ゲート装置
【課題】通路内における通行者の滞留を防止しつつ、不正通行者の逆行を確実に阻止する。
【解決手段】直線状の通路4を有し、この通路は、間隔を隔てて、例えば平行に配置された一対の壁体2a、2b間に形成されている。この通路を仕切った姿勢で一方向に移動し、例えば通路の入口側と出口側とを遮断するように通路を仕切った姿勢で、前記通路に沿って仕切り手段10が入口側から出口側に移動し、かつ循環移動する。例えば入口側から出口側まで移動し、その後に入口側に戻ることを繰り返す。
【解決手段】直線状の通路4を有し、この通路は、間隔を隔てて、例えば平行に配置された一対の壁体2a、2b間に形成されている。この通路を仕切った姿勢で一方向に移動し、例えば通路の入口側と出口側とを遮断するように通路を仕切った姿勢で、前記通路に沿って仕切り手段10が入口側から出口側に移動し、かつ循環移動する。例えば入口側から出口側まで移動し、その後に入口側に戻ることを繰り返す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正規の通行順路を逆方向に通行しようとする不正侵入者の通行を阻止するゲート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記のようなゲート装置の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の技術では、通路上に両開きの扉が設けられている。通路上での通行者の移動方向を検出するために複数のセンサが設けられている。通路上での予め定められた移動方向と反対方向に移動する通行者を前記センサが検出したとき、扉が閉じられる。例えば通路の入口側から出口側にA、B、Cの3つの検知領域を持つようにセンサが配置され、通行者が検知領域Aで検知され、次に検知領域Bで検知され、検知領域Cで検知された場合、通行者は正規に入口から出口に通行していると判断され、扉は開放状態を維持している。例えば通行者が検知領域Cで検知され、次に検知領域Bで検知されたなら、通行者は出口側から入口側に逆行していると判断され、扉が閉じられ、不正通行者の通行が阻止される。
【0003】
【特許文献1】特開2001−216544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、多数の通行者が通路を移動する混在状態において、別々の通行者が、隣接する検知領域で同時に検知されることが継続することがある。例えば或る時点で検知領域A、B、Cの全てで通行者が検知され、次の時点でも全ての検知領域A、B、Cで通行者が検知されると、最初の時点で検知領域Aで検知された通行者が検知領域Bで検知され、かつ新たな通行者が検知領域Aで検知されたのか、最初の時点で検知領域Aで検知された通行者が検知領域Bで検知され、かつ検知領域Bで検知された通行者が検知領域Aで検知されたのか判別することができない。即ち、多数の通行者が連続的に通行する場合、通行者の間をすり抜けて逆行しようとする不正通行者を検知することができなくなる。この点を改善するために、逆行する不正通行者を検知するように、出口側から入り口側に移動する逆行者を検知するように、測距センサも設けてあるが、充分ではなかった。
【0005】
本発明は、通路内における通行者の滞留を防止しつつ、不正通行者の逆行を確実に阻止できるゲート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるゲート装置は、直線状の通路を有している。この通路は、間隔を隔てて、例えば平行に配置された一対の壁体間に形成されている。この通路を仕切った姿勢で一方向に移動し、例えば通路の入口側と出口側とを遮断するように通路を仕切った姿勢で、前記通路に沿って仕切り手段が入口側から出口側に移動し、かつ循環移動する。例えば入口側から出口側まで移動し、その後に入口側に戻ることを繰り返す。なお、仕切り手段は入口側から出口側に移動する際には、通路を仕切る必要があるが、出口側から入口側に戻る際には通路を仕切る必要はない。
【0007】
このように構成されたゲート装置では、仕切り手段よりも、通路の正規の進行方向側にいる通行者を押し出す。従って、通行者が通路内に滞留することはない。かつ、仕切り手段によって通路が仕切られているので、不正通行者は正規の進行方向とは逆方向に進行することが不可能で、不正通行者の逆行を確実に阻止することができる。
【0008】
前記仕切り手段を前記通路に沿って間隔をおいて複数配置することができる。この場合、各仕切り手段のうち1つが前記通路を仕切った姿勢で前記通路に存在するように、各仕切り手段が同期動作させられている。
【0009】
このように構成することによって、通路の入口側と出口側とが連通した状態になる事がほとんど無く、不正通行者の逆行をより確実に阻止することができる。
【0010】
前記仕切り手段は、前記壁体に沿って往復自在な搬送手段に設けることができる。この場合、仕切り手段は、スイング自在に搬送手段に支持され、前記通路の入口側及び出口側においてスイング動作して、前記通路と交差する姿勢若しくは前記壁体に沿った姿勢をとる。
【0011】
このように構成すると、仕切り手段が通路と交差する姿勢と壁体に沿った姿勢とをとるので、仕切り手段の収納スペースが小さくなる。
【0012】
仕切り手段は、扉状のものとすることもできるが、パイプ状の柵部材で構成する事が望ましい。このように柵状部材で構成すると、軽量であるので、通行者に接触したとしても通行者にけがをさせにくいし、通行者に圧迫感がなく、壁体への収納も容易である。
【0013】
また、通路の入口側前方に、通行者の通行を一時的に規制する自動ゲートを設置することもできる。この自動ゲートを設置すると、通路内に入った後、自動ゲートを閉じることによって、それ以上、通行者が通路内に入ることがなく、仕切り手段と通行者とが接触することを未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、通路内に通行者が滞留することを防止できる上に、不正通行者が逆行することを確実に阻止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態のゲート装置は、図1(b)に示すように、間隔を隔てて平行に配置された1対の壁体2a、2bを有している。これら壁体2a、2bは、同図(a)、(c)に示すように扁平な直方体状に形成され、これらの間に直線状の通路4が形成されている。この通路4は、図1(a)に示す左端が入口で、同図に示す右端が出口である。入口から通路4内に入った通行者は、通路4を通行して、出口から出る。これら壁体2a、2bの上面には、矩形の枠体6a、6bが取り付けられ、これら枠体6a、6bには、同図(c)に示すようにガラス8が嵌め込まれている。このようにガラス8入りの枠体6a、6bを設けることによって、通行者が通路4から壁体2a、2bを乗り越えて、壁体2a、2bの外部に移動することを防止している。
【0016】
壁体2aには、仕切り手段、例えば柵部材10が設けられている。この柵部材10は、図1(b)に示すように複数、例えば4本のパイプ10a乃至10dを上下方向に間隔をあけて配置したもので、図1(a)、(b)に示すように通路4に交差して、即ち壁体2aの側面に対してほぼ垂直に位置して、通路4を入口側と出口側とを遮断した姿勢をとることができるし、この遮断姿勢から図1(a)に示す矢印と反対方向にスイングして、壁体2a内に侵入し、図3に破線で示すように壁体2a内で壁体2aの長さ方向と平行となり、通路4の入口側と出口側とを連通させた連通姿勢となることもできる。更に、この柵部材10は、図1(a)に示すように入口側で遮断姿勢をとると、そのまま出口側まで移動し、出口側で連通姿勢をとり、その連通姿勢のまま入口側まで移動し、入口側で再び遮断姿勢となることを繰り返すことができる。
【0017】
そのため、図1(c)に示すように、各パイプ10a乃至10dに対応して、壁体2aには、その長さ方向に沿って溝12a乃至12dが形成され、これら溝12a乃至12d内にパイプ10a乃至10dの端部が挿入されている。
【0018】
図2に拡大して示すように、各パイプ10a乃至10dの端部は、壁体2a内に上下方向に配置された回転軸14に取り付けられている。この回転軸14は、その両端部近傍に設けられた軸受け16、16によって、回転軸14の中心軸の回りに回転自在に移動体18に固定されている。図2及び図3に示すように、回転軸14の上端部には従動プーリ20が取り付けられ、移動体18の上面には柵部材用の駆動部22が取付られている。この駆動部22に設けた駆動プーリ24と従動プーリ20とがベルト26によって連結されている。従って、駆動部22によって駆動プーリ24を正転または逆転させることによって、各パイプを遮断姿勢または連通姿勢とすることができる。なお、図3に符号28a、28bで示すのは、遮断姿勢または連通姿勢となったときに、それ以上パイプ10a乃至10dが回転することを阻止するためのストッパである。
【0019】
図2に示すように壁体2a内には、入口側から出口側まで1条のレール30が水平に設けられ、このレール30上に、移動体18に軸が水平に取り付けられたローラ32が支持されている。これによって、移動体18の重量は、レール30によって受けられている。また、レール34、36も壁体2a内に入口側から出口側まで水平に設けられている。これらレール34、36は、互いに対向する方向に設けられ、これらに移動体18に軸が垂直に設けられた2つのローラ38、40が接触し、移動体18の横揺れを防止している。
【0020】
さらに、壁体2a内には、その入口側に移動体用の駆動部42が取り付けられ、これには駆動プーリ44が取り付けられている。図示していないが、出口側には、駆動プーリ44と同じ高さ位置に従動プーリが設けられ、これら駆動プーリ44と従動プーリとの間にベルトが張架され、このベルトが移動体18に結合されている。従って、駆動部42が正転及び逆転することによって、移動体18が入口側から出口側に、出口側から入口側に往復移動する。
【0021】
図4乃至図6を参照して、このゲート装置を正規の通行者のみが通過する場合について説明する。図4(a)に示すように柵部材10が通路4の入口側で遮断姿勢であり、入口側に通行者が存在するとする。この状態において柵部材10は、矢印で示すように出口側に向かって一定速度で走行を開始する。所定時間tが経過するごとに同図(b)乃至(f)に示すように柵部材10は出口側に向かって移動し、この柵部材10に追従して、通行者が順次通路4内に入る。移動を開始してから6t時間後には、図5(a)に示すように柵部材10は通路4のほぼ中央まで移動している。この状態から所定時間tが経過するごとに、同図(b)乃至(c)に示すように柵部材10が徐々に出口側に近づき、この柵部材10の移動に追従して通行者は更に出口側に進行する。移動開始から9t時間経過後には、同図(d)に示すように柵部材10が出口の近傍の出口側停止位置に到達し、柵部材10の移動は停止される。そして柵部材10は壁体2a側へスイングを開始する。同図(e)は更に所定時間tが経過したときの柵部材10が矢印で示すように壁体2a側にスイングしている状態を示す。そして、所定時間tが経過すると、同図(f)に示すように柵部材10は、壁体2a内に収容され、連通姿勢となり、出口側と入口側とが連通した状態となる。これによって通行者は出口から通路4の外部に出ることが可能になる。また矢印で示すように柵部材10は壁体2a内に収容された状態の連通姿勢のまま入口側に向かって移動を開始する。但し、この移動速度は、入口側から出口側への移動速度よりも高速である。
【0022】
出口に到達してから所定時間tの経過後には、図6(a)に示すように、柵部材10はほぼ通路4の中央まで移動している。この間に出口から順に通行者が通路4の外へ出て行く。更に、所定時間tが経過すると、同図(b)に示すように、柵部材10は入口に到達している。この間、まだ通行者は出口から通路4の外に出て行っている。そして、柵部材10は出口と入口とを遮断するようにスイングを開始する。更に所定時間tが経過したとき、同図(c)に示すように柵部材10は、遮断姿勢に向かってスイングしている。更に所定時間tが経過したとき、柵部材10は同図(d)に示すように完全に遮断姿勢となり、以後、再び出口側に向かって移動を開始する。
【0023】
このように、柵部材10は遮断状態で入口側から出口側まで一定速度で移動し、出口に到達すると連通姿勢となり、この連通姿勢のまま高速で出口側から入口側に移動し、入口側で再び遮断姿勢となることを繰り返している。従って、柵部材10の進行に従って通行者が移動することによって、通路4内に通行者が滞留することなく、通路4内を進行することができる。
【0024】
次に、逆行者が存在する場合について図7を参照して説明する。図7(a)は、図5(f)に相当する状態で、柵部材10が出口側で連通姿勢になり、正規の通行者が出口から出ようとしているときに、逆行者が出口から通路4内に入った状態を示している。正規の通行者の間を通り抜けて逆行者は入口側へ移動する。しかし、柵部材10は高速で入口側に向かって移動するので、同図(b)に示すように所定時間tの経過後に柵部材10が通路4のほぼ中央にまで移動しており(図6(a)に相当する状態)、逆行者は通路4の中央付近には到達していない。更に、所定時間tが経過したとき、同図(c)に示すように柵部材10は入口に到達している。このとき、まだ逆行者は入口には到達していない。このときから、柵部材10は遮断姿勢に向かってスイングを開始し、所定時間tの経過後には、同図(d)に示すように遮断状態に向かってスイング中である。このときも、まだ逆行者は、入口には到達していない。更に所定時間tが経過すると、同図(e)に示すように、柵部材10は完全に遮断姿勢となる。このとき、まだ逆行者は入口には到達していない。更に所定時間tが経過すると、同図(f)に示すように、柵部材10は出口側に移動しており、逆行者は柵部材10によってそれ以上入口側に移動することを阻止され、出口側に押し戻される。
【0025】
このように逆行者の入口側から通路4を出ることを阻止するために、柵部材10が出口側から入口側へ移動する速度は、逆行者が出口側から入口側へ移動するのに要する時間よりも短い時間で柵部材10が出口側から入口側へ移動することができる高速度とされている。
【0026】
例えば、柵部材10を連通姿勢にする場合、例えば入口側または出口側において柵部材10を入口または出口の外側に、側壁2aまたは側壁2bと一直線になるまで旋回させて、連通姿勢とすることもできる。しかし、これでは、通路4の入口及び出口の外側に柵部材10がスイングするためのスペースを確保する必要がある。しかし、このゲート装置では、柵部材10は、遮断姿勢から連通姿勢に変化する際、入口側及び出口側いずれでも、通路4内でスイングしているので、ゲート装置の設置スペースを小さくすることができる。
【0027】
柵部材10を連通姿勢とするとき、側壁2内に収容せず、側壁2の表面に柵部材10が接触するようにすることもできる。しかし、これでは、柵部材10が通路4内に位置するので、通行者の通行スペースが少なくなる。これに対し、このゲート装置では、連通姿勢の際、柵部材10は、側壁2a内に収容されているので、通路4内で通行者の通行スペースを大きくとることができ、通行者の通行の阻害となることもない。
【0028】
柵部材10が通路4の出口側から入口側に移動する際、例えば柵部材10を出口の外方を旋回して、通路4の外面側(側壁2aを挟んで通路4の外側)において側壁2aに対して平面から見て垂直な状態として、入口側まで移動し、入口側において入口の外方を旋回して通路4内で側壁2aに対して平面から見て垂直な状態として遮断姿勢とすることもできる。しかし、これでは、側壁2aの外面側に柵部材10が異動するためのスペースが必要になる。このゲート装置では、柵部材10は側壁2a内を移動しているので、柵部材10専用の移動スペースが不要である。
【0029】
本発明の第2の実施形態のゲート装置を図8乃至図11を参照して説明する。このゲート装置では、通路4の入口側に自動ゲート50が設置されている。この自動ゲート50は、壁体2a、2bと平行に配置された壁体50a、50bを有し、これらの間に形成された通路を開閉する両開きの扉50c、50dを壁体50a、50bに設けたものである。他の構成は、第1の実施形態のゲート装置と同一である。同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0030】
このように構成された自動ゲート装置は、逆行者がいない場合、次のように動作する。図8(a)に示すように、自動ゲート装置50の扉50c、50dが閉じており、柵部材10も通路4を遮断しているとする。この状態から扉50c、50dが通路を開く方向にスイングする。同図(b)は、同図(a)から所定時間tが経過して、扉50c、50dがスイングしている途中の状態を示す。このとき、柵部材10は、通路4を遮断した状態のままである。同図(b)から所定時間tが経過したとき、同図(c)に示すように、扉50c、50dが通路を完全に開き、自動ゲート装置50の外側にいた通行者が自動ゲート装置の通路内に入る。このとき、柵部材10が出口側への移動を開始する。以下、所定時間tが経過する毎に、柵部材10は、同図(d)乃至(f)、図9(a)乃至(d)に示すように等速で順に出口側に移動する。この間に、各通行者が自動ゲート装置50の通路を経て通路4内に入る。
【0031】
図9(c)に示す時点から自動ゲート装置50の扉50c、50dはそれの通路を閉じるようにスイングを開始しており、同図(d)の過程を経て同図(e)に示す時点で完全に自動ゲート装置50の扉50c、50dが通路を閉じている。これによって、以後、新たな通行者が通路4内に入ることが防止される。
【0032】
また、同図(e)に示す時点では、柵部材10は、出口側の停止位置まで移動しており、ここで移動を停止し、通路4を開くようにスイングを開始する。同図(f)は同図(e)から所定時間tが経過した時点を示し、柵部材10が連通姿勢に向けてスイングしている途中を示す。図10(a)は、更に所定時間tが経過した時点において、柵部材10が完全に通路4を連通状態とし、通路4内の各通行者が出口を介して通路4から外に出ることが可能となっている。このとき、柵部材10は入口側に向かって高速での移動を開始する。
【0033】
所定時間t経過後には、同図(b)に示すように柵部材10が通路4の中途を入口側に向かって高速で移動しており、更に所定時間t経過後には、同図(c)に示すように入口側の停止点に到達し、通路4を遮断状態とするために柵部材10がスイングを開始する。さらに所定時間t経過後には、同図(d)に示すように柵部材10はスイングの途中であり、更に所定時間t経過後には、同図(e)に示すように、柵部材10は完全に遮断状態となる。以下、自動ゲート装置50の扉50c、50dが図8(b)乃至(c)に示したのと同様に開き、以下、図8(c)以降に示したのと同様に動作する。
【0034】
次に、図11を参照して逆行者が存在する場合について説明する。図11(a)は、図10(a)に相当する状態で、柵部材10が出口側で連通姿勢になり、正規の通行者が出口から出ようとしているときに、逆行者が出口から通路4内に入った状態を示している。正規の通行者の間を通り抜けて逆行者は移動する間に、柵部材10は高速で移動し、同図(b)に示すように所定時間tの経過後に柵部材10が通路4のほぼ中央にまで移動している。このとき、逆行者は柵部材10に追いついてはいない。更に、所定時間tが経過したとき、同図(c)に示すように柵部材10は入口に到達する。このとき、まだ逆行者は入口には到達していない。このときから、柵部材10は遮断姿勢となるようにスイングを開始し、所定時間tの経過後には、同図(d)に示すようにスイング中である。このときも、まだ逆行者は、入口には到達していない。更に所定時間tが経過すると、同図(e)に示すように柵部材10は、完全に遮断姿勢となる。このとき、まだ逆行者は入口には到達していない。更に所定時間tが経過すると、同図(f)に示すように、柵部材10は遮断姿勢であり、逆行者は柵部材10によってそれ以上入口側に移動することを阻止される。なお、このように逆行者が通路4内に入ったときには、既に自動ゲート装置50の扉50c、50dが閉じているので、何らかの原因で柵部材10が入口側で遮断姿勢になる前に、逆行者が入口側に到達したとしても、自動ゲート装置50によって遮断されているので、自動ゲート装置を越えて逆行者が逆行することはない。
【0035】
図12乃至図14を参照して、第3の実施形態のゲート装置を説明する。このゲート装置は、第1の実施形態と同一構成であり、同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。このゲート装置は、柵部材10が入口側から出口側に移動するまでは、第1の実施形態のゲート装置と同様に動作する。出口側で正規の通行者を通路4から外部に出すために通路4を連通状態とするように柵部材10がスイングした後、出口側から入口側へ移動する。この際、その前に通路4を遮断状態にするために図12(a)、(b)に矢印で示すように柵部材10がスイングする。遮断状態とすると、そのまま同図(c)、(d)、(e)、(f)、図13(a)乃至(e)に示すように一定の速度で入口側に移動する。通路4を遮断状態としたまま柵部材10が移動しているので、出口側から入口側に向かって柵部材10が移動する速度は、入口側から出口側に向かって移動する速度と同じである。入口側に到達すると、柵部材10は、そのままの遮断姿勢で出口側に向かって移動する。
【0036】
図14(a)、(b)に示すように出口側において柵部材10が遮断姿勢となるようにスイングしている最中に、逆行者が通路4に出口側から侵入した場合、同図(c)に示すように柵部材10が完全に遮断姿勢になって入口側に移動を開始したとき、同図(d)に示すように柵部材10を越えて入口側に移動することができず、そのまま入口側まで移動する。入口側に到達した柵部材10は遮断姿勢のまま出口側に移動する。従って、逆行者は入口側から通路4の外に出ることはできない。
【0037】
なお、第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に入口側に自動ゲート装置50を設けることができる。また、第1乃至第3の実施形態では、柵部材10は側壁2a側にのみ設けたが、側壁2b側にも柵部材10を設け、これら2つの柵部材が同時に遮断姿勢をとったとき両者が側壁2a、2bを平面視したとき両者に対して垂直に一直線状となって通路4の出口側と入口側とを遮断し、これら2つの柵部材が同時に側壁2a、2b側に連通姿勢をとったとき両者が共に側壁2a、2b内に収容されて、両者によって通路4の入口側と出口側とが連通させられるように構成してもよい。
【0038】
図15乃至図19を参照して、第4の実施形態のゲート装置を説明する。このゲート装置では、側壁2aに柵部材10aが、側壁2bに柵部材10bが設置されている。柵部材10a、10bは、それぞれ通路4を連通状態または遮断状態とするためにスイング可能であり、かつ入口側から出口側へ、また出口側から入口側へ移動可能なものであり、そのための機構は第1の実施形態の自動ゲート装置に関連して説明したものと同一であるので、詳細な説明は省略する。但し、柵部材10aが入口側で遮断姿勢をとるとき、柵部材10bが出口側で連通姿勢をとり、柵部材10aが出口側で遮断姿勢をとるとき、柵部材10bは入口側で連通姿勢をとるように構成されている。
【0039】
正規の通行者が通行する場合について、図15乃至図18を参照して説明する。まず図15(a)に示すように柵部材10aが入口側において遮断姿勢であり、かつ柵部材10bが出口側で連通姿勢であるとする。この状態から柵部材10aは出口側へ、柵部材10bは入口側へ、それぞれ同じ速度で移動を開始し、図15(b)乃至(f)、図16(a)乃至(c)の過程を経て、図16(d)に示すように柵部材10aは出口側の停止位置に、柵部材10bは入口側の停止位置に到達し、それぞれ同時に停止する。この間、柵部材10aの移動に従って、入口側からの通行者が順に通路4内に入っている。
【0040】
図16(d)に示す両停止位置において、柵部材10aは、通路4を連通状態とするようにスイングを開始し、かつ柵部材10bは通路4を遮断状態とするようにスイングを開始する。図16(e)は、このスイング中の状態を示す。柵部材10a、10bのスイングは同期して行われる。
【0041】
図16(f)は、柵部材10a、10bがスイングを完了した状態を示し、これによって柵部材10aの後方にいた各通行者は、出口4から通路4の外部に出ることができ、一方、遮断姿勢にある柵部材10bによって、入口から新たな通行者が通路4内に入ることが阻止される。
【0042】
この状態から、柵部材10aは入口側への移動を開始し、柵部材10bは出口側への移動を開始する。その結果、図17(a)乃至(f)、図18(a)の過程を経て、図18(b)に示すように、柵部材10aは入口側の停止位置に、柵部材10bは出口側の停止位置にそれぞれ到達する。この間、柵部材10bの後方にいた各通行者は、柵部材10bの移動に従って通路4内を進行している。
【0043】
図18(b)に示す柵部材10aが入口側の停止位置に、柵部材10bが出口側の停止位置にそれぞれ位置する状態から、柵部材10aは遮断姿勢に、柵部材10bは連通姿勢に同期してスイングを開始し、図18(c)の過程を経て、同図(d)に示すように、柵部材10aは完全に遮断姿勢に、柵部材10bは完全に連通姿勢になる。即ち、図15(a)に示したのと同じ状態になる。以下、図15(b)以降に示したのと同様に柵部材10a、10bは動作し、通路4内の通行者は出口から外部に出ることができ、新たな通行者は柵部材10aの移動に従って、通路4内に入る。
【0044】
図19を参照して、通路4を逆行する逆行者がある場合について説明する。図19(a)に示すように、柵部材10aが出口側停止位置に到達し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に到達するまでは、図15(a)乃至図16(d)に示したのと同様に、柵部材10a、10bは移動する。そして、図19(b)に示すように柵部材10a、10bがスイングしている最中に、逆行者が通路4内に侵入したとする。この場合、同図(c)に示すように逆行者が通路4を入口側に移動している間に、入口側の柵部材10bが通路4を完全に遮断状態とする。そして、同図(d)に示すように遮断状態の柵部材10bが出口側に向かって移動してくるので、逆行者は、出口側に押し戻され、通路4を逆行することが不可能となる。
【0045】
図20乃至図24を参照して、第5の実施形態のゲート装置を説明する。このゲート装置は、第4の実施形態のゲート装置に第2の実施形態で示した自動ゲート装置50を設置したものである。第2及び第4の実施形態と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
図20(a)に示すように自動ゲート装置50の扉50c、50dが自動ゲート装置50の通路を閉じ、柵部材10aが入口側で遮断姿勢、柵部材10bが出口側で連通姿勢をとっているとする。この状態において扉50a、50bが自動ゲート装置50の通路を開くようにスイングを開始し、同図(b)に示すような過程を経て、同図(c)に示すように完全に自動ゲート装置50の通路を開く。この状態から柵部材10aが出口側へ、柵部材10bが入口側へそれぞれ等速で移動を開始し、同図(d)乃至(f)、図21(a)乃至(c)のように移動する。この間、扉50c、50dが開放されたままであるので、柵部材10aの移動に従って自動ゲート装置50を経て通行者が通路4内に入り、柵部材10aの移動に従って、通路4を出口側に進行する。
【0047】
柵部材10aが更に出口側に近づき、柵部材10bが更に入口側に近づくと、自動ゲート装置50の扉50c、50dがスイングを開始し、同図(d)に示す過程を経て、同図(e)に示すように、柵部材10aが出口側停止位置に完全に到達し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に到達したとき、扉50a、50bは完全に自動ゲート装置50の通路を閉じている。従って、以後、新たな通行者が通路4内に入ることはない。
【0048】
その後、柵部材10a、10bが同期してスイングを開始し、同図(f)に示す過程を経て、図22(a)に示すように、完全に柵部材10aが連通姿勢に、柵部材10bが遮断姿勢になると、通路4内の通行者は出口から通路4の外部に出ることが可能となる。また、自動ゲート装置50の扉50c、50dが遮断姿勢であり、かつ入口側にある柵部材10bも遮断姿勢であるので、通路4には入口側から新たな通行者は全く入ることはできない。
【0049】
この後、柵部材10aは入口側に向かって、柵部材10bは出口側に向かってそれぞれ移動を開始するが、このとき、同時に同図(b)に示すように、自動ゲート装置50の扉50c、50dもそれの通路を開くようにスイングを開始する。そして、柵部材10aが更に入口側に移動し、かつ柵部材10bが更に出口側に移動したとき、同図(c)に示すように、扉50c、50dが完全に通路を開き、以後、同図(d)乃至(f)、図23(a)に示すように柵部材10a、10bが移動し、通行者も通路4内を柵部材10bの移動に従って入口側から通路4内に進行する。更に、柵部材10aが入口側に移動し、かつ柵部材10bが出口側に移動すると、同図(b)に示すように、自動ゲート装置50の扉50c、50dがそれの通路を閉じるようにスイングを開始し、同図(c)に示すように柵部材10aが入口側停止位置に到達し、かつ柵部材10bが停止位置に到達したとき、扉50c、50dは自動ゲート装置50の通路を完全に閉じている。そして、同図(d)に示すように柵部材10a、10bがそれぞれ同期してスイングして、同図(e)に示すように柵部材10aが完全に通路4を遮断し、柵部材10bが通路4を連通状態とする。以後、柵部材10aは、直ちに出口側に向かって移動し、かつ柵部材10bは入口側に向かって移動し、扉50c、50dが自動ゲート装置50の通路を開き、上述したのと同様にして正規の通行者を移動させる。なお、当初に、扉50c、50dのスイングが完了した後に、柵部材10a、10bのスイングを開始させたが、扉50c、50dのスイングと、柵部材10a、10bのスイングとを同時に開始することもできる。
【0050】
図24を参照して、逆行者が通路4内に侵入した場合について説明する。図24(a)に示すように、柵部材10aが出口側停止位置に到達し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に到達するまでは、図20(a)乃至図21(e)に示したのと同様に、柵部材10a、10b及び自動ゲート装置50の扉50c、50dは動作する。そして、図24(b)に示すように柵部材10a、10bがスイングしている最中に、逆行者が通路4内に侵入したとする。この場合、同図(c)に示すように逆行者が通路4を入口側に移動している間に、入口側の柵部材10bが通路4を遮断状態とする。そして、同図(d)に示すように自動ゲート装置50の扉50c、50dは通路を開くようにスイングしているが、遮断状態の柵部材10bが出口側に向かって移動してくるので、逆行者は、出口側に押し戻され、通路4を逆行することが不可能である。
【0051】
図25乃至図28を参照して、第6の実施形態のゲート装置を説明する。このゲート装置は第4の実施形態のゲート装置と同一の構成で、柵部材10a、10bの遮断状態、連通状態へのスイングがインターロックされているものである。
【0052】
図25(a)に示すように、柵部材10aが出口側停止位置に停止し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に停止するまでは、図15(a)乃至図16(d)と同一の動作をする。この状態において、柵部材10aが遮断状態を維持したまま、柵部材10bが遮断状態になるようにスイングを開始し、図25(b)に示す過程を経て、同図(c)に示すように、両柵部材10a、10bが遮断状態となる。この状態から柵部材10aが連通状態にスイングを開始し、同図(d)に示す状態を経て、同図(e)に示すように柵部材10aが連通姿勢、柵部材10bが遮断姿勢をとる。
【0053】
その後、同図(f)、図26(a)乃至(f)の過程を経て、図27(a)に示すように柵部材10aが入口側停止位置に到達し、柵部材10bが出口側停止位置に到達する。この間に、通路4内に既に進行していた通行者は通路4から出口を経て外部に出ており、柵部材10bの進行に従って新たな通行者が通路4内に入っている。
【0054】
この状態において、柵部材10bが遮断状態を維持し、柵部材10aが遮断姿勢に向かってスイングを開始し、同図(b)の過程を経て、同図(c)に示すように両柵部材10a、10bが遮断姿勢となる。この後、柵部材10bが連通姿勢に向かってスイングを開始し、同図(d)に示す過程を経て、同図(e)に示すように、柵部材10aが遮断姿勢、柵部材10bが連通姿勢になる。以後、上述したのと同様に動作する。
【0055】
逆行者が通路4内に侵入した場合について、図28を参照して説明する。図28(a)に示すように、柵部材10a、10bが共に遮断状態になるまでは、上述したのと同様に動作している。柵部材10aが連通姿勢に向かってスイングしている際に、同図(b)に示すように逆行者が通路4内に侵入すると、同図(c)に示すように逆行者が通路4を入口側に向かって進行しても、既に柵部材10bは遮断状態であり、同図(d)に示すように、柵部材10bが出口側に向かって進行することによって、逆行者の進行は阻止される。
【0056】
図29乃至図34を参照して、第7の実施形態のゲート装置について説明する。このゲート装置は、第6の実施形態のゲート装置に、第2の実施形態で示した自動ゲート装置50を設けたものである。
【0057】
図29乃至図33を参照して、正規の通行者のみが通行する場合について説明する。図29(a)に示すように自動ゲート装置50の扉50c、50dが自動ゲート装置50の通路を閉じ、柵部材10aが入口側で遮断姿勢、柵部材10bが出口側で連通姿勢にあるとする。この状態において扉50a、50bが自動ゲート装置50の通路を開くようにスイングを開始し、同図(b)に示すような過程を経て、同図(c)に示すように完全に自動ゲート装置50の通路を開く。この状態から柵部材10aが出口側へ、柵部材10bが入口側へそれぞれ等速で移動を開始し、同図(d)乃至(f)、図30(a)乃至(c)のように移動する。この間、扉50c、50dが開放されたままであるので、柵部材10aの移動に従って自動ゲート50を経て通行者が通路4内に入り、柵部材10aの移動に従って、通路4を出口側に進行する。
【0058】
柵部材10aが更に出口側に近づき、柵部材10bが更に入口側に近づくと、自動ゲート装置50の扉50c、50dが同図(d)に示すように遮断状態に向かってスイングする。その後、柵部材10aが出口側停止位置に完全に到達し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に到達したとき、同図(e)に示すように扉50a、50bは完全に自動ゲート装置の通路を閉じている。従って、以後、新たな通行者が通路4内に入ることはない。
【0059】
その後、同図(f)に示すように柵部材10bのみがスイングし、図31(a)に示すように、両柵部材10a、10bが遮断姿勢になる。その後、同図(b)に示すように柵部材10aが連通姿勢に向かってスイングし、同図(c)に示すように柵部材10aが完全に連通姿勢になる。これによって、通路4内の通行者は出口から外部に出ることが可能となる。また、自動ゲート装置50の扉50c、50dが遮断状態であり、かつ入口側にある柵部材10bも遮断状態であるので、通路4には新たな通行者は全く入ることはできない。
【0060】
この後、同図(d)に示すように、柵部材10aは入口側に向かって、柵部材10bは出口側に向かってそれぞれ移動を開始し、同図(e)、(f)、図32(a)、(b)の過程を経て、同図(c)の状態となるが、このとき、同時に自動ゲート装置50の扉50c、50dもそれの通路を閉じるようにスイングを開始する。そして、柵部材10aが入口側停止位置に移動し、かつ柵部材10bが出口側停止位置に到達したとき、同図(e)に示すように、扉50c、50dが完全に自動ゲート装置50の通路を閉じる。その後、柵部材10aが同図(f)に示すように遮断姿勢となるようにスイングを開始し、図33(a)に示すように両柵部材10a、10bが遮断姿勢になる。その後、柵部材10bが連通姿勢に向かってスイングを開始し、同図(b)に示す過程を経て、同図(c)に示すように完全に連通姿勢になる。以後、柵部材10aが出口側に向かって移動を開始し、かつ柵部材10bが入口側に向かって移動を開始し、自動ゲート装置50の扉50a、50bが通路を開くようにスイングを開始する。
【0061】
図33を参照して、逆行者が通路4内に侵入した場合について説明する。図33(a)に示すように柵部材10bが入口側で遮断姿勢であり、柵部材10aが出口側で遮断姿勢になるまでは、上述したのと同一の動作である。この状態において、柵部材10aが連通姿勢になるようにスイングを開始した際、同図(b)に示すように逆行者が通路4内に侵入し、同図(c)に示すように通路4内を入口側に向かって進行しても、同図(d)に示すように遮断状態の柵部材10bが入口側に向かって進行するので、逆行者は、それ以上の進行が阻止される。
【0062】
上記の各実施形態では、柵部材10、10a、10bを使用したが、これに代えて扉を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施形態のゲート装置の平面図、側面図及び側面図におけるa−a線に沿う断面図である。
【図2】図1のゲート装置の柵部材の旋回機構及び移動機構を示す縦断面図である。
【図3】図2の旋回機構及び移動機構の部分省略平面図である。
【図4】図1のゲート装置の柵部材が入口側から通路の中央付近まで移動していく過程を示す平面図である。
【図5】図1のゲート装置の柵部材が通路の中央付近から出口まで移動していく過程を示す平面図である。
【図6】図1のゲート装置の柵部材が出口から入口まで移動していく過程を示す平面図である。
【図7】図1のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のゲート装置が入口側から通路の中央付近まで移動していく過程を示す平面図である。
【図9】図8のゲート装置の柵部材が通路の中央付近から出口まで移動していく過程を示す平面図である。
【図10】図8のゲート装置の柵部材が出口から入口まで移動していく過程を示す平面図である。
【図11】図8のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態のゲート装置の柵部材が出口から通路の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図13】図12のゲート装置の柵部材が通路4の中央付近から入口まで移動する過程を示す平面図である。
【図14】図12のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図15】本発明の第4の実施形態のゲート装置の一方の柵部材が入口側から通路4の中央付近まで、他方の柵部材が出口側から通路4の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図16】図15のゲート装置の一方の柵部材が通路4の中央付近から出口まで、他方の柵部材が通路4の中央付近から入口まで移動する過程を示す平面図である。
【図17】図15のゲート装置の一方の柵部材が出口付近から入口付近まで、他方の柵部材が入口付近から出口付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図18】図15のゲート装置の一方の柵部材が入口付近から入口まで、他方の柵部材が出口付近から出口まで移動する過程を示す平面図である。
【図19】図15のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図20】本発明の第5の実施形態のゲート装置の一方の柵部材が入口側から通路4の中央付近まで、他方の柵部材が出口側から通路4の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図21】図20のゲート装置の一方の柵部材が通路4の中央付近から出口まで、他方の柵部材が通路4の中央付近から入口まで移動する過程を示す平面図である。
【図22】図20のゲート装置の一方の柵部材が出口から通路の中央付近まで、他方の柵部材が入口から通路の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図23】図20のゲート装置の一方の柵部材が通路の中央付近から入口まで、他方の柵部材が通路の中央付近から出口まで移動する過程を示す平面図である。
【図24】図20のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図25】本発明の第6の実施形態のゲート装置の一方の柵部材が出口付近で遮断姿勢であって、他方の柵部材が入口付近で連通姿勢にある状態から、一方の柵部材が出口付近で連通姿勢に、他方の柵部材が入口付近で遮断姿勢にスイングする過程を示す平面図である。
【図26】図25のゲート装置の一方の柵部材が出口付近にあって、他方の柵部材が入口付近にある状態から、一方の柵部材が入口付近に、他方の柵部材が出口付近にある状態まで移動する過程を示す図である。
【図27】図25のゲート装置の一方の柵部材が入口付近で連通姿勢であって、他方の柵部材が出口付近で遮断姿勢にある状態から、一方の柵部材が入口付近で遮断姿勢に、他方の柵部材が出口付近で連通姿勢にスイングする過程を示す平面図である。
【図28】図25のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図29】本発明の第7の実施形態のゲート装置の一方の柵部材が入口側から通路4の中央付近まで、他方の柵部材が出口側から通路4の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図30】図29のゲート装置の一方の柵部材が通路4の中央付近から出口まで、他方の柵部材が通路4の中央付近から入口まで移動する過程を示す平面図である。
【図31】図29のゲート装置の一方の柵部材が出口付近で遮断姿勢であって、他方の柵部材が入口付近で遮断姿勢にある状態から、一方の柵部材が連通姿勢にスイングして通路4の中央付近に移動し、他方の柵部材が通路4の中央付近まで遮断姿勢で移動する過程を示す図である。
【図32】図29のゲート装置の一方の柵部材が通路4の中央付近で連通姿勢で、他方の柵部材が通路4の中央付近で遮断姿勢にある状態から、一方の柵部材が入口付近で遮断姿勢にスイングし、他方の柵部材が出口付近で遮断姿勢のまま移動する過程を示す平面図である。
【図33】図29のゲート装置の一方の柵部材が入口付近で遮断姿勢を維持し、他方の柵部材が出口付近で遮断姿勢から連通姿勢にスイングする過程を示す図である。
【図34】図29のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【符号の説明】
【0064】
2a、2b 側壁
4 通路
10、10a、10b 柵部材(仕切り手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、正規の通行順路を逆方向に通行しようとする不正侵入者の通行を阻止するゲート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記のようなゲート装置の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の技術では、通路上に両開きの扉が設けられている。通路上での通行者の移動方向を検出するために複数のセンサが設けられている。通路上での予め定められた移動方向と反対方向に移動する通行者を前記センサが検出したとき、扉が閉じられる。例えば通路の入口側から出口側にA、B、Cの3つの検知領域を持つようにセンサが配置され、通行者が検知領域Aで検知され、次に検知領域Bで検知され、検知領域Cで検知された場合、通行者は正規に入口から出口に通行していると判断され、扉は開放状態を維持している。例えば通行者が検知領域Cで検知され、次に検知領域Bで検知されたなら、通行者は出口側から入口側に逆行していると判断され、扉が閉じられ、不正通行者の通行が阻止される。
【0003】
【特許文献1】特開2001−216544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、多数の通行者が通路を移動する混在状態において、別々の通行者が、隣接する検知領域で同時に検知されることが継続することがある。例えば或る時点で検知領域A、B、Cの全てで通行者が検知され、次の時点でも全ての検知領域A、B、Cで通行者が検知されると、最初の時点で検知領域Aで検知された通行者が検知領域Bで検知され、かつ新たな通行者が検知領域Aで検知されたのか、最初の時点で検知領域Aで検知された通行者が検知領域Bで検知され、かつ検知領域Bで検知された通行者が検知領域Aで検知されたのか判別することができない。即ち、多数の通行者が連続的に通行する場合、通行者の間をすり抜けて逆行しようとする不正通行者を検知することができなくなる。この点を改善するために、逆行する不正通行者を検知するように、出口側から入り口側に移動する逆行者を検知するように、測距センサも設けてあるが、充分ではなかった。
【0005】
本発明は、通路内における通行者の滞留を防止しつつ、不正通行者の逆行を確実に阻止できるゲート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるゲート装置は、直線状の通路を有している。この通路は、間隔を隔てて、例えば平行に配置された一対の壁体間に形成されている。この通路を仕切った姿勢で一方向に移動し、例えば通路の入口側と出口側とを遮断するように通路を仕切った姿勢で、前記通路に沿って仕切り手段が入口側から出口側に移動し、かつ循環移動する。例えば入口側から出口側まで移動し、その後に入口側に戻ることを繰り返す。なお、仕切り手段は入口側から出口側に移動する際には、通路を仕切る必要があるが、出口側から入口側に戻る際には通路を仕切る必要はない。
【0007】
このように構成されたゲート装置では、仕切り手段よりも、通路の正規の進行方向側にいる通行者を押し出す。従って、通行者が通路内に滞留することはない。かつ、仕切り手段によって通路が仕切られているので、不正通行者は正規の進行方向とは逆方向に進行することが不可能で、不正通行者の逆行を確実に阻止することができる。
【0008】
前記仕切り手段を前記通路に沿って間隔をおいて複数配置することができる。この場合、各仕切り手段のうち1つが前記通路を仕切った姿勢で前記通路に存在するように、各仕切り手段が同期動作させられている。
【0009】
このように構成することによって、通路の入口側と出口側とが連通した状態になる事がほとんど無く、不正通行者の逆行をより確実に阻止することができる。
【0010】
前記仕切り手段は、前記壁体に沿って往復自在な搬送手段に設けることができる。この場合、仕切り手段は、スイング自在に搬送手段に支持され、前記通路の入口側及び出口側においてスイング動作して、前記通路と交差する姿勢若しくは前記壁体に沿った姿勢をとる。
【0011】
このように構成すると、仕切り手段が通路と交差する姿勢と壁体に沿った姿勢とをとるので、仕切り手段の収納スペースが小さくなる。
【0012】
仕切り手段は、扉状のものとすることもできるが、パイプ状の柵部材で構成する事が望ましい。このように柵状部材で構成すると、軽量であるので、通行者に接触したとしても通行者にけがをさせにくいし、通行者に圧迫感がなく、壁体への収納も容易である。
【0013】
また、通路の入口側前方に、通行者の通行を一時的に規制する自動ゲートを設置することもできる。この自動ゲートを設置すると、通路内に入った後、自動ゲートを閉じることによって、それ以上、通行者が通路内に入ることがなく、仕切り手段と通行者とが接触することを未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、通路内に通行者が滞留することを防止できる上に、不正通行者が逆行することを確実に阻止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態のゲート装置は、図1(b)に示すように、間隔を隔てて平行に配置された1対の壁体2a、2bを有している。これら壁体2a、2bは、同図(a)、(c)に示すように扁平な直方体状に形成され、これらの間に直線状の通路4が形成されている。この通路4は、図1(a)に示す左端が入口で、同図に示す右端が出口である。入口から通路4内に入った通行者は、通路4を通行して、出口から出る。これら壁体2a、2bの上面には、矩形の枠体6a、6bが取り付けられ、これら枠体6a、6bには、同図(c)に示すようにガラス8が嵌め込まれている。このようにガラス8入りの枠体6a、6bを設けることによって、通行者が通路4から壁体2a、2bを乗り越えて、壁体2a、2bの外部に移動することを防止している。
【0016】
壁体2aには、仕切り手段、例えば柵部材10が設けられている。この柵部材10は、図1(b)に示すように複数、例えば4本のパイプ10a乃至10dを上下方向に間隔をあけて配置したもので、図1(a)、(b)に示すように通路4に交差して、即ち壁体2aの側面に対してほぼ垂直に位置して、通路4を入口側と出口側とを遮断した姿勢をとることができるし、この遮断姿勢から図1(a)に示す矢印と反対方向にスイングして、壁体2a内に侵入し、図3に破線で示すように壁体2a内で壁体2aの長さ方向と平行となり、通路4の入口側と出口側とを連通させた連通姿勢となることもできる。更に、この柵部材10は、図1(a)に示すように入口側で遮断姿勢をとると、そのまま出口側まで移動し、出口側で連通姿勢をとり、その連通姿勢のまま入口側まで移動し、入口側で再び遮断姿勢となることを繰り返すことができる。
【0017】
そのため、図1(c)に示すように、各パイプ10a乃至10dに対応して、壁体2aには、その長さ方向に沿って溝12a乃至12dが形成され、これら溝12a乃至12d内にパイプ10a乃至10dの端部が挿入されている。
【0018】
図2に拡大して示すように、各パイプ10a乃至10dの端部は、壁体2a内に上下方向に配置された回転軸14に取り付けられている。この回転軸14は、その両端部近傍に設けられた軸受け16、16によって、回転軸14の中心軸の回りに回転自在に移動体18に固定されている。図2及び図3に示すように、回転軸14の上端部には従動プーリ20が取り付けられ、移動体18の上面には柵部材用の駆動部22が取付られている。この駆動部22に設けた駆動プーリ24と従動プーリ20とがベルト26によって連結されている。従って、駆動部22によって駆動プーリ24を正転または逆転させることによって、各パイプを遮断姿勢または連通姿勢とすることができる。なお、図3に符号28a、28bで示すのは、遮断姿勢または連通姿勢となったときに、それ以上パイプ10a乃至10dが回転することを阻止するためのストッパである。
【0019】
図2に示すように壁体2a内には、入口側から出口側まで1条のレール30が水平に設けられ、このレール30上に、移動体18に軸が水平に取り付けられたローラ32が支持されている。これによって、移動体18の重量は、レール30によって受けられている。また、レール34、36も壁体2a内に入口側から出口側まで水平に設けられている。これらレール34、36は、互いに対向する方向に設けられ、これらに移動体18に軸が垂直に設けられた2つのローラ38、40が接触し、移動体18の横揺れを防止している。
【0020】
さらに、壁体2a内には、その入口側に移動体用の駆動部42が取り付けられ、これには駆動プーリ44が取り付けられている。図示していないが、出口側には、駆動プーリ44と同じ高さ位置に従動プーリが設けられ、これら駆動プーリ44と従動プーリとの間にベルトが張架され、このベルトが移動体18に結合されている。従って、駆動部42が正転及び逆転することによって、移動体18が入口側から出口側に、出口側から入口側に往復移動する。
【0021】
図4乃至図6を参照して、このゲート装置を正規の通行者のみが通過する場合について説明する。図4(a)に示すように柵部材10が通路4の入口側で遮断姿勢であり、入口側に通行者が存在するとする。この状態において柵部材10は、矢印で示すように出口側に向かって一定速度で走行を開始する。所定時間tが経過するごとに同図(b)乃至(f)に示すように柵部材10は出口側に向かって移動し、この柵部材10に追従して、通行者が順次通路4内に入る。移動を開始してから6t時間後には、図5(a)に示すように柵部材10は通路4のほぼ中央まで移動している。この状態から所定時間tが経過するごとに、同図(b)乃至(c)に示すように柵部材10が徐々に出口側に近づき、この柵部材10の移動に追従して通行者は更に出口側に進行する。移動開始から9t時間経過後には、同図(d)に示すように柵部材10が出口の近傍の出口側停止位置に到達し、柵部材10の移動は停止される。そして柵部材10は壁体2a側へスイングを開始する。同図(e)は更に所定時間tが経過したときの柵部材10が矢印で示すように壁体2a側にスイングしている状態を示す。そして、所定時間tが経過すると、同図(f)に示すように柵部材10は、壁体2a内に収容され、連通姿勢となり、出口側と入口側とが連通した状態となる。これによって通行者は出口から通路4の外部に出ることが可能になる。また矢印で示すように柵部材10は壁体2a内に収容された状態の連通姿勢のまま入口側に向かって移動を開始する。但し、この移動速度は、入口側から出口側への移動速度よりも高速である。
【0022】
出口に到達してから所定時間tの経過後には、図6(a)に示すように、柵部材10はほぼ通路4の中央まで移動している。この間に出口から順に通行者が通路4の外へ出て行く。更に、所定時間tが経過すると、同図(b)に示すように、柵部材10は入口に到達している。この間、まだ通行者は出口から通路4の外に出て行っている。そして、柵部材10は出口と入口とを遮断するようにスイングを開始する。更に所定時間tが経過したとき、同図(c)に示すように柵部材10は、遮断姿勢に向かってスイングしている。更に所定時間tが経過したとき、柵部材10は同図(d)に示すように完全に遮断姿勢となり、以後、再び出口側に向かって移動を開始する。
【0023】
このように、柵部材10は遮断状態で入口側から出口側まで一定速度で移動し、出口に到達すると連通姿勢となり、この連通姿勢のまま高速で出口側から入口側に移動し、入口側で再び遮断姿勢となることを繰り返している。従って、柵部材10の進行に従って通行者が移動することによって、通路4内に通行者が滞留することなく、通路4内を進行することができる。
【0024】
次に、逆行者が存在する場合について図7を参照して説明する。図7(a)は、図5(f)に相当する状態で、柵部材10が出口側で連通姿勢になり、正規の通行者が出口から出ようとしているときに、逆行者が出口から通路4内に入った状態を示している。正規の通行者の間を通り抜けて逆行者は入口側へ移動する。しかし、柵部材10は高速で入口側に向かって移動するので、同図(b)に示すように所定時間tの経過後に柵部材10が通路4のほぼ中央にまで移動しており(図6(a)に相当する状態)、逆行者は通路4の中央付近には到達していない。更に、所定時間tが経過したとき、同図(c)に示すように柵部材10は入口に到達している。このとき、まだ逆行者は入口には到達していない。このときから、柵部材10は遮断姿勢に向かってスイングを開始し、所定時間tの経過後には、同図(d)に示すように遮断状態に向かってスイング中である。このときも、まだ逆行者は、入口には到達していない。更に所定時間tが経過すると、同図(e)に示すように、柵部材10は完全に遮断姿勢となる。このとき、まだ逆行者は入口には到達していない。更に所定時間tが経過すると、同図(f)に示すように、柵部材10は出口側に移動しており、逆行者は柵部材10によってそれ以上入口側に移動することを阻止され、出口側に押し戻される。
【0025】
このように逆行者の入口側から通路4を出ることを阻止するために、柵部材10が出口側から入口側へ移動する速度は、逆行者が出口側から入口側へ移動するのに要する時間よりも短い時間で柵部材10が出口側から入口側へ移動することができる高速度とされている。
【0026】
例えば、柵部材10を連通姿勢にする場合、例えば入口側または出口側において柵部材10を入口または出口の外側に、側壁2aまたは側壁2bと一直線になるまで旋回させて、連通姿勢とすることもできる。しかし、これでは、通路4の入口及び出口の外側に柵部材10がスイングするためのスペースを確保する必要がある。しかし、このゲート装置では、柵部材10は、遮断姿勢から連通姿勢に変化する際、入口側及び出口側いずれでも、通路4内でスイングしているので、ゲート装置の設置スペースを小さくすることができる。
【0027】
柵部材10を連通姿勢とするとき、側壁2内に収容せず、側壁2の表面に柵部材10が接触するようにすることもできる。しかし、これでは、柵部材10が通路4内に位置するので、通行者の通行スペースが少なくなる。これに対し、このゲート装置では、連通姿勢の際、柵部材10は、側壁2a内に収容されているので、通路4内で通行者の通行スペースを大きくとることができ、通行者の通行の阻害となることもない。
【0028】
柵部材10が通路4の出口側から入口側に移動する際、例えば柵部材10を出口の外方を旋回して、通路4の外面側(側壁2aを挟んで通路4の外側)において側壁2aに対して平面から見て垂直な状態として、入口側まで移動し、入口側において入口の外方を旋回して通路4内で側壁2aに対して平面から見て垂直な状態として遮断姿勢とすることもできる。しかし、これでは、側壁2aの外面側に柵部材10が異動するためのスペースが必要になる。このゲート装置では、柵部材10は側壁2a内を移動しているので、柵部材10専用の移動スペースが不要である。
【0029】
本発明の第2の実施形態のゲート装置を図8乃至図11を参照して説明する。このゲート装置では、通路4の入口側に自動ゲート50が設置されている。この自動ゲート50は、壁体2a、2bと平行に配置された壁体50a、50bを有し、これらの間に形成された通路を開閉する両開きの扉50c、50dを壁体50a、50bに設けたものである。他の構成は、第1の実施形態のゲート装置と同一である。同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0030】
このように構成された自動ゲート装置は、逆行者がいない場合、次のように動作する。図8(a)に示すように、自動ゲート装置50の扉50c、50dが閉じており、柵部材10も通路4を遮断しているとする。この状態から扉50c、50dが通路を開く方向にスイングする。同図(b)は、同図(a)から所定時間tが経過して、扉50c、50dがスイングしている途中の状態を示す。このとき、柵部材10は、通路4を遮断した状態のままである。同図(b)から所定時間tが経過したとき、同図(c)に示すように、扉50c、50dが通路を完全に開き、自動ゲート装置50の外側にいた通行者が自動ゲート装置の通路内に入る。このとき、柵部材10が出口側への移動を開始する。以下、所定時間tが経過する毎に、柵部材10は、同図(d)乃至(f)、図9(a)乃至(d)に示すように等速で順に出口側に移動する。この間に、各通行者が自動ゲート装置50の通路を経て通路4内に入る。
【0031】
図9(c)に示す時点から自動ゲート装置50の扉50c、50dはそれの通路を閉じるようにスイングを開始しており、同図(d)の過程を経て同図(e)に示す時点で完全に自動ゲート装置50の扉50c、50dが通路を閉じている。これによって、以後、新たな通行者が通路4内に入ることが防止される。
【0032】
また、同図(e)に示す時点では、柵部材10は、出口側の停止位置まで移動しており、ここで移動を停止し、通路4を開くようにスイングを開始する。同図(f)は同図(e)から所定時間tが経過した時点を示し、柵部材10が連通姿勢に向けてスイングしている途中を示す。図10(a)は、更に所定時間tが経過した時点において、柵部材10が完全に通路4を連通状態とし、通路4内の各通行者が出口を介して通路4から外に出ることが可能となっている。このとき、柵部材10は入口側に向かって高速での移動を開始する。
【0033】
所定時間t経過後には、同図(b)に示すように柵部材10が通路4の中途を入口側に向かって高速で移動しており、更に所定時間t経過後には、同図(c)に示すように入口側の停止点に到達し、通路4を遮断状態とするために柵部材10がスイングを開始する。さらに所定時間t経過後には、同図(d)に示すように柵部材10はスイングの途中であり、更に所定時間t経過後には、同図(e)に示すように、柵部材10は完全に遮断状態となる。以下、自動ゲート装置50の扉50c、50dが図8(b)乃至(c)に示したのと同様に開き、以下、図8(c)以降に示したのと同様に動作する。
【0034】
次に、図11を参照して逆行者が存在する場合について説明する。図11(a)は、図10(a)に相当する状態で、柵部材10が出口側で連通姿勢になり、正規の通行者が出口から出ようとしているときに、逆行者が出口から通路4内に入った状態を示している。正規の通行者の間を通り抜けて逆行者は移動する間に、柵部材10は高速で移動し、同図(b)に示すように所定時間tの経過後に柵部材10が通路4のほぼ中央にまで移動している。このとき、逆行者は柵部材10に追いついてはいない。更に、所定時間tが経過したとき、同図(c)に示すように柵部材10は入口に到達する。このとき、まだ逆行者は入口には到達していない。このときから、柵部材10は遮断姿勢となるようにスイングを開始し、所定時間tの経過後には、同図(d)に示すようにスイング中である。このときも、まだ逆行者は、入口には到達していない。更に所定時間tが経過すると、同図(e)に示すように柵部材10は、完全に遮断姿勢となる。このとき、まだ逆行者は入口には到達していない。更に所定時間tが経過すると、同図(f)に示すように、柵部材10は遮断姿勢であり、逆行者は柵部材10によってそれ以上入口側に移動することを阻止される。なお、このように逆行者が通路4内に入ったときには、既に自動ゲート装置50の扉50c、50dが閉じているので、何らかの原因で柵部材10が入口側で遮断姿勢になる前に、逆行者が入口側に到達したとしても、自動ゲート装置50によって遮断されているので、自動ゲート装置を越えて逆行者が逆行することはない。
【0035】
図12乃至図14を参照して、第3の実施形態のゲート装置を説明する。このゲート装置は、第1の実施形態と同一構成であり、同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。このゲート装置は、柵部材10が入口側から出口側に移動するまでは、第1の実施形態のゲート装置と同様に動作する。出口側で正規の通行者を通路4から外部に出すために通路4を連通状態とするように柵部材10がスイングした後、出口側から入口側へ移動する。この際、その前に通路4を遮断状態にするために図12(a)、(b)に矢印で示すように柵部材10がスイングする。遮断状態とすると、そのまま同図(c)、(d)、(e)、(f)、図13(a)乃至(e)に示すように一定の速度で入口側に移動する。通路4を遮断状態としたまま柵部材10が移動しているので、出口側から入口側に向かって柵部材10が移動する速度は、入口側から出口側に向かって移動する速度と同じである。入口側に到達すると、柵部材10は、そのままの遮断姿勢で出口側に向かって移動する。
【0036】
図14(a)、(b)に示すように出口側において柵部材10が遮断姿勢となるようにスイングしている最中に、逆行者が通路4に出口側から侵入した場合、同図(c)に示すように柵部材10が完全に遮断姿勢になって入口側に移動を開始したとき、同図(d)に示すように柵部材10を越えて入口側に移動することができず、そのまま入口側まで移動する。入口側に到達した柵部材10は遮断姿勢のまま出口側に移動する。従って、逆行者は入口側から通路4の外に出ることはできない。
【0037】
なお、第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に入口側に自動ゲート装置50を設けることができる。また、第1乃至第3の実施形態では、柵部材10は側壁2a側にのみ設けたが、側壁2b側にも柵部材10を設け、これら2つの柵部材が同時に遮断姿勢をとったとき両者が側壁2a、2bを平面視したとき両者に対して垂直に一直線状となって通路4の出口側と入口側とを遮断し、これら2つの柵部材が同時に側壁2a、2b側に連通姿勢をとったとき両者が共に側壁2a、2b内に収容されて、両者によって通路4の入口側と出口側とが連通させられるように構成してもよい。
【0038】
図15乃至図19を参照して、第4の実施形態のゲート装置を説明する。このゲート装置では、側壁2aに柵部材10aが、側壁2bに柵部材10bが設置されている。柵部材10a、10bは、それぞれ通路4を連通状態または遮断状態とするためにスイング可能であり、かつ入口側から出口側へ、また出口側から入口側へ移動可能なものであり、そのための機構は第1の実施形態の自動ゲート装置に関連して説明したものと同一であるので、詳細な説明は省略する。但し、柵部材10aが入口側で遮断姿勢をとるとき、柵部材10bが出口側で連通姿勢をとり、柵部材10aが出口側で遮断姿勢をとるとき、柵部材10bは入口側で連通姿勢をとるように構成されている。
【0039】
正規の通行者が通行する場合について、図15乃至図18を参照して説明する。まず図15(a)に示すように柵部材10aが入口側において遮断姿勢であり、かつ柵部材10bが出口側で連通姿勢であるとする。この状態から柵部材10aは出口側へ、柵部材10bは入口側へ、それぞれ同じ速度で移動を開始し、図15(b)乃至(f)、図16(a)乃至(c)の過程を経て、図16(d)に示すように柵部材10aは出口側の停止位置に、柵部材10bは入口側の停止位置に到達し、それぞれ同時に停止する。この間、柵部材10aの移動に従って、入口側からの通行者が順に通路4内に入っている。
【0040】
図16(d)に示す両停止位置において、柵部材10aは、通路4を連通状態とするようにスイングを開始し、かつ柵部材10bは通路4を遮断状態とするようにスイングを開始する。図16(e)は、このスイング中の状態を示す。柵部材10a、10bのスイングは同期して行われる。
【0041】
図16(f)は、柵部材10a、10bがスイングを完了した状態を示し、これによって柵部材10aの後方にいた各通行者は、出口4から通路4の外部に出ることができ、一方、遮断姿勢にある柵部材10bによって、入口から新たな通行者が通路4内に入ることが阻止される。
【0042】
この状態から、柵部材10aは入口側への移動を開始し、柵部材10bは出口側への移動を開始する。その結果、図17(a)乃至(f)、図18(a)の過程を経て、図18(b)に示すように、柵部材10aは入口側の停止位置に、柵部材10bは出口側の停止位置にそれぞれ到達する。この間、柵部材10bの後方にいた各通行者は、柵部材10bの移動に従って通路4内を進行している。
【0043】
図18(b)に示す柵部材10aが入口側の停止位置に、柵部材10bが出口側の停止位置にそれぞれ位置する状態から、柵部材10aは遮断姿勢に、柵部材10bは連通姿勢に同期してスイングを開始し、図18(c)の過程を経て、同図(d)に示すように、柵部材10aは完全に遮断姿勢に、柵部材10bは完全に連通姿勢になる。即ち、図15(a)に示したのと同じ状態になる。以下、図15(b)以降に示したのと同様に柵部材10a、10bは動作し、通路4内の通行者は出口から外部に出ることができ、新たな通行者は柵部材10aの移動に従って、通路4内に入る。
【0044】
図19を参照して、通路4を逆行する逆行者がある場合について説明する。図19(a)に示すように、柵部材10aが出口側停止位置に到達し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に到達するまでは、図15(a)乃至図16(d)に示したのと同様に、柵部材10a、10bは移動する。そして、図19(b)に示すように柵部材10a、10bがスイングしている最中に、逆行者が通路4内に侵入したとする。この場合、同図(c)に示すように逆行者が通路4を入口側に移動している間に、入口側の柵部材10bが通路4を完全に遮断状態とする。そして、同図(d)に示すように遮断状態の柵部材10bが出口側に向かって移動してくるので、逆行者は、出口側に押し戻され、通路4を逆行することが不可能となる。
【0045】
図20乃至図24を参照して、第5の実施形態のゲート装置を説明する。このゲート装置は、第4の実施形態のゲート装置に第2の実施形態で示した自動ゲート装置50を設置したものである。第2及び第4の実施形態と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
図20(a)に示すように自動ゲート装置50の扉50c、50dが自動ゲート装置50の通路を閉じ、柵部材10aが入口側で遮断姿勢、柵部材10bが出口側で連通姿勢をとっているとする。この状態において扉50a、50bが自動ゲート装置50の通路を開くようにスイングを開始し、同図(b)に示すような過程を経て、同図(c)に示すように完全に自動ゲート装置50の通路を開く。この状態から柵部材10aが出口側へ、柵部材10bが入口側へそれぞれ等速で移動を開始し、同図(d)乃至(f)、図21(a)乃至(c)のように移動する。この間、扉50c、50dが開放されたままであるので、柵部材10aの移動に従って自動ゲート装置50を経て通行者が通路4内に入り、柵部材10aの移動に従って、通路4を出口側に進行する。
【0047】
柵部材10aが更に出口側に近づき、柵部材10bが更に入口側に近づくと、自動ゲート装置50の扉50c、50dがスイングを開始し、同図(d)に示す過程を経て、同図(e)に示すように、柵部材10aが出口側停止位置に完全に到達し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に到達したとき、扉50a、50bは完全に自動ゲート装置50の通路を閉じている。従って、以後、新たな通行者が通路4内に入ることはない。
【0048】
その後、柵部材10a、10bが同期してスイングを開始し、同図(f)に示す過程を経て、図22(a)に示すように、完全に柵部材10aが連通姿勢に、柵部材10bが遮断姿勢になると、通路4内の通行者は出口から通路4の外部に出ることが可能となる。また、自動ゲート装置50の扉50c、50dが遮断姿勢であり、かつ入口側にある柵部材10bも遮断姿勢であるので、通路4には入口側から新たな通行者は全く入ることはできない。
【0049】
この後、柵部材10aは入口側に向かって、柵部材10bは出口側に向かってそれぞれ移動を開始するが、このとき、同時に同図(b)に示すように、自動ゲート装置50の扉50c、50dもそれの通路を開くようにスイングを開始する。そして、柵部材10aが更に入口側に移動し、かつ柵部材10bが更に出口側に移動したとき、同図(c)に示すように、扉50c、50dが完全に通路を開き、以後、同図(d)乃至(f)、図23(a)に示すように柵部材10a、10bが移動し、通行者も通路4内を柵部材10bの移動に従って入口側から通路4内に進行する。更に、柵部材10aが入口側に移動し、かつ柵部材10bが出口側に移動すると、同図(b)に示すように、自動ゲート装置50の扉50c、50dがそれの通路を閉じるようにスイングを開始し、同図(c)に示すように柵部材10aが入口側停止位置に到達し、かつ柵部材10bが停止位置に到達したとき、扉50c、50dは自動ゲート装置50の通路を完全に閉じている。そして、同図(d)に示すように柵部材10a、10bがそれぞれ同期してスイングして、同図(e)に示すように柵部材10aが完全に通路4を遮断し、柵部材10bが通路4を連通状態とする。以後、柵部材10aは、直ちに出口側に向かって移動し、かつ柵部材10bは入口側に向かって移動し、扉50c、50dが自動ゲート装置50の通路を開き、上述したのと同様にして正規の通行者を移動させる。なお、当初に、扉50c、50dのスイングが完了した後に、柵部材10a、10bのスイングを開始させたが、扉50c、50dのスイングと、柵部材10a、10bのスイングとを同時に開始することもできる。
【0050】
図24を参照して、逆行者が通路4内に侵入した場合について説明する。図24(a)に示すように、柵部材10aが出口側停止位置に到達し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に到達するまでは、図20(a)乃至図21(e)に示したのと同様に、柵部材10a、10b及び自動ゲート装置50の扉50c、50dは動作する。そして、図24(b)に示すように柵部材10a、10bがスイングしている最中に、逆行者が通路4内に侵入したとする。この場合、同図(c)に示すように逆行者が通路4を入口側に移動している間に、入口側の柵部材10bが通路4を遮断状態とする。そして、同図(d)に示すように自動ゲート装置50の扉50c、50dは通路を開くようにスイングしているが、遮断状態の柵部材10bが出口側に向かって移動してくるので、逆行者は、出口側に押し戻され、通路4を逆行することが不可能である。
【0051】
図25乃至図28を参照して、第6の実施形態のゲート装置を説明する。このゲート装置は第4の実施形態のゲート装置と同一の構成で、柵部材10a、10bの遮断状態、連通状態へのスイングがインターロックされているものである。
【0052】
図25(a)に示すように、柵部材10aが出口側停止位置に停止し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に停止するまでは、図15(a)乃至図16(d)と同一の動作をする。この状態において、柵部材10aが遮断状態を維持したまま、柵部材10bが遮断状態になるようにスイングを開始し、図25(b)に示す過程を経て、同図(c)に示すように、両柵部材10a、10bが遮断状態となる。この状態から柵部材10aが連通状態にスイングを開始し、同図(d)に示す状態を経て、同図(e)に示すように柵部材10aが連通姿勢、柵部材10bが遮断姿勢をとる。
【0053】
その後、同図(f)、図26(a)乃至(f)の過程を経て、図27(a)に示すように柵部材10aが入口側停止位置に到達し、柵部材10bが出口側停止位置に到達する。この間に、通路4内に既に進行していた通行者は通路4から出口を経て外部に出ており、柵部材10bの進行に従って新たな通行者が通路4内に入っている。
【0054】
この状態において、柵部材10bが遮断状態を維持し、柵部材10aが遮断姿勢に向かってスイングを開始し、同図(b)の過程を経て、同図(c)に示すように両柵部材10a、10bが遮断姿勢となる。この後、柵部材10bが連通姿勢に向かってスイングを開始し、同図(d)に示す過程を経て、同図(e)に示すように、柵部材10aが遮断姿勢、柵部材10bが連通姿勢になる。以後、上述したのと同様に動作する。
【0055】
逆行者が通路4内に侵入した場合について、図28を参照して説明する。図28(a)に示すように、柵部材10a、10bが共に遮断状態になるまでは、上述したのと同様に動作している。柵部材10aが連通姿勢に向かってスイングしている際に、同図(b)に示すように逆行者が通路4内に侵入すると、同図(c)に示すように逆行者が通路4を入口側に向かって進行しても、既に柵部材10bは遮断状態であり、同図(d)に示すように、柵部材10bが出口側に向かって進行することによって、逆行者の進行は阻止される。
【0056】
図29乃至図34を参照して、第7の実施形態のゲート装置について説明する。このゲート装置は、第6の実施形態のゲート装置に、第2の実施形態で示した自動ゲート装置50を設けたものである。
【0057】
図29乃至図33を参照して、正規の通行者のみが通行する場合について説明する。図29(a)に示すように自動ゲート装置50の扉50c、50dが自動ゲート装置50の通路を閉じ、柵部材10aが入口側で遮断姿勢、柵部材10bが出口側で連通姿勢にあるとする。この状態において扉50a、50bが自動ゲート装置50の通路を開くようにスイングを開始し、同図(b)に示すような過程を経て、同図(c)に示すように完全に自動ゲート装置50の通路を開く。この状態から柵部材10aが出口側へ、柵部材10bが入口側へそれぞれ等速で移動を開始し、同図(d)乃至(f)、図30(a)乃至(c)のように移動する。この間、扉50c、50dが開放されたままであるので、柵部材10aの移動に従って自動ゲート50を経て通行者が通路4内に入り、柵部材10aの移動に従って、通路4を出口側に進行する。
【0058】
柵部材10aが更に出口側に近づき、柵部材10bが更に入口側に近づくと、自動ゲート装置50の扉50c、50dが同図(d)に示すように遮断状態に向かってスイングする。その後、柵部材10aが出口側停止位置に完全に到達し、かつ柵部材10bが入口側停止位置に到達したとき、同図(e)に示すように扉50a、50bは完全に自動ゲート装置の通路を閉じている。従って、以後、新たな通行者が通路4内に入ることはない。
【0059】
その後、同図(f)に示すように柵部材10bのみがスイングし、図31(a)に示すように、両柵部材10a、10bが遮断姿勢になる。その後、同図(b)に示すように柵部材10aが連通姿勢に向かってスイングし、同図(c)に示すように柵部材10aが完全に連通姿勢になる。これによって、通路4内の通行者は出口から外部に出ることが可能となる。また、自動ゲート装置50の扉50c、50dが遮断状態であり、かつ入口側にある柵部材10bも遮断状態であるので、通路4には新たな通行者は全く入ることはできない。
【0060】
この後、同図(d)に示すように、柵部材10aは入口側に向かって、柵部材10bは出口側に向かってそれぞれ移動を開始し、同図(e)、(f)、図32(a)、(b)の過程を経て、同図(c)の状態となるが、このとき、同時に自動ゲート装置50の扉50c、50dもそれの通路を閉じるようにスイングを開始する。そして、柵部材10aが入口側停止位置に移動し、かつ柵部材10bが出口側停止位置に到達したとき、同図(e)に示すように、扉50c、50dが完全に自動ゲート装置50の通路を閉じる。その後、柵部材10aが同図(f)に示すように遮断姿勢となるようにスイングを開始し、図33(a)に示すように両柵部材10a、10bが遮断姿勢になる。その後、柵部材10bが連通姿勢に向かってスイングを開始し、同図(b)に示す過程を経て、同図(c)に示すように完全に連通姿勢になる。以後、柵部材10aが出口側に向かって移動を開始し、かつ柵部材10bが入口側に向かって移動を開始し、自動ゲート装置50の扉50a、50bが通路を開くようにスイングを開始する。
【0061】
図33を参照して、逆行者が通路4内に侵入した場合について説明する。図33(a)に示すように柵部材10bが入口側で遮断姿勢であり、柵部材10aが出口側で遮断姿勢になるまでは、上述したのと同一の動作である。この状態において、柵部材10aが連通姿勢になるようにスイングを開始した際、同図(b)に示すように逆行者が通路4内に侵入し、同図(c)に示すように通路4内を入口側に向かって進行しても、同図(d)に示すように遮断状態の柵部材10bが入口側に向かって進行するので、逆行者は、それ以上の進行が阻止される。
【0062】
上記の各実施形態では、柵部材10、10a、10bを使用したが、これに代えて扉を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施形態のゲート装置の平面図、側面図及び側面図におけるa−a線に沿う断面図である。
【図2】図1のゲート装置の柵部材の旋回機構及び移動機構を示す縦断面図である。
【図3】図2の旋回機構及び移動機構の部分省略平面図である。
【図4】図1のゲート装置の柵部材が入口側から通路の中央付近まで移動していく過程を示す平面図である。
【図5】図1のゲート装置の柵部材が通路の中央付近から出口まで移動していく過程を示す平面図である。
【図6】図1のゲート装置の柵部材が出口から入口まで移動していく過程を示す平面図である。
【図7】図1のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のゲート装置が入口側から通路の中央付近まで移動していく過程を示す平面図である。
【図9】図8のゲート装置の柵部材が通路の中央付近から出口まで移動していく過程を示す平面図である。
【図10】図8のゲート装置の柵部材が出口から入口まで移動していく過程を示す平面図である。
【図11】図8のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態のゲート装置の柵部材が出口から通路の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図13】図12のゲート装置の柵部材が通路4の中央付近から入口まで移動する過程を示す平面図である。
【図14】図12のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図15】本発明の第4の実施形態のゲート装置の一方の柵部材が入口側から通路4の中央付近まで、他方の柵部材が出口側から通路4の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図16】図15のゲート装置の一方の柵部材が通路4の中央付近から出口まで、他方の柵部材が通路4の中央付近から入口まで移動する過程を示す平面図である。
【図17】図15のゲート装置の一方の柵部材が出口付近から入口付近まで、他方の柵部材が入口付近から出口付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図18】図15のゲート装置の一方の柵部材が入口付近から入口まで、他方の柵部材が出口付近から出口まで移動する過程を示す平面図である。
【図19】図15のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図20】本発明の第5の実施形態のゲート装置の一方の柵部材が入口側から通路4の中央付近まで、他方の柵部材が出口側から通路4の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図21】図20のゲート装置の一方の柵部材が通路4の中央付近から出口まで、他方の柵部材が通路4の中央付近から入口まで移動する過程を示す平面図である。
【図22】図20のゲート装置の一方の柵部材が出口から通路の中央付近まで、他方の柵部材が入口から通路の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図23】図20のゲート装置の一方の柵部材が通路の中央付近から入口まで、他方の柵部材が通路の中央付近から出口まで移動する過程を示す平面図である。
【図24】図20のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図25】本発明の第6の実施形態のゲート装置の一方の柵部材が出口付近で遮断姿勢であって、他方の柵部材が入口付近で連通姿勢にある状態から、一方の柵部材が出口付近で連通姿勢に、他方の柵部材が入口付近で遮断姿勢にスイングする過程を示す平面図である。
【図26】図25のゲート装置の一方の柵部材が出口付近にあって、他方の柵部材が入口付近にある状態から、一方の柵部材が入口付近に、他方の柵部材が出口付近にある状態まで移動する過程を示す図である。
【図27】図25のゲート装置の一方の柵部材が入口付近で連通姿勢であって、他方の柵部材が出口付近で遮断姿勢にある状態から、一方の柵部材が入口付近で遮断姿勢に、他方の柵部材が出口付近で連通姿勢にスイングする過程を示す平面図である。
【図28】図25のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【図29】本発明の第7の実施形態のゲート装置の一方の柵部材が入口側から通路4の中央付近まで、他方の柵部材が出口側から通路4の中央付近まで移動する過程を示す平面図である。
【図30】図29のゲート装置の一方の柵部材が通路4の中央付近から出口まで、他方の柵部材が通路4の中央付近から入口まで移動する過程を示す平面図である。
【図31】図29のゲート装置の一方の柵部材が出口付近で遮断姿勢であって、他方の柵部材が入口付近で遮断姿勢にある状態から、一方の柵部材が連通姿勢にスイングして通路4の中央付近に移動し、他方の柵部材が通路4の中央付近まで遮断姿勢で移動する過程を示す図である。
【図32】図29のゲート装置の一方の柵部材が通路4の中央付近で連通姿勢で、他方の柵部材が通路4の中央付近で遮断姿勢にある状態から、一方の柵部材が入口付近で遮断姿勢にスイングし、他方の柵部材が出口付近で遮断姿勢のまま移動する過程を示す平面図である。
【図33】図29のゲート装置の一方の柵部材が入口付近で遮断姿勢を維持し、他方の柵部材が出口付近で遮断姿勢から連通姿勢にスイングする過程を示す図である。
【図34】図29のゲート装置内に逆行者が有る場合の柵部材がその逆行者の進行を阻止する過程を示す平面図である。
【符号の説明】
【0064】
2a、2b 側壁
4 通路
10、10a、10b 柵部材(仕切り手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を隔てて配置された一対の壁体間に形成された直線状通路と、
この通路を仕切った姿勢で一方向に移動し、かつ前記通路に沿って循環移動する仕切り手段とを、
具備するゲート装置。
【請求項2】
請求項1記載のゲート装置において、前記仕切り手段が前記通路に沿って間隔をおいて複数配置され、前記各仕切り手段のうち1つが前記通路を仕切った姿勢で前記通路に存在するように、各仕切り手段が同期動作させられているゲート装置。
【請求項3】
請求項1記載のゲート装置において、前記仕切り手段は、前記壁体に沿って往復自在な搬送手段に、スイング自在に支持され、前記通路の入口側及び出口側においてスイング動作して、前記通路と交差する姿勢若しくは前記壁体に沿った姿勢をとるゲート装置。
【請求項4】
請求項3記載のゲート装置において、前記仕切り手段が、パイプ状の柵部材によって構成されているゲート装置。
【請求項5】
請求項1記載のゲート装置において、前記通路の入口側前方に、通行者の通行を一時的に規制する自動ゲートを設置したゲート装置。
【請求項1】
間隔を隔てて配置された一対の壁体間に形成された直線状通路と、
この通路を仕切った姿勢で一方向に移動し、かつ前記通路に沿って循環移動する仕切り手段とを、
具備するゲート装置。
【請求項2】
請求項1記載のゲート装置において、前記仕切り手段が前記通路に沿って間隔をおいて複数配置され、前記各仕切り手段のうち1つが前記通路を仕切った姿勢で前記通路に存在するように、各仕切り手段が同期動作させられているゲート装置。
【請求項3】
請求項1記載のゲート装置において、前記仕切り手段は、前記壁体に沿って往復自在な搬送手段に、スイング自在に支持され、前記通路の入口側及び出口側においてスイング動作して、前記通路と交差する姿勢若しくは前記壁体に沿った姿勢をとるゲート装置。
【請求項4】
請求項3記載のゲート装置において、前記仕切り手段が、パイプ状の柵部材によって構成されているゲート装置。
【請求項5】
請求項1記載のゲート装置において、前記通路の入口側前方に、通行者の通行を一時的に規制する自動ゲートを設置したゲート装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2008−123029(P2008−123029A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302812(P2006−302812)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
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