説明

グループ単位のデマッピングを用いる繰り返しMIMO受信機

STBCM MIMO受信機は、STBICM MIMO送信機により送信された複数の複素記号をデマップする複数のデマッパを含む。各デマッパは、それに関連付けられる1つまたは複数の複素記号を有するよう構成され、その関連複素記号のデマッピングを担う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に繰り返し多入力多出力(MIMO)受信機に関し、より詳細には、グループ単位のデマッピングを用いるMIMO受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
(米国政府のライセンス権)
本発明は、米陸軍研究所により与えられた契約番号DAAD19−01−02−0011の下での政府支援により発明された。政府は本発明に対して一定の権利を有する。
【0003】
(関連する出願)
本出願は、Joseph Liberti、John Koshy、およびTimothy Hoerningによる2005年3月14日出願の“Multi−Input Multi−Output (MIMO) System Using Iterative Detection with Soft Cancellation”というタイトルの米国仮特許出願番号60/661,551に基づき、その優先度を主張する。優先度の主張はこれにより行われ、その開示は参照により援用される。
【0004】
本出願は、John KoshyおよびJoseph Libertiによる2005年9月13日出願の“Iterative Multi−Input (MIMO) System Using Group−Wise Demapper with Adjustable Performance and Complexity”というタイトルの米国仮特許出願番号60/716,468に基づき、その優先度を主張する。優先度の主張はこれにより行われ、その開示は参照により援用される。
【0005】
多入力多出力(MIMO)システムに対し、時空間ビットインタリーブ符号化変調(STBICM:space-time bit-interleaved coded modulation)は、ほぼ最大の容量性能を有する高速無線通信の実現方法として認識されてきた。図1Aに、先行技術のSTBICM MIMOシステムの機能アーキテクチャを示す。システムは送信機110を含む。送信機110は、2値情報源111からの情報/データビット列uを符号化し、複数(2個以上)の送信要素Ntからのビット列を無線チャネル120を介して受信機130に送信する。受信機130は、送信機110からの送信情報を受信する複数の受信要素Nr(NrはNtと等しくても、異なっていてもよい)を含む。その後、受信機130はビット列uを再生/復号化し、ビット列を2値シンク142に転送する。
【0006】
図1Bに、先行技術の送信機110の機能アーキテクチャを示す。送信機110は、外部符号器112、ビットインタリーバ114、デマルチプレクサ116、およびマッパ(内部符号器)118を含む。動作において、まず、長さLを有する情報ビット列uが外部符号器112に転送され、そこで符号化率Rの誤り訂正符号を用いてビットが符号化され、長さL/Rの符号化ビット列c2が生成される。符号器112は、例えばTurbo符号器とすることができる。
【0007】
符号化ビット列c2は、次に、ビットインタリーバ114に転送され、ビットインタリーバ114はc2をビットインタリーブしてインタリーブビット列c1を生成する。その後、インタリーブ符号化ビット列はデマルチプレクサ116に転送される。デマルチプレクサは、ビット列c1を、例えばNt個の並行かつ独立したビットストリーム(d1...dNtに分割する。各ビットストリームは、Nt個の送信要素のうちの1つの送信要素に割当てられて送信される。当業者は、各ビットストリームを1つの送信要素に割当てる必要はなく、この単純化が、説明を容易するためのみに仮定されていることを理解するであろう。例えば、時空間符号を使用する場合に当てはまるように、各送信要素は複数ストリームの何らかの線形結合を送信することができる。
【0008】
次に、ビットストリームd1...dNtはマッパ118に転送される。所与のチャネルの使用のために、マッパ118は、各ビットストリームをMビットのブロックに分割し、各ブロックを複素記号(complex symbol)にマップして、各記号をチャネル120を介して同時に送信する。より詳細には、それぞれのチャネルを使用する毎に、ビットストリームd1...dNtを、i=1〜Ntに対してxi=[xi,1,. ..,xi,M]とすると、NtMx1の大きさのビットベクトルx=[x1,...,xNt]Tで表すことができる。各ストリームに対するMビットの各ブロックはi=1〜Ntに対して記号
【0009】
【数1】

【0010】
にマップされる。ここで、記号siは大きさ2Mの複素コンステレーションおよびアルファベット
【0011】
【数2】

【0012】
から選択される。その後、各送信要素は対応する信号をチャネル120上で受信機130に向けて同時に送信する。Nt個の同時送信信号の全集合はベクトル
【0013】
【数3】

【0014】
で表すことができる。
【0015】
受信機130で、Nr個の受信要素の各々は、Nt個の送信要素の各々が放射した記号ストリームを受信する。それぞれのチャネルの使用中に、受信要素で受信された記号ストリームは、大きさNr×1の信号ベクトルyで表すことができる。当技術分野でよく知られているように、チャネル120をNr×Ntのチャネル行列Hで表すことができる。ここで、行列のij番目の要素はj番目の送信要素とi番目の受信要素との間のチャネル利得を表す。説明の簡単さのため、チャネル120は、ライスフェージングと各チャネル係数に対する単一の利得とを有するフラット(周波数非選択性)であると仮定する。それでもなお当業者は、チャネル120が周波数選択性チャネルであるとき、直交周波数分割多重(OFDM)変調器および復調器をそれぞれ送信機110と受信機130とに組み込むことで実効フラットチャネルを実現できることを理解するであろう。当業者は、受信機130は標準的なチャネル推定方法を使用してチャネル行列Hを決定できることも理解するであろう。説明を簡単にするため、チャネル行列Hは、受信機130により完全に知られていると仮定する。
【0016】
従って、受信機130側のベクトルyを次式で与えることができる。
y=Hs+n (1)
ここでnは加法性白色雑音を表す。加法性白色雑音の要素は、ゼロ平均と実次元毎の分散
【0017】
【数4】

【0018】
とを有する複素ガウスである。ストリーム毎の平均信号エネルギー
【0019】
【数5】

【0020】
をEsで表すことができる。従って、受信要素毎の信号対雑音比の平均は、
【0021】
【数6】

【0022】
となる。
【0023】
図1Cに、先行技術の受信機130の機能アーキテクチャを示す。受信機130はデマッパ(内部復号器)132、外部軟入力軟出力(SISO)復号器136、デインタリーバ134、およびインタリーバ138を含む。図示したように、デマッパ132および復号器136は、ループに相互接続され、繰り返し方式で機能して、信号ベクトルyから送信機110が送信した情報ビット列uを再構築する。詳細には、受信機130を介する第1のパスにおいて、デマッパ132はyを観測してチャネルHを知り、各符号化ビットに対する軟情報を決定することで、Nt個の受信複素記号ストリームを、それらが構成するNtM個の符号化ビットにデマップする。特に、デマッパ132は符号化ビットに対して事後確率(APP:a posteriori probability)の対数尤度比(LLR:log-likelihood ratio)値を計算する。符号化ビットに対するこれらのLLR値の集合を、図1CにおけるLD1で表す。
【0024】
次に、軟情報LD1はデインタリーバ134に転送され、デインタリーバ134はLLR値をデインタリーブして、それにより符号化ビット列c2に対応するLLR値の列を生成する(ここで、十分な記号が受信かつデマップされて、L/R個のLLR値の列を生成したと仮定する)。これらのデインタリーブLLR値は、SISO復号器136に対する事前入力LA2になる。
【0025】
SISO復号器136はさらに、ビットの一時結合を知るとLLR値を洗練し、情報ビットの事後情報(図1CにおいてL’D2で表す)と符号化ビット(図1CにおいてLD2で表す)とを計算することで、情報ビット列uおよび符号化ビット列c2に対する軟情報を生成する。例として、BCJRまたは、P.Robertsonらによる“A comparison of optimal and sub−optimal MAP decoding algorithms operating in the log domain”、Proc,Int.Conf.Communications、1995年6月、1009−1013頁で説明されている対数MAPアルゴリズムを使用して、SISO復号器136を実装することができる。
【0026】
SISO復号器136からの事後情報L’D2は、硬判定モジュール140に転送され、硬判定モジュール140が、LLR値を使用して情報ビット列uを決定する。次に、事前情報LA2が事後情報LD2から(モジュール141を通して)除去され、新規(従って外部)情報LE2を生成する。事前部LA2を除去することで、以前の計算値との相関が最小化されることに注意する。
【0027】
外部情報LE2は、次にインタリーバ138に転送され、インタリーバ138が、LLR値をインタリーブして、それにより符号化ビット列c1に対応するLLR値の列を生成する。これらのインタリーブLLR値は、デマッパ132に対する事前情報LA1になる(デマッパは、NtM個のLLR値に対して動作する)。検知、復号化、およびフィードバックのこのサイクルは、受信機130を介して、第1の繰り返しを構成する。後続の繰り返しにおいて、事前情報LA1は、(モジュール142を介して)デマッパ132からの事後情報LD1から除去されて、新規/外部情報LE2を生成し、新規/外部情報LE2が引き続いてデインタリーバ134/SISO復号器136に転送されることに注意する。
【0028】
一般に、受信機130を介したそれぞれの繰り返しは、デマッパ132およびSISO復号器136により生成された軟情報の信頼性を向上させる。これらのモジュール間で軟情報を交換することは、所望のビットエラー率(BER)が達成されるまで続く。この時点で、硬判定モジュール140により最終決定がなされ、硬判定モジュール140が事後情報L’D2を使用して情報ビット列uを決定する。モジュールは、LLR値がL’D2≧0の場合は“1”と決定し、そうでなければ“0”と決定する。
【0029】
デマッパ132をより詳細に参照する。先行技術のシステムは、このデマッパを結合ストリームデマッパとして実装している。結合ストリームデマッパは、Nt個すべての送信記号を介して、所与のチャネル使用において送信したNtM個の符号化ビットに対し、LLR値を計算する。詳細には、観測yが与えられると、先行技術では、n番目のストリーム(n=1,...,Nt)のm番目のビット(m=1,...,M)であるxn,mのLLR値を次式のように定義している。
【0030】
【数7】

【0031】
標準LLR操作および最大対数近似を用いて、これらのシステムでは、
【0032】
【数8】

【0033】
の外部LLR値を次式のように計算している。
【0034】
【数9】

【0035】
ここで、
【0036】
【数10】

【0037】
は、n番目のストリームのm番目のビット値がb(即ち、+1または−1)に等しいビットベクトルxの集合を表す。x[n,m]は、n番目のストリームのm番目のビットに対応する要素を省略したxのサブベクトルであり、LA1,[n,m]は、x内のエントリに対応する事前情報を含むベクトルである。式(3)において、s(x)はNtM×1のビットベクトルxからNt×1の記号ベクトルへのマッピングを表す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
重要なことは、式(3)から分かるように、ビット毎のLLR値が、Nt個の同時送信記号の可能な実現値すべてを考慮して計算されているということである。その結果、計算量(complexity of the computation)は、同時送信ストリーム数Ntと記号毎ビット数Mとの積の指数関数である。言い換えると、各ビット位置に対して、LLRの計算には、
【0039】
【数11】

【0040】
を超えるビットベクトルを仮定することが必要である。この指数関数的計算量により、デマッパ132を高スペクトル効率MIMOシステムに対して実用的に実装することができない。例えば、16QAMコンステレーションを用いて8個の並列記号ストリームを送信するMIMOシステムにおいて、ビット毎LLR値の計算には、232(≒4×109)個の可能な記号ベクトルを評価する必要があり、これにより現在のシリコン技術を用いた実用的な実装は不可能である。
【0041】
この計算量を克服するため、デマッパ132を、球面検出を用いた近似的な結合ストリームデマッパとして実装することが提案されている(例えば、Hochwaldらによる“Achieving near−capacity on a multiple−element channel”、2003年3月 IEEE Trans,Commun,Vol.51,no.3,389−399頁を参照)。球面検出は、仮説検定を受信信号に関する或る特定の半径の超球面内部にある候補に限定することで、計算量を削減する。詳細には、考慮されるNtM×1ビットベクトルの数は、最尤の意味で受信信号ベクトルyの一定半径R内に存在する特定数の点に限定される。言い換えると、半径R内の点のみが式(3)の評価で考慮される。従って、超球面の半径Rが、球面検出の計算量と性能を制御する。
【0042】
しかしながら、前述の全探索デマッパに関する計算量の削減にも関わらず、球面検出の計算量は、依然として指数関数的である。さらに、Nrが送信ストリーム数Nt未満のとき、球面検出の計算量は、信号対雑音比および受信要素数Ntの影響を受ける。詳細には、これらの量のいずれかが減少すると、計算量が増加する。計算量の増加は、Ntが送信ストリーム数未満のレジームに対して特に深刻である。
【0043】
デマッパ132の計算量をさらに削減して高速かつほぼ最大容量で実行するMIMOシステムを扱うため、Nt個の単一ストリームデマッパの集合としてデマッパを実装することが提案されている。Nt個の単一ストリームデマッパの各々はNt個の記号ストリームの1つをデマップする。一般に、それぞれの単一ストリームデマッパは軟情報を利用して干渉除去と空間フィルタリングを実施して、着目するストリーム以外のストリームすべての寄与を受信信号ベクトルyから除去し、次にこのストリームをデマップする。結果として、デマッパ132の計算は大きさがストリーム数Ntの多項式となる。
【0044】
特に、性能の観点から、低相関チャネルで動作するほぼ満載の(即ち、送信ストリーム数が受信ストリーム数と等しい)MIMOに対して、単一ストリームデマッパは、結合ストリームデマッパに匹敵することが分かった。しかしながら、チャネルがより相関すると、および/またはストリーム分離に使用される受信要素数が送信ストリーム数未満になると、単一ストリームデマッパの性能は、結合ストリームデマッパの性能から乖離し始める。それにも関わらず、これらの条件下の高速システムに対して、結合ストリームデマッパは、上述のように、実用的に実現可能ではない。
【課題を解決するための手段】
【0045】
従って、結合ストリームデマッパのような性能を有するが実用的に実装可能な削減計算量を有するSTBICM MIMO受信機を提供し、それにより上記および他の不都合を解決することが望ましい。本発明の実施態様によると、STBICM MIMO受信機は、1つまたは複数の受信要素と接するデマッパと、デマッパの出力と接する軟入力軟出力(SISO:soft-input-soft output)復号器と、SISO復号器の出力およびデマッパの入力と接する軟記号マッパとを含む。デマッパ、SISO復号器、および軟記号マッパは、複数の複素記号としてSBICM MIMOにより送信された情報ビット列uを再生する繰り返しループ受信機として機能する。
【0046】
詳細には、本発明の実施態様によると、デマッパは複素記号ストリームyを観測してグループ単位で複素記号ストリームを、符号化ビットの各々に対するLLR値の形で軟情報を決定することにより、それぞれのストリームを構成する符号化ビットにデマップする。特に、本発明の実施態様によると、デマッパは単一ストリームデマッパおよび/またはグループストリームデマッパを含む。観測したyをデマップおよび復号化する前に、グループ構築モジュールが、各記号ストリームを1つのグループに割当て、各ストリームは1つのみのグループに割当てられる。ある特定の実施例において、グループ構築モジュールは、1つのストリームをグループの唯一の要素となるように割当てることができる。本発明の実施態様によると、グループ構築モジュールは、より相関するストリームを同一グループに割当てるようにストリームをグループに割当て、それにより性能を最大限まで高めることができる。その後、単一要素のみを有するそれぞれのグループに対して、グループ構築モジュールは、各ストリームをそれぞれの単一ストリームデマッパに割当てる。同様に、複数のストリーム要素を有するストリームの各グループに対して、グループ構築モジュールは、各グループをそれぞれのグループストリームデマッパに割当てる。
【0047】
グループ構築モジュールが各ストリームをグループに割当てると、受信機のそれぞれの繰り返し毎に、それぞれの単一ストリームデマッパは、その関連付けられたストリームを他のすべてのストリームと独立してデマップする。同様に、各グループストリームデマッパは、グループ以外の他のすべてのストリームと独立して、その関連付けられたストリームを結合的にデマップする。詳細には、本発明の実施態様によると、それぞれの単一ストリームデマッパおよびそれぞれのグループストリームデマッパは、最初にyを観測してこの信号から他のすべての干渉ストリーム(即ち、グループのメンバでないストリーム)の寄与を干渉除去することでデマッピングを実施する。この干渉除去を実施するため、軟記号マッパは、まず、各信号の軟表現をSISO復号器からの軟情報を用いて再構築する。各デマッパにおいて、干渉ストリーム(即ち、グループのメンバでないストリーム)に対応する軟記号は、干渉ストリームのチャネル応答を介してフィルタされ、次に、得られた干渉信号が信号yから除去される。従って、各デマッパは、受信信号yの「雑音除去」版を、そのグループに割当てたストリームの視点から取得する。軟判定干渉除去に加えて、それぞれの単一ストリームデマッパは、受信信号yの「雑音除去」版を軟空間フィルタに通し、干渉除去プロセスから残留したすべての残留干渉の寄与を最小化し、かつ/または所望のストリームを強調する。
【0048】
干渉ストリームの寄与を信号yから除去すると、それぞれの単一ストリームデマッパは、その「雑音除去された」信号の変化(variation)を使用して、その対応する複素記号ストリームを、その記号の構成ビットの各々に対するLLR値の形で軟情報を計算することで、デマップする。同様に、各グループストリームデマッパは、その「雑音除去された」信号の変化を使用して、その対応する複素記号ストリームのグループを、そのグループ内の各記号の構成ビット各々に対するLLR値の形で軟情報を計算することで、デマップする。本発明の実施態様によると、それぞれの単一ストリームデマッパは、記号(symbol)毎のビット数の指数関数であるビット毎計算量を有し、それぞれのグループストリームデマッパは、グループ内の記号数により記号毎ビット数の指数関数であるビット毎計算量を有する。従って、本発明の単一ストリームおよびグループストリームデマッパは、全記号にわたって結合的にデマップする先行技術の結合ストリームデマッパに比べて、削減された計算量を有する。本発明の別の実施態様によると、抑制探索技術を使用することで、各ストリームデマッパの計算量をさらに削減することができる。
【0049】
それぞれの単一ストリームデマッパおよびグループストリームデマッパが、その対応記号集合をデマップすると、得られたLLR値は単一のLLR値の列に結合され、次にデインタリーブされて、送信機側の符号化ビット列c2を表現/対応するLLR値の列を生成する。これらのデインタリーブLLR値は、SISO復号器に対する事前入力となる。
【0050】
事前入力が与えられると、SISO復号器はさらにLLR値を洗練させ、情報ビット列uおよび符号化ビット列c2に対する軟情報を、情報ビット列および符号化ビット列の事後情報を計算することで生成する。情報ビット列uの事後情報は硬判定モジュールに転送され、最終的に、硬判定モジュールでLLR値を使用して情報ビット列uを決定する。次に、符号化ビット列の事後情報およびこの事後情報の外部形が、それぞれインタリーブされ、次に記号ストリームの各々を構成するLLR値のストリームに逆多重化される。外部LLR値は、記号ストリームをデマップする後続の繰り返しにおいて単一ストリームデマッパおよびグループストリームデマッパが用いる事前情報として、デマッパにフィードバックされる。次に、事後LLR値は軟記号マッパに転送され、軟記号マッパはLLR値を使用して受信記号ストリームの各々に対応する軟記号を再構築する。その後、軟記号マッパは、再構築した軟記号を適切な単一ストリームデマッパおよびグループストリームデマッパに転送する。各デマッパは、軟記号を使用して、上述のように、受信記号yから干渉ストリームの寄与を干渉除去する。従って、その後、繰り返し検出プロセスが、繰り返される。
【0051】
本発明により、ストリームをグループに割当て、グループ単位でデマップし、それにより受信機の処理能力と所望の受信機性能との間のバランスをとることを都合よく行うことができる。詳細には、ストリームが結合的に検出されるように、より多くのストリームが同一グループに追加されると、本発明のデマッパの性能は一般に向上する(即ち、デマッパが1つのグループストリームデマッパに集約されると、デマッパの性能は一般に向上する)。しかしながら、任意のグループの大きさを増加させると、デマッパ全体の計算量も増加する。本発明の実施態様によると、グループ数(即ち、単一ストリームデマッパおよびグループストリームデマッパの数)と各グループの大きさを調整することで、デマッパ全体の計算量を調整して受信機の処理能力と対応させ、所与の受信機の計算量に対して可能な最大性能を得ることができる。言い換えると、本発明は、受信機の処理能力を完全に利用する受信機性能を与えることができる。
【0052】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して、以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
図2に、本発明の実施態様による受信機200の機能アーキテクチャを示す。受信機200は、Nr個の受信要素(Nr≧1)を有するSTBICM MIMOであり、Nt個の送信要素を有する送信機110のようなSTBICM送信機が無線チャネル120を介して送信した情報ビット列uを、繰り返し検出を使用して再生する。受信要素数Nrは、送信要素数Ntと等しくてもよいし、等しくなくてもよい。説明を簡単にするため、それぞれのチャネル使用中に、Nr=Nt個の送信される記号ストリームがあり、各ストリームは固有の送信要素Ntにより送信されるという仮定の下で、本発明を説明する。従って、以下の議論および開示した式は、この仮定に基づく。それでもなお、当業者は、本発明がこの簡略化に限定されないことを認識するであろう。
【0054】
例えば、各送信要素は時空間符号を用いるときのように、複数ストリームの何らかの線形結合を送信することができる。Nt×lの次元を有する時空間符号行列Φを考える。ここで、lは符号の時間次元を表す。符号化インタリーブビットc1を特定のコンステレーションから選択した複素記号にマップした後、この複素記号は長さlのブロックに集められ、l×1の次元の記号ベクトルsとして表すことができる。sは次に時空間符号Φを通してマップされ、Nt×lの次元の新規送信ベクトルΦsを生成する。Φsのそれぞれの要素は、l個の記号の何らかの結合を含み、この段階で固有のアンテナを介して送信される。これは、式(1)が示唆するように、各記号が固有のアンテナを介して送信される上記の仮定とは異なる。従って、本明細書で開示する式を時空間符号システムに適用するために、チャネル行列HをHeq=HΦで置換し、記号のデマッピングは、Nt個ではなく、l個の記号にわたって行われるべきである。
【0055】
受信機200を再度参照する。各ストリームは上述のように、固有の送信要素Ntにより送信され、それぞれのチャネル使用中に受信機200のNr個の受信要素の各々はNt個の送信要素の各々から発せられる記号ストリームを受信すると仮定する。受信要素が受信する記号ストリームを、記号ベクトルyで表すことができる。チャネル120をNr×Ntのチャネル行列Hで表現することができる。説明を簡単にするため、チャネル120は、ライスフェージングと各チャネル係数に対する単一利得とを有するフラット(周波数非選択性)であると仮定する。それでもなお、当業者は、周波数選択性チャネルに対して、受信機200はOFDM変調器を含んで(および同様に、対応する送信機はOFDM変調器を含んで)効果的なフラットチャネルを実現できることを理解するであろう。受信機200は、当業界で公知の標準的なチャネル推定方法を使用して、チャネル行列Hを決定することができる。説明を簡単にするため、受信機200は、チャネル行列Hを完全に知っていると仮定する。
【0056】
図2にさらに示すように、受信機200は、Nr個の受信要素と接するデマッパ(内部復号器)210と、マルチプレクサ220およびデインタリーバ222を介してデマッパ210により生成される軟情報を受信する外部軟入力軟出力(SISO)復号器224とを含む。図のように、受信機200は繰り返し受信機(iterative receiver)で、SISO復号器224が生成する軟情報は、インタリーバ238a/238b、マルチプレクサ240a/240b、および軟記号マッパ242の組合せを介して、デマッパ210にフィードバックされる。デマッパ210およびSISO復号器224は、この繰り返しループを介して軟情報を交換し、それぞれの繰り返しは、所望のBER性能が達成されるまで軟情報を改善する。この時点で、硬判定モジュール226は、軟情報を使用して、情報ビット列uを決定する。
【0057】
受信機200の機能アーキテクチャを、1つまたは複数のマイクロプロセッサにわたるソフトウェアおよび/またはファームウェアに実装することができる。当業者は、受信機200の各機能要素を単一プロセスとして、あるいは1つまたは複数のマイクロプロセッサにわたって実行する複数プロセスとして、実装することができることも認識するであろう。
【0058】
受信機200の動作をより詳細に参照する。本発明の実施態様によると、デマッパ210は、まず、yを観測してチャネル行列Hを知り、符号化ビットの各々に対する軟情報を決定することでNt個の受信複素記号ストリームをデマップして、母体のNtM個の符号化ビットにする。特に、デマッパ210はNtM個の符号化ビットの各々に対するLLR値を計算する。しかしながら、重要なことは、本発明の実施態様によると、デマッパ210が、この記号ストリームのデマッピングをグループ単位で実施することである。
【0059】
詳細には、図2に示すように、受信機200は、デマッパ210に関連付けられるグループ構築モジュール244をさらに含む。本発明の実施態様によると、グループ構築モジュール244は、Nt個のストリームの各々をグループに割当て、各ストリームが一つのグループに割当てられる。或る特定の実施例において、グループ構築モジュール244はストリームをグループのメンバのみに割当てることができる。例として、グループ構築モジュール244は、高度の相関を示すストリームを同一のグループに割当てることができる。図2にさらに示すように、デマッパ210は、1つまたは複数の単一ストリームデマッパ300および1つまたは複数のグループストリームデマッパ400を含む。単一メンバのみを有するそれぞれのグループに対して、グループ構築モジュール244は、各ストリームをそれぞれの単一ストリームデマッパ300に割当てる。同様に、複数のストリームメンバを有する各ストリームグループに対して、グループ構築モジュール244は、各グループをそれぞれのグループストリームデマッパ400に割当てる。
【0060】
一般に、受信機200の任意のインスタンスに対して、グループ構築モジュール244は、同一数のストリームをそれぞれのマルチストリームグループに割当ててもよいし、異なる数のストリームをそれぞれのマルチストリームグループに割当ててもよい(1つより多くのマルチストリームグループがあると仮定)。さらに、受信機200の任意のインスタンスに対して、グループ構築モジュール244は、マルチストリームグループのみを形成してもよいし、単一ストリームグループのみを形成してもよいし、またはマルチストリームグループと単一ストリームグループの両方の組合せを形成してもよい。極端な場合、グループ構築モジュール244は、Nt個のストリームすべてをメンバとして有する1つのグループのみを形成してもよいし、Nt個の単一ストリームグループを形成してもよい。従って、受信機200の任意のインスタンスに対して、単一ストリームデマッパ300およびグループストリームデマッパ400の数を柔軟に構成することができる。重要なことは、本発明の実施態様によると、グループ構築モジュール244は、得られたデマッパ210の計算量(即ち、各デマッパ300/400の数およびメンバの大きさ)を受信機の処理能力に合わせるように、各グループの数と大きさを構成して、指定した受信機の計算量に対して可能な最大性能を提供することができる。
【0061】
グループ構築モジュール244が、デマッパ210を構成し、各ストリームをグループに割当てたと仮定すると、それぞれの(以下で説明するように、最初の繰り返し以外の)繰り返しに対して、それぞれの単一ストリームデマッパ300とそれぞれのグループストリームデマッパ400は、その関連付けられたストリームを個別に、かつ他のデマッパと独立してデマップする。従って、それぞれの単一ストリームデマッパ300は、その関連付けられたストリームを単体で、かつ他のすべてのストリームと独立してデマップする。同様に、各グループストリームデマッパ400は、その関連ストリームを、グループ外の他のすべてのストリームと独立して結合的にデマップする。
【0062】
詳細には、本発明の実施態様によると、それぞれの単一ストリームデマッパ300およびそれぞれのグループストリームデマッパ400は、まず、yを観測し、この記号ベクトルから他のすべての干渉ストリーム(即ち、グループのメンバでないストリーム)の寄与を除去/干渉除去することでデマッピングを実施する。デマッパは、この干渉除去動作を軟判定干渉除去のプロセスを介して実施する。この軟判定干渉除去を実施するため、軟記号マッパ242は、まず、SISO復号器224からの軟情報を使用して各記号の軟表現を再構築する。得られた軟記号は、次にデマッパ210に転送され、必要に応じてそれぞれの単一ストリームデマッパおよびそれぞれのグループストリームデマッパに向けられる。各デマッパで、干渉ストリーム(即ち、グループのメンバでないストリーム)に対応する軟記号が、干渉ストリームのチャネル応答を介してフィルタされ、得られた干渉信号は、次にベクトルyから除去される。従って、各デマッパは、受信信号yの「雑音除去」版(即ち、干渉を除去した版)を、グループに割当てたストリームの視点から取得する。「雑音除去」という用語に関して、すべての干渉が信号ベクトルyから除去されなくともよいことに注意する。詳細には、干渉が信号ベクトルyから除去される程度は、干渉信号が確実に再構築された程度に依存する。より再構築が正確になれば、干渉除去がより良くなる。逆に、再構築がより不正確になれば、より残留干渉が多くなる。
【0063】
軟判定干渉除去に加えて、それぞれの単一ストリームデマッパ300は、受信信号ベクトルyから「雑音除去された」ものを空間フィルタに通し、干渉除去プロセスから残留したすべての残留干渉の寄与を最小化し、かつ/または所望のストリームを強調することもできる。一般に、受信機200は繰り返しフィルタであるので、各デマッパにおける干渉除去の品質は、それぞれの繰り返しによって向上する。
【0064】
干渉ストリームの寄与を信号ベクトルyから除去すると、それぞれの単一ストリームデマッパは、その「雑音除去された」信号の変化(variation)を使用して、その対応する複素記号をデマップし、そのストリームを構成するM個の符号化ビットに戻す。同様に、各グループストリームデマッパは、信号ベクトルyから「雑音除去された」ものの変化を使用して、その対応する受信複素記号のグループをデマップし、そのグループ内の各記号を構成するM個の符号化ビットに戻す。本発明の実施態様によると、それぞれの単一ストリームデマッパおよびそれぞれのグループストリームデマッパは、対応するデマップ記号ストリームを構成するM個のビットの各々に対する外部LLR値の形で軟情報を計算することで、このデマッピングを実施する。従って、それぞれの単一ストリームデマッパ300は、M個の外部LLR値の列を、対応するデマップストリームに対して生成する。同様に、各グループストリームデマッパ400は、M個の外部LLR値の列を、そのグループ内のデマップ記号ストリームの各々に対して生成する。従って、デマッパ210は、複数の個々のLLR値列を異なる単一ストリームデマッパおよびグループストリームデマッパから生成し、LLR値の総数はNtMとなる。
【0065】
受信機200の動作を続ける。様々なストリームに対するデマッパ210により生成された個々の外部LLR値列は、次にマルチプレクサ220に転送され、マルチプレクサ220はLLR値を、図2のLE1で表したLLR値の単一インタリーブ列に多重化し戻す。このLLR値の単一列は、次にデインタリーバ222に転送され、デインタリーバ222がLLR値をデインタリーブして、送信機側の符号化ビット列c2を表現/対応するLLR値の列を生成する。ここで、符号化ビット列c2を構成するL/R個のLLR値の列をデインタリーバ222が生成するよう、十分な記号が受信され、デマップされていることを仮定していることに注意する。これらのデインタリーブ化LLR値が、SISO復号器224に対する事前情報LA2になる。
【0066】
事前情報LA2が与えられると、SISO復号器はさらに、ビットの一時結合を知ればLLR値を洗練させ、情報ビット列(図2においてL’D2で表す)と符号化ビット列(図2においてLD2で表す)との事後情報を計算することで、情報ビット列uおよび符号化ビット列c2に対する軟情報を生成する。例として、BCJRまたは、P.Robertsonらによる“A comparison of optimal and sub−optimal MAP decoding algorithms operating in the log domain”、Proc,Int.Conf.Communications、1995年6月、1009−1013頁で説明されている対数MAPアルゴリズムを使用して、SISO復号器136を実装することができる。上記の文献を、あたかもその全体を完全に説明したかのように、参照により本明細書に援用する。それでもなお、当業者は、SISO復号器224を本発明から逸脱することなく、他の方法で実装できることを認識するであろう。
【0067】
事後情報L’D2が硬判定モジュール226に転送され、硬判定モジュール226がLLR値を使用して情報ビット列uを決定する。次に、符号化ビット列の事後情報が、全情報(即ち、LD2)および外部情報LE2の両方としてデマッパ210にフィードバックされる。外部情報LE2は、(モジュール237を介して)事前情報LA2を事後情報LD2から除去することで得られる。事前情報LA2の除去により、以前の計算値からの相関が最小化される。
【0068】
外部情報LE2はインタリーバ238aに転送され、インタリーバ238aはLLR値をインタリーブしてデマッパ210に対する事前情報LA1とする。特に、事前情報LA1はデマルチプレクサ240aに転送され、デマルチプレクサ240aはLLR値を、Nt個の記号ストリームの各々を構成するM個のLLR値から成るNt個のストリームに逆多重化する。これらNt個のLLR値ストリームは図2において{LA1(x1),...,LA1(xNt)}で表され、デマッパ210の適切な単一ストリームデマッパ300とグループストリームデマッパ400とに転送され、後続の記号ストリームのデマッピングに使用される。
【0069】
同様に、全情報LD2はインタリーバ238bに転送され、インタリーバ238bはLLR値をインタリーブして、デマッパ210および軟記号マッパ242の両方に対する全事前情報LA1,Dにする。特に、全事前情報LA1,Dは、デマルチプレクサ240bに転送され、デマルチプレクサ240bはLLR値を、Nt個の記号ストリームの各々を構成するM個のLLR値から成るNt個のストリームに逆多重化する。これらのNt個のLLR値ストリームは、図2において{LA1,D(x1),...,LA1,D(xNt)}で表され、(以下でさらに説明する)残留干渉モジュール246を介してデマッパ210に転送され、後続の記号ストリームのデマッピングに使用される。さらに、LLR値ストリーム{LA1,D(x1),...,LA1,D(xNt)}は、軟記号マッパ242にも転送される。
【0070】
軟記号マッパ242の説明を続ける。このモジュールは、LLR値ストリームをデマルチプレクサ240bから受信し、受信記号ストリームの各々に対応する軟記号を再構築する。図2に示すように、軟記号を、外部情報から導出したLLR値{LA1(x1),...,LA1(xNt)}と比較して、復号器224からの全事後情報から導出したLLR値{LA1,D(x1),...,LA1,D(xNt)}から再構築することが望ましい。この構成は、LLR値{LA1,D(x1),...,LA1,D(xNt)}が実際の送信記号に関するより多くの情報を含み、従って、そこから導出した軟記号と残留干渉とをより正確に再構築できるという点で望ましい。上述のように、軟記号マッパ242が生成した再構築記号は、デマッパ210の適切な単一ストリームデマッパ300とグループストリームデマッパ400とに転送され、その各々は軟記号を使用して受信信号ベクトルyから干渉ストリームの寄与を干渉除去する。従って、その後、上述のように、繰り返し検出プロセスが繰り返される。
【0071】
全体として、デマッパ210、SISO復号器224、および軟記号マッパ242間の軟情報の交換は、所望のビットエラー率(BER)が達成されるまで継続する。この時点で、硬判定モジュール226により最終決定がなされる。硬判定モジュール226は、SISO復号器224からの事後情報L’D2を使用して情報ビット列uを決定する。このモジュールが、LLR値がL’D2≧0ならば“1”、そうでなければ“0”と決定する。
【0072】
上述のように、繰り返し検出プロセスは、検出ループを介する第2または後続パスに対するものと仮定した。現時点で容易に分かるように、デマッパ210を介する初期パス/繰り返し中に、軟記号を再構築するためにSISO復号器224から軟記号マッパ242へ利用可能な軟情報はない。従って、この初期パス中にデマッパ210の単一ストリームおよびグループストリームデマッパが、メンバでない干渉ストリームの寄与を再構築すること、および軟判定干渉除去を実施することは不可能である。従って、本発明の実施態様によると、デマッパ210を介する初期パスに対して、それぞれの記号ストリームは単一ストリームデマッパ300に割当てられ、単一ストリームデマッピングのみが実施される。それぞれの単一ストリームデマッパ300は、軟判定干渉除去が実施不可能ならば、空間フィルタリングを使用して干渉ストリームの寄与を最小化するのみであることに注意する。その後、デマッパ210を介する第2および後続の繰り返し中に、SISO復号器224からの軟情報が、軟記号の再構築に利用可能であり、軟判定干渉除去をそれにより実施することができる。従って、デマッパ210を介する第1パスの後、グループ構築モジュール244は、デマッパ210とグループの組合せとを初期化し、かつ/または単一ストリームデマッピングが上述のように実施される。
【0073】
軟記号マッパ242、単一ストリームデマッパ300、グループストリームデマッパ400、およびグループ構築モジュール244をより詳細に参照する。軟記号マッパ242から始めると、上述のように、本モジュールは、SISO復号器224からの軟情報を使用して、Nt個のストリームの各々に対する軟情報を再構築する。図のように、各記号は、外部情報から導出した事前フィードバックと比較して、復号器224からの全事後情報より導出した事前フィードバック{LA1,D(x1),...,LA1,D(xNt)}から再構築される。
【0074】
本発明の実施態様によると、それぞれの軟記号を次式で計算したn番目の記号の期待値として計算することができる。
【0075】
【数12】

【0076】
ここで、bi,mは、アルファベット
【0077】
【数13】

【0078】
の記号
【0079】
【数14】

【0080】
のm番目のビット値である。式(4)の第2の式は、インタリーブ化のため、記号内のビットが独立であるという仮定に従う。LLRの定義により、ビット確率
【0081】
【数15】

【0082】
を次式のように表すことができる。
【0083】
【数16】

【0084】
ここで、LA1、D(xn,m)は、n番目のストリームのm番目のビットに対応するLLR値である。図のように、軟記号マッパ242により計算した軟記号は、軟判定干渉除去に対する必要に応じて、デマッパ210ならびに適切な単一ストリームデマッパおよびグループストリームデマッパに転送される。
【0085】
図3に、本発明の実施態様によう単一ストリームデマッパ300の一実施例の機能アーキテクチャを示す。説明を簡単にするため、図3のデマッパは、着目するk番目のストリームをデマップすると仮定する。デマッパ210内の単一ストリームデマッパの各インスタンスは、図3に示した機能アーキテクチャと類似していてもよい。
【0086】
図示したように、単一ストリームデマッパは、干渉再構築モジュール302、干渉キャンセラ304、空間フィルタモジュール306、およびAPP(即ち、軟情報)計算器308を含む。上述のように、本発明の実施態様によると、それぞれの単一ストリームデマッパ300は、軟判定干渉除去の組合せを使用して受信信号ベクトルyからのすべての干渉ストリームの寄与(即ち、干渉)を除去し、次に軟空間フィルタリングを得られた信号に使用して、干渉除去プロセスから残留するすべての残留干渉の寄与を最小化し、かつ/または所望のストリームを拡張する。結果として、k番目の受信ストリームは、干渉除去された干渉の量に依存して隔離および拡張される。その後、単一ストリームデマッパは、隔離および拡張されたk番目の受信ストリームを使用して、このストリームを各ビットに対して軟情報を計算することで、ストリームを構成するM個の符号化ビットにデマップする。干渉再構築モジュール302および干渉キャンセラ304は、軟判定干渉除去を実施し、空間フィルタモジュール306は、軟空間フィルタリングを実施し、APP計算器308は、デマッピングを実施する。
【0087】
まず、干渉再構築モジュール302は、軟記号マッパ242からk番目の記号以外の再構築記号の各々を受信し、これらの記号をそのチャネル応答を介してフィルタし、受信記号ベクトルyに対するそれらの有効な寄与を生成する。その後、干渉キャンセラ304は、(多重アクセス干渉(MAI)とも称することができる)干渉ストリームのこれらの寄与を受信信号ベクトルyから除去する。この結合動作は、次式で表すことができる。
【0088】
【数17】

【0089】
ここで、
【0090】
【数18】

【0091】
は干渉ストリームに対するチャネル応答の集合であり、
【0092】
【数19】

【0093】
は干渉ストリームの期待記号値の対応集合であり、
【0094】
【数20】

【0095】
は干渉ストリームの寄与を除去した「雑音除去」記号ベクトルである。ここでもまた、「雑音除去」という用語に関して、再構築軟記号の信頼性に依存して、
【0096】
【数21】

【0097】
はいくらかの残留干渉を有する可能性があることに注意する。軟記号の信頼性が上がれば、干渉記号の再構築の忠実度が上がり、干渉をより良く干渉除去することができる。逆に、不完全な再構築を使用すると残留干渉が残る。
【0098】
上述のように、デマッパ210を介した初期パス中に、全ストリームはそれぞれの単一ストリームデマッパ300に割当てられ、軟判定干渉除去は存在しない。軟判定干渉除去が存在しないことは、この時点で式(6)からより容易に分かり、軟記号マッパ242が再構築記号を与えないならば、第2項は事実上ゼロであることが分かる。従って、デマッパ210を介した初期パス中に、完全な干渉抑圧が、効果的に空間フィルタモジュール306に移される。
【0099】
空間フィルタモジュール306に着目する。このモジュールは、所望のk番目のストリームに対して空間フィルタwkを計算する。空間フィルタwkは、ダイバーシティ利得を介して所望のk番目のストリームを拡張し、さらに干渉ストリームからのすべての残留干渉からの寄与を最小限にするよう設計される。従って、空間フィルタwkを計算すると、その後、空間フィルタモジュール306は「雑音除去」信号ベクトル
【0100】
【数22】

【0101】
をフィルタし、そのフィルタを介して所望のk番目のストリームで送信された記号のスカラ記号推定値
【0102】
【数23】

【0103】
を生成する。
【0104】
本発明の実施態様によると、空間フィルタモジュール306は、空間フィルタwkをMMSE(最小平均二乗誤差)フィルタとして計算することができる。定義により、MMSEフィルタwkは、MMSE推定値
【0105】
【数24】

【0106】
と所望の記号
【0107】
【数25】

【0108】
との間の平均二乗誤差を最小化する。言い換えると、wkはコスト関数
【0109】
【数26】

【0110】
を最小化する。
標準適応フィルタ分析から、J(w)の勾配をゼロに設定することでwkを決定することができ、それによりwkが次式で与えられる。
【0111】
【数27】

【0112】
式(6)を展開すると、
【0113】
【数28】

【0114】
を次式のように書き換えることができる。
【0115】
【数29】

【0116】
式(9)で与えた
【0117】
【数30】

【0118】
の形を用い、すべての記号が独立であると仮定すると、
【0119】
【数31】

【0120】
は次のようになる。
【0121】
【数32】

【0122】
ここで、
【0123】
【数33】

【0124】
、言い換えると、干渉記号の分散を含む対角行列である。同様に、式(9)で与えた
【0125】
【数34】

【0126】
の形を使用し、
【0127】
【数35】

【0128】
は次のように与えることができる。
【0129】
【数36】

【0130】
式(10)および(11)で式(8)を置換し、MMSEフィルタwkを次のように与えることができる。
【0131】
【数37】

【0132】
式(12)において、記号
【0133】
【数38】

【0134】
の第2のモーメント
【0135】
【数39】

【0136】
を次式のように計算することができる。
【0137】
【数40】

【0138】
ここで、
【0139】
【数41】

【0140】
は式(5)で与えられる。記号
【0141】
【数42】

【0142】
の分散は次式のように計算することができる。
【0143】
【数43】

【0144】
ここで、記号
【0145】
【数44】

【0146】
の第2のモーメントは式(13)で与えられ、記号
【0147】
【数45】

【0148】
の第1のモーメント
【0149】
【数46】

【0150】
は、式(4)および式(5)で示すように計算される。
【0151】
従って、受信機200のそれぞれの繰り返しで、空間フィルタモジュール306は、式(12)で与えたように所望のk番目のストリームに対する空間フィルタwkを計算することができ、その後、空間フィルタを介して「雑音除去」記号ベクトル
【0152】
【数47】

【0153】
をフィルタし、k番目のストリームで送信した記号のスカラ推定値
【0154】
【数48】

【0155】
を得ることができる。このフィルタ操作を
【0156】
【数49】

【0157】
で表すことができる。
【0158】
式(12)に示すように、空間フィルタwkは、SISO復号器234からの軟情報に基づいており、従って、受信機200のそれぞれの繰り返しで再計算/更新される。図2および3に示すように、受信機200は残留干渉モジュール246を含む。このモジュールは、式(13)および(14)に示す記号の各々の第2モーメントと分散とを計算し、この情報を必要に応じて単一ストリームデマッパ300の各インスタンスの空間フィルタ306に与えて、空間フィルタwkの再計算/更新を担う。
【0159】
本発明の別の実施態様によると、空間フィルタwkは、Koshyらによる“A New Low−Complexity Demapper for High−Performance Iterative MIMO: Information−Theoretic and BER Analysis”、Proc,IEEE ICASSP‘05、2005年3月、vol.3、1029−1032頁で説明されている信号対干渉雑音比(SINR)最大化空間フィルタであることができる。上記文献を、あたかもその全体を完全に説明したかのように、参照により本明細書に援用する。SINR最大化空間フィルタは本質的に、所望のストリームの平均電力の、他ストリームおよび雑音からの干渉の平均電力総和に対する比を最大化する調和フィルタである。当業者は、空間フィルタwkを本発明から逸脱せずに、他の方法で設計できることを認識するであろう。
【0160】
APP計算器308に戻る。本モジュールは空間フィルタモジュール306からフィルタ記号推定値
【0161】
【数50】

【0162】
を取り、その記号のM個の構成ビットの軟情報を生成し、その後、軟情報をマルチプレクサ220に転送し、それにより記号のデマッピングを完了する。本発明の実施態様によると、APP計算器308は、ビットに対する事後LLR値を計算することで軟情報を生成する。詳細には、観測
【0163】
【数51】

【0164】
が与えられると、k番目のストリームのm番目のビット値に対する事後LLR値を次式で定義することができる。
【0165】
【数52】

【0166】
ベイズ則を適用し、事前部
【0167】
【数53】

【0168】

【0169】
【数54】

【0170】
から除去すると、外部LLRは次式のように表すことができる。
【0171】
【数55】

【0172】
ここで、
【0173】
【数56】

【0174】
は、m番目のビット値が値b(即ち、+1または−1)であるk番目のストリームに対応するすべての可能なビットベクトルxの集合である。
【0175】
APP計算器308の出力は、k番目のストリームを構成するM個のビットに対する事後LLR値の列であり、それぞれのLLR値は、式(15)で与えられる。この事後LLR値列は図3におけるLD1(xk)で表される。その後、LD1(xk)は、モジュール310を介して転送される。モジュール310において、マルチプレクサ240a/SISO復号器224から得られ、かつ図3におけるLA1(xk)で表されるM個のビットの各々に対する事前情報が、事後LLR値から除去され、M個のビットに対する外部LLR値列が得られる。それぞれの外部LLR値は式(16)で与えられ、外部値の列は図3のLE1(xk)で表される。デマッパ210を介する初期パス中では、各記号ストリームは、上述のように単一ストリームとしてのデマッパであり、デマルチプレクサ240a/SISO復号器224からの事前情報LA1(xk)は利用することができない、従って、事後LLR値LD1(xk)は、まず、マルチプレクサ220に転送される。その後、単一ストリームデマッパ300の各インスタンスに対して、外部LLR値LE1(xk)が、マルチプレクサに転送される。
【0176】
以下は式(16)の簡略化の概要であり、事前情報を追加し戻すことで得られる式(15)の簡略形である。式(16)の確率分布関数
【0177】
【数57】

【0178】
に関して、MMSE推定値
【0179】
【数58】

【0180】
は正規分布に近いことが知られている。従って、確率分布関数を次式で与えることができる。
【0181】
【数59】

【0182】
ここで、平均
【0183】
【数60】

【0184】
であり、実次元毎の分散
【0185】
【数61】

【0186】
である。式(9)で定義した
【0187】
【数62】

【0188】
に関して
【0189】
【数63】

【0190】
であり、条件付MMSE推定値の平均は次式のようになる。
【0191】
【数64】

【0192】
再び、式(9)の
【0193】
【数65】

【0194】
の定義を使用すると、条件付MMSE推定値の実次元毎の分散を次式のように得ることができる。
【0195】
【数66】

【0196】
式(16)の
【0197】
【数67】

【0198】
項に関して、インタリーブ化のため、記号の構成ビットが独立であると仮定すると、この項を次式のように構成ビット確率の積として表すことができる。
【0199】
【数68】

【0200】
ビット確率
【0201】
【数69】

【0202】
を、デマルチプレクサ240a/SISO復号器224からの事前LLR値に関して次式のように表すことができる。
【0203】
【数70】

【0204】
式(17)、(18)、(19)、(20)、および(21)で式(16)を置換し、最大対数近似
【0205】
【数71】

【0206】
を用いると、k番目のストリームのm番目のビットの外部LLR値を次式のように得ることができる。
【0207】
【数72】

【0208】
ここで、
【0209】
【数73】

【0210】
は、m番目のビット値がb(即ち、+1または−1)であるM×1のビットベクトルxの集合を表し、x[m]はm番目の要素
【0211】
【数74】

【0212】
を省略したxのサブベクトルであり、LA1,[m](xk)はm番目の要素
【0213】
【数75】

【0214】
を省略したk番目のストリームに対する事前情報を含む(M−1)×1のベクトルである。ここでもまた、APP計算器308が計算した事後LLR値は、事前情報
【0215】
【数76】

【0216】
を追加し戻した式(22)である。式(22)が示すように、APP計算器308は、先行技術の結合ストリームデマッパの場合のMNtの指数関数である計算量とは対照的に、記号毎ビット数Mの指数関数であるビット毎計算量を有する。
【0217】
図4に、本発明の実施態様によるグループストリームデマッパ400の1実施例の機能アーキテクチャを示す。説明を簡単にするため、図4のデマッパは、グループ内のストリーム数が1より大きくNt未満であるようなk番目のストリームグループをデマップすると仮定する。ここでもまた、1つのストリームから成るグループのサイズは、単一ストリームデマッパ300を使用してデマップされる。Nt個のストリームから成るグループのサイズは、全ストリーム間で一度に結合検出することに対応する。デマッパ210内のグループストリームデマッパ400の各インスタンスは、図4に示す機能アーキテクチャに類似していてもよい。
【0218】
図示したように、グループストリームデマッパ400は、干渉再構築モジュール402、干渉キャンセラ404、およびAPP(即ち、軟情報)計算器406を含む。上述のように、本発明の実施態様によると、グループストリームデマッパ400は、軟判定干渉除去を使用して、まず、受信信号ベクトルyからのグループk以外の全干渉ストリームの寄与(即ち、干渉)を除去し、次に各ビットに対する軟情報を計算することで、各ストリームを構成するM個の符号化ビットにグループのストリームをデマップする。干渉再構築モジュール402および干渉キャンセラ404は、軟判定干渉除去を実施し、APP計算器406はデマッピングを実施する。
【0219】
まず、干渉再構築モジュール402は、軟記号マッパ242から、k番目のグループ以外の全干渉ストリームの軟記号を再構築し、これらの記号をそのチャネル応答を介してフィルタして、受信信号ベクトルyに対するそれらの有効な寄与を生成する。その後、干渉キャンセラ404は、受信信号ベクトルyから干渉ストリームの寄与を除去し、干渉ストリームの寄与を除去した「雑音除去」信号ベクトルを生成する。ここでもまた、この結合動作を式(6)で示すように表すことができ、
【0220】
【数77】

【0221】
はk番目のグループにおける各ストリームからの寄与を含む「雑音除去」信号ベクトルを表す。ここでもまた、「雑音除去」という用語に関して、
【0222】
【数78】

【0223】
は干渉記号の再構築の信頼性に依存して、いくらかの残留干渉を有する可能性があることに注意する。再構築がより正確になれば、干渉除去がより良くなる。逆に、再構築がより不正確になれば、残留干渉はより多くなる。
【0224】
APP計算器406に戻る。このモジュールは、「雑音除去」信号ベクトル
【0225】
【数79】

【0226】
を干渉キャンセラ404から取得し、k番目のグループに属する全記号の構成ビットに対して軟情報を結合的に計算し、その後、この軟情報をマルチプレクサ220に転送し、それによりグループ内記号のデマッピングを完了する。本発明の実施態様によると、APP計算器406は、グループ内記号の構成ビットに対して事後LLR値を結合的に計算することで軟情報を生成する。詳細には、観測された
【0227】
【数80】

【0228】
が与えられると、k番目のグループのn番目のストリームのm番目のビットに対する事後LLR値は、次式で定義される。
【0229】
【数81】

【0230】
ベイズ則を適用し、事前部
【0231】
【数82】

【0232】

【0233】
【数83】

【0234】
から除去すると、外部LLRを次式で表すことができる。
【0235】
【数84】

【0236】
ここで
【0237】
【数85】

【0238】
は、n番目のストリームのm番目のビット値が値b(即ち、+1または−1)であるk番目のグループのすべての可能なベクトルx(k)の集合である。
【0239】
APP計算器406の出力は、グループの各ストリームのM個のビットに対する事後LLR情報の列であり、それぞれのLLR値は式(23)で与えられることに注意する。この事後LLR値のストリームは、k番目のグループのストリームが数字1−Nであると仮定すると、図4における
【0240】
【数86】

【0241】
で表される。その後、事後LLR値
【0242】
【数87】

【0243】
は、モジュール408を介して転送される。そこで、デマルチプレクサ240a/SISO復号器224から取得され、かつ図4の
【0244】
【数88】

【0245】
で表されるM個のビットの各々に対する事前情報が、事後LLR値から除去され、M個のビットに対する外部LLR値の列が得られる。それぞれの外部LLR値は、式(24)で与えられ、外部値の列は、図4の
【0246】
【数89】

【0247】
で表される。外部LLR値は、引き続いてマルチプレクサ220に転送され、それによりグループ内の記号のデマッピングを完了する。
【0248】
以下は式(24)の簡略化、および対応する事後LLR値の式の概要である。まず、式(24)の
【0249】
【数90】

【0250】
から始めると、「雑音除去」信号ベクトル
【0251】
【数91】

【0252】
を次式で表すことができる。
【0253】
【数92】

【0254】
当業者が認識するように、チャネル推定値および送信記号に条件を付けると、
【0255】
【数93】

【0256】
はその平均と共分散行列で完全に決定される多変量複素正規分布である。式(25)から、
【0257】
【数94】

【0258】
の平均を次式のように容易に得ることができる。
【0259】
【数95】

【0260】
(26)
【0261】
【数96】

【0262】
の共分散行列
【0263】
【数97】

【0264】
は、次式のように計算することができる。
【0265】
【数98】

【0266】
ここで、
【0267】
【数99】

【0268】
はk番目のグループ以外の干渉記号の分散を含む対角行列であり、上付き文字†は複素共役転置行列を表し、
【0269】
【数100】

【0270】
は大きさNrの単位行列である。上述したことと同様に、干渉記号の分散は式(13)および(14)で与えられ、残留干渉モジュール246によりAPP計算器406に与えられる。平均および共分散行列が与えられると、
【0271】
【数101】

【0272】
は、次式で表すことができる完全に公知な多変量複素正規分布である。
【0273】
【数102】

【0274】
ここで、
【0275】
【数103】

【0276】
および
【0277】
【数104】

【0278】
は、共分散行列
【0279】
【数105】

【0280】
の行列式および逆行列をそれぞれ表す。式(28)において、
【0281】
【数106】

【0282】
はビットベクトル
【0283】
【数107】

【0284】
から記号空間へのマッピングを表す。
【0285】
式(24)の
【0286】
【数108】

【0287】
項に戻ると、ベクトル
【0288】
【数109】

【0289】
におけるビットの独立性が与えられれば、
【0290】
【数110】

【0291】
は、構成ビットの確率の積として、次式のように表すことができる。
【0292】
【数111】

【0293】
ビット確率
【0294】
【数112】

【0295】
を、デマルチプレクサ240a/SISO復号器224からの事前LLR値の点から次式のように表すことができる。
【0296】
【数113】

【0297】
式(28)、(29)および(30)で式(24)を置換し、標準最大対数近似
【0298】
【数114】

【0299】
を用いると、APP計算器406により計算されるk番目のグループのn番目のストリームのm番目のビットに対する事後LLR値は次式で与えられる。
【0300】
【数115】

【0301】
ここで、
【0302】
【数116】

【0303】
である。
次に、事前部
【0304】
【数117】

【0305】

【0306】
【数118】

【0307】
から除去することでk番目のグループのn番目のストリームのm番目のビットに対する外部LLR値
【0308】
【数119】

【0309】
を得ることができ、この操作は上述のモジュール408により実施される。式(31)および(32)により示したように、各ビットに対して、APP計算器406により計算される事後LLRは2MNを上回るビットベクトルを仮定すること(グループ内のストリーム数はN(N<Nt)であると仮定)を要し、従って、Nt個すべてのストリームにわたる結合検出と比較して、計算量が削減されている。
【0310】
グループ構築モジュール244が、Nt個すべてのストリームを含む単一グループを形成する場合、デマッパ210が単一グループデマッパ400に集約されることに注意する。ここで、軟判定干渉除去が存在せず、上記のビット毎事後LLR計算が同時送信ストリーム数Ntと記号毎ビット数Mの積の計算量を有する全ストリーム間の結合検出になるという点で、
【0311】
【数120】

【0312】
である。
【0313】
本発明の別の実施態様によると、APP計算器406は、抑制探索APP(即ち、軟情報)計算器であることができる。詳細には、式(31)および(32)に関して、上述のように事後情報LLRを計算することで、上記APP計算器はk番目のグループにおける記号の構成ビットの軟情報を計算することができる。しかしながら、2MNを超えるビットベクトルを仮定するのではなく、Hochwaldらによる“Achieving near−capacity on a multiple−element channel”、2003年3月 IEEE Trans,Commun,Vol.51,no.3,389−399頁で説明されているリスト球面検出(LSD)またはS.Baroらによる“Iterative detection of MIMO transmission using alist−sequential(LISS) detector”、2003年5月 Proc.Int.Conf.Communications,2653−2657頁で説明されているリスト逐次(LISS)検出器のような抑制検出技術を用いて、これらのビットベクトルのサブセットのみを考慮することもできる。上記の文献を、あたかもその全体を完全に説明したかのように、参照により本明細書に援用する。当業者は、本発明から逸脱することなく、他の抑制検出技術を使用することができることを認識するであろう。
【0314】
特に、抑制検出技術を用いることで、上述のように全探索を用いる場合と比較して、より大規模なグループを開発することが可能となる。従って、抑制検出技術を用いない場合よりも多くのストリームを結合的に検出できるので、性能をさらに改善することができる。
【0315】
特に、例えばHochwaldおよびBaroが示した抑制検出技術は、Nt個すべてのストリームを有する単一グループに適用されるのみであり、Nt個未満のストリームを有するグループには適用されない。特に、HochwaldおよびBaroが示した技術は、受信信号ベクトルyの雑音ベクトルnが空間的に白色であることを仮定する。しかしながら、Nt個未満のストリームを有するグループ(即ち、k番目のグループ)を使用するとき、この条件は満たされない。なぜならば、干渉キャンセラ404からの「雑音除去」信号ベクトル
【0316】
【数121】

【0317】
内の雑音ベクトルは、さらに他グループからの干渉を含み、それにより信号ベクトル
【0318】
【数122】

【0319】
を空間的に色づけするからである。従って、抑制探索技術をNt個未満のストリームを有するグループに適用するためには、信号ベクトル
【0320】
【数123】

【0321】
に対してさらなる信号条件付けを実施して、空間的に色づけした雑音を有するこの信号を、空間的に白色の雑音を有するものに効率的に変換する必要がある。このプロセスは「白色化」と呼ばれ、以下のように実施することができる。
【0322】
信号ベクトル
【0323】
【数124】

【0324】
の雑音の共分散行列は、式(27)の
【0325】
【数125】

【0326】
で与えられる。コレスキー分解のような標準的な行列分解を用いると、雑音(厳密に述べると、加法性白色ガウス雑音に他グループからの干渉を加えたもの)の共分散行列は、次式のように分解することができる。
【0327】
【数126】

【0328】
行列Cは、白色フィルタと呼ばれる。
【0329】
【数127】

【0330】
にCを左から掛けることで、式(25)の信号モデルは次式のようになる。
【0331】
【数128】

【0332】
【数129】

【0333】
の新しい条件付信号を
【0334】
【数130】

【0335】
と定義し、所望のk番目のグループに対する新しいチャネル行列を
【0336】
【数131】

【0337】
と定義し、新しい雑音ベクトルを
【0338】
【数132】

【0339】
と定義すると、k番目のグループに関するAPP計算器406への入力信号に対する新規信号モデルは、次式のように得られる。
【0340】
【数133】

【0341】
【数134】

【0342】
はこの時点で空間的に白色、即ち、その共分散行列は単位行列であることを示すことができる。受信要素毎の雑音電力は、単位行列の対角要素で与えられ、すべて同一値1である。
【0343】
干渉キャンセラ404からの信号ベクトル
【0344】
【数135】

【0345】
を条件付けして信号ベクトル
【0346】
【数136】

【0347】
にする際、信号ベクトル
【0348】
【数137】

【0349】
を抑制探索APP計算器406に適用することができる。例えば、信号ベクトル
【0350】
【数138】

【0351】
が与えられると、リスト球面検出アプローチを用いる抑制探索APP計算器は、k番目のグループのn番目のストリームのm番目のビットに対する事後LLR値を次式のように計算することができる。
【0352】
【数139】

【0353】
ここで、
【0354】
【数140】

【0355】
であり、
【0356】
【数141】

【0357】
は、n番目のストリームのm番目のビットが値bを取り、
【0358】
【数142】

【0359】
に関する或る特定の半径Rの内部にあるような候補ビットベクトルの集合(上記ビットベクトルが特定されていると仮定)を表す。式(36)および(37)は、上述の新規信号および雑音モデルで式(31)および(32)を置換することで得ることができる。当業者は、式(36)および(37)は同じとするが、異なる技術を使用して候補ビットベクトルを選択するような他の抑制探索技術も使用することができることを認識するであろう。
【0360】
特に、球面検出に基づくもののような先行技術の抑制探索技術は、或る特定の条件下でのみ妥当な計算量でNt個すべてのストリーム間で結合APP計算を実施する。その条件の1つは、受信要素数Nrが送信ストリーム数Nt未満であってはならないということである。本発明によると、Nt>NrであるNt個のストリームの大規模グループのうち1つを結合マッピングする難問題を、Nr個を超えないより小規模な幾つかのグループに分割することができる。この小規模なグループでは、任意のグループにおいてストリームを結合的にデマップする必要がある。従って、本発明の「分割統治」アプローチを使用すると、それぞれのグループ内部には結合的に検知されているストリーム数と少なくとも等しい数の受信要素があり、それにより全グループ内部での抑制探索デマッパの使用が保証される。
【0361】
グループ構築モジュール244を参照する。上述のように、本モジュールは、Nt個のストリームの各々をそれぞれが1つまたは複数のメンバを有するグループに割当て、その後、各グループを単一ストリームデマッパ300またはグループストリームデマッパ400のいずれかに関連付ける。本発明の実施態様によると、グループ構築モジュール244は、ストリームをグループに割当て、受信機の処理能力と所望の受信機性能との間のバランスを取る。詳細には、デマッパ210の性能は、より多くのストリームが同一グループに追加されてストリームが結合的に検出されると、一般に向上する(即ち、デマッパ210の性能は、デマッパが1つのグループストリームデマッパに集中すると、一般に向上する)。しかしながら、任意のグループの大きさが増加すると、デマッパ210の全体計算量も増加する。例えば、それぞれのグループストリームデマッパが、グループ内ストリーム数と記号毎ビット数Mの指数関数であるビット単位の計算量を有する。本発明の実施態様によると、グループ構築モジュール244は、デマッパの全体計算量を調整して受信機の処理能力に対応させ、所与の受信機の計算量に対して可能な最大性能を得る。言い換えると、本発明は、受信機の処理能力を完全に利用する受信機の性能を与えることができる。
【0362】
詳細には、本発明の実施態様によると、受信機の処理能力および所望の性能に基づいて、グループ構築モジュール244に多数のグループと各グループが含むべきストリームメンバ数とを与えることができる。ここでもまた、各グループの数と大きさが、デマッパ210の全体計算量を決定する。各グループのサイズは同一であってもよいし、グループ間で可変であってもよい。本発明の実施態様によると、グループ構築モジュール244は、その後、より相関するストリームが同一グループに割当てられ、それにより性能を最大化するように、ストリームをグループに割当てることができる。
【0363】
例えば、受信機がNg個のグループを処理でき、第1グループが第2グループより多くのメンバを含む、等(即ち、
【0364】
【数143】

【0365】
)であるようにグループ毎のストリーム数が整列(即ち、変化)されると仮定する。本発明の実施態様によると、グループ構築モジュール244は、その後、ストリームを、ストリーム間の対単位の相関(pair-wise correlations)に基づいてNg個のグループに割当てることができる。詳細には、グループ構築モジュール244にチャネル行列Hが与えられると仮定すると、このモジュールは、まず、
【0366】
【数144】

【0367】
である全ストリームpおよびq間の対単位の相関
【0368】
【数145】

【0369】
を次式のように計算することができる。
【0370】
【数146】

【0371】
その後、最大サイズ(即ち、
【0372】
【数147】

【0373】
)のグループから始めて、グループ構築モジュール244は、Ns=Nt個のストリームの利用可能プールが与えられると、サイズ
【0374】
【数148】

【0375】
のすべての可能なストリーム分類を列挙する。一般に、
【0376】
【数149】

【0377】
個のそのような仮想グループがある。これらのグループを
【0378】
【数150】

【0379】
で表すことができる。例として、Ns=Nt=4かつ
【0380】
【数151】

【0381】
の場合を考えると、可能な分類は
【0382】
【数152】

【0383】
である。
【0384】
上記各グループ
【0385】
【数153】

【0386】
に対して、グループ構築モジュール244が、グループ相関メトリック値を決定し、次に、最高メトリック値を有するグループを第1グループのメンバとして選択することができる。例えば、グループ構築モジュール244は、各グループのメンバ間のすべての対単位の相関値に対する平均相関を使用することができる。上記の例において、各グループに対して3個
【0387】
【数154】

【0388】
の可能な対の分類がある。グループ相関メトリック値は、これらの
【0389】
【数155】

【0390】
個の対の相関値の平均である。
【0391】
【数156】

【0392】
がグループ相関メトリック値に対して最高値を有する(即ち、
【0393】
【数157】

【0394】
)と仮定すると、グループ構築モジュール244は、
【0395】
【数158】

【0396】
を最初のグループとして選択するであろう。
【0397】
次に、グループ構築モジュール244は、選択したグループのメンバをNs個のストリームから除去し、それにより次グループの
【0398】
【数159】

【0399】
個のストリームに対する利用可能プールを生成することができる。上述と同じプロセスを用いて、グループ構築モジュールは、次に残留ストリームを使用して指定サイズ
【0400】
【数160】

【0401】
の新規グループを構築し、これを第2選択グループとして指定することができる。グループ構築モジュール244は、次にこの第2グループ内のストリームを
【0402】
【数161】

【0403】
個のストリームから除去して残りの未割当てのストリームを生成し、第3グループの構築を進めることができる。グループ構築モジュールは、このプロセスを、すべてのストリームが各種グループに割当てられるまで繰り返すことができる。
【0404】
特に、グループ構築モジュール244がNg個のグループを形成するよう統計的に構成されると仮定すると、上述のグループ構築プロセスは、硬制御を計算量に対して強制する。なぜならば、上述のグループ構築プロセスは常に、ストリーム間の実際の相関に関わらず、同一数のグループを生成するからである。しかしながら、チャネルが変化するとストリーム間の相関も変化する。本発明の実施態様によると、チャネル相関と計算量との間のより強力な結合を可能とするため、グループ構築モジュール244に制御ノブ
【0405】
【数162】

【0406】
を追加することができる。制御ノブ
【0407】
【数163】

【0408】
は、グループ相関メトリック値に対する閾値である。本発明の本実施態様によると、グループ相関モジュールは、Ng個のグループを上述のように形成することができる。その後、グループ構築モジュールは、Ng個のグループからグループ相関メトリック値が
【0409】
【数164】

【0410】
と等しいかまたは超過するグループのみを選択し、これらのグループをそれぞれのグループストリームデマッパ400に割当てることができる。この基準を満たさないグループに関しては、グループ構築モジュールは、これらグループのストリームをそれぞれの単一ストリームデマッパ300に割当てる。制御ノブ
【0411】
【数165】

【0412】
をゼロ(0)および1の間の値を有するように定義して、グループ相関メトリック値に対応させることができる。特に、
【0413】
【数166】

【0414】
のとき、グループ構築モジュールは、全ストリームをそれぞれの単一ストリームデマッパに割当てる。同様に、
【0415】
【数167】

【0416】
のとき、グループ構築モジュールは元のグループを維持し、各グループをそれぞれのグループストリームデマッパまたは単一ストリームデマッパに、グループの大きさに基づいて割当てる。
【0417】
当業者は、本発明から逸脱せずに、上述以外のプロセスを用いて、グループ構築モジュール244はストリームをグループに割当てることができることを認識するであろう。
【0418】
本発明をその特定の実施態様に関連させて説明したが、多数の他の変形および修正および他の使用方法が、当業者に対して明らかであろう。従って、本発明は本明細書の特定の開示により限定されず、添付の請求項によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0419】
【図1A】先行技術のSTBICM MIMOシステムの機能アーキテクチャを示す図である。
【図1B】先行技術のSTBICM MIMO送信機の機能アーキテクチャを示す図である。
【図1C】先行技術のSTBICM MIMO受信機の機能アーキテクチャを示す図である。
【図2】本発明の実施態様によるSTBICM MIMO受信機の機能アーキテクチャを示し、受信機は1つまたは複数のグループストリームデマッパおよび/あるいは1つまたは複数の単一ストリームデマッパを含む図である。
【図3】本発明の実施態様による単一ストリームデマッパの機能アーキテクチャを示す図である。
【図4】本発明の実施態様によるグループストリームデマッパの機能アーキテクチャを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時空間ビットインタリーブ符号化変調(STBICM)送信機により送信された複数の複素記号を含む受信信号からビットデータ列を再生する方法であって、前記方法は、
各複素記号を複数のグループのそれぞれの1つに割当てるステップであって、前記グループの少なくとも1つは複数の複素記号を含むことを特徴とするステップと、
各グループに対して、前記受信信号から前記グループのメンバでない1つまたは複数の複素記号の寄与を除去して、雑音除去信号を生成するステップと、
各グループに対して、前記雑音除去信号を用いて前記グループのメンバである1つまたは複数の複素記号をデマップし、符号化されたビット列の一部を表す複数の軟情報値を形成するステップと、
各グループからの少なくとも軟情報値を復号化して、前記ビットデータ列を表す軟情報の第1の列を生成するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記軟情報の第1の列を使用して前記ビットデータ列を決定するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記復号化するステップが、前記符号化ビット列を表す軟情報の第2の列も生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記軟情報の前記第2の列を使用して前記複素記号を表す軟記号を形成するステップをさらに備え、前記除去するステップ、使用するステップ、および復号化するステップが繰り返されて、各グループに対して、後続の除去するステップが前記グループのメンバでない1つまたは複数の複素記号に対応する前記軟記号を使用して、前記受信信号に対するこれらの1つまたは複数の複素記号の寄与を決定することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記軟情報値の第2の列は、前記符号化ビット列に関する新旧の情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記除去するステップ、使用するステップ、および復号化するステップが繰り返されて、各グループに対して、雑音除去信号を使用して前記1つまたは複数の複素記号をデマップする後続のステップが、前記軟情報値の第2の列の一部を使用して前記1つまたは複数の複素記号をデマップするステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのグループに対して、前記の除去するステップは、前記雑音除去信号を空間的にフィルタするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複数の複素記号を有する少なくとも1つのグループに対して、前記雑音除去信号を用いて前記1つまたは複数の複素記号をデマップする前記ステップは、抑制探索技術を用いるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記の割当てステップは、前記複素記号間の相関に基づいて複素記号を前記グループに割当てるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記の割当てるステップは、前記形成グループの前記複素記号が閾値以下の平均相関を有するときに、形成したグループの前記複素記号を、それぞれの単一メンバのグループに対して、再割当てするステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記グループの任意の1つに割当てた複素記号の最大数は、受信機の処理能力に基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数の受信要素により前記複素記号を受信するステップをさらに備え、複素記号より少ない受信要素があることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
STBICM送信機により送信された複数の複素記号を含む受信信号からビットデータ列を再生するシステムであって、前記システムは、
デマッパと関連付けられた1つまたは複数の複素記号を有するようにそれぞれ構成した複数のデマッパであって、前記デマッパの少なくとも1つは、そのデマッパと関連付けられた複数の複素記号を有し、各デマッパは、
前記受信信号から、前記デマッパと関連付けられていない1つまたは複数の複素記号の寄与を除去して雑音除去信号を生成する干渉除去モジュールと、
前記干渉除去モジュールからの前記雑音除去信号を用いて前記デマッパと関連する1つまたは複数の複素記号をデマップし、符号化ビット列の一部を表す複数の軟情報値を形成する軟情報計算器と
を備える複数のデマッパと、
前記デマッパと通信し、前記デマッパからの少なくとも前記軟情報値を復号化して、前記ビットデータ列を表す軟情報値の第1の列を生成する復号器と
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記復号器と通信し、前記軟情報の第1の列を用いて前記ビットデータ列を決定する硬判定モジュールをさらに備える請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記復号器が、前記符号化ビット列を表す軟情報値の第2の列も生成することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記復号器と通信し、前記軟情報の第2の列を用いて前記複素記号を表す軟記号を形成する軟記号マッパをさらに備え、
前記軟記号マッパが、前記システムが繰り返しループシステムとなるように前記デマッパの前記干渉除去モジュールとも通信することと、
所与のデマッパの前記干渉除去モジュールが、前記デマッパに関連付けられていない1つまたは複数の複素記号に対応する前回の繰り返しからの前記軟記号を用いて、前記受信信号に対するこれら1つまたは複数の複素記号の寄与を決定することと
を特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
少なくとも1つのデマッパに対して、前記軟情報計算器が、抑制探索軟情報計算器であることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも1つのデマッパが、前記干渉除去モジュールからの前記雑音除去信号を空間的にフィルタして前記の空間フィルタした雑音除去信号を前記軟情報計算器に転送する空間フィルタモジュールをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
各複素記号をそれぞれのデマッパに関連付けるグループ構築モジュールをさらに備える請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記グループ構築モジュールが、前記複素記号間の相関に基づいて複素記号を前記デマッパに関連付けることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記デマッパの任意の1つに関連付けられる複素記号の最大数は、受信機の処理能力に基づくことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記複素記号を受信する1つまたは複数の受信要素をさらに備え、複素記号より少ない受信要素があることを特徴とする請求項13に記載のシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−533912(P2008−533912A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501933(P2008−501933)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/008858
【国際公開番号】WO2006/099267
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(399047921)テルコーディア テクノロジーズ インコーポレイテッド (61)
【Fターム(参考)】