説明

ゲーム用携帯通信機器及び対戦用ゲーム機

【課題】様々な利便性と多様なゲーム態様を実現することにより、楽しさの幅を広げ、一層の興趣向上を図ることのできるゲーム用携帯通信機器及び対戦用ゲーム機を提供すること。
【解決手段】対戦用ゲーム機Sは、対戦ゲームを実行する対戦ゲーム実行手段12dと、勝敗判定手段12aとを有し、カートリッジ22は、カード通信部26と、ゲーム機通信部28と、表示部42と、モード設定部30とを有する。カード通信部26は、遊技カード24との間で情報通信を行う機能を有し、ゲーム機通信部28は、対戦用ゲーム機Sとの間で情報通信を行う機能を有し、表示部42は、ゲーム情報Gを表示する機能を有し、モード設定部30は、対戦ゲームに対戦者として参加する対戦者モード、応援者として参加する応援者モードのいずれかのモードを選択的に設定し、応援者モードに設定した場合にゲーム機応援モード又は対戦者応援モードのいずれかのモードを選択的に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム用携帯通信機器及び対戦用ゲーム機に係り、特にゲーム機側と対戦者側とで勝敗を決する対戦ゲームであって、しかも応援者が参加可能な対戦ゲームを実現する対戦用ゲーム機、及びその対戦用ゲーム機と情報通信可能に構成されたゲーム用携帯通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アーケードゲーム機等のゲーム機器において、ゲーム機器側と対戦者との間又は複数の対戦者同士の間で勝敗を決する対戦ゲームの提供が行われている。例えば、特許文献1においては、2人のプレイヤー(対戦者)による対戦ゲームを提供するビデオゲーム装置に関する発明が提案されている。
【0003】
また、このような対戦ゲームを提供する対戦用ゲーム機において、対戦者が1名の場合には、その対戦者とゲーム機器側とが対戦する対戦ゲームを提供することも従来より行われている。この場合において、対戦者と対戦するゲーム機器側とは、実質的にはゲーム機器側が備えるコンピュータである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−328411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のものは、実際に対戦ゲームにおいて対戦するプレイヤー(対戦者)は概念されているものの、対戦自体は行わないがゲームに応援者として参加するサポーター(応援者)は概念されていない。対戦ゲームに対戦者として参加するプレイヤーとは別に、対戦は行わないがゲームに参加するサポーターが応援者として加われば、ゲームの白熱度合いも増大するし、参加人数も大幅に増加させることが可能となり、興趣が大きく増大する。
【0006】
また、ゲームの対戦結果に応じて対戦者や応援者にポイント等の利益(加算)や不利益(減算)の付与/非付与が行われれば、対戦ゲームを一層面白みあるものにすることができ、対戦ゲームへの参加願望を増大させることができる。対戦ゲームへの参加履歴等を参加者(対戦者や応援者)ごとに管理することができれば、対戦ゲームの参加者は自身の対戦成績等を把握することができ、ゲームに対する習熟度の把握や弱点の克服に寄与する。
【0007】
対戦用ゲーム機でゲームに参加する場合だけでなく、それらのポイントや対戦成績等をいつでもどこでも手元で確認できれば、便利でありかつ楽しさも倍増する。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、様々な利便性と多様なゲーム態様を実現することにより、楽しさの幅を広げ、一層の興趣向上を図ることのできるゲーム用携帯通信機器及び対戦用ゲーム機を提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としてのゲーム用携帯通信機器は、対戦用ゲーム機と情報通信可能に構成されたゲーム用携帯通信機器であって、対戦用ゲーム機は、対戦用ゲーム機側と対戦者側とが対戦することによる対戦ゲームを実行する対戦ゲーム実行手段と、対戦ゲーム実行手段により実行された対戦ゲームの結果、対戦用ゲーム機又は対戦者のいずれが対戦ゲームの勝者であるかを判定する勝敗判定手段と、を有し、ゲーム用携帯通信機器は、第1情報通信部と、第2情報通信部と、表示部と、モード設定部と、を有し、第1情報通信部は、対戦ゲームに関するゲーム情報を記録したゲーム用記録媒体との間でゲーム情報に関する情報通信を行う機能を有し、第2情報通信部は、対戦用ゲーム機との間でゲーム情報に関する情報通信を行う機能を有し、表示部は、ゲーム用記録媒体から取得したゲーム情報を表示する機能を有し、モード設定部は、対戦ゲームに対戦者として参加することにより対戦ゲームの結果に応じてゲーム機と対戦者ポイント情報の通信を実行する対戦者モード、又は対戦ゲームに応援者として参加することにより対戦ゲームの結果に応じてゲーム機と応援者ポイント情報の通信を実行する応援者モードのいずれかのモードを選択的に設定する参加モード選択機能、及び、応援者モードに設定した場合にゲーム機側を応援するゲーム機応援モード又は対戦者側を応援する対戦者応援モードのいずれかのモードを選択的に設定する応援モード選択機能を有する。
【0010】
ゲーム用携帯通信機器は、ゲーム情報を記録したゲーム用記録媒体との間でゲーム情報に関する情報通信を行うことができるので、表示部にゲーム用記録媒体から取得したゲーム情報を表示させることができる。したがって、対戦用ゲーム機に拠らずに、対戦者(すなわち、ゲーム用記録媒体及びゲーム用携帯通信機器の保持者)は、ゲーム情報の確認をいつでもどこでも行うことができる。
【0011】
ゲーム用携帯通信機器は、対戦用ゲーム機との間でそのゲーム情報に関する情報通信を行うことができるので、対戦用ゲーム機を用いて対戦ゲームを行う際に、ゲーム情報を対戦用ゲーム機側へと送信することができる。また、対戦用ゲーム機側で対戦ゲームの結果に応じて更新されたゲーム情報を、対戦用ゲーム機側から受信することもできる。そして、その受信したゲーム情報をゲーム用記録媒体に記録することもできる。
【0012】
モード設定部が参加モード選択機能を有しているので、対戦者モードか応援者モードかに設定することが可能である。ここで対戦者モードとは、対戦ゲームに対戦者として参加する場合に設定するモードである。この対戦者モードに設定すると、対戦用ゲーム機とゲーム用携帯通信機器との間で対戦ゲームの結果に応じて対戦者ポイント情報の通信が実行される。一方、応援者モードとは、対戦ゲームに応援者として参加する場合に設定するモードである。この応援者モードに設定すると、対戦用ゲーム機とゲーム用携帯通信機器との間で対戦ゲームの結果に応じて応援者ポイント情報の通信が実行される。
【0013】
対戦者は、ゲーム機器を対戦相手として、実際にゲームに関する操作を行ってゲーム進行を推進する。応援者は、実質的にはゲーム進行に関する操作を殆ど行わず、ゲームを推進しない。対戦者を応援するかゲーム機を応援するかの設定情報の入力を行うだけである。したがって、対戦者ポイント情報と応援者ポイント情報では、一般的に応援者ポイント情報の方がポイントが低く設定される。もちろん両者が同一のポイントであっても問題はない。
【0014】
更に、モード設定部が応援モード選択機能を有しているので、ゲーム機側を応援するのか対戦者側を応援するのかを選択することができる。応援者は、対戦者とゲーム機のいずれか勝者となるかを予想して、その予想に基づき応援対象を設定することができる。そして、その勝者予想が的中した場合に利益の付与がされ、予想が外れた場合に不利益の付与がされれば、応援によるゲーム参加にも緊張感が生まれ、一層興趣が増大する。
【0015】
ゲーム情報が、対戦結果に応じて前記対戦用ゲーム機と前記ゲーム用携帯通信機器との間で通信される前記対戦者ポイント情報、前記応援者ポイント情報及び前記対戦者の前記対戦用ゲーム機に対する対戦成績情報を含んでもよい。また、モード設定部が、対戦者応援モードに設定した場合にいずれの対戦者を応援するかを選択的に設定する応援対戦者選択機能を更に有してもよい。
【0016】
なお、ゲーム情報対戦者ポイント情報及び応援者ポイント情報を有しているので、対戦ゲームの勝敗に応じて、対戦者や応援者の獲得ポイント数が減算されたり加算されたりする。例えば、対戦者が勝者となった場合には、対戦者と対戦者を応援した応援者とにポイントが付与され、ゲーム機を応援した応援者からポイントが減算されてもよい。
【0017】
また、モード設定部が応援対戦者選択機能を有しているので、ゲーム機と対戦する対戦者が複数の場合に、いずれの対戦者がゲーム機に勝利し、いずれの対戦者がゲーム機に敗北するかを予想して、勝利すると予想した対戦者を応援すべく対戦ゲームに参加することができる。
【0018】
ここで、ゲーム用携帯通信機器には、様々な付加機能を付与することが考えられる。例えば、ゲーム用携帯通信機器は第1情報通信部によりゲーム用記録媒体との情報通信が可能であるので、ゲーム用携帯通信機器にゲーム用記録媒体を挿入する挿入部が形成されていれば、その挿入部にゲーム用記録媒体をセットすることにより通信機能と情報記録機能とを有するメモリユニットとなる。したがって、ゲーム用携帯通信機器が、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースを有していれば、このメモリユニットがUSBメモリとしての機能を実現することができ、パーソナルコンピュータに接続して使用することができる。
【0019】
また、ゲーム用記録媒体内部にアプリケーションソフト用のアプリ格納領域が確保され、そのアプリ格納領域内に種々のミニゲームソフトが格納されていれば、このメモリユニットをミニゲーム機として利用することもできる。メモリユニットをミニゲーム機として利用する際には、表示部にゲームの進行状況表示がされてもよい。また、このメモリユニットをミニゲームとして使用する場合には、ミニゲーム用のボタンやスイッチがゲーム用携帯通信機器に備えられていればよい。なお、ミニゲームとしては、ペット育成ゲーム、レーシングゲーム、スロットマシンゲーム、占いゲーム等、公知の種々のゲームを想定することができる。
【0020】
更に、アプリ格納領域内に音楽再生ソフトやビデオ再生ソフトが格納され、ゲーム用携帯通信機器にイヤホンジャックが設けられていれば、このメモリユニットを携帯音楽プレーヤーや携帯ビデオプレーヤーとして利用することも可能である。音楽ソフトやビデオソフトは、このメモリユニットをUSBメモリとしてパーソナルコンピュータに接続し、パーソナルコンピュータからダウンロードしてゲーム用記録媒体内に格納してもよい。
【0021】
もちろん、ゲーム用携帯通信機器が内部に記録領域を有しており、その記録領域内にアプリ格納領域が確保されている場合には、ミニゲーム用のソフト、音楽再生ソフト、ビデオ再生ソフト等がゲーム用記録媒体内部でなくゲーム用携帯情報機器内部に格納されていてもよい。
【0022】
本発明の他の例示的側面としての対戦用ゲーム機は、ゲーム用携帯通信機器と情報通信可能に構成された対戦用ゲーム機であって、ゲーム用携帯通信機器は、第1情報通信部と、第2情報通信部と、表示部と、モード設定部と、を有し、第1情報通信部は、対戦ゲームに関するゲーム情報を記録したゲーム用記録媒体との間でゲーム情報に関する情報通信を行う機能を有し、第2情報通信部は、対戦用ゲーム機との間でゲーム情報に関する情報通信を行う機能を有し、表示部は、ゲーム用記録媒体から取得したゲーム情報を表示する機能を有し、モード設定部は、対戦ゲームに対戦者として参加することにより対戦ゲームの結果に応じてゲーム機と対戦者ポイント情報の通信を実行する対戦者モード、又は対戦ゲームに応援者として参加することにより対戦ゲームの結果に応じてゲーム機と応援者ポイント情報の通信を実行する応援者モードのいずれかのモードを選択的に設定する参加モード選択機能、及び、応援者モードに設定した場合にゲーム機側を応援するゲーム機応援モード又は対戦者側を応援する対戦者応援モードのいずれかのモードを選択的に設定する応援モード選択機能を有し、対戦用ゲーム機は、対戦用ゲーム機側と対戦者側とが対戦することによる対戦ゲームを実行する対戦ゲーム実行手段と、対戦ゲーム実行手段により実行された対戦ゲームの結果、対戦用ゲーム機又は対戦者のいずれが対戦ゲームの勝者であるかを判定する勝敗判定手段と、対戦ゲームの対戦結果に応じてゲーム用携帯通信機器に向けてゲーム情報を送信するゲーム情報通信手段と、を有する。
【0023】
このゲーム機によれば、対戦ゲームに対戦者として参加したり、応援者として参加したりすることができるので、対戦ゲームの楽しさが広がり、興趣が増大する。
【0024】
勝敗判定手段が対戦用ゲーム機を勝者と判定した場合に、ゲーム情報通信手段が、対戦者モードに設定されたゲーム用携帯通信機器に向けて不利益となるゲーム情報の送信又は利益となるゲーム情報の不送信を実行し、勝敗判定手段が対戦者を勝者と判定した場合に、ゲーム情報通信手段が、対戦者モードに設定されたゲーム用携帯通信機器に向けて利益となるゲーム情報の送信又は不利益となるゲーム情報の不送信を実行してもよい。
【0025】
利益となるゲーム情報の送信とは、例えば、対戦者ポイントの加算であり、不利益となるゲーム情報の送信とは、例えば、対戦者ポイントの減算である。また、利益となるゲーム情報の不送信及び不利益となるゲーム情報の不送信は、例えば、対戦者ポイントの維持(加減算を行わないこと)である。
【0026】
対戦者が勝者となった場合に不利益となるゲーム情報の不送信を実行する場合には、対戦者が敗者となった場合には不利益となるゲーム情報の送信を実行すればよい。また、対戦者が敗者となった場合に利益となるゲーム情報の不送信を実行する場合には、対戦者が勝者となった場合には利益となるゲーム情報の送信を実行すればよい。
【0027】
勝敗判定手段が対戦用ゲーム機を勝者と判定した場合に、ゲーム情報通信手段が、ゲーム機応援モードに設定されたゲーム用携帯通信機器に向けて利益となるゲーム情報の送信又は不利益となるゲーム情報の不送信を実行し、勝敗判定手段が対戦者を勝者と判定した場合に、ゲーム情報通信手段が、対戦者応援モードに設定されたゲーム用携帯通信機器に向けて利益となるゲーム情報の送信又は不利益となるゲーム情報の不送信を実行してもよい。
【0028】
利益となるゲーム情報の送信とは、例えば、応援者ポイントの加算であり、不利益となるゲーム情報の送信とは、例えば、応援者ポイントの減算である。また、利益となるゲーム情報の不送信及び不利益となるゲーム情報の不送信は、例えば、応援者ポイントの維持(加減算を行わないこと)である。
【0029】
対戦者が勝者となった場合に対戦者を応援する応援者に不利益となるゲーム情報の不送信を実行する場合には、対戦者が敗者となった場合にはその応援者に不利益となるゲーム情報の送信を実行すればよい。また、対戦者が敗者となった場合に対戦者を応援する応援者に利益となるゲーム情報の不送信を実行する場合には、対戦者が勝者となった場合にはその応援者に利益となるゲーム情報の送信を実行すればよい。
【0030】
なお、対戦者ポイント及び応援者ポイントは、各々対戦者ポイント情報及び応援者ポイント情報に基づくポイント(点数)である。また、これらを総称して獲得ポイント(獲得ポイント情報)、又は単にポイント(ポイント情報)と言うこともある。対戦者ポイントと応援者ポイントとは、異なるポイントであってもよいし同一のポイントであってもよい。
【0031】
本発明の更なる課題又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、対戦ゲームにおいて、対戦者としての参加や応援者としての参加が可能となり、様々な利便性と多様なゲーム態様を実現することができる。また、対戦ゲームに関するゲーム情報をいつでもどこでも把握することができるので、対戦ゲームの楽しさの幅を広げ、一層の興趣向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態1に係るゲーム機の全体構成の概略を示す外観図である。
【図2】図1に示すゲーム機の内部構成の概略及びゲーム機とカートリッジとの情報通信の流れを示すブロック図である。
【図3】図1に示すゲーム機に用いられるカートリッジの全体構成の概略を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1に係るゲーム機(対戦用ゲーム機)、そのゲーム機に使用されるカートリッジ(ゲーム用携帯通信機器)及びそれらを用いた対戦ゲームの遊技プロセスについて、図面を用いて説明する。
【0035】
<ゲーム機の説明>
図1は、本発明の実施の形態1に係るゲーム機Sの全体構成の概略を示す外観図である。ゲーム機Sは、表示部6、操作ボタン8、挿入口10を有している。また、ゲーム機S本体内部に、CPUを主要部とするコンピュータ(制御手段)12とメモリ14とを有している。図2は、このゲーム機Sの内部構成の概略及びゲーム機Sと後述するカートリッジ(ゲーム用携帯通信機器)22との情報通信の流れを示すブロック図である。
【0036】
このゲーム機Sは、ゲーム機S(実質的には、その内部に備えられるコンピュータ12)と対戦者とで勝敗を決する対戦ゲームを実現する。例えば、本実施の形態1においては、表示部6の一部であるゲーム表示部6aにいわゆるビデオゲーム又はテレビゲームと呼ばれる対戦ゲームが実現される。ゲーム表示部6aは液晶ディスプレイ、CRT、プラズマディスプレイ、LEDアレイ、有機ELディスプレイ等の種々の表示装置によって構成することができる。
【0037】
この対戦ゲームにおいては、ゲーム表示部6a上に仮想的に映像表示された2対の動物が、一方が他方を倒すまで互いに戦う。例えば、ゲーム機S側がライオン画像Lであり、対戦者側がトラ画像Tである。そして、対戦者による操作ボタン8の操作によってトラ画像Tが様々に動き、またゲーム機S側のコンピュータ12の指令に基づきライオン画像Lが様々に動き、両者が仮想的に画面上で格闘を繰り広げる。
【0038】
画面上の動物は各々対戦前にライフポイントと呼ばれる持ち点を持っている。そして両者の対戦態様に応じて、双方のライフポイントが減少する。例えば、ライオン画像Lがトラ画像Tを攻撃すると、その攻撃動作によってライオン画像Lのライフポイントが減少する。そして、ライオン画像Lの攻撃がトラ画像Tに大きなダメージを与えた場合は、トラ画像Tのライフポイントがライオン画像Lのライフポイントの減少量よりも大きく減少する。しかしながら、ライオン画像Lの攻撃があまり大きなダメージをトラ画像Tに与えなかった場合(例えば、トラ画像Tが防御動作を行った場合。)は、トラ画像Tのライフポイントの減少量は少ない。
【0039】
このように、画面上の動物は互いに攻撃し合いながら双方のライフポイントを減少させて行き、一方のライフポイントが0になると、その動物側の敗北となり勝敗が決する。例えば、ライオン画像Lのライフポイントがトラ画像Tより先に0になれば、対戦者側の勝利となり、トラ画像Tのライフポイントがライオン画像Lより先に0になれば、ゲーム機S側の勝利となる。
【0040】
なお、このような、対戦用ゲーム機Sにより実現される対戦ゲームは様々なバリエーションが公知であるので、その詳細な説明を省略する。また、本実施の形態1においては、ゲーム表示部6a上で仮想的に動物画像による対戦ゲームが展開されるテレビゲームについて説明するが、対戦ゲームはそれに限定されない。画面上での仮想的な格闘対象は、動物でなく人間であってもロボットであってもよい。また、例えば、ゲーム機S側のロボット玩具と対戦者が持参したロボット玩具とが互いに衝突することにより、実体を伴う対戦ゲームがゲーム機Sによって実現されても構わない。
【0041】
表示部6の一部としての情報表示部6bは、例えば液晶表示装置や7セグメントLEDにより構成され、ゲームに関する様々な情報を表示することができるようになっている。例えば、対戦者や応援者が有する獲得ポイントを表示したり、対戦者や応援者の過去の対戦成績(履歴情報)を表示することができる。
【0042】
操作ボタン8は、対戦ゲームに関する種々の操作を行うためのボタンである。例えば、操作ボタン8は、対戦ゲームをスタートするスタートボタン、ゲーム表示部6a上での動物(トラ画像T)の攻撃や防御動作を指示する操作レバーを有している。
【0043】
挿入口10は、対戦者や応援者が有するカートリッジ(ゲーム用携帯通信機器)22を挿入するためのものであり、例えば、本実施の形態1に係るゲーム機Sには6つの挿入口10が設けられている。挿入口10は、例えばUSBインターフェースを有して構成されており、同様にUSBインターフェースを有する対戦者又は応援者のカートリッジ(ゲーム用携帯通信機器)が挿入可能となっている。
【0044】
遊技カード(ゲーム用記録媒体)24が挿入されたカートリッジ22が挿入口10に挿入されると、ゲーム機Sとカートリッジ22とが情報通信可能となる。そして、遊技カード24内に格納されたゲーム情報G(獲得ポイントや対戦成績等の情報)がカートリッジ22を介してゲーム機Sへと送信されるようになっている。更に、カートリッジ22側で設定された各モード(対戦者モード、対戦者応援モード、ゲーム機応援モード)の情報もゲーム機Sへと送信可能となっている。また、対戦ゲームの結果に応じてゲーム機S側で更新されたゲーム情報G(獲得ポイントや対戦成績等の情報)が、カートリッジ22に向けて送信され、遊技カード24内に格納されるようになっている。
【0045】
なお、遊技カード24とカートリッジ22との情報通信は、カートリッジ22が有するカード通信部(第1情報通信部)26によって実現される。そして、カートリッジ22とゲーム機Sとの情報通信は、カートリッジ22が有するゲーム機通信部(第2情報通信部)28とゲーム機Sが有するゲーム情報通信手段12bとの協働により実現される。
【0046】
カード通信部26及びゲーム機通信部28は、カートリッジ22が備えるコンピュータ(CPUを主要部とする)が、制御部32として機能することにより実現される。また、遊技カード24とカートリッジ22との情報通信のインターフェースは、磁気記録、書換え可能なバーコード、接触式のICチップ、非接触式のICチップ(RFID)等の種々の方式が適用できる。もちろん、カートリッジ22とゲーム機Sとの情報通信も、これらの種々のインターフェース方式を適用することができるが、本実施の形態1においては、USBインターフェースを例として説明する。
【0047】
ゲーム機S内部に設けられたコンピュータ12は、このゲーム機S全体の動作制御及びカートリッジ22との情報通信制御を実現する機能を有している。より具体的には、コンピュータ12は、表示部6(ゲーム表示部6a、情報表示部6b)、操作ボタン8、挿入口10、タイマー(計時手段)21と接続されている。コンピュータ12は、対戦ゲーム実行手段12d、勝敗判定手段12a、ゲーム情報通信手段12b、ライフポイント演算手段12cとして機能する。
【0048】
対戦ゲーム実行手段12dは、ゲーム機Sのゲーム表示部6a上で、ゲーム機S側と対戦者として参加する遊技者とが対戦する対戦ゲームを実現する機能を有する。この対戦ゲーム実行手段12dは、例えば、ゲーム機S側の仮想的な格闘動物としてライオン画像L、対戦者側の仮想的な格闘動物としてトラ画像Tを表示させ、両者をゲーム表示部6a上で格闘させることにより勝敗を決する対戦ゲームを提供する。
【0049】
ゲーム機S側のライオン画像Lは、コンピュータ12の演算処理に基づいて動作し、対戦者側のトラ画像Tは、対戦者による操作部ボタン8の操作に応じて動作するようになっており、双方がゲーム表示部6a上で互いに攻撃しあうことにより仮想的な格闘が繰り広げられるようになっている。また、所定の条件に基づき一方が勝者となった場合は、その勝者の側に対して対戦ポイントの加算等の利益の付与が行われたり、敗者となった場合は、その敗者に対して対戦ポイントの減算等の不利益の付与が行われたりするように構成されている。
【0050】
この対戦ゲーム実行手段12dによりゲーム機S上で実現されるゲームの内容及びプロセスについては、公知のものが適用可能であるので、その詳細な説明を省略する。ただし、本発明に関連が深い部分については後述する。
【0051】
勝敗判定手段12aは、対戦ゲームの結果に基づいて、ゲーム機S側(ライオン画像L)と対戦者側(トラ画像T)のいずれが勝者であるかを判定するものである。例えば、予め設定された対戦時間(例えば、60秒)内に、対戦者側(トラ画像T)のライフポイントが0になった場合には、ゲーム機S側を勝者と判定する。また、対戦時間内に、ゲーム機S側(ライオン画像L)のライフポイントが0にならなかった場合にも、ゲーム機S側を勝者と判定する。もちろん、勝敗判定手段12aが、対戦時間終了時点でライフポイントが多く残存している方を勝者と判定するようになっていてもよい。
【0052】
ゲーム情報通信手段12bは、カートリッジ22からのゲーム情報Gを受信したり、カートリッジ22に向けてゲーム情報Gを送信したりするものである。例えば、対戦ゲーム開始時に、対戦者のもの、応援者のものを含む複数のカートリッジ22から各獲得ポイント(対戦者ポイント、応援者ポイント)及び対戦成績の情報を受信し、情報表示部6bにそれらの情報を表示させる。また、各カートリッジ22の設定モード(対戦者モード、対戦者応援モード、ゲーム機応援モード)の情報も受信し、いずれの挿入口10に挿入されたカートリッジ22がいずれの設定モードとなっているかを情報表示部6bに表示させる。
【0053】
また、対戦ゲームの対戦結果に応じて更新されたゲーム情報Gをカートリッジ22に向けて送信する。例えば、ゲーム機Sと対戦者との対戦ゲームにおいて、勝敗判定手段12aがゲーム機Sを勝者と判定した場合、ゲーム情報通信手段12bは、対戦者のカートリッジ22に向けて対戦ポイントを加減算しないまま対戦者ポイント情報を送信する。そして、勝敗判定手段12aが対戦者を勝者と判定した場合は、ゲーム情報通信手段12bは、対戦者のカートリッジ22に向けて対戦ポイントを加算した上で対戦者ポイント情報を送信する。
【0054】
または、ゲーム機Sと対戦者との対戦ゲームにおいて、勝敗判定手段12aがゲーム機Sを勝者と判定した場合、ゲーム情報通信手段12bは、対戦者のカートリッジ22に向けて所定の対戦ポイントを減算した上で対戦者ポイント情報を送信してもよい。そして、勝敗判定手段12aが対戦者を勝者と判定した場合は、ゲーム情報通信手段12bは、対戦者のカートリッジ22に向けて対戦ポイントを加減算しないまま対戦者ポイント情報を送信してもよい。
【0055】
ここで、対戦ゲームにおいて応援者(ゲーム機応援モード又は対戦者応援モードに設定されたカートリッジ22)がいる場合において、勝敗判定手段12aがゲーム機Sを勝者と判定した場合には、ゲーム情報通信手段12bは、ゲーム機応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて応援ポイントを加算した上で応援者ポイント情報を送信する。そして、対戦者応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて応援ポイントを加減算しないまま応援者ポイント情報を送信する。一方、勝敗判定手段12aが対戦者を勝者と判定した場合には、ゲーム情報通信手段12bは、ゲーム機応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて応援ポイントを加減算しないまま応援者ポイント情報を送信する。そして、対戦者応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて応援ポイントを加算した上で応援者ポイント情報を送信する。
【0056】
または、勝敗判定手段12aがゲーム機Sを勝者と判定した場合には、ゲーム情報通信手段12bは、ゲーム機応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて応援ポイントを加減算しないまま応援者ポイント情報を送信してもよい。そして、対戦者応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて応援ポイントを減算した上で応援者ポイント情報を送信してもよい。一方、勝敗判定手段12aが対戦者を勝者と判定した場合には、ゲーム情報通信手段12bは、ゲーム機応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて応援ポイントを減算した上で応援者ポイント情報を送信してもよい。そして、対戦者応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて応援ポイントを加減算しないまま応援者ポイント情報を送信してもよい。
【0057】
ここで、対戦ポイントとは、対戦ゲームごとに予め定められたポイントであり、例えば1000ポイントである。対戦者の対戦前の対戦者ポイントが10000ポイントである場合に、対戦者が勝者となれば、1000ポイントが加算(利益となるゲーム情報の送信)されて対戦者ポイントが11000ポイントとなってもよい。また、対戦者が対戦者ポイント10000ポイントを保有している場合に、ゲーム機Sが勝者となれば、対戦ポイントの1000ポイントが減算(不利益となるゲーム情報の送信)されて対戦者ポイントが9000ポイントとなってもよい。
【0058】
応援ポイントも対戦ポイントと同様に、対戦ゲームごとに予め定められたポイントであるが、例えば対戦ポイントよりも低い500ポイントである。応援者が応援した側が勝利すれば、応援者ポイントに応援ポイントの500ポイントが加算され、応援者が応援した側が敗北した場合には、応援者ポイントに応援ポイントの500が減算されてもよい。
【0059】
なお、対戦者ポイント及び応援者ポイントは、いずれも遊技カード24内に保持されている遊技者ごとの保持ポイント情報である。遊技者が対戦者として対戦ゲームに参加する場合には対戦者ポイントとされ、遊技者が応援者として対戦ゲームに参加する場合には応援者ポイントとされる。したがって、対戦者として参加する場合と応援者として参加する場合とでゲーム機S側では明確に区別され、各々通信されるポイント数も異なる。
【0060】
ライフポイント演算手段12cは、ゲーム機S側の動物(ライオン画像L)と対戦者側の動物(トラ画像T)のライフポイントを演算するためのものである。対戦者が操作ボタン8を操作することによって対戦ゲームが開始し、対戦ゲーム開始と共に、対戦者の動物(トラ画像T)とゲーム機S側の動物(ライオン画像L)とがゲーム表示部6a内で仮想的に格闘する。と同時に、タイマー21が時間計測を開始し、所定の対戦時間(例えば、60秒)まで時間計測を継続する。
【0061】
トラ画像Tからの攻撃のたびに、ライフポイント演算手段12cによってライオン画像Lのライフポイントが減算される。そして、所定の対戦時間までに、ライオン画像Lのライフポイントがトラ画像Tより先に0になると、勝敗判定手段12aが対戦者を勝者と判定する。一方、所定の対戦時間までに、ライオン画像Lのライフポイントが0にならない場合は、勝敗判定手段12aがゲーム機Sを勝者と判定する。もちろん、ライオン画像Lからの攻撃のたびに、ライフ演算手段12cによってトラ画像Tのライフポイントも減算される。所定の対戦時間までにトラ画像Tのライフポイントがライオン画像Lより先に0になると、勝敗判定手段12aがゲーム機S側を勝者と判定する。
【0062】
ここで、ライフポイント演算手段12cがライオン画像Lやトラ画像Tからライフポイントを減算し、ライフポイントが0になったか否かにより勝敗判定手段12aが勝者を判定しているが、もちろん、ライフポイント演算手段12cがライオン画像Lやトラ画像Tのライフポイントを加算して所定のライフポイント数に達したか否かにより勝敗判定手段12aが勝者を判定してもよい。また、勝敗判定手段12aは、所定の対戦時間終了時点でのライオン画像Lとトラ画像Tのライフポイントの残存数に応じていずれが勝者であるかを判定してもよい。
【0063】
<カートリッジの説明>
次に、カートリッジ22について詳細に説明する。図3は、本実施の形態1に係るゲーム機Sに用いられるカートリッジ22の全体構成の概略を示す外観図である。また、このカートリッジ22の内部構成の概略については、図2のブロック図に示している。
【0064】
カートリッジ22は、図3に示すように、筐体33が大略直方体形状を呈しており、本体接続部34、スライドレバー36、カード挿入部38、イジェクトレバー40、表示部42、LEDランプ44、操作部46を有して構成されている。
【0065】
本体接続部34は、このカートリッジ22とゲーム機S本体とを接続するためのもので、本実施の形態1においてはUSBインターフェースを有して構成されている。この本体接続部34をゲーム機Sの挿入口10に挿入することにより、カートリッジ22とゲーム機Sとの情報通信が可能となる。
【0066】
なお、本体接続部34がUSBインターフェースを有しているので、このカートリッジ22は、パーソナルコンピュータ(不図示)のUSB挿入部にも挿入可能である。そして、カートリッジ22に遊技カード24を挿入した状態で、USBメモリとして使用することもできる。
【0067】
スライドレバー36は、本体接続部34を前後方向にスライドさせるためのレバーである。スライドレバー36操作により、本体接続部34を使用しないときに、筐体33内に収容することが可能となり、本体接続部34の破損や汚れ付着の予防に寄与する。
【0068】
カード挿入部38は、遊技カード24を挿入するための挿入部である。遊技カード24は、内部に記録領域を有しており、その記録領域内に確保されたデータ格納領域にゲーム情報Gが格納されている。そして、このカード挿入部38に遊技カード24を挿入することにより、カートリッジ22の表示部42にゲーム情報Gを表示させたり、ゲーム機Sとゲーム情報Gを送受信したりすることが可能となる。
【0069】
カートリッジ22に挿入した遊技カード24とカートリッジ22との通信は、様々な方式が考えられる。例えば、磁気ストライプと磁気ヘッドとによる磁気記録方式であってもよいし、追記又は書換え可能なバーコード方式(サーマル方式、白濁方式、ロイコ方式等)であってもよいし、接触式のICチップによる方式であってもよいし、RFIDを用いた電波(非接触)方式であってもよい。なお、カートリッジ22が図示しない赤外線通信機能やbluetooth機能等の相互通信手段を有していれば、複数のカートリッジ22どうしでのゲーム情報Gの送受信も可能となる。
【0070】
イジェクトレバー40は、カード挿入部38に挿入された遊技カード24をカートリッジ22から取り外すためのレバーである。この操作は、データ通信中に行われるとデータは損に繋がるので、LEDランプ44の点灯状況を確認することによって行われる。すなわち、LEDランプ44は、赤色LEDと緑色LEDとを有しており、赤色LEDの点灯時は何らかのエラーを報知している。したがって、通常時は赤色LEDは消灯している。
【0071】
緑色LEDの点灯は、遊技カード24とカートリッジ22とのデータ通信中又はカートリッジ22とゲーム機Sとのデータ通信中を表示している。したがって、緑色LEDの点灯中は、イジェクトレバー40の操作は行えない。遊技者(対戦者、応援者を含む)は、赤色LED及び緑色LEDの両方の消灯を確認した上で、イジェクトレバー40を操作することとなる。
【0072】
表示部42は、例えば液晶パネルで構成され、様々な情報を表示する。例えば、遊技カード24が挿入されると獲得ポイントや対戦成績等のゲーム情報Gが表示部42に表示される。また、操作部46の操作に基づき、対戦者モード、ゲーム機応援モード、対戦者応援モードのいずれかが選択された場合に、その選択されたモードを表示する。更に、遊技者が、このカートリッジ22を用いてミニゲームを行う場合には、そのミニゲームに関する種々の情報が表示される。
【0073】
遊技カード24内は、内部に記録領域25を有しており、その記録領域25内にデータ格納領域25aとアプリ格納領域25bとが設定されている。獲得ポイントや勝敗情報等のゲーム情報Gは、データ格納領域25a内に格納されている。また、ミニゲームソフト、音楽再生ソフト、ビデオ再生ソフト等は、このアプリ格納領域25bに格納されていてもよいが、本実施の形態1においては、カートリッジ22側のアプリ格納領域23bに格納されている。
【0074】
カートリッジ22も、内部に記録領域23を有しており、その記録領域23内にデータ格納領域23aとアプリ格納領域23bとが設定されている。データ格納領域23aは、ゲーム機Sとの通信時に、一時的にゲーム情報Gを保持する作業領域を提供する。ミニゲームソフト、音楽再生ソフト、ビデオ再生ソフト等は、アプリ格納領域23bに格納されている。また、アプリ格納領域23bには、遊技カード24との情報通信及びゲーム機Sとの情報通信を実現する通信ソフトも格納されている。更に、カートリッジ22どうしによる赤外線通信やbluetooth通信のための通信ソフトも格納されていてもよい。
【0075】
カートリッジ22は、内部に制御部32も有している。この制御部32は、通信ソフトによって、遊技カード24との情報通信を実現するカード通信部26及びゲーム機Sとの情報通信を実現するゲーム機通信部28としての機能を実現する。更に、制御部32は、モード設定部30として機能し、遊技者による操作部46の操作によって、対戦ゲームに対戦者として参加するための対戦者モード、又は応援者として参加するための応援者モードのいずれかに設定を切り替える参加モード選択機能を実現する。また、制御部32は、応援者モードに設定された場合には、遊技者による操作部46の操作によって、ゲーム機S側を応援するためのゲーム機応援モード、又は対戦者を応援するための対戦者応援モードのいずれかに設定を切り替える応援モード選択機能を実現する。
【0076】
また、制御部32は、対戦者応援モードに設定された場合には、遊技者による操作部46の操作によって、いずれの対戦者を応援するかを設定するための応援対戦者選択機能を実現する。この応援対戦者選択機能は、対戦者が複数の場合に、応援者が応援すべき1人の対戦者を特定するための機能である。例えば、カートリッジ22内で、予め応援対戦者の数を3人(対戦者A〜C)と設定されていれば、操作部46を操作して、この応援対戦者選択機能に基づき、応援すべき対戦者をA〜Cの中から選択することができる。
【0077】
<遊技プロセスの説明>
続いて、このゲーム機Sによる遊技のプロセスについて説明する。遊技プロセスは、対戦者が1名の場合と対戦者が複数の場合とで異なるので、各々について説明する。いずれの場合にも、ゲーム機Sを応援する者と対戦者を応援する者がいるものとする。
【0078】
<対戦者が1名の場合>
まず、対戦者及び応援者が各々自分のカートリッジ22に遊技カード24を挿入する。そして、参加モード選択機能及び応援モード選択機能に基づき、対戦者は、カートリッジ22を対戦者モードに設定し、ゲーム機Sを応援する応援者は、カートリッジ22をゲーム機応援モードに設定し、対戦者を応援する応援者は、カートリッジ22を対戦者応援モードに設定する。
【0079】
対戦者及び応援者が各々カートリッジ22をゲーム機Sの挿入口10に挿入する。このとき、いずれの挿入口10に挿入しても構わない。ゲーム機Sは、各カートリッジ22から、獲得ポイントと対戦成績の情報を取得し、また、設定モードの情報も取得する。そしてそれらの情報を情報表示部6bに表示する。
【0080】
操作ボタン8を操作することによって対戦ゲームがスタートすると、ゲーム機S側のライオン画像Lと対戦者側のトラ画像Tとが、ゲーム表示部6a内で仮想的に対戦ゲームを繰り広げる。と同時に、タイマー21が時間計測を開始する。対戦ゲーム開始時点では、例えば両者のライフポイントは各々1000ポイントである。対戦者側のトラ画像Tがゲーム機S側のライオン画像Lを攻撃するたびに、ゲーム機S側のライオン画像Lがダメージを受けてライフポイントが減算され、所定の対戦時間(例えば、60秒)内にライオン画像Lのライフポイントが0になった場合は、対戦者が勝者でありゲーム機Sが敗者であると判定される。
【0081】
一方、所定の対戦時間内にライオン画像Lのライフポイントが0にならなかった場合は、ゲーム機Sが勝者であり対戦者が敗者であると判定される。また、所定の対戦時間内にライオン画像L側からの攻撃によってトラ画像Tのライフポイントが0となった場合は、やはりゲーム機Sが勝者であり対戦者が敗者であると判定される。
【0082】
対戦者が勝者であると判定されると、ゲーム機Sは、対戦者の対戦者ポイントに対戦ポイント(例えば、1000ポイント。)を加算する。対戦者を応援する応援者の応援者ポイントに応援ポイント(例えば、500ポイント)を加算する。そして、対戦ポイントが加算された対戦者ポイントの情報が対戦者モードに設定されたカートリッジ22に向けて送信され、応援ポイントが加算された応援者ポイントの情報が対戦者応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて送信される。対戦者モードに設定されたカートリッジ22には、対戦成績にも「1勝」が加算されて送信される。ゲーム機応援モードに設定されたカートリッジ22には、獲得ポイント(応援者ポイント)がそのまま加減算されることなく送信される。
【0083】
獲得ポイント及び対戦成績の情報を受信したカートリッジ22は、遊技カード24内のゲーム情報Gを更新する。対戦者モードに設定されたカートリッジ22に向けて加算されて送信される対戦ポイント情報と対戦者応援モードに設定されたカートリッジ22に向けて加算されて送信される応援ポイント情報とは、上記のように異なるポイントであってもよいし、場合によっては同一のポイントであってもよい。また、対戦ポイントと応援ポイントは、予めゲーム機S側で設定されるが、対戦ゲームの内容に拘らず一定のポイント数であってもよいし、対戦ゲームの難易度(例えば、対戦者が操作ボタン8の操作によって対戦ゲームの難易度を選択できるようにゲーム機Sが構成されている場合)に応じてポイント数が異なってもよい。また、対戦ポイントは、予めゲーム機S側で設定されるのでなく、対戦者モードに設定されたカートリッジ22側で対戦者によって対戦ポイントが設定されるようになっており、設定された対戦ポイント数に応じてゲーム機S側で対戦ゲームの難易度が調整されるようになっていてもよい。
【0084】
<対戦者が複数の場合>
対戦者が複数の場合は、参加モード選択機能に基づき対戦者モードに設定された複数のカートリッジ22がゲーム機Sの挿入口10に挿入される。ゲーム機Sは、各カートリッジ22から、獲得ポイントと対戦成績の情報を取得し、また、設定モードの情報も取得する。そしてそれらの情報を情報表示部6bに表示する。
【0085】
対戦者が複数の場合に応援者として参加する場合は、応援者は、応援モード選択機能に基づき、カートリッジ22の操作部46を操作して、ゲーム機応援モード又は対戦者応援モードのいずれかに設定する。そして、対戦者応援モードに設定した応援者は、更にいずれの対戦者を応援するかについて、応援対戦者選択機能に基づき、操作部46を操作して、応援すべき対戦者をA〜Cの中から選択する。そしてカートリッジ22を挿入口10に挿入すると、ゲーム機Sは各カートリッジ22から獲得ポイントと対戦者成績の情報を取得する。そして、それらの情報を情報表示部6bに表示する。ここで、例えば、対戦者Aに対応する動物画像がトラ画像T、対戦者Bに対応する動物画像がチーター画像、対戦者Cに対応する動物画像がヒョウ画像である。
【0086】
操作ボタン8を操作することによって対戦ゲームがスタートすると、ゲーム機S側のライオン画像Lと各々対戦者A側のトラ画像T、対戦者B側チーター画像、対戦者C側のヒョウ画像とが、ゲーム機Sのゲーム表示部6aで仮想的に対戦ゲームを繰り広げる。と同時に、タイマー21が時間計測を開始する。対戦ゲーム開始時点では、例えばライオン画像L、トラ画像T、チーター画像、ヒョウ画像のライフポイントは各々1000ポイントである。これらの動物画像は、他の動物からの攻撃を受けるたびにライフポイントが減算され、所定の対戦時間(例えば、60秒)内にライフポイントが0となった動物が敗者であると判定される。
【0087】
この時点で、ライフポイントが0となっていない動物に対応する対戦者又はゲーム機Sのすべてが勝者と判定されてもよいし、最もライフポイントの残存数の多い1匹の動物に対応する対戦者又はゲーム機Sが勝者と判定されてもよい。
【0088】
ゲーム機Sは、勝者と判定された対戦者の対戦者ポイントに対戦ポイントを加算してそのポイント情報をその対戦者のカートリッジ22に向けて送信する。また、勝者を応援した応援者の応援者ポイントに応援ポイントを加算してそのポイント情報をその応援者のカートリッジ22に向けて送信する。なお、対戦者及び応援者の各カートリッジ22に向けてのポイント及び対戦成績の情報の送信については、上記<対戦者1名の場合>と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0090】
G:ゲーム情報(獲得ポイント情報、対戦成績情報)
L:ライオン画像
S:ゲーム機(対戦用ゲーム機)
T:トラ画像
6:表示部
6a:ゲーム表示部
6b:情報表示部
8:操作ボタン
10:挿入口
12:コンピュータ(制御手段)
12a:勝敗判定手段
12b:ゲーム情報通信手段
12c:ライフポイント演算手段
12d:対戦ゲーム実行手段
14:メモリ
21:タイマー(計時手段)
22:カートリッジ(ゲーム用携帯通信機器)
23:記録領域
23a:データ格納領域
23b:アプリ格納領域
24:遊技カード(ゲーム用記録媒体)
25:記録領域
25a:データ格納領域
25b:アプリ格納領域
26:カード通信部(第1情報通信部)
28:ゲーム機通信部(第2情報通信部)
30:モード設定部
32:制御部(コンピュータ、モード設定部)
33:筐体
34:本体接続部
36:スライドレバー
38:カード挿入部
40:イジェクトレバー
42:表示部
44:LEDランプ
46:操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦用ゲーム機と情報通信可能に構成されたゲーム用携帯通信機器であって、
該対戦用ゲーム機は、
該対戦用ゲーム機側と対戦者側とが対戦することによる対戦ゲームを実行する対戦ゲーム実行手段と、
該対戦ゲーム実行手段により実行された対戦ゲームの結果、前記対戦用ゲーム機又は前記対戦者のいずれが前記対戦ゲームの勝者であるかを判定する勝敗判定手段と、を有し、
前記ゲーム用携帯通信機器は、
第1情報通信部と、
第2情報通信部と、
表示部と、
モード設定部と、を有し、
前記第1情報通信部は、前記対戦ゲームに関するゲーム情報を記録したゲーム用記録媒体との間で該ゲーム情報に関する情報通信を行う機能を有し、
前記第2情報通信部は、前記対戦用ゲーム機との間で前記ゲーム情報に関する情報通信を行う機能を有し、
前記表示部は、前記ゲーム用記録媒体から取得した前記ゲーム情報を表示する機能を有し、
前記モード設定部は、
前記対戦ゲームに前記対戦者として参加することにより前記対戦ゲームの結果に応じて前記ゲーム機と対戦者ポイント情報の通信を実行する対戦者モード、又は前記対戦ゲームに応援者として参加することにより前記対戦ゲームの結果に応じて前記ゲーム機と応援者ポイント情報の通信を実行する応援者モードのいずれかのモードを選択的に設定する参加モード選択機能、及び、
該応援者モードに設定した場合に前記ゲーム機側を応援するゲーム機応援モード又は前記対戦者側を応援する対戦者応援モードのいずれかのモードを選択的に設定する応援モード選択機能を有するゲーム用携帯通信機器。
【請求項2】
前記ゲーム情報が、対戦結果に応じて前記対戦用ゲーム機と前記ゲーム用携帯通信機器との間で通信される前記対戦者ポイント情報、前記応援者ポイント情報及び前記対戦者の前記対戦用ゲーム機に対する対戦成績情報を含む請求項1に記載のゲーム用携帯通信機器。
【請求項3】
前記モード設定部が、前記対戦者応援モードに設定した場合にいずれの対戦者を応援するかを選択的に設定する応援対戦者選択機能を更に有する請求項1又は請求項2に記載のゲーム用携帯通信機器。
【請求項4】
ゲーム用携帯通信機器と情報通信可能に構成された対戦用ゲーム機であって、
前記ゲーム用携帯通信機器は、
第1情報通信部と、
第2情報通信部と、
表示部と、
モード設定部と、を有し、
前記第1情報通信部は、対戦ゲームに関するゲーム情報を記録したゲーム用記録媒体との間で該ゲーム情報に関する情報通信を行う機能を有し、
前記第2情報通信部は、前記対戦用ゲーム機との間で前記ゲーム情報に関する情報通信を行う機能を有し、
前記表示部は、前記ゲーム用記録媒体から取得した前記ゲーム情報を表示する機能を有し、
前記モード設定部は、
前記対戦ゲームに前記対戦者として参加することにより前記対戦ゲームの結果に応じて前記ゲーム機と対戦者ポイント情報の通信を実行する対戦者モード、又は前記対戦ゲームに応援者として参加することにより前記対戦ゲームの結果に応じて前記ゲーム機と応援者ポイント情報の通信を実行する応援者モードのいずれかのモードを選択的に設定する参加モード選択機能、及び、
該応援者モードに設定した場合に前記ゲーム機側を応援するゲーム機応援モード又は前記対戦者側を応援する対戦者応援モードのいずれかのモードを選択的に設定する応援モード選択機能を有し、
前記対戦用ゲーム機は、
前記対戦用ゲーム機側と前記対戦者側とが対戦することによる対戦ゲームを実行する対戦ゲーム実行手段と、
該対戦ゲーム実行手段により実行された対戦ゲームの結果、前記対戦用ゲーム機又は前記対戦者のいずれが前記対戦ゲームの勝者であるかを判定する勝敗判定手段と、
該対戦ゲームの対戦結果に応じて前記ゲーム用携帯通信機器に向けて前記ゲーム情報を送信するゲーム情報通信手段と、を有する対戦用ゲーム機。
【請求項5】
前記勝敗判定手段が前記対戦用ゲーム機を勝者と判定した場合に、
前記ゲーム情報通信手段が、前記対戦者モードに設定された前記ゲーム用携帯通信機器に向けて不利益となるゲーム情報の送信又は利益となるゲーム情報の不送信を実行し、
前記勝敗判定手段が前記対戦者を勝者と判定した場合に、
前記ゲーム情報通信手段が、前記対戦者モードに設定された前記ゲーム用携帯通信機器に向けて利益となるゲーム情報の送信又は不利益となるゲーム情報の不送信を実行する請求項4に記載の対戦用ゲーム機。
【請求項6】
前記勝敗判定手段が前記対戦用ゲーム機を勝者と判定した場合に、
前記ゲーム情報通信手段が、前記ゲーム機応援モードに設定された前記ゲーム用携帯通信機器に向けて利益となるゲーム情報の送信又は不利益となるゲーム情報の不送信を実行し、
前記勝敗判定手段が前記対戦者を勝者と判定した場合に、
前記ゲーム情報通信手段が、前記対戦者応援モードに設定された前記ゲーム用携帯通信機器に向けて利益となるゲーム情報の送信又は不利益となるゲーム情報の不送信を実行する請求項4又は請求項5に記載の対戦用ゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−229682(P2011−229682A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102721(P2010−102721)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000126573)株式会社アスカエンジニアリング (1)
【出願人】(310003599)株式会社イーストジャパン (1)
【Fターム(参考)】