説明

クローバー加工方法

【課題】
幸せを運ぶとされる四つ葉のクローバーや、金運をもたらすとして珍重される五つ葉のクローバーなどは、1/10000の確立で見つかることから、珍重されるが、これら多様葉のクローバーは、押し花にするか、ドライフラワーにするしか、これまで保存方法が無かった。
【解決手段】 これらクローバー類は水分が多く含まれ、多数の群生の中からようやく見つけた珍しい多様葉のクローバーも、採取すると一時間以内に水分を失い、萎れてしまう。
このため、細胞内部の水分を、グリセリン類で代替してやることにより、クローバーは生き生きとした姿を保ちつつ、長期間の保存が可能である。しかし、グリセリン類に代替する時には、代替処理の仕方によって、変形や劣化が頻繁に起きる。
様々な実験の結果、これら諸問題の解決手段を見出すことが出来た。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、クローバー類を主材料としてプリザーブド加工を施して作成したプリザーブド加工クローバー及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、生花を特殊加工したプリザーブドフラワーを用いてフラワーアレンジメントが作られている。プリザーブドフラワーは通常、脱色した生花をグリセリンを主とした溶液に浸して着色し、その後乾燥させて作成するもので、その花の組織を保ちながら、生花の手触りなどを長い間保ちながら鑑賞できるものである。
【0003】
一方、四つ葉のクローバーに代表されるクローバーの保存方法として、昔から押し花やドライフラワーなどの加工方法が主流であった。しかし、これらの保存方法では、四つ葉のクローバーによりもたらされる「幸福」や五つ葉のクローバーがもたらすとされる「金運」などが色あせたものになると不評であった。
【0004】
これらの問題を回避して、生きたままの姿をとどめた、これらクローバー類を提供することが出来れば、市場の求める要求によりよく答えることが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、植物を長期保存可能なプリザーブド処理をして、市場の要求に答え、市場の好みに合った個性のあるプリザーブド加工クローバーとその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨とするところは、クローバー類を採取直後にメチルアルコールを主成分とする脱水保存液に浸漬することにより、クローバーの劣化を止め、グリセリン類により構成される保湿液をクローバー内部に浸漬しやすくすることにより、クローバーの長期保存を可能とする製造方法にある。また、メチルアルコールはエチルアルコールでもよく、ポリプロピレン類でもよく、アルコール類は殆ど使用が可能であり、メチルアルコールに限定されるものではない。
【0007】
また本発明の要旨とするところは、脱水保存液に浸漬されたクローバー類は、ホルマリンによる標本保存と同様で、クローバーは劣化することが無く、長期間保存が可能となる。これはクローバーの採取季節等に左右されず、年間を通して加工が可能になることや、採取直後の状態で脱水保存液に浸漬された状態で保存が可能となることにより、長距離の輸送や、繁忙期を避けた加工が可能となるプリザーブド加工クローバーの製造方法にある。
【0008】
また本発明の要旨とするところは、グリセリン類に浸漬することにより、プリザーブド加工されたプリザーブド加工クローバーは、細胞が硬化し、変形することから、採取時の自然の状態とは、著しく形態が違う状況となることから、本発明では、手作業で的確なる時期にプリザーブド加工クローバーを成形し、採取時の自然の状態に近似した形で生産するプリザーブド加工クローバーの製造方法にある。
【0009】
また本発明の要旨とするところは、手作業にて成形したプリザーブド加工クローバーを、再び変形しないようにガーゼやティシュ等の上に、的確なる状態で静置し、乾燥させることにより変形を防ぐ、プリザーブド加工クローバーの製造方法にある。
【0010】
また本発明の要旨とするところは、成形乾燥されたプリザーブド加工クローバーを、額やプラスチックケース、ガラスケースなどに入れて、長期保存をより良い状態で提供するプリザーブド加工クローバーの提供方法にある。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、プリザーブド加工クローバーの製作過程において、アルコール類に浸漬したことにより、プリザーブド加工クローバーを製作する時が、いつであっても可能となったことから、その製造過程において、時間にとらわれることなく、作者の創作意欲をかき立て、作者の個性が充分に発揮されると共に、この製造方法によって丈夫で長持ちし個性的で美麗なプリザーブドフラワーアレンジメントを得ることができる等の効果を奏する。
【0012】
また、クローバーの成形段階において固定の際に各種の創作手段を加えた場合、また葉っぱをはさみ等でカットして葉の形を整えたり所望の形を作成したり、あるいは葉を裏返して用いることによって、アレンジメントの種類が豊富となる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態は、クローバー類を採取後直ちに、脱水保存液に浸漬し、その後は製作者の状況に応じて、ゆっくりとプリザーブド加工クローバーの製作にかかればよく、製作者の創作意欲や、生産体制に合わせ顧客の要望に充分応じることの出来る、所望のプリザーブド加工クローバーを作成することを可能とするものである。
【実施例1】
【0014】
(1)まず、草地や栽培地から所望のクローバーを採取する。この際、適宜な大きさのプラスチック容器や瓶などに入れたメチルアルコール等のアルコール類を主成分とする脱水保存液に採取後直ちに浸漬する。
(2)次いで、採取、脱水保存したクローバー類を持ち帰り、2日以上、静置して脱水、漂白反応を安定させる。この後、長期間保存しても良い。
(3)直ちに製作が必要な場合は、脱水保存液からクローバー類を取り出し、グリセリン類を主成分とする保湿液に浸漬する。保湿液はグリセリン類を主成分とする市販されているプリザーブド液でも、グリコールエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル及びポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれるものであっても良い。
この時、染料を混ぜることにより、好みの色のクローバーが作成できる。
(4)この後、上記保湿液に三日間以上、浸漬したものを加工するが、保湿液に浸漬が足りないとクローバーの細胞内部に保湿液が充分に浸潤せず、長期保存が不可となる。また、加工整形して製品形状を整える場合、整形後に葉が収縮して形状が変化する原因となる。すなはち三日間以上、保湿液に浸漬しておけばよい。
(5)三日以上、浸漬したクローバー類を、液から引き上げ半乾燥状態にする。この時、完全に乾燥してはいけないので、浸漬液を容器から他の容器に移した程度、少量の液が容器に残っている状態であれば尚良い。
(6)半乾きのクローバーを概観上、自然にある状態に整形を加える。この作業は、自然の状態を写真で保存したものを参考にしてもよく、デザイナーなどがデザインしたデザイン画を参考にしても良い。
(7)整形は、薄膜のゴム手袋当を装着し、人間の体温が成形するクローバーに充分伝わる状態で成形を実施する。手加減により粗方の整形が可能であるが、葉が萎縮していたりする場合でも、人間の体温で適度な圧力で摘んでおくだけで成形が可能となる。
(8)整形したものを、ガーゼやティシュなど、溶液を吸収がよく、クローバーに圧力を加えないのもに葉面を下にして、乾燥工程をおこなう。葉面を上にすると乾燥途中に葉が閉じてしまい、整形した製品が変形してしまうことから、葉面を下にして開いた状態で乾燥することが肝要である。
【0016】
以上のように、本実施例によれば容易な方法でありながら、プリザーブド加工することにより、丈夫で長持ちするリアルな四つ葉のクローバー類が作成でき、創作性と作者の個性が充分に発揮された、個性的で美麗なフラワーアレンジメントを得ることができる。また、作成されたプリザーブド加工クローバーは、自然な外観を保持したまま、6ヶ月間そのままの形を維持した。
【0030】
また、本発明は上記各実施例によって限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施例の構成要素の部分を適宜改変して実施することができるのである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
採取したクローバーを、メチルアルコールを主成分とする漂白液に浸漬し、クローバー内部の水分をメチルアルコールに抽出し、クローバー内部の細胞液をメチルアルコールに置き換えることにより、漂白とグリセリン類による保存処理を可能にするプリザーブド加工クローバーの前処理方法。
【請求項2】
メチルアルコールにより脱水漂白されたクローバーを、グリセリン類に浸漬することにより、長期間保存可能とするプリザーブド加工クローバーの製造方法。
【請求項3】
グリセリン類に浸漬してプリザーブド加工を施されたクローバーの、変形した形を整えて天然のクローバーと同様の形態に修正し、採取時の姿を取り戻すための成形方法を特徴とするプリザーブド加工クローバーの製造方法。

【公開番号】特開2010−280650(P2010−280650A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166089(P2009−166089)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(500362992)
【出願人】(504461127)
【Fターム(参考)】