ケーブル旋回機構
【課題】 ケーブルを旋回させるたけで、回動部などの回動する構造内部のケーブルの取り回しを行うことができるケーブル旋回機構を提供することを目的とする。
【解決手段】 回動部12が、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7a(ケーブル7aa)を第2のケーブル保持部を支点に旋回させる、又は、回動部12が、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7a(ケーブル7aa)をケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)に押し当てられる角度まで少なくとも回動することを特徴とするものである。
【解決手段】 回動部12が、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7a(ケーブル7aa)を第2のケーブル保持部を支点に旋回させる、又は、回動部12が、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7a(ケーブル7aa)をケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)に押し当てられる角度まで少なくとも回動することを特徴とするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、反射鏡を有するアンテナ装置及びそのメンテナンス方法に関し、特に、人工衛星からの電波を受けて衛星管制を行うアンテナ装置や、深宇宙からの電波を捉える望遠鏡アンテナ装置、あるいは、衛星軌道上にある複数の人工衛星からの電波をモニタして監視する電波監視アンテナ装置など、遠方からの微弱電波を受信するアンテナ装置のPOL軸駆動部(回動部)などの回動する構造内部のケーブルの取り回しに好適なケーブル旋回機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、開口面アンテナには、主反射鏡と副反射鏡とを用いたもの(例えば、特許文献1参照)や主反射鏡の焦点位置にフロントフィード装置を配置したものがある(例えば、特許文献2参照)。また、これらのアンテナ装置に好適な反射鏡パネルの裏面に形成されたリブなどの支持構造に関しては、特許文献3に記載がある。
【0003】
これらのアンテナ装置の内部に配置され、アンテナ装置などの回転機構を有する構造体に好適なケーブル巻取り装置やケーブル捻回機構(ケーブル旋回機構)に関しては、特許文献4に記載のようなチェーンなどの構造物を用いるものや特許文献5〜7に記載のようなケーブルを巻き上げるものが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−11148号公報
【特許文献2】特開2010−226479号公報
【特許文献3】特開平7−15231号公報
【特許文献4】特開2000−791号公報
【特許文献5】実開平6−5338号公報
【特許文献6】特開2000−124721号公報
【特許文献7】特開2010−239742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のケーブル巻取り装置は、ケーブルベアなどの構造が複雑になってしまい、メンテナンス性や耐環境に難点があるという課題があった。また、従来のケーブル捻回機構(ケーブル旋回機構)は、ケーブルを大きく捻り上げる構成であるため、使用するケーブルには高い耐屈曲性(耐捻回性)が必要とされてしまうという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、回動部の回転運動を旋回運動に変換して、ケーブルを旋回させるたけで、回動部などの回動する構造内部のケーブルの取り回しを行うことができるケーブル旋回機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された前記ケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部と、前記第1のケーブル保持部と前記第2のケーブル保持部との間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第2のケーブル保持部側から前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明に係るケーブル旋回機構は、前記ケーブルが、前記第1のケーブル保持部に固定された一端に連続する部分を有し、その連続する部分は、前記回動部に形成された孔部を介して前記回動部の一方の面から他方の面に垂下されているものである請求項1に記載のものである。
【0009】
請求項3の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルを保持する第2のケーブル保持部と、前記第1のケーブル保持部と前記第2のケーブル保持部との間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第2のケーブル保持部側から前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4の発明に係るケーブル旋回機構は、前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部が、前記回動部と前記固定ベース部とが延在する面に対して平行に、前記ケーブルを保持するものである請求項1〜3のいずれかに記載のものである。
【0011】
請求項5の発明に係るケーブル旋回機構は、前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部が、前記回動部と前記固定ベース部とが延在する面に直交する同一面において平行に配列された複数本の前記ケーブルを保持するものである請求項1〜4のいずれかに記載のものである。
【0012】
請求項6の発明に係るケーブル旋回機構は、前記ケーブルガイド部が、前記固定ベース部に固定された請求項1〜5のいずれかに記載のものである。
【0013】
請求項7の発明に係るケーブル旋回機構は、前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部が、前記ケーブルが前記回動部の回転軸を横切る位置に、前記ケーブルを保持するものである請求項1〜6のいずれかに記載のものである。
【0014】
請求項8の発明に係るケーブル旋回機構は、前記固定ベース部が、板状の面に接続された支持柱又は側壁を有し、その支持柱又は側壁が前記回動部を回動可能に支持する請求項1〜7のいずれかに記載のものである。
【0015】
請求項9の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された前記ケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回し、前記ケーブルを前記第2のケーブル保持部を支点に旋回させることを特徴とするものである。
【0016】
請求項10の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルを保持する第2のケーブル保持部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回し、前記ケーブルを前記第2のケーブル保持部を支点に旋回させることを特徴とするものである。
【0017】
請求項11の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された他端側の前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするもものである。
【0018】
請求項12の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルの間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【0019】
請求項13の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された他端側の前記ケーブルを間に配置して対向する二つの柱状部材であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルが柱状部材である前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【0020】
請求項14の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルの間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの柱状部材であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルが柱状部材である前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、この発明によれば、ケーブルが単純な首振り運動を行うだけであるので、ケーブルへの負荷が少ないケーブル旋回機構を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構成図(仰角0°(180°),アンテナ部のみ中心断面図)である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構成図(仰角90°,アンテナ部のみ中心断面図)である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置のPOL駆動部及びPOL軸パネルの断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の斜視図(一次放射器周辺)である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の斜視図(一次放射器周辺)である。
【図7】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の一次放射器の斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネルとこのパネルを下部で支えるリブ部の平面図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図10】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の斜視図(POL角0°)である。
【図11】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の斜視図(POL角−90°)である。
【図12】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の動作説明図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の断面図(POL角0°)である。
【図14】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構のケーブル保持部の詳細図である。
【図15】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図16】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図17】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図18】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図19】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図20】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図21】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図22】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図23】この発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図24】この発明の実施の形態2に係るケーブル旋回機構のケーブル保持部の詳細図である。
【図25】この発明の実施の形態2(変形例)に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図26】この発明の実施の形態2(変形例)に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図27】この発明の実施の形態2(変形例)に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図28】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の一部は側面を示す断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図29】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置のPOL駆動部の断面図である。
【図30】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の駆動部(X軸駆動部,Y軸駆動部,POL駆動部)の外観図である。
【図31】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置のPOL駆動部の下方から見た図である。
【図32】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の駆動部(X軸駆動部,Y軸駆動部,POL駆動部)を上方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜8を用いて説明(実施の形態1に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法に関する説明)する。図4は図3に記載の一点鎖線CCによるアンテナ装置の一次放射器(POL駆動部)の断面図、図5はアンテナ装置の一次放射器周辺の斜視図(POL軸アクセス開口部及び主反射鏡アクセス開口部がPOL軸パネル及び主反射鏡アクセスパネルによって封鎖されている状態)、図6(a)はアンテナ装置の一次放射器周辺の斜視図(主反射鏡アクセスパネルによる主反射鏡アクセス開口部の封鎖が解除され、POL軸アクセス開口部がPOL軸パネルによって封鎖されている状態)、図6(b)はアンテナ装置の一次放射器周辺の斜視図(主反射鏡アクセスパネルによる主反射鏡アクセス開口部の封鎖が解除され、POL軸パネルによるPOL軸アクセス開口部の封鎖が解除されている状態)、図7(a)はアンテナ装置の一次放射器の斜視図(POL軸アクセス開口部がPOL軸パネルによって封鎖されている状態)、図7(b)はアンテナ装置の一次放射器周辺の斜視図(POL軸パネルによるPOL軸アクセス開口部の封鎖が解除されている状態)である。図8(a)はアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネルの平面図、図8(b)はアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネルを下部で支えるリブ部の平面図、図8(c)はアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネル(主反射鏡アクセス開口部及び主反射鏡アクセスパネル付き)の平面図、図8(d)はアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネルを下部で支えるリブ部(主反射鏡アクセスパネル支持部分付き)の平面図である。
【0024】
図1〜8において、1は鏡面加工された複数のパネル1pによって構成されたアンテナ装置の主反射鏡(図中の格子模様が複数のパネル1pの組み合わせを示している)、放物面を有する主反射鏡1を構成する複数のパネル1pは、鏡面(表面,主反射鏡1を構成する面)と反対の面(裏面)をリブ部1rによる骨組みにより鏡面精度を保つ補強がされている。リブ部1rの骨組み形状は、後述する図8に記載のようなものでもよいし、一般的な形状でもよい。2は主反射鏡1の焦点に配置された双曲面を有し、鏡面加工された副反射鏡、副反射鏡2は副反射鏡支持ステー2aにより支持されている。3は副反射鏡2に開口が対向して配置された一次放射器であるホーン、ホーン3は複数の周波数(周波数帯)に対応したものである。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0025】
図1〜8において、4はホーン3をPOL(偏波角)軸方向に±90°の範囲で回動させるPOL駆動部、POL駆動部4は、POL軸を軸とし、ホーン3をPOL軸周りに回動させるPOL軸歯車4a(大歯車4a),大歯車4aと噛み合わさり、POL軸歯車4aよりも小径の小歯車4b,小歯車4bを回動させるモータ4c,モータ4c,モータ4cの回転力を小歯車4bへ伝達するギアボックス4d,大歯車4aと噛み合わさり、POL軸の角度を検出するPOL角度検出器4eから構成される。POL軸歯車4aに噛合する小歯車4bとPOL回転を出力する出力軸とを有するハンドル軸ユニット4fをギアボックス4d上に形成してもよい。5はPOL駆動部4とホーン3とを保護するPOL軸カバー部、6はPOL軸カバー部5に形成され、POL軸パネル6c(POL軸アクセスパネル6c)による封鎖の解除によって、POL駆動部4を露出させるPOL軸アクセス開口部である。POL軸カバー部4の表面に作業者がホーン3へ上ることができる階段(手摺り)6aを設けてもよい。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0026】
図1〜8において、7はPOL駆動部4のPOL軸周りの回動を支持する回動ベース部、回動ベース部7は、内部に、導波管3wを介してホーン3へ給電する同軸線路,POL駆動部4を制御するための制御線などをまとめたケーブル7aとPOL駆動部4の回動によるケーブル7aの絡まりを防ぐケーブル旋回機構7bとを有する。ケーブル7aは、複数本であってもよいし一本であってもよい。ケーブル旋回機構7bは、実施の形態1に係るアンテナ装置の説明の後に、実施の形態1に係るアンテナ装置のケーブル旋回機構(実施の形態1に係るケーブル旋回機構)として説明する。回動ベース部7をケーブル巻取り装置7と称してもよい。8は回動ベース部7を固定するアンテナ支柱部、アンテナ支柱部8は、EL(仰角)旋回部8el及びAZ(方位角)旋回部8azを有し、EL旋回部8el及びAZ旋回部8azによって、主反射鏡1はEL軸及びAZ軸方向に回動可能なものとなっている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0027】
図1〜8において、9はアンテナ支柱部8に一端が支持され、他端が主反射鏡1を直接又はリブ部1rを介して支持する複数のステー9a(主反射鏡支持ステー9a)からなる主反射鏡支持部である。なお、リブ部1rを主反射鏡1の一部と解してもよい。主反射鏡支持部9は副反射鏡支持ステー2aも支持しているおり、副反射鏡支持ステー2aはPOL軸アクセス開口部6(POL軸パネル6c)よりも主反射鏡1の円周寄りに形成された開口を通して、主反射鏡の表面と裏面とを貫いたような形になっている。10は主反射鏡支持部と前記主反射鏡との連結部分を避けて形成され、主反射鏡アクセスパネル10c(主反射鏡パネル10c)による封鎖の解除によって、主反射鏡1を開口させる主反射鏡アクセス開口部、11はAZ旋回部8azを支持するものであって、アンテナ装置を設置面に固定するマウント部である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0028】
本願においては、アンテナ装置を構成する「主反射鏡1,副反射鏡2,副反射鏡支持ステー2a,ホーン3,POL駆動部4,POL軸カバー部5,回動ベース部7」をアンテナ部と呼ぶ。図1及び2においては、このアンテナ部が断面図となっている。なお、主反射鏡パネル10cの詳細を説明する。主反射鏡アクセスパネル10cは、主反射鏡1の一つのパネル1pに形成されるものであって、その一つのパネル1pに鏡面加工を施した後に、鏡面加工後の一つのパネル1pから切り出させるものである。主反射鏡アクセスパネル10cが形成されたパネル1pをパネル1qと称する場合がある。リブ部1rのうち、主反射鏡アクセスパネル10cの周囲を支持する部分をリブ部1sとする。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0029】
実施の形態1に係るアンテナ装置は、人工衛星からの電波を受けて衛星管制を行うアンテナ装置や、深宇宙からの電波を捉える望遠鏡アンテナ装置、或いは、衛星軌道上にある複数の人工衛星からの電波をモニタして監視する電波監視アンテナ装置など、遠方からの電波又は微弱電波を受信するアンテナ装置への適用が好適であるが、これらのアンテナ装置では大型化が進んでおり、マウント部11下面から一次放射器までの高さは10m以上にも及ぶ場合がある。実施の形態1に係るアンテナ装置は、このような状況下でも、メンテナンス作業性が極めて良好なもので、容易に、作業者が主反射鏡1上でPOL駆動部4の保守メンテナンス作業ができるものである。
【0030】
次に、アンテナ装置の動作を説明する。図1及び2において、主反射鏡1の背面には固定ベース部7に接続されたEL旋回部8elが設けられ、EL(迎角)回転軸周りに回動可能にAZ旋回部8az上に支持されている。さらにAZ旋回部8azはマウント部11上にAZ(方位角)回転軸周りに回動可能に支持されている。なお、EL回転軸及びAZ回転軸は、図1及び2において、点又は一点鎖線で示しているものである。また、EL旋回部8el及びAZ旋回部8azは、図示しないEL駆動部及びAZ駆動部により回転駆動される。図1は主反射鏡1の仰角を0°にしたときのアンテナ装置の状態を表わしており、図2は主反射鏡1の仰角を80°にしたときのアンテナ装置の状態を表している。
【0031】
実施の形態1に係るアンテナ装置のPOL軸カバー部5及びPOL軸パネル6cは、主として野外に設置されるアンテナ装置において、一次放射器を外部環境(日射、風雨など)から保護し、POL駆動部4の駆動機構での錆の発生や塵の付着などを防ぐ。一次放射器の先端におけるホーン3は、副反射鏡2方向には開口している。一次放射器の基端は、固定ベース部7(ケーブル巻取り装置7)に固定されている。
【0032】
図3は一次放射器の断面図である。図4は、図3の一点鎖線CCから矢印方向を見た断面図である。図3及び4において、POL軸歯車4aは、POL可動ベース部材(図示は省略する)に固定され、副反射鏡方向2の軸(図3に示す一点鎖線による軸)を中心に回動可能に支持されている。固定ベース部7は、ケーブル巻取り機構を取り付ける円筒部材であり、POL可動ベース部材に連結している。
【0033】
ホーン3により受信された信号は、導波管3wを介して同軸線路(ケーブル7aにまとめされたもの)に出力される、同軸線路を含むケーブル7aは、先に述べたケーブル巻取り装置の機構内に這わせている。また、POL軸パネル6cは、図1の仰角0°状態で、図3に示すように、一次放射器の、ほぼ鉛直方向下面に位置するので、作業者が主反射鏡1上でPOL軸パネル6cを取り外す作業は難しいが、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1を設定すればよい。もちろん、仰角90°状態が作業者にとって安定した姿勢でメンテナンス作業に従事できることはいうまでもない。
【0034】
図4におけるPOL駆動部4について説明する。POL軸歯車4aはPOL駆動に必要なPOL軸中心の円周部分に設けられている(当然に全円周分に設けてもよい)。モータ4cは固定ベース部7に固定されており、このモータ4cの回転軸の先端には小歯車4b(ピニオン)が取り付けられている。この小歯車4bとPOL軸歯車4aとが噛合し、モータ4cを駆動することにより、POL軸歯車4aをPOL軸周りに回転させる。POL軸歯車4aの出力軸の方向をPOL軸アクセス開口部6方向とし、軸端がPOL軸アクセス開口部6の開口向きに突出するように構成する(図5、図6(a)(b))。
【0035】
同じく、モータ4cについても、POL軸アクセス開口部6方向に向けて配置する。この配置により図4に示すようにPOL軸パネル6cをモータ4cの付近に位置させる。このような配置により、POL軸パネル6cを取り外すと、モータ4cがPOL軸アクセス開口部6を介して露出させることができる(モータ4cがPOL軸アクセス開口部6を介して手前に見ることができる)。モータ4cが故障した場合の交換や、POL軸歯車4aの外観検査(腐蝕、割れ、磨耗などの検査)や、潤滑剤の補充などのメンテナンス作業を行うことができる。
【0036】
ここで、実施の形態1に係るアンテナ装置(一次放射器)のメンテナンス方法について説明する。まず、アンテナ装置を前述のとおり、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1を設定する。これは、後述する第1開口ステップの前に、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1が位置していないときに行う仰角設定ステップであり、AZ旋回部8azを回動させて主反射鏡1を所定の仰角に設定するものである。よって、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1が位置している場合は必ずしも行う必要はない。
【0037】
次に、図6(a)に示す主反射鏡アクセス開口部10を開口する第1開口ステップを行う。具体的には、高所作業台車又ははしご車(図示は省略する)を主反射鏡1に形成された主反射鏡アクセス開口部10及び主反射鏡アクセスパネル10cの下(主反射鏡1の裏面側)に配置し、作業台の高さを設定する。その後、作業者が主反射鏡アクセスパネル10cによる封鎖の解除することによって、主反射鏡1(主反射鏡アクセス開口部10)を開口させる。この開口された主反射鏡アクセス開口部10を介して、作業者は主反射鏡1の鏡面に上がる。作業者が鏡面に上がった後に、主反射鏡アクセス開口部10を閉口するステップを行ってもよい(蓋ステップ)。
【0038】
そして、図6(b)に示すPOL軸アクセス開口部6を開口する第2開口ステップを行う。具体的には、POL軸パネル6cを取り外すことにより、一次放射器に作業用の開口窓(POL軸アクセス開口部6)ができる。換言すると、POL軸カバー部4に形成され、POL軸パネル6cによる封鎖の解除によって、POL駆動部4を露出させる(POL軸アクセス開口部6を開口する)。
【0039】
ここで、第1開口ステップにて開口される主反射鏡アクセス開口部10と主反射鏡アクセスパネル10cとの詳細説明を行う。図6に示すように、主反射鏡アクセスパネル10cの一部が主反射鏡アクセス開口部10に固定され、主反射鏡アクセス開口部10の扉として機能し、主反射鏡1の側に開くものとすることで、主反射鏡アクセスパネル10cが主反射鏡アクセス開口部10の扉のようになり、第1開口ステップや主反射鏡アクセス開口部10を閉口するステップが容易になるだけでなく、前述の扉が、主反射鏡1の側に開くので、主反射鏡アクセスパネル10cが主反射鏡1の裏面のリブ部1rやステー9aと干渉することを考慮せずに設計することができる。
【0040】
さらに、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が、開いたときに、主反射鏡1を構成する面と反対の面をPOL軸カバー部5へ向けるような位置関係に主反射鏡アクセス開口部10と主反射鏡アクセスパネル10cとを主反射鏡1に形成することで、作業者が第1開口ステップのあと、POL軸カバー部5の方向へ進み易くなる。加えて、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が、開いたときに、主反射鏡1を構成する面と反対の面をPOL軸パネル6c(POL軸アクセス開口部6)に正対させて配置することで、さらに、作業者が第1開口ステップのあと、POL軸カバー部5の方向へ進み易くなるだけなく、主反射鏡アクセス開口部10とPOL軸カバー部5(POL軸パネル6c)との距離を近づけることができる。
【0041】
また、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が開いたときの配置は、前述のような場合以外でもよい。つまり、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が、開いたときに、主反射鏡1を構成する面をPOL軸カバー部5へ向けないような位置関係に主反射鏡アクセス開口部10と主反射鏡アクセスパネル10cとを主反射鏡1に形成するとよい。具体的に説明すると、図6(a)(b)に記載の主反射鏡アクセス開口部10(矩形の開口)で、POL軸カバー部5に最も近い矩形の開口の辺以外に、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)用の蝶番を形成して、扉を開閉可能に固定すればよい。
【0042】
もちろん、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が、開いたときに、主反射鏡1を構成する面をPOL軸カバー部5へ向けるような位置関係に主反射鏡アクセス開口部10と主反射鏡アクセスパネル10cとを主反射鏡1に形成して、主反射鏡アクセスパネル10cによって、作業者が、後述のメンテナンス作業時に使用する物品(ネジ,POL軸パネル6c,潤滑油(グリス),潤滑油補充備品,外観検査用備品)が、主反射鏡アクセス開口部10から落下しにくいように、主反射鏡アクセスパネル10cを盾のように利用してもよい。主射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)を閉じることで同じ効果を得てもよい(蓋ステップ)。
【0043】
また、主射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)の設置位置・方向がいずれの位置(辺)であっても、主反射鏡アクセス開口部10の開口の面積よりも、POL軸パネル6cの面積を大きくすることで、POL軸カバー5からPOL軸パネル6cを外した後に、主射鏡アクセス開口部10にPOL軸パネル6cで蓋をすれば、作業者が、後述のメンテナンス作業時に使用する物品(ネジ,POL軸パネル6c,潤滑油(グリス),潤滑油補充備品,外観検査用備品)が、主反射鏡アクセス開口部10から落下しない(蓋ステップ)。これは、主射鏡アクセス開口部10の扉を主反射鏡1側から開けることができないようにしても、確実に、主反射鏡アクセス開口部10に蓋ができることを意味するので、主反射鏡1側の面において主射鏡アクセス開口部10や主反射鏡アクセスパネル10cに余計な構造物を形成しなくてもよいことになる。
【0044】
ここで、図7を用いて、POL軸カバー部5におけるPOL軸アクセス開口部6及びPOL軸パネル6cに関して説明を行う。実施の形態1に係るアンテナ装置では、そのメンテナンス作業(POL駆動部4のメンテナンス作業)は、作業者が主反射鏡1上で作業するので、POL軸パネル6cは、図7(a)に示すように、ネジなどの簡易な締結手段でPOL軸アクセス開口部6の周囲に締結されるものでもよい。図7(b)は、ネジによる締結を解除して、POL軸アクセス開口部6からPOL軸パネル6cを取り外した状態を示している。前述のとおり、作業者は主反射鏡1上で作業するので、POL軸パネル6cを取り外したPOL軸パネル6cを主反射鏡1上に置き(前述のように、主射鏡アクセス開口部10にPOL軸パネル6cで蓋をしてもよい。:蓋ステップ)、次に説明する潤滑油補充ステップを行えばよい。なお、蓋ステップは、主射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)を閉じるステップとしてもよい。
【0045】
第2開口ステップの後(蓋ステップを挟んでもよい)に、POL駆動部4を構成する歯車(大歯車4a,小歯車4b)に潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧する潤滑油補充ステップを行う。具体的には、POL軸パネル6cを取り外してできる開口窓(POL軸アクセス開口部6)から、POL駆動部4を構成する歯車(大歯車4a,小歯車4b)に潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧する。また、モータ4cが故障している場合にはモータ4cの交換を行う。POL軸歯車4aの外観検査(腐蝕、割れ、磨耗などの検査)を行ってもよい。
【0046】
また、図4に示すように、POL軸歯車4aに噛合する小歯車4bとPOL回転(POL軸周りの回転)を出力する出力軸とを有するハンドル軸ユニットを形成して、作業者がハンドル軸ユニット4fを操作して、大歯車4a,小歯車4bに潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧してもよい。ハンドル軸ユニット4fは、傘歯車を2つ組み合せるなどして、POL駆動(POL回転の軸)と直交する軸周りの出力軸に変換する軸変換を含むものである。ハンドル軸ユニット4fは、POL軸アクセス開口部6方向に向けて配置する(図6(b),図7(b))。この配置により図6(b)に示すようにPOL軸パネル6cをハンドル軸ユニット4fの付近に位置させる。このような配置により、POL軸パネル6cを取り外すと、ハンドル軸ユニット4fがPOL軸アクセス開口部6を介して露出させることができる(ハンドル軸ユニット4fがPOL軸アクセス開口部6を介して手前に見ることができる)。
【0047】
クランクハンドルなどの工具を用いてハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転させることができる。特に、POL軸歯車4aは、ハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転させて、全周に亘ってメンテナンスを行うことができる。これは、POL角度(POL角)の変更は、前述のように、クランクハンドルなどの工具を用いてハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転させて行うことが考えられる。具体的には、ハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転してPOL回転させて、POL軸歯車4aに潤滑剤を塗付または噴霧する。クランクハンドルなどの工具を用いてハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転して変更させたPOL角度は、POL角度検出器4eで検出することで、メンテナンス後のアンテナ装置の運用を妨げることはない。
【0048】
図8を用いて、主反射鏡1を構成するパネル1p及びパネル1sと、これらをそれぞれ支えるリブ部1r(図8(b))及びリブ部1s付きのリブ部1r(図8(d))を説明する。リブ部1r及びリブ部1sは、パネル1p及びパネル1sの鏡面加工された面と反対の面(裏面)に配置され、パネル1p及びパネル1sを支え、変形を避けるものである。骨組みである。リブ部1rの構造は、特許文献1に記載のようなリブ構造でもよい。主反射鏡1が載置された面と反対側のリブ部1r(リブ部1s)の面側にステー9aが接続されている。これにより、主反射鏡1はステー9aに支持されているといえる。図8(a)はパネル1pの平面図であり、図8(b)はそれを支えるリブ部1rの平面図である。
【0049】
一方、図8(c)に示すように、主反射鏡アクセス開口部10及び主反射鏡アクセスパネル10cが形成されたパネル1qでは、作業者がリブ部1r側から主反射鏡1側へ向かう必要があるので、リブ部1rの骨組みが干渉しないようにするために、図8(d)に示すように、主反射鏡アクセスパネル10cの下部では周囲にリブ部1sを形成する必要がある。つまり、作業者は、主反射鏡アクセス開口部10とリブ部1sの開口とを経て主反射鏡1上に上がることになる。なお、主反射鏡アクセス開口部10は、ステー9aで構成される主反射鏡支持部9と(リブ部1r,(リブ部1s)を介した)主反射鏡1との連結部分を避けて形成されている。
【0050】
また、リブ部1sの外形を主反射鏡アクセスパネル10cの外形をよりも小さい枠体となっており、主反射鏡アクセスパネル10cの鏡面精度を保持するだけでなく、主反射鏡アクセスパネル10c自体が、第1開口ステップ以外の場合に、主反射鏡1から外れないようになっている。さらに、リブ部1r及びリブ部1s以外に、主反射鏡アクセスパネル10cの裏面(鏡面加工された面と反対側の面)にリブ部1r及びリブ部1sと独立したアクセスパネル用リブ部を形成してもよい。このアクセスパネル用リブ部の骨組みは、リブ部1rのような形状や一般的な形状でよい。リブ部1r及びリブ部1sをアクセスパネル用リブ部のストレスメンバーに加えるために、リブ部1sによる枠体が構成されている平面内で、リブ部1sによる枠体の内部へ、リブ部1sから突起を形成して、その突起とアクセスパネル用リブ部と接続すればよい。突起とアクセスパネル用リブ部との接続は、リベットなどの継ぎ手とボルトなどの締結手段と用いればよい。突起を介したアクセスパネル用リブ部とリブ部1sとの接続を行う場合、第1開口ステップには、リブ部1sに形成された突起とアクセスパネル用リブ部との接続を解除する工程(ステップ)が加わることになる。
【0051】
なお、主反射鏡アクセスパネル10c(パネル1q)は、一つのパネル1pに鏡面加工を施した後に、鏡面加工後の一つのパネル1pから切り出させるものと説明したが、切り出されたパネル1qを主反射鏡アクセス開口部10に設置した後に、パネル1qの鏡面精度を確認する必要がある。同じく、主反射鏡アクセス開口部10を構成するパネル1Pの
鏡面精度も確認する必要がある。それぞれの鏡面精度が所定の範囲(所望の範囲)から外れている場合は、再度、鏡面加工を施して必要な精度を得る。
【0052】
このように説明したとおり、実施の形態1に係るアンテナ装置は、各衛星に応じた偏波角に切り替える偏波切替と、アンテナ指向軸周りに回転させ、アンテナビームをコニカルに振り、各位置の受信強度により衛星方向を検出するコニカルスキャンを行う。偏波切替はPOL駆動部4を駆動して設定する。コニカルスキャンは、AZ/EL駆動部(EL駆動部及びAZ駆動部)によりアンテナ指向方向を所定の方向に駆動し、このAZ/EL駆動部により、アンテナ指向方向を特定の指向方向エリア内で大きく移動させるものである。このようなコニカルスキャンによって、通信衛星の捕捉又は追尾、あるいは所定エリアを探索して複数の衛星からの電波放射状態の監視を行うことができる。
【0053】
引き続き、実施の形態1に係るアンテナ装置のケーブル旋回機構(実施の形態1に係るケーブル旋回機構、つまり、実施の形態1に係るアンテナ装置のPOL角の変更に伴い、ケーブル7aを旋回させる回動ベース部7内のケーブル旋回機構7b)について、図9〜16を用いて説明を行う。図13は図12に示す一点鎖線AAによる断面図、図14は図13に示す一点鎖線BB及び一点鎖線CCから矢印方向に見た断面図である。実施の形態1に係るケーブル旋回機構は、実施の形態1に係るケーブル屈曲機構やケーブル巻き取り機構ともいえる。
【0054】
図15(a)(b)(c)は図12を角度ごとに分けて図示した模式図である。図15(a)はPOL角が0°ときの模式図、図15(b)はPOL角が−90°ときの模式図、図15(c)はPOL角が−90°ときの模式図である。図16(a)(b)(c)は、図15(図12)のときよりも大きな範囲でケーブル7aを旋回させた場合を示す模式図である。図16(a)はPOL角が0°ときの模式図、図16(b)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図、図15(c)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図である。
【0055】
図9〜16において、12は回動可能な円板状(中心は回転軸であり、POL軸である)の回動部であり、回動部7は、回動ベース部7の内部に形成され、ホーン3を回動させるものである。13は回動部12に対向して配置され、回動部12の回動を支持する板状の固定ベース部、14は固定ベース部13と対向する側の回動部12上であって、回動部12の回転軸(具体的には、POL軸であるが、以下では単に回転軸という場合がある)に相当する領域以外の部分に固定され、ケーブル7aの一端を保持する第1のケーブル保持部、15は回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持されたケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部である。また、固定ベース部13は、下部にケーブル7aを下ろす孔部(開口部)が形成されている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0056】
図9〜16において、16は第1のケーブル保持部14と第2のケーブル保持部15との間に形成され、ケーブル7aを間に配置して対向する二つの板状部材、二つの板状部材16は、第2のケーブル保持部15側から第1のケーブル保持部14側へ向かうにつれ、テーパ状に広がる形状であるケーブルガイド板部16を構成する。ケーブルガイド板部16は、固定ベース部13に固定されている。第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15によって、ケーブル7aが隠れている部分は点線で示している。ケーブル7aが二点鎖線で示されている部分は、ケーブル7aが旋回している動作を示している。なお、ケーブル7aは、第1のケーブル保持部14に固定された一端に連続する部分を有し、その連続する部分は、回動部12に形成された孔部を介して回動部12の一方の面から他方の面に垂下されているものであり、第2のケーブル保持部15に固定された他端に連続する部分を有しており、実施の形態1に係るアンテナ装置の外部と接続されている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0057】
図9はケーブル旋回機構の詳細図であり、全体図としては図3と同じである。図9から明らかなように、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15は、回動部12と固定ベース部12とが延在する面に対して平行に、ケーブル7を保持することにより、同じ耐屈曲性(耐捻回性)のケーブル7aを使用する場合では、回転軸方向のケーブル旋回機構の厚みを薄くすることができる。また、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15は、回動部12と固定ベース部13とが延在する面に直交する同一面において平行(つまり、回転軸と平行)に配列された複数本(図中では、六本の場合を例示している)のケーブル7aを保持することで、回転軸に対して旋回するケーブル7aが複数本の場合でもねじれることなく旋回させることができる。
【0058】
さらに、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15は、旋回前の基準角度を0°(つまり、POL角0°)としてとき、ケーブル7aが回動部12の回転軸を横切る位置に、ケーブルを保持することで、プラスかマイナスのどちらの方向の角度に旋回したときの角度の絶対値が等しい場合は、基準角度に対して対称にケーブル7aが旋回するので、ケーブル7aに不規則な負荷が、かかりにくい。
【0059】
また、ケーブルガイド板部16(板状部材16)は、回動部12によって旋回していない状態(つまり、POL角0°)のときのケーブル7aを中心軸として線対称、又は、ほぼ線対称になっているので、ケーブル7がプラスかマイナスのどちらの方向の角度に旋回して、ケーブル7aがケーブルガイド板部16(板状部材16)に押し当てられても、ケーブル7aに不規則な負荷が、かかりにくい。ケーブルガイド板部16にケーブル7aが押し当てられて、ケーブル7aが接触するケーブルガイド板部16の部分は、ケーブル7aを保持することにあるので、ケーブルガイド板部16が第2のケーブル保持部15の一部、又は、ケーブルガイド板部16自体が第2のケーブル保持部15であるとも解釈できる。
【0060】
図10及び図11は、ケーブル旋回機構の斜視図(POL角0°及びPOL角−90°)ある。図10及び図11から、回動部12が、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aがテーパ状のケーブルガイド板部16(二つの板状部材16のうち、片方の板状部材16)の全面に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことが分かる。「全面に押し当てられる」とは、ケーブル7aが屈曲してケーブルガイド板部16と接触した場合に、ケーブル7aが接触することが物理的に可能な領域に全てに押し当てられている状態を意味する。
【0061】
本実施の形態1においては、ケーブル旋回機構は、アンテナ装置のPOL軸の回転に適用されたものを説明しているので、回転角度が−90°から+90°までの180°のものを用いて説明しているが、ケーブルガイド板部16がテーパ状に反っている部分を、より回転軸から遠ざけることや、ケーブルガイド板部16がテーパ状に反っている部分を反対側へ、さらに反られることにより、回転角度を180°以上にすることも可能である(後述)。
【0062】
図10及び図11から、回動部12が、回動部12の一方の面から他方の面に垂下されたケーブル7aを通す孔部(中心は回転軸)を有しており、第1のケーブル保持部14が、回動部12の孔部から垂下されたケーブル7aを回動部12と固定ベース部13とにより形成された空間の内側に導き、保持し、第2のケーブル保持部15が回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に導かれたケーブル7aを保持することがわかる。
【0063】
また、第2のケーブル保持部15は、ケーブル7aを挟み込んで保持する(クランプする)ものであるので、クランプ15ともいえる。ケーブルガイド板部16の第2のケーブル保持部15(クランプ15)の近傍において、二つの板状部材16によって、ケーブル7aを挟み込んで保持する場合は、ケーブルガイド板部16の端部にも、第2のケーブル保持部15の機能があると解釈してもよい。これは前述の「ケーブルガイド板部16が第2のケーブル保持部15の一部、又は、ケーブルガイド板部16自体が第2のケーブル保持部15であるとも解釈できる」とは異なった解釈であり、クランプする機能がケーブルガイド板部16にある場合を意味している。なお、第1のケーブル保持部14は、ケーブル7aを挟み込んで保持(クランプ)するクランプ14aと回動部12の一方の面から他方の面に垂下されたケーブル7aをL字状に方向転換させる機能を有する部分とで構成されている。クランプ14a及びクランプ15は同じ構成とすることができる。ケーブル7a自身がL字状に曲がった姿勢を維持できる強度があれば、第1のケーブル保持部14は、ケーブル7aをL字状に方向転換させる機能を必要としない。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0064】
実施の形態1に係るケーブル旋回機構(回動ベース部7)において、クランプ14aとクランプ15とは、ケーブル7aを固定ベース部13の面に対して平行に保持しているが、ケーブル7aを固定ベース部13の面に対して角度を有して保持するようにしてもよい。但し、図9に示す断面(側方)から見た場合、ケーブルガイド板部16からケーブル7aがはみ出さないように、二つの板状部材16の高さや形状を決めると、ケーブル7aがケーブルガイド板部16に押し当てられても、ケーブル7aに不規則な負荷が、かかりにくい。他方、ケーブル7aを固定ベース部13の面に対して角度を有していると、必然的に、板状部材16の背が高くなる。
【0065】
実施の形態1に係るケーブル旋回機構(回動ベース部7)は、このような構造となっているので、回転軸方向の厚みや回転軸方向に直交する方向の厚みを薄くすることが容易であり、主反射鏡アクセスパネル10cをPOL軸カバー部5に、より近づけた位置に配置しても作業者のアクセスの妨げになりにくいという効果を奏する。特に、ケーブル7aを固定ベース部13の面に対して平行に保持するようにすることで、回動ベース部7やケーブルガイド板部16の低背化を図ることができる。なお、回動部12の回転運動を旋回運動に変換する第1のケーブル保持部14の旋回範囲は、ケーブルガイド板部16の形状や配置に左右されるが、若干の許容範囲の広さはある。詳細は後述する。
【0066】
図12を用いて、実施の形態1に係るケーブル旋回機構を説明する。回転軸に対して直交する面を平面視したときに、回転角度が0°(一点鎖線AA上の位置)の場合、ケーブル7aは直線状に配置される。そして、ホーン3のPOL角が−90°になるときは、回動部12が−90°回動し、第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aが図12の上側(一点鎖線AAを基準に上側)ように屈曲して、ケーブルガイド板部16と接する。同様に、ホーン3のPOL角が+90°になるときは、回動部12が+90°回動し、第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aが図12の下側(一点鎖線AAを基準に下側)ように屈曲して、ケーブルガイド板部16と接する。このように、回動部12は、ケーブル7aがケーブルガイド板部16に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能であるが、ケーブル7aがケーブルガイド板部16に押し当てられた後もケーブル7aの耐屈曲性(耐捻回性)が許す範囲で、さらに、回動部12を回動させることができる(後述の図16参照)。
【0067】
このように、実施の形態1に係るケーブル旋回機構は、回動部12の回転運動が第1のケーブル保持部14の旋回運動に変換されるので、ケーブル7aは、クランプ15(又はケーブルガイド板部16がケーブル7aを挟み込んでいる位置)を支点に、単純な首振り運動(扇運動)を行うだけであるので、ケーブル7aへの負荷が少ない。また、クランプ15に固定(保持)されたケーブル7aにおける第1のケーブル保持部14と反対側の部分は、回動部12の回動(ケーブル7aの首振り運動)とは関係がないので、複数であったケーブル7aを図示しているように一本にまとめてもよい。
【0068】
図13は、ケーブル旋回機構の断面図(POL角0°)であるが、この図13から、固定ベース部13が、板状の面に接続された支持柱(側壁でもよい)を有し、その支持柱(側壁でもよい)が、回動部12を回動可能に支持していることが分かる。具体的には、支持柱(側壁)は、孔部を有する円板状の部材(中心は回転軸)が回動部12とヘアリングなどの回動部12が回動となるような部材で支持されている。
【0069】
図14は、クランプ14a及びクランプ15(第2のケーブル保持部15)の詳細を示す図である。クランプ14a及びクランプ15は、縦に並んだ六本のケーブル7aを保持するための凹部が六つ形成された二組の対称形状の部材から構成されていており、二組の対称形状の部材を正対させて固定することで、六本のケーブル7aを保持している。二組の対称形状の部材を正対させて固定することでできる六つの穴に直接、それぞれケーブル7aを配置してもよいし、ケーブル7aと穴の間にシート状などの緩衝材を挟み込んでもよい。緩衝材を用いることで、耐屈曲性(耐捻回性)が低いもの(少なくとも、第1のケーブル保持部による旋回には耐えうるものである必要はある)でも、実施の形態1に係るケーブル旋回機構に使用することが可能となる。
【0070】
換言すると、実施の形態1に係るケーブル旋回機構は、回動部12の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、ケーブル7aの一端を保持する第1のケーブル保持部14と、回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持されたケーブル7aの他端を保持する第2のケーブル保持部15とを有しており、回動部12は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7aを第2のケーブル保持部を支点に旋回させるものであるといえる。これは、ケーブル7aの強度がある程度硬いものや撓るもの(可撓性を有するもの)であれば、ケーブルガイド板部16を有していなくても、第2のケーブル保持部15若しくは第2のケーブル保持部15に相当する構成によって、実施の形態1に係るケーブル旋回機構は構成することができることを意味している。詳細は、後述の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構にて説明する。
【0071】
ケーブルガイド板部16がある場合は、図15及び図16では、ケーブルガイド板部16により、回動部12の回動範囲は制限されるが、図15(図12)に記載のように、第2のケーブル保持部15側から第1のケーブル保持部14側へ向かうにつれ、テーパ状に二つの板状部材が広がる形状のケーブルガイド板部16において、広がった側の端部にケーブル7aが沿う程度の範囲であってもよい。また、図16に記載のように、第2のケーブル保持部15側から第1のケーブル保持部14側へ向かうにつれ、テーパ状に二つの板状部材が広がる形状のケーブルガイド板部16において、広がった側の端部でケーブル7aが屈曲する程度に回動部12を回動させてもよい。これは、ケーブル7aの強度がある程度硬いものや撓るもの(可撓性を有するもの)であれば、第2のケーブル保持部15を有していなくても、ケーブルガイド板部16若しくはケーブルガイド板部16に相当する構成によって、実施の形態1に係るケーブル旋回機構は構成することができることを意味している。詳細は、後述の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構にて説明する。詳細は、後述の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構にて説明する。
【0072】
実施の形態1(変形例).
図17〜22を用いて、実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構を説明する。実施の形態1に係るケーブル旋回機構との相違点を主に説明し、類似の部分の詳細説明は省略する。また、構成に関しては相互に置換可能である。なお、実施の形態1に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法とは、構成が共通である。図17〜22は、回動部12の角度ごとに分けてケーブル旋回機構を図示した模式図である。図17(a)はPOL角が0°ときの模式図、図17(b)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図、図17(c)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図である。図18(a)はPOL角が0°ときの模式図、図18(b)はPOL角が−90°ときの模式図、図18(c)はPOL角が−90°ときの模式図である。図19(a)図20(a)はPOL角が0°ときの模式図、図19(b)図20(b)はPOL角が−90°ときの模式図、図19(c)図20(c)はPOL角が−90°ときの模式図である。図21(a)図22(a)はPOL角が0°ときの模式図、図21(b)図22(b)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図、図21(c)図22(c)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図である。
【0073】
図17〜図22は、16aは回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、ケーブルガイド板部16と同様に、ケーブル7aを間に配置して対向する二つの板状部材16であって、第1のケーブル保持部14側へ向かうにつれ、テーパ状に二つの板状部材16が広がる形状であり、第1のケーブル保持部14側の端部が第1のケーブル保持部14と反対側に反っているケーブルガイド板部16(二つの板状部材)、16bは回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持された他端側のケーブル7aを間に配置して対向する二つの柱状部材(円柱)であるケーブルガイド板部(ケーブルガイド部,二つの柱状部材(円柱))である。16cはケーブルガイド板部16b(ケーブルガイド部16b,二つの柱状部材(円柱)16b)の円柱が三角柱に置換されたものであるケーブルガイド板部(ケーブルガイド部,二つの柱状部材(三角柱)16b)である。ケーブルガイド板部16b及びケーブルガイド板部16cは、それぞれ、ケーブルガイド柱部16b及びケーブルガイド柱部16cともいえる。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0074】
図17に示すケーブル旋回機構は、ケーブルガイド板部16aが第1のケーブル保持部14側の端部が第1のケーブル保持部14と反対側に反っているので、図16に示すケーブル旋回機構のように、ケーブルガイド板部16の広がった側の端部でケーブル7aが屈曲する程度に回動部12を回動させた場合でも、ケーブルガイド板部16aであれば、図16と比較して、広がった側の端部でケーブル7aが大きく屈曲することがないため、ケーブル7aの特定の箇所に大きな負荷がかからない(図16(b),図16(c))。
【0075】
次に、図18に記載のケーブル旋回機構は、回動部12の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、ケーブル7aの一端を保持する第1のケーブル保持部14と、回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持された他端側のケーブル7aを間に配置して対向する二つの板状部材16(ケーブルガイド板部16)とを有し、回動部12は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aがテーパ状のケーブルガイド板部16に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なものである。換言すると、実施の形態1(実施の形態1(変形例))に係るケーブル旋回機構は、第2のケーブル保持部15を廃しても構成できるといえる(前述)。
【0076】
図19に記載のケーブル旋回機構は、第1のケーブル保持部14と第2のケーブル保持部15との間に形成され、ケーブル7aを間に配置して対向する二つの板状部材16bであって、第2のケーブル保持部15側から第1のケーブル保持部14側の間でケーブル7aを挟む二つの柱状部材16bであるケーブルガイド板部16bとを有し、回動部12は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aがケーブルガイド板部16bに押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なものである。特に、前述のように、ケーブル7aの強度がある程度硬いものでない場合に有効な構成である。
【0077】
図20に記載のケーブル旋回機構は、回動部12の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部14と、回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持された他端側のケーブル7aを間に配置して対向する二つの柱状部材16bであるケーブルガイド板部16bとを有し、回動部12は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aが柱状部材16bであるケーブルガイド板部16bに押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことものである。換言すると、図19に示すケーブル旋回機構は、第2のケーブル保持部15を廃しても構成できるといえる(前述)。
【0078】
図21に記載のケーブル旋回機構は、図19に記載のケーブル旋回機構と基本的には同じ構成であるが、回動部12の回動する範囲が、−90°≦POL角≦90°よりも広い場合を示している。ケーブルガイド板部16bが円柱なので、図16とは異なり、図17に記載のケーブル旋回機構と同じく、ケーブル7aが大きく屈曲することがないため、ケーブル7aの特定の箇所に大きな負荷がかからない(図21(b),図21(c))。
【0079】
図19〜21では、二つの円柱であるケーブルガイド板部16bを用いたケーブル旋回機構を説明したが、「ケーブルガイド板部」は断面が円弧の柱,断面が円弧の柱の辺に丸みを持たせたもの,三角柱などの多角柱,多角柱の辺に丸みをもたせたものでもよい。図22は、ケーブルガイド板部16cが丸みを持った三角柱である場合を図示している。図22に記載のケーブルガイド板部16cにおける丸みを持った部分は、ケーブル7が旋回して描く弧の部分に当るように配置されている。
【0080】
実施の形態1に係るケーブル旋回機構(変形例を含む)では、ケーブルガイド板部16,ケーブルガイド板部16a,ケーブルガイド板部16b(ケーブルガイド柱部16b),ケーブルガイド板部16c(ケーブルガイド柱部16c)を適宜選択し、ケーブルガイド板部15の採用・不採用も適宜選択することできる。なお、ケーブルガイド板部16,ケーブルガイド板部16a,ケーブルガイド板部16b(ケーブルガイド柱部16b),ケーブルガイド板部16c(ケーブルガイド柱部16c)は、前述の括弧内に記載のとおり、ケーブルガイド部ともいえる。
【0081】
実施の形態2.
図23及び図24を用いて、実施の形態2に係るケーブル旋回機構を説明する。実施の形態1に係るケーブル旋回機構との相違点を主に説明し、類似の部分の詳細説明は省略する。また、各構成に関しては実施の形態1及び2において相互に置換可能である。なお、実施の形態1に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法は、実施の形態2においても構成が共通である。図23及び図24において、7aaはケーブル7aを複数まとめた円筒状のケーブル(ケーブル束)である。実施の形態3では、ケーブル7aが旋回する位置・部分でも、複数であったケーブル7aを図示しているように一本にまとめてもよいことを説明する。なお、ケーブル7aa(ケーブル束7aa)は、円筒状の中空部を有する外皮自体を指してもよいし、この外皮と外皮に包まれた複数のケーブル7aとの両方を指してもよい。この外皮の強度や可撓性をケーブル7a(ケーブル7aa)の強度や可撓性としてもよい。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0082】
実施の形態1に係るケーブル旋回機構では、ケーブル7aが一本の場合や、図14にし示すように、ケーブル7aが旋回する位置で、縦に並んだ複数本ケーブル7aを配置した場合を説明したが、実施の形態2に係るケーブル旋回機構では、ケーブル7aa(ケーブル束7aa)でもよいことを説明する。図23は、実施の形態1の説明に用いた図9に相当するものである。図24は、クランプ14a及びクランプ15(第2のケーブル保持部15)の詳細を示す図である。
【0083】
実施の形態2に係るケーブル旋回機構では、クランプ14a及びクランプ15が、ケーブル7aaを保持するための凹部が一つ形成された二組の対称形状の部材から構成されていており、二組の対称形状の部材を正対させて固定することで、ケーブル7aaを保持している。二組の対称形状の部材を正対させて固定することでできる一つの穴に直接、それぞれケーブル7aaを配置してもよいし、ケーブル7aaと穴の間にシート状などの緩衝材を挟み込んでもよい。緩衝材を用いることで、耐屈曲性(耐捻回性)が低いもの(少なくとも、第1のケーブル保持部による旋回には耐えうるものである必要はある)でも、実施の形態2に係るケーブル旋回機構に使用することが可能となる。
【0084】
図23及び図24に記載のケーブル旋回機構は、ケーブル7aaを第2のケーブル保持部15を支点に旋回させることできるもの、或いは、回動部12が、ケーブル7aaがテーパ状のケーブルガイド部16に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なものである。もちろん、ケーブルガイド板部16,ケーブルガイド板部16a,ケーブルガイド板部16b(ケーブルガイド柱部16b),ケーブルガイド板部16c(ケーブルガイド柱部16c)を適宜選択し、ケーブルガイド板部15の採用・不採用も適宜選択することできる。
【0085】
実施の形態2(変形例).
図25,図26,図27を用いて、実施の形態2(変形例)に係るケーブル旋回機構(アンテナ装置)を説明する。実施の形態1(実施の形態1(変形例))及び実施の形態2に係るケーブル旋回機構との相違点を主に説明し、類似の部分の詳細説明は省略する。また、構成に関しては相互に置換可能である。なお、実施の形態1及び2に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法とは、構成が共通である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0086】
図23に示すケーブル旋回機構(アンテナ装置)では、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15を備えていたが、実施の形態2に係るケーブル旋回機構ではケーブル7aを束ねたケーブル7aaを用いているので、ケーブル7aaが十分な強度を容易に持たせることができるので、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15を簡略化したり、実施の形態1と同じく、ケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)又は/及び第2のケーブル保持部15を廃したりしてもよい。或いは、第2のケーブル保持部15の機能を固定ベース部13自体にもたせてもよい。なお、実施の形態2(変形例)は、ケーブル7aaに限らず実施の形態1で説明したケーブル7a自体に十分な強度があれば適用できるものである。
【0087】
図25に示すケーブル旋回機構(アンテナ装置)は、ケーブル7aa自身がL字状に曲がった姿勢を維持できる強度を有しており、ケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)及び第2のケーブル保持部15を廃したものである。この場合は、ケーブル7aaを固定ベース部13の下部に導くために形成された固定ベース部13の孔部(開口部)が、第2のケーブル保持部15の機能を代替しているので、固定ベース部13の孔部(開口部)を「第2のケーブル保持部15」と称してもよい。また、ケーブル7aa自身がL字状に曲がった姿勢を維持できる強度を有しているので、図25に記載の第1のケーブル保持部14は、ケーブル7aをL字状に方向転換させる機能がない。さらに、ケーブル7aaを回動部12の下部に導くために形成された回動部12の孔部(開口部)を「第1のケーブル保持部14」と称してもよい。
【0088】
図26及び図27に示すケーブル旋回機構(アンテナ装置)は、ケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)を廃したものである。また、図25と同じく、ケーブル7aa自身がL字状に曲がった姿勢を維持できる強度を有しているので、図26及び図27に記載の第1のケーブル保持部14は、ケーブル7aをL字状に方向転換させる機能がない。さらに、ケーブル7aaを回動部12の下部に導くために形成された回動部12の孔部(開口部)を「第1のケーブル保持部14」と称してもよい。
【0089】
図26は、第2のケーブル保持部15は、ケーブル7aaが回動部12の回転軸を横切る位置に付近に配置されており、図27は、第2のケーブル保持部15は、ケーブル7aaが回動部12の回転軸を横切る位置付近から離れた位置に配置されている。換言すると、図26は、第2のケーブル保持部15が、固定ベース部13の孔部(開口部)に対して、回動部12の回転軸寄りに配置されており、図27は、第2のケーブル保持部15が、回動部12の回転軸に対して、固定ベース部13の孔部(開口部)寄りに配置されているといえる。
【0090】
図26に記載のケーブル旋回機構(アンテナ装置)には、ケーブル7aaの旋回する部分の長さが短いという特徴があり、ケーブル7aaに負荷がかかる部分を短くすることができる。一方、図27に記載のケーブル旋回機構(アンテナ装置)には、ケーブル7aaの旋回する部分の長さが長い(図26と比べ)という特徴があり、ケーブル7aaの柔軟性が低い場合でも、ケーブル7aaの旋回する長さが長いので、ケーブル7aaの旋回させることができる。
【0091】
実施の形態1及び2(実施の形態1(変形例)及び2(変形例))に係るケーブル旋回機構は、回動部12が、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7a(ケーブル7aa)を第2のケーブル保持部を支点に旋回させる、又は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7a(ケーブル7aa)をケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)に押し当てられる角度まで少なくとも回動することを特徴とするものであるといえる。
【0092】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3について図28〜32を用いて説明(実施の形態3に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法に関する説明)する。実施の形態1及び2ではアンテナ装置(ケーブル旋回機構)では、ホーン3は一つの「ホーン」で構成されるものを説明したが、実施の形態3では、ホーン3が複数の「ホーン」で構成され、さらに多くの周波数(周波数帯)に対応させたものを説明する。換言すると、実施の形態3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構)は、複数の「ホーン」を切り替えるホーン切替機構を有するものといえる。実施の形態3では、実施の形態1及び2と共通する部分の詳細説明は省略する。また、構成に関しては相互に置換可能である。例えば、図28〜32ではケーブル7aaを図示しているが、ケーブル7aに置換してもよい。図29は図28の一点鎖線AAを矢印方向に見た断面図、図30は図28に記載のアンテナ装置(ケーブル旋回機構)におけるホーン3及びPOL駆動部4部分の拡大図、図31は図30に記載のPOL駆動部4部分をケーブル旋回機構側から見た断面図である。
【0093】
図28〜32において、17はPOL軸に直交する平面内の軸であるX軸方向にホーン3を移動させるX軸駆動部、18はPOL軸に直交する平面内の軸であるY軸方向にホーン3を移動させるY軸駆動部である。X軸とY軸とも直交するので、POL軸をZ軸と称してもよい。X軸駆動部17及びY軸駆動部18はPOL駆動部4に支持されている。X軸駆動部17は、平板状のステージ(X軸テーブル17t)を有し、X軸テーブル17tにX軸駆動部17の孔部17hが形成されている。Y軸駆動部18は、平板状のステージ(Y軸テーブル18t)を有し、Y軸テーブル18tにY軸駆動部18の孔部18hが形成されている。また、POL駆動部4は、円板状のステージ上に平板状のステージが載ったステージ(POL軸テーブル4t)を有し、POL軸テーブル4tの平板状のステージにPOL駆動部4の孔部4hが形成、POL軸テーブル4tの円板状のステージにPOL駆動部4の孔部4h2が形成されている。孔部4h2は孔部4hに対して大きな穴となっている。POL軸テーブル4tと回動部12sとを合わせて、実施の形態1及び2における回動部12の機能を有するものなる。換言すると、実施の形態1及び2における回動部12がX軸駆動部17(X軸テーブル17t)を支持しているものが実施の形態3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構)といえる。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0094】
図28〜32において、3a,3b,3c,3d,3eはそれぞれ副反射鏡2に開口が対向して配置された一次放射器であるホーンであり、L帯,S帯,C帯,Ku帯,Ka帯のいずれかに対応している。3fはホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3eを保持するホーン保持部、3gはホーン3(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)の給電線であり、X軸駆動部17及びY軸駆動部18並びにPOL駆動部4にそれぞれ形成された孔部(穴部)を介して、POL軸カバー部5の内部に挿入されている。19はPOL軸カバー部5の内部で給電線3gなどの配線を保護し、給電線3gの移動や回動によっても給電線3gが絡み合わないようにするケーブルベアである。なお、図29及び図31ではケーブルベア19を簡略化して記載している。また、ケーブルベア19は一般的なものを使用すればよい。ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3eは、X軸駆動部17及びY軸駆動部18の移動により、複数のホーン(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)のうち、一つを副反射鏡2の焦点位置に配置することが可能である。つまり、X軸駆動部17及びY軸駆動部18(並びにホーン保持部3f)がホーン切替機構といえる。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0095】
なお、図28は実施の形態1及び2の説明で用いた図9,図23,図25,図26,図27に相当する断面図であるが、ホーン(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)及びホーン保持部3f,X軸駆動部17,Y軸駆動部18は断面ではなく側面である。また、図32(a)は図28に記載のアンテナ装置(ケーブル旋回機構)におけるホーン3及びPOL駆動部4部分をPOL軸方向から見た上面図、図32(c)は図32(a)からPOL軸テーブル4tとX軸テーブル17tとだけを表示した仮想上面図(X軸テーブル17tは点線表示)である。
【0096】
図28〜32において、17gはPOL軸テーブル4t(POL軸ステージ4t)上にX軸方向に延在して形成され、X軸テーブル17t(X軸ステージ17t)をX軸方向の移動を支持するX軸ガイド、17bはX軸テーブル17tをX軸ガイド17gに沿って移動させるX軸ボルト/ナット、18gはX軸テーブル17t(X軸ステージ17t)上にY軸方向に延在して形成され、Y軸テーブル18t(Y軸ステージ18t)をY軸方向の移動を支持するY軸ガイド、18bはY軸テーブル18tをY軸ガイド18gに沿って移動させるY軸ボルト/ナットである。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0097】
実施の形態3に係るアンテナ装置では、POL駆動部4のPOL軸テーブル4tは、X軸駆動部17のX軸テーブル17tをX軸方向にX軸ガイド17gに沿って移動可能に支持し、X軸駆動部17のX軸テーブル17tは、Y軸駆動部18のY軸テーブル18tをY軸方向にY軸ガイド18gに沿って移動可能に支持し、Y軸駆動部18のY軸テーブル18tは、ホーン保持部3f(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)を支持するものを用いて説明する。
【0098】
もちろん、X軸駆動部17とY軸駆動部18とを入れ替えて、POL駆動部4のPOL軸テーブル4tは、Y軸駆動部18のY軸テーブル18tをY軸方向にY軸ガイド18gに沿って移動可能に支持し、Y軸駆動部18のY軸テーブル18tは、X軸駆動部17のX軸テーブル17tをX軸方向にX軸ガイド17gに沿って移動可能に支持し、X軸駆動部17のX軸テーブル17tは、ホーン保持部3f(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)を支持する構成としてもよい。但し、この場合、Y軸ガイド18gがPOL軸テーブル4t上に形成され、X軸ガイド17gがY軸テーブル18t上に形成されることになる。
【0099】
実施の形態3に係るアンテナ装置は、図28及び図30に示すように、POL駆動部4上に、X軸駆動部17,Y軸駆動部18,ホーン保持部3f(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)を有している。よって、アンテナ装置をEL軸,AZ軸,POL軸を回転軸として回動させることができるだけでなく、ホーン保持部3fをX軸方向及びY軸方向に平行移動させることができる。したがって、X軸駆動部17,Y軸駆動部18をそれぞれ平行移動させることで、ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3eを選択(変更)して、電波を受信することがアンテナ装置を得ることができる。また、実施の形態3に係るアンテナ装置は、図28〜31に示すように、給電線3gの取り回しに関しても、POL駆動部4の外殻となるPOL軸カバー部5の内部にケーブルベア19を用いて保護することで容易に実施できる。また、POL軸カバー部5内の給電線3gやケーブルベア19のメンテナンスもPOL軸アクセス開口部6を介して容易に行うことができる。メンテナンスに関する詳細は後述する。
【0100】
図32(a)に示すように孔部4hが長方形状であり、孔部17hが長方形状であり、孔部4hと孔部17hとは、平面視で直交、又は、図示は省略するが孔部4hが延在する方向の延長線と孔部17hが延在する方向の延長線とが平面視で直交させることで、図32(b)に示すように、Y軸テーブル18tがY軸方向に平行移動(図32(b)に示す矢印方向)しても、給電線3gがX軸テーブル17tと干渉しない。また、図32(c)に示すように、X軸テーブル17tがX軸方向に平行移動(図32(c)に示す矢印方向)しても、給電線3gがPOL軸テーブル4tと干渉しない。つまり、実施の形態3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構)は給電線3gがX軸駆動部17及びY軸駆動部18の駆動によっても絡まないものである。
【0101】
もちろん、X軸駆動部17とY軸駆動部18との関係を入れ替えて、X軸駆動部17(X軸テーブル17t)で直接、ホーン保持部3fを支持する場合は、孔部4hが長方形状であり、孔部18hが長方形状であり、孔部4hと孔部18hとは、平面視で直交、又は、孔部4hが延在する方向の延長線と孔部18hが延在する方向の延長線とが平面視で直交させることで、X軸テーブル17tがX軸方向に平行移動しても、給電線3gがY軸テーブル18tと干渉しない。また、Y軸テーブル18tがY軸方向に平行移動しても、給電線3gがPOL軸テーブル4tと干渉しないアンテナ装置を得ることができる。
【0102】
したがって、実施の形態3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構)のホーン切替機構は、X軸駆動部17,Y軸駆動部18,ホーン保持部3f(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)から構成されるといえる。X軸駆動部17又はY軸駆動部18をPOL駆動部4(POL軸テーブル4t)に支持させることで、POL軸を回軸としてホーン保持部3fを回動させることも容易である。また、このような構造であるので、ケーブルベア19を用いて、給電線3gなどの配線の巻き取りをPOL駆動部4内にて省スペースで行なうことできる。
【0103】
ここで、実施の形態3に係るアンテナ装置のメンテナンス方法について説明する。まず、アンテナ装置を実施の形態1と同じく、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1を設定する。これは、後述する第1開口ステップの前に、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1が位置していないときに行う仰角設定ステップであり、AZ旋回部8azを回動させて主反射鏡1を所定の仰角に設定するものである。よって、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1が位置している場合は必ずしも行う必要はない。
【0104】
実施の形態1で説明した、第1開口ステップ,(蓋ステップ),第2開口ステップの後、若しくは、第1開口ステップ,第2開口ステップ,(蓋ステップ)の後に、POL駆動部4を構成する歯車(大歯車4a,小歯車4b)に潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧する潤滑油補充ステップを行う。具体的には、POL軸パネル6cを取り外してできる開口窓(POL軸アクセス開口部6)から、図示を省略したPOL駆動部4を構成する歯車(大歯車4a,小歯車4b)や、ケーブルベア19に潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧する。さらに、給電線3gなどの配線の状況を確認,保守,補修,交換などのメンテナンスも行える。なお、実施の形態3では、POL軸カバー5の外部にモータ4cを配置しているので、モータ4cが故障している場合のモータ4cの交換は、第2開口ステップの後に行なう必要性はない。もちろん、POL軸歯車4aの外観検査(腐蝕、割れ、磨耗などの検査)を行ってもよい。実施の形態3においても、モータ4cをPOL軸カバー部5内に配置してもよい。逆に、実施の形態1及び2において、モータ4cをPOL軸カバー部5外に配置してもよい。
【0105】
実施の形態3に係るアンテナ装置は、例えば、各衛星に応じた偏波角に切り替える偏波切替とアンテナ指向軸周りに回転させ、アンテナビームをコニカルに振り、各位置の受信強度により衛星方向を検出するコニカルスキャンとを行なうことができる。また、実施の形態1〜3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構),実施の形態1〜3に係るアンテナ装置のメンテナンス方法は、それぞれの構成を置換しても実施可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0106】
1・・主反射鏡、1r・・リブ部、1s・・リブ部、1p・・パネル、1q・・パネル、2・・副反射鏡、2a・・副反射鏡支持ステー、3・・ホーン、3a・・ホーン、3b・・ホーン、3c・・ホーン、3d・・ホーン、3e・・ホーン、3f・・ホーン保持部、3g・・給電線、3w・・導波管、4・・POL駆動部、4a・・POL軸歯車(大歯車)、4b・・小歯車、4c・・モータ、4d・・ギアボックス、4e・・POL角度検出器、4f・・ハンドル軸ユニット、4h・・孔部、4t・・POL軸テーブル(POL軸ステージ)、5・・POL軸カバー部、6・・POL軸アクセス開口部、6c・・POL軸パネル(POL軸アクセスパネル)、6a・・階段(手摺り)、7・・回動ベース部、7a・・ケーブル、7aa・・ケーブル(ケーブル束)、7b・・ケーブル旋回機構、8・・アンテナ支柱部、8el・・EL旋回部、8az・・AZ旋回部、9・・主反射鏡支持部、9a・・ステー(主反射鏡支持ステー)、10・・主反射鏡アクセス開口部、10c・・主反射鏡アクセスパネル(主反射鏡パネル)、11・・マウント部、12・・回動部、12s・・回動部、13・・固定ベース部、14・・第1のケーブル保持部、14a・・クランプ、15・・第2のケーブル保持部(クランプ)、16・・ケーブルガイド板部(ケーブルガイド部16,二つの板状部材)、16a・・ケーブルガイド板部(ケーブルガイド部16a,二つの板状部材)、16b・・ケーブルガイド板部(ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド柱部16b,二つの柱状部材(円柱))、16c・・ケーブルガイド板部(ケーブルガイド部16c,ケーブルガイド柱部16c,二つの柱状部材(三角柱))、17・・X軸駆動部、17h・・孔部、17t・・X軸テーブル(X軸ステージ)、17g・・X軸ガイド、17b・・X軸ボルト/ナット、18・・Y軸駆動部、18h・・孔部、18t・・Y軸テーブル(Y軸ステージ)、18g・・Y軸ガイド、18b・・Y軸ボルト/ナット、19・・ケーブルベア。
【技術分野】
【0001】
この発明は、反射鏡を有するアンテナ装置及びそのメンテナンス方法に関し、特に、人工衛星からの電波を受けて衛星管制を行うアンテナ装置や、深宇宙からの電波を捉える望遠鏡アンテナ装置、あるいは、衛星軌道上にある複数の人工衛星からの電波をモニタして監視する電波監視アンテナ装置など、遠方からの微弱電波を受信するアンテナ装置のPOL軸駆動部(回動部)などの回動する構造内部のケーブルの取り回しに好適なケーブル旋回機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、開口面アンテナには、主反射鏡と副反射鏡とを用いたもの(例えば、特許文献1参照)や主反射鏡の焦点位置にフロントフィード装置を配置したものがある(例えば、特許文献2参照)。また、これらのアンテナ装置に好適な反射鏡パネルの裏面に形成されたリブなどの支持構造に関しては、特許文献3に記載がある。
【0003】
これらのアンテナ装置の内部に配置され、アンテナ装置などの回転機構を有する構造体に好適なケーブル巻取り装置やケーブル捻回機構(ケーブル旋回機構)に関しては、特許文献4に記載のようなチェーンなどの構造物を用いるものや特許文献5〜7に記載のようなケーブルを巻き上げるものが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−11148号公報
【特許文献2】特開2010−226479号公報
【特許文献3】特開平7−15231号公報
【特許文献4】特開2000−791号公報
【特許文献5】実開平6−5338号公報
【特許文献6】特開2000−124721号公報
【特許文献7】特開2010−239742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のケーブル巻取り装置は、ケーブルベアなどの構造が複雑になってしまい、メンテナンス性や耐環境に難点があるという課題があった。また、従来のケーブル捻回機構(ケーブル旋回機構)は、ケーブルを大きく捻り上げる構成であるため、使用するケーブルには高い耐屈曲性(耐捻回性)が必要とされてしまうという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、回動部の回転運動を旋回運動に変換して、ケーブルを旋回させるたけで、回動部などの回動する構造内部のケーブルの取り回しを行うことができるケーブル旋回機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された前記ケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部と、前記第1のケーブル保持部と前記第2のケーブル保持部との間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第2のケーブル保持部側から前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明に係るケーブル旋回機構は、前記ケーブルが、前記第1のケーブル保持部に固定された一端に連続する部分を有し、その連続する部分は、前記回動部に形成された孔部を介して前記回動部の一方の面から他方の面に垂下されているものである請求項1に記載のものである。
【0009】
請求項3の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルを保持する第2のケーブル保持部と、前記第1のケーブル保持部と前記第2のケーブル保持部との間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第2のケーブル保持部側から前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4の発明に係るケーブル旋回機構は、前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部が、前記回動部と前記固定ベース部とが延在する面に対して平行に、前記ケーブルを保持するものである請求項1〜3のいずれかに記載のものである。
【0011】
請求項5の発明に係るケーブル旋回機構は、前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部が、前記回動部と前記固定ベース部とが延在する面に直交する同一面において平行に配列された複数本の前記ケーブルを保持するものである請求項1〜4のいずれかに記載のものである。
【0012】
請求項6の発明に係るケーブル旋回機構は、前記ケーブルガイド部が、前記固定ベース部に固定された請求項1〜5のいずれかに記載のものである。
【0013】
請求項7の発明に係るケーブル旋回機構は、前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部が、前記ケーブルが前記回動部の回転軸を横切る位置に、前記ケーブルを保持するものである請求項1〜6のいずれかに記載のものである。
【0014】
請求項8の発明に係るケーブル旋回機構は、前記固定ベース部が、板状の面に接続された支持柱又は側壁を有し、その支持柱又は側壁が前記回動部を回動可能に支持する請求項1〜7のいずれかに記載のものである。
【0015】
請求項9の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された前記ケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回し、前記ケーブルを前記第2のケーブル保持部を支点に旋回させることを特徴とするものである。
【0016】
請求項10の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルを保持する第2のケーブル保持部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回し、前記ケーブルを前記第2のケーブル保持部を支点に旋回させることを特徴とするものである。
【0017】
請求項11の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された他端側の前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするもものである。
【0018】
請求項12の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルの間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【0019】
請求項13の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された他端側の前記ケーブルを間に配置して対向する二つの柱状部材であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルが柱状部材である前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【0020】
請求項14の発明に係るケーブル旋回機構は、ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルの間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの柱状部材であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルが柱状部材である前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、この発明によれば、ケーブルが単純な首振り運動を行うだけであるので、ケーブルへの負荷が少ないケーブル旋回機構を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構成図(仰角0°(180°),アンテナ部のみ中心断面図)である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構成図(仰角90°,アンテナ部のみ中心断面図)である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置のPOL駆動部及びPOL軸パネルの断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の斜視図(一次放射器周辺)である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の斜視図(一次放射器周辺)である。
【図7】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の一次放射器の斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネルとこのパネルを下部で支えるリブ部の平面図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図10】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の斜視図(POL角0°)である。
【図11】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の斜視図(POL角−90°)である。
【図12】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の動作説明図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の断面図(POL角0°)である。
【図14】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構のケーブル保持部の詳細図である。
【図15】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図16】この発明の実施の形態1に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図17】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図18】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図19】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図20】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図21】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図22】この発明の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構の動作説明模式図である。
【図23】この発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図24】この発明の実施の形態2に係るケーブル旋回機構のケーブル保持部の詳細図である。
【図25】この発明の実施の形態2(変形例)に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図26】この発明の実施の形態2(変形例)に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図27】この発明の実施の形態2(変形例)に係るアンテナ装置の一次放射器の断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図28】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の一部は側面を示す断面図(ケーブル旋回機構の詳細図)である。
【図29】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置のPOL駆動部の断面図である。
【図30】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の駆動部(X軸駆動部,Y軸駆動部,POL駆動部)の外観図である。
【図31】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置のPOL駆動部の下方から見た図である。
【図32】この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の駆動部(X軸駆動部,Y軸駆動部,POL駆動部)を上方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜8を用いて説明(実施の形態1に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法に関する説明)する。図4は図3に記載の一点鎖線CCによるアンテナ装置の一次放射器(POL駆動部)の断面図、図5はアンテナ装置の一次放射器周辺の斜視図(POL軸アクセス開口部及び主反射鏡アクセス開口部がPOL軸パネル及び主反射鏡アクセスパネルによって封鎖されている状態)、図6(a)はアンテナ装置の一次放射器周辺の斜視図(主反射鏡アクセスパネルによる主反射鏡アクセス開口部の封鎖が解除され、POL軸アクセス開口部がPOL軸パネルによって封鎖されている状態)、図6(b)はアンテナ装置の一次放射器周辺の斜視図(主反射鏡アクセスパネルによる主反射鏡アクセス開口部の封鎖が解除され、POL軸パネルによるPOL軸アクセス開口部の封鎖が解除されている状態)、図7(a)はアンテナ装置の一次放射器の斜視図(POL軸アクセス開口部がPOL軸パネルによって封鎖されている状態)、図7(b)はアンテナ装置の一次放射器周辺の斜視図(POL軸パネルによるPOL軸アクセス開口部の封鎖が解除されている状態)である。図8(a)はアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネルの平面図、図8(b)はアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネルを下部で支えるリブ部の平面図、図8(c)はアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネル(主反射鏡アクセス開口部及び主反射鏡アクセスパネル付き)の平面図、図8(d)はアンテナ装置の主反射鏡を構成するパネルを下部で支えるリブ部(主反射鏡アクセスパネル支持部分付き)の平面図である。
【0024】
図1〜8において、1は鏡面加工された複数のパネル1pによって構成されたアンテナ装置の主反射鏡(図中の格子模様が複数のパネル1pの組み合わせを示している)、放物面を有する主反射鏡1を構成する複数のパネル1pは、鏡面(表面,主反射鏡1を構成する面)と反対の面(裏面)をリブ部1rによる骨組みにより鏡面精度を保つ補強がされている。リブ部1rの骨組み形状は、後述する図8に記載のようなものでもよいし、一般的な形状でもよい。2は主反射鏡1の焦点に配置された双曲面を有し、鏡面加工された副反射鏡、副反射鏡2は副反射鏡支持ステー2aにより支持されている。3は副反射鏡2に開口が対向して配置された一次放射器であるホーン、ホーン3は複数の周波数(周波数帯)に対応したものである。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0025】
図1〜8において、4はホーン3をPOL(偏波角)軸方向に±90°の範囲で回動させるPOL駆動部、POL駆動部4は、POL軸を軸とし、ホーン3をPOL軸周りに回動させるPOL軸歯車4a(大歯車4a),大歯車4aと噛み合わさり、POL軸歯車4aよりも小径の小歯車4b,小歯車4bを回動させるモータ4c,モータ4c,モータ4cの回転力を小歯車4bへ伝達するギアボックス4d,大歯車4aと噛み合わさり、POL軸の角度を検出するPOL角度検出器4eから構成される。POL軸歯車4aに噛合する小歯車4bとPOL回転を出力する出力軸とを有するハンドル軸ユニット4fをギアボックス4d上に形成してもよい。5はPOL駆動部4とホーン3とを保護するPOL軸カバー部、6はPOL軸カバー部5に形成され、POL軸パネル6c(POL軸アクセスパネル6c)による封鎖の解除によって、POL駆動部4を露出させるPOL軸アクセス開口部である。POL軸カバー部4の表面に作業者がホーン3へ上ることができる階段(手摺り)6aを設けてもよい。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0026】
図1〜8において、7はPOL駆動部4のPOL軸周りの回動を支持する回動ベース部、回動ベース部7は、内部に、導波管3wを介してホーン3へ給電する同軸線路,POL駆動部4を制御するための制御線などをまとめたケーブル7aとPOL駆動部4の回動によるケーブル7aの絡まりを防ぐケーブル旋回機構7bとを有する。ケーブル7aは、複数本であってもよいし一本であってもよい。ケーブル旋回機構7bは、実施の形態1に係るアンテナ装置の説明の後に、実施の形態1に係るアンテナ装置のケーブル旋回機構(実施の形態1に係るケーブル旋回機構)として説明する。回動ベース部7をケーブル巻取り装置7と称してもよい。8は回動ベース部7を固定するアンテナ支柱部、アンテナ支柱部8は、EL(仰角)旋回部8el及びAZ(方位角)旋回部8azを有し、EL旋回部8el及びAZ旋回部8azによって、主反射鏡1はEL軸及びAZ軸方向に回動可能なものとなっている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0027】
図1〜8において、9はアンテナ支柱部8に一端が支持され、他端が主反射鏡1を直接又はリブ部1rを介して支持する複数のステー9a(主反射鏡支持ステー9a)からなる主反射鏡支持部である。なお、リブ部1rを主反射鏡1の一部と解してもよい。主反射鏡支持部9は副反射鏡支持ステー2aも支持しているおり、副反射鏡支持ステー2aはPOL軸アクセス開口部6(POL軸パネル6c)よりも主反射鏡1の円周寄りに形成された開口を通して、主反射鏡の表面と裏面とを貫いたような形になっている。10は主反射鏡支持部と前記主反射鏡との連結部分を避けて形成され、主反射鏡アクセスパネル10c(主反射鏡パネル10c)による封鎖の解除によって、主反射鏡1を開口させる主反射鏡アクセス開口部、11はAZ旋回部8azを支持するものであって、アンテナ装置を設置面に固定するマウント部である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0028】
本願においては、アンテナ装置を構成する「主反射鏡1,副反射鏡2,副反射鏡支持ステー2a,ホーン3,POL駆動部4,POL軸カバー部5,回動ベース部7」をアンテナ部と呼ぶ。図1及び2においては、このアンテナ部が断面図となっている。なお、主反射鏡パネル10cの詳細を説明する。主反射鏡アクセスパネル10cは、主反射鏡1の一つのパネル1pに形成されるものであって、その一つのパネル1pに鏡面加工を施した後に、鏡面加工後の一つのパネル1pから切り出させるものである。主反射鏡アクセスパネル10cが形成されたパネル1pをパネル1qと称する場合がある。リブ部1rのうち、主反射鏡アクセスパネル10cの周囲を支持する部分をリブ部1sとする。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0029】
実施の形態1に係るアンテナ装置は、人工衛星からの電波を受けて衛星管制を行うアンテナ装置や、深宇宙からの電波を捉える望遠鏡アンテナ装置、或いは、衛星軌道上にある複数の人工衛星からの電波をモニタして監視する電波監視アンテナ装置など、遠方からの電波又は微弱電波を受信するアンテナ装置への適用が好適であるが、これらのアンテナ装置では大型化が進んでおり、マウント部11下面から一次放射器までの高さは10m以上にも及ぶ場合がある。実施の形態1に係るアンテナ装置は、このような状況下でも、メンテナンス作業性が極めて良好なもので、容易に、作業者が主反射鏡1上でPOL駆動部4の保守メンテナンス作業ができるものである。
【0030】
次に、アンテナ装置の動作を説明する。図1及び2において、主反射鏡1の背面には固定ベース部7に接続されたEL旋回部8elが設けられ、EL(迎角)回転軸周りに回動可能にAZ旋回部8az上に支持されている。さらにAZ旋回部8azはマウント部11上にAZ(方位角)回転軸周りに回動可能に支持されている。なお、EL回転軸及びAZ回転軸は、図1及び2において、点又は一点鎖線で示しているものである。また、EL旋回部8el及びAZ旋回部8azは、図示しないEL駆動部及びAZ駆動部により回転駆動される。図1は主反射鏡1の仰角を0°にしたときのアンテナ装置の状態を表わしており、図2は主反射鏡1の仰角を80°にしたときのアンテナ装置の状態を表している。
【0031】
実施の形態1に係るアンテナ装置のPOL軸カバー部5及びPOL軸パネル6cは、主として野外に設置されるアンテナ装置において、一次放射器を外部環境(日射、風雨など)から保護し、POL駆動部4の駆動機構での錆の発生や塵の付着などを防ぐ。一次放射器の先端におけるホーン3は、副反射鏡2方向には開口している。一次放射器の基端は、固定ベース部7(ケーブル巻取り装置7)に固定されている。
【0032】
図3は一次放射器の断面図である。図4は、図3の一点鎖線CCから矢印方向を見た断面図である。図3及び4において、POL軸歯車4aは、POL可動ベース部材(図示は省略する)に固定され、副反射鏡方向2の軸(図3に示す一点鎖線による軸)を中心に回動可能に支持されている。固定ベース部7は、ケーブル巻取り機構を取り付ける円筒部材であり、POL可動ベース部材に連結している。
【0033】
ホーン3により受信された信号は、導波管3wを介して同軸線路(ケーブル7aにまとめされたもの)に出力される、同軸線路を含むケーブル7aは、先に述べたケーブル巻取り装置の機構内に這わせている。また、POL軸パネル6cは、図1の仰角0°状態で、図3に示すように、一次放射器の、ほぼ鉛直方向下面に位置するので、作業者が主反射鏡1上でPOL軸パネル6cを取り外す作業は難しいが、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1を設定すればよい。もちろん、仰角90°状態が作業者にとって安定した姿勢でメンテナンス作業に従事できることはいうまでもない。
【0034】
図4におけるPOL駆動部4について説明する。POL軸歯車4aはPOL駆動に必要なPOL軸中心の円周部分に設けられている(当然に全円周分に設けてもよい)。モータ4cは固定ベース部7に固定されており、このモータ4cの回転軸の先端には小歯車4b(ピニオン)が取り付けられている。この小歯車4bとPOL軸歯車4aとが噛合し、モータ4cを駆動することにより、POL軸歯車4aをPOL軸周りに回転させる。POL軸歯車4aの出力軸の方向をPOL軸アクセス開口部6方向とし、軸端がPOL軸アクセス開口部6の開口向きに突出するように構成する(図5、図6(a)(b))。
【0035】
同じく、モータ4cについても、POL軸アクセス開口部6方向に向けて配置する。この配置により図4に示すようにPOL軸パネル6cをモータ4cの付近に位置させる。このような配置により、POL軸パネル6cを取り外すと、モータ4cがPOL軸アクセス開口部6を介して露出させることができる(モータ4cがPOL軸アクセス開口部6を介して手前に見ることができる)。モータ4cが故障した場合の交換や、POL軸歯車4aの外観検査(腐蝕、割れ、磨耗などの検査)や、潤滑剤の補充などのメンテナンス作業を行うことができる。
【0036】
ここで、実施の形態1に係るアンテナ装置(一次放射器)のメンテナンス方法について説明する。まず、アンテナ装置を前述のとおり、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1を設定する。これは、後述する第1開口ステップの前に、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1が位置していないときに行う仰角設定ステップであり、AZ旋回部8azを回動させて主反射鏡1を所定の仰角に設定するものである。よって、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1が位置している場合は必ずしも行う必要はない。
【0037】
次に、図6(a)に示す主反射鏡アクセス開口部10を開口する第1開口ステップを行う。具体的には、高所作業台車又ははしご車(図示は省略する)を主反射鏡1に形成された主反射鏡アクセス開口部10及び主反射鏡アクセスパネル10cの下(主反射鏡1の裏面側)に配置し、作業台の高さを設定する。その後、作業者が主反射鏡アクセスパネル10cによる封鎖の解除することによって、主反射鏡1(主反射鏡アクセス開口部10)を開口させる。この開口された主反射鏡アクセス開口部10を介して、作業者は主反射鏡1の鏡面に上がる。作業者が鏡面に上がった後に、主反射鏡アクセス開口部10を閉口するステップを行ってもよい(蓋ステップ)。
【0038】
そして、図6(b)に示すPOL軸アクセス開口部6を開口する第2開口ステップを行う。具体的には、POL軸パネル6cを取り外すことにより、一次放射器に作業用の開口窓(POL軸アクセス開口部6)ができる。換言すると、POL軸カバー部4に形成され、POL軸パネル6cによる封鎖の解除によって、POL駆動部4を露出させる(POL軸アクセス開口部6を開口する)。
【0039】
ここで、第1開口ステップにて開口される主反射鏡アクセス開口部10と主反射鏡アクセスパネル10cとの詳細説明を行う。図6に示すように、主反射鏡アクセスパネル10cの一部が主反射鏡アクセス開口部10に固定され、主反射鏡アクセス開口部10の扉として機能し、主反射鏡1の側に開くものとすることで、主反射鏡アクセスパネル10cが主反射鏡アクセス開口部10の扉のようになり、第1開口ステップや主反射鏡アクセス開口部10を閉口するステップが容易になるだけでなく、前述の扉が、主反射鏡1の側に開くので、主反射鏡アクセスパネル10cが主反射鏡1の裏面のリブ部1rやステー9aと干渉することを考慮せずに設計することができる。
【0040】
さらに、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が、開いたときに、主反射鏡1を構成する面と反対の面をPOL軸カバー部5へ向けるような位置関係に主反射鏡アクセス開口部10と主反射鏡アクセスパネル10cとを主反射鏡1に形成することで、作業者が第1開口ステップのあと、POL軸カバー部5の方向へ進み易くなる。加えて、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が、開いたときに、主反射鏡1を構成する面と反対の面をPOL軸パネル6c(POL軸アクセス開口部6)に正対させて配置することで、さらに、作業者が第1開口ステップのあと、POL軸カバー部5の方向へ進み易くなるだけなく、主反射鏡アクセス開口部10とPOL軸カバー部5(POL軸パネル6c)との距離を近づけることができる。
【0041】
また、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が開いたときの配置は、前述のような場合以外でもよい。つまり、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が、開いたときに、主反射鏡1を構成する面をPOL軸カバー部5へ向けないような位置関係に主反射鏡アクセス開口部10と主反射鏡アクセスパネル10cとを主反射鏡1に形成するとよい。具体的に説明すると、図6(a)(b)に記載の主反射鏡アクセス開口部10(矩形の開口)で、POL軸カバー部5に最も近い矩形の開口の辺以外に、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)用の蝶番を形成して、扉を開閉可能に固定すればよい。
【0042】
もちろん、主反射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)が、開いたときに、主反射鏡1を構成する面をPOL軸カバー部5へ向けるような位置関係に主反射鏡アクセス開口部10と主反射鏡アクセスパネル10cとを主反射鏡1に形成して、主反射鏡アクセスパネル10cによって、作業者が、後述のメンテナンス作業時に使用する物品(ネジ,POL軸パネル6c,潤滑油(グリス),潤滑油補充備品,外観検査用備品)が、主反射鏡アクセス開口部10から落下しにくいように、主反射鏡アクセスパネル10cを盾のように利用してもよい。主射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)を閉じることで同じ効果を得てもよい(蓋ステップ)。
【0043】
また、主射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)の設置位置・方向がいずれの位置(辺)であっても、主反射鏡アクセス開口部10の開口の面積よりも、POL軸パネル6cの面積を大きくすることで、POL軸カバー5からPOL軸パネル6cを外した後に、主射鏡アクセス開口部10にPOL軸パネル6cで蓋をすれば、作業者が、後述のメンテナンス作業時に使用する物品(ネジ,POL軸パネル6c,潤滑油(グリス),潤滑油補充備品,外観検査用備品)が、主反射鏡アクセス開口部10から落下しない(蓋ステップ)。これは、主射鏡アクセス開口部10の扉を主反射鏡1側から開けることができないようにしても、確実に、主反射鏡アクセス開口部10に蓋ができることを意味するので、主反射鏡1側の面において主射鏡アクセス開口部10や主反射鏡アクセスパネル10cに余計な構造物を形成しなくてもよいことになる。
【0044】
ここで、図7を用いて、POL軸カバー部5におけるPOL軸アクセス開口部6及びPOL軸パネル6cに関して説明を行う。実施の形態1に係るアンテナ装置では、そのメンテナンス作業(POL駆動部4のメンテナンス作業)は、作業者が主反射鏡1上で作業するので、POL軸パネル6cは、図7(a)に示すように、ネジなどの簡易な締結手段でPOL軸アクセス開口部6の周囲に締結されるものでもよい。図7(b)は、ネジによる締結を解除して、POL軸アクセス開口部6からPOL軸パネル6cを取り外した状態を示している。前述のとおり、作業者は主反射鏡1上で作業するので、POL軸パネル6cを取り外したPOL軸パネル6cを主反射鏡1上に置き(前述のように、主射鏡アクセス開口部10にPOL軸パネル6cで蓋をしてもよい。:蓋ステップ)、次に説明する潤滑油補充ステップを行えばよい。なお、蓋ステップは、主射鏡アクセス開口部10の扉(主反射鏡アクセスパネル10c)を閉じるステップとしてもよい。
【0045】
第2開口ステップの後(蓋ステップを挟んでもよい)に、POL駆動部4を構成する歯車(大歯車4a,小歯車4b)に潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧する潤滑油補充ステップを行う。具体的には、POL軸パネル6cを取り外してできる開口窓(POL軸アクセス開口部6)から、POL駆動部4を構成する歯車(大歯車4a,小歯車4b)に潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧する。また、モータ4cが故障している場合にはモータ4cの交換を行う。POL軸歯車4aの外観検査(腐蝕、割れ、磨耗などの検査)を行ってもよい。
【0046】
また、図4に示すように、POL軸歯車4aに噛合する小歯車4bとPOL回転(POL軸周りの回転)を出力する出力軸とを有するハンドル軸ユニットを形成して、作業者がハンドル軸ユニット4fを操作して、大歯車4a,小歯車4bに潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧してもよい。ハンドル軸ユニット4fは、傘歯車を2つ組み合せるなどして、POL駆動(POL回転の軸)と直交する軸周りの出力軸に変換する軸変換を含むものである。ハンドル軸ユニット4fは、POL軸アクセス開口部6方向に向けて配置する(図6(b),図7(b))。この配置により図6(b)に示すようにPOL軸パネル6cをハンドル軸ユニット4fの付近に位置させる。このような配置により、POL軸パネル6cを取り外すと、ハンドル軸ユニット4fがPOL軸アクセス開口部6を介して露出させることができる(ハンドル軸ユニット4fがPOL軸アクセス開口部6を介して手前に見ることができる)。
【0047】
クランクハンドルなどの工具を用いてハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転させることができる。特に、POL軸歯車4aは、ハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転させて、全周に亘ってメンテナンスを行うことができる。これは、POL角度(POL角)の変更は、前述のように、クランクハンドルなどの工具を用いてハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転させて行うことが考えられる。具体的には、ハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転してPOL回転させて、POL軸歯車4aに潤滑剤を塗付または噴霧する。クランクハンドルなどの工具を用いてハンドル軸ユニット4fの出力軸を回転して変更させたPOL角度は、POL角度検出器4eで検出することで、メンテナンス後のアンテナ装置の運用を妨げることはない。
【0048】
図8を用いて、主反射鏡1を構成するパネル1p及びパネル1sと、これらをそれぞれ支えるリブ部1r(図8(b))及びリブ部1s付きのリブ部1r(図8(d))を説明する。リブ部1r及びリブ部1sは、パネル1p及びパネル1sの鏡面加工された面と反対の面(裏面)に配置され、パネル1p及びパネル1sを支え、変形を避けるものである。骨組みである。リブ部1rの構造は、特許文献1に記載のようなリブ構造でもよい。主反射鏡1が載置された面と反対側のリブ部1r(リブ部1s)の面側にステー9aが接続されている。これにより、主反射鏡1はステー9aに支持されているといえる。図8(a)はパネル1pの平面図であり、図8(b)はそれを支えるリブ部1rの平面図である。
【0049】
一方、図8(c)に示すように、主反射鏡アクセス開口部10及び主反射鏡アクセスパネル10cが形成されたパネル1qでは、作業者がリブ部1r側から主反射鏡1側へ向かう必要があるので、リブ部1rの骨組みが干渉しないようにするために、図8(d)に示すように、主反射鏡アクセスパネル10cの下部では周囲にリブ部1sを形成する必要がある。つまり、作業者は、主反射鏡アクセス開口部10とリブ部1sの開口とを経て主反射鏡1上に上がることになる。なお、主反射鏡アクセス開口部10は、ステー9aで構成される主反射鏡支持部9と(リブ部1r,(リブ部1s)を介した)主反射鏡1との連結部分を避けて形成されている。
【0050】
また、リブ部1sの外形を主反射鏡アクセスパネル10cの外形をよりも小さい枠体となっており、主反射鏡アクセスパネル10cの鏡面精度を保持するだけでなく、主反射鏡アクセスパネル10c自体が、第1開口ステップ以外の場合に、主反射鏡1から外れないようになっている。さらに、リブ部1r及びリブ部1s以外に、主反射鏡アクセスパネル10cの裏面(鏡面加工された面と反対側の面)にリブ部1r及びリブ部1sと独立したアクセスパネル用リブ部を形成してもよい。このアクセスパネル用リブ部の骨組みは、リブ部1rのような形状や一般的な形状でよい。リブ部1r及びリブ部1sをアクセスパネル用リブ部のストレスメンバーに加えるために、リブ部1sによる枠体が構成されている平面内で、リブ部1sによる枠体の内部へ、リブ部1sから突起を形成して、その突起とアクセスパネル用リブ部と接続すればよい。突起とアクセスパネル用リブ部との接続は、リベットなどの継ぎ手とボルトなどの締結手段と用いればよい。突起を介したアクセスパネル用リブ部とリブ部1sとの接続を行う場合、第1開口ステップには、リブ部1sに形成された突起とアクセスパネル用リブ部との接続を解除する工程(ステップ)が加わることになる。
【0051】
なお、主反射鏡アクセスパネル10c(パネル1q)は、一つのパネル1pに鏡面加工を施した後に、鏡面加工後の一つのパネル1pから切り出させるものと説明したが、切り出されたパネル1qを主反射鏡アクセス開口部10に設置した後に、パネル1qの鏡面精度を確認する必要がある。同じく、主反射鏡アクセス開口部10を構成するパネル1Pの
鏡面精度も確認する必要がある。それぞれの鏡面精度が所定の範囲(所望の範囲)から外れている場合は、再度、鏡面加工を施して必要な精度を得る。
【0052】
このように説明したとおり、実施の形態1に係るアンテナ装置は、各衛星に応じた偏波角に切り替える偏波切替と、アンテナ指向軸周りに回転させ、アンテナビームをコニカルに振り、各位置の受信強度により衛星方向を検出するコニカルスキャンを行う。偏波切替はPOL駆動部4を駆動して設定する。コニカルスキャンは、AZ/EL駆動部(EL駆動部及びAZ駆動部)によりアンテナ指向方向を所定の方向に駆動し、このAZ/EL駆動部により、アンテナ指向方向を特定の指向方向エリア内で大きく移動させるものである。このようなコニカルスキャンによって、通信衛星の捕捉又は追尾、あるいは所定エリアを探索して複数の衛星からの電波放射状態の監視を行うことができる。
【0053】
引き続き、実施の形態1に係るアンテナ装置のケーブル旋回機構(実施の形態1に係るケーブル旋回機構、つまり、実施の形態1に係るアンテナ装置のPOL角の変更に伴い、ケーブル7aを旋回させる回動ベース部7内のケーブル旋回機構7b)について、図9〜16を用いて説明を行う。図13は図12に示す一点鎖線AAによる断面図、図14は図13に示す一点鎖線BB及び一点鎖線CCから矢印方向に見た断面図である。実施の形態1に係るケーブル旋回機構は、実施の形態1に係るケーブル屈曲機構やケーブル巻き取り機構ともいえる。
【0054】
図15(a)(b)(c)は図12を角度ごとに分けて図示した模式図である。図15(a)はPOL角が0°ときの模式図、図15(b)はPOL角が−90°ときの模式図、図15(c)はPOL角が−90°ときの模式図である。図16(a)(b)(c)は、図15(図12)のときよりも大きな範囲でケーブル7aを旋回させた場合を示す模式図である。図16(a)はPOL角が0°ときの模式図、図16(b)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図、図15(c)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図である。
【0055】
図9〜16において、12は回動可能な円板状(中心は回転軸であり、POL軸である)の回動部であり、回動部7は、回動ベース部7の内部に形成され、ホーン3を回動させるものである。13は回動部12に対向して配置され、回動部12の回動を支持する板状の固定ベース部、14は固定ベース部13と対向する側の回動部12上であって、回動部12の回転軸(具体的には、POL軸であるが、以下では単に回転軸という場合がある)に相当する領域以外の部分に固定され、ケーブル7aの一端を保持する第1のケーブル保持部、15は回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持されたケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部である。また、固定ベース部13は、下部にケーブル7aを下ろす孔部(開口部)が形成されている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0056】
図9〜16において、16は第1のケーブル保持部14と第2のケーブル保持部15との間に形成され、ケーブル7aを間に配置して対向する二つの板状部材、二つの板状部材16は、第2のケーブル保持部15側から第1のケーブル保持部14側へ向かうにつれ、テーパ状に広がる形状であるケーブルガイド板部16を構成する。ケーブルガイド板部16は、固定ベース部13に固定されている。第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15によって、ケーブル7aが隠れている部分は点線で示している。ケーブル7aが二点鎖線で示されている部分は、ケーブル7aが旋回している動作を示している。なお、ケーブル7aは、第1のケーブル保持部14に固定された一端に連続する部分を有し、その連続する部分は、回動部12に形成された孔部を介して回動部12の一方の面から他方の面に垂下されているものであり、第2のケーブル保持部15に固定された他端に連続する部分を有しており、実施の形態1に係るアンテナ装置の外部と接続されている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0057】
図9はケーブル旋回機構の詳細図であり、全体図としては図3と同じである。図9から明らかなように、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15は、回動部12と固定ベース部12とが延在する面に対して平行に、ケーブル7を保持することにより、同じ耐屈曲性(耐捻回性)のケーブル7aを使用する場合では、回転軸方向のケーブル旋回機構の厚みを薄くすることができる。また、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15は、回動部12と固定ベース部13とが延在する面に直交する同一面において平行(つまり、回転軸と平行)に配列された複数本(図中では、六本の場合を例示している)のケーブル7aを保持することで、回転軸に対して旋回するケーブル7aが複数本の場合でもねじれることなく旋回させることができる。
【0058】
さらに、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15は、旋回前の基準角度を0°(つまり、POL角0°)としてとき、ケーブル7aが回動部12の回転軸を横切る位置に、ケーブルを保持することで、プラスかマイナスのどちらの方向の角度に旋回したときの角度の絶対値が等しい場合は、基準角度に対して対称にケーブル7aが旋回するので、ケーブル7aに不規則な負荷が、かかりにくい。
【0059】
また、ケーブルガイド板部16(板状部材16)は、回動部12によって旋回していない状態(つまり、POL角0°)のときのケーブル7aを中心軸として線対称、又は、ほぼ線対称になっているので、ケーブル7がプラスかマイナスのどちらの方向の角度に旋回して、ケーブル7aがケーブルガイド板部16(板状部材16)に押し当てられても、ケーブル7aに不規則な負荷が、かかりにくい。ケーブルガイド板部16にケーブル7aが押し当てられて、ケーブル7aが接触するケーブルガイド板部16の部分は、ケーブル7aを保持することにあるので、ケーブルガイド板部16が第2のケーブル保持部15の一部、又は、ケーブルガイド板部16自体が第2のケーブル保持部15であるとも解釈できる。
【0060】
図10及び図11は、ケーブル旋回機構の斜視図(POL角0°及びPOL角−90°)ある。図10及び図11から、回動部12が、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aがテーパ状のケーブルガイド板部16(二つの板状部材16のうち、片方の板状部材16)の全面に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことが分かる。「全面に押し当てられる」とは、ケーブル7aが屈曲してケーブルガイド板部16と接触した場合に、ケーブル7aが接触することが物理的に可能な領域に全てに押し当てられている状態を意味する。
【0061】
本実施の形態1においては、ケーブル旋回機構は、アンテナ装置のPOL軸の回転に適用されたものを説明しているので、回転角度が−90°から+90°までの180°のものを用いて説明しているが、ケーブルガイド板部16がテーパ状に反っている部分を、より回転軸から遠ざけることや、ケーブルガイド板部16がテーパ状に反っている部分を反対側へ、さらに反られることにより、回転角度を180°以上にすることも可能である(後述)。
【0062】
図10及び図11から、回動部12が、回動部12の一方の面から他方の面に垂下されたケーブル7aを通す孔部(中心は回転軸)を有しており、第1のケーブル保持部14が、回動部12の孔部から垂下されたケーブル7aを回動部12と固定ベース部13とにより形成された空間の内側に導き、保持し、第2のケーブル保持部15が回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に導かれたケーブル7aを保持することがわかる。
【0063】
また、第2のケーブル保持部15は、ケーブル7aを挟み込んで保持する(クランプする)ものであるので、クランプ15ともいえる。ケーブルガイド板部16の第2のケーブル保持部15(クランプ15)の近傍において、二つの板状部材16によって、ケーブル7aを挟み込んで保持する場合は、ケーブルガイド板部16の端部にも、第2のケーブル保持部15の機能があると解釈してもよい。これは前述の「ケーブルガイド板部16が第2のケーブル保持部15の一部、又は、ケーブルガイド板部16自体が第2のケーブル保持部15であるとも解釈できる」とは異なった解釈であり、クランプする機能がケーブルガイド板部16にある場合を意味している。なお、第1のケーブル保持部14は、ケーブル7aを挟み込んで保持(クランプ)するクランプ14aと回動部12の一方の面から他方の面に垂下されたケーブル7aをL字状に方向転換させる機能を有する部分とで構成されている。クランプ14a及びクランプ15は同じ構成とすることができる。ケーブル7a自身がL字状に曲がった姿勢を維持できる強度があれば、第1のケーブル保持部14は、ケーブル7aをL字状に方向転換させる機能を必要としない。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0064】
実施の形態1に係るケーブル旋回機構(回動ベース部7)において、クランプ14aとクランプ15とは、ケーブル7aを固定ベース部13の面に対して平行に保持しているが、ケーブル7aを固定ベース部13の面に対して角度を有して保持するようにしてもよい。但し、図9に示す断面(側方)から見た場合、ケーブルガイド板部16からケーブル7aがはみ出さないように、二つの板状部材16の高さや形状を決めると、ケーブル7aがケーブルガイド板部16に押し当てられても、ケーブル7aに不規則な負荷が、かかりにくい。他方、ケーブル7aを固定ベース部13の面に対して角度を有していると、必然的に、板状部材16の背が高くなる。
【0065】
実施の形態1に係るケーブル旋回機構(回動ベース部7)は、このような構造となっているので、回転軸方向の厚みや回転軸方向に直交する方向の厚みを薄くすることが容易であり、主反射鏡アクセスパネル10cをPOL軸カバー部5に、より近づけた位置に配置しても作業者のアクセスの妨げになりにくいという効果を奏する。特に、ケーブル7aを固定ベース部13の面に対して平行に保持するようにすることで、回動ベース部7やケーブルガイド板部16の低背化を図ることができる。なお、回動部12の回転運動を旋回運動に変換する第1のケーブル保持部14の旋回範囲は、ケーブルガイド板部16の形状や配置に左右されるが、若干の許容範囲の広さはある。詳細は後述する。
【0066】
図12を用いて、実施の形態1に係るケーブル旋回機構を説明する。回転軸に対して直交する面を平面視したときに、回転角度が0°(一点鎖線AA上の位置)の場合、ケーブル7aは直線状に配置される。そして、ホーン3のPOL角が−90°になるときは、回動部12が−90°回動し、第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aが図12の上側(一点鎖線AAを基準に上側)ように屈曲して、ケーブルガイド板部16と接する。同様に、ホーン3のPOL角が+90°になるときは、回動部12が+90°回動し、第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aが図12の下側(一点鎖線AAを基準に下側)ように屈曲して、ケーブルガイド板部16と接する。このように、回動部12は、ケーブル7aがケーブルガイド板部16に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能であるが、ケーブル7aがケーブルガイド板部16に押し当てられた後もケーブル7aの耐屈曲性(耐捻回性)が許す範囲で、さらに、回動部12を回動させることができる(後述の図16参照)。
【0067】
このように、実施の形態1に係るケーブル旋回機構は、回動部12の回転運動が第1のケーブル保持部14の旋回運動に変換されるので、ケーブル7aは、クランプ15(又はケーブルガイド板部16がケーブル7aを挟み込んでいる位置)を支点に、単純な首振り運動(扇運動)を行うだけであるので、ケーブル7aへの負荷が少ない。また、クランプ15に固定(保持)されたケーブル7aにおける第1のケーブル保持部14と反対側の部分は、回動部12の回動(ケーブル7aの首振り運動)とは関係がないので、複数であったケーブル7aを図示しているように一本にまとめてもよい。
【0068】
図13は、ケーブル旋回機構の断面図(POL角0°)であるが、この図13から、固定ベース部13が、板状の面に接続された支持柱(側壁でもよい)を有し、その支持柱(側壁でもよい)が、回動部12を回動可能に支持していることが分かる。具体的には、支持柱(側壁)は、孔部を有する円板状の部材(中心は回転軸)が回動部12とヘアリングなどの回動部12が回動となるような部材で支持されている。
【0069】
図14は、クランプ14a及びクランプ15(第2のケーブル保持部15)の詳細を示す図である。クランプ14a及びクランプ15は、縦に並んだ六本のケーブル7aを保持するための凹部が六つ形成された二組の対称形状の部材から構成されていており、二組の対称形状の部材を正対させて固定することで、六本のケーブル7aを保持している。二組の対称形状の部材を正対させて固定することでできる六つの穴に直接、それぞれケーブル7aを配置してもよいし、ケーブル7aと穴の間にシート状などの緩衝材を挟み込んでもよい。緩衝材を用いることで、耐屈曲性(耐捻回性)が低いもの(少なくとも、第1のケーブル保持部による旋回には耐えうるものである必要はある)でも、実施の形態1に係るケーブル旋回機構に使用することが可能となる。
【0070】
換言すると、実施の形態1に係るケーブル旋回機構は、回動部12の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、ケーブル7aの一端を保持する第1のケーブル保持部14と、回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持されたケーブル7aの他端を保持する第2のケーブル保持部15とを有しており、回動部12は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7aを第2のケーブル保持部を支点に旋回させるものであるといえる。これは、ケーブル7aの強度がある程度硬いものや撓るもの(可撓性を有するもの)であれば、ケーブルガイド板部16を有していなくても、第2のケーブル保持部15若しくは第2のケーブル保持部15に相当する構成によって、実施の形態1に係るケーブル旋回機構は構成することができることを意味している。詳細は、後述の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構にて説明する。
【0071】
ケーブルガイド板部16がある場合は、図15及び図16では、ケーブルガイド板部16により、回動部12の回動範囲は制限されるが、図15(図12)に記載のように、第2のケーブル保持部15側から第1のケーブル保持部14側へ向かうにつれ、テーパ状に二つの板状部材が広がる形状のケーブルガイド板部16において、広がった側の端部にケーブル7aが沿う程度の範囲であってもよい。また、図16に記載のように、第2のケーブル保持部15側から第1のケーブル保持部14側へ向かうにつれ、テーパ状に二つの板状部材が広がる形状のケーブルガイド板部16において、広がった側の端部でケーブル7aが屈曲する程度に回動部12を回動させてもよい。これは、ケーブル7aの強度がある程度硬いものや撓るもの(可撓性を有するもの)であれば、第2のケーブル保持部15を有していなくても、ケーブルガイド板部16若しくはケーブルガイド板部16に相当する構成によって、実施の形態1に係るケーブル旋回機構は構成することができることを意味している。詳細は、後述の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構にて説明する。詳細は、後述の実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構にて説明する。
【0072】
実施の形態1(変形例).
図17〜22を用いて、実施の形態1(変形例)に係るケーブル旋回機構を説明する。実施の形態1に係るケーブル旋回機構との相違点を主に説明し、類似の部分の詳細説明は省略する。また、構成に関しては相互に置換可能である。なお、実施の形態1に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法とは、構成が共通である。図17〜22は、回動部12の角度ごとに分けてケーブル旋回機構を図示した模式図である。図17(a)はPOL角が0°ときの模式図、図17(b)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図、図17(c)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図である。図18(a)はPOL角が0°ときの模式図、図18(b)はPOL角が−90°ときの模式図、図18(c)はPOL角が−90°ときの模式図である。図19(a)図20(a)はPOL角が0°ときの模式図、図19(b)図20(b)はPOL角が−90°ときの模式図、図19(c)図20(c)はPOL角が−90°ときの模式図である。図21(a)図22(a)はPOL角が0°ときの模式図、図21(b)図22(b)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図、図21(c)図22(c)はPOL角が−90°よりも大きいときの模式図である。
【0073】
図17〜図22は、16aは回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、ケーブルガイド板部16と同様に、ケーブル7aを間に配置して対向する二つの板状部材16であって、第1のケーブル保持部14側へ向かうにつれ、テーパ状に二つの板状部材16が広がる形状であり、第1のケーブル保持部14側の端部が第1のケーブル保持部14と反対側に反っているケーブルガイド板部16(二つの板状部材)、16bは回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持された他端側のケーブル7aを間に配置して対向する二つの柱状部材(円柱)であるケーブルガイド板部(ケーブルガイド部,二つの柱状部材(円柱))である。16cはケーブルガイド板部16b(ケーブルガイド部16b,二つの柱状部材(円柱)16b)の円柱が三角柱に置換されたものであるケーブルガイド板部(ケーブルガイド部,二つの柱状部材(三角柱)16b)である。ケーブルガイド板部16b及びケーブルガイド板部16cは、それぞれ、ケーブルガイド柱部16b及びケーブルガイド柱部16cともいえる。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0074】
図17に示すケーブル旋回機構は、ケーブルガイド板部16aが第1のケーブル保持部14側の端部が第1のケーブル保持部14と反対側に反っているので、図16に示すケーブル旋回機構のように、ケーブルガイド板部16の広がった側の端部でケーブル7aが屈曲する程度に回動部12を回動させた場合でも、ケーブルガイド板部16aであれば、図16と比較して、広がった側の端部でケーブル7aが大きく屈曲することがないため、ケーブル7aの特定の箇所に大きな負荷がかからない(図16(b),図16(c))。
【0075】
次に、図18に記載のケーブル旋回機構は、回動部12の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、ケーブル7aの一端を保持する第1のケーブル保持部14と、回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持された他端側のケーブル7aを間に配置して対向する二つの板状部材16(ケーブルガイド板部16)とを有し、回動部12は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aがテーパ状のケーブルガイド板部16に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なものである。換言すると、実施の形態1(実施の形態1(変形例))に係るケーブル旋回機構は、第2のケーブル保持部15を廃しても構成できるといえる(前述)。
【0076】
図19に記載のケーブル旋回機構は、第1のケーブル保持部14と第2のケーブル保持部15との間に形成され、ケーブル7aを間に配置して対向する二つの板状部材16bであって、第2のケーブル保持部15側から第1のケーブル保持部14側の間でケーブル7aを挟む二つの柱状部材16bであるケーブルガイド板部16bとを有し、回動部12は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aがケーブルガイド板部16bに押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なものである。特に、前述のように、ケーブル7aの強度がある程度硬いものでない場合に有効な構成である。
【0077】
図20に記載のケーブル旋回機構は、回動部12の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部14と、回動部12と対向する側の固定ベース部13に形成され、第1のケーブル保持部14に一端を保持された他端側のケーブル7aを間に配置して対向する二つの柱状部材16bであるケーブルガイド板部16bとを有し、回動部12は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回して、ケーブル7aが柱状部材16bであるケーブルガイド板部16bに押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことものである。換言すると、図19に示すケーブル旋回機構は、第2のケーブル保持部15を廃しても構成できるといえる(前述)。
【0078】
図21に記載のケーブル旋回機構は、図19に記載のケーブル旋回機構と基本的には同じ構成であるが、回動部12の回動する範囲が、−90°≦POL角≦90°よりも広い場合を示している。ケーブルガイド板部16bが円柱なので、図16とは異なり、図17に記載のケーブル旋回機構と同じく、ケーブル7aが大きく屈曲することがないため、ケーブル7aの特定の箇所に大きな負荷がかからない(図21(b),図21(c))。
【0079】
図19〜21では、二つの円柱であるケーブルガイド板部16bを用いたケーブル旋回機構を説明したが、「ケーブルガイド板部」は断面が円弧の柱,断面が円弧の柱の辺に丸みを持たせたもの,三角柱などの多角柱,多角柱の辺に丸みをもたせたものでもよい。図22は、ケーブルガイド板部16cが丸みを持った三角柱である場合を図示している。図22に記載のケーブルガイド板部16cにおける丸みを持った部分は、ケーブル7が旋回して描く弧の部分に当るように配置されている。
【0080】
実施の形態1に係るケーブル旋回機構(変形例を含む)では、ケーブルガイド板部16,ケーブルガイド板部16a,ケーブルガイド板部16b(ケーブルガイド柱部16b),ケーブルガイド板部16c(ケーブルガイド柱部16c)を適宜選択し、ケーブルガイド板部15の採用・不採用も適宜選択することできる。なお、ケーブルガイド板部16,ケーブルガイド板部16a,ケーブルガイド板部16b(ケーブルガイド柱部16b),ケーブルガイド板部16c(ケーブルガイド柱部16c)は、前述の括弧内に記載のとおり、ケーブルガイド部ともいえる。
【0081】
実施の形態2.
図23及び図24を用いて、実施の形態2に係るケーブル旋回機構を説明する。実施の形態1に係るケーブル旋回機構との相違点を主に説明し、類似の部分の詳細説明は省略する。また、各構成に関しては実施の形態1及び2において相互に置換可能である。なお、実施の形態1に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法は、実施の形態2においても構成が共通である。図23及び図24において、7aaはケーブル7aを複数まとめた円筒状のケーブル(ケーブル束)である。実施の形態3では、ケーブル7aが旋回する位置・部分でも、複数であったケーブル7aを図示しているように一本にまとめてもよいことを説明する。なお、ケーブル7aa(ケーブル束7aa)は、円筒状の中空部を有する外皮自体を指してもよいし、この外皮と外皮に包まれた複数のケーブル7aとの両方を指してもよい。この外皮の強度や可撓性をケーブル7a(ケーブル7aa)の強度や可撓性としてもよい。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0082】
実施の形態1に係るケーブル旋回機構では、ケーブル7aが一本の場合や、図14にし示すように、ケーブル7aが旋回する位置で、縦に並んだ複数本ケーブル7aを配置した場合を説明したが、実施の形態2に係るケーブル旋回機構では、ケーブル7aa(ケーブル束7aa)でもよいことを説明する。図23は、実施の形態1の説明に用いた図9に相当するものである。図24は、クランプ14a及びクランプ15(第2のケーブル保持部15)の詳細を示す図である。
【0083】
実施の形態2に係るケーブル旋回機構では、クランプ14a及びクランプ15が、ケーブル7aaを保持するための凹部が一つ形成された二組の対称形状の部材から構成されていており、二組の対称形状の部材を正対させて固定することで、ケーブル7aaを保持している。二組の対称形状の部材を正対させて固定することでできる一つの穴に直接、それぞれケーブル7aaを配置してもよいし、ケーブル7aaと穴の間にシート状などの緩衝材を挟み込んでもよい。緩衝材を用いることで、耐屈曲性(耐捻回性)が低いもの(少なくとも、第1のケーブル保持部による旋回には耐えうるものである必要はある)でも、実施の形態2に係るケーブル旋回機構に使用することが可能となる。
【0084】
図23及び図24に記載のケーブル旋回機構は、ケーブル7aaを第2のケーブル保持部15を支点に旋回させることできるもの、或いは、回動部12が、ケーブル7aaがテーパ状のケーブルガイド部16に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なものである。もちろん、ケーブルガイド板部16,ケーブルガイド板部16a,ケーブルガイド板部16b(ケーブルガイド柱部16b),ケーブルガイド板部16c(ケーブルガイド柱部16c)を適宜選択し、ケーブルガイド板部15の採用・不採用も適宜選択することできる。
【0085】
実施の形態2(変形例).
図25,図26,図27を用いて、実施の形態2(変形例)に係るケーブル旋回機構(アンテナ装置)を説明する。実施の形態1(実施の形態1(変形例))及び実施の形態2に係るケーブル旋回機構との相違点を主に説明し、類似の部分の詳細説明は省略する。また、構成に関しては相互に置換可能である。なお、実施の形態1及び2に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法とは、構成が共通である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0086】
図23に示すケーブル旋回機構(アンテナ装置)では、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15を備えていたが、実施の形態2に係るケーブル旋回機構ではケーブル7aを束ねたケーブル7aaを用いているので、ケーブル7aaが十分な強度を容易に持たせることができるので、第1のケーブル保持部14及び第2のケーブル保持部15を簡略化したり、実施の形態1と同じく、ケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)又は/及び第2のケーブル保持部15を廃したりしてもよい。或いは、第2のケーブル保持部15の機能を固定ベース部13自体にもたせてもよい。なお、実施の形態2(変形例)は、ケーブル7aaに限らず実施の形態1で説明したケーブル7a自体に十分な強度があれば適用できるものである。
【0087】
図25に示すケーブル旋回機構(アンテナ装置)は、ケーブル7aa自身がL字状に曲がった姿勢を維持できる強度を有しており、ケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)及び第2のケーブル保持部15を廃したものである。この場合は、ケーブル7aaを固定ベース部13の下部に導くために形成された固定ベース部13の孔部(開口部)が、第2のケーブル保持部15の機能を代替しているので、固定ベース部13の孔部(開口部)を「第2のケーブル保持部15」と称してもよい。また、ケーブル7aa自身がL字状に曲がった姿勢を維持できる強度を有しているので、図25に記載の第1のケーブル保持部14は、ケーブル7aをL字状に方向転換させる機能がない。さらに、ケーブル7aaを回動部12の下部に導くために形成された回動部12の孔部(開口部)を「第1のケーブル保持部14」と称してもよい。
【0088】
図26及び図27に示すケーブル旋回機構(アンテナ装置)は、ケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)を廃したものである。また、図25と同じく、ケーブル7aa自身がL字状に曲がった姿勢を維持できる強度を有しているので、図26及び図27に記載の第1のケーブル保持部14は、ケーブル7aをL字状に方向転換させる機能がない。さらに、ケーブル7aaを回動部12の下部に導くために形成された回動部12の孔部(開口部)を「第1のケーブル保持部14」と称してもよい。
【0089】
図26は、第2のケーブル保持部15は、ケーブル7aaが回動部12の回転軸を横切る位置に付近に配置されており、図27は、第2のケーブル保持部15は、ケーブル7aaが回動部12の回転軸を横切る位置付近から離れた位置に配置されている。換言すると、図26は、第2のケーブル保持部15が、固定ベース部13の孔部(開口部)に対して、回動部12の回転軸寄りに配置されており、図27は、第2のケーブル保持部15が、回動部12の回転軸に対して、固定ベース部13の孔部(開口部)寄りに配置されているといえる。
【0090】
図26に記載のケーブル旋回機構(アンテナ装置)には、ケーブル7aaの旋回する部分の長さが短いという特徴があり、ケーブル7aaに負荷がかかる部分を短くすることができる。一方、図27に記載のケーブル旋回機構(アンテナ装置)には、ケーブル7aaの旋回する部分の長さが長い(図26と比べ)という特徴があり、ケーブル7aaの柔軟性が低い場合でも、ケーブル7aaの旋回する長さが長いので、ケーブル7aaの旋回させることができる。
【0091】
実施の形態1及び2(実施の形態1(変形例)及び2(変形例))に係るケーブル旋回機構は、回動部12が、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7a(ケーブル7aa)を第2のケーブル保持部を支点に旋回させる、又は、その回動によって第1のケーブル保持部14が旋回し、ケーブル7a(ケーブル7aa)をケーブルガイド部16(ケーブルガイド部16a,ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド部16c)に押し当てられる角度まで少なくとも回動することを特徴とするものであるといえる。
【0092】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3について図28〜32を用いて説明(実施の形態3に係るアンテナ装置及びそのメンテナンス方法に関する説明)する。実施の形態1及び2ではアンテナ装置(ケーブル旋回機構)では、ホーン3は一つの「ホーン」で構成されるものを説明したが、実施の形態3では、ホーン3が複数の「ホーン」で構成され、さらに多くの周波数(周波数帯)に対応させたものを説明する。換言すると、実施の形態3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構)は、複数の「ホーン」を切り替えるホーン切替機構を有するものといえる。実施の形態3では、実施の形態1及び2と共通する部分の詳細説明は省略する。また、構成に関しては相互に置換可能である。例えば、図28〜32ではケーブル7aaを図示しているが、ケーブル7aに置換してもよい。図29は図28の一点鎖線AAを矢印方向に見た断面図、図30は図28に記載のアンテナ装置(ケーブル旋回機構)におけるホーン3及びPOL駆動部4部分の拡大図、図31は図30に記載のPOL駆動部4部分をケーブル旋回機構側から見た断面図である。
【0093】
図28〜32において、17はPOL軸に直交する平面内の軸であるX軸方向にホーン3を移動させるX軸駆動部、18はPOL軸に直交する平面内の軸であるY軸方向にホーン3を移動させるY軸駆動部である。X軸とY軸とも直交するので、POL軸をZ軸と称してもよい。X軸駆動部17及びY軸駆動部18はPOL駆動部4に支持されている。X軸駆動部17は、平板状のステージ(X軸テーブル17t)を有し、X軸テーブル17tにX軸駆動部17の孔部17hが形成されている。Y軸駆動部18は、平板状のステージ(Y軸テーブル18t)を有し、Y軸テーブル18tにY軸駆動部18の孔部18hが形成されている。また、POL駆動部4は、円板状のステージ上に平板状のステージが載ったステージ(POL軸テーブル4t)を有し、POL軸テーブル4tの平板状のステージにPOL駆動部4の孔部4hが形成、POL軸テーブル4tの円板状のステージにPOL駆動部4の孔部4h2が形成されている。孔部4h2は孔部4hに対して大きな穴となっている。POL軸テーブル4tと回動部12sとを合わせて、実施の形態1及び2における回動部12の機能を有するものなる。換言すると、実施の形態1及び2における回動部12がX軸駆動部17(X軸テーブル17t)を支持しているものが実施の形態3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構)といえる。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0094】
図28〜32において、3a,3b,3c,3d,3eはそれぞれ副反射鏡2に開口が対向して配置された一次放射器であるホーンであり、L帯,S帯,C帯,Ku帯,Ka帯のいずれかに対応している。3fはホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3eを保持するホーン保持部、3gはホーン3(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)の給電線であり、X軸駆動部17及びY軸駆動部18並びにPOL駆動部4にそれぞれ形成された孔部(穴部)を介して、POL軸カバー部5の内部に挿入されている。19はPOL軸カバー部5の内部で給電線3gなどの配線を保護し、給電線3gの移動や回動によっても給電線3gが絡み合わないようにするケーブルベアである。なお、図29及び図31ではケーブルベア19を簡略化して記載している。また、ケーブルベア19は一般的なものを使用すればよい。ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3eは、X軸駆動部17及びY軸駆動部18の移動により、複数のホーン(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)のうち、一つを副反射鏡2の焦点位置に配置することが可能である。つまり、X軸駆動部17及びY軸駆動部18(並びにホーン保持部3f)がホーン切替機構といえる。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0095】
なお、図28は実施の形態1及び2の説明で用いた図9,図23,図25,図26,図27に相当する断面図であるが、ホーン(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)及びホーン保持部3f,X軸駆動部17,Y軸駆動部18は断面ではなく側面である。また、図32(a)は図28に記載のアンテナ装置(ケーブル旋回機構)におけるホーン3及びPOL駆動部4部分をPOL軸方向から見た上面図、図32(c)は図32(a)からPOL軸テーブル4tとX軸テーブル17tとだけを表示した仮想上面図(X軸テーブル17tは点線表示)である。
【0096】
図28〜32において、17gはPOL軸テーブル4t(POL軸ステージ4t)上にX軸方向に延在して形成され、X軸テーブル17t(X軸ステージ17t)をX軸方向の移動を支持するX軸ガイド、17bはX軸テーブル17tをX軸ガイド17gに沿って移動させるX軸ボルト/ナット、18gはX軸テーブル17t(X軸ステージ17t)上にY軸方向に延在して形成され、Y軸テーブル18t(Y軸ステージ18t)をY軸方向の移動を支持するY軸ガイド、18bはY軸テーブル18tをY軸ガイド18gに沿って移動させるY軸ボルト/ナットである。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0097】
実施の形態3に係るアンテナ装置では、POL駆動部4のPOL軸テーブル4tは、X軸駆動部17のX軸テーブル17tをX軸方向にX軸ガイド17gに沿って移動可能に支持し、X軸駆動部17のX軸テーブル17tは、Y軸駆動部18のY軸テーブル18tをY軸方向にY軸ガイド18gに沿って移動可能に支持し、Y軸駆動部18のY軸テーブル18tは、ホーン保持部3f(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)を支持するものを用いて説明する。
【0098】
もちろん、X軸駆動部17とY軸駆動部18とを入れ替えて、POL駆動部4のPOL軸テーブル4tは、Y軸駆動部18のY軸テーブル18tをY軸方向にY軸ガイド18gに沿って移動可能に支持し、Y軸駆動部18のY軸テーブル18tは、X軸駆動部17のX軸テーブル17tをX軸方向にX軸ガイド17gに沿って移動可能に支持し、X軸駆動部17のX軸テーブル17tは、ホーン保持部3f(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)を支持する構成としてもよい。但し、この場合、Y軸ガイド18gがPOL軸テーブル4t上に形成され、X軸ガイド17gがY軸テーブル18t上に形成されることになる。
【0099】
実施の形態3に係るアンテナ装置は、図28及び図30に示すように、POL駆動部4上に、X軸駆動部17,Y軸駆動部18,ホーン保持部3f(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)を有している。よって、アンテナ装置をEL軸,AZ軸,POL軸を回転軸として回動させることができるだけでなく、ホーン保持部3fをX軸方向及びY軸方向に平行移動させることができる。したがって、X軸駆動部17,Y軸駆動部18をそれぞれ平行移動させることで、ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3eを選択(変更)して、電波を受信することがアンテナ装置を得ることができる。また、実施の形態3に係るアンテナ装置は、図28〜31に示すように、給電線3gの取り回しに関しても、POL駆動部4の外殻となるPOL軸カバー部5の内部にケーブルベア19を用いて保護することで容易に実施できる。また、POL軸カバー部5内の給電線3gやケーブルベア19のメンテナンスもPOL軸アクセス開口部6を介して容易に行うことができる。メンテナンスに関する詳細は後述する。
【0100】
図32(a)に示すように孔部4hが長方形状であり、孔部17hが長方形状であり、孔部4hと孔部17hとは、平面視で直交、又は、図示は省略するが孔部4hが延在する方向の延長線と孔部17hが延在する方向の延長線とが平面視で直交させることで、図32(b)に示すように、Y軸テーブル18tがY軸方向に平行移動(図32(b)に示す矢印方向)しても、給電線3gがX軸テーブル17tと干渉しない。また、図32(c)に示すように、X軸テーブル17tがX軸方向に平行移動(図32(c)に示す矢印方向)しても、給電線3gがPOL軸テーブル4tと干渉しない。つまり、実施の形態3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構)は給電線3gがX軸駆動部17及びY軸駆動部18の駆動によっても絡まないものである。
【0101】
もちろん、X軸駆動部17とY軸駆動部18との関係を入れ替えて、X軸駆動部17(X軸テーブル17t)で直接、ホーン保持部3fを支持する場合は、孔部4hが長方形状であり、孔部18hが長方形状であり、孔部4hと孔部18hとは、平面視で直交、又は、孔部4hが延在する方向の延長線と孔部18hが延在する方向の延長線とが平面視で直交させることで、X軸テーブル17tがX軸方向に平行移動しても、給電線3gがY軸テーブル18tと干渉しない。また、Y軸テーブル18tがY軸方向に平行移動しても、給電線3gがPOL軸テーブル4tと干渉しないアンテナ装置を得ることができる。
【0102】
したがって、実施の形態3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構)のホーン切替機構は、X軸駆動部17,Y軸駆動部18,ホーン保持部3f(ホーン3a,ホーン3b,ホーン3c,ホーン3d,ホーン3e)から構成されるといえる。X軸駆動部17又はY軸駆動部18をPOL駆動部4(POL軸テーブル4t)に支持させることで、POL軸を回軸としてホーン保持部3fを回動させることも容易である。また、このような構造であるので、ケーブルベア19を用いて、給電線3gなどの配線の巻き取りをPOL駆動部4内にて省スペースで行なうことできる。
【0103】
ここで、実施の形態3に係るアンテナ装置のメンテナンス方法について説明する。まず、アンテナ装置を実施の形態1と同じく、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1を設定する。これは、後述する第1開口ステップの前に、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1が位置していないときに行う仰角設定ステップであり、AZ旋回部8azを回動させて主反射鏡1を所定の仰角に設定するものである。よって、図2に示すような仰角90°状態を含む0°<仰角<180°の範囲で、作業者が主反射鏡1上で作業可能な姿勢を取れる仰角に主反射鏡1が位置している場合は必ずしも行う必要はない。
【0104】
実施の形態1で説明した、第1開口ステップ,(蓋ステップ),第2開口ステップの後、若しくは、第1開口ステップ,第2開口ステップ,(蓋ステップ)の後に、POL駆動部4を構成する歯車(大歯車4a,小歯車4b)に潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧する潤滑油補充ステップを行う。具体的には、POL軸パネル6cを取り外してできる開口窓(POL軸アクセス開口部6)から、図示を省略したPOL駆動部4を構成する歯車(大歯車4a,小歯車4b)や、ケーブルベア19に潤滑油(グリス)を塗布又は噴霧する。さらに、給電線3gなどの配線の状況を確認,保守,補修,交換などのメンテナンスも行える。なお、実施の形態3では、POL軸カバー5の外部にモータ4cを配置しているので、モータ4cが故障している場合のモータ4cの交換は、第2開口ステップの後に行なう必要性はない。もちろん、POL軸歯車4aの外観検査(腐蝕、割れ、磨耗などの検査)を行ってもよい。実施の形態3においても、モータ4cをPOL軸カバー部5内に配置してもよい。逆に、実施の形態1及び2において、モータ4cをPOL軸カバー部5外に配置してもよい。
【0105】
実施の形態3に係るアンテナ装置は、例えば、各衛星に応じた偏波角に切り替える偏波切替とアンテナ指向軸周りに回転させ、アンテナビームをコニカルに振り、各位置の受信強度により衛星方向を検出するコニカルスキャンとを行なうことができる。また、実施の形態1〜3に係るアンテナ装置(ケーブル旋回機構),実施の形態1〜3に係るアンテナ装置のメンテナンス方法は、それぞれの構成を置換しても実施可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0106】
1・・主反射鏡、1r・・リブ部、1s・・リブ部、1p・・パネル、1q・・パネル、2・・副反射鏡、2a・・副反射鏡支持ステー、3・・ホーン、3a・・ホーン、3b・・ホーン、3c・・ホーン、3d・・ホーン、3e・・ホーン、3f・・ホーン保持部、3g・・給電線、3w・・導波管、4・・POL駆動部、4a・・POL軸歯車(大歯車)、4b・・小歯車、4c・・モータ、4d・・ギアボックス、4e・・POL角度検出器、4f・・ハンドル軸ユニット、4h・・孔部、4t・・POL軸テーブル(POL軸ステージ)、5・・POL軸カバー部、6・・POL軸アクセス開口部、6c・・POL軸パネル(POL軸アクセスパネル)、6a・・階段(手摺り)、7・・回動ベース部、7a・・ケーブル、7aa・・ケーブル(ケーブル束)、7b・・ケーブル旋回機構、8・・アンテナ支柱部、8el・・EL旋回部、8az・・AZ旋回部、9・・主反射鏡支持部、9a・・ステー(主反射鏡支持ステー)、10・・主反射鏡アクセス開口部、10c・・主反射鏡アクセスパネル(主反射鏡パネル)、11・・マウント部、12・・回動部、12s・・回動部、13・・固定ベース部、14・・第1のケーブル保持部、14a・・クランプ、15・・第2のケーブル保持部(クランプ)、16・・ケーブルガイド板部(ケーブルガイド部16,二つの板状部材)、16a・・ケーブルガイド板部(ケーブルガイド部16a,二つの板状部材)、16b・・ケーブルガイド板部(ケーブルガイド部16b,ケーブルガイド柱部16b,二つの柱状部材(円柱))、16c・・ケーブルガイド板部(ケーブルガイド部16c,ケーブルガイド柱部16c,二つの柱状部材(三角柱))、17・・X軸駆動部、17h・・孔部、17t・・X軸テーブル(X軸ステージ)、17g・・X軸ガイド、17b・・X軸ボルト/ナット、18・・Y軸駆動部、18h・・孔部、18t・・Y軸テーブル(Y軸ステージ)、18g・・Y軸ガイド、18b・・Y軸ボルト/ナット、19・・ケーブルベア。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された前記ケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部と、前記第1のケーブル保持部と前記第2のケーブル保持部との間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第2のケーブル保持部側から前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項2】
前記ケーブルは、前記第1のケーブル保持部に固定された一端に連続する部分を有し、その連続する部分は、前記回動部に形成された孔部を介して前記回動部の一方の面から他方の面に垂下されているものである請求項1に記載のケーブル旋回機構。
【請求項3】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルを保持する第2のケーブル保持部と、前記第1のケーブル保持部と前記第2のケーブル保持部との間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第2のケーブル保持部側から前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項4】
前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部は、前記回動部と前記固定ベース部とが延在する面に対して平行に、前記ケーブルを保持するものである請求項1〜3のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項5】
前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部は、前記回動部と前記固定ベース部とが延在する面に直交する同一面において平行に配列された複数本の前記ケーブルを保持するものである請求項1〜4のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項6】
前記ケーブルガイド部は、前記固定ベース部に固定された請求項1〜5のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項7】
前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部は、前記ケーブルが前記回動部の回転軸を横切る位置に、前記ケーブルを保持するものである請求項1〜6のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項8】
前記固定ベース部は、板状の面に接続された支持柱又は側壁を有し、その支持柱又は側壁が前記回動部を回動可能に支持する請求項1〜7のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項9】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された前記ケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回し、前記ケーブルを前記第2のケーブル保持部を支点に旋回させることを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項10】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルを保持する第2のケーブル保持部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回し、前記ケーブルを前記第2のケーブル保持部を支点に旋回させることを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項11】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された他端側の前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項12】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルの間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項13】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された他端側の前記ケーブルを間に配置して対向する二つの柱状部材であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルが柱状部材である前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項14】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルの間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの柱状部材であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルが柱状部材である前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項1】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された前記ケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部と、前記第1のケーブル保持部と前記第2のケーブル保持部との間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第2のケーブル保持部側から前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項2】
前記ケーブルは、前記第1のケーブル保持部に固定された一端に連続する部分を有し、その連続する部分は、前記回動部に形成された孔部を介して前記回動部の一方の面から他方の面に垂下されているものである請求項1に記載のケーブル旋回機構。
【請求項3】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルを保持する第2のケーブル保持部と、前記第1のケーブル保持部と前記第2のケーブル保持部との間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第2のケーブル保持部側から前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項4】
前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部は、前記回動部と前記固定ベース部とが延在する面に対して平行に、前記ケーブルを保持するものである請求項1〜3のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項5】
前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部は、前記回動部と前記固定ベース部とが延在する面に直交する同一面において平行に配列された複数本の前記ケーブルを保持するものである請求項1〜4のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項6】
前記ケーブルガイド部は、前記固定ベース部に固定された請求項1〜5のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項7】
前記第1のケーブル保持部及び前記第2のケーブル保持部は、前記ケーブルが前記回動部の回転軸を横切る位置に、前記ケーブルを保持するものである請求項1〜6のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項8】
前記固定ベース部は、板状の面に接続された支持柱又は側壁を有し、その支持柱又は側壁が前記回動部を回動可能に支持する請求項1〜7のいずれかに記載のケーブル旋回機構。
【請求項9】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された前記ケーブルの他端を保持する第2のケーブル保持部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回し、前記ケーブルを前記第2のケーブル保持部を支点に旋回させることを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項10】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルを保持する第2のケーブル保持部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回し、前記ケーブルを前記第2のケーブル保持部を支点に旋回させることを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項11】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された他端側の前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項12】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルの間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの板状部材であって、前記第1のケーブル保持部側へ向かうにつれ、テーパ状に前記二つの板状部材が広がる形状であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルがテーパ状の前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項13】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記ケーブルの一端を保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に一端を保持された他端側の前記ケーブルを間に配置して対向する二つの柱状部材であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルが柱状部材である前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【請求項14】
ケーブルを旋回させるケーブル旋回機構であって、一方の面から他方の面に垂下された前記ケーブルを通す孔部を有し、回動可能な円板状の回動部と、この回動部に対向して配置され、前記回動部の回動を支持する板状の固定ベース部と、この固定ベース部と対向する側の前記回動部上であって、前記回動部の回転軸に相当する領域以外の部分に固定され、前記回動部の孔部から垂下された前記ケーブルを前記回動部と前記固定ベース部とにより形成された空間の内側に導き、保持する第1のケーブル保持部と、前記回動部と対向する側の前記固定ベース部に形成され、前記第1のケーブル保持部に導かれた前記ケーブルの間に形成され、前記ケーブルを間に配置して対向する二つの柱状部材であるケーブルガイド部とを備え、前記回動部は、その回動によって前記第1のケーブル保持部が旋回して、前記ケーブルが柱状部材である前記ケーブルガイド部に押し当てられる角度まで少なくとも回動可能なことを特徴とするケーブル旋回機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2013−81358(P2013−81358A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159791(P2012−159791)
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
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