説明

ゲーム装置及びゲーム方法

【課題】
従来にない、新規で奥が深く興趣あるゲームを楽しむことができるゲーム装置及びゲーム方法を提供する。
【解決手段】
ゲーム装置1は、基盤30と、基盤30上に摺動可能に設けられた複数の移動盤10と、移動盤10に載置される駒2とからなる。ゲーム装置1は、少なくとも二人の遊技者が自分の持ち駒2を移動盤10に交互に置いて対戦することができ、置くことにより、第1の攻撃を対戦者に加え、さらに置いた駒2の移動盤10を所定位置まで移動させて、第2の攻撃を対戦者に加えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム盤上に敵味方の駒を順番に載置して持ち駒数により勝敗を争うゲーム装置及びゲーム方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム装置は、盤面に縦罫線と横罫線によって升目を形成した基盤と、盤面に形成された升目に交互に一つずつ置かれる駒とからなるものがあった。そのゲーム装置の代表的なものとして、リバーシゲーム装置がある。リバーシゲーム装置は、盤面に縦方向と横方向に格子状に引かれた9本の罫線により縦横8個ずつ計64個の升目が形成されている。駒は、円板状に形成され、厚さ方向の中央において黒色と白色とに色分けされており、一方の面が白色面、他方の面が黒色面となっている。駒は、64個の升目に置けるように64枚用意されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
リバーシゲームは、対戦する遊技者が黒か白かを決め、黒の遊技者と白の遊技者が最初に盤面の中央位置の4つの升目に黒色面を上側にした駒(以下、黒駒)と白色面を上側にした駒(以下、白駒)とを交互に置き、黒遊戯者から先に黒駒を置き、次に白遊技者が白駒を置いていく。置くときは、相手の駒を挟むようにして置き、挟まれた駒は反転して挟んだ駒と同色となる。例えば、白駒で黒駒を挟んだ場合には、挟まれた黒駒は反転して白駒になり、黒駒で白駒を挟んだ場合には、挟まれた白駒は反転して黒駒になる。黒遊技者と白遊技者が順番に盤面上に駒を置いていき、64個の升目に駒が置かれたときにゲームが終了となって、黒駒が白駒より多い場合には黒遊技者が勝ちとなり、白駒が黒駒より多い場合には白遊技者が勝ちとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3162490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したゲーム装置は、升目に置いた駒は置かれた位置で反転はするが、この置かれた位置から駒を移動させることができない。従って、駒は、置くことによって一つの攻撃のみしか行うことができず、置いた駒を使ってさらに攻撃を加えることができないという問題点があった。従って、ゲーム装置は、負けゲームを勝ちゲームに大逆転するような興奮を味わえることできず、興趣に欠けるという問題点があった。例えば、ゲーム装置がリバーシゲーム装置である場合、遊技者(例えば、黒遊技者)が相手の駒(例えば白駒)を挟むと相手の駒(例えば白駒)が自分の駒(例えば黒駒)になるが、一旦置いた駒は、移動できないので、その駒を使ってさらに攻撃を加えることができない。
【0006】
本願発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、基盤と、基盤上に摺動可能に設けられた複数の移動盤とでゲーム盤を構成し、移動盤に駒を置くことによって、第1の攻撃を加え、さらに移動盤を所定位置まで移動させて第2の攻撃を加えることができるようにして、従来にない、新規で奥が深く興趣あるゲームを楽しむことができるゲーム装置及びゲーム方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願請求項1に係るゲーム装置は、上記目的を達成するため、基盤と、基盤上に摺動可能に設けられた複数の移動盤と、移動盤に載置される駒とからなることを特徴とする。
【0008】
本願請求項2に係るゲーム装置は、上記目的を達成するため、移動盤には、駒を可動不能に載置する収納凹部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本願請求項3に係るゲーム装置は、上記目的を達成するため、移動盤には、駒に形成された係合凹部又は係合凸部と係合して駒を可動不能に載置する係合突起又は係合穴部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本願請求項4に係るゲーム装置は、上記目的を達成するため、移動盤には、駒に設けられた磁石を吸着して駒を可動不能に載置する磁性板が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本願請求項5に係るゲーム装置は、上記目的を達成するため、移動盤は、略正方形に形成され、複数の駒を載置することができることを特徴とする。
【0012】
本願請求項6に係るゲーム装置は、上記目的を達成するため、基盤は、略矩形状に形成され、周縁には、前記複数の移動盤を摺動不能に配置でき、前記複数の移動盤の少なくとも一つを外すことによって、複数の移動盤を摺動可能に配置できる側壁が形成されていることを特徴とする。
【0013】
本願請求項7に係るゲーム装置は、上記目的を達成するため、基盤には、複数の横案内溝と複数の縦案内溝が形成され、移動盤には、前記横案内溝又は縦案内溝に案内される摺動軸が形成されていることを特徴とする。
【0014】
本願請求項8に係るゲーム装置は、上記目的を達成するため、前記横案内溝と前記縦案内溝の交差する交差部には、前記摺動軸を係止する係止部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本願請求項9に係るゲーム装置は、上記目的を達成するため、前記基盤は、前記移動盤を縦横4個ずつ配設でき、前記移動盤は、前記駒を縦横2個ずつ載置できることを特徴とする。
【0016】
本願請求項10に係るゲーム方法は、上記目的を達成するため、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置を用いたゲーム方法であって、基盤上に設けられた複数の移動盤に敵味方の駒を交互に載置し、敵の駒を味方の駒で挟み込んで敵の駒を味方の駒に変化させ、次に、移動盤を移動させて移動盤に載置した味方の駒を利用して、敵の駒を味方の駒で挟み込んで敵の駒を味方の駒に変化させることを特徴する。
【発明の効果】
【0017】
本願発明に係るゲーム装置は、基盤と、基盤上に摺動可能に設けられた複数の移動盤と、移動盤に載置される駒とからなる。本願発明に係るゲーム装置は、少なくとも二人の遊技者が自分の持ち駒を移動盤に交互に置いて対戦することができ、置くことにより、第1の攻撃を対戦者に加え、さらに置いた駒の移動盤を所定位置まで移動させて、第2の攻撃を対戦者に加えることができ、従来にない、新規で奥が深く興趣あるゲームを楽しむことができるという効果がある。例えば、本願発明に係るゲーム装置がリバーシゲーム装置である場合、第1の攻撃で遊技者(例えば、黒遊技者)が相手の駒(例えば白駒)を挟むように自分の駒(例えば黒駒)を移動盤に置くと、相手の駒(例えば白駒)が反転して自分の駒(例えば黒駒)になり、さらに第2の攻撃で遊技者(例えば、黒遊技者)が駒を置いた移動盤を移動させて、自分の駒(例えば黒駒)で先とは異なる位置の相手の駒(例えば白駒)を挟むと、相手の駒(例えば白駒)が反転して自分の駒(例えば黒駒)になる。本願発明に係るゲーム装置は、上記構成により、二段攻撃が可能となり、従来にない、新規なゲームを提供することができるという効果がある。
【0018】
本願発明に係るゲーム装置は、移動盤に、駒を可動不能に載置する収納凹部が形成されている。従って、本願発明に係るゲーム装置は、上記効果に加え、駒を移動盤に安定して保持することができ、移動盤を移動させても、駒が移動盤から外れたり位置がずれたりしてしまうことがないという効果がある。
【0019】
本願発明に係るゲーム装置は、移動盤に、駒に形成された係合凹部又は係合凸部と係合して駒を可動不能に載置する係合突起又は係合穴部が形成されている。従って、本願発明に係るゲーム装置は、上記効果に加え、駒を移動盤に安定して係合することができ、移動盤を移動させても、駒が移動盤から外れたり位置がずれたりしてしまうことがないという効果がある。
【0020】
本願発明に係るゲーム装置は、移動盤に、駒に設けられた磁性体を吸着して駒を可動不能に載置する磁石が設けられている。従って、本願発明に係るゲーム装置は、上記効果に加え、駒を移動盤に安定して吸着させることができ、移動盤を移動させても、駒が移動盤から外れたり位置がずれたりしてしまうことがないという効果がある。
【0021】
本願発明に係るゲーム装置は、移動盤が略正方形に形成され、複数の駒を載置することができる。従って、本願発明に係るゲーム装置は、上記効果に加え、自分の持ち駒を移動盤に置くことにより、第1の攻撃を対戦者に加え、さらに置いた駒の移動盤に複数の駒が既に載っている場合には、移動盤を所定位置まで移動させると、複数の駒で第2の攻撃を対戦者に加えることができ、斬新で、ダイナミックな興趣あるゲームを楽しむことができるという効果がある。また、移動盤に載置された複数の駒が全て自分の持ち駒である場合と、相手の駒が含まれている場合によって第2の攻撃内容が変化するので、かなり高度なゲームにすることができるという効果がある。
【0022】
本願発明に係るゲーム装置は、基盤が、略矩形状に形成され、周縁には、前記複数の移動盤を摺動不能に配置でき、前記複数の移動盤の少なくとも一つを外すことによって、複数の移動盤を摺動可能に配置できる側壁が形成されている。従って、本願発明に係るゲーム装置は、基盤上に移動盤を隙間なく載置することにより、移動盤が摺動不能となって、第1の攻撃のみしかできない通常のゲームを楽しめることができ、基盤上に隙間なく載置した複数の移動盤の少なくとも一つを外すことにより、他の移動盤が摺動可能なって、第2の攻撃も行うことができる難度の高い複雑なゲームを楽しむことができるという効果がある。
【0023】
本願発明に係るゲーム装置は、基盤に、複数の横案内溝と複数の縦案内溝が形成され、移動盤には、前記横案内溝又は縦案内溝に案内される摺動軸が形成されている。移動盤は、摺動軸が案内される横案内溝又は縦案内溝に沿って移動することができるので、基盤周縁に側壁(枠)を形成しなくても、確実に所定方向に案内されるという効果がある。
【0024】
本願発明に係るゲーム装置は、前記横案内溝と前記縦案内溝の交差する交差部には、前記摺動軸を係止する係止部が形成されている。移動盤は、摺動軸が係止部によって係止され、所定位置に確実に位置決めされ、動いてしまうことがないという効果がある。
【0025】
本願発明に係るゲーム装置は、基盤に前記移動盤を縦横4個ずつ配設でき、前記移動盤に前記駒を縦横2個ずつ載置できる。従って、本願発明に係るゲーム装置は、基盤上に移動盤を隙間なく載置することにより、移動盤が摺動不能となって、通常のリバーシゲームを楽しめることができ、基盤上に隙間なく載置した複数の移動盤の少なくとも一つを外すことにより、他の移動盤が摺動可能なって、複雑で難度の高いリバーシゲームを楽しむことができるという効果がある。
【0026】
本願発明に係るゲーム方法は、上記したゲーム装置を用いたゲーム方法であって、基盤上に設けられた複数の移動盤に敵味方の駒を交互に載置し、敵の駒を味方の駒で挟み込んで敵の駒を味方の駒に変化させ、次に、移動盤を移動させて移動盤に載置した味方の駒を利用して、敵の駒を味方の駒で挟み込んで敵の駒を味方の駒に変化させる。本願発明に係るゲーム方法は、少なくとも二人の遊技者が自分の持ち駒を移動盤に交互に置いて対戦することができ、置くことにより、第1の攻撃を対戦者に加え、さらに置いた駒の移動盤を所定位置まで移動させて、第2の攻撃を対戦者に加えることができ、従来にない、新規で奥が深く興趣あるゲームを楽しむことができるという効果がある
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本願発明に係るゲーム装置の一つの実施の形態を示す平面図である。
【図2】移動盤を外した基盤の説明図であって、(a)が平面図、(b)A−A断面図、(c)がB矢視図である。
【図3】移動盤の説明図であって、(a)が上方斜視図、(b)が下方斜視図である。
【図4】移動盤の説明図であって、(a)が平面図、(b)が側面断面図、(c)が駒を外した側面断面図、(d)が側面図である。
【図5】移動盤の他の形態を説明する斜視図である。
【図6】移動盤の他の形態を説明する斜視図である。
【図7】移動盤の摺動軸の動きを説明する説明図である。
【図8】移動盤を基盤に隙間なく配置したゲーム装置の平面図である。
【図9】移動盤を一つ外して摺動可能にしたゲーム装置の平面図である。
【図10】移動盤の動きを説明するゲーム装置の平面図である。
【図11】移動盤の動きを説明するゲーム装置の平面図である。
【図12】ゲーム装置の他の使用形態を示す平面図である。
【図13】基盤の他の実施の形態を説明する平面図である。
【図14】図14の基盤を右方から視た図であって、(a)が一部断面にした側面図、(b)が側面図である。
【図15】図14の基盤を下方から視た図であって、(a)が下面断面図、(b)が下面図である。
【図16】図14の基盤の係止部を説明する説明図であって、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図17】移動盤の他の形態を説明する説明図であって、(a)が平面図、(b)が側面図、(c)が背面図、(d)が側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願発明の一つの実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ゲーム装置1は、基盤30と、基盤30上に摺動可能に設けられた複数の移動盤10と、移動盤10に載置される駒2とからなる。ゲーム装置1は、少なくとも二人の遊技者が自分の持ち駒2を移動盤10に交互に置いて対戦することができ、置くことにより、第1の攻撃を対戦者に加え、さらに置いた駒2の移動盤10を所定位置まで移動させて、第2の攻撃を対戦者に加えることができ、従来にない、新規で奥が深く興趣あるゲームを楽しむことができる。
【0029】
例えば、図9に示すように、ゲーム装置1がリバーシゲーム装置である場合、図10に示すように、第1の攻撃で遊技者(例えば、黒遊技者)が相手の駒2(例えば白駒2a)を挟むように自分の駒2(例えば黒駒2b)を移動盤10に置くと、相手の駒2(例えば白駒2a)が反転して自分の駒2(例えば黒駒2b)になり、さらに図11に示すように、第2の攻撃で遊技者(例えば、黒遊技者)が駒2を置いた移動盤10を移動させて、自分の駒2(例えば黒駒2b)で先とは異なる位置の相手の駒2(例えば白駒2a)を挟むと、相手の駒2(例えば白駒2a)が反転して自分の駒2(例えば黒駒2b)になる。ゲーム装置1は、上記構成により、二段攻撃が可能となり、従来にない、新規なゲームを提供することができる。
【0030】
ゲーム装置1は、図3,4に示すように、移動盤10に、駒2を可動不能に載置する収納凹部20〜23が形成されている。従って、ゲーム装置1は、駒2を移動盤10に安定して保持することができ、移動盤10を移動させても、駒2が移動盤10から外れたり位置がずれたりしてしまうことがない。
【0031】
ゲーム装置1は、図5に示すように、移動盤10に、駒2に形成された係合凹部(係合孔)3又は係合凸部と係合して駒2を可動不能に載置する係合突起28又は係合穴部が形成されるようにしても良い。従って、ゲーム装置1は、駒2を移動盤10に安定して係合することができ、移動盤10を移動させても、駒2が移動盤10から外れたり位置がずれたりしてしまうことがない。
【0032】
ゲーム装置1は、図6に示すように、移動盤10に、駒2に設けられた磁石4を吸着して駒2を可動不能に載置する鉄板等の磁性板29が設けられている。従って、ゲーム装置1は、駒2を移動盤10に安定して吸着させることができ、移動盤10を移動させても、駒2が移動盤10から外れたり位置がずれたりしてしまうことがない。
【0033】
ゲーム装置1は、図3,4に示すように、移動盤10が略正方形に形成され、複数の駒2を載置することができる。従って、ゲーム装置1は、自分の持ち駒2を移動盤10に置くことにより、第1の攻撃を対戦者に加え、さらに置いた駒2の移動盤10に複数の駒2が既に載っている場合には、移動盤10を所定位置まで移動させると、複数の駒2で第2の攻撃を対戦者に加えることができ、斬新で、ダイナミックな興趣あるゲームを楽しむことができる。また、移動盤10に載置された複数の駒2が全て自分の持ち駒である場合と、相手の駒が含まれている場合によって第2の攻撃内容が変化するので、かなり高度なゲームにすることができる。
【0034】
ゲーム装置1は、図2に示すように、基盤30が、略矩形状に形成され、周縁には、前記複数の移動盤10を摺動不能に配置でき、前記複数の移動盤10の少なくとも一つを外すことによって、複数の移動盤10を摺動可能に配置できる側壁32〜35が形成されている。従って、ゲーム装置1は、図8に示すように、基盤30上に移動盤10を隙間なく載置することにより、移動盤10が摺動不能となって、第1の攻撃のみしかできない通常のゲームを楽しめることができ、図9に示すように、基盤30上に隙間なく載置した複数の移動盤10の少なくとも一つ10aを外すことにより、他の移動盤10が摺動可能なって、第2の攻撃も行うことができる難度の高い複雑なゲームを楽しむことができる。
【0035】
ゲーム装置1は、図2に示すように、基盤30に、複数の横案内溝36〜39と複数の縦案内溝46〜49が形成されている。移動盤10には、図3,4に示すように、前記横案内溝36〜39又は縦案内溝46〜49に案内される摺動軸26が形成されている。移動盤10は、摺動軸26が案内される横案内溝36〜39又は縦案内溝46〜49に沿って移動することができるので、基盤30周縁に側壁(枠)32〜35を形成しなくても、確実に所定方向に案内される。
【0036】
ゲーム装置1は、前記横案内溝36〜39と前記縦案内溝46〜49の交差する交差部に、前記摺動軸26を係止する係止部50が形成されている。移動盤10は、摺動軸26が係止部50によって係止され、所定位置に確実に位置決めされ、動いてしまうことがない。
【0037】
ゲーム装置1は、図8に示すように、基盤30に前記移動盤10を縦横4個ずつ配設でき、前記移動盤10に前記駒2を縦横2個ずつ載置できる。従って、ゲーム装置1は、基盤30上に移動盤10を隙間なく載置することにより、移動盤10が摺動不能となって、通常のリバーシゲームを楽しめることができ、図9に示すように、基盤30上に隙間なく載置した複数の移動盤10の少なくとも一つ10aを外すことにより、他の移動盤10が摺動可能なって、複雑で難度の高いリバーシゲームを楽しむことができる。
【0038】
ゲーム方法は、上記したゲーム装置1を用いたゲーム方法であって、基盤30上に設けられた複数の移動盤10に敵味方の駒2を交互に載置し、敵の駒2(例えば白駒2a)を味方の駒2(例えば黒駒2b)で挟み込んで敵の駒2(例えば白駒2a)を味方の駒2(例えば黒駒2b)に変化させ、次に、移動盤10を移動させて移動盤10に載置した味方の駒2(例えば黒駒2b)を利用して、敵の駒2(例えば白駒2a)を味方の駒2(例えば黒駒2b)で挟み込んで敵の駒2(例えば白駒2a)を味方の駒2(例えば黒駒2b)に変化させる。ゲーム装置1を用いたゲーム方法は、少なくとも二人の遊技者が自分の持ち駒2を移動盤10に交互に置いて対戦することができ、置くことにより、第1の攻撃を対戦者に加え、さらに置いた駒2の移動盤10を所定位置まで移動させて、第2の攻撃を対戦者に加えることができ、従来にない、新規で奥が深く興趣あるゲームを楽しむことができる。
【0039】
さらに、ゲーム装置1について詳細に説明する。図1に示すように、ゲーム装置1は、基盤30と、基盤30上に摺動可能に設けられた複数の移動盤10と、移動盤10に載置される駒2とからなる。図3,4に示すように、駒2は、円板状に形成され、厚さ方向の中央において黒色と白色とに色分けされており、一方の面が白色面2a、他方の面が黒色面2bとなっている。
【0040】
移動盤10は、図3,4に示すように、合成樹脂によって略正方形板状に一体成形され、盤面11の各辺にガイド壁12,13,14,15が形成されている。さらに移動盤10は、ガイド壁12〜15によって囲まれる内部空間の縦方向を仕切る仕切壁16と横方向を仕切る仕切壁17によって、前記駒2を移動不能に載置する収納凹部20,21,22,23が4つ形成されている。移動盤10の裏面(盤面11とは反対側の面)25の略中心(仕切壁16と17の交差する位置)には、摺動軸26が形成されている。
【0041】
基盤30は、図2に示すように、表面31に前記移動盤10を縦方向に4個、横方向に4個の計16個を並べて載置できるように略正方形状に形成され(図9参照)、表面31の周縁に載置した移動盤10を案内する側壁32,33,34,35が形成されている。また、基盤30の表面31には、4本の横案内溝36,37,38,39と4本の縦案内溝46,47,48,49が形成されている。この横案内溝36〜39及び縦案内溝46〜49は、前記した移動盤10の摺動軸26を案内溝の長手方向に沿って案内するように形成されている。
【0042】
前記横案内溝36〜39と前記縦案内溝46〜49の交差する交差部近傍には、交差部に位置する前記摺動軸26を係止して位置決めする複数の係止部50が形成されている。十字交差部には4つの係止部50が形成され、T字交差部には3つの係止部50が形成され、L字交差部には2つの係止部50が形成されている。係止部50は、図7に示すように、横案内溝36〜39を形成する両案内壁41,42及び縦案内溝46〜49を形成する両案内壁43,44の一方の案内壁に、斜めに切り欠き53を設けることにより形成された係止アーム51と、係止アーム51の先端に形成され、横案内溝36〜39及び縦案内溝46〜49内に突出する半円状の係止突起52とからなる。
【0043】
基盤30は、図2に示すように、表面31に前記移動盤10を縦方向に3、横方向に3個の計9個を並べて載置し(図12参照)、移動盤10の摺動軸26を嵌合して移動盤10を移動不能に固定する複数の嵌合穴55・・が形成されている。基盤30の側壁33及び35には、基盤30の表面31に載置した移動盤10を取り出しやすくするため、半円状の切り欠き56が形成されている。
【0044】
ゲーム装置1は、図8に示すように、基盤30の表面31に移動盤10を縦方向に4個、横方向に4個の計16個を並べて載置する。ゲーム装置1は、基盤30の表面31に移動盤10が隙間なく載置され、移動盤10が摺動不能に配置されている。移動盤10の摺動軸26は、横案内溝36〜39と縦案内溝46〜49の交差する交差部に位置し、係止部50によって位置決めされる。基盤30上には、移動盤10の盤面11に形成された収納凹部20〜23が整列され、縦方向に8個、横方向に8個の計64個の収納凹部の升目が形成され、この収納凹部の升目によって通常のリバーシゲームを遊ぶことができる。
【0045】
また、ゲーム装置1は、図12に示すように、嵌合穴55に摺動軸26を嵌合して、基盤30の表面31に移動盤10を縦方向に3個、横方向に3個の計9個を並べて載置する。基盤30上には、移動盤10の盤面11に形成された収納凹部20〜23が整列され、縦方向に6個、横方向に6個の計36個の収納凹部の升目が形成され、この収納凹部の升目によってサイズを小さくしたリバーシゲームを遊ぶことができる。
【0046】
ゲーム装置1は、基盤30の表面31上に移動盤10を隙間なく配置した状態から、図1に示すように、移動盤10を2つ外したり、図9に示すように、移動盤10を1つ外すことによって、他の複数の移動盤10が摺動可能となる。ゲーム装置1は、基盤30の表面31上を移動盤10が摺動可能となるようにして、難度の高い複雑なリバーシゲーム装置にすることができる。
【0047】
例えば、図9に示すように、基盤30上に設けられた複数の移動盤10に敵味方の駒2を交互に載置し、図10に示すように、第1の攻撃で遊技者(例えば、黒遊技者)が相手の駒2(例えば白駒2a)を挟むように自分の駒2(例えば黒駒2b)を移動盤10に置くと、相手の駒2(例えば白駒2a)が反転して自分の駒2(例えば黒駒2b)になり、さらに図11に示すように、第2の攻撃で遊技者(例えば、黒遊技者)が駒2を置いた移動盤10を移動させて、自分の駒2(例えば黒駒2b)で先とは異なる位置の相手の駒2(例えば白駒2a)を挟むと、相手の駒2(例えば白駒2a)が反転して自分の駒2(例えば黒駒2b)になる。ゲーム装置1は、移動盤10を摺動可能にすることで、二段攻撃が可能となり、従来にない、新規且つ複雑なリバーシゲームを楽しむことできる。
【0048】
移動盤10は、摺動軸26が横案内溝36〜39又は縦案内溝46〜49に案内されて摺動でき、横案内溝36〜39と縦案内溝46の交差部において、係止部50によって係止されて位置決めされる。図7(a)に示すように、摺動軸26は、縦案内溝46〜49を通って交差部に近付くと、図7(b)に示すように、係止突起52に接触して係止突起52を係止アーム51の弾性に抗して押し込みながら通過する。摺動軸26は、図7(c)に示すように、交差部に入ると、押し込まれた係止突起52が元の状態に復帰し、複数の係止突起52・・によって位置決めされる。このように、移動盤10は、摺動軸26が係止部50によって係止され、交差部で位置決めされる。この図7(c)の位置決めされた状態から、移動盤10を摺動させると、図7(b)に示すように、摺動軸26が係止突起52に接触して係止突起52を係止アーム51の弾性に抗して押し込みながら通過し、図7(a)に示すように、摺動軸26が係止部50による位置決めから解除される。
【0049】
ゲーム装置1は、図13に示すように、基盤30の前後方向に、駒2を収容する断面が半円状の収容凹部61,62を形成しても良い。また、図17に示すように、移動盤10の摺動軸27を断面が矩形状の矩形軸とし、基盤30に形成した嵌合穴65を矩形孔にしても良い。このようにすると、移動盤10は、摺動軸27を嵌合穴65に嵌合すると、回動不能に取り付けられる。また、横案内溝36〜39と縦案内溝46〜49の交差部で摺動軸27を係止して位置決めする係止部70は、図16に示すように、案内溝の底壁に形成され、一部を除いて周囲が切り欠かれて形成された係止アーム71と、係止アーム71の先端に形成され、横案内溝36〜39及び縦案内溝46〜49内に突出する略三角状の係止突起72とからなる。
【0050】
移動盤10は、摺動軸27が横案内溝36〜39又は縦案内溝46〜49に案内されて摺動でき、横案内溝36〜39と縦案内溝46〜49の交差部において、係止部70によって係止されて位置決めされる。摺動軸27は、縦案内溝46〜49を通って交差部に近付くと、係止突起72に接触して係止突起72を係止アーム71の弾性に抗して押し込みながら通過する。摺動軸27は、交差部に入ると、押し込まれた係止突起72が元の状態に復帰し、複数の係止突起72・・によって位置決めされる。このように、移動盤10は、摺動軸27が係止部70によって係止され、交差部で位置決めされる。位置決めされた状態から、移動盤10を摺動させると、摺動軸27が係止突起72に接触して係止突起72を係止アーム517弾性に抗して押し込みながら通過し、摺動軸27が係止部70による位置決めから解除される。
【0051】
上記実施の形態では、ゲーム装置1は、摺動軸26(27)と横案内溝36〜39及び縦案内溝46〜49によって、移動盤10が案内されるようになっており、基盤30の周囲に側壁32〜35を設けなくても構わない。また、ゲーム装置1は、摺動軸26(27)と横案内溝36〜39及び縦案内溝46〜49を備えていなくても、図9に示すように、基盤30の周囲に形成された側壁32〜35と、移動盤10のガイド壁12〜15によって、移動盤10はスムーズに摺動できるので、ゲームを楽しむことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、駒とゲーム盤からなるゲーム玩具に利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 ゲーム装置
2 駒
2a 白色面(白駒)
2b 黒色面(黒駒)
3 係合凹部(係合孔)
4 磁石
10 移動盤
10a 移動板
11 盤面
12 ガイド壁
13 ガイド壁
14 ガイド壁
15 ガイド壁
16 仕切壁
17 仕切壁
20 収納凹部
21 収納凹部
22 収納凹部
23 収納凹部
25 裏面
26 摺動軸
27 摺動軸
28 係合突起
29 磁性板
30 基盤
31 表面
32 側壁
33 側壁
34 側壁
35 側壁
36 横案内溝
37 横案内溝
38 横案内溝
39 横案内溝
41 案内壁
42 案内壁
43 案内壁
44 案内壁
46 縦案内溝
47 縦案内溝
48 縦案内溝
49 縦案内溝
50 係止部
51 係止アーム
52 係止突起
53 切り欠き
55 嵌合穴
56 切り欠き
61 収容凹部
62 収容凹部
65 嵌合穴
70 係止部
71 係止アーム
72 係止突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤と、基盤上に摺動可能に設けられた複数の移動盤と、移動盤に載置される駒とからなることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
移動盤には、駒を移動不能に載置する収納凹部がことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
移動盤には、駒に形成された係合凹部又は係合凸部と係合して駒を移動不能に載置する係合突起又は係合穴部がことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項4】
移動盤には、駒に設けられた磁石を吸着して駒を移動不能に載置する磁性板が設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
移動盤は、略正方形に形成され、複数の駒を載置することができることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
基盤は、略矩形状に形成され、周縁には、前記複数の移動盤を摺動不能に配置でき、前記複数の移動盤の少なくとも一つを外すことによって、複数の移動盤を摺動可能に配置できる側壁がことを特徴とする請求項5記載のゲーム装置。
【請求項7】
基盤には、複数の横案内溝と複数の縦案内溝が形成され、移動盤には、前記横案内溝又は縦案内溝に案内される摺動軸がことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記横案内溝と前記縦案内溝の交差する交差部には、前記摺動軸を係止する係止部がことを特徴とする請求項7記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記基盤は、前記移動盤を縦横4個ずつ配設でき、前記移動盤は、前記駒を縦横2個ずつ載置できることを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置を用いたゲーム方法であって、
基盤上に設けられた複数の移動盤に敵味方の駒を交互に載置し、
敵の駒を味方の駒で挟み込んで敵の駒を味方の駒に変化させ、
次に、移動盤を移動させて移動盤に載置した味方の駒を利用して、敵の駒を味方の駒で挟み込んで敵の駒を味方の駒に変化させることを特徴するゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−254227(P2012−254227A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129635(P2011−129635)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(591274532)株式会社メガハウス (8)