説明

コメント表示制御方法、その方法を実行させるためのコメント表示制御システム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】インターネットニュース記事のようにインターネットを通じてユーザーに電子的に提供されているコンテンツに対して与えられたコメントの表示を制御するための方法を提供する。
【解決手段】コメントの作成者に関連した第1電子的パラメーター、及びユーザーに特定されて格納されるコメントの表示の許否に関する第2電子的パラメーターを取得する段階、及び電子的パラメーターを考慮してコメントの表示を制御する段階を含み、電子的パラメーターは加減でき、第1電子的パラメーターはコメント作成に関するヒストリーデータに基づいて加減でき、ヒストリーデータは、サーバーの運営者による措置記録に基づいて記録されたり、所定期間にサーバーの運営者による措置記録がない場合に記録されたり、コメントに対して提供したユーザーフィードバックに基づいて記録されたり、コメントの作成者が広告性コメントを作成したりした場合に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインターネットニュース記事のようにインターネットを通じてユーザーに電子的に提供されるコンテンツに対して与えられたコメントの表示を制御するための方法、その方法を実行させるためのコメント表示制御システム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
より詳細には、本発明は、ユーザーに与えられたクリーン指数(clean index)によって当該ユーザーがインターネットコンテンツに対して生成されたコメントの表示を制御することによって、インターネット上で生成されるコメントによって発生する逆機能を最小化するための方法、その方法を実行するためのシステム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
インターネットを利用して各種情報を配布、共有して使用する関連技術の発展につれて多くのインターネットポータルサイトでは、図書、辞書、地域、ニュース、ショッピングなどに関して文字、動画、イメージなどのフォーマットから構成された情報を活発に提供している。また、これらの提供される情報に対してユーザー等が活発にコメントを生成する文化が形成されている。特に、インターネットニュース提供サービスにおいては、単純に各言論社のニュース記事をユーザーに提供するだけでなく、その記事に対する他のユーザーなどのコメントのようなユーザーフィードバック情報も共に提供されている。ここで、「コメント」とは、ユーザーがインターネットコンテンツに対して生成する全ての種類の付け足し情報を通称するものと理解できる。通常、コメントは文字化されているが、必要によってイメージや動画を含んでいる場合もある。
【0004】
このようなコメントの最も大きい機能は、インターネットニュース記事のようなコンテンツに対するユーザーなどの評価、感想、意見などの情報がユーザーの間で容易に共有できるようにする一方、コンテンツ提供者がユーザーのフィードバックの提供を受けることができることにある。また、場合によっては、コメントは特定コンテンツ(主に、商品に対する説明などの商業的なコンテンツ)に対するユーザーの評価を把握できるようにすることにより、それ自体も経済的な価値を有することになる。
【0005】
しかしながら、このようなコメントには前述の純機能(コメントが与えるよい効果)だけでなく、その反対の逆機能(コメントが与える弊害)も存在する。特に、インターネット使用の匿名性によってコメントを通じて無責任で、且つ根拠もない悪口と誹謗(いわゆる、「悪意のコメント」)を習慣的に書くユーザー(いわゆる、「アクプラー」という)が増加するようになった。さらに、このような悪意のコメントよって名誉毀損などの事由で民刑事上の紛争までも頻繁に起きている実情がある。したがって、このようなコメントの逆機能を最小化するために様々な試みが行われてきた。
【0006】
まず、その試みとして、現在広く知られているログイン(log−in)強制制度を挙げることができる。ログイン強制制度はユーザーが氏名、住民登録番号(すなわち、韓国の個人識別番号)などを含む簡略な個人の身上情報を記入(登録)した後、インターネットポータルサイトから承認を受けたログインID及びパスワードを使用してログインしたユーザーだけがコメントを書くのを許可する制度である。この制度の導入によってログインなしでコメントを記載するのを許可した場合に比べて悪意のコメントが少し減少したが、この場合であってもアクプラーの本名が容易にインターネット上に露出しないため、悪意のコメントの減少効果は不十分であった。
【0007】
コメントの逆機能を解消するためのもう一つの試みとして、電子掲示板にコメントを作成する際、悪口、誹謗語などの禁止語を予め指定して、これらの禁止語を入力できないように遮断する方式や、他のユーザーの申告によりインターネットポータルサイトの管理者が問題のコメントを削除したり、当該アクプラーの利用を制限したりする方式がある。しかしながら、禁止語を指定して遮断する方式は、アクプラーが迂迴的な方法でいくらでも遮断を回避することができる問題があった。また、他のユーザーの申告によりアクプラーを制裁する方式は、既に善意のユーザーが精神的な被害を受けた後に遂行する措置であるので、事後処理に過ぎないという問題があった。
【0008】
本出願人が運営する著名なインターネットポータルサイトであるNaver(www.naver.com)で集計した統計データによれば、最近各種インターネットニュース記事に対する全てのコメントの中で悪意のコメントと判明して削除されたコメントは全体コメントの4%以上に達する。他のユーザーからの申告なしの悪意のコメントの数がより多いという点を考慮すると、実際には悪意のコメントによる善意のユーザーの被害が大変深刻な状態であるとの推定が可能である。したがって、前述した従来の悪意のコメント制御方法には限界があった。
【0009】
また、前述の問題点を解消するために、情報通信網の利用促進及び情報保護などに関する韓国法律第44条の5項(掲示板利用者の本人確認)で定めた「制限的本人確認制」を2007年7月27日から施行することになった。制限的本人確認制とは、特定個人が作成した文章が他のユーザーに公開される場合、1回に限って本人確認の手続きを踏ませる制度である。制限的本人確認制の趣旨は、公開されたインターネット空間でユーザーがコメントなどを作成する際、より大きい責任意識を持つようにするためであるが、実際にこれは悪意のコメントを減少させるための根本的な対策になることができない。実際に、実名制下に運営するウェブサイトにおいても、悪意のコメントに該当するコメントが相変らず増えている。また、最近インターネットポータルサイトであるDcinside(www.dcinside.com)が、去る2007年7月27日から2007年8月5日まで「制限的本人確認制が悪意のコメントの根絶に助けになると考えますか?」という主題でアンケート調査を行った結果、5,027人の総回答者の中で、3,217人(64%)が「あまり効果がないと思う」と答え、「はるかに減ると思う」と答えたネチズンは1,568人(31.2%)のみであったという事実は、制限的本人確認制による悪意のコメントの制御には限界があるという解析が可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、新しいコメント表示制御方法、コメント表示制御システム、及びその方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的としては、コメントによって発生し得る様々な否定的な影響を最小化することのできるコメント表示制御方法、コメント表示制御システム、及びその方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0012】
また、本発明のさらに他の目的としては、ユーザーのクリーン指数または他の情報に基づいた設定を利用してインターネット空間で健全なコメント文化を形成できるようなコメント表示制御方法、コメント表示制御システム、及びその方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記した本発明の目的を達成し、後述する本発明の特徴的な機能を遂行するための、本発明の特徴的な構成は下記の通りである。
【0014】
本発明の一態様では、コメント表示制御方法は、サーバーからユーザー端末装置に提供されるコメントの表示を制御するための方法であって、少なくとも一つのコメントの作成者に関連した第1電子的パラメーター、及び前記ユーザーに特定されて格納される、前記少なくとも一つのコメントの表示の許否に関する第2電子的パラメーターを獲得する段階、及び前記電子的パラメーターを考慮して前記少なくとも一つのコメントの表示を制御する段階を含み、前記電子的パラメーターのうち、少なくとも一つは加減でき、前記第1電子的パラメーターは前記少なくとも一つのコメントの作成者のコメント作成に関するヒストリーデータに基づいて加減でき、前記ヒストリーデータは、前記サーバーの運営者による措置記録に基づいて記録されたり、所定期間の間に前記サーバーの運営者による措置記録がない場合に記録されたり、前記少なくとも一つのコメントに対して提供したユーザーフィードバックに基づいて記録されたり、前記少なくとも一つのコメントの作成者が広告性コメントを作成されたりした場合に記録する。
【0015】
また、本発明の他の態様では、コメント表示制御方法は、サーバーからユーザー端末装置に提供するコメントの表示を制御するための方法であって、前記ユーザーに特定されて格納される、少なくとも一つのコメントの表示の許否に関する第2電子的パラメーターを獲得する段階、及び前記電子的パラメーターを考慮して前記少なくとも一つのコメントの表示を制御する段階を含み、前記電子的パラメーターのうち、少なくとも一つは加減でき、前記第1電子的パラメーターは前記少なくとも一つのコメントの作成者のコメント作成に関するヒストリーデータに基づいて加減でき、前記ヒストリーデータは、前記サーバーの運営者による措置記録に基づいて記録されたり、所定期間の間に前記サーバーの運営者による措置記録がない場合に記録されたり、前記少なくとも一つのコメントに対して提供したユーザーフィードバックに基づいて記録されたり、前記少なくとも一つのコメントの作成者が広告性コメントを作成されたりした場合に記録する。
【0016】
本発明のまた他の態様では、前述のコメント表示制御方法をコンピュータ上で実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0017】
さらに、本発明のまた他の態様に係るコメント表示制御システムは、コメントデータベース、コメント作成者のコメント作成ヒストリーを格納するデータベース、及びユーザーのコメント表示に関する設定を格納するデータベースと連係して、ユーザーの演算装置にコメントが含まれたコンテンツを提供するシステムであって、前記コメントデータベースから少なくとも一つのコメント情報を抽出するためのコメント情報抽出部、前記コメント作成者のコメント作成ヒストリー及び前記ユーザーのコメント表示に関する設定のうち、少なくとも一つを参照して、前記抽出した少なくとも一つのコメント情報のうち少なくとも一部の表示を制限するためのコメント表示制限部、及び前記少なくとも一部の表示が制限された少なくとも一つのコメント情報を含むコンテンツを前記演算装置に伝送するためのコンテンツ伝送部を含み、前記コメント作成者のコメント作成ヒストリーは、前記システムの運営者による措置記録に基づいて記録されたり、所定期間の間に前記システムの運営者による措置記録がない場合に記録されたり、前記少なくとも一つのコメントに対して提供したユーザーフィードバックに基づいて記録されたり、前記少なくとも一つのコメントの作成者が広告性コメントを作成されたりした場合に記録する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザーがクリーン指数または他の情報に基づいて定めたユーザー設定を利用して自身が受け入れ可能な程度に健全なコメントだけを選別的に見ることができる。
【0019】
また、本発明によれば、アクプラーの悪意のコメントを生成しようとする意欲を低減させ、実質的に悪意のコメントを減少させる効果を得ることができる。
【0020】
また、本発明によれば、ユーザーが自身の趣向や判断によって他のユーザーのコメントを選別的に見ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
後述する本発明に対する詳細な説明においては、本発明が実施できる特定の実施形態を例示として示す添付図面を参照して説明を遂行する。これらの実施形態は当業者が本発明を容易に実施できるのに充分に詳細に説明する。本発明の多様な実施形態は相異なるが、相互に排他的な必要はないと理解するべきである。例えば、一実施形態として記載している特定サイバー掲示板の形状、構造及び特性は本発明の技術的思想及びその範囲を逸脱しないで他の実施形態で実現することも可能である。また、以下に開示するそれぞれの実施形態のうち、個別構成要素の位置または配置は本発明の技術的思想及びその範囲から逸脱することなく変更可能であることを理解するべきである。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味で扱うものでなく、本発明の技術的範囲は、適切に説明されるならば、その特許請求の範囲に記載された各請求項が主張するものと均等な全ての技術的範囲を含むものである。
【0022】
全体システムの構成及びブラインド機能
図1は、本発明に係るコメント表示制御システム全体の構成図である。図1を参照すると、本発明に係るコメント表示制御システムのユーザー端末装置100は、多様なデジタル機器で構成することができる。例えば、最も普遍的なユーザー端末装置100として、パーソナルコンピューター、携帯電話だけでなく、PDA(Personal Digital Assistance)、PMP(Portable Multimedia Player)などのように、有無線でインターネット接続が可能な全てのデジタル機器を含むことができる。
【0023】
本発明に係るコメント表示制御システムにおいて、ユーザーは、ユーザー端末装置100上での入力操作を通じてコメントを生成することができる。生成されたコメントはユーザー端末装置100からサーバー200に伝送されてコメントデータベース300に格納される。サーバー200は、必要に応じてユーザー及び/またはインターネットポータルサイトの管理者にコメントデータベース300に格納されている特定のコメントに対する照会、検索、削除などの管理機能を提供することができる。好ましくは、コメントデータベース300には、コメントが属するインターネットコンテンツのID、コメント自体のIDが別にある場合にはそのID、コメントを生成したユーザーのID、コメントに対する独立的なURLがある場合にはそのURL、コメントを生成した又は/及び修正した日付及び時刻、及びコメントの内容などが含まれることができる。サーバー200は、このようなコメントデータベース300内の情報に基づいてコメントに対する管理機能を遂行する。図1の例ではサーバー200とコメントデータベース300が個別に構成されているが、サーバー200はコメントデータベース300を含むように構成されることもできる。
【0024】
また、本発明に係るサーバー200は、ヒストリーデータベース400に格納されている各ユーザーに対応したユーザーのコメント作成に関するヒストリーデータを管理する機能(ヒストリーデータ管理機能)をさらに遂行することができる。例えば、ユーザーが作成した所定コメントに対してインターネットポータルサイトの運営者から警告、コメント作成制限、ログイン制限などの制裁を受けた場合、それに関連した情報をヒストリーデータとしてユーザー毎にヒストリーデータベース400に格納することができる。このような運営者の措置は他のユーザーの申告に基づいたものであったり、運営者自身の監視結果に基づくものである。また、ユーザーが残したコメントによって後述するクリーン指数の減算が適用される場合には、それに関連した情報をヒストリーデータとして格納することができる。また、本発明に係るヒストリーデータは、クリーン指数の加算と関係したものである。このようなヒストリーデータベース400には、後述するユーザーのクリーン指数も共に格納することができる。なお、図1の例では、サーバー200とヒストリーデータベース400が個別に構成されているが、ヒストリーデータベース400がサーバー200に含まれるように構成することもできる。
【0025】
また、サーバー200は、ユーザー設定データベース500を参照することができる。ユーザー設定データベース500は、ユーザーがインターネットコンテンツに対するコメントの表示許容基準を設定したこと(表示許容設定情報)を格納するための装置である。本発明の一実施形態によれば、ユーザーは、特定ユーザーが残したコメントに対しては無条件的に表示を制限する表示制限設定や、その反対に、他の特定ユーザーが残したコメントに対しては常にハイライト(highlight)表示をするハイライト表示設定をユーザーが設定することもできる。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態に係る他のユーザーのコメントの表示が常に遮断されるようにしたり、ハイライトで表示されるようにしたりするユーザーインターフェースの一例である。すなわち、ユーザーがインターネットポータルサイトを利用する最中に、他のユーザーのIDコンポーネント上にマウスカーソルを位置させたり、ユーザーIDコンポーネントをクリックしたりすると、図2に示したように、当該ユーザーが作成したコメントを常に遮断したり、そのユーザーのコメントを常にハイライトで表示したりすることを設定するための所定の設定ボタンを提供することができる。
【0027】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、ユーザーは自身に表示されるコメントを残した他のユーザーなどのクリーン指数に応じて複数のコメントのうちの一部のコメントだけが自分に表示されるようにすることができる。本発明では、この機能を「ブラインド(blind)」機能と称する。このために、ユーザー設定データベース500には、ユーザーID、コメント表示遮断対象になる他のユーザーID、コメントハイライト表示対象になる他のユーザーIDなどと共に、ユーザーが設定したコメント表示のための基準クリーン指数を共に格納することができる。また、前述した基準クリーン指数が特別に決まっていない場合には、デフォルト値の基準クリーン指数が格納されることができる。他のデータベースと同様に、図1での図示とは異なり、ユーザー設定データベース500がサーバー200に含まれるように構成することもできる。
【0028】
前述したように、本発明に係るコメントデータベース300、ヒストリーデータベース400、及びユーザー設定データベース500は、それぞれ順にコメント情報、ヒストリーデータ、及びコメント表示に関するユーザー設定に関する情報が格納されているデータベースとして構成され、また、これらのデータベースは、所定のコンピュータ読み取り可能な記録媒体(記録装置)で実現することも可能である。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD−ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(Floptical disk)のような磁気−光媒体(magneto−optical media)、及びリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリなどのハードウェア装置を含む。ここで、データベースは、狭義のデータベースだけでなく、ファイルシステムに基づいたデータ記録などを含む広義のデータベースも含み、単純なログ(log)データの集合でもこれを検索してデータを抽出できれば、本発明で言うデータベースに含まれる。また、ヒストリーデータベース400のデータに基づいて後述するクリーン指数を演算して格納するためのクリーン指数データベースを別途利用することができる。
【0029】
その次に、本発明に係るサーバー200のブラインド機能について説明する。サーバー200は、前述したように本発明に係るコメントデータベース300、ヒストリーデータベース400、及びユーザー設定データベース500のような一つ以上のデータベースと物理的、又は論理的に接続される。
【0030】
そして、本発明の代表的な実施形態によれば、サーバー200は、ユーザー端末装置100からコメントが含まれたウェブページに対する伝送要請を受信した際に、コメントデータベース300を照会して当該ウェブページに含まれることのできるコメントを抽出する。このような機能を遂行するサーバー200の一つのプログラムモジュールをコメント情報抽出部(不図示)と称することができる。一旦抽出されたコメントは、ユーザーが要請したウェブページに全て含まれることができる。一方、サーバー200は、コンテンツ伝送部(不図示)を通じてウェブページをユーザー端末装置100に伝送する前に、抽出された各コメントの作成者IDに基づいて各コメント作成者などのヒストリーデータベース400の記録を参照する。このとき、参照したヒストリーデータベース400には各コメント作成者などのクリーン指数が格納されている。その次に、サーバー200は、ユーザー設定データベース500を参照する。ユーザー設定データベース500には、前述したようにウェブページを要請している各ユーザーのコメント表示許容基準に関する情報(すなわち、コメント表示の許容基準になるクリーン指数に関する情報)が格納されている。したがって、サーバー200は、コメント表示制限部(不図示)でヒストリーデータベース400に含まれている各コメント作成者などのクリーン指数とユーザー設定データベース500に含まれているコメント表示許容基準に関する情報を参照して、表示許容基準に達していないコメントがウェブページで表示されないように制限することができる。このような制限は、好ましくはウェブページを構成するコメントの表示コンポーネントを他の種類の案内表示コンポーネント(例えば、「このユーザーのコメントはその表示が遮断されました」のような案内語句を表示するコンポーネント)に代えるものである。
【0031】
ここで、サーバー200に含まれるものとして言及した構成要素のうち少なくとも一部は、本発明に係るサーバー200で特定機能を遂行するためのプログラムモジュールとして構成される。このようなプログラムモジュールは、運営システム、応用プログラムモジュール及びその他のプログラムモジュールの形態でサーバー200に含まれることができ、物理的には様々な公知の記憶装置上に格納されることができる。また、このようなプログラムモジュールは、サーバー200と通信可能な遠隔の記憶装置に格納されることもできる。このようなプログラムモジュールは、本発明によって後述する特定業務を遂行したり、特定抽象データ類型を実行したりするルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを包括するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0032】
クリーン指数の演算及び利用
本発明の「クリーン指数(clean index)」とは、コメントからの肯定的または否定的な影響によってコメント作成者に与えられる加減可能な指数である。本発明の一実施形態によれば、肯定的な影響の原因としてはインターネット空間で法律的、道徳的、商業的問題などを引き起こさない活発なコメント活動や他のユーザーから多くの呼応を得たコメント活動を挙げることができる。また、否定的な影響の原因としては、主に他のユーザーにより悪意のコメントとの理由で申告されたり、インターネットポータルサイトの管理者により制裁されたコメント活動を挙げることができる。
【0033】
本発明の一実施形態におけるクリーン指数の演算方法についてより詳細に説明すると、次の通りである。まず、ユーザーのクリーン指数の範囲は、基本点数100点を基準に0〜200点の範囲内にある。
【0034】
クリーン指数は、次の場合に加算されることができる。例えば、ユーザーがクリーン指数の減算の原因になる所定の悪い行為も摘発されないまま一週の間に10個以上のコメントを残した場合、当該ユーザーのクリーン指数は、基準になる一週間(所定期間)が経過した後に、例えば3点が加算されることができる。また、本発明の他の実施形態によれば、このような加算は、ユーザーのコメントに対して他のユーザーの推薦がある場合にも考慮することができる。後者の場合、クリーン指数の加算は、他のユーザーの推薦があった際にリアルタイムに、所定の値を加算するように遂行することができる。
【0035】
また、クリーン指数の減算は、次のような場合に発生できる。例えば、特定ユーザーに対してインターネットポータルサイト管理者の制裁があった場合、そのユーザーのクリーン指数は減算されることができる。例えば、1回の制裁当り10点の減算を遂行することができる。また、他のユーザーの申告、非推薦などによって特定ユーザーのクリーン指数に対する減算を遂行することができる。この場合の指数減算の幅(減算値)は、制裁があった場合より小さいほうが好ましい。また、広告性のあるコメントを入力するユーザーにも公知のスパムフィルターリングロジックを使用して、それに相応するクリーン指数の減算を遂行することもできる。この場合、広告性のあるコメントを書いたユーザーはクリーン指数の頻繁な減算により、直ぐに元来意図した不適切な広告行為の効用を失う恐れがある。
【0036】
そして、このように例示した全ての種類のクリーン指数の加算原因または減算原因になる行為に関する情報は、サーバー200のヒストリーデータベース400に格納されてクリーン指数の演算及び持続的なユーザーのコメントヒストリー管理に利用することができる。
【0037】
前述したように、クリーン指数は、上記ブラインド機能と連動して最も効果的に利用されることができる。図3を参照すれば、ネチズン意見インターフェースの右上端にブラインド設定302というメニュー項目が設けられていることがわかる。ユーザーは、コメントが含まれているウェブページを調べる途中に、非常に多くの必要でないコメントに露出されていて、むしろ関心のある他のコメントを逃していると自身が悟った際に、ブラインド設定メニューを選択して自分がコメント表示の許容のために設定した基準クリーン指数の基準を高く設定する基準クリーン指数の上向調整することができる。このとき、符号304で示すように、インターネットニュース記事の担当記者の意見のように、認知度の高いコメントの場合には別に最上端に表示して本発明に係るコメント表示遮断の対象にならないようにすることができる。勿論、ユーザーはコメント表示のための基準クリーン指数を低めることができ、万が一見逃す恐れのある興味深いコメントにさらに接することもできる。
【0038】
ユーザーによるコメント表示の管理
本発明の一実施形態によれば、本発明に係るクリーン指数は、ブラインド機能でない他の用途にも使用されることができる。
【0039】
図4は、ユーザー自身のコメント表示の状態を管理するためのユーザーインターフェースの一例である。図4を参照すれば、Amhappy7のIDを有するユーザーのクリーン指数が168に達し、このユーザーが最近に生成した順にコメントの目録(リスト)がユーザー端末装置100の表示画面に提供されているのが分かる。ユーザーはこのようなコメント管理インターフェースを通じて削除を希望する他のユーザーのコメントを容易に発見して自分自身で削除することもでき、当該コメントに対して付加されている他のユーザーのコメントも容易に探して確認することもできる。
【0040】
また、図4に例示したインターフェースによれば、Amhappy7のIDのユーザーは、自分自身が設定しておいたコメント表示を遮断するために基準クリーン指数の値を変更することもでき、コメント表示を遮断しようとする他のユーザーのIDやコメントに対してハイライト表示を希望する他のユーザーのIDを登録、削除することもできる。
【0041】
一方、図5は、他のユーザーのコメント表示状態を管理するためのユーザーインターフェースの一例である。図5のインターフェースを参照すると、他のユーザーがAmhappy7のIDを有するユーザーのクリーン指数を確認し、当該ユーザーのコメント目録(コメントリスト)をみることができるようになっている。また、他のユーザーの立場でAmhappy7のIDを有するユーザーのコメントを常に表示されないように遮断したり、ハイライトで表示できるようにしたりするボタンを備えていて、他のユーザーが比較的容易にAmhappy7のIDを有するユーザーのコメントが自分に表示される状態を管理できるようになっている。
【0042】
本発明によれば、ユーザーがクリーン指数または他の情報に基づいて定めたユーザー設定情報を利用して自分自身が受け入れ可能な程度に健全なコメントだけを選別的に見ることができる。
【0043】
すなわち、本発明のサーバーからユーザー端末装置に提供されるコメントの表示を制御するための方法は、各コメント作成者に関連した第1電子的パラメーターとしてのクリーン指数と、ユーザー毎に設定可能なコメントの表示の許否に関する第2電子的パラメーターとしての基準クリーン指数(コメント表示許容基準)を格納(取得)する段階と、第1電子的パラメーターが第2電子的パラメーターよりも小さい場合に、第1電子的パラメーターに対応するコメント作成者が作成したコメントを第2電子的パラメーターに対応するユーザーに表示させない表示制御を遂行する段階と、コメント作成者のコメント作成に関するヒストリーデータであって、各コメント作成者の第1電子的パラメーターに対して所定の値を加算又は減算する要因となる行為に関する情報に基づいて、第1電子的パラメーターを加減算して当該第1電子的パラメーターを更新する段階と、を含んで構成される。
【0044】
また、本発明のコメント表示制御システムは、コメント作成者が作成したコメントデータをコメント作成者毎に格納するコメントベース、各コメント作成者のコメント作成ヒストリーデータを格納するデータベース、及び各ユーザーのコメント表示に関する設定を格納するデータベースとを含み、ネットワークを通じてユーザー端末装置に上記コメントが含まれたコンテンツを提供するコメント表示制御システムであって、コメントデータベースから少なくとも一つのコメント情報を抽出するコメント情報抽出部と、コメント作成者のコメント作成ヒストリーデータ及びユーザーのコメント表示に関する設定情報のうち少なくとも一つを参照して、抽出された少なくとも一つのコメント情報のうち少なくとも一部のコメントの表示を制限するコメント表示制限部と、表示が制限された少なくとも一つのコメント情報を含むコンテンツをユーザー端末装置に伝送するコンテンツ伝送部を含んで構成される。
【0045】
なお、サーバー200は、ハードウェア構成として上述以外にも、キーボード、マウス、スキャナー等の操作入力手段、液晶ディスプレイ等の表示手段、プリンタ、スピーカなどの出力手段、主記憶装置(メモリ)、補助記憶装置(ハードディスク等)等を備えることが可能であり、ユーザー端末においてもこれらの手段を備えることができる。各手段に制御は、サーバー200全体の制御を司る制御手段(CPU)により遂行される(不図示)。
【0046】
また、本発明のコメントの表示を制御する処理(の各ステップ)は、コンピュータで実行可能なプログラムとして提供することも可能である。例えば、不図示の補助記憶装置に当該プログラムが格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行し、コンピュータに本発明のコメントの表示を制御する処理を動作させることができる。
【0047】
なお、本発明を好適な実施形態に則して説明したが、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で当該技術分野の技術に照らし合わせて多様に変形することが可能である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る全体システムの構成を示す図面である。
【図2】本発明の一実施形態によって他のユーザーのコメントの表示を常に遮断するようにしたり、ハイライトで表示できるようにしたりするユーザーインターフェースを示す図面である。
【図3】本発明の一実施形態によってコメントを表示する例を示す図面である。
【図4】ユーザーが自分のコメント表示状態を管理するためのユーザーインターフェースの一例を示す図面である。
【図5】他のユーザーのコメント表示状態を管理するためのユーザーインターフェースの一例を示す図面である。
【符号の説明】
【0049】
100 ユーザー端末装置
200 サーバー
300 コメントデータベース
400 ヒストリーデータベース
500 ユーザー設定データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーからユーザー端末装置に提供されるコメントの表示を制御するための方法であって、
少なくとも一つのコメントの作成者に関連した第1電子的パラメーター、及び前記ユーザーに特定されて格納される、前記少なくとも一つのコメントの表示の許否に関する第2電子的パラメーターを獲得する段階、及び
前記電子的パラメーターを考慮して前記少なくとも一つのコメントの表示を制御する段階を含み、
前記電子的パラメーターのうち、少なくとも一つは加減でき、
前記第1電子的パラメーターは前記少なくとも一つのコメントの作成者のコメント作成に関するヒストリーデータに基づいて加減でき、
前記ヒストリーデータは、
前記サーバーの運営者による措置記録に基づいて記録されたり、
所定期間の間に前記サーバーの運営者による措置記録がない場合に記録されたり、
前記少なくとも一つのコメントに対して提供されたユーザーフィードバックに基づいて記録されたり、
前記少なくとも一つのコメントの作成者が広告性コメントを作成した場合に記録されたりするコメント表示制御方法。
【請求項2】
前記ユーザーフィードバックは、前記少なくとも一つのコメントに対する推薦または非推薦である請求項1に記載のコメント表示制御方法。
【請求項3】
前記第2電子的パラメーターは、前記ユーザーにより加減できる請求項1に記載のコメント表示制御方法。
【請求項4】
前記コメントの表示を制御する段階は、前記ユーザーに前記少なくとも一つのコメントが表示されないようにする段階を含む請求項1に記載のコメント表示制御方法。
【請求項5】
前記コメントの表示を制御する段階は、前記ユーザーに前記少なくとも一つのコメントが強調されて表示されるようにする段階を含む請求項1に記載のコメント表示制御方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載された方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録するコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項7】
コメントデータベース、コメント作成者のコメント作成ヒストリーを格納するデータベース、及びユーザーのコメント表示に関する設定を格納するデータベースと連係して、ユーザーの演算装置にコメントが含まれたコンテンツを提供するシステムであって、
前記コメントデータベースから少なくとも一つのコメント情報を抽出するためのコメント情報抽出部、
前記コメント作成者のコメント作成ヒストリー及び前記ユーザーのコメント表示に関する設定のうち、少なくとも一つを参照して、前記抽出された少なくとも一つのコメント情報のうち少なくとも一部の表示を制限するためのコメント表示制限部、及び
前記少なくとも一部の表示が制限された少なくとも一つのコメント情報を含むコンテンツを前記演算装置に伝送するためのコンテンツ伝送部を含み、
前記コメント作成者のコメント作成ヒストリーは、
前記システムの運営者による措置記録に基づいて記録されたり、
所定期間の間に前記システムの運営者による措置記録がない場合に記録されたり、
前記少なくとも一つのコメントに対して提供されたユーザーフィードバックに基づいて記録されたり、
前記少なくとも一つのコメントの作成者が広告性コメントを作成した場合に記録されたりするコメント表示制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−70388(P2009−70388A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235706(P2008−235706)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(505205812)エヌエイチエヌ コーポレーション (408)
【Fターム(参考)】