説明

クーポン券及びPOSシステム

【課題】大きな販売促進効果を得ることができるクーポン券及びPOSシステムを提供すること。
【解決手段】POSシステム2で読み取り可能な情報コード11を有し、特定の商品に関する情報13と、特定の商品を購入すれば複数の条件のうち少なくとも一つの条件が適用される可能性がある旨の表示12と、複数の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てた情報コード11とを備えたクーポン券1及びこれを用いたPOSシステム2。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSシステムで読み取り可能な情報コードを有するクーポン券及びこれを用いたPOSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のクーポン券として、特定の商品を購入すれば、その商品の価格から所定額の割引を受けることができるものが知られている(例えば、特許文献1)。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等においては、特定の商品の販売促進を目的として、上記のクーポン券が利用されている。このようなクーポン券は、例えば商品が陳列されている付近に設置され、顧客はその商品の会計処理時にクーポン券を提出することによってその商品の価格から所定金額の割引を受けることができる。
【特許文献1】特開平9−259363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなクーポン券では、そのクーポン券を利用した全ての顧客に対して同一の割引を行うため、一人あたりの割引額は小額にならざるを得なかった。その結果、クーポン券を配布しても、十分に顧客の商品に対する購買意欲を喚起することができず、大きな販売促進効果を期待できない場合があるという問題があった。
【0004】
本発明は、かかる問題点に着目してなされたものであり、その目的は、大きな販売促進効果を得ることができるクーポン券及びPOSシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の特徴構成は、POSシステムで読み取り可能な情報コードを有するクーポン券であって、特定の商品に関する情報と、当該特定の商品を購入すれば、複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件が適用される可能性がある旨の表示と、前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てた情報コードとを備えた点にある。
【0006】
本構成の如く、顧客にはどのクーポン券にどの条件が割り当てられているかを伏せつつ、クーポン券毎に条件の内容を異ならせることで、従来の如く、全てのクーポン券について同一の条件が割り当てられる場合と比較して、店舗側は顧客の特定の商品に対する購入意欲を喚起することができる。
一方、顧客側は、クーポン券毎に条件の内容が異なるので、どの条件が適用されるのかという期待感を得ることができる。また、より興味を抱かせる条件を設定した場合には、全てのクーポン券に対して同一の条件の適用を行う場合と比べて期待感がさらに高まる。
【0007】
本発明の第2の特徴構成は、POSシステムで読み取り可能な情報コードを有するクーポン券であって、特定の商品に関する情報と、当該特定の商品を購入すれば、複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件が適用される可能性がある旨の表示と、前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てるべく前記POSシステムに設けた条件割当手段で処理可能な情報コードとを備えた点にある。
【0008】
本構成の如く、顧客にはどのクーポン券にどの条件が割り当てられるかを伏せつつ、クーポン券毎に条件割当手段で割り当てられる条件の内容を異ならせることで、従来の如く、全てのクーポン券について同一の条件が割り当てられる場合と比較して、店舗側は顧客の特定の商品に対する購入意欲を喚起することができる。
一方、顧客側は、クーポン券毎に条件の内容が異なるので、どの条件が適用されるのかという期待感を得ることができる。また、より興味を抱かせる条件を設定した場合には、全てのクーポン券に対して同一の条件の適用を行う場合と比べて期待感がさらに高まる。
【0009】
本発明の第3の特徴構成は、特定の商品に関する情報と、当該特定の商品を購入すれば複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件が適用される可能性がある旨の表示と、前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てた情報コードとを備えたクーポン券を用意し、当該クーポン券を提示して会計処理を行う際に、前記特定の商品を購入した者に、前記複数種類の条件のうちから、POS端末が読み込んだ情報コードに割り当てられた条件を適用可能な点にある。
【0010】
本構成の如く、顧客にはどのクーポン券にどの条件が割り当てられているかを伏せつつ、クーポン毎に条件の内容を異ならせることで、店舗側は顧客の特定の商品に対する購入意欲を喚起することができる。
一方、顧客側は、どの条件が適用されるのかという期待感を得ることができる。また、より興味を抱かせる条件を設定した場合には、全てのクーポン券に対して同一の条件の適用を行う場合と比べて期待感がさらに高まる。
さらに、POSシステムが複数種類の条件のうちから読み込んだ情報コードに割り当てられた条件を適用可能に構成してあるので、会計処理を行うだけで条件を適用することができる。その結果、店舗側及び顧客側ともに複雑な応募手続や条件適用作業等を行うことなく、クーポン券を利用して条件の適用を行うことができる。
【0011】
本発明の第4の特徴構成は、特定の商品を購入した者に対して複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を適用するべく、前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てた情報コードを備えた複数種類のクーポン券を用意し、当該クーポン券を二枚以上提示して一回の会計処理を行う際に、前記複数種類の条件のうち同一種類の条件に係る情報コードをPOS端末が複数回読み込んだとき、当該同一種類の条件を重複して適用することを制限する制限手段を備えると共に、当該制限した条件の内容を、未だ使用されていないクーポン券であって、当該制限された条件の内容と異なる他の条件の内容を割り当てた情報コードを有する他の種類のクーポン券に再割り当てする条件再割当手段を備える点にある。
【0012】
本構成の如く、POSシステムが制限手段を有することにより、顧客が一回の会計処理において、同一種類の条件を割り当てられたクーポン券を複数枚提出した場合であっても、当該条件を重複して適用することを防止できる。また、POSシステムが条件再割当手段を有することにより、適用が制限された条件を他の会計処理で適用することができる。
その結果、特定の顧客に同一種類の条件を重複して適用することが防止でき、幅広い顧客に条件を適用することができるので、幅広い顧客の商品に対する購買意欲を喚起することができる。
【0013】
本発明の第5の特徴構成は、本発明の第4の特徴構成に加え、前記条件の内容の再割り当てを、重複する条件の適用を制限した後、前記POS端末が前記他の種類のクーポン券を予め設定した枚数分読み込んだ後に行う点にある。
【0014】
本構成の如く、条件の内容の再割り当てを、重複する条件の適用を制限した後、POS端末が他の種類のクーポン券を予め設定した枚数分読み込んだ後に行うことにより、条件の適用を制限した後に読み込まれた他の種類のクーポン券の枚数を記憶しておけば、条件の再割り当てを行うことができる。したがって、複雑な構成とすることなく条件の再割り当てを行うことができる。
【0015】
本発明の第6の特徴構成は、特定の商品に関する情報と、当該特定の商品を購入すれば複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件が適用される可能性がある旨の表示と、POSシステムで読み込み可能な情報コードとを備えたクーポン券を用意し、当該クーポン券を提示して会計処理を行う際に、前記特定の商品を購入した者に、前記複数種類の条件のうちの少なくとも一つの条件を適用するべく、POS端末が読み込んだ情報コードに前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てる条件割当手段を備えた点にある。
【0016】
本構成の如く、顧客にはどのクーポン券にどの条件が割り当てられるかを伏せつつ、クーポン毎に条件割当手段で割り当てられる条件の内容を異ならせることで、店舗側は顧客の特定の商品に対する購入意欲を喚起することができる。
一方、顧客側は、どの条件が適用されるのかという期待感を得ることができる。また、より興味を抱かせる条件を設定した場合には、全てのクーポン券に対して同一の条件の適用を行う場合と比べて期待感がさらに高まる。
さらに、POSシステムが、読み込んだ情報コードに複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てる条件割当手段を備えるので、会計処理を行うだけで条件を適用することができる。その結果、店舗側及び顧客側ともに複雑な応募手続や条件適用作業等を行うことなく、クーポン券を利用して条件の適用を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(クーポン券)
図1に本発明に係るクーポン券1の実施形態の一例を示す。このクーポン券1は、ある特定の商品を購入すれば、ある条件の適用を受けることができるものである。その条件の種類としては、その特定の商品に対しての値引き、割引及び数量追加等に限られず、その店舗で利用できる金券、自転車、電化製品等の景品や、エステ、旅行等のサービスといった種々の特典を挙げることができる。また、この条件には特定商品を含む会計処理時にクーポン券1を提出したにもかかわらず、何れの特典も提供されない、所謂「カラくじ」を含むことができる。クーポン券1には、例えばその商品の宣伝情報13が記載されている。また、その商品を買えば、複数の条件のうちの少なくとも何れか一つの条件が適用される可能性がある旨の表示12がしてある。具体的には、例えば「一等が出れば、店頭価格から更に1000円引き。二等400円引き、三等100円引き、四等50円引き、五等10円引き」若しくは、「当たりが出れば店頭価格から1000円引き」等の表示がしてある。また、前記複数の条件のうちの少なくとも何れか一つの条件を割り当てた情報コード11を有している。この情報コード11にどの条件が与えられるか一般の顧客には判別することができない。
このため、情報コード11として、バーコードを使用する場合には、通常のバーコードの横に付されるバーコードの内容を表す数字を削除しておくのが好ましい。
上述の情報コード11には、条件に関する情報の他に、例えばそのクーポン券1を利用可能な商品に関する情報等任意の情報を割り当てることができる。
なお、本発明に係るクーポン券1に用いる情報コード11は、バーコードに限られず二次元コード等その他のPOSシステム2で読込み可能なものであれば何れを用いてもよい。
また、通常のクーポン券1において、情報コード11は目立たぬようにクーポン券1の端に小さく付してある。しかし、本発明に係るクーポン券1において、情報コード11は、目立つようにクーポン券1の中央の付近に大きめに付す方が好ましい。このような構成にすることによって、顧客は自分にはどのような条件が適用されるのだろうかという期待感を一層高めることができる。
【0018】
(POSシステム)
図2に、本発明のクーポン券1を使用可能なPOSシステム2の一例を示す。POSシステム2は、商品やクーポン券1に関する情報等の管理等を行うストアコンピュータ4と、情報コード11の読込みや価格計算等を行うPOS端末3とを備えて構成してある。POS端末3とストアコンピュータ4とは、通信インターフェース35,43を介して有線又は無線で接続してある。
なお、一つのストアコンピュータ4に対して複数のPOS端末3が接続されていてもよい。また、ストアコンピュータ4とPOS端末3とが両者に備えられた通信インターフェース35,43を介して接続してある例を示したが、両者が備える各種機能を一体的に備えた装置であってもよい。
【0019】
ストアコンピュータ4は、いわゆるPOSホストとして機能するコンピュータであり、POS端末3とのデータ送受信を行う通信インターフェース43、各種機能がソフトウェアを用いて構築してあるアプリケーション部41、各種データを読み出し可能に格納してあるデータベース42等を備えている。
【0020】
アプリケーション部41は、データベース42に格納された各種のファイルから情報を読み出したり、前記ファイルの情報の修正更新等を行ったりするデータベース管理手段41aとクーポン情報に応じて割引処理を行う割引演算手段41bとを有している。
【0021】
データベース42には、例えば商品名や商品の価格等の商品情報を記録する商品管理部42aと、クーポン券1の割引等に関するクーポン情報を記録するクーポン情報部42bとを備える。また、クーポン券1に備えた情報コード11が読み込まれた時に、その情報コード11に応じたクーポン情報を、その会計処理の間格納しておく第1レジスタ42cを有する。さらに、条件の適用が制限された際に、制限された条件に係るクーポン情報を格納する第2レジスタ42dを有する。
【0022】
POS端末3は、クーポン券1に付された情報コード11及び商品に付された情報コードを読み込み可能な情報コードリーダー37、情報コードリーダー37によって読み込まれた情報を読み取り可能な読取り部31、ストアコンピュータ4から取得した情報及び読取り部31から読み取った情報等を記憶可能な記憶部32及び記憶部32に記憶した情報に基づいて会計処理等を行う演算部33、及び演算結果等をディスプレイ36に表示可能な表示部34を備えている。また、ストアコンピュータ4とのデータの送受信を行う通信インターフェース35を有している。
【0023】
(POSシステムの動作)
次に図3に基づいて、POSシステム2の動作について説明する。顧客が商品とクーポン券1とを会計場所に持参すると、店員は、商品に付された情報コード(以下、「商品コード」と称する)と、クーポン券1に付された情報コード11(以下、「クーポンコード」と称する)とを読取り部31により読み取る(#1)。
POS端末3は、商品コードが読み取られると、データベース管理手段41aを介して商品管理ファイルにアクセスして当該商品の価格等の商品情報を取得する。POS端末3の演算部33は、取得した商品情報に基づいて、商品の価格の合計Σを算出する(#2)。また、クーポンコードは、ストアコンピュータ4に送信され、割引演算手段41bは、送信されたクーポンコードに応じたクーポン情報に基づいて割引合計Δを算出する(#3)。演算部33は、割引演算手段41bによって算出された割引合計Δを取得し、クーポン券1による割引後の価格Σ−Δを計算し(#4)、会計処理を行う(#5)。
【0024】
(割引合計の算出)
次に割引演算手段41bによる割引合計Δの算出について説明する。POS端末3からクーポンコードが読み込まれると、そのクーポンコードに対応するクーポン情報が、第1レジスタ42cに送信される。第1レジスタ42cにおいては、重複して適用することを制限された特定の条件に係る特定クーポン情報の重複があるか否かが判断される(#31a)。特定クーポン情報の重複が無い場合(#31のNo分岐)、第1レジスタ42cにクーポン情報がそのまま格納される。一方、特定クーポン情報が重複している場合(#31aのYes分岐)には、重複したものの一つのみが、格納され、その他のクーポン情報は格納されず、変わりに重複を許されている他のクーポン情報が格納されて(#31b)、制限された特定クーポン情報は、第2レジスタ42dに格納される(#31c)。
【0025】
上述のように、特定クーポン情報が制限された場合、そのクーポン情報は、その後の会計処理において読み込まれた所定の要件を満たしたクーポンコード(例えばクーポン情報の制限後、所定回目に読込まれた他のクーポンコード等)に対して割当てられる(#32のYes分岐)。このようにクーポン情報の再割当てがされると同時に、第2レジスタ42dに格納されていたそのクーポン情報を削除する(#34)。その後、上述と同様に特定クーポン情報の確認及び制限がされる(#31)。その後、最終的に取得したクーポン情報に基づいて割引額Δが算出される(#33)。
ここで、割引演算手段41bと第1レジスタ42cとは、制限手段として、割引演算手段41bと第2レジスタ42dとは、条件再割当手段として夫々機能し、条件の一例である割引の制限と再割当とを行う。
なお、所定回数は予め設定されたものであってもよいし、例えば、制限手段による制限が行われた際に、乱数発生装置等によって定められたものであってもよい。また、条件が制限された後の所定時間経過後最初に読込まれた所定のクーポンコード等であってもよい。
また、制限手段と条件再割当手段とは必須の構成要素ではなく、条件の重複に関係なく、読込まれたクーポンコードに応じた条件を適用してもよい。
【0026】
(第1レジスタの動作)
図5に基づいて、第1レジスタ42cの一例について説明する。ここでは、クーポン情報1〜5があり、クーポン情報1〜4が重複適用を禁じられた特定クーポン情報である場合を例に説明する。
第1レジスタ42cは、一回の会計処理毎に、夫々のクーポン情報を、クーポン情報ごとに格納する格納部(A1、B1,C1,D1,E1,E2・・・)を備えている。そして夫々の格納部には一つのクーポン情報を格納することができ、クーポン情報が格納してある格納部には「1」と、クーポン情報を格納していない格納部には「0」と表示される。つまり図5は、格納部B1にクーポン情報2が、格納部E1と格納部E2にクーポン情報5が夫々格納してある例を示している。
例えば、この状態でまだ格納されていない特定クーポン情報であるクーポン情報1が送信されてくると、そのクーポン情報は格納部A1に格納され、格納部A1の表示が「0」から「1」に変更される。また、特定クーポン情報でないクーポン情報5が送信されてくると、そのクーポン情報はE3に格納される。一方、既に格納されている特定クーポン情報であるクーポン情報2が送信された場合、クーポン情報2に対応した格納部B1は新たにクーポン情報を格納することはできず、このクーポン情報2は格納されない。そして、このクーポン情報2の代わりに、格納部E3にクーポン情報5が格納される。
このように、特定クーポン情報に対応する格納部の数を制限することによって、特定クーポン情報が重複することを制限している。なお、この例では同一の特定クーポン情報を一つしか格納できない例を示したが、例えばクーポン情報4に対応する格納部をD1,D2の二つにする等して、所定回数内で重複を許すよう構成してもよい。
【0027】
(第2レジスタの動作)
図6に基づいて、第2レジスタ42dの一例について説明する。第2レジスタ42dは、第1レジスタ42cで格納が制限されたクーポン情報を格納する格納部を有している。第1レジスタ42cで制限されたクーポン情報が格納されると、例えば対応する格納部に「1」を表示し、制限されたクーポン情報が格納してあることを示す。また、図中左端の数字は、クーポン情報が格納された順番を示す。この例では、クーポン情報3とクーポン情報2とが格納してあり、クーポン情報3が先に格納され、その後クーポン情報2が格納された例を示している。そして、これらのクーポン情報は、例えば当該クーポン情報が格納された後の、前記クーポン情報5が五回読込まれたなど、所定の要件を満たしたクーポンコードに対して割り当てられ、同時に、第2レジスタ42dから削除される(例えば、図6中の「1」の表示が消える)。このように、第2レジスタ42dは、制限されたクーポン情報を格納し、当該クーポン情報を他のクーポンコードに再割り当てする。
【0028】
(クーポン券の使用態様)
次に、本発明にかかるクーポン券1とPOSシステム2とを用いた例について説明する。本実施例では、条件の例として、クーポンコードの種類に応じた額の値引きを行う場合の例について説明する。
このくじを実施する店舗等は、予め、クーポン情報部42bに夫々のクーポン券1に関する値引き額等のクーポン情報を登録しておく。具体的には、例えばクーポンコード1〜5の五種類のクーポンコードを用い、クーポンコード1に1000円引き、クーポンコード2に400円引き、クーポンコード3に100円引き、クーポンコード4に50円引き、クーポンコード5に10円引きを夫々割当て、クーポン情報部42bに登録する。また、同一会計において同一種類の条件を重複して適用されない特定クーポン情報として、前記クーポンコード1乃至4を登録する。また、重複した特定クーポン情報が制限された場合には、制限後の会計処理において、例えば5回目に読込まれたクーポンコード5にその制限されたクーポン情報が割り当てられるよう設定する。
【0029】
そして、夫々のクーポンコードを有するクーポン券1を、夫々の条件の適用予定回数に応じて準備する。例えば条件全体の適用予定回数が100回とし、クーポンコード1(1000円引き)を有するクーポン券1を2枚、クーポンコード2(400円引き)を有するクーポン券1を3枚、クーポンコード3(100円引き)を有するクーポン券1を5枚、クーポンコード4(50円引き)を有するクーポン券1を10枚、クーポンコード5(10円引き)を有するクーポン券1を80枚夫々準備する。
上述のクーポン券1を、例えばクーポン券1の使用対象商品が陳列してある場所の付近に配置しておく。そして、その商品を購入する顧客は、その商品とクーポン券1とを会計場所に持参し、価格合計額からそのクーポン券1に割り当てられた額の割引を受けることができる。
【0030】
図7に、このくじを実施した場合の結果の一例について示す。会計処理1において顧客は、クーポンコード1を有するクーポン券1を2枚とクーポンコード4を有するクーポン券1を1枚提出したとする。クーポンコード1を有するクーポン券1が重複して提出されているので、二度目に読み込まれたクーポンコード1については、制限手段によって1000円引きではなく10円引きを割り当てられている。また、会計処理2のように、重複してクーポンコード5を有するクーポン券1が2枚提出された場合には、10円引きの条件は重複が許されているので、合計20円の割引がされる。その後、会計処理6においてクーポンコード5が読み込まれたときつまり、このクーポンコード5が制限手段による1000円引きの適用が制限された後、5回目に読み込まれたとき、このクーポンコード5には、条件再割当手段によって、適用が制限されていた1000円引きを割り当てる。この後の会計処理7では、制限されている条件が存在しないので、クーポンコードに応じた割引の適用が行われる。
【0031】
従来のように、全てのクーポン券1の使用者に対して一律の額の割引を行おうとすると、クーポン券1の対象商品の価格に対して、割引額が小額である場合に、顧客がその商品を購入しようという動機付けにならない場合がある。しかし、本発明に係るクーポン券1のように、クーポンコードによって割引額を変化させることによって、高額の割引を期待して顧客の商品購入意欲が高まることとなる。
【0032】
また、クーポン券1の割引額は、商品の価格によらず任意に決定すればよい。上述の実施例の場合、割引額の最高額は1000円であるが、例えば価格700円の商品に適用することも可能である。1000円引きのクーポン券1が提出された場合は、クーポン券1の使用対象商品を含む商品価格合計額から最大1000円を割引くことで、対象商品しか購入しない場合には700円の値引きとし、その他の商品も購入した場合には商品価格合計額から1000円を上限として値引きするようにしてもよい。この場合には、顧客が、目的の商品以外の商品も買おうという動機付けが働くことが期待され、販売店として売上の増加が期待される。
さらに、制限手段と条件再割当手段とを設けて、同一の顧客に対する同じ条件の重複適用を防止することができ、多くの顧客により高額の割引を適用することができ、顧客の購買意欲を一層喚起することができる。
【0033】
上述の実施例において、制限手段が一回の会計処理で、同一の額の割引を制限する例を示した。しかし、制限手段は、上述の形態に限られるものではなく、例えばクーポンコード1〜4を「当たり」、クーポンコード5を「はずれ」とし、一回の会計処理において重複して「当たり」を適用しないように構成してもよい。この場合、「当たり」のクーポンコードが複数回読み込まれた場合は、「当たり」のうちで最も割引額の大きい割引を適用し、その他は「はずれ」とすることができる。また、「あたり」のうち最初に読み込んだクーポンコードに割り当てられた割引を適用し、他は「はずれ」とするよう構成してもよい。
制限手段をこのように構成することによって、例えば一回の会計処理において1000円引きと400円引きとが同時に適用される等、高額の割引が同一の顧客に適用されることを防止できる。その結果、より多くの顧客に高額の割引が適用される可能性があるので、幅広い顧客の購買意欲を喚起することができる。
【0034】
上述の実施例において、条件としてクーポンコードの種類に応じた額の割引を例に説明したが、クーポンコードの種類に応じた率の割引を行うのものであってもよい。
【0035】
[別実施形態]
上述の実施形態において、予め情報コード11毎に条件が割り当ててある例を示したが、POS端末3が情報コード11を読み込んだ後に、POSシステム2に設けた条件割当手段で条件を割り当てるように構成してもよい。具体的には、POSシステム2に乱数発生手段を設け、例えば情報コード11の示す数字と乱数発生手段によって発生された数字とが一致した場合に「あたり」とし、一致しなかった場合には「はずれ」とし、夫々に応じた条件を適用することができる。
本実施形態において、情報コード11は、複数種類であってもよいが、情報コード11が一種類の場合であっても、条件割当手段によって、その一種類の情報コードに異なる条件を割り当てることが可能である。また、顧客がクーポン券1を手にした時点では情報コード11に未だ条件が割り当てられていないので、その情報コード11に割り当てられる条件を確実に伏せておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るクーポン券の一例を示す図
【図2】本発明に係るPOSシステムの一例を示す図
【図3】POSシステムの動作の流れを示すフローチャート
【図4】割引合計算出の流れを示すフローチャート
【図5】同一種類の条件の重複適用を制限する一例を示す図
【図6】条件を再割り当てする方法の一例を示す図
【図7】クーポン券とPOSシステムとを用いた実施例を示す図
【符号の説明】
【0037】
1 クーポン券
11 情報コード
12 特定の商品に関する情報
13 条件に関する表示
2 POSシステム
3 POS端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
POSシステムで読み取り可能な情報コードを有するクーポン券であって、
特定の商品に関する情報と、
当該特定の商品を購入すれば、複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件が適用される可能性がある旨の表示と、
前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てた情報コードとを備えたクーポン券。
【請求項2】
POSシステムで読み取り可能な情報コードを有するクーポン券であって、
特定の商品に関する情報と、
当該特定の商品を購入すれば、複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件が適用される可能性がある旨の表示と、
前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てるべく前記POSシステムに設けた条件割当手段で処理可能な情報コードとを備えたクーポン券。
【請求項3】
特定の商品に関する情報と、当該特定の商品を購入すれば複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件が適用される可能性がある旨の表示と、前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てた情報コードとを備えたクーポン券を用意し、
当該クーポン券を提示して会計処理を行う際に、
前記特定の商品を購入した者に、前記複数種類の条件のうちから、POS端末が読み込んだ情報コードに割り当てられた条件を適用可能なPOSシステム。
【請求項4】
特定の商品を購入した者に対して複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を適用するべく、前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てた情報コードを備えた複数種類のクーポン券を用意し、
当該クーポン券を二枚以上提示して一回の会計処理を行う際に、
前記複数種類の条件のうち同一種類の条件に係る情報コードをPOS端末が複数回読み込んだとき、当該同一種類の条件を重複して適用することを制限する制限手段を備えると共に、
当該制限した条件の内容を、未だ使用されていないクーポン券であって、当該制限された条件の内容と異なる他の条件の内容を割り当てた情報コードを有する他の種類のクーポン券に再割り当てする条件再割当手段を備えるPOSシステム。
【請求項5】
前記条件の内容の再割り当てを、重複する条件の適用を制限した後、前記POS端末が前記他の種類のクーポン券を予め設定した枚数分読み込んだ後に行う請求項4に記載のPOSシステム。
【請求項6】
特定の商品に関する情報と、当該特定の商品を購入すれば複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件が適用される可能性がある旨の表示と、POSシステムで読み込み可能な情報コードとを備えたクーポン券を用意し、
当該クーポン券を提示して会計処理を行う際に、
前記特定の商品を購入した者に、前記複数種類の条件のうちの少なくとも一つの条件を適用するべく、POS端末が読み込んだ情報コードに前記複数種類の条件のうち少なくとも一つの条件を割り当てる条件割当手段を備えたPOSシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−128257(P2007−128257A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319961(P2005−319961)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】