説明

ゲーム機

【課題】遊技媒体の詰まりを防止できるゲーム機を提供する。
【解決手段】メダルと、ボールBとが載置されるゲームフィールド2と、ゲームフィールド2の一部を構成し、ゲームフィールド2内で移動可能に設けられたプッシャーテーブル12と、駆動源4aの動力によりプッシャーテーブル12をゲームフィールド2内で往復運動させる駆動機構4と、ゲームフィールド2外でボールBを案内するレール16と、レール16上に位置するボールBと接触して、ボールBをレール16から脱落しない範囲で変位させる操作位置P1と、レール16上のボールBとは接触しない後退位置P2との間を移動可能に設けられた操作部材17と、駆動機構4の駆動源4aの動力を操作部材17に伝達して操作部材17を操作位置P1と後退位置P2との間で移動させるシャフト4cと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームフィールドに設けられたプッシャーテーブルの往復運動により、ゲームフィールドに載置された遊技媒体をゲームフィールドから落下させるゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルゲーム機の一種として、ゲームフィールド上に載置されたメダルの群をプッシャーテーブルの往復運動により押し出して、ゲームフィールド上の所定領域から落下したメダルをプレイヤに払い出すプッシャーゲームが周知である(例えば特許文献1参照)。また、ゲームフィールド上にはメダルの他にボールが投入され、ゲームフィールド上の所定領域からボールが落下することにより所定のゲーム処理が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−088710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームフィールド上の所定領域から落下したボール等の遊技媒体は、その遊技媒体を貯留する貯留部に案内部材を介して案内されて、所定のタイミングで再びゲームフィールド上に投入される。案内部材上で何らかの原因により遊技媒体が詰まると、ゲーム機の内部で遊技媒体が循環しなくなるためゲーム進行の妨げとなるので、案内部材上で遊技媒体が詰まらずに案内される機構が必要である。
【0005】
そこで、本発明は遊技媒体の詰まりを防止できるゲーム機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム機は、第1の遊技媒体としてのメダルと、当該メダルとは異なる第2の遊技媒体(B)とが載置されるゲームフィールド(2)と、前記ゲームフィールドを構成し、前記ゲームフィールド内で移動可能に設けられたプッシャーテーブル(12)と、駆動源の動力により前記プッシャーテーブルを前記ゲームフィールド内で往復運動させるテーブル駆動機構(4)と、前記ゲームフィールド外で前記第2の遊技媒体を案内する案内部材(16)と、前記案内部材上に位置する前記第2の遊技媒体と接触して、該第2の遊技媒体を前記案内部材から脱落しない範囲で変位させる操作位置(P1)と、前記案内部材上の前記第2の遊技媒体とは接触しない後退位置(P2)との間を移動可能に設けられた操作部材(17)と、前記テーブル駆動機構の前記駆動源の動力を前記操作部材に伝達して該操作部材を前記操作位置と前記後退位置との間で移動させる連動機構(4b)と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0007】
本発明のゲーム機によれば、操作部材が操作位置へ移動すると、案内部材上の第2の遊技媒体は操作部材と接触して変位する。案内部材上で第2の遊技媒体が詰まっているときに操作部材が接触すれば、第2の遊技媒体が変位するので詰まりが解消する。操作部材とプッシャーテーブルとは駆動源が共通するので、操作部材を動作させるための新たな駆動源を設けることなく第2の遊技媒体の詰まりを防止できる。従って、簡易な構成で第2の遊技媒体の詰まりを監視することなく詰まりを防止できる。
【0008】
本発明のゲーム機の一形態において、前記操作部材は、前記案内部材に沿って設けられていてもよい。これによれば、案内部材に沿って操作部材が設けられていることにより、案内部材上で詰まっている遊技媒体の位置に拘わらず、案内部材上での遊技媒体の詰まりを防止できる。
【0009】
本発明のゲーム機の一形態において、前記ゲームフィールドには、前記プッシャーテーブルの往復運動に応じて第1及び第2の遊技媒体を載置する面積が可変するテーブル(11)が設けられ、前記案内部材は、前記テーブルの側面(11a)に沿って配置されるように設けられ、前記操作部材は、前記案内部材に隣接して配置されるにように設けられていてもよい。これによれば、第2の遊技媒体はテーブルの側面に設けられた案内部材により案内される。プッシャーテーブルと操作部材とは、テーブルを挟んで配置されているので、同一の駆動機構での駆動が可能となる。また、前記案内部材は、第2の遊技媒体を一方向から支持するとともに前記テーブルの側面との間で第2の遊技媒体を支持して案内してもよい。第2の遊技媒体は案内部材とテーブルの側面との間で支持される。案内部材を簡易な構成とすることができる。
【0010】
本発明のゲーム機の一形態において、前記操作部材には、切欠き(17a)が設けられていてもよい。これによれば、切欠きを設けることにより、第2の遊技媒体の変位量を調整できる。従って、ボールの滑らかな移動を可能にする。
【0011】
本発明のゲーム機の一形態において、前記操作部材は、前記第2の遊技媒体の下部と接触するように配置されていてもよい。これによれば、第2の遊技媒体の下部と接触することで、第2の遊技媒体を案内部材から脱落することなしに変位させることができる。ここで、「下部」とは、第2の遊技媒体の中心から下側の面のことをいう。
【0012】
本発明のゲーム機の一形態において、前記テーブル駆動機構は、前記操作部材と前記プッシャーテーブルとを同じタイミングで駆動させてもよい。これによれば、同一の駆動機構から動力を得ることにより同じタイミングでの駆動が可能となる。また、本発明のゲーム機の一形態において、第2の遊技媒体がボールであってもよい。
【0013】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、操作部材が操作位置へ移動すると、案内部材上の第2の遊技媒体は操作部材と接触して案内部材から脱落しない範囲で変位する。案内部材の汚れ等の原因により案内部材上で第2の遊技媒体が詰まっているときに操作部材が接触すれば、第2の遊技媒体が変位するので詰まりが解消する。操作部材とプッシャーテーブルとは駆動源が共通するので、操作部材を動作させるための新たな駆動源を設けることなく第2の遊技媒体の詰まりを防止できる。従って、簡易な構成で第2の遊技媒体の詰まりを監視することなく詰まりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一形態に係るゲーム機のゲームフィールドの上面図。
【図2】落下部の正面図。
【図3】ゲームフィールドの断面図。
【図4】操作部材の移動の様子を説明する図。
【図5】操作部材の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の一形態に係るゲーム機のゲームフィールドの上面図を示す。ゲーム機1は、所定の経済的価値の消費と引き換えに、その消費に応じてゲームのプレイを許可する商用のゲーム機として構成されている。ゲーム機1は、メダルが載置される領域としてのゲームフィールド2と、ゲームフィールド2にメダルを投入する投入装置3とを備えている。ゲームフィールド2には、テーブル11と、テーブル11に対し上方かつプレイヤ側からみて後方に設けられ、前後方向に往復運動するプッシャーテーブル12と、が設けられている。テーブル11及びプッシャーテーブル12のそれぞれのメダル載置面によりゲームフィールド2が構成される。
【0017】
投入装置3により投入されたメダルはプッシャーテーブル12上に載置され、プッシャーテーブル12から落下したメダルがテーブル11上に載置される。各テーブル11、12上には、図示しない第1の遊技媒体としてのメダルの群が載置されている。プッシャーテーブル12の往復運動により、プッシャーテーブル12の後方の壁13にプッシャーテーブル12上のメダルの群が押し出され、テーブル11にメダルが落下し、プッシャーテーブル12の前方の側面12aによりテーブル11上のメダルの群が押し出され、テーブル11前方の落下部14にメダルが落下する。テーブル11には、メダルの群の上に第2の遊技媒体としてのボールBが供給される。ボールBはメダルの群とともにプッシャーテーブル12により押し出され、メダルの群と同様に落下部14に落下する。ボールBが落下部14に落下すると、所定のゲーム処理が実行される。
【0018】
ゲーム機1には、プッシャーテーブル12を往復運動させるテーブル駆動機構としての駆動機構4が設けられている。駆動機構4には、駆動源4aと、連結部材4bとが設けられている。駆動源4aの動力は、連結部材4b(図3参照)を介してプッシャーテーブル12を往復運動させる。駆動機構4には、各種の周知技術を利用してよい。ゲーム機1には、制御装置10が設けられている。制御装置10は、駆動源4aの駆動を制御する。投入装置3は、プレイヤのメダル投入操作に基づいて、プッシャーテーブル12上にメダルを投入する。投入装置3は、プッシャーテーブル12へのメダルの投入角度をプレイヤの操作により変更可能に構成されている。
【0019】
図2は、落下部14の正面図を示す。落下部14にメダルが落下すると、落下部14の下方に設けられたメダル貯留部15に貯留される。また、落下部14の下部には、落下したボールBを図示しないボール貯留部に案内する案内部材としてのレール16が設けられている。レール16は、ボールBを下方から支持する棒状の部材で、テーブル11の前面11aに隣接して設けられている。ボールBは、レール16とテーブル11の前面11aとの間で支持される。レール16は傾斜して設けられているので、落下したボールBはレール16上を転動して傾斜方向に案内される。
【0020】
図3は、ゲームフィールド2の断面図である。レール16に隣接して操作部材17が設けられている。操作部材17は、樹脂で形成された板状の部材である。図4は、操作部材17の移動の様子を説明する図である。操作部材17は、レール16に下方から支持されるボールBと接触して、ボールBをレール16から脱落しない範囲で変位させる操作位置P1と、レール16上に下方から支持されるボールBとは接触しない後退位置P2との間を移動可能に設けられている。図3において、操作位置P1にある操作部材17及びボールBを破線で示している。操作部材17が操作位置P1に位置したときに、ボールBの位置は操作部材17と接触していないボールBの位置に比べて変位する。操作部材17は、ボールBの下部、つまりボールBの中心から下側の面と接触するように配置されている。操作部材17は、レール16に沿って設けられている。
【0021】
操作部材17の両端には、ボールBの大きさに応じて切欠き17aが設けられている。図5に操作部材17の上面図を示す。切欠き17aは、操作部材17のボールBとの接触面に対し三角形状に凹んだ形状に形成される。切欠き17aが設けられることにより、ボールBの変位が、切欠き17aが設けられていない位置でのボールBの変位に比べて少なくなる。従って、レール16の両端部、特に下流側端部に切欠き17aを設けることでレール16との連結部分でのボールBの移動が滑らかになる。切欠き17aの大きさを調節することで、ボールBの変位を調整できる。また、切欠き17aは、複数のボールBがレール16上に並んで停止している場合、例えばレール16よりも下流の経路に設けられたボールBの停止位置にてボールBが停止しているときに複数のボールBが落下した場合等に、その並んだ間隔に応じて設けられるようにしてもよい。
【0022】
操作部材17は、プッシャーテーブル12を往復運動させる駆動機構4の駆動源4aから動力を伝達して駆動される。操作部材17には、駆動機構4の駆動源4aから動力を伝達する連動機構としてのシャフト4cが接続されている。これにより、操作部材17は、プッシャーテーブル12と同期して操作位置P1と後退位置P2との間で往復運動する。プッシャーテーブル12と接続される連結部材4bと、操作部材17と接続されるシャフト4cとが一体として設けられ、操作部材17が駆動機構4により駆動されていてもよい。これにより、プッシャーテーブル12及び操作部材17は、同じタイミングかつ同じ方向に駆動される。
【0023】
操作部材17の作用を説明する。ボールBがテーブル11から落下すると、ゲームフィールド2の外に出る。ボールBは、案内部材としてのレール16に沿って案内される。レール16は、ボールBのみを保持し、メダルはさらに落下して下方のメダル貯留部15に貯留される。レール16に下方から支持されるボールBは、操作部材17と接触を繰り返しながらレール16に沿ってレール16の傾斜方向に案内される。レール16上でボールBが詰まっていないときでも操作部材17はボールBと接触を繰り返すが、ボールBがレール16から脱落しない範囲で操作部材17を接触させることで通常の案内にも支障がない。一方、案内部材としてのレール16の汚れ等の原因によりレール16上でボールBの移動が停止した場合、操作部材17が接触してボールBを変位させる。これにより、停止していたボールBが再び移動する。プッシャーテーブル12が駆動されている間は、操作部材17も連動して駆動される。従って、ボールBの詰まりを監視する必要なく、ボールBの詰まりを防止できる。操作部材17を動作させるための新たな駆動源4aを設けることなく、既存のプッシャーテーブル12を駆動する駆動源4aを利用できるので省コストを実現できる。
【0024】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、操作部材17が板状の部材で切欠き17aが設けられているとして説明したが、これに限られない。操作部材17の形状は適宜変更してよい。例えば、操作部材17に切欠き17aを設けなくてもよい。また、詰まりやすい箇所があれば操作部材17に凸部を設けるようにしてもよい。板状の形状の他、棒状、球状等適宜の形状にしてもよい。操作部材17がボールBと接触することで、ボールBが変位してボールBの詰まりを解消できるので、詰まりやすい箇所にだけ操作部材17を設けるようにしてもよい。また、本形態においては切欠き17aはレール16の両端部に設けられているが、操作部材17の接触面の全領域に設けるようにしてもよい。
【0025】
駆動源4aは、プッシャーテーブル12及び操作部材17を同じ方向に同じタイミングで駆動させるとして説明したが、これに限られない。連結部材4b及びシャフト4cの構造をカムやリンク機構等を利用して適宜変更することにより駆動させる方向やタイミングを変更してもよい。これにより、目的に合った駆動が可能となる。また、本発明は、案内部材により案内される物体として、ボールBに限られない。案内部材が案内する対象として、例えば、円盤状や、楕円状、楕円体上、円柱状の物体を適用してよい。また、案内部材としてのレール16も、棒状の部材に限られない。例えば、底面が存在するレールであってもよい。案内部材上を案内される物体に対して接触位置と後退位置との間で往復運動するように操作部材17を動かすことで、案内部材により案内される物体を案内部材から脱落しない範囲で変位させればよい。
【符号の説明】
【0026】
1 ゲーム機
2 ゲームフィールド
4 駆動機構(テーブル駆動機構)
4a 駆動源
4b 連結部材
4c シャフト(連動機構)
11 テーブル
12 プッシャーテーブル
16 レール(案内部材)
17 操作部材
B ボール(第2の遊技媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の遊技媒体としてのメダルと、当該メダルとは異なる第2の遊技媒体とが載置されるゲームフィールドと、
前記ゲームフィールドを構成し、前記ゲームフィールド内で移動可能に設けられたプッシャーテーブルと、
駆動源の動力により前記プッシャーテーブルを前記ゲームフィールド内で往復運動させるテーブル駆動機構と、
前記ゲームフィールド外で前記第2の遊技媒体を案内する案内部材と、
前記案内部材上に位置する前記第2の遊技媒体と接触して、該第2の遊技媒体を前記案内部材から脱落しない範囲で変位させる操作位置と、前記案内部材上の前記第2の遊技媒体とは接触しない後退位置との間を移動可能に設けられた操作部材と、
前記テーブル駆動機構の前記駆動源の動力を前記操作部材に伝達して該操作部材を前記操作位置と前記後退位置との間で移動させる連動機構と、
を備えたゲーム機。
【請求項2】
前記操作部材は、前記案内部材に沿って設けられている請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記ゲームフィールドには、前記プッシャーテーブルの往復運動に応じて第1及び第2の遊技媒体を載置する面積が可変するテーブルが設けられ、
前記案内部材は、前記テーブルの側面に沿って配置されるように設けられ、
前記操作部材は、前記案内部材に隣接して配置されるにように設けられている、請求項1又は2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記案内部材は、第2の遊技媒体を一方向から支持するとともに前記テーブルの側面との間で第2の遊技媒体を支持して案内する請求項3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記操作部材には、切欠きが設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記操作部材は、前記第2の遊技媒体の下部と接触するように配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記テーブル駆動機構は、前記操作部材と前記プッシャーテーブルとを同じタイミングで駆動させる請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項8】
前記第2の遊技媒体がボールである請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−66513(P2013−66513A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205194(P2011−205194)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)