説明

ゲーム装置の送出装置、送出装置を制御する制御方法

【課題】興趣に富んだ形態でメダルを直感的に操作可能なメダルゲーム装置を、提供することにある。
【解決手段】本メダルゲーム装置は、指示手段が位置入力装置14に接触したときに、指示手段が位置入力装置14に接触した接触位置PSを、認識する指示位置認識手段51と、指示手段が位置入力装置14に接触した状態において移動したときに、指示手段の接触位置PSを基準として、指示手段の移動状態HS,VS,DSを検知する移動状態検知手段53と、指示手段の移動状態に基づいて、メダル送出機構15を制御し、メダルをメダル送出機構15から送出する機構制御手段54と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ーム装置、特に、筐体内に設けた送出目標領域に向かってメダルを送出するメダルゲーム装置の送出装置、及びこの送出装置を制御する制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームセンター等には、様々なメダルを用いて遊戯するゲーム装置(以下、メダルゲームと呼ぶ)が設置されている。特に、メダルゲーム装置は、ゲーム性が単純であるために、誰もが楽しめるという理由から、多くのプレイヤに支持されてきた。この単純なゲーム性が、ゲームセンターで遊戯するプレイヤに、長期にわたって支持されてきた理由でもある。
【0003】
一方で、ゲーム性が単純であるが故に、このゲーム装置に対して興味を持たないプレイヤも存在していた。このため、このゲーム装置の楽しさを少しでも多くの人に味わってもらうために、これまで、ゲーム提供者は、様々なメダルゲーム装置を開発してきた。
【0004】
これまで開発されてきたメダルゲーム装置には、例えば、メダル収容部を船の形状に形成し、このメダル収容部の払い出し装置に特徴があるものがある(特許文献1)。このメダル収容部の払い出し装置では、小さな賞では、メダル収容部に積載されたメダルが、メダル収容部に設けられた送出口から、所定の速度で、1枚ずつ払い出される。一方で、大きな賞(ジャックポット)では、メダル収容部に蓄積された大量のメダルが、メダル収容部を傾斜させることによって、一気に払い出される。
【0005】
また、メダルゲーム装置の他の例としては、例えば、ジャックポット成立時に大量のメダルをプレイヤに確実に払い出すことができる機構を有する装置がある(特許文献2)。このメダルゲーム装置では、ジャックポットが成立すると、メダル収容部が上昇した後、メダル収容部が2つに分離し、メダルが勢いよく飛散する。これにより、メダル収容部に蓄積された大量のメダルが、一気に払い出される。
【0006】
上記のように、従来のメダルゲーム装置では、メダル収容部の機構に対して様々な改良が行われてきた。この理由の1つには、メダル収容部の機構の制御が容易であるという点にある。例えば、メダル収容部からのメダルの払い出しタイミングさえ検知しておけば、メダル収容部の機構を、上述したように容易に制御することができる。
【0007】
なお、上記のメダルゲーム装置では、プレイヤがメダル発射装置を用いてメダルを投げ出すことによって、メダル収容部にメダルが蓄積される。近年のメダル発射装置では、装置にセンサを装着することによって、1発目のメダルを性能通りの軌跡で確実に投げ出すことができるようにしたものもある(特許文献3)。このタイプのメダル発射装置では、指の接近を検出するセンサがメダル投入口の近傍に配置されている。このため、指がメダル投入口に接近し、センサが指の接近を検出すると、駆動モータが駆動する。すなわち、このメダル発射装置では、メダルの投入前に駆動モータを回転させておくことによって、駆動モータが安定回転した状態で、メダルを投げ出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−115245
【特許文献2】特開2003−79931
【特許文献3】特開2002−239205
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような従来のメダルゲーム装置を操作するプレイヤは、メダルを投入するタイミングや、メダルを投げ出す方向等を、手動で感覚的に決定していた。しかしながら、この操作は、プレイヤがメダルゲームを遊戯するときに、唯一行う操作であるにもかかわらず、この操作形態があまりにも単調であるために、メダルゲームでは、操作時に興趣が得られないという問題があった。そのため、この点に注目してメダルゲーム装置を開発しようという試みが、ゲーム提供者によってなされるようになってきた。
【0010】
しかしながら、この点に注目して、ゲーム提供者がメダルゲーム装置を開発してみると、従来のメダルゲームでプレイヤが手動で操作していた部分には、感覚的な要素が多分に含まれているので、この部分を興趣に富んだものにすることは、技術的に困難であることがわかった。このため、この部分についての開発は、思うように進んで来なかったというのが現実である。
【0011】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、興趣に富んだ形態でメダルを直感的に操作可能なーム装置の送出装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係るーム装置の送出装置は、タッチパネルと、出機構とを有すタッチパネルは、画像表示機能を備える。送出機構は、タッチパネルに対する接触操作に基づいて、筺体内に設けられた送出目標領域に向かって遊技媒体を送出する。
【0013】
送出装置は、指示位置認識手段と機構制御手段とを備えている。指示位置認識手段は、指示手段がタッチパネルに接触したときに、指示手段がタッチパネルに接触した接触位置を、認識する機構制御手段は、指示位置認識手段の認識結果に基づいて、出機構を制御し、遊技媒体出機構から送出する。
【0014】
このように、本送出装置では、指示手段、例えば指がタッチパネルに接触した状態において移動したときに、指の移動状態に基づいて、出機構が制御され、遊技媒体としてのメダルが出機構から送出される。より具体的には、プレイヤが自分の指を例えばタッチパッドのような位置入力装置上で滑らせるように移動させると、この移動に応じて、位置入力装置とは別に設けられた出機構が制御され、上記の移動に応じた方向及び速度でメダルが送出される。つまり、プレイヤがタッチパッドに指を触れて任意の方向に所望の速度で動かすだけで、あたかもその動作に呼応したかのように、メダルが送出目標領域としてのテーブルに向かって送出される。
【0015】
これにより、プレイヤは、実際のメダルには直接、触れていないにもかかわらず、直感的な操作で、メダルをテーブルに向かって送出することができる。このように、本発明では、プレイヤは、メダルの送出をタッチパネル上で自由に決定することができるので、従来のメダルゲーム装置のような単調な操作と比較して、多様性に富んだ操作形態でメダルを直感的に操作する興趣を、味わうことができる。
【0016】
請求項2に係る送出装置は、請求項1に記載の送出装置において、像表示手段をさらに備えている。像表示手段は、指示位置認識手段の認識結果に基づいて、遊技媒体に対応付けられた遊技媒体画像を、タッチパネルに表示する。
【0017】
送出装置では、指示手段、例えば指の移動状態に基づいて、遊技媒体の仮想的な移動状態を示す遊技媒体画像としてのメダル画像が、タッチパネルに表示される。例えば、プレイヤがタッチパネル上に表示されたメダル画像に触れ、そのまま、筐体内のテーブルに向かう任意の方向にそのメダル画像を移動させると、その動作に先導されるようにして、あるいはほとんど同時に、メダル画像がその方向に移動する。もし、プレイヤの指がメダル画像を弾くように高速で移動させた場合には、メダル画像も、より高速で移動する。そして、このメダル画像の移動がタッチパネル上に表示される一方で、この移動に対応するように出機構が制御され、上記のメダル画像の移動に応じた方向及び速度で実際のメダルが送出される。
【0018】
このため、プレイヤは、タッチパネルに表示されたメダル画像を目印にして、実際のメダルの送出を自由に決定することができる。また、プレイヤは、自分の指を移動したときの移動状態に応じて制御されるメダルの移動状態を、タッチパネルに表示されたメダル画像によって確認することができる。このように、本発明では、プレイヤは、自分が行った操作及びその操作によるメダルの送出に関する情報を、タッチパネルに表示されたメダル画像から得ることができる。さらに、本発明によれば、タッチパネル上で移動したメダルの画像が、現実のメダルとなって送出されたかのような面白さのある演出が行われるので、従来にない興趣性に満ちたーム装置を提供することができる。
【0019】
請求項3に係る送出装置では、請求項1又は2に記載の送出装置において、タッチパネルの表面上に、接触位置を検知するための検知対象領域が予め設定されている
【0020】
送出装置では、指示手段例えば指が、タッチパネルに設定された検知対象領域に接触した状態において移動したときに、指の接触位置を基準として、検知対象領域における指の移動状態が、検知される。
【0021】
このように、本発明では、指の接触位置の検知対象領域をタッチパネルの表面全体とするのではなく、ある程度制限することによって、プレイヤの指の移動検出や、それに対応したメダル画像の表示にかかる負荷、すなわち指示位置認識手段よび機構制御手段における処理負荷を、抑制することができる。これにより、ーム装置をスムーズに制御し動作させることができる。
【0022】
この理由は、仮にタッチパネルの表面全体を検出領域とした場合、プレイヤの指の検出位置、検出領域、及び検出形態があまりにも多様になり、それらをすべてカバーしようとすると、それらの処理およびその処理結果の画像への反映等に大きな負荷がかかってしまう。このため、本発明では、上記のように検出対象領域を制限することで、負荷の増加につながる要因を低減している。
【0023】
また、タッチパネルのどこに接触しても検出される設定にすると、実質的にメダルを送出できない接触移動が行われる可能性も多くなる。例えば、プレイヤの指先のベクトルがタッチパネルの前方に向かってではなく、微妙にタッチパネルの左右サイドに向かっていたような場合や、指の接触移動が大きく湾曲しており、ベクトルを特定できない場合などに、指の接触移動が検出できないおそれがある。このため、これらのケースを排除するために処理が増大するという問題が発生し、且つ、そのような排除処理を実行した場合にプレイヤから思うように操作できないという苦情が出る可能性が増大するという問題も発生する。このことから、このようなイレギュラーな移動動作が発生する可能性を低減するために、検知対象領域を制限することは有効である。検知対象領域は、例えば、タッチパネルを左右に横切るような帯状の領域とすることが考えられる。また、この領域をプレイヤが容易に認識できるように、帯状領域の前後にラインを描く、あるいは、帯状領域全体に淡い着色を施すといった構成にするのが望ましい。
【0024】
請求項4に係る送出装置は、請求項1から3のいずれかに記載の送出装置において、移動検知手段をさらに備えている。移動検知手段は、接触操作した状態で接触位置が移動したときに、接触位置の始点及び終点を検知する。
請求項に係る送出装置は、請求項に記載の送出装置において、機構制御手段が、移動検知手段の検知結果に基づいて、出機構において遊技媒体の送出方向を設定する。
請求項6に係る送出装置は、請求項4又は5に記載の送出装置において、移動検知手段は、接触位置が始点から終点まで移動する移動時間をさらに検知する。また、機構制御手段は、移動検知手段の検知結果に基づいて、送出機構において遊技媒体の送出速度を設定する。
【0025】
送出装置では、指の移動方向に基づいて、出機構においてメダルの送出方向が設定される。また、指示手段の移動速度及び移動距離の少なくともいずれか一方に基づいて、出機構においてメダルの送出速度が設定される。このため、プレイヤは、タッチパネル上で自分の指を所望の方向に移動させることによって、メダルの送出方向を決定することができる。また、プレイヤは、タッチパネル上で自分の指を所望の速度で移動させたり、タッチパネル上で自分の指を所望の距離だけ移動させたりすることによって、メダルの送出速度を決定することができる。このように、本発明では、プレイヤは、様々な形態で指をタッチパネル上で移動することによって、多様性に富んだ直感的な操作を体験し、メダルゲームを楽しむことができる。
【0026】
請求項に係る送出装置は、請求項に記載の送出装置において、画像制御手段をさらに備えている画像制御手段は、移動検知手段の検知結果に基づいて、出機構の制御に要する時間を設定し、時間に基づいて、タッチパネルに表示されるべき遊技媒体画像の移動速度を設定する。そして、像表示手段は、その移動速度で移動する遊技媒体画像を、タッチパネルに表示する、
【0027】
送出装置では、出機構の制御に要する時間に基づいて、タッチパネルにメダルの移動状態を表示する速度が、設定される。そして、ここで設定した速度で移動するメダル画像が、タッチパネルに表示される。
【0028】
このように、出機構の制御に要する時間を用いて、タッチパネルに表示されたメダル画像が移動する速度を設定することによって、出機構からメダルが送出されるタイミングと、仮想的にメダル画像がメダル送出面に到達するタイミングとを一致させることができる。これにより、メダル画像が移動する状態が、タッチパネルに表示された後、このメダル画像が、あたかもーム装置からテーブルに向けて飛び出したかのような感覚で、プレイヤは、ゲームを楽しむことができる。
【0029】
請求項に係る送出装置は、請求項1からのいずれかに記載の送出装置において、接触回数認識手段さらに備えている接触回数認識手段は、接触操作された回数を、認識する機構制御手段は、接触回数に対応する個数の遊技媒体を、送出機構から送出する。
【0030】
送出装置では、指タッチパネルに接触した回数が、送出予定のメダルの枚数として、認識されるすると、この枚数のメダルが、出機構から送出される。すなわち、プレイヤは、自分が送出を所望するメダルの枚数に相当する回数だけ、自分の指をタッチパネルに断続的に接触させることによって、複数枚のメダルを出機構から連続的に送出することができる。
【0031】
請求項に係る制御方法は、画像表示機能を備えるタッチパネルと、前記タッチパネルに対する接触操作に基づいて、筺体内に設けられた送出目標領域に向って遊技媒体を送出する送出機構とを有するゲーム装置の送出装置を制御する制御方法である。本制御方法は、前記タッチパネル対して接触操作した接触位置を、認識する指示位置認識ステップと、前記指示位置認識手段の認識結果に基づいて、前送出機構を制御し、前記遊技媒体を前送出機構から送出する機構制御ステップとを、備えている。
【発明の効果】
【0032】
本発明によるゲーム装置の送出装置においては、プレイヤは、メダルに直接接触することなく、且つ、あたかも現実世界のテーブル上でメダルを滑らせるような体感性をもって、装置内にメダル投入を行うことができるので、従来装置にはなかったようなメダル投入の調整が可能となる。
【0033】
すなわち、プレイヤがタッチパッドやタッチパネルのような位置入力装置に指を接触させて移動させると、その移動方向、速度、距離等に応じて、位置入力装置とは別に設けられた出機構からメダルが装置内に向けて送出される。従って、本発明では、従来のメダルゲーム装置のような単調な操作と比較して、あたかも現実世界のテーブル上でメダルを滑らせるような感覚でメダルを自由に操作することができるので、多様性に富んだ操作形態でメダルを直感的に操作する興趣を味わうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態によるメダルゲーム装置の外観を示す図。
【図2】メダル送出機構を説明するための図。
【図3】メダル保持部を説明するための図。
【図4】プッシャー機構を説明するための図。
【図5】前記メダルゲーム装置の一例としての機能ブロック図。
【図6】タッチパネルの位置認識形態を説明するための図。
【図7】搬送部の制御形態を説明するための図。
【図8】搬送部の搬送速度を設定するための各種テーブルを示した図。
【図9】前記メダルゲーム装置の制御フローを示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
〔プッシャーゲーム装置の構成〕
ここでは、本発明による送出装置を用いたメダルゲーム装置1の構造に関する構成を、説明する。図1は、メダルゲーム装置1の外観を示す概略図である。ここでは、メダルゲーム装置1が、プッシャーゲーム装置である場合の例を用いて説明を行う。
【0036】
メダルゲーム装置1は、図1及び図2に示すように、ゲーム装置本体10と、メダル蓄積部11と、プッシャー機構12と、メダル投入口13と、操作画面部14と、メダル送出機構15と、メダル落下口16と、メダル受取口17と、メダル送出口18とを、備えている。
【0037】
ここでは、複数のゲーム装置本体10が、円形に並べて配置されている。そして、各ゲーム装置本体10には、メダル蓄積部11と、メダル投入口13と、操作画面部14と、メダル送出機構15(図2を参照)と、プッシャー機構12と、メダル落下口16と、メダル受取口17とが、設けられている。なお、図1では、1つのゲーム装置本体10のみ詳細を示している。
【0038】
メダル蓄積部11は、メダルが蓄積される部分であり、ゲーム装置本体10の内部に設けられている。メダル蓄積部11は、上面が水平の板状に形成されており、この上面にメダルが蓄積される。
【0039】
メダル投入口13は、メダルを投入するための開口部である。メダル投入口13は、ゲーム装置本体10の前面外側に設けられている。ここでは、メダル投入口13には、複数のメダルを同時に投入可能になっている。
【0040】
操作画面部14は、プレイヤがメダルの送出を操作する画面である。操作画面部14は、ゲーム装置本体10の前面外側に設けられている。操作画面部14は、板状の位置入力装置、例えば静電接触入力式のモニタになっている。以下では、静電接触入力式のモニタ、すなわちタッチパネル式のモニタを、タッチパネル14と呼ぶ。
【0041】
メダル送出機構15は、操作画面部14におけるプレイヤの操作に基づいて、メダルを、ゲーム装置本体10に設けられたメダル送出口18から、メダル蓄積部11に向けて送出する機構である。メダル送出機構15は、メダル枚数検出装置15aと、メダル保持部15bと、シャッター機構15cと、搬送部15dとを、有している。
【0042】
メダル枚数検出装置15a例えばカウントホッパーは、図3に示すように、メダル投入口13に投入されたメダルをカウントするための装置である。カウントホッパー15aは、メダル投入口13の下方においてゲーム装置本体10の内部に装着されている。カウントホッパー15aは、隣接して配置されたメダル保持部15bに、メダルを供給する。
【0043】
メダル保持部15bは、図3に示すように、例えば回転ディスク115bを有している。回転ディスク115bは、カウントホッパー15aから供給されたメダルを受け取るための装置である。回転ディスク115bは、カウントホッパー15aの近傍において、ゲーム装置本体10の内部に回転自在に装着されている。回転ディスク115bには、複数のメダル保持孔215bが形成されており、各メダル保持孔215bは、カウントホッパー15aから供給されたメダルを保持する。
【0044】
シャッター機構15cは、図2に示すように、回転ディスク115bから搬送部15dへとメダルを供給するための機構である。シャッター機構15cは、回転ディスク115bと搬送部15dとの間において、ゲーム装置本体10の内部に設けられている。メダルがシャッター機構15cを通過する孔115c(シャッター孔)の中心と、メダル保持孔215bの中心とは、同心である。また、シャッター孔115cの中心と、後述する回転部315dとの回転軸芯とは、同心である。これにより、搬送部15dが揺動したとしても、メダルを搬送部15dに確実に供給することができる。
【0045】
シャッター機構15cは、シャッターの開閉によって、メダル保持孔215bに保持されたメダルを搬送部15dに供給するか否かを、決定する。具体的には、図2に示すようにシャッターが開放されると、図3に示した斜線の位置において、メダル保持孔215bに保持されたメダルが、搬送部15dに供給される。また、図3において、斜線の位置を除いた他の位置のメダル保持孔215bの下方には、シャッター孔115cが形成されていない。これにより、メダル保持孔215bに保持されたメダルは、1枚ずつ、搬送部15dに供給される。
【0046】
搬送部15dは、回転ディスク115bからメダルを受け取り、メダルをメダル送出口18へと搬送する部分である。搬送部15dは、ゲーム装置本体10の内部に揺動自在に装着されている。搬送部15dは、図2に示すように、搬送部本体115dと、一対のベルト部215dと、一対のベルト部215dを水平方向に揺動させるための回転部315dとを、有している。搬送部本体115dは、ゲーム装置本体10の内部に装着されている。
【0047】
搬送部本体115dは、矩形の筒状に形成されており、後述する一対のベルト部215dを収納する。また、搬送部本体115dの上部には、回転ディスク115bからベルト部215bへとメダルを供給するための供給孔115d’が、形成されている。
【0048】
一対のベルト部215dは、上下に対向して配置されている。各ベルト部215dは、一対の回転軸の間に架け渡されている。一対のベルト部215dそれぞれの回転軸は、搬送部本体115dの内部に回転自在に装着されている。また、各ベルト部215dにおける一対の回転軸の少なくともいずれか一方が、図示しない駆動モータによって、駆動されている。
【0049】
また、一対のベルト部215dの搬送速度VBは、駆動モータによって変更可能である。また、一対のベルト部215dの搬送速度VBそれぞれ、すなわち2つのベルト部215dの搬送速度VBそれぞれは、同じ速度に設定される。これにより、メダルが、一対のベルト部215dの間に挟持され、メダル送出口18へと搬送される。なお、ここでは、一対のベルト部215dの搬送速度VBの大きさによって、メダルの送出速度が決定される。
【0050】
回転部315dは、搬送部15dの下部、例えば搬送部本体115dの下部に、装着されている。より詳細には、回転部315dは、シャッターの下方において、搬送部本体115dの下部に、装着されている。回転部は、図示しない駆動モータによって、回転させられる。ここでは、回転部315dを回転させることによって、搬送部本体115dすなわち搬送部15dが揺動する。すなわち、搬送部15dを揺動させることによって、メダルの送出方向が決定される。具体的には、搬送部15dの揺動角度によって、メダルの送出方向が決定される。
【0051】
プッシャー機構12は、メダル蓄積部11に蓄積されたメダルを押し出すための機構である。詳細には、プッシャー機構12は、図4に示すように、メダル蓄積部11上に配置されたプッシャー部12aを、メダル蓄積部11上で往復移動させる機構である。プッシャー部12aは、ゲーム装置本体10の奥行き方向において、メダル蓄積部11の奥側とメダル蓄積部11の中央部との間で、メダル蓄積部11上を摺動自在に往復移動する。ここで、メダル蓄積部11上におけるプッシャー部12aの往復移動によって、メダルがメダル蓄積部11からメダル落下口16へと落下した場合、このメダルはメダル受取口17から受け取られる。なお、図4では、説明に必要な構成のみ示し、ゲーム装置本体10の内部の構成は省略している。
【0052】
メダル落下口16は、図4に示すように、プッシャー機構12によって押し出されたメダルが落下する部分である。メダル落下口16は、ゲーム装置本体10の前面10a(メダル送出面)とメダル蓄積部11との間において、ゲーム装置本体10の内部に設けられている。より詳細には、メダル落下口16は、メダル送出機構15とメダル蓄積部11との間において、ゲーム装置本体10の内部に設けられている。
【0053】
メダル受取口17は、図1に示すように、メダル落下口16に落下したメダルをプレイヤが受け取る部分である。メダル受け取り口17は、ゲーム装置本体10の前面外側の下方に設けられている。
【0054】
〔プッシャーゲーム装置の制御に関する構成〕
続いて、メダルゲーム装置1が有する機能についての説明を行う。メダルゲーム装置1は、図5に示すように、各種のデータを記録するための記憶部30と、各ゲーム装置本体10の各部を制御するための制御部31と、画像を表示するための画像表示部32と、音出力部33とを、有している。
【0055】
記憶部30は、各種データを記憶する。記憶部30は、ROM30a(Read Only Memory)と、RAM30b(Random Access Memory)とから構成されている。ROM30aは、予め定義された、基本プログラム、基本データ、および基本パラメータ等を、記憶する。RAM30bは、各種のプログラム、各種のデータ、処理中のデータ等を、一時的に記憶する。
【0056】
制御部31は、CPU31a(Central Processing Unit)を用いて、各種の制御及び処理を行う。CPU31aは、制御に関する制御プログラムをROM30aから読み出すことによって、メタルゲーム装置1における各種制御を行う。また、CPU31aは、計算に関する処理プログラムをROM30aから読み出すことによって、メタルゲーム装置1における各種計算を行う。
【0057】
例えば、CPU31aは、制御プログラム及び処理プログラムに基づいて、制御に関する命令や、計算に関する命令等を外部に発行する。そして、CPU31aからの命令に基づいて、各種のデータが、ROM30aから読み出され、RAM30bに記録される。そして、RAM30bに格納されたデータを用いて、CPU31aは、各種処理を実行し、処理結果を示すデータを、RAM30bに記録する。
【0058】
画像表示部32は、画像の表示に関する処理を行う。画像表示部32は、タッチパネル14を含んでいる。このタッチパネル14では、タッチパネル14の表面全体に電界が形成されている。そして、この状態のタッチパネル14の表面に、指示手段、例えば指や導電性を有するペン等を、接触させると、液晶表面の表面電荷が変化する。そして、この表面電荷の変化が捕捉され、タッチパネル14上の指やペン等の位置情報が検出される。ここで検出された位置情報は、RAM30bに格納される。位置情報には、例えば、指示手段の接触位置を示す位置座標データが、含まれている。そして、位置座標データが検出されると、この位置座標データがRAM30bに記録される。
【0059】
また、タッチパネル14は、画像データを用いて、画像を表示する。例えば、CPU31aが画像表示命令を発行すると、画像データ、及び画像データの表示位置を示す位置座標データが、ROM30a又はRAM30bからタッチパネル14へと供給される。すると、タッチパネル14は、画像データに対応する画像を、位置座標データが示す位置において、表示する。
【0060】
なお、画像の制御に必要な情報は、ROM30a又はRAM30bに格納されており、適宜、ROM30a又はRAM30bから読み出される。また、画像の制御に必要な情報が計算によって導出される場合、この計算はCPU31aによって実行される。そして、この計算に関するデータは、RAM30bに記録される。
【0061】
〔プッシャーゲーム装置が有する機能〕
制御部31では、図5に示すように、検知領域認識手段50と、指示位置認識手段51と、接触回数認識手段52と、移動検知手段としての移動状態検知手段53と、機構制御手段54と、画像制御手段55とが、実行される。なお、以下では、「位置」という文言が、「位置座標」及び「位置座標データ」という意味で用いられることがある。
【0062】
検知領域認識手段50では、CPU31aが、指示手段の移動状態を検知する検知対象領域RKを、認識する。ここでは、検知対象領域RKが、タッチパネル14の下部領域に設定されている(図6の略帯状の破線部を参照)。これにより、CPU31aは、検知対象領域RK(タッチパネル14の下部領域)のみで、指示手段の移動状態を検知する。言い換えると、タッチパネル14の上部領域、すなわち検知対象領域RK以外の領域では、CPU31aは、指示手段の移動状態を認識しない。
【0063】
指示位置認識手段51では、CPU31aが、指示手段がタッチパネル14に接触したときに、指示手段がタッチパネル14に接触した接触位置PSを、認識する。詳細には、指示手段がタッチパネル14に接触した接触位置PSの情報をタッチパネル14が検出すると、CPU31aは、この接触位置PSの情報を、認識してRAM30bに記録する。
【0064】
接触回数認識手段52では、CPU31aが、指示手段がタッチパネル14に接触したときに、指示手段がタッチパネル14に接触した接触回数KSを、認識する。すると、CPU31aは、この接触回数KSに対応する情報を、RAM30bに記録する。
【0065】
移動状態検知手段53では、CPU31aが、指示手段がタッチパネル14に接触した状態において移動したときに、指示手段の接触位置PSを基準として、指示手段の移動状態を検知する。詳細には、CPU31aは、指示手段が検知対象領域RKに接触した状態において移動したときに、指示手段の接触位置PSの情報を基準として、検知対象領域RKにおける指示手段の移動状態を検知する。具体的には、図6に示すように、CPU31aは、指示手段の接触位置PSの位置を基準として、指示手段の移動方向HSと、指示手段の移動速度VS及び移動距離DSの少なくともいずれか一方とを、検知する。
【0066】
機構制御手段54では、CPU31aが、指示手段の移動状態に基づいて、メダル送出機構15を制御する。詳細には、CPU31aは、指示手段の移動方向HSと、指示手段の移動速度VS及び移動距離DSの少なくともいずれか一方とに基づいて、メダル送出機構15を制御する。より詳細には、図6及び図7に示すように、CPU31aは、指示手段の移動方向HSに基づいて、メダル送出機構15におけるメダルの送出方向DMを、設定する。また、CPU31aは、指示手段の移動速度VS及び移動距離DSの少なくともいずれか一方に基づいて、メダル送出機構15におけるメダルの送出速度VMを、設定する。さらに、機構制御手段54では、CPU31aが、指示手段の接触回数KSに対応する枚数のメダルを送出するために、メダル送出機構15を制御する。このように、メダル送出機構15を制御することによって、メダルがメダル送出機構15から送出される。
【0067】
画像制御手段55では、CPU31aが、タッチパネル14に表示されるメダル画像MGの移動状態を、制御する。詳細には、画像制御手段55では、CPU31aが、指示手段の移動方向HSと、指示手段の移動速度VS及び移動距離DSの少なくともいずれか一方とに基づいて、タッチパネル14に表示されたメダル画像MGの移動を、制御する。具体的には、CPU31aが、指示手段の移動方向HSに基づいて、メダル画像MGの移動方向HIを設定する。また、CPU31aは、指示手段の移動方向HSと、指示手段の移動速度VS及び移動距離DSの少なくともいずれか一方とに基づいて、メダル送出機構15の制御に要する時間TS(制御必要時間)を設定する。そして、CPU31aは、この制御必要時間TSに基づいて、メダル画像MGの移動速度VIを設定する。
【0068】
画像表示部32では、位置検出手段60と、第1画像表示手段61と、第2画像表示手段62とが、実行される。
【0069】
位置検出手段60では、図6に示すように、指示手段がタッチパネル14に接触したときに、タッチパネル14が、指示手段がタッチパネル14に接触した接触位置PSを、検出する。詳細には、タッチパネル14が、指示手段がタッチパネル14に接触した接触位置PSの情報を、検出する。なお、接触位置PSの情報には、座標データが含まれる。この座標データは、タッチパネル14の所定の位置、例えば左下の隅角部を位置PSoを、原点として、定義される。
【0070】
第1画像表示手段61では、図6に示すように、画像表示部32例えばタッチパネル14が、メダルに対応するメダル画像MGを、表示する。また、タッチパネル14は、メダルの移動状態を示すメダル画像MGの移動状態を、表示する。詳細には、第1画像表示手段61では、タッチパネル14が、制御必要時間TSに基づいて設定された速度VIで移動するメダル画像MGを、表示する。この速度VIは、上述したメダル画像MGの移動速度である。ここで、タッチパネル14に表示されたメダル画像MGが移動する方向HI(メダル画像MGの移動方向)は、指示手段の移動方向HSに対応する方向である。
【0071】
第2画像表示手段62では、図6に示すように、画像表示部32例えばタッチパネル14が、接触回数KSに対応するメダルの枚数CN1を、表示する。後述するが、このCN1の値に相当する枚数のメダルが、プレイヤ操作後に連続的に順次、送出されることになる。CN1が1ならメダル1枚のみが、またCN1が3ならメダルが1枚ずつ3回、連続的に送出される。また、タッチパネル14は、プレイヤが投入したメダルの枚数CN2を、表示する。接触回数KSに対応するメダルの枚数CN1は、CPU31aが位置情報を検出した回数に相当する。また、プレイヤが投入したメダルの枚数CN2は、メダル枚数検出装置例えばカウントホッパー15aにおいて、計算される。なお、CPU31aは、接触回数KSに対応するメダルの枚数CN1、及びプレイヤが投入したメダルの枚数CN2を、RAM30bに記録する。
【0072】
音出力部33では、サウンド処理手段70が実行される。
【0073】
サウンド処理手段70は、プッシャーゲーム装置1から出力される音を制御する。サウンド処理手段70では、CPU31aからの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成してスピーカ33aに出力する。
【0074】
上述した、制御部31、画像表示部32、記憶部30、及び音出力部33は、バス70に、接続される。制御部31、画像表示部32、記憶部30、及び音出力部33それぞれは、バス70を介して、各種の命令の伝達や、各種情報例えば各種データの伝達等を、行う。
【0075】
〔プッシャーゲーム装置の動作及び制御〕
ここでは、上記のような構成を有するメダルゲーム装置1の制御及びその動作を、説明する。図9に示す制御及び処理に関するフローについても、同時に説明する。
【0076】
まず、プレイヤがメダルをメダル投入口13に投入すると、メダルがカウントホッパー15aに収納され、カウントホッパー15aにおいてメダルの枚数が計算される(S1)。ここで、CPU31aは、カウントホッパー15aにおいて計算されたメダルの枚数を、認識する。そして、CPU31aは、このメダルの枚数を、RAM30bに記録する。すると、タッチパネル14は、プレイヤの操作対象として用いられるメダル画像MGと、メダルの枚数(送出枚数CN1、投入枚数CN2)とを、表示する(S2)。
【0077】
具体的には、図6に示すように、タッチパネル14は、メダル画像MGを、検知対象領域RK(タッチパネル14の下部領域)の中央下部に表示する。なお、ここでは、メダル画像MGの中心が、後述する搬送部15dにおける回転部315dの回転軸芯と一致するように、タッチパネル14は、メダル画像MGを表示する。なお、メダル画像MGの初期表示位置、例えばメダル画像MGの中心の座標データは、ROM30aに記録されており、CPU31aは、この座標データをROM30aから読み出し、タッチパネル14に対する表示命令を発行する。
【0078】
また、タッチパネル14は、送出するメダルの枚数CN1(以下、メダルの第1表示枚数と呼ぶ)と、投入されたメダルの枚数CN2(以下、メダルの第2表示枚数と呼ぶ)とを、右上の隅角部に表示する。なお、図6では、第1表示枚数CN1は0(枚)となっており、第2表示枚数CN2は10(枚)となっている。また、第1表示枚数CN1は、後述する接触回数KSに応じて、値が大きくなり、第2表示枚数CN2は、後述する接触回数KSに応じて、値が小さくなっていく。
【0079】
続いて、カウントホッパー15aから回転ディスク115bへと、メダルが供給される(S3)。具体的には、メダル画像MGとメダルの枚数CN1,CN2とがタッチパネル14に表示されると、CPU31aはメダルの供給命令を発行する。すると、このメダルの供給命令に基づいて、カウントホッパー15a内のメダルが、カウントホッパー15aから回転ディスク115bへと供給される。すると、メダルが、回転ディスク115bのメダル保持孔215bに嵌め込まれ、回転ディスク115bは回転する。
【0080】
次に、図6に示すように、プレイヤが、メダル画像MGを目印にして、検知対象領域RKの内部例えば検知対象領域RKの内部に表示されたメダル画像MGの位置において、自分の指をタッチパネル14に接触させると、タッチパネル14は、プレイヤが指をタッチパネル14に接触した接触位置PSを、検出する(S4)。すると、CPU31aは、この接触位置PSを認識する。なお、図6では、指の接触位置PSをメダル画像の中心に示しているが、指の接触位置PSはメダル画像の中心である必要はない。
【0081】
そして、CPU31aは、この接触位置PSを、RAM30bに記録する。ここで、例えば、プレイヤが指をタッチパネル14に複数回接触させた場合、タッチパネル14は、プレイヤが指をタッチパネル14に接触した複数の接触位置PS(後述する最終接触位置を含む)を、検出する。そして、CPU31aは、これら複数の接触位置PSを、認識し、RAM30bに記録する。
【0082】
また、CPU31aは、プレイヤが指をタッチパネル14に接触した時点の時間TJ(接触時の時間)を、検出する(S5)。そして、この時間TJをRAM30bに記録する。例えば、プレイヤが指をタッチパネル14に複数回接触させた場合は、CPU31aは、複数の接触時の時間TJ(後述する最終接触位置の時間TJ1を含む)を、RAM30bに記録する。
【0083】
続いて、CPU31aは、プレイヤの指がタッチパネル14に接触した接触回数KSを、計算し、この接触回数KSをRAM30bに記録する(S6)。すると、タッチパネル14は、この接触回数KSに対応するメダルの枚数分だけ減らしたメダルの第2表示枚数CN2を、再表示する。また、このときには、タッチパネル14は、この接触回数KSに対応するメダルの枚数分だけ増やしたメダルの第1表示枚数CN1を、再表示する(S7)。
【0084】
続いて、プレイヤが検知対象領域RKの内部において自分の指をタッチパネル14に接触させた状態で、プレイヤが自分の指を所望の方向に所望の速度で移動し、プレイヤが自分の指をタッチパネル14から離反させると、CPU31aは、指が移動する前に指が接触していた最後の接触位置PSo(最終接触位置)を基準として、指の移動状態を検知する(S8)。
【0085】
具体的には、CPU31aは、最終接触位置PSoを基準として、指の移動方向HS、指の移動速度VS、及び移動距離DSを、検知対象領域RKの内部において検知する。以下では、指の移動方向HSを指の第1移動状態とし、指の移動速度VS及び移動距離DSを指の第2移動状態とする。また、指の移動状態は、指の第1移動状態と指の第2移動状態とを含んでいる。
【0086】
ここでは、図6に示すように、まず、CPU31aは、最終接触位置PSoを、RAM30bから読み出し、認識する。次に、プレイヤが検知対象領域RKの内部において自分の指をタッチパネル14に接触させた状態で、プレイヤが自分の指を所望の方向に所望の速度で移動し(図4を参照)、プレイヤが自分の指をタッチパネル14から離反させたときに、タッチパネル14は、プレイヤが自分の指をタッチパネル14から離反させた位置PD(離反位置)を、検出する。すると、CPU31aは、この離反位置PDを、認識しRAM30bに記録する。また、CPU31aは、プレイヤが自分の指をタッチパネル14から離反させた時点の時間TJ2を認識しRAM30bに記録する。
【0087】
続いて、CPU31aは、最終接触位置PSoと離反位置PDとを結ぶ直線と、最終接触位置PSoを通る基準線例えば水平線とがなす角度HSを、計算する。すると、CPU31aは、この角度HSを、指の移動方向を規定するための角度として、RAM30bに記録する。なお、本実施形態では、指の移動方向を規定するための角度HSを、指の移動方向(指の第1移動状態)という文言で表現する場合がある。
【0088】
また、CPU31aは、最終接触位置PSoと離反位置PDとを結ぶ線分の長さDSを、計算する。すると、CPU31aは、この線分の長さDSを、指の移動距離として、RAM30bに記録する。さらに、CPU31aは、CPU31aが最終接触位置PSoを認識した時間TJ1(第1時間)と、CPU31aが離反位置PDを認識した時間TJ2(第2時間)とを、RAM30bから読み出す。そして、CPU31aは、第1時間TJ1と第2時間TJ2を用いて、指が移動を開始してから指がタッチパネル14から離反するまでの時間DTJ(移動時間DTJ=第2時間TJ2−第1時間TJ1)を、計算する。すると、CPU31aは、最終接触位置PSoと離反位置PDとを結ぶ線分の長さDSと移動時間DTJとを用いて、指の移動速度VS(=DS/DTJ)を計算する。
【0089】
なお、プレイヤが自分の指をタッチパネル14から離反させた位置が、検知対象領域RKの外部であった場合、CPU31aは、プレイヤの指が検知対象領域RKの境界を横切った位置(図6の三角記号を参照)を、計算する。そして、CPU31aは、この位置を、離反位置PDとして、認識しRAM30bに記録する。また、このときの時間を、第2時間TJ2として、認識しRAM30bに記録する。
【0090】
続いて、CPU31aは、指の第1移動状態すなわち指の移動方向HSに基づいて、メダル送出機構15におけるメダルの送出方向DMを、設定する(S9)。具体的には、CPU31aは、指の移動方向HSに対応する搬送部15dの揺動角度DMを、設定する。より具体的には、図7に示すように、CPU31aは、指が移動した方向を示す角度HSを、RAM30bから読み出し、この角度HSを、搬送部15d(一対のベルト部215d)の揺動角度DMとして、設定する。
【0091】
続いて、CPU31aは、第2移動状態すなわち指の移動速度VS及び指の移動距離DSに基づいて、メダル送出機構15におけるメダルの搬送速度VBを、設定する(S10)。メダルの搬送速度VBは、上述したベルト部の搬送速度と実質的には同じである。ここでは、CPU31aは、指の移動速度VS及び指の移動距離DSに基づいて、メダルの搬送速度に対応する一対のベルト部215dの搬送速度VBを、設定する。
【0092】
ここで、第2移動状態すなわち指の移動速度VS及び指の移動距離DSに基づいて、一対のベルト部215dの搬送速度VBを設定するときの一例を、以下に示しておく。
【0093】
まず、CPU31aは、指の移動速度VSをRAM30bから読み出し、指の移動速度VSを、所定の段階例えば5段階に評価する。具体的には、図8(a)に示すように、ROM30aには、指の移動速度VSと速度用の段階数Jvとの対応関係を示す対応テーブルが記録されており、CPU31aは、この対応テーブルを参照することによって、指の移動速度VSに対応する速度用の段階数Jvを設定する。
【0094】
図8に示した移動速度VSの境界値a1,a2,a3,a4は、所定の値に設定されている。各移動速度VSの境界値a1,a2,a3,a4は、「0<a1<a2<a3<a4」の関係を有している。具体的には、移動速度VSの境界値a1は、10(cm/s)未満の所定の値に設定され、境界値a2は、10(cm/s)以上50(cm/s)未満の範囲内において所定の値に設定される。また、境界値a3は、50(cm/s)以上100(cm/s)未満の範囲内において所定の値に設定され、境界値a4は、100(cm/s)以上の所定の値に設定される。
【0095】
次に、CPU31aは、指の移動距離DSをRAM30bから読み出し、指の移動距離DSを、所定の段階例えば5段階に評価する。具体的には、図8(b)に示すように、ROM30aには、指の移動距離DSと距離用の段階数Jdとの対応関係を示す対応テーブルが記録されており、CPU31aは、この対応テーブルを参照することによって、指の移動距離DSに対応する距離用の段階数Jdを設定する。
【0096】
図8(b)に示した移動距離DSの境界値b1,b2,b3,b4は、所定の値に設定されている。各移動距離DSの境界値b1,b2,b3,b4は、「0<b1<b2<b3<b4」の関係を有している。具体的には、移動距離DSの境界値b1は5(cm)に設定され、境界値b2は10(cm)に設定される。また、境界値b3は15(cm)に設定され、境界値b4は20(cm)に設定される。
【0097】
続いて、CPU31aは、速度用の段階数Jvと距離用の段階数Jdとに基づいて、指の移動状態を評価する。具体的には、CPU31aは、上記で設定した速度用の段階数Jvと距離用の段階数Jdとを乗算し、この乗算結果Jr(=Jv×Jd)を、評価結果として認識する。そして、CPU31aは、この評価結果Jr(乗算結果)を、RAM30bに記録する。
【0098】
すると、CPU31aは、速度用の段階数Jvと距離用の段階数Jdとを乗算した結果Jr(評価結果)を用いて、ベルト部215dの搬送速度VBを設定する。具体的には、CPU31aは、上記の評価結果Jrを、RAM30bから読み出し、ベルト部215dの搬送速度の段階数として認識する。すると、CPU31aは、ベルト部215dの搬送速度の段階数Jrとベルト部215dの搬送速度VB(設定搬送速度)との対応関係を示す対応テーブル(図8(c)を参照)を、ROM30aから読み出す。そして、CPU31aは、この対応テーブルに基づいて、ベルト部215dの搬送速度の段階数Jrに対応するベルト部215dの搬送速度VBを、認識する。すると、CPU31aは、このベルト部215dの搬送速度VBを、設定搬送速度VBfとして、RAM30bに記録する。
【0099】
図8(c)では、各評価結果Jrに対応する搬送速度VBfが、所定の値c1,c2,c3,c4,c5に設定されている。各搬送速度c1,c2,c3,c4,c5は、「0<c1<c2<c3<c4<c5」の関係を有している。具体的には、評価結果Jrが1〜5の場合は、搬送速度c1が20(cm/s)に設定され、評価結果Jrが6〜10の場合は、搬送速度c2が40(cm/s)に設定される。また、評価結果Jrが11〜15の場合は、搬送速度c3が60(cm/s)に設定され、評価結果Jrが16〜20の場合は、搬送速度c4を80(cm/s)が設定される。さらに、評価結果Jrが21〜25の場合は、搬送速度c5が100(cm/s)に設定される。
【0100】
なお、上記の図8(a)から図8(c)のパラメータは、一例であって、適宜、調整可能である。ゲーム装置の大きさや種類等に応じて、上記の対応テーブルの各パラメータを調整することによって、メダルの送出速度を最適な速度に設定される。
【0101】
なお、ここでは、対応テーブルがROM30aから読み出される場合の例を示したが、電源をオンにしてメダルゲーム装置1を起動したときに、対応テーブルをROM30aからRAM30bへと供給し、対応テーブルをRAM30bから読み出すようにしても良い。
【0102】
続いて、CPU31aは、指の移動速度VSに基づいて、メダル送出機構15の制御に要する時間(制御必要時間TS)を、設定する(S11)。ここで、制御必要時間TSは、搬送部15dの揺動に要する時間T1(揺動時間)と、最初のメダルが搬送部15dによって搬送される時間T2(搬送時間)との合計である。
【0103】
具体的には、0度から180度までの範囲において、静止状態の回転部315dを0度から1度回転する毎に必要な時間が、対応テーブル(図示しない)において定義されている。この対応テーブルは、ROM30aに記録されており、CPU31aは、この対応テーブルを参照することによって、回転部315dを、静止時の角度から揺動角度DMまで回転するときに必要な時間T1(揺動時間)を、認識する。そして、CPU31aは、この揺動時間T1を、RAM30bに記録する。
【0104】
また、搬送時間T2は、最初のメダルが搬送部15dに供給された時点から、メダルがメダル送出口18に到達する時点までの時間である。CPU31aは、上述した搬送部15dの揺動角度DMを用いて、メダルが搬送部15dに供給される位置Poと、メダル送出口18の位置Psとの距離LM(メダルの搬送距離)を、計算する。
【0105】
具体的には、CPU31aは、メダルが搬送部15dに供給される位置Poから、ゲーム装置本体10においてメダル送出口18が形成された面10a(メダル送出面)に下ろした垂直距離Loを、cosαで除算する。ここで、αは、搬送部15dが揺動した角度である。例えば、図7では、CPU31aは、「α=|DM−90(度)|」式に基づいて、αを計算する。このようにして、搬送部15dの揺動角度αが求められると、CPU31aは、この除算結果LM(=Lo/cosα)を、メダルの搬送距離として認識する。そして、CPU31aは、この搬送距離LMを、RAM30bに記録する。
【0106】
そして、CPU31aは、メダルの搬送距離LM(cm)、及び上述したメダルの搬送速度VBf(ベルト部215dの搬送速度、設定搬送速度;cm/sec)を、RAM30bから読み出す。そして、CPU31aは、メダルの搬送距離LM(cm)を設定搬送速度VBf(cm/sec)で除算し、この乗算結果T2(=LM/VBf)を搬送時間として認識する。そして、CPU31aは、この搬送時間T2を、RAM30bに記録する。
【0107】
なお、メダルは、回転部315dの上方に配置されたシャッターから搬送部15dに供給されるので、ここでは、上述した、メダルが搬送部15dに供給される位置Poは、回転部315dの回転軸芯の位置に設定されている。
【0108】
上記のようにして、制御必要時間TS(=揺動時間T1+搬送時間T2)が設定されると、CPU31aは、制御必要時間TSに基づいて、タッチパネル14上に表示するメダル画像MGの移動速度VIを、設定する(S12)。
【0109】
例えば、まず、CPU31aは、タッチパネル14に表示されたメダル画像の中心を基準にして、指の移動方向HSに延ばした直線が、メダル送出口18が形成されたメダル送出面10aに交差する位置PK(交差位置)を、計算する。次に、CPU31aは、最終接触位置PSoと交差位置PKとを結ぶ線分(メダル画像MGの移動距離)の長さLGと、上記の制御必要時間TSとに基づいて、メダル画像MGの移動速度VIを、設定する。より具体的には、CPU31aは、メダル画像MGの移動距離の長さLGを、上記の制御必要時間TSで除算することによって、メダル画像MGの移動速度VI(=LG/TS)を算出する。そして、CPU31aは、メダル画像MGの移動速度VIを、RAM30bに記録する。
【0110】
なお、メダル画像MGの移動距離LGは、メダル画像MGが実際にタッチパネル14上を移動する距離LG1(実移動距離)と、メダル画像MGがタッチパネル14の上辺とメダル送出面10aとの間を仮想的に移動する距離LG2(仮移動距離)との合計である。また、CPU31aが、メダル画像MGの移動距離LGと、実移動距離LG1と、仮移動距離LG2とを計算したときには、これらの距離LG,LG1,LG2を、RAM30bに記録する。
【0111】
続いて、CPU31aは、メダル画像MGをタッチパネル14上で移動させる命令(移動開始命令)を、発行する。すると、この移動開始命令に基づいて、タッチパネル14は、上記の移動速度VI(ステップ12で算出した移動速度)で指の移動方向HSに移動するメダル画像MGを、表示する(S13)。より具体的には、タッチパネル14は、上記の移動速度VIでメダル画像の中心の位置から交差位置PKに向けて移動するメダル画像MGを、表示する。
【0112】
一方で、CPU31aは、メダル画像MGの移動開始命令を発行したときには、搬送部15dはメダルを送出する準備を行う(S14)。すなわち、メダル画像MGがタッチパネル14において移動を開始するとともに、搬送部15dはメダルを送出する準備を行う。
【0113】
ここでは、まず、CPU31aが、搬送部15d(ベルト部215d)の搬送速度VBを、設定する。例えば、CPU31aは、設定搬送速度VBfをRAM30bから読み出し、ベルト部215dの搬送速度VBを、RAM30bから読み出した設定搬送速度VBfに設定する。すると、搬送部15dすなわちベルト部215dは、CPU31aからの命令に基づいて、設定搬送速度VBfで移動する。具体的には、CPU31aは、ベルト部215dが架け渡された回転軸を駆動する駆動モータ(図示しない)に対して、制御命令を発行する。すると、回転軸の回転速度が、駆動モータによって制御され、ベルト部215dは、設定搬送速度VBfで移動する。
【0114】
次に、CPU31aは、搬送部15dを揺動させる命令(揺動開始命令)を、発行する。すると、CPU31aは、指の移動方向HSすなわち搬送部15d(一対のベルト部215d)の揺動角度DMまで、搬送部15dを揺動させて、メダルの送出方向DMを設定する。具体的には、CPU31aは、回転部315dを駆動する駆動モータ(図示しない)に対して、制御命令を発行する。すると、回転部315dが、駆動モータによって、揺動角度DMが示す方向に回転させられる。そして、この回転部315dの回転によって、搬送部15dは揺動し、メダルの送出方向DMが設定される。なお、ここでは、搬送部15dの初期位置が、揺動角度DMが90度の位置に設定されている。
【0115】
続いて、搬送部15dの揺動が停止すると、CPU31aがシャッター開放命令を発行し、シャッターが開放される。すると、メダルが、回転ディスク115bから搬送部15dへと供給され、搬送部15dはメダルを搬送する(S15)。具体的には、シャッターが開放され、上述した接触回数KSに対応する枚数のメダルが、回転ディスク115bからベルト部215dへと供給される。すると、このメダルは、上述した設定搬送速度VBfで移動する一対のベルト部215dの間に挟持された状態で、メダル送出口18へと搬送される。
【0116】
上記をまとめると、CPU31aがメダルの移動開始命令を発行すると、メダル画像MGが移動を開始する状態が、タッチパネル14に表示され、搬送部15dの搬送速度VBが、設定搬送速度VBfに設定される。そして、搬送部15dは、ゲーム装置本体10の内部において揺動を開始する。続いて、搬送部15dが揺動しメダルの送出方向DMが設定されると、メダル画像MGが移動する状態が、タッチパネル14上に表示されている状態において、ゲーム装置本体10の内部において搬送部15dがメダルを搬送する。そして、メダル画像MGがタッチパネル14の表示範囲を外れ、所定の時間が経過すると、搬送部15dよって搬送されてきたメダルが、メダル送出口18からメダル蓄積部11に向けて送出される(S16)。
【0117】
なお、図6で説明したCN1の数字が2以上の場合には、複数のメダルが1枚ずつ順次、メダル送出口18から連続的にメダル蓄積部11に向けて送出される。ここで、搬送部15dの位置は固定されているので、当然ながら、複数枚のメダルは同じ方向に同じ速度で送出されることになる。
【0118】
そして、送出されたメダルが、メダル蓄積部11上に到着すると、このメダルによって、メダル蓄積部11上に蓄積済みのメダルが、プッシャー部12aの往復移動によって、メダル蓄積部11からメダル落下口16へ押し出される。すると、押し出されたメダルは、メダル受取口17に排出される。すると、プレイヤは、メダル受け取り口からメダルを獲得する。
【0119】
なお、ステップ16(S16)における所定の時間は、仮移動距離LG2をメダル画像MGの移動速度VIで除算したときの時間に相当する。この所定の時間が経過した後に、メダルをメダル送出口18から送出することによって、メダル画像が、タッチパネル14の表示範囲内を移動しタッチパネル14の表示範囲から外れた後に、あたかもゲーム装置本体10を通過してメダル蓄積部11に向けて飛び出したかのような効果を得ることができる。
【0120】
最後に、プレイヤが本メダルゲーム装置1を操作するときの操作形態について、説明しておく。まず、プレイヤは、タッチパネルに表示されたメダル画像MGを目印にして、自分の指をタッチパネル14に接触する。ここで、プレイヤが、複数枚のメダルの送出を希望する場合は、希望するメダルの枚数に相当する回数だけ、自分の指を、タッチパネル14に繰り返し接触する。その後、図4に示すように、プレイヤは、自分の指をタッチパネル14に接触した状態で所望の方向に所望の速度で移動させると、実際のメダルの送出方向と送出速度とが設定される。すると、図6に示すように、指の移動に連動してメダル画像MGが移動する状態が、タッチパネル14に表示される。また、メダル画像MGの表示中には、メダル送出機構15の搬送部15dの揺動(図7を参照)、及び搬送部15dにおける実際のメダルの搬送(図2を参照)が、行われる。そして、メダル画像MGが、タッチパネル14の表示範囲内を移動し、ちょうどタッチパネル14の表示範囲から外れるタイミングで、図4に示すように、実際のメダルが、メダル蓄積部11に向けて送出される。
【0121】
このように、本メダルゲーム装置1では、プレイヤが、上記のように操作することによって、タッチパネル14に表示され移動するメダル画像MGそのものが、まるでメダル送出口18から飛び出したかのような感覚で、メダルをメダル蓄積部11に向けて送出することができる。すなわち、本メダルゲーム装置1では、プレイヤが、実際のメダルに触れることなくメダル画像MGを目印にして直感的にメダルを操作する興趣と、タッチパネル14上で移動したメダル画像MGが、実際のメダルとなって送出されたかのような興趣とを、体験することができる。
【0122】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、メダルゲーム装置1の一例として、プッシャーゲーム装置の例を示したが、ゲーム装置本体10内に設けたメダル蓄積部11に向かってメダルを送出するメダルゲーム装置1であれば、どのようなものでも良い。例えば、メダル蓄積部11に到達したメダル数や、メダル蓄積部11に到達したメダル数から算出されるポイント等によって、メダルの払い出しが行われるような、メダルゲーム装置1であっても良い。
(b)前記実施形態では、1つのタッチパネル14の少なくとも一部を、検知対象領域RKとして用いる場合の例を示したが、少なくとも1つのタッチパネル14を検知対象領域RKとし、少なくとも1つの非接触タイプの表示パネルを表示専用の領域として用いるようにしても良い。この場合、プレイヤが、少なくとも1つのタッチパネル14(検知対象領域RK)に、指を接触させて移動すると、この指の移動状態がCPU31aにより検知される。すると、指の移動状態に基づいてメダル画像MGが移動する状態が、タッチパネル14(検知対象領域RK)及び非接触タイプの表示パネルに表示される。このような構成であっても、上記と同様の効果を得ることができる。
(c)前記実施形態では、搬送部15dを揺動した後に、メダルを搬送部15dにおいて搬送する場合の例を示したが、搬送部15dの揺動とメダルの搬送とを同時に行うようにしても良い。この場合、制御必要時間TSは、揺動時間T1と搬送時間T2との合計ではなく、揺動時間T1と搬送時間T2とを比較した結果、大きい方の時間(揺動時間T1又は搬送時間T2)が、制御必要時間TSとして用いられる。この場合、前記実施形態の場合より短い時間で、搬送部15dを送出可能にセットすることができるので、メダルゲーム装置1を、より効率的に制御することができる。また、このような構成であっても、上記と同様の効果を得ることができる。
(d)前記実施形態では、メダル画像MGが表示された範囲内例えばメダル画像の中心部において、指がタッチパネル14に接触し移動した場合の例を示したが、検知対象領域RKの内部であれば、指が接触する位置は、どの位置であっても良い。例えば、メダル画像MGが表示された範囲外において、指がタッチパネル14に接触し移動した場合でも、指の移動状態を前記実施形態と同様に検知することによって、メダル画像MGを前記実施形態と同様に表示し、メダルを送出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、移動体の往復移動を利用してテーブル端部からメダルを落とすように構成されたプッシャー機構と、板状の位置入力装置と、この位置入力装置に対する指示手段の接触及び移動の情報に基づいて、テーブルに向かってメダルを送出するメダル送出機構とを有するメダルゲーム装置において、利用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 メダルゲーム装置
10 ゲーム装置本体
11 メダル蓄積部(テーブル)
12 プッシャー機構
12a プッシャー部(移動体)
14 タッチパネル(板状の位置入力装置)
15 メダル送出機構
50 検知領域認識手段
51 指示位置認識手段
52 接触回数認識手段
53 移動状態検知手段
54 機構制御手段
55 画像制御手段
60 位置検出手段
61 第1画像表示手段
62 第2画像表示手段
70 サウンド処理手段
CN1 送出するメダルの枚数(第1表示枚数)
CN2 投入されたメダルの枚数(第2表示枚数)
DS 指の移動距離(指示手段の移動距離)
HS 指の移動方向(指示手段の移動方向)
Jr 指示手段の移動状態
KS 接触回数
MG メダル画像
PS 接触位置
PSo 最終接触位置
RK 検知対象領域
TS 制御必要時間(メダル送出機構の制御に要する時間)
VI メダル画像の移動速度
VM メダルの送出速度
VS 指の移動速度(指示手段の移動速度)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示機能を備えるタッチパネルと、前記タッチパネルに対する接触操作に基づいて、筺体内に設けられた送出目標領域に向かって遊技媒体を送出する出機構とを有するーム装置の送出装置において、
前記タッチパネル対して接触操作した接触位置を、認識する指示位置認識手段と、
前記指示位置認識手段の認識結果に基づいて、前送出機構を制御し、前記遊技媒体を前送出機構から送出する機構制御手段と、
を備える送出装置。
【請求項2】
前記指示位置認識手段の認識結果に基づいて、前記遊技媒体に対応付けられた遊技媒体画像を、前記タッチパネルに表示する像表示手段、をさらに備える請求項1に記載の送出装置。
【請求項3】
前記タッチパネルの表面上に、前記接触位置を検知するための検知対象領域が予め設定されてい請求項1又は2に記載の送出装置。
【請求項4】
前記接触操作した状態で前記接触位置が移動したときに、前記接触位置の始点及び終点を検知する移動検知手段をさらに備えた請求項1から3のいずれかに記載の送出装置。
【請求項5】
前記機構制御手段は、前記移動検知手段の検知結果に基づいて、前記出機構において前記遊技媒体の送出方向を設定する請求項に記載の送出装置。
【請求項6】
前記移動検知手段は、前記接触位置が始点から終点まで移動する移動時間をさらに検知し、
前記機構制御手段は、前記移動検知手段の検知結果に基づいて、前記送出機構において前記遊技媒体の送出速度を設定する請求項4又は5に記載の送出装置。
【請求項7】
前記タッチパネルに表示される前記遊技媒体画像の移を制御する画像制御手段、をさらに備え、
前記画像制御手段は、前記移動検知手段の検知結果に基づいて、前記出機構の制御に要する時間を設定し、前記時間に基づいて、前記タッチパネルに表示されるべき遊技媒体画像の移動速度を設定し、
前記像表示手段は、前記移動速度で移動する前記遊技媒体画像を、前記タッチパネルに表示する、
請求項に記載の送出装置。
【請求項8】
前記接触操作された回数を、認識する接触回数認識手段をさらに備え、
前記機構制御手段は、前記接触操作された回数に対応する個数の遊技媒体を、前記送出機構から送出する、
請求項1からのいずれかに記載の送出装置。
【請求項9】
画像表示機能を備えるタッチパネルと、前記タッチパネルに対する接触操作に基づいて、筺体内に設けられた送出目標領域に向って遊技媒体を送出する送出機構とを有するゲーム装置の送出装置を制御する制御方法において、
前記タッチパネル対して接触操作した接触位置を、認識する指示位置認識ステップと、
前記指示位置認識手段の認識結果に基づいて、前送出機構を制御し、前記遊技媒体を前送出機構から送出する機構制御ステップと、
を備える制御方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−250117(P2012−250117A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−214970(P2012−214970)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2010−204188(P2010−204188)の分割
【原出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)