説明

ゲート装置

【課題】 ゲートドアに必要に応じてあらゆる案内情報を表示することができるとともに、ゲートドア部分の照明を行うことのできるゲート装置を提供する。
【解決手段】 ゲート通路3を形成する一対のゲート壁2と、ゲート通路3の開閉を行うゲートドア4と、ゲートドア4に画像を投射するプロジェクタ6と、を備え、プロジェクタ6によりゲートドア4に所定の案内情報を表示することができ、表示画像の自由度が高く、必要に応じてあらゆる案内画像を表示させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲート装置に係り、特に、ゲートドアに必要に応じてあらゆる案内情報を表示することができるとともに、ゲートドア部分の照明を行うことを可能としたゲート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビルの入口や駅の改札などにおいて、入場許可を受けた特定の人物のみに対して入場許可を行い、通行や入室を行わせることで、不正な入場を防止することが行われている。そして、近年、ICカードなどの認証カードを用いて、入場者の識別を行うことで、自動的に入場の許可を行うゲート装置が多く用いられている。
【0003】
このようなゲート装置としては、例えば、人間一人の単独通過を許容する挟幅通路を閉鎖するフラップを備え、カードリーダに入場希望者により提示されるICカードから読み取ったパーソナルデータと入場管理システムが予め保持する許可パーソナルデータとが一致した場合、あるいいは指紋情報読取器で読み取った入場希望者の指紋情報と入場管理システムが予め保持する許可指紋情報とが一致した場合に、フラップを開放するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−243515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の技術においては、ゲート装置を通過する際の案内などを行う場合、所定の案内が印刷された印刷物をゲート装置のゲート壁に貼り付けたり、あるいは、液晶やLEDなどからなる小型の表示部を設けて、この表示部により所望の案内を行うようにしていた。また、夜間などにおいて、ゲート装置付近を照明することが行われているが、従来、例えば、ゲートドア部分をLEDなどにより照明するようにしていた。
【0006】
しかしながら、このような従来の案内手段においては、案内情報を容易に変更することができず、必要に応じた適切な案内表示を行うことができないという問題を有している。しかも、ゲートドア部分を照明するための照明装置を別個に設ける必要があるという問題を有している。
【0007】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、ゲートドアに必要に応じてあらゆる案内情報を表示することができるとともに、ゲートドア部分の照明を行うことのできるゲート装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係るゲート装置は、ゲート通路を形成する一対のゲート壁と、
前記ゲート通路の開閉を行うゲートドアと、
前記ゲートドアに画像を投射するプロジェクタと、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記プロジェクタで表示する画像情報を入力する画像入力部を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記プロジェクタは、案内情報を表示するものであることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記プロジェクタは、情報が表示されない光を照射するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、ゲートドアに画像を投射するプロジェクタを設けるようにしているので、プロジェクタの表示画像を変更することにより、必要に応じてあらゆる画像を表示させることができ、表示画像の自由度を高めることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、プロジェクタで表示する画像情報を入力する画像入力部を設けるようにしているので、画像入力部から必要な画像を入力することにより、プロジェクタに必要な画像を表示させることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、プロジェクタにより案内情報を表示するようにしているので、表示画像の自由度が高く、必要に応じてあらゆる案内画像を表示させることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、プロジェクタにより情報が表示されない光を照射するようにしているので、別個に照明装置を設置することなく、ゲートドア部分の照明を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るゲート装置の実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係るゲート装置の実施形態における制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るゲート装置の実施形態を示す概略構成図であり、本実施形態においては、ゲート装置1は、所定の間隔を持って立設された一対のゲート壁2,2を備えており、各ゲート壁2の間に、人などが通過するゲート通路3が形成されるようになっている。このゲート装置1は、例えば、セキュリティを行う必要があるビルの入口ゲート装置1や列車駅の改札ゲート装置1など種々のゲート装置に適用することが可能である。
【0019】
また、各ゲート壁2の互いに対向する面には、ゲート通路3を塞ぐ一対のゲートドア4が開閉自在に設けられている。ゲート壁2の上面には、ゲート通路3を通過することを許可するための認証カード(図示せず)の情報を読み取るためのリーダ部5が形成されている。認証カードとしては、例えば、ICカードや磁気カードなどがある。また、本実施形態においては、ゲート壁2の側部には、ゲートドア4の入口側の面に画像を投写するプロジェクタ6およびゲートドア4の出口側の面に画像を投写するプロジェクタ(図示せず)が取付けられている。なお、本実施形態においては、2つのプロジェクタ6を設けるようにしたが、入口側の面に画像を投写するプロジェクタ6または出口側の面に画像を投写するプロジェクタ6のいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
【0020】
図2は本発明に係るゲート装置1の制御構成を示すブロック図であり、ゲート装置1には、制御装置7が内蔵されている。制御装置7は、リーダ部5で読み取られた認証カードの情報に基づいてゲート通路3を通過させてもよいか否かを判定する判定部8を備えている。また、制御装置7には、ゲートドア4を開閉駆動するためのドア駆動部9が設けられており、制御装置7には、判定部8により認証カードの情報に基づいてゲート装置1を通過させることができないと判定した場合に、音声あるいは表示などにより警告を行う警告部10が設けられている。そして、制御装置7は、判定部8により認証カードの情報に基づいてゲート通路3を通過させてよいと判定した場合は、ドア駆動部9によりゲートドア4を開くように制御するとともに、認証カードの情報に基づいてゲート通路3を通過させることができないと判定した場合は、ゲートドア4を開く代わりに警告部10による警告を行うように構成されている。
【0021】
また、制御装置7には、プロジェクタ6による表示画像情報を入力するための画像入力部11が設けられており、プロジェクタ6には、画像入力部11から入力された画像情報の台形補正や画像の拡大縮小調整、シャープネス補正などの各種画像調整を行う画像調整部12が設けられている。また、プロジェクタ6には、画像調整部12から出力される画像情報に基づいて所定の画像を形成する画像形成部13と、画像形成部13により形成された画像をゲートドア4に投射する光学装置14とを備えている。この画像形成部13は、例えば、光透過型の液晶パネルや、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)などにより構成されるものである。
【0022】
プロジェクタ6による表示画像としては、例えば、入口側のプロジェクタ6では、「右上のリーダ部5にカードをかざしてください」などのようにゲート装置1を通過する際の案内情報を表示したり、出口側のプロジェクタ6では、進入禁止のマークを表示したりすることが考えられる。また、その他の表示画像として、例えば、ゲート装置1をセキュリティを行う必要があるビルの入口ゲート装置1に適用した場合には、ビルの案内などの案内情報や、ビルの店舗の広告情報などが考えられる。また、ゲート装置1を駅の改札ゲート装置1に適用した場合は、例えば、入口側のプロジェクタ6では、列車の発車番線や発車時刻などの案内情報を表示したり、出口側のプロジェクタ6では、バスやタクシー乗り場の案内情報を表示することが考えられる。また、プロジェクタ6による表示画像は、一定時間毎に切換えて複数の画像を表示させるようにしてもよい。
【0023】
さらに、本実施形態においては、プロジェクタ6による画像表示を行わず、光のみを照射するようにしてもよく、この場合には、例えば、任意の色の光を照射するようにしてもよい。なお、プロジェクタ6による表示画像の投射あるいは光の照射を行う際に、視認性を高めるために、ゲートドア4は、例えば、透明あるいは白色に形成することが好ましい。
【0024】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0025】
まず、画像入力部11に画像情報が入力されると、この画像情報がプロジェクタ6に出力され、画像調整部12により画像情報の各種調整が行われる。そして、画像調整部12から出力される画像情報に基づいて画像形成部13により画像を形成して、この画像を光学装置14を介してゲートドア4に投射するようになっている。
【0026】
そして、ゲート装置1のリーダ部5に認証カードがかざされると、リーダ部5によりノン庄カードの情報を読み取り、判定部8により認証カードの情報に基づいてゲート通路3を通過させてよいか否か判断する。そして、通過させてもよいと判定した場合は、ドア駆動部9によりゲートドア4を開くように制御する。一方、認証カードの情報に基づいてゲート通路3を通過させることができないと判定した場合は、ゲートドア4を開く代わりに警告部10による警告を行う。
【0027】
以上述べたように、本実施形態においては、画像入力部11から入力された画像情報に基づいて、プロジェクタ6によりゲートドア4に所定の案内情報を表示するようにしているので、表示画像の自由度が高く、必要に応じてあらゆる案内画像を表示させることができる。また、プロジェクタ6により、画像表示を行わず、光のみを照射することもできるので、別個に照明装置を設置することなく、ゲートドア4部分の照明を行うことができる。
【0028】
なお、前記実施形態において、画像情報をゲート装置1の画像入力部11から入力するようにしているが、例えば、各ゲート装置1を管理する中央管理システムなどにより、集中的に画像情報を入力し、この画像情報に基づいて、各ゲート装置1のプロジェクタ6により画像表示を行うようにしてもよい。
【0029】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 ゲート装置
2 ゲート壁
3 ゲート通路
4 ゲートドア
5 リーダ部
6 プロジェクタ
7 制御装置
8 判定部
9 ドア駆動部
10 警告部
11 画像入力部
12 画像調整部
13 画像形成部
14 光学装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート通路を形成する一対のゲート壁と、
前記ゲート通路の開閉を行うゲートドアと、
前記ゲートドアに画像を投射するプロジェクタと、
を備えていることを特徴とするゲート装置。
【請求項2】
前記プロジェクタで表示する画像情報を入力する画像入力部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のゲート装置。
【請求項3】
前記プロジェクタは、案内情報を表示するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲート装置。
【請求項4】
前記プロジェクタは、情報が表示されない光を照射するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲート装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−258094(P2011−258094A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133671(P2010−133671)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】