説明

ケラチン繊維の酸化染色用組成物及びこの組成物を用いる染色方法

【課題】 ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維の酸化染色のための即時使用可能な組成物、及び、該組成物を用いる染色方法を提供すること。
【解決手段】染色に適した媒体中に、式(I)のピリジンから選択される少なくとも1つの酸化染料と、少なくとも1つの酵素性酸化剤とを含むことを特徴とする組成物、及び、該組成物を用いる染色方法。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染色に適した媒体中に、式(I)のピリジンから選択される少なくとも1つの酸化染料と、少なくとも1つの酵素性酸化剤(oxidizing agent of enzymatic nature)とを含む、ケラチン繊維、特に、毛髪等のヒトケラチン繊維の酸化染色のための即時使用可能な(ready-to-use)組成物、及び、この組成物を用いる染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ケラチン繊維、特にヒト毛髪を、酸化染料前駆体を含む染料組成物で染色することが知られており、該酸化染料前駆体は、特に、オルト−又はパラ−フェニレンジアミン、オルト−又はパラ−アミノフェノール、及び複素環塩基であり、これらは一般的に酸化塩基(oxidation bases)と呼ばれる。酸化染料前駆体、又は酸化塩基、は無色又は薄い色の化合物だが、酸化性物質と組み合わされるとき、有色化合物を生じることができ、酸化縮合過程によって染色する。
【0003】これらの酸化塩基によって得られる色合い(shades)が、該酸化塩基をカプラー又は色調節剤(colour modifier)と組み合わせることによって変化可能であることも知られており、ここで、該色調節剤は、特に、芳香族メタ−ジアミン、メタ−アミノフェノール、メタ−ジフェノール、及び、例えばインドール、インドリン又はピリジン誘導体等のある種の複素環化合物(特に特許出願DE 3 132 885及びEP-A-0 106 987を参照)から選択される。
【0004】酸化塩基及びカプラーとして用いられる分子の多様性によって、幅広い範囲の色を得ることが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの酸化染料によって得られるいわゆる「永久(permanent)」染色は、さらに、一定の要求を満足させなければならない。つまり、それは、毒物学的欠点を有していないこと、望ましい強度の色合いを与えることができること、及び、外部因子(光、悪天候、洗浄、パーマネントウェーブ、発汗、摩擦)に耐性があることが必要である。
【0006】前記染料はまた、白髪を被覆できることが必要であり、また、最後に、できるだけ非選択性であることが必要であり、つまり、同様の長さのケラチン繊維上での色の違いを可能な限り最小にすることが必要である。ここで、該ケラチン繊維は、実際、その先端と根元の間では、違って感作されている(すなわちダメージを受けている)。
【0007】ケラチン繊維の酸化染色は、一般的に、過酸化水素の存在下で、アルカリ性媒体中で行われる。しかしながら、過酸化水素存在下でのアルカリ性媒体の使用は、該繊維のかなりの劣化を引き起こし、また、常に望ましいとは限らない、該ケラチン繊維の相当な漂白を引き起こすという欠点を有している。
【0008】ケラチン繊維の酸化染色はまた、過酸化水素の他に、酵素系等の酸化系を用いて行われることもできる。ゆえに、酸化塩基、及び任意にカプラー、を含む組成物を、ピラノースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ又はウリカーゼ等の酵素と組み合わせて、前記酵素のための供与体(donor)の存在下で用いてケラチン繊維を染色することが、特に特許出願EP-A-0,310,675において、既に提案されている。過酸化水素の存在下で用いられる染料によって引き起こされる劣化と比べると、ケラチン繊維の劣化を引き起こさない条件下で用いられているけれども、これらの染色方法は、やはり、特に、それらの強度(強さ)と、毛髪に課されるであろう様々な攻撃因子に対する耐性の点で、完全に満足できる着色をもたらさない。
【0009】
【課題を解決するための手段】出願人は、ここに、後に定義される式(I)のピリジンから選択される少なくとも1つの酸化染料と少なくとも1つの酵素性酸化剤とを組み合わせることによって、ケラチン繊維に顕著な劣化を引き起こすことなく濃い着色をもたらすことができ、非選択性であり且つ毛髪に課されるであろう様々な攻撃因子に良好な耐性を示す、新規な染料が得られること見出した。
【0010】この発見が本発明の基礎をなす。
【0011】本発明の第一の目的は、つまり、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維の酸化染色のための即時使用可能な組成物であり、該組成物は、染色に適した媒体中において:−以下の式(I):
【化5】


[式中、−R1は、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基又はC2−C4ポリヒドロキシアルキル基を表し、−R2は、C1−C4アルコキシ基、C1−C4モノヒドロキシアルコキシ基、C2−C4ポリヒドロキシアルコキシ基、アミノ基、モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、モノフェニルアミノ基、モノヒドロキシフェニルアミノ基、モノアルコキシフェニルアミノ基、モノヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ基、ジヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ基、モノヒドロキシ(C2−C4)アルキルアミノ基、ジヒドロキシ(C2−C4)アルキルアミノ基、(C1−C4)アルキルモノヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ基又は(C1−C4)アルキルポリヒドロキシ(C2−C4)アルキルアミノ基を表し、−R3は、水素原子、アミノ基、モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、モノヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ基又はモノ(ポリヒドロキシ(C2−C4)アルキル)アミノ基を表し;ここで、R2がC1−C4アルコキシ基、C1−C4モノヒドロキシアルコキシ基又はC2−C4ポリヒドロキシアルコキシ基を表すとき、R3は水素原子を表すと理解される]のピリジン、及び、それらの、酸との付加塩(addition salts)から選択される少なくとも1つの酸化染料;及び、−以下のa)二電子オキシドレダクターゼと、前記二電子オキシドレダクターゼのための少なくとも1つの供与体とを含む系、b)四電子オキシドレダクターゼ、c)ペルオキシダーゼから選択される少なくとも1つの酵素性酸化剤(oxidizing agent of enzymaticnature)を含むことを特徴とする。
【0012】本発明の即時使用可能な染料組成物は、濃く、有彩色の、比較的非選択性の着色をもたらし、これらの着色は、光や悪天候等の環境因子と、発汗及び毛髪に課されるであろう様々な処置(洗浄、パーマネントウェービング)との両方に対してこの上ない耐性を有している。
【0013】本発明の目的はまた、この即時使用可能な染料組成物を用いる、ケラチン繊維の酸化染色方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の式(I)の化合物としては、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、2−メチルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−(4’−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン及び2−フェニルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0015】本発明では、前記即時使用可能な染料組成物は、好ましくは、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノピリジン、及び/又は、少なくとも1つの、それらの、酸との付加塩を含む。
【0016】本発明の即時使用可能な染料組成物において酸化染料として用いられてよい式(I)のピリジンは、該染料組成物の総重量に対して、好ましくはおよそ0.0001重量%から10重量%、さらにより好ましくはおよそ0.005重量%から5重量%を占める。
【0017】上記式(I)の酸化染料に加えて、本発明の即時使用可能な染料組成物は、1つ以上の酸化塩基及び/又は1つ以上のカプラーを含むことができる。
【0018】本発明の好ましい実施態様では、本発明の即時使用可能な染料組成物は、少なくとも1つの酸化塩基を含む。
【0019】前記即時使用可能な染料組成物に用いられる酸化塩基の性質は、重大な要素ではない。それらは、特に、パラ−フェニレンジアミン、複塩基(double bases)、パラ−アミノフェノール、オルト−アミノフェノール及び複素環酸化塩基から選択可能である。
【0020】本発明の染料組成物において酸化塩基として使用可能なパラ−フェニレンジアミンとしては、特に、以下の式(II):
【化6】


[式中:−R4は、水素原子、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基、C2−C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、窒素含有基で置換されたC1−C4アルキル基、フェニル基又は4’−アミノフェニル基を表し;
−R5は、水素原子、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基、C2−C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基又は窒素含有基で置換されたC1−C4アルキル基を表し;
−R6は、水素原子、塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素原子等のハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基、C1−C4ヒドロキシアルコキシ基、アセチルアミノ(C1−C4)アルコキシ基、C1−C4メシルアミノアルコキシ基、又は、カルバモイルアミノ(C1−C4)アルコキシ基を表し;
−R7は、水素もしくはハロゲン原子、又は、C1−C4アルキル基を表す]の化合物、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0021】上記式(II)の窒素含有基としては、特に、アミノ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、トリ(C1−C4)アルキルアミノ、モノヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基を挙げることができる。
【0022】上記式(II)のパラ−フェニレンジアミンとしては、特に、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−2−メチルアニリン、4−アミノ−2−クロロ−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アニリン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−(エチル−β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β、γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン及びN−(β−メトキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0023】上記式(II)のパラ−フェニレンジアミンとしては、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン及び2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、及び、それらの、酸との付加塩が非常に好ましい。
【0024】本発明では、複塩基(double bases)の用語は、アミノ及び/又はヒドロキシル基を担持する少なくとも2つの芳香環を含む化合物を称するものであると理解される。
【0025】本発明の染料組成物において酸化塩基として使用可能な複塩基としては、特に、以下の式(III):
【化7】


[式中、−Z1及びZ2は、同一でも異なっていてもよく、C1−C4アルキル基もしくは連結アームYによって置換されていてよいヒドロキシルもしくは−NH2基を表し;
−連結アームYは、1から14の炭素原子を含む線状又は分枝アルキレン鎖を表し、これは、1つ以上の窒素含有基(nitrogenous group)及び/又は1つ以上の、酸素、硫黄もしくは窒素等のヘテロ原子が介在しているか又は末端にあり、且つ、任意に、1つ以上のヒドロキシルもしくはアルコキシ基で置換されているものであり、−R8及びR9は、水素又はハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基、C2−C4ポリヒドロキシアルキル基、C1−C4アミノアルキル基又は連結アームYを表し;
−R10、R11、R12、R13、R14、及びR15は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、連結アームY又はC1−C4アルキル基を表し;ここで、式(III)の化合物は分子あたり1つだけ連結アームYを含むと解される]に相当する化合物、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0026】上述の式(III)の窒素含有基としては、特に、アミノ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、トリ(C1−C4)アルキルアミノ、モノヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基を挙げることができる。
【0027】上述の式(III)の複塩基としては、特に、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミン及び1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,5−ジオキサオクタン、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0028】式(II)のこれらの複塩基としては、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール及び1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,5−ジオキサオクタン、又は、少なくとも1つの、それらの、酸との付加塩が特に好ましい。
【0029】本発明の染料組成物において、酸化塩基として使用可能なパラ−アミノフェノールとしては、特に、以下の式(IV):
【化8】


[式中、−R16は、水素又はハロゲン原子、又は、C1−C4アルキル、C1−C4モノヒドロキシアルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、C1−C4アミノアルキル又はヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキル基を表し;
−R17は、水素又はハロゲン原子、又は、C1−C4アルキル、C1−C4モノヒドロキシアルキル、C2−C4ポリヒドロキシアルキル、C1−C4アミノアルキル、C1−C4シアノアルキル又は(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基を表し;ここで、少なくとも1つの基R16又はR17は水素原子を表すと解される]に相当する化合物、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0030】上述の式(IV)のパラ−アミノフェノールとしては、特に、パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メトキシメチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(β−ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及び4−アミノ−2−フルオロフェノール、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0031】本発明の染料組成物において、酸化塩基として使用可能なオルト−アミノフェノールとしては、特に、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール及び5−アセタミド−2−アミノフェノール、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0032】本発明の染料組成物において、酸化塩基として使用可能な複素環塩基としては、特に、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0033】前記ピリジン誘導体としては、特に、例えば、特許GB 1,026,978号及びGB 1,153,196号に記載される、2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、2−(β−メトキシエチル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン及び3,4−ジアミノピリジン等の化合物、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0034】前記ピリミジン誘導体としては、特に、例えば、独国特許DE 2,539,399号、又は、日本国特許JP 88-169,571号及びJP 91-10659号、又は、特許出願WO 96/15765に記載される、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン及び2,5,6−トリアミノピリミジン等の化合物、及び、特許出願FR-A-2 750 048号に挙げられるようなピラゾロピリミジン誘導体を挙げることができ、前記ピラゾロピリミジン誘導体としては、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン;2,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オール;2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルアミノ)エタノール;2−(7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミノ)エタノール;2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;2−[(7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;5,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;2,5,N7,N7−テトラメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン及び3−アミノ−5−メチル−7−イミダゾリルプロピルアミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、互変異性の平衡が存在するときはそれらの互変異性形、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0035】前記ピラゾール誘導体としては、特に、4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−tert−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−tert−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−メチルアミノピラゾール及び3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール等の、特許DE 3,843,892号、DE 4,133,957号、及び、特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、FR-A-2,733,749号及びDE 195 43 988号に記載される化合物、及び、それらの、酸との付加塩を挙げることができる。
【0036】本発明の好ましい実施態様では、前記酸化塩基はパラ−フェニレンジアミンから選択される。
【0037】前記酸化塩基は、存在するときは、本発明の即時使用可能な染料組成物の総重量に対して、好ましくはおよそ0.0005重量%から12重量%、さらに好ましくはおよそ0.005重量%から8重量%を占める。
【0038】本発明の即時使用可能な染料組成物において、酵素性酸化剤として用いられてよい二電子オキシドレダクターゼは、好ましくは、ピラノースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ及びウリカーゼから選択される。
【0039】本発明では、前記二電子オキシドレダクターゼは、好ましくは、動物、微生物又は生物工学由来のウリカーゼから選択される。
【0040】例としては、特に、オスブタ(boar)の肝臓から抽出されたウリカーゼ、Arthrobacter globiformis由来のウリカーゼ及びAspergillus flavus由来のウリカーゼを挙げることができる。
【0041】前記二電子オキシドレダクターゼは、純粋な結晶形態で、又は、該二電子オキシドレダクターゼに対して不活性な希釈剤中に希釈された形で用いられることができる。
【0042】本発明では、前記二電子オキシドレダクターゼは、通常、前記即時使用可能な染料組成物の総重量に対して、およそ0.01重量%から20重量%、好ましくはおよそ0.1から10重量%、さらに好ましくはおよそ0.1から5重量%を占める。
【0043】前記二電子オキシドレダクターゼの量は、その活性の機能としても定義される。つまり、本発明の二電子オキシドレダクターゼの酵素活性は、好気的条件下における供与体の酸化によって決定されることができる。
【0044】一単位Uは、pH8.5で25℃のときに1分間あたり1μmolの過酸化水素を生成する二電子オキシドレダクターゼ量に相当する。
【0045】好ましくは、前記二電子オキシドレダクターゼの量は、本発明の即時使用可能な染料組成物100gあたり、10から108単位Uの間である。
【0046】本発明では、「供与体(donor)」の用語は、前記二電子オキシドレダクターゼの機能に関与する様々な基質を意味する。
【0047】前記酵素のための供与体(又は基質)の性質は、用いられる二電子オキシドレダクターゼの性質によって変化する。例えば、ピラノースオキシダーゼの供与体としては、D−グルコース、L−ソルボース及びD−キシロースを挙げることができ;グルコースオキシダーゼの供与体としてはD−グルコースを挙げることができ、グリセロールオキシダーゼの供与体としてはグリセロール及びジヒドロキシアセトンを挙げることができ;乳酸オキシダーゼの供与体としては乳酸及びその塩を挙げることができ;ピルビン酸オキシダーゼの供与体としてはピルビン酸及びその塩を挙げることができ;ウリカーゼの供与体としては尿酸及びその塩を挙げることができ;コリンオキシダーゼの供与体としては、コリン、及び塩酸コリン等の、酸によるその付加塩、及びベタインアルデヒドを挙げることができ;サルコシンオキシダーゼの供与体としては、サルコシン、N−メチル−L−ロイシン、N−メチル−D,L−アラニン及びN−メチル−D,L−バリンを挙げることができ;最後に、ビリルビンオキシダーゼの供与体としては、ビリルビンを挙げることができる。
【0048】それらが用いられるとき、前記供与体(又は基質)は、本発明の即時使用可能な染料組成物の総重量に対して、好ましくはおよそ0.01重量%から20重量%、さらに好ましくはおよそ0.1重量%から5重量%を占める。
【0049】本発明の即時使用可能な染料組成物において、酵素性酸化剤として用いられてよい四電子オキシドレダクターゼは、好ましくは、ラッカーゼ、チロシナーゼ、カテコールオキシダーゼ及びポリフェノールオキシダーゼから選択される。
【0050】本発明では、四電子オキシドレダクターゼが用いられるとき、それは、好ましくはラッカーゼから選択される。
【0051】これらのラッカーゼは、特に、植物由来、動物由来、真菌類由来(イースト、カビ又は真菌)又は細菌由来のラッカーゼから選択されることができ、その由来する有機体は単細胞又は多細胞であってよい。該ラッカーゼは、生物工学によって得ることもできる。
【0052】本発明で使用可能な植物由来のラッカーゼとしては、特許出願FR-A-2 694 018号に述べられているような、クロロフィル合成を行う植物によって生成されるラッカーゼを挙げることができる。
【0053】特に、Anacardiacea植物の抽出物、例えば、Magnifera indica 、Schinus molle又は Pleiogynium timorienseの抽出物中に;Podocarpacea植物; Rosmarinusoff.; Solanum tuberosum; Iris sp.; Coffea sp.; Daucus carrota ;Vinca minor ;Persea americana ;Catharanthus roseus ;Musa sp. ;Malus pumila ;Ginko biloba ;Monotropa hypopithys (Indian pipe); Aesculus sp.; Acer pseudoplatanus ;Prunus persica 及びPistacia palaestinaの抽出物中に存在するラッカーゼを挙げることができる。
【0054】本発明で使用可能な、真菌類由来の、任意には生物工学によって得られる、ラッカーゼとしては、例えば特許出願FA-A-2 112 549号及びEP-A-504 005号に記載されるような、Polyporus versicolor、Rhizoctonia praticola及びRhus verniciferaから得られるラッカーゼ;それらの内容がこの記載の一部を構成する特許出願WO 95/07988、WO 95/33836、WO95/33837、WO 96/00290、WO 97/19998及びWO97/19999に記載されるラッカーゼであって、例えば、Scytalidium、Polyporuspinsitus、 Myceliophthora thermophila、 Rhizoctonia solani 、Pyriculariaorizae及びそれらの変異体から得られるラッカーゼ等のラッカーゼ;を挙げることができる。また、Trametes versicolor、Fomes fomentarius、Chaetomium thermophile、Neurospora crassa、Colorius versicol、Botrytis cinerea、Rigidoporus lignosus、Phellinus noxius、Pleurotus ostreatus、Aspergillus nidulans、Podospora anserina、Agaricus bisporus、Ganoderma lucidum、Glomerella cingulata、Lactarius piperatus、Russula delica、Heterobasidion annosum、Thelephora terrestris、Cladosporiumu cladosporioides、Cerrena unicolor、Coriolus hirsutus、Ceriporiopsis subvermispora、Coprinus cinereus、Panaeolus papilionaceus、Panaeolus sphinctrinus、Schizophyllum commune、Dichomitius squalens及びそれらの変異体から得られるラッカーゼも挙げることができる。
【0055】より好ましくは、真菌類由来の、任意には生物工学によって得られる、ラッカーゼが選択されるであろう。
【0056】本発明で用いられ、それらの基質にシリンガアルダジン(syringaldazine)を有するラッカーゼの酵素活性は、好気的条件下でのシリンガアルダジンの酸化によって決定されることができる。Lacu一単位は、pH5.5、30℃で1分間当たり1mmolの変換を触媒する酵素量に相当する。U一単位は、30℃、pH6.5において、基質としてシリンガアルダジンを用いて、530nmの波長で、1分間あたり0.001の吸光度デルタを生じる酵素量に相当する。本発明で用いられるラッカーゼの酵素活性はまた、パラ−フェニレンジアミンの酸化によっても決定されることができる。ulac一単位は、30℃、pH5で、基質としてパラ−フェニレンジアミン(64mM)を用いて、496.5nmの波長で、1分間当たり0.001の吸光度デルタを生じる酵素量に相当する。
【0057】通常、それらが用いられるとき、前記四電子オキシドレダクターゼは、本発明の即時使用可能な染料組成物の総重量に対して、好ましくはおよそ0.01重量%から20重量%、さらに好ましくはおよそ0.1重量%から5重量%を占める。
【0058】特に、1つ以上のラッカーゼが用いられるとき、本発明の即時使用可能な染料組成物中に存在するラッカーゼの量は、用いられるラッカーゼの性質の機能に応じて変化するであろう。好ましくは、該ラッカーゼの量は、該即時使用可能な染料組成物100gあたり、およそ0.5から2000Lacuの間(すなわち、およそ10,000から40×106U単位、あるいは、20から20×106ulac単位の間)である。
【0059】本発明の即時使用可能な染料組成物において、酵素性酸化剤として使用可能なペルオキシダーゼは、特に、Enzyme Nomenclature, Acadenic Press Inc., 1984に記載されるサブクラス1.11.1に属する酵素から選択することができる。このクラスに属するいくつかのペルオキシダーゼは、機能するために、供与体の存在を必要とする。これは特に、供与体としてNADHを有するNADHペルオキシダーゼ(1.11.1)、供与体として、例えばパルミテート等の脂肪酸を有する脂肪酸ペルオキシダーゼ(1.11.1.3)、供与体としてNADPHを有するNADPHペルオキシダーゼ(1.11.1.2)、供与体としてフェロシトクロム−cを有するシトクロム−cペルオキシダーゼ(1.11.1.5)、供与体としてヨウ化物を有するヨウ化物ペルオキシダーゼ(1.11.1.8)、供与体として塩化物を有する塩化物ペルオキシダーゼ(1.11.1.10)、供与体としてL−アスコルベートを有するL−アスコルベートペルオキシダーゼ(1.11.1.11)及び供与体としてグルタチオンを有するグルタチオンペルオキシダーゼ(1.11.1.9)の場合である。
【0060】サブクラス1.11.1に属するその他のペルオキシダーゼもまた、前記酸化染料以外の供与体なしで機能し;これは、カタラーゼ(1.11.1.6)及びシンプレックス(simplex)ペルオキシダーゼ(1.11.1.7)の場合である。
【0061】本発明では、好ましくは、シンプレックスペルオキシダーゼ(1.11.1.7)が用いられる。
【0062】全てのペルオキシダーゼは過酸化水素の存在下で機能し、これは、その形態中に固有のものとして提供されるか、又は、空気の存在下で、少なくとも1つの二電子オキシドレダクターゼと、少なくとも1つの、前記二電子オキシドレダクターゼの供与体とによって、酵素経路を介してin situで産生される。
【0063】本発明の即時使用可能な染料組成物に使用可能なペルオキシダーゼは、植物、動物、真菌類又は細菌由来のものであってよい。それらは生物工学によって得ることもできる。
【0064】つまり、前記ペルオキシダーゼは、例えば、リンゴ、アプリコット、オオムギ、ブラックラディッシュ、ビート根、キャベツ、ニンジン、トウモロコシ、コットン、ニンニク、ブドウ、ミント、ダイオウ、ダイズ、ホウレンソウ、ヒトヨタケ、牛乳、又は、Acetobacter peroxidans、Staphylococcus faecalisもしくはArthromyces ramosus等の微生物から得ることができる。
【0065】前記シンプレックスペルオキシダーゼ(1.11.1.7)の単位は、pH6、20℃において、20秒間に、ピロガロールから、1mgのパープロガリン(purpurogallin)を形成するシンプレックス酵素量として決定することができる。例としては、Sigma社のブラックラディッシュペルオキシダーゼP6782は、1mgあたり、約250単位の活性を有する。
【0066】したがって、このタイプの酵素の作用濃度は、本発明の即時使用可能な組成物100gあたり、25から5×106単位の間である。
【0067】前記ペルオキシダーゼは、用いられるときは、本発明の即時使用可能な組成物の総重量に対して、好ましくはおよそ0.0001重量%から20重量%、さらに好ましくはおよそ0.001重量%から10重量%を占める。
【0068】特に好ましい実施態様では、本発明の即時使用可能な染料組成物は、ラッカーゼから選択される少なくとも1つの四電子オキシドレダクターゼを含む。
【0069】本発明の即時使用可能な組成物中に存在してよいカプラーは、酸化染色に一般的に用いられるカプラーから選択され、該カプラーとしては、メタ−フェニレンジアミン、メタ−アミノフェノール、メタ−ジフェノール、ナフトール、及び、ピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、ピラゾロ[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、ピラゾル−5−オン、上述の式(I)のピリジン以外のピリジン、インドール、インドリン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾール、1,3−ベンゾジオキソール及びキノリン等の複素環カプラーを挙げることができる。
【0070】これらのカプラーは、特に、2−メチル−5−アミノフェノール、5−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2−アミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、セサモール、α−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、6−ヒドロキシインドリン、2,6−ジヒドロキシ−4−メチルピリジン、1−H−3−メチルピラゾル−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾル−5−オン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、3,6−ジメチルピラゾロ[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール及び2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、及び、それらの、酸との付加塩から選択される。
【0071】前記カプラーは、存在するとき、本発明の即時使用可能な染料組成物の総重量に対して、好ましくはおよそ0.0001から10重量%、さらに好ましくはおよそ0.005から5重量%を占める。
【0072】本発明の即時使用可能な染料組成物は、1つ以上の直接染料を含むこともでき、これは、特に、色合いを変えるため又はそれらの光沢を強めるためである。
【0073】通常、本発明の染料組成物のコンテクストにおいて使用可能な、酸による付加塩(式(I)のピリジン、酸化塩基及びカプラー)は、特に、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、乳酸塩及び酢酸塩から選択される。
【0074】本発明の即時使用可能な染料組成物にとって、染色(又はサポート)に適した媒体は、通常、水、又は、水に十分溶解しないであろう化合物を溶解させるための少なくとも1つの有機溶媒と水との混合物からなる。有機溶媒としては、例えば、エタノール及びイソプロパノール等のC1−C4アルカノール;グリセロール;2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びモノメチルエーテル等のグリコール及びグリコールエーテル、及び、ベンジルアルコール又はフェノキシエタノール等の芳香族アルコール、それらの類似物及び混合物を挙げることができる。
【0075】前記溶媒は、その染料組成物の総重量に対して、好ましくはおよそ1から40重量%、さらに好ましくはおよそ5から30重量%の間の割合で存在することができる。
【0076】本発明の即時使用可能な組成物のpHは、用いられる酵素の酵素活性が十分であるように選択される。それは、通常、およそ5から11の間であり、好ましくはおよそ6.5から10の間である。それは、ケラチン繊維の染色に通常使用される酸性化又は塩基性化剤を用いて望ましい値に調節される。
【0077】上述の酸性化剤としては、例えば、塩酸;オルトリン酸;硫酸;酢酸、酒石酸、クエン酸又は乳酸等のカルボン酸、及び、スルホン酸等の、無機又は有機酸を挙げることができる。
【0078】上述の塩基性化剤としては、例えば、水性アンモニア;アルカリ性カーボネート;モノ−、ジ−及びトリエタノールアミン、2−メチル−2−アミノプロパノール及びそれらの誘導体等のアルカノールアミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び、以下の式(VI):
【化9】


[式中、Wは、任意にヒドロキシル基又はC1−C4アルキル基で置換された、プロピレン基であり;R20、R21、R22及びR23は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、又は、C1−C4アルキル又はC1−C4ヒドロキシアルキル基を表す]の化合物を挙げることができる。
【0079】本発明の即時使用可能な染料組成物はまた、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性界面活性剤、又はそれらの混合物;アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性ポリマー、又はそれらの混合物;無機性又は有機性増粘剤;抗酸化剤;浸透剤;金属イオン封鎖剤;香料;バッファー;分散剤;コンディショナー、例えば、揮発性又は非揮発性の、あるいは、変性又は非変性のシリコーン;皮膜形成剤;セラミド;保存剤、及び、乳白剤等の、毛髪染色用組成物に一般的に用いられている様々なアジュバントを含むこともできる。
【0080】言うまでもないが、当業者は、これ又はこれらの任意の補足的化合物の選択について、本発明の即時使用可能な染料組成物に固有の有利な性質が、その又はそれらの添加によって不利な影響を受けないか又は実質的に受けないように注意するであろう。
【0081】本発明の即時使用可能な染料組成物は、液体、クリーム又はゲル等の様々な形態が可能であり、それらは与圧されていてよく、又は、ケラチン繊維、特にヒト毛髪の染色に適したその他のあらゆる形態が可能である。この場合、前記酸化染料と前記酵素性酸化剤は、同一の即時使用可能な組成物中に存在し、その結果、前記組成物は、該酸化染料の早期の酸化を避けるために、気体酸素を含んではならない。
【0082】本発明の目的はまた、上述のような即時使用可能な組成物を用いる、ケラチン繊維、特に、毛髪等のヒトケラチン繊維の染色方法である。
【0083】この方法では、少なくとも1つの上述のような即時使用可能な組成物を、望ましい色を発現させるのに十分な時間、前記繊維に塗布し、それからその繊維をすすぎ洗いし、任意にシャンプーで洗浄して、再びすすぎ洗いし、乾燥させる。
【0084】ケラチン繊維上に色を発現させるために必要な時間は、通常、3から60分であり、さらに正確には5から40分である。
【0085】本発明の特定の実施態様では、前記方法は、染色に適した溶媒中に前述の式(I)のピリジンから選択される少なくとも1つの酸化染料を含む組成物(A)と、染色に適した溶媒中に、a)少なくとも1つの供与体の存在下にある、二電子オキシドレダクターゼ、b)四電子オキシドレダクターゼ、c)ペルオキシダーゼから選択される少なくとも1つの酵素性酸化剤を含む組成物(B)とを別々に貯蔵すること、及び、使用時にそれらを一緒に混合することからなる予備工程を含み、それからこの混合物がケラチン繊維に塗布される。
【0086】本発明の他の目的は、マルチ−コンパートメント染色装置又は「キット」又はその他のマルチ−コンパートメント包装システムであり、その第一コンパートメントは上述のような組成物(A)を含み、第二コンパートメントは上述のような組成物(B)を含む。これらの装置には、毛髪上に望ましい混合物を送達するための手段を備えることができ、そのような装置は出願人の特許FR-2,586,913 号に記載される。
【0087】以下の実施例は、本発明を例示するためのもであるが、その範囲を何ら制限するものではない。
【0088】
【実施例】染色実施例1−9以下の即時使用可能な染色組成物が調製された(含有量はグラムである)。
【0089】
【表1】


【0090】
)共通染料サポート: −Sino-Lion社によってOlevasan(商標)の名称で販売される、水中に84%活性物質(A.M.)を含むカルボキシメチルキトサン 2.0g −Rhodia Chimie社によってJaguar C13S(商標)の名称で販売される、ヒドロキシプロピル グアー トリメチルアンモニウム クロライド 2.0g −Nikko社によってDecaglyn 10(商標)の名称で販売される、モノオレイン酸ポリグリセリル(10mol) 1.0g −N−アセチル−L−システイン 0.05g −ラッカーゼ 5.0g
【0091】前記染料サポート中で用いられるラッカーゼの量は、即時使用可能な組成物100gあたり、5360000ulac単位に相当する。
【0092】上述の即時使用可能な組成物を、室温で30分間、90%白髪を含む天然グレー毛髪の房に塗布した。それから、その毛髪を、すすぎ洗いし、標準的なシャンプーで洗い、乾燥させた。
【0093】その毛髪は、以下の表に示すような色合いに染められた。
【0094】
【表2】


【0095】染色の実施例10以下の即時使用可能な組成物が調製された。
−2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノピリジン ジヒドロクロライド(式(I)の酸化染料) 0.726g−パラ−フェニレンジアミン(酸化塩基) 0.324g−尿酸 1.0g−ウリカーゼ 1.0g−Rohm & Haas社によってAculyn 22(商標)の名称で販売される、オキシエチレン化メタクリル酸/アクリル酸エチル/メタクリル酸ステアリル ターポリマー 2.5g−Nikko社によってDecaglyn 10(商標)の名称で販売される、モノオレイン酸ポリグリセリル(10mol) 1.0g−N−アセチル−L−システイン 0.1g−2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール pH=9.5とする量−蒸留水 100gとする残量
【0096】この即時使用可能な組成物中に用いられるウリカーゼの量は、即時使用可能な組成物100gあたり、20000U単位に相当する。
【0097】上述の即時使用可能な組成物を、室温で30分間、90%白髪を含む天然グレー毛髪の房に塗布した。それから、その毛髪を、すすぎ洗いし、シャンプーで洗い、再度すすぎ洗いして、乾燥させた。
【0098】その毛髪は、強い灰青色の色合いに染められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維の酸化染色のための即時使用可能な組成物であって、染色に適した媒体中に:−以下の式(I):
【化1】


[式中、−R1は、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基又はC2−C4ポリヒドロキシアルキル基を表し、−R2は、C1−C4アルコキシ基、C1−C4モノヒドロキシアルコキシ基、C2−C4ポリヒドロキシアルコキシ基、アミノ基、モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、モノフェニルアミノ基、モノヒドロキシフェニルアミノ基、モノアルコキシフェニルアミノ基、モノヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ基、ジヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ基、モノヒドロキシ(C2−C4)アルキルアミノ基、ジヒドロキシ(C2−C4)アルキルアミノ基、(C1−C4)アルキルモノヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ基又は(C1−C4)アルキルポリヒドロキシ(C2−C4)アルキルアミノ基を表し、−R3は、水素原子、アミノ基、モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、モノヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ基又はモノ(ポリヒドロキシ(C2−C4)アルキル)アミノ基を表し;ここで、R2がC1−C4アルコキシ基、C1−C4モノヒドロキシアルコキシ基又はC2−C4ポリヒドロキシアルコキシ基を表すとき、R3は水素原子を表すと理解される]のピリジン、及び、それらの、酸との付加塩から選択される少なくとも1つの酸化染料;及び、− a)二電子オキシドレダクターゼと、前記二電子オキシドレダクターゼのための少なくとも1つの供与体とを含む系、b)四電子オキシドレダクターゼ、c)ペルオキシダーゼから選択される少なくとも1つの酵素性酸化剤を含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】 式(I)のピリジンが、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、2−メチルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−(4’−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン及び2−フェニルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項3】 2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノピリジン、及び/又は、少なくとも1つの、それらの、酸との付加塩を含むことを特徴とする、請求項2記載の組成物。
【請求項4】 前記式(I)のピリジンが、前記染色組成物の総重量に対して0.0001重量%から10重量%を占めることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】 前記式(I)のピリジンが、前記染色組成物の総重量に対して0.005重量%から5重量%を占めることを特徴とする、請求項4記載の組成物。
【請求項6】 パラ−フェニレンジアミン、複塩基、パラ−アミノフェノール、オルト−アミノフェノール及び複素環酸化塩基から選択される少なくとも1つの酸化塩基を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】 前記パラ−フェニレンジアミンが、以下の式(II):
【化2】


[式中:−R4は、水素原子、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基、C2−C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、窒素含有基で置換されたC1−C4アルキル基、フェニル基又は4’−アミノフェニル基を表し;
−R5は、水素原子、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基、C2−C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基又は窒素含有基で置換されたC1−C4アルキル基を表し;
−R6は、水素原子、塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素原子等のハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基、C1−C4ヒドロキシアルコキシ基、アセチルアミノ(C1−C4)アルコキシ基、C1−C4メシルアミノアルコキシ基、又は、カルバモイルアミノ(C1−C4)アルコキシ基を表し;
−R7は、水素又はハロゲン原子、又は、C1−C4アルキル基を表す]の化合物、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項6記載の組成物。
【請求項8】 前記式(II)のパラ−フェニレンジアミンが、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−2−メチルアニリン、4−アミノ−2−クロロ−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アニリン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−(エチル−β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β、γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン及びN−(β−メトキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項7記載の組成物。
【請求項9】 前記複塩基が、以下の式(III):
【化3】


[式中、−Z1及びZ2は、同一でも異なっていてもよく、C1−C4アルキル基もしくは連結アームYによって置換されていてよいヒドロキシルもしくは−NH2基を表し;
−該連結アームYは、1から14の炭素原子を含む線状又は分枝アルキレン鎖を表し、これは、1つ以上の窒素含有基及び/又は1つ以上の、酸素、硫黄もしくは窒素等のヘテロ原子が介在しているか又は末端にあり、且つ、任意に、1つ以上のヒドロキシルもしくはアルコキシ基で置換されているものであり、−R8及びR9は、水素もしくはハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4モノヒドロキシアルキル基、C2−C4ポリヒドロキシアルキル基、C1−C4アミノアルキル基又は連結アームYを表し;
−R10、R11、R12、R13、R14、及びR15は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、連結アームY又はC1−C4アルキル基を表し;ここで、式(III)の化合物は分子あたり1つだけ連結アームYを含むと解される]に相当する化合物、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項6記載の組成物。
【請求項10】 前記式(III)の複塩基が、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミン及び1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,5−ジオキサオクタン、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項9記載の組成物。
【請求項11】 前記パラ−アミノフェノールが、以下の式(IV):
【化4】


[式中、−R16は、水素もしくはハロゲン原子、又は、C1−C4アルキル、C1−C4モノヒドロキシアルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、C1−C4アミノアルキルもしくはヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキル基を表し;
−R17は、水素もしくはハロゲン原子、又は、C1−C4アルキル、C1−C4モノヒドロキシアルキル、C2−C4ポリヒドロキシアルキル、C1−C4アミノアルキル、C1−C4シアノアルキルもしくは(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基を表し;ここで、少なくとも1つの基R16又はR17は水素原子を表すと解される]に相当する化合物、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項6記載の組成物。
【請求項12】 前記式(IV)のパラ−アミノフェノールが、パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メトキシメチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(β−ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及び4−アミノ−2−フルオロフェノール、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項11記載の組成物。
【請求項13】 前記オルト−アミノフェノールが、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール及び5−アセタミド−2−アミノフェノール、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項6記載の組成物。
【請求項14】 複素環酸化塩基が、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項6記載の組成物。
【請求項15】 前記酸化塩基が、前記即時使用可能な染料組成物の総重量に対して0.0005重量%から12重量%を占めることを特徴とする、請求項6から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】 前記二電子オキシドレダクターゼが、ピラノースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ及びウリカーゼから選択されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】 前記二電子オキシドレダクターゼが、動物、微生物又は生物工学由来のウリカーゼから選択されることを特徴とする、請求項16記載の組成物。
【請求項18】 前記二電子オキシドレダクターゼが、前記即時使用可能な染料組成物の総重量に対して0.01重量%から20重量%を占めることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】 前記供与体が、前記即時使用可能な染料組成物の総重量に対して0.01重量%から20重量%を占めることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】 前記四電子オキシドレダクターゼが、ラッカーゼ、チロシナーゼ、カテコールオキシダーゼ及びポリフェノールオキシダーゼから選択されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】 前記四電子オキシドレダクターゼが、ラッカーゼから選択されることを特徴とする、請求項20記載の組成物。
【請求項22】 前記四電子オキシドレダクターゼが、前記即時使用可能な染料組成物の総重量に対して0.01重量%から20重量%を占めることを特徴とする、請求項1から15及び21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】 前記ペルオキシダーゼが、供与体としてNADHを有するNADHペルオキシダーゼ、供与体として脂肪酸を有する脂肪酸ペルオキシダーゼ、供与体としてNADPHを有するNADPHペルオキシダーゼ、供与体としてフェロシトクロムcを有するシトクロム−cペルオキシダーゼ、供与体としてヨウ化物を有するヨウ化物ペルオキシダーゼ、供与体として塩化物を有する塩化物ペルオキシダーゼ、供与体としてL−アスコルベートを有するL−アスコルベートペルオキシダーゼ及び供与体としてグルタチオンを有するグルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ及びシンプレックスペルオキシダーゼから選択されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】 前記ペルオキシダーゼがシンプレックスペルオキシダーゼから選択されることを特徴とする、請求項23記載の組成物。
【請求項25】 前記ペルオキシダーゼが、前記即時使用可能な組成物の総重量に対して0.0001重量%から20重量%を占めることを特徴とする、請求項23又は24記載の組成物。
【請求項26】 メタ−フェニレンジアミン、メタ−アミノフェノール、メタ−ジフェノール、ナフトール、及び、ピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、ピラゾロ[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、ピラゾル−5−オン、請求項1から3のいずれか一項に記載される式(I)のピリジン以外のピリジン、インドール、インドリン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、1,3−ベンゾジオキソール及びキノリン等の複素環カプラーから選択される少なくとも1つのカプラーを含むことを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】 前記カプラーが、2−メチル−5−アミノフェノール、5−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2−アミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、セサモール、α−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、6−ヒドロキシインドリン、2,6−ジヒドロキシ−4−メチルピリジン、1−H−3−メチルピラゾル−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾル−5−オン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、3,6−ジメチルピラゾロ[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール及び2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、及び、それらの、酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項26記載の組成物。
【請求項28】 前記カプラーが、前記即時使用可能な染料組成物の総重量に対して0.0001重量%から10重量%を占めることを特徴とする、請求項26又は27記載の組成物。
【請求項29】 前記酸との付加塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、乳酸塩及び酢酸塩から選択されることを特徴とする、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】 ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維の染色方法であって、請求項1から29のいずれか一項に記載される少なくとも1つの即時使用可能な染料組成物を、望ましい色を発現させるのに十分な時間、前記繊維に塗布することを特徴とする方法。
【請求項31】 染色に適した溶媒中に、請求項1から5に定義される式(I)のピリジンから選択される少なくとも1つの酸化染料を含む、組成物(A)を収容する少なくとも1つの第一コンパートメント、及び、染色に適した溶媒中に、a)少なくとも1つの供与体の存在下にある、二電子オキシドレダクターゼ、b)四電子オキシドレダクターゼ、c)ペルオキシダーゼから選択される少なくとも1つの酵素性酸化剤を含む、組成物(B)を収容する第二コンパートメントを含むことを特徴とする、マルチ−コンパートメント染色装置。
【請求項32】 請求項31記載の組成物(A)と、請求項31記載の組成物(B)とを混合する工程、及び、その混合物をケラチン繊維に塗布する工程を含む、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維の染色方法。

【公開番号】特開2001−278755(P2001−278755A)
【公開日】平成13年10月10日(2001.10.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−97004(P2001−97004)
【出願日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【氏名又は名称原語表記】LOREAL