説明

グリース組成物

【課題】 耐熱性、低温性に優れ、潤滑寿命の長いグリース組成物を提供すること。
【解決手段】 3〜4価の多価アルコールとカルボン酸とから得られる合成エステル油であって、流動点が−40℃以下、40℃における動粘度が10〜100mm2/secであり、かつ、粘度指数が135以上の合成エステル油を基油として含有するグリース組成物。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリース組成物に関し、特に、耐熱性と低温性に優れ、温度変化が激しい状況下でも好適に使用しうるグリース組成物に関する。本発明はまた、オルタネータ、カーエアコン用電磁クラッチ、アイドラプーリ、中間プーリ、電動ファンモータ、流体継手、水ポンプ、ディストリビュータ、スタータワンウェイクラッチ等の自動車電装部品、エンジン補機等の高温・高速回転で使用される転がり軸受、クリーナモータ、エアコンファンモータ等の家庭用電化製品の高温・高速回転で使用される転がり軸受、コンピュータのハードディスク、CD-R等の記録装置のスピンドルモータの転がり軸受、その他汎用モータ用転がり軸受等に封入するために適するグリース組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】高い熱安定性と良好な低温流動性を有する潤滑油基油として、ヒンダードエステル系の合成潤滑油基油が提案されている。例えば、2位に側鎖を有する炭素数4〜26の脂肪酸を必須とし、3位に側鎖を有する炭素数4〜26の脂肪酸と2位と3位に側鎖を有しない炭素数4〜54の脂肪酸を含むエステル系潤滑油組成物が開示されている(特開平6-158079号公報)。又、ペンタエリスリトールと直鎖飽和モノカルボン酸成分及びα分岐飽和カルボン酸成分とを含有する合成潤滑油基油が開示されており(特開平7-224289号公報)、これらの基油を用いたグリースが使用されてきた。また耐熱性を向上させるため、合成エステル油とエーテル系合成油を併用したグリース組成物が提案されている(特許第2572814号公報)。しかしながら、これらのグリース組成物はいずれも、耐熱性、低温時の流動性の点において優れているとはいえない。
【0003】一般に従来のグリース組成物は、耐熱性(蒸発量)を重視すると低温性が悪くなり、最適なバランスの基油を用いたものはほとんどない。例えば、軸受潤滑寿命試験において150℃での寿命は1000時間以下であり、低温トルクは、−40℃において起動トルクが30Ncm以上、回転トルクが10Ncm以上であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、耐熱性、低温性に優れ、潤滑寿命の長いグリース組成物を提供することである。さらに具体的には、軸受潤滑寿命試験において150℃での寿命は1500時間以上であり、低温トルクは、−40℃において起動トルクが30Ncm以下、回転トルクが10Ncm以下であるようなグリース組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、3〜4価の多価アルコールとカルボン酸とから得られる合成エステル油であって、流動点が−40℃以下、40℃における動粘度が10〜100mm2/secであり、かつ、粘度指数が135以上の合成エステル油を基油として含有するグリース組成物を提供するものである。本発明のグリース組成物に使用する合成エステル油として特に好ましいものは、ペンタエリスリトールと、カルボン酸(a)、(b)及び(c)の混合物とから得られる合成エステル油である。
(a) 炭素数16又は炭素数18の分岐鎖飽和脂肪酸、(b) n-ヘプタン酸、及び(c) i-ヘプタン酸、2-エチルヘキサン酸及びi-ノナン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の分岐鎖脂肪酸。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のグリース組成物は、特定の合成エステル油を基油として使用しているため、低温時における流動性が優れているほか、高温で長時間使用した場合であっても優れた潤滑性を維持し、幅広い使用温度範囲で優れた潤滑性を長期間に渡って保持することができるという、格別顕著に優れた効果を発現する。本発明において基油として使用する合成エステル油は、180℃で500時間加熱した際の揮発量が35重量%以下であり、40℃における動粘度が10〜100mm2/secであるため、高温下で長時間使用された場合であっても揮散しにくく、長期間にわたって優れた潤滑性を発揮し、又、流動点が−40℃以下であり、40℃における動粘度が10〜100mm2/secであるため、低温時に使用した際に適度な流動性を有し、さらに、粘度指数が135以上であるため、高温下で使用された場合であっても優れた潤滑性を発揮すると考えられる。
【0007】前記揮発量は、約20gの試料を100mLのビーカーに入れ、雰囲気温度が180℃の恒温槽内で500時間加熱した際の揮発量であり、[(新油の試料量−残存量)/新油の試料量]×100(重量%)で示される。前記揮発量は、35重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下、最も好ましくは20重量%以下である。前記流動点は、JIS K2269に規定の方法で測定したときの値である。本発明に使用する合成エステル油の流動点は、−40℃以下であり、好ましくは−50℃以下である。
【0008】本発明に使用する合成エステル油のJIS K2283に規定の40℃における動粘度は、10mm2/sec〜100mm2/sec、好ましくは15mm2/sec〜75mm2/sec、さらに好ましくは20mm2/sec〜35mm2/secである。前記粘度指数は、JIS K2283に規定の方法で測定したときの値である。本発明の合成エステル油の粘度指数は135以上であり、好ましくは140以上であり、さらに好ましくは150以上である。
【0009】本発明に使用する合成エステル油は、その構成成分として3〜4価のアルコールを用いたものが、優れた熱安定性、低揮発性、好適な粘度などを呈する観点から好ましい。3〜4価のアルコールとして好ましいものは、3〜4価のヒンダードアルコールであり、具体例としては、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ぺンタエリスリトールが挙げられ、ぺンタエリスリトールが最も好ましい。本発明に使用する合成エステル油は、好ましくはペンタエリスリトールと、カルボン酸(a)、(b)及び(c)の混合物とから得られる合成エステル油である。この合成エステル油は、特に揮発量が少なく、流動点が低く、最適な粘度範囲であり、しかも粘度指数が高い。
【0010】前記カルボン酸(a)の炭素数16又は炭素数18の分岐鎖飽和脂肪酸としては、例えば、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、2-ヘプチルウンデカン酸などがあげられる。これらの酸のなかで、分子内にメチル分岐を有するイソパルミチン酸、イソステアリン酸は、合成エステル油の蒸発量を飛躍的に低減し、粘度指数を飛躍的に向上させることから、本発明において特に好適に使用しうるものである。又、植物油を原料とする脂肪酸には、炭素数16又は炭素数18の分岐鎖飽和脂肪酸の他、通常、直鎖飽和脂肪酸であるミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、直鎖不飽和脂肪酸であるオレイン酸、リノール酸、分岐鎖不飽和脂肪酸であるイソオレイン酸などが含まれるが、揮発量及び流動点の観点から、イソパルミチン酸及びイソステアリン酸の合計含有量が好ましくは55モル%以上、より好ましくは65モル%以上、さらに好ましくは75モル%以上、特に85モル%以上のものが好ましい。
【0011】前記カルボン酸(c)の分岐鎖脂肪酸であるi-ヘプタン酸としては、例えば、2-メチルヘキサン酸、3-メチルヘキサン酸、2-エチルペンタン酸、3-エチルペンタン酸、2,2-ジメチルペンタン酸、2,3-ジメチルペンタン酸、3,3-ジメチルペンタン酸などがあげられる。これらのi-ヘプタン酸のなかで、2-メチルヘキサン酸、2-エチルペンタン酸は、低温における流動性を高める観点から、本発明において特に好適に使用しうるものである。前記カルボン酸(c)の分岐鎖脂肪酸であるi-ノナン酸としては、例えば、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、2-メチルオクタン酸、2,2-ジメチルヘプタン酸などがあげられる。これらのi-ノナン酸のなかで、3,5,5-トリメチルヘキサン酸は、低温における流動性を高める観点から、本発明において特に好適に使用しうるものである。
【0012】カルボン酸(a)、(b)及び(c)の混合物全量に対する(a)、(b)及び(c)それぞれの好ましい割合を以下に示す。カルボン酸(a)の炭素数16又は炭素数18の分岐鎖飽和脂肪酸は、高温において低揮発性を発現させ、粘度指数を向上させ、低温における流動性を高め、最適な粘度を得る観点から、0.5〜20モル%が好ましく、さらに好ましくは1〜15モル%であり、特に好ましくは2〜10モル%である。カルボン酸(b)のn-ヘプタン酸は、高温において低揮発性を発現させ、粘度指数を向上させ、低温における流動性を高め、最適な粘度を得る観点から、50〜96.5モル%が好ましく、さらに好ましくは60〜93モル%であり、特に好ましくは67〜90モル%である。カルボン酸(c)のi-ヘプタン酸、2-エチルヘキサン酸及びi-ノナン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の分岐鎖脂肪酸は、高温において低揮発性を発現させ、粘度指数を向上させ、低温における流動性を高め、最適な粘度を得る観点から、3〜40モル%が好ましく、さらに好ましくは5〜35モル%であり、特に好ましくは7〜27モル%である。さらに、i-ヘプタン酸、2-エチルヘキサン酸及びi-ノナン酸を混合することにより、低温における流動性をさらに高めることができる。
【0013】尚、前記カルボン酸成分には、上記以外のカルボン酸が、本発明の目的が阻害されない範囲内で配合されていてもよい。かかるカルボン酸としては、n-ペンタン酸、n-ヘキサン酸、n-オクタン酸、n-ノナン酸、ラウリン酸等の直鎖カルボン酸、2-メチルブタン酸、3-メチルブタン酸、2-エチルブタン酸、3-エチルヘキサン酸、2,2-ジメチルヘキサン酸、3,3-ジメチルヘキサン酸などの分岐鎖カルボン酸などがあげられる。
【0014】前記3〜4価のアルコールと、カルボン酸との反応に際して、両者の当量比には、特に限定はないが、通常、3〜4価のアルコールの水酸基1当量に対して脂肪酸のカルボキシル基1.0〜1.3当量となるように調整することが好ましい。なお、脂肪酸のカルボキシル基の比率を高くすると3〜4価のアルコールと脂肪酸との反応性が良好となる反面、反応終了後、過剰の脂肪酸を除去する必要がある。このように、多量の脂肪酸を用いた場合には、例えば、減圧留去、蒸気加熱、吸着剤を用いた吸着除去などの方法により、過剰の脂肪酸を除去することができる。
【0015】前記合成エステル油の酸価は、引火点、酸化安定性、熱安定性、加水分解安定性、金属腐食性などの観点から、1.0mgKOH/g以下、好ましくは0.5mgKOH/g以下、さらに好ましくは0.1mgKOH/g以下であることが望ましい。また、前記合成エステル油の水酸基価は、引火点、低温流動性、熱安定性、加水分解安定性などの観点から、10.0mgKOH/g以下、好ましくは7.0 mgKOH/g以下、さらに好ましくは5.0 mgKOH/g以下であることが望ましい。
【0016】本発明のグリース組成物中の前記合成エステル油の含有量は、低温時の流動性、低揮発量、最適な粘度範囲及び粘度指数の全てを満足させる観点から、60重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは70重量%以上であり、80重量%以上であることが特に好ましい。
【0017】本発明のグリース組成物には、必要に応じ他の合成エステル油、エーテル油、PAO等の合成油や、低価格化のために鉱物油等を含有させてもよい。本発明のグリース組成物は、冒頭に説明した用途のほか、連続鋳造設備軸受や、圧延機ワークロール軸受などの製鉄設備用、産業機械用、建設機械用等に使用できる。
【0018】本発明のグリース組成物に使用される増ちょう剤は特に限定されず、通常のグリース組成物に使用されているものを適宜使用できる。例えば、金属石鹸、複合石鹸、ウレア、有機化ベントナイト、シリカ等が挙げられる。金属石鹸としては、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ステアリン酸リチウム、リチウムコンプレックス、ウレアとしては脂肪族ジウレア、脂環式ジウレア、芳香族ジウレア、トリウレア、テトラウレア、ウレタンウレア、有機化ベントナイトとしては、第4級アンモニウム塩で処理したモンモリロナイト、シリカとしては気相反応にて製造された超微粒子のシリカ粉末又はそれらの表面を例えば、メタノールのような低級アルコールで処理したもの、その他スルホネートコンプレックスやPTFE等が挙げられる。本発明のグリース組成物中、増ちょう剤の量は3〜30重量%が適当である。
【0019】本発明のグリース組成物には、一般的に配合される、酸化防止剤、極圧剤、防錆剤、金属腐食防止剤、油性剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、付着性向上剤等を含有させてもよい。酸化防止剤としては、フェノール系や芳香族アミン系の化合物が挙げられる。例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールなどのフェノール系酸化防止剤;pp'-ジオクチルジフェニルアミンなどのアミン系酸化防止剤等があげられる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。本発明のグリース組成物中、これらの酸化防止剤の量は0.5〜5重量%が適当である。本発明のグリース組成物は従来公知の方法により製造することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明のグリース組成物は、耐熱性、低温性に優れ、潤滑寿命が長い。
【0021】
【合成例】合成例12リットルの4つ口フラスコに、n-ヘプタン酸74.5モル、i-ヘプタン酸20.8モルとイソステアリン酸4.7モルを添加し、これにペンタエリスリトールの水酸基1当量に対して前記カルボン酸のカルボキシル基が1.25当量となるようにペンタエリスリトールを添加した。次に、フラスコ内に、窒素ガスを吹き込みながら230℃で14時間反応させ、留出する水を除去した。反応終了後、1kPaの減圧下で過剰のカルボン酸を1時間脱酸し、1kPaの減圧下で1時間蒸気加熱を行い、吸着剤で残存しているカルボン酸を吸着させた後、濾過を行ない、合成エステル油を得た。
【0022】次に、得られた合成エステル油の揮発量、流動点、40℃および100℃における動粘度、酸価、水酸基価および粘度指数を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
(1)揮発量前記に示した方法により揮発量を測定した。
(2)流動点前記に示した方法により流動点を測定した。
(3)40℃および100℃における動粘度前記に示した方法により動粘度を測定した。
(4)酸価JIS K0070 3.1により酸価を求めた。
(5)水酸基価JIS K0070 7.2により水酸基価を求めた。
(6)粘度指数前記に示した方法により粘度指数を測定した。
【0023】合成例2〜4合成例1において、カルボン酸の組成を表1に示すように変更し、ペンタエリスリトールの水酸基1当量に対して前記カルボン酸のカルボキシル基が1.25当量となるように調整したほかは、合成例1と同様にして合成エステル油を調製した。得られた合成エステル油の性質を表1に示す。尚、表1中に記載のiC7酸は、i-ヘプタン酸を主成分とし、2-エチルペンタン酸、2-メチルヘキサン酸、2-エチルヘキサン酸を含む混合物である。iC9酸は、3,5,5-トリメチルヘキサン酸を示す。又、iC18酸はイソステアリン酸を主成分とし、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等を含む混合物である。
【0024】
【表1】


【0025】比較合成例1〜9合成例1において、カルボン酸の組成を表2に示すように変更し、ペンタエリスリトールの水酸基1当量に対して前記カルボン酸のカルボキシル基が1.25当量となるように調整したほかは、合成例1と同様にして合成エステル油を調製した。得られた合成エステル油の性質を表2に示す。尚、表2中に記載の iC8酸は i-オクタン酸を示す。
【0026】
【表2】


【0027】実施例1〜4及び比較例1〜9合成例1〜4及び比較合成例1〜9で合成した合成エステル油を基油として使用し、下記の処方、操作によりグリース組成物を調製した。
基油: 87重量%増ちょう剤:12−ヒドロキシステアリン酸リチウム 12重量%酸化防止剤(アルキルジフェニルアミン): 1重量%12−ヒドロキシステアリン酸リチウム(12-OH St Li)全量を基油全量に加熱溶解し、冷却した。室温まで冷却した後、酸化防止剤全量を加え、3段ロールミルでミリングを行い、脱泡処理してグリース組成物を調製した。
【0028】実施例5、比較例10反応容器にMDI(4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート)全量と基油の半量を投入し、70〜80℃に加温した。別の容器にモノアミンの全量と基油の半量を投入し70〜80℃に加温し、これを反応容器に加え攪拌した。約30分間この状態で攪拌を続けた後、170〜180℃に加温し、約30分間保持した後、冷却した。室温まで冷却した後、酸化防止剤全量を加え、3段ロールミルでミリングを行い、脱泡処理してグリース組成物を調製した。
【0029】実施例6及び比較例11反応容器にMDI(4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート)全量と基油の半量を投入し、70〜80℃に加温した。別の容器にモノアミン2種の全量と基油の半量を投入し70〜80℃に加温し、これを反応容器に加え攪拌した。約30分間この状態で攪拌を続けた後、140〜150℃に加温し、約30分間保持した後、冷却した。室温まで冷却した後、酸化防止剤全量を加え、3段ロールミルにてミリングを行い、脱泡処理してグリース組成物を調製した。
【0030】得られたグリース組成物の軸受潤滑寿命、低温トルク試験の結果を表3〜表5に示す。
軸受潤滑寿命試験ASTM D1741グリース寿命試験方法による。内径30mmの深溝軸受(6306)にグリース6gを充填し、回転数3500rpm、ラジアル荷重11.3kgf、スラスト荷重18.1kgf、規定温度にて20時間運転、4時間休止のサイクル運転を行う。寿命の判定は、モーターの過負荷、軸受温度が設定温度を10℃以上越えた時、又は異常音が10分間以上続いた時、寿命と判定し試験を終了する。
低温トルク試験JIS K2220 5.14に準拠して-40℃にて測定する。
【0031】
【表3】


【0032】
【表4】


×:測定不能
【0033】
【表5】


×:測定不能

【特許請求の範囲】
【請求項1】 3〜4価の多価アルコールとカルボン酸とから得られる合成エステル油であって、流動点が−40℃以下、40℃における動粘度が10〜100mm2/secであり、かつ、粘度指数が135以上の合成エステル油を基油として含有するグリース組成物。
【請求項2】 合成エステル油がペンタエリスリトールと、カルボン酸(a)、(b)及び(c)の混合物とから得られる合成エステル油である請求項1記載のグリース組成物。
(a) 炭素数16又は炭素数18の分岐鎖飽和脂肪酸、(b) n-ヘプタン酸、及び(c) i-ヘプタン酸、2-エチルヘキサン酸及びi-ノナン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の分岐鎖脂肪酸。
【請求項3】 金属石鹸、ウレア化合物、ウレタン化合物、ベントナイト及びシリカからなる群から選ばれた少なくとも1種の増ちょう剤を含む請求項1または2記載のグリース組成物。

【公開番号】特開2001−3070(P2001−3070A)
【公開日】平成13年1月9日(2001.1.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−172706
【出願日】平成11年6月18日(1999.6.18)
【出願人】(000162423)協同油脂株式会社 (165)
【Fターム(参考)】