コラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置およびコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法
【課題】 本発明の目的は、コラボレーションレベルアウトソーシングに好適なコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明では、入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出し、この合計ポイントに対応するランクをランク設定データテーブルより抽出し、このランクに対応するランク係数をランク係数データテーブルより抽出し、入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を必要スキル係数データテーブルより抽出し、入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出し、ランク係数に作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出し、運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する。
【解決手段】 本発明では、入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出し、この合計ポイントに対応するランクをランク設定データテーブルより抽出し、このランクに対応するランク係数をランク係数データテーブルより抽出し、入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を必要スキル係数データテーブルより抽出し、入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出し、ランク係数に作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出し、運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置およびコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法に係り、特に、アウトソーサが顧客と協調してアウトソーシング業務を行うコラボレーション・アウトソーシングにおいて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置およびコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外部の専門サービス業者(アウトソーサ)が顧客と協調しながらソフトウェア等の開発から運用維持までを行うコラボレーション・アウトソーシングが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、一般的には、アウトソーシングにおける契約は、コラボレーションアウトソーシング業務に要する人員と工数に応じて見積もりを算出するという、いわゆる属人的な人月契約となっている。
【0003】
ところが、上述のような人月契約では、以下のような問題がある。すなわち、
1.アウトソーサにとっては、人事異動が困難であり、これによって、要員のモラル低下や、新技術への対応の遅れを招いていた。結果として、新技術、新システムの稼動に際して、運用上の人的なミスによる障害が発生することもあった。
2.アウトソーシングに関係する当事者(ユーザ、管理部門、情報システム部門、アウトソーサ)の役割、責任が不明確であった。
3.顧客にとっては、アウトソーシングの内容が不明瞭で、アウトソーシング自体の品質、コストが適切であるかどうかの評価が困難であった。
4.従来のアウトソーシング契約には、システム環境の変化に対応することができず、全体としては非効率な運用となってしまうものがあった。
【0004】
そこで、このような不具合を解消するために、アウトソーサと依頼主との間で、サービスの品質を客観的指標によって規定したSLA(Service Level Agreement;サービス品質保証制度)により契約を結ぶことが行われている(例えば、特許文献2参照)。SLAとは、サービスの品質について各種の評価項目を設けて各評価項目毎に保証値を設定し、サービスの品質が保証値を下回った場合には、顧客に対して補償などを行うようにするものである。
【特許文献1】特開2003−30141(第4−8頁、図1)
【特許文献2】特開2000−276524(第3−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の例においても、依然として、契約内容の客観性に欠けるという不都合がある。また、業務システムを運用するにあたり、サービスレベルの測定や、サービスレベルの継続的な見直しをする必要がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、アウトソーサが顧客と協調してアウトソーシング業務を行うコラボレーション・アウトソーシングにおいて、契約内容の客観性を担保することができると共に、業務システムを運用するにあたり、サービスレベルの測定や、サービスレベルの継続的な見直しをすることが可能なコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置およびコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置は、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムの運用サービス項目毎に設定された作業ボリューム,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルを入力するための入力手段と、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルに対応する必要スキル係数が予め設定された必要スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一の処理,該第一の処理において算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二の処理,該第二の処理において抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三の処理,前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を前記必要スキル係数データテーブルより抽出する第四の処理,前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに前記第四の処理において抽出された必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出する第五の処理,前記第三の処理において抽出されたランク係数に前記第五の処理において算出された作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出する第六の処理,該第六の処理において算出された運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する第七の処理を実行する処理手段と、を備える構成である。
【0008】
このように、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置業務によれば、システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0009】
このとき、上記発明において、前記処理手段は、より具体的には、前記合計運用サービス項目ポイントに前記入力手段を介して入力されたポイント単価を掛け合わせて前記業務システムのアウトソーシングに要する費用を算出する構成である。
【0010】
また、上記発明において、前記記憶手段に、見積書又は契約書の雛形ファイルが記憶され、前記処理手段が、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成する構成であると、顧客においてポイントを入力すると共にアウトソーサにおいて作業ボリュームと必要スキルを入力するという簡単な作業により、見積書又は契約書を自動的に作成することができ好適である。
【0011】
また、本発明の他のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置は、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムにおいて発生した障害データ,前記業務システムにおいて障害が発生したときのアウトソーサの過失割合を入力するための入力手段と、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムにおいて発生した障害データに対応する障害影響度が予め設定された障害影響度設定データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一の処理,該第一の処理において算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二の処理,該第二の処理において抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三の処理,前記入力手段を介して入力された障害データに対応する障害影響度を前記障害影響度設定データテーブルより抽出する第四の処理,前記第三の処理において抽出されたランク係数に前記第四の処理において抽出された障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する第五の処理,該第五の処理において算出された障害ポイントに前記入力手段を介して入力された過失割合を掛け合わせて責任ポイントを算出する第六の処理を実行する処理手段と、を備える構成である。
【0012】
このような構成によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0013】
このとき、上記発明において、前記記憶手段に、システムの安定性を評価するためのシステム安定評価レポートの雛形ファイルが記憶され、前記処理手段が、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記第六の処理において算出された責任ポイントを書込んでシステム安定評価レポートを生成する構成であると、顧客においてポイントを入力すると共にアウトソーサにおいて障害データと過失割合を入力するという簡単な作業により、システム安定評価レポートを自動的に作成することができ好適である。
【0014】
また、上記発明において、前記処理手段は、さらに具体的には、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントの代わりに、前記業務システムの特性項目毎に設定された重みおよびランクが前記入力手段より入力された場合には、前記入力手段を介して入力された重みおよびランクを掛け合わせて前記業務システムの特性項目毎のポイントを算出する構成である。
【0015】
さらに、本発明の他のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置は、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、アウトソーシングを行う作業者を特定するための情報,アウトソーシングの対象となる業務システムの運用サービス項目毎に前記作業者が携わった作業時間を入力するための入力手段と、前記作業者のスキルに対応するスキル係数が予め設定された作業者スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段を介して入力された作業者を特定するための情報に対応するスキル係数を前記作業者スキル係数データテーブルより抽出する第一の処理,前記入力手段を介して入力された作業時間に前記第一の処理において抽出されたスキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の実作業ポイントを算出する第二の処理,該第二の処理において算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントを合計して合計実作業ポイントを算出する第三の処理を実行する処理手段と、を備える構成である。
【0016】
このような構成によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【0017】
このとき、上記発明において、前記記憶手段に、作業者による実作業状況を評価するための実作業ポイントレポートの雛形ファイルが記憶され、前記処理手段が、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛形ファイルに前記第二の処理において算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントと前記第三の処理において算出された合計実作業ポイントを書込んで実作業ポイントレポートを生成する構成であると、アウトソーサにおいて作業者を特定するための情報と作業者が携わった作業時間を入力するという簡単な作業により、実作業ポイントレポートを自動的に作成することができ好適である。
【0018】
また、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムの運用サービス項目毎に設定された作業ボリューム,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルを入力するための入力手段と、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルに対応する必要スキル係数が予め設定された必要スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一のステップと、該第一のステップにおいて算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二のステップと、該第二のステップにおいて抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三のステップと、前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を前記必要スキル係数データテーブルより抽出する第四のステップと、前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに前記第四のステップにおいて抽出された必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出する第五のステップと、前記第三のステップにおいて抽出されたランク係数に前記第五のステップにおいて算出された作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出する第六のステップと、該第六のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する第七のステップと、を実行する方法である。
【0019】
このように、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法によれば、業務システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0020】
このとき、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、より具体的には、前記処理手段によって、前記合計運用サービス項目ポイントに前記入力手段を介して入力されたポイント単価を掛け合わせて前記業務システムのアウトソーシングに要する費用を算出する方法である。
【0021】
また、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、より好適には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成する方法である。これによれば、顧客においてポイントを入力すると共にアウトソーサにおいて作業ボリュームと必要スキルを入力するという簡単な作業により、見積書又は契約書を自動的に作成することが可能となる。
【0022】
また、本発明の他のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムにおいて発生した障害データ,前記業務システムにおいて障害が発生したときのアウトソーサの過失割合を入力するための入力手段と、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムにおいて発生した障害データに対応する障害影響度が予め設定された障害影響度設定データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一のステップと、該第一のステップにおいて算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二のステップと、該第二のステップにおいて抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三のステップと、前記入力手段を介して入力された障害データに対応する障害影響度を前記障害影響度設定データテーブルより抽出する第四のステップと、前記第三のステップにおいて抽出されたランク係数に前記第四のステップにおいて抽出された障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する第五のステップと、該第五のステップにおいて算出された障害ポイントに前記入力手段を介して入力された過失割合を掛け合わせて責任ポイントを算出する第六のステップと、を実行する方法である。
【0023】
このような方法によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0024】
このとき、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、より好適には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記第六のステップにおいて算出された責任ポイントを書込んでシステム安定評価レポートを生成する方法である。これによれば、顧客においてポイントを入力すると共にアウトソーサにおいて障害データと過失割合を入力するという簡単な作業により、システム安定評価レポートを自動的に作成することが可能となる。
【0025】
また、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、さらに具体的には、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントの代わりに、前記業務システムの特性項目毎に設定された重みおよびランクが前記入力手段より入力された場合には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された重みおよびランクを掛け合わせて前記業務システムの特性項目毎のポイントを算出する方法である。
【0026】
さらに、本発明の他のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、アウトソーシングを行う作業者を特定するための情報,アウトソーシングの対象となる業務システムの運用サービス項目毎に前記作業者が携わった作業時間を入力するための入力手段と、前記作業者のスキルに対応するスキル係数が予め設定された作業者スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された作業者を特定するための情報に対応するスキル係数を前記作業者スキル係数データテーブルより抽出する第一のステップと、前記入力手段を介して入力された作業時間に前記第一のステップにおいて抽出されたスキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の実作業ポイントを算出する第二のステップと、該第二のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントを合計して合計実作業ポイントを算出する第三のステップと、を実行する方法である。
【0027】
このような方法によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【0028】
このとき、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、より好適には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛形ファイルに前記第二のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントと前記第三のステップにおいて算出された合計実作業ポイントを書込んで実作業ポイントレポートを生成する方法である。これによれば、アウトソーサにおいて作業者を特定するための情報と作業者が携わった作業時間を入力するという簡単な作業により、実作業ポイントレポートを自動的に作成することが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0030】
また、本発明によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0031】
さらに、本発明によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0033】
図1乃至図21は本発明の一実施形態を示す図である。図1はコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置の構成を示す図である。図2乃至図12は本発明の一実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置を用いて見積書又は契約書を作成する方法について説明する図であり、図2は図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によって見積書・契約書を作成する様子を示す説明図、図3はシステムポイント設定画面を示す図、図4はランク設定データテーブルを示す図、図5はランク係数データテーブルを示す図、図6は必要スキル係数データテーブルを示す図、図7はランク・ポイント情報記憶領域に記憶されたデータを示す説明図、図8はランク別ポイントマッピング表を示す図、図9は見積書・契約書を作成するときの操作者による動作の流れを示す図、図10は処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第一説明図、図11は処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第二説明図、図12は処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第三説明図である。
【0034】
図13乃至図18は本発明の一実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置を用いてサービスレベルの測定を行う方法について説明する図であり、図13は図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によってサービスレベルの測定を行う様子を示す説明図、図14はサービスレベル設定情報記憶領域に記憶されたデータを示す説明図、図15は障害影響度設定データテーブルを示す図、図16はサービスレベルレポートを示す図、図17はシステム安定評価レポートを示す図、図18は処理部のシステム安定評価レポートを作成するまでの処理の流れを示す説明図である。
【0035】
図19乃至図21は本発明の一実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置を用いてサービスレベルの継続的な見直しを行う方法について説明する図であり、図19は図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によってサービスレベルの見直しを行う様子を示す説明図、図20は実作業ポイントレポートを示す図、図21は処理部の実作業ポイントレポートを作成するまでの処理の流れを示す説明図である。
【0036】
(コラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置の構成)
はじめに、図1を参照しながら、本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置の構成について説明する。
本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1は、アウトソーサが顧客と協調してアウトソーシング業務を行うコラボレーションレベルアウトソーシングにおいて、アウトソーサにおけるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのものである。具体的には、本例におけるコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1は、コラボレーション・アウトソーシングの中でも、見積書・契約書の作成業務、サービスレベルの測定業務、サービスレベルの見直し業務の遂行を支援するためのものである。このコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1は、いわゆるパーソナルコンピュータにより構成されており、入力手段としての入力部10と、処理手段としての処理部20と、記憶手段としての記憶部30と、表示部40と、出力部50を主要構成として有する。
【0037】
入力部10は、後述するように、各種情報やデータを入力するためのものであり、キーボードやマウス等により構成されている。処理部20は、CPU、ROM、RAMなどを備えた演算処理装置により構成されており、見積書・契約書作成機能21と、サービスレベル測定機能22と、サービスレベル見直し機能23を有する。見積書・契約書作成機能21は、アウトソーサによって提供されるサービスについての見積書、契約書を作成するためのものである。この見積書・契約書作成機能21は、後述するように、入力部10を介して入力された各種情報やデータに応じて、ランク設定データテーブル31a、ランク係数データテーブル31b、および必要スキル係数データテーブル31cにより定められたデータを読み込むと共に、ランク・ポイント情報記憶領域32aおよび雛形ファイル記憶領域32fに記憶されたデータを読み込み、これらのデータに基づいて、見積書又は契約書を作成する(図2参照)。
【0038】
サービスレベル測定機能22は、アウトソーサが行うサービスが適性であるかどうかを判断するための指標であるサービスレベルレポート52およびシステム安定評価レポート53を作成するためのものである。このサービスレベル測定機能22は、後述するように、入力部10を介して入力された各種情報やデータに応じて、ランク設定データテーブル31a、ランク係数データテーブル31b、障害影響度設定データテーブル31dにより定められたデータを読み込むと共に、ランク・ポイント情報記憶領域32a、サービスレベル設定情報記憶領域32b、サービスレベル測定情報記憶領域32c、および雛型ファイル32fに記憶されたデータを読み込み、これらのデータに基づいて、サービスレベルレポート52およびシステム安定評価レポート53を作成する(図13参照)。
【0039】
サービスレベル見直し機能23は、アウトソーサが提供するサービスの見直しをする際に使用する実作業ポイントレポート54を作成するためのものである。このサービスレベル見直し機能23は、後述するように、入力部10を介して入力された各種情報やデータに応じて、作業者スキル係数データテーブル31eにより定められたデータを読み込むと共に、設定ポイント情報記憶領域32d、実作業情報記憶領域32e、および雛型ファイル32fに記憶されたデータを読み込み、これらのデータに基づいて、実作業ポイントレポート54を作成する(図19参照)。なお、これら見積書・契約書作成機能21、サービスレベル測定機能22、サービスレベル見直し機能23に関する詳細は、後述の動作と共に説明する。
【0040】
記憶部30は、各種データを記憶するハードディスク装置により構成されている。記憶部30には、ランク設定データテーブル31a、ランク係数データテーブル31b、必要スキル係数データテーブル31c、障害影響度設定データテーブル31d、および作業者スキル係数データテーブル31eが予め構築されている。また、本例おける記憶部30には、ランク・ポイント情報記憶領域32a、サービスレベル設定情報記憶領域32b、サービスレベル測定情報記憶領域32c、設定ポイント情報記憶領域32d、および実作業情報記憶領域32e、雛形ファイル記憶領域32fが設けられている。これらの記憶領域には、後述するように、種々のデータが記憶される。
【0041】
表示部40は、液晶表示装置等により構成されており、処理部20によってデータ処理された情報などを表示することができるように構成されている。出力部50は、プリンタ等により構成されており、後述するように、処理部20において作成された見積書、契約書、サービスレベルレポート52、システム安定評価レポート53、および実作業ポイントレポート54を印刷することができるように構成されている。
【0042】
(見積書・契約書を作成する方法)
次に、図2乃至図11を参照しながら、本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1を用いて見積書・契約書を作成する方法について説明する。
コラボレーション・アウトソーシングは、コンピュータ・システムの運用フェーズにおける、設備、ハードウェア、ネットワーク等のインフラ系の運用管理から、業務アプリケーションの運用、保守と、広範囲な領域の運用アウトソーシング・サービスのサービスレベル設定、管理に有効な手法である。特に、業務アプリケーションの運用のように、単純に稼働率等では評価できない業務に有効である。
【0043】
コラボレーション・アウトソーシングを実施するにあたり、見積書・契約書を作成するには、まず、対象となる業務システムの範囲およびシステム名を設定する(ステップS11)。本例では、一例として、「物流システム」を対象として説明する。対象となる業務システムに対してアウトソーシングを行うことが決定したら、コラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1を起動させる。これにより、処理部20が起動し、表示部40には、図3にしめすようなシステムポイント設定画面41が表示される。
【0044】
このシステムポイント設定画面41には、図示の通り、「システム設定ランク」に関する表示欄41a、「サービス時間」に関する表示欄41b、および「運用サービス項目」に関する表示欄41cが設けられている。このうち、「システム設定ランク」および「サービス時間」は、本発明に係る業務システムの特性項目に相当する。入力部10よりシステム名を入力すると、表示部40に表示されたシステムポイント設定画面41の上部にシステム名が表示される。本例では、一例として、「物流システム」が表示されている。
【0045】
次に、アウトソーサにおいて業務システムの運用サービス項目を設定する(ステップS12)。本例では、運用サービス項目として、「通常運用監視作業等」、「通常運用処理の実行確認打合せ等」、「打合せ資料作成を含む」、「ユーザー支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」を用いる。このようにして決定した運用サービス項目を入力部10より入力すると、図3に示すように、これらがシステムポイント設定画面41における「運用サービス項目」の表示欄41cに表示される。
【0046】
続いて、対象となる業務システムのランクを設定する(ステップS13)。業務システムのランクの設定は、業務システムの特性項目毎に設定されたポイントにより定められる。この業務システムの特性についてのポイントは、顧客により設定される。なお、このときの業務システムの特性とは、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」、「運用サービス」、「障害復旧サポート」、「ジョブ監視」などである。本例では、これら業務システムの特性に対し、業務の通常月と繁忙月とを考慮して「通常」と「重点」の二種類について「ポイント」を設定する(図3参照)。
【0047】
このとき、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」については、顧客によりポイントが直接入力されてもよいが、本例では、一律にポイントを設定するのではなく、重み付けをする。すなわち、重みとランクを顧客により設定し、この重みとランクとを掛け合わせてポイントを算出する。このときの重みとランクは「1〜5」の範囲で設定することができる。また、重みとランクは重要な特性になるに従って大きい値となるように設定する。なお、「運用サービス」、「障害復旧サポート」、「ジョブ監視」については、重み付けをせずに、顧客によりポイントを直接設定する。このときのポイントは「1〜4」の範囲で設定することができる。このときのポイントは、「24時間対応」のときに「4」、「平日24時間対応」のときに「3」、「8:00−20:00(準コア)」のときに「2」、「8:45−17:30(コア)」のときに「1」を設定する。
【0048】
そして、上述のようにして顧客により設定された業務システムの特性および重み、ランク、ポイントを入力部10より入力する。このときの入力作業はアウトソーサにより行われても良く、また、電気通信回線を通じて顧客により入力されても良い。ここで、本例では、顧客により「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」の重みは「3」、「3」、「3」、「2」、「1」、「2」にそれぞれ設定され、「ランク」は「5」、「5」、「3」、「4」、「4」、「5」に設定されている。また、「運用サービス」、「障害復旧サポート」、「ジョブ監視」のそれぞれのポイントは「1」、「3」、「3」に設定されている。なお、「重点」についての重み、ランク、ポイントの設定については、「通常」の場合と同様に顧客において決定されるものであり、その説明を省略する。
【0049】
そして、上述のようにして、入力部10より入力されたデータは、処理部20へ出力される。処理部20では、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」について、ポイントが算出される(ステップS13−1)。このとき、ポイントは、ポイント=重み×ランクにより算出される。これにより、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」のそれぞれのポイントは、「15」、「15」、「9」、「8」、「4」、「10」となる。システムポイント設定画面41における「システム設定ランク」の表示欄41aおよび「サービス時間」の表示欄41bには、これらポイント状況が表示される(図3参照)。
【0050】
続いて、処理部20において上記業務システムの特性項目についての合計ポイントが算出される(ステップS13−2)。すなわち、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」、「運用サービス」、「障害復旧サポート」、「ジョブ監視」についてのポイントの合計が算出される。本例では、上記業務システムの特性についての合計ポイントは「68」となる。これにより、システムポイント設定画面41における「合計ポイント」の表示欄41dには、合計ポイント「68」が表示される(図3参照)。
【0051】
そして、処理部20において上記合計ポイントに基づき業務システムのランクが抽出される(ステップS13−3)。すなわち、処理部20は、記憶部30に予め記憶されたランク設定データテーブル31aを読み込み、このランク設定データテーブル31aから上記合計ポイントに対応するランクを抽出する。ここで、本例のランク設定データテーブル31aでは、図4に示すように、システム特性の合計ポイントである「60点以上」、「52−59点」、「44−51点」、「39−43点」、「35−38点」、「34点以下」にそれぞれ対応するように、ランク「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」が設定されている。本例では、上述のように、上記業務システムの特性についての合計ポイントが「68」であるので、ランク「S」が抽出される。これにより、システムポイント設定画面41における「ランク」の表示欄41eには、ランク「S」が表示される(図3参照)。
【0052】
続いて、上述のようにして抽出されたランクに対応するランク係数が抽出される(ステップS13−4)。すなわち、処理部20は、記憶部30に予め記憶されたランク係数データテーブル31bを読み込み、このランク係数データテーブル31bから上記ランクに対応するランク係数を抽出する。ここで、本例のランク係数データテーブル31bでは、図5に示すように、業務システムのランクである「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」にそれぞれ対応するように、係数「1.5」、「1.4」、「1.3」、「1.2」、「1.1」、「1.0」が設定されている。本例では、上述のように、上記業務システムの特性についてのランクが「S」であるので、係数「1.5」が抽出される。これにより、システムポイント設定画面41における「ランク係数」の表示欄41fには、ランク係数「1.5」が表示される(図3参照)。
【0053】
次に、対象となる業務システムに対し、作業ボリュームおよび必要スキルを設定する(ステップS14)。作業ボリュームとは、サービス水準をクリアするために必要とされる作業時間の係数のことであり、必要スキルとは、当該サービス水準をクリアするために必要とされる要員のスキルに対する係数のことである。このとき、作業ボリュームおよび必要スキルは、アウトソーサにより設定される。なお、作業ボリュームは、運用作業項目毎に対応時間帯を考慮した運用に要する時間を基にして設定する。また、必要スキルは、各作業に必要とされるスキルを業務知識、経験年数、保有資格などを基にして設定する。作業ボリュームは「1〜10」の範囲で設定でき、必要スキルは「1〜5」の範囲で設定することができる。このとき、作業ボリュームは作業量が多くなるに従って大きい値となるように設定し、必要スキルは難易度の高い作業になるに従って大きい値となるように設定する。そして、上述のようにしてアウトソーサにより設定された業務システムに対する作業ボリュームと必要スキルを入力部10より入力する。
【0054】
ここで、本例では、運用サービス項目における「通常運用処理の実行確認打合せ」、「打合せ資料作成」、「ユーザ支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」に対し、作業ボリューム「8」、「3」、「5」、「10」、「2」、「2」、「2」がそれぞれ設定され、必要スキル「3」、「3」、「4」、「4」、「3」、「2」、「4」がそれぞれ設定されている。システムポイント設定画面41における「運用サービス項目」に関する表示欄41cには、これら設定状況が表示される(図3参照)。
【0055】
そして、上述のようにして必要スキルが入力部10を介して処理部20に入力されると、処理部20において必要スキルに対応する必要スキル係数が抽出される(ステップS14−1)。すなわち、処理部20は、記憶部30に予め記憶された必要スキル係数データテーブル31cを読み込み、この必要スキル係数データテーブル31cから上記必要スキルに対応する必要スキル係数を抽出する。ここで、本例の必要スキル係数データテーブル31cでは、図6に示すように、必要スキルである「5」、「4」、「3」、「2」、「1」にそれぞれ対応するように、係数「1.7」、「1.5」、「1.3」、「1.2」、「1.1」、「1.0」が設定されている。本例では、上述のように、「通常運用処理の実行確認打合せ」、「打合せ資料作成」、「ユーザ支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」の必要スキルがそれぞれ「3」、「3」、「4」、「4」、「3」、「2」、「4」に設定されているので、これらに対し、必要スキル係数として「1.3」、「1.3」、「1.5」、「1.5」、「1.3」、「1.3」、「1.2」、「1.5」が抽出される。
【0056】
続いて、処理部20において、上述のようにして設定された作業ボリュームと上記必要スキル係数に基づいて運用サービス項目毎の作業ポイントが算出される(ステップS14−2)。このときの作業ポイントは、作業ポイント=作業ボリューム×必要スキル係数により算出される。これにより、図3に示すように、「通常運用処理の実行確認打合せ」、「打合せ資料作成」、「ユーザ支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」のそれぞれの作業ポイントは、「10.4」、「3.9」、「7.5」、「15.0」、「2.6」、「2.4」、「3.0」となる。
【0057】
次に、処理部20において、上述のようにして算出された運用サービス項目毎の作業ポイントと上記業務システムのランク係数に基づいて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントが算出される(ステップS14−3)。このときの運用サービス項目ポイントは、運用サービス項目ポイント=作業ポイント×ランク係数により算出される。これにより、図3に示すように、「通常運用処理の実行確認打合せ」、「打合せ資料作成」、「ユーザ支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」のそれぞれの運用サービス項目ポイントは、「15.6」、「5.9」、「11.3」、「22.5」、「3.9」、「3.6」、「4.5」となる。
【0058】
そして、処理部20において、上記各運用サービス項目ポイントの合計が算出され、合計運用サービス項目ポイントとして集計される(ステップS14−4)。本例では、運用サービス項目ポイントがそれぞれ「15.6」、「5.9」、「11.3」、「22.5」、「3.9」、「3.6」、「4.5」であるので、合計運用サービス項目ポイントが「68」となる。このようにして入力されたシステム名、業務システムの運用サービス項目、業務システムの特性、運用サービス項目、運用サービス項目ポイント、合計運用サービス項目ポイントなどは、対象となる業務システム毎にランク・ポイント情報記憶領域32aにすべて記憶される(図2,図7参照)。
【0059】
そして、上述のようにして設定された業務システムのランクと、合計運用サービス項目ポイントを基にして、図8に示すようなランク別ポイントマッピング表51が処理部20において作成される(ステップS14−5)。このランク別ポイントマッピング表51は、過去に算出した業務システムの合計ポイントをランク別に集計したものである。「ランク」を表示する表示欄51aには、ランク「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」が表示されている。また、「業務システム」を表示する表示欄51bには、「通常月」と「重点月」に分かれて、合計運用サービス項目ポイントの大小に従い、これまでに行われた業務システム名が表示されている。本例では、このランク別ポイントマッピング表51を編集可能なランク別ポイントマッピング表編集画面を表示部40に表示することが可能となっている。
【0060】
このように、ランク別ポイントマッピング表編集画面にランク別ポイントマッピング表51を表示させることにより、アウトソーサがこれまで行った各業務システムの運用サービス項目ポイントについて相対評価をすることが可能である。すなわち、アウトソーサは、上述のようにして算出した業務システムの合計運用サービス項目ポイントを、これまでに蓄積された他の業務システムの合計運用サービス項目ポイントと比較して相対評価を行うことが可能である。そして、相対評価を行った後、上記算出した業務システムの合計運用サービス項目ポイントが妥当であるか検討し、ランクや作業ボリューム等の微調整を行うことが可能である(ステップS15)。なお、このランク別ポイントマッピング表51は、効化の高い運用改善ポイントの発見や、システムの相対評価による、無駄の発見と投資の最適化の目的にも使用することが可能である。また、ランク別ポイントマッピング表編集画面では、ランク別ポイントマッピング表51を編集することができるようになっている。
【0061】
そして、アウトソーサは、表示部40に表示する画面を見積書・契約書編集画面に切り替えて、合計運用サービス項目ポイントのポイント単価を入力部10より入力する。また、これと同時に、見積書・契約書に必要な事項を入力部10より入力する(ステップS16)。処理部20は、上述のようにして算出された合計ポイントに、予め1ポイント当りに定められたポイント単価を掛け合わせることにより、アウトソーシングに要する費用を算出する(ステップS16−1)。また、処理部20は、入力部10を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを記憶部30の雛形ファイル記憶領域32fより抽出すると共に、当該雛型ファイルに上記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成する(ステップS16−2)。そして、操作者からの要求に応じて上記業務システムについての費用が盛り込まれた見積書や契約書を所定の書式により印刷すべくデータを作成し、このデータを出力部50に出力する(ステップS16−3)。出力部50は、上記データを受信すると、所定の書式からなる見積書や契約書を印刷する。
【0062】
このように、本実施形態によれば、業務システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0063】
(サービスレベルの測定を行う方法)
次に、図13乃至図18を参照しながら、本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1を用いてサービスレベルの測定を行う方法について説明する。
上述のようにして、コラボレーション・アウトソーシングの実施内容を決定した後は、コラボレーション・アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断する必要がある。コラボレーション・アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するための指標としては、例えば、対象となる業務システムにおけるランク毎のサービス水準や、業務システムにおける安定性などが挙げられる。また、この他にも、一般的に実施されている顧客満足度調査等を併用することも有効である。
【0064】
本例では、アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するために、対象となる業務システムにおけるランク毎のサービス水準を設定する。このように、対象となる業務システムにおけるランク毎のサービス水準を設定すれば、アウトソーサは、業務システムの当初のレベルをクリアするためにサービス水準を維持するよう努力することになる。このときのサービス水準の項目は、例えば、システム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率などである。
【0065】
まず、対象となる業務システムにおけるランク毎のサービス水準を設定するには、図13に示すように、コラボレーション・アウトソーシングを行うことによって得られた障害データ(例えば、システム名、システム停止時間、障害責任、障害原因)や、問合せデータ(例えば、システム名、依頼者、依頼内容、受付時間、対応終了時間)や、業務依頼データ(例えば、システム名、依頼者、依頼内容、受付時間、対応終了時間)を入力部10より入力する。このようにして、コラボレーション・アウトソーシングを行う毎に入力された障害データや、問合せデータや、業務依頼データは、対象となる業務システム毎にサービスレベル測定情報記憶領域32cに順次記憶される。
【0066】
また、処理部20においては、コラボレーション・アウトソーシングを行う毎に、システム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率が算出される。このとき、システム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率は、コラボレーション・アウトソーシングを行った業務システムのランク毎に算出される(図14参照)。このようにして算出されたシステム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率は、記憶部30のサービスレベル設定情報記憶領域32bに蓄積される(図13参照)。これらシステム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率については、表示部40において確認することができる。
【0067】
そして、本例では、対象となる業務システムのサービス水準が維持されているか否かを確認するために、サービスレベルレポート52を作成する(図16参照)。すなわち、入力部10を介してサービスレベルレポート52作成指令を処理部20に入力すると、処理部20は、記憶部30のサービスレベル測定情報記憶領域32cに蓄積された情報を読み込み、サービスレベルレポート52を作成する。サービスレベルレポート52では、「問題管理」に関する項目、「変更管理」に関する項目、「SO(サービスオーダー)管理」に関する項目、「稼働日数」が月毎に集計されると共に、それらの年間の総数が算出される。
【0068】
ここで、「問題管理」に関する項目は、「登録ユーザー数」、「電話応答」、「事例」、「トラブルシューティング」、「OA系の即答率」に大別される。さらに、「電話応答」は、「電話受付件数」、「平均応答時間」、「応答比率」、「無効電話件数」、「無効電話率」に大別される。また、「事例」は、「作成件数」、「完了件数」に大別され、「トラブルシューティング」は、「時間」、「目標達成率」に大別される。また、「変更管理」に関する項目および「SO(サービスオーダー)管理」に関する項目は、それぞれ「受付件数」、「完了件数」に大別される。なお、目標値は、アウトソーサの経験に基づいて設定される。「N/A」は、NOT Aplicableの略で、目標値を設定しないことを意味する。
【0069】
このサービスレベルレポート52は、表示部40のサービスレベルレポート52編集画面において確認もしくは編集することができる。また、このサービスレベルレポート52は、出力部50から印刷され、ドキュメントとして顧客に報告される。このようにして作成したサービスレベルレポート52は、コラボレーション・アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するための指標として利用することができる。
【0070】
さらに、本例では、アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するために、システムの安定性の評価を行う。具体的には、図17に示すようなシステム安定評価レポート53を作成する。システム安定評価レポート53には、「業務/機能」、「システムランク」、「障害影響度」、「障害ポイント」、「過失割合」、「責任ポイント」、「障害原因」を記入する欄が設けられている。このシステム安定評価レポート53は、記憶部30のランク設定データテーブル31a、ランク係数データテーブル31b、障害影響度設定データテーブル31d、ランク・ポイント情報記憶領域32a、およびサービスレベル測定情報記憶領域32cに記憶されたデータに基づいて作成される。障害影響度設定データテーブル31dでは、図15に示すように、「障害影響度」が「5」、「4」、「3」、「2」、「1」、「0」に区分けされており、これらの区分には、障害により業務システムが停止した時間に関する区分である「24時間以上」、「12時間〜24時間」、「6〜12時間未満」、「3〜6時間未満」、「0〜3時間未満」、「機能停止なし」が対応付けされている。
【0071】
コラボレーション・アウトソーシングにおけるサービスレベルを測定するにあたり、システム安定評価レポート53を作成するには、まず、入力部10に雛形ファイル指定命令を入力する。これにより、処理部20は、入力部10を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを雛形ファイル記憶領域32fより抽出する(ステップS21)。続いて、操作者は、対象となる業務システムを特定するための情報を入力部10に入力する。これにより、処理部20は、対象となる業務システムに関するランク・ポイント情報を記憶部30のランク・ポイント情報記憶領域32aから抽出する(ステップS22)。続いて、処理部20は、先に入力部10より入力されたランク・ポイント情報により算出された合計ポイントに基づいて、当該合計ポイントに対応するランクをランク設定データテーブル31aより抽出し(ステップS23)、さらに、このランクに対応するランク係数をランク係数データテーブル31bより抽出する(ステップS24)。
【0072】
そして、処理部20は、上述のようにして、入力部10を介して入力された障害データ(この場合、システム停止時間)をサービスレベル測定情報記憶領域32cから抽出し、これら障害データに対応する障害影響度を障害影響度設定データテーブル31dより抽出する(ステップS25)。続いて、処理部20は、上記処理において抽出されたランク係数に障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する(ステップS26)。過失割合は、アウトソーサにより入力される。過失割合がアウトソーサにより入力されると、処理部20は、責任ポイントを算出する(ステップS27)。責任ポイントは、障害ポイント×過失割合で算出される。障害原因は、アウトソーサにおいて必要に応じて入力される。
【0073】
処理部20は、上述のようにして抽出した雛型ファイルに上記各処理において得られた「ランク」、「ランク係数」、「障害影響度」、「障害ポイント」、「過失割合」、「責任ポイント」、「障害原因」をシステム安定評価レポート53に書込む。なお、対象となる業務システムが複数ある場合には、これらの処理を繰り返し行い、図17に示すように、業務システム毎に一覧を表示する。この場合、処理部20は、責任ポイントの合計を算出(ステップS28)、これをシステム安定評価レポート53に表示する。このようにして、処理部20は、システム安定評価レポート53を生成する(ステップS29)。
【0074】
このシステム安定評価レポート53は、表示部40のシステム安定評価レポート編集画面において確認することができる。また、システム安定評価レポート53は、出力部50から印刷され、ドキュメントとして顧客に報告される。このようにして作成したシステム安定評価レポート53は、コラボレーション・アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するための指標として利用することができる。そして、サービスレベルが未達成の場合には、顧客とアウトソーサの対応が決定される。
【0075】
このように、本実施形態によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0076】
(サービスレベルの見直しを行う方法)
次に、図19乃至図21を参照しながら、本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1を用いてサービスレベルの継続的な見直しを行う方法について説明する。
コラボレーション・アウトソーシングを継続するためには、定期的な見直しが必須である。社会環境やIT技術の変化のスピードが速い現在では、アウトソーシング対象がそれらの影響を受け変化する。実際には、半年、1年毎の見直しが必須であり、契約期間内に生じた変化に対しては、別枠の対応が必要となる。この変化を顧客とアウトソーサの間でスムーズに受け入れるには、実態の把握、低コスト/高品質を目的とした運用改善、顧客とアウトソーサのWIN-WINの関係維持が必要である。
【0077】
そこで、本例では、アウトソーサの実稼動時間を基にした実績ポイントを集計し、実作業ポイントレポート54を作成する。まず、アウトソーサにおける個々の要員は、作業を終了する毎に、勤務データ(作業者、システム名、項目別作業時間)を入力部10に入力する。なお、項目別作業時間とは、運用サービス項目毎に対応した実作業時間に該当する。これら勤務データは、記憶部30の実作業情報記憶領域32eに記憶される。そして、実作業ポイントレポート54作成指令を入力部10に入力すると、処理部20は、入力部10を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを記憶部30の雛形ファイル記憶領域32fより抽出する(ステップS31)。
【0078】
さらに、処理部20は、該当する要員の勤務データを実作業情報記憶領域32eより抽出(ステップS32)し、この勤務データに基づいて、作業者スキル係数データテーブル31eに定められた個々の要員毎のスキル係数を抽出する(ステップS33)。なお、スキル係数は、要員の業務知識、経験年数、保有資格などを基にして予め設定されている。続いて、処理部20は、実作業ポイントを算出する(ステップS34)。このとき、実作業ポイントは、実作業ポイント=項目別作業時間×スキル係数により算出される。
【0079】
そして、処理部20において、上述のようにして運用サービス項目毎に算出された実作業ポイントの合計が算出される(ステップS35)。また、処理部20は、対称となる業務システムに基づいて記憶部30の設定ポイント情報記憶領域32dより設定ポイントを抽出する(ステップS36)。そして、処理部20は、要員毎の実作業ポイントに設定ポイントが対応するように、これらを順次並べて実作業ポイントレポート54に書込む。このようにして、実作業ポイントレポート54が作成される(ステップS37)。実作業ポイントレポート54では、上述のようにして算出された「実作業ポイント」と「設定ポイント」とが並べて表示される(図20参照)。この実作業ポイントレポート54は、出力部50から印刷され、アウトソーサに報告される。これにより、アウトソーサにおいては、コラボレーション・アウトソーシングを継続する際の定期的な見直しをすることができる。
【0080】
すなわち、実作業ポイントが設定ポイントを超えた場合には、アウトソーサ側の要員による作業効率が悪いこととなる。一方、実作業ポイントが設定ポイントを継続して超える場合には、実作業に対して設定ポイントが厳しく設定されていることとなる。このようにして、アウトソーサにおいては、コラボレーション・アウトソーシングを継続する際の定期的な見直しを図ることにより、運用コストの削減と運用品質の向上を目的に運用改善を実施する。その効果は前述の実作業ポイントを評価することで効果測定が可能となる。そして、幾つかの運用改善が実施され、コスト削減効果が現れた場合には、次回の定期的なコラボレーション・アウトソーシングの見直し時に、顧客とアウトソーサ双方へ還元する。還元の方法は、顧客に対しては削減されたコストの半額に相当するサービス料金の減額を、アウトソーサには半額に相当する利益が確保されることとなる。
【0081】
このように、本実施形態によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【0082】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態によれば、業務システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0083】
(ロ)また、本実施形態によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0084】
(ハ)さらに、本実施形態によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によって見積書・契約書を作成する様子を示す説明図である。
【図3】本実施形態に係るシステムポイント設定画面を示す図である。
【図4】本実施形態に係るランク設定データテーブルを示す図である。
【図5】本実施形態に係るランク係数データテーブルを示す図である。
【図6】本実施形態に係る必要スキル係数データテーブルを示す図である。
【図7】本実施形態に係るランク・ポイント情報記憶領域に記憶されたデータを示す説明図である。
【図8】本実施形態に係るランク別ポイントマッピング表を示す図である。
【図9】本実施形態に係る見積書・契約書を作成するときの操作者による動作の流れを示す図である。
【図10】本実施形態に係る処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第一説明図である。
【図11】本実施形態に係る処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第二説明図である。
【図12】本実施形態に係る処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第三説明図である。
【図13】図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によってサービスレベルの測定を行う様子を示す説明図である。
【図14】本実施形態に係るサービスレベル設定情報記憶領域に記憶されたデータを示す説明図である。
【図15】本実施形態に係る障害影響度設定データテーブルを示す図である。
【図16】本実施形態に係るサービスレベルレポートを示す図である。
【図17】本実施形態に係るシステム安定評価レポートを示す図である。
【図18】本実施形態に係る処理部のシステム安定評価レポートを作成するまでの処理の流れを示す説明図である。
【図19】図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によってサービスレベルの見直しを行う様子を示す説明図である。
【図20】本実施形態に係る実作業ポイントレポートを示す図である。
【図21】本実施形態に係る処理部の実作業ポイントレポートを作成するまでの処理の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
【0086】
1 コラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置
10 入力部
20 処理部
21 見積書・契約書作成機能
22 サービスレベル測定機能
23 機能
30 記憶部
40 表示部
41 システムポイント設定画面
50 出力部
51 ランク別ポイントマッピング表
52 サービスレベルレポート
53 システム安定評価レポート
54 実作業ポイントレポート
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置およびコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法に係り、特に、アウトソーサが顧客と協調してアウトソーシング業務を行うコラボレーション・アウトソーシングにおいて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置およびコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外部の専門サービス業者(アウトソーサ)が顧客と協調しながらソフトウェア等の開発から運用維持までを行うコラボレーション・アウトソーシングが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、一般的には、アウトソーシングにおける契約は、コラボレーションアウトソーシング業務に要する人員と工数に応じて見積もりを算出するという、いわゆる属人的な人月契約となっている。
【0003】
ところが、上述のような人月契約では、以下のような問題がある。すなわち、
1.アウトソーサにとっては、人事異動が困難であり、これによって、要員のモラル低下や、新技術への対応の遅れを招いていた。結果として、新技術、新システムの稼動に際して、運用上の人的なミスによる障害が発生することもあった。
2.アウトソーシングに関係する当事者(ユーザ、管理部門、情報システム部門、アウトソーサ)の役割、責任が不明確であった。
3.顧客にとっては、アウトソーシングの内容が不明瞭で、アウトソーシング自体の品質、コストが適切であるかどうかの評価が困難であった。
4.従来のアウトソーシング契約には、システム環境の変化に対応することができず、全体としては非効率な運用となってしまうものがあった。
【0004】
そこで、このような不具合を解消するために、アウトソーサと依頼主との間で、サービスの品質を客観的指標によって規定したSLA(Service Level Agreement;サービス品質保証制度)により契約を結ぶことが行われている(例えば、特許文献2参照)。SLAとは、サービスの品質について各種の評価項目を設けて各評価項目毎に保証値を設定し、サービスの品質が保証値を下回った場合には、顧客に対して補償などを行うようにするものである。
【特許文献1】特開2003−30141(第4−8頁、図1)
【特許文献2】特開2000−276524(第3−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の例においても、依然として、契約内容の客観性に欠けるという不都合がある。また、業務システムを運用するにあたり、サービスレベルの測定や、サービスレベルの継続的な見直しをする必要がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、アウトソーサが顧客と協調してアウトソーシング業務を行うコラボレーション・アウトソーシングにおいて、契約内容の客観性を担保することができると共に、業務システムを運用するにあたり、サービスレベルの測定や、サービスレベルの継続的な見直しをすることが可能なコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置およびコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置は、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムの運用サービス項目毎に設定された作業ボリューム,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルを入力するための入力手段と、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルに対応する必要スキル係数が予め設定された必要スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一の処理,該第一の処理において算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二の処理,該第二の処理において抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三の処理,前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を前記必要スキル係数データテーブルより抽出する第四の処理,前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに前記第四の処理において抽出された必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出する第五の処理,前記第三の処理において抽出されたランク係数に前記第五の処理において算出された作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出する第六の処理,該第六の処理において算出された運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する第七の処理を実行する処理手段と、を備える構成である。
【0008】
このように、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置業務によれば、システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0009】
このとき、上記発明において、前記処理手段は、より具体的には、前記合計運用サービス項目ポイントに前記入力手段を介して入力されたポイント単価を掛け合わせて前記業務システムのアウトソーシングに要する費用を算出する構成である。
【0010】
また、上記発明において、前記記憶手段に、見積書又は契約書の雛形ファイルが記憶され、前記処理手段が、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成する構成であると、顧客においてポイントを入力すると共にアウトソーサにおいて作業ボリュームと必要スキルを入力するという簡単な作業により、見積書又は契約書を自動的に作成することができ好適である。
【0011】
また、本発明の他のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置は、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムにおいて発生した障害データ,前記業務システムにおいて障害が発生したときのアウトソーサの過失割合を入力するための入力手段と、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムにおいて発生した障害データに対応する障害影響度が予め設定された障害影響度設定データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一の処理,該第一の処理において算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二の処理,該第二の処理において抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三の処理,前記入力手段を介して入力された障害データに対応する障害影響度を前記障害影響度設定データテーブルより抽出する第四の処理,前記第三の処理において抽出されたランク係数に前記第四の処理において抽出された障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する第五の処理,該第五の処理において算出された障害ポイントに前記入力手段を介して入力された過失割合を掛け合わせて責任ポイントを算出する第六の処理を実行する処理手段と、を備える構成である。
【0012】
このような構成によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0013】
このとき、上記発明において、前記記憶手段に、システムの安定性を評価するためのシステム安定評価レポートの雛形ファイルが記憶され、前記処理手段が、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記第六の処理において算出された責任ポイントを書込んでシステム安定評価レポートを生成する構成であると、顧客においてポイントを入力すると共にアウトソーサにおいて障害データと過失割合を入力するという簡単な作業により、システム安定評価レポートを自動的に作成することができ好適である。
【0014】
また、上記発明において、前記処理手段は、さらに具体的には、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントの代わりに、前記業務システムの特性項目毎に設定された重みおよびランクが前記入力手段より入力された場合には、前記入力手段を介して入力された重みおよびランクを掛け合わせて前記業務システムの特性項目毎のポイントを算出する構成である。
【0015】
さらに、本発明の他のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置は、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、アウトソーシングを行う作業者を特定するための情報,アウトソーシングの対象となる業務システムの運用サービス項目毎に前記作業者が携わった作業時間を入力するための入力手段と、前記作業者のスキルに対応するスキル係数が予め設定された作業者スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段を介して入力された作業者を特定するための情報に対応するスキル係数を前記作業者スキル係数データテーブルより抽出する第一の処理,前記入力手段を介して入力された作業時間に前記第一の処理において抽出されたスキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の実作業ポイントを算出する第二の処理,該第二の処理において算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントを合計して合計実作業ポイントを算出する第三の処理を実行する処理手段と、を備える構成である。
【0016】
このような構成によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【0017】
このとき、上記発明において、前記記憶手段に、作業者による実作業状況を評価するための実作業ポイントレポートの雛形ファイルが記憶され、前記処理手段が、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛形ファイルに前記第二の処理において算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントと前記第三の処理において算出された合計実作業ポイントを書込んで実作業ポイントレポートを生成する構成であると、アウトソーサにおいて作業者を特定するための情報と作業者が携わった作業時間を入力するという簡単な作業により、実作業ポイントレポートを自動的に作成することができ好適である。
【0018】
また、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムの運用サービス項目毎に設定された作業ボリューム,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルを入力するための入力手段と、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルに対応する必要スキル係数が予め設定された必要スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一のステップと、該第一のステップにおいて算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二のステップと、該第二のステップにおいて抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三のステップと、前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を前記必要スキル係数データテーブルより抽出する第四のステップと、前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに前記第四のステップにおいて抽出された必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出する第五のステップと、前記第三のステップにおいて抽出されたランク係数に前記第五のステップにおいて算出された作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出する第六のステップと、該第六のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する第七のステップと、を実行する方法である。
【0019】
このように、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法によれば、業務システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0020】
このとき、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、より具体的には、前記処理手段によって、前記合計運用サービス項目ポイントに前記入力手段を介して入力されたポイント単価を掛け合わせて前記業務システムのアウトソーシングに要する費用を算出する方法である。
【0021】
また、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、より好適には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成する方法である。これによれば、顧客においてポイントを入力すると共にアウトソーサにおいて作業ボリュームと必要スキルを入力するという簡単な作業により、見積書又は契約書を自動的に作成することが可能となる。
【0022】
また、本発明の他のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムにおいて発生した障害データ,前記業務システムにおいて障害が発生したときのアウトソーサの過失割合を入力するための入力手段と、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムにおいて発生した障害データに対応する障害影響度が予め設定された障害影響度設定データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一のステップと、該第一のステップにおいて算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二のステップと、該第二のステップにおいて抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三のステップと、前記入力手段を介して入力された障害データに対応する障害影響度を前記障害影響度設定データテーブルより抽出する第四のステップと、前記第三のステップにおいて抽出されたランク係数に前記第四のステップにおいて抽出された障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する第五のステップと、該第五のステップにおいて算出された障害ポイントに前記入力手段を介して入力された過失割合を掛け合わせて責任ポイントを算出する第六のステップと、を実行する方法である。
【0023】
このような方法によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0024】
このとき、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、より好適には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記第六のステップにおいて算出された責任ポイントを書込んでシステム安定評価レポートを生成する方法である。これによれば、顧客においてポイントを入力すると共にアウトソーサにおいて障害データと過失割合を入力するという簡単な作業により、システム安定評価レポートを自動的に作成することが可能となる。
【0025】
また、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、さらに具体的には、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントの代わりに、前記業務システムの特性項目毎に設定された重みおよびランクが前記入力手段より入力された場合には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された重みおよびランクを掛け合わせて前記業務システムの特性項目毎のポイントを算出する方法である。
【0026】
さらに、本発明の他のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、アウトソーシングを行う作業者を特定するための情報,アウトソーシングの対象となる業務システムの運用サービス項目毎に前記作業者が携わった作業時間を入力するための入力手段と、前記作業者のスキルに対応するスキル係数が予め設定された作業者スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された作業者を特定するための情報に対応するスキル係数を前記作業者スキル係数データテーブルより抽出する第一のステップと、前記入力手段を介して入力された作業時間に前記第一のステップにおいて抽出されたスキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の実作業ポイントを算出する第二のステップと、該第二のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントを合計して合計実作業ポイントを算出する第三のステップと、を実行する方法である。
【0027】
このような方法によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【0028】
このとき、本発明のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法は、より好適には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛形ファイルに前記第二のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントと前記第三のステップにおいて算出された合計実作業ポイントを書込んで実作業ポイントレポートを生成する方法である。これによれば、アウトソーサにおいて作業者を特定するための情報と作業者が携わった作業時間を入力するという簡単な作業により、実作業ポイントレポートを自動的に作成することが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0030】
また、本発明によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0031】
さらに、本発明によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0033】
図1乃至図21は本発明の一実施形態を示す図である。図1はコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置の構成を示す図である。図2乃至図12は本発明の一実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置を用いて見積書又は契約書を作成する方法について説明する図であり、図2は図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によって見積書・契約書を作成する様子を示す説明図、図3はシステムポイント設定画面を示す図、図4はランク設定データテーブルを示す図、図5はランク係数データテーブルを示す図、図6は必要スキル係数データテーブルを示す図、図7はランク・ポイント情報記憶領域に記憶されたデータを示す説明図、図8はランク別ポイントマッピング表を示す図、図9は見積書・契約書を作成するときの操作者による動作の流れを示す図、図10は処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第一説明図、図11は処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第二説明図、図12は処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第三説明図である。
【0034】
図13乃至図18は本発明の一実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置を用いてサービスレベルの測定を行う方法について説明する図であり、図13は図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によってサービスレベルの測定を行う様子を示す説明図、図14はサービスレベル設定情報記憶領域に記憶されたデータを示す説明図、図15は障害影響度設定データテーブルを示す図、図16はサービスレベルレポートを示す図、図17はシステム安定評価レポートを示す図、図18は処理部のシステム安定評価レポートを作成するまでの処理の流れを示す説明図である。
【0035】
図19乃至図21は本発明の一実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置を用いてサービスレベルの継続的な見直しを行う方法について説明する図であり、図19は図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によってサービスレベルの見直しを行う様子を示す説明図、図20は実作業ポイントレポートを示す図、図21は処理部の実作業ポイントレポートを作成するまでの処理の流れを示す説明図である。
【0036】
(コラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置の構成)
はじめに、図1を参照しながら、本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置の構成について説明する。
本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1は、アウトソーサが顧客と協調してアウトソーシング業務を行うコラボレーションレベルアウトソーシングにおいて、アウトソーサにおけるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのものである。具体的には、本例におけるコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1は、コラボレーション・アウトソーシングの中でも、見積書・契約書の作成業務、サービスレベルの測定業務、サービスレベルの見直し業務の遂行を支援するためのものである。このコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1は、いわゆるパーソナルコンピュータにより構成されており、入力手段としての入力部10と、処理手段としての処理部20と、記憶手段としての記憶部30と、表示部40と、出力部50を主要構成として有する。
【0037】
入力部10は、後述するように、各種情報やデータを入力するためのものであり、キーボードやマウス等により構成されている。処理部20は、CPU、ROM、RAMなどを備えた演算処理装置により構成されており、見積書・契約書作成機能21と、サービスレベル測定機能22と、サービスレベル見直し機能23を有する。見積書・契約書作成機能21は、アウトソーサによって提供されるサービスについての見積書、契約書を作成するためのものである。この見積書・契約書作成機能21は、後述するように、入力部10を介して入力された各種情報やデータに応じて、ランク設定データテーブル31a、ランク係数データテーブル31b、および必要スキル係数データテーブル31cにより定められたデータを読み込むと共に、ランク・ポイント情報記憶領域32aおよび雛形ファイル記憶領域32fに記憶されたデータを読み込み、これらのデータに基づいて、見積書又は契約書を作成する(図2参照)。
【0038】
サービスレベル測定機能22は、アウトソーサが行うサービスが適性であるかどうかを判断するための指標であるサービスレベルレポート52およびシステム安定評価レポート53を作成するためのものである。このサービスレベル測定機能22は、後述するように、入力部10を介して入力された各種情報やデータに応じて、ランク設定データテーブル31a、ランク係数データテーブル31b、障害影響度設定データテーブル31dにより定められたデータを読み込むと共に、ランク・ポイント情報記憶領域32a、サービスレベル設定情報記憶領域32b、サービスレベル測定情報記憶領域32c、および雛型ファイル32fに記憶されたデータを読み込み、これらのデータに基づいて、サービスレベルレポート52およびシステム安定評価レポート53を作成する(図13参照)。
【0039】
サービスレベル見直し機能23は、アウトソーサが提供するサービスの見直しをする際に使用する実作業ポイントレポート54を作成するためのものである。このサービスレベル見直し機能23は、後述するように、入力部10を介して入力された各種情報やデータに応じて、作業者スキル係数データテーブル31eにより定められたデータを読み込むと共に、設定ポイント情報記憶領域32d、実作業情報記憶領域32e、および雛型ファイル32fに記憶されたデータを読み込み、これらのデータに基づいて、実作業ポイントレポート54を作成する(図19参照)。なお、これら見積書・契約書作成機能21、サービスレベル測定機能22、サービスレベル見直し機能23に関する詳細は、後述の動作と共に説明する。
【0040】
記憶部30は、各種データを記憶するハードディスク装置により構成されている。記憶部30には、ランク設定データテーブル31a、ランク係数データテーブル31b、必要スキル係数データテーブル31c、障害影響度設定データテーブル31d、および作業者スキル係数データテーブル31eが予め構築されている。また、本例おける記憶部30には、ランク・ポイント情報記憶領域32a、サービスレベル設定情報記憶領域32b、サービスレベル測定情報記憶領域32c、設定ポイント情報記憶領域32d、および実作業情報記憶領域32e、雛形ファイル記憶領域32fが設けられている。これらの記憶領域には、後述するように、種々のデータが記憶される。
【0041】
表示部40は、液晶表示装置等により構成されており、処理部20によってデータ処理された情報などを表示することができるように構成されている。出力部50は、プリンタ等により構成されており、後述するように、処理部20において作成された見積書、契約書、サービスレベルレポート52、システム安定評価レポート53、および実作業ポイントレポート54を印刷することができるように構成されている。
【0042】
(見積書・契約書を作成する方法)
次に、図2乃至図11を参照しながら、本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1を用いて見積書・契約書を作成する方法について説明する。
コラボレーション・アウトソーシングは、コンピュータ・システムの運用フェーズにおける、設備、ハードウェア、ネットワーク等のインフラ系の運用管理から、業務アプリケーションの運用、保守と、広範囲な領域の運用アウトソーシング・サービスのサービスレベル設定、管理に有効な手法である。特に、業務アプリケーションの運用のように、単純に稼働率等では評価できない業務に有効である。
【0043】
コラボレーション・アウトソーシングを実施するにあたり、見積書・契約書を作成するには、まず、対象となる業務システムの範囲およびシステム名を設定する(ステップS11)。本例では、一例として、「物流システム」を対象として説明する。対象となる業務システムに対してアウトソーシングを行うことが決定したら、コラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1を起動させる。これにより、処理部20が起動し、表示部40には、図3にしめすようなシステムポイント設定画面41が表示される。
【0044】
このシステムポイント設定画面41には、図示の通り、「システム設定ランク」に関する表示欄41a、「サービス時間」に関する表示欄41b、および「運用サービス項目」に関する表示欄41cが設けられている。このうち、「システム設定ランク」および「サービス時間」は、本発明に係る業務システムの特性項目に相当する。入力部10よりシステム名を入力すると、表示部40に表示されたシステムポイント設定画面41の上部にシステム名が表示される。本例では、一例として、「物流システム」が表示されている。
【0045】
次に、アウトソーサにおいて業務システムの運用サービス項目を設定する(ステップS12)。本例では、運用サービス項目として、「通常運用監視作業等」、「通常運用処理の実行確認打合せ等」、「打合せ資料作成を含む」、「ユーザー支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」を用いる。このようにして決定した運用サービス項目を入力部10より入力すると、図3に示すように、これらがシステムポイント設定画面41における「運用サービス項目」の表示欄41cに表示される。
【0046】
続いて、対象となる業務システムのランクを設定する(ステップS13)。業務システムのランクの設定は、業務システムの特性項目毎に設定されたポイントにより定められる。この業務システムの特性についてのポイントは、顧客により設定される。なお、このときの業務システムの特性とは、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」、「運用サービス」、「障害復旧サポート」、「ジョブ監視」などである。本例では、これら業務システムの特性に対し、業務の通常月と繁忙月とを考慮して「通常」と「重点」の二種類について「ポイント」を設定する(図3参照)。
【0047】
このとき、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」については、顧客によりポイントが直接入力されてもよいが、本例では、一律にポイントを設定するのではなく、重み付けをする。すなわち、重みとランクを顧客により設定し、この重みとランクとを掛け合わせてポイントを算出する。このときの重みとランクは「1〜5」の範囲で設定することができる。また、重みとランクは重要な特性になるに従って大きい値となるように設定する。なお、「運用サービス」、「障害復旧サポート」、「ジョブ監視」については、重み付けをせずに、顧客によりポイントを直接設定する。このときのポイントは「1〜4」の範囲で設定することができる。このときのポイントは、「24時間対応」のときに「4」、「平日24時間対応」のときに「3」、「8:00−20:00(準コア)」のときに「2」、「8:45−17:30(コア)」のときに「1」を設定する。
【0048】
そして、上述のようにして顧客により設定された業務システムの特性および重み、ランク、ポイントを入力部10より入力する。このときの入力作業はアウトソーサにより行われても良く、また、電気通信回線を通じて顧客により入力されても良い。ここで、本例では、顧客により「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」の重みは「3」、「3」、「3」、「2」、「1」、「2」にそれぞれ設定され、「ランク」は「5」、「5」、「3」、「4」、「4」、「5」に設定されている。また、「運用サービス」、「障害復旧サポート」、「ジョブ監視」のそれぞれのポイントは「1」、「3」、「3」に設定されている。なお、「重点」についての重み、ランク、ポイントの設定については、「通常」の場合と同様に顧客において決定されるものであり、その説明を省略する。
【0049】
そして、上述のようにして、入力部10より入力されたデータは、処理部20へ出力される。処理部20では、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」について、ポイントが算出される(ステップS13−1)。このとき、ポイントは、ポイント=重み×ランクにより算出される。これにより、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」のそれぞれのポイントは、「15」、「15」、「9」、「8」、「4」、「10」となる。システムポイント設定画面41における「システム設定ランク」の表示欄41aおよび「サービス時間」の表示欄41bには、これらポイント状況が表示される(図3参照)。
【0050】
続いて、処理部20において上記業務システムの特性項目についての合計ポイントが算出される(ステップS13−2)。すなわち、「重要度」、「緊急度」、「未成熟度(非安定性)」、「システム規模・複雑さ」、「ユーザ規模」、「利用頻度」、「運用サービス」、「障害復旧サポート」、「ジョブ監視」についてのポイントの合計が算出される。本例では、上記業務システムの特性についての合計ポイントは「68」となる。これにより、システムポイント設定画面41における「合計ポイント」の表示欄41dには、合計ポイント「68」が表示される(図3参照)。
【0051】
そして、処理部20において上記合計ポイントに基づき業務システムのランクが抽出される(ステップS13−3)。すなわち、処理部20は、記憶部30に予め記憶されたランク設定データテーブル31aを読み込み、このランク設定データテーブル31aから上記合計ポイントに対応するランクを抽出する。ここで、本例のランク設定データテーブル31aでは、図4に示すように、システム特性の合計ポイントである「60点以上」、「52−59点」、「44−51点」、「39−43点」、「35−38点」、「34点以下」にそれぞれ対応するように、ランク「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」が設定されている。本例では、上述のように、上記業務システムの特性についての合計ポイントが「68」であるので、ランク「S」が抽出される。これにより、システムポイント設定画面41における「ランク」の表示欄41eには、ランク「S」が表示される(図3参照)。
【0052】
続いて、上述のようにして抽出されたランクに対応するランク係数が抽出される(ステップS13−4)。すなわち、処理部20は、記憶部30に予め記憶されたランク係数データテーブル31bを読み込み、このランク係数データテーブル31bから上記ランクに対応するランク係数を抽出する。ここで、本例のランク係数データテーブル31bでは、図5に示すように、業務システムのランクである「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」にそれぞれ対応するように、係数「1.5」、「1.4」、「1.3」、「1.2」、「1.1」、「1.0」が設定されている。本例では、上述のように、上記業務システムの特性についてのランクが「S」であるので、係数「1.5」が抽出される。これにより、システムポイント設定画面41における「ランク係数」の表示欄41fには、ランク係数「1.5」が表示される(図3参照)。
【0053】
次に、対象となる業務システムに対し、作業ボリュームおよび必要スキルを設定する(ステップS14)。作業ボリュームとは、サービス水準をクリアするために必要とされる作業時間の係数のことであり、必要スキルとは、当該サービス水準をクリアするために必要とされる要員のスキルに対する係数のことである。このとき、作業ボリュームおよび必要スキルは、アウトソーサにより設定される。なお、作業ボリュームは、運用作業項目毎に対応時間帯を考慮した運用に要する時間を基にして設定する。また、必要スキルは、各作業に必要とされるスキルを業務知識、経験年数、保有資格などを基にして設定する。作業ボリュームは「1〜10」の範囲で設定でき、必要スキルは「1〜5」の範囲で設定することができる。このとき、作業ボリュームは作業量が多くなるに従って大きい値となるように設定し、必要スキルは難易度の高い作業になるに従って大きい値となるように設定する。そして、上述のようにしてアウトソーサにより設定された業務システムに対する作業ボリュームと必要スキルを入力部10より入力する。
【0054】
ここで、本例では、運用サービス項目における「通常運用処理の実行確認打合せ」、「打合せ資料作成」、「ユーザ支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」に対し、作業ボリューム「8」、「3」、「5」、「10」、「2」、「2」、「2」がそれぞれ設定され、必要スキル「3」、「3」、「4」、「4」、「3」、「2」、「4」がそれぞれ設定されている。システムポイント設定画面41における「運用サービス項目」に関する表示欄41cには、これら設定状況が表示される(図3参照)。
【0055】
そして、上述のようにして必要スキルが入力部10を介して処理部20に入力されると、処理部20において必要スキルに対応する必要スキル係数が抽出される(ステップS14−1)。すなわち、処理部20は、記憶部30に予め記憶された必要スキル係数データテーブル31cを読み込み、この必要スキル係数データテーブル31cから上記必要スキルに対応する必要スキル係数を抽出する。ここで、本例の必要スキル係数データテーブル31cでは、図6に示すように、必要スキルである「5」、「4」、「3」、「2」、「1」にそれぞれ対応するように、係数「1.7」、「1.5」、「1.3」、「1.2」、「1.1」、「1.0」が設定されている。本例では、上述のように、「通常運用処理の実行確認打合せ」、「打合せ資料作成」、「ユーザ支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」の必要スキルがそれぞれ「3」、「3」、「4」、「4」、「3」、「2」、「4」に設定されているので、これらに対し、必要スキル係数として「1.3」、「1.3」、「1.5」、「1.5」、「1.3」、「1.3」、「1.2」、「1.5」が抽出される。
【0056】
続いて、処理部20において、上述のようにして設定された作業ボリュームと上記必要スキル係数に基づいて運用サービス項目毎の作業ポイントが算出される(ステップS14−2)。このときの作業ポイントは、作業ポイント=作業ボリューム×必要スキル係数により算出される。これにより、図3に示すように、「通常運用処理の実行確認打合せ」、「打合せ資料作成」、「ユーザ支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」のそれぞれの作業ポイントは、「10.4」、「3.9」、「7.5」、「15.0」、「2.6」、「2.4」、「3.0」となる。
【0057】
次に、処理部20において、上述のようにして算出された運用サービス項目毎の作業ポイントと上記業務システムのランク係数に基づいて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントが算出される(ステップS14−3)。このときの運用サービス項目ポイントは、運用サービス項目ポイント=作業ポイント×ランク係数により算出される。これにより、図3に示すように、「通常運用処理の実行確認打合せ」、「打合せ資料作成」、「ユーザ支援」、「障害復旧作業」、「業務依頼対応」、「変更管理」、「開発プロジェクトへの参画・支援」のそれぞれの運用サービス項目ポイントは、「15.6」、「5.9」、「11.3」、「22.5」、「3.9」、「3.6」、「4.5」となる。
【0058】
そして、処理部20において、上記各運用サービス項目ポイントの合計が算出され、合計運用サービス項目ポイントとして集計される(ステップS14−4)。本例では、運用サービス項目ポイントがそれぞれ「15.6」、「5.9」、「11.3」、「22.5」、「3.9」、「3.6」、「4.5」であるので、合計運用サービス項目ポイントが「68」となる。このようにして入力されたシステム名、業務システムの運用サービス項目、業務システムの特性、運用サービス項目、運用サービス項目ポイント、合計運用サービス項目ポイントなどは、対象となる業務システム毎にランク・ポイント情報記憶領域32aにすべて記憶される(図2,図7参照)。
【0059】
そして、上述のようにして設定された業務システムのランクと、合計運用サービス項目ポイントを基にして、図8に示すようなランク別ポイントマッピング表51が処理部20において作成される(ステップS14−5)。このランク別ポイントマッピング表51は、過去に算出した業務システムの合計ポイントをランク別に集計したものである。「ランク」を表示する表示欄51aには、ランク「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」が表示されている。また、「業務システム」を表示する表示欄51bには、「通常月」と「重点月」に分かれて、合計運用サービス項目ポイントの大小に従い、これまでに行われた業務システム名が表示されている。本例では、このランク別ポイントマッピング表51を編集可能なランク別ポイントマッピング表編集画面を表示部40に表示することが可能となっている。
【0060】
このように、ランク別ポイントマッピング表編集画面にランク別ポイントマッピング表51を表示させることにより、アウトソーサがこれまで行った各業務システムの運用サービス項目ポイントについて相対評価をすることが可能である。すなわち、アウトソーサは、上述のようにして算出した業務システムの合計運用サービス項目ポイントを、これまでに蓄積された他の業務システムの合計運用サービス項目ポイントと比較して相対評価を行うことが可能である。そして、相対評価を行った後、上記算出した業務システムの合計運用サービス項目ポイントが妥当であるか検討し、ランクや作業ボリューム等の微調整を行うことが可能である(ステップS15)。なお、このランク別ポイントマッピング表51は、効化の高い運用改善ポイントの発見や、システムの相対評価による、無駄の発見と投資の最適化の目的にも使用することが可能である。また、ランク別ポイントマッピング表編集画面では、ランク別ポイントマッピング表51を編集することができるようになっている。
【0061】
そして、アウトソーサは、表示部40に表示する画面を見積書・契約書編集画面に切り替えて、合計運用サービス項目ポイントのポイント単価を入力部10より入力する。また、これと同時に、見積書・契約書に必要な事項を入力部10より入力する(ステップS16)。処理部20は、上述のようにして算出された合計ポイントに、予め1ポイント当りに定められたポイント単価を掛け合わせることにより、アウトソーシングに要する費用を算出する(ステップS16−1)。また、処理部20は、入力部10を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを記憶部30の雛形ファイル記憶領域32fより抽出すると共に、当該雛型ファイルに上記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成する(ステップS16−2)。そして、操作者からの要求に応じて上記業務システムについての費用が盛り込まれた見積書や契約書を所定の書式により印刷すべくデータを作成し、このデータを出力部50に出力する(ステップS16−3)。出力部50は、上記データを受信すると、所定の書式からなる見積書や契約書を印刷する。
【0062】
このように、本実施形態によれば、業務システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0063】
(サービスレベルの測定を行う方法)
次に、図13乃至図18を参照しながら、本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1を用いてサービスレベルの測定を行う方法について説明する。
上述のようにして、コラボレーション・アウトソーシングの実施内容を決定した後は、コラボレーション・アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断する必要がある。コラボレーション・アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するための指標としては、例えば、対象となる業務システムにおけるランク毎のサービス水準や、業務システムにおける安定性などが挙げられる。また、この他にも、一般的に実施されている顧客満足度調査等を併用することも有効である。
【0064】
本例では、アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するために、対象となる業務システムにおけるランク毎のサービス水準を設定する。このように、対象となる業務システムにおけるランク毎のサービス水準を設定すれば、アウトソーサは、業務システムの当初のレベルをクリアするためにサービス水準を維持するよう努力することになる。このときのサービス水準の項目は、例えば、システム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率などである。
【0065】
まず、対象となる業務システムにおけるランク毎のサービス水準を設定するには、図13に示すように、コラボレーション・アウトソーシングを行うことによって得られた障害データ(例えば、システム名、システム停止時間、障害責任、障害原因)や、問合せデータ(例えば、システム名、依頼者、依頼内容、受付時間、対応終了時間)や、業務依頼データ(例えば、システム名、依頼者、依頼内容、受付時間、対応終了時間)を入力部10より入力する。このようにして、コラボレーション・アウトソーシングを行う毎に入力された障害データや、問合せデータや、業務依頼データは、対象となる業務システム毎にサービスレベル測定情報記憶領域32cに順次記憶される。
【0066】
また、処理部20においては、コラボレーション・アウトソーシングを行う毎に、システム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率が算出される。このとき、システム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率は、コラボレーション・アウトソーシングを行った業務システムのランク毎に算出される(図14参照)。このようにして算出されたシステム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率は、記憶部30のサービスレベル設定情報記憶領域32bに蓄積される(図13参照)。これらシステム稼働率、障害復旧時間と時間内復旧率、問合せ対応件数、問合せ対応時間と問合せ対応比率、業務依頼件数、サーバ稼働率については、表示部40において確認することができる。
【0067】
そして、本例では、対象となる業務システムのサービス水準が維持されているか否かを確認するために、サービスレベルレポート52を作成する(図16参照)。すなわち、入力部10を介してサービスレベルレポート52作成指令を処理部20に入力すると、処理部20は、記憶部30のサービスレベル測定情報記憶領域32cに蓄積された情報を読み込み、サービスレベルレポート52を作成する。サービスレベルレポート52では、「問題管理」に関する項目、「変更管理」に関する項目、「SO(サービスオーダー)管理」に関する項目、「稼働日数」が月毎に集計されると共に、それらの年間の総数が算出される。
【0068】
ここで、「問題管理」に関する項目は、「登録ユーザー数」、「電話応答」、「事例」、「トラブルシューティング」、「OA系の即答率」に大別される。さらに、「電話応答」は、「電話受付件数」、「平均応答時間」、「応答比率」、「無効電話件数」、「無効電話率」に大別される。また、「事例」は、「作成件数」、「完了件数」に大別され、「トラブルシューティング」は、「時間」、「目標達成率」に大別される。また、「変更管理」に関する項目および「SO(サービスオーダー)管理」に関する項目は、それぞれ「受付件数」、「完了件数」に大別される。なお、目標値は、アウトソーサの経験に基づいて設定される。「N/A」は、NOT Aplicableの略で、目標値を設定しないことを意味する。
【0069】
このサービスレベルレポート52は、表示部40のサービスレベルレポート52編集画面において確認もしくは編集することができる。また、このサービスレベルレポート52は、出力部50から印刷され、ドキュメントとして顧客に報告される。このようにして作成したサービスレベルレポート52は、コラボレーション・アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するための指標として利用することができる。
【0070】
さらに、本例では、アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するために、システムの安定性の評価を行う。具体的には、図17に示すようなシステム安定評価レポート53を作成する。システム安定評価レポート53には、「業務/機能」、「システムランク」、「障害影響度」、「障害ポイント」、「過失割合」、「責任ポイント」、「障害原因」を記入する欄が設けられている。このシステム安定評価レポート53は、記憶部30のランク設定データテーブル31a、ランク係数データテーブル31b、障害影響度設定データテーブル31d、ランク・ポイント情報記憶領域32a、およびサービスレベル測定情報記憶領域32cに記憶されたデータに基づいて作成される。障害影響度設定データテーブル31dでは、図15に示すように、「障害影響度」が「5」、「4」、「3」、「2」、「1」、「0」に区分けされており、これらの区分には、障害により業務システムが停止した時間に関する区分である「24時間以上」、「12時間〜24時間」、「6〜12時間未満」、「3〜6時間未満」、「0〜3時間未満」、「機能停止なし」が対応付けされている。
【0071】
コラボレーション・アウトソーシングにおけるサービスレベルを測定するにあたり、システム安定評価レポート53を作成するには、まず、入力部10に雛形ファイル指定命令を入力する。これにより、処理部20は、入力部10を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを雛形ファイル記憶領域32fより抽出する(ステップS21)。続いて、操作者は、対象となる業務システムを特定するための情報を入力部10に入力する。これにより、処理部20は、対象となる業務システムに関するランク・ポイント情報を記憶部30のランク・ポイント情報記憶領域32aから抽出する(ステップS22)。続いて、処理部20は、先に入力部10より入力されたランク・ポイント情報により算出された合計ポイントに基づいて、当該合計ポイントに対応するランクをランク設定データテーブル31aより抽出し(ステップS23)、さらに、このランクに対応するランク係数をランク係数データテーブル31bより抽出する(ステップS24)。
【0072】
そして、処理部20は、上述のようにして、入力部10を介して入力された障害データ(この場合、システム停止時間)をサービスレベル測定情報記憶領域32cから抽出し、これら障害データに対応する障害影響度を障害影響度設定データテーブル31dより抽出する(ステップS25)。続いて、処理部20は、上記処理において抽出されたランク係数に障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する(ステップS26)。過失割合は、アウトソーサにより入力される。過失割合がアウトソーサにより入力されると、処理部20は、責任ポイントを算出する(ステップS27)。責任ポイントは、障害ポイント×過失割合で算出される。障害原因は、アウトソーサにおいて必要に応じて入力される。
【0073】
処理部20は、上述のようにして抽出した雛型ファイルに上記各処理において得られた「ランク」、「ランク係数」、「障害影響度」、「障害ポイント」、「過失割合」、「責任ポイント」、「障害原因」をシステム安定評価レポート53に書込む。なお、対象となる業務システムが複数ある場合には、これらの処理を繰り返し行い、図17に示すように、業務システム毎に一覧を表示する。この場合、処理部20は、責任ポイントの合計を算出(ステップS28)、これをシステム安定評価レポート53に表示する。このようにして、処理部20は、システム安定評価レポート53を生成する(ステップS29)。
【0074】
このシステム安定評価レポート53は、表示部40のシステム安定評価レポート編集画面において確認することができる。また、システム安定評価レポート53は、出力部50から印刷され、ドキュメントとして顧客に報告される。このようにして作成したシステム安定評価レポート53は、コラボレーション・アウトソーシングによって提供されるサービスが適性であるかどうかを判断するための指標として利用することができる。そして、サービスレベルが未達成の場合には、顧客とアウトソーサの対応が決定される。
【0075】
このように、本実施形態によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0076】
(サービスレベルの見直しを行う方法)
次に、図19乃至図21を参照しながら、本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置1を用いてサービスレベルの継続的な見直しを行う方法について説明する。
コラボレーション・アウトソーシングを継続するためには、定期的な見直しが必須である。社会環境やIT技術の変化のスピードが速い現在では、アウトソーシング対象がそれらの影響を受け変化する。実際には、半年、1年毎の見直しが必須であり、契約期間内に生じた変化に対しては、別枠の対応が必要となる。この変化を顧客とアウトソーサの間でスムーズに受け入れるには、実態の把握、低コスト/高品質を目的とした運用改善、顧客とアウトソーサのWIN-WINの関係維持が必要である。
【0077】
そこで、本例では、アウトソーサの実稼動時間を基にした実績ポイントを集計し、実作業ポイントレポート54を作成する。まず、アウトソーサにおける個々の要員は、作業を終了する毎に、勤務データ(作業者、システム名、項目別作業時間)を入力部10に入力する。なお、項目別作業時間とは、運用サービス項目毎に対応した実作業時間に該当する。これら勤務データは、記憶部30の実作業情報記憶領域32eに記憶される。そして、実作業ポイントレポート54作成指令を入力部10に入力すると、処理部20は、入力部10を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを記憶部30の雛形ファイル記憶領域32fより抽出する(ステップS31)。
【0078】
さらに、処理部20は、該当する要員の勤務データを実作業情報記憶領域32eより抽出(ステップS32)し、この勤務データに基づいて、作業者スキル係数データテーブル31eに定められた個々の要員毎のスキル係数を抽出する(ステップS33)。なお、スキル係数は、要員の業務知識、経験年数、保有資格などを基にして予め設定されている。続いて、処理部20は、実作業ポイントを算出する(ステップS34)。このとき、実作業ポイントは、実作業ポイント=項目別作業時間×スキル係数により算出される。
【0079】
そして、処理部20において、上述のようにして運用サービス項目毎に算出された実作業ポイントの合計が算出される(ステップS35)。また、処理部20は、対称となる業務システムに基づいて記憶部30の設定ポイント情報記憶領域32dより設定ポイントを抽出する(ステップS36)。そして、処理部20は、要員毎の実作業ポイントに設定ポイントが対応するように、これらを順次並べて実作業ポイントレポート54に書込む。このようにして、実作業ポイントレポート54が作成される(ステップS37)。実作業ポイントレポート54では、上述のようにして算出された「実作業ポイント」と「設定ポイント」とが並べて表示される(図20参照)。この実作業ポイントレポート54は、出力部50から印刷され、アウトソーサに報告される。これにより、アウトソーサにおいては、コラボレーション・アウトソーシングを継続する際の定期的な見直しをすることができる。
【0080】
すなわち、実作業ポイントが設定ポイントを超えた場合には、アウトソーサ側の要員による作業効率が悪いこととなる。一方、実作業ポイントが設定ポイントを継続して超える場合には、実作業に対して設定ポイントが厳しく設定されていることとなる。このようにして、アウトソーサにおいては、コラボレーション・アウトソーシングを継続する際の定期的な見直しを図ることにより、運用コストの削減と運用品質の向上を目的に運用改善を実施する。その効果は前述の実作業ポイントを評価することで効果測定が可能となる。そして、幾つかの運用改善が実施され、コスト削減効果が現れた場合には、次回の定期的なコラボレーション・アウトソーシングの見直し時に、顧客とアウトソーサ双方へ還元する。還元の方法は、顧客に対しては削減されたコストの半額に相当するサービス料金の減額を、アウトソーサには半額に相当する利益が確保されることとなる。
【0081】
このように、本実施形態によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【0082】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態によれば、業務システムの特性項目毎のポイントと当該業務システムを運用するために必要な作業ボリュームと必要スキルを基に運用サービス項目ポイントを算出するので、運用に関する属人的な要素を排除することができる。また、個別の業務システムのランクと作業ボリューム、必要スキルを明確にすることで、その業務内容を明らかにすることができる。このように、アウトソーシングを行うにあたり、ポイントを基準として顧客とアウトソーサが合意することできるので、その契約内容をより明確化することができると共に、アウトソーシングの範囲を明確化できる。従って、アウトソーサにとっては、限られたポイントの中で業務を遂行していけばよいので、要員のローテーションが容易となり、新技術の取り込みも容易となる。また、ポイントを顧客により設定させることにより、顧客の企業活動と連携したランクの設定を行うことができるので、これにより、顧客の同意を得ることができ、コラボレーション・アウトソーシングをより円滑に実現することが可能となる。
【0083】
(ロ)また、本実施形態によれば、責任ポイントに基づいてサービスレベルを測定することにより、アウトソーシング自体の評価を数値化することが可能となる。また、サービスレベルの測定をアウトソーシング当初より組み込むことで、業務システムにおけるサービスレベルの評価を適切かつ客観的に行うことが可能となる。
【0084】
(ハ)さらに、本実施形態によれば、実作業ポイントを合計した合計実作業ポイントに基づいて、定期的なアウトソーシングの見直しを実施することができるので、システム環境の変化に応じた運用が実現できる。また、客観的な数値である実作業ポイントをベースに、定期的なアウトソーシングの見直しを、顧客とアウトソーサ間で調整することが可能となる。これにより、運用改善効果を顧客、アウトソーサ双方で得ることが可能となり、双方の信頼関係も深くなる。結果、より良いアウトソーシングの実現が可能となる。また、実作業ポイントの算出により、計画値と実際の乖離が明らかになり、適切な対策を講じることができる。さらに、運用改善により得た効果を顧客とアウトソーサで分け合うことができるので、改善に対する積極的な取り組みが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本実施形態に係るコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によって見積書・契約書を作成する様子を示す説明図である。
【図3】本実施形態に係るシステムポイント設定画面を示す図である。
【図4】本実施形態に係るランク設定データテーブルを示す図である。
【図5】本実施形態に係るランク係数データテーブルを示す図である。
【図6】本実施形態に係る必要スキル係数データテーブルを示す図である。
【図7】本実施形態に係るランク・ポイント情報記憶領域に記憶されたデータを示す説明図である。
【図8】本実施形態に係るランク別ポイントマッピング表を示す図である。
【図9】本実施形態に係る見積書・契約書を作成するときの操作者による動作の流れを示す図である。
【図10】本実施形態に係る処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第一説明図である。
【図11】本実施形態に係る処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第二説明図である。
【図12】本実施形態に係る処理部の見積書・契約書を作成するまでの処理の流れを示す第三説明図である。
【図13】図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によってサービスレベルの測定を行う様子を示す説明図である。
【図14】本実施形態に係るサービスレベル設定情報記憶領域に記憶されたデータを示す説明図である。
【図15】本実施形態に係る障害影響度設定データテーブルを示す図である。
【図16】本実施形態に係るサービスレベルレポートを示す図である。
【図17】本実施形態に係るシステム安定評価レポートを示す図である。
【図18】本実施形態に係る処理部のシステム安定評価レポートを作成するまでの処理の流れを示す説明図である。
【図19】図1に示すコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置によってサービスレベルの見直しを行う様子を示す説明図である。
【図20】本実施形態に係る実作業ポイントレポートを示す図である。
【図21】本実施形態に係る処理部の実作業ポイントレポートを作成するまでの処理の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
【0086】
1 コラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置
10 入力部
20 処理部
21 見積書・契約書作成機能
22 サービスレベル測定機能
23 機能
30 記憶部
40 表示部
41 システムポイント設定画面
50 出力部
51 ランク別ポイントマッピング表
52 サービスレベルレポート
53 システム安定評価レポート
54 実作業ポイントレポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、
アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムの運用サービス項目毎に設定された作業ボリューム,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルを入力するための入力手段と、
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルに対応する必要スキル係数が予め設定された必要スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一の処理,該第一の処理において算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二の処理,該第二の処理において抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三の処理,前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を前記必要スキル係数データテーブルより抽出する第四の処理,前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに前記第四の処理において抽出された必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出する第五の処理,前記第三の処理において抽出されたランク係数に前記第五の処理において算出された作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出する第六の処理,該第六の処理において算出された運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する第七の処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記合計運用サービス項目ポイントに前記入力手段を介して入力されたポイント単価を掛け合わせて前記業務システムのアウトソーシングに要する費用を算出することを特徴とする請求項1に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項3】
前記記憶手段には、見積書又は契約書の雛形ファイルが記憶され、
前記処理手段は、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成することを特徴とする請求項2に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項4】
アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、
アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムにおいて発生した障害データ,前記業務システムにおいて障害が発生したときのアウトソーサの過失割合を入力するための入力手段と、
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムにおいて発生した障害データに対応する障害影響度が予め設定された障害影響度設定データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一の処理,該第一の処理において算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二の処理,該第二の処理において抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三の処理,前記入力手段を介して入力された障害データに対応する障害影響度を前記障害影響度設定データテーブルより抽出する第四の処理,前記第三の処理において抽出されたランク係数に前記第四の処理において抽出された障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する第五の処理,該第五の処理において算出された障害ポイントに前記入力手段を介して入力された過失割合を掛け合わせて責任ポイントを算出する第六の処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項5】
前記記憶手段には、システムの安定性を評価するためのシステム安定評価レポートの雛形ファイルが記憶され、
前記処理手段は、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記第六の処理において算出された責任ポイントを書込んでシステム安定評価レポートを生成することを特徴とする請求項4に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントの代わりに、前記業務システムの特性項目毎に設定された重みおよびランクが前記入力手段より入力された場合には、前記入力手段を介して入力された重みおよびランクを掛け合わせて前記業務システムの特性項目毎のポイントを算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項7】
アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、
アウトソーシングを行う作業者を特定するための情報,アウトソーシングの対象となる業務システムの運用サービス項目毎に前記作業者が携わった作業時間を入力するための入力手段と、
前記作業者のスキルに対応するスキル係数が予め設定された作業者スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段を介して入力された作業者を特定するための情報に対応するスキル係数を前記作業者スキル係数データテーブルより抽出する第一の処理,前記入力手段を介して入力された作業時間に前記第一の処理において抽出されたスキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の実作業ポイントを算出する第二の処理,該第二の処理において算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントを合計して合計実作業ポイントを算出する第三の処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項8】
前記記憶手段には、作業者による実作業状況を評価するための実作業ポイントレポートの雛形ファイルが記憶され、
前記処理手段は、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛形ファイルに前記第二の処理において算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントと前記第三の処理において算出された合計実作業ポイントを書込んで実作業ポイントレポートを生成することを特徴とする請求項7に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項9】
アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムの運用サービス項目毎に設定された作業ボリューム,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルを入力するための入力手段と、
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルに対応する必要スキル係数が予め設定された必要スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、
前記処理手段によって、
前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一のステップと、
該第一のステップにおいて算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二のステップと、
該第二のステップにおいて抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三のステップと、
前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を前記必要スキル係数データテーブルより抽出する第四のステップと、
前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに前記第四のステップにおいて抽出された必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出する第五のステップと、
前記第三のステップにおいて抽出されたランク係数に前記第五のステップにおいて算出された作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出する第六のステップと、
該第六のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する第七のステップと、
を実行することを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項10】
前記処理手段によって、前記合計運用サービス項目ポイントに前記入力手段を介して入力されたポイント単価を掛け合わせて前記業務システムのアウトソーシングに要する費用を算出することを特徴とする請求項9に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項11】
前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成することを特徴とする請求項10に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項12】
アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムにおいて発生した障害データ,前記業務システムにおいて障害が発生したときのアウトソーサの過失割合を入力するための入力手段と、
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムにおいて発生した障害データに対応する障害影響度が予め設定された障害影響度設定データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、
前記処理手段によって、
前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一のステップと、
該第一のステップにおいて算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二のステップと、
該第二のステップにおいて抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三のステップと、
前記入力手段を介して入力された障害データに対応する障害影響度を前記障害影響度設定データテーブルより抽出する第四のステップと、
前記第三のステップにおいて抽出されたランク係数に前記第四のステップにおいて抽出された障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する第五のステップと、
該第五のステップにおいて算出された障害ポイントに前記入力手段を介して入力された過失割合を掛け合わせて責任ポイントを算出する第六のステップと、
を実行することを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項13】
前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記第六のステップにおいて算出された責任ポイントを書込んでシステム安定評価レポートを生成することを特徴とする請求項12に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項14】
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントの代わりに、前記業務システムの特性項目毎に設定された重みおよびランクが前記入力手段より入力された場合には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された重みおよびランクを掛け合わせて前記業務システムの特性項目毎のポイントを算出することを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか一項に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項15】
アウトソーシングを行う作業者を特定するための情報,アウトソーシングの対象となる業務システムの運用サービス項目毎に前記作業者が携わった作業時間を入力するための入力手段と、
前記作業者のスキルに対応するスキル係数が予め設定された作業者スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、
前記処理手段によって、
前記入力手段を介して入力された作業者を特定するための情報に対応するスキル係数を前記作業者スキル係数データテーブルより抽出する第一のステップと、
前記入力手段を介して入力された作業時間に前記第一のステップにおいて抽出されたスキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の実作業ポイントを算出する第二のステップと、
該第二のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントを合計して合計実作業ポイントを算出する第三のステップと、
を実行することを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項16】
前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛形ファイルに前記第二のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントと前記第三のステップにおいて算出された合計実作業ポイントを書込んで実作業ポイントレポートを生成することを特徴とする請求項15に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項1】
アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、
アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムの運用サービス項目毎に設定された作業ボリューム,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルを入力するための入力手段と、
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルに対応する必要スキル係数が予め設定された必要スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一の処理,該第一の処理において算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二の処理,該第二の処理において抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三の処理,前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を前記必要スキル係数データテーブルより抽出する第四の処理,前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに前記第四の処理において抽出された必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出する第五の処理,前記第三の処理において抽出されたランク係数に前記第五の処理において算出された作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出する第六の処理,該第六の処理において算出された運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する第七の処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記合計運用サービス項目ポイントに前記入力手段を介して入力されたポイント単価を掛け合わせて前記業務システムのアウトソーシングに要する費用を算出することを特徴とする請求項1に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項3】
前記記憶手段には、見積書又は契約書の雛形ファイルが記憶され、
前記処理手段は、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成することを特徴とする請求項2に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項4】
アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、
アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムにおいて発生した障害データ,前記業務システムにおいて障害が発生したときのアウトソーサの過失割合を入力するための入力手段と、
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムにおいて発生した障害データに対応する障害影響度が予め設定された障害影響度設定データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一の処理,該第一の処理において算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二の処理,該第二の処理において抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三の処理,前記入力手段を介して入力された障害データに対応する障害影響度を前記障害影響度設定データテーブルより抽出する第四の処理,前記第三の処理において抽出されたランク係数に前記第四の処理において抽出された障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する第五の処理,該第五の処理において算出された障害ポイントに前記入力手段を介して入力された過失割合を掛け合わせて責任ポイントを算出する第六の処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項5】
前記記憶手段には、システムの安定性を評価するためのシステム安定評価レポートの雛形ファイルが記憶され、
前記処理手段は、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記第六の処理において算出された責任ポイントを書込んでシステム安定評価レポートを生成することを特徴とする請求項4に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントの代わりに、前記業務システムの特性項目毎に設定された重みおよびランクが前記入力手段より入力された場合には、前記入力手段を介して入力された重みおよびランクを掛け合わせて前記業務システムの特性項目毎のポイントを算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項7】
アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するためのコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置であって、
アウトソーシングを行う作業者を特定するための情報,アウトソーシングの対象となる業務システムの運用サービス項目毎に前記作業者が携わった作業時間を入力するための入力手段と、
前記作業者のスキルに対応するスキル係数が予め設定された作業者スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段を介して入力された作業者を特定するための情報に対応するスキル係数を前記作業者スキル係数データテーブルより抽出する第一の処理,前記入力手段を介して入力された作業時間に前記第一の処理において抽出されたスキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の実作業ポイントを算出する第二の処理,該第二の処理において算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントを合計して合計実作業ポイントを算出する第三の処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項8】
前記記憶手段には、作業者による実作業状況を評価するための実作業ポイントレポートの雛形ファイルが記憶され、
前記処理手段は、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛形ファイルに前記第二の処理において算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントと前記第三の処理において算出された合計実作業ポイントを書込んで実作業ポイントレポートを生成することを特徴とする請求項7に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援装置。
【請求項9】
アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムの運用サービス項目毎に設定された作業ボリューム,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルを入力するための入力手段と、
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムの運用サービス項目毎に必要な必要スキルに対応する必要スキル係数が予め設定された必要スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、
前記処理手段によって、
前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一のステップと、
該第一のステップにおいて算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二のステップと、
該第二のステップにおいて抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三のステップと、
前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の必要スキルに対応する必要スキル係数を前記必要スキル係数データテーブルより抽出する第四のステップと、
前記入力手段を介して入力された運用サービス項目毎の作業ボリュームに前記第四のステップにおいて抽出された必要スキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の作業ポイントを算出する第五のステップと、
前記第三のステップにおいて抽出されたランク係数に前記第五のステップにおいて算出された作業ポイントを掛け合わせて運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを算出する第六のステップと、
該第六のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の運用サービス項目ポイントを合計して合計運用サービス項目ポイントを算出する第七のステップと、
を実行することを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項10】
前記処理手段によって、前記合計運用サービス項目ポイントに前記入力手段を介して入力されたポイント単価を掛け合わせて前記業務システムのアウトソーシングに要する費用を算出することを特徴とする請求項9に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項11】
前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記アウトソーシングに要する費用を書込んで見積書又は契約書を生成することを特徴とする請求項10に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項12】
アウトソーシングの対象となる業務システムの特性項目毎に設定されたポイント,前記業務システムにおいて発生した障害データ,前記業務システムにおいて障害が発生したときのアウトソーサの過失割合を入力するための入力手段と、
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントを合計した合計ポイントに対応するランクが予め設定されたランク設定データテーブル,該ランク設定テーブルに設定されたランクに対応するランク係数が予め設定されたランク係数データテーブル,前記業務システムにおいて発生した障害データに対応する障害影響度が予め設定された障害影響度設定データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、
前記処理手段によって、
前記入力手段を介して入力されたポイントを合計して合計ポイントを算出する第一のステップと、
該第一のステップにおいて算出された合計ポイントに対応するランクを前記ランク設定データテーブルより抽出する第二のステップと、
該第二のステップにおいて抽出されたランクに対応するランク係数を前記ランク係数データテーブルより抽出する第三のステップと、
前記入力手段を介して入力された障害データに対応する障害影響度を前記障害影響度設定データテーブルより抽出する第四のステップと、
前記第三のステップにおいて抽出されたランク係数に前記第四のステップにおいて抽出された障害影響度を掛け合わせて障害ポイントを算出する第五のステップと、
該第五のステップにおいて算出された障害ポイントに前記入力手段を介して入力された過失割合を掛け合わせて責任ポイントを算出する第六のステップと、
を実行することを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項13】
前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛型ファイルに前記第六のステップにおいて算出された責任ポイントを書込んでシステム安定評価レポートを生成することを特徴とする請求項12に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項14】
前記業務システムの特性項目毎に設定されたポイントの代わりに、前記業務システムの特性項目毎に設定された重みおよびランクが前記入力手段より入力された場合には、前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された重みおよびランクを掛け合わせて前記業務システムの特性項目毎のポイントを算出することを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか一項に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項15】
アウトソーシングを行う作業者を特定するための情報,アウトソーシングの対象となる業務システムの運用サービス項目毎に前記作業者が携わった作業時間を入力するための入力手段と、
前記作業者のスキルに対応するスキル係数が予め設定された作業者スキル係数データテーブルを有する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて所定の処理を行う処理手段と、を用いて、アウトソーサによるコラボレーションアウトソーシング業務の遂行を支援するコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法であって、
前記処理手段によって、
前記入力手段を介して入力された作業者を特定するための情報に対応するスキル係数を前記作業者スキル係数データテーブルより抽出する第一のステップと、
前記入力手段を介して入力された作業時間に前記第一のステップにおいて抽出されたスキル係数を掛け合わせて運用サービス項目毎の実作業ポイントを算出する第二のステップと、
該第二のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントを合計して合計実作業ポイントを算出する第三のステップと、
を実行することを特徴とするコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【請求項16】
前記処理手段によって、前記入力手段を介して入力された雛形ファイル指定命令に応じた雛型ファイルを前記記憶手段より抽出すると共に、当該雛形ファイルに前記第二のステップにおいて算出された運用サービス項目毎の実作業ポイントと前記第三のステップにおいて算出された合計実作業ポイントを書込んで実作業ポイントレポートを生成することを特徴とする請求項15に記載のコラボレーションレベルアウトソーシング業務支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−4169(P2006−4169A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179714(P2004−179714)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【出願人】(393024773)株式会社シーエーシー (2)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【出願人】(393024773)株式会社シーエーシー (2)
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