンブリ20、30を備え、プレートアセンブリは、中実の鋼鉄外部プレート27、37と、多くの流体流れ案内チャネル(図示せず)が加工されたわずかに凹状の流れ制御面を形成する内部の機械加工されたプレート28、38と、プレートアセンブリの内面全体にわたり縁部封止部によって締付けられた好ましくは平坦なメッシュ(または焼結)ディスクである、透過性要素29、39とを備える。透過性要素の裏側は、表面加工されたチャネルプレート28、38上の支持フィンの縁部に後方を接触させて載る。要素の中心は、他の2つの端部ユニットを貫通する中央穴と位置合わせされた穴を有し、それらの穴の中に、スラリー弁アセンブリ8を備える弁が取り付けられる。図示のスラリー弁アセンブリは、端部ユニットの裏側内へと窪んだ弁ブロック81を有し、透過性要素39の中心を支持および保持する前方管状延長部を備える、管状の軸方向オリフィスを画成する。弁ブロックは、スラリーが通過するための、中心へと拡張された開口82を有する。管状弁スリーブの前方開口にて、図示の弁は、前方リングフランジ351を有する中実のスリーブまたは環帯35(図2も参照)を有し、この前方リングフランジ351は、透過性要素39の円形内縁部を締付け、金属管状弁構造内へとねじ込まれる。弁は、後方で端部ユニットを通して外部結合ポートと連通する。図1に811で印される一方のポート(以下、ポート811を「MPポート」または「移動相ポート」と呼ぶ)は、移動相液体用であり、透過性要素と表面加工された内部プレートとの間の流れチャネル空間内へと連通する。このポートを通して送り込まれる液体は、透過性要素39を通して、一般にクロマトグラフィーのためにベッド面の全領域上に流れる(ただし以下を参照)。図1に812で印される別のポート(以下、ポート812を「スラリーポート」と呼ぶ)は、環状弁スリーブと直接連通し、それが開くと、カラム内部と直接、すなわち透過性要素39を通さずに連通する。3つのポート構造を記載するWO96/10451を参照すると、そこで「廃棄ポート」と呼ばれるポートが、ここでは「スラリーポート」となり得る。
【0058】
[0070]中央駆動要素5は、この中央弁の可動操作部材として作用する。駆動要素5は、カラムスペースの内外へと動かなくてはならないなので、(WO96/10451の注入器ノズルと異なり)封止リングを担持しない。その代わりに、封止リングなど1つまたは複数の封止部または封止ランド352が、環帯35の内面上に取り付けられる。駆動要素5の凹部55が1つまたは複数の封止部352と位置合わせされると、間隙ができ、弁が開きスラリーを内部または外部へと通過させることが可能になる。駆動要素5の完全な直径は、封止環帯35と向かい合わせになるとき、(1つまたは複数の)封止部を封止し、ポートが完全に閉じられる。金属弁ブロック81内へとねじ込まれる環帯は、好ましくは、金属ロッド5の汚損を避けるための、PEEKなどのエンジニアリングプラスチックである。
【0059】
[0071]図3から図5は、頂端部ユニット3の頂部上のフレームを備える、例示的な力分配構造のさらなる詳細をいくつか示す。図1および図1aも参照されたい。図示の力分配フレーム6は、駆動要素5がその中を通ることができる中央孔を備える、頂部固定またはフレームプレート62を有する。ロッドの端部ねじ部54上にねじ込まれるナットなど保持具541は、ロッドがこの孔を通って引き下げられることを妨げ、構造の第1の軸方向結合位置を提供し、弁の凹部55(および図1aに示すさらなる凹部56)がいずれもフレームの真下にあり、凹部55が図2に示す弁の開位置に位置合わせされる。油圧駆動部4からの軸方向の引きは、頂端部ユニット3上に、対応する均等に分配された下向きの力をかける。図1に示すように(フランジ900と固定プレート62との間に保持具541をきつく挟んで)固定プレート62に取り付けられた、追加フランジまたはプレート900が使用されるとき、油圧駆動部4からの軸方向の押しによって、頂端部ユニットが上向きに、すなわち底端部ユニット2から離れて動かされる。
【0060】
[0072]たとえば、頂端部ユニット3を所望の充填ベッド高さより上の所望の初期位置に配置するために、および追加プレート900が上記のように(および図1に全体的に示すように)取り付けられた状態で、カラムを充填のために準備するとき、駆動部4は、駆動要素5を上向きに駆動するように動作し、これによってまた、頂端部ユニット3が初期位置へと上向きに動かされる。追加プレート900は、以下で説明するように、たとえばスペーサカラーを用いる前、およびプライミング時に駆動要素5を下げる前に、続いて取り外される。
【0061】
[0073]図3から図5を参照すると、別の軸方向結合位置をもたらすために固定プレート62と頂部保持具541(図5)の間に導入することができる、取外し可能なスペーサカラー7が設けられており、この別の軸方向結合位置では、その弁が閉じられ、平坦な円筒形駆動要素のみがベッド空間内へと下方に延びるように、凹部55、56が、頂端部ユニットの中央開口より上に移動される。この図示の実施形態で、スペーサカラー7は、ピボット73によって結合された対向する半円形リム71、72を有する枢動枠として形成され、枠は、それが落下しないようにピボット73にて頂部固定プレート62に接合される。頂端部ユニットを固定した状態でカラムを通して駆動要素5を上方へと駆動することによって、その頂部部品は、スペーサリム71、72が共にナットの下で揺動し、リム先端の相互係止部品74内の位置合わせされた係止開口75を通る係止ピン76(図4)によって定位置に係止されるように、固定プレート62の上方に突出する。この位置で駆動部は、弁構造を閉じた状態で、引張荷重を上方端部に加えることができる。
【0062】
[0074]図6は、頂部弁を開くために駆動要素5が下げられ、水または20%エタノールなどの液体を、下方の移動相ポートまたは導管を通して送り込み、空気を頂部スラリーポートまたは導管を通して逃がすことが可能になる、プライミング段階を示す。(これはまた、頂部移動相ポートまたは導管を通って逃れる。)全ての空気が追い出されると、弁9(たとえば3方向弁)が切り替えられて、スラリーを、図7に示すように、スラリー供給部から頂部スラリー導管を通してカラム空間内へと下方に送り込む。過剰な液体は、底部移動相ポートまたは導管を通って流出する。底部透過性要素29は、充填ベッドとして蓄積する微粒子媒体を保持する。
【0063】
[0075]図8は、ロッド凹部にて錐形の中実面58を有する、中実ロッド構造の利点を示す。注入されたスラリーは、これらの錘形面に出会い、スラリー注入にわずかな非均一性をもたらすことがあるWO96/10451および同様の設計のノズル噴射とは対照的に、均一に、360°のパターンに広がる。
【0064】
[0076]ベッドを形成するための十分な媒体が注入されると、これを流入充填することができる。これは、ベッドをより密接に充填された状態へと押し付けるために、ベッドを通る駆動液体を利用する。これを図9に示す。油圧駆動部4は、張力駆動要素5を上方へと、頂端部ユニットを通り頂端部ユニットに対して最も高い位置へと駆動し、その中央弁を閉じるように操作される。スペーサカラー7は、この位置を係止するために保持具ナット541の真下に係合される。次いで液体を、図示のように、頂端部ユニットの移動相ポート(ここでは入口ポートとして示す)811を通し、頂部メッシュを通し、ベッドを通って下方へと送り込むことができる。
【0065】
[0077]図10は、頂端部ユニットを下方へと引くために駆動部4を使用することによる、代替のまたはさらなる段階を示し、ここでは頂部バルブが閉じられた状態で(すなわち頂端部ユニットMPおよびスラリーポートが閉じられている)カラム内の液体が、ベッドを流入充填するためにベッドを通して押され、底端部ユニットの移動相(出口ポートとして示す)811を通して、過剰な液体を押し出す。油圧駆動部4はこのために、加圧流体をピストン53上方で受けることができる。頂端部ユニット3がベッドの頂部に出会うとき、ベッドは捉えられ、使用準備状態となる。
【0066】
[0078]この段階の最後に、アキュムレータボトルを使用し、ベッドに恒常的に力を与えることによって、油圧駆動部4を加圧されたままにすることができ、あるいは、たとえばタイバーなどの支持ロッド、およびカラムハウジング上方に配置された調整用フランジ(たとえば、図1に示すような調整用フランジ703)によるなど、機械的手段によって、頂端部ユニットを定位置に係止することができる。
【0067】
[0079]ベッドを抜き出すためには、駆動要素5を十分に上昇させて、スペーサカラー7を取り外す。次いで駆動要素5は、その上方凹部55によって頂端部ユニットの弁の開状態がもたらされるまで、取付けプレート62を通って引き下げられる(図11)。下方凹部56は、ベッド空間内部を完全に通過し、その下方に離隔されることに留意されたい。
【0068】
[0080]この位置で(また図12に示すように)、媒体は、抜出し液体中へと噴霧し、スラリーポートのいくつかの吸引部と組み合わされた駆動要素5を通して端部プレートピストン3を徐々に引き下げることによりスラリー化された媒体を除去することによって、解体し、送り出すことができる。たとえば、図12は、抜出し液を内部に噴霧することを可能にし、スラリー化された媒体を頂端部ユニットスラリーポート812から引き出すことを可能にするように、弁9を動作させることができることを示す。崩壊およびスラリー化のためのさらなる液体は、頂部および/または底部の透過性要素を通して(たとえば移動相ポート811を通して)送り込むことができる。
【0069】
[0081]図13は、駆動要素5の下方凹部56が、底端部2の弁封止部と位置合せされそこでスラリー弁を開くところまで、頂端部ユニット3が引き下ろされた、最終段階を示す。この状態で、頂部および底部スラリー弁はいずれも開いており、残っている全てのスラリーは、容易に洗浄されカラム内部から排出することができる。
【0070】
[0082]カラムが使用されていないとき、頂端部ユニットを外し、(たとえば透過性要素29、39を交換するためなど)通常の保守のためのアクセス、およびその他を可能にすることができるように、保持具541を取り外すことができる。いくつかの実施形態では、保持具541が取り外された後、たとえば、フランジ900を把持し/取り付けて、頂端部ユニットをより容易に持ち上げることが可能になるように、フランジ900を固定プレート62に再び取り付けることができる。たとえば、フランジ900を把持し頂端部ユニットを所望の高さへと上向きに引いた後に、所望の数のタイロッド701を(たとえば保持器を用いて)締結して端部ユニットを定位置に保持することができ、必要に応じて所望の数の案内ロッドを取り外すことができ、フランジ900もまた取り外すことができ、および、透過性要素にアクセスしそれを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態による例示的なカラムの概略立面図である。
【図1a】本発明の別の実施形態による例示的なカラムを示す概略立面図である。
【図2】カラムの頂部弁の部分詳細図である。
【図3】駆動要素を頂端部ユニットに結合するために使用されるスペーサカラーを示す上面図である。
【図4】駆動要素を頂端部ユニットに結合するために使用されるスペーサカラーを示す接合部の詳細図である。
【図5】駆動要素を頂端部ユニットに結合するために使用される、スペーサカラーを示すin−situの概略断面図である。
【図6】使用中のカラムのプライミングを示す図である。
【図7】スラリーを用いたカラム充填を示す図である。
【図8】駆動要素上の弁動作間隙の詳細、および充填時のスラリーへの効果をを示す概略図である。
【図9】流入充填工程を示す図である。
【図10】油圧駆動部によって駆動される流入充填、またはベッドの捕捉を示す図である。
【図11】頂端部ユニットの抜取り位置への調整を示す図である。
【図12】進行中の抜取りを示す図である。
【図13】最終排出段階を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状側壁を備えるハウジングと、
互いに対向し軸方向に離隔された1対の端部ユニットであり、微粒子媒体のベッドを収容するための閉鎖されたベッド空間を前記側壁と共に画成し、少なくとも一方が軸方向に摺動可能である、前記端部ユニットと、
一方の前記摺動可能な端部ユニットに結合され、前記カラムベッド空間内部に延びる軸方向駆動要素と、
他方の端部ユニット上またはそれを超える位置に配置され、前記駆動要素に結合される駆動部と
を具備するクロマトグラフィーカラム。
【請求項2】
前記駆動要素が前記ハウジングに対して中心対称に配置される、請求項1に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項3】
中心軸を有しており、
前記駆動要素が前記中心軸に沿って延び、前記摺動可能な端部ユニット上の中心で作用する単一の駆動要素である、請求項2に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項4】
前記摺動可能な端部ユニットが開口部を備え、前記駆動要素が前記開口部を通って延びる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項5】
前記摺動可能な端部ユニットの外面上に力分配器をさらに具備し、前記駆動要素が前記力分配器に結合される、請求項4に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項6】
前記力分配器が、前記分配器を前記駆動要素に解放可能に結合する結合具を具備する、請求項5に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項7】
前記力分配器が、前記駆動要素に結合する中央ユニオンと、前記端部ユニットの前記外面上に円周方向に分布する接合部に対して径方向および軸方向に延びる、等間隔に離隔された複数のリムとを具備する、請求項5または6に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項8】
前記結合具が、前記摺動可能な端部ユニットと1つまたは複数の所定の相対軸方向位置にある前記駆動要素とに結合する係止要素を具備する、請求項6または7に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項9】
前記結合具が圧縮可能なスペーサ要素を具備する、請求項6〜8のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項10】
前記摺動可能な端部ユニットの前記開口部が、充填弁を備えるスラリー導管を具備する、請求項4〜9のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項11】
前記駆動要素が、前記充填弁の作動部材に結合され、または前記充填弁の作動部材を構成する、請求項10に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項12】
前記充填弁が、1つまたは複数の封止ランドを有するオリフィスを具備し、前記封止ランドが、閉状態で前記作動部材の全直径部分を封止し、開状態で前記作動部材の凹状部分または直径が低減された部分と位置合せされて、それらの間の流れを可能にする請求項11に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項13】
前記オリフィスが、環状間隙を備え、前記作動部材が、前記弁から前記ベッド空間内へと放出されるスラリーを偏向させるための傾斜した衝突面を備える、請求項12に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項14】
前記端部ユニットがそれぞれ中央開口を具備し、前記駆動要素が、前記開口部を通って延びる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項15】
各開口部が弁を備え、前記駆動要素が、前記弁のための作動部材に結合され、または前記弁のための作動部材を構成する、請求項14に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項16】
前記各弁が、1つまたは複数の封止ランドを有するオリフィスを具備し、前記封止ランドは、前記閉状態で前記作動部材の全直径部分を封止し、開状態で前記作動部材の凹状部分または直径が低減された部分と位置合せされて、それらの間の流れを可能にする、請求項15のクロマトグラフィーカラム。
【請求項17】
内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、
前記ハウジングが軸方向垂直に取り付けられ、開口部が貫通形成されている底端部ユニットと、
前記ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットであり、当該頂端部ユニットは、上面と、下面とを有し、さらに、当該頂端部ユニットの前記上面および前記下面を貫通する第1の弁の開口部を備える第1の弁を有し、前記第1の弁の開口部が、前記底端部ユニットの前記開口部と軸方向に位置合せされる、前記頂端部ユニットと、
前記頂端部ユニットの前記上面に結合されており、前記第1の弁の開口部および前記底端部ユニット内の前記開口部と軸方向に位置合せされた開口を備えるフレームと、
前記底端部ユニット内の前記開口部、前記管状ハウジングの内部空間、前記第1の弁の開口部、および前記フレーム内の前記開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に可動な駆動要素と
を具備し、
前記駆動要素がさらに、第1の弁の凹部を備え、前記第1の弁の凹部は、前記第1の開口部を通して動かすことができ、前記駆動要素の軸方向運動によって前記第1の弁の凹部が前記第1の弁の開口部内外に動かされる、クロマトグラフィーカラム。
【請求項18】
前記フレームの前記開口部の前記直径よりも大きい直径を有する、前記駆動要素に結合可能な保持具をさらに具備し、前記保持具が前記駆動要素に結合された後に、前記駆動要素の軸方向運動によって前記頂端部ユニットが前記ハウジング内で摺動式に動かされる、請求項17に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項19】
前記底端部ユニットがさらに、第2の弁を具備し、前記第2の弁が、前記底端部ユニット内の前記開口部に挿入され、前記第2の弁が、第2の弁の開口部を有し、前記駆動要素がさらに、第2の弁の凹部を備え、前記第2の弁の凹部が、前記第2の弁の開口部を通って運動可能であり、前記駆動要素の軸方向運動によって、前記第2の弁の凹部が、前記第2の弁の開口部の内外に動かされる、請求項17または18に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項20】
前記第1の弁が、少なくとも1つのポートを備える第1の弁アセンブリを具備し、前記第1の弁アセンブリが、前記第1の開口部を具備する、請求項17〜19のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項21】
前記第2の弁が、少なくとも1つのポートを備える第2の弁アセンブリを具備し、前記弁アセンブリが、第2の弁の開口部を具備する、請求項17〜20のいずれか一項に記載の前記クロマトグラフィーカラム。
【請求項22】
前記第1の弁アセンブリおよび/または前記第2の弁アセンブリが、少なくとも2つのポートを具備する、請求項20または21に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項23】
前記駆動要素を軸方向に動かすラムをさらに具備する、請求項17〜22のいずれか一項に記載の前記クロマトグラフィーカラム。
【請求項24】
前記フレームと前記保持具との間、および前記駆動要素の周りの部分に挿入可能であるカラーをさらに具備する、請求項17〜23のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項25】
内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、
前記ハウジングが軸方向直角に取り付けられ、底端部を通る開口部を有する底端部ユニットと、
前記ハウジング内で摺動可能である頂端部ユニットであり、当該頂端部ユニットが、上面と、下面と、前記上面および下面を貫通する頂端部ユニット開口部とを有し、前記開口部が前記底端部ユニット開口部と軸方向に位置合せされた、前記頂端部ユニットと、
前記頂端部ユニットの前記上面に結合され、前記頂端部ユニットの開口部および前記底端部ユニット開口部と軸方向に位置合せされた開口部を備えるフレームと、
前記底端部ユニットの開口部、前記管状ハウジングの前記内部空間、前記頂端部ユニットの開口部、および前記フレーム内の前記開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に可動な駆動要素と、
前記駆動要素に結合可能であり、前記フレームの前記開口部の直径より大きい直径を有する保持具とを備え、前記保持具が前記駆動要素に結合された後に、前記駆動要素の軸方向運動によって前記頂端部ユニットが前記ハウジング内で摺動式に動かされる、クロマトグラフィーカラム。
【請求項1】
管状側壁を備えるハウジングと、
互いに対向し軸方向に離隔された1対の端部ユニットであり、微粒子媒体のベッドを収容するための閉鎖されたベッド空間を前記側壁と共に画成し、少なくとも一方が軸方向に摺動可能である、前記端部ユニットと、
一方の前記摺動可能な端部ユニットに結合され、前記カラムベッド空間内部に延びる軸方向駆動要素と、
他方の端部ユニット上またはそれを超える位置に配置され、前記駆動要素に結合される駆動部と
を具備するクロマトグラフィーカラム。
【請求項2】
前記駆動要素が前記ハウジングに対して中心対称に配置される、請求項1に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項3】
中心軸を有しており、
前記駆動要素が前記中心軸に沿って延び、前記摺動可能な端部ユニット上の中心で作用する単一の駆動要素である、請求項2に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項4】
前記摺動可能な端部ユニットが開口部を備え、前記駆動要素が前記開口部を通って延びる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項5】
前記摺動可能な端部ユニットの外面上に力分配器をさらに具備し、前記駆動要素が前記力分配器に結合される、請求項4に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項6】
前記力分配器が、前記分配器を前記駆動要素に解放可能に結合する結合具を具備する、請求項5に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項7】
前記力分配器が、前記駆動要素に結合する中央ユニオンと、前記端部ユニットの前記外面上に円周方向に分布する接合部に対して径方向および軸方向に延びる、等間隔に離隔された複数のリムとを具備する、請求項5または6に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項8】
前記結合具が、前記摺動可能な端部ユニットと1つまたは複数の所定の相対軸方向位置にある前記駆動要素とに結合する係止要素を具備する、請求項6または7に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項9】
前記結合具が圧縮可能なスペーサ要素を具備する、請求項6〜8のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項10】
前記摺動可能な端部ユニットの前記開口部が、充填弁を備えるスラリー導管を具備する、請求項4〜9のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項11】
前記駆動要素が、前記充填弁の作動部材に結合され、または前記充填弁の作動部材を構成する、請求項10に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項12】
前記充填弁が、1つまたは複数の封止ランドを有するオリフィスを具備し、前記封止ランドが、閉状態で前記作動部材の全直径部分を封止し、開状態で前記作動部材の凹状部分または直径が低減された部分と位置合せされて、それらの間の流れを可能にする請求項11に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項13】
前記オリフィスが、環状間隙を備え、前記作動部材が、前記弁から前記ベッド空間内へと放出されるスラリーを偏向させるための傾斜した衝突面を備える、請求項12に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項14】
前記端部ユニットがそれぞれ中央開口を具備し、前記駆動要素が、前記開口部を通って延びる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項15】
各開口部が弁を備え、前記駆動要素が、前記弁のための作動部材に結合され、または前記弁のための作動部材を構成する、請求項14に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項16】
前記各弁が、1つまたは複数の封止ランドを有するオリフィスを具備し、前記封止ランドは、前記閉状態で前記作動部材の全直径部分を封止し、開状態で前記作動部材の凹状部分または直径が低減された部分と位置合せされて、それらの間の流れを可能にする、請求項15のクロマトグラフィーカラム。
【請求項17】
内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、
前記ハウジングが軸方向垂直に取り付けられ、開口部が貫通形成されている底端部ユニットと、
前記ハウジング内で摺動運動可能な頂端部ユニットであり、当該頂端部ユニットは、上面と、下面とを有し、さらに、当該頂端部ユニットの前記上面および前記下面を貫通する第1の弁の開口部を備える第1の弁を有し、前記第1の弁の開口部が、前記底端部ユニットの前記開口部と軸方向に位置合せされる、前記頂端部ユニットと、
前記頂端部ユニットの前記上面に結合されており、前記第1の弁の開口部および前記底端部ユニット内の前記開口部と軸方向に位置合せされた開口を備えるフレームと、
前記底端部ユニット内の前記開口部、前記管状ハウジングの内部空間、前記第1の弁の開口部、および前記フレーム内の前記開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に可動な駆動要素と
を具備し、
前記駆動要素がさらに、第1の弁の凹部を備え、前記第1の弁の凹部は、前記第1の開口部を通して動かすことができ、前記駆動要素の軸方向運動によって前記第1の弁の凹部が前記第1の弁の開口部内外に動かされる、クロマトグラフィーカラム。
【請求項18】
前記フレームの前記開口部の前記直径よりも大きい直径を有する、前記駆動要素に結合可能な保持具をさらに具備し、前記保持具が前記駆動要素に結合された後に、前記駆動要素の軸方向運動によって前記頂端部ユニットが前記ハウジング内で摺動式に動かされる、請求項17に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項19】
前記底端部ユニットがさらに、第2の弁を具備し、前記第2の弁が、前記底端部ユニット内の前記開口部に挿入され、前記第2の弁が、第2の弁の開口部を有し、前記駆動要素がさらに、第2の弁の凹部を備え、前記第2の弁の凹部が、前記第2の弁の開口部を通って運動可能であり、前記駆動要素の軸方向運動によって、前記第2の弁の凹部が、前記第2の弁の開口部の内外に動かされる、請求項17または18に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項20】
前記第1の弁が、少なくとも1つのポートを備える第1の弁アセンブリを具備し、前記第1の弁アセンブリが、前記第1の開口部を具備する、請求項17〜19のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項21】
前記第2の弁が、少なくとも1つのポートを備える第2の弁アセンブリを具備し、前記弁アセンブリが、第2の弁の開口部を具備する、請求項17〜20のいずれか一項に記載の前記クロマトグラフィーカラム。
【請求項22】
前記第1の弁アセンブリおよび/または前記第2の弁アセンブリが、少なくとも2つのポートを具備する、請求項20または21に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項23】
前記駆動要素を軸方向に動かすラムをさらに具備する、請求項17〜22のいずれか一項に記載の前記クロマトグラフィーカラム。
【請求項24】
前記フレームと前記保持具との間、および前記駆動要素の周りの部分に挿入可能であるカラーをさらに具備する、請求項17〜23のいずれか一項に記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項25】
内部空間を形成する側壁を備える管状ハウジングと、
前記ハウジングが軸方向直角に取り付けられ、底端部を通る開口部を有する底端部ユニットと、
前記ハウジング内で摺動可能である頂端部ユニットであり、当該頂端部ユニットが、上面と、下面と、前記上面および下面を貫通する頂端部ユニット開口部とを有し、前記開口部が前記底端部ユニット開口部と軸方向に位置合せされた、前記頂端部ユニットと、
前記頂端部ユニットの前記上面に結合され、前記頂端部ユニットの開口部および前記底端部ユニット開口部と軸方向に位置合せされた開口部を備えるフレームと、
前記底端部ユニットの開口部、前記管状ハウジングの前記内部空間、前記頂端部ユニットの開口部、および前記フレーム内の前記開口部を通って延びるロッドを備える、軸方向に可動な駆動要素と、
前記駆動要素に結合可能であり、前記フレームの前記開口部の直径より大きい直径を有する保持具とを備え、前記保持具が前記駆動要素に結合された後に、前記駆動要素の軸方向運動によって前記頂端部ユニットが前記ハウジング内で摺動式に動かされる、クロマトグラフィーカラム。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−506093(P2008−506093A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519735(P2007−519735)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007413
【国際公開番号】WO2006/005540
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【住所又は居所原語表記】2200 Northern Boulevard East Hills, New York
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007413
【国際公開番号】WO2006/005540
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【住所又は居所原語表記】2200 Northern Boulevard East Hills, New York
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