説明

グラウンドゴルフ用ホールポスト

【課題】グラウンドゴルフ競技で使用するホールポストにおいて、ポストを簡単かつ確実にフレーム本体に着脱できるようにする。
【解決手段】ホール番号を示す旗を有するポール6の下端に6角ボルト10を緩くねじ込む。フレーム本体2には、ポールを取り付ける支持板8があり、この支持板には、ボルトの頭部11を挿入する挿入孔13と、ボルトの軸部12が挿通するスライド孔14が連続して設けられている。支持板の下面には、ボルトの頭部11を回転不能に保持できる差込溝15を設けたキャッチ部材16がある。ポール6を支持板上に起立させ、上記挿入孔13からボルトの頭部11をキャッチ部材16に入れ、中心方向に移動させて差込溝15に頭部11を係合した状態でポール6を回転すれば、ボルト10を締付ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラウンドゴルフにおいて競技者がショットした打球を打ち込んで停止(トマリ)させるホールポストに関するものである。
【背景技術】
【0002】
グラウンドゴルフは、ボールをホールポストにより形成された枠線状のフレーム内に打ち込んで静止させる競技であり、このホールポストには、ホール番号を示す旗を取り付けるためのポールがフレームの上方に起立され、フレーム内には該フレーム内に打ち込んだボールが当って鳴動するよう鈴が吊下げられている。
【0003】
上記ホールポストのフレーム本体は、下方に位置する円形状の外側フレームと、該外側フレームの上方に設けられ連結フレームにより支持された内側フレームと、内側フレームの中心に設けられた支持板を具備し、従来のホールポストでは支持板の上面にポールの下端を当て、支持板の下面に筒状の鈴を位置し、該鈴の内方から上方に向けてボルトを支持板に差し込み、このボルトの先端を上記ポールの下端にねじ込んでポールを支持板に固定している。このような構造の場合、ポールと鈴を支持板に取り付けるときに、ボルトを押えながらポールを何回も回転させなければならず、手間がかかり、面倒であるので、ポールの下端に鈴を取り付けてからポールをフレームの支持板に着脱自在に支持できるようにしたホールポストが知られている(例えば特許文献1参照)。しかし、この特許文献1に記載されているホールポストは、ポールの下端外周面に雄ねじを形成し、この雄ねじを支持板に形成した雌ねじにねじ込む形式であるが、支持板の厚さが薄いため、雌ねじの長さが短くてねじ山が少なく、そのため、ねじが噛んだり、簡単にねじ込めなかったり、不確実に固定されることがあり、種々問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−151333号公報(請求項2、段落0012、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決課題は、グラウンドゴルフ用ホールポストにおいて、ポールを簡単かつ確実にフレーム本体の支持板に着脱できるようにしたグラウンドゴルフ用ホールポストを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、外側フレームの上方に連結フレームを介して内側フレームを形成し該内側フレームの中心にポールを支持する支持板を設け、該支持板の下方に鈴を吊下げるようにしたフレーム本体を具備し、上記ポールの下端に回り止めの頭部を有するボルトをねじ込み、上記支持板に上記ボルトの頭部が通過できる大きさの挿入孔と該挿入孔に続いてボルトの軸部が通過できる大きさのスライド孔を形成すると共に該支持板の下面に上記頭部を収納しかつ回転不能に保持できる差込溝を形成したキャッチ部材を設け、上記挿入孔から挿入したボルトの頭部をキャッチ部材の差込溝に回り止め状態で保持した状態でポールを回転して該ボルトを締付若しくは弛緩できるようにしたことを特徴とするグラウンドゴルフ用ホールポストが提供され、上記課題が解決される。
【0007】
また、本発明によれば、上記グラウンドゴルフ用ホールポストにおいて、上記キャッチ部材の差込溝は、上記挿入孔から差し込んだボルトの頭部を受け入れるよう外側に位置する拡大溝部と、上記スライド孔に沿ってボルトを移動させた際該頭部が入り込んで係合するよう中心側に位置する係合溝部を有し、該拡大溝部と係合溝部の間には、ボルトを移動する際該ボルトの頭部の方向を係合溝部に沿った方向に揃えるよう頭部が当る当り部が形成され、好ましくは上記挿入孔の縁部にはボルトの頭部を挿入孔内に位置させるストッパーが設けられている上記グラウンドゴルフ用ホールポストが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上記のように構成され、外側フレームの上方に連結フレームを介して内側フレームを形成し該内側フレームの中心にポールを支持する支持板を設け、該支持板の下方に鈴を吊下げるようにしたフレーム本体を具備し、上記ポールの下端に回り止めの頭部を有するボルトをねじ込み、上記支持板に上記ボルトの頭部が通過できる大きさの挿入孔と該挿入孔に続いてボルトの軸部が通過できる大きさのスライド孔を形成すると共に該支持板の下面に上記頭部を収納しかつ回転不能に保持できる差込溝を形成したキャッチ部材を設け、上記挿入孔から挿入したボルトの頭部をキャッチ部材の差込溝に回り止め状態で保持した状態でポールを回転して該ボルトを締付若しくは弛緩できるようにしたから、ポールを支持板上に起立して下端にねじ嵌めしたボルトを支持板の挿入孔に挿入し、スライド孔に沿って移動させ差込溝でボルトの頭部の回転を停止させた状態でポールを回転すれば、ボルトは支持板を挟んだ状態でポールの下端に強くねじ込まれ、ポールを支持板上に固定することができる。そして、ポールを逆方向に回転すれば、ねじが緩んでポールをスライド孔に沿って挿入孔方向に移動させることができ、ポールをフレーム本体から簡単に取り外すことができる。
【0009】
また、上記差込溝を拡大溝部と係合溝部で構成し、該拡大溝部と係合溝部の間にボルトの頭部の向きを係合溝部に沿った方向に揃えるよう頭部が当る当り部を設けると、ボルトをスライド孔に沿って移動させる際、ボルトの頭部を簡単かつ確実に係合溝部に係合させることができ、いちいち頭部の向きを気にする必要がないので、操作性がよい。上記挿入孔の縁部に、ボルトの頭部を挿入孔内に位置させるようストッパーを設けると、ポールを外す際上記挿入孔に入り込んだボルトの頭部が挿入孔の縁に引かかるおそれがなく、ポールを容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のホールポストの一実施例を示す斜視図。
【図2】フレーム本体部分の拡大斜視図。
【図3】フレーム本体部分の断面図。
【図4】分解斜視図。
【図5】キャッチ部材の差込溝の説明図。
【図6】ボルトが移動する際の説明図。
【図7】支持板の裏面の一実施例を示す斜視図。
【図8】他の実施例を示す説明図。
【図9】図8に示す実施例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜図4は、本発明の一実施例を示し、グラウンドゴルフ用のホールポスト1のフレーム本体2は、枠線で略円形に形成された外側フレーム3と、該外側フレーム3から上方に立ち上がる連結フレーム4により支持され該外側フレームと同心円状に設けられた内側フレーム5を有し、該内側フレーム5の中心にはポール6や鈴7を支持する支持板8が設けられている。このポール6は、連接可能な複数本の部材で構成され、上方にはホール番号を示す旗9が設けられている。
【0012】
上記ポール6の下端に設けたブロック片には、図3、図4に示すように、ボルト10がねじ着され、フレーム本体に取り付ける前の状態では完全に締め込まずに上記ブロック片の下面から数mm程度隙間を空けた状態でねじ嵌めされている。該ボルトとしては、通常の6角ボルト、すなわち、スパナ(図示略)を係合して該ボルトを回転させための回り止め用の6角形の頭部11を軸部12の先端に形成した通常の6角ボルトを使用しているが、軸部より大径の回り止め可能な4角形、楕円形その他種々の形状の頭部を有するボルトを用いてもよい。また、ねじ部の長さはボルトを緩めてポールを持ち運ぶ際に簡単に抜け落ちない程度の長さにしてあり、所望によりボルトの内方端に抜け止め部材を設けることもできる。(図示略)
【0013】
図4に示すように、上記支持板8には、上記ボルト10の頭部11が通過できる大きさの挿入孔13が形成され、該挿入孔13から支持板8の中心に向かってボルトの軸部12が通過できる大きさで支持板のほぼ中心まで伸びるスライド孔14が連続して設けられている。具体的には、上記挿入孔13は、6角ボルトの頭部11の対角寸法よりも少し大きい程度の内径の略円形に形成されているのでボルトを抜き差しできるが、スライド孔14にボルト10の軸部12が位置しているとき、上記頭部11が支持板8の下面に当るので、ボルト10を支持板8から外すことはできない。
【0014】
上記支持板8の下面(裏面)には、挿入孔13から入り込んだボルトの上記頭部11を挿通可能に支持板の下面との間に収納しかつ回転不能に保持できる差込溝15を形成したキャッチ部材16が形成され、該差込溝15が上記スライド孔14と同方向に並ぶように支持板8に接着、溶着等により固定されている。該差込溝16は、上記挿入孔13から差し込んだボルト10の頭部11を受け入れるよう外側に位置する拡大溝部17と、上記スライド孔14に沿ってボルト10を移動させた際該頭部11が入り込んで係合するよう中心側に位置する係合溝部18を有する。この拡大溝部17の幅は、頭部11を容易に抜き差しできるよう図5に示すように、6角ボルトの頭部11の対角の長さ(間隔)より広く幅広に形成されている。中心側の係合溝部18の幅は、上記拡大溝部の幅より狭く、ボルトの頭部11を受入れて回転せずに摺動させることができるよう6角ボルトの頭部11の対辺の長さ(間隔)よりも僅かに広い幅に形成されている。
【0015】
該拡大溝部17と係合溝部18の溝幅の変化点の位置は、図5に示すようにずらしてあり、外方に位置する変化点がボルトを中心方向に移動する際にボルトの頭部11の角が当る当り部19となっている。すなわち、図5に示すように、溝の対向間隔は、変化点を境に中心に向かって、A部、B部、C部と次第に狭くなり、ボルトを移動する際、図6に示すように当り部19に頭部11の角が当ると、頭部11は回転して6角形の一辺が係合溝部18に沿った方向になり、ボルトの頭部11の方向が係合溝部18の壁面に沿った方向に揃えられ、頭部11を係合溝部18に容易に係合させることができる。このようにすれば、6角ボルトの頭部がどのような位置にあっても、正しい位置に矯正することができるので、組み付けの際にボルトの向きに注意する必要がない。なお、実施例において、上記差込溝は両端が開口しているが、一方側のみを開口させることもでき、上記当り部19は、溝とは別に支持板の下面等に独立して設けてもよい。
【0016】
上記支持板8の挿入孔13の縁部には、好ましくはボルト10の頭部11を挿入孔13内に位置させるようストッパー20を設けることができる。このストッパー20は、支持板8の下面に独立して形成してもよいが、図7に示すように、連結フレーム4の一つの上端を上記スライド孔14の延長線上に伸ばし、その先端を挿入孔13の縁部に臨んで位置させてストッパー20とするとよい。このようにすれば、ボルト10を挿入孔13から外す際、頭部11が挿入孔13内に収まっているので、ボルトが挿入孔に引っからないようにでき、取り出しやすい。
【0017】
上記鈴7は、従来のように筒状に形成され、上部に吊下孔21を有し、図4に示すように、下方から差込んだ取付ねじ22を上記キャッチ部材16に形成したねじ孔23にねじ込むことにより揺動可能に吊下げられている。なお、鈴7を取り付け後、この取付ねじ22をキャッチ部材16に接着、溶着等により固定し、鈴を取り外し不能に吊り下げてもよい。この場合、フレーム本体を積み重ねるとき、鈴7が充分横方向に大きく首をふる程度に傾斜できるようにすれば、鈴7を取り外さなくてもフレーム本体2を積み重ねることができる。
【0018】
上記ホールポスト1をグラウンドゴルフ場で使用するには、ポール6の下端に緩くねじ込んである上記ボルト10の頭部11を支持板8の挿入孔13に差し込み、スライド孔14に沿って中心方向に移動させてポール6を回転すれば、ボルト10は殆どポール6にねじ込まれているので、半回転程度するだけ締まり、簡単にポール6をフレーム本体2に固定することができる。鈴7は予めフレーム本体2に吊り下げておけばよい。このようにして、ポールの設定作業が短時間で終了し、準備時間を短縮することができる。また、ポールを上述と逆方向に回転すれば、ボルトが緩んでフレーム本体からポールを簡単に取り外すことができ、片付け作業を大幅に短縮することができる。上記ポールは、従来品をそのまま利用できるので、経済的に得られる。
【0019】
上記実施例においては、支持板と別体に形成したキャッチ部材を支持板に固定するようにしてあるが、支持板とキャッチ部材を一体的に設けてもよい。例えば、図8、図9に示すように支持板8の一部に上記スライド孔14に沿ってプレス加工により下方の屈曲する枠片24を対向して形成し、該枠片24間を差込溝15の係合溝部18としたキャッチ部材16とすることもできる。この場合、枠片の一方の端部を他方の枠片の端部とずらして設け、外側の端部をボルト10の頭部11が当る当り部19とすればよい。なお、支持板8の下面にブラケット25を溶着等で固定し、このブラケット25に固定した支持ピン26に鈴7を揺動可能に吊り下げるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 ホールポスト
2 フレーム本体
6 ポール
7 鈴
8 支持板
10 ボルト
11 頭部
12 軸部
13 挿入孔
14 スライド孔
15 差込溝
16 キャッチ部材
17 拡大溝部
18 係合溝部
19 当り部
20 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側フレームの上方に連結フレームを介して内側フレームを形成し該内側フレームの中心にポールを支持する支持板を設け、該支持板の下方に鈴を吊下げるようにしたフレーム本体を具備し、上記ポールの下端に回り止めの頭部を有するボルトをねじ込み、上記支持板に上記ボルトの頭部が通過できる大きさの挿入孔と該挿入孔に続いてボルトの軸部が通過できる大きさのスライド孔を形成すると共に該支持板の下面に上記頭部を収納しかつ回転不能に保持できる差込溝を形成したキャッチ部材を設け、上記挿入孔から挿入したボルトの頭部をキャッチ部材の差込溝に回り止め状態で保持した状態でポールを回転して該ボルトを締付若しくは弛緩できるようにしたことを特徴とするグラウンドゴルフ用ホールポスト。
【請求項2】
上記キャッチ部材の差込溝は、上記挿入孔から差し込んだボルトの頭部を受け入れるよう外側に位置する拡大溝部と、上記スライド孔に沿ってボルトを移動させた際該頭部が入り込んで係合するよう中心側に位置する係合溝部を有し、該拡大溝部と係合溝部の間には、ボルトを移動する際に該ボルトの頭部が当って頭部の方向を係合溝部に沿った方向に揃えるよう当り部が形成されている請求項1に記載のグラウンドゴルフ用ホールポスト。
【請求項3】
上記ボルトの頭部は6角形に形成され、上記拡大溝部の幅は該頭部の対角よりも広く形成され、上記係合溝部の幅は拡大溝部の幅より狭くかつ該頭部が回転せずに摺動可能な幅に形成され、拡大溝部から係合溝部に至る溝幅の変化点の対向位置をずらして設け、外方に位置する変化点を上記当り部とした請求項2に記載のグラウンドゴルフ用ホールポスト。
【請求項4】
上記挿入孔の縁部にはボルトの頭部を挿入孔内に位置させるストッパーが設けられている請求項1から4のいずれかに記載のグラウンドゴルフ用ホールポスト。
【請求項5】
上記ストッパーは、支持板に固定した連結フレームの先端により構成されている請求項4に記載のグラウンドゴルフ用ホールポスト。
【請求項6】
上記鈴は、上記キャッチ部材に取付ねじで吊り下げられている請求項1から5のいずれかに記載のグラウンドゴルフ用ホールポスト。
【請求項7】
上記取付ねじは、鈴を取り付け後、キャッチ部材に固定される請求項6に記載のグラウンドゴルフ用ホールポスト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−200485(P2012−200485A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69659(P2011−69659)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(391030745)株式会社ニチヨー (8)