ゲームシステム、管理装置及びゲーム装置
【課題】 売上向上を図る。
【解決手段】 ゲームシステム100は管理装置10とゲーム装置20とを含む。管理装置は、メダル購入者を特定する識別情報と購入されたメダルの数の情報を含む購入情報とを認識する認識部11と、購入情報に基づいて、購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部12と、識別情報と特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部14に記憶させる管理部13とを具備し、ゲーム装置は、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部21と、確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、前記管理装置から取得する特典情報取得部23と、これによって取得された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部24と、を具備する。
【解決手段】 ゲームシステム100は管理装置10とゲーム装置20とを含む。管理装置は、メダル購入者を特定する識別情報と購入されたメダルの数の情報を含む購入情報とを認識する認識部11と、購入情報に基づいて、購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部12と、識別情報と特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部14に記憶させる管理部13とを具備し、ゲーム装置は、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部21と、確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、前記管理装置から取得する特典情報取得部23と、これによって取得された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部24と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、管理装置及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のゲーム装置と、これらと通信可能に接続された管理装置とを含むゲームシステムが提供されている。このゲームシステムでは、ゲーム装置が提供するゲームに興じるためにメダルの投入が要求されるものが知られている。この場合、ユーザは現金等を対価としてメダルを予め入手しておく必要があるが、当該ゲームシステムは、そのためのメダル払出装置を、その構成要素として含む場合がある。また、ユーザが使いきれずに残ったメダルを店舗側に預けることで次回来店時に預けたメダルを再利用できるように、当該ゲームシステムは、メダル預入装置を含むこともある。
このようなゲームシステム、特に前記メダル払出装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2860818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなゲームシステムにおいては、次のような問題がある。
すなわち、前記ゲームシステムでは、メダル払出装置からのメダルの購入行為だけが店舗側に対する売上に貢献するのであって、購入したメダルを使用してユーザがゲームをプレイする行為自体は、店舗側に対する売上には何ら貢献しない。つまり、売上を増大させるためには、次回の新たなメダル購入を促進する何らかの対策を考える必要があるが、この点、従来はあまり配慮が払われていなかった。従来において、1枚のメダルについての払込金額を一応の基準として定めながらも、払い込まれた現金金額の大きさに応じて、前記基準を上回るレートでユーザにメダルを払い出すというサービスが行われる場合があった。例えば、購入金額200円に対してメダルが20枚払い出されること(即ち、10円/枚)を一応の基本としながらも、500円に対しては65枚、1000円に対しては150枚、2000円に対しては350枚、……をそれぞれ払い出す、などというようである。しかしながら、これだけでは、メダルの購入が促進されはするものの、より多くのメダルを手に入れたユーザにとっては、いままでと同じメダルの消費ペースでゲームをプレイする限りにおいては、次回の新たな購入までの期間は逆に長くなってしまうことになる。つまり、メダルの購入と、ゲームのプレイによるメダルの消費を同時に促進することによって、初めて売上増大効果を実効的に享受することが可能になる。
【0005】
また、従来のゲームシステムは、前述のように、メダル払出装置とメダル預入装置とをセットで含む場合があるが、この場合、ユーザは、一定数のメダルをメダル払出装置から購入した後は、もっぱらメダル預入装置を利用してゲームに興じる可能性がある。このような利用態様は、単にユーザに対してメダルの入手元をメダル払出装置かメダル預入装置かの選択の機会を与えるだけであれば、メダル預入装置に預けてあるメダルを利用することなくメダル払出装置からメダルを購入する理由は無く、前記売上増大効果を向上させようとする目的に、あまりいい影響を与えない。当該ゲームシステムの運営者・管理者としては、メダル払出装置のコンスタントな利用があることを望んでいるからである。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、売上向上を図り得るゲームシステム、管理装置及びゲーム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係るゲームシステムは、上述した課題を解決するため、管理装置とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、前記管理装置は、メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、前記識別情報と前記特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備し、前記ゲーム装置は、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、前記管理装置から取得する特典情報取得部と、前記特典情報取得部によって取得された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部とを具備する。
【0008】
本発明によれば、ユーザに、特典情報に応じた特典が付与される。ここで特典情報は、購入情報に基づいて定められることから、ユーザが特典の付与を受けたいと思えば、予め、メダルを購入しておく必要がある。つまり、本発明によれば、特典の付与を誘引要因として、メダルの購入をユーザに促すことになる。また、特典は、ゲーム装置に具備される特典付与部によって付与されるようになっているから、好適な一例として、当該特典の内容は、例えばゲームをプレイすることによって初めて実質的にユーザが獲得可能であるようなものであって、ゲームの内容と関連づけて付与されるようなものであるとよい。これによれば、ユーザは、単にメダルの購入を促されるというだけでなく、付与された特典を実質的に獲得することを目的として、購入したメダルをゲームのプレイのためにより多く消費する動機付けを与えられることになる。
以上により、本発明によれば、ゲームシステムの売上向上効果が実効的に奏される。
【0009】
なお、本発明において、「端末側受付部」は、確認用識別情報を取得する総ての手段を包含する。例えば、確認用識別情報を電気的又は磁気的に記録する記録媒体から確認用識別情報を読取る読取器や、読取面に印刷された確認用識別情報を光学的に読取る読取器、利用者が操作して確認用識別情報を入力する入力機器、利用者の人相、声紋、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体情報を読取る読取器が、「端末側受付部」の概念に包含される。
また、本発明を規定する各要素・各用語については、後の実施形態において、一具体例に即して、より詳細に説明される。特に、「特典」や「購入」の意義等については、後の実施形態中の説明を参照されたい。
【0010】
この第1の観点に係る発明では、前記管理部は、前記特典付与部によって特典が付与された場合に、当該特典に対応する特典付与対象データを、前記管理記憶部において無効化する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典がいったん付与された後に、特典付与対象データが無効化されることから、特典の二重付与といった不都合な事態が未然に回避される。
【0011】
また、この第1の観点に係る発明では、前記認識部が、既に特典情報と関連付けられた有効な特典付与対象データとして前記管理記憶部に記憶されている識別情報と、同一の識別情報を認識した場合において、前記特典内容決定部は、前記同一の識別情報の認識時に認識された新たな購入情報に基づいて、特典情報の内容を新たに決定し、前記管理部は、当該識別情報に関連付けられている特典情報を、前記新たな決定に係る特典情報に更新する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典の付与以前に、当該特典に関連付けられた識別情報が、認識部によって再度認識された場合には、当該特典の内容を例えばグレードアップすることなどが可能になる。この場合、トータルとしてのメダルの購入量が特典の内容に適切に反映されるため、特典を目的としてメダルを購入するユーザにとって、新たなメダルの購入を躊躇することがなくなる。よって、上述した本発明に係る効果、即ち売上向上効果は更に実効的に奏されることになる。
なお、本態様において、「新たな購入情報に基づいて…特典情報の内容が新たに決定」され、また、それによって、従前の特典情報がその「新たな決定に係る特典情報に更新」されるという場合、その新たな決定ないし更新に係る特典情報(以下、この段落において「更新後・特典情報」という。)は、当該従前の特典情報、あるいはこれを決定する際に前提となった購入情報(以下、この段落において「旧・購入情報」という。)の内容が勘案された上で決定されることは言うまでもない。例えば、「購入情報」が購入メダル数を含む場合、旧・購入情報が100枚で、「新たな購入情報」が400枚であるなら、更新後の購入情報が100+400=500枚などと定められ、その結果、更新後・特典情報が、この購入メダル数500枚に基づいて決定される、などということになる。
【0012】
本発明の第2の観点に係るゲームシステムは、上述した課題を解決するため、管理装置とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、前記管理装置は、メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記識別情報と前記購入情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備し、前記ゲーム装置は、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する購入情報を、前記管理装置から取得する購入情報取得部と、前記購入情報取得部によって取得された購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、前記特典内容決定部によって決定された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部とを具備する。
【0013】
本発明は、前述した第1の観点に係る発明では「特典内容決定部」が「管理装置」に含まれているのに対して、「特典内容決定部」が「ゲーム装置」に含まれている点が相違するのを除いて、本質的に、その第1の観点に係る発明と相違しない。したがって、本発明によっても、前述した効果、即ち売上向上効果を享受することが可能である。
なお、本発明と前述の第1の観点に係る発明との間における「特典内容決定部」の配置の相違は、管理装置及びゲーム装置間でやり取りされる情報が相異なることになるなどの相違点も生じるが、その点については、後述する実施形態中の変形例の(1)の中で説明される。
【0014】
この第2の観点に係る発明では、前記管理部は、前記特典付与部によって特典が付与された場合に、当該特典に対応する特典付与対象データを、前記管理記憶部において無効化する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典がいったん付与された後に、特典付与対象データが無効化されることから、特典の二重付与といった不都合な事態が未然に回避される。
【0015】
また、この第2の観点に係る発明では、前記認識部が、既に特典情報と関連付けられた有効な特典付与対象データとして前記管理記憶部に記憶されている識別情報と、同一の識別情報を認識した場合において、前記管理部は、前記同一の識別情報の認識時に認識された新たな購入情報に基づいて、当該識別情報に関連付けられている購入情報の内容を更新する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典の付与以前に、当該特典に関連付けられた識別情報が、認識部によって再度認識された場合には、当該特典の内容を例えばグレードアップすることなどが可能になる(本態様では、例えば、購入情報が購入メダル数を含む場合、その購入情報が従前よりも大きな購入メダル数に更新され、かつ、それに基づいて決定される特典の内容が従前よりもグレードアップされる、などということになる。)。この場合、トータルとしてのメダルの購入量が特典の内容に適切に反映されるため、特典を目的としてメダルを購入するユーザにとって、新たなメダルの購入を躊躇することがなくなる。よって、上述した本発明に係る効果、即ち売上向上効果は更に実効的に奏されることになる。
なお、本発明において、「新たな購入情報に基づいて…購入情報の内容を更新する」という場合、その更新後の購入情報は、従前の購入情報(以下、この段落において「旧・購入情報」という。)の内容が勘案された上で決定されることは言うまでもない。例えば、「購入情報」が購入メダル数を含む場合、旧・購入情報が100枚で、「新たな購入情報」が400枚であるなら、更新後の購入情報は、100+400=500枚、などということになる。
【0016】
前記第1又は第2の観点に係る発明では、前記特典付与部によって付与された前記特典としての状態が継続している場合であって、前記確認用識別情報が前記端末側受付部において入力されない状態となった場合において、当該特典付与部は、当該前記特典としての状態を無効化する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典が、一種の“状態”として所定の期間において継続的に付与される場合、当該特典の享受者としての資格を持つプレイヤー(つまり、メダルの購入者)とは無関係の者が当該特典の恩恵を受けてしまうおそれを未然に回避することができる(このようなおそれは、前記プレイヤーが前記所定の期間内にゲームのプレイを中止してゲーム装置から退席する場合などに生じることが考えられる。)。本態様では、そのような場合には、特典としての状態が無効化されるからである。
なお、本態様において、「確認用識別情報が前記端末側受付部において入力されない状態となった場合」とは、より具体的には例えば、端末側受付部がカード保持部を含むような場合には、前記プレイヤーが当該カード保持部に保持されていたカードを抜き出した場合、等が該当する。
また、端末側受付部がカード保持部を含まないような場合においては、プレイヤーのゲーム装置からの退席を判断する別な方法として、例えば対象となるゲーム装置で一定期間ゲームのプレイがされていない事、等を判断基準としても良い。
【0017】
前記第1又は第2の観点に係る発明では、当該ゲームシステムは、前記購入者による現金的対価の払込みを受けてメダルを払い出すメダル払出装置と、メダルを受領するとともに当該メダルの数の情報を第1クレジット数として記憶するメダル預入装置と、を更に具備するとともに、前記ゲーム装置は、更に、当該ゲーム装置自身が受け入れたメダルの数の情報を第2クレジット数として記憶する貯留部、を具備し、前記管理装置は、更に、前記第1クレジット数から前記第2クレジット数へクレジット数を移行させる移行制御部、を具備し、前記認識部は、前記移行制御部によって移行されたクレジット数を前記購入情報として認識し、前記特典内容決定部は、前記購入情報の内容が前記メダル払出装置からのメダルの払出しに基づくときは、前記特典の内容を決定することで当該特典を付与するものと決定し、前記購入情報の内容が前記移行制御部によるクレジット数の移行に基づくときは、前記特典を付与しないものと決定する、ように構成してもよい。
この態様によれば、ユーザは、メダル預入装置が提供する便宜を享受することができる。つまり、ユーザが、メダルをメダル預入装置に預けてある場合に、預けてあるメダル引き出すためにいちいちメダル預入装置の設置場所まで出向かなくても、ゲーム装置の操作を通じて、メダル預入装置に預けてあるメダルのクレジット数をゲーム装置の貯留部に移行することが可能である。
とはいえ、本発明においては、そもそも、メダルの「購入者」に特典を与える構成が前提にあるのであり、本態様ではこれを前提に、上述したようなクレジット数の移行に基づいては、当該特典は与えられないようになっている。したがって、本態様のような構成であっても、ユーザには、メダル払出装置を利用したい強いインセンティブが与えられ、本発明に係る売上向上効果は本態様においても同様に奏される。
以上をまとめると、要するに本態様は、ユーザにとって一定の利便性を与えるにもかかわらず、なお売上向上効果の享受が可能であるような最も好適な態様の一つを提供するもの(あるいは、換言すれば、両者間の利害関係の調和を程よく取っているもの)ということができる。
【0018】
また、前記第1の観点に係る発明では、前記ゲーム装置は複数存在し、前記特典内容決定部は、前記特典の内容を、前記購入情報に応じて、かつ、前記ゲーム装置ごとに、決定する。
本態様によれば、ゲーム装置ごとに適切な特典を決定することができる。また、このことは、例えばユーザがメダルを購入して特典を享受する資格は得ているものの、どのゲーム装置で遊ぶかは、ゲームシステム側で判断できないので、とりあえず、付与すべき特典の内容をゲーム装置ごとに決定しておくことを意味する。このような処理を行うようにしておけば、付与すべき特典の決定をより的確に行うことができる。また、ゲーム装置ごとに付与すべき特典の内容が予め定まっているのであれば、当該内容をユーザに予め提示することなども可能になるから、ユーザにそれぞれ異なる特典を付与するゲーム装置の選択の機会を与えることが可能となり、ユーザのメダル購入意欲を更に実効的に刺激することも可能である。
【0019】
また、本発明の管理装置は、上述した課題を解決するため、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、当該確認用識別情報に対応する特典を付与する特典付与部と、を具備するゲーム装置と通信する管理装置であって、当該管理装置は、メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、前記識別情報と前記特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備し、前記管理部は、前記確認用識別情報に対応する特典を示す情報として、当該確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、前記ゲーム装置に通知する。
【0020】
本発明は、上述した本発明の第1の観点に係るゲームシステムを、当該ゲームシステムを構成する管理装置を中心とした視点から捉えた発明である。したがって、本発明によっても、当該の発明に係る効果、即ち売上向上効果を享受することが可能である。
【0021】
また、本発明のゲーム装置は、上述した課題を解決するため、メダルの購入者を特定する識別情報と購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記識別情報と前記購入情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備する管理装置と通信するゲーム装置であって、当該ゲーム装置は、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する購入情報を、前記管理装置から取得する購入情報取得部と、前記購入情報取得部によって取得された購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、前記特典内容決定部によって決定された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部と、を具備する。
【0022】
本発明は、上述した本発明の第2の観点に係るゲームシステムを、当該ゲームシステムを構成するゲーム装置を中心とした視点から捉えた発明である。したがって、本発明によっても、当該の発明に係る効果、即ち売上向上効果を享受することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲームシステム100の構成を示すブロック図である。
【図2】特典内容を決定するために用いられるテーブルの一例を示す図である。
【図3】管理記憶部14が記憶する特典付与対象データの一例を示す図である。
【図4】特典内容決定処理に関わる処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】特典付与対象データの無効化の一例(その1)を示す説明図である。
【図6】特典付与対象データの無効化の一例(その2)を示す説明図である。
【図7】特典付与対象データの無効化の一例(その3)を示す説明図である。
【図8】メダル預入装置が関わる処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】操作部22における操作・表示部221の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】図2の変形例を示す図である。
【図12】図2及び図11の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明に係る実施の形態について図1乃至図3を参照しながら説明する。
ゲームシステム100は、図1に示すように、管理装置10、ゲーム装置20、メダル払出装置30、及びメダル預入装置40を備える。なお、このうちゲーム装置20は、図示するように複数のゲーム装置20A,20B,20C,…からなるが、これらを指称する符号20A,20B,20C,…のうち添え字であるA,B,C,…は、これら各ゲーム装置を特に区別する必要がない場合には省略することがある。
【0025】
ゲーム装置20は、端末側受付部21、操作部22、情報取得部(特典情報取得部)23、特典付与部24、貯留部25、通信部27、及び制御部29の各種要素を含む。
このうち、まず、制御部29は、図示しないCPU、RAM、ROM等を含み、当該のゲーム装置20全体が調和的に動作するように、その他の各種要素を直接・間接に制御する。
【0026】
操作部22は、ユーザ(=プレイヤー)による直接的な操作を受けながら、このユーザにゲームを遂行させるための機器である。「ゲーム」とは、例えばスロットゲーム、パズルゲーム、プッシャーゲーム、競馬ゲーム、麻雀ゲーム等々でありえ、本発明ではその種類について特に拘らない。ユーザが操作部22において行うべき操作は、このようなゲームの種類の別に応じる。また、操作部22の具体的形態もゲームの種類の別に応じ、例えば、ゲームがスロットゲームならば、電磁的又は機械的リールのストップ等を指令する各種ボタン等が、操作部22を構成する更なる具体的機器となる。
本実施形態において、ゲーム装置20において展開されるゲームにユーザが参加するためには、操作部22に含まれる所定のスロット(不図示)にメダル(不図示)を物理的に投入することが要求される(ただし、本実施形態においては、クレジット移行に基づくゲームのプレイも許され、その場合は、メダルの投入は要求されない。このクレジット移行に関しては、後述する。)。ゲームの種類にもよるが、例えばプッシャーゲームであれば、メダルの投入が、プレイヤーとしての参加資格の獲得を意味すると同時に、ゲームそれ自体に興じることに繋がる。また、ゲームの結果において一定の成績を収めたプレイヤーには、通常、その投入したメダルの数に応じ、かつ、それよりも多い数のメダルが支払われる。
なお、本発明においては、ゲーム装置20A,20B,20C,…の各々が、ゲームの種類の別に対応していてもよいが、そのうちの全部又は一部が、同一種類のゲームを提供する場合を積極的に排除しない。
【0027】
端末側受付部21は、確認用識別情報の入力を受付ける。本実施形態では特に、この入力にあたっては、当該ゲームシステム100を利用する各ユーザが予め取得したカードC(図1参照)が利用される。カードCには、当該カードCごとに固有に割り振られた、前記確認用識別情報としてのカードID番号が記録されている。記録の方法は、基本的にはどのようであってもよく、電気的又は磁気的記録、あるいはバーコード記録や予め埋め込まれたICチップ内への書込等々の手法が利用可能である。
また、端末側受付部21は、前記カードCの利用に対応するため、図1に示すようにカード保持部21Cを含む。このカード保持部21Cは、カードCの挿入を受けると、当該カードCに記録されたカードID番号の入力を受付ける。その際における当該情報の入力受付け、ないしは読取の手法は、前述したカードCへの当該情報の記録手法の相違に応ずる(例えば、バーコード記録なら光学式読取、等々というようである。)。
本実施形態に係るカード保持部21Cは特に、当該カードC本体を継続的に保持可能であり、かつ、そのような継続的保持状態の場合に、カードCに記録されているカードID番号の継続的読取りが可能である。
【0028】
情報取得部23は、管理装置10から、端末側受付部21において読み取られたカードID番号に対応する特典情報を取得する。情報取得部23は、このように管理装置10と強い協働関係をもつ要素であるため、後に、管理装置10を構成する特典内容決定部12、管理部13ないし管理記憶部14について説明する際に改めて、より詳しく説明することにする。すぐ前に述べた「特典情報」の意味等についても、その際に説明する。
また、特典付与部24は、情報取得部23によって取得された特典情報に基づいて、特定の内容をもつ特典を付与する。この点についても、「特典情報」の意義等と絡めて説明するほうが適切であるため、後に説明する。
【0029】
貯留部25は、メダルの数を表す貯留クレジット数を記憶・管理する。この貯留部25もまた、図1に示すところから明らかなように、管理装置10(特に、移行制御部15)と強い協働関係をもつ要素であるから、後に、当該以降制御部15について説明する際に改めて、より詳しく説明することにする。すぐ前に述べた「クレジット数」の意味等についても、その際に説明する。
【0030】
通信部27は、管理装置10との間で所定の通信を行うためのインターフェイスである。通信内容には、前述した情報取得部23から受け取るカードID番号や、あるいはこれに対する応答(これは、管理装置10からゲーム装置20への通信である)、等が含まれうる。
【0031】
一方、管理装置10は、認識部11、特典内容決定部12、管理部13、管理記憶部14、移行制御部15、通信部16、及び制御部19の各種要素を含む。
このうち、まず、制御部19は、図示しないCPU、RAM、ROM等を含み、管理装置10全体、あるいはゲームシステム100全体が調和的に動作するように、その他の各種要素を直接・間接に制御する。また、通信部16は、前述したゲーム装置20の通信部27と対となるべき要素であり、各ゲーム装置20との間で所定の通信を行うためのインターフェイスである。
【0032】
認識部11は、図1に示すように、メダル払出装置30からカードID番号及び購入情報を受け取って、これを認識する。
ここでメダル払出装置30は、ユーザから現金等の対価の供給を受けて、メダルを払い出す装置である。このメダル払出装置30も、図1に示すように、前述の端末側受付部21Cと同様の受付部31をもつ。すなわち、当該受付部31は、カードCの挿入を受けてそのカードID番号を読み取る。これにより、メダル払出装置30は、メダルの払出を要求したユーザが誰であるかを特定した上で、メダルの払出を行うことが可能である。そして、管理装置10の認識部11は、前記受付部31によって読み取られたカードID番号の報告を受け、これを識別情報として認識する。なお、カードCに記録されているカードID番号について、ここでは“識別情報”といい、前記端末側受付部21との関連においては“確認用識別情報”といっているが、両者は同質・同形式の情報である。
また、認識部11は、カードID番号の通知を受けるとともに、メダル払出装置30から購入情報の通知をも受け取る。この「購入情報」には、少なくとも払い出したメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む。そのほか、場合によっては、払出時間等の付随情報が含まれてもよい。いずれにせよ、この購入情報は、当該ユーザによる当該ゲームシステム100における売上貢献度を精度よく表現する情報を含んで好適である。この購入情報は、前記受付部31の作用により、特定のカードID番号、即ち特定のユーザと関連付けられ得る。
【0033】
なお、メダルの払出とは、厳密に言えば、メダルの“売買”というのではなくて、メダルの“貸与”である。より正確に言えば、ユーザは、現金等の対価として、ゲームシステム100が提供するゲームで遊ぶ権利を獲得する(=買い受ける=購入する)のであり、メダルは、その権利を表象するために当該ユーザに貸し出されている、ということになる(メダルの所有権はあくまでもゲームシステム100の管理者の側にある。)。
もっとも、本発明の説明に関し、この点をあまりに厳格に区分する実益はないから、本明細書全般においては、前記貸与を含む意味において、「払出」という用語を統一して用いている。また、特許請求の範囲等で用いられている「購入」とか、「購入者」・「購入情報」などの用語についても、以上のような背景をもつ用語として解釈される必要がある。
【0034】
特典内容決定部12は、認識部11から通知される前記購入情報を受け取り、これに応じて特典内容を決定する。ここで特典とは、メダルの購入者の利益となるべきもの一般を指す。より具体的に言えば、本実施形態に係る「特典」は、ゲーム装置20が提供するゲームの内容と密接に関連させられていると好適であり、更に具体的にいえば、例えば、ゲーム装置20Aがプッシャーゲーム機である場合には、“プッシャーテーブルにメダルを供給すること”とか、“プッシャーテーブルにいわゆるジャックポットボールを落下させること”等というようである。また、ゲーム装置20Bがロールプレイングゲーム機である場合には、“通常時では与えられないような強力なアイテムをプレイヤーに与えること”等というようになる。
【0035】
特典内容決定部12は、例えば図2に示すようなテーブルをもつ。このテーブルは、縦方向に沿ってゲーム装置20A,20B,…,20F(説明の簡単のため、以下ではゲーム装置20は6個あるものとし、かつ、それぞれ別の種類のゲームを提供するものとする。)が並ぶとともに、横方向に沿って購入情報に含まれるメダル払出枚数が所定のランクに区分されて並ぶ構成をもつ。そして、これらの交差に位置する各欄は、特典の内容を意味している。例えば、メダル払出枚数が1枚から100枚までの場合のゲーム装置20Aに関する特典の内容は、「TA1」と名付けられているということである。すなわち、これら「TA1」,「TA2」,…,「TE1」,…,「TF3」はそれぞれ、前述したような、“アイテム付与”等々の特定の意味内容を表象している。
なお、図2においては、例えば、メダル払出枚数が1枚から100枚までの場合のゲーム装置20B等のように、特典の内容が定められない場合がある。つまり、この場合に該当するときには、特典は与えられない。
また、上述のように、本実施形態においては、異なる種類のゲームを提供するゲーム装置20A,…,20Fごとに特典の内容が定められる。本発明において、「特典の内容を……ゲーム装置ごとに、決定する」(特に「ゲーム装置ごとに」)という文言は、典型的には、このように各ゲーム装置が異なる種類のゲームを提供する場合を想定している。
さらに、本発明において、「購入情報」は、購入されたメダルの数だけでなく、購入金額の情報を含み得るから、前述のランクを、購入金額の多寡に基づいて定めることも可能である。
【0036】
本実施形態に係る特典内容決定部12は、このようなテーブルに基づき、かつ、認識部11から通知される購入情報に応じて、特典の内容を決定する。もっとも、メダル払出時点においては、当該ユーザがどのゲーム装置でゲームを開始するかはわからないため、特典内容決定部12は、前記ランクの区分(メダル払出枚数の区分)に応じた、一群の特典群を一挙に、適用すべき特典の内容として決定する。これが「特典情報」である(図2に示す名前「SE1」,「SE2」,「SE3」参照)。例えば、あるユーザが、150枚のメダルを購入した場合には、特典内容決定部12は、特典群名「SE2」、つまり、各ゲーム装置20A乃至20Fの各々について、特典TA2、特典なし、特典TC2,特典なし,特典TE2,特典TF2と定められた一群の特典群を、適用すべき特典の内容として決定することになる。
【0037】
管理部13は、特典内容決定部12によって決定された特典情報と、認識部11によって認識された識別情報としてのカードID番号及び購入情報を記憶・管理する。その際、管理部13は、管理記憶部14等を利用する。管理記憶部14は、前記カードID番号と特典情報とを相互に関連付け、これを特典付与対象データとして記憶する。
その様子は、例えば図3に示すようである。この図3に示すように、ある特定のユーザを指し示すカードID番号と、当該カードID番号の入力を伴って払い出されたメダルの数(購入情報)に応じて定められた特典情報とは、相互に対になって記憶される。なお、本実施形態においては、カードID番号は「CxxxxxxY」という形式をもつ(xは0,1,2,…,9、Yは“A”又は“B”。各値には様々な意味を込めておくことが可能である。)ように定められる。また、本実施形態における特典情報の実体は、一群の特典群であること(図3及び図2対比参照)は既に述べたとおりである。
管理部13は、このような規準に則って、カードID番号と特典情報との記憶を管理記憶部14へと指令する。そして、本実施形態においては、管理記憶部14が、図3に示すような個々の特典付与対象データを記憶していること自体が、当該個々の特典付与対象データが“有効”であることを意味する(図中、「無効化された特典情報」とあるが、この点については後述する。)。
【0038】
なお、本実施形態においては、管理記憶部14が管理装置10の一部を構成しているが、本発明はかかる形態に限定されるわけではない。管理記憶部14は、管理装置10とは全くの別個の要素として、あるいは当該管理装置10の外部装置として準備されてもよい。
【0039】
以上に関連して、上述したゲーム装置20の情報取得部23は、端末側受付部21において読み取られたカードID番号を管理装置10側に通知するとともに、それに対応した前述のような特典情報を取得する(もちろん当該特典情報が存在する場合に限る。)。また、特典付与部24は、そのようにして取得された特典情報に基づく特典を現に付与する。なお、この際においては、特典付与を実行すべきゲーム装置20は当然特定されているから、当該ゲーム装置20(例えば、カードCの挿入を受けたゲーム装置20がゲーム装置「20F」ならば、当該「ゲーム装置20F」)は、特典情報の中から、自分自身に対応する特典の内容を選び出し、当該内容に対応する特典の付与を実行することになる。
【0040】
移行制御部15は、メダル預入装置40に記憶・管理されている預入クレジット数から、ゲーム装置20の貯留部25に記憶・管理されている貯留クレジット数へのクレジット数の移行を制御する。移行されるべきクレジット数は、例えばユーザによって直接的に指定される。典型的には例えば、端末側受付部21にカードCが挿入されるとともに、当該ユーザが操作部22を用いて特定数のクレジットの移行を指令すると、移行制御部15は、カード保持部21Cによって読み取られたカードID番号をキーとして、当該カードID番号に対応する預入クレジット数から貯留クレジット数への、指定されたクレジット数の移行を行う(なお、このクレジットの移行に関しては、後に図8を参照して改めて説明する。)。
ここでまず、クレジット数とは、“メダルの数”と同義である。
また、メダル預入装置40は、ユーザからメダルを受領し、その受領したメダルの数を預入クレジット数として、当該ユーザに関連付けて記憶する。図示はしないが、このメダル預入装置40も、前述の端末側受付部21Cと同様の受付部をもつ。すなわち、当該受付部は、カードCの挿入を受けてそのカードID番号を読み取る。これにより、メダル預入装置40は、このカードID番号に基づいて、特定のユーザと預入クレジット数との関連付けを行うことが可能である。この関連付けは、後に預入クレジットを引き出す際に、メダルを預けたユーザ、つまりクレジットの所有者本人であるか否かをカードID番号によって判断することを可能とする。
他方、ゲーム装置20の貯留部25は、前記預入クレジット数から移行されたクレジット数を、貯留クレジット数として記憶・管理する(図1のメダル預入装置40から認識部11への矢印 参照)。この貯留クレジット数の値が0より大きい場合、ユーザないしプレイヤーは、当該ゲーム装置20において現にゲームに興じることが可能な状態におかれるという意味において、前記操作部22におけるスロットにメダルを投入した場合と同じ状況が生じる。
【0041】
以上に述べた構成を持つ本実施形態に係るゲームシステム100は、次に述べるように動作する。以下、これを、既に参照した図1乃至図3に加えて、図4以下の各図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係るゲームシステム100では、ゲーム装置20におけるゲーム遂行処理等、様々な処理が並行的に実施されうるが、以下では、説明の簡単のため、本発明に特に関連のある処理について重点的に説明を行うこととする。
【0042】
まず、本実施形態において、特典内容の決定処理に関わる処理がどのように行われるかについて説明する。なお、以下に述べる各処理は、管理装置10の制御部19内、あるいは、ゲーム装置20の制御部29内にあるRAM、あるいはROM内に記憶されたプログラムに従って実行される。
この処理では、図4に示すように、メダル払出装置40からのメダル払出処理が実行されることが前提とされる。すなわち、メダル払出装置40は、ユーザによって挿入されたカードCに記録されているカードID番号を読み取り、また、現金等の対価の払込を受けて、メダルを払い出す(図4のステップS201)。メダル払出装置40は、この過程で得られたカードID番号と購入情報とを管理装置10に通知する(図4のステップS202)。
【0043】
次に、管理装置10の認識部11は、このように通知されてきたカードID番号と購入情報とを認識する(図4のステップS301)。続いて、管理装置10は、この認識された購入情報がメダル払出に基づくことを確認した上で(図4のステップS30A;YES)、特典内容決定部12は、当該購入情報に基づいて特典の内容を決定する(図4のステップS302)(なお、ステップS30Aについては、後に参照する図8の説明の際に改めて触れる。)。この場合の特典の内容の決定は、既に説明したように、図2を参照して説明したテーブルに基づいて行われる。すなわち、メダルの払出枚数に応じた特典群SE1,SE2,SE3,…のうちのいずれかが、適用すべき特典情報として決定される。なお、このようにして決定された特典情報は、その決定根拠となった購入情報の認識時に同時に認識されたカードID番号と対応付けられる。その結果、管理装置10の管理部13は、このカードID番号と特典情報とを相互に関連付け、これらを特典付与対象データとして管理記憶部14に記憶する(図4のステップS303)。その様子は、既に参照した図3に示した通りである。また、この際、管理記憶部14は、各々の特典付与対象データに対応する購入情報をも同時に記憶する(不図示)。
【0044】
次に、メダルの払出を受けたユーザが、ゲーム装置20A,20B,20C,…,20Fのいずれかに対して、カードCを挿入すると、その挿入を受けたゲーム装置20は、管理装置10に、当該カードID番号に対応する特典情報が存在するかどうかを問合せ、それが存在する場合には当該特典情報を取得する(図4のステップS401)。
管理装置10の制御部19は、前述の問合せを受けて、ゲーム装置20から通知されてきたカードID番号に一致するカードID番号が、管理記憶部14に記憶されているかどうかを確認する(図4のステップS304)。ここで、そのようなカードID番号が存在しない場合には(図4のステップS304;NO)、特典内容決定処理に関わる処理は終了する。ただし、管理装置10は、そのようなカードID番号が存在しない旨をゲーム装置20に通知してもよい。いずれにせよ、図4のステップS304の判断の結果が否定である場合は、ゲーム装置20は管理装置10から特典情報を取得しないので、特典の付与は実行されないことになる。
【0045】
他方、そのようなカードID番号が存在する場合には(図4のステップS304;YES)、当該カードID番号に対応する特典情報を、その問い合わせ元であるゲーム装置20に通知する(図4のステップS305)。当該ゲーム装置20の特典付与部24はこれを受けて、当該特典情報の内容に応じた特典の付与を現に実行する(図4のステップS402)。既に述べたとおり、特典情報は、各ゲーム装置20に個別的に定められた特典の内容を1セットとする、一群の特典群を含んでいる。したがって、特典情報を要求したゲーム装置20は、その特典群の中から自分自身に合致した特典の付与のみを実行することになる。
【0046】
あるゲーム装置20において特典の付与が現に実行された場合、即ち、当該特典の根拠となった特典情報がゲーム装置20に通知された場合には、管理装置10の管理部12は、その通知に係る特典付与対象データを無効化する(図4のステップS306)。その無効化の様子は、既に参照した図3中の上から5番目の欄において象徴的に表現されている。これにより、特典の二重付与といった不都合な事態が未然に回避される。
なお、図3においては、「特典情報」を無効化することで、当該の特典付与対象データを無効にする例が示されているが、本発明は、かかる形態に限定されない。例えば、図5に示すように、図3とは逆に、識別情報を無効化することで当該の特典付与対象データを無効にしたり、図6に示すように、識別情報及び特典情報の双方を無効化することで当該の特典付与対象データを無効にしたり、あるいは、図7に示すように、有効・無効判別フラグの上げ下げによって、当該の特典付与対象データの有効・無効を決する、という構成が採用されてもよい。いずれの場合も、本発明にいう「無効化」の一具体例に含まれる。
【0047】
なお、以上の場合において若干注意を要するのは、既に説明したように、ある特定のゲーム装置20については特典の内容が定められていない場合があることである(図2参照)。このような場合、そのようなゲーム装置20が特典情報を受け取ったとしても、当該ゲーム装置20は、特典の付与を実行しない。あるいは、このような場合には、そもそもゲーム装置20に対して特典情報を通知しないようにしてもよい。そして、この場合は、上述した特典付与対象データの無効化は行われない。図4のフローチャート(特に、そのステップS402、あるいはステップS306)は、ゲーム装置20が特典情報を取得すれば、特典の付与を現に実行する通常の場合を想定して描かれている。
【0048】
ちなみに、上の説明においては省略したが、管理装置10は、複数のゲーム装置20A,20B,20C,…,20Fの2以上にそれぞれ異なるカードID番号が記録されているカードCが挿入されている場合は、それら2以上のゲーム装置20から要求された特典情報の送信要求に並行的又は順序的に対応する。
【0049】
また、本実施形態において、図4のステップS402の特典付与が実行される前に、既に特典の付与を受け得る地位を潜在的に取得しているユーザが、改めて、メダル払出装置30からのメダルの払出を受ける場合があり得るが、この場合、本実施形態では以下のような処理が行われる。
すなわち、この場合においては、管理記憶部14において既に記憶されており、かつ、無効化されていないカードID番号と特典情報との対(即ち、特典付与対象データ)が存在することになるが、認識部11は、かかるカードID番号と同一のカードID番号を改めて再度認識することになる(図4のステップS301参照)。この際、当該カードID番号の再認識時に認識した新たな購入情報も存在するが、この新たな購入情報を、先に認識されて記憶されている購入情報に足し込んで得られる購入情報は、図2のテーブルに従うと、違うランクに属することになる場合がある。例えば、最初に150枚のメダルを購入した者が、更に200枚のメダルを購入すれば合計350枚となり、図2中のランクは右に一つ ずれることになる。このような場合には、特典内容決定部12は、その新たなランクに対応する特典情報を、適用すべき新たな特典情報として改めて決定し直す(即ち、特典情報を更新する。図4のステップS302・S303参照。)。
このようにすれば、ユーザが購入したメダル数に正確に応じた特典を付与することが可能になる。
【0050】
以上に述べたような構成をもち、かつ動作する、本実施形態に係るゲームシステム100によれば、次のような効果が奏される。
まず、本実施形態のゲームシステム100によれば、メダル払出装置30からメダルを購入した者にだけ、ゲーム装置20に関わる魅力的な特典が与えられることになるから、当該ゲームシステム100を利用するユーザ一般には、メダル払出装置30を利用したくなるようなインセンティブが与えられることになる。特に、本実施形態のゲームシステム100では、発明が解決しようとする課題の欄で述べたような、投入現金額に応じた購入レートの上昇といったサービスとは異なって、ゲームそれ自体に関わる特典がユーザに与えられることになるため、ユーザをゲームのプレイへと促す効果が強い。したがって、本実施形態のゲームシステム100によれば、売上向上効果が極めて実効的に奏されるのである。
また、本実施形態によれば、上述のように、特典付与実行前に新たにメダルが購入された場合、特典の内容がいわばグレードアップされるようになっているから、ユーザのメダル購入意欲は更に刺激される。
【0051】
なお、これに関連して、メダル預入装置40が関わる処理について、図8を参照して説明しておく。この図8に示すように、ユーザがメダル預入装置40にメダルを預け入れると(図8のステップS211参照)、後は基本的に、ゲーム装置20へカードCを挿入するだけで、ゲームの遂行自体は当該ユーザにとって許されることになる(なお、真にゲームの遂行が許されるのは、すぐ後に述べるクレジット移行が生じた後であることは言うまでもない。)。これは、操作部22を用いたユーザの指示等に基づき、預入クレジット数から当該ゲーム装置20の貯留クレジット数へのクレジット数の移行を促すクレジット移行指令が、移行制御部15から発せられ得るようになっているからである(以上、図8のステップS411、ステップS311、ステップS212及びステップS412参照。なお、このクレジットの移行処理の場合も、キーとなるのは、図に示すとおり「カードID番号」である。)。
このようなメダル預入装置40が関わる処理は、前述した図4のステップS30Aの判断と密接に関わる。すなわち、すぐ上で述べたように、クレジット数の移行が行われると、管理装置10の認識部11は、その移行されたクレジット数を購入情報として認識する(図8のステップS312)。しかし、このような内容をもつ購入情報はメダル払出に基づくものではないため、図4のステップS30Aでは否定側に判断され(図8及び図4の接続記号A 参照)、結局、特典の内容の決定も、また、当然ながらその付与も実行されないのである(図4のステップS30A;NOからENDへ)。
このようなことから、ユーザは、メダル預入装置40を利用しようとするよりは、メダル払出装置30を利用しようとする動機付けをより強く与えられるのである。
【0052】
なお、この点に関し、以下に述べるような構成が採用されるとなお好適である。
すなわち、上述したところわかるように、メダル預入装置40における預入クレジット数の値が0より大きい限り、ユーザは、当該預入クレジット数をいわば取り崩していくことによってゲームを遂行していくこと自体は可能である。しかし、これをやすやすと許容したのでは、メダル払出装置30の利用頻度が少なくなってしまうおそれがある。そこで、例えば図9に示すように、ゲーム装置20の操作部22が、タッチパネル等の操作・表示部221をもつ場合においては、クレジット数の移行を指令するための指令用画面221Aを提示すると同時に、ユーザに、当該ゲーム装置20において享受可能な特典の内容を表す特典情報表示画面221Bをも併せ提示する構成が採用されると好適である。つまり、預入クレジット数を取り崩すのではなく、メダルを購入すれば有利な特典が手に入ることをユーザにアピールするのである。これによれば、メダル払出装置30を利用したくなるという動機付けは、より一層高められる。
なお、図9は、ある特定のゲーム装置20における操作部22上の操作・表示部221の例を念頭においているため、表示すべき特典情報は、当該ゲーム装置20に関連するものだけに限ってよい(図2と対比参照。図9に示す操作・表示部221は、図2のゲーム装置「20A」上のもの、ということになる。)。ただし、他のゲーム装置20についての特典が表示されることがあっても勿論よい。
また、上記においては、特典情報表示画面221Bが、ゲーム装置20上の操作・表示部221において表示される例について説明しているが、かかる画面221Bは、ゲーム装置20以外の各要素(図1等参照)において表示されてもよい。特に、管理装置10が、例えばポイント管理機能(個々のユーザに対して、ゲームのプレイ頻度等に応じたポイントを付与する機能)、来店認証機能(ユーザ各自に独自の、前記ポイント付与等のサービスを提供すること等を実現するために、ユーザのカードID番号を当該ユーザが来店した時に認証する機能)等をもつ場合、当該管理装置10は、前記ポイントの獲得数の確認とか前記認証等を行うために、ユーザの操作を直接に受ける操作・表示部(不図示)を備えることがある。そのような場合、当該操作・表示部において、前述したような特典情報表示画面221Bが表示されるようになっていれば、より大きなアピール効果を期待することができる。
さらに、指令用画面221Aについて簡単に説明しておくと、テンキーAA1は移行すべきクレジット数AA2を指定するために用いられるとともに、引出ボタンAA3は、預入クレジット数から貯留クレジット数への移行の指令のため、また、預入ボタンAA4は、その逆の移行の指令のために用いられる。矢印AA5の向きは、操作・表示部221全体が液晶ディスプレイ等であれば、引出ボタンAA3・預入ボタンAA4のどちらが押下されたかに応じて、表示内容を自由に変更可能(つまり、当該向きを変えて表示することが可能)である。
【0053】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明に係るゲームシステムは、上述した形態に限定されることはなく、各種の変形が可能である。
【0054】
(1) 上記実施形態においては、特典内容決定部12が管理装置10の一部を構成している例について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、図10に示すように、特典内容決定部28がゲーム装置20の一部を構成している例も、本発明の範囲内にある。このような場合においては、管理装置10が「特典情報」をもつことはないから、上記実施形態のように、管理装置10からゲーム装置20へ特典情報が与えられることはない。図10においては、その代わりに、同図に示すように「購入情報」が与えられる。そのための変更点は主に以下の通りである。
(i)管理記憶部14が記憶するのは、カードID番号と特典情報の対としての特典付与対象データではなく、カードID番号と購入情報の対としての特典付与対象データである。
(ii)ゲーム装置20の情報取得部23は、特典情報の送信要求ではなくて、購入情報の送信要求を行う(図4のステップS401に相当する。)。また、管理装置10は、これに応じた購入情報の送信を行う(この点は図10に示した通り。なお、図4のステップS305に相当する。)。
(iii)ゲーム装置20の特典内容決定部28は、前記(ii)のようにして取得された購入情報に基づいて、特典の内容、即ち特典情報を決定する。
このように、図10の例の場合には、特典の内容の決定が各ゲーム装置20において独自に行われることになるから、上記実施形態において説明したような、一群の特典群をその内容とする特典情報が形成される必要はない。各ゲーム装置20は、図2に即していえば、当該テーブル中の自分自身に関する横一行分のテーブルだけをもてばよいのである。そして、この場合の「特典情報」は、当該横一行分のテーブルのうちの、いずれか1つのランクの購入情報に応じた欄に該当する特典の内容を示すことになる。
(iv) さらに、特典付与が行われた場合に無効化されるのは、購入情報か、当該購入情報に対応する識別情報か、あるいはまた、その双方である(図4のステップS306に相当する。なお、図3、図5乃至図7も参照)。加えて、特典付与以前にメダル購入が改めて行われた場合に、管理記憶部14において更新される対象は、購入情報である(上記実施形態では、更新対象は「特典情報」であった。)。
ちなみに、このような形態の場合は、図10に示す情報取得部23は、本発明にいう「購入情報取得部」に該当する。
【0055】
(2) 上記実施形態においても、「特典」の内容が様々であり得ることについては既に述べているが、本発明は特に、その特典が、一種の“状態”として所定の期間において継続的に付与され得るようなもの である場合をも含む。例えば、ゲーム装置20が麻雀ゲームを提供する場合、当該プレイヤーがゲームを続ける限りは、所定の期間において“そのプレイヤーの配牌の中には常にドラ牌が2つ以上含まれる”などというようである。
ただし、この場合においては、当該プレイヤーが、当該ゲームのプレイを止めた場合、当該特典としての状態が依然維持されたままであると、全然無関係の者が当該特典の恩恵を受けてしまうおそれがある。そこで、そのような場合、より具体的には例えば、当該プレイヤーがカード保持部21Cに保持されていたカードCを抜き出した場合等、確認用識別情報としてのカードID番号が端末側受付部21において入力されない状態となった場合には、特典付与部24は、当該特典としての状態を無効化する、というように構成しておくのが好ましい。
なお、上記実施形態のように、ゲーム装置20がカード保持部21Cを含まないような場合においては、当該ゲーム装置20において一定期間、ゲームのプレイがされていない事、等を判断基準として、特典としての状態を無効化するか否かを決定するようにしてもよい。
【0056】
(3) 上記実施形態においては、図2を参照して説明したテーブルが固定的であるかのように説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、図2の状態を基本として、ゲームシステム100の管理者が、当該テーブルの内容を自由に設定可能、あるいは変更可能であってもよい。これにより、例えば図11及び図12に示すようなテーブルが形成され得ることになる。図11では、図2においては特典が与えられない場合に該当していたゲーム装置20Bに関する、メダル払出数「1−100枚」・「100枚超―300枚」の2つの場合について、内容TB1及びTB2とする特典が与えられるように変更されている。また、図12では、購入情報のランク自体が変更されている。すなわち、この図12では、図2において「100枚超―300枚」とされていたランクが「100枚超―500枚」と変更され、「300枚超―500枚」とされていたランクが「500枚超―700枚」と変更されていることがわかる(なお、図12は図11を前提としている。これらの図中の「TB1」「TB2」参照)。
また、本発明において、「購入情報」は、購入されたメダルの数だけでなく、購入金額の情報を含み得るから、前述のランクを、購入金額の多寡に基づいて定めることも可能である。
このように、テーブルの内容が自由に設定可能であることが前提とされると、ゲームシステムの管理者は、例えばユーザに不人気のゲーム装置20については、そうではないゲーム装置20についてよりも、より有利な特典を設定するなどということが可能となる。この例によれば、特典の内容を誘引要因として、不人気のゲーム装置20へユーザを誘うことが可能となるから、各ゲーム装置20について生じ得る人気機種・不人気機種の区別が解消され、ゲームシステム100全体における均一的なメダル消費が実現されて、売上向上効果がより実効的に享受可能となる。
【0057】
(4) 上記実施形態においては、本発明にいう「識別情報」ないし「確認用識別情報」にはカードID番号が該当するようになっているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、本発明にいう「識別情報」には、人相、声紋、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体情報が含まれうる。また、「識別情報」は、固有的パスワードであってもよい。ここに固有的パスワードとは、ある者同士で共通することが許容されるようなパスワードでななくて、各人に1つずつの使用しか許されないパスワード、を意味する用語として用いている。
【0058】
(5) この(4)に関連して、上記実施形態におけるカード保持部21Cは、カードCを継続的に保持可能であり、かつ、そのような継続的保持状態の場合にカードCに記録されているカードID番号の継続的読取り可能な構成をもつとされているが、本発明は、かかる形態に限定されない。つまり、本発明にいう「端末側受付部」は、このほかにも様々な具体的形態をとりうる。
例えば、「端末側受付部」は、「確認用識別情報」の入力が、カードCの保持によるのではなく、当該カードCを読取部に瞬時接触させることによって実現される構成(より具体的には、カードCが、非接触型ICカード(密着型、近接型、近傍型等)である場合等を想定されたい。)や、当該入力が前記(4)のように生体情報を用いて行われる構成、更には前記固有的パスワードを用いて行われる構成、等を含む。
以上の事項は、本実施形態に係る「受付部31」や、メダル預入装置40に設けられる「受付部」についても当然、同様に当てはまる。
【0059】
ちなみに、これに関連して、「確認用識別情報」の入力が、上述のように非接触型ICカードや、固有的パスワードを用いて行われる場合には、ある一のゲーム装置20において特典付与が実行されているのに、他のゲーム装置20においても特典付与が実行されるという場合が生じ得る(特典の内容が、前述のように一種の状態として継続的に付与される場合、このようなことが生じるおそれが高まる。)。これは非接触型ICカードの他人への貸与や、固有的パスワードの他人への教示、等があり得ることによっている。このような場合、これら2つのゲーム装置20のいずれにおいても、特典付与の実行を許可するという選択肢を本発明は捨てるわけではないが、好適には、どちらか一方のゲーム装置20においてのみ、特典付与の実行が許可されるという態様が採用されるとよい。このようにすれば、特典の重複的付与が未然に防止され、特に、不正な特典享受が未然に防止されることになる。なお、この態様においては、特典付与の実行を許可すべき、1個のゲーム装置20を定める必要があるが、それをどのような基準に従って定めるかは基本的に自由である(例えば、時間的にみて1番初めに確認用識別情報の入力を受付けたゲーム装置、等々)。
【0060】
(6) 上記実施形態においては、カードCに記録されたカードID番号をゲームシステム100内の各処理に使用しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、カードID番号に対応付けられた他の識別情報(以下「参照用識別情報」という)を、カードID番号の代わりにゲームシステム100内の各処理に使用する形態も採用可能である。具体的には、利用者に付与された参照用識別情報とカードID番号とを例えば図示しないID管理サーバが対応付けて管理し、管理装置10やゲーム装置20、あるいはメダル払出装置30での処理には、前述の実施形態でのカードID番号の代わりに、利用者から受付けたカードID番号に応じてID管理サーバ36が特定した参照用識別情報が適用される。
これによると例えば、図3に示す「カードID番号」は、当該の参照用識別情報に置き換え可能となり、あるいは、図7におけるメダル払出装置30、管理装置10及びゲーム装置20の各々の間でやり取りされる「カードID番号」もまた、当該の参照用識別情報に置き換え可能となる。
以上の構成によれば、例えばユーザがカードCを紛失した場合でも、新規に発行されたカードCを参照用識別情報に対応付けることで、利用者が紛失したカードCに対応する特典情報を、新規のカードCのカードID番号で特定することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
100……ゲームシステム、10……管理装置、11……認識部、12……特典内容決定部、13……管理部、14……管理記憶部、15……移行制御部、16……通信部、19……制御部、20(20A,20B,20C,20D,20E,20F)……ゲーム装置、21……端末側受付部、21C……カード保持部、22……操作部、221……操作・表示部、23……情報取得部、24……特典付与部、25……貯留部、27……通信部、28……特典内容決定部、29……制御部、30……メダル払出装置、31……受付部、40……メダル預入装置、C……カード
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、管理装置及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のゲーム装置と、これらと通信可能に接続された管理装置とを含むゲームシステムが提供されている。このゲームシステムでは、ゲーム装置が提供するゲームに興じるためにメダルの投入が要求されるものが知られている。この場合、ユーザは現金等を対価としてメダルを予め入手しておく必要があるが、当該ゲームシステムは、そのためのメダル払出装置を、その構成要素として含む場合がある。また、ユーザが使いきれずに残ったメダルを店舗側に預けることで次回来店時に預けたメダルを再利用できるように、当該ゲームシステムは、メダル預入装置を含むこともある。
このようなゲームシステム、特に前記メダル払出装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2860818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなゲームシステムにおいては、次のような問題がある。
すなわち、前記ゲームシステムでは、メダル払出装置からのメダルの購入行為だけが店舗側に対する売上に貢献するのであって、購入したメダルを使用してユーザがゲームをプレイする行為自体は、店舗側に対する売上には何ら貢献しない。つまり、売上を増大させるためには、次回の新たなメダル購入を促進する何らかの対策を考える必要があるが、この点、従来はあまり配慮が払われていなかった。従来において、1枚のメダルについての払込金額を一応の基準として定めながらも、払い込まれた現金金額の大きさに応じて、前記基準を上回るレートでユーザにメダルを払い出すというサービスが行われる場合があった。例えば、購入金額200円に対してメダルが20枚払い出されること(即ち、10円/枚)を一応の基本としながらも、500円に対しては65枚、1000円に対しては150枚、2000円に対しては350枚、……をそれぞれ払い出す、などというようである。しかしながら、これだけでは、メダルの購入が促進されはするものの、より多くのメダルを手に入れたユーザにとっては、いままでと同じメダルの消費ペースでゲームをプレイする限りにおいては、次回の新たな購入までの期間は逆に長くなってしまうことになる。つまり、メダルの購入と、ゲームのプレイによるメダルの消費を同時に促進することによって、初めて売上増大効果を実効的に享受することが可能になる。
【0005】
また、従来のゲームシステムは、前述のように、メダル払出装置とメダル預入装置とをセットで含む場合があるが、この場合、ユーザは、一定数のメダルをメダル払出装置から購入した後は、もっぱらメダル預入装置を利用してゲームに興じる可能性がある。このような利用態様は、単にユーザに対してメダルの入手元をメダル払出装置かメダル預入装置かの選択の機会を与えるだけであれば、メダル預入装置に預けてあるメダルを利用することなくメダル払出装置からメダルを購入する理由は無く、前記売上増大効果を向上させようとする目的に、あまりいい影響を与えない。当該ゲームシステムの運営者・管理者としては、メダル払出装置のコンスタントな利用があることを望んでいるからである。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、売上向上を図り得るゲームシステム、管理装置及びゲーム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係るゲームシステムは、上述した課題を解決するため、管理装置とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、前記管理装置は、メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、前記識別情報と前記特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備し、前記ゲーム装置は、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、前記管理装置から取得する特典情報取得部と、前記特典情報取得部によって取得された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部とを具備する。
【0008】
本発明によれば、ユーザに、特典情報に応じた特典が付与される。ここで特典情報は、購入情報に基づいて定められることから、ユーザが特典の付与を受けたいと思えば、予め、メダルを購入しておく必要がある。つまり、本発明によれば、特典の付与を誘引要因として、メダルの購入をユーザに促すことになる。また、特典は、ゲーム装置に具備される特典付与部によって付与されるようになっているから、好適な一例として、当該特典の内容は、例えばゲームをプレイすることによって初めて実質的にユーザが獲得可能であるようなものであって、ゲームの内容と関連づけて付与されるようなものであるとよい。これによれば、ユーザは、単にメダルの購入を促されるというだけでなく、付与された特典を実質的に獲得することを目的として、購入したメダルをゲームのプレイのためにより多く消費する動機付けを与えられることになる。
以上により、本発明によれば、ゲームシステムの売上向上効果が実効的に奏される。
【0009】
なお、本発明において、「端末側受付部」は、確認用識別情報を取得する総ての手段を包含する。例えば、確認用識別情報を電気的又は磁気的に記録する記録媒体から確認用識別情報を読取る読取器や、読取面に印刷された確認用識別情報を光学的に読取る読取器、利用者が操作して確認用識別情報を入力する入力機器、利用者の人相、声紋、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体情報を読取る読取器が、「端末側受付部」の概念に包含される。
また、本発明を規定する各要素・各用語については、後の実施形態において、一具体例に即して、より詳細に説明される。特に、「特典」や「購入」の意義等については、後の実施形態中の説明を参照されたい。
【0010】
この第1の観点に係る発明では、前記管理部は、前記特典付与部によって特典が付与された場合に、当該特典に対応する特典付与対象データを、前記管理記憶部において無効化する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典がいったん付与された後に、特典付与対象データが無効化されることから、特典の二重付与といった不都合な事態が未然に回避される。
【0011】
また、この第1の観点に係る発明では、前記認識部が、既に特典情報と関連付けられた有効な特典付与対象データとして前記管理記憶部に記憶されている識別情報と、同一の識別情報を認識した場合において、前記特典内容決定部は、前記同一の識別情報の認識時に認識された新たな購入情報に基づいて、特典情報の内容を新たに決定し、前記管理部は、当該識別情報に関連付けられている特典情報を、前記新たな決定に係る特典情報に更新する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典の付与以前に、当該特典に関連付けられた識別情報が、認識部によって再度認識された場合には、当該特典の内容を例えばグレードアップすることなどが可能になる。この場合、トータルとしてのメダルの購入量が特典の内容に適切に反映されるため、特典を目的としてメダルを購入するユーザにとって、新たなメダルの購入を躊躇することがなくなる。よって、上述した本発明に係る効果、即ち売上向上効果は更に実効的に奏されることになる。
なお、本態様において、「新たな購入情報に基づいて…特典情報の内容が新たに決定」され、また、それによって、従前の特典情報がその「新たな決定に係る特典情報に更新」されるという場合、その新たな決定ないし更新に係る特典情報(以下、この段落において「更新後・特典情報」という。)は、当該従前の特典情報、あるいはこれを決定する際に前提となった購入情報(以下、この段落において「旧・購入情報」という。)の内容が勘案された上で決定されることは言うまでもない。例えば、「購入情報」が購入メダル数を含む場合、旧・購入情報が100枚で、「新たな購入情報」が400枚であるなら、更新後の購入情報が100+400=500枚などと定められ、その結果、更新後・特典情報が、この購入メダル数500枚に基づいて決定される、などということになる。
【0012】
本発明の第2の観点に係るゲームシステムは、上述した課題を解決するため、管理装置とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、前記管理装置は、メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記識別情報と前記購入情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備し、前記ゲーム装置は、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する購入情報を、前記管理装置から取得する購入情報取得部と、前記購入情報取得部によって取得された購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、前記特典内容決定部によって決定された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部とを具備する。
【0013】
本発明は、前述した第1の観点に係る発明では「特典内容決定部」が「管理装置」に含まれているのに対して、「特典内容決定部」が「ゲーム装置」に含まれている点が相違するのを除いて、本質的に、その第1の観点に係る発明と相違しない。したがって、本発明によっても、前述した効果、即ち売上向上効果を享受することが可能である。
なお、本発明と前述の第1の観点に係る発明との間における「特典内容決定部」の配置の相違は、管理装置及びゲーム装置間でやり取りされる情報が相異なることになるなどの相違点も生じるが、その点については、後述する実施形態中の変形例の(1)の中で説明される。
【0014】
この第2の観点に係る発明では、前記管理部は、前記特典付与部によって特典が付与された場合に、当該特典に対応する特典付与対象データを、前記管理記憶部において無効化する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典がいったん付与された後に、特典付与対象データが無効化されることから、特典の二重付与といった不都合な事態が未然に回避される。
【0015】
また、この第2の観点に係る発明では、前記認識部が、既に特典情報と関連付けられた有効な特典付与対象データとして前記管理記憶部に記憶されている識別情報と、同一の識別情報を認識した場合において、前記管理部は、前記同一の識別情報の認識時に認識された新たな購入情報に基づいて、当該識別情報に関連付けられている購入情報の内容を更新する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典の付与以前に、当該特典に関連付けられた識別情報が、認識部によって再度認識された場合には、当該特典の内容を例えばグレードアップすることなどが可能になる(本態様では、例えば、購入情報が購入メダル数を含む場合、その購入情報が従前よりも大きな購入メダル数に更新され、かつ、それに基づいて決定される特典の内容が従前よりもグレードアップされる、などということになる。)。この場合、トータルとしてのメダルの購入量が特典の内容に適切に反映されるため、特典を目的としてメダルを購入するユーザにとって、新たなメダルの購入を躊躇することがなくなる。よって、上述した本発明に係る効果、即ち売上向上効果は更に実効的に奏されることになる。
なお、本発明において、「新たな購入情報に基づいて…購入情報の内容を更新する」という場合、その更新後の購入情報は、従前の購入情報(以下、この段落において「旧・購入情報」という。)の内容が勘案された上で決定されることは言うまでもない。例えば、「購入情報」が購入メダル数を含む場合、旧・購入情報が100枚で、「新たな購入情報」が400枚であるなら、更新後の購入情報は、100+400=500枚、などということになる。
【0016】
前記第1又は第2の観点に係る発明では、前記特典付与部によって付与された前記特典としての状態が継続している場合であって、前記確認用識別情報が前記端末側受付部において入力されない状態となった場合において、当該特典付与部は、当該前記特典としての状態を無効化する、ように構成してもよい。
この態様によれば、特典が、一種の“状態”として所定の期間において継続的に付与される場合、当該特典の享受者としての資格を持つプレイヤー(つまり、メダルの購入者)とは無関係の者が当該特典の恩恵を受けてしまうおそれを未然に回避することができる(このようなおそれは、前記プレイヤーが前記所定の期間内にゲームのプレイを中止してゲーム装置から退席する場合などに生じることが考えられる。)。本態様では、そのような場合には、特典としての状態が無効化されるからである。
なお、本態様において、「確認用識別情報が前記端末側受付部において入力されない状態となった場合」とは、より具体的には例えば、端末側受付部がカード保持部を含むような場合には、前記プレイヤーが当該カード保持部に保持されていたカードを抜き出した場合、等が該当する。
また、端末側受付部がカード保持部を含まないような場合においては、プレイヤーのゲーム装置からの退席を判断する別な方法として、例えば対象となるゲーム装置で一定期間ゲームのプレイがされていない事、等を判断基準としても良い。
【0017】
前記第1又は第2の観点に係る発明では、当該ゲームシステムは、前記購入者による現金的対価の払込みを受けてメダルを払い出すメダル払出装置と、メダルを受領するとともに当該メダルの数の情報を第1クレジット数として記憶するメダル預入装置と、を更に具備するとともに、前記ゲーム装置は、更に、当該ゲーム装置自身が受け入れたメダルの数の情報を第2クレジット数として記憶する貯留部、を具備し、前記管理装置は、更に、前記第1クレジット数から前記第2クレジット数へクレジット数を移行させる移行制御部、を具備し、前記認識部は、前記移行制御部によって移行されたクレジット数を前記購入情報として認識し、前記特典内容決定部は、前記購入情報の内容が前記メダル払出装置からのメダルの払出しに基づくときは、前記特典の内容を決定することで当該特典を付与するものと決定し、前記購入情報の内容が前記移行制御部によるクレジット数の移行に基づくときは、前記特典を付与しないものと決定する、ように構成してもよい。
この態様によれば、ユーザは、メダル預入装置が提供する便宜を享受することができる。つまり、ユーザが、メダルをメダル預入装置に預けてある場合に、預けてあるメダル引き出すためにいちいちメダル預入装置の設置場所まで出向かなくても、ゲーム装置の操作を通じて、メダル預入装置に預けてあるメダルのクレジット数をゲーム装置の貯留部に移行することが可能である。
とはいえ、本発明においては、そもそも、メダルの「購入者」に特典を与える構成が前提にあるのであり、本態様ではこれを前提に、上述したようなクレジット数の移行に基づいては、当該特典は与えられないようになっている。したがって、本態様のような構成であっても、ユーザには、メダル払出装置を利用したい強いインセンティブが与えられ、本発明に係る売上向上効果は本態様においても同様に奏される。
以上をまとめると、要するに本態様は、ユーザにとって一定の利便性を与えるにもかかわらず、なお売上向上効果の享受が可能であるような最も好適な態様の一つを提供するもの(あるいは、換言すれば、両者間の利害関係の調和を程よく取っているもの)ということができる。
【0018】
また、前記第1の観点に係る発明では、前記ゲーム装置は複数存在し、前記特典内容決定部は、前記特典の内容を、前記購入情報に応じて、かつ、前記ゲーム装置ごとに、決定する。
本態様によれば、ゲーム装置ごとに適切な特典を決定することができる。また、このことは、例えばユーザがメダルを購入して特典を享受する資格は得ているものの、どのゲーム装置で遊ぶかは、ゲームシステム側で判断できないので、とりあえず、付与すべき特典の内容をゲーム装置ごとに決定しておくことを意味する。このような処理を行うようにしておけば、付与すべき特典の決定をより的確に行うことができる。また、ゲーム装置ごとに付与すべき特典の内容が予め定まっているのであれば、当該内容をユーザに予め提示することなども可能になるから、ユーザにそれぞれ異なる特典を付与するゲーム装置の選択の機会を与えることが可能となり、ユーザのメダル購入意欲を更に実効的に刺激することも可能である。
【0019】
また、本発明の管理装置は、上述した課題を解決するため、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、当該確認用識別情報に対応する特典を付与する特典付与部と、を具備するゲーム装置と通信する管理装置であって、当該管理装置は、メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、前記識別情報と前記特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備し、前記管理部は、前記確認用識別情報に対応する特典を示す情報として、当該確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、前記ゲーム装置に通知する。
【0020】
本発明は、上述した本発明の第1の観点に係るゲームシステムを、当該ゲームシステムを構成する管理装置を中心とした視点から捉えた発明である。したがって、本発明によっても、当該の発明に係る効果、即ち売上向上効果を享受することが可能である。
【0021】
また、本発明のゲーム装置は、上述した課題を解決するため、メダルの購入者を特定する識別情報と購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記識別情報と前記購入情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備する管理装置と通信するゲーム装置であって、当該ゲーム装置は、確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する購入情報を、前記管理装置から取得する購入情報取得部と、前記購入情報取得部によって取得された購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、前記特典内容決定部によって決定された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部と、を具備する。
【0022】
本発明は、上述した本発明の第2の観点に係るゲームシステムを、当該ゲームシステムを構成するゲーム装置を中心とした視点から捉えた発明である。したがって、本発明によっても、当該の発明に係る効果、即ち売上向上効果を享受することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲームシステム100の構成を示すブロック図である。
【図2】特典内容を決定するために用いられるテーブルの一例を示す図である。
【図3】管理記憶部14が記憶する特典付与対象データの一例を示す図である。
【図4】特典内容決定処理に関わる処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】特典付与対象データの無効化の一例(その1)を示す説明図である。
【図6】特典付与対象データの無効化の一例(その2)を示す説明図である。
【図7】特典付与対象データの無効化の一例(その3)を示す説明図である。
【図8】メダル預入装置が関わる処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】操作部22における操作・表示部221の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】図2の変形例を示す図である。
【図12】図2及び図11の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明に係る実施の形態について図1乃至図3を参照しながら説明する。
ゲームシステム100は、図1に示すように、管理装置10、ゲーム装置20、メダル払出装置30、及びメダル預入装置40を備える。なお、このうちゲーム装置20は、図示するように複数のゲーム装置20A,20B,20C,…からなるが、これらを指称する符号20A,20B,20C,…のうち添え字であるA,B,C,…は、これら各ゲーム装置を特に区別する必要がない場合には省略することがある。
【0025】
ゲーム装置20は、端末側受付部21、操作部22、情報取得部(特典情報取得部)23、特典付与部24、貯留部25、通信部27、及び制御部29の各種要素を含む。
このうち、まず、制御部29は、図示しないCPU、RAM、ROM等を含み、当該のゲーム装置20全体が調和的に動作するように、その他の各種要素を直接・間接に制御する。
【0026】
操作部22は、ユーザ(=プレイヤー)による直接的な操作を受けながら、このユーザにゲームを遂行させるための機器である。「ゲーム」とは、例えばスロットゲーム、パズルゲーム、プッシャーゲーム、競馬ゲーム、麻雀ゲーム等々でありえ、本発明ではその種類について特に拘らない。ユーザが操作部22において行うべき操作は、このようなゲームの種類の別に応じる。また、操作部22の具体的形態もゲームの種類の別に応じ、例えば、ゲームがスロットゲームならば、電磁的又は機械的リールのストップ等を指令する各種ボタン等が、操作部22を構成する更なる具体的機器となる。
本実施形態において、ゲーム装置20において展開されるゲームにユーザが参加するためには、操作部22に含まれる所定のスロット(不図示)にメダル(不図示)を物理的に投入することが要求される(ただし、本実施形態においては、クレジット移行に基づくゲームのプレイも許され、その場合は、メダルの投入は要求されない。このクレジット移行に関しては、後述する。)。ゲームの種類にもよるが、例えばプッシャーゲームであれば、メダルの投入が、プレイヤーとしての参加資格の獲得を意味すると同時に、ゲームそれ自体に興じることに繋がる。また、ゲームの結果において一定の成績を収めたプレイヤーには、通常、その投入したメダルの数に応じ、かつ、それよりも多い数のメダルが支払われる。
なお、本発明においては、ゲーム装置20A,20B,20C,…の各々が、ゲームの種類の別に対応していてもよいが、そのうちの全部又は一部が、同一種類のゲームを提供する場合を積極的に排除しない。
【0027】
端末側受付部21は、確認用識別情報の入力を受付ける。本実施形態では特に、この入力にあたっては、当該ゲームシステム100を利用する各ユーザが予め取得したカードC(図1参照)が利用される。カードCには、当該カードCごとに固有に割り振られた、前記確認用識別情報としてのカードID番号が記録されている。記録の方法は、基本的にはどのようであってもよく、電気的又は磁気的記録、あるいはバーコード記録や予め埋め込まれたICチップ内への書込等々の手法が利用可能である。
また、端末側受付部21は、前記カードCの利用に対応するため、図1に示すようにカード保持部21Cを含む。このカード保持部21Cは、カードCの挿入を受けると、当該カードCに記録されたカードID番号の入力を受付ける。その際における当該情報の入力受付け、ないしは読取の手法は、前述したカードCへの当該情報の記録手法の相違に応ずる(例えば、バーコード記録なら光学式読取、等々というようである。)。
本実施形態に係るカード保持部21Cは特に、当該カードC本体を継続的に保持可能であり、かつ、そのような継続的保持状態の場合に、カードCに記録されているカードID番号の継続的読取りが可能である。
【0028】
情報取得部23は、管理装置10から、端末側受付部21において読み取られたカードID番号に対応する特典情報を取得する。情報取得部23は、このように管理装置10と強い協働関係をもつ要素であるため、後に、管理装置10を構成する特典内容決定部12、管理部13ないし管理記憶部14について説明する際に改めて、より詳しく説明することにする。すぐ前に述べた「特典情報」の意味等についても、その際に説明する。
また、特典付与部24は、情報取得部23によって取得された特典情報に基づいて、特定の内容をもつ特典を付与する。この点についても、「特典情報」の意義等と絡めて説明するほうが適切であるため、後に説明する。
【0029】
貯留部25は、メダルの数を表す貯留クレジット数を記憶・管理する。この貯留部25もまた、図1に示すところから明らかなように、管理装置10(特に、移行制御部15)と強い協働関係をもつ要素であるから、後に、当該以降制御部15について説明する際に改めて、より詳しく説明することにする。すぐ前に述べた「クレジット数」の意味等についても、その際に説明する。
【0030】
通信部27は、管理装置10との間で所定の通信を行うためのインターフェイスである。通信内容には、前述した情報取得部23から受け取るカードID番号や、あるいはこれに対する応答(これは、管理装置10からゲーム装置20への通信である)、等が含まれうる。
【0031】
一方、管理装置10は、認識部11、特典内容決定部12、管理部13、管理記憶部14、移行制御部15、通信部16、及び制御部19の各種要素を含む。
このうち、まず、制御部19は、図示しないCPU、RAM、ROM等を含み、管理装置10全体、あるいはゲームシステム100全体が調和的に動作するように、その他の各種要素を直接・間接に制御する。また、通信部16は、前述したゲーム装置20の通信部27と対となるべき要素であり、各ゲーム装置20との間で所定の通信を行うためのインターフェイスである。
【0032】
認識部11は、図1に示すように、メダル払出装置30からカードID番号及び購入情報を受け取って、これを認識する。
ここでメダル払出装置30は、ユーザから現金等の対価の供給を受けて、メダルを払い出す装置である。このメダル払出装置30も、図1に示すように、前述の端末側受付部21Cと同様の受付部31をもつ。すなわち、当該受付部31は、カードCの挿入を受けてそのカードID番号を読み取る。これにより、メダル払出装置30は、メダルの払出を要求したユーザが誰であるかを特定した上で、メダルの払出を行うことが可能である。そして、管理装置10の認識部11は、前記受付部31によって読み取られたカードID番号の報告を受け、これを識別情報として認識する。なお、カードCに記録されているカードID番号について、ここでは“識別情報”といい、前記端末側受付部21との関連においては“確認用識別情報”といっているが、両者は同質・同形式の情報である。
また、認識部11は、カードID番号の通知を受けるとともに、メダル払出装置30から購入情報の通知をも受け取る。この「購入情報」には、少なくとも払い出したメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む。そのほか、場合によっては、払出時間等の付随情報が含まれてもよい。いずれにせよ、この購入情報は、当該ユーザによる当該ゲームシステム100における売上貢献度を精度よく表現する情報を含んで好適である。この購入情報は、前記受付部31の作用により、特定のカードID番号、即ち特定のユーザと関連付けられ得る。
【0033】
なお、メダルの払出とは、厳密に言えば、メダルの“売買”というのではなくて、メダルの“貸与”である。より正確に言えば、ユーザは、現金等の対価として、ゲームシステム100が提供するゲームで遊ぶ権利を獲得する(=買い受ける=購入する)のであり、メダルは、その権利を表象するために当該ユーザに貸し出されている、ということになる(メダルの所有権はあくまでもゲームシステム100の管理者の側にある。)。
もっとも、本発明の説明に関し、この点をあまりに厳格に区分する実益はないから、本明細書全般においては、前記貸与を含む意味において、「払出」という用語を統一して用いている。また、特許請求の範囲等で用いられている「購入」とか、「購入者」・「購入情報」などの用語についても、以上のような背景をもつ用語として解釈される必要がある。
【0034】
特典内容決定部12は、認識部11から通知される前記購入情報を受け取り、これに応じて特典内容を決定する。ここで特典とは、メダルの購入者の利益となるべきもの一般を指す。より具体的に言えば、本実施形態に係る「特典」は、ゲーム装置20が提供するゲームの内容と密接に関連させられていると好適であり、更に具体的にいえば、例えば、ゲーム装置20Aがプッシャーゲーム機である場合には、“プッシャーテーブルにメダルを供給すること”とか、“プッシャーテーブルにいわゆるジャックポットボールを落下させること”等というようである。また、ゲーム装置20Bがロールプレイングゲーム機である場合には、“通常時では与えられないような強力なアイテムをプレイヤーに与えること”等というようになる。
【0035】
特典内容決定部12は、例えば図2に示すようなテーブルをもつ。このテーブルは、縦方向に沿ってゲーム装置20A,20B,…,20F(説明の簡単のため、以下ではゲーム装置20は6個あるものとし、かつ、それぞれ別の種類のゲームを提供するものとする。)が並ぶとともに、横方向に沿って購入情報に含まれるメダル払出枚数が所定のランクに区分されて並ぶ構成をもつ。そして、これらの交差に位置する各欄は、特典の内容を意味している。例えば、メダル払出枚数が1枚から100枚までの場合のゲーム装置20Aに関する特典の内容は、「TA1」と名付けられているということである。すなわち、これら「TA1」,「TA2」,…,「TE1」,…,「TF3」はそれぞれ、前述したような、“アイテム付与”等々の特定の意味内容を表象している。
なお、図2においては、例えば、メダル払出枚数が1枚から100枚までの場合のゲーム装置20B等のように、特典の内容が定められない場合がある。つまり、この場合に該当するときには、特典は与えられない。
また、上述のように、本実施形態においては、異なる種類のゲームを提供するゲーム装置20A,…,20Fごとに特典の内容が定められる。本発明において、「特典の内容を……ゲーム装置ごとに、決定する」(特に「ゲーム装置ごとに」)という文言は、典型的には、このように各ゲーム装置が異なる種類のゲームを提供する場合を想定している。
さらに、本発明において、「購入情報」は、購入されたメダルの数だけでなく、購入金額の情報を含み得るから、前述のランクを、購入金額の多寡に基づいて定めることも可能である。
【0036】
本実施形態に係る特典内容決定部12は、このようなテーブルに基づき、かつ、認識部11から通知される購入情報に応じて、特典の内容を決定する。もっとも、メダル払出時点においては、当該ユーザがどのゲーム装置でゲームを開始するかはわからないため、特典内容決定部12は、前記ランクの区分(メダル払出枚数の区分)に応じた、一群の特典群を一挙に、適用すべき特典の内容として決定する。これが「特典情報」である(図2に示す名前「SE1」,「SE2」,「SE3」参照)。例えば、あるユーザが、150枚のメダルを購入した場合には、特典内容決定部12は、特典群名「SE2」、つまり、各ゲーム装置20A乃至20Fの各々について、特典TA2、特典なし、特典TC2,特典なし,特典TE2,特典TF2と定められた一群の特典群を、適用すべき特典の内容として決定することになる。
【0037】
管理部13は、特典内容決定部12によって決定された特典情報と、認識部11によって認識された識別情報としてのカードID番号及び購入情報を記憶・管理する。その際、管理部13は、管理記憶部14等を利用する。管理記憶部14は、前記カードID番号と特典情報とを相互に関連付け、これを特典付与対象データとして記憶する。
その様子は、例えば図3に示すようである。この図3に示すように、ある特定のユーザを指し示すカードID番号と、当該カードID番号の入力を伴って払い出されたメダルの数(購入情報)に応じて定められた特典情報とは、相互に対になって記憶される。なお、本実施形態においては、カードID番号は「CxxxxxxY」という形式をもつ(xは0,1,2,…,9、Yは“A”又は“B”。各値には様々な意味を込めておくことが可能である。)ように定められる。また、本実施形態における特典情報の実体は、一群の特典群であること(図3及び図2対比参照)は既に述べたとおりである。
管理部13は、このような規準に則って、カードID番号と特典情報との記憶を管理記憶部14へと指令する。そして、本実施形態においては、管理記憶部14が、図3に示すような個々の特典付与対象データを記憶していること自体が、当該個々の特典付与対象データが“有効”であることを意味する(図中、「無効化された特典情報」とあるが、この点については後述する。)。
【0038】
なお、本実施形態においては、管理記憶部14が管理装置10の一部を構成しているが、本発明はかかる形態に限定されるわけではない。管理記憶部14は、管理装置10とは全くの別個の要素として、あるいは当該管理装置10の外部装置として準備されてもよい。
【0039】
以上に関連して、上述したゲーム装置20の情報取得部23は、端末側受付部21において読み取られたカードID番号を管理装置10側に通知するとともに、それに対応した前述のような特典情報を取得する(もちろん当該特典情報が存在する場合に限る。)。また、特典付与部24は、そのようにして取得された特典情報に基づく特典を現に付与する。なお、この際においては、特典付与を実行すべきゲーム装置20は当然特定されているから、当該ゲーム装置20(例えば、カードCの挿入を受けたゲーム装置20がゲーム装置「20F」ならば、当該「ゲーム装置20F」)は、特典情報の中から、自分自身に対応する特典の内容を選び出し、当該内容に対応する特典の付与を実行することになる。
【0040】
移行制御部15は、メダル預入装置40に記憶・管理されている預入クレジット数から、ゲーム装置20の貯留部25に記憶・管理されている貯留クレジット数へのクレジット数の移行を制御する。移行されるべきクレジット数は、例えばユーザによって直接的に指定される。典型的には例えば、端末側受付部21にカードCが挿入されるとともに、当該ユーザが操作部22を用いて特定数のクレジットの移行を指令すると、移行制御部15は、カード保持部21Cによって読み取られたカードID番号をキーとして、当該カードID番号に対応する預入クレジット数から貯留クレジット数への、指定されたクレジット数の移行を行う(なお、このクレジットの移行に関しては、後に図8を参照して改めて説明する。)。
ここでまず、クレジット数とは、“メダルの数”と同義である。
また、メダル預入装置40は、ユーザからメダルを受領し、その受領したメダルの数を預入クレジット数として、当該ユーザに関連付けて記憶する。図示はしないが、このメダル預入装置40も、前述の端末側受付部21Cと同様の受付部をもつ。すなわち、当該受付部は、カードCの挿入を受けてそのカードID番号を読み取る。これにより、メダル預入装置40は、このカードID番号に基づいて、特定のユーザと預入クレジット数との関連付けを行うことが可能である。この関連付けは、後に預入クレジットを引き出す際に、メダルを預けたユーザ、つまりクレジットの所有者本人であるか否かをカードID番号によって判断することを可能とする。
他方、ゲーム装置20の貯留部25は、前記預入クレジット数から移行されたクレジット数を、貯留クレジット数として記憶・管理する(図1のメダル預入装置40から認識部11への矢印 参照)。この貯留クレジット数の値が0より大きい場合、ユーザないしプレイヤーは、当該ゲーム装置20において現にゲームに興じることが可能な状態におかれるという意味において、前記操作部22におけるスロットにメダルを投入した場合と同じ状況が生じる。
【0041】
以上に述べた構成を持つ本実施形態に係るゲームシステム100は、次に述べるように動作する。以下、これを、既に参照した図1乃至図3に加えて、図4以下の各図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係るゲームシステム100では、ゲーム装置20におけるゲーム遂行処理等、様々な処理が並行的に実施されうるが、以下では、説明の簡単のため、本発明に特に関連のある処理について重点的に説明を行うこととする。
【0042】
まず、本実施形態において、特典内容の決定処理に関わる処理がどのように行われるかについて説明する。なお、以下に述べる各処理は、管理装置10の制御部19内、あるいは、ゲーム装置20の制御部29内にあるRAM、あるいはROM内に記憶されたプログラムに従って実行される。
この処理では、図4に示すように、メダル払出装置40からのメダル払出処理が実行されることが前提とされる。すなわち、メダル払出装置40は、ユーザによって挿入されたカードCに記録されているカードID番号を読み取り、また、現金等の対価の払込を受けて、メダルを払い出す(図4のステップS201)。メダル払出装置40は、この過程で得られたカードID番号と購入情報とを管理装置10に通知する(図4のステップS202)。
【0043】
次に、管理装置10の認識部11は、このように通知されてきたカードID番号と購入情報とを認識する(図4のステップS301)。続いて、管理装置10は、この認識された購入情報がメダル払出に基づくことを確認した上で(図4のステップS30A;YES)、特典内容決定部12は、当該購入情報に基づいて特典の内容を決定する(図4のステップS302)(なお、ステップS30Aについては、後に参照する図8の説明の際に改めて触れる。)。この場合の特典の内容の決定は、既に説明したように、図2を参照して説明したテーブルに基づいて行われる。すなわち、メダルの払出枚数に応じた特典群SE1,SE2,SE3,…のうちのいずれかが、適用すべき特典情報として決定される。なお、このようにして決定された特典情報は、その決定根拠となった購入情報の認識時に同時に認識されたカードID番号と対応付けられる。その結果、管理装置10の管理部13は、このカードID番号と特典情報とを相互に関連付け、これらを特典付与対象データとして管理記憶部14に記憶する(図4のステップS303)。その様子は、既に参照した図3に示した通りである。また、この際、管理記憶部14は、各々の特典付与対象データに対応する購入情報をも同時に記憶する(不図示)。
【0044】
次に、メダルの払出を受けたユーザが、ゲーム装置20A,20B,20C,…,20Fのいずれかに対して、カードCを挿入すると、その挿入を受けたゲーム装置20は、管理装置10に、当該カードID番号に対応する特典情報が存在するかどうかを問合せ、それが存在する場合には当該特典情報を取得する(図4のステップS401)。
管理装置10の制御部19は、前述の問合せを受けて、ゲーム装置20から通知されてきたカードID番号に一致するカードID番号が、管理記憶部14に記憶されているかどうかを確認する(図4のステップS304)。ここで、そのようなカードID番号が存在しない場合には(図4のステップS304;NO)、特典内容決定処理に関わる処理は終了する。ただし、管理装置10は、そのようなカードID番号が存在しない旨をゲーム装置20に通知してもよい。いずれにせよ、図4のステップS304の判断の結果が否定である場合は、ゲーム装置20は管理装置10から特典情報を取得しないので、特典の付与は実行されないことになる。
【0045】
他方、そのようなカードID番号が存在する場合には(図4のステップS304;YES)、当該カードID番号に対応する特典情報を、その問い合わせ元であるゲーム装置20に通知する(図4のステップS305)。当該ゲーム装置20の特典付与部24はこれを受けて、当該特典情報の内容に応じた特典の付与を現に実行する(図4のステップS402)。既に述べたとおり、特典情報は、各ゲーム装置20に個別的に定められた特典の内容を1セットとする、一群の特典群を含んでいる。したがって、特典情報を要求したゲーム装置20は、その特典群の中から自分自身に合致した特典の付与のみを実行することになる。
【0046】
あるゲーム装置20において特典の付与が現に実行された場合、即ち、当該特典の根拠となった特典情報がゲーム装置20に通知された場合には、管理装置10の管理部12は、その通知に係る特典付与対象データを無効化する(図4のステップS306)。その無効化の様子は、既に参照した図3中の上から5番目の欄において象徴的に表現されている。これにより、特典の二重付与といった不都合な事態が未然に回避される。
なお、図3においては、「特典情報」を無効化することで、当該の特典付与対象データを無効にする例が示されているが、本発明は、かかる形態に限定されない。例えば、図5に示すように、図3とは逆に、識別情報を無効化することで当該の特典付与対象データを無効にしたり、図6に示すように、識別情報及び特典情報の双方を無効化することで当該の特典付与対象データを無効にしたり、あるいは、図7に示すように、有効・無効判別フラグの上げ下げによって、当該の特典付与対象データの有効・無効を決する、という構成が採用されてもよい。いずれの場合も、本発明にいう「無効化」の一具体例に含まれる。
【0047】
なお、以上の場合において若干注意を要するのは、既に説明したように、ある特定のゲーム装置20については特典の内容が定められていない場合があることである(図2参照)。このような場合、そのようなゲーム装置20が特典情報を受け取ったとしても、当該ゲーム装置20は、特典の付与を実行しない。あるいは、このような場合には、そもそもゲーム装置20に対して特典情報を通知しないようにしてもよい。そして、この場合は、上述した特典付与対象データの無効化は行われない。図4のフローチャート(特に、そのステップS402、あるいはステップS306)は、ゲーム装置20が特典情報を取得すれば、特典の付与を現に実行する通常の場合を想定して描かれている。
【0048】
ちなみに、上の説明においては省略したが、管理装置10は、複数のゲーム装置20A,20B,20C,…,20Fの2以上にそれぞれ異なるカードID番号が記録されているカードCが挿入されている場合は、それら2以上のゲーム装置20から要求された特典情報の送信要求に並行的又は順序的に対応する。
【0049】
また、本実施形態において、図4のステップS402の特典付与が実行される前に、既に特典の付与を受け得る地位を潜在的に取得しているユーザが、改めて、メダル払出装置30からのメダルの払出を受ける場合があり得るが、この場合、本実施形態では以下のような処理が行われる。
すなわち、この場合においては、管理記憶部14において既に記憶されており、かつ、無効化されていないカードID番号と特典情報との対(即ち、特典付与対象データ)が存在することになるが、認識部11は、かかるカードID番号と同一のカードID番号を改めて再度認識することになる(図4のステップS301参照)。この際、当該カードID番号の再認識時に認識した新たな購入情報も存在するが、この新たな購入情報を、先に認識されて記憶されている購入情報に足し込んで得られる購入情報は、図2のテーブルに従うと、違うランクに属することになる場合がある。例えば、最初に150枚のメダルを購入した者が、更に200枚のメダルを購入すれば合計350枚となり、図2中のランクは右に一つ ずれることになる。このような場合には、特典内容決定部12は、その新たなランクに対応する特典情報を、適用すべき新たな特典情報として改めて決定し直す(即ち、特典情報を更新する。図4のステップS302・S303参照。)。
このようにすれば、ユーザが購入したメダル数に正確に応じた特典を付与することが可能になる。
【0050】
以上に述べたような構成をもち、かつ動作する、本実施形態に係るゲームシステム100によれば、次のような効果が奏される。
まず、本実施形態のゲームシステム100によれば、メダル払出装置30からメダルを購入した者にだけ、ゲーム装置20に関わる魅力的な特典が与えられることになるから、当該ゲームシステム100を利用するユーザ一般には、メダル払出装置30を利用したくなるようなインセンティブが与えられることになる。特に、本実施形態のゲームシステム100では、発明が解決しようとする課題の欄で述べたような、投入現金額に応じた購入レートの上昇といったサービスとは異なって、ゲームそれ自体に関わる特典がユーザに与えられることになるため、ユーザをゲームのプレイへと促す効果が強い。したがって、本実施形態のゲームシステム100によれば、売上向上効果が極めて実効的に奏されるのである。
また、本実施形態によれば、上述のように、特典付与実行前に新たにメダルが購入された場合、特典の内容がいわばグレードアップされるようになっているから、ユーザのメダル購入意欲は更に刺激される。
【0051】
なお、これに関連して、メダル預入装置40が関わる処理について、図8を参照して説明しておく。この図8に示すように、ユーザがメダル預入装置40にメダルを預け入れると(図8のステップS211参照)、後は基本的に、ゲーム装置20へカードCを挿入するだけで、ゲームの遂行自体は当該ユーザにとって許されることになる(なお、真にゲームの遂行が許されるのは、すぐ後に述べるクレジット移行が生じた後であることは言うまでもない。)。これは、操作部22を用いたユーザの指示等に基づき、預入クレジット数から当該ゲーム装置20の貯留クレジット数へのクレジット数の移行を促すクレジット移行指令が、移行制御部15から発せられ得るようになっているからである(以上、図8のステップS411、ステップS311、ステップS212及びステップS412参照。なお、このクレジットの移行処理の場合も、キーとなるのは、図に示すとおり「カードID番号」である。)。
このようなメダル預入装置40が関わる処理は、前述した図4のステップS30Aの判断と密接に関わる。すなわち、すぐ上で述べたように、クレジット数の移行が行われると、管理装置10の認識部11は、その移行されたクレジット数を購入情報として認識する(図8のステップS312)。しかし、このような内容をもつ購入情報はメダル払出に基づくものではないため、図4のステップS30Aでは否定側に判断され(図8及び図4の接続記号A 参照)、結局、特典の内容の決定も、また、当然ながらその付与も実行されないのである(図4のステップS30A;NOからENDへ)。
このようなことから、ユーザは、メダル預入装置40を利用しようとするよりは、メダル払出装置30を利用しようとする動機付けをより強く与えられるのである。
【0052】
なお、この点に関し、以下に述べるような構成が採用されるとなお好適である。
すなわち、上述したところわかるように、メダル預入装置40における預入クレジット数の値が0より大きい限り、ユーザは、当該預入クレジット数をいわば取り崩していくことによってゲームを遂行していくこと自体は可能である。しかし、これをやすやすと許容したのでは、メダル払出装置30の利用頻度が少なくなってしまうおそれがある。そこで、例えば図9に示すように、ゲーム装置20の操作部22が、タッチパネル等の操作・表示部221をもつ場合においては、クレジット数の移行を指令するための指令用画面221Aを提示すると同時に、ユーザに、当該ゲーム装置20において享受可能な特典の内容を表す特典情報表示画面221Bをも併せ提示する構成が採用されると好適である。つまり、預入クレジット数を取り崩すのではなく、メダルを購入すれば有利な特典が手に入ることをユーザにアピールするのである。これによれば、メダル払出装置30を利用したくなるという動機付けは、より一層高められる。
なお、図9は、ある特定のゲーム装置20における操作部22上の操作・表示部221の例を念頭においているため、表示すべき特典情報は、当該ゲーム装置20に関連するものだけに限ってよい(図2と対比参照。図9に示す操作・表示部221は、図2のゲーム装置「20A」上のもの、ということになる。)。ただし、他のゲーム装置20についての特典が表示されることがあっても勿論よい。
また、上記においては、特典情報表示画面221Bが、ゲーム装置20上の操作・表示部221において表示される例について説明しているが、かかる画面221Bは、ゲーム装置20以外の各要素(図1等参照)において表示されてもよい。特に、管理装置10が、例えばポイント管理機能(個々のユーザに対して、ゲームのプレイ頻度等に応じたポイントを付与する機能)、来店認証機能(ユーザ各自に独自の、前記ポイント付与等のサービスを提供すること等を実現するために、ユーザのカードID番号を当該ユーザが来店した時に認証する機能)等をもつ場合、当該管理装置10は、前記ポイントの獲得数の確認とか前記認証等を行うために、ユーザの操作を直接に受ける操作・表示部(不図示)を備えることがある。そのような場合、当該操作・表示部において、前述したような特典情報表示画面221Bが表示されるようになっていれば、より大きなアピール効果を期待することができる。
さらに、指令用画面221Aについて簡単に説明しておくと、テンキーAA1は移行すべきクレジット数AA2を指定するために用いられるとともに、引出ボタンAA3は、預入クレジット数から貯留クレジット数への移行の指令のため、また、預入ボタンAA4は、その逆の移行の指令のために用いられる。矢印AA5の向きは、操作・表示部221全体が液晶ディスプレイ等であれば、引出ボタンAA3・預入ボタンAA4のどちらが押下されたかに応じて、表示内容を自由に変更可能(つまり、当該向きを変えて表示することが可能)である。
【0053】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明に係るゲームシステムは、上述した形態に限定されることはなく、各種の変形が可能である。
【0054】
(1) 上記実施形態においては、特典内容決定部12が管理装置10の一部を構成している例について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、図10に示すように、特典内容決定部28がゲーム装置20の一部を構成している例も、本発明の範囲内にある。このような場合においては、管理装置10が「特典情報」をもつことはないから、上記実施形態のように、管理装置10からゲーム装置20へ特典情報が与えられることはない。図10においては、その代わりに、同図に示すように「購入情報」が与えられる。そのための変更点は主に以下の通りである。
(i)管理記憶部14が記憶するのは、カードID番号と特典情報の対としての特典付与対象データではなく、カードID番号と購入情報の対としての特典付与対象データである。
(ii)ゲーム装置20の情報取得部23は、特典情報の送信要求ではなくて、購入情報の送信要求を行う(図4のステップS401に相当する。)。また、管理装置10は、これに応じた購入情報の送信を行う(この点は図10に示した通り。なお、図4のステップS305に相当する。)。
(iii)ゲーム装置20の特典内容決定部28は、前記(ii)のようにして取得された購入情報に基づいて、特典の内容、即ち特典情報を決定する。
このように、図10の例の場合には、特典の内容の決定が各ゲーム装置20において独自に行われることになるから、上記実施形態において説明したような、一群の特典群をその内容とする特典情報が形成される必要はない。各ゲーム装置20は、図2に即していえば、当該テーブル中の自分自身に関する横一行分のテーブルだけをもてばよいのである。そして、この場合の「特典情報」は、当該横一行分のテーブルのうちの、いずれか1つのランクの購入情報に応じた欄に該当する特典の内容を示すことになる。
(iv) さらに、特典付与が行われた場合に無効化されるのは、購入情報か、当該購入情報に対応する識別情報か、あるいはまた、その双方である(図4のステップS306に相当する。なお、図3、図5乃至図7も参照)。加えて、特典付与以前にメダル購入が改めて行われた場合に、管理記憶部14において更新される対象は、購入情報である(上記実施形態では、更新対象は「特典情報」であった。)。
ちなみに、このような形態の場合は、図10に示す情報取得部23は、本発明にいう「購入情報取得部」に該当する。
【0055】
(2) 上記実施形態においても、「特典」の内容が様々であり得ることについては既に述べているが、本発明は特に、その特典が、一種の“状態”として所定の期間において継続的に付与され得るようなもの である場合をも含む。例えば、ゲーム装置20が麻雀ゲームを提供する場合、当該プレイヤーがゲームを続ける限りは、所定の期間において“そのプレイヤーの配牌の中には常にドラ牌が2つ以上含まれる”などというようである。
ただし、この場合においては、当該プレイヤーが、当該ゲームのプレイを止めた場合、当該特典としての状態が依然維持されたままであると、全然無関係の者が当該特典の恩恵を受けてしまうおそれがある。そこで、そのような場合、より具体的には例えば、当該プレイヤーがカード保持部21Cに保持されていたカードCを抜き出した場合等、確認用識別情報としてのカードID番号が端末側受付部21において入力されない状態となった場合には、特典付与部24は、当該特典としての状態を無効化する、というように構成しておくのが好ましい。
なお、上記実施形態のように、ゲーム装置20がカード保持部21Cを含まないような場合においては、当該ゲーム装置20において一定期間、ゲームのプレイがされていない事、等を判断基準として、特典としての状態を無効化するか否かを決定するようにしてもよい。
【0056】
(3) 上記実施形態においては、図2を参照して説明したテーブルが固定的であるかのように説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、図2の状態を基本として、ゲームシステム100の管理者が、当該テーブルの内容を自由に設定可能、あるいは変更可能であってもよい。これにより、例えば図11及び図12に示すようなテーブルが形成され得ることになる。図11では、図2においては特典が与えられない場合に該当していたゲーム装置20Bに関する、メダル払出数「1−100枚」・「100枚超―300枚」の2つの場合について、内容TB1及びTB2とする特典が与えられるように変更されている。また、図12では、購入情報のランク自体が変更されている。すなわち、この図12では、図2において「100枚超―300枚」とされていたランクが「100枚超―500枚」と変更され、「300枚超―500枚」とされていたランクが「500枚超―700枚」と変更されていることがわかる(なお、図12は図11を前提としている。これらの図中の「TB1」「TB2」参照)。
また、本発明において、「購入情報」は、購入されたメダルの数だけでなく、購入金額の情報を含み得るから、前述のランクを、購入金額の多寡に基づいて定めることも可能である。
このように、テーブルの内容が自由に設定可能であることが前提とされると、ゲームシステムの管理者は、例えばユーザに不人気のゲーム装置20については、そうではないゲーム装置20についてよりも、より有利な特典を設定するなどということが可能となる。この例によれば、特典の内容を誘引要因として、不人気のゲーム装置20へユーザを誘うことが可能となるから、各ゲーム装置20について生じ得る人気機種・不人気機種の区別が解消され、ゲームシステム100全体における均一的なメダル消費が実現されて、売上向上効果がより実効的に享受可能となる。
【0057】
(4) 上記実施形態においては、本発明にいう「識別情報」ないし「確認用識別情報」にはカードID番号が該当するようになっているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、本発明にいう「識別情報」には、人相、声紋、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体情報が含まれうる。また、「識別情報」は、固有的パスワードであってもよい。ここに固有的パスワードとは、ある者同士で共通することが許容されるようなパスワードでななくて、各人に1つずつの使用しか許されないパスワード、を意味する用語として用いている。
【0058】
(5) この(4)に関連して、上記実施形態におけるカード保持部21Cは、カードCを継続的に保持可能であり、かつ、そのような継続的保持状態の場合にカードCに記録されているカードID番号の継続的読取り可能な構成をもつとされているが、本発明は、かかる形態に限定されない。つまり、本発明にいう「端末側受付部」は、このほかにも様々な具体的形態をとりうる。
例えば、「端末側受付部」は、「確認用識別情報」の入力が、カードCの保持によるのではなく、当該カードCを読取部に瞬時接触させることによって実現される構成(より具体的には、カードCが、非接触型ICカード(密着型、近接型、近傍型等)である場合等を想定されたい。)や、当該入力が前記(4)のように生体情報を用いて行われる構成、更には前記固有的パスワードを用いて行われる構成、等を含む。
以上の事項は、本実施形態に係る「受付部31」や、メダル預入装置40に設けられる「受付部」についても当然、同様に当てはまる。
【0059】
ちなみに、これに関連して、「確認用識別情報」の入力が、上述のように非接触型ICカードや、固有的パスワードを用いて行われる場合には、ある一のゲーム装置20において特典付与が実行されているのに、他のゲーム装置20においても特典付与が実行されるという場合が生じ得る(特典の内容が、前述のように一種の状態として継続的に付与される場合、このようなことが生じるおそれが高まる。)。これは非接触型ICカードの他人への貸与や、固有的パスワードの他人への教示、等があり得ることによっている。このような場合、これら2つのゲーム装置20のいずれにおいても、特典付与の実行を許可するという選択肢を本発明は捨てるわけではないが、好適には、どちらか一方のゲーム装置20においてのみ、特典付与の実行が許可されるという態様が採用されるとよい。このようにすれば、特典の重複的付与が未然に防止され、特に、不正な特典享受が未然に防止されることになる。なお、この態様においては、特典付与の実行を許可すべき、1個のゲーム装置20を定める必要があるが、それをどのような基準に従って定めるかは基本的に自由である(例えば、時間的にみて1番初めに確認用識別情報の入力を受付けたゲーム装置、等々)。
【0060】
(6) 上記実施形態においては、カードCに記録されたカードID番号をゲームシステム100内の各処理に使用しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、カードID番号に対応付けられた他の識別情報(以下「参照用識別情報」という)を、カードID番号の代わりにゲームシステム100内の各処理に使用する形態も採用可能である。具体的には、利用者に付与された参照用識別情報とカードID番号とを例えば図示しないID管理サーバが対応付けて管理し、管理装置10やゲーム装置20、あるいはメダル払出装置30での処理には、前述の実施形態でのカードID番号の代わりに、利用者から受付けたカードID番号に応じてID管理サーバ36が特定した参照用識別情報が適用される。
これによると例えば、図3に示す「カードID番号」は、当該の参照用識別情報に置き換え可能となり、あるいは、図7におけるメダル払出装置30、管理装置10及びゲーム装置20の各々の間でやり取りされる「カードID番号」もまた、当該の参照用識別情報に置き換え可能となる。
以上の構成によれば、例えばユーザがカードCを紛失した場合でも、新規に発行されたカードCを参照用識別情報に対応付けることで、利用者が紛失したカードCに対応する特典情報を、新規のカードCのカードID番号で特定することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
100……ゲームシステム、10……管理装置、11……認識部、12……特典内容決定部、13……管理部、14……管理記憶部、15……移行制御部、16……通信部、19……制御部、20(20A,20B,20C,20D,20E,20F)……ゲーム装置、21……端末側受付部、21C……カード保持部、22……操作部、221……操作・表示部、23……情報取得部、24……特典付与部、25……貯留部、27……通信部、28……特典内容決定部、29……制御部、30……メダル払出装置、31……受付部、40……メダル預入装置、C……カード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記管理装置は、
メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、
前記購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、
前記識別情報と前記特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、
を具備し、
前記ゲーム装置は、
確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、
前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、前記管理装置から取得する特典情報取得部と、
前記特典情報取得部によって取得された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部と
を具備する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記管理部は、
前記特典付与部によって特典が付与された場合に、
当該特典に対応する特典付与対象データを、前記管理記憶部において無効化する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記認識部が、既に特典情報と関連付けられた有効な特典付与対象データとして前記管理記憶部に記憶されている識別情報と、同一の識別情報を認識した場合において、
前記特典内容決定部は、
前記同一の識別情報の認識時に認識された新たな購入情報に基づいて、特典情報の内容を新たに決定し、
前記管理部は、
当該識別情報に関連付けられている特典情報を、前記新たな決定に係る特典情報に更新する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
管理装置とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記管理装置は、
メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、
前記識別情報と前記購入情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、
を具備し、
前記ゲーム装置は、
確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、
前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する購入情報を、前記管理装置から取得する購入情報取得部と、
前記購入情報取得部によって取得された購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、
前記特典内容決定部によって決定された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部と
を具備する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
前記管理部は、
前記特典付与部によって特典が付与された場合に、
当該特典に対応する特典付与対象データを、前記管理記憶部において無効化する、
ことを特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記認識部が、既に特典情報と関連付けられた有効な特典付与対象データとして前記管理記憶部に記憶されている識別情報と、同一の識別情報を認識した場合において、
前記管理部は、
前記同一の識別情報の認識時に認識された新たな購入情報に基づいて、
当該識別情報に関連付けられている購入情報の内容を更新する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記特典付与部によって付与された前記特典としての状態が継続している場合であって、
前記確認用識別情報が前記端末側受付部において入力されない状態となった場合において、
当該特典付与部は、当該前記特典としての状態を無効化する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
当該ゲームシステムは、
前記購入者による現金的対価の払込みを受けてメダルを払い出すメダル払出装置と、
メダルを受領するとともに当該メダルの数の情報を第1クレジット数として記憶するメダル預入装置と、
を更に具備するとともに、
前記ゲーム装置は、更に、
当該ゲーム装置自身が受け入れたメダルの数の情報を第2クレジット数として記憶する貯留部、
を具備し、
前記管理装置は、更に、
前記第1クレジット数から前記第2クレジット数へクレジット数を移行させる移行制御部、
を具備し、
前記認識部は、前記移行制御部によって移行されたクレジット数を前記購入情報として認識し、
前記特典内容決定部は、
前記購入情報の内容が前記メダル払出装置からのメダルの払出しに基づくときは、前記特典の内容を決定することで当該特典を付与するものと決定し、
前記購入情報の内容が前記移行制御部によるクレジット数の移行に基づくときは、前記特典を付与しないものと決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲーム装置は複数存在し、
前記特典内容決定部は、
前記特典の内容を、前記購入情報に応じて、かつ、前記ゲーム装置ごとに、決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、当該確認用識別情報に対応する特典を付与する特典付与部と、を具備するゲーム装置と通信する管理装置であって、
当該管理装置は、
メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、
前記購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、
前記識別情報と前記特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、
を具備し、
前記管理部は、
前記確認用識別情報に対応する特典を示す情報として、
当該確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、
前記ゲーム装置に通知する、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項11】
メダルの購入者を特定する識別情報と購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記識別情報と前記購入情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備する管理装置と通信するゲーム装置であって、
当該ゲーム装置は、
確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、
前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する購入情報を、前記管理装置から取得する購入情報取得部と、
前記購入情報取得部によって取得された購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、
前記特典内容決定部によって決定された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部と
を具備する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項1】
管理装置とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記管理装置は、
メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、
前記購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、
前記識別情報と前記特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、
を具備し、
前記ゲーム装置は、
確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、
前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、前記管理装置から取得する特典情報取得部と、
前記特典情報取得部によって取得された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部と
を具備する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記管理部は、
前記特典付与部によって特典が付与された場合に、
当該特典に対応する特典付与対象データを、前記管理記憶部において無効化する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記認識部が、既に特典情報と関連付けられた有効な特典付与対象データとして前記管理記憶部に記憶されている識別情報と、同一の識別情報を認識した場合において、
前記特典内容決定部は、
前記同一の識別情報の認識時に認識された新たな購入情報に基づいて、特典情報の内容を新たに決定し、
前記管理部は、
当該識別情報に関連付けられている特典情報を、前記新たな決定に係る特典情報に更新する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
管理装置とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記管理装置は、
メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、
前記識別情報と前記購入情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、
を具備し、
前記ゲーム装置は、
確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、
前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する購入情報を、前記管理装置から取得する購入情報取得部と、
前記購入情報取得部によって取得された購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、
前記特典内容決定部によって決定された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部と
を具備する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
前記管理部は、
前記特典付与部によって特典が付与された場合に、
当該特典に対応する特典付与対象データを、前記管理記憶部において無効化する、
ことを特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記認識部が、既に特典情報と関連付けられた有効な特典付与対象データとして前記管理記憶部に記憶されている識別情報と、同一の識別情報を認識した場合において、
前記管理部は、
前記同一の識別情報の認識時に認識された新たな購入情報に基づいて、
当該識別情報に関連付けられている購入情報の内容を更新する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記特典付与部によって付与された前記特典としての状態が継続している場合であって、
前記確認用識別情報が前記端末側受付部において入力されない状態となった場合において、
当該特典付与部は、当該前記特典としての状態を無効化する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
当該ゲームシステムは、
前記購入者による現金的対価の払込みを受けてメダルを払い出すメダル払出装置と、
メダルを受領するとともに当該メダルの数の情報を第1クレジット数として記憶するメダル預入装置と、
を更に具備するとともに、
前記ゲーム装置は、更に、
当該ゲーム装置自身が受け入れたメダルの数の情報を第2クレジット数として記憶する貯留部、
を具備し、
前記管理装置は、更に、
前記第1クレジット数から前記第2クレジット数へクレジット数を移行させる移行制御部、
を具備し、
前記認識部は、前記移行制御部によって移行されたクレジット数を前記購入情報として認識し、
前記特典内容決定部は、
前記購入情報の内容が前記メダル払出装置からのメダルの払出しに基づくときは、前記特典の内容を決定することで当該特典を付与するものと決定し、
前記購入情報の内容が前記移行制御部によるクレジット数の移行に基づくときは、前記特典を付与しないものと決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲーム装置は複数存在し、
前記特典内容決定部は、
前記特典の内容を、前記購入情報に応じて、かつ、前記ゲーム装置ごとに、決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、当該確認用識別情報に対応する特典を付与する特典付与部と、を具備するゲーム装置と通信する管理装置であって、
当該管理装置は、
メダルの購入者を特定する識別情報と、購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、
前記購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、
前記識別情報と前記特典情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、
を具備し、
前記管理部は、
前記確認用識別情報に対応する特典を示す情報として、
当該確認用識別情報に一致する識別情報に対応する特典情報を、
前記ゲーム装置に通知する、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項11】
メダルの購入者を特定する識別情報と購入されたメダルの数及び購入金額の情報の少なくとも一方を含む購入情報とを認識する認識部と、前記識別情報と前記購入情報とを関連付けて有効な特典付与対象データとして管理記憶部に記憶させる管理部と、を具備する管理装置と通信するゲーム装置であって、
当該ゲーム装置は、
確認用識別情報の入力を受付ける端末側受付部と、
前記確認用識別情報に一致する識別情報に対応する購入情報を、前記管理装置から取得する購入情報取得部と、
前記購入情報取得部によって取得された購入情報に基づいて、前記購入者の利益となるべき特典の内容を示す特典情報を決定する特典内容決定部と、
前記特典内容決定部によって決定された特典情報に応じた特典を付与する特典付与部と
を具備する
ことを特徴とするゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−245380(P2012−245380A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−203357(P2012−203357)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【分割の表示】特願2009−276253(P2009−276253)の分割
【原出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【分割の表示】特願2009−276253(P2009−276253)の分割
【原出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
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