説明

コネクタ

【課題】基板の実装面からのコネクタの突出量と基板の実装面と反対側の面からのコネクタの突出量とを少なくし、コンタクトの露出量を少なくする。
【解決手段】ハウジング50を、LED実装基板81に形成された切欠81aに挿入されるハウジング本体51と、ハウジング本体51に連なり、LED実装基板81と対向する天板部52とで構成した。ハウジング本体51に、コンタクト30の接触部34を収容するとともに、ケーブルコネクタ70のハウジング71をハウジング本体51と天板部52とが連なる方向DSと直交するコンタクト挿入方向DIから受け容れるコネクタ受容部51aを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に形成された開口にコネクタ組立体(コネクタ)の一部を挿入することによって基板の実装面からのコネクタ組立体の突出量を少なくする技術が知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
コネクタ組立体104は、図17、図18に示すように、ハウジング114と2つのコンタクト112と2つのタブ204とを備えている。なお、図17は特許文献1の図5に、図18は特許文献1の図3にそれぞれ対応する。
【0004】
ハウジング114の後端218には開口302が形成されている。また、ハウジング114の後端218からハウジング114の側面320にかけて上側スロット502が形成されている。更に、ハウジング114の側面320にはハウジング114の前端216から後端218に向かって下側スロット510が延びている。下側スロット510の終端は棚部512となっている。ハウジング114の対向する側面212,214にはそれぞれ突起210が形成されている。突起210はハウジング114の後端218からハウジング114の前後方向のほぼ中間位置まで延びている。突起210にはスロット(図示せず)が形成されている。スロットはハウジング114の前後方向へ延び、突起210の前端は開放されている。
【0005】
ハウジング114の前端216は開放されている。ハウジング114はその前後方向(基板118の実装面316と直交する方向)で相手側コネクタ(図示せず)を受け容れる。
【0006】
コンタクト112は挿入部500と平坦部304と傾斜部306と実装部308とを有する。挿入部500は開口302を通じてハウジング114内に挿入される。平坦部304は挿入部500に連なり、上側スロット502に挿入される。傾斜部306は平坦部304に連なる。傾斜部306の傾斜面506と反対側の面には保持バーブ508が形成されている。実装部308は傾斜部306に連なる。挿入部500を開口302に挿入すると、平坦部304が上側スロット502に挿入されるとともに、傾斜部306の保持バーブ508が棚部512に引っ掛かる。その結果、コンタクト112はハウジング114に固定される。
【0007】
タブ204は挿入部514と実装面208と曲げ部206とを有する。挿入部514は保持バーブ516を有する。曲げ部206は挿入部514と実装面208との間に設けられている。挿入部514をハウジング114の突起210のスロットに挿入すると、保持バーブ516がスロットの内面に引っ掛かる。その結果、タブ204はハウジング114に固定される。
【0008】
コネクタ組立体104を基板118に実装するには、まず、コネクタ組立体104のハウジング114をその前端216から基板118の開口116に挿入し、コンタクト112の実装部308を基板118のコンタクトパッド312上に配置し、タブ204の実装面208を基板118の実装パッド314上に配置する。
【0009】
その後、コンタクト112の実装部308をコンタクトパッド312に半田付けし、タブ204の実装面208を実装パッド314に半田付けする。
【0010】
以上の作業により、コネクタ組立体104は基板118に実装される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−3688号公報(段落0010〜0018、図3、図5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述のように、コネクタ組立体104のハウジング114は基板118の実装面316と反対側の面から突出し、実装面316と直交する方向で相手側コネクタを受け容れる。このため、基板118の実装面316と反対側に相手側コネクタをコネクタ組立体104に嵌合する作業を行うための大きなスペースを必要とする。
【0013】
例えば、コネクタ組立体104を液晶テレビのバックライトのLEDに電力を供給するために用いられるコネクタとして用いた場合、コネクタ組立体104の相手側コネクタであるケーブルコネクタのケーブルを直角に曲げる必要があるが、ケーブルの曲げ半径をある程度大きくしないと、ケーブルに大きなストレスがかかり、断線を招くおそれがある。これを避けるには、基板118の実装面316と反対側に大きなスペースが必要であり、結果的に液晶テレビの薄型化を困難にしていた。
【0014】
更に、上述のコネクタ組立体では、コンタクトの平坦部をハウジングの上下方向に沿ってハウジングの上側スロットに挿入し、コンタクトの傾斜部の保持バーブをハウジングの下側スロットの棚部に引っ掛け、タブの挿入部をハウジングの上下方向に沿ってハウジングの突起のスロットに挿入する構成が開示されているので、コネクタ組立体の基板の実装面から突出する部分が高くなる。その結果、コネクタ組立体の近傍に配置されたLEDの光がコンタクト組立体に当たって遮られる。
【0015】
また、上述のコネクタ組立体では、コンタクトの傾斜部及び実装部はハウジングの外にあり、コンタクトの平坦部も上側スロットを通じて露出している。その結果、このコネクタ組立体を用いた照明装置では、コンタクトの露出部分が他の部分よりも暗くなり、明るさにむらが生じる。
【0016】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は基板の実装面からのコネクタの突出量と基板の実装面と反対側の面からのコネクタの突出量とを少なくし、コンタクトの露出量を少なくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述の課題を解決するため請求項1記載の発明は、コンタクトと、このコンタクトを保持するハウジングとを備え、基板に実装され、相手側コネクタに嵌合されるコネクタにおいて、前記コンタクトは、前記ハウジングに保持される保持部と、前記保持部に連なり、前記相手側コネクタの相手側コンタクトに接触する接触部とを有し、前記ハウジングは、前記基板に形成された被挿入部に挿入されるハウジング本体と、前記ハウジング本体に連なり、前記基板と対向する天板部とを有し、前記ハウジング本体に、前記接触部を収容するとともに、前記相手側コネクタの相手側ハウジングを前記ハウジング本体と前記天板部とが連なる方向と直交するコネクタ嵌合方向から受け容れるコネクタ受容部が設けられ、前記天板部に、前記ハウジング本体と前記天板部とが連なる方向と直交するコンタクト挿入方向から前記保持部を受け容れる保持部受容部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタにおいて、前記接触部は、前記コンタクト挿入方向と反対方向へ延びる接触部分を有することを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のコネクタにおいて、前記ハウジング本体の底面は開放されていることを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のコネクタにおいて、前記コネクタ嵌合方向へ延び、前記相手側コネクタの相手側ハウジングに形成されたキーと嵌合するキー溝が、前記コネクタ受容部の内壁面に形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項3記載のコネクタにおいて、前記相手側コネクタの相手側ハウジングに形成され前記コネクタ嵌合方向へ延びたキー溝と嵌合するキーが、前記コネクタ受容部の内壁面に形成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載のコネクタにおいて、前記相手側コネクタの相手側ハウジングの両側面部に形成された前記コネクタ嵌合方向へ延びるロック用アームと係合する穴が、前記ハウジング本体の両側面部に形成されていることを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のコネクタにおいて、前記穴は、前記相手側コネクタを前記コネクタ受容部に前記コネクタ嵌合方向から嵌合したとき前記ロック用アームと前記基板との間に隙間が形成されるように、配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項記載のコネクタにおいて、前記コンタクトは、前記保持部に連なり前記基板の実装面に接続される接続部を有し、前記接続部は前記天板部から前記ハウジング本体と前記天板部とが連なる方向と直交する方向へ突出し、その接続部の先端が前記ハウジングに向かって折れ曲がっていることを特徴とする。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のコネクタにおいて、前記天板部を上方から見たときその天板部によって前記コンタクトのほぼ全体が覆い隠されることを特徴とする。
【0026】
請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載のコネクタにおいて、前記接続部がほぼU字状であることを特徴とする。
【0027】
請求項11記載の発明は、請求項8〜10記載のいずれか1項記載のコネクタにおいて、前記コンタクトは複数の前記接続部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、基板の実装面からのコネクタの突出量と基板の実装面と反対側の面からのコネクタの突出量とを少なくし、コンタクトの露出量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1はこの発明の第1の実施形態のコネクタの斜視図である。
【図2】図2は図1に示すコネクタの側面図である。
【図3】図3は図1に示すコネクタのコンタクトを斜め上方から見た斜視図である。
【図4】図4は図1に示すコネクタのハウジングを斜め下方から見た斜視図である。
【図5】図5は図4に示すハウジングを斜め上方から見た斜視図である。
【図6】図6は図4に示すハウジングの底面図である。
【図7】図7はコネクタをLED実装基板に実装する前の状態を示す斜視図である。
【図8】図8はLED実装基板に実装されたコネクタにケーブルコネクタを接続する前の状態を示す斜視図である。
【図9】図9はLED実装基板に実装されたコネクタにケーブルコネクタを接続する前の状態を示す側面図である。
【図10】図10はLED実装基板に実装されたコネクタにケーブルコネクタを接続した状態を示す斜視図である。
【図11】図11はLED実装基板に実装されたコネクタにケーブルコネクタを接続した状態を示す側面図である。
【図12】図12はこの発明の第2の実施形態のコネクタの斜視図である。
【図13】図13は図12に示すコネクタの側面図である。
【図14】図14は図13に示すコネクタのハウジングを斜め下方から見た斜視図である。
【図15】図15は図14に示すハウジングを斜め上方から見た斜視図である。
【図16】図16はLED実装基板に実装されたコネクタにケーブルコネクタを接続する前の状態を示す側面図である。
【図17】図17は従来のコネクタ組立体の分解斜視図である。
【図18】図18は図17に示すコネクタ組立体をプリント基板に実装する前の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
図7に示すように、コネクタ10は、複数のLED83が実装されたLED実装基板(基板)81に実装され、ケーブルコネクタ(相手側コネクタ)70(図8、図9参照)のケーブル72とLED実装基板81とを接続してLED実装基板81上の複数のLED83に図示しない電源からの電力を供給可能にするコネクタである。この実施形態ではLED83はバックライト(図示せず)の光源である。
【0032】
図1、図2に示すように、コネクタ10は2つのコンタクト30と1つのハウジング50とを備えている。
【0033】
図3に示すように、コンタクト30は1つの保持部31と2つの接続部32,33と1つの接触部34とを有する。コンタクト30は1つの金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。
【0034】
保持部31は平板状であり、先端部31aと中間部31bと後端部31cとを有する。先端部31aと中間部31bと後端部31cとはコンタクト挿入方向DI(図1参照)へ連なる。保持部31の板厚方向はハウジング本体51と天板部52とが連なる方向DS(図1参照)とLED実装基板81の板厚方向とのいずれとも一致する。先端部31aの一方の側面31hには2つの突起部31eが形成されている。中間部31bは先端部31aに連なる。中間部31bの裏面にはダボ(図示せず)が形成されている。後端部31cは中間部31bに連なる。
【0035】
図1、図3に示すように、接続部32は保持部31の中間部31bに連なる。接続部32はその先端が天板部52に向かうようにほぼU字形に折れ曲がっている。接続部33は保持部31の後端部31cに連なる。接続部33はその先端が天板部52に向かうようにほぼU字形に折れ曲がっている。
【0036】
図3、図1に示すように、接触部34は幅広部分34aと接触部分34bと連結部分34cとを有する。幅広部分34aは保持部31の中間部31bに連なる。接触部分34bはコネクタ嵌合方向DC(図1参照)へ延びている。コネクタ嵌合方向DCはハウジング本体51と天板部52とが連なる方向DSと直交する方向である。接触部分34bはケーブルコネクタ70のコンタクト(図示せず)に接触する。連結部分34cはハウジング本体51と天板部52とが連なる方向DSへ延び、幅広部分34aと接触部分34bとを連結している。
【0037】
図4、図5に示すように、ハウジング50はハウジング本体51と天板部52とを有する。
【0038】
ハウジング本体51はほぼ角筒状であり、コネクタ受容部51aを有する。ハウジング本体51の前面部51bには開口51fが形成され、コネクタ受容部51aはハウジング本体51の前方の空間に通じる。ハウジング本体51の底面は開放され、コネクタ受容部51aはハウジング本体51の下方の空間に通じる。コネクタ受容部51aは、コンタクト30の接触部34を収容するとともに、ケーブルコネクタ70のハウジング(相手側ハウジング)71(図8、図9参照)をコネクタ嵌合方向DC(ハウジング5の前後方向)から受け容れる。ハウジング本体51の両側面部51cには穴51eが形成されている。穴51eはハウジング本体51の後端部に位置している。
【0039】
図4、図5に示すように、天板部52はハウジング本体51に連なり、LED実装基板81の実装面81bと対向する(図7参照)。天板部52の板厚方向はLED実装基板81の板厚方向と一致する。天板部52には2つの保持部受容部52aが形成されている。保持部受容部52aはコンタクト挿入方向DIからコンタクト30の保持部31を受け容れる。保持部受容部52aの保持部31の先端部31aを受け容れる部分は穴(図示せず)になっており、先端部31aの四方を囲む。天板部52の両側部の下面にはそれぞれ凹部52bが形成されている。凹部52bは接続部32の先端部を受け容れる。また、天板部52の前面部には2つの凹部52cが形成されている。凹部52cは接続部33の先端部を受け容れる。天板部52の上面52dは平坦面であり、溝等がない(図5参照)。
【0040】
天板部52からハウジング本体51にかけて2つの溝50aが形成されている(図4、図6参照)。溝50aはコンタクト30の接触部34の幅広部分34aを受け容れる溝である。溝50aを介して保持部受容部52aとコネクタ受容部51aとが通じている。
【0041】
コンタクト30をハウジング50に組み付けるには、ハウジング50の前方からコンタクト挿入方向DIに沿ってコンタクト30の保持部31を天板部52の保持部受容部52aに挿入すればよい(図1参照)。
【0042】
コンタクト30の保持部31を天板部52の保持部受容部52aに挿入すると、保持部31の先端部31aの突起部31eが上述の穴の内壁面(垂直面)に強く接触し、保持部31の先端部31aは上述の穴内で保持される。
【0043】
コネクタ10をLED実装基板81に実装するには、まず、図7に示すように、コネクタ10のハウジング50のハウジング本体51をLED実装基板81の切欠(被挿入部)81aに挿入する。このとき、コネクタ10の一方のコンタクト30の接続部32をランド81dに、接続部33をランド81cにそれぞれ配置し、コネクタ10の他方のコンタクト30の接続部32をランド81fに、接続部33をランド81eにそれぞれ配置する。
【0044】
その後、コネクタ10の一方のコンタクト30の接続部32,33をランド81d,81cに、コネクタ10の他方のコンタクト30の接続部32,33をランド81f,81eにそれぞれ半田付けする。
【0045】
以上の工程を経てコネクタ10はLED実装基板81に実装される。
【0046】
次に、図8〜図11に基づいてコネクタ10の相手側コネクタであるケーブルコネクタ70について説明する。ケーブルコネクタ70はハウジング71とコンタクト(図示せず)とを備える。ハウジング71は、ハウジング本体71cと2つのロック用アーム71a,71aとを有する。ハウジング本体71cはほぼ筐体状であり、コンタクトを保持する。ロック用アーム71a,71aの固定端部はそれぞれハウジング本体71cの側面部に連なる。ロック用アーム71a,71a(図9、図10参照)の自由端部にそれぞれ爪71b,71bが形成され、爪71b,71bの間隔はコネクタ10のハウジング50の両側面部51c,51cの間隔よりも狭く設定されている。ロック用アーム71a,71aの爪71b,71bはそれぞれハウジング本体51の穴51e,51eに係合する。ロック用アーム71a,71aの爪71b,71bがそれぞれハウジング本体51の穴51e,51eに係合したとき、ロック用アーム71a,71aとLED実装基板81との間にわずかな一定の隙間gが形成される(図11参照)。
【0047】
コネクタ10にケーブルコネクタ70を接続するには、図8、図9に示すように、コネクタ10の前方からコネクタ嵌合方向DCに沿ってケーブルコネクタ70をコネクタ10に嵌合する。
【0048】
コネクタ10にケーブルコネクタ70を嵌合するとき、ロック用アーム71a,71aが弾性変形し、爪71b,71bがハウジング本体51の両側面部51c,51c上を摺動し、爪71b,71bが穴51e,51eに達すると、ロック用アーム71a,71aの弾性力によって爪71b,71bが穴51e,51eに入る。このとき、音が発生するので、ケーブルコネクタ70がコネクタ10に正常に嵌合したことが分かる。したがって、爪71b,71bが穴51e,51eに嵌合したときの音に注意してコネクタ10とケーブルコネクタ70との接続作業を行えば、コネクタ10とケーブルコネクタ70とが確実に電気的に接続されたことを知ることができる。
【0049】
また、コネクタ10にケーブルコネクタ70をコネクタ嵌合方向DCから嵌合するとき、ロック用アーム71aの上面とLED実装基板81の裏面との間にわずかな隙間gしかないので、ケーブルコネクタ70がLED実装基板81の裏面に対して傾こうとしても、ケーブルコネクタ70のロック用アーム71aの上面がLED実装基板81の裏面に接触し、ケーブルコネクタ70の傾きが抑制される。
【0050】
この実施形態によれば、ハウジング本体51と天板部52とが連なる方向DSと直交するコネクタ嵌合方向DCからハウジング50のコネクタ受容部51aがケーブルコネクタ70を受け容れるので、ハウジング50のLED実装基板81の裏面からの突出量を少なくすることができる。
【0051】
したがって、コネクタ10を液晶テレビのバックライトのLEDに電力を供給するためのコネクタとして用いれば、LED実装基板81の裏面側にケーブルコネクタ70をコネクタ10に嵌合するための大きなスペースを確保する必要がないとともに、ケーブルコネクタ70のケーブル72を直角に曲げる必要もないので、液晶テレビの薄型化を実現することができる。
【0052】
また、コネクタ10のコンタクト30の接触部34の接触部分34bがコンタクト挿入方向DIと平行な方向へ延びているので、接触部34とケーブルコネクタ70の相手側コンタクトとの接触面積を多くすることができ、コンタクト同士の接触安定性が向上する。
【0053】
更に、ハウジング本体51の底面が開放され、ハウジング本体51の底面部が存在しないので、その分、ハウジング本体51のLED実装基板81の裏面からの突出量をより少なくすることができる。
【0054】
また、ハウジング本体51の両側面部51cにそれぞれ穴51eが形成され、2つの穴51e,51eにそれぞれケーブルコネクタ70のロック用アーム71a,71aの爪7+る。
【0055】
更に、ケーブルコネクタ70をコネクタ10に嵌合するときに、ロック用アーム71aの上面とLED実装基板81の裏面との間にわずかな隙間gしかないので、ケーブルコネクタ70がLED実装基板81の裏面に対して傾こうとしても、ケーブルコネクタ70のロック用アーム71aがLED実装基板81の裏面に接触してケーブルコネクタ70の傾きが抑制され、ケーブルコネクタ70をコネクタ10に容易に正しく嵌合することができる。
【0056】
また、ハウジング50の天板部52の保持部受容部52aはハウジング本体51と天板部52とが連なる方向DSと直交するコンタクト挿入方向DIからコンタクト30の保持部31を受け容れるので、天板部52の高さ寸法を小さくすることができる。したがって、
LED実装基板81の実装面81bからのコネクタ10の突出量を少なくすることができ、コネクタ10によって遮られるLED83の光の量が減る。
【0057】
更に、コンタクト30のコンタクト挿入方向DIがハウジング本体51と天板部52とが連なる方向DSと直交するので、天板部52の上面52dに上方へ開放された溝や切欠等を形成する必要がなくなり、LED83が点灯したときバックライトの導光板(図示せず)に明暗のむらが生じるのを防ぐことができる。また、天板部52の上面52dに溝や切欠等がない広い平坦なエリアを確保することができるので、天板部52を図示しないマウンタ(自動実装機)の吸着ノズルで確実かつ容易に吸着することができる。
【0058】
更に、コンタクト30の接続部32,33がほぼU字形に折り曲げられ、接続部32,33の先端がハウジング50に向いているので、コネクタ10をLED実装基板81に実装するのに必要な実装面積又は実装スペースを小さくすることができる。また、接続部32,33がほぼU字形に折り曲げられ、その先端部の表面(打抜き加工によって形成される切断面と直交する面)がランド81d,81c,81f,81eに半田付けされるので、接続部32,33のランド81d,81c,81f,81eに対する半田付けの面積を大きくすることができ、コンタクトの実装部の半田付け面が打抜き加工によって形成された切断面である従来のコネクタに較べて、接続部32,33の半田付け強度が高く、接続部32,33がランド81d,81c,81f,81eから剥がれるおそれが少ない。
【0059】
また、2つのコンタクト30はそれぞれ2つの接続部32,33を有するので、1つのコネクタ10には4つの接続部32,33があり、このうちの1つの接続部32,33がLED実装基板81から外れても、コネクタ10がぐらつくことがなく、LED83に電力を供給し続けることができる。更に、2つのコンタクト30はそれぞれ2つの接続部32,33を有するので、ホールドダウン(固定用の金具、図示せず)を省略することができる。
【0060】
また、ハウジング50の天板部52の保持部受容部52aはハウジング本体51と天板部52とが連なる方向DSと直交するコンタクト挿入方向DIからコンタクト30の保持部31を受け容れるので、コネクタ10にケーブルコネクタ70を接続するときに、ケーブルコネクタ70によってコネクタ10のハウジング50がコネクタ嵌合方向DCに沿って上方へ押圧されても、コンタクト30がハウジング50から抜け出るおそれが少ない。
【0061】
次に、この発明の第2の実施形態のコネクタを図12〜図16に基づいて説明する。第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0062】
コネクタ210のハウジング250のハウジング本体251の側面部251cの内面(コネクタ受容部51aの内壁面)にはキー溝251hが形成されている。キー溝251hはコネクタ嵌合方向DCへ延びている。キー溝251hは後述するキー271dをコネクタ嵌合方向DCへガイドする。
【0063】
ケーブルコネクタ270のハウジング271のハウジング本体271cの側面部の外面にはキー271dが形成されている。キー271dはコネクタ嵌合方向DCへ延び、コネクタ210のキー溝251hに挿入される。
【0064】
第2実施形態よれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、ケーブルコネクタ270をコネクタ210により容易に正しく嵌合できる。
【0065】
第2実施形態では、コネクタ210のハウジング250のハウジング本体251の側面部251cの内面にキー溝251hが形成され、ケーブルコネクタ270のハウジング271のハウジング本体271cの側面部の外面にキー271dが形成されているが、コネクタ210のハウジング250のハウジング本体251の側面部251cの内面にキーを突出するように形成し、ケーブルコネクタ270のハウジング271のハウジング本体271cの側面部の外面にキー溝を形成してもよい。
【0066】
なお、上述の実施形態では、コネクタ10,210のコンタクト30の接触部34の接触部分34bはコネクタ嵌合方向DCへ延びているが、必ずしも接触部分34bをコネクタ嵌合方向DCへ延ばす必要はない。
【0067】
また、上述の実施形態では、コネクタ10,210のハウジング本体51,251の底面を開放したが、必ずしも底面を開放する必要はない。
【0068】
なお、上述の実施形態では、穴51eをハウジング本体51,251の中央部よりやや天板部52側に設けたが、穴51eをハウジング本体51,251の中央部に設けてもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、ハウジング本体51,251の両側面部51c,251cにそれぞれ穴51e,51eを設けたが、必ずしも両側面部51c,251cに穴51e,51eを設ける必要はない。
【0070】
なお、上述の実施形態では、コネクタ10,210は2つのコンタクト30を備えているが、コンタクト30の数は2つに限られず、1つでも3つ以上でもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では、コネクタ10,210が挿入される被挿入部として切欠81aが採用されているが、被挿入部は切欠81aに限られず、例えば孔でもよい。
【0072】
なお、上述の実施形態では、接続部32,33をほぼU字形に折り曲げたが、接続部32,33を例えばJ字形や円弧状に折り曲げてもよい。
【0073】
また、上述の実施形態では、コンタクト30は2つの接続部32,33を有しているが、コンタクト30の接続部の数は2つに限られず、1つでも3つ以上でもよい。
【0074】
なお、上述の実施形態のコネクタ10,210はLED実装基板81に電力を供給するものであるが、この発明のコネクタは電力供給用のコネクタに限られない。
【符号の説明】
【0075】
10,210:コネクタ、30:コンタクト、31:保持部、31a:先端部、31b:中間部、31c:後端部、31e:突起部、31h:側面、32,33:接続部、34:接触部、34a:幅広部分、34b:接触部分、34c:連結部分、50,250:ハウジング、50a:溝、51,251:ハウジング本体、51a:コネクタ受容部、51b:前面部、51c,251c:側面部、51e:穴、51f:開口、251h:キー溝、52:天板部、52a:保持部受容部、52b:凹部、52c:凹部、52d:上面、70,270:ケーブルコネクタ(相手側コネクタ)、71,271:ハウジング(相手側ハウジング),71a:ロック用アーム、71b:爪、71c,271c:ハウジング本体、271d:キー、72:ケーブル、81:LED実装基板(基板)、81a:切欠(被挿入部)、81b:実装面、81c,81d,81e,81f:ランド、83:LED、DS:ハウジング本体51と天板部52とが連なる方向、DI:コンタクト挿入方向、DC:コネクタ嵌合方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトと、このコンタクトを保持するハウジングとを備え、基板に実装され、相手側コネクタに嵌合されるコネクタにおいて、
前記コンタクトは、前記ハウジングに保持される保持部と、前記保持部に連なり、前記相手側コネクタの相手側コンタクトに接触する接触部とを有し、
前記ハウジングは、前記基板に形成された被挿入部に挿入されるハウジング本体と、前記ハウジング本体に連なり、前記基板と対向する天板部とを有し、
前記ハウジング本体に、前記接触部を収容するとともに、前記相手側コネクタの相手側ハウジングを前記ハウジング本体と前記天板部とが連なる方向と直交するコネクタ嵌合方向から受け容れるコネクタ受容部が設けられ、
前記天板部に、前記ハウジング本体と前記天板部とが連なる方向と直交するコンタクト挿入方向から前記保持部を受け容れる保持部受容部が設けられている
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記接触部は、前記コンタクト挿入方向と反対方向へ延びる接触部分を有する
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジング本体の底面は開放されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記コネクタ嵌合方向へ延び、前記相手側コネクタの相手側ハウジングに形成されたキーと嵌合するキー溝が、前記コネクタ受容部の内壁面に形成されている
ことを特徴とする請求項3記載のコネクタ。
【請求項5】
前記相手側コネクタの相手側ハウジングに形成され前記コネクタ嵌合方向へ延びたキー溝と嵌合するキーが、前記コネクタ受容部の内壁面に形成されている
ことを特徴とする請求項3記載のコネクタ。
【請求項6】
前記相手側コネクタの相手側ハウジングの両側面部に形成された前記コネクタ嵌合方向へ延びるロック用アームと係合する穴が、前記ハウジング本体の両側面部に形成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項7】
前記穴は、前記相手側コネクタを前記コネクタ受容部に前記コネクタ嵌合方向から嵌合したとき前記ロック用アームと前記基板との間に隙間が形成されるように、配置されている
ことを特徴とする請求項6記載のコネクタ。
【請求項8】
前記コンタクトは、前記保持部に連なり前記基板の実装面に接続される接続部を有し、
前記接続部は前記天板部から前記ハウジング本体と前記天板部とが連なる方向と直交する方向へ突出し、その接続部の先端が前記ハウジングに向かって折れ曲がっている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項9】
前記天板部を上方から見たときその天板部によって前記コンタクトのほぼ全体が覆い隠されることを特徴とする請求項8記載のコネクタ。
【請求項10】
前記接続部がほぼU字状であることを特徴とする請求項8又は9記載のコネクタ。
【請求項11】
前記コンタクトは複数の前記接続部を有することを特徴とする請求項8〜10記載のいずれか1項記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−221872(P2012−221872A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89050(P2011−89050)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】