説明

ゲーム装置

【課題】 個々のメダルを検出するためのセンサを設けることなく、メダルの有無を検知できるようにする。
【解決手段】 メダルゲーム装置は、ゲームフィールドに複数の電極51−1〜51−nを配置させている。ゲームフィールドには、導体により形成されたメダルが投入される。抵抗値検出部50は、1対の電極51の間の抵抗値を検出してCPU40に通知する。CPU40は、抵抗値検出部50により検出された抵抗値に基づいてゲームを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル等の物体を利用するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ゲームセンター等の遊戯施設において利用されるゲーム装置には、メダルを利用する各種のメダルゲーム装置が知られている。例えば、メダルゲーム装置には、プッシャーゲーム装置がある。プッシャーゲーム装置は、ゲームフィールド上に多数のメダルを載置し、ゲームフィールド上でプッシャー台を摺動させる。プッシャー台が奥側に移動されたタイミングに合わせてユーザがゲームフィールドにメダルを投入すると、このメダルがプッシャー台に押され、さらにゲームフィールド上に堆積されたメダルが押される。これにより、手前側のメダルがメダル落下溝に落下すると、このメダルをプレーヤが獲得することができる。
【0003】
従来のメダルゲーム装置は、メダルのゲームフィールドへの投入枚数や、ユーザに払い出されるメダルの枚数を検知するために、メダル検知用のセンサが設けられている。例えば、特許文献1に記載されたプッシャーゲーム装置では、メダル投入部へ投入されたメダルを検知する投入センサとメダル払出部から払い出されるメダルを検知する払出センサとが設けられている。払出センサは、例えば投光器と受光器とから成る光センサにより実現されている。払出センサは、投光器と受光器との間をメダルが通過することによりメダルを検知できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−38037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のメダルゲーム装置に光センサ等の透過タイプのセンサを用いると、光を遮ることで検知されてしまうため1枚毎にしか検知することができない。例えば、メダル投入部からゲームフィールドに投入されたメダルの枚数を検知することができるが、メダルがゲームフィールド上でまとまった状態にあるかを検知することができない。逆に、従来のメダルゲーム装置では、例えばゲームフィールド上にメダルがまとまった状態で存在していないことを検知することはできなかった。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、個々のメダルを検出するためのセンサを設けることなく、メダルの有無を検知することが可能なメダルゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、第1の電極と第2の電極とが配置されたゲームフィールドと、導体により形成された物体を前記ゲームフィールド上に投入する投入手段と、前記第1の電極と前記第2の電極との間の抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、前記抵抗値検出手段により検出された抵抗値に基づいてゲームを制御する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、個々の物体を検出するためのセンサを設けることなく、物体の有無を検知することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態におけるメダルゲーム装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】第1実施形態におけるメダルゲーム装置のゲームフィールドの詳細な構成を示す図。
【図3】第1実施形態におけるメダルゲーム装置の機能構成を示すブロック図。
【図4】抵抗値検出部による電極間の抵抗値の検出を説明するための図。
【図5】抵抗値検出部による電極間の抵抗値の検出を説明するための図。
【図6】抵抗値検出部により検出される電極間の抵抗値と、電極間に連結(接触)された状態で存在するメダルの枚数との関係を概念的に示す図。
【図7】第1実施形態におけるメダルゲーム装置の抵抗値検出部を用いたメダルの検出処理について示すフローチャート。
【図8】第2実施形態におけるメダルゲーム装置の外観構成を示す斜視図。
【図9】第2実施形態のメダル投入器の機能を説明するための図。
【図10】第2実施形態におけるメダルゲーム装置の抵抗値検出部を用いたメダルの検出処理について示すフローチャート。
【図11】電極の配置例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態におけるメダルゲーム装置10の外観構成を示す斜視図である。図1に示すメダルゲーム装置10は、プッシャーゲーム装置として構成されたもので、通常、ゲームセンター等の店舗に設置して使用される。図1に示すメダルゲーム装置10は、例えば1人のプレーヤによってゲームをプレイできる構成となっているが、複数のプレーヤが同時にプレイできる構成とすることもできる。
【0011】
ゲーム筐体11aの前面には、プレーヤによって操作される各種の機能が実装された操作パネル11bが設けられている。また、ゲーム筐体11aの操作パネル11b上部は、筐体内部のゲームフィールドを視認できるように透明カバー12(例えばアクリル)によって覆われている。この透明カバー12によりゲームフィールド内に直接に触れることができないようにしている。
【0012】
操作パネル11bの中央には、メダル投入器13が設けられている。メダル投入器13は、プレーヤがゲームフィールドにメダルを投入するための装置である。メダル投入器13は、透明カバー4の外側に設けられたメダル投入口にメダルが投入されると、そのメダルを透明カバー4の内部にまで貫通しているメダル通路部を通過させて、その先端からゲームフィールド内に投入する。メダル投入器13は、メダルの投入方向をプレーヤが選択できるように、規定範囲内で回動自在に取り付けられている。これにより、プレーヤは、メダル投入器13のメダル通路部の先端を所定の範囲内で左右に向けることができる。
【0013】
なお、第1実施形態におけるメダルゲーム装置10で使用されるメダルは、金属等の導体により形成されるものとする。詳細については後述するが、第1実施形態におけるメダルゲーム装置10のゲームフィールドには、複数の電極が配設されており、メダルが堆積されることにより複数のメダルを介して電極間が電気的に接続される。
【0014】
また、操作パネル11bには、プレーヤによって操作されるゲーム選択/決定ボタン(図示せず)、スピーカ(図示せず)、メダル払い戻し口19等が設けられている。ゲーム選択/決定ボタンは、メダルゲーム装置10に対してプレーヤが各種の指示を与える際に操作されるボタンである。スピーカは、ゲームの実行中にBGM(back ground music)や効果音等を出力するものである。メダル払い戻し口19は、プレーヤにメダルを払い出すためのもので、透明カバー4内のゲームフィールドから落下したメダルなどが搬出される。
【0015】
ゲームフィールドには、プッシャー台(上部フィールド)16、下部フィールド17が設けられている。下部フィールド17は、メダルが積載される台として使用され、メダル投入器13から投入されたメダル、プッシャー台(上部フィールド)16から落下したメダル、入賞等によって払い出されたメダルが積載される。メダルは、下部フィールド17の図中手前側に設けられたメダル落下溝18に落下すると、メダルゲーム装置10の本体前面に設けられたメダル払い戻し口19から排出される。これにより、プレーヤはメダルを獲得することができる。また、ゲームフィールドには、抽選処理を開始させることができる入賞口(図示せず)が設けられている。
【0016】
プッシャー台16は、下部フィールド17の上面に沿って、プッシャー台駆動機構部46(後述する)により前後方向に例えば一定周期で往復移動する。また、プッシャー台16は、メダルが載置される上部フィールドとして使用される。プッシャー台16上のメダルが図中手前側に落下すると、下部フィールド17上に載置されることになる。プッシャー台16が往復移動中の最前位置にないときに、下部フィールド17上の往復移動範囲内にメダルが落下した場合、そのメダルは、プッシャー台16により押されて、下部フィールド17に堆積された多数のメダルに押し込まれる。こうしてメダルが押し込まれると、下部フィールド17上に堆積していたメダルが図中手前側に押され、メダルがメダル落下溝18に落下する。
【0017】
プッシャー台16の奥正面には、モニタ14が設置されている。モニタ14は、プレーヤに対して提示する各種の情報(メニュー等)を表示する他、入賞時の抽選処理用の画面などが表示される。例えば、抽選処理用の画面としては、3列に配列された数字や絵柄を、それぞれ個別に縦方向にリールが回転していることを表すように表示し、ゲーム選択/決定ボタンに対する操作に応じて回転表示が停止されるように表示する。
【0018】
モニタ14の下部には、抽選処理の結果に応じて、あるいはゲームフィールド(プッシャー台16、下部フィールド17)に積載されたメダルが少ない場合などにメダルを払い出すためのメダル供給口15(15a,15b,15c)が設けられている。メダル供給口15a,15b,15cは、それぞれ個別にプッシャー台16に複数枚のメダルを一括して供給することができる。例えば、ゲームフィールド上のメダル供給口15aの前方に積載されたメダルが少ないことが、後述する抵抗値検出部50により検出された抵抗値をもとに判別された場合には、メダル供給口15aからメダルを供給することでゲームフィールド上にメダルを補充することができる。
【0019】
図2は、第1実施形態におけるメダルゲーム装置10のゲームフィールドの詳細な構成を示す図である。
第1実施形態におけるメダルゲーム装置10は、ゲームフィールド上に複数の電極51(51−1,…,51−12)が配設されている。図2に示す例では、プッシャー台16と下部フィールド17のそれぞれにおいて、各メダル供給口15a,15b,15cの前方に1対の電極51が配設されている。メダルゲーム装置10は、後述する抵抗値検出部50によって、1対(2つ)の電極51間の抵抗値をそれぞれ検出することができる。メダルゲーム装置10は、2つの電極51の間が複数のメダルにより接続され、導通された状態にあるか否かを抵抗値の変化によって判別することができる。すなわち、抵抗値検出部50により検出される抵抗値をもとにして、2つの電極51の間にメダルが存在するか否かを検知できる。
【0020】
図3は、第1実施形態におけるメダルゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、メダルゲーム装置10は、CPU40によって各部が制御される。CPU40は、メモリ41に記憶されたゲームプログラム41aを実行することにより各部を制御する。メモリ41には、基本プログラムやゲームプログラム41aの他、ゲームを実行する上で使用される各種のデータが記憶される。また、CPU40は、抵抗値検出部50により検出された電極51間の抵抗値の変化に応じて、各部を制御することができる。
【0021】
CPU40は、入出力制御部42を介して、モニタ14、スピーカ43、光源部44、ボタン入力部45、投入センサ52、払い出しセンサ53と接続される。
スピーカ43は、例えば図1中の操作パネル11bなどに収納されており、ゲーム実行時の効果音やBGM(back ground music)、各種メッセージ音などをCPU40の制御に応じて出力する。
光源部44は、メダルゲーム装置10に設けられた各種の光源(図示せず)の点灯(点滅)を制御する。
ボタン入力部45は、メダルゲーム装置10に設けられたゲーム選択/決定ボタン等のボタンの入力制御を行い、プレーヤのボタンに対する入力操作に応じて入力信号をCPU40に出力する。
【0022】
また、CPU40は、プッシャー台駆動機構部46、払い出し機構部47、抵抗値検出部50等を制御する。
プッシャー台駆動機構部46は、ゲームフィールドに設けられたプッシャー台(上部フィールド)21を例えば一定周期で前後方向に往復移動させる。
【0023】
払い出し機構部47は、CPU40の制御のもとで、抽選の結果に応じてメダル供給口15a,15b,15cから所定枚数のメダルを供給する。また、払い出し機構部47は、抵抗値検出部50により検出された抵抗値をもとに、ゲームフィールド上にまとまったメダルが存在していないことが検知された場合に、メダル供給口15a,15b,15cから選択的に所定枚数のメダルを供給する。
【0024】
抵抗値検出部50には、複数の電極51(51−1,…,51−n)が接続されている。抵抗値検出部50は、電極切替部50aにより抵抗値の検出対象とする1対の電極51を切り替えて、各電極51の間の抵抗値を検出することができる。
【0025】
投入センサ52は、例えばメダル投入器13に装着されており、プレーヤの操作によってメダル投入器13からゲームフィールドに投入されたメダルを検知する。
払い出しセンサ53は、例えばメダル払い戻し口19からプレーヤに対して払い出されたメダルを検知する。
【0026】
図4及び図5は、抵抗値検出部50による電極51間の抵抗値の検出を説明するための図である。
図4に示すように、抵抗値検出部50は、選択的に2つの電極51と接続され、この電極51の間の抵抗値を検出する。電極51の間にメダルが存在しない場合には電極51の間は導通されず、抵抗値検出部50により検出される抵抗値は最大値(無限大)となる。
【0027】
一方、ゲームフィールドに複数のメダルが投入されると、図5に示すように、2つの電極51の間にメダルが堆積される。この堆積された複数のメダルを介して2つの電極51の間が連結(接続)されると、メダルが導体により形成されているため、2つの電極51の間が導通状態となる。抵抗値検出部50は、導通状態となった電極51の間の抵抗値を検出して、CPU40に通知する。
【0028】
図6は、抵抗値検出部50により検出される電極51の間の抵抗値と、電極51の間に連結(接触)された状態で存在するメダルの枚数との関係を概念的に示す図である。
【0029】
理論的には、2つの電極51の間に抵抗(R1,R2,R3,…)を並列に接続した場合、その合計値Rは、
R=1/(1/R1+1/R2+1/R3+…)
となる。すなわち、電極51を接続する抵抗の数が増える毎に合計値Rは減少する。
【0030】
電極51の間を複数のメダルを堆積させることで接続する場合、メダルの堆積状態が一定とならない。このため、電極51の間の抵抗値と、電極51の間に存在するメダルの枚数との関係は理論通りとはならないが、例えば図6に示すように変化する。すなわち、2つの電極51を連結するメダルの枚数が増えると、それに反比例するように抵抗値が小さくなる。
【0031】
図6に示す例では、2つの電極51の間が複数のメダルが堆積されることによって連結されるまでは、抵抗値は最大値を示している。そして、電極51の間がメダルにより連結されると堆積されたメダル枚数に応じた抵抗値が検出される。メダルの堆積枚数が少ない状態であれば抵抗値は高くなり、堆積枚数が増えるほど抵抗値が低くなる。
【0032】
CPU40は、抵抗値検出部50によって検出される抵抗値をもとにして、ゲームフィールド上のメダルの有無(存在状況)を判別する。例えば抵抗値検出部50によって検出される抵抗値が最大値を示している場合には、電極51の間を連結できるだけのメダルが存在していないと判定できる。また、抵抗値検出部50によって検出される抵抗値が最大値からメダルによる連結時の抵抗値に変化した場合には、2つの電極51を連結させる程度のメダルが存在していることを判別できる。また、CPU40は、抵抗値検出部50により検出される抵抗値と予め設定された基準値L1とを比較した結果、抵抗値が基準値L1より小さい場合に、大量のメダルが存在していると判別することができる。
【0033】
次に、第1実施形態におけるメダルゲーム装置10の抵抗値検出部50を用いたメダルの検出処理について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPU40は、ゲームプログラム41aを実行することによりゲーム処理を制御する。ゲーム中では、CPU40は、プッシャー台16を前後方向に摺動させる。プレーヤは、プッシャー台16の動きに合わせてタイミング良くメダル投入器13からゲームフィールドにメダルを投入することで、投入したメダルとプッシャー台16によって堆積されたメダルをメダル落下溝18に落下させることができる。
【0034】
メダルゲーム装置(プッシャーゲーム装置)は、新たにメダルを投入して、ゲームフィールド上にそれまで堆積されているメダルを押すことで、メダルをメダル落下溝18に方向に移動させる。従って、ゲームフィールド上に堆積されたメダルが少ないと、メダル投入器13からメダルを投入してもゲームフィールドに堆積されたメダルの隙間に入り込んで、メダルをメダル落下溝18の方向に移動させることができない。従って、プレーヤにゲームを利用してもらうためには、ゲームフィールド上に、常時、大量のメダルが堆積された状態にしておく必要がある。
【0035】
ゲーム実行中、CPU40は、例えば予め決められた状況監視タイミングに応じて、ゲームフィールド上に存在するメダルの状況を判別する。状況監視タイミングは、例えば予め決められた一定時間毎(例えば1時間毎)としても良いし、管理者が予め設定した時刻としても良い。その他、任意に状況監視タイミングを設定することができる。
【0036】
CPU40は、状況監視タイミングになると(ステップA1、Yes)、抵抗値検出部50に対して抵抗値の検出対象とする電極の切り替えを指示すると共に、抵抗値検出部50によって検出された抵抗値を読み取る(ステップA2,A3)。
【0037】
抵抗値検出部50は、CPU40からの指示に応じて、電極切替部50aによってゲームフィールドに配置された1対の電極51に抵抗値の検出対象として接続を切り替える。抵抗値検出部50は、電極切替部50aにより切り替えられた電極51の間の抵抗値を検出してCPU40に通知する。
【0038】
図2に示す構成では、プッシャー台16と下部フィールド17のそれぞれに3対の電極51が配置されている。従って、6対の電極51のうち抵抗値の検出対象を順次切り替えながら、それぞれの電極51の組合せについて抵抗値を検出する(ステップA2〜A4)。すなわち、電極51−1,52−2、電極51−3,52−4、電極51−5,52−6、電極51−7,52−8、電極51−9,52−10、電極51−11,52−12の組み合わせのそれぞれについて抵抗値を検出する。
【0039】
全ての電極51の組合せについて抵抗値が検出されると(ステップA4、Yes)、CPU40は、各電極51の組み合わせに応じた抵抗値をもとに、メダルの払い出しが必要なゲームフィールドを判別する。例えば、抵抗値検出部50により検出された抵抗値が最大値であった電極51の組合せがあった場合には、電極51を連結させるだけの十分なメダルが存在していないものと判別し、この電極51が配置されたゲームフィールドにメダルの払い出しが必要であると判別する。
【0040】
CPU40は、メダルの払い出しが必要なゲームフィールドがあること判別されると(ステップA6、Yes)、このフィールドに対応するメダル供給口15からメダルを供給させる(ステップA7)。例えば、図2に示す構成において、メダル供給口15aの前方のプッシャー台16あるいは下部フィールド17に配置された電極51の間においてメダルの払い出しが必要であると判別された場合には、メダル供給口15aからゲームフィールド上にメダルを供給(排出)させる。
【0041】
同様にして、メダル供給口15b,15cの前方に配置された電極51の間の抵抗値をもとに、十分なメダルが存在していないものと判別された場合には、それぞれメダル供給口15b,15cから個別にメダルを供給させることができる。
CPU40は、ゲーム処理が終了されるまで、前述した処理を継続して実行する(ステップA1〜A8)。
【0042】
このようにして、第1実施形態では、ゲームフィールドに配置された電極51の間の抵抗値をもとにして、ゲームフィールド上に十分なメダルが存在しないことを判別して、メダルを供給することができる。
【0043】
なお、前述した説明では、電極51を連結させるだけのメダルが存在しない場合(電極51の間の抵抗値が最大値であった場合)に、メダル供給口15からゲームフィールドにメダルを供給するとしているが、抵抗値検出部50によって検出された抵抗値と基準値L1との比較結果に応じて、メダル供給口15からのメダル供給を制御するようにしても良い。すなわち、CPU40は、抵抗値検出部50によって検出された抵抗値と基準値L1とを比較し、抵抗値が基準値L1以上であった場合には、電極51の間を連結させるメダルは存在しているが大量のメダルが存在していないと判別する。そして、CPU40は、大量のメダルが存在していないと判別された場合に、メダル供給口15からメダルをゲームフィールド上に供給する。
【0044】
これにより、ゲームフィールド上を常に大量のメダルが堆積された状態にして、メダルの獲得を容易な状況とすることができるので、プレーヤに対してゲームの利用をアピールすることができる。
【0045】
なお、図2に示す構成では、プッシャー台16と下部フィールド17のそれぞれに3対の電極51が配置され、6対の電極51を順次切り替えながら、それぞれの抵抗値を検出しているが、複数の電極51から異なる電極の組合せ(対)を任意に選択できるようにしても良い。例えば、プッシャー台16に配置された電極51−1,51−3、電極51−1,51−4、電極51−1,51−5、…、電極51−2,51−3、電極51−2,51−4、電極51−2,51−5、…のようにして電極の組合せを選択し、各電極51の組合せによる抵抗値を検出する。全ての電極51の組み合わせについて抵抗値を検出する必要もなく、予め設定された電極51の組み合わせについて抵抗値を検出するようにしても良い。例えば、メダル供給口15a,15bの前方のメダルの状況を判別する場合には電極51−1,51−4を選択して抵抗値を検出すれば良く、またプッシャー台16の全体のメダルの状況を判別する場合には電極51−1,51−6を選択して抵抗値を検出すれば良い。こうして、メダルの存在を判別しようとする範囲を、この範囲に該当する位置に配設された2つの電極51を選択することで変更することができる。
【0046】
(第2実施形態)
第1実施形態では、抵抗値検出部50によって検出された電極51の間の抵抗値をもとにして、ゲームフィールド上に十分なメダルが存在していないことを判別する例を用いているが、第2実施形態では、ゲームフィールド上にまとまった量のメダルが存在していることを検出してゲームを制御するメダルゲーム装置10aについて説明する。
【0047】
図8は、第2実施形態におけるメダルゲーム装置10aの外観構成を示す斜視図である。なお、図1に示すメダルゲーム装置10と共通する構成については詳細な説明を省略する。
【0048】
第2実施形態におけるメダルゲーム装置10aは、ゲームフィールドの奥に配置されたメダル収容器65を、例えば左右方向に移動させ、このメダル投入器65を狙ってプレーヤにメダル投入器63からメダルを投入させるゲームを提供する。操作パネル11bに設けられたメダル投入器63は、図9に示すように、透明カバー4の外側に設けられたメダル投入口にメダルが投入されると、そのメダルを透明カバー4の内部にまで貫通しているメダル通路部を通過させて、その先端部において上方に射出することができる。プレーヤは、メダル収容器65の方向にメダル投入器63を向けて、タイミング良くメダルをメダル投入口に入れることで、メダルをメダル収容器65に入れることができる。
【0049】
メダル収容器65の底部(ゲームフィールド)には、図4及び図5に示すように、例えば1対の電極51が配設されている。抵抗値検出部50は、電極51の間の抵抗値を検出してCPU40に通知する。
【0050】
次に、第2実施形態におけるメダルゲーム装置10aの抵抗値検出部50を用いた処理について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPU40は、ゲームプログラム41aを実行することによりゲーム処理を制御する。ゲーム中では、CPU40は、メダル収容器65を左右方向に摺動させる。プレーヤは、メダル投入器63からメダル収容器65を狙ってメダルを投入する。
【0051】
CPU40は、抵抗値検出部50によって検出された電極51の間の抵抗値を読み取る(ステップB1)。CPU40は、抵抗値検出部50により検出された抵抗値をもとに、メダル収容器65に蓄積(収納)されたメダルの蓄積量を判定する。ここでは、CPU40は、抵抗値と基準値L1とを比較し、抵抗値が基準値L1以上となっている場合に、ある程度の枚数のメダルが蓄積されていると判定する。抵抗値が基準値L1以上となっていない場合には(ステップB3、No)、そのままゲーム処理を継続する(ステップB1〜B3)。
【0052】
一方、CPU40は、抵抗値をもとに、メダル収容器65にある程度の枚数のメダルが蓄積されていると判定すると(ステップB3、Yes)、払出枚数の抽選処理を実行する。例えば、CPU40は、モニタ14に抽選画面を表示して、抽選処理の処理状況をプレーヤに通知する。CPU40は、所定の抽選処理によってメダルの払い出し枚数が決定されると、払い出し機構部47によってメダル払い戻し口19から所定枚数のメダルを払い出す(ステップB5)。
【0053】
CPU40は、例えば予め決められた時間が経過してゲーム処理が終了されるまで、前述した処理を継続して実行する(ステップB1〜B6)。
【0054】
このようにして、第2実施形態では、メダル収容器65(ゲームフィールド)に配置された電極51の間の抵抗値をもとにして、メダル収容器65にある程度のまとまった量のメダルが蓄積(存在している)ことを判別して、例えば払い出し枚数の抽選処理などの処理を実行することができる。
【0055】
なお、前述した説明では、ゲームフィールド上に配置される電極51を矩形状としているが、例えば、メダルの有無を検出する対象とする範囲の形状などに応じて任意の形状とすることができる。また、電極51にメダルが接触しやすくなるように、電極51の上面がゲームフィールド面より僅かに突出するように配置しても良い。
【0056】
また、前述した各実施形態では、2つの電極51の間の抵抗値を検出するだけで、この2つの電極51の間にメダルが存在しているか否かを判別しているが、より確実にメダルの存在を検出できるようにするために、複数の電極51の組のそれぞれにより検出された抵抗値をもとに、メダルが存在しているか否かを判別するようにしても良い。
【0057】
図11には、複数の電極51の組について検出された抵抗値をもとにメダルの存在を判別するための電極51の配設例を示している。図11に示す例では、細い帯状の電極51が例えば等間隔でゲームフィールド上に配列されている(ゲームフィールドの位置によって電極51を配設する間隔が異なっていても良い)。そして、電極51が配列された間隔は、抵抗値の検出対象とするメダル(物体)のサイズ(円形のメダルの場合には直径)よりも狭くなっている。従って、ゲームフィールド上にある1枚のメダルは、少なくとも2つの電極51と必ず接触することになる。
【0058】
図11のように配列された電極51(51a、51b,…)については、複数の電極51から異なる電極の組合せ(対)を順次選択して、それぞれの電極の組み合わせについて抵抗値を検出する。例えば、図11に示す電極51a,51b、電極51a,51c、…、電極51a,51k、電極51b,51c、電極51b,51d、…、電極51b,51k、…、電極51c,51d、電極51c,51e、…、電極51c,51kのように、順次、異なる電極51の組を選択して抵抗値を検出する。
【0059】
ゲームフィールド上のメダルは、必ず少なくとも2つの電極51と接触しているため、前述したように、電極51の全ての組み合わせについて抵抗値を検出することで、この検出された抵抗値をもとにして、電極51が配設された範囲の全てにおいてメダルの存在の有無を判別することができる。従って、複数のメダルが堆積された状態にあったとしても端部に配設された電極51と接触していないために2つの電極51の電極間がメダルにより連結されず、メダルが存在しないと判別されることを回避することが可能となる。
【0060】
また、前述した説明では、メダルゲーム装置で使用されるメダルによって電極51の間が連結される例を示しているが、メダル以外の導電性の材料で形成された物体であれば、メダル以外であっても同様に取り扱うことができる。また、メダルゲーム装置に限るものではなく、導体により形成された他の物体を使用するゲーム装置を対象とすることができる。
【0061】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10,10a…メダルゲーム装置、11a…ゲーム筐体、13,63…メダル投入器、14…モニタ、15a,15b,15c…メダル供給口、16…プッシャー台、17…下部フィールド、18…メダル落下溝、65…メダル収容器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と第2の電極とが配置されたゲームフィールドと、
導体により形成された物体を前記ゲームフィールド上に投入する投入手段と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、
前記抵抗値検出手段により検出された抵抗値に基づいてゲームを制御する制御手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記抵抗値と予め設定された基準値との比較結果に基づいて、前記ゲームフィールド上の前記物体の有無を判定することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲームフィールドには第3の電極と第4の電極をさらに配置し、
前記抵抗値検出手段は、前記第1の電極と前記第2の電極、あるいは前記第3の電極と前記第4の電極の何れかを選択し、それぞれの電極間の抵抗値を検出することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲームフィールドには第3の電極をさらに配置し、
前記抵抗値検出手段は、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記第3の電極のうち、何れか2つの電極からなる異なる組を複数選択し、それぞれの電極間の抵抗値を検出することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲームフィールドに前記物体を供給する供給手段をさらに具備し、
前記制御手段は、前記抵抗値から前記物体が無いと判定された場合に、前記供給手段により前記物体を供給させることを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記抵抗値から前記物体が有ると判定された場合に、予め決められた処理を実行することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−90679(P2012−90679A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238748(P2010−238748)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)