説明

ゲーム機

【課題】複数の種類のゲーム要素を利用したプレイが可能なゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機1は、小メダルSM及び大メダルBMを手前側Y1に移動して上段プッシャ台12から落下させる上段往復テーブル12aと、上端部14aが上段プッシャ台12から手前側Y1にはみ出して落下する大メダルBMが到達できかつ上段プッシャ台12から手前側Y1にはみ出して落下する小メダルSMが到達できない位置に配置された滑落部14と、滑落部14に滑落した大メダルBMを搬送する傾斜転動部15と、傾斜転動部15によって搬送された大メダルBMを貯留する大メダル貯留装置16と、上段プッシャ台12と滑落部14との間に設けられ、上段プッシャ台12から手前側Y1にはみ出して落下した小メダルSMが通過する間隙部14cと、間隙部14cを通過した小メダルSMを載置する下段プッシャ台19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム要素を利用したゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メダルを利用したプッシャタイプのメダルゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のメダルゲーム機は、1種類のメダルを利用するものであり、プレイ態様が単純であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−224322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、複数の種類のゲーム要素を利用したプレイが可能なゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、第1ゲーム要素(SM,2SM)及び第1ゲーム要素よりも外形が大きい第2ゲーム要素(BM,2BM)を混在した状態で載置する上段テーブル(12,12a)と、前記上段テーブルに載置された第1及び第2ゲーム要素を移動方向に移動して前記上段テーブルから落下させる上段移動部(12,12b)と、前記上段テーブルよりも前記移動方向側(Y1)に配置された上端部(14a)を有し、前記上端部が前記上段テーブルから前記移動方向側にはみ出して落下する第2ゲーム要素が到達できかつ前記上段テーブルから前記移動方向側にはみ出して落下する第1ゲーム要素が到達できない位置に配置された滑落部(14)と、前記滑落部に滑落した第2ゲーム要素を搬送する第2ゲーム要素搬送部(15,215)と、前記第2ゲーム要素搬送部によって搬送された第2ゲーム要素を貯留する第2ゲーム要素貯留部(16)と、前記上段テーブルと前記滑落部との間に設けられ、前記上段テーブルから前記移動方向側にはみ出して落下した第1ゲーム要素が通過する間隙部(14c)と、前記間隙部を通過した第1ゲーム要素を載置する下段テーブル(19,19a)と、を備えるゲーム機である。
第2の発明は、第1の発明のゲーム機において、第1(SM,2SM)及び第2ゲーム要素(BM,2BM)は、円盤状のメダルであり、前記滑落部(14)の前記上端部(14a)は、前記上段テーブル(12,12a)の前記移動方向側(Y1)の縁部(12c)との距離(L1)が、第1ゲーム要素(SM,2SM)の半径(SM−r)よりも大きくかつ第2ゲーム要素の半径(BM−r)よりも小さいこと、を特徴とするゲーム機である。
第3の発明は、第1又は第2の発明のゲーム機において、前記下段テーブル(19,19a)に載置された第1ゲーム要素(SM,2SM)を移動して前記下段テーブルから落下させる下段移動部(19,19b)と、前記下段テーブルから第1ゲーム要素が落下した場合に、第1ゲーム要素をこのゲーム機(1)の外部に払い出す払い出し部(8)とを備えること、を特徴とするゲーム機である。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明のゲーム機において、前記第2ゲーム要素搬送部(15,215)は、搬送方向に傾斜し、第1(SM,2SM)及び第2ゲーム要素(BM,2BM)を傾斜方向(C)に転がしながら移動する傾斜転動部(15,215)と、前記傾斜転動部に設けられ、第1ゲーム要素を通過させかつ第2ゲーム要素を通過させないように規制する大きさの孔部(15c,215c)とを有すること、を特徴とするゲーム機である。
第5の発明は、第4の発明のゲーム機において、第1(2SM)及び第2ゲーム要素(2BM)は、円盤状のメダルであり、前記孔部(215c)は、スリット状でありその幅が、前記第1ゲーム要素(2SM)の厚みよりも大きくかつ前記第2ゲーム要素(2BM)の厚みよりも小さいこと、を特徴とするゲーム機である。
第6の発明は、第4の発明のゲーム機において、前記第2ゲーム要素搬送部(15)は、前記孔部(15c)に第2ゲーム要素(BM)を収容した場合に、水平方向の位置において、第2ゲーム要素の重心(BM−G)が前記孔部よりも外側になるように収容し、その第2ゲーム要素を重力の作用によって前記傾斜方向(C)に転がすこと、を特徴とするゲーム機である。
第7の発明は、第4の発明のゲーム機において、前記第2ゲーム要素搬送部(15)は、前記孔部(15c)に第2ゲーム要素(BM)を収容した場合に、その第2ゲーム要素の重心(BM−G)の水平方向の位置が、その第2ゲーム要素を傾斜方向(C)側で支持する孔部縁部の水平方向の位置よりも、水平方向のうちその第2ゲーム要素が転がる方向側になるように収容し、その第2ゲーム要素を重力の作用によって前記傾斜方向に転がすこと、を特徴とするゲーム機である。
第8の発明は、第1から第7までのいずれかの発明のゲーム機において、前記第2ゲーム要素貯留部(16)に第2ゲーム要素(BM,2BM)が貯留された場合に、前記上段(12)及び下段テーブル(19)のうち少なくとも1つに、複数の第1ゲーム要素(SM,2SM)を供給する第1ゲーム要素供給部(34)を備えること、を特徴とするゲーム機である。
第9の発明は、第1から第8までのいずれかの発明のゲーム機において、第1(SM,2SM)及び第2ゲーム要素(BM,2BM)は、円盤状のメダルであること、を特徴とするゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、上段テーブルから第2ゲーム要素が落下する滑落部と、上段テーブルから第1ゲーム要素が落下する間隙部とを備える。これにより、上段テーブルから落下する第1及び第2ゲーム要素を選別して、2種類のゲーム要素を利用したプレイをすることができる。また、プッシャ台の固定テーブル等(上段テーブル)に2種類のゲーム要素を載置して、固定テーブル等から落下する途中でゲーム要素を選別した後に、第1ゲーム要素を下段テーブルでさらにプレイに利用し、プレイ態様を複雑にして、プレイの面白さを向上することができる。一方、貯留した第2ゲーム要素をゲーム要素の大量払い出し等のきっかけ等に利用することができる。さらに、2種類のゲーム要素を載置する上段テーブルを配置し、上段テーブルよりも下段側に滑落部及び第2ゲーム要素搬送部を配置し、さらに下段側に第1ゲーム要素のみを載置する下段テーブルを配置することによって、新しい形態のプレイ領域にできるので、プレイヤの興味をひくことができる。
(2)本発明は、滑落部の上端部と上段テーブルの縁部との距離が、第1ゲーム要素の半径よりも大きくかつ第2ゲーム要素の半径よりも小さいので、第2ゲーム要素のみを滑落部に落下させることができる。
【0008】
(3)本発明は、下段移動部が下段テーブルに載置された第1ゲーム要素を下段テーブルから落下させた場合に、第1ゲーム要素を外部に払い出すので、上段テーブルから落下してきた第1ゲーム要素と下段テーブルとを利用してプッシャゲームをすることができる。
(4)本発明は、第2ゲーム要素搬送部が第1ゲーム要素を通過させかつ第2ゲーム要素を通過させないように規制する孔部を有するので、第1ゲーム要素が滑落部に落下した場合であっても、この孔部を利用して第1及び第2ゲーム要素を選別することができる。つまり、滑落部及び間隙部が第1ゲーム要素を正常に選別できなかったときであっても、その次に、孔部が選別するので、確実に第1ゲーム要素を選別することができる。
【0009】
(5)本発明は、孔部がスリット状であり、その幅が第1ゲーム要素の厚みよりも大きくかつ第2ゲーム要素の厚みよりも小さいので、第1ゲーム要素のみを孔部に落下させることができる。
(6)本発明は、孔部に第2ゲーム要素を収容した場合に、その第2ゲーム要素を重力の作用によって傾斜方向に転がす。つまり、第2ゲーム要素の大きさと、傾斜転動部の傾斜角度と、孔部の大きさとを、孔部に収容した第2ゲーム要素の重心が孔部よりも外側になるように設定することによって、自然で面白い態様で、第2ゲーム要素のみを傾斜方向に転がすことができる。
(7)本発明は、孔部に第2ゲーム要素を収容した場合に、その第2ゲーム要素を重力の作用によって傾斜方向に転がす。つまり、第2ゲーム要素の大きさと、傾斜転動部の傾斜角度と、孔部の大きさとを、孔部に収容した第2ゲーム要素の重心が孔部縁部から転がる方向側に位置するように設定することによって、自然で面白い態様で、第2ゲーム要素のみを傾斜方向に転がすことができる。
【0010】
(8)本発明は、第2ゲーム要素が第2ゲーム要素貯留部に貯留された場合に、上段及び下段テーブルのうち少なくとも1つに、複数の第1ゲーム要素を供給するので、第2ゲーム要素が貯留されたことをきっかけにして、第1ゲーム要素の大量払い出しをすることができる。
(9)本発明は、第1及び第2ゲーム要素が円盤状のメダルであるので、上記(1)〜(8)の効果を有するメダルプッシャゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図2】第1実施形態のプレイ領域及びプレイ部の斜視図である。
【図3】第1実施形態の大メダルが上段固定テーブルから落下する態様を説明する縦断面図である。
【図4】第1実施形態の小メダルが上段固定テーブルから落下する態様を説明する縦断面図である。
【図5】第1実施形態の傾斜転動部を示す図である。
【図6】第1実施形態のゲーム機の構成を説明する図である。
【図7】第2実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図8】第2実施形態のゲーム機の傾斜転動部近傍を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図1に示すように、ゲーム機1は、その外径が2m程度の大型の装置であり、例えば、ゲームセンタ等に設置される。ゲーム機1は、平面形状が、例えば六角形であり、複数のプレイヤが独立してプレイ可能な複数のステーションSTを備えている。以下、主に、ステーションST1について説明するが、他のステーションについても同様な構造である。以下、左右方向X、奥行方向Y、鉛直方向Zとして説明する。
【0013】
ゲーム機1は、小メダル投入装置7L,7Rを利用してプレイ領域2へと小メダルSMを投入し、所定の条件を満足した場合に、大量の小メダルSMを外部に払い出すメダルプッシャ式のメダルゲーム機である。後述するように、ゲーム機1では、円盤状の小メダルSM(第1ゲーム要素)と、小メダルよりも1回り大きな直径を有する円盤状の大メダルBM(第2ゲーム要素)とを利用してプレイが行われる。大メダルBMには、RFIDタグMBa(図2参照)が内蔵されており、リーダ17(図2参照)によって情報が読み取られる。
【0014】
ゲーム機1は、プレイ領域2と、ケース4と、ウィンド5と、操作部6と、小メダル投入装置7L,7Rと、メダル払い出し口8(払い出し部)と、プレイ部10とを備えている。
プレイ領域2は、プレイヤが小メダルSMを投入して、実際にゲームが行われる領域であり、プレイ部10等が設けられている。
ケース4は、ゲーム機1の筐体である。
ウィンド5は、ゲーム機1の外部とプレイ領域2とを仕切るための部材であり、プレイ領域2を外部から視認できるように、例えば、透明なアクリル、ガラス等により形成される。
【0015】
操作部6は、小メダル投入装置7L,7R等を配置するための部分であり、プレイヤが操作しやすいように、ケース4の正面に設けられている。
小メダル投入装置7L,7Rは、プレイヤが挿入した小メダルSMを、プレイ領域2に投入するための装置である。小メダル投入装置7L,7Rは、小メダルSMを投入する方向を調整できるように、左右方向Xに回転可能に設けられている。
小メダル投入装置7Lは、操作部6の左側X1に配置されている。小メダル投入装置7Lは、投入した小メダルSMが上段プッシャ台12(図2参照)に載置されるように、メダル投入角度が設定されている。
小メダル投入装置7Rは、操作部6の右側X2に配置されている。小メダル投入装置7Rは、投入した小メダルSMが下段プッシャ台19(図2参照)に載置されるように、メダル投入角度が設定されている。
【0016】
メダル払い出し口8は、プレイヤが獲得した小メダルSMを払い出すための払い出し口であり、プレイヤが小メダルSMを取り出しやすいように、ケース4の正面に設けられている。
【0017】
図2は、第1実施形態のプレイ領域2及びプレイ部10の斜視図である。
図3は、第1実施形態の大メダルBMが上段固定テーブル12bから落下する態様を説明する縦断面図(図2に示すIII−III部矢視断面図)である。
図4は、第1実施形態の小メダルSMが上段固定テーブル12bから落下する態様を説明する縦断面図(図2に示すIII−III部矢視断面図)である。
図5は、第1実施形態の傾斜転動部15を示す図である。
図5(a)は、傾斜転動部15の左側X1の一部を滑落部14の傾斜方向Aの上側から拡大して示す図である。
図5(b)は、傾斜転動部15の左側X1の一部を滑落部14の法線方向Bの手前側から拡大して示す断面図(B−B部矢視断面図)である。
【0018】
図2に示すように、プレイ部10は、基部11と、上段プッシャ台12と、大メダル供給孔13と、滑落部14と、間隙部14cと、傾斜転動部15(第2ゲーム要素搬送部)と、大メダル貯留装置16(第2ゲーム要素貯留部)と、リーダ17と、スロット18と、下段プッシャ台19と、小メダル供給孔20と、チェッカ21と、小メダル落下孔22とを備えている。
【0019】
基部11は、プレイ部10の基礎となる筐体である。
図3、図4に示すように、基部11の手前側Y1は、斜面11aになっており、上段固定テーブル12b(後述する)から押し出された小メダルSMが滑落するようになっている。斜面11aは、傾斜方向Aが、手前側Y1に至る程下側Z1に至るように形成されている。
【0020】
図2に示すように、上段プッシャ台12は、複数の小メダルSMと複数の大メダルBMとを混在した状態で載置し、それらを手前側Y1(移動方向側)に押し出して搬送する装置である。上段プッシャ台12は、基部11の上側Z2に配置され、つまり、下段プッシャ台19よりも上側Z2の領域に配置されている。上段プッシャ台12は、上段往復テーブル12a(上段移動部)と、上段固定テーブル12bとを備えている。
上段往復テーブル12aは、駆動装置(図示せず)により、上段固定テーブル12bに対して奥行方向Yに往復移動されるテーブルである。
上段固定テーブル12bは、基部11に固定されたテーブルである。
【0021】
上段プッシャ台12は、以下の2つの経路によって、小メダルSM及び大メダルBMが載置されるようになっている。
(1)小メダル投入装置7Lから投入された小メダルSMは、上段往復テーブル12aが手前側Y1に位置する場合には、上段往復テーブル12a上に載置され、一方、上段往復テーブル12aが奥側Y2に位置する場合には、上段固定テーブル12bに載置されるようになっている。
(2)大メダル供給孔13から供給された大メダルBMは、上段往復テーブル12a上に載置される。なお、大メダル供給孔13は、基部11に設けられている。
【0022】
上段往復テーブル12a上に載置された小メダルSM及び大メダルBMは、上段往復テーブル12aの往復移動にともなって基部11の壁部に当接すると、玉突き現象により手前側Y1に押し出されて移動して、上段固定テーブル12bへと落下する。これによって、上段往復テーブル12a及び上段固定テーブル12b上には、小メダルSM及び大メダルBMが混在した状態で載置される。
上段固定テーブル12b上に載置された小メダルSM及び大メダルBMは、往復移動する上段往復テーブル12aによって、玉突き現象により手前側Y1に押し出されて移動する。
【0023】
滑落部14は、斜面11aに平行に配置された板材である。
滑落部14は、上端部14aが上段固定テーブル12bよりも手前側Y1に配置されている。
図3に示すように、上端部14aと上段固定テーブル12bの手前側Y1の縁部12cとの距離L1は、小メダルSMの半径SM−rよりも大きい。つまり、上端部14aは、上段固定テーブル12bから手前側Y1にはみ出して落下する小メダルSMが到達できない位置に配置されている。このため、通常は、上段固定テーブル12bから落下した小メダルSMは、滑落部14を滑落することはない。
【0024】
図4に示すように、一方、距離L1は、大メダルBM−rの半径よりも小さい。つまり、上端部14aは、上段固定テーブル12bから手前側Y1にはみ出して落下する大メダルBMが到達できる位置に配置されている。このため、上段固定テーブル12bから落下した大メダルBMは、滑落部14の表面である滑落面14bを滑落する。
【0025】
図3に示すように、間隙部14cは、上段固定テーブル12bと滑落部14との間の隙間である。間隙部14cの開口幅つまり距離L1は、小メダルSMの半径SM−rよりも大きいので、間隙部14cへは、上段固定テーブル12bから手前側Y1にはみ出した小メダルSMが落下する。間隙部14cに落下した小メダルSMは、斜面11aを、下段プッシャ台19へと滑落していく。
図4に示すように、一方、間隙部14cの開口幅は、大メダルBM−rの半径よりも小さいので、間隙部14cへは、上段固定テーブル12bから手前側Y1にはみ出した大メダルBMが落下することはない。
【0026】
図2に示すように、傾斜転動部15は、滑落部14に滑落した大メダルBMを搬送する部材である。傾斜転動部15は、滑落部14に重ねるように配置された板状の部材である。傾斜転動部15は、左右対称の形状であるので、左側X1の部分について主に説明し、右側X2の部分については、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、傾斜転動部15は、転動面15aと、複数の孔部15cとを備えている。
転動面15aは、傾斜転動部15の上側の面である。転動面15aは、頭頂部15bから左側X1(搬送方向)に至るに従って下側Z1に至るように傾斜している。
図4に示すように、また、転動面15aは、法線方向Bに平行な傾斜面である。これによって、滑落面14bを滑落してきた大メダルBMは、転動面15aに受け止めらときには、滑落面14bに寄り掛かりメダル裏面が滑落面14bに接した状態で、左側X1に移動する。
【0027】
図5に示すように、孔部15cは、転動面15aに左右方向Xに並べられて配置されている。孔部15cは、奥側Y2の縁部は、滑落面14bによって形成される。孔部15cは、転動部15を傾斜方向Aに貫通して設けられた貫通孔である。
孔部15cは、短手方向(斜面11aの法線方向B)の長さが、小メダルSMの厚みよりも大きく、かつ大メダルBMの厚みよりも大きい。また、左右方向Xの長さが、小メダルSMの直径よりも大きく、かつ大メダルBMの直径よりも小さい。これによって、図5(b)に示すように、孔部15cは、小メダルSMを斜面11aの傾斜方向Aの下側に通過させ、一方、大メダルBMを傾斜方向Aの下側に通過させないように規制する。
【0028】
また、孔部15cは、大メダルBMを収容した場合に、左右方向X(水平方向)の位置において、大メダルBMの重心BM−Gが、距離L2分だけ外側になるように収容する。つまり、孔部15cは、大メダルBMを収容した場合に、その大メダルBMの重心BM−Gの左右方向Xの位置が、大メダルBMを転動面15aの傾斜方向C側で支持する孔部縁部15dの左右方向Xの位置よりも、大メダルBMが転がる方向側つまり左側X1になるように、開口部の形状が設定されている。これによって、収容された大メダルBMは、重力の作用によって傾斜方向Cに転がり、孔部15cに収容されたままの状態になることはない。
【0029】
このように、ゲーム機1は、大メダルBMの大きさと、傾斜転動部15の傾斜角度と、孔部15cの大きさとを、孔部15cに収容した大メダルBMの重心BM−Gが孔部15cよりも外側になるように設定することによって、自然で面白い態様で、大メダルBMのみを傾斜方向Cに転がすことができる。
【0030】
図2に示すように、大メダル貯留装置16は、傾斜転動部15によって搬送された大メダルBMを貯留する装置であり、左側X1、右側X2に1つずつ設けられている。大メダル貯留装置16は、円盤16aを備えている。
円盤16aは、モータ等の駆動装置(図示せず)によって、中心回りに回転駆動する。円盤16aは、搬送された大メダルBMを1枚ずつ貯留する5つの貯留孔16cが設けられている。
円盤16aは、傾斜転動部15を転がってきた大メダルBMが、下側に配置された貯留孔16cに収容されるように配置されている。
【0031】
大メダルBMが下側に配置された貯留孔16cに貯留されると、駆動装置(図示せず)が円盤16aを回転駆動して、隣の貯留孔16cを下側に配置する。これによって、大メダル貯留装置16は、次に搬送された大メダルBMを貯留可能な状態になる。また、5つの貯留孔16cに大メダルMが貯留されると、回収装置(図示せず)がこれらの大メダルBMを大メダル収容部31(図6参照)に収容する。
【0032】
リーダ17は、大メダルBMに内蔵されたRFIDタグBMaを読み取るRFIDリーダである。リーダ17は、円盤16aよりも法線方向Bの奥側に、基部11内部に配置されている。これにより、円盤16aに貯留された大メダルBMのRFIDタグBMaを読み取り、貯留孔16cに大メダルBMが貯留されているか否かを検出する。制御部50(図6参照)は、リーダ17の検出に基づいて、円盤16aに貯留された大メダルBMの数量を判定することができる。
【0033】
図2に示すように、スロット18は、液晶表示装置等に表示された3桁の数字によって、抽選処理を行う装置である。スロット18は、基部11に設けられている。スロット18は、小メダルSMがチェッカ21を通過したときに抽選処理を行う。スロット18の抽選処理は、制御部50(図6参照)が行う。スロット18による抽選の結果、制御部50が小メダルSMの大量払い出しを行う。
【0034】
下段プッシャ台19は、基部11の下部に配置されている。下段プッシャ台19は、複数の小メダルSMを載置し、それらを手前側Y1に押し出して搬送する装置である。下段プッシャ台19は、基部11よりも下側Z1に配置されている。下段プッシャ台19は、下段往復テーブル19a(下段移動部)と、下段固定テーブル19bとを備えている。
下段往復テーブル19aは、駆動装置(図示せず)により、下段固定テーブル19bに対して奥行方向Yに往復移動されるテーブルである。
下段固定テーブル19bは、基部11に固定されたテーブルである。
【0035】
下段プッシャ台19は、以下の3つの経路によって、小メダルSMのみが載置されるようになっている。
(1)小メダル投入装置7Rから投入された小メダルSMは、下段往復テーブル19aが手前側Y1に位置する場合には、下段往復テーブル19a上に載置され、一方、下段往復テーブル19aが奥側Y2に位置する場合には、下段固定テーブル19bに載置される。
(2)間隙部14cを通過し落下してきた小メダルSMは、下段往復テーブル19aに載置される(図3参照)。
(3)小メダル供給孔20から供給された小メダルSMは、下段固定テーブル19bに載置される。なお、小メダル供給孔20は、基部11に設けられている。
【0036】
下段往復テーブル19a上に載置された小メダルSMは、下段往復テーブル19aの往復移動にともなって基部11に当接すると、玉突き現象により手前側Y1に押し出されて移動して、下段固定テーブル19bへと落下する。
下段固定テーブル19b上に載置された小メダルSMは、往復移動する下段往復テーブル19aによって、玉突き現象により手前側Y1に押し出されて移動して、チェッカ21に入賞するか、又は小メダル落下孔22に落下する。
【0037】
チェッカ21は、下段固定テーブル19bを移動してきた小メダルSMが落下して入賞する入賞部である。チェッカ21は、下段固定テーブル19bの手前側Y1の部分を切り欠いて形成される。チェッカ21は、内部に光学センサが設けられており、この光学センサが入賞した小メダルSMを検出し、制御部50(図6参照)に検出信号を出力する。
【0038】
小メダル落下孔22は、下段固定テーブル19bよりも手前側Y1に設けられた開口孔である。小メダル落下孔22は、メダル払い出し口8に連通しており、下段固定テーブル19bから小メダルSMが落下した場合に、小メダルSMをメダル払い出し口8に払い出す。
【0039】
図6は、第1実施形態のゲーム機1の構成を説明する図である。
ゲーム機1は、上記ハードウェアの他に、大メダル収容部31と、小メダル収容部32と、大メダル供給装置33(第2ゲーム要素供給部)と、小メダル供給装置34(第1ゲーム要素供給部)と、記憶部40と、制御部50とを備えている。
大メダル収容部31及び小メダル収容部32は、プレイヤが視認できないようにゲーム機1内部に収容されている。
大メダル収容部31は、大メダル貯留装置16に貯留した大メダルBMを回収して収容する容器である。
小メダル収容部32は、下段プッシャ台19に供給する小メダルSMを貯留する容器である。小メダル収容部32は、下段固定テーブル19bの左側X1及び右側X2から、プレイヤにわからないように落下(いわゆる親落ち)した小メダルSMを収容する。
【0040】
大メダル供給装置33は、大メダル収容部31に収容されている大メダルBMを、大メダル収容部31と大メダル供給孔13との間を接続する搬送レール(図示せず)に送り出す装置である。これによって、大メダル収容部31に収容されている大メダルBMは、大メダル供給孔13から上段プッシャ台12へと供給される。
【0041】
小メダル供給装置34は、小メダル収容部32に収容されている小メダルSMを、小メダル収容部32と小メダル供給孔20との間を接続する搬送レール(図示せず)に送り出す装置である。これによって、小メダル収容部32に収容されている小メダルSMは、小メダル供給孔20から下段プッシャ台19へと供給される。
【0042】
記憶部40は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
制御部50は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部50は、ハードディスク等の記憶装置(図示せず)に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0043】
なお、本発明でコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部40、制御部50(後述する)等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
制御部50は、前述したスロット18、チェッカ21、大メダル供給装置33、小メダル供給装置34、各装置等との間が電気ケーブル等によって接続されており、これらのハードウェアを制御するようになっている。制御部50は、記憶部40のプログラムによって動作する。
【0044】
次に、ゲーム機1の動作を説明しながら、ゲーム機1でのプレイ方法を説明する。
図2に示すように、プレイヤが小メダル投入装置7L(図1参照)にメダル投入すると、小メダルSMが上段プッシャ台12に小メダルSMが載置される。上段プッシャ台12は、上段往復テーブル12aの往復動作によって、上段固定テーブル12bに載置されていた小メダルSM及び大メダルBMを徐々に手前側Y1に移動する。
【0045】
(小メダルSM及び大メダルBMの選別処理1)
図3に示すように、小メダルSMが移動されて、水平位置において、小メダルSMの重心SM−Gが上段固定テーブル12bの縁部12cよりも手前側Y1になるように配置されると、小メダルSMは、重力の作用によって、メダル裏面を縁部12cに接した状態で縁部12cを中心に回転する。このとき、小メダルSMは、上端部14aに届かないため、通常は、滑落部14よりも奥側Y2の間隙部14cに落下する。間隙部14cに落下した小メダルSMは、斜面11aを滑落し、下段往復テーブル19aに載置される。
図4に示すように、同様に、大メダルBMが移動されて、重心BM−Gが上段固定テーブル12bの縁部12cよりも手前側Y1になるように配置されると、大メダルBMは、縁部12cに接した状態で縁部12cを中心に回転する。このとき、大メダルBMは、メダル裏面が上端部14aに届くため、滑落部14よりも手前側Y1に落下し、滑落面14bを滑落する。
【0046】
傾斜転動部15は、滑落してきた大メダルBMを受け止める。図5(a)に示すように、傾斜転動部15は、大メダルBMを左側X1へと転がしながら搬送する。図5(b)に示すように、大メダルBMは、孔部15c上を移動する場合にも、重力の作用によって傾斜方向Cに転がり、孔部15cに収容されたままの状態になることはない。
【0047】
(小メダルSM及び大メダルBMの選別処理2)
例えば、小メダルSMは、上段固定テーブル12b上に重なって載置されている状態で、上段固定テーブル12bから押し出されると、間隙部14cを越えて、滑落面14bに落下してしまう場合がある。このような場合、小メダルSMは、図5(a)に示すように、大メダルBMと同様に転動面15aを転がりながら移動する。
図5(b)に示すように、小メダルSMが孔部15cに到達すると、孔部15cは、この小メダルSMを傾斜方向Aの下側に通過させる。また、孔部15cは、貫通孔であるので、孔部15cに落下した小メダルSMは、孔部15cを通り抜けて下段往復テーブル19aに載置される。
【0048】
このように、ゲーム機1は、メダル選別部として、滑落部14及び間隙部14cに加えて、小メダルSMを通過させかつ大メダルBMを通過させないように規制する孔部15cを有する。これにより、滑落部14及び間隙部14cが小メダルSMを正常に選別できなかったときであっても、その次に、孔部15cが選別するので、より確実に小メダルSMを選別することができる。
【0049】
(貯留処理)
図2に示すように、大メダル貯留装置16は、傾斜転動部15によって搬送された大メダルBMを順次貯留する。
【0050】
このように、ゲーム機1は、上段プッシャ台12から滑落してきた小メダルSMを下段プッシャ台19へと落下させ、一方、上段プッシャ台12から落下した大メダルBMを大メダル貯留装置16へと搬送する。
下段プッシャ台19に落下した小メダルSMは、後述するように、下段プッシャ台19によるプレイに利用される。一方、搬送された大メダルBMは、後述するように、スロット18による大量払い出しの抽選処理のきっかけになる。
【0051】
(大量払い出しの抽選処理)
図2に示すように、リーダ17は、大メダル貯留装置16の円盤16aに収容された大メダルBMのRFIDタグBMaを読み取り、制御部50に検出信号を出力する。制御部50は、この検出信号に基づいて、貯留された大メダルBMの数量を判定する。
制御部50は、大メダル貯留装置16の円盤16aに5枚の大メダルBMが貯留されたと判定した場合には、回収装置(図示せず)を制御して、大メダルBMを大メダル収容部31に収容する。これと同時に、制御部50は、スロット18を制御して抽選処理を行う。
【0052】
(小メダルSMの大量払い出し処理)
図2に示すように、制御部50は、スロット18に「7」が3桁揃った場合つまり「777」の場合には、小メダル供給装置34を制御して1000枚の小メダルSMを下段プッシャ台19に供給して大量払い出しを行う。一方、制御部50は、「777」以外の数字が表示された場合には、10枚程度の小メダルSMを下段プッシャ台19に供給する。
【0053】
このように、小メダルSMが下段プッシャ台19に1000枚程度供給されると、小メダルSMが小メダル落下孔22に落下しやすい状態となる。小メダル落下孔22に落下に小メダルSMが落下すると、小メダルSMが外部払い出し口8に払い出される。これによって、プレイヤは、より多くの小メダルSMを獲得することができる。
【0054】
(下段プッシャ台19でのプレイ)
プレイヤは、上記大量払い出し処理を狙って、小メダル投入装置7Lから上段プッシャ台12に小メダルSMを投入することができる。一方、プレイヤは、下段プッシャ台19から落下しそうな小メダルSMがあるとき等は、以下のように小メダルSMを手っ取り早く獲得したり、小メダルSMをチェッカ21に入賞させて大メダルBMの供給処理を狙うこともできる。
【0055】
小メダル投入装置7Rから投入された小メダルSMは、下段プッシャ台19に載置される。
図2に示すように、下段往復テーブル19a、下段固定テーブル19b上に載置された小メダルSMは、往復移動する下段往復テーブル19aによって、玉突き現象により手前側Y1に押し出されて移動する。そして、下段固定テーブル19b上に載置された小メダルSMは、チェッカ21に入賞するか、又は小メダル落下孔22に落下する。プレイヤは、小メダル落下孔22に落下した小メダルSMを獲得することができる。
また、滑落部14及び間隙部14cと、孔部15cとによって小メダルSMが選別されるので、下段プッシャ台19は、小メダルSMのみが載置され大メダルBMが載置されることがない(図6に示す小メダル循環部1b参照)。
【0056】
(大メダルBMの供給処理)
下段固定テーブル19bに載置されていた小メダルSMが手前側Y1に移動して、チェッカ21に落下すると、チェッカ21内の検出部(図示せず)は、この小メダルSMを検出し制御部50に検出信号を出力する。制御部50は、この検出部の出力に応じて、大メダル供給装置33を制御して、大メダルBMを上段プッシャ台12へと供給する。
ゲーム機1は、この大メダルBMの供給処理によって、大メダルBMを上段プッシャ台12のみに供給し、かつ、上記小メダルSM及び大メダルBMの選別処理等によって、下段プッシャ台19に載置することがない。これによって、ゲーム機1は、大メダルBMを上段プッシャ台12のみを通り、下段プッシャ台19を通らないように循環させることができる(図6に示す大小メダル循環部1a参照)。
【0057】
以上説明したように、ゲーム機1は、小メダルSM及び大メダルBMの2種類のメダルを載置する上段プッシャ台12を配置し、上段プッシャ台12よりも下段側に滑落部14を配置し、さらに下段側に小メダルSMのみを載置する下段プッシャ台19を配置する。これによって、ゲーム機1は、従来とは異なる新しく面白い形態のプレイ領域2を演出することができ、プレイヤの興味をひくことができる。
【0058】
また、ゲーム機1は、上段プッシャ台12からメダルが落下する途中で選別した後に、小メダルSMを下段プッシャ台19でのプレイに利用し、一方、大メダルBMを大量払い出しのきっかけに利用することができる。これにより、2種類のメダルを利用して、プレイ態様を複雑にして、プレイの面白さを向上することができる。
【0059】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第2実施形態について説明する。
第2実施形態のゲーム機201は、第1実施形態の各メダルの大きさと、孔部15cの大きさとを変更したものである。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0060】
図7は、第2実施形態のゲーム機201の斜視図である。
図8は、第2実施形態のゲーム機201の傾斜転動部215近傍を説明する図である。
図8(a)、図8(c)は、孔部215c近傍を斜面11aの傾斜方向Aから見た断面図(第1実施形態の図5(a)に相当する図)である。
図8(b)、図8(d)は、孔部215c近傍を側面から見た断面図(図8(a)、図8(c)を右側X2から見た断面図)である。
【0061】
図8に示すように、小メダル2SMの直径は、大メダル2BMの直径よりも小さく、かつ、小メダル2SMの厚みは、大メダル2BMの厚みよりも薄い。
孔部215cは、スリット状であり、短手方向(法線方向B)の長さ(幅)が、小メダル2SMの厚みよりも大きく、かつ大メダル2BMの厚みよりも小さい。また、孔部215cは、左右方向Xの長さが、小メダル2SM及の直径よりも大きい。
これによって、ゲーム機201の孔部215cは、図8b(a)、図8(b)に示すように、小メダル2SMを傾斜方向Aに通過させ、かつ図8(c)、図8(d)に示すように、大メダル2BMを傾斜方向Aに通過させないように規制することができる。
【0062】
このように、小メダル2SM及び大メダル2BMは、それらの厚みに基づいて、孔部215cに落下されるか否かが選別される。このため、ゲーム機201は、傾斜方向C(図5参照)の傾斜角度を、第1実施形態のゲーム機1よりも緩くすることができる。
これにより、図1、図8に示すように、プレイ部210を、第1実施形態のプレイ部10よりも、小型にすることができる。
【0063】
(変形形態)
(1)実施形態において、ゲーム機は、大量払い出し時に、小メダルを下段プッシャ台に供給する例を説明したが、これに限定されない。ゲーム機は、大量払い出し時に、小メダルを上段プッシャ台に供給してもよいし、あるいは、上段プッシャ台及び下段プッシャ台の両方に供給してもよい。小メダルを上段プッシャ台に供給した場合であっても、上段プッシャ台から落下した小メダルは、結局、メダル選別部(滑落部、間隙部、孔部)によって選別され、下段プッシャ台に供給される。このため、この場合にも、メダル獲得のチャンスを、プレイヤに与えることができる。
【0064】
(2)本実施形態において、大メダルの種類は、1種類である例を示したが、これに限定されない。例えば、大メダルの種類を複数にして、種類を識別できるRFIDタグを内蔵してもよい。この場合、リーダの検出に基づいて、制御部が大メダル貯留装置に貯留した大メダルの種類の組み合わせを判定し、組み合わせを利用したプレイ進行(例えば、組み合わせに対応した数量の小メダルの払い出し等)をすることができる。
【符号の説明】
【0065】
1,201…ゲーム機 、 7L,7R…小メダル投入装置 、 8…メダル払い出し口 、10,210…プレイ部 、 11a…斜面 、 12…上段プッシャ台 、 12a…上段往復テーブル 、 12b…上段固定テーブル 、 13…大メダル供給孔 、 14…滑落部 、 14c…間隙部 、 15,215…傾斜転動部 、 15a,215a…転動面 、 15c,215c…孔部、 16…大メダル貯留装置 、 16a…円盤 、 16c…貯留孔 、 17…リーダ 、 19…下段プッシャ台 、 19a…下段往復テーブル 、 19b…下段固定テーブル 、 20…小メダル供給孔 、 21…チェッカ 、 33…大メダル供給装置 、 34…小メダル供給装置 、 50…制御部 、 BM,2BM…大メダル 、 SM,2SM…小メダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ゲーム要素及び第1ゲーム要素よりも外形が大きい第2ゲーム要素を混在した状態で載置する上段テーブルと、
前記上段テーブルに載置された第1及び第2ゲーム要素を移動方向に移動して前記上段テーブルから落下させる上段移動部と、
前記上段テーブルよりも前記移動方向側に配置された上端部を有し、前記上端部が前記上段テーブルから前記移動方向側にはみ出して落下する第2ゲーム要素が到達できかつ前記上段テーブルから前記移動方向側にはみ出して落下する第1ゲーム要素が到達できない位置に配置された滑落部と、
前記滑落部に滑落した第2ゲーム要素を搬送する第2ゲーム要素搬送部と、
前記第2ゲーム要素搬送部によって搬送された第2ゲーム要素を貯留する第2ゲーム要素貯留部と、
前記上段テーブルと前記滑落部との間に設けられ、前記上段テーブルから前記移動方向側にはみ出して落下した第1ゲーム要素が通過する間隙部と、
前記間隙部を通過した第1ゲーム要素を載置する下段テーブルと、
を備えるゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機において、
第1及び第2ゲーム要素は、円盤状のメダルであり、
前記滑落部の前記上端部は、前記上段テーブルの前記移動方向側の縁部との距離が、第1ゲーム要素の半径よりも大きくかつ第2ゲーム要素の半径よりも小さいこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲーム機において、
前記下段テーブルに載置された第1ゲーム要素を移動して前記下段テーブルから落下させる下段移動部と、
前記下段テーブルから第1ゲーム要素が落下した場合に、第1ゲーム要素をこのゲーム機の外部に払い出す払い出し部とを備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記第2ゲーム要素搬送部は、
搬送方向に傾斜し、第1及び第2ゲーム要素を傾斜方向に転がしながら移動する傾斜転動部と、
前記傾斜転動部に設けられ、第1ゲーム要素を通過させかつ第2ゲーム要素を通過させないように規制する大きさの孔部とを有すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーム機において、
第1及び第2ゲーム要素は、円盤状のメダルであり、
前記孔部は、スリット状でありその幅が、前記第1ゲーム要素の厚みよりも大きくかつ前記第2ゲーム要素の厚みよりも小さいこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項6】
請求項4に記載のゲーム機において、
前記第2ゲーム要素搬送部は、前記孔部に第2ゲーム要素を収容した場合に、水平方向の位置において、第2ゲーム要素の重心が前記孔部よりも外側になるように収容し、その第2ゲーム要素を重力の作用によって前記傾斜方向に転がすこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項7】
請求項4に記載のゲーム機において、
前記第2ゲーム要素搬送部は、前記孔部に第2ゲーム要素を収容した場合に、その第2ゲーム要素の重心の水平方向の位置が、その第2ゲーム要素を傾斜方向側で支持する孔部縁部の水平方向の位置よりも、水平方向のうちその第2ゲーム要素が転がる方向側になるように収容し、その第2ゲーム要素を重力の作用によって前記傾斜方向に転がすこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記第2ゲーム要素貯留部に第2ゲーム要素が貯留された場合に、前記上段及び下段テーブルのうち少なくとも1つに、複数の第1ゲーム要素を供給する第1ゲーム要素供給部を備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
第1及び第2ゲーム要素は、円盤状のメダルであること、
を特徴とするゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−233785(P2010−233785A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84524(P2009−84524)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)