ゲーム装置
【課題】プッシャーゲームにおいて、遊技媒体をフィールドへ払出す。
【解決手段】プッシャーゲーム装置10は、ステーション100と中央抽選装置200とを備える。ステーション100は、プッシャーゲームを実行し、その結果に応じてメダルMの払出しを指示する第1制御部140と、第1制御部140に指示されてフィールドFにメダルMを払出す第1払出部130とを備える。中央抽選装置200は、プッシャーゲームにおいて所定の条件が充足されると第2スロットゲームを実行し、その結果に応じてメダルMの払出しを指示する第2制御部230と、第2制御部230に指示されてフィールドFにメダルMを払出す第2払出部220とを備える。第2制御部230は、第2払出部220による払出しが不能な異常状態であると判定した場合に、メダルMの払出しの指示先を、第2払出部220から第1制御部140に切り替える。
【解決手段】プッシャーゲーム装置10は、ステーション100と中央抽選装置200とを備える。ステーション100は、プッシャーゲームを実行し、その結果に応じてメダルMの払出しを指示する第1制御部140と、第1制御部140に指示されてフィールドFにメダルMを払出す第1払出部130とを備える。中央抽選装置200は、プッシャーゲームにおいて所定の条件が充足されると第2スロットゲームを実行し、その結果に応じてメダルMの払出しを指示する第2制御部230と、第2制御部230に指示されてフィールドFにメダルMを払出す第2払出部220とを備える。第2制御部230は、第2払出部220による払出しが不能な異常状態であると判定した場合に、メダルMの払出しの指示先を、第2払出部220から第1制御部140に切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシャーゲームのゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、往復運動を繰り返すプッシャーテーブルが配置されたフィールドの面上の大量のメダルのなかに利用者により投入されたメダルがプッシャーテーブルで押され、その影響で既存のメダルが移動してフィールドの端部から落下するプッシャーゲームのゲーム装置の一種として、フィールドに載置された遊技媒体を獲得する第1ゲーム(プッシャーゲーム)を実行する第1装置と、第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行し、第2ゲームの結果に応じた数の遊技媒体を当該フィールド上に払出す第2装置とを備えたゲーム装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−206644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のゲーム装置では、第2の装置において、メダルをフィールド上に払出す払出部に異常が生じ、この払出部からフィールド上にメダルを払出せなくなると、フィールドへのメダルの払出しが正しく行われなくなり、第1装置と第2装置とによってなされる一連のゲームを正常に進行させることが出来なくなるので、ゲーム装置全体を停止させる必要があった。
そこで、本発明は、第1装置と第2装置とのいずれか一方の払出部からフィールド上にメダル等の遊技媒体を払い出せなくとも、フィールドへの遊技媒体の払出しが行われるようにすることを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明に係るゲーム装置(10)は、フィールド(F)に載置された遊技媒体(M)を獲得する第1ゲームを実行する第1装置(100)と、前記第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行する第2装置(200)とを備えたゲーム装置(10)であって、前記第1装置(100)は、前記第1ゲームの結果に応じて前記遊技媒体(M)の払出しを指示する第1制御部(140)と、前記第1制御部(140)からの指示を受けて前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出す第1払出部(130)とを備え、前記第2装置(200)は、前記第2ゲームの結果に応じて前記遊技媒体(M)の払出しを指示する第2制御部(230)と、前記第2制御部(230)からの指示を受けて前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出す第2払出部(220)とを備え、前記第2制御部(230)は、所定の特定条件が充足された場合に、前記遊技媒体(M)の払出しの指示先を、前記第2払出部(220)から前記第1制御部(140)に切り替え、前記第1制御部(140)は、前記第2制御部(230)から前記遊技媒体(M)の払出しの指示を受けた場合、前記第1払出部(130)より前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出すように制御する。以上の構成では、所定の特定条件が充足されれば、フィールド(F)へ遊技媒体(M)を払出す払出部が第2払出部(220)から第1払出部(130)に切り替えられるから、所定の特定条件を適宜に定めることにより、第2払出部(220)からフィールド(F)への遊技媒体(M)の払出しが不能となった場合でも、フィールド(F)への遊技媒体(M)の払出しを行うことが出来る。
【0007】
本発明の好適な態様において、複数の前記第1装置(100)と、これらに共通の前記第2装置(200)とを備え、前記第2装置(200)は、複数の前記第1装置(100)の各々で実行される前記第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合、前記第2ゲームを実行し、前記第2制御部(230)は、前記第2ゲームの結果に応じて複数の前記第1装置(100)のいずれに前記遊技媒体(M)を払出すかを指示し、前記第2払出部(220)は、前記第2制御部(230)からの指示を受けて指定された前記第1装置(100)の前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出し、前記第2制御部(230)は、前記所定の特定条件が充足された場合に、前記遊技媒体(M)の払出しの指示先を、前記第2払出部(220)から前記遊技媒体(M)を払出す前記第1装置(100)の前記第1制御部(140)に切り替える。以上の構成では、第2装置(200)が複数の第1装置(100)に共用されるが、所定の特定条件が充足されれば、フィールド(F)へ遊技媒体(M)を払出す払出部がし第2払出部(220)から第1払出部(130)に切り替えられるから、所定の特定条件を適宜に定めることにより、ゲーム装置(10)が複数の第1装置(100)を備えている場合において第2払出部(220)からフィールド(F)への遊戯媒体(M)の払出しが不能となった場合でも、フィールド(F)への遊戯媒体(M)の払出しを行うことが出来る。
なお、複数の第1装置(100)を備える場合、第2装置(200)で実行する第2ゲームは、複数の第1装置(100)のいずれかで所定の条件が充足されることによって実行される。ここで、第2ゲームは所定の条件を充足した第1装置(100)にのみ関係し、第2ゲームの結果による遊技媒体(M)の払出しを当該第1装置(100)に対してだけ実行してもよい。あるいは、第2ゲームは他の第1装置(100)も関係し、第2ゲームの結果による遊技媒体(M)の払出しを当該第1装置(100)のみならず他の第1装置(100)に対して実行してもよい。
【0008】
本発明の好適な態様において、前記所定の特定条件を、前記第2制御部(230)が前記第2払出部(220)へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、前記遊技媒体(M)の払出しが不能となる異常状態であると前記第2制御部(230)が判定した場合とする。以上の構成では、払出しが不能となる異常状態であるか否かを調べる試行が、第2払出部(220)からの払出しの度に行われる。遊技媒体(M)を追加すれば解消するエンプティのように、異常状態には各種装置の修理や交換なしに解消するものもあるから、この態様によれば、不要な切り替えが発生する確率を低下させることができる。また、払出しの度に同じ処理を繰り返すことになるから、制御が単純という利点もある。
【0009】
本発明の好適な態様において、前記ゲーム装置(10)は、フラグを記憶する記憶部(202又は102)を備え、前記第2制御部(230)は、前記第2払出部(220)へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、前記遊技媒体(M)の払出しが不能となる異常状態であると判定した場合、当該異常状態を示すフラグ(異常フラグ)を前記記憶部(202又は102)に記憶し、前記所定の特定条件を、前記記憶部(202又は102)に記憶されたフラグが前記異常状態を示す場合とする。以上の構成では、払出しが不能となる異常状態であると判定されると、これが記憶され、次回の払出しにおいては、上記の判定を行うことなく、この記憶に基づいて払出部が切り替えられる。ジャムのように、異常状態には各種装置の修理や交換なしには解消し難いものもあるから、この態様には、異常状態になった後の処理を簡略化することで高速化可能という利点がある。
ここで、記憶部(202又は102)は第1装置(100)に備えてもよいし、あるいは、第2装置(200)に備えてもよい。但し、第2装置(200)に記憶部(202)を設ければ、第2制御部(230)がフラグを書き込む場合に第1装置(100)にフラグに係る情報を送信してなくても良いので、構成を簡素化できる。
【0010】
本発明の好適な態様において、前記ゲーム装置(10)は、フラグを記憶する記憶部(202又は102)を備え、前記第2制御部(230)は、前記第2払出部(220)へ払出しの指示を無効とする設定を示すフラグ(無効フラグ)を前記記憶部(202又は102)に記憶し、前記所定の特定条件を、前記記憶部(202又は102)に記憶されたフラグが前記無効を示す場合とする。以上の構成では、無効フラグを記憶させることにより、強制的に払出部を切り替えることができる。これは、第2払出部の動作が不安定な場合など、管理者の意思で第2払出部(230)を一時的に使用したくない場合などに便利である。
ここで、記憶部(202又は102)は第1装置(100)に備えてもよいし、あるいは、第2装置(200)に備えてもよい。但し、第2装置(200)に記憶部(202又は102)を設ければ、第2制御部(230)がフラグを書き込む場合に第1装置(100)にフラグを送信してなくても良いので、構成を簡素化できる。
【0011】
本発明の好適な態様において、前記第2制御部(230)は、前記遊技媒体(M)の払出しの指示先の切り替えを実行したことを示す情報を出力する。以上の構成では、人が異常状態に気付きやすくなるから、異常状態が解消するまでの時間の短縮に寄与する。
【0012】
本発明に係る別のゲーム装置は、フィールド(F)に投入された遊技媒体(M)を獲得する第1ゲームを実行する第1装置と、前記第1ゲームにおいて所定の特定条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行する第2装置とを備えたゲーム装置であって、前記第1装置は、前記第1ゲームの結果に応じて前記遊技媒体(M)の払出しを指示する第1制御部(140)と、前記第1制御部(140)からの指示を受けて前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出す第1払出部(130)とを備え、前記第2装置は、前記第2ゲームの結果に応じて前記遊技媒体(M)の払出しを指示する第2制御部(230)と、前記第2制御部(230)からの指示を受けて前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出す第2払出部(220)とを備え、前記第1制御部(140)は、所定の特定条件を充足した場合、前記遊技媒体(M)の払出しの指示先を、前記第1払出部(130)から前記第2制御部(230)に切り替え、前記第2制御部(230)は、前記第1制御部(140)から前記遊技媒体(M)の払出しの指示を受けた場合、前記第2払出部(220)より前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出すように制御する。以上の構成では、所定の特定条件が充足されれば、フィールド(F)へ遊技媒体(M)を払出す払出部が第1払出部(130)から第2払出部(220)に切り替えられるから、所定の特定条件を適宜に定めることにより、第1払出部(130)からフィールド(F)への遊技媒体(M)の払出しが不能となった場合でも、フィールド(F)への遊技媒体(M)の払出しを行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るプッシャーゲーム装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】プッシャーゲーム装置10のステーション100と中央抽選装置200との構成を示す模式図である。
【図3】中央抽選装置200のメダル供給部211とメダル搬送部212との関係を示す平面図である。
【図4】プッシャーゲーム装置10におけるメダルMの流れを示す模式図である。
【図5】プッシャーゲーム装置10におけるボールBの流れを示す模式図である。
【図6】ステーション100および中央抽選装置200の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】ステーション100の第1払出部130の詳細を説明するための図である。
【図8】第1払出部130の第1送出部132の詳細を説明するための図である。
【図9】ステーション100の第1制御部140及び中央抽選装置200の第2制御部230が行う処理の一部を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の変形例1に係るフローチャートである。
【図11】実施形態の変形例2に係るフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<A:実施形態の構成>
<A−1:全体>
図1は、本発明の一実施形態に係るプッシャーゲーム装置10の構成を示すブロック図である。プッシャーゲーム装置10は、店舗などの遊技施設内に設置されて利用者に利用されるゲーム装置であり、図1に示すように、通信網20を介して施設サーバ30と通信可能である。施設サーバ30は、遊技施設内のゲーム装置の管理者に操作されるサーバ装置(コンピュータシステム)であり、各種の画像を表示する表示部304を備え、遊技施設内に設置される。通信網20は、遊技施設内に構築されたLAN(local area network)であり、その内部の通信経路にはゲートウェイやルータなどの通信機器が適宜に配置され得る。
【0015】
なお、通信網20として、インターネットを利用したWAN(wide area network)やVPN(virtual private network)を採用してもよい。この場合、施設サーバ30を遊技施設外に設置してもよい。また、プッシャーゲーム装置10が設置される場所は、「遊戯施設」に限らずどのような場所でも構わない。
【0016】
プッシャーゲーム装置10は、4台のステーション100と1台の中央抽選装置200とを備える。4台のステーション100の各々は、利用者に操作されるコンピュータシステムであり、通信網20を介して中央抽選装置200と通信する。中央抽選装置200は、通信網20を介して各ステーション100及び施設サーバ30と通信するコンピュータシステムである。なお、各ステーション100と施設サーバ30とが通信するようにしてもよい。または、プッシャーゲーム装置内に別の中継サーバを備え、各ステーション100と中央抽選装置200と施設サーバ30とがそれぞれ中継サーバを介して通信するようにしてもよい。
【0017】
<A−2:要部の概要>
図2は、1台のステーション100と1台の中央抽選装置200との構成を示す模式図である。なお、図2では通信網20の図示が省略されている。図2に示すように、ステーション100は、メインテーブル111とプッシャーテーブル112とメダル投入部113と払出口120とを備える。メインテーブル111は、略水平に固定された板状の部材である。プッシャーテーブル112は、メインテーブル111上に配置された板状の部材であり、例えば利用者からみて前後の方向にメインテーブル111の上面に沿って反復的に往復する。メインテーブル111の上面およびプッシャーテーブル112の上面(以下では両者を総称して「フィールド」と表記する場合がある)Fには複数のメダルMが無作為に載置される。なお、「メダル」とは、ゲームに参加するために必要な有体の遊技媒体の全般を意味する。現実の硬貨や代用硬貨(例えばコイン,トークン)も「メダル」の一種である。
【0018】
メダル投入部113は、利用者が投入したメダルMをプッシャーテーブル112上に供給する。なお、メダル投入部113からメインテーブル111上にメダルMを供給する構成としてもよい。プッシャーテーブル112が前方(利用者からみて手前側)に移動したときにプッシャーテーブル112の面上(プッシャーテーブル112のうち壁面114からの操出分に相当しメダルMがまだ存在しない領域)にメダル投入部113から投入されて排出されたメダルMは、プッシャーテーブル112が後方に移動するときに壁面114に押され、その影響で、プッシャーテーブル112の端部のメダルMがさらに押されることでメインテーブル111の面上に落下する。このメダルMがプッシャーテーブル112に押されて移動すると、このメダルMによって押された既存のメダルMが順次に押されてメインテーブル111の端部(周縁)から落下する。
【0019】
メインテーブル111の端部のうちメダルMが落下し得る端部は、有効端EAと無効端EBとに区分される。有効端EAは、プッシャーテーブル112の往復の方向に沿って見たときにメインテーブル111を挟んでプッシャーテーブル112とは反対側の端部(すなわち、利用者からみて手前側に位置する端部)である。他方、無効端EBは、メインテーブル111の端部のうち有効端EA以外でメダルMが落下し得る部分である。具体的には、利用者からみてメインテーブル111の右側および左側に位置する端部が無効端EBに相当する。無効端EBからの落下において、メダルMは、無効端EBと図示しない部材との隙間を通る。なお、無効端EBは、実際には利用者から見えないように他の部材で覆われる。
【0020】
払出口120は、利用者が利用し得るメダルを利用者に対して排出する開口部であり、メインテーブル111の有効端EAから落下したメダルMは払出口120から利用者に払出される。このように、ステーション100は、フィールドFに載置されたメダルMをメダルの投入で落下させて獲得するプッシャーゲーム(第1ゲーム)を実行することができる。
【0021】
ステーション100は、メダル供給部115とボール供給部116とを備える。メダル供給部115は、複数のメダルMをメインテーブル111上に供給する。したがって、メインテーブル111の端部から落下するメダルMには、メダル供給部115からメインテーブル111上に供給されたメダルMも含まれ得る。なお、メダル供給部115からプッシャーテーブル112上にメダルMを供給するようにしてもよい。ボール供給部116は、ボールBをプッシャーテーブル112上に供給する。ボールBは、メダルMと同様に、メインテーブル111の端部から落下する遊技媒体である。ただし、無効端EBと図示しない部材との隙間は、ボールBの直径よりも狭い。したがって、ボールBは、無効端EBから落下せず、必ず有効端EAから落下する。なお、ボール供給部116からメインテーブル111上にボールBを供給するようにしてもよい。
【0022】
中央抽選装置200は、メダル供給部211とメダル搬送部212とを備える。メダル供給部211は、複数のメダルMをメダル搬送部212に供給する。メダル搬送部212は、メダル供給部211から供給されたメダルMを搬送し、メインテーブル111上に供給する。したがって、メインテーブル111の端部から落下するメダルMには、メダル搬送部212からメインテーブル111上に供給されたメダルMも含まれ得る。なお、メダル搬送部212からプッシャーテーブル112上にメダルMを供給するようにしてもよい。
【0023】
図3は、メダル供給部211とメダル搬送部212との関係を示す平面図であり、プッシャーゲーム装置10を鉛直上方から見下ろしたときのものである。図3に示すように、4台のステーション100は、メダル供給部211を囲むように配置されている。メダル搬送部212はステーション100毎に設けられている。これらのメダル搬送部212の各々は、図2に示すように、メダルMの流路となる凹部を有し、図3に示すように、対応するステーション100のメインテーブル111とメダル供給部211との間にメダルMの流路が架け渡されるように配置されている。
【0024】
メダル供給部211は、鉛直方向を回転軸として回転可能であり、その側面に設けられたメダル排出部2111からメダルを排出する。図2に示すように、メダル排出部2111は、メダルMの流路となる凹部を有する。図3に示すように、メダル供給部211からメインテーブル111へのメダルMの供給は、メダル供給部211を回転させ、このメインテーブル111に対応するメダル搬送部212のメダルMの流路と、メダル排出部2111のメダルMの流路とを揃えてから、メダル排出部2111からメダル供給部211にメダルMを排出させることによって行われる。つまり、メダル供給部211は総てのステーション100に共用される。
【0025】
<A−3:メダルMの流れ>
図4は、プッシャーゲーム装置10におけるメダルMの流れを示す模式図である。図4に示すように、ステーション100は、第1払出部130と、第1払出部130を制御する第1制御部140とを備える。第1払出部130は、メインテーブル111の無効端EBから落下したメダルM(親落ちのメダルM)を貯留し、貯留したメダルMを、第1制御部140の制御の下、図2のメダル供給部115を介してメインテーブル111上に払出したり、中央抽選装置200の第2払出部220に払出したりするホッパ(ペイホッパ)である。
【0026】
中央抽選装置200は、第2払出部220と、第2払出部220を制御する第2制御部230とを備える。第2払出部220は、第2制御部230に制御され、第1払出部130から払出されたメダルMを貯留し、第2制御部230の制御の下、図2のメダル搬送部212からメインテーブル111上に払出す。また、ステーション100は、第1制御部140に制御される第3払出部150を備える。第3払出部150は、フィールドFの有効端EAから落下したメダルMを、第1制御部140の制御の下、払出口120から利用者に払出すホッパ(カウントホッパ)である。
【0027】
<A−4:ボールBの流れ>
図5は、プッシャーゲーム装置10におけるボールBの流れを示す模式図である。図5に示すように、ステーション100は、第1制御部140に制御される第4払出部160を備える。第4払出部160は、メインテーブル111から落下したボールBを貯留し、第1制御部140の制御の下、図2のボール供給部116を介してプッシャーテーブル112上に払出す機構である。図5から明らかなように、ボールBは、ステーション100内のみで利用され、有効端EAから落下するが、無効端EBから落下することも、利用者によって投入されることも、利用者に対して払出されることもない。
【0028】
<A−5:要部の詳細>
図6は、ステーション100および中央抽選装置200の電気的構成を示すブロック図である。図6に示すように、ステーション100は、演算処理装置101と記憶部102と通信部103と表示部104と払出口120とゲーム機構部110と搬送機構部170とを含んで構成される。演算処理装置101は、記憶部102に記憶されたプログラムを実行することで第1制御部140を実現する。
【0029】
記憶部102は、演算処理装置101が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。半導体記憶媒体や磁気記録媒体などの公知の記憶媒体や記録媒体、または複数種の記憶媒体や記録媒体の組合せが記憶部102として任意に採用される。通信部103は、演算処理装置101と通信網20との間で通信を中継する。第1制御部140は、通信部103を介して各種の指示を送受信する。表示部104は、第1制御部140に制御されて各種の画像を表示する。
【0030】
ゲーム機構部110は、利用者がプッシャーゲームを実行するための機構である。図2に示すように、ゲーム機構部110は、メインテーブル111とプッシャーテーブル112とメダル投入部113とメダル供給部115とボール供給部116とメダル検出部117とボール検出部118とを含んで構成される。
【0031】
メダル検出部117は、所定の第1メダル位置を通過したメダルMを検出する。第1メダル位置は、メインテーブル111の有効端EAから落下したメダルMが通過し得る位置(必ずしも通過しない位置)である。メダル検出部117によってメダルMが検出されると、第1制御部140は第1スロットゲームを実行する。第1スロットゲームでは、第1制御部140は、電子的な抽選(通常抽選)を実行し、通常抽選の結果(小当たり/ボール当たり/ハズレ)を示す画像を表示部104に表示させる。例えば、図2において表示部104に表示されている画像は、ボール当たりを示す画像である。また、第1制御部140は、通常抽選の結果が小当たりの場合には、複数(例えば30枚)のメダルMのフィールドF上への払出しを搬送機構部170に指示し、ボール当たりの場合には1個のボールBの払出しを搬送機構部170に指示する。
【0032】
ボール検出部118は、所定のボール位置を通過したボールB、具体的にはメインテーブル111(有効端EA)から落下したボールBを検出する。
【0033】
搬送機構部170は、図2に示すように、第1払出部130と第3払出部150と第4払出部160とを含んで構成される。第1払出部130は、第1貯留部131と第1送出部132とを含んで構成される。図7に示すように、第1貯留部131は、複数のメダルMを貯留する容器(ホッパタンク)であり、メインテーブル111の無効端EBから落下したメダルMを貯留する。第1送出部132は、第1貯留部131の底面に設置されて第1貯留部131に貯留されたメダルMをメダル供給部(115又は211)に送出する。
【0034】
図8に示すように、第1送出部132は、第1貯留部131の底面に設置されて円周上に配置されたメダル保持穴821にメダルMを1枚ずつ保持する円盤状の回転体(ローターディスク)82と、回転体82を回転させることでメダルMを1枚ずつ第1貯留部131の外部に送出する駆動部84(例えばモータ)と、回転体82から送出されるメダルMを検出する検出部86とを含んで構成される。検出部86が検出したメダルMの枚数に応じて駆動部84が回転体82を駆動または停止することで、第1送出部132が第1貯留部131から送出するメダルMの枚数を任意に制御することが可能である。
【0035】
第3払出部150は、複数のメダルMを貯留可能な第3貯留部151と、第3貯留部151内のメダルMを払出口120に送出する第3送出部152とを含んで構成される。第3貯留部151が第1貯留部131と異なる点は、貯留可能なメダルMが、無効端EBから落下したメダルMではなく、有効端EAから落下したメダルMである点のみである。
【0036】
第3送出部152は、第1送出部132と同様に、回転体82と駆動部84と検出部86とを含んで構成される。また、有効端EAから落下したメダルMを第3貯留部151に搬送する経路の途中には、メダルMを検出するセンサ(図示略)が設置される。第3送出部152の駆動部84は、このセンサがメダルMを検出した場合に回転体82を駆動させる。回転体82を回転させ続けても検出部86がメダルMを検出しなくなった場合(すなわち、第3貯留部151内のメダルMが無くなった場合)、駆動部84は回転体82を停止させる。つまり、第3送出部152は、有効端EAから第3貯留部151に落下したメダルMの全部を直ちに払出口120に送出する。したがって、第3貯留部151は、通常は空の状態に維持される。
【0037】
第4払出部160は、第4貯留部161と第4送出部162とを含んで構成される。第4貯留部161は、複数のボールBを貯留する容器であり、フィールドFから落下したボールBを貯留する。第4送出部162は、第4貯留部161に貯留されたボールBをボール供給部116に送出する。
【0038】
図6に示すように、中央抽選装置200は、演算処理装置201と記憶部202と通信部203と表示部204と第2払出部220とを含んで構成される。演算処理装置201は、記憶部202に記憶されたプログラムを実行することで第2制御部230を実現する。記憶部202は、演算処理装置201が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。半導体記憶媒体や磁気記録媒体などの公知の記憶媒体や記録媒体、または複数種の記憶媒体や記録媒体の組合せが記憶部202として任意に採用される。
【0039】
通信部203は、演算処理装置201と通信網20との間で通信を中継する。第2制御部230は、通信部203を介して各種の指示を送受信する。表示部204は、中央抽選装置200に設けられ、第2制御部230に制御されて各種の画像を表示する。
【0040】
第2制御部230は、第2スロットゲームの(第2ゲーム)実行指示を受信すると、受信した実行指示の送信元のステーション100について第2スロットゲームを実行する。第2スロットゲームでは、第2制御部230は、電子的な抽選(特別抽選)を実行し、特別抽選の結果(大当たり/ハズレ)を、表示部204に表示させる。例えば、図2において表示部204に表示されている画像は、大当たり(1500枚)を示す画像である。また、第2制御部230は、特別抽選の結果が大当たりの場合には、そのステーション100のメインテーブル111上への複数(500枚、1000枚または1500枚)のメダルMの払出しを第2払出部220に指示する。
【0041】
第2払出部220は、払出機構部240とメダル供給部211とメダル搬送部212とメダル検知部250と方向検出部260とを含んで構成され、第2制御部230からメダルMの払出しを指示されると、この指示に応答してメダルMの払出しを行う。払出機構部240は、第1払出部130から第2払出部220に払出されたメダルMを貯留し、貯留したメダルMを、第2制御部230の制御の下、メダル供給部211に払出すホッパ(ペイホッパ)であり、第2貯留部241と第2送出部242とを含んで構成される。
【0042】
第2貯留部241が図7の第1貯留部131と異なる点は、無効端EBから落下したメダルMではなく、第1払出部130から第2払出部220に払出されたメダルMを貯留する点のみである。第2送出部242は、図7の第1送出部132と同様に、回転体82と駆動部84と検出部86とを含んで構成される。したがって、第2送出部242は、任意の枚数のメダルMを第2貯留部241からメダル供給部211に送出することが可能である。
【0043】
メダル検知部250は、所定位置におけるメダルMを検知するセンサであり、所定の第2メダル位置にメダルMが存在する場合には第1レベルの信号を出力し、第2メダル位置にメダルMが存在しない場合には第1レベルとは異なる第2レベルの信号を出力する。第2メダル位置は、第2送出部242から送出されたメダルMが必ず通過する位置である。なお、メダル検知部250として、第2メダル位置にメダルMが存在する場合には信号を出力し、第2メダル位置にメダルMが存在しない場合には信号を出力しないセンサを採用してもよい。方向検出部260は、メダル供給部211の向きを検出し、検出した向きを示す信号を出力する。メダル供給部211の向きは、メダル供給部211の回転軸での所定の基準位置に対するメダル排出部2111の相対位置である。なお、方向検出部260としては、回転角度センサを例示可能である。
【0044】
<B:実施形態の動作>
図9は、第1制御部140及び第2制御部230が行う処理の一部を示すフローチャートである。図9に示すように、第1制御部140は、メダル検出部117の検出結果に基づいて、第1メダル位置をメダルMが通過したか否かを判定する(SA1)。この判定の結果が否定の場合、ステップSA1に戻る。すなわち、第1制御部140は、第1メダル位置をメダルMが通過するまで、ステップSA1の処理を繰り返し実行する。
【0045】
第1メダル位置をメダルMが通過してステップSA1の判定の結果が肯定となると、第1制御部140は、第1スロットゲームを実行して通常抽選を行い、その結果を表示部104に表示させる(SA2)。そして、通常抽選の結果が「ハズレ」の場合、ステップSA1に戻る。通常抽選の結果が「小当たり」の場合、第1制御部140は、複数(例えば30枚)のメダルMのフィールドFへの払出しを搬送機構部170に指示する。これにより、複数(例えば30枚)のメダルMが、図2の第1払出部130から払出され、メダル供給部115を介してメインテーブル111上に供給される。そして、ステップSA1に戻る。通常抽選の結果が「ボール当たり」の場合、第1制御部140は、1個のボールMのフィールドFへの払出しを搬送機構部170に指示する。これにより、1個のボールMが、図2の第4払出部160から払出され、ボール供給部116を介してプッシャーテーブル112上に供給される。そして、ステップSA1に戻る。
【0046】
一方、第1制御部140は、ボール検出部118の検出結果に基づいて、メインテーブル111(有効端EA)からボールBが落下したか否か、すなわちボール位置をボールBが通過したか否かを判定する(SB1)。この判定の結果が否定の場合、ステップSB1に戻る。すなわち、第1制御部140は、ボール位置をボールBが通過するまで、ステップSB1の処理を繰り返し実行する。
【0047】
ボール位置をボールBが通過してステップSB1の判定の結果が肯定となると、第1制御部140は、ボール位置を通過したボールBの計数値(BC)に1を加算し(SB2)、BCが5の倍数であるか否かを判定する(SB3)。この判定の結果が否定の場合、第1制御部140は、ステップSB1の処理を実行する。BCが5の倍数となり、ステップSB3の判定の結果が肯定となると、第1制御部140は、第2スロットゲームの実行を命じる実行指示を、中央抽選装置200の第2制御部230へ送信する(SB4)。そして、ステップSB1に戻る。すなわち、第1制御部140は、BCが5の倍数となるまで、ステップSB1〜SB4の処理を繰り返し実行する。
【0048】
中央抽選装置200の第2制御部230は、第2スロットゲームの実行を命じる実行指示を受信すると(SD1)、以下の処理を行う。まず第2制御部230は、第2スロットゲームを実行して特別抽選を行い、その結果を表示部204に表示させる(SD2)。そして、特別抽選の結果が「ハズレ」の場合、第2制御部230は第2スロットゲームを終了させる。特別抽選の結果が「大当たり」の場合、第2制御部230は、実行指示の送信元のステーション100(以降、「対象ステーション100」と記す)のフィールドFへの複数(500、1000又は1500枚)のメダルMの払出しを第2払出部220に指示する。具体的には、対象ステーション100と払出すメダルMの枚数とを示す信号を第2払出部220に供給する。
【0049】
メダルMの払出しを指示された第2払出部220では、まず、メダル供給部211が、メダル排出部2111におけるメダルMの流路と、対象ステーション100に対応するメダル搬送部212におけるメダルMの流路とが揃うように回転し、次に、払出機構部240が、指示された枚数のメダルMのメダル供給部211への払出しを開始する。
【0050】
メダルMの払出しの指示の後、第2制御部230はメダルMの払出しを監視する。具体的には、中央抽選装置200が異常状態であるか否かを判定し(SD4)、この判定の結果が否定の場合には、メダルMの払出しが完了したか否かを判定し(SD5)、この判定の結果が否定の場合には、ステップSD4の判定に戻る。つまり、第2制御部230は、中央抽選装置200が異常状態となるまで、あるいはメダルMの払出しが完了するまで、ステップSD4〜SD5の処理を繰り返し実行することにより、メダルMの払出しを監視する。
【0051】
ここでいう異常状態は、メダルの払出しが不能となる状態である。本実施形態では、異常状態として、払出機構部240の異常状態、メダル供給部211の異常状態、及び通信の異常状態を想定している。ステップSD4の判定の結果は、払出機構部240、メダル供給部211、通信のうち少なくとも一つが異常状態の場合に肯定となり、他の場合に否定となる。
【0052】
払出機構部240の異常状態には、ジャム(詰まり)とエンプティ(空)とがある。ジャムは、第2送出部242からメダル供給部211までの搬送路においてメダルMが詰まった状態である。第2制御部230は、メダル検知部250の出力信号を監視し、第1レベルの信号が予め定められた一定の時間(第1時間)にわたって続いた場合にジャムと判断する。第1時間は、例えば50msである。
【0053】
エンプティは、払出機構部240において、第2貯留部241にメダルMが存在しない状態である。複数のメダルMの払出し時に、第2貯留部241に貯留されているメダルMがなくなると、メダル検知部250から第1レベルの信号が最後に出力されてからの経過時間が予め定められた一定の時間(第2時間)よりも長くなる。第2時間は、例えば5sである。したがって、メダル検知部250の出力信号が第1レベルから第2レベルに遷移してからの経過時間(メダル検知部250から第2レベルの信号が出力され続ける期間の長さ)が第2時間を超過した場合にはエンプティと判断するようにしてもよい。この場合には、メダルMの払出しの開始から予め定められた一定の時間(第3時間)が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの信号が出力されなかった場合にもエンプティと判断する。
【0054】
しかし、第2貯留部241における複数のメダルMの配置によっては、第2貯留部241に貯留されているメダルMが第2送出部242にうまく渡されないことがある。この場合には、第2貯留部241にメダルMが存在しても、メダル検知部250の出力信号が第1レベルから第2レベルに遷移してからの経過時間が第2時間を超過したり、メダルMの払出しの指示を受けてから第3時間が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの信号が出力されなかったりし得る。さらに、中央抽選装置200は、このような場合には、所定の条件が満たされるまで再試行を繰り返すように設計されている。
【0055】
再試行は、第2送出部242の回転体82を一時的に逆方向に回転させてからメダルMの払出しを再開する処理である。所定の条件は、再開から第3時間が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの信号が出力された場合や、再試行が一定の回数だけ繰り返されたにも関わらず、いずれの再試行でも、再開から第3時間が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの信号が出力されなかった場合に満たされる。
【0056】
以上の通りであるから、第2制御部230は、メダル検知部250から出力される信号を監視し、再試行が一定の回数だけ繰り返されたにも関わらず、いずれの再試行でも、再開から第3時間が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの検知信号が出力されなかった場合にエンプティと判断するように設計されている。
【0057】
メダル供給部211の異常状態とは、メダル供給部211を回転させるモータの故障などの機械的障害によって、メダル供給部211のメダル排出部2111におけるメダルMの流路と、対象ステーション100に対応するメダル搬送部212におけるメダルMの流路とを揃えることができない状態である。第2制御部230は、方向検出部260の出力信号を監視し、メダルMの払出しを指示してから予め定められた一定の時間(第4時間)が経過しても、方向検出部260によって検出されるメダル供給部211の向きが、対象ステーション100に対応するメダル搬送部212におけるメダルMの流路と揃わない場合には、メダル供給部211の異常状態であると判断する。
【0058】
通信の異常状態とは、第2制御部230と第2払出部220との間で信号を伝送する信号線の断線などの通信障害によって、第2払出部220が第2制御部230からの指示を受けることができない状態である。第2制御部230は、メダルMの払出しを指示してから第5時間が経過するまでに第2払出部220からの応答がなかった場合には、通信の異常状態であると判断する。
【0059】
第2制御部230は、メダル検知部250からの出力信号に基づいて、第2送出部242から送出されたメダルM、すなわち第2払出部220から払出されたメダルMの枚数を計数する。この計数値が、第2払出部220に供給したメダル払出指示で示される枚数と一致すると、ステップSD5の判定の結果が肯定となり、大当たりに係る払出しが終了する。
【0060】
一方、中央抽選装置200が異常状態となり、ステップSD4の判定の結果が肯定となると、第2制御部230は異常状態および切替の報知を行う(SD6)。具体的には、異常状態の種類(ジャム/エンプティ/メダル供給部/通信)と、メダルMの払出しの指示先を切り替えた旨とを示す情報を施設サーバ30に送信する。施設サーバ30は、この情報を受信して当該情報の内容に基づいて所定の画像を表示部304に表示することにより、異常状態の種類とメダルMの払出しの指示先が切り替えられたこととを遊技施設内のゲーム装置の管理者に報知する。
【0061】
次に第2制御部230は、中央抽選装置200において払出せていないメダルMの枚数と同数である、対象ステーションにて払出すべきメダルMの枚数を示すメダル払出指示を、対象ステーション100の第1制御部140に送信する(SD7)。これにより、中央抽選装置200では、大当たりに係る払出しが終了する。対象ステーション100の第1制御部140は、第2制御部230からのメダル払出指示を受信し(SC1)、搬送機構部170にメダルMの払出しを指示する(SC2)。これにより、中央抽選装置200において払出せなかった枚数のメダルMが、図2の第1払出部130から払出され、メダル供給部115を介してフィールドFに供給される。こうして、対象ステーション100でも、大当たりに係る払出しが終了する。
【0062】
以上に説明したように、プッシャーゲーム装置10は、フィールドFに載置されたメダルMを獲得するプッシャーゲームを各々が実行する4台のステーション100と、プッシャーゲームにおいて所定の条件が充足された場合に開始される第2スロットゲーム(第2ゲーム)を実行する中央抽選装置200とを備える。ステーション100は、プッシャーゲームの結果に応じてメダルMの払出しを指示する第1制御部140と、第1制御部140からの指示を受けてフィールドFにメダルMを払出す第1払出部130とを備える。中央抽選装置200は、4台のステーション100に共用され、第2スロットゲームの結果に応じていずれかのステーション100へのメダルMの払出しを指示する第2制御部230と、第2制御部230からの指示を受けて指示されたステーション100のフィールドFにメダルMを払出す第2払出部220とを備える。そして、第2制御部230は、第2払出部220による払出しが不能な異常状態であると判定した場合に、メダルMの払出しの指示先を、第2払出部220から、メダルMを払出すステーション100の第1制御部140に切り替え、第1制御部140は、第2制御部230からメダルMの払出しの指示を受けた場合、第1払出部130よりフィールドFにメダルMを払出すように制御する。
よって、プッシャーゲーム装置10によれば、第2制御部230によって異常状態であると判定されると、払出先のステーション100のフィールドFへメダルMを払出す払出部が第2払出部220から、払出先のステーション100の第1払出部130に切り替えられるから、第2払出部220からのメダルMの払出しが不能となった場合でも、フィールドFへのメダルMの払出しを行うことが出来るとともに、払出先のステーション100を含む4台のステーション100の各々におけるプッシャーゲームの実行を停止せずに済む。
【0063】
また、プッシャーゲーム装置10によれば、第2制御部230が第2払出部220へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、メダルMの払出しが不能となる異常状態であると第2制御部230が判定した場合に、メダルMを払出す払出部が第2払出部220から第1払出部130に切り替えられる。つまり、払出しが不能となる異常状態であるか否かを調べる試行が、第2払出部220からの払出しの度に行われる。メダルMを追加すれば解消するエンプティのように、異常状態には各種装置の修理や交換なしに解消するものもあるから、このプッシャーゲーム装置10によれば、不要な切り替えが発生する確率を低下させることができる。また、払出しの度に同じ処理を繰り返すことになるから、制御が単純という利点もある。
【0064】
また、プッシャーゲーム装置10によれば、第2制御部230が、メダルMの払出しの指示先の切り替えを実行したことを示す情報を出力し、この情報が管理者に報知される。したがって、管理者が異常状態に気付きやすくなるから、異常状態が解消するまでの時間の短縮に寄与する。
【0065】
<C:変形例>
上述した実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0066】
(1)変形例1
上述した実施形態では、中央抽選装置200の状態が記憶されないため、特別抽選の結果が大当たりの場合には必ず第2払出部220に対してメダルMの払出しが指示されるが、中央抽選装置200の状態を記憶するようにし、記憶している状態が異常状態でない場合にのみ、第2払出部220に対してメダルMの払出しを指示するようにしてもよい。
例えば、記憶部202として、書き換え可能な記憶領域を有する記憶部を採用し、この記憶領域に異常状態を示す異常フラグを記憶させる態様が挙げられる。この態様では、図10に示すように、第2制御部230は、特別抽選の結果が大当たりの場合には、異常フラグが上記の記憶領域に記憶されているか否かを判定し(SE1)、当該判定の結果が肯定の場合には、第2払出部220に対してメダルMの払出しを指示することなく、異常状態および切替を報知し(SD6)、第1制御部140に対してメダル払出指示を送信する(SD7)。一方、ステップSE1の判定の結果が否定の場合には、第2払出部220に対してメダルMの払出しを指示し(SD3)、この指示に係る払出しが完了する前にステップSD4において異常状態であると判定した場合には、異常フラグを上記の記憶領域に記憶させる(SE2)。
この態様によれば、異常状態が継続しているにも関わらず第2払出部220に対してメダルMの払出しが繰り返し指示される事態を回避することができる。なお、異常フラグを記憶する記憶部は、記憶部202とは別の記憶部であってもよいし、ステーション100が備える記憶部(例えば記憶部102)であってもよいが、通信量を減らす観点では、中央抽選装置200が備える記憶部が望ましい。なお、異常フラグを不揮発性の記憶領域に記憶させるようにすれば、電源が落ちても異常フラグを保持可能である。
【0067】
(2)変形例2
また、記憶部202として、書き換え可能な記憶領域を有する記憶部を採用し、この記憶領域に、第2制御部230が、第2払出部220へのメダルMの払出しの指示を無効とする設定を示す無効フラグを記憶させるようにしてもよい。この態様では、図11に示すように、第2制御部230は、特別抽選の結果が大当たりの場合には、無効フラグが上記の記憶領域に記憶されているか否かを判定し(SF1)、当該判定の結果が肯定の場合には、第2払出部220に対してメダルMの払出しを指示することなく、異常状態および切替を報知し(SD6)、第1制御部140に対してメダル払出指示を送信する(SD7)。
無効フラグは、管理者によって設定されるフラグであり、例えば、第2払出部の動作が不安定な場合など、第2払出部220によるメダルMの払出しに管理者が不安を感じる場合に設定される。この態様でも、異常フラグを用いる態様と同様に、無効フラグを記憶する記憶部は、記憶部202とは別の記憶部であってもよいし、ステーション100が備える記憶部(例えば記憶部102)であってもよいが、通信量を減らす観点では、中央抽選装置200が備える記憶部が望ましい。なお、無効フラグを不揮発性の記憶領域に記憶させるようにすれば、電源が落ちても異常フラグを保持可能である。
【0068】
(3)変形例3
上述した実施形態では、ボール位置を通過したボールBの数が5の倍数となると、第2スロットゲームが実行されるが、第2スロットゲームの実行の契機はこれに限らない。例えば、第1スロットゲームにおける通常抽選の結果として「小当たり」や「ボール当たり」、「ハズレ」の他に「第1大当たり」を用意し、通常抽選の結果が「第1大当たり」の場合に第2スロットゲームが実行されるようにしてもよい。この場合、特別抽選の結果である「大当たり」は「第1大当たり」とは異なる「第2大当たり」として把握される。つまり、第2スロットゲームにおける特別抽選の結果は「第2大当たり」又は「ハズレ」となる。また例えば、第1メダル位置をメダルMが通過すると第2スロットゲームが実行されるようにしてもよい。つまり、第2スロットゲームを開始する条件として、第1スロットゲームにおいて充足される任意の条件を採用可能である。
また、特別抽選の結果として、「大当たり」や「ハズレ」の他に、通常抽選の結果である「小当たり」と同一内容の「小当たり」を用意し、特別抽選の結果が「小当たり」の場合に、メダルMをフィールドF上に払出すようにしてもよい。これと同様に、特別抽選の結果として、「大当たり」や「ハズレ」の他に、通常抽選の結果である「ボール当たり」と同一内容の「ボール当たり」を用意し、特別抽選の結果が「ボール当たり」の場合に、ボールBをフィールドF上に払出すようにしてもよい。これらの払出しは、ステーション100によって行われてもよいし、中央抽選装置200によって行われてもよい。
【0069】
(4)変形例4
上述した実施形態では、異常状態および切替の報知が行われるが、いずれか一方のみを報知するようにしてもよいし、双方を報知しないようにしてもよい。また、上述した実施形態では、異常状態の報知において、異常状態の種類が報知されるが、異常状態であることをのみを報知するようにしてもよい。また、上述した実施形態では、異常状態および切替の報知に表示部304が用いられるが、これに限るものではなく、表示部104、204、304のうち少なくとも一つを用いるようにしてもよい。
【0070】
(5)変形例5
上述した実施形態では、異常状態として、払出機構部240の異常状態、メダル供給部211の異常状態、及び通信の異常状態を想定しているが、これに限るものではなく、メダルMのフィールドF上への払出しが不能となるあらゆる異常状態のことが想定される。また、払出機構部240の異常状態は、ジャムとエンプティに限定されるものではない。また、上述した実施形態では、エンプティの場合にも、ジャムの場合と同様にメダルMの払出しの指示先が切り替わるが、エンプティの場合には、管理者によるメダルMの補給によりすぐに解消する可能性が高いことから、メダルMの払出しの指示先を切り替えることなく、プッシャーゲームを停止させてもよい。この態様では、エンプティであることを報知することが好ましい。
【0071】
(6)変形例6
上述した実施形態では、第2制御部230が、所定の条件を充足した場合に、メダルMの払出しの指示先を第2払出部220から第1払出部130に切り替え、第1制御部140が、第2制御部230からメダル払出指示を受信した場合に、第1払出部130よりフィールドFにメダルMを払出すように制御するが、これを逆転し、第1制御部140が、所定の条件を充足した場合に、メダルMの払出しの指示先を第1払出部130から第2払出部220に切り替え、第2制御部230が、第1制御部140からメダル払出指示を受信した場合に、第2払出部220よりフィールドFにメダルMを払出すように制御するようにしてもよい。
【0072】
(7)変形例7
上述した実施形態では、第2払出部220から払出されるメダルMの枚数を500枚、1000枚または1500枚としたが、これに限るものではない。また、ボールBが中央抽選装置200でも利用されるようにしてもよい。また、遊技媒体として、メダルMのみを用いるようにしてもよいし、ボールBのみを用いるようにしてもよいし、メダルMともボールBとも異なる遊技媒体を用いるようにしてもよい。また、電子的な抽選に代えて機械的な抽選を行うようにしてもよいし、スロットゲーム以外の第2ゲームを行うようにしてもよい。
【0073】
(8)変形例8
上述した実施形態では、ステーション100の数を4としたが、4以外の任意の自然数としてもよい。ステーション100が複数の場合、第2ゲームは、上述した実施形態と同様に、複数のステーション100のいずれかで所定の条件が充足されることによって実行される。この場合、第2ゲームの結果による遊技媒体の払出しについては、上述した実施形態と同様に、所定の条件が充足したステーション100に対してだけ実行してもよいし、所定の条件が充足したステーション100のみならず、他のステーション100に対しても実行してもよい。
(9)変形例9
上述した実施形態では、第2払出部220がメダル供給部211及びメダル搬送部212を含むが、メダル搬送部212を含まないように第2払出部220を構成してもよいし、メダル供給部211及びメダル搬送部212を含まないように第2払出部220を構成してもよい。また、メダル供給部115を含むように第1払出部130を構成してもよいし、ボール供給部116を含むように第4払出部160を構成してもよい。
【符号の説明】
【0074】
10……プッシャーゲーム装置、100……ステーション、130……第1払出部、140……第1制御部、200……中央抽選装置、202……記憶部、220……第2払出部、230……第2制御部、B……ボール、M……メダル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシャーゲームのゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、往復運動を繰り返すプッシャーテーブルが配置されたフィールドの面上の大量のメダルのなかに利用者により投入されたメダルがプッシャーテーブルで押され、その影響で既存のメダルが移動してフィールドの端部から落下するプッシャーゲームのゲーム装置の一種として、フィールドに載置された遊技媒体を獲得する第1ゲーム(プッシャーゲーム)を実行する第1装置と、第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行し、第2ゲームの結果に応じた数の遊技媒体を当該フィールド上に払出す第2装置とを備えたゲーム装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−206644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のゲーム装置では、第2の装置において、メダルをフィールド上に払出す払出部に異常が生じ、この払出部からフィールド上にメダルを払出せなくなると、フィールドへのメダルの払出しが正しく行われなくなり、第1装置と第2装置とによってなされる一連のゲームを正常に進行させることが出来なくなるので、ゲーム装置全体を停止させる必要があった。
そこで、本発明は、第1装置と第2装置とのいずれか一方の払出部からフィールド上にメダル等の遊技媒体を払い出せなくとも、フィールドへの遊技媒体の払出しが行われるようにすることを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明に係るゲーム装置(10)は、フィールド(F)に載置された遊技媒体(M)を獲得する第1ゲームを実行する第1装置(100)と、前記第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行する第2装置(200)とを備えたゲーム装置(10)であって、前記第1装置(100)は、前記第1ゲームの結果に応じて前記遊技媒体(M)の払出しを指示する第1制御部(140)と、前記第1制御部(140)からの指示を受けて前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出す第1払出部(130)とを備え、前記第2装置(200)は、前記第2ゲームの結果に応じて前記遊技媒体(M)の払出しを指示する第2制御部(230)と、前記第2制御部(230)からの指示を受けて前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出す第2払出部(220)とを備え、前記第2制御部(230)は、所定の特定条件が充足された場合に、前記遊技媒体(M)の払出しの指示先を、前記第2払出部(220)から前記第1制御部(140)に切り替え、前記第1制御部(140)は、前記第2制御部(230)から前記遊技媒体(M)の払出しの指示を受けた場合、前記第1払出部(130)より前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出すように制御する。以上の構成では、所定の特定条件が充足されれば、フィールド(F)へ遊技媒体(M)を払出す払出部が第2払出部(220)から第1払出部(130)に切り替えられるから、所定の特定条件を適宜に定めることにより、第2払出部(220)からフィールド(F)への遊技媒体(M)の払出しが不能となった場合でも、フィールド(F)への遊技媒体(M)の払出しを行うことが出来る。
【0007】
本発明の好適な態様において、複数の前記第1装置(100)と、これらに共通の前記第2装置(200)とを備え、前記第2装置(200)は、複数の前記第1装置(100)の各々で実行される前記第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合、前記第2ゲームを実行し、前記第2制御部(230)は、前記第2ゲームの結果に応じて複数の前記第1装置(100)のいずれに前記遊技媒体(M)を払出すかを指示し、前記第2払出部(220)は、前記第2制御部(230)からの指示を受けて指定された前記第1装置(100)の前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出し、前記第2制御部(230)は、前記所定の特定条件が充足された場合に、前記遊技媒体(M)の払出しの指示先を、前記第2払出部(220)から前記遊技媒体(M)を払出す前記第1装置(100)の前記第1制御部(140)に切り替える。以上の構成では、第2装置(200)が複数の第1装置(100)に共用されるが、所定の特定条件が充足されれば、フィールド(F)へ遊技媒体(M)を払出す払出部がし第2払出部(220)から第1払出部(130)に切り替えられるから、所定の特定条件を適宜に定めることにより、ゲーム装置(10)が複数の第1装置(100)を備えている場合において第2払出部(220)からフィールド(F)への遊戯媒体(M)の払出しが不能となった場合でも、フィールド(F)への遊戯媒体(M)の払出しを行うことが出来る。
なお、複数の第1装置(100)を備える場合、第2装置(200)で実行する第2ゲームは、複数の第1装置(100)のいずれかで所定の条件が充足されることによって実行される。ここで、第2ゲームは所定の条件を充足した第1装置(100)にのみ関係し、第2ゲームの結果による遊技媒体(M)の払出しを当該第1装置(100)に対してだけ実行してもよい。あるいは、第2ゲームは他の第1装置(100)も関係し、第2ゲームの結果による遊技媒体(M)の払出しを当該第1装置(100)のみならず他の第1装置(100)に対して実行してもよい。
【0008】
本発明の好適な態様において、前記所定の特定条件を、前記第2制御部(230)が前記第2払出部(220)へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、前記遊技媒体(M)の払出しが不能となる異常状態であると前記第2制御部(230)が判定した場合とする。以上の構成では、払出しが不能となる異常状態であるか否かを調べる試行が、第2払出部(220)からの払出しの度に行われる。遊技媒体(M)を追加すれば解消するエンプティのように、異常状態には各種装置の修理や交換なしに解消するものもあるから、この態様によれば、不要な切り替えが発生する確率を低下させることができる。また、払出しの度に同じ処理を繰り返すことになるから、制御が単純という利点もある。
【0009】
本発明の好適な態様において、前記ゲーム装置(10)は、フラグを記憶する記憶部(202又は102)を備え、前記第2制御部(230)は、前記第2払出部(220)へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、前記遊技媒体(M)の払出しが不能となる異常状態であると判定した場合、当該異常状態を示すフラグ(異常フラグ)を前記記憶部(202又は102)に記憶し、前記所定の特定条件を、前記記憶部(202又は102)に記憶されたフラグが前記異常状態を示す場合とする。以上の構成では、払出しが不能となる異常状態であると判定されると、これが記憶され、次回の払出しにおいては、上記の判定を行うことなく、この記憶に基づいて払出部が切り替えられる。ジャムのように、異常状態には各種装置の修理や交換なしには解消し難いものもあるから、この態様には、異常状態になった後の処理を簡略化することで高速化可能という利点がある。
ここで、記憶部(202又は102)は第1装置(100)に備えてもよいし、あるいは、第2装置(200)に備えてもよい。但し、第2装置(200)に記憶部(202)を設ければ、第2制御部(230)がフラグを書き込む場合に第1装置(100)にフラグに係る情報を送信してなくても良いので、構成を簡素化できる。
【0010】
本発明の好適な態様において、前記ゲーム装置(10)は、フラグを記憶する記憶部(202又は102)を備え、前記第2制御部(230)は、前記第2払出部(220)へ払出しの指示を無効とする設定を示すフラグ(無効フラグ)を前記記憶部(202又は102)に記憶し、前記所定の特定条件を、前記記憶部(202又は102)に記憶されたフラグが前記無効を示す場合とする。以上の構成では、無効フラグを記憶させることにより、強制的に払出部を切り替えることができる。これは、第2払出部の動作が不安定な場合など、管理者の意思で第2払出部(230)を一時的に使用したくない場合などに便利である。
ここで、記憶部(202又は102)は第1装置(100)に備えてもよいし、あるいは、第2装置(200)に備えてもよい。但し、第2装置(200)に記憶部(202又は102)を設ければ、第2制御部(230)がフラグを書き込む場合に第1装置(100)にフラグを送信してなくても良いので、構成を簡素化できる。
【0011】
本発明の好適な態様において、前記第2制御部(230)は、前記遊技媒体(M)の払出しの指示先の切り替えを実行したことを示す情報を出力する。以上の構成では、人が異常状態に気付きやすくなるから、異常状態が解消するまでの時間の短縮に寄与する。
【0012】
本発明に係る別のゲーム装置は、フィールド(F)に投入された遊技媒体(M)を獲得する第1ゲームを実行する第1装置と、前記第1ゲームにおいて所定の特定条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行する第2装置とを備えたゲーム装置であって、前記第1装置は、前記第1ゲームの結果に応じて前記遊技媒体(M)の払出しを指示する第1制御部(140)と、前記第1制御部(140)からの指示を受けて前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出す第1払出部(130)とを備え、前記第2装置は、前記第2ゲームの結果に応じて前記遊技媒体(M)の払出しを指示する第2制御部(230)と、前記第2制御部(230)からの指示を受けて前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出す第2払出部(220)とを備え、前記第1制御部(140)は、所定の特定条件を充足した場合、前記遊技媒体(M)の払出しの指示先を、前記第1払出部(130)から前記第2制御部(230)に切り替え、前記第2制御部(230)は、前記第1制御部(140)から前記遊技媒体(M)の払出しの指示を受けた場合、前記第2払出部(220)より前記フィールド(F)に前記遊技媒体(M)を払出すように制御する。以上の構成では、所定の特定条件が充足されれば、フィールド(F)へ遊技媒体(M)を払出す払出部が第1払出部(130)から第2払出部(220)に切り替えられるから、所定の特定条件を適宜に定めることにより、第1払出部(130)からフィールド(F)への遊技媒体(M)の払出しが不能となった場合でも、フィールド(F)への遊技媒体(M)の払出しを行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るプッシャーゲーム装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】プッシャーゲーム装置10のステーション100と中央抽選装置200との構成を示す模式図である。
【図3】中央抽選装置200のメダル供給部211とメダル搬送部212との関係を示す平面図である。
【図4】プッシャーゲーム装置10におけるメダルMの流れを示す模式図である。
【図5】プッシャーゲーム装置10におけるボールBの流れを示す模式図である。
【図6】ステーション100および中央抽選装置200の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】ステーション100の第1払出部130の詳細を説明するための図である。
【図8】第1払出部130の第1送出部132の詳細を説明するための図である。
【図9】ステーション100の第1制御部140及び中央抽選装置200の第2制御部230が行う処理の一部を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の変形例1に係るフローチャートである。
【図11】実施形態の変形例2に係るフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<A:実施形態の構成>
<A−1:全体>
図1は、本発明の一実施形態に係るプッシャーゲーム装置10の構成を示すブロック図である。プッシャーゲーム装置10は、店舗などの遊技施設内に設置されて利用者に利用されるゲーム装置であり、図1に示すように、通信網20を介して施設サーバ30と通信可能である。施設サーバ30は、遊技施設内のゲーム装置の管理者に操作されるサーバ装置(コンピュータシステム)であり、各種の画像を表示する表示部304を備え、遊技施設内に設置される。通信網20は、遊技施設内に構築されたLAN(local area network)であり、その内部の通信経路にはゲートウェイやルータなどの通信機器が適宜に配置され得る。
【0015】
なお、通信網20として、インターネットを利用したWAN(wide area network)やVPN(virtual private network)を採用してもよい。この場合、施設サーバ30を遊技施設外に設置してもよい。また、プッシャーゲーム装置10が設置される場所は、「遊戯施設」に限らずどのような場所でも構わない。
【0016】
プッシャーゲーム装置10は、4台のステーション100と1台の中央抽選装置200とを備える。4台のステーション100の各々は、利用者に操作されるコンピュータシステムであり、通信網20を介して中央抽選装置200と通信する。中央抽選装置200は、通信網20を介して各ステーション100及び施設サーバ30と通信するコンピュータシステムである。なお、各ステーション100と施設サーバ30とが通信するようにしてもよい。または、プッシャーゲーム装置内に別の中継サーバを備え、各ステーション100と中央抽選装置200と施設サーバ30とがそれぞれ中継サーバを介して通信するようにしてもよい。
【0017】
<A−2:要部の概要>
図2は、1台のステーション100と1台の中央抽選装置200との構成を示す模式図である。なお、図2では通信網20の図示が省略されている。図2に示すように、ステーション100は、メインテーブル111とプッシャーテーブル112とメダル投入部113と払出口120とを備える。メインテーブル111は、略水平に固定された板状の部材である。プッシャーテーブル112は、メインテーブル111上に配置された板状の部材であり、例えば利用者からみて前後の方向にメインテーブル111の上面に沿って反復的に往復する。メインテーブル111の上面およびプッシャーテーブル112の上面(以下では両者を総称して「フィールド」と表記する場合がある)Fには複数のメダルMが無作為に載置される。なお、「メダル」とは、ゲームに参加するために必要な有体の遊技媒体の全般を意味する。現実の硬貨や代用硬貨(例えばコイン,トークン)も「メダル」の一種である。
【0018】
メダル投入部113は、利用者が投入したメダルMをプッシャーテーブル112上に供給する。なお、メダル投入部113からメインテーブル111上にメダルMを供給する構成としてもよい。プッシャーテーブル112が前方(利用者からみて手前側)に移動したときにプッシャーテーブル112の面上(プッシャーテーブル112のうち壁面114からの操出分に相当しメダルMがまだ存在しない領域)にメダル投入部113から投入されて排出されたメダルMは、プッシャーテーブル112が後方に移動するときに壁面114に押され、その影響で、プッシャーテーブル112の端部のメダルMがさらに押されることでメインテーブル111の面上に落下する。このメダルMがプッシャーテーブル112に押されて移動すると、このメダルMによって押された既存のメダルMが順次に押されてメインテーブル111の端部(周縁)から落下する。
【0019】
メインテーブル111の端部のうちメダルMが落下し得る端部は、有効端EAと無効端EBとに区分される。有効端EAは、プッシャーテーブル112の往復の方向に沿って見たときにメインテーブル111を挟んでプッシャーテーブル112とは反対側の端部(すなわち、利用者からみて手前側に位置する端部)である。他方、無効端EBは、メインテーブル111の端部のうち有効端EA以外でメダルMが落下し得る部分である。具体的には、利用者からみてメインテーブル111の右側および左側に位置する端部が無効端EBに相当する。無効端EBからの落下において、メダルMは、無効端EBと図示しない部材との隙間を通る。なお、無効端EBは、実際には利用者から見えないように他の部材で覆われる。
【0020】
払出口120は、利用者が利用し得るメダルを利用者に対して排出する開口部であり、メインテーブル111の有効端EAから落下したメダルMは払出口120から利用者に払出される。このように、ステーション100は、フィールドFに載置されたメダルMをメダルの投入で落下させて獲得するプッシャーゲーム(第1ゲーム)を実行することができる。
【0021】
ステーション100は、メダル供給部115とボール供給部116とを備える。メダル供給部115は、複数のメダルMをメインテーブル111上に供給する。したがって、メインテーブル111の端部から落下するメダルMには、メダル供給部115からメインテーブル111上に供給されたメダルMも含まれ得る。なお、メダル供給部115からプッシャーテーブル112上にメダルMを供給するようにしてもよい。ボール供給部116は、ボールBをプッシャーテーブル112上に供給する。ボールBは、メダルMと同様に、メインテーブル111の端部から落下する遊技媒体である。ただし、無効端EBと図示しない部材との隙間は、ボールBの直径よりも狭い。したがって、ボールBは、無効端EBから落下せず、必ず有効端EAから落下する。なお、ボール供給部116からメインテーブル111上にボールBを供給するようにしてもよい。
【0022】
中央抽選装置200は、メダル供給部211とメダル搬送部212とを備える。メダル供給部211は、複数のメダルMをメダル搬送部212に供給する。メダル搬送部212は、メダル供給部211から供給されたメダルMを搬送し、メインテーブル111上に供給する。したがって、メインテーブル111の端部から落下するメダルMには、メダル搬送部212からメインテーブル111上に供給されたメダルMも含まれ得る。なお、メダル搬送部212からプッシャーテーブル112上にメダルMを供給するようにしてもよい。
【0023】
図3は、メダル供給部211とメダル搬送部212との関係を示す平面図であり、プッシャーゲーム装置10を鉛直上方から見下ろしたときのものである。図3に示すように、4台のステーション100は、メダル供給部211を囲むように配置されている。メダル搬送部212はステーション100毎に設けられている。これらのメダル搬送部212の各々は、図2に示すように、メダルMの流路となる凹部を有し、図3に示すように、対応するステーション100のメインテーブル111とメダル供給部211との間にメダルMの流路が架け渡されるように配置されている。
【0024】
メダル供給部211は、鉛直方向を回転軸として回転可能であり、その側面に設けられたメダル排出部2111からメダルを排出する。図2に示すように、メダル排出部2111は、メダルMの流路となる凹部を有する。図3に示すように、メダル供給部211からメインテーブル111へのメダルMの供給は、メダル供給部211を回転させ、このメインテーブル111に対応するメダル搬送部212のメダルMの流路と、メダル排出部2111のメダルMの流路とを揃えてから、メダル排出部2111からメダル供給部211にメダルMを排出させることによって行われる。つまり、メダル供給部211は総てのステーション100に共用される。
【0025】
<A−3:メダルMの流れ>
図4は、プッシャーゲーム装置10におけるメダルMの流れを示す模式図である。図4に示すように、ステーション100は、第1払出部130と、第1払出部130を制御する第1制御部140とを備える。第1払出部130は、メインテーブル111の無効端EBから落下したメダルM(親落ちのメダルM)を貯留し、貯留したメダルMを、第1制御部140の制御の下、図2のメダル供給部115を介してメインテーブル111上に払出したり、中央抽選装置200の第2払出部220に払出したりするホッパ(ペイホッパ)である。
【0026】
中央抽選装置200は、第2払出部220と、第2払出部220を制御する第2制御部230とを備える。第2払出部220は、第2制御部230に制御され、第1払出部130から払出されたメダルMを貯留し、第2制御部230の制御の下、図2のメダル搬送部212からメインテーブル111上に払出す。また、ステーション100は、第1制御部140に制御される第3払出部150を備える。第3払出部150は、フィールドFの有効端EAから落下したメダルMを、第1制御部140の制御の下、払出口120から利用者に払出すホッパ(カウントホッパ)である。
【0027】
<A−4:ボールBの流れ>
図5は、プッシャーゲーム装置10におけるボールBの流れを示す模式図である。図5に示すように、ステーション100は、第1制御部140に制御される第4払出部160を備える。第4払出部160は、メインテーブル111から落下したボールBを貯留し、第1制御部140の制御の下、図2のボール供給部116を介してプッシャーテーブル112上に払出す機構である。図5から明らかなように、ボールBは、ステーション100内のみで利用され、有効端EAから落下するが、無効端EBから落下することも、利用者によって投入されることも、利用者に対して払出されることもない。
【0028】
<A−5:要部の詳細>
図6は、ステーション100および中央抽選装置200の電気的構成を示すブロック図である。図6に示すように、ステーション100は、演算処理装置101と記憶部102と通信部103と表示部104と払出口120とゲーム機構部110と搬送機構部170とを含んで構成される。演算処理装置101は、記憶部102に記憶されたプログラムを実行することで第1制御部140を実現する。
【0029】
記憶部102は、演算処理装置101が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。半導体記憶媒体や磁気記録媒体などの公知の記憶媒体や記録媒体、または複数種の記憶媒体や記録媒体の組合せが記憶部102として任意に採用される。通信部103は、演算処理装置101と通信網20との間で通信を中継する。第1制御部140は、通信部103を介して各種の指示を送受信する。表示部104は、第1制御部140に制御されて各種の画像を表示する。
【0030】
ゲーム機構部110は、利用者がプッシャーゲームを実行するための機構である。図2に示すように、ゲーム機構部110は、メインテーブル111とプッシャーテーブル112とメダル投入部113とメダル供給部115とボール供給部116とメダル検出部117とボール検出部118とを含んで構成される。
【0031】
メダル検出部117は、所定の第1メダル位置を通過したメダルMを検出する。第1メダル位置は、メインテーブル111の有効端EAから落下したメダルMが通過し得る位置(必ずしも通過しない位置)である。メダル検出部117によってメダルMが検出されると、第1制御部140は第1スロットゲームを実行する。第1スロットゲームでは、第1制御部140は、電子的な抽選(通常抽選)を実行し、通常抽選の結果(小当たり/ボール当たり/ハズレ)を示す画像を表示部104に表示させる。例えば、図2において表示部104に表示されている画像は、ボール当たりを示す画像である。また、第1制御部140は、通常抽選の結果が小当たりの場合には、複数(例えば30枚)のメダルMのフィールドF上への払出しを搬送機構部170に指示し、ボール当たりの場合には1個のボールBの払出しを搬送機構部170に指示する。
【0032】
ボール検出部118は、所定のボール位置を通過したボールB、具体的にはメインテーブル111(有効端EA)から落下したボールBを検出する。
【0033】
搬送機構部170は、図2に示すように、第1払出部130と第3払出部150と第4払出部160とを含んで構成される。第1払出部130は、第1貯留部131と第1送出部132とを含んで構成される。図7に示すように、第1貯留部131は、複数のメダルMを貯留する容器(ホッパタンク)であり、メインテーブル111の無効端EBから落下したメダルMを貯留する。第1送出部132は、第1貯留部131の底面に設置されて第1貯留部131に貯留されたメダルMをメダル供給部(115又は211)に送出する。
【0034】
図8に示すように、第1送出部132は、第1貯留部131の底面に設置されて円周上に配置されたメダル保持穴821にメダルMを1枚ずつ保持する円盤状の回転体(ローターディスク)82と、回転体82を回転させることでメダルMを1枚ずつ第1貯留部131の外部に送出する駆動部84(例えばモータ)と、回転体82から送出されるメダルMを検出する検出部86とを含んで構成される。検出部86が検出したメダルMの枚数に応じて駆動部84が回転体82を駆動または停止することで、第1送出部132が第1貯留部131から送出するメダルMの枚数を任意に制御することが可能である。
【0035】
第3払出部150は、複数のメダルMを貯留可能な第3貯留部151と、第3貯留部151内のメダルMを払出口120に送出する第3送出部152とを含んで構成される。第3貯留部151が第1貯留部131と異なる点は、貯留可能なメダルMが、無効端EBから落下したメダルMではなく、有効端EAから落下したメダルMである点のみである。
【0036】
第3送出部152は、第1送出部132と同様に、回転体82と駆動部84と検出部86とを含んで構成される。また、有効端EAから落下したメダルMを第3貯留部151に搬送する経路の途中には、メダルMを検出するセンサ(図示略)が設置される。第3送出部152の駆動部84は、このセンサがメダルMを検出した場合に回転体82を駆動させる。回転体82を回転させ続けても検出部86がメダルMを検出しなくなった場合(すなわち、第3貯留部151内のメダルMが無くなった場合)、駆動部84は回転体82を停止させる。つまり、第3送出部152は、有効端EAから第3貯留部151に落下したメダルMの全部を直ちに払出口120に送出する。したがって、第3貯留部151は、通常は空の状態に維持される。
【0037】
第4払出部160は、第4貯留部161と第4送出部162とを含んで構成される。第4貯留部161は、複数のボールBを貯留する容器であり、フィールドFから落下したボールBを貯留する。第4送出部162は、第4貯留部161に貯留されたボールBをボール供給部116に送出する。
【0038】
図6に示すように、中央抽選装置200は、演算処理装置201と記憶部202と通信部203と表示部204と第2払出部220とを含んで構成される。演算処理装置201は、記憶部202に記憶されたプログラムを実行することで第2制御部230を実現する。記憶部202は、演算処理装置201が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。半導体記憶媒体や磁気記録媒体などの公知の記憶媒体や記録媒体、または複数種の記憶媒体や記録媒体の組合せが記憶部202として任意に採用される。
【0039】
通信部203は、演算処理装置201と通信網20との間で通信を中継する。第2制御部230は、通信部203を介して各種の指示を送受信する。表示部204は、中央抽選装置200に設けられ、第2制御部230に制御されて各種の画像を表示する。
【0040】
第2制御部230は、第2スロットゲームの(第2ゲーム)実行指示を受信すると、受信した実行指示の送信元のステーション100について第2スロットゲームを実行する。第2スロットゲームでは、第2制御部230は、電子的な抽選(特別抽選)を実行し、特別抽選の結果(大当たり/ハズレ)を、表示部204に表示させる。例えば、図2において表示部204に表示されている画像は、大当たり(1500枚)を示す画像である。また、第2制御部230は、特別抽選の結果が大当たりの場合には、そのステーション100のメインテーブル111上への複数(500枚、1000枚または1500枚)のメダルMの払出しを第2払出部220に指示する。
【0041】
第2払出部220は、払出機構部240とメダル供給部211とメダル搬送部212とメダル検知部250と方向検出部260とを含んで構成され、第2制御部230からメダルMの払出しを指示されると、この指示に応答してメダルMの払出しを行う。払出機構部240は、第1払出部130から第2払出部220に払出されたメダルMを貯留し、貯留したメダルMを、第2制御部230の制御の下、メダル供給部211に払出すホッパ(ペイホッパ)であり、第2貯留部241と第2送出部242とを含んで構成される。
【0042】
第2貯留部241が図7の第1貯留部131と異なる点は、無効端EBから落下したメダルMではなく、第1払出部130から第2払出部220に払出されたメダルMを貯留する点のみである。第2送出部242は、図7の第1送出部132と同様に、回転体82と駆動部84と検出部86とを含んで構成される。したがって、第2送出部242は、任意の枚数のメダルMを第2貯留部241からメダル供給部211に送出することが可能である。
【0043】
メダル検知部250は、所定位置におけるメダルMを検知するセンサであり、所定の第2メダル位置にメダルMが存在する場合には第1レベルの信号を出力し、第2メダル位置にメダルMが存在しない場合には第1レベルとは異なる第2レベルの信号を出力する。第2メダル位置は、第2送出部242から送出されたメダルMが必ず通過する位置である。なお、メダル検知部250として、第2メダル位置にメダルMが存在する場合には信号を出力し、第2メダル位置にメダルMが存在しない場合には信号を出力しないセンサを採用してもよい。方向検出部260は、メダル供給部211の向きを検出し、検出した向きを示す信号を出力する。メダル供給部211の向きは、メダル供給部211の回転軸での所定の基準位置に対するメダル排出部2111の相対位置である。なお、方向検出部260としては、回転角度センサを例示可能である。
【0044】
<B:実施形態の動作>
図9は、第1制御部140及び第2制御部230が行う処理の一部を示すフローチャートである。図9に示すように、第1制御部140は、メダル検出部117の検出結果に基づいて、第1メダル位置をメダルMが通過したか否かを判定する(SA1)。この判定の結果が否定の場合、ステップSA1に戻る。すなわち、第1制御部140は、第1メダル位置をメダルMが通過するまで、ステップSA1の処理を繰り返し実行する。
【0045】
第1メダル位置をメダルMが通過してステップSA1の判定の結果が肯定となると、第1制御部140は、第1スロットゲームを実行して通常抽選を行い、その結果を表示部104に表示させる(SA2)。そして、通常抽選の結果が「ハズレ」の場合、ステップSA1に戻る。通常抽選の結果が「小当たり」の場合、第1制御部140は、複数(例えば30枚)のメダルMのフィールドFへの払出しを搬送機構部170に指示する。これにより、複数(例えば30枚)のメダルMが、図2の第1払出部130から払出され、メダル供給部115を介してメインテーブル111上に供給される。そして、ステップSA1に戻る。通常抽選の結果が「ボール当たり」の場合、第1制御部140は、1個のボールMのフィールドFへの払出しを搬送機構部170に指示する。これにより、1個のボールMが、図2の第4払出部160から払出され、ボール供給部116を介してプッシャーテーブル112上に供給される。そして、ステップSA1に戻る。
【0046】
一方、第1制御部140は、ボール検出部118の検出結果に基づいて、メインテーブル111(有効端EA)からボールBが落下したか否か、すなわちボール位置をボールBが通過したか否かを判定する(SB1)。この判定の結果が否定の場合、ステップSB1に戻る。すなわち、第1制御部140は、ボール位置をボールBが通過するまで、ステップSB1の処理を繰り返し実行する。
【0047】
ボール位置をボールBが通過してステップSB1の判定の結果が肯定となると、第1制御部140は、ボール位置を通過したボールBの計数値(BC)に1を加算し(SB2)、BCが5の倍数であるか否かを判定する(SB3)。この判定の結果が否定の場合、第1制御部140は、ステップSB1の処理を実行する。BCが5の倍数となり、ステップSB3の判定の結果が肯定となると、第1制御部140は、第2スロットゲームの実行を命じる実行指示を、中央抽選装置200の第2制御部230へ送信する(SB4)。そして、ステップSB1に戻る。すなわち、第1制御部140は、BCが5の倍数となるまで、ステップSB1〜SB4の処理を繰り返し実行する。
【0048】
中央抽選装置200の第2制御部230は、第2スロットゲームの実行を命じる実行指示を受信すると(SD1)、以下の処理を行う。まず第2制御部230は、第2スロットゲームを実行して特別抽選を行い、その結果を表示部204に表示させる(SD2)。そして、特別抽選の結果が「ハズレ」の場合、第2制御部230は第2スロットゲームを終了させる。特別抽選の結果が「大当たり」の場合、第2制御部230は、実行指示の送信元のステーション100(以降、「対象ステーション100」と記す)のフィールドFへの複数(500、1000又は1500枚)のメダルMの払出しを第2払出部220に指示する。具体的には、対象ステーション100と払出すメダルMの枚数とを示す信号を第2払出部220に供給する。
【0049】
メダルMの払出しを指示された第2払出部220では、まず、メダル供給部211が、メダル排出部2111におけるメダルMの流路と、対象ステーション100に対応するメダル搬送部212におけるメダルMの流路とが揃うように回転し、次に、払出機構部240が、指示された枚数のメダルMのメダル供給部211への払出しを開始する。
【0050】
メダルMの払出しの指示の後、第2制御部230はメダルMの払出しを監視する。具体的には、中央抽選装置200が異常状態であるか否かを判定し(SD4)、この判定の結果が否定の場合には、メダルMの払出しが完了したか否かを判定し(SD5)、この判定の結果が否定の場合には、ステップSD4の判定に戻る。つまり、第2制御部230は、中央抽選装置200が異常状態となるまで、あるいはメダルMの払出しが完了するまで、ステップSD4〜SD5の処理を繰り返し実行することにより、メダルMの払出しを監視する。
【0051】
ここでいう異常状態は、メダルの払出しが不能となる状態である。本実施形態では、異常状態として、払出機構部240の異常状態、メダル供給部211の異常状態、及び通信の異常状態を想定している。ステップSD4の判定の結果は、払出機構部240、メダル供給部211、通信のうち少なくとも一つが異常状態の場合に肯定となり、他の場合に否定となる。
【0052】
払出機構部240の異常状態には、ジャム(詰まり)とエンプティ(空)とがある。ジャムは、第2送出部242からメダル供給部211までの搬送路においてメダルMが詰まった状態である。第2制御部230は、メダル検知部250の出力信号を監視し、第1レベルの信号が予め定められた一定の時間(第1時間)にわたって続いた場合にジャムと判断する。第1時間は、例えば50msである。
【0053】
エンプティは、払出機構部240において、第2貯留部241にメダルMが存在しない状態である。複数のメダルMの払出し時に、第2貯留部241に貯留されているメダルMがなくなると、メダル検知部250から第1レベルの信号が最後に出力されてからの経過時間が予め定められた一定の時間(第2時間)よりも長くなる。第2時間は、例えば5sである。したがって、メダル検知部250の出力信号が第1レベルから第2レベルに遷移してからの経過時間(メダル検知部250から第2レベルの信号が出力され続ける期間の長さ)が第2時間を超過した場合にはエンプティと判断するようにしてもよい。この場合には、メダルMの払出しの開始から予め定められた一定の時間(第3時間)が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの信号が出力されなかった場合にもエンプティと判断する。
【0054】
しかし、第2貯留部241における複数のメダルMの配置によっては、第2貯留部241に貯留されているメダルMが第2送出部242にうまく渡されないことがある。この場合には、第2貯留部241にメダルMが存在しても、メダル検知部250の出力信号が第1レベルから第2レベルに遷移してからの経過時間が第2時間を超過したり、メダルMの払出しの指示を受けてから第3時間が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの信号が出力されなかったりし得る。さらに、中央抽選装置200は、このような場合には、所定の条件が満たされるまで再試行を繰り返すように設計されている。
【0055】
再試行は、第2送出部242の回転体82を一時的に逆方向に回転させてからメダルMの払出しを再開する処理である。所定の条件は、再開から第3時間が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの信号が出力された場合や、再試行が一定の回数だけ繰り返されたにも関わらず、いずれの再試行でも、再開から第3時間が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの信号が出力されなかった場合に満たされる。
【0056】
以上の通りであるから、第2制御部230は、メダル検知部250から出力される信号を監視し、再試行が一定の回数だけ繰り返されたにも関わらず、いずれの再試行でも、再開から第3時間が経過するまでにメダル検知部250から第1レベルの検知信号が出力されなかった場合にエンプティと判断するように設計されている。
【0057】
メダル供給部211の異常状態とは、メダル供給部211を回転させるモータの故障などの機械的障害によって、メダル供給部211のメダル排出部2111におけるメダルMの流路と、対象ステーション100に対応するメダル搬送部212におけるメダルMの流路とを揃えることができない状態である。第2制御部230は、方向検出部260の出力信号を監視し、メダルMの払出しを指示してから予め定められた一定の時間(第4時間)が経過しても、方向検出部260によって検出されるメダル供給部211の向きが、対象ステーション100に対応するメダル搬送部212におけるメダルMの流路と揃わない場合には、メダル供給部211の異常状態であると判断する。
【0058】
通信の異常状態とは、第2制御部230と第2払出部220との間で信号を伝送する信号線の断線などの通信障害によって、第2払出部220が第2制御部230からの指示を受けることができない状態である。第2制御部230は、メダルMの払出しを指示してから第5時間が経過するまでに第2払出部220からの応答がなかった場合には、通信の異常状態であると判断する。
【0059】
第2制御部230は、メダル検知部250からの出力信号に基づいて、第2送出部242から送出されたメダルM、すなわち第2払出部220から払出されたメダルMの枚数を計数する。この計数値が、第2払出部220に供給したメダル払出指示で示される枚数と一致すると、ステップSD5の判定の結果が肯定となり、大当たりに係る払出しが終了する。
【0060】
一方、中央抽選装置200が異常状態となり、ステップSD4の判定の結果が肯定となると、第2制御部230は異常状態および切替の報知を行う(SD6)。具体的には、異常状態の種類(ジャム/エンプティ/メダル供給部/通信)と、メダルMの払出しの指示先を切り替えた旨とを示す情報を施設サーバ30に送信する。施設サーバ30は、この情報を受信して当該情報の内容に基づいて所定の画像を表示部304に表示することにより、異常状態の種類とメダルMの払出しの指示先が切り替えられたこととを遊技施設内のゲーム装置の管理者に報知する。
【0061】
次に第2制御部230は、中央抽選装置200において払出せていないメダルMの枚数と同数である、対象ステーションにて払出すべきメダルMの枚数を示すメダル払出指示を、対象ステーション100の第1制御部140に送信する(SD7)。これにより、中央抽選装置200では、大当たりに係る払出しが終了する。対象ステーション100の第1制御部140は、第2制御部230からのメダル払出指示を受信し(SC1)、搬送機構部170にメダルMの払出しを指示する(SC2)。これにより、中央抽選装置200において払出せなかった枚数のメダルMが、図2の第1払出部130から払出され、メダル供給部115を介してフィールドFに供給される。こうして、対象ステーション100でも、大当たりに係る払出しが終了する。
【0062】
以上に説明したように、プッシャーゲーム装置10は、フィールドFに載置されたメダルMを獲得するプッシャーゲームを各々が実行する4台のステーション100と、プッシャーゲームにおいて所定の条件が充足された場合に開始される第2スロットゲーム(第2ゲーム)を実行する中央抽選装置200とを備える。ステーション100は、プッシャーゲームの結果に応じてメダルMの払出しを指示する第1制御部140と、第1制御部140からの指示を受けてフィールドFにメダルMを払出す第1払出部130とを備える。中央抽選装置200は、4台のステーション100に共用され、第2スロットゲームの結果に応じていずれかのステーション100へのメダルMの払出しを指示する第2制御部230と、第2制御部230からの指示を受けて指示されたステーション100のフィールドFにメダルMを払出す第2払出部220とを備える。そして、第2制御部230は、第2払出部220による払出しが不能な異常状態であると判定した場合に、メダルMの払出しの指示先を、第2払出部220から、メダルMを払出すステーション100の第1制御部140に切り替え、第1制御部140は、第2制御部230からメダルMの払出しの指示を受けた場合、第1払出部130よりフィールドFにメダルMを払出すように制御する。
よって、プッシャーゲーム装置10によれば、第2制御部230によって異常状態であると判定されると、払出先のステーション100のフィールドFへメダルMを払出す払出部が第2払出部220から、払出先のステーション100の第1払出部130に切り替えられるから、第2払出部220からのメダルMの払出しが不能となった場合でも、フィールドFへのメダルMの払出しを行うことが出来るとともに、払出先のステーション100を含む4台のステーション100の各々におけるプッシャーゲームの実行を停止せずに済む。
【0063】
また、プッシャーゲーム装置10によれば、第2制御部230が第2払出部220へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、メダルMの払出しが不能となる異常状態であると第2制御部230が判定した場合に、メダルMを払出す払出部が第2払出部220から第1払出部130に切り替えられる。つまり、払出しが不能となる異常状態であるか否かを調べる試行が、第2払出部220からの払出しの度に行われる。メダルMを追加すれば解消するエンプティのように、異常状態には各種装置の修理や交換なしに解消するものもあるから、このプッシャーゲーム装置10によれば、不要な切り替えが発生する確率を低下させることができる。また、払出しの度に同じ処理を繰り返すことになるから、制御が単純という利点もある。
【0064】
また、プッシャーゲーム装置10によれば、第2制御部230が、メダルMの払出しの指示先の切り替えを実行したことを示す情報を出力し、この情報が管理者に報知される。したがって、管理者が異常状態に気付きやすくなるから、異常状態が解消するまでの時間の短縮に寄与する。
【0065】
<C:変形例>
上述した実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0066】
(1)変形例1
上述した実施形態では、中央抽選装置200の状態が記憶されないため、特別抽選の結果が大当たりの場合には必ず第2払出部220に対してメダルMの払出しが指示されるが、中央抽選装置200の状態を記憶するようにし、記憶している状態が異常状態でない場合にのみ、第2払出部220に対してメダルMの払出しを指示するようにしてもよい。
例えば、記憶部202として、書き換え可能な記憶領域を有する記憶部を採用し、この記憶領域に異常状態を示す異常フラグを記憶させる態様が挙げられる。この態様では、図10に示すように、第2制御部230は、特別抽選の結果が大当たりの場合には、異常フラグが上記の記憶領域に記憶されているか否かを判定し(SE1)、当該判定の結果が肯定の場合には、第2払出部220に対してメダルMの払出しを指示することなく、異常状態および切替を報知し(SD6)、第1制御部140に対してメダル払出指示を送信する(SD7)。一方、ステップSE1の判定の結果が否定の場合には、第2払出部220に対してメダルMの払出しを指示し(SD3)、この指示に係る払出しが完了する前にステップSD4において異常状態であると判定した場合には、異常フラグを上記の記憶領域に記憶させる(SE2)。
この態様によれば、異常状態が継続しているにも関わらず第2払出部220に対してメダルMの払出しが繰り返し指示される事態を回避することができる。なお、異常フラグを記憶する記憶部は、記憶部202とは別の記憶部であってもよいし、ステーション100が備える記憶部(例えば記憶部102)であってもよいが、通信量を減らす観点では、中央抽選装置200が備える記憶部が望ましい。なお、異常フラグを不揮発性の記憶領域に記憶させるようにすれば、電源が落ちても異常フラグを保持可能である。
【0067】
(2)変形例2
また、記憶部202として、書き換え可能な記憶領域を有する記憶部を採用し、この記憶領域に、第2制御部230が、第2払出部220へのメダルMの払出しの指示を無効とする設定を示す無効フラグを記憶させるようにしてもよい。この態様では、図11に示すように、第2制御部230は、特別抽選の結果が大当たりの場合には、無効フラグが上記の記憶領域に記憶されているか否かを判定し(SF1)、当該判定の結果が肯定の場合には、第2払出部220に対してメダルMの払出しを指示することなく、異常状態および切替を報知し(SD6)、第1制御部140に対してメダル払出指示を送信する(SD7)。
無効フラグは、管理者によって設定されるフラグであり、例えば、第2払出部の動作が不安定な場合など、第2払出部220によるメダルMの払出しに管理者が不安を感じる場合に設定される。この態様でも、異常フラグを用いる態様と同様に、無効フラグを記憶する記憶部は、記憶部202とは別の記憶部であってもよいし、ステーション100が備える記憶部(例えば記憶部102)であってもよいが、通信量を減らす観点では、中央抽選装置200が備える記憶部が望ましい。なお、無効フラグを不揮発性の記憶領域に記憶させるようにすれば、電源が落ちても異常フラグを保持可能である。
【0068】
(3)変形例3
上述した実施形態では、ボール位置を通過したボールBの数が5の倍数となると、第2スロットゲームが実行されるが、第2スロットゲームの実行の契機はこれに限らない。例えば、第1スロットゲームにおける通常抽選の結果として「小当たり」や「ボール当たり」、「ハズレ」の他に「第1大当たり」を用意し、通常抽選の結果が「第1大当たり」の場合に第2スロットゲームが実行されるようにしてもよい。この場合、特別抽選の結果である「大当たり」は「第1大当たり」とは異なる「第2大当たり」として把握される。つまり、第2スロットゲームにおける特別抽選の結果は「第2大当たり」又は「ハズレ」となる。また例えば、第1メダル位置をメダルMが通過すると第2スロットゲームが実行されるようにしてもよい。つまり、第2スロットゲームを開始する条件として、第1スロットゲームにおいて充足される任意の条件を採用可能である。
また、特別抽選の結果として、「大当たり」や「ハズレ」の他に、通常抽選の結果である「小当たり」と同一内容の「小当たり」を用意し、特別抽選の結果が「小当たり」の場合に、メダルMをフィールドF上に払出すようにしてもよい。これと同様に、特別抽選の結果として、「大当たり」や「ハズレ」の他に、通常抽選の結果である「ボール当たり」と同一内容の「ボール当たり」を用意し、特別抽選の結果が「ボール当たり」の場合に、ボールBをフィールドF上に払出すようにしてもよい。これらの払出しは、ステーション100によって行われてもよいし、中央抽選装置200によって行われてもよい。
【0069】
(4)変形例4
上述した実施形態では、異常状態および切替の報知が行われるが、いずれか一方のみを報知するようにしてもよいし、双方を報知しないようにしてもよい。また、上述した実施形態では、異常状態の報知において、異常状態の種類が報知されるが、異常状態であることをのみを報知するようにしてもよい。また、上述した実施形態では、異常状態および切替の報知に表示部304が用いられるが、これに限るものではなく、表示部104、204、304のうち少なくとも一つを用いるようにしてもよい。
【0070】
(5)変形例5
上述した実施形態では、異常状態として、払出機構部240の異常状態、メダル供給部211の異常状態、及び通信の異常状態を想定しているが、これに限るものではなく、メダルMのフィールドF上への払出しが不能となるあらゆる異常状態のことが想定される。また、払出機構部240の異常状態は、ジャムとエンプティに限定されるものではない。また、上述した実施形態では、エンプティの場合にも、ジャムの場合と同様にメダルMの払出しの指示先が切り替わるが、エンプティの場合には、管理者によるメダルMの補給によりすぐに解消する可能性が高いことから、メダルMの払出しの指示先を切り替えることなく、プッシャーゲームを停止させてもよい。この態様では、エンプティであることを報知することが好ましい。
【0071】
(6)変形例6
上述した実施形態では、第2制御部230が、所定の条件を充足した場合に、メダルMの払出しの指示先を第2払出部220から第1払出部130に切り替え、第1制御部140が、第2制御部230からメダル払出指示を受信した場合に、第1払出部130よりフィールドFにメダルMを払出すように制御するが、これを逆転し、第1制御部140が、所定の条件を充足した場合に、メダルMの払出しの指示先を第1払出部130から第2払出部220に切り替え、第2制御部230が、第1制御部140からメダル払出指示を受信した場合に、第2払出部220よりフィールドFにメダルMを払出すように制御するようにしてもよい。
【0072】
(7)変形例7
上述した実施形態では、第2払出部220から払出されるメダルMの枚数を500枚、1000枚または1500枚としたが、これに限るものではない。また、ボールBが中央抽選装置200でも利用されるようにしてもよい。また、遊技媒体として、メダルMのみを用いるようにしてもよいし、ボールBのみを用いるようにしてもよいし、メダルMともボールBとも異なる遊技媒体を用いるようにしてもよい。また、電子的な抽選に代えて機械的な抽選を行うようにしてもよいし、スロットゲーム以外の第2ゲームを行うようにしてもよい。
【0073】
(8)変形例8
上述した実施形態では、ステーション100の数を4としたが、4以外の任意の自然数としてもよい。ステーション100が複数の場合、第2ゲームは、上述した実施形態と同様に、複数のステーション100のいずれかで所定の条件が充足されることによって実行される。この場合、第2ゲームの結果による遊技媒体の払出しについては、上述した実施形態と同様に、所定の条件が充足したステーション100に対してだけ実行してもよいし、所定の条件が充足したステーション100のみならず、他のステーション100に対しても実行してもよい。
(9)変形例9
上述した実施形態では、第2払出部220がメダル供給部211及びメダル搬送部212を含むが、メダル搬送部212を含まないように第2払出部220を構成してもよいし、メダル供給部211及びメダル搬送部212を含まないように第2払出部220を構成してもよい。また、メダル供給部115を含むように第1払出部130を構成してもよいし、ボール供給部116を含むように第4払出部160を構成してもよい。
【符号の説明】
【0074】
10……プッシャーゲーム装置、100……ステーション、130……第1払出部、140……第1制御部、200……中央抽選装置、202……記憶部、220……第2払出部、230……第2制御部、B……ボール、M……メダル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールドに載置された遊技媒体を獲得する第1ゲームを実行する第1装置と、前記第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行する第2装置とを備えたゲーム装置であって、
前記第1装置は、
前記第1ゲームの結果に応じて前記遊技媒体の払出しを指示する第1制御部と、
前記第1制御部からの指示を受けて前記フィールドに前記遊技媒体を払出す第1払出部とを備え、
前記第2装置は、
前記第2ゲームの結果に応じて前記遊技媒体の払出しを指示する第2制御部と、
前記第2制御部からの指示を受けて前記フィールドに前記遊技媒体を払出す第2払出部とを備え、
前記第2制御部は、所定の特定条件が充足された場合に、前記遊技媒体の払出しの指示先を、前記第2払出部から前記第1制御部に切り替え、
前記第1制御部は、前記第2制御部から前記遊技媒体の払出しの指示を受けた場合、前記第1払出部より前記フィールドに前記遊技媒体を払出すように制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
複数の前記第1装置と、これらに共通の前記第2装置とを備え、
前記第2装置は、複数の前記第1装置の各々で実行される前記第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合、前記第2ゲームを実行し、
前記第2制御部は、前記第2ゲームの結果に応じて複数の前記第1装置のいずれに前記遊技媒体を払出すかを指示し、
前記第2払出部は、前記第2制御部からの指示を受けて指定された前記第1装置の前記フィールドに前記遊技媒体を払出し、
前記第2制御部は、前記所定の特定条件が充足された場合に、前記遊技媒体の払出しの指示先を、前記第2払出部から前記遊技媒体を払出す前記第1装置の前記第1制御部に切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記所定の特定条件は、前記第2制御部が前記第2払出部へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、前記遊技媒体の払出しが不能となる異常状態であると前記第2制御部が判定した場合である請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム装置は、フラグを記憶する記憶部を備え、
前記第2制御部は、前記第2払出部へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、前記遊技媒体の払出しが不能となる異常状態であると判定した場合、当該異常状態を示すフラグを前記記憶部に記憶し、
前記所定の特定条件は、前記記憶部に記憶されたフラグが前記異常状態を示す場合である、
請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム装置は、フラグを記憶する記憶部を備え、
前記第2制御部は、前記第2払出部へ払出しの指示を無効とする設定を示すフラグを前記記憶部に記憶し、
前記所定の特定条件は、前記記憶部に記憶されたフラグが前記無効を示す場合である、
請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記第2制御部は、前記遊技媒体の払出しの指示先の切り替えを実行したことを示す情報を出力する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
フィールドに投入された遊技媒体を獲得する第1ゲームを実行する第1装置と、前記第1ゲームにおいて所定の特定条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行する第2装置とを備えたゲーム装置であって、
前記第1装置は、
前記第1ゲームの結果に応じて前記遊技媒体の払出しを指示する第1制御部と、
前記第1制御部からの指示を受けて前記フィールドに前記遊技媒体を払出す第1払出部とを備え、
前記第2装置は、
前記第2ゲームの結果に応じて前記遊技媒体の払出しを指示する第2制御部と、
前記第2制御部からの指示を受けて前記フィールドに前記遊技媒体を払出す第2払出部とを備え、
前記第1制御部は、所定の特定条件を充足した場合、前記遊技媒体の払出しの指示先を、前記第1払出部から前記第2制御部に切り替え、
前記第2制御部は、前記第1制御部から前記遊技媒体の払出しの指示を受けた場合、前記第2払出部より前記フィールドに前記遊技媒体を払出すように制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項1】
フィールドに載置された遊技媒体を獲得する第1ゲームを実行する第1装置と、前記第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行する第2装置とを備えたゲーム装置であって、
前記第1装置は、
前記第1ゲームの結果に応じて前記遊技媒体の払出しを指示する第1制御部と、
前記第1制御部からの指示を受けて前記フィールドに前記遊技媒体を払出す第1払出部とを備え、
前記第2装置は、
前記第2ゲームの結果に応じて前記遊技媒体の払出しを指示する第2制御部と、
前記第2制御部からの指示を受けて前記フィールドに前記遊技媒体を払出す第2払出部とを備え、
前記第2制御部は、所定の特定条件が充足された場合に、前記遊技媒体の払出しの指示先を、前記第2払出部から前記第1制御部に切り替え、
前記第1制御部は、前記第2制御部から前記遊技媒体の払出しの指示を受けた場合、前記第1払出部より前記フィールドに前記遊技媒体を払出すように制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
複数の前記第1装置と、これらに共通の前記第2装置とを備え、
前記第2装置は、複数の前記第1装置の各々で実行される前記第1ゲームにおいて所定の条件を充足した場合、前記第2ゲームを実行し、
前記第2制御部は、前記第2ゲームの結果に応じて複数の前記第1装置のいずれに前記遊技媒体を払出すかを指示し、
前記第2払出部は、前記第2制御部からの指示を受けて指定された前記第1装置の前記フィールドに前記遊技媒体を払出し、
前記第2制御部は、前記所定の特定条件が充足された場合に、前記遊技媒体の払出しの指示先を、前記第2払出部から前記遊技媒体を払出す前記第1装置の前記第1制御部に切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記所定の特定条件は、前記第2制御部が前記第2払出部へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、前記遊技媒体の払出しが不能となる異常状態であると前記第2制御部が判定した場合である請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム装置は、フラグを記憶する記憶部を備え、
前記第2制御部は、前記第2払出部へ払出しを指示した後、当該払出しに係る処理中に、前記遊技媒体の払出しが不能となる異常状態であると判定した場合、当該異常状態を示すフラグを前記記憶部に記憶し、
前記所定の特定条件は、前記記憶部に記憶されたフラグが前記異常状態を示す場合である、
請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム装置は、フラグを記憶する記憶部を備え、
前記第2制御部は、前記第2払出部へ払出しの指示を無効とする設定を示すフラグを前記記憶部に記憶し、
前記所定の特定条件は、前記記憶部に記憶されたフラグが前記無効を示す場合である、
請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記第2制御部は、前記遊技媒体の払出しの指示先の切り替えを実行したことを示す情報を出力する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
フィールドに投入された遊技媒体を獲得する第1ゲームを実行する第1装置と、前記第1ゲームにおいて所定の特定条件を充足した場合に開始される第2ゲームを実行する第2装置とを備えたゲーム装置であって、
前記第1装置は、
前記第1ゲームの結果に応じて前記遊技媒体の払出しを指示する第1制御部と、
前記第1制御部からの指示を受けて前記フィールドに前記遊技媒体を払出す第1払出部とを備え、
前記第2装置は、
前記第2ゲームの結果に応じて前記遊技媒体の払出しを指示する第2制御部と、
前記第2制御部からの指示を受けて前記フィールドに前記遊技媒体を払出す第2払出部とを備え、
前記第1制御部は、所定の特定条件を充足した場合、前記遊技媒体の払出しの指示先を、前記第1払出部から前記第2制御部に切り替え、
前記第2制御部は、前記第1制御部から前記遊技媒体の払出しの指示を受けた場合、前記第2払出部より前記フィールドに前記遊技媒体を払出すように制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−245408(P2012−245408A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−206548(P2012−206548)
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【分割の表示】特願2010−11596(P2010−11596)の分割
【原出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【分割の表示】特願2010−11596(P2010−11596)の分割
【原出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
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