説明

ケーブル固縛装置

【課題】この発明は、紐をケーブルと子桁とに掛け渡す作業を簡略化し、作業者の作業負荷を軽減できるケーブル固縛装置を得る。
【解決手段】紐3を引っ掛けるフック部90cが第2の腕部90の先端部に切り欠き90bを外方に開口する。紐外し環91が切り欠きの開口部を全閉する初期位置と該切り欠きの開口部を全開する最終位置との間を往復移動可能に第2の腕部の先端部に装着され、第1および第2の腕部84,90の先端部の閉動作時に、先端L字状の紐通し金具85の紐通し穴85bが、紐外し環が最終位置に位置したときに切り欠きと相対する位置をとるように、紐通し金具のL字状の他辺に穿設されて、ケーブルを巻き回すように固縛する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工場や各種プラントにおいて、布設された電力ケーブルや制御ケーブル等をケーブルラックに固縛する際に適用されるケーブル固縛装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、機器には電力ケーブルや制御ケーブル等のケーブルが配線されており、例えばプラント建設においては、ケーブルの配線長さが数km、本数が数百本にも及ぶことがある。そして、多数のケーブルが、建家内の床上に布設されると、人や車等の移動の障害となってしまう。
そこで、建家の天井や側壁を利用して、ケーブルラックをケーブルの布設経路に沿って空中に架設し、ケーブルをケーブルラック内に収納している。そして、ケーブルラック内に収納されたケーブルは、整線され、1本ずつ、あるいは複数本にまとめられて、ケーブルラックの子桁に固縛される。
【0003】
図61は従来のケーブル固縛方法を説明する断面図、図62は従来のケーブル固縛状態を説明する斜視図である。
ケーブルラック1は、一対の親桁1aを互いに平行に配置し、子桁1bにより一対の親桁1aの底部間を所定間隔毎に連結して構成されている。そして、一対の吊りボルト(図示せず)がケーブル2の布設経路に沿って所定間隔毎に天井から吊り下げられ、L型アングル(図示せず)が各対の吊りボルトの下端に装着されている。このように空中に所定間隔毎に吊設されたL型アングル上にケーブルラック1が連ねて載せられ、隣接するケーブルラック1の端部同士が継ぎ金具およびボルト(図示せず)により連結され、さらにケーブルラック1の親桁1aが振れ止め金具(図示せず)によりL型アングルに固着されて、ケーブル2の布設経路に沿ってケーブルラック1が設置されている。
【0004】
延線されたケーブル2は、ケーブルラック1内に収納され、整線される。そして、作業者が脚立等にのぼり、図61に示されるように、紐3でケーブル2を1本ずつ子桁1bに固縛する。この時、作業者は、紐3の端を子桁1bに締結し、1本目のケーブル2の上方を跨いで、1本目と2本目のケーブル2間を通し、子桁1bの一方の側面側を通して子桁1bの下方まで持ってゆき、その後子桁1bの他方の側面側から1本目と2本目のケーブル2間を通してケーブル2の上方まで持ってゆく。ついで、2本目のケーブル2の上方を跨いで、2本目と3本目のケーブル2間を通し、子桁1bの一方の側面側を通して子桁1bの下方まで持ってゆき、その後子桁1bの他方の側面側から2本目と3本目のケーブル2間を通してケーブル2の上方まで持ってゆく。この操作を繰り返し行い、最後のケーブル2の外側で子桁1bに紐3を締結し、1箇所のケーブル2の固縛作業が終了する。
【0005】
そして、作業者は、所定距離離れた位置に移動し、ケーブル2の固縛作業を行うことになる。これにより、ケーブルラック1内に収納されたケーブル2は、布設経路方向に所定間隔毎に子桁1bに固縛される。そして、各固縛箇所では、図62に示されるように、ケーブル2は1本ずつケーブルラック1の子桁1bに紐3で固縛されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、空中に架設されたケーブルラック1内に収納されたケーブル2を手作業にて紐3で子桁1bに固縛しているので、紐2をケーブル2と子桁1bとに掛け渡す手作業が極めて煩雑で、かつ、高所での作業となり、作業者の作業負荷が大きなものとなってしまう。
また、ケーブルラック1を多段に架設している場合には、上下のケーブルラック1間の狭いスペースでの固縛作業となり、作業者の作業負荷がさらに大きなものとなってしまう。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、紐をケーブルと子桁とに掛け渡す作業を簡略化し、作業者の作業負荷を軽減できるケーブル固縛装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るケーブル固縛装置は、第1中継部、この第1中継部から一方に連設された第1ハンドル部および該第1中継部から他方に連設された略L字状の第1の腕部を有する第1作動体と、第2中継部、この第2中継部から一方に連設された第2ハンドル部および該第2中継部から他方に連設された略L字状の第2の腕部を有する第2作動体とが、該第1および第2の腕部のL字状の先端部を相対させて、該第1および第2中継部を開閉ピン周りに回動自在に連結され、該第1および第2ハンドル部の開閉操作により、該第1および第2の腕部の先端部同士が係合する閉状態と、該先端部同士が離間する開状態とをとるように構成されたケーブル固縛装置において、
紐を引っ掛けるフック部が上記第2の腕部の先端部に切り欠きを外方に開口するように形成して成形され、
紐外し環が上記切り欠きの開口部を全閉する初期位置と該切り欠きの開口部を全開する最終位置との間を往復移動可能に上記第2の腕部の先端部に装着され、
戻しバネが上記紐外し環を上記最終位置から上記初期位置に戻すように上記第2の腕部の先端部に縮設され、
上記第1および第2の腕部の先端部の閉動作時に上記紐外し環に係合して該紐外し環を上記初期位置から上記最終位置に移動させる先端L字状の紐通し金具が、L字状の一辺を内方に位置させ、L字状の他辺を一側に位置させて上記第1の腕部の先端部に取り付けられ、かつ、
紐通し穴が、上記紐外し環が上記最終位置に位置したときに上記切り欠きと相対する位置をとるように、上記紐通し金具のL字状の他辺に穿設されているものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、紐をケーブルと子桁とに掛け渡す作業を簡略化し、作業者の作業負荷を軽減できるケーブル固縛装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の本体部の基部構造を説明する平面図、図3はこの発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の回転ギヤを示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の本体部の基部へのブレーキ機構部および駆動ラックの装着状態を示す平面図、図5はこの発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の本体部の基部への駆動ギヤおよび回転ギヤの装着状態を示す平面図、図6はこの発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の駆動ギヤを示す斜視図、図7はこの発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する工程図、図8はこの発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛状態を示す上面図である。
【0011】
各図において、ケーブル固縛装置10は、子桁収納スペースとしての切り欠き11aが先端側に開口するように形成され、第1および第2の腕11b、11cが該切り欠きを挟んで相対して構成され、かつ、把持部11dが他端側に形成された本体部11と、本体部11内に回転自在に装着されたC状の回転ギヤ19と、本体部11に装着され、回転ギヤ19の回転動作を制止させるブレーキ機構部20と、本体部11内に装着され、回転ギヤ19を回転駆動する駆動機構部30とから構成されている。
【0012】
本体部11は、回転ギヤ19、ブレーキ機構部20および駆動機構部30が装着される平板状の基部12と、回転ギヤ19、ブレーキ機構部20および駆動機構部30を内包するように基部12の一面側に取り付けられる第1および第2カバー13、14とから構成されている。
【0013】
基部12は、図2に示されるように、切り欠き12aが先端面に開口するように形成され、回転ギヤ19を収納するための環状の溝12bが切り欠き12aの先端側に開口し、かつ、切り欠き12aを取り囲むように基部12の一面側に形成されている。また、後述する駆動ギヤ35を収納するための円形の一対の第1凹部12cが切り欠き12aの反開口側に溝12bの外周部と重なるように、基部12の一面側に溝12bと同等の深さに形成されている。そして、一対の第1凹部12cは、第1凹部12cと溝12bとの重なり部間の周方向距離Aが、回転ギヤ19の開口部(円環状の欠落部)の周方向距離Bより長くなるように離間して形成されている。また、後述する動力伝達ギヤ33を収納するための小径の第2凹部12dが各第1凹部12cの中心位置に形成されている。さらに、駆動ギヤ35の回転軸34を軸支する穴12eが各第2凹部12dの中心位置に形成されている。
【0014】
また、ブレーキ機構部20のリンク機構部を収納するための溝12fが溝12bと基部12の後端とを連通するように基部12の一面側に形成されている。そして、リンク機構部の支点23を軸支するための穴12gが溝12fに形成されている。
また、後述するスイングレバー31を案内する溝12hが切り欠き12aの底部側の両壁面に開口するように基部12の一面側に形成されている。そして、後述する駆動ラック32を案内する一対の溝12iが溝12hから溝12bおよび第1凹部12cを横切って後端側に延設され、後述する戻しバネ36を収納する一対の溝12jが溝12hから先端側に延設されている。なお、溝12iは第2凹部12dの外周部と重なっている。
また、把持部12kが基部12の後端側に穿設され、後述する復帰バネ25を収納する溝12lが後端面に開口するように基部12の一面側に形成されている。
さらに、ねじ穴12mが基部12の一面側から基部12の所定位置に形成されている。
【0015】
第1カバー13は、切り欠き12aと同形状の切り欠き13aを円形平板に形成して作製されている。この第1カバー13は、図1に示されるように、切り欠き13aを切り欠き12aに合わせて基部12の一面側に載置され、取付ネジ15を基部12のねじ穴12mに締着して取り付けられる。そして、切り欠き12a、13aが一体となって、本体部11の切り欠き11aを構成している。また、第1カバー13は、溝12hと対向する部位が溝12hとの間に所定隙間を形成するように厚肉に形成されている。この隙間はスイングレバー31のガイドとして機能する。なお、第1カバー13の外径は、溝12bの内径<第1カバー13の外径<溝12bの外径となっている。
第2カバー14は、基部12の外形形状と同等の外形形状に形成され、円状の切り欠き14aが先端側に開口するように形成され、さらに把持部12kと同形状の把持部14bが後端側に穿設されている。この第2カバー14は、図1に示されるように、外形を基部12の外形に合わせて基部12の一面側に載置され、取付ネジ15を基部12のねじ穴12mに締着して取り付けられる。そして、把持部12k、13bが一体となって、本体部11の把持部11dを構成している。ここで、第2カバー14の切り欠き14aの内径は、第1カバー13の外径<切り欠き14aの内径<溝12bの外径となっている。そこで、溝12bと同心状のC状の隙間16が第1カバー13と第2カバー14との間に構成される。
【0016】
ブレーキ機構部20は、レバー21と、一端がそれぞれレバー21に連結された一対の連杆22と、支点23で枢着されてX状に連結され、一端がそれぞれ連杆22の他端に回動自在に連結され、かつ、回転ギヤ19の歯部に係合する爪24aが他端に設けられた一対の揺動挺24と、復帰バネ25とから構成されている。このブレーキ機構部20は、図4に示されるように、支点23を穴12gに軸支されて溝12f内に収納され、復帰バネ25がレバー21を爪24aと回転ギヤ19の歯部との係止位置側に付勢するように溝12lに縮設されて、基部12に取り付けられる。
【0017】
駆動機構部30は、スイングレバー31と、スイングレバー31の両端にそれぞれ延設された一対の駆動ラック32と、駆動ラック32に歯合する動力伝達ギヤ33と、動力伝達ギヤ33の回転軸34に同軸的に一体化された駆動ギヤ35と、スイングレバー31と溝12jの底部との間に張設されている戻しバネ36とから構成されている。
このスイングレバー31は、図4に示されるように、駆動ラック32を溝12i内に収納させて、切り欠き11aの開口側の初期位置と切り欠き11aの底部側の最終位置との間を往復移動可能に溝12h内に配設されている。そして、スイングレバー31は、溝12j内に収納されている戻しバネ36のバネ力により、切り欠き11aの開口側の初期位置に位置している。各動力伝達ギヤ33は、図5に示されるように、回転軸34を穴12eに軸支されて第2凹部12dにそれぞれ収納されている。この時、動力伝達ギヤ33はそれぞれ駆動ラック32と歯合している。また、各駆動ギヤ35は第1凹部12c内にそれぞれ収納されている。
【0018】
回転体としての回転ギヤ19は、図3に示されるように、欠落部を一部に有する円環状(C状)に構成され、歯部が外周壁面に形成され、紐通し19aが一側面に立設されている。この回転ギヤ19は、図5に示されるように、溝12b内に回転自在に収納されている。この時、回転ギヤ19は、両駆動ギヤ35と歯合し、一対の揺動挺24の爪24aが回転ギヤ19の歯部に係合し、回転を制止されている。
【0019】
なお、この回転ギヤ19は、C状の欠落部における外周部間の周方向距離Bを有している。また、回転ギヤ19は、スイングレバー31が初期位置に位置している時に、切り欠き11aの開口部を全開するように溝12b内に位置している。そして、スイングレバー31が初期位置から最終位置まで移動した時に、回転ギヤ19が1回転するように、動力伝達ギヤ33と駆動ギヤ35との歯数比が設定されている。
このように各構成部材が基部12に装着された後、第1および第2カバー13、14が基部12に取り付けられ、図1に示されるケーブル固縛装置10が得られる。この時、第2カバー14には、支点23および回転軸34を軸支する穴が形成されており、支点23および回転軸34の端部を該穴に挿入するように基部12に取り付けられる。また、回転ギヤ19の紐通し19aが第1および第2カバー13、14間の隙間16から延出している。
【0020】
つぎに、このケーブル固縛装置10の動作について説明する。
初期状態においては、レバー21は復帰バネ25のバネ力により図5中上方に押し上げられ、一対の連杆22が図5中上方に移動し、一対の揺動挺24の爪24a側が狭められ、爪24aが回転ギヤ19の歯部に係合している。これにより、回転ギヤ19の回転が制止されている。また、スイングレバー31は戻しバネ36のバネ力により図5中下方に戻され、初期位置に位置している。
ついで、把持部11dを持ってレバー21を握ると、レバー21が図5中下方に押し下げられ、一対の連杆22が図5中下方に移動する。これにより、一対の揺動挺24が支点23周りに回動し、爪24a間が広げられる。その結果、爪24aと回転ギヤ19の歯部との係合が解除され、回転ギヤ19が回転可能な状態となる。この時、復帰バネ25は収縮され、反発力が蓄勢される。
また、レバー21の握りを止めると、復帰バネ25の蓄勢力により、レバー21は図5中上方に押し上げられ、一対の連杆22が図5中上方に移動する。これにより、一対の揺動挺24が爪24a間を狭めるように支点23周りに回動して、爪24aが回転ギヤ19の歯部に係合し、回転ギヤ19の回転が制止される。
【0021】
回転ギヤ19が回転可能な状態において、スイングレバー31が押圧されて初期位置から図5中上方に移動すると、駆動ラック32が溝12i内を図5中上方に移動する。これにより、駆動ラック32に歯合している動力伝達ギヤ33が、図5中時計回りに回転する。そして、回転軸34を介して動力伝達ギヤ33に一体化されている駆動ギヤ35が図5中時計回りに回転する。これにより、駆動ギヤ35に歯合している回転ギヤ19が図5中反時計回りに回動する。そして、スイングレバー31が最終位置まで移動すると、回転ギヤ19は1回転し、図5に示される状態となる。この時、戻しバネ36は伸長され、引っ張り力が蓄勢される。
そして、スイングレバー31の押圧力を解除すると、スイングレバー31は戻しバネ36の蓄勢力により図5中下方に移動され、回転ギヤ19が図5中時計回りに回転する。そして、スイングレバー31が初期位置まで戻されると、回転ギヤ19は時計回りに1回転し、初期状態に復帰する。
【0022】
つぎに、このケーブル固縛装置10を用いたケーブル2の固縛作業について図7を参照しつつ説明する。
まず、図7の(a)に示されるように、紐3の一端を子桁1bに締着し、その紐3を紐通し19aに通す。ついで、ケーブル固縛装置10の把持部11dを持ち、レバー21を握って、回転ギヤ19を回転可能な状態とする。そして、切り欠き11a内に1本目のケーブル2と子桁1bとを入れるように、ケーブル固縛装置10を上方から下げる。この時、第1の腕11bが1本目のケーブル2と親桁1aとの間に挿入され、第2の腕11cが1本目と2本目のケーブル2の間に挿入される。そして、1本目のケーブル2がスイングレバー31に当たり、スイングレバー31が押し上げられ、回転ギヤ19が1回転する。この回転ギヤ19の回転により、紐通し19aが1本目のケーブル2と子桁1bとの周りを1周する。これにより、紐3は、図7の(b)に示されるように、子桁1bとの締結部から1本目のケーブル2を上側から跨ぎ、子桁1bの下方を通り、1本目のケーブル2と親桁1aとの間に至る。そこで、レバー21を握るのを止め、回転ギヤ19の回転を制止させる。そして、ケーブル固縛装置10を引き上げた後、レバー21を握り、回転ギヤ19を回転可能な状態とする。これにより、スイングレバー31が戻しバネ36の蓄勢力により初期位置に戻り、回転ギヤ19が逆回りに1回転して初期状態に戻る。
【0023】
ついで、図7の(c)に示されるように、第1の腕11bが1本目と2本目のケーブル2の間に入り、第2の腕11cが2本目と3本目のケーブル2の間に入るように、ケーブル固縛装置10を上方から下げる。これにより、ケーブル2がスイングレバー31に当たり、スイングレバー31が押し上げられ、回転ギヤ19が1回転する。この回転ギヤ19の回転により、紐通し19aが2本目のケーブル2と子桁1bとの周りを1周する。これにより、紐3は、図7の(d)に示されるように、1本目のケーブル2と親桁1aとの間から1本目および2本目のケーブル2を上側から跨ぎ、子桁1bの下方を通り、1本目のケーブル2と2本目のケーブル2との間に至る。そこで、レバー21を握るのを止め、回転ギヤ19の回転を制止させる。そして、ケーブル固縛装置10を引き上げた後、レバー21を握り、回転ギヤ19を回転可能な状態とする。これにより、スイングレバー31が戻しバネ36の蓄勢力により初期位置に戻り、回転ギヤ19が逆回りに1回転して初期状態に戻る。
【0024】
この操作を繰り返し行い、紐3を最後のケーブル2に巻き付けた後、紐通し19aから紐3を外し、その紐3を最後のケーブル2とその手前のケーブル2との間から最後のケーブル2の上側を跨いで親桁1a側まで持ってゆく。そこで、紐3を最後のケーブル2と親桁1aとの間で子桁1bに締着する。これにより、ケーブルラック1に収納されているケーブル2が、図8に示されるように、紐3で2本ずつ子桁1bに固縛される。
【0025】
この実施の形態1によれば、切り欠き11aが先端側に開口するように設けられ、第1および第2の腕11b、11cが該切り欠き11aを挟んで相対して構成され、かつ、隙間16が一面に該切り欠き11aの開口部から該第1の腕を通り、該切り欠き11a周りを通り、さらに該第2の腕を通って該切り欠き11aの開口部に至るように円状に形成されている本体部11と、紐通し19aが一面に突設されたC状に形成され、該紐通し19aを隙間16から延出させ、かつ、C状の欠落部を切り欠き11aの開口部に合わせて、該隙間16と同心状に本体部11内に回転自在に配設された回転ギヤ19と、回転ギヤ19を回転駆動する駆動機構部30とを備えているので、紐3を紐通し19aに通した状態で、切り欠き11a内にケーブル2を入れるようにケーブル固縛装置10を上方から下方に下げ、駆動機構部30で回転ギヤ19を回転することで、紐3をケーブル2と子桁1bとをまとめて巻くことができ、ケーブルラック1の子桁1bにケーブル2を固縛できる。
そこで、従来のケーブル固縛作業における紐2をケーブル2と子桁1bとに掛け渡す手作業が不要となり、作業者の作業負荷が著しく軽減される。また、ケーブル固縛作業がケーブルラック1の上方からのみの作業となり、作業性が向上される。さらに、ケーブルラック1を多段に架設している場合においても、上下のケーブルラック1間の狭いスペースでの手作業による固縛作業がなくなり、作業者の作業負荷をさらに軽減できる。
【0026】
また、駆動機構部30は、両端を第1および第2の腕11b、11c内に収納させて切り欠き11aを横断するように配置され、切り欠き11aの開口部側の初期位置と該切り欠き11aの底部側の最終位置との間を往復移動可能に本体部11に取り付けられたスイングレバー31と、スイングレバー31を初期位置に位置させるように付勢する戻りバネ36と、スイングレバー31の両端側のそれぞれから後端側に延設され、該スイングレバー31の初期位置と最終位置との間の往復移動に連動して往復移動する一対の駆動ラック32と、回転ギヤ19の外周壁面の全周に渡って形成された歯部と、回転ギヤ19の外周側に配設され、一対の駆動ラック32のそれぞれに歯合する一対の動力伝達ギヤ33と、一対の動力伝達ギヤ33のそれぞれと同軸に一体化され、回転ギヤ19の歯部に歯合する一対の駆動ギヤ35とを備え、駆動ギヤ35と動力伝達ギヤ33との歯数比が、スイングレバー31の初期位置と最終位置との間の移動により、回転ギヤ19が1回転するように構成されているので、切り欠き11a内にケーブル2を入れるようにケーブル固縛装置10を上方から下方に下げてスイングレバー31を初期位置から最終位置まで移動させることで、紐3をケーブル2と子桁1bとをまとめて巻くことができ、ケーブル2の固縛作業が簡易となる。
【0027】
また、回転ギヤ19の回転を制止するブレーキ機構部20を備えているので、回転ギヤ19が不用意に回転して、紐3が絡み合うようなことも未然に防止される。
また、ブレーキ機構部20が把持部11dを持ってレバー21を握ることで回転ギヤ19の回転制止を解除し、レバー21を離すことで回転ギヤ19の回転を制止するように構成されているので、回転ギヤ19の回転の制止/解除操作が簡易となる。
また、一対の駆動ギヤ35と回転ギヤ19の歯部との歯合位置の周方向距離Aが、回転ギヤ19のC状の欠落部の周方向隙間Bより大きくなっているので、回転ギヤ19の回転動作時に、少なくとも一方の駆動ギヤ35と回転ギヤ19の歯部との歯合関係が確保され、回転ギヤ19の回転動作がスムーズに行われる。
【0028】
なお、上記実施の形態1では、ケーブル固縛装置10はケーブル2を1本ずつ跨ぐように操作するものとして説明しているが、複数本のケーブル2をまとめて跨ぐように操作してもよい。
また、上記実施の形態1では、ケーブル固縛装置10をケーブル2の上方から下方に操作するものとして説明しているが、ケーブル固縛装置10をケーブル2の下方から上方に操作するようにしてもよい。
また、上記実施の形態1では、回転ギヤ19を図1中反時計回りに回転させるように構成するものとして説明しているが、回転ギヤ19を図1中時計回りに回転させるように構成してもよい。
また、上記実施の形態1では、回転ギヤ19、駆動ラック32、駆動ギヤ35等の各部品を収納する溝を本体部11の基部12に設けるものとして説明しているが、各部品の支持構造はこれらの溝に限定されるものではなく、各部品の動作を案内しつつ支持できるガイド部材を基部12に形成し、各部品をガイド部材を介して基部12に取り付けるようにしてもよい。
【0029】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2に係るケーブル固縛装置の構成を説明する図であり、図9の(a)はその斜視図、図9の(b)はその側面図である。図10はこの発明の実施の形態2に係るケーブル固縛装置の本体部の基部構造を説明する一部破断平面図、図11はこの発明の実施の形態2に係るケーブル固縛装置のカバー取付前の状態を示す平面図、図12はこの発明の実施の形態2に係るケーブル固縛装置の駆動機構部の構成を説明する図である。
【0030】
各図において、ケーブル固縛装置40は、子桁収納スペースとしての切り欠き41aが先端側に開口するように形成され、第1および第2の腕41b、41cが該切り欠き41aを挟んで相対して構成された本体部41と、本体部41内に回転自在に装着されたC状の回転ギヤ19と、本体部41内に装着され、回転ギヤ19を回転駆動する駆動機構部47と、駆動機構部47を駆動するモータ54と、本体部41の後端側に配設されたハンドル55とから構成されている。
【0031】
本体部41は、回転ギヤ19および駆動機構部47が装着される平板状の基部42と、回転ギヤ19および駆動機構部47を内包するように基部42の一面側に取り付けられる第1および第2カバー43、44とから構成されている。
【0032】
基部42は、図10に示されるように、切り欠き42aが先端面に開口するように形成され、回転ギヤ19を収納するための環状の溝42bが切り欠き42aの先端側に開口し、かつ、切り欠き42aを取り囲むように基部42の一面側に形成されている。また、後述する駆動ギヤ52および第2傘歯車50を収納するための円形の一対の第1凹部42cが切り欠き42aの反開口側に溝42bの外周部と重なるように形成されている。そして、一対の第1凹部42cは、第1凹部42cと溝42bとの重なり部間の周方向距離Aが、回転ギヤ19の開口部の周方向距離Bより長くなるように離間して形成されている。また、後述するシャフト48および第1傘歯車49を収納するための第2凹部42dが一対の第1凹部42cの穴中心位置を通るように形成されている。さらに、ねじ穴42eが基部42の一面側から基部42の所定位置に形成されている。
【0033】
第1カバー43は、切り欠き42aと同形状の切り欠き43aを円形平板に形成して作製されている。この第1カバー43は、図9に示されるように、切り欠き43aを切り欠き42aに合わせて基部42の一面側に載置され、取付ネジ45を基部42のねじ穴42eに締着して取り付けられる。そして、切り欠き42a、43aが一体となって、本体部41の切り欠き41aを構成している。また、第1カバー43の外径は、溝42bの内径<第1カバー43の外径<溝42bの外径となっている。
第2カバー44は、基部42の外形形状と同等の外形形状に形成され、円状の切り欠き44aが先端側に開口するように形成されている。この第2カバー44は、図9に示されるように、外形を基部42の外形に合わせて基部42の一面側に載置され、取付ネジ45を基部42のねじ穴42eに締着して取り付けられる。そして、第2カバー44の切り欠き44aの内径は、第1カバー43の外径<切り欠き44aの内径<溝42bの外径となっている。そこで、溝42bと同心状のC状の隙間46が第1カバー43と第2カバー44との間に構成される。
【0034】
駆動機構部47は、図11および図12に示されるように、シャフト48と、シャフト48に固着された一対の第1傘歯車49と、各第1傘歯車49に歯合する第2傘歯車50と、各第2傘歯車50の回転軸51に同軸的に一体化された駆動ギヤ52とから構成されている。
このシャフト48および回転軸51は、基部42に固定されたアングル53に回転自在に支持されている。そして、シャフト48および第1傘歯車49が第2凹部42d内に収納され、第2傘歯車50および駆動ギヤ52が第1凹部42c内に収納されている。
【0035】
モータ54は基部42に取り付けられ、シャフト48がモータ54により回転駆動されるようになっている。また、ハンドル55は、ハンドル55の長軸が本体部41の一面(回転ギヤ19の回転面)に対して所定の角度を持つように、本体部41の後端に取り付けられている。そして、モータ54の電源となる電池(図示せず)がハンドル55内に収納され、電源スイッチ56がハンドル55に設けられている。
【0036】
回転ギヤ19は、図11に示されるように、紐通し19aを基部42の一面側に突出させて、かつ、C状の欠落部を切り欠き42aの開口部に合わせて切り欠き42aの開口部を全開するように、溝42b内に回転自在に収納されている。この時、回転ギヤ19は、両駆動ギヤ52と歯合している。そして、第1および第2カバー43、44が基部42に取り付けられた際に、紐通し19aが第1および第2カバー43、44間の隙間46から延出している。
【0037】
このように構成されたケーブル固縛装置40では、電源スイッチ56をONとすることでモータ54が駆動され、シャフト48が回転される。このシャフト48の回転は、第1傘歯車49を介して第2傘歯車50に伝達され、駆動ギヤ52が回転軸51周りに回転される。この駆動ギヤ52の回転が回転ギヤ19に伝達され、回転ギヤ19が図11中反時計回りに回転される。
【0038】
つぎに、このケーブル固縛装置40を用いたケーブル2の固縛作業について、説明の便宜上、図7に基づいて説明する。
まず、図7の(a)に示されるように、紐3の一端を子桁1bに締着し、その紐3を紐通し19aに通す。ついで、ケーブル固縛装置40のハンドル55を持ち、切り欠き41a内に1本目のケーブル2と子桁1bとを入れるように、ケーブル固縛装置40を上方から下げる。この時、第1の腕41bが1本目のケーブル2と親桁1aとの間に挿入され、第2の腕41cが1本目と2本目のケーブル2の間に挿入される。そして、電源スイッチ56をONとし、回転ギヤ19を1回転させる。この回転ギヤ19の回転により、紐通し19aが1本目のケーブル2と子桁1bとの周りを1周する。これにより、紐3は、図7の(b)に示されるように、子桁1bとの締結部から1本目のケーブル2を上側から跨ぎ、子桁1bの下方を通り、1本目のケーブル2と親桁1aとの間に至る。そこで、電源スイッチ56をOFFとし、ケーブル固縛装置40を引き上げる。
【0039】
ついで、図7の(c)に示されるように、第1の腕41bが1本目と2本目のケーブル2の間に入り、第2の腕41cが2本目と3本目のケーブル2の間に入るように、ケーブル固縛装置40を上方から下げる。そして、電源スイッチ56をONとし、回転ギヤ19を1回転させる。この回転ギヤ19の回転により、紐通し19aが2本目のケーブル2と子桁1bとの周りを1周する。これにより、紐3は、図7の(d)に示されるように、1本目のケーブル2と親桁1aとの間から1本目および2本目のケーブル2を上側から跨ぎ、子桁1bの下方を通り、1本目のケーブル2と2本目のケーブル2との間に至る。そこで、電源湿地56をOFFとし、ケーブル固縛装置40を引き上げる。
【0040】
この操作を繰り返し行い、紐3を最後のケーブル2に巻き付けた後、紐通し19aから紐3を外し、その紐3を最後のケーブル2とその手前のケーブル2との間から最後のケーブル2の上側を跨いで親桁1a側まで持ってゆく。そこで、紐3を最後のケーブル2と親桁1aとの間で子桁1bに締着する。これにより、ケーブルラック1に収納されているケーブル2が、図8に示されるように、紐3で2本ずつ子桁1bに固縛される。
【0041】
従って、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態2では、モータ54およびモータ54の回転トルクを回転ギヤ19に伝達する駆動機構部47を備えているので、ケーブル2の固縛作業がより簡易となる。
また、ハンドル55の長軸が本体部41の一面に対して所定の角度を持つように構成されているので、ハンドル55の長軸をケーブル2の長さ方向に一致させることで、第1および第2の腕41b、41cがケーブル2を跨ぐような位置関係となり、ケーブル固縛作業が容易となる。
【0042】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を示す斜視図、図14はこの発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を示す分解斜視図、図15はこの発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置におけるボビンの取付構造を示す断面図である。図16はこの発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する斜視図、図17はこの発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する上面図、図18はこの発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する断面図、図19はこの発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置によるケーブル固縛状態を示す断面図、図20はこの発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する工程断面図である。
【0043】
図13乃至図15において、ケーブル固縛装置55は、ケーブルラック1の子桁1bに嵌合可能な子桁収納スペースとしての切り欠き56aを有する本体部56と、本体部56に回転可能に取り付けられ、切り欠き56aを挟む第1および第2の腕60b、60cを有するボビン回転板60と、第1の腕60bの主面に立設されたボビンピン61に回転自在に装着されたボビン64とを備えている。
【0044】
本体部56は、円形平板に切り欠き57aを形成して作製されたセンター摺動板57と、円形平板に切り欠き58aを形成して作製された一対の側面摺動板58とを備えている。そして、切り欠き57a、58aは同形状をなし、側面摺動板58は、センター摺動板57の外径より大径に形成されている。
ボビン回転板60は、センター摺動板57より僅かに薄い厚みを有し、センター摺動板57の外径より僅かに大径の摺動穴60aが一部開口するように形成され、第1および第2の腕60b、60cが摺動穴60aを挟んで形成され、ボビンピン61が第1の腕60bの主面に立設されている。このボビンピン61には、貫通穴61aが軸心と直交するように穿設されている。そして、一対のボール62がボビンピン61の貫通穴61aに収納され、貫通穴61aの両端がカシメられ、ボール62が抜け出ないようになっている。また、バネ63が一対のボール62間に縮設され、ボール62の一部が貫通穴61aから突出するようになっている。
ボビン64は、ボビンピン61の外径より僅かに大径の中心穴64aを有し、環状のボール嵌合溝64bが中心穴64aの内壁面に中心穴64aの穴中心周りに凹設されている。
【0045】
ここで、ケーブル固縛装置55を組み立てるには、まず、ボビン摺動板60の摺動穴60a内にセンター摺動板57を遊嵌させ、切り欠き57a、58aを一致させて一対の側面摺動板58を両側からセンター摺動板57を挟み込む。そして、リベット59によりセンター摺動板57および一対の側面摺動板58を連結一体化する。ついで、ボビン64の中心穴64aにボビンピン61に挿入する。この時、ボール62が中心穴64aの内壁面に押圧され、バネ63を圧縮させて貫通穴61a内に退避し、環状の溝64bがボール62の位置に到達した時に、ボール62がバネ63の付勢力により突出して溝64bに嵌めこまれ、ボビン64がボビンピン61に装着され、ケーブル固縛装置55が組み立てられる。
【0046】
このように組み立てられたケーブル固縛装置55では、ボビン回転板60の摺動穴60aの内周縁部が一対の側面摺動板58の外周縁部により挟持されてボビン回転板60の外れが防止され、ボビン回転板60がセンター摺動板57周りに回転可能となる。そして、ボビン64は、ボール62と溝64bとの嵌合によりボビンピン61からの抜けが防止され、ボール62と溝64bとの間の摩擦力を越えた回転力が作用したときにボビンピン61周りに回転可能となる。また、センターおよび側面摺動板57、58の切り欠き57a、58aが重なって本体部56の切り欠き56aを構成している。そして、ボビン回転板60の第1および第2の腕60b、60cの先端部間の間隔は、本体部56の切り欠き56aの開口部の間隔より大きくなっている。
【0047】
つぎに、このケーブル固縛装置55を用いたケーブル2の固縛方法について図16乃至図20を参照しつつ説明する。
まず、紐3が巻回されたボビン64をボビンピン61に装着する。そして、ボビン64から繰り出された紐3の一端を子桁1bに締着する。
ついで、1本目のケーブル2を紐3の子桁1bへの締着部側に引き寄せ、1本目と2本目とのケーブル2間に隙間をつくる。そして、図20の(a)に示されるように、ケーブル固縛装置55を1本目と2本目とのケーブル2間の上部に位置させ、子桁1bを本体部56の切り欠き56a内に入れるようにケーブル固縛装置55を降ろす。これにより、図20の(b)に示されるように、ケーブル固縛装置55が子桁1bにセットされる。
ついで、図20の(c)〜(e)に示されるように、ボビン回転板60を本体部56周りに時計回りに回転させる。そして、ボビン回転板60が1回転した後、図20の(f)に示されるように、ケーブル固縛装置55を上げる。これにより、子桁1bに締着された紐3は1本目のケーブル2を乗り越えた後、1本目と2本目との間の子桁1bを1周りした状態となる。
【0048】
ついで、2本目のケーブル2を1本目のケーブル2側に引き寄せ、2本目と3本目のケーブル2の間に隙間をつくる。そして、ケーブル固縛装置55を2本目と3本目とのケーブル2間の上部に位置させ、子桁1bを本体部56の切り欠き56a内に入れるようにケーブル固縛装置55を降ろす。その後、ボビン回転板60を本体部56周りを1回転させ、紐3を2本目と3本目との間の子桁1bを1周りさせる。
この操作を繰り返し行い、図16に示されるように、複数本のケーブル2を1本ずつ紐3で結束する。
【0049】
そして、図17および図18に示されるように、ケーブル固縛装置55を最後のケーブル2と親桁1aとの間の子桁1bにセットし、ボビン回転板60を本体部56周りを1回転させ、紐3を子桁1bを1周りさせる。ついで、ケーブル固縛装置55を引き上げ、ボビン64側で紐3を切断し、紐3を子桁1bに締着して、図19に示されるように、ケーブルラック1に収納されているケーブル2が紐3で1本ずつ子桁1bに固縛される。
【0050】
このように、この実施の形態3においても、従来のケーブル固縛作業における紐2をケーブル2と子桁1bとに掛け渡す手作業が不要となり、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態1によるケーブル固縛装置に比べて、駆動機構部が不要となり、構成が簡素化され、低価格化が図られる。
また、本体部56の切り欠き56aが矩形に形成されているので、ケーブル固縛装置55を子桁1bにセットしたときに、切り欠き56aの底部が子桁1bに当接し、本体部56の回転が制止される。そこで、ボビン回転板60のみを本体部56周りを回転でき、子桁1bへの紐3の巻き付け操作が容易となる。
【0051】
また、ボール62と溝64bとの間の摩擦力を越えた回転力が作用したときにボビン64がボビンピン61周りに回転可能となるように構成されているので、子桁1b周りに巻き付ける過程における紐3は、ボール62と溝64bとの間の摩擦力に相当する力で緊張状態となっており、紐3が余分に繰り出されて絡み合うような不具合も未然に防止される。
また、ボビン64のボビンピン61への挿入とボビンピン61からの引き出しとでボビン64の着脱が可能となり、取り扱いが容易となる。
【0052】
実施の形態4.
図21はこの発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置の構造を説明する図であり、図21の(a)はその斜視図、図21の(b)はその側面図である。図22はこの発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置の構造を説明する断面図、図23はこの発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置を示す分解斜視図、図24はこの発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置の上カバー未装着状態を示す正面図、図25はこの発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置を用いたケーブル固縛方法を説明する斜視図である。
【0053】
図21乃至図24において、ケーブル固縛装置70は、ベース72と上カバー73とからなる筐体71と、筐体71内に回転自在に取り付けられたボビン旋回板75と、ボビン旋回板75に装着されたボビン64と、ベース72に取り付けられたモータ76と、モータ76の回転トルクをボビン旋回板75に伝達する動力伝達機構部とを備えている。
【0054】
ベース72は、切り欠き72aが先端側に開口するように形成された平板状の底板72bと、底板72bの両側端からそれぞれ起立したコ字状の側板72cと、底板72bの上端から起立した平板状の端板72dと、両側板72cに取り付けられた把持部72eとを備えている。そして、ねじ穴72fが両側板72cのコ字状の上片の所定の位置に設けられている。
上カバー73は、切り欠き72aと同形状の切り欠き73aが先端側に開口するように形成され、ボビン着脱用の穴73bが切り欠き72aの一側に形成され、取付用穴73cが各取付穴72fと対応するように形成されている。
筐体71は、切り欠き72a、73aが相対するように上カバー73をベース72に被せ、取付ねじ74を取付穴73cに通してねじ穴72fに締着して、先端側を開口とする箱状に構成されている。そして、切り欠き72a、73aにより筐体71の子桁収納スペースとての切り欠き71aが構成されている。
【0055】
ボビン旋回板75は、センター摺動板57の外径より僅かに大径の摺動穴75aがセンター摺動板57より僅かに薄い厚みを有する円形平板の中心に形成され、切り欠き75bが摺動穴75aと外部とを連通するように形成されている。そして、ボビンピン61が切り欠き75bの一側の腕の主面に立設されている。さらに、歯部がボビン旋回板75の外周面に形成されている。
このボビン旋回板75は、センター摺動板57を摺動穴75a内に配置した状態でベース72の底板72bに宛われ、側面摺動板58がセンター摺動板57に重ねられ、リベット59によりセンター摺動板57、側面摺動板58および底板72bを連結一体化して、ベース72に取り付けられる。これにより、ボビン旋回板75は、底板72bと側面摺動板58とにより支持され、センター摺動板57周りに回転可能となっている。
【0056】
モータ76は、ベース72の底板72bの裏面に取り付けられ、その回転軸76aが底板72bに穿設された穴72gから延出している。そして、モータギヤ77が回転軸76aに固着されている。また、モータ76をON/OFFする電源スイッチ76bがベース72の把持部72eに取り付けられている。
一対の中間ギヤ78は、ベース72の底板72bに立設されたピン79に回転自在に装着されている。そして、中間ギヤ78は、モータギヤ78およびボビン旋回体75に歯合している。ここで、一対の中間ギヤ78とボビン旋回体75との歯合位置の周方向距離Aは、ボビン旋回体75の切り欠き75bの先端開口部の周方向距離Bより大きくなっている。なお、モータギヤ77、中間ギヤ78およびボビン旋回体75の歯部が動力伝達機構部を構成している。
【0057】
このように構成されたケーブル固縛装置70では、ボビン旋回体75、モータギヤ77および中間ギヤ78が筐体71内に収納されている。そして、ボビン旋回体75の切り欠き75bと筐体71の切り欠き71aとが略一致する位置が初期位置となる。この時、ボビン64はボビン着脱用の穴73bを介して外部に露呈している。
【0058】
ついで、このケーブル固縛装置70の動作について図24を参照しつつ説明する。なお、図24中モータギヤ77、中間ギヤ78およびボビン旋回体75の回転方向を矢印で示す。
そこで、電源スイッチ76bをONすると、モータ76が駆動され、回転軸76aに固着されているモータギヤ77が時計回りに回転される。そして、モータギヤ77に歯合している中間ギヤ78が反時計回りに回転される。さらに、中間ギヤ78に歯合しているボビン旋回体75が時計回りに回転され、ボビン64が切り欠き71a内に収納されている子桁1b周りに旋回する。
ここで、ボビン旋回体75の切り欠き75aが一対の中間ギヤ78を通過する際、一対の中間ギヤ78とボビン旋回体75との歯合位置の周方向距離Aがボビン旋回体75の切り欠き75bの先端開口部の周方向距離Bより大きくなっているので、少なくとも一方の中間ギヤ78とボビン旋回体75との歯合が確保され、モータ76の回転トルクはボビン旋回体75に確実に伝達される。
【0059】
つぎに、このケーブル固縛装置70を用いたケーブル2の固縛方法について説明する。
まず、紐3が巻回されたボビン64をボビン着脱用の穴73bからボビンピン61に装着する。そして、ボビン64から繰り出された紐3を筐体71の内部から切り欠き71aを通して延出させ、その一端を子桁1bに締着する。
ついで、1本目のケーブル2を紐3の子桁1bへの締着部側に引き寄せ、1本目と2本目とのケーブル2間に隙間をつくる。そして、ケーブル固縛装置75を1本目と2本目とのケーブル2間の上部に位置させ、子桁1bを筐体71の切り欠き71a内に入れるようにケーブル固縛装置75を降ろす。これにより、図25に示されるように、ケーブル固縛装置70が子桁1bにセットされる。
ついで、電源スイッチ76aをONし、ボビン旋回体75を子桁1b周りに回転させる。そして、ボビン旋回体75が1回転した後、電源スイッチ76bをOFFとし、ケーブル固縛装置70を引き上げる。これにより、子桁1bに締着された紐3は1本目のケーブル2を乗り越えた後、1本目と2本目との間の子桁1bを1周りした状態となる。
【0060】
ついで、2本目のケーブル2を1本目のケーブル2側に引き寄せ、2本目と3本目のケーブル2の間に隙間をつくる。そして、ケーブル固縛装置70を2本目と3本目とのケーブル2間の上部に位置させ、子桁1bを筐体71の切り欠き71a内に入れるようにケーブル固縛装置70を降ろす。その後、電源スイッチ76bをONとし、ボビン旋回体75を子桁1b周りを1回転させ、紐3を2本目と3本目との間の子桁1bを1周りさせ、電源スイッチ76bをOFFとする。
この操作を繰り返し行い、ケーブル固縛装置70を最後のケーブル2と親桁1aとの間の子桁1bにセットし、ボビン旋回体75を子桁1b周りを1回転させ、紐3を子桁1bを1周りさせる。ついで、ケーブル固縛装置70を引き上げ、ボビン64側で紐3を切断し、紐3を子桁1bに締着し、ケーブル2の固縛が終了する。これにより、ケーブルラック1に収納されているケーブル2は、図17および図19に示されるケーブル固縛状態と同様に、紐3で1本ずつ子桁1bに固縛されている。
【0061】
このように、この実施の形態4においても、上記実施の形態3と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態4では、モータ56およびモータ56の回転トルクをボビン旋回体75に伝達する動力伝達機構部を備えているので、ケーブル2の固縛作業がより簡易となる。
【0062】
なお、上記実施の形態4では、モータ76の回転トルクを歯車列によりボビン旋回体75に伝達するものとしているが、回転トルクの伝達手段は歯車列に限定されるものではなく、例えばベルトを用いてもよい。
【0063】
実施の形態5.
図26はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を示す正面図、図27はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第1の腕の先端部を示す分解図、図28はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第1の腕の紐通し金具を示す斜視図、図29はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第2の腕の先端部を示す分解図、図30はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第1および第2の腕の閉状態を説明する図であり、図30の(a)はその一部破断正面図、図30の(b)は正面図である。図31はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第1および第2の腕の開状態を説明する一部破断正面図、図32はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の動作を説明する工程図である。
【0064】
図26乃至図31において、第1作動体81は、第1ハンドル部82と、この第1ハンドル部82から延設された第1中継部83と、この第1中継部83から略L字状に延設された第1の腕部84とを備えている。そして、開閉ピン穴83aが第1中継部83の略中央部に穿設されている。また、カシメ穴84aが第1の腕部84の先端部に穿設されている。
紐通し金具85は、コ字状の締着部85aと、締着部85aからL字状に延設された係合部85bとからなり、カシメ穴85cが締着部85aの表裏辺に穿設され、紐通し穴85dが係合部85bの表辺に穿設されている。そして、紐通し金具85は、締着部85aを第1の腕部84の先端部に装着し、カシメ穴84a、85cに通したカシメピン86をカシメて、第1の腕部84に締着されている。
【0065】
第2作動体87は、第2ハンドル部88と、この第2ハンドル部88から延設された第2中継部89と、この第2中継部89から略L字状に延設された第2の腕部90とを備えている。そして、開閉ピン穴89aが第2中継部89の略中央部に穿設されている。
第2の腕部90の先端部は、裏面が表面側に漸次接近する先細り形状をなし、その先端面の下端側がアール形状をなしている。また、ピン案内穴90aが、穴の長手方向を第2の腕部90の先端部の長さ方向に一致させて、第2の腕部90の先端部の根元側に形成されている。そして、また、下端側に開口する切り欠き90bが第2の腕部90の先端部の先端側に形成され、フック90cを形成している。紐外し環91は、第2の腕部90の先端部を内包可能な長方形断面を有し、摺動ピン穴91aが表裏辺を貫通するように形成されている。そして、戻しバネ92が第2の腕部90の先端部に装着され、紐外し環91が第2の腕部90の先端部に装着され、摺動ピン穴91aとピン案内穴90aとに挿通された摺動ピン93の両端がカシメられている。これにより、紐外し環91は、摺動ピン91がピン案内穴90aに案内されて、切り欠き90bの開口部を塞ぐ初期位置と、切り欠き90bの開口部を全開する最終位置との間を往復移動可能に、第2の腕部90の先端部に装着されている。そして、戻しバネ92が紐外し環91を初期位置に戻すように縮設されている。
【0066】
そして、第1および第2作動体81、87が、開閉ピン穴83a、89aに挿通された開閉ピン94により第1および第2中継部83、89を枢着されて、第1および第2の腕部84、90を開閉可能に構成されている。
【0067】
このように構成されたケーブル固縛装置80では、第1および第2作動体81,87が第1および第2の腕部84,90のL字状の先端を相対するように連結され、第1および第2の腕部84、90により子桁1bを収納するスペースを形成している。
そして、ケーブル固縛装置80の閉状態では、図30に示されるように、第1および第2の腕部84、90が閉じられ、紐通し金具85の係合部85bの端面が戻しバネ92の付勢力に抗して摺動ピン93を押圧し、紐外し環91が切り欠き90bの開口を全開する最終位置に位置している。この時、紐通し穴85dは、切り欠き90b内に位置している。
また、ケーブル固縛装置80の開状態では、図31に示されるように、第1および第2の腕部84、90が開かれ、戻しバネ91の付勢力により、紐外し環91が切り欠き90bの開口を全閉する初期位置に位置している。
【0068】
つぎに、このケーブル固縛装置80による紐3の引っ掛け動作について図32を参照しつつ説明する。
まず、図32の(a)に示されるように、第1および第2の腕部84、90が開状態にあり、紐3が紐通し金具85の表側から紐通し穴85dに通され、輪状の紐3がフック90cに引っ掛けられている。
そして、第1および第2ハンドル部82、88を持って第1および第2の腕部84、90を閉じる。これにより、紐通し金具85の係合部85bが紐外し環91を覆うように係合する。
【0069】
そして、紐通し金具85の係合部85bの先端が摺動ピン93に当接すると、図32の(b)に示されるように、輪状の紐3は紐通し金具85に押圧されて、図32の(b)中左方向に付勢される。この時、切り欠き90bの開口が全閉されているので、輪状の紐3は切り欠き90b内に位置している。また、紐通し金具85の表側から紐通し穴85dに通された紐3は、第2の腕部90の先端形状によりフック90cの下部を通り、第2の腕部90の先端部の裏面側から上方に延びている。
【0070】
そして、紐通し金具85の係合部85bの先端が摺動ピン93を押圧し始めると、紐外し環91が図32の(c)中左側に移動し、切り欠き90bの開口が徐々に開かれる。この時、切り欠き90bの開口が全開されていないので、輪状の紐3はなお切り欠き90b内に位置している。また、紐通し穴85dは切り欠き90b内に臨む位置まで到達していないので、紐通し穴85dに通された紐3はフック90cの下部を通り、第2の腕部90の先端部の裏面側から上方に延びている。
【0071】
そして、紐外し環91が最終位置まで移動すると、図32の(d)に示されるように、切り欠き90bの開口が全開される。この時、紐通し金具85に押圧されていた輪状の紐3は切り欠き90bから飛び出し、紐外し環91上に乗り上げる。また、紐通し穴85dが切り欠き90b内に臨む位置に到達しており、紐通し穴85dに通された紐3は切り欠き90b内に通り、第2の腕部90の先端部の裏面側から上方に延びている。
【0072】
ついで、第1および第2ハンドル部82、88を持って第1および第2の腕部84、90を開く。これにより、紐通し金具85の係合部85bが紐外し環91から引き抜かれるように後退する。そこで、図31の(e)に示されるように、紐通し穴85dに通された紐3がフック90cに引っ掛けられ、紐通し金具85の後退とともに切り欠き90bの底部側に進行する。また、紐外し環91は戻しバネ92の付勢力により切り欠き90bの開口を塞ぐように移動する。この時、輪状の紐3は紐外し環91に乗り上がっており、切り欠き90b内に入ることが阻止される。
【0073】
そして、第1および第2の腕部84、90が大きく開かれると、図32の(f)に示されるように、紐通し穴85dに通された紐3は切り欠き90b内に通り、第2の腕部90の先端部の裏面側から上方に延びている。そして、輪状の紐3は、紐外し環91からフック90cの外周面に乗り移り、さらに切り欠き90bに通された紐3を跨ぐように引っ掛かる。
【0074】
ここで、上記説明では、第1および第2の腕部84、90の開状態から閉動作に移行する時点で、輪状の紐3が既に第2の腕部90のフック90cに引っ掛かっている場合について説明しているが、第1および第2の腕部84、90の開状態から閉動作に移行する時点で、輪状の紐3が第2の腕部90の切り欠き90bに引っ掛かっていない場合では、図32の(a)〜(f)の手順を行うことにより、紐通し穴85dに通された紐3が、単にフック90cに引っ掛かることになる。
【0075】
つぎに、このケーブル固縛装置80を用いたケーブル2の固縛方法について図33乃至図46を参照しつつ説明する。ここで、図33はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する図であり、図33の(a)はその正面図、図33の(b)はその側面図である。図34はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する図であり、図34の(a)はその正面図、図34の(b)はその側面図である。図35はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する図であり、図35の(a)はその正面図、図35の(b)はその側面図である。図36はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する正面図、図37はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する図であり、図37の(a)はその正面図、図37の(b)はその側面図である。図38はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する図であり、図38の(a)はその正面図、図38の(b)はその側面図である。図39はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する図であり、図39の(a)はその正面図、図39の(b)はその側面図である。図40はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する正面図、図41はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する正面図、図42はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する正面図、図43はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する図であり、図43の(a)はその正面図、図43の(b)はその側面図である。図44はこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた3本目のケーブルを固縛する工程を説明する図であり、図44の(a)はその正面図、図44の(b)はその側面図である。図45および図46はそれぞれこの発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いたケーブル固縛方法を説明する上面図および側面図である。
【0076】
まず、紐3が巻回されたボビン95をケーブルラック1の他端側外方に設置する。
ついで、ボビン95から繰り出された紐3の先端を第1の腕部84の表側(ボビン95側)から紐通し穴85dに通す。そして、紐通し穴85dから裏面側に引き出された紐3が子桁1bに結び付けられる(締着される)。ついで、図33に示されるように、ケーブル固縛装置80の第1及び第2の腕部84、90を開いて1本目と2本目のケーブル2の間の上部に位置させる。その後、図34に示されるように、第1および第2の腕部84、90内に子桁1bを納めるようにケーブル固縛装置80を下げる。そこで、図35乃至図37に示されるように、第1および第2の腕部84、90を一旦閉じた後開き、その後ケーブル固縛装置100を引き上げる。これにより、子桁1bに結びつけられた紐3は、1本目のケーブル2を乗り越え、子桁1bの一側から子桁1bの下側を通って子桁1bの他側に至り、第2の腕部90の切り欠き90b内を通って子桁1bの一側に折り返され、第1の腕部84の紐通し穴85dを通って、ケーブルラック1の他側に延びるようになっている。紐3がこのように巻かれて、1本目のケーブル2が子桁1bに固縛されている。
【0077】
ついで、2本目のケーブル2を1本目のケーブル2側に引き寄せ、図38に示されるように、ケーブル固縛装置80を2本目と3本目のケーブル2の上部に位置させる。そして、図39に示されるように、ケーブル固縛装置80を2本目と3本目のケーブル2の隙間から下げ、第1および第2の腕部84、90内に子桁1bを納める。そこで、図40および図41に示されるように、第1および第2の腕部84、90を一旦閉じた後開く。これにより、図32で説明したように、第2の腕部90のフック90cに掛けられていた輪状の紐3が切り欠け90bから外され、代わりに第1の腕部84の紐通し穴85dを通された紐3がフック90cに掛けられる。
【0078】
そして、ケーブル固縛装置80を引き上げる。これにより、図42および図43に示されるように、切り欠け90bから外された輪状の紐3が、第2の腕部90の先端部から新たにフック90cに掛けられた輪状の紐3に乗り移る。
この状態では、図43に示されるように、子桁1bに結び付けられた紐3は、1本目のケーブル2を乗り越えて1本目と2本目のケーブル2の間から子桁1bの一側側面に沿って下方に至り、子桁1bの下面に沿って他側に至り、子桁1bの他側側面に沿って上方に至り、2本目のケーブル2を乗り越えて2本目と3本目のケーブル2の間で折り返される。そして、2本目と3本目のケーブル2の間で折り返された紐3は、2本目のケーブル2を乗り越えて1本目と2本目のケーブル2の間から子桁1bの他側側面に沿って下方に至り、子桁1bの下面に沿って一側に至り、子桁1bの一側側面に沿って上方に至る。そして、紐3は、2本目のケーブル2を乗り越えて2本目と3本目のケーブル2の間から子桁1bの一側側面に沿って下方に至り、子桁1bの下面に沿って他側に至り、子桁1bの他側側面に沿って上方に至り、上述の紐3の折り返し部内を通って第2の腕部90の切り欠き90b内を通り、その後上述の紐3の折り返し部内を通って子桁1bの他側側面に沿って下方に至り、子桁1bの仮面に沿って一側に至り、子桁1bの一側を通って上方に至り、第1の腕部84の裏面側から紐通し穴85dを通ってケーブルラック1の他側に延びるようになっている。紐3がこのように巻かれて、2本目のケーブル2が子桁1bに固縛されている。
【0079】
ついで、3本目のケーブル2を2本目のケーブル2側に引き寄せ、図44に示されるように、ケーブル固縛装置80を3本目と4本目のケーブル2の隙間の上部に位置させ、同様にして3本目のケーブル3を子桁1bに固縛する。
そして、この操作を繰り返し行い、最後に、ケーブル固縛装置80を最後のケーブル2と親桁1aとの間の子桁1bにセットし、第1および第2の腕部84、90の閉開動作を行い、その後ケーブル固縛装置80を引き上げる。そして、第1の腕部84の裏面側で紐3を切断し、その切断端と1つ前の折り返し部に通された最後の折り返し部とを締着して、ケーブル2の固縛が終了する。これにより、ケーブルラック1に収納されているケーブル2は、紐3で1本ずつ子桁1bに固縛される。
【0080】
ここで、ケーブル2は紐3で1本ずつ固縛される必要はなく、例えば図45および図46に示されるように、紐3で複数本のケーブル2を束ねて固縛することもできる。
【0081】
このように、この実施の形態5においても、ケーブル固縛装置80をケーブルラック1の上部から、第1および第2の腕部84、90内にケーブル2間の子桁1bを納めるように下げ、第1および第2ハンドル部82、88を操作して第1および第2の腕部84、90を開閉動作するだけで、ケーブル2を子桁1bに紐3で固縛でき、従来のケーブル固縛作業における紐2をケーブル2と子桁1bとに掛け渡す手作業が不要となり、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0082】
なお、上記実施の形態5では、ケーブルラック1の上部からケーブル固縛装置80を第1および第2の腕部84、90内に子桁1bを納め、第1および第2の腕部84、90を開閉動作させるものとして説明しているが、ケーブルラック1の下部からケーブル固縛装置80を第1および第2の腕部84、90内に子桁1bを納め、第1および第2の腕部84、90を開閉動作させてもよい。
【0083】
また、上記実施の形態5では、第1および第2ハンドル部82、88が第1および第2の腕部84、90の開閉動作面(腕部84、90が開閉動作することで形成される面)と同一平面上に位置しているものとしているが、第1および第2ハンドル部82、88を第1および第2の腕部84、90の開閉動作面と略直交する平面上に位置するようにしてもよい。この場合、第1および第2ハンドル部82、88がケーブルラック1と略平行となり、ケーブルラック1の上部空間が狭い場合、例えばケーブルラック1が多段に設置されている場合やケーブルラック1が天井に近接して設置されている場合でも、簡易にケーブル2を固縛することができる。
さらに、第1および第2ハンドル部82、88をケーブルラック1の一側あるいは他側に延出するように構成してもよい。これにより、作業者はケーブルラック1上に手を入れることなく、ケーブルラック1の外側から第1および第2の腕部84、90の開閉動作が行え、ケーブル2の固縛作業がより簡易となる。
【0084】
実施の形態6.
図47はこの発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置のケーブルラックへの装着状態を示す斜視図、図48はこの発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置の主要部を示す側面図である。
各図において、ベース板101は、平板状をなし、一対の摺動軸受102aが配設された基部102と、基部102から一側に延設され、カム溝103aが形成されたカム溝形成腕103と、基部102下端から一側に延設されたフック支持腕104とから構成されている。
【0085】
ルーパー105は、後端に立設された第1の軸120をカム溝103aに摺動自在に係合させてベース板101に取り付けられ、紐通し穴105bが先端の針先105aに形成されている。軌道案内腕106は、一端をベース板101の基部102に第2の軸121周りに回動自在に取り付けられ、他端をルーパー105の略中央部に第3の軸122周りに回動自在に連結されている。フック107は、紐3が引っ掛けられるフック部107aが下端一側に形成され、ガイドピン107bがフック部107aの近傍に立設され、係止片107cが上端他側に延設されている。そして、フック107は上端側を第4の軸123周りに回動自在にフック支持腕104に取り付けられている。また、弦巻バネ(図示せず)がフック支持腕104とフック107との間に装着され、フック107が図48中反時計回りに付勢されている。そこで、フック107は、初期状態においては、係止片107cがフック支持腕104に立設されたストッパ104aに係合する初期位置をとる。なお、第1乃至第4の軸120、121、122、123は軸方向が互いに平行となっている。
【0086】
また、軌道案内腕懸架バネ108がベース板101と軌道案内腕106との間に張設されている。また、紐調子バネ109がベース板101の基部102に配設されている。さらに、ハンドル110がルーパー105の第1の軸120に取り付けられている。
設置架台111は、相対して配置された一対の脚部112と、一対の脚部112間に互いに平行に架設された一対の摺動棒113とから構成されている。
【0087】
このケーブル固縛装置100は、ルーパー105、軌道案内腕106およびフック107が取り付けられたベース板101を、摺動棒113を摺動軸受102aに通して、摺動棒113の長手方向に往復移動自在に装着されて構成されている。また、紐3が巻回されたボビン114を取り付けたスタンド115がベース板101に装着されている。
【0088】
このように構成されたケーブル固縛装置100は、図47に示されるように、一対の脚部112をケーブルラック1の親桁1aに取り付けて、ケーブルラック1に装着される。これにより、ベース板101がケーブルラック1の長さ方向と直交する方向に往復移動可能となっている。
【0089】
ここで、ルーパー105の針先105aの動作について図48を参照しつつ説明する。
まず、初期状態では、軌道案内腕106は、軌道案内腕懸架バネ108により図48中第2の軸121周りに反時計方向に引っ張られ、ルーパー105の第1の軸120がカム溝103aの起点A1に位置している。この時、針先105aは、フック107から一側に所定距離B離れた始端C1に位置している。この距離Bは子桁1bの幅より大きい。
そして、第1の軸120がカム溝103aに案内されて中点A2まで移動すると、軌道案内腕106が第2の軸121周りに時計回りに回動し、略中央部が軌道案内腕106の他端に第3の軸122周りに回動自在に支持されたルーパー105の針先105aは膨らむように下降し、子桁1bの一側下端に近接する点C2に至る。さらに、第1の軸120がカム溝103aに案内されて終点A3まで移動すると、軌道案内腕106が第2の軸121周りに時計回りにさらに回動し、ルーパー105の針先105aは子桁1bの下端側を通り、子桁1bの他側を通って上昇し、終端C3に至る。これにより、ルーパー105の針先105aは、ベース板101の往復移動方向と略直交する平面上で、フック107と相対する始端C1から子桁1bを迂回して子桁1bの外周を通り、フック17と係合する終端C3に至る湾曲状の軌跡hをとる。
【0090】
この動作において、第1の軸120は、カム溝103aに案内されて、起点1Aから中点A2を通り終点A3に至る軌跡R1をとる。一方、ルーパー105の略中央部と軌道案内腕106の他端とを回動自在に連結する第3の軸122は、第2の軸121を中心とする円弧状の軌跡R2をとる。この軌跡R2がルーパー105の動支点となる。
そして、ルーパー105の針先105aが、フック107と相対する始端C1から子桁1bを迂回して子桁1bの外周を通り、フック107と係合する終端C3に至る湾曲状の軌跡hをとるように、かつ、針先105aの始端C1が子桁1b上に収納されているケーブル2の上部に位置するように、カム溝103a、ルーパー105および軌道案内腕106の形状が設計されている。
【0091】
つぎに、このケーブル固縛装置100におけるフック107への紐3の引っ掛け動作について説明する。ここで、図49は紐未引っ掛け状態のフックへの紐引っ掛け動作を説明する工程図、図50は紐引っ掛け状態のフックへの紐引っ掛け動作を説明する工程図である。
【0092】
まず、紐未引っ掛け状態のフックへの紐の引っ掛け動作について図49を参照しつつ説明する。
フック107は、図49の(a)に示されるように、弦巻バネの付勢力により、係止片107cがストッパ104aに係合する初期状態となっている。そして、紐3が紐通し穴105bに通された針先105aが、下方からフック107に接近する。
【0093】
ついで、針先105aの上昇にともない、針先105aとガイドピン107bとが係合し、フック107が、図49の(b)、(c)に示されるように、第4の軸123周りに時計回りに回動する。そして、針先105aが軌跡hの終端C3に至ると、針先105aとガイドピン107bとの係合が解除され、フック107は、図49の(d)に示されるように、第4の軸123周りに反時計回りに回動し、初期状態となる。
【0094】
ついで、針先105aが下降し始めると、針先105aとガイドピン107bとが再度係合し、フック107は、図49の(e)に示されるように、第4の軸123周りに時計回りに回動する。そして、針先105aの下降につれ、フック107は、徐々に第4の軸123周りに反時計回りに回動し、紐通し穴105bが図49の(f)に示されるようにフック部107aを通過する際に、紐通し穴105bに通された紐3がフック部107aに引っ掛けられる。さらに針先105aが下降すると、図49の(g)、(h)に示されるように、紐3は下方から紐通し穴105bを通りフック部107aに引っ掛けられた後、下方に延びる状態となる。
【0095】
つぎに、紐引っ掛け状態のフックへの紐の引っ掛け動作について図50を参照しつつ説明する。ここで、説明の便宜上、予めフック部107bに引っ掛けられている紐を輪状の紐3Aとする。
フック107は、図50の(a)に示されるように、弦巻バネの付勢力により、係止片107cがストッパ104aに係合する初期状態となっており、そのフック部107aには輪状の紐3Aが引っ掛けられている。そして、紐3が紐通し穴105bに通された針先105aが、下方からフック107に接近する。
【0096】
ついで、針先105aの上昇にともない、針先105aとガイドピン107bとが係合し、図50の(b)、(c)に示されるように、フック107が第4の軸123周りに時計回りに回動しつつ、針先105aが輪状の紐3A内に突っ込む。この針先105aの上昇により、輪状の紐3Aは針先105aの根元側に移動し、ついには、紐通し穴103aに通された紐3も輪状の紐3A内に突っ込む。そして、針先105aが軌跡hの終端C3に至ると、針先105aとガイドピン107bとの係合が解除され、フック107は、図50の(d)に示されるように、第4の軸123周りに反時計回りに回動し、初期状態となる。この時、輪状の紐3Aは針先105aを乗り越えてルーパー105の先端側まで移動する。
【0097】
ついで、針先105aが下降し始めると、針先105aとガイドピン107bとが再度係合し、フック107は、図50の(e)に示されるように、第4の軸123周りに時計回りに回動する。そして、針先105aの下降につれ、フック107は、徐々に第4の軸123周りに反時計回りに回動し、紐通し穴105bが図50の(f)に示されるようにフック部107aを通過する際に、紐通し穴105bに通された紐3がフック部107aに引っ掛けられる。この時、輪状の紐3Aはルーパー105の先端側から針先105aに乗り移っている。
さらに針先105aが下降すると、図50の(g)、(h)に示されるように、紐3は下方から紐通し穴105bを通りフック部107aに引っ掛けられた後、下方に延びる状態となる。そして、輪状の紐3Aは、フック部107aに引っ掛けられた紐3を内包するように紐3に引っ掛かる。
【0098】
つぎに、このケーブル固縛装置100を用いたケーブル2の固縛方法について図51乃至図60を参照しつつ説明する。ここで、図51乃至図55はそれぞれこの発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図、図56乃至図58はそれぞれこの発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図、図59はこの発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛状態を説明する斜視図、図60はこの発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛過程を模式的に示す斜視図であり、図60では、ケーブルラックおよびケーブルを省略して示している。
【0099】
まず、図47に示されるように、一対の脚部112をケーブルラック1の親桁1aに取り付けて、ケーブル固縛装置100をケーブルラック1に装着する。これにより、ベース板101がカム溝形成腕103の延設方向をケーブルラック1の長さ方向に一致し、ケーブルラック1の長さ方向と直交する方向に往復移動可能となっている。そして、ボビン114から紐3を繰り出し、紐調子バネ109に掛けた後、表面側からルーパー105の紐通し穴105bに通す。
【0100】
そして、ケーブル固縛装置100のベース板101を摺動棒113を案内にして一方の親桁1a側に移動する。ついで、紐通し穴105bから裏面側(一方の親桁1a側)に引き出された紐3を子桁1bの親桁1a近傍に結び付ける(締着する)。そして、ルーパー105の針先105aおよびフック107が1本目と2本目のケーブル2の間の上部に位置するように、摺動棒113を案内にしてベース板101を他方の親桁1a側に移動させる。これにより、子桁1bに結びつけられた紐3は、図51に示されるように、1本目のケーブル2を跨いで紐通し穴105bに通された状態となる。
【0101】
そこで、ハンドル110を持ってルーパー105の第1の軸120をカム溝103aに沿って起点A1から終点A3まで移動させる。これにより、針先105aは、始端C1から、図52および図53に示されるように、子桁1bの下側を通り、終端C3まで移動する。ついで、ハンドル110を持ってルーパー105の第1の軸120をカム溝103aに沿って終点A3から起点A1まで移動させる。これにより、針先105aは、終端C3から、図54および図55に示されるように、子桁1bの下側を通り、始端C1まで移動する。この時、針先105aは、図48に示される軌跡hを通って子桁1bを迂回して始端C1と終端C3との間を往復する。そして、針先105aが終端C3で折り返される際に、図49を用いて説明したように、紐通し穴105bから裏面側に出た紐3の部位がフック部107aに掛けられる。これにより、子桁1bに結びつけられた紐3は、1本目のケーブル2を乗り越え、子桁1bの一側から子桁1bの下側を通って子桁1bの他側に至り、フック部107aに引っ掛けられて折り返され、子桁1bの他側から子桁1bの下側を通って子桁1bの一側に至り、始端C1に位置する針先105aの紐通し穴105bに裏面側から通され、ボビン114側に延びている。
【0102】
ついで、ルーパー105の針先105aおよびフック107が2本目と3本目のケーブル2の間の上部に位置するように、摺動棒113を案内にしてベース板101を他方の親桁1a側に移動させる。そして、ハンドル110を持ってルーパー105の第1の軸120をカム溝103aに沿って起点A1と終点A3との間を往復移動させる。これにより、針先105aは、図56乃至図58に示されるように、子桁1bを迂回して始端C1と終端C3との間を往復する。そして、針先105aが終端C3で折り返される際に、図50を用いて説明したように、先にフック部107aに引っ掛けられていた紐3が外され、紐通し穴105bから裏面側に出た紐3の部位がフック部107aに引っ掛けられる。そして、針先105aが終端C3から始端C1への復路において、フック部107aから外された紐3が、新たにフック部107aに引っ掛けられた紐3に掛けられる。
【0103】
そして、この操作を繰り返し行い、最後に、ケーブル固縛装置100のベース板101を最後のケーブル2と親桁1aとの間の子桁1b上に移動し、針先105aを始端C1と終端C3との間を往復移動させる。その後、ボビン114から繰り出された紐3を切断し、その切断端3bと折り返し部3aに通された最後の折り返し部3aとを締着して、ケーブル2の固縛が終了する。これにより、ケーブルラック1に収納されているケーブル2は、紐3で1本ずつ子桁1bに固縛される。
【0104】
このようにして、ケーブルラック1に収納されたケーブル2は、図59および図60に示されるように、1本の紐3で子桁1bに固縛される。具体的には、子桁1bに結び付けられた紐3は、1本目のケーブル2を乗り越えて1本目と2本目のケーブル2の間から子桁1bの一側側面に沿って下方に至り、子桁1bの下面に沿って他側に至り、子桁1bの他側側面に沿って上方に至り、2本目のケーブル2を乗り越えて2本目と3本目のケーブル2の間で折り返される。そして、2本目と3本目のケーブル2の間で折り返された紐3は、2本目のケーブル2を乗り越えて1本目と2本目のケーブル2の間から子桁1bの他側側面に沿って下方に至り、子桁1bの下面に沿って一側に至り、子桁1bの一側側面に沿って上方に至る。そして、紐3は、2本目のケーブル2を乗り越えて2本目と3本目のケーブル2の間から子桁1bの一側側面に沿って下方に至り、子桁1bの下面に沿って他側に至り、子桁1bの他側側面に沿って上方に至り、上述の紐3の折り返し部3a内を通って3本目のケーブル2を乗り越えて3本目と4本目のケーブル2の間で折り返される。そして、そして、3本目と4本目のケーブル2の間で折り返された紐3は、3本目のケーブル2を乗り越えて上述の紐3の折り返し部3a内を通り、2本目と3本目のケーブル2の間から子桁1bの他側側面に沿って下方に至り、子桁1bの下面に沿って一側に至り、子桁1bの一側側面に沿って上方に至る。そして、紐3は、3本目のケーブル2を乗り越えて4本目のケーブル2側に延びている。そして、最後のケーブル2と親桁1aとの間で、紐3の切断端3bと1つ前の折り返し部3aに通された最後の折り返し部3aとを締着して、ケーブル2は、1本の紐3で1本ずつ子桁1bに固縛されている。
【0105】
なお、この実施の形態6における紐3によるケーブル2の固縛の仕方は、上記実施の形態5と同様である。また、実施の形態6においても、ケーブル2は紐3で1本ずつ固縛される必要はなく、複数本のケーブル2を束ねて固縛することもできる。
【0106】
このように、この実施の形態6においても、ケーブル固縛装置100をケーブルラック1の上部で操作するだけで、ケーブル2を子桁1bに紐3で固縛でき、従来のケーブル固縛作業における紐2をケーブル2と子桁1bとに掛け渡す手作業が不要となり、上記実施の形態5と同様の効果が得られる。
【0107】
なお、上記実施の形態6において、ルーパー105は、カム溝103aに係合する第1の軸120に固着されていてもよく、あるいは回動自在に連結されていてもよい。
【0108】
この発明によれば、切り欠きが先端側に開口するように設けられ、第1および第2の腕が該切り欠きを挟んで相対して構成され、かつ、隙間が一面に該切り欠きの開口部から該第1の腕を通り、該切り欠き周りを通り、さらに該第2の腕を通って該切り欠きの開口部に至るように円状に形成されている本体部と、
紐通しが一面に突設されたC状に形成され、該紐通しを上記隙間から延出させ、かつ、C状の欠落部を上記切り欠きの開口部に合わせて、該隙間と同心状に上記本体部内に回転自在に配設された回転体と、
上記回転体を回転駆動する駆動機構部とを備えているので、紐をケーブルと子桁とに掛け渡す作業を簡略化し、作業者の作業負荷を軽減できるケーブル固縛装置が得られる。
【0109】
また、上記駆動機構部は、両端を上記第1および第2の腕内に収納させて上記切り欠きを横断するように配置され、上記切り欠きの開口部側の初期位置と該切り欠きの底部側の最終位置との間を往復移動可能に上記本体部に取り付けられたスイングレバーと、上記スイングレバーを上記初期位置に位置させるように付勢する戻りバネと、上記スイングレバーの両端側のそれぞれから後端側に延設され、該スイングレバーの上記初期位置と上記最終位置との間の往復移動に連動して往復移動する一対の駆動ラックと、上記回転体の外周壁面の全周に渡って形成された歯部と、上記回転体の外周側に配設され、上記一対の駆動ラックのそれぞれに歯合する一対の動力伝達ギヤと、上記一対の動力伝達ギヤのそれぞれと同軸に一体化され、上記回転体の歯部に歯合する一対の駆動ギヤとを備え、
上記駆動ギヤと上記動力伝達ギヤとの歯数比が、上記スイングレバーの上記初期位置と上記最終位置との間の移動により、上記回転体が1回転するように構成されているので、ケーブルの固縛作業が簡易となる。
【0110】
また、上記回転体の回転を制止するブレーキ機構部を備えているので、回転体が不要に回転して紐が絡み合うことが未然に防止される。
【0111】
また、上記駆動機構部は、上記回転体の外周壁面の全周に渡って形成された歯部と、上記回転体の外周側に配設され、上記回転体の歯部に歯合する一対の駆動ギヤと、シャフトと、上記シャフトの回転を上記一対の駆動ギヤのそれぞれに伝達する一対の歯車列と、上記シャフトを回転駆動するモータとを備えているので、ケーブルの固縛作業がより簡易となる。
【0112】
また、上記一対の駆動ギヤと上記回転体の歯部との歯合位置の周方向距離が、上記回転体のC状の欠落部の周方向隙間より大きくなっているので、回転体の回転動作中に、少なくとも一方の駆動ギヤと回転体の歯部との歯合が確保され、回転体の回転動作がスムーズとなる。
【0113】
また、この発明によれば、円形の摺動穴が一部開口するように形成され、第1および第2の腕が該摺動穴を挟んで形成され、かつ、紐が巻回されたボビンが該第1の腕の主面に立設されたピンに回転自在に、かつ、着脱自在に装着されたボビン回転板と、
上記摺動穴の内径より小径の外径を有する円形平板状のセンター摺動板を、上記摺動穴の内径より大径の外径を有する円形平板状の一対の側面摺動板により挟み込んで一体化され、切り欠きが一側に開口するように設けられた本体部とを備え、
上記ボビン回転板が、上記摺動穴を上記センター摺動板に遊嵌させて上記本体部に回転自在に装着されているので、紐をケーブルと子桁とに掛け渡す作業を簡略化し、作業者の作業負荷を軽減できるケーブル固縛装置が得られる。
【0114】
また、この発明によれば、円形の摺動穴が中心に穿設され、切り欠きが該摺動穴と外部とを連通するように形成され、紐が巻回されたボビンが主面に立設されたピンに回転自在に、かつ、着脱自在に装着された円形平板のボビン旋回体と、
下端に開口する底板切り欠きを有する底板と該底板切り欠きと略同形状の下端に開口する上カバー切り欠きを有する上カバーとが両切り欠きを相対させて対向して配設され、上記摺動穴の内径より小径の外径を有する円形平板に上記底板切り欠きの幅と同等以上の幅の摺動板切り欠きを形成した摺動板が該摺動板切り欠きを上記底板切り欠きに重ねて上記底板に取り付けられ、上記ボビン旋回体が上記摺動穴を該摺動板に遊嵌させて回転自在に取り付けられた筐体と、
上記筐体に取り付けられたモータと、
上記モータの回転トルクを上記ボビン旋回体に伝達して該ボビン旋回体を回転駆動する動力伝達機構部とを備えたので、紐をケーブルと子桁とに掛け渡す作業を簡略化し、作業者の作業負荷を軽減できるケーブル固縛装置が得られる。
【0115】
また、上記動力伝達機構部は、上記ボビン旋回体の外周壁面の全周に渡って形成された歯部と、上記ボビン旋回体の外周側に配設され、上記ボビン旋回体の歯部に歯合する一対の中間ギヤと、上記モータの回転軸に固着され、上記一対の中間ギヤに歯合するモータギヤとを備えているので、簡易な構成で動力伝達機構部を構成できる。
【0116】
また、上記一対の中間ギヤと上記ボビン旋回体の歯部との歯合位置の周方向距離が、上記ボビン旋回体の切り欠きの周方向隙間より大きくなっているので、ボビン旋回体の回転動作中に、少なくとも一方の中間ギヤとボビン旋回体の歯部との歯合が確保され、回転体の回転動作がスムーズとなる。
【0117】
また、ボビン着脱用穴が上記ボビンを露呈するように上記カバーに設けられているので、ボビンの交換が容易となる。
【0118】
また、この発明によれば、第1中継部、この第1中継部から一方に連設された第1ハンドル部および該第1中継部から他方に連設された略L字状の第1の腕部を有する第1作動体と、第2中継部、この第2中継部から一方に連設された第2ハンドル部および該第2中継部から他方に連設された略L字状の第2の腕部を有する第2作動体とが、該第1および第2の腕部のL字状の先端部を相対させて、該第1および第2中継部を開閉ピン周りに回動自在に連結され、該第1および第2ハンドル部の開閉操作により、該第1および第2の腕部の先端部同士が係合する閉状態と、該先端部同士が離間する開状態とをとるように構成されたケーブル固縛装置において、
紐を引っ掛けるフック部が上記第2の腕部の先端部に切り欠きを外方に開口するように形成して成形され、
紐外し環が上記切り欠きの開口部を全閉する初期位置と該切り欠きの開口部を全開する最終位置との間を往復移動可能に上記第2の腕部の先端部に装着され、
戻しバネが上記紐外し環を上記最終位置から上記初期位置に戻すように上記第2の腕部の先端部に縮設され、
上記第1および第2の腕部の先端部の閉動作時に上記紐外し環に係合して該紐外し環を上記初期位置から上記最終位置に移動させる先端L字状の紐通し金具が、L字状の一辺を内方に位置させ、L字状の他辺を一側に位置させて上記第1の腕部の先端部に取り付けられ、かつ、
紐通し穴が、上記紐外し環が上記最終位置に位置したときに上記切り欠きと相対する位置をとるように、上記紐通し金具のL字状の他辺に穿設されているので、紐をケーブルと子桁とに掛け渡す作業を簡略化し、作業者の作業負荷を軽減できるケーブル固縛装置が得られる。
【0119】
また、上記第1および第2ハンドル部が、上記第1および第2の腕部の先端部の開閉動作面に対して略直交する方向に曲げられているので、ケーブルラックの上部の作業スペースが狭いような場合でも、ケーブルを簡易に固縛できる。
【0120】
また、この発明によれば、一対の脚部間に架設された摺動棒と、
基部、該基部から一側に延設され、カム溝が形成されたカム溝形成腕および該基部の下端から一側に延設されたフック支持腕を有する平板状をなし、該基部が上記摺動棒と直交して該摺動棒にその長手方向に往復移動可能に取り付けられたベース板と、
一端が上記カム溝に摺動自在に取り付けられた第1の軸に支持され、紐通り穴を有する針先が他端に形成されたルーパーと、
一端が上記基部に第1の軸周りに回動自在に連結され、かつ、他端が上記ルーパーに第3の軸周りに回動自在に連結された軌道案内腕と、
上記フック支持腕に第4の軸周りに回動自在に支持され、フック部が下端一側に形成されたフックとを備え、
上記針先および上記フックは、該針先と該フックとの係合/係合解除により、予め上記フック部に紐が引っ掛けられている場合には、上記フック部に引っ掛けられている紐を外し、上記紐通し穴に通された紐を上記フック部に引っ掛け、さらに、上記フック部から外された紐を上記フック部に引っ掛けられた紐に掛け渡すように、予め上記フック部に紐が引っ掛けられていない場合には、上記紐通し穴に通された紐を上記フック部に引っ掛けるように構成され、
上記カム溝、上記ルーパーおよび上記軌道案内腕は、上記第1の軸が上記カム溝に案内されて該カム溝の起点から終点まで移動したときに、上記針先が、上記ベース板の往復移動方向と直交する平面上で、上記フックから一側に所定距離離れて相対する始端から上記フックに係合する終端に至る湾曲する軌跡(h)を描くように設定されているので、紐をケーブルと子桁とに掛け渡す作業を簡略化し、作業者の作業負荷を軽減できるケーブル固縛装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】この発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の本体部の基部構造を説明する平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の回転ギヤを示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の本体部の基部へのブレーキ機構部および駆動ラックの装着状態を示す平面図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の本体部の基部への駆動ギヤおよび回転ギヤの装着状態を示す平面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置の駆動ギヤを示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する工程図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛状態を示す上面図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係るケーブル固縛装置の構成を説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係るケーブル固縛装置の本体部の基部構造を説明する一部破断平面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係るケーブル固縛装置のカバー取付前の状態を示す平面図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係るケーブル固縛装置の駆動機構部の構成を説明する図である。
【図13】この発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を示す分解斜視図である。
【図15】この発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置におけるボビンの取付構造を示す断面図である。
【図16】この発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する斜視図である。
【図17】この発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する上面図である。
【図18】この発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する断面図である。
【図19】この発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置によるケーブル固縛状態を示す断面図である。
【図20】この発明の実施の形態3に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛方法を説明する工程断面図である。
【図21】この発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置の構造を説明する図である。
【図22】この発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置の構造を説明する断面図である。
【図23】この発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置を示す分解斜視図である。
【図24】この発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置の上カバー未装着状態を示す正面図である。
【図25】この発明の実施の形態4に係るケーブル固縛装置を用いたケーブル固縛方法を説明する斜視図である。
【図26】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を示す正面図である。
【図27】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第1の腕の先端部を示す分解図である。
【図28】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第1の腕の紐通し金具を示す斜視図である。
【図29】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第2の腕の先端部を示す分解図である。
【図30】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第1および第2の腕の閉状態を説明する図である。
【図31】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の第1および第2の腕の開状態を説明する一部破断正面図である。
【図32】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置の動作を説明する工程図である。
【図33】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する図である。
【図34】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する図である。
【図35】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する図である。
【図36】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する正面図である。
【図37】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する図である。
【図38】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する図である。
【図39】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する図である。
【図40】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する正面図である。
【図41】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する正面図である。
【図42】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する正面図である。
【図43】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する図である。
【図44】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いた3本目のケーブルを固縛する工程を説明する図である。
【図45】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いたケーブル固縛方法を説明する上面図である。
【図46】この発明の実施の形態5に係るケーブル固縛装置を用いたケーブル固縛方法を説明する側面図である。
【図47】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置のケーブルラックへの装着状態を示す斜視図である。
【図48】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置の主要部を示す側面図である。
【図49】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置における紐未引っ掛け状態のフックへの紐引っ掛け動作を説明する工程図である。
【図50】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置における紐引っ掛け状態のフックへの紐引っ掛け動作を説明する工程図である。
【図51】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図である。
【図52】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図である。
【図53】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図である。
【図54】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図である。
【図55】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた1本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図である。
【図56】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図である。
【図57】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図である。
【図58】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いた2本目のケーブルを固縛する工程を説明する側面図である。
【図59】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛状態を説明する斜視図である。
【図60】この発明の実施の形態6に係るケーブル固縛装置を用いたケーブルの固縛過程を模式的に示す斜視図である。
【図61】従来のケーブル固縛方法を説明する断面図である。
【図62】従来のケーブル固縛状態を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0122】
11、41 本体部、11a、41a 切り欠き、11b、41b 第1の腕、11c、41c 第2の腕、16、46 隙間、19 回転ギヤ(回転体)、19a 紐通し、20 ブレーキ機構部、21 レバー(ブレーキ機構部)、22 連杆(ブレーキ機構部)、24 揺動挺(ブレーキ機構部)、25 復帰バネ(ブレーキ機構部)、30、47 駆動機構部、31 スイングレバー(駆動機構部)、32 駆動ラック(駆動機構部)、33 動力伝達ギヤ(駆動機構部)、35 駆動ギヤ(駆動機構部)、36 戻しバネ(駆動機構部)、48 シャフト(駆動機構部)、49 第1傘歯車(駆動機構部)、50 第2傘歯車(駆動機構部)、52 駆動ギヤ(駆動機構部)、56 本体部、56a 切り欠き、57 センター摺動板、58 側面摺動板、60 ボビン回転板、60a 摺動穴、60b 第1の腕、60c 第2の腕、61 ボビンピン、64 ボビン、75 ボビン旋回体、75a 摺動穴、75b 切り欠き、72a 切り欠き、72b 底板、73 上カバー、73a 切り欠き、73b 穴、76 モータ、77 モータギヤ(動力伝達機構部)、78 中間ギヤ(動力伝達機構部)、81 第1作動体、82 第1ハンドル部、83 第1中継部、84 第1の腕部、85 紐通し金具、85b 紐通し穴、87 第2作動体、88 第2ハンドル部、89 第2中継部、90 第2の腕部、94 開閉ピン、90b 切り欠き、90c フック部、91 紐外し環、92 戻しバネ、101 ベース板、102 基部、103 カム溝形成腕、104 フック支持腕、105 ルーパー、105a 針先、105b 紐通し穴、106 寄贈案内腕、107 フック、107a フック部、112 脚部、113 摺動棒、120 第1の軸、121 第2の軸、122 第3の軸、123 第4の軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1中継部、この第1中継部から一方に連設された第1ハンドル部および該第1中継部から他方に連設された略L字状の第1の腕部を有する第1作動体と、第2中継部、この第2中継部から一方に連設された第2ハンドル部および該第2中継部から他方に連設された略L字状の第2の腕部を有する第2作動体とが、該第1および第2の腕部のL字状の先端部を相対させて、該第1および第2中継部を開閉ピン周りに回動自在に連結され、該第1および第2ハンドル部の開閉操作により、該第1および第2の腕部の先端部同士が係合する閉状態と、該先端部同士が離間する開状態とをとるように構成されたケーブル固縛装置において、
紐を引っ掛けるフック部が上記第2の腕部の先端部に切り欠きを外方に開口するように形成して成形され、
紐外し環が上記切り欠きの開口部を全閉する初期位置と該切り欠きの開口部を全開する最終位置との間を往復移動可能に上記第2の腕部の先端部に装着され、
戻しバネが上記紐外し環を上記最終位置から上記初期位置に戻すように上記第2の腕部の先端部に縮設され、
上記第1および第2の腕部の先端部の閉動作時に上記紐外し環に係合して該紐外し環を上記初期位置から上記最終位置に移動させる先端L字状の紐通し金具が、L字状の一辺を内方に位置させ、L字状の他辺を一側に位置させて上記第1の腕部の先端部に取り付けられ、かつ、
紐通し穴が、上記紐外し環が上記最終位置に位置したときに上記切り欠きと相対する位置をとるように、上記紐通し金具のL字状の他辺に穿設されていることを特徴とするケーブル固縛装置。
【請求項2】
上記第1および第2ハンドル部が、上記第1および第2の腕部の先端部の開閉動作面に対して略直交する方向に曲げられていることを特徴とする請求項1記載のケーブル固縛装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【公開番号】特開2006−74992(P2006−74992A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238619(P2005−238619)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【分割の表示】特願2002−268323(P2002−268323)の分割
【原出願日】平成14年9月13日(2002.9.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(596028756)名菱テクニカ株式会社 (4)
【出願人】(594058735)木下精密工業株式会社 (4)