コイン機械装置
コイン機械装置は、コイン(1)を受け入れるためのコイン導入箇所(2)、コイン排出箇所(19)、試験されるコインのための入口(7)を有するコイン受入機(5)、上記入口へ入る試験中のコインの受入可能性を判定するように構成されたセンサ・処理装置、受入可能なコインのためのコイン受入通路(10)、および受入不可能なコインのための非受入通路(12)を備えてなる。コインを連続してコイン受入機(5)の入口(7)へ送出するために、第1コインコンベアが、コイン導入通路(3)からコインを受けるコイン受入部分から第1コイン送給通路(6)に沿って走行する。コインをコイン排出箇所(19)へ送出するために、第2コインコンベアが、コイン受入機(5)の非受入通路から(12)からコインを受けるコイン受入部分から第2コイン送給通路(17)に沿って走行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に自動販売機に適用されるが、それらに限定されることのないコイン機械装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
よく知られていることであるが、多金種コイン受入機が、相異なる金種のコインを認証するために自動販売機に使用されており、それによって、受入可能なコインが受入通路へ導かれるとともに、受入不可能なコインがユーザーへ戻すための非受入通路へ導かれる。受け入れられたコインをそれらの金種に従って仕分けるためにソーターを使用することができ、それによって、それらのコインは、購入者へ釣銭を支払うために使用することのできる個々のホッパーへ送り込まれる。例えば、購入者が1枚以上のコインを上記受入機へ差し出した場合に、購入する品物が金銭的価値のより少ないものであれば、1つ以上のホッパーに指示が行われて、購入価格と、購入者によって差し出されたそのコインあるいはそれぞれのコインについての金銭総額との差に対応する金銭的価値の釣銭が支払われる。
【0003】
コインの支払いをもたらすためのホッパーにはさまざまな型がある。例えば、われわれのヨーロッパ特許出願公開第0080842A号明細書には、選択駆動可能なエンドレスコンベアであって、支払いのためにコインをそのコンベアのコイン受入部分から上行部分に沿ってそのコンベアの上行部分における出口まで上昇させるエンドレスコンベアを利用する、個々の金種のコインとともに用いるのに適したホッパーが開示されている。
【0004】
支払い用容器からコインを受け入れるために放射状に設けられた孔が含まれている傾斜状円形ディスクを備えたコインホッパーもまた知られている。ディスクが回転すると、コインはそれらの孔の中へ落ちて、個々に払い出される。参照はわれわれのヨーロッパ特許出願公開第026602号明細書へ向けられる。
【発明の概要】
【0005】
この発明の第1の観点によれば、コイン受入部分、このコイン受入部分から上行する上行部分、上記コイン受入部分まで下行する下行部分、および上記上行部分から上記下行部分まで延びるアーチ状被覆部分が経路に含まれているエンドレスループ状コンベアと、上記コイン受入部分において、上記上行部分に沿って上記アーチ状被覆部分へ運ばれる上記コンベアの上へコインを個々に供給するように構成されたコイン供給部と、コインを上記コンベアの上に保持するために上記アーチ状被覆部分の下面に設けられたガイドと、上記上行部分を越えたその上の位置でコインを上記コンベアから取り出すことができるコイン出口とを備えてなるコイン機械装置が提供される。
【0006】
上記出口の位置は上記アーチ状被覆部分の下面におけるものであってもよい。このように、上記出口の位置はコンベアの上記上行部分に限定されることはない。
【0007】
この発明の別の観点によれば、コイン受入部分およびこのコイン受入部分から上行する上行部分が経路に含まれているエンドレスループ状コンベアと、上記コイン受入部分において、上記上行部分に沿って運ばれる上記コンベアの上へコインを個々に供給するように構成されたコイン供給部と、コインを上記コイン受入部分の上方の位置で上記コンベアから取り出すことができるコイン出口とを備えてなり、上記コンベアは、上記コイン受入部分から上記出口まで運ばれる個々のコインを受け入れるための容器を画定する複数の直立部材を含み、これらの直立部材は、上記コンベアの両方の長手側方縁部の内方に配置されたそれらの周縁で上記容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されているコイン機械装置が提供される。
【0008】
上記直立部材は、上記容器が上記コンベアの進行方向に一線配置されたそれらの中心で相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されていてもよい。このコンベアには、上記容器の個々の1つがそれぞれにある複数のセグメントが備わっていてもよい。
【0009】
上記直立部材は、上記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部とただ2つの箇所で接するように構成されていてもよい。1つの例では、上記直立部材は一対の直立種子状部からなり、これらのそれぞれは上記コンベアの上でコインの側方縁部に係合する。代わりに、上記直立部材は、上記コンベアの上でコインの側方縁部にそれぞれが係合する一対の集束突出部からなっていてもよい。これらの突出部あるいは種子状部は上記コンベアの上で対称に配置されている必要はない。
【0010】
従って、このコンベアは相異なる金種のコインを処理するために使用することができる。
【0011】
この発明のさらに別の観点によれば、コインを受け入れるためのコイン入口、およびそのコインの真正性を判定するように構成された認証回路を有しているコイン受入機と、受入通路と、非受入通路とを備え、この受入機は、コインが上記認証回路によって受入可能と判定されるとそのコインをコイン受入通路へ導き、受け入れられないときにはそのコインを非受入通路へ導くように構成されており、さらに、拒絶されたコインのための拒絶通路と、受け入れられなかったコインを再認証のために上記非受入通路からこの受入機の上記入口まで戻すように構成された再循環通路と、受け入れられなかったコインをこの受入機による再認証のために上記再循環通路へあるいは上記拒絶通路へ選択的に導くように作動可能である再循環ゲートとを備えてなるコイン機械装置が提供される。
【0012】
従って、コインが拒絶されると、そのコインはこの受入機による再認証のために再び差し出すことができる。
【0013】
受け入れられなかったコインが、上記拒絶通路へ導かれる前に上記受入機によって認証されて上記再循環通路を通して戻される回数を制御するために、上記再循環ゲートの作動を制御する制御装置が設けられていてもよい。
【0014】
この発明には、コインを受け入れるためのコイン導入箇所と、コイン排出箇所と、試験されるコインのための入口、この入口に入る試験中のコインの受入可能性を判定するように構成されたセンサ・処理構成部、受入可能なコインのための受入通路、および受入不可能なコインのための非受入通路を有しているコイン受入機と、コインを連続的にコイン受入機の上記入口へ送出するためにコイン受入部分から第1コイン送給通路に沿って走行する第1コインコンベアと、上記コイン導入箇所から第1コインコンベアのコイン受入部分まで延びているコイン導入通路と、コインを上記コイン排出箇所へ送出するために、上記受入機の非受入通路からコインを受けるコイン受入部分から第2コイン送給通路に沿って走行する第2コインコンベアとを備えてなるコイン機械装置もまた含まれている。
【0015】
コインが第1コンベアを出て受入機の上記入口の中へ入るときと違って、コインが第1コンベアを出て受入機の上記入口の中へ入ることがないときには、第1コンベアをより速い速度で駆動するために駆動モータ構成体を設けてもよい。
【0016】
第1コンベアには、単一のコインを上記第1通路の上記コイン受入部分から受入機の上記入口まで搬送するようにそれぞれが構成された複数のコンベアセグメントが含まれていてもよい。
【0017】
第2コンベアには、複数のコインを送出される第2コンベアの上記コイン受入部分から上記コイン排出箇所まで搬送するようにそれぞれが構成された複数のコンベアセグメントが含まれていてもよい。
【0018】
上記第1コイン送給通路に沿って通過することなくコインをコイン導入箇所からコイン排出箇所まで返送するためのコイン返送通路が、上記第1コンベアが稼動中でないときにコインを上記コイン返送通路に沿って送るためにコインを分流するためのコイン分流装置とともに含まれていてもよい。
【0019】
この機械装置を通るコインの通過を感知するセンサを設けてもよく、また、コイン詰まりを検出するために、上記センサを通り過ぎるコインの通過のタイミングに応じるプロセッサを使用することができる。このプロセッサによって作動可能な詰まり解除モータによれば、コイン詰まりが検出された場合に、この機械装置からコインを解除することができる。
【0020】
コイン受入機には、受入機の本体とドアとの間に画定されたコイン流下通路が含まれていてもよく、その場合には、そのコイン流下通路におけるコイン詰まりが起きると、上記詰まり解除モータは、上記ドアを開いてそのコインを受入機から解除するように構成することができる。
【0021】
この発明には、2枚以上のコインが上記コイン容器の中で引っ掛かることになると、あるコンベアセグメントからコインを射出するためのコイン改良型構成もまた含まれている。この発明によれば、少なくとも1つのコンベアセグメントと、使用時に上記コンベアセグメントが長手方向にそれらの間で動く両側壁と、これら両側壁の一方におけるコイン射出用出口と、上記セグメントの上でコインを受け入れるコイン容器とを含んでおり、上記コイン容器は、2枚のコインがそのコイン容器の中に受け入れられると、それらのコインの一方が上記出口を通り過ぎるその容器の動きによって上記コイン射出用出口から射出され、かつ、それらのコインの他方がその容器の中に残るように、上記セグメントの長手中心線に対して非対称状に配置された直立部材を含んでいるコイン機械装置用コンベアが提供される。
【0022】
上記直立部材には一対の直立状集束突出部が含まれており、これらの突出部のそれぞれは、上記セグメントにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合するためのものであり、上記集束突出部は、非対称であり、結合箇所で上記コンベアの長手中心線の一方側へ集束している。
この発明をより充分に理解するために、以下の添付図面を参照する例示的な例によって、その実施形態がこれから説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、この発明に係るコイン機械装置の模式的ブロック図である。
【図2】図2は、一方側面から見たこの機械装置の斜視図である。
【図3】図3は、他方側面から見たこの機械装置の斜視図である。
【図4】図4は、図1〜図3に示された第1コイン送給通路の一部切欠拡大斜視図である。
【図5】図5は、図4に示された第1コイン送給通路の部分Xの拡大図である。
【図6】図6は、図1に示された再循環ゲートの、コインを拒絶通路へ導くための拒絶箇所におけるより詳細な図である。
【図7】図7は、コインを再循環通路へ導くための、再循環箇所における再循環ゲートを示している。
【図8】図8は、1つ以上のコンベアに使用するためのセグメントの平面図である。
【図9】図9は、1つ以上のコンベアに使用するためのセグメントの側面図である。
【図10】図10は、コンベアのある部分を形成するために相互連結された4つのセグメントの平面図である。
【図11】図11は、コンベアのある部分を形成するために相互連結された4つのセグメントの側面図である。
【図12】図12は、山形袖章状構成体の形態にある容器を利用する代わりの種類のコンベア用セグメントの平面図である。
【図13】図13は、山形袖章状構成体の形態にある容器を利用する代わりの種類のコンベア用セグメントの側面図である。
【図14】図14は、図1に示されたコイン導入箇所およびコイン排出箇所の模式的拡大断面図である。
【図15】図15は、図1に示されたコイン受入機のためのコイン詰まり解除構成部のいっそう詳細な図である。
【図16】図16は、図15に示された受入機の線A−A'に沿って得られた模式的断面図である。
【図17】図17は、図10および図11に示されたコンベアの変形例である、一つ置きのセグメントだけがコイン容器を有するコンベアの平面図である。
【図18】図18は、図10および図11に示されたコンベアの変形例である、一つ置きのセグメントだけがコイン容器を有するコンベアの側面図である。
【図19】図19は、非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコイン容器があるコンベアセグメントの代わりの形態の側面図である。
【図20】図20は、非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコイン容器があるコンベアセグメントの代わりの形態の平面図である。
【図21A】図21Aは、図19および図20に示された非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコンベアセグメントのコイン容器から2枚以上のコインを射出するための処理における連続的段階の1つを示す。
【図21B】図21Bは、図19および図20に示された非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコンベアセグメントのコイン容器から2枚以上のコインを射出するための処理における連続的段階の1つを示す。
【図21C】図21Cは、図19および図20に示された非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコンベアセグメントのコイン容器から2枚以上のコインを射出するための処理における連続的段階の1つを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜図3に示されたコイン機械装置は、自動販売機の用途に使用するためのものであり、購入者が購入トランザクションを実行するためにこの機械装置へコインを差し出したときに、相異なる金種からなる複数のコイン流通セットのコインを認証する。この明細書の中で使用される用語「コイン」には、政府機関および行政機関によって発行されたコインだけでなく、例えばカジノにおいて使用されるような代用コイン、および帰属的価値のある他のコイン状単位体もまた含まれる。これらのコインは、金種に従って仕分けされ、必要であれば、購入価格と、購入を行うために購入者によって提供された1枚以上のコインの対価との差額に応じて、釣銭が購入者へ支払われる。
【0025】
このコイン機械装置の機能性は、図1における広い輪郭線の中に示されている。購入トランザクションを実行するために、ユーザーが、試験されるコイン1をカップ状容器が備わっているコイン導入箇所2へ差し出すと、そのコインは、シュート3をシュート出口4まで滑り落ちるが、このとき、コインは、多金種コイン受入機5を越えて(しかし、経由することなく)、受入機5の下方の位置で第1コイン送給通路6の上へ滑り落ちる。この第1コイン送給通路6は、以下でより詳しく説明される第1エンドレスループ状コンベアによって画定されているが、このコンベアは、図1における破線状輪郭の中に部分的に示された運動の経路を有している。従って、コイン導入箇所2の中へ連続状に送給されたコインは、縁で立った状態で上記シュートの下方へ送られ、コイン1aによって表示されたようにシュート出口4を離れ、第1コイン送給通路6に沿って動いている上記コンベアの上へ落ちる。
【0026】
実際には、ユーザーは、コイン導入容器2の中に複数枚のコインを同時に投入することができ、これらのコインは、いっしょになって、あるいは相次いで速やかに、出口4から上記コイン送給通路へ到達することができる。後にいっそう詳しく説明するように、通路6に沿って動く上記コンベアは、これらの一団状コインを、それぞれのコインがその主面の一方を上記コンベアの上に載せた状態で先行コインから間隔を置いて配置されるように、コンベアに沿った規則正しい単一の縦列の中へ分離されるように構成されている。後にいっそう詳しく説明するように、このコンベアは、コインをコイン受入機5のコイン入口7へ向かって上方へ連続状に搬送するが、そこでは、コインは、認証される上記受入機の中へ整然と連続的に落下するので、それぞれのコインは、受入機5によって確実に連続状に試験することができる。
【0027】
多金種コイン受入機の一例はヨーロッパ特許出願公開第1560168号明細書に記載されている。この受入機5にはコイン流下通路8が含まれており、これに沿って、試験中のコインが第1コイン送給通路6から感知ステーションSを通り、コイン流下通路8の端を走行する。感知ステーションSには、誘導センサおよび/または光学センサからなっていてもよいセンサS1,S2,S3が含まれており、試験中のコインの導電特性/光学特性を判定する。当業界において周知のように、センサS1,S2,S3の中でコインによって作成された信号は、内部マイクロプロセッサを利用して、さまざまな金種の受入可能コインに対応する記憶値と比較される。試験中のコインが受入可能であると判定されると、ソレノイド作動式ゲート9が開かれて、そのコインは、コイン受入通路10に沿ってソーター11へ送られ、金種に応じて仕分けされる。受け入れられたコインが受入通路の中へ送られたことを確認して、その受け入れられたコインに対応する信頼度をそれに帰属させることを可能にするために、クレジットセンサS4を使用することができる。コインが試験中の金種の1つの真正コインとして認証されないときには、そのコインは、非受入通路12に沿って、制御装置14の制御下で作動するソレノイド作動式再循環ゲート13へ送られる。受け入れられなかったコインは、再循環ゲート13によって、拒絶通路15かあるいは再循環通路16かのいずれかへ導かれる。
【0028】
コインが拒絶通路15へ導かれると、そのコインはユーザーへ戻される。この目的を達成するために、第2コイン送給通路17が設けられており、これは、以下でいっそう詳しく説明するように、図1における破線で部分的に示された運動の経路を有する第2エンドレスループ状コンベアによって画定されている。この第2コンベアは、拒絶されたコインを第2コイン送給通路17に沿ってコイン排出シュート18まで搬送する。コイン排出シュート18は、コイン導入箇所2に隣接するコイン排出箇所へ通じており、ユーザーがコインを受け取ることのできるカップ状容器19を備えている。
【0029】
代わりに、再循環ゲート13は、試験中のコインを認証する第2の試みを行うために、受入不可能なコインをコイン再循環通路16へ導いて第1コイン送給通路6へ送り、次いで受入機5のコイン入口7へ戻す。受入不可能なコインは、再循環ゲート13を作動させる制御装置14の制御下で、再循環通路16と第1コイン送給通路6とに沿って2回以上、送られる。
【0030】
受入機5は、試験中の個々のコインの受入可能性を表示する電気信号をライン20にもたらす。このデータは、制御装置14へ送られ、その制御装置が、受入機5によって受入不可能であると表示されたコインについての再循環ゲート13の制御操作を行うことを可能にする。ライン20におけるこのデータはまた、受入機5において試験された受入可能なコインの金種も表示する。
【0031】
受入可能な金種の真正コインであると判断されたコインは、受入通路10におけるソーター11へ送られて、それらの個々の金種に応じて仕分けされる。この仕分けは、相異なる金種のコインの相異なるサイズに基づいて実行することができるが、このソーター11にはまた、ライン20においてそこへ送られたデータの関数として作動される電気式ゲートが含まれていてもよい。仕分けされたコインは、ソーター11により、別々のソーター排出通路21−1……21−6に沿って個々のロータリーホッパー22−1……22−6へ送られ、それぞれのホッパーが個々の金種の真正コインを受ける。これらの個々のホッパーは、われわれのヨーロッパ特許出願公開第0266021号明細書に詳しく記載されたような装置を備えていてもよい。これらのホッパー22は、必要なときに購入者へ釣銭を提供するために、制御装置14の制御下で、個々の金種の所定数のコインを支払うように作動可能なものである。釣銭として支払われたコインは、第2コイン送給通路17に沿ってシュート18の中へ送られて、コイン排出箇所19へ送り出される。
【0032】
使用に際して、制御装置14は、意図された購入の価格に対応するデータを入力ライン23に受ける。次いで、購入者が1枚以上のコインをコイン導入箇所2の中へ挿入すると、それらのコインは、第1コイン送給通路6の上へ送られて、受入機5によって認証される。受入不可能なコインは非受入通路12へ送られ、そのコインの受入不可能性が制御装置14への信号ライン20に信号で表示される。第1の受入不可能性が出現すると、制御装置14が作動して、受入不可能なコインは、再循環通路16に沿って第1コイン送給通路6へ導かれ、受入機5の入口7の中へ再挿入される。もしも、第2の認証が試みられ、コインがなお受入不可能であると判定されると、制御装置14は、上記第2コイン送給通路を通してコインがコイン排出箇所19で購入者へ戻されるように、再循環ゲート13を作動させてそのコインを拒絶通路15へ導く。受入不可能なコインは、制御装置14によって実行されるルーチンに左右されるが、受入機5を通して1回あるいは数回、再循環させるための再循環通路16に沿って第1コイン送給通路6へ送られる。
【0033】
しかしながら、受入機5によってコインが受入可能であると判断されると、そのコインは、コイン受入通路10に沿ってソーター11へ送られる。受入可能なコインの金種に対応するデータがライン20を制御装置14まで送られるので、制御装置は釣銭が必要であるかどうかを計算することができる。コイン金種に対応するデータもまた、ソーター11へ送られ、そのソーターに1つ以上のソレノイド作動式ゲートが含まれているときには、コインは、その金種に応じた適切なソーター排出通路21−1……21−6へ導かれる。
【0034】
釣銭を支払う必要があるときには、制御装置14は、コインホッパー22−1……22−6の1つ以上に指示を行って、1枚以上のコインをコイン排出箇所19へ戻すための第2コイン送給通路17の中へ払い出し、それによって、釣銭をユーザーへ送り出す。そして、制御装置14は、購入者によって差し出されて受入機5によって受入可能であると認められたコインの合計対価をライン23に表示された購入価格と比較し、その差額を計算し、ホッパー22に対して、これらのホッパーの中に保管された相異なる金種の1枚以上のコインを支払うように指示して、上記差額に対応する対価の釣銭を用意させる。
【0035】
第1コイン送給通路6および第2コイン送給通路17に沿って延びる上記エンドレスコンベアの駆動は、制御装置14によって個々に制御される電動モータ24A,24Bにより行われる。これらのモータ24A,24Bは、ライン23におけるそこへの入力に応じて制御装置14によって始動されて、あるトランザクションの開始を指示する。これらのモータ24A,24Bは、制御装置14によって制御されて、この制御装置により感知されたライン23からのアクティビティがないことに続いて起る所定時間だけ作動する。
【0036】
図2および図3は、図1に示されたコイン機械装置の物理的構成をいっそう詳しく示している。図2および図3にいっそう明確に示されたように、第1コイン送給通路6および第2コイン送給通路17には、個々のエンドレスループ状コンベア25,26がそれぞれ備わっている。それぞれのコンベアは、図8〜図11にいっそう詳しく示された複数の枢支式セグメント27から形成されている。これらのセグメント27は、移送されるコインのための個々の容器を画定するように構成されている。図8および図9に示された実施形態では、これらの容器は、セグメント27の前方面における種子状部28−1,28−2の形態にある直立部材によって画定され、該容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている。図8に示されたように、該容器は、破線の輪郭で示されたような比較的大きい直径のコイン1−1、あるいはより小さい直径のコイン1−2を受け入れることができる。両方の状況において、コインは種子状部28−1,28−2どうしの間に置かれるが、これらの種子状部28−1,28−2は、これらの中心が上記コンベアの長手中心線29と一致するように配置されている。従って、これらのコインは、コンベアの縁部から間隔を置いた、詰まりを回避する位置に保持される。これらの部材28−1,28−2は、それらの間の容器の中における1枚のコインだけを捕捉する程度に直立しており、そのため、何枚かのコインがシュート3から、第1コイン送給通路6に沿って延びるコンベアの上へ同時に到来すると、それらのコインは、コインの個々のものがコンベアの連続状セグメント27の直立部材28によって画定された容器の連続状のものの中に受け入れられるように、単数化されるであろう。もしも、2枚以上のコインが特定の容器の上に重なっているときには、コンベアが通路6に沿って動くと、その重なっている方のコインが、コインをすでに収容している容器の直立部材28を越えて滑り、コンベアの別のセグメント27における次の容器の中へ入る。
【0037】
従って、使用の際に、このコンベアはコイン単数化装置として作用し、それによって、特定のコインだけが、部材28−1,28−2によって周縁における2つの箇所だけで支持されるコンベアにおけるその主面の一方に置かれる。
【0038】
これに対して、コンベアの後方面には、このコンベアを駆動するための従動ピニオンに噛み合うための歯30が設けられている。図8に示されたように、個々のコンベアセグメントは、ガイドホイールとして作用する突出端部31a,31bがある横断ピン31によって、枢支状に接続されている。再び図4を参照すると、これらのガイドホイールはコンベアガイドフレーム32の中に受け入れられている。コンベアガイドフレーム32には、コンベアセグメント27のガイドホイール31a,31bのためのガイドレールとして作用する凹入状側方部分32a,32bがある。
【0039】
図4に示されたように、第1コイン送給通路6のためのコンベア25には、最下部に、再循環ゲート11の制御下でコインソーター5からコインを受け入れるコイン受入部分25−1が含まれている。コイン1は、コイン受入部分25−1においてコンベア25のセグメント27における1つの容器の中に受け入れられるように、再循環ゲート13から矢印Aの方向に出て来る状態に図示されている。
【0040】
このコンベアは、コイン受入部分25−1から、コインが矢印Bの方向に持ち上げられる傾斜状上行部分25−2まで延びている。再び図2および図3を参照すると、このコンベアのアーチ状被覆部分25−3は、上行部分25−2からコイン受入部分25−1へ戻るように延びる下行部分25−4までほぼ水平に延びている。コンベアセグメント27の歯30は、制御装置14の制御下で電動モータ24Aによって駆動されるピニオン33Aに噛み合う。
【0041】
図5は、コンベア25の上のコインが、上行部分25−2から角を曲がってアーチ状被覆部分25−3へ進む態様を示している。コンベアセグメント27が、アーチ状被覆部分25−3のほぼ水平方向へ延びるように、コンベア21の下面におけるコイン容器28とともに徐々に曲がると、種子状部28によって画定された上記容器の中のコイン1を保持するように、ガイド34がこのコンベアの下面に配置されている。図4に示されたように、ガイド34は、アーチ状被覆部分25−3の下面に沿って排出箇所35まで延びている。この排出箇所35は、コインが、コイン受入機5のコイン入口7の中へ滑り戻るように矢印Cの方向に容器28から脱落することができる、コンベア21の下面から延びる下方延長状シュートを備えている。
【0042】
図6は、図1の再循環ゲート13をいっそう詳しく示している。先に説明したように、受入不可能なコインは、図6における矢印Dによって示された非受入通路12に沿って進む。再循環ゲート13はフラップ36を備えており、このフラップ36は、カム38を有する軸37に一方端部で取り付けられており、図1に示された制御装置14で制御されるソレノイド40のアクチュエータ39によって駆動することができる。図6は、コイン受入機55の下方に鉛直状に延びる拒絶通路15へコインを導くために配置されたときの拒絶ゲート13を示している。
【0043】
制御装置14がソレノイド40を作動させると、フラップ36は図7に示された位置まで回転する。アクチュエータ39は、カム38に係合して、フラップ36を通路12の中へ動かしてコインを非受入通路12から再循環通路16の中へ偏向するように、軸37を回転させる。この再循環通路16は、矢印Aの方向に延びており、また、図4に示されたように、第1コイン送給通路6をもたらすコンベア25のコイン受入部分25−1へ延びている。
【0044】
第2コイン通路17をもたらすコンベア26は、構造が上記コンベア25に類似しており、図3に示されてシュート41を通るコインを受け入れるコイン受入部分26−1を備えており、シュート41は、図1に示されたようなホッパー22−1……22−6から払い出されたコインを受け入れる。再び図3を参照すると、コイン受入部分26−1は、傾斜状上行部分26−2の中へ延び、次いで、アーチ状被覆部分26−3および下行部分26−4へ延びている。アーチ状被覆部分26−3は、その下面に、このコンベア26の下面がアーチ状被覆部分26−3の中にあるときに上記容器の中にコインを保持するためのガイド42を、コンベア25と同じ態様で有している。このガイド42はコイン出口43まで延びており、コイン出口43によって、コインは、図1に示されたコイン排出シュート18へ入り、次いで、重力の作用の下で排出箇所19まで滑るように、アーチ状被覆部分26−3の中でコンベア26の下面における容器24から外へ脱落することができる。コンベア26は、このコンベアのセグメント27における歯30に噛み合うピニオン33Bを駆動する電動モータ24Bによって駆動される。このモータ24Bは、図1に示された制御装置14によって制御される。
【0045】
セグメント27における容器の代わりの設計は図12および図13に示されている。この構成では、容器は、ほぼV字状の構成の突出部を備える直立部材44−1,44−2によって画定されており、このV字の中心はこのコンベア26の長手中心線29の上にある。これらの直立部材44は、2つの周縁箇所だけで個々のコイン1に係合するとともに、コイン1がセグメント27におけるその主面の一方がある容器の中に受け入れられると、例えば、相異なる金種のコインのコイン直径の差にもかかわらず、その中心がコンベア26の長手中心線29の上になるように、拘束される。
【0046】
コイン導入制御
この装置は、品物が誤ってコイン導入箇所2の中へ挿入されて詰まりを引き起こすのを防止するように、構成されている。例えば、子供は品物をコイン導入箇所2の中へ挿入することがあり、そのことによって、コイン受入機5のコイン流下通路8における詰まりを引き起こすか、あるいは、静止しているときに第1コイン送給通路6におけるコンベア25の上へ送られてそのコンベアを詰まらせるかのいずれかの結果になる。図14は、図1に示されたコイン導入箇所2およびコイン排出箇所19を、それらに関連したコイン導入シュート3およびコイン排出シュート18とともに、いっそう詳しく示している。この装置がコインを受け入れる用意がされていないときに、コイン導入箇所2の中に置かれた品物をコイン排出箇所19へ返送するために、コイン返送シュート45がコイン導入箇所2とコイン排出箇所19との間に延びている。コイン返送シュート45には、コインをコイン導入シュート3からコイン排出箇所19へ送出するために、返送シュート開口46と返送シュート出口47とがある。フラップ48が、制御装置14の制御下にあるモータ50によって駆動される軸49に、回転可能に取り付けられている。フラップ48は第1のコイン返送位置Dと第2のコイン受入位置Eとの間で動くことができ、コイン返送位置Dは、実線の輪郭で示されていて、この位置では、コイン導入シュート3を下るコインの通過が阻止されるとともにコイン返送シュート開口46が現されており、コイン受入位置Eは、破線の輪郭で示されていて、この位置では、コイン導入シュート3が塞がれていなくて、コイン返送シュート開口46が閉鎖されている。
【0047】
この装置が稼動しているとき、例えば、購入トランザクションが開始されていることを表示する入力信号を制御装置14がライン23において受けると、制御装置14がモータ50を作動させて、フラップ48が第2のコイン受入位置Eまで専ら動く。他の時点では、フラップ48は第1のコイン返送位置Dに維持されているので、上記コイン導入箇所の中へ挿入された好ましくない品物は、コイン受入機5に入ることなく、コイン返送シュート45を通ってコイン排出箇所19へ直接戻される。
【0048】
コイン詰まり解除
この装置はまた、コイン流下通路8においてコインが詰まる場合に、あるいはコイン詰まりを引き起こすおそれのある他の第2状態の場合に、受入機5を通過するコインを解除するようにも構成されている。とりわけ図15および図16に示されたように、コイン受入機5には本体51が備わっている。この本体51には傾斜状側壁52があり、側壁52はヒンジ式ドア53によって拘束され、このドア53はヒンジ軸を画定する軸54で回転する。ドア53には内側側壁55があり、この側壁55には本体51の側壁52に対向する傾斜状リップ56が備わっている。コイン流下通路8は、対向する側壁52,55とリップ56とによって画定されており、それによって、試験中のコイン1は、本体51あるいはドア53またはこれらの双方に取り付けることができる、図1に示されたコインセンサS1,S2,S3を通って、リップ56に沿って縁で立った状態で転がる。
【0049】
ドア53は、図16における実線に示されたように、図15に示された軸54におけるばね57によって通常は閉鎖位置に保持され、それによって、コイン流下通路8がもたらされている。しかしながら、このコイン流下通路8におけるコイン詰まりの場合には、ドア53は、図15に示されたように、ばね(図示略)の力に抗して反時計回りに回動することのできる枢支式レバー58によって開放することができる。このレバー58は、ドア53と本体51との間でくさびとして作用して、ドア53を反時計回りに徐々に開放し、それによって、ドア53は、図16における矢印Fの方向に開いて、破線で示された位置を占める。この構成では、コイン1は、コイン流下通路8にもはや保持されず、ある矢印Gの方向における解除通路に沿って落下する。このようにして、コイン流下通路8に詰まったコインは、図16における破線で示されたコイン1によって図示されたように、受入機5から解除される。図1を参照すると、通路Gは再循環ゲート13の外側を通っているので、通路Gにおける解除コインは、コンベア25によってコイン排出箇所19へ戻される。
【0050】
ドア開放用レバー58はロータリー式カム59によって作動される。このカム59は、制御装置14の制御下にあるカムモータ61によって駆動される軸60に取り付けられている。詰まりを検出するために、制御装置14は、コインがセンサS1,S2,S3および/またはS4およびS5のうちのいくつかあるいはすべてによって検出されるタイミングを決定するルーチンを実行する。コインがこの受入機5を正常に進むと、コインが1つのセンサからもう1つのセンサまで進むのに必要な時間は、正常なタイミング範囲の中に入るであろう。制御装置14は、そのタイミングがこの正常なタイミング範囲の外側に出るかどうかを決定する。その理由は、このことが詰まりを意味するからである。そして、それによって、詰まりが検出されると、制御装置14は、カムモータ61を作動させてドア53を開放し、次いで、そのコインを解除通路Gの中へ解除する。
【0051】
この詰まり解除の取り組みは、コイン受入機5を通過するコインのために利用されるだけでなく、コインがこの装置を進む他の通路の部分にも利用されるということはわかるであろう。ここで、通路の部分には、詰まるかあるいは詰まりを引き起こすおそれのあるコインをコイン通路から射出してコイン排出箇所19へ戻すことのできるモータ作動式ドアやフラップなどが設けられていてもよい。これらのドア、フラップなどは、あるコインが通常予想されたタイミングで上記センサを通りコイン通路に沿って動かないということを、コイン通路に沿った上記センサが表示すると、選択的に開放することができる。
【0052】
釣銭の提供
上で説明されたように、購入を行うために一つかみのコインがカップ状コイン導入箇所2に置かれると、それらは、コイン導入シュート3を第1コイン送給通路6の上へ滑り落ちて、受入機5の入口7へ1枚ずつ連続して送られるようにコンベア25の個々のセグメント27の中に留まることになる。これらのコインが受け入れられたと仮定すると、この購入トランザクションを遂行するために、その後、釣銭がホッパー22によって払い出される。この釣銭は、コンベア26によって、第2コイン送給通路17に沿ってコイン排出箇所19まで搬送されて、購入者によって回収される。コンベア25,26の使用によって、購入者への釣銭の送出には、彼らが購入を行うためにコインをコイン導入箇所の中へ挿入した後に遅れが生じる。
【0053】
この遅れを減少させるために、始動時に、コンベア25は、コインが受入機5によって識別されて受け入れられるまでの速度よりも速い速度で、例えば受け入れ速度の2倍の速度で、モータ23によって高速で駆動される。初期化センサS5が、受入機5のコイン入口7でコンベア25に隣接して配置されている。購入者によってコインが挿入されると、コンベア25には初めはコインがないが、コインは通路6に沿って入口7まで送られるので、最初のコインが初期化センサS5に達すると、このセンサS5が制御装置14に信号を送り、コインが受入機5へ入るようになる。次いで、制御装置14がモータ23に比較的遅い速度で作動するように指示を行い、それによって、コンベア25の上における連続状の後続コインは、受入機5が真正コインを確実に受け入れるとともに不正コインを拒絶することのできる速度で、受入機5の中へ送られる。
【0054】
もしも、このような環境の下で、コインが通路6に沿って送られて、いくつかのコンベアセグメント27にコインがないときには、センサS5の出力値は、入口7の中へのコイン送給における途切れの間にコンベア25を高速化するために、制御装置14によって利用することができる。
【0055】
また、第2コイン送給通路17におけるコンベア26の構成は、コイン排出箇所19への釣銭の送出を高速化するために、内容変更することができる。上で記載されたように、コンベア26のセグメントは、単一のコインをコンベア25に類似した態様で搬送するように構成されている。しかしながら、第2コイン送給通路17については、コンベア26のセグメントは、多数のコインを搬送するように構成することができる。この場合に、図8および図9に示された突出部28と図12および図13に示された山形袖章状構成体44とは比較的高く作られているので、コンベア26のそれぞれのセグメントにおけるコイン容器は、複数のコイン、例えば4枚のコインを担持することができる。1つの例におけるコンベア26は、毎秒10個のセグメントの速度で走行する。
【0056】
コンベアのもう1つ別の変形例が図17および図18に示されており、これらの図は、図10および図11に対応するが、その中の種子状部28−1,28−2は一つ置きのセグメント27−1,27−3にだけ設けられている。中間のセグメント27−2,27−4には平坦状表面62があるが、これらの表面62によって、セグメント27−1,27−3の容器の中への個々のコインの整然とした導入のための空間がもたらされている。このことによれば、その他の場合にはこのコンベアにおけるコインの整合性のない集群がもたらされることがある上記コイン導入箇所の中へ大群のコインが送給されると、コンベアの上における整然としたコインの供給を達成する助けとなる。
【0057】
もう1つ別の内容変更型コンベアセグメントが図19および図20に示されており、これらの図は、図12および図13に対応するが、その中の山形袖章状構成体44' の腕部は非対称に配置されている。この構成体44' は、比較的長い第1腕部44−1' と比較的短い第2腕部44−2' とからなり、これらは、ある箇所63でコンベア中心線29の一方側へ連結されてコイン容器をもたらしており、また、比較的大きい角αと比較的小さい角βとをそれぞれ区画している。図19および図20のセグメント27は、2枚以上の小さいコインが誤ってその容器の中に置かれることになると、その容器からコインを射出することができるが、このことについては、図21を参照してこれからいっそう詳しく説明される。
【0058】
図19および図20に示されたような多数のセグメント27から作られたコンベアのセグメント27の1つは、図21Aにおいて、側壁32a,32bどうしの間を矢印Bの方向に前進する。側壁32aにはコイン射出用開口64が含まれている。2枚の小さいコイン1A,1Bが、山形袖章状構成体44' によって設けられたコイン容器の中へ誤って入ったとする。
【0059】
このコンベアが矢印Bの方向に前進すると、コイン1Aと構成体44' の長い腕部44−1' との間に反作用の力が生じるとともに、コイン1Bと構成体44' の短い腕部44−2' との間に同じような反作用の力が生じる。これらの反作用の力は、それらのコインを構成体44' の腕部どうしの集合箇所63へ圧迫しがちである方向に働く。しかしながら、構成体44' の腕部44−1' ,44−2' どうしによって区画された比較的大きい角αと比較的小さい角βとの差によって、これらの反作用の力がこのコンベアの進行方向Bに対して横断する方向65に分散されるときには、コイン1Aに働く力はその方向65にコイン1Bに働く力よりも大きいので、側壁32aへ向かうその横断方向65に両方のコインを圧迫する正味合成力が存在する。
【0060】
このコンベアが図21Bに示された位置まで動くと、コイン1Bは側壁32aにおける開口64と整合することになるので、そのコイン1Bはもはや、このコンベアにおけるコイン容器の内部に拘束されていない。従って、図21Cに示されたように、コイン1Bは上記正味合成力によってそのコイン容器から射出され、その容器の中にはコイン1Aだけが残される。コイン1Aは、構成体44' の短い腕部44−2' によって、開口64を通して射出されるのが阻止される。このコンベアから射出されたコイン1Bはその後、このコンベアの上記コイン受入部分へ後退して、その上へ再装荷される。図21を参照する例によって説明されたこの射出原理は、説明された非対称の山形袖章状構成体以外の他のコイン容器設計で達成することができる、ということは分かるであろう。例えば、非対称で長手方向に間隔を置いた種子状部あるいはコンベアセグメントにおける直立部材の他の構成を使用することができる。
【0061】
図2および図3に示された装置全体は、例えばスーパーマーケットにおける清算に使用される長方形ケーシングの中に搭載することができる。
【0062】
この発明の記載例の多くの改造および変更は、添付の特許請求の範囲の適用範囲の内部にある。
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に自動販売機に適用されるが、それらに限定されることのないコイン機械装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
よく知られていることであるが、多金種コイン受入機が、相異なる金種のコインを認証するために自動販売機に使用されており、それによって、受入可能なコインが受入通路へ導かれるとともに、受入不可能なコインがユーザーへ戻すための非受入通路へ導かれる。受け入れられたコインをそれらの金種に従って仕分けるためにソーターを使用することができ、それによって、それらのコインは、購入者へ釣銭を支払うために使用することのできる個々のホッパーへ送り込まれる。例えば、購入者が1枚以上のコインを上記受入機へ差し出した場合に、購入する品物が金銭的価値のより少ないものであれば、1つ以上のホッパーに指示が行われて、購入価格と、購入者によって差し出されたそのコインあるいはそれぞれのコインについての金銭総額との差に対応する金銭的価値の釣銭が支払われる。
【0003】
コインの支払いをもたらすためのホッパーにはさまざまな型がある。例えば、われわれのヨーロッパ特許出願公開第0080842A号明細書には、選択駆動可能なエンドレスコンベアであって、支払いのためにコインをそのコンベアのコイン受入部分から上行部分に沿ってそのコンベアの上行部分における出口まで上昇させるエンドレスコンベアを利用する、個々の金種のコインとともに用いるのに適したホッパーが開示されている。
【0004】
支払い用容器からコインを受け入れるために放射状に設けられた孔が含まれている傾斜状円形ディスクを備えたコインホッパーもまた知られている。ディスクが回転すると、コインはそれらの孔の中へ落ちて、個々に払い出される。参照はわれわれのヨーロッパ特許出願公開第026602号明細書へ向けられる。
【発明の概要】
【0005】
この発明の第1の観点によれば、コイン受入部分、このコイン受入部分から上行する上行部分、上記コイン受入部分まで下行する下行部分、および上記上行部分から上記下行部分まで延びるアーチ状被覆部分が経路に含まれているエンドレスループ状コンベアと、上記コイン受入部分において、上記上行部分に沿って上記アーチ状被覆部分へ運ばれる上記コンベアの上へコインを個々に供給するように構成されたコイン供給部と、コインを上記コンベアの上に保持するために上記アーチ状被覆部分の下面に設けられたガイドと、上記上行部分を越えたその上の位置でコインを上記コンベアから取り出すことができるコイン出口とを備えてなるコイン機械装置が提供される。
【0006】
上記出口の位置は上記アーチ状被覆部分の下面におけるものであってもよい。このように、上記出口の位置はコンベアの上記上行部分に限定されることはない。
【0007】
この発明の別の観点によれば、コイン受入部分およびこのコイン受入部分から上行する上行部分が経路に含まれているエンドレスループ状コンベアと、上記コイン受入部分において、上記上行部分に沿って運ばれる上記コンベアの上へコインを個々に供給するように構成されたコイン供給部と、コインを上記コイン受入部分の上方の位置で上記コンベアから取り出すことができるコイン出口とを備えてなり、上記コンベアは、上記コイン受入部分から上記出口まで運ばれる個々のコインを受け入れるための容器を画定する複数の直立部材を含み、これらの直立部材は、上記コンベアの両方の長手側方縁部の内方に配置されたそれらの周縁で上記容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されているコイン機械装置が提供される。
【0008】
上記直立部材は、上記容器が上記コンベアの進行方向に一線配置されたそれらの中心で相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されていてもよい。このコンベアには、上記容器の個々の1つがそれぞれにある複数のセグメントが備わっていてもよい。
【0009】
上記直立部材は、上記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部とただ2つの箇所で接するように構成されていてもよい。1つの例では、上記直立部材は一対の直立種子状部からなり、これらのそれぞれは上記コンベアの上でコインの側方縁部に係合する。代わりに、上記直立部材は、上記コンベアの上でコインの側方縁部にそれぞれが係合する一対の集束突出部からなっていてもよい。これらの突出部あるいは種子状部は上記コンベアの上で対称に配置されている必要はない。
【0010】
従って、このコンベアは相異なる金種のコインを処理するために使用することができる。
【0011】
この発明のさらに別の観点によれば、コインを受け入れるためのコイン入口、およびそのコインの真正性を判定するように構成された認証回路を有しているコイン受入機と、受入通路と、非受入通路とを備え、この受入機は、コインが上記認証回路によって受入可能と判定されるとそのコインをコイン受入通路へ導き、受け入れられないときにはそのコインを非受入通路へ導くように構成されており、さらに、拒絶されたコインのための拒絶通路と、受け入れられなかったコインを再認証のために上記非受入通路からこの受入機の上記入口まで戻すように構成された再循環通路と、受け入れられなかったコインをこの受入機による再認証のために上記再循環通路へあるいは上記拒絶通路へ選択的に導くように作動可能である再循環ゲートとを備えてなるコイン機械装置が提供される。
【0012】
従って、コインが拒絶されると、そのコインはこの受入機による再認証のために再び差し出すことができる。
【0013】
受け入れられなかったコインが、上記拒絶通路へ導かれる前に上記受入機によって認証されて上記再循環通路を通して戻される回数を制御するために、上記再循環ゲートの作動を制御する制御装置が設けられていてもよい。
【0014】
この発明には、コインを受け入れるためのコイン導入箇所と、コイン排出箇所と、試験されるコインのための入口、この入口に入る試験中のコインの受入可能性を判定するように構成されたセンサ・処理構成部、受入可能なコインのための受入通路、および受入不可能なコインのための非受入通路を有しているコイン受入機と、コインを連続的にコイン受入機の上記入口へ送出するためにコイン受入部分から第1コイン送給通路に沿って走行する第1コインコンベアと、上記コイン導入箇所から第1コインコンベアのコイン受入部分まで延びているコイン導入通路と、コインを上記コイン排出箇所へ送出するために、上記受入機の非受入通路からコインを受けるコイン受入部分から第2コイン送給通路に沿って走行する第2コインコンベアとを備えてなるコイン機械装置もまた含まれている。
【0015】
コインが第1コンベアを出て受入機の上記入口の中へ入るときと違って、コインが第1コンベアを出て受入機の上記入口の中へ入ることがないときには、第1コンベアをより速い速度で駆動するために駆動モータ構成体を設けてもよい。
【0016】
第1コンベアには、単一のコインを上記第1通路の上記コイン受入部分から受入機の上記入口まで搬送するようにそれぞれが構成された複数のコンベアセグメントが含まれていてもよい。
【0017】
第2コンベアには、複数のコインを送出される第2コンベアの上記コイン受入部分から上記コイン排出箇所まで搬送するようにそれぞれが構成された複数のコンベアセグメントが含まれていてもよい。
【0018】
上記第1コイン送給通路に沿って通過することなくコインをコイン導入箇所からコイン排出箇所まで返送するためのコイン返送通路が、上記第1コンベアが稼動中でないときにコインを上記コイン返送通路に沿って送るためにコインを分流するためのコイン分流装置とともに含まれていてもよい。
【0019】
この機械装置を通るコインの通過を感知するセンサを設けてもよく、また、コイン詰まりを検出するために、上記センサを通り過ぎるコインの通過のタイミングに応じるプロセッサを使用することができる。このプロセッサによって作動可能な詰まり解除モータによれば、コイン詰まりが検出された場合に、この機械装置からコインを解除することができる。
【0020】
コイン受入機には、受入機の本体とドアとの間に画定されたコイン流下通路が含まれていてもよく、その場合には、そのコイン流下通路におけるコイン詰まりが起きると、上記詰まり解除モータは、上記ドアを開いてそのコインを受入機から解除するように構成することができる。
【0021】
この発明には、2枚以上のコインが上記コイン容器の中で引っ掛かることになると、あるコンベアセグメントからコインを射出するためのコイン改良型構成もまた含まれている。この発明によれば、少なくとも1つのコンベアセグメントと、使用時に上記コンベアセグメントが長手方向にそれらの間で動く両側壁と、これら両側壁の一方におけるコイン射出用出口と、上記セグメントの上でコインを受け入れるコイン容器とを含んでおり、上記コイン容器は、2枚のコインがそのコイン容器の中に受け入れられると、それらのコインの一方が上記出口を通り過ぎるその容器の動きによって上記コイン射出用出口から射出され、かつ、それらのコインの他方がその容器の中に残るように、上記セグメントの長手中心線に対して非対称状に配置された直立部材を含んでいるコイン機械装置用コンベアが提供される。
【0022】
上記直立部材には一対の直立状集束突出部が含まれており、これらの突出部のそれぞれは、上記セグメントにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合するためのものであり、上記集束突出部は、非対称であり、結合箇所で上記コンベアの長手中心線の一方側へ集束している。
この発明をより充分に理解するために、以下の添付図面を参照する例示的な例によって、その実施形態がこれから説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、この発明に係るコイン機械装置の模式的ブロック図である。
【図2】図2は、一方側面から見たこの機械装置の斜視図である。
【図3】図3は、他方側面から見たこの機械装置の斜視図である。
【図4】図4は、図1〜図3に示された第1コイン送給通路の一部切欠拡大斜視図である。
【図5】図5は、図4に示された第1コイン送給通路の部分Xの拡大図である。
【図6】図6は、図1に示された再循環ゲートの、コインを拒絶通路へ導くための拒絶箇所におけるより詳細な図である。
【図7】図7は、コインを再循環通路へ導くための、再循環箇所における再循環ゲートを示している。
【図8】図8は、1つ以上のコンベアに使用するためのセグメントの平面図である。
【図9】図9は、1つ以上のコンベアに使用するためのセグメントの側面図である。
【図10】図10は、コンベアのある部分を形成するために相互連結された4つのセグメントの平面図である。
【図11】図11は、コンベアのある部分を形成するために相互連結された4つのセグメントの側面図である。
【図12】図12は、山形袖章状構成体の形態にある容器を利用する代わりの種類のコンベア用セグメントの平面図である。
【図13】図13は、山形袖章状構成体の形態にある容器を利用する代わりの種類のコンベア用セグメントの側面図である。
【図14】図14は、図1に示されたコイン導入箇所およびコイン排出箇所の模式的拡大断面図である。
【図15】図15は、図1に示されたコイン受入機のためのコイン詰まり解除構成部のいっそう詳細な図である。
【図16】図16は、図15に示された受入機の線A−A'に沿って得られた模式的断面図である。
【図17】図17は、図10および図11に示されたコンベアの変形例である、一つ置きのセグメントだけがコイン容器を有するコンベアの平面図である。
【図18】図18は、図10および図11に示されたコンベアの変形例である、一つ置きのセグメントだけがコイン容器を有するコンベアの側面図である。
【図19】図19は、非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコイン容器があるコンベアセグメントの代わりの形態の側面図である。
【図20】図20は、非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコイン容器があるコンベアセグメントの代わりの形態の平面図である。
【図21A】図21Aは、図19および図20に示された非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコンベアセグメントのコイン容器から2枚以上のコインを射出するための処理における連続的段階の1つを示す。
【図21B】図21Bは、図19および図20に示された非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコンベアセグメントのコイン容器から2枚以上のコインを射出するための処理における連続的段階の1つを示す。
【図21C】図21Cは、図19および図20に示された非対称の山形袖章状構成体によって画定されたコンベアセグメントのコイン容器から2枚以上のコインを射出するための処理における連続的段階の1つを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜図3に示されたコイン機械装置は、自動販売機の用途に使用するためのものであり、購入者が購入トランザクションを実行するためにこの機械装置へコインを差し出したときに、相異なる金種からなる複数のコイン流通セットのコインを認証する。この明細書の中で使用される用語「コイン」には、政府機関および行政機関によって発行されたコインだけでなく、例えばカジノにおいて使用されるような代用コイン、および帰属的価値のある他のコイン状単位体もまた含まれる。これらのコインは、金種に従って仕分けされ、必要であれば、購入価格と、購入を行うために購入者によって提供された1枚以上のコインの対価との差額に応じて、釣銭が購入者へ支払われる。
【0025】
このコイン機械装置の機能性は、図1における広い輪郭線の中に示されている。購入トランザクションを実行するために、ユーザーが、試験されるコイン1をカップ状容器が備わっているコイン導入箇所2へ差し出すと、そのコインは、シュート3をシュート出口4まで滑り落ちるが、このとき、コインは、多金種コイン受入機5を越えて(しかし、経由することなく)、受入機5の下方の位置で第1コイン送給通路6の上へ滑り落ちる。この第1コイン送給通路6は、以下でより詳しく説明される第1エンドレスループ状コンベアによって画定されているが、このコンベアは、図1における破線状輪郭の中に部分的に示された運動の経路を有している。従って、コイン導入箇所2の中へ連続状に送給されたコインは、縁で立った状態で上記シュートの下方へ送られ、コイン1aによって表示されたようにシュート出口4を離れ、第1コイン送給通路6に沿って動いている上記コンベアの上へ落ちる。
【0026】
実際には、ユーザーは、コイン導入容器2の中に複数枚のコインを同時に投入することができ、これらのコインは、いっしょになって、あるいは相次いで速やかに、出口4から上記コイン送給通路へ到達することができる。後にいっそう詳しく説明するように、通路6に沿って動く上記コンベアは、これらの一団状コインを、それぞれのコインがその主面の一方を上記コンベアの上に載せた状態で先行コインから間隔を置いて配置されるように、コンベアに沿った規則正しい単一の縦列の中へ分離されるように構成されている。後にいっそう詳しく説明するように、このコンベアは、コインをコイン受入機5のコイン入口7へ向かって上方へ連続状に搬送するが、そこでは、コインは、認証される上記受入機の中へ整然と連続的に落下するので、それぞれのコインは、受入機5によって確実に連続状に試験することができる。
【0027】
多金種コイン受入機の一例はヨーロッパ特許出願公開第1560168号明細書に記載されている。この受入機5にはコイン流下通路8が含まれており、これに沿って、試験中のコインが第1コイン送給通路6から感知ステーションSを通り、コイン流下通路8の端を走行する。感知ステーションSには、誘導センサおよび/または光学センサからなっていてもよいセンサS1,S2,S3が含まれており、試験中のコインの導電特性/光学特性を判定する。当業界において周知のように、センサS1,S2,S3の中でコインによって作成された信号は、内部マイクロプロセッサを利用して、さまざまな金種の受入可能コインに対応する記憶値と比較される。試験中のコインが受入可能であると判定されると、ソレノイド作動式ゲート9が開かれて、そのコインは、コイン受入通路10に沿ってソーター11へ送られ、金種に応じて仕分けされる。受け入れられたコインが受入通路の中へ送られたことを確認して、その受け入れられたコインに対応する信頼度をそれに帰属させることを可能にするために、クレジットセンサS4を使用することができる。コインが試験中の金種の1つの真正コインとして認証されないときには、そのコインは、非受入通路12に沿って、制御装置14の制御下で作動するソレノイド作動式再循環ゲート13へ送られる。受け入れられなかったコインは、再循環ゲート13によって、拒絶通路15かあるいは再循環通路16かのいずれかへ導かれる。
【0028】
コインが拒絶通路15へ導かれると、そのコインはユーザーへ戻される。この目的を達成するために、第2コイン送給通路17が設けられており、これは、以下でいっそう詳しく説明するように、図1における破線で部分的に示された運動の経路を有する第2エンドレスループ状コンベアによって画定されている。この第2コンベアは、拒絶されたコインを第2コイン送給通路17に沿ってコイン排出シュート18まで搬送する。コイン排出シュート18は、コイン導入箇所2に隣接するコイン排出箇所へ通じており、ユーザーがコインを受け取ることのできるカップ状容器19を備えている。
【0029】
代わりに、再循環ゲート13は、試験中のコインを認証する第2の試みを行うために、受入不可能なコインをコイン再循環通路16へ導いて第1コイン送給通路6へ送り、次いで受入機5のコイン入口7へ戻す。受入不可能なコインは、再循環ゲート13を作動させる制御装置14の制御下で、再循環通路16と第1コイン送給通路6とに沿って2回以上、送られる。
【0030】
受入機5は、試験中の個々のコインの受入可能性を表示する電気信号をライン20にもたらす。このデータは、制御装置14へ送られ、その制御装置が、受入機5によって受入不可能であると表示されたコインについての再循環ゲート13の制御操作を行うことを可能にする。ライン20におけるこのデータはまた、受入機5において試験された受入可能なコインの金種も表示する。
【0031】
受入可能な金種の真正コインであると判断されたコインは、受入通路10におけるソーター11へ送られて、それらの個々の金種に応じて仕分けされる。この仕分けは、相異なる金種のコインの相異なるサイズに基づいて実行することができるが、このソーター11にはまた、ライン20においてそこへ送られたデータの関数として作動される電気式ゲートが含まれていてもよい。仕分けされたコインは、ソーター11により、別々のソーター排出通路21−1……21−6に沿って個々のロータリーホッパー22−1……22−6へ送られ、それぞれのホッパーが個々の金種の真正コインを受ける。これらの個々のホッパーは、われわれのヨーロッパ特許出願公開第0266021号明細書に詳しく記載されたような装置を備えていてもよい。これらのホッパー22は、必要なときに購入者へ釣銭を提供するために、制御装置14の制御下で、個々の金種の所定数のコインを支払うように作動可能なものである。釣銭として支払われたコインは、第2コイン送給通路17に沿ってシュート18の中へ送られて、コイン排出箇所19へ送り出される。
【0032】
使用に際して、制御装置14は、意図された購入の価格に対応するデータを入力ライン23に受ける。次いで、購入者が1枚以上のコインをコイン導入箇所2の中へ挿入すると、それらのコインは、第1コイン送給通路6の上へ送られて、受入機5によって認証される。受入不可能なコインは非受入通路12へ送られ、そのコインの受入不可能性が制御装置14への信号ライン20に信号で表示される。第1の受入不可能性が出現すると、制御装置14が作動して、受入不可能なコインは、再循環通路16に沿って第1コイン送給通路6へ導かれ、受入機5の入口7の中へ再挿入される。もしも、第2の認証が試みられ、コインがなお受入不可能であると判定されると、制御装置14は、上記第2コイン送給通路を通してコインがコイン排出箇所19で購入者へ戻されるように、再循環ゲート13を作動させてそのコインを拒絶通路15へ導く。受入不可能なコインは、制御装置14によって実行されるルーチンに左右されるが、受入機5を通して1回あるいは数回、再循環させるための再循環通路16に沿って第1コイン送給通路6へ送られる。
【0033】
しかしながら、受入機5によってコインが受入可能であると判断されると、そのコインは、コイン受入通路10に沿ってソーター11へ送られる。受入可能なコインの金種に対応するデータがライン20を制御装置14まで送られるので、制御装置は釣銭が必要であるかどうかを計算することができる。コイン金種に対応するデータもまた、ソーター11へ送られ、そのソーターに1つ以上のソレノイド作動式ゲートが含まれているときには、コインは、その金種に応じた適切なソーター排出通路21−1……21−6へ導かれる。
【0034】
釣銭を支払う必要があるときには、制御装置14は、コインホッパー22−1……22−6の1つ以上に指示を行って、1枚以上のコインをコイン排出箇所19へ戻すための第2コイン送給通路17の中へ払い出し、それによって、釣銭をユーザーへ送り出す。そして、制御装置14は、購入者によって差し出されて受入機5によって受入可能であると認められたコインの合計対価をライン23に表示された購入価格と比較し、その差額を計算し、ホッパー22に対して、これらのホッパーの中に保管された相異なる金種の1枚以上のコインを支払うように指示して、上記差額に対応する対価の釣銭を用意させる。
【0035】
第1コイン送給通路6および第2コイン送給通路17に沿って延びる上記エンドレスコンベアの駆動は、制御装置14によって個々に制御される電動モータ24A,24Bにより行われる。これらのモータ24A,24Bは、ライン23におけるそこへの入力に応じて制御装置14によって始動されて、あるトランザクションの開始を指示する。これらのモータ24A,24Bは、制御装置14によって制御されて、この制御装置により感知されたライン23からのアクティビティがないことに続いて起る所定時間だけ作動する。
【0036】
図2および図3は、図1に示されたコイン機械装置の物理的構成をいっそう詳しく示している。図2および図3にいっそう明確に示されたように、第1コイン送給通路6および第2コイン送給通路17には、個々のエンドレスループ状コンベア25,26がそれぞれ備わっている。それぞれのコンベアは、図8〜図11にいっそう詳しく示された複数の枢支式セグメント27から形成されている。これらのセグメント27は、移送されるコインのための個々の容器を画定するように構成されている。図8および図9に示された実施形態では、これらの容器は、セグメント27の前方面における種子状部28−1,28−2の形態にある直立部材によって画定され、該容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている。図8に示されたように、該容器は、破線の輪郭で示されたような比較的大きい直径のコイン1−1、あるいはより小さい直径のコイン1−2を受け入れることができる。両方の状況において、コインは種子状部28−1,28−2どうしの間に置かれるが、これらの種子状部28−1,28−2は、これらの中心が上記コンベアの長手中心線29と一致するように配置されている。従って、これらのコインは、コンベアの縁部から間隔を置いた、詰まりを回避する位置に保持される。これらの部材28−1,28−2は、それらの間の容器の中における1枚のコインだけを捕捉する程度に直立しており、そのため、何枚かのコインがシュート3から、第1コイン送給通路6に沿って延びるコンベアの上へ同時に到来すると、それらのコインは、コインの個々のものがコンベアの連続状セグメント27の直立部材28によって画定された容器の連続状のものの中に受け入れられるように、単数化されるであろう。もしも、2枚以上のコインが特定の容器の上に重なっているときには、コンベアが通路6に沿って動くと、その重なっている方のコインが、コインをすでに収容している容器の直立部材28を越えて滑り、コンベアの別のセグメント27における次の容器の中へ入る。
【0037】
従って、使用の際に、このコンベアはコイン単数化装置として作用し、それによって、特定のコインだけが、部材28−1,28−2によって周縁における2つの箇所だけで支持されるコンベアにおけるその主面の一方に置かれる。
【0038】
これに対して、コンベアの後方面には、このコンベアを駆動するための従動ピニオンに噛み合うための歯30が設けられている。図8に示されたように、個々のコンベアセグメントは、ガイドホイールとして作用する突出端部31a,31bがある横断ピン31によって、枢支状に接続されている。再び図4を参照すると、これらのガイドホイールはコンベアガイドフレーム32の中に受け入れられている。コンベアガイドフレーム32には、コンベアセグメント27のガイドホイール31a,31bのためのガイドレールとして作用する凹入状側方部分32a,32bがある。
【0039】
図4に示されたように、第1コイン送給通路6のためのコンベア25には、最下部に、再循環ゲート11の制御下でコインソーター5からコインを受け入れるコイン受入部分25−1が含まれている。コイン1は、コイン受入部分25−1においてコンベア25のセグメント27における1つの容器の中に受け入れられるように、再循環ゲート13から矢印Aの方向に出て来る状態に図示されている。
【0040】
このコンベアは、コイン受入部分25−1から、コインが矢印Bの方向に持ち上げられる傾斜状上行部分25−2まで延びている。再び図2および図3を参照すると、このコンベアのアーチ状被覆部分25−3は、上行部分25−2からコイン受入部分25−1へ戻るように延びる下行部分25−4までほぼ水平に延びている。コンベアセグメント27の歯30は、制御装置14の制御下で電動モータ24Aによって駆動されるピニオン33Aに噛み合う。
【0041】
図5は、コンベア25の上のコインが、上行部分25−2から角を曲がってアーチ状被覆部分25−3へ進む態様を示している。コンベアセグメント27が、アーチ状被覆部分25−3のほぼ水平方向へ延びるように、コンベア21の下面におけるコイン容器28とともに徐々に曲がると、種子状部28によって画定された上記容器の中のコイン1を保持するように、ガイド34がこのコンベアの下面に配置されている。図4に示されたように、ガイド34は、アーチ状被覆部分25−3の下面に沿って排出箇所35まで延びている。この排出箇所35は、コインが、コイン受入機5のコイン入口7の中へ滑り戻るように矢印Cの方向に容器28から脱落することができる、コンベア21の下面から延びる下方延長状シュートを備えている。
【0042】
図6は、図1の再循環ゲート13をいっそう詳しく示している。先に説明したように、受入不可能なコインは、図6における矢印Dによって示された非受入通路12に沿って進む。再循環ゲート13はフラップ36を備えており、このフラップ36は、カム38を有する軸37に一方端部で取り付けられており、図1に示された制御装置14で制御されるソレノイド40のアクチュエータ39によって駆動することができる。図6は、コイン受入機55の下方に鉛直状に延びる拒絶通路15へコインを導くために配置されたときの拒絶ゲート13を示している。
【0043】
制御装置14がソレノイド40を作動させると、フラップ36は図7に示された位置まで回転する。アクチュエータ39は、カム38に係合して、フラップ36を通路12の中へ動かしてコインを非受入通路12から再循環通路16の中へ偏向するように、軸37を回転させる。この再循環通路16は、矢印Aの方向に延びており、また、図4に示されたように、第1コイン送給通路6をもたらすコンベア25のコイン受入部分25−1へ延びている。
【0044】
第2コイン通路17をもたらすコンベア26は、構造が上記コンベア25に類似しており、図3に示されてシュート41を通るコインを受け入れるコイン受入部分26−1を備えており、シュート41は、図1に示されたようなホッパー22−1……22−6から払い出されたコインを受け入れる。再び図3を参照すると、コイン受入部分26−1は、傾斜状上行部分26−2の中へ延び、次いで、アーチ状被覆部分26−3および下行部分26−4へ延びている。アーチ状被覆部分26−3は、その下面に、このコンベア26の下面がアーチ状被覆部分26−3の中にあるときに上記容器の中にコインを保持するためのガイド42を、コンベア25と同じ態様で有している。このガイド42はコイン出口43まで延びており、コイン出口43によって、コインは、図1に示されたコイン排出シュート18へ入り、次いで、重力の作用の下で排出箇所19まで滑るように、アーチ状被覆部分26−3の中でコンベア26の下面における容器24から外へ脱落することができる。コンベア26は、このコンベアのセグメント27における歯30に噛み合うピニオン33Bを駆動する電動モータ24Bによって駆動される。このモータ24Bは、図1に示された制御装置14によって制御される。
【0045】
セグメント27における容器の代わりの設計は図12および図13に示されている。この構成では、容器は、ほぼV字状の構成の突出部を備える直立部材44−1,44−2によって画定されており、このV字の中心はこのコンベア26の長手中心線29の上にある。これらの直立部材44は、2つの周縁箇所だけで個々のコイン1に係合するとともに、コイン1がセグメント27におけるその主面の一方がある容器の中に受け入れられると、例えば、相異なる金種のコインのコイン直径の差にもかかわらず、その中心がコンベア26の長手中心線29の上になるように、拘束される。
【0046】
コイン導入制御
この装置は、品物が誤ってコイン導入箇所2の中へ挿入されて詰まりを引き起こすのを防止するように、構成されている。例えば、子供は品物をコイン導入箇所2の中へ挿入することがあり、そのことによって、コイン受入機5のコイン流下通路8における詰まりを引き起こすか、あるいは、静止しているときに第1コイン送給通路6におけるコンベア25の上へ送られてそのコンベアを詰まらせるかのいずれかの結果になる。図14は、図1に示されたコイン導入箇所2およびコイン排出箇所19を、それらに関連したコイン導入シュート3およびコイン排出シュート18とともに、いっそう詳しく示している。この装置がコインを受け入れる用意がされていないときに、コイン導入箇所2の中に置かれた品物をコイン排出箇所19へ返送するために、コイン返送シュート45がコイン導入箇所2とコイン排出箇所19との間に延びている。コイン返送シュート45には、コインをコイン導入シュート3からコイン排出箇所19へ送出するために、返送シュート開口46と返送シュート出口47とがある。フラップ48が、制御装置14の制御下にあるモータ50によって駆動される軸49に、回転可能に取り付けられている。フラップ48は第1のコイン返送位置Dと第2のコイン受入位置Eとの間で動くことができ、コイン返送位置Dは、実線の輪郭で示されていて、この位置では、コイン導入シュート3を下るコインの通過が阻止されるとともにコイン返送シュート開口46が現されており、コイン受入位置Eは、破線の輪郭で示されていて、この位置では、コイン導入シュート3が塞がれていなくて、コイン返送シュート開口46が閉鎖されている。
【0047】
この装置が稼動しているとき、例えば、購入トランザクションが開始されていることを表示する入力信号を制御装置14がライン23において受けると、制御装置14がモータ50を作動させて、フラップ48が第2のコイン受入位置Eまで専ら動く。他の時点では、フラップ48は第1のコイン返送位置Dに維持されているので、上記コイン導入箇所の中へ挿入された好ましくない品物は、コイン受入機5に入ることなく、コイン返送シュート45を通ってコイン排出箇所19へ直接戻される。
【0048】
コイン詰まり解除
この装置はまた、コイン流下通路8においてコインが詰まる場合に、あるいはコイン詰まりを引き起こすおそれのある他の第2状態の場合に、受入機5を通過するコインを解除するようにも構成されている。とりわけ図15および図16に示されたように、コイン受入機5には本体51が備わっている。この本体51には傾斜状側壁52があり、側壁52はヒンジ式ドア53によって拘束され、このドア53はヒンジ軸を画定する軸54で回転する。ドア53には内側側壁55があり、この側壁55には本体51の側壁52に対向する傾斜状リップ56が備わっている。コイン流下通路8は、対向する側壁52,55とリップ56とによって画定されており、それによって、試験中のコイン1は、本体51あるいはドア53またはこれらの双方に取り付けることができる、図1に示されたコインセンサS1,S2,S3を通って、リップ56に沿って縁で立った状態で転がる。
【0049】
ドア53は、図16における実線に示されたように、図15に示された軸54におけるばね57によって通常は閉鎖位置に保持され、それによって、コイン流下通路8がもたらされている。しかしながら、このコイン流下通路8におけるコイン詰まりの場合には、ドア53は、図15に示されたように、ばね(図示略)の力に抗して反時計回りに回動することのできる枢支式レバー58によって開放することができる。このレバー58は、ドア53と本体51との間でくさびとして作用して、ドア53を反時計回りに徐々に開放し、それによって、ドア53は、図16における矢印Fの方向に開いて、破線で示された位置を占める。この構成では、コイン1は、コイン流下通路8にもはや保持されず、ある矢印Gの方向における解除通路に沿って落下する。このようにして、コイン流下通路8に詰まったコインは、図16における破線で示されたコイン1によって図示されたように、受入機5から解除される。図1を参照すると、通路Gは再循環ゲート13の外側を通っているので、通路Gにおける解除コインは、コンベア25によってコイン排出箇所19へ戻される。
【0050】
ドア開放用レバー58はロータリー式カム59によって作動される。このカム59は、制御装置14の制御下にあるカムモータ61によって駆動される軸60に取り付けられている。詰まりを検出するために、制御装置14は、コインがセンサS1,S2,S3および/またはS4およびS5のうちのいくつかあるいはすべてによって検出されるタイミングを決定するルーチンを実行する。コインがこの受入機5を正常に進むと、コインが1つのセンサからもう1つのセンサまで進むのに必要な時間は、正常なタイミング範囲の中に入るであろう。制御装置14は、そのタイミングがこの正常なタイミング範囲の外側に出るかどうかを決定する。その理由は、このことが詰まりを意味するからである。そして、それによって、詰まりが検出されると、制御装置14は、カムモータ61を作動させてドア53を開放し、次いで、そのコインを解除通路Gの中へ解除する。
【0051】
この詰まり解除の取り組みは、コイン受入機5を通過するコインのために利用されるだけでなく、コインがこの装置を進む他の通路の部分にも利用されるということはわかるであろう。ここで、通路の部分には、詰まるかあるいは詰まりを引き起こすおそれのあるコインをコイン通路から射出してコイン排出箇所19へ戻すことのできるモータ作動式ドアやフラップなどが設けられていてもよい。これらのドア、フラップなどは、あるコインが通常予想されたタイミングで上記センサを通りコイン通路に沿って動かないということを、コイン通路に沿った上記センサが表示すると、選択的に開放することができる。
【0052】
釣銭の提供
上で説明されたように、購入を行うために一つかみのコインがカップ状コイン導入箇所2に置かれると、それらは、コイン導入シュート3を第1コイン送給通路6の上へ滑り落ちて、受入機5の入口7へ1枚ずつ連続して送られるようにコンベア25の個々のセグメント27の中に留まることになる。これらのコインが受け入れられたと仮定すると、この購入トランザクションを遂行するために、その後、釣銭がホッパー22によって払い出される。この釣銭は、コンベア26によって、第2コイン送給通路17に沿ってコイン排出箇所19まで搬送されて、購入者によって回収される。コンベア25,26の使用によって、購入者への釣銭の送出には、彼らが購入を行うためにコインをコイン導入箇所の中へ挿入した後に遅れが生じる。
【0053】
この遅れを減少させるために、始動時に、コンベア25は、コインが受入機5によって識別されて受け入れられるまでの速度よりも速い速度で、例えば受け入れ速度の2倍の速度で、モータ23によって高速で駆動される。初期化センサS5が、受入機5のコイン入口7でコンベア25に隣接して配置されている。購入者によってコインが挿入されると、コンベア25には初めはコインがないが、コインは通路6に沿って入口7まで送られるので、最初のコインが初期化センサS5に達すると、このセンサS5が制御装置14に信号を送り、コインが受入機5へ入るようになる。次いで、制御装置14がモータ23に比較的遅い速度で作動するように指示を行い、それによって、コンベア25の上における連続状の後続コインは、受入機5が真正コインを確実に受け入れるとともに不正コインを拒絶することのできる速度で、受入機5の中へ送られる。
【0054】
もしも、このような環境の下で、コインが通路6に沿って送られて、いくつかのコンベアセグメント27にコインがないときには、センサS5の出力値は、入口7の中へのコイン送給における途切れの間にコンベア25を高速化するために、制御装置14によって利用することができる。
【0055】
また、第2コイン送給通路17におけるコンベア26の構成は、コイン排出箇所19への釣銭の送出を高速化するために、内容変更することができる。上で記載されたように、コンベア26のセグメントは、単一のコインをコンベア25に類似した態様で搬送するように構成されている。しかしながら、第2コイン送給通路17については、コンベア26のセグメントは、多数のコインを搬送するように構成することができる。この場合に、図8および図9に示された突出部28と図12および図13に示された山形袖章状構成体44とは比較的高く作られているので、コンベア26のそれぞれのセグメントにおけるコイン容器は、複数のコイン、例えば4枚のコインを担持することができる。1つの例におけるコンベア26は、毎秒10個のセグメントの速度で走行する。
【0056】
コンベアのもう1つ別の変形例が図17および図18に示されており、これらの図は、図10および図11に対応するが、その中の種子状部28−1,28−2は一つ置きのセグメント27−1,27−3にだけ設けられている。中間のセグメント27−2,27−4には平坦状表面62があるが、これらの表面62によって、セグメント27−1,27−3の容器の中への個々のコインの整然とした導入のための空間がもたらされている。このことによれば、その他の場合にはこのコンベアにおけるコインの整合性のない集群がもたらされることがある上記コイン導入箇所の中へ大群のコインが送給されると、コンベアの上における整然としたコインの供給を達成する助けとなる。
【0057】
もう1つ別の内容変更型コンベアセグメントが図19および図20に示されており、これらの図は、図12および図13に対応するが、その中の山形袖章状構成体44' の腕部は非対称に配置されている。この構成体44' は、比較的長い第1腕部44−1' と比較的短い第2腕部44−2' とからなり、これらは、ある箇所63でコンベア中心線29の一方側へ連結されてコイン容器をもたらしており、また、比較的大きい角αと比較的小さい角βとをそれぞれ区画している。図19および図20のセグメント27は、2枚以上の小さいコインが誤ってその容器の中に置かれることになると、その容器からコインを射出することができるが、このことについては、図21を参照してこれからいっそう詳しく説明される。
【0058】
図19および図20に示されたような多数のセグメント27から作られたコンベアのセグメント27の1つは、図21Aにおいて、側壁32a,32bどうしの間を矢印Bの方向に前進する。側壁32aにはコイン射出用開口64が含まれている。2枚の小さいコイン1A,1Bが、山形袖章状構成体44' によって設けられたコイン容器の中へ誤って入ったとする。
【0059】
このコンベアが矢印Bの方向に前進すると、コイン1Aと構成体44' の長い腕部44−1' との間に反作用の力が生じるとともに、コイン1Bと構成体44' の短い腕部44−2' との間に同じような反作用の力が生じる。これらの反作用の力は、それらのコインを構成体44' の腕部どうしの集合箇所63へ圧迫しがちである方向に働く。しかしながら、構成体44' の腕部44−1' ,44−2' どうしによって区画された比較的大きい角αと比較的小さい角βとの差によって、これらの反作用の力がこのコンベアの進行方向Bに対して横断する方向65に分散されるときには、コイン1Aに働く力はその方向65にコイン1Bに働く力よりも大きいので、側壁32aへ向かうその横断方向65に両方のコインを圧迫する正味合成力が存在する。
【0060】
このコンベアが図21Bに示された位置まで動くと、コイン1Bは側壁32aにおける開口64と整合することになるので、そのコイン1Bはもはや、このコンベアにおけるコイン容器の内部に拘束されていない。従って、図21Cに示されたように、コイン1Bは上記正味合成力によってそのコイン容器から射出され、その容器の中にはコイン1Aだけが残される。コイン1Aは、構成体44' の短い腕部44−2' によって、開口64を通して射出されるのが阻止される。このコンベアから射出されたコイン1Bはその後、このコンベアの上記コイン受入部分へ後退して、その上へ再装荷される。図21を参照する例によって説明されたこの射出原理は、説明された非対称の山形袖章状構成体以外の他のコイン容器設計で達成することができる、ということは分かるであろう。例えば、非対称で長手方向に間隔を置いた種子状部あるいはコンベアセグメントにおける直立部材の他の構成を使用することができる。
【0061】
図2および図3に示された装置全体は、例えばスーパーマーケットにおける清算に使用される長方形ケーシングの中に搭載することができる。
【0062】
この発明の記載例の多くの改造および変更は、添付の特許請求の範囲の適用範囲の内部にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイン受入部分、このコイン受入部分から上行する上行部分、前記コイン受入部分まで下行する下行部分、および前記上行部分から前記下行部分まで延びるアーチ状被覆部分が経路に含まれているエンドレスループ状コンベアと、前記コイン受入部分において、前記上行部分に沿って前記アーチ状被覆部分へ運ばれる前記コンベアの上へコインを個々に供給するように構成されたコイン供給部と、コインを前記コンベアの上に保持するために前記アーチ状被覆部分の下面に設けられたガイドと、前記上行部分を越えた前記コンベアの上の位置でコインを前記コンベアから取り出すことができるコイン出口とを備えてなるコイン機械装置。
【請求項2】
前記位置は、前記アーチ状被覆部分の下面におけるものである請求項1に記載のコイン機械装置。
【請求項3】
前記コンベアは、前記コイン受入部分から前記出口まで運ばれる個々のコインを受け入れるための容器を画定する複数の直立部材を含んでいる請求項1または2に記載のコイン機械装置。
【請求項4】
前記直立部材は、前記コンベアの両方の長手側方縁部の内方に配置されたそれらの周縁で前記容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている請求項3に記載のコイン機械装置。
【請求項5】
コイン受入部分およびこのコイン受入部分から上行する上行部分が経路に含まれているエンドレスループ状コンベアと、前記コイン受入部分において、前記上行部分に沿って運ばれる前記コンベアの上へコインを供給するように構成されたコイン供給部と、コインを前記コイン受入部分の上方の位置で前記コンベアから取り出すことができるコイン出口とを備えてなり、前記コンベアは、前記コイン受入部分から前記出口まで運ばれる個々のコインを受け入れるための容器を画定する複数の直立部材を含み、これらの直立部材は、前記コンベアの両方の長手側方縁部の内方に配置されたそれらの周縁で前記容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されているコイン機械装置。
【請求項6】
前記直立部材は、前記容器が前記コンベアの進行方向に一線配置されたそれらの中心で相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている請求項4または5に記載のコイン機械装置。
【請求項7】
前記コンベアは、複数のセグメントを含んでおり、これらのセグメントには、これらの少なくともいくつかに設けられている前記容器の個々の1つがある請求項3、4、5または6に記載のコイン機械装置。
【請求項8】
前記容器は、前記セグメントのそれぞれに設けられている請求項7に記載のコイン機械装置。
【請求項9】
前記容器は、前記セグメントの一つ置きのものに設けられている請求項7に記載のコイン機械装置。
【請求項10】
前記直立部材は、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部とただ2つの箇所で接するように構成されている請求項3〜9のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項11】
前記直立部材は、一対の直立種子状部を含み、これらの種子状部のそれぞれが、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合する請求項3〜10のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項12】
前記直立部材は、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部にそれぞれが係合する一対の直立状集束突出部からなっている請求項3〜11のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項13】
前記集束突出部は、対称であり、前記コンベアの長手中心線に一線配置された結合箇所で集束している請求項12に記載のコイン機械装置。
【請求項14】
前記集束突出部は、非対称であり、結合箇所で前記コンベアの長手中心線の一方側へ集束している請求項12に記載のコイン機械装置。
【請求項15】
前記コンベアの両側部に側壁を含み、かつ、これらの側壁の一方にコイン射出用開口を含み、それによって、2枚以上のコインが前記容器の中に受け入れられると、それらのうちの1枚が前記開口から射出される請求項14に記載のコイン機械装置。
【請求項16】
コインを受け入れるためのコイン入口、およびそのコインの真正性を判定するように構成された認証回路を有しているコイン受入機と、
受入通路と、非受入通路とを備え、
前記受入機は、コインが前記認証回路によって受入可能と判定されるとそのコインを前記受入通路へ導き、受け入れられないときにはそのコインを前記非受入通路へ導くように構成されており、
さらに、拒絶されたコインのための拒絶通路と、
受け入れられなかったコインを再認証のために前記非受入通路から前記受入機の前記入口まで戻すように構成された再循環通路と、
受け入れられなかったコインを前記受入機による再認証のために前記再循環通路へあるいは前記拒絶通路へ選択的に導くように作動可能である再循環ゲートと
を備えてなるコイン機械装置。
【請求項17】
受け入れられなかったコインが、前記拒絶通路へ導かれる前に前記受入機によって認証されて前記再循環通路を通して戻される回数を制御するために、前記再循環ゲートの作動を制御する制御装置を含んでいる請求項16に記載のコイン機械装置。
【請求項18】
コインを前記再循環通路から前記受入機まで搬送するために、前記再循環ゲートによってそこへ導かれたコインを受け入れるためのコイン受入部分と、そこからコインを搬送するために前記コイン受入部分から上行する上行部分と、コインを導いて前記コンベアから前記受入機の前記コイン入口まで戻すために前記コイン受入部分の上方の位置におけるコイン出口とをその経路が含むエンドレスループ状コンベアを含んでいる請求項16または17に記載のコイン機械装置。
【請求項19】
前記受入機は、相異なる金種どうしを識別するために作動可能であり、さらに、前記受入機によって受け入れられた相異なる個々の金種のコインを受け入れるための複数のホッパーと、相異なる金種のそれらのコインを前記受入機から前記ホッパーまで導くためのコインソーターとを含んでいる請求項16、17または18に記載のコイン機械装置。
【請求項20】
前記ホッパーは、釣銭を提供するために相異なる金種のコインを払い出すように作動可能なものであり、さらに、釣銭排出箇所と、前記ホッパーによって払い出されたコインをその釣銭排出箇所へ搬送するための釣銭支払い用コンベアとを含んでいる請求項16〜19のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項21】
前記釣銭支払い用コンベアは、前記ホッパーによって払い出されたコインを受け入れるように構成されたコイン受入部分と、このコイン受入部分から上行する上行部分と、そのコイン受入部分の上方の位置から前記釣銭排出箇所までコインを送るためにコインがこのコンベアを離れることができるコイン出口とをその経路が含むエンドレスループ状コンベアからなっている請求項20に記載のコイン機械装置。
【請求項22】
コイン排出箇所と、コインをこのコイン排出箇所から前記コイン受入機の前記入口まで導くためのシュートとを含んでいる請求項16〜21のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項23】
前記コンベアあるいはそれぞれの前記コンベアは、前記コイン受入部分から前記出口まで搬送される個々のコインを受け入れるために、容器を画定する複数の直立部材を含んでいる請求項16〜21のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項24】
前記直立部材は、前記コンベアの両方の長手側方縁部の内方に配置されたそれらの周縁で前記容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている請求項23に記載のコイン機械装置。
【請求項25】
前記直立部材は、前記容器が前記コンベアの進行方向に一線配置されたそれらの中心で相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている請求項23または24に記載のコイン機械装置。
【請求項26】
前記コンベアあるいはそれぞれのコンベアは、前記容器の個々の1つがそれぞれに設けられている複数のセグメントを含んでいる請求項23、24または25に記載のコイン機械装置。
【請求項27】
前記直立部材は、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部とただ2つの箇所で接するように構成されている請求項23〜26のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項28】
前記直立部材は、一対の直立種子状部を含み、これらの種子状部のそれぞれが、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合する請求項23〜26のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項29】
前記直立部材は、一対の直立状集束突出部を含み、これらの突出部のそれぞれが、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合する請求項23〜26のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項30】
前記コンベアあるいはそれぞれのコンベアは、駆動機構のピニオンに噛み合う歯付きラックを含んでいる請求項1〜29のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項31】
コインを受け入れるためのコイン導入箇所と、
コイン排出箇所と、
試験されるコインのための入口、この入口に入る試験中のコインの受入可能性を判定するように構成されたセンサ・処理構成部、受入可能なコインのための受入通路、および受入不可能なコインのための非受入通路を有しているコイン受入機と、
コインを連続的に前記コイン受入機の前記入口へ送出するためにコイン受入部分から第1コイン送給通路に沿って走行する第1コインコンベアと、
前記コイン導入箇所から前記第1コインコンベアの前記コイン受入部分まで延びているコイン導入通路と、
コインを前記コイン排出箇所へ送出するために、前記受入機の前記非受入通路からコインを受けるコイン受入部分から第2コイン送給通路に沿って走行する第2コインコンベアと
を備えてなるコイン機械装置。
【請求項32】
コインが前記第1コンベアを出て前記受入機の前記入口の中へ入るときと違って、コインが前記第1コンベアを出て前記受入機の前記入口の中へ入ることがないときには、前記第1コンベアをより速い速度で駆動するための駆動モータ構成体を含んでいる請求項31に記載のコイン機械装置。
【請求項33】
前記第1コンベアは、単一のコインを前記第1通路の前記コイン受入部分から前記受入機の前記入口まで搬送するようにそれぞれが構成された複数のコンベアセグメントを含んでいる請求項31または32に記載のコイン機械装置。
【請求項34】
前記第2コンベアは、複数のコインをそれらが送出されるこの第2コンベアの前記コイン受入部分から前記コイン排出箇所まで搬送するようにそれぞれが構成された複数のセグメントを含んでいる請求項31〜33のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項35】
前記第1コイン送給通路に沿って通過することなくコインを前記コイン導入箇所から前記コイン排出箇所まで返送するためのコイン返送通路と、前記第1コンベアが稼動中でないときにコインを前記コイン返送通路に沿って送るためにコインを分流するためのコイン分流装置とを含んでいる請求項31〜34のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項36】
この機械装置を通るコインの通過を感知するためのセンサと、コイン詰まりを検出するために、前記センサを通り過ぎるコインの通過のタイミングに応じるプロセッサと、コイン詰まりが検出された場合にこの機械装置からコインを解除するために前記プロセッサによって作動可能な詰まり解除モータとを含んでいる請求項31〜35のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項37】
前記コイン受入機は、この受入機の本体とドアとの間に画定されたコイン流下通路を含み、前記詰まり解除モータは、前記コイン流下通路におけるコイン詰まりの場合に前記ドアを開放するとともにそのコインを前記受入機から解除するように作動可能である請求項36に記載のコイン機械装置。
【請求項38】
少なくとも1つのコンベアセグメントと、使用時に前記コンベアセグメントが長手方向にそれらの間で動く両側壁と、これら両側壁の一方におけるコイン射出用出口と、前記セグメントの上でコインを受け入れるコイン容器とを含んでおり、前記コイン容器は、2枚のコインがそのコイン容器の中に受け入れられると、それらのコインの一方が前記出口を通り過ぎるその容器の動きによって前記コイン射出用出口から射出され、かつ、それらのコインの他方がその容器の中に残るように、前記セグメントの長手中心線に対して非対称状に配置された直立部材を含んでいるコイン機械装置用コンベア。
【請求項39】
前記直立部材は、一対の直立状集束突出部を含み、これらの突出部のそれぞれは、前記セグメントにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合するためのものであり、前記集束突出部は、非対称であり、結合箇所で前記コンベアの長手中心線の一方側へ集束している請求項38に記載のコンベア。
【請求項40】
添付図面を参照してこれまでに実質的に説明されたコイン機械装置。
【請求項1】
コイン受入部分、このコイン受入部分から上行する上行部分、前記コイン受入部分まで下行する下行部分、および前記上行部分から前記下行部分まで延びるアーチ状被覆部分が経路に含まれているエンドレスループ状コンベアと、前記コイン受入部分において、前記上行部分に沿って前記アーチ状被覆部分へ運ばれる前記コンベアの上へコインを個々に供給するように構成されたコイン供給部と、コインを前記コンベアの上に保持するために前記アーチ状被覆部分の下面に設けられたガイドと、前記上行部分を越えた前記コンベアの上の位置でコインを前記コンベアから取り出すことができるコイン出口とを備えてなるコイン機械装置。
【請求項2】
前記位置は、前記アーチ状被覆部分の下面におけるものである請求項1に記載のコイン機械装置。
【請求項3】
前記コンベアは、前記コイン受入部分から前記出口まで運ばれる個々のコインを受け入れるための容器を画定する複数の直立部材を含んでいる請求項1または2に記載のコイン機械装置。
【請求項4】
前記直立部材は、前記コンベアの両方の長手側方縁部の内方に配置されたそれらの周縁で前記容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている請求項3に記載のコイン機械装置。
【請求項5】
コイン受入部分およびこのコイン受入部分から上行する上行部分が経路に含まれているエンドレスループ状コンベアと、前記コイン受入部分において、前記上行部分に沿って運ばれる前記コンベアの上へコインを供給するように構成されたコイン供給部と、コインを前記コイン受入部分の上方の位置で前記コンベアから取り出すことができるコイン出口とを備えてなり、前記コンベアは、前記コイン受入部分から前記出口まで運ばれる個々のコインを受け入れるための容器を画定する複数の直立部材を含み、これらの直立部材は、前記コンベアの両方の長手側方縁部の内方に配置されたそれらの周縁で前記容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されているコイン機械装置。
【請求項6】
前記直立部材は、前記容器が前記コンベアの進行方向に一線配置されたそれらの中心で相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている請求項4または5に記載のコイン機械装置。
【請求項7】
前記コンベアは、複数のセグメントを含んでおり、これらのセグメントには、これらの少なくともいくつかに設けられている前記容器の個々の1つがある請求項3、4、5または6に記載のコイン機械装置。
【請求項8】
前記容器は、前記セグメントのそれぞれに設けられている請求項7に記載のコイン機械装置。
【請求項9】
前記容器は、前記セグメントの一つ置きのものに設けられている請求項7に記載のコイン機械装置。
【請求項10】
前記直立部材は、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部とただ2つの箇所で接するように構成されている請求項3〜9のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項11】
前記直立部材は、一対の直立種子状部を含み、これらの種子状部のそれぞれが、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合する請求項3〜10のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項12】
前記直立部材は、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部にそれぞれが係合する一対の直立状集束突出部からなっている請求項3〜11のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項13】
前記集束突出部は、対称であり、前記コンベアの長手中心線に一線配置された結合箇所で集束している請求項12に記載のコイン機械装置。
【請求項14】
前記集束突出部は、非対称であり、結合箇所で前記コンベアの長手中心線の一方側へ集束している請求項12に記載のコイン機械装置。
【請求項15】
前記コンベアの両側部に側壁を含み、かつ、これらの側壁の一方にコイン射出用開口を含み、それによって、2枚以上のコインが前記容器の中に受け入れられると、それらのうちの1枚が前記開口から射出される請求項14に記載のコイン機械装置。
【請求項16】
コインを受け入れるためのコイン入口、およびそのコインの真正性を判定するように構成された認証回路を有しているコイン受入機と、
受入通路と、非受入通路とを備え、
前記受入機は、コインが前記認証回路によって受入可能と判定されるとそのコインを前記受入通路へ導き、受け入れられないときにはそのコインを前記非受入通路へ導くように構成されており、
さらに、拒絶されたコインのための拒絶通路と、
受け入れられなかったコインを再認証のために前記非受入通路から前記受入機の前記入口まで戻すように構成された再循環通路と、
受け入れられなかったコインを前記受入機による再認証のために前記再循環通路へあるいは前記拒絶通路へ選択的に導くように作動可能である再循環ゲートと
を備えてなるコイン機械装置。
【請求項17】
受け入れられなかったコインが、前記拒絶通路へ導かれる前に前記受入機によって認証されて前記再循環通路を通して戻される回数を制御するために、前記再循環ゲートの作動を制御する制御装置を含んでいる請求項16に記載のコイン機械装置。
【請求項18】
コインを前記再循環通路から前記受入機まで搬送するために、前記再循環ゲートによってそこへ導かれたコインを受け入れるためのコイン受入部分と、そこからコインを搬送するために前記コイン受入部分から上行する上行部分と、コインを導いて前記コンベアから前記受入機の前記コイン入口まで戻すために前記コイン受入部分の上方の位置におけるコイン出口とをその経路が含むエンドレスループ状コンベアを含んでいる請求項16または17に記載のコイン機械装置。
【請求項19】
前記受入機は、相異なる金種どうしを識別するために作動可能であり、さらに、前記受入機によって受け入れられた相異なる個々の金種のコインを受け入れるための複数のホッパーと、相異なる金種のそれらのコインを前記受入機から前記ホッパーまで導くためのコインソーターとを含んでいる請求項16、17または18に記載のコイン機械装置。
【請求項20】
前記ホッパーは、釣銭を提供するために相異なる金種のコインを払い出すように作動可能なものであり、さらに、釣銭排出箇所と、前記ホッパーによって払い出されたコインをその釣銭排出箇所へ搬送するための釣銭支払い用コンベアとを含んでいる請求項16〜19のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項21】
前記釣銭支払い用コンベアは、前記ホッパーによって払い出されたコインを受け入れるように構成されたコイン受入部分と、このコイン受入部分から上行する上行部分と、そのコイン受入部分の上方の位置から前記釣銭排出箇所までコインを送るためにコインがこのコンベアを離れることができるコイン出口とをその経路が含むエンドレスループ状コンベアからなっている請求項20に記載のコイン機械装置。
【請求項22】
コイン排出箇所と、コインをこのコイン排出箇所から前記コイン受入機の前記入口まで導くためのシュートとを含んでいる請求項16〜21のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項23】
前記コンベアあるいはそれぞれの前記コンベアは、前記コイン受入部分から前記出口まで搬送される個々のコインを受け入れるために、容器を画定する複数の直立部材を含んでいる請求項16〜21のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項24】
前記直立部材は、前記コンベアの両方の長手側方縁部の内方に配置されたそれらの周縁で前記容器が相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている請求項23に記載のコイン機械装置。
【請求項25】
前記直立部材は、前記容器が前記コンベアの進行方向に一線配置されたそれらの中心で相異なる直径のコインを受け入れることができるように構成されている請求項23または24に記載のコイン機械装置。
【請求項26】
前記コンベアあるいはそれぞれのコンベアは、前記容器の個々の1つがそれぞれに設けられている複数のセグメントを含んでいる請求項23、24または25に記載のコイン機械装置。
【請求項27】
前記直立部材は、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部とただ2つの箇所で接するように構成されている請求項23〜26のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項28】
前記直立部材は、一対の直立種子状部を含み、これらの種子状部のそれぞれが、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合する請求項23〜26のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項29】
前記直立部材は、一対の直立状集束突出部を含み、これらの突出部のそれぞれが、前記コンベアにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合する請求項23〜26のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項30】
前記コンベアあるいはそれぞれのコンベアは、駆動機構のピニオンに噛み合う歯付きラックを含んでいる請求項1〜29のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項31】
コインを受け入れるためのコイン導入箇所と、
コイン排出箇所と、
試験されるコインのための入口、この入口に入る試験中のコインの受入可能性を判定するように構成されたセンサ・処理構成部、受入可能なコインのための受入通路、および受入不可能なコインのための非受入通路を有しているコイン受入機と、
コインを連続的に前記コイン受入機の前記入口へ送出するためにコイン受入部分から第1コイン送給通路に沿って走行する第1コインコンベアと、
前記コイン導入箇所から前記第1コインコンベアの前記コイン受入部分まで延びているコイン導入通路と、
コインを前記コイン排出箇所へ送出するために、前記受入機の前記非受入通路からコインを受けるコイン受入部分から第2コイン送給通路に沿って走行する第2コインコンベアと
を備えてなるコイン機械装置。
【請求項32】
コインが前記第1コンベアを出て前記受入機の前記入口の中へ入るときと違って、コインが前記第1コンベアを出て前記受入機の前記入口の中へ入ることがないときには、前記第1コンベアをより速い速度で駆動するための駆動モータ構成体を含んでいる請求項31に記載のコイン機械装置。
【請求項33】
前記第1コンベアは、単一のコインを前記第1通路の前記コイン受入部分から前記受入機の前記入口まで搬送するようにそれぞれが構成された複数のコンベアセグメントを含んでいる請求項31または32に記載のコイン機械装置。
【請求項34】
前記第2コンベアは、複数のコインをそれらが送出されるこの第2コンベアの前記コイン受入部分から前記コイン排出箇所まで搬送するようにそれぞれが構成された複数のセグメントを含んでいる請求項31〜33のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項35】
前記第1コイン送給通路に沿って通過することなくコインを前記コイン導入箇所から前記コイン排出箇所まで返送するためのコイン返送通路と、前記第1コンベアが稼動中でないときにコインを前記コイン返送通路に沿って送るためにコインを分流するためのコイン分流装置とを含んでいる請求項31〜34のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項36】
この機械装置を通るコインの通過を感知するためのセンサと、コイン詰まりを検出するために、前記センサを通り過ぎるコインの通過のタイミングに応じるプロセッサと、コイン詰まりが検出された場合にこの機械装置からコインを解除するために前記プロセッサによって作動可能な詰まり解除モータとを含んでいる請求項31〜35のいずれか1つに記載のコイン機械装置。
【請求項37】
前記コイン受入機は、この受入機の本体とドアとの間に画定されたコイン流下通路を含み、前記詰まり解除モータは、前記コイン流下通路におけるコイン詰まりの場合に前記ドアを開放するとともにそのコインを前記受入機から解除するように作動可能である請求項36に記載のコイン機械装置。
【請求項38】
少なくとも1つのコンベアセグメントと、使用時に前記コンベアセグメントが長手方向にそれらの間で動く両側壁と、これら両側壁の一方におけるコイン射出用出口と、前記セグメントの上でコインを受け入れるコイン容器とを含んでおり、前記コイン容器は、2枚のコインがそのコイン容器の中に受け入れられると、それらのコインの一方が前記出口を通り過ぎるその容器の動きによって前記コイン射出用出口から射出され、かつ、それらのコインの他方がその容器の中に残るように、前記セグメントの長手中心線に対して非対称状に配置された直立部材を含んでいるコイン機械装置用コンベア。
【請求項39】
前記直立部材は、一対の直立状集束突出部を含み、これらの突出部のそれぞれは、前記セグメントにおけるその主面の一方に置かれるコインの側方縁部に係合するためのものであり、前記集束突出部は、非対称であり、結合箇所で前記コンベアの長手中心線の一方側へ集束している請求項38に記載のコンベア。
【請求項40】
添付図面を参照してこれまでに実質的に説明されたコイン機械装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21A−21C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21A−21C】
【公表番号】特表2010−538382(P2010−538382A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523485(P2010−523485)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061415
【国際公開番号】WO2009/030651
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(505257305)マネー コントロールズ リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】MONEY CONTROLS LIMITED
【住所又は居所原語表記】Coin House,New Coin Street,Royton,Oldham,Lancashire OL2 6JZ,UNITED KINGDOM
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061415
【国際公開番号】WO2009/030651
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(505257305)マネー コントロールズ リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】MONEY CONTROLS LIMITED
【住所又は居所原語表記】Coin House,New Coin Street,Royton,Oldham,Lancashire OL2 6JZ,UNITED KINGDOM
【Fターム(参考)】
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