説明

コリメータ交換装置

放射線治療システムの一以上のコリメータを自動交換するように構成された放射線治療システムのコリメータ自動交換装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療に関し、詳細には放射線治療システムにおけるコリメータを交換するための装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放射線外科治療システムを構成する際の臨床的要件としては、a)身体各所に位置する標的へのきわめて正確なビームの送出、b)きわめて保形的な線量分布、c)大小にかかわらず複雑な形状の病変部位を照射する能力が含まれる。これらの要件を満たすために、システムは、相対的重みすなわち線量寄与率が計測されているビーム位置を組み合わせて用い、それに従って線量を容積的に決定する。一以上のコリメータを選定し、所望の臨床的成果を得るために必要なビームの直径が得られるようにすることができる。米国アキュレーTM・インコーポレーテッド社製造のCYBERKNIFE(登録商標:サイバーナイフ)放射線手術システムなどの現在の放射線治療手術器具は、12の円形の寸法固定二次コリメータのセットに依拠しており、それによって、ビームは、治療計画立案アルゴリズムに必要な大きさに縮小される。現在、この種コリメータの交換は手動で行われる。
【0003】
図9および図10は、コリメータを手動で交換する従来の方法を示す。図9は、ロック用ナット901を弛めて取り外し、さらにコリメータを外しているところを示している。つづいて、コリメータを他のコリメータと交換し、ロック用ナットを締める。米国アキュレーTM・インコーポレーテッド社製造のCYBERKNIFE(登録商標)放射線手術システムのこのバージョンのコリメータの交換では、手を何回も回してロック用ナット901を回転させ、リニア・アクセラレータ(LINAC)の端部をコリメータから外す必要がある。図10は、手動のコリメータ交換の過程でコリメータ・ハウジングから外されたコリメータを示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コリメータを手動で交換する従来の一方法は、下記の操作を含む。まず、オペレータは、ロック用ナット901を弛めてコリメータ・ハウジングから取り外す。次に、オペレータは、自分の手を使って、下からコリメータを支える。次に、オペレータは、保持ピンを外してコリメータをコリメータ・ハウジングから外してオペレータの手にのせる。次に、オペレータは、別のコリメータを一つ選び、選んだコリメータを保持ピンがカチッというまでコリメータ・ハウジング中に挿入する。最後に、オペレータは、ロック用ナット901をコリメータ・ハウジングに締め付けてロック用ナット901を元に戻す。この従来の方法では、ロック用ナット901を何回も回してLINACの端部から取り外さなければならない。
【0005】
添付の図面は、本発明を例示するものであるが、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、放射線治療ロボットおよびコリメータ自動交換装置の一実施形態を示す。
【図2】図2は、放射線治療ロボットのコリメータ・ハウジングの一実施形態を示す。
【図3】図3は、コリメータ交換システムの工具トレーと連携したコリメータ容器の一実施形態を示す。
【図4】図4は、コリメータ交換システムの工具トレーの一実施形態を示す。
【図5】図5は、放射線治療ロボットのコリメータ・ハウジングの一実施形態を示す。
【図6】図6は、コリメータ交換システムの一実施形態を示す。
【図7】図7は、コリメータ容器と係合する放射線治療ロボットのコリメータ・ハウジングの一実施形態を示す。
【図8】図8は、工具交換装置の一実施形態を示す。
【図9】図9は、 コリメータ手動交換の一方法を示す。
【図10】図10は、コリメータ手動交換の一方法の過程でコリメータ・ハウジングから外されたコリメータを示す。
【図11】図11は、コリメータ自動交換方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図12】図12は、コリメータ自動交換方法の他の実施形態を示すフローチャートである。
【図13】図13は、工具交換装置および第二のコリメータのコリメータ・ハウジングの一実施形態を示す。
【図14】図14は、放射線治療ロボットおよびコリメータ交換用コリメータ自動交換装置を含む一システムの一実施形態を示す。
【図15】図15は、ナット取り外し装置およびナット取り外し装置内の光感知センサを含む工具トレーの一実施形態を示す。
【図16】図16は、コリメータ自動交換装置を備えたジンバル付き放射線源ヘッド・アセンブリを有するガントリ式システムの一実施形態を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
一放射線治療システムにおけるコリメータ交換の方法および装置を説明する。以下の説明は、本発明のいくつかの実施形態がよく理解されるように、特定のシステム、構成要素、方法、等々多くの具体的詳細を述べたものである。当業者には、本発明の少なくともいくつかの実施形態は、これらの具体的詳細なしに実施できることは明らかであろう。他の例にあっては、周知の構成要素あるいは方法は、詳細には説明されていないか、あるいは本発明を不必要に曖昧にすることを避けるために単純なブロック線図で示されている。したがって、以下に述べられる具体的詳細は、単に例示に過ぎない。特定の実施形態は、これらの例示された詳細とは異なる場合があるが、同じく本発明の精神および範囲から逸脱するものではないと思料されるべきものである。
【0008】
以下により詳細に述べるように、本明細書中に記載された実施形態は、放射線治療システムで用いるためのコリメータ自動交換装置を含むものである。コリメータ自動交換装置は、放射線治療システムのリニア・アクセラレータに連結されたコリメータ・ハウジングを含むものとすることができる。コリメータ自動交換装置は、さらに、コリメータ・ハウジング内にコリメータを固定するように構成された保持機構を含むものとすることができる。コリメータ・ハウジングおよび保持機構は、従来行われていたコリメータを手動で交換するオペレータに代わってコリメータを自動交換するためのリニア・アクセラレータの動きを利用して配置される。あるいは、コリメータ自動交換装置は、リニア・アクセラレータに取り外し自在に連結されたあるいはコリメータを自動交換するように構成された工具交換装置を含むものである。同様に、工具交換装置は、コリメータを自動交換するためのリニア・アクセラレータの動きを利用して配置される。
【0009】
コリメータ自動交換装置は、コリメータをコリメータ・ハウジング内に固定するためにコリメータ・ハウジングに連結された少なくとも一つの一次および二次保持機構のいずれかを有するものとすることができる。一次および二次保持機構は、双方を前端部に、双方を後端部に、または一方を前端部に他方を後端部に配置することができる。あるいは、コリメータ自動交換装置は、単一の保持機構を備えることができる。単一の保持機構は、コリメータ・ハウジングのコリメータの前端部(すなわち、コリメータからビームが出る端部)に配置することができる。あるいは、この保持機構は、コリメータ・ハウジングの後端部(すなわち、コリメータにビームが入る端部)に配置することもできる。
【0010】
本明細書中に記載されている実施形態は、コリメータ交換のための自動手段を提供するものである。本明細書中に記載されている実施形態は、従来行われていたようにコリメータを手動で切り換えるオペレータに依拠するのではなく、コリメータの交換を成し遂げる放射線治療ロボット(例、LINACに連結されたロボット・アーム)に依拠するものである。これらの実施形態は、各治療計画のために大きさの異なる多数のコリメータを用いて標的に送出される全放射線を低減させることを考慮している場合がある。さらに、これらの実施形態は、多数のコリメータの手動交換を省くなどして、コリメータの交換におけるオペレータの関与量を減少させる場合がある。オペレータの関与量を減少させることによって、治療は、オペレータが治療室内に入る中断なしに、治療計画にしたがって行う場合がある。これらの実施形態は、さらに、コリメータの一体保管を可能にするものである。本明細書中に記載されている実施形態は、位置の再現性を提供する、すなわち、コリメータを常に再現可能な位置に配置できる場合がある。コリメータを固定するためのオペレータの関与を排除することによって、本明細書中に記載されている自動的方法は、とくに二人以上のオペレータがコリメータの交換を行う場合には、従来の手動的方法より再現性の高い方法を提供することができる場合がある。さらに、いくつかの実施形態にあっては、現存する放射線治療システムにおいてこれらの実施形態をサポートするために付加的な信号または電源ケーブルを追加する必要はない。他の実施形態にあっては、現存するコリメータおよびLINACにいかなる変更も行われず、またコリメータを収容するコリメータ・ハウジングの前側に配置される接触検出センサに最小限度の変更が行われる場合がある。
【0011】
上述のシステムは、以下に説明するようなハードウエアおよびソフトウエア構成要素を用いて実施することができる。ハードウエアは、機能性に関係するハードウエアおよび安全性に関係するハードウエアの二つの機能的構成要素を含むものとすることができる。機能性に関係するハードウエアは、放射線治療システムによって使用されていないときのコリメータを保持するための工具トレーを含むものとすることができる。また、工具トレーは、ロック・ピン(レバーとも呼ばれる)の係合を外すための手段を含むものとすることもできる。コリメータのカラーは、放射線治療システムと連携したコリメータ・ハウジング内にコリメータを固定するものとすることができる。機能性に関係するハードウエアは、さらに、放射線治療ロボット内の工具トレーの位置を較正するための接触検出センサおよび/または光感知センサを含むものとすることができる。安全性に関係するハードウエアは、コリメータの存在または不在を示すためのコリメータ・ハウジング内の複数の近接スイッチを含むものとすることができる。これらの近接スイッチは、また、存在−不在センサとも呼ばれる。リニア・アクセラレータと工具トレーの間の接触を検出するために工具トレーの下に近接スイッチを配置することもできる。さらに、リニア・アクセラレータと工具トレーが接触した場合に、リニア・アクセラレータが損傷する前に工具トレーが壊れるように、工具トレーに複数の応力点を設けるように構成することもできる。安全性に関係するハードウエアは、また、コリメータ・カラーの正しいロック状態を示すために、リニア・アクセラレータと連携したコリメータ・ハウジング上に少なくとも一つの近接スイッチを含むものとすることができる。
【0012】
安全性に関係する手段は、例えばコリメータが患者の上に落下するなどの危険を低減するように所定の位置に配置される。この危険は、コリメータ・カラー上のチェック・スイッチを配置することによって低減することができる。一実施形態にあっては、このチェック・スイッチは、コリメータ・カラーが正しく設置されていることを確認するためにコリメータ・カラーの回転の終点に配置された近接スイッチである。このような機械的構成では、近接スイッチが上述の位置に配置されているため、コリメータ・カラーが傾けられた後、コリメータ・カラーがしっかりと完全に固定される位置にきていることが確認される。他の危険の例としては、リニア・アクセラレータが患者と衝突することが挙げられる。この危険には、1)トレーの位置をチェックするための複数の光センサ、2)トレーとの接触を示す複数の近接スイッチ、および3)リニア・アクセラレータの損傷を妨げるための複数の離脱応力点の三段階構成の低減処置がとられる。放射線治療ロボットが工具トレーと衝突する危険をさけるためにも、これと同じ三段階構成の危険低減処置を適用することができる。
【0013】
他の実施形態にあっては、ソフトウエアは、米国アキュレーTM・インコーポレーテッド社製造のCYBERKNIFE(登録商標:サイバーナイフ)放射線手術システムのような放射線治療ロボット中にすべての機能性および安全性に関係するハードウエアを統合することができる。このようなソフトウエアは、理想的には、抽象層を提供するものであって、それによって、システムの残る部分は、工具トレーの状態または機能性についての詳細な情報を知る必要がないようになるものである。
【0014】
図1は、放射線治療ロボット100およびコリメータ自動交換装置103の一実施形態を示す。一実施形態にあっては、コリメータ交換装置と連携したすべての動きは、追加的な駆動を必要とせずに放射線治療ロボット100によって提供することができる。この動きは、機械的なものであってもよく、そのような動きは、放射線治療ロボット100内の一定のスプリング機構を起動させる一定の輪郭に依拠するものとすることができる。一実施形態にあっては、放射線治療ロボット100の関節能力を用いて、コリメータ401が工具トレー400から取り上げられ、コリメータ401が工具トレー400中に降ろされる。コリメータ401の取り上げおよび降ろしは、単に放射線治療ロボット100の動きによって行われるものとすることができる。いくつかの実施形態にあっては、ユーザが、放射線治療ロボット100がコリメータ401を取り上げまた降ろす正しい位置に配置されるようにプログラムすることができる。図1に示す実施形態にあっては、放射線治療ロボット100(または放射線治療装置)は、コリメータ自動交換装置103に連結されたリニア・アクセラレータ(LINAC)101を含む。
【0015】
コリメータ自動交換装置103は、コリメータ・ハウジング102を含む。コリメータ自動交換装置103は、さらに、コリメータをコリメータ・ハウジング102内に係合させまた係合を外すためにコリメータ・ハウジング102に連結された(図1には示されていない)一以上の保持機構を含むものとすることができる。あるいは、コリメータ自動交換装置103は、工具交換装置(例、空気圧式工具交換装置)を含む。工具交換装置は、コリメータ・ハウジング102に固定されるコリメータを取り上げまた降ろすように構成されたものとすることができる。工具交換装置は、また、以下に説明するように一以上の保持機構を含むコリメータ・ハウジングを取り上げるように構成することもできる。
【0016】
コリメータ自動交換装置103の動きは、放射線治療ロボット100によってあたえることができ、またいくつかの実施形態(例、工具交換装置を使用しない実施形態)にあっては、コリメータ自動交換装置103は、放射線治療ロボット100による付加的な作動を必要としないものとすることができる。コリメータ自動交換装置103および放射線治療ロボット100の動きは、コリメータ・ハウジング102内のコリメータを自動的に交換する構成とすることができる。あるいは、放射線治療システムは、放射線治療ロボット100とは異なる種類の放射線治療ロボットおよび/または少なくとも一つのコリメータを含めた異なる種類の放射線治療送出装置を含むことができる。
【0017】
一実施形態にあっては、コリメータ自動交換装置103は、コリメータ・ハウジング102にコリメータ一を固定しまたそこからコリメータを取り外すためにコリメータ・ハウジング102に連結された一以上の保持機構など一以上の受動的・機械的構成要素のみを含むものとすることができる。これらの実施形態にあっては、コリメータ自動交換装置103は、コリメータ・ハウジング102の位置決めをするための放射線治療ロボット100の動きに依拠しており、保持機構は係合しまた係合を外されて、コリメータを取り上げまた降ろす。これらの構成要素は、受動的・機械的構成要素であるため、コリメータ自動交換装置を操作するためにいかなる付加的な力も必要とはしない。
【0018】
他の一実施形態にあっては、コリメータ自動交換装置103は、コリメータおよびコリメータ・ハウジングなどの機械的構成要素と共に作動する能動的・電気的構成要素(例、コリメータを取り上げまた降ろすために工具交換装置を作動させる構成要素)を含むものとすることができる。同様に、放射線治療ロボット100の動きを用いて、コリメータを取り上げまた降ろすための能動的・電気的構成要素(例、工具交換装置)を有するコリメータ自動交換装置103の位置決めをすることができる。あるいは、コリメータ自動交換装置103は、コリメータ交換のための受動的および能動的構成要素をともに含むものとすることができる。
【0019】
図2は、コリメータ・ハウジング200の一実施形態を示す。コリメータ・ハウジング200は、リニア・アクセラレータ101に連結されたものとすることができる。一実施形態にあっては、コリメータ・ハウジング200は、一次保持機構201、および二次保持機構202を含む。一次保持機構201および二次保持機構202は、コリメータ・ハウジング200に連結されている。一次保持機構201および二次保持機構202は、ともに、コリメータ401をコリメータ・ハウジング200中に固定するように構成されている。一実施形態にあっては、一次保持機構201は、コリメータに能動的ロック力をあたえる。一実施形態にあっては、一次保持機構201は、ロック用ナットなどのナットである。一実施形態にあっては、ロック用ナットは、ロック用ナット上のストップを含み、それによってロック用ナットは、ストップを越えて回転できない構成とされる。あるいは、ロック用ナットは、ストップを含まない構成とすることもできる。他の一実施形態にあっては、ロック用ナットがコリメータ・ハウジングに固定されていることを示す以下に述べるような近接スイッチ204などのセンサが配設される。他の一実施形態にあっては、二次保持機構202は、コリメータ・ハウジング200に連結されたロック・ピンである。あるいは、二次保持機構は、ロック機構、ネジ止め機構、等々とすることができる。
【0020】
他の一実施形態にあっては、一次保持機構201は、コリメータ・カラーとすることができる。コリメータ・カラーは、コリメータ・ハウジング200に能動的にロックされる構成とすることができる。このような能動的ロックは、リニア・アクセラレータ101を4分の1回転させることによって行うことができる。受動的ロックは、摩擦あるいはスプリングに依拠することなしにロックを解除するために能動的力を加えることを含むものとすることができる。加えられる能動的力がなければ、一次保持機構は、ロックされた状態にとどまる。コリメータ・カラー201は、「4分の1回転」ロック機構とも呼ぶことができる。ロック用ナット901は、手締めトルクの要件を満たすものとし、したがって、平均的なオペレータは、片手でロック用ナットを取り外しまた元に戻すことができるものとすることができる。一次保持機構201が、ネジ機構を介してコリメータ・ハウジングに連結されるものとすることができることは、理解されよう。このようなネジ機構は、コリメータ・カラー201にネジ山を設け、一次保持機構201をコリメータ・ハウジング201にネジ止めすることによって実現することができる。一実施形態にあっては、一次保持機構201は、一次保持機構201を約45度回してコリメータをコリメータ・ハウジング200に固定する(例、ロックするまたはネジ止めする)ことによってコリメータ・ハウジングに連結される。あるいは、一次保持機構201は、45度以上または以下、例えば90度、回す構成とすることもできる。他の一実施形態にあっては、一次保持機構201は、ハウジング200に連結され、コリメータをコリメータ・ハウジング200に固定するためのシールドとして機能するカルーセルである。あるいは、一次保持機構201は、ロック機構、ネジ止め機構、ピン機構、等々の通常の当業者には公知の他の種類の保持機構とすることもできる。例えば、他の一実施形態にあっては、保持機構は、コリメータ上のネジ山(例、外表面が粗いとげ状突起によるネジ山を有するようにタングステン・コリメータを改変する)、および、コリメータ・ハウジング上のそれに対応して噛合うネジ溝とすることができる。放射線治療ロボット100の動きによって、コリメータのネジ山がコリメータ・ハウジングの内側表面上の噛合うネジ溝と係合する。この実施形態にあっては、コリメータは、ネジ山付きネジとして作動し、コリメータ・ハウジングは、それと噛合うナットとして作動する。
【0021】
他の一実施形態にあっては、コリメータ・ハウジング200は、上に述べた一次および二次保持機構の一方など単一の保持機構を含む。一実施形態にあっては、例えば、単一の保持機構は、コリメータ・ハウジングの前端に配置される。単一の保持機構は、コリメータ・ハウジングのネジ溝と係合するコリメータ上のネジ山とすることができる。他の一実施形態にあっては、接触センサが、単一の保持機構を備えるコリメータ・ハウジングの前端に配置される。接触センサは、該接触センサのハウジングの周囲に配置された空洞を含むものとすることができ、上述の保持機構は、該接触センサの空洞内に配置される。保持機構を接触センサのハウジングの空洞内に配置することによって、コリメータ容器と作用し合って保持機構が係合しまたは係合を外されたときに接触センサが作動することはない。あるいは、他の構成にあっては、上述の保持機構および接触センサは、コリメータ・ハウジングの前端に配置される。
【0022】
一実施形態にあっては、コリメータ・ハウジング200は、少なくとも一つの近接スイッチ204を含む。この近接スイッチ204は、コリメータ・ハウジング200に連結され、コリメータが該コリメータ・ハウジング200に連結固定されたときにそれを示すように構成される。一実施形態にあっては、近接スイッチ204は、一次保持機構201(例、コリメータ・カラーまたはナット)の存在を検出するために用いられる。一実施形態にあっては、該近接スイッチ204は、電気機械的スイッチである。あるいは、近接スイッチは、電気的センサ・スイッチなど当業者には公知の他の種類のスイッチとすることができる。
【0023】
一実施形態にあっては、一次および二次保持機構201、202は、コリメータ・ハウジング200の前端205に配置される。図2にはともに前端205に配置されているように示されているが、一次および二次保持機構は、ともに後端206に配置することもできるし、または、一方を前端205に他方を後端206に配置することもできる。あるいは、コリメータ・ハウジングは、単一の保持機構(例、コリメータ・カラーまたはナット)を有するものとすることもできる。単一の保持機構は、コリメータ・ハウジングの前端205に配置することができる。あるいは、この保持機構は、コリメータ・ハウジングの後端206に配置することもできる。
【0024】
図3は、コリメータ容器300の一実施形態を示す。一実施形態にあっては、工具トレー400は、それぞれが一つのコリメータ401を収容する複数のコリメータ容器を含む。このコリメータ容器300は、誘導機構301を含むものとすることができる。この誘導機構301は、コリメータ・ハウジングが降ろされると該コリメータ・ハウジングの保持ピンと係合するように構成することができる。またこの誘導機構301は、ピンを引っ張ってコリメータ401をコリメータ・ハウジング200から解放する構成とすることができる。他の一実施形態にあっては、誘導機構301は、ロック・ピン(例、二次保持機構202)を作動させてコリメータ401を外し、空のコリメータ容器300中に入れるランプ(傾斜部)を含む。誘導機構301は、コリメータ容器300に連結され、放射線治療ロボット100が該コリメータ容器300に向かって移動しコリメータ401をコリメータ・ハウジング200から外して該コリメータ容器300中に入れるときに、ロック・ピンの係合を外す構成とすることもできる。
【0025】
他の一実施形態にあっては、コリメータ容器300は、該コリメータ容器300内のコリメータ401の存在または不在を検出する複数のセンサ302を有するものとすることができる。コリメータ容器300は、さらに、放射線治療ロボット100に対する該コリメータ容器300内のコリメータ401の位置を較正するための方向センサ303を有するものとすることができる。
【0026】
図3は、センサ302および方向センサ303など一以上のセンサを有するコリメータ容器を示しているが、該コリメータ容器は、センサ302および/または方向センサ303なしに実施できるものであることに留意しなければならない。
【0027】
図4は、工具トレー400の一実施形態を示す。この実施形態にあっては、工具トレー400は、多数のコリメータ401を保持するための多数のコリメータ容器300を含む。一実施形態にあっては、工具トレー400は、12の円形の寸法固定コリメータ401のセットを保持するための12のコリメータ容器300のセットを含む。あるいは、工具トレー400は、一以上のコリメータ容器300を含むものとすることもできる。
【0028】
一実施形態にあっては、各コリメータ容器は、一つのコリメータ・カラーを保持するように構成されたキー付き空洞404(例、一次保持機構201)である。あるいは、コリメータ容器は、キー付きでないものとすることもできる。
【0029】
一実施形態にあっては、工具トレー400は、放射線治療ロボット100のフレーム内の工具トレー400の位置を較正するために該工具トレー400に連結された少なくとも一つの感光センサ、例えば、感光センサ405、406、および407を含むものとすることができる。例えば、これらの感光センサを、コリメータがコリメータ容器の中央に配置されていることを確認するために用いることもできる。すでに述べたように、リニア・アクセラレータ101は、一以上の放射線ビームを生成する。これらの放射線ビームは、三つの感光センサ405、406、および407で検出される。これらのセンサ405、406、および407は、リニア・アクセラレータのフレーム内の工具トレー400の位置を較正するために、該リニア・アクセラレータのコントローラに報告を行う。この較正によって、放射線治療ロボットは、正しいコリメータ容器と該コリメータ容器内の正しい位置で係合できるようにコリメータの位置決めをすることが可能となる。一実施形態にあっては、各コリメータ容器中に少なくとも一つのセンサが配置される。あるいは、それ以上またはそれ以下の感光センサを使用することもできる。
【0030】
他の一実施形態にあっては、工具トレーは、該工具トレー400に連結された一以上の固定式クイックチェック・センサを含む。このクイックチェック・センサは、コリメータを工具トレーのコリメータ容器中でコリメータを係合させあるいは係合を外す前の最終チェックとして、リニア・アクセラレータが該工具トレー上方に正しく配置されていることを確認するために用いる感光センサとすることができる。リニア・アクセラレータのフレーム中のトレー・テーブルの位置の見当合わせに多数の感光センサを使用することもできるし、または、多数の該感光センサを用いた見当合わせの処理を行なわずに、一つのセンサを用いて工具トレーの位置をクイックチェックすることも可能である。他の一実施形態にあっては、工具トレー400は、放射線治療ロボット100と該工具トレー400の間の接触を検出する少なくとも一つの近接スイッチの第二のセットを含む。この少なくとも一つの近接スイッチの第二のセットは、工具トレー400の下に配置することができる。一実施形態にあっては、工具トレー400は、該工具トレー400と放射線治療ロボット100が接触した場合に、該放射線治療ロボット100が損傷する前に該工具トレー400が壊れるように、該工具トレー400が複数の応力点を含むものとすることができる。あるいは、工具トレー400は、複数の感光センサ、複数の近接センサ、複数の応力点、またはそれらの組み合わせを含むものとすることができる。
【0031】
図5は、コリメータ・ハウジング500を示す。図5に示す実施形態にあっては、コリメータ・ハウジング500は、放射線治療ロボット100と工具トレー400および/または放射線治療ロボット100と患者の接触を検出するための少なくとも一つの接触センサ501に連結されている。あるいは、接触センサは、治療室の他の物品との接触を検出するために用いることもできる。
【0032】
この実施形態にあっては、接触センサ501は、コリメータ・ハウジング500の前端205に配置される。一実施形態にあっては、接触センサ501は、該接触センサ501の周囲に配置された空洞502を含む。一次保持機構201、例えばナットまたはコリメータ・カラーは、接触センサ501のこの空洞502内に配置される。他の一実施形態にあっては、二次保持機構202は、接触センサ501の空洞502に配置される。または接触センサ501はオペレータの介入なしに一次保持機構201(あるいは二次保持機構202)の自動機能性を可能にする他の構成でコリメータ・ハウジング500の上で実施することができる。
【0033】
図6は、コリメータを交換するためのシステム600の一実施形態を示す。このシステム600は、放射線治療ロボット601および該放射線治療ロボット601の届く範囲内に配置された工具トレー602を含む。放射線治療ロボット601は、バック・プレート603を介してリニア・アクセラレータ101に連結されている。システム600は、12のコリメータ401を含む。これらのコリメータは、12の円形の寸法固定コリメータとすることができる。工具トレー602は、12の対応するコリメータ容器300を含む。放射線治療ロボット601は、コリメータ・ハウジング102、コリメータ・ハウジング500、あるいはコリメータ・ハウジング200などのコリメータ・ハウジングに連結されている。放射線治療ロボット601およびコリメータ自動交換装置103は、12のコリメータ401の一つを工具トレー602と連携したコリメータ容器300からコリメータ・ハウジング500へ切り換えるように構成することができる。放射線治療ロボット601およびコリメータ自動交換装置103は、また、12のコリメータ401の一つをコリメータ・ハウジング500から工具トレー602中の対応するコリメータ容器300へ切り換えるように構成することもできる。コリメータ自動交換装置103は、一次保持機構および/または二次保持機構を有するものとすることができる。一実施形態にあっては、一次保持機構は、コリメータ・カラー201である。この一次保持機構は、コリメータ・ハウジング500に連結されている。コリメータ・カラー201は、例えば能動型のロックを採用することのできるロック機構を用いまたそれを介して工具トレー602のコリメータ容器300と係合する構成とすることができる。放射線治療ロボット601は、それを約4分の1回転させてコリメータ・カラー201とコリメータ・ハウジング500を能動的にロックする構成とすることができる。ロック位置では、コリメータ401は、コリメータ・ハウジング500に固定される。あるいは、放射線治療ロボット601を回転させずに、コリメータ自動交換装置103のために空気圧式工具交換装置を用いてコリメータ401をコリメータ・ハウジング中に固定する構成とすることもできる。一実施形態にあっては、一以上のセンサを用いてコリメータ401の存在および/または不在を検出する構成とすることができる。現在あるコリメータ401は、工具トレー602内に配置して、放射線治療ロボット601の届く範囲内に置く構成とすることもできる。コリメータ・カラー201は、真鍮製とすることができるが、それを工具トレー602のコリメータ容器300の一つの中に配置する構成とすることができる。一実施形態にあっては、コリメータ容器300は、4分の1回転のロック機構を有するキー付き空洞404である。
【0034】
図7は、コリメータ容器703と連携した誘導機構701がコリメータ・ハウジング700のロック・ピン702の係合を外す構成の一実施形態を示す。コリメータ・ハウジング700は、コリメータ704を収容している。コリメータ704は、上に述べたコリメータ401と類似のものとすることができる。この実施形態にあっては、コリメータ・ハウジング700のロック・ピン702は、コリメータ容器703の誘導機構701と接触する。一実施形態にあっては、誘導機構701は、ロック・ピン702を作動させ、コリメータ・ハウジング700からコリメータ704を外してコリメータ容器703中に正確に配置するためのランプ(傾斜部)を有する。
【0035】
図7は、また、コリメータ・ハウジング700のネジ山705も示しており、一次保持機構201(例、ナットまたはコリメータ・カラー)は、コリメータ・ハウジング上にネジ止めされる構成とすることができる。
【0036】
図8は、工具交換装置の一実施形態を示す。工具交換装置800は、放射線治療システムの一以上のコリメータ401を交換するためのコリメータ自動交換装置として使用することができる。一実施形態にあっては、工具交換装置800は、空気圧式工具交換装置である。空気圧式工具交換装置は、かなり寸法の小さいものとすることができ、通常は、直径約50ミリメートル、高さ約25ミリミリメートル程度で、余分なスペースを必要としない。あるいは、当業者には公知の他の工具交換装置を用いて、一以上のコリメータをコリメータ・ハウジング中に係合させまた係合を外す構成とすることができる。
【0037】
他の一実施形態にあっては、工具交換装置800は、寸法可変コリメータのハウジングを取り上げるように構成される。寸法可変コリメータは、寸法がプログラマブルなコリメータとすることができる。ハウジング、寸法可変コリメータ、および他の必要な電気機械的構成要素は、統合して一つの内蔵式モジュールとすることができる。このモジュールのリニア・アクセラレータへの接続インターフェースは、この中で説明した寸法固定コリメータに用いるコリメータ・ハウジングの接続インターフェースと類似のものとすることができる。他の一実施形態にあっては、工具交換装置800は、一以上の寸法固定コリメータを取り上げるために用いられるコリメータ・ハウジングを取り上げる構成とされる。一実施形態にあっては、工具交換装置800は、一次コリメータのハウジングに連結され、該一次コリメータのハウジングは、リニア・アクセラレータに連結される。
【0038】
一実施形態にあっては、工具交換装置は、センサ801、空気圧、等々の能動的要素を有する。あるいは、他の能動的要素を有する構成とすることもできる。一実施形態にあっては、能動的要素は、コリメータを係合させまた係合を外す一以上のアクチュエータを含む。他の一実施形態にあっては、能動的要素は、コリメータ・カラーを取り除くため全リニア・アクセラレータを動かす放射線治療ロボット100の代わりにコリメータ容器からコリメータ・カラーを取り除くための工具トレー内のモーターまたは他の作動装置を含む。他の一実施形態にあっては、能動的要素は、多数の寸法固定コリメータを収容する回転式または並進式カルーセル内の駆動機構を含む。カルーセル内の駆動機構は、所望のコリメータをリニア・アクセラレータのビームの経路中に搬入して必要な平行化を行う構成とすることができる。これらの能動的要素は、リニア・アクセラレータ101の上、ロボット・アーム601の上、あるいは、工具トレー602の上など様々な位置に配置することができる。一実施形態にあっては、工具交換装置800の取り付けは、リニア・アクセラレータのバック・プレートを強化することによって行われる(例、図6に示すバック・プレート603)。これらの構成は、コリメータ401の周りに一以上の工具交換装置を配置し、工具交換装置800の取り付けは、リニア・アクセラレータのバック・プレートを強化することによって行われる構成とすることができる。バック・プレートは、ロボット・アーム601とリニア・アクセラレータ101の間に連結される。また、各コリメータ・ハウジングは、工具交換装置の構成に適合する共通のインターフェース・プレート内に取り付けられる構成とすることができる。共通のインターフェース・プレートは、コリメータ上またはコリメータの一つのハウジング上に常駐する構成とすることができる。一次および二次コリメータをともに含む構成にあっては、工具交換装置と噛合う一次コリメータまたは一次コリメータ・ハウジング上のインターフェース・プレートを配設する構成とすることができる。あるいは、分離叉型マウント(decoupled pronged mount)などの同業者には公知の構成を使用することもできる。
【0039】
リニア・アクセラレータ上に空気圧式工具交換装置の能動的要素が実施される場合には、工具交換装置の作動は、空気圧を供給してコリメータ容器内のコリメータ401を外すことによって行われる。コリメータ容器内のコリメータの係合は、工具交換装置から空気圧を取り除くことによって行うことができる。この実施形態にあっては、リニア・アクセラレータに空気供給ライン(空気圧ラインとも呼ばれる)が供給される。この実施形態にあっては、すべての作動および信号ラインは、リニア・アクセラレータ101の現在のケーブル配線を通りまた例えば工具交換装置800の給電部802を通る経路設定とすることができる。
【0040】
他の一実施形態にあっては、一本の空気供給ラインが、ロボット・アーム601上に取り付けられた工具交換装置の能動的要素に接続されている。この実施形態にあっては、ロボット・アーム601上に取り付けられた能動的要素は、工具トレーの近辺にある。この実施形態にあっては、工具交換装置の作動は、空気圧を供給してコリメータを外すことによって行われる。コリメータ容器内のコリメータの係合は、工具交換装置から空気圧を取り除くことによって行うことができる。一実施形態にあっては、コリメータ自動交換装置は、放射線治療ロボットに取り付けられた空気圧式工具交換装置である。放射線治療ロボットから空気圧式工具交換装置へ加圧空気を供給する代わりに、工具トレーに迅速接続式空気供給装置を配設することもできる。コリメータを係合させまた係合を外す場合は、放射線治療ロボットが、工具トレーのコリメータ容器内のコリメータを取り上げまたは降ろすために工具トレーの迅速接続式空気供給装置を空気圧式工具交換装置に接続できる位置に空気圧式工具交換装置を配置する。
【0041】
図11は、コリメータを自動交換するための処理の一実施形態を示すフローチャートである。工具交換時の事象列は、工具トレー400をコリメータ401と共に配置することを含む。第一の操作1101では、コリメータが、リニア・アクセラレータ101の届く範囲内にくるように該コリメータが工具トレー上に配置される。治療計画の開始にあたって、放射線治療システムは、必要なコリメータの寸法をチェックする。正しいコリメータ401がコリメータ・ハウジング203内に導入されている場合には、治療は、中断なしに進行する。しかし、正しくないコリメータ401が導入されている場合には、ユーザに、該コリメータ401を自動交換してチェックしなおすかまたは作業を中断するかのオプションを提示する。自動交換のオプションを選ぶと、コリメータを交換する処理が開始される。一連の操作の残り部分は、コリメータの交換中に生じる事象の概要を示している。システムは、割り当てられたコリメータ・カラー201用のキー付き空洞404が空かどうかをチェックする。キー付き空洞が空でない場合、放射線治療システムは、エラーを提示して、オペレータが手動で交換することを求める。フローチャート1100の第二の操作では、放射線治療ロボット100が、リニア・アクセラレータ101を動かして、割り当てられた位置に配置する。この位置では、放射線治療ロボット100が、リニア・アクセラレータ・レーザーを用いて工具トレー400の位置をチェックすることができる。これは、工具トレーに取り付けられた一以上の感光センサを用いて行うことができる。正しい位置決めが確認されない場合には、手動で交換する。この操作1102では、リニア・アクセラレータが、工具トレー400のキー付き空洞404の上方へくるように動かされる。第三の操作1103では、放射線治療ロボットが、工具トレー400に近づき、リニア・アクセラレータを下げてコリメータ・カラー201を収容しているキー付き空洞404中に入れる。第四の操作1104では、放射線治療ロボット100が、4分の1回転して、コリメータ・カラー201をコリメータ・ハウジング200から係合を外し、コリメータ容器中に入れる。第五の操作1105では、放射線治療ロボット100が、コリメータ・カラー201をキー付き空洞404中に残して工具トレー400からLINACを回収する。第六の操作1106では、LINACが、のぞむコリメータ401が収容されているコリメータ容器300の上方へと動かされる。第七の操作1107では、リニア・アクセラレータがコリメータ容器300へ向かって動かされる。コリメータ・ハウジング200は、コリメータ容器300の誘導機構301と係合し、コリメータ401をコリメータ・ハウジング200から外してコリメータ容器300に入れる。コリメータ401をコリメータ・ハウジング200から外してコリメータ容器300に入れるためには、コリメータ・ハウジング700がコリメータ容器703へ向かって下げられるのに応じて、斜めに配置されている誘導機構301がコリメータ・ハウジング700のロック・ピン702と係合する。次に、誘導機構701が、ロック・ピン702を引っ張ってコリメータ704を解放し、コリメータ704は、コリメータ容器703中に入れられる。システムは、コリメータ704が実際に取り除かれたことを確認するためのチックを行う構成としてもよい。第八の操作1108では、リニア・アクセラレータが回収され、取り上げられるコリメータ401の上方に配置される。システムは、のぞむコリメータ容器300が中にコリメータ401を入れていることを確認するチェックを行う。第九の操作1109では、コリメータ・ハウジング200が下げられてコリメータ401を取り上げる。リニア・アクセラレータのその軸の周りの回転の角度は、コリメータ704を降ろすときのリニア・アクセラレータの回転の角度と異なる。その結果、コリメータ401を取り上げる間、ロック・ピン202は、誘導機構301とは係合しない。第十の操作1110では、コリメータ・ハウジング200が、回収され、コリメータ・カラー201が常駐するキー付き空洞404へ向かって動かされる。第十一の操作1111では、コリメータ・ハウジング200は、コリメータ・カラー201と係合し、リニア・アクセラレータは、4分の1回転して、コリメータ・カラー201を取り外し自在にコリメータ・ハウジング200に連結する。コリメータは、コリメータ・ハウジング200内のロック・ピン202によっても固定される。交換が成功した後、放射線治療ロボットは、休止位置に戻り、治療計画にしたがって治療のための放射線の送出を続ける構成とすることができる。
【0042】
図12は、コリメータを自動交換する処理の一実施形態を示す。第一の操作1201では、複数のコリメータが、工具トレー中に配置され、したがって、コリメータは、リニア・アクセラレータ101の届く範囲内に置かれる。第二の操作1202では、リニア・アクセラレータ101が、空のコリメータ容器300の上方の工具トレー602の上方に配置される。第三の操作1203では、空気圧が供給されて工具交換装置800が作動し、工具交換装置と連携したコリメータ・ハウジングからコリメータ401を外して、コリメータ容器300へ入れる。第四の操作1204では、リニア・アクセラレータ101が、所望のコリメータ401を入れたコリメータ容器300の上方へ動かされる、第五の操作1205では、工具交換装置800から空気圧が除かれ、コリメータ401が、取り上げられる。
【0043】
他の一実施形態では、システムは、空気圧ラインを工具トレー602の近辺にある放射線治療ロボット601上に取り付けられた工具交換装置800に接続するための機構を含む。これら後続の操作は、上に概略説明したコリメータ401交換の順序の後に追加することができる。工具交換装置800は、所定の位置に動かされ、空気供給ラインに掛け金止めされる。空気供給ラインは、通常は、可撓性のホースで、全交換操作を通じて工具交換装置800に接続しておくことができる。コリメータの交換完了後、該空気供給ラインは、指定のスロット内に配置され、供給ラインは切断される。
【0044】
図13は、工具交換装置および第二のコリメータのコリメータ・ハウジングの一実施形態を示す。工具交換装置1301は、図8を参照して上に説明した工具交換装置800と類似のものとすることができる。該工具交換装置1301は、一次コリメータを収容するコリメータ・ハウジング1303と二次コリメータ401を収容するコリメータ・ハウジング500に連結されている。コリメータ・ハウジング500は、図5を参照して上に説明したコリメータ・ハウジング500と類似のものとすることができ、また、一次および二次保持機構201、202ならびに接触センサ501を含むものとすることができる。これらの一次および二次保持機構201および202ならびに接触センサ501は、すべて、二次コリメータ・ハウジング500の前端205に配置される。二次コリメータ・ハウジング500の後端206には、工具交換装置1300が配置される。コリメータ・ハウジング500は、工具交換装置1301に適合した工具プレート1302を含むものとすることができる。
【0045】
一実施形態にあっては、リニア・アクセラレータ101は、リニア・アクセラレータ、一次および二次コリメータ、RF源、および他の付加的構成要素を収容するX線ヘッド・アセンブリを含む。一次コリメータは、リニア・アクセラレータ、RF源、およびX線ヘッド・アセンブリを構成する他のすべての構成要素を取り付けたベース・プレートの隔壁上に取り付けられる。X線ヘッド・アセンブリは、金属の囲いで覆われており、該金属の囲いには、装飾カバーが取り付けられている。X線ヘッド・アセンブリは、放射線治療ロボット100に取り付けられる。工具交換装置1300(例、迅速交換式工具交換装置)は、マスター・プレート1301および工具プレート1302を含む。ロックおよびロック外れセンサ1304の付いたマスター・プレート1301は、一次コリメータ1303上に取り付けられる。工具交換装置1300のマスター・プレート1301は、空気圧駆動式ロック機構で工具プレート1302にロックされる。このロック機構は、ボール・ロック技術を用いた二重テーパ付きピストンならびに空気圧が失われた場合に工具プレート1302をマスター・プレート1301に固定された状態に保つフェイルセーフ機構を使用することができる。あるいは、ロック機構は、マスター・プレート1301および工具プレート1302を固定するための他の構成要素を使用することもできる。マスター・プレート1301は、電気接続部および空気圧接続部が工具プレート1302まで通過できる構成のものとすることができる。工具プレート1302は、固定寸法のコリメータを係合させまた係合を外すコリメータ・ハウジングあるいは可変寸法のコリメータのコリメータ・ハウジングなどのエンド・エフェクタに取り付ける構成とすることができる。工具プレート1302は、マスター。プレート1302の空気圧接続部および電気接続部とのインターフェースとして機能し、それらをエンド・エフェクタまで通過させる構成とすることができる。
【0046】
図14は、放射線治療ロボットおよびコリメータを交換するためのコリメータ自動交換装置を含むシステムの一実施形態を示す。図14のシステム600は、図6のシステム600と同じ構成要素、すなわち、放射線治療ロボット601および該放射線治療ロボット601の届く範囲内に配置された工具トレー602を含む。すでに述べたように、放射線治療ロボット601は、バック・プレート603を介してリニア・アクセラレータ101に連結されている。上述のシステム600は、さらに、12のコリメータ401を含む。これらのコリメータは、12の円形の寸法固定コリメータとすることができる。工具トレー602は、12の対応するコリメータ容器300を含む。
【0047】
また、やはりすでに述べたように、放射線治療ロボット601およびコリメータ自動交換装置103は、12のコリメータ401の一つを切り換えて選び、工具トレー602と連携した一つのコリメータ容器から一つのコリメータ・ハウジング102まで、またコリメータ・ハウジング102からコリメータ容器300まで運ぶ構成とすることができる。図6は、距離を置いて工具トレー602の上方に配置された放射線治療ロボット601を示し、図14は、コリメータ401の一つをコリメータ・ハウジング102内で係合させまた係合を外すように配置された放射線治療ロボット601を示している。すでに述べたように、放射線治療ロボット601は、回転して、コリメータ401をコリメータ容器300からコリメータ・ハウジング102中にロックする構成とすることができる。あるいは、放射線治療ロボット601は、回転せず、空気圧式工具交換装置をコリメータ自動交換装置103に用いて、コリメータ401をコリメータ・ハウジング中に固定する構成とすることもできる。図14は、一つのコリメータ401を工具トレー602から取り上げるところを示しているが、同様に、放射線治療ロボット601は、一つのコリメータ401を工具トレーの空のコリメータ容器300中に降ろすように配置することもできる。
【0048】
図15は、ナット・リムーバ1501および該ナット・リムーバ1501内の感光センサ1502を含む工具トレー1500の一実施形態を示す。この工具トレー1500は、12のコリメータ1504を収容する12のコリメータ容器1503を含む。この12のコリメータ1504は、円形の固定寸法コリメータとすることができる。工具トレー1500は、一つのナット・リムーバ1501を含む。このナット・リムーバ1501は、コリメータ自動交換装置103の保持機構を取り外して係合を外すように構成される。例えば、コリメータ自動交換装置103は、コリメータ401をコリメータ・ハウジングに固定するための一次および二次保持機構を含む。一次保持機構は、ロック用ナット(またコリメータ保持用ナットとも呼ぶ)である。このコリメータ保持用ナットは、該保持用ナットをナット・リムーバ内に配置し、コリメータ・ハウジングから該保持用ナットの係合を外すことによってコリメータ・ハウジングから取り外される。一実施形態にあっては、コリメータ・ハウジングは、ナット・リムーバ1501の上方に配置され、コリメータ・ハウジングの位置合わせが、リニア・アクセラレータからレーザおよびコリメータ・ハウジングの保持用ナットをナット・リムーバ1501と係合させる前に該ナット・リムーバ1501に配置される感光センサ1502でチェックされる。あるいは、感光センサ1502は、ナット・リムーバ1501内の他の場所に配置される。あるいは、感光センサを用いずにコリメータ・ハウジングとナット・リムーバ1501の位置合わせがチェックされる。
【0049】
一実施形態にあっては、ナット・リムーバ1501は、コリメータ保持用ナットと係合する二つのスプリング・ピンを含む。このスプリング・ピンは、放射線治療ロボットが(例、反時計回りに)回転して保持用ナットのコリメータ・ハウジングへのネジ止めを外している間に、該ナットが回転するのを防ぐ。
【0050】
一実施形態にあっては、ナット・リムーバ1501上に近接スイッチまたは他の種類のセンサを配置して、ナット・リムーバ1501内の保持用ナットの存在/不在を検出する。あるいは、近接スイッチまたは他の種類のセンサを用いずに、ナット・リムーバ1501内の保持用ナットの存在/不在が検出される。
【0051】
保持用ナットがコリメータ・ハウジングから取り除かれると、放射線治療ロボット100は、コリメータをコリメータ容器中に降ろすために、コリメータ・ハウジングを空のコリメータ容器の上方に配置することができる。次に、放射線治療ロボット100は、コリメータ・ハウジングを異なるコリメータ容器の上方に配置して、工具トレーから異なるコリメータを取り上げることができる。この異なるコリメータがコリメータ・ハウジングに固定されると(例えば二次保持機構を用いて)、放射線治療ロボット100をナット・リムーバ1501の上方に配置して、コリメータ保持ナット(すなわち、一次保持機構)をコリメータ・ハウジングに固定することができる。これは、コリメータ・ハウジングをナット・リムーバ1501中の保持ナットと係合するように配置し、放射線治療ロボット100を用いてコリメータ・ハウジングを(例、時計回りに)回転させ、保持ナットをコリメータ・ハウジングにネジ止めすることによって行うことができる。保持ナットがコリメータ・ハウジングに固定されると、放射線治療ロボット100は、ナット・リムーバ1501から離して配置する(例、治療前の休止位置に配置する)ことができる。
【0052】
これらの実施形態は、保持機構としてナットを使用し、また該ナットをコリメータ・ハウジングにネジ止めし、またはネジ止めを外す機構を使用するものとして説明したが、他の保持機構取り外し装置を用いてコリメータ自動交換装置103に用いることのできる他の種類の保持機構を係合させまた係合から外すことも可能である。
【0053】
以上、主としてロボットを用いた画像誘導式放射線治療システムに関する説明を行ってきたが、本明細書で説明した方法および装置は、他の種類の放射線治療システムで用いることも可能である。他の実施形態にあっては、ジンバル付きヘッド・アセンブリを備えるガントリ・アームまたはO−リングなど他の種類の機構を利用してLINACを移動させまたそれによってコリメータを動かすこともできる。
【0054】
図16は、ジンバル付き放射線源ヘッド・アセンブリ1601およびコリメータ自動交換装置103を有するO−リング式システム1600の一実施形態を示す。この実施形態にあっては、工具トレー602は、ガントリ1600の下へ動かされ、リニア・アクセラレータ1602(コリメータ・ハウジング1603およびコリメータ自動交換装置103を含む)が工具トレー602のコリメータ容器300中のコリメータ401と係合しまた係合から外れることができるような位置に配置される。O−リングおよびジンバル付きヘッド・アセンブリ1601は、上に述べたように、システムがコリメータ自動交換装置と共に機能するための充分な移動の自由が得られるように構成することができる。より具体的には、O−リングは、その垂直軸およびジンバルの周りで傾けることができるように構成される。このジンバルは、リニア・アクセラレータ1602を、コリメータを工具トレー602と係合させまた係合から外すように配置するために水平方向および斜め方向に回転するように駆動できるものである。上に述べた実施形態のように、コリメータ自動交換装置103は、一以上の保持機構を含む。コリメータ自動交換装置の一以上の保持機構を含むコリメータ・ハウジング1603およびリニア・アクセラレータ1602の動きを用いて(例、O−リングおよびジンバル付きヘッド・アセンブリ1601によって操作される)、コリメータ・ハウジング1603内のコリメータ401を自動交換することができる。更なる実施形態においては、工具自動変換装置は、O−リング式放射線治療システム1600と共に使用することもできる。あるいは、コリメータ自動交換装置103を、該コリメータ自動交換装置103と共に作動する機構(例、アーム、ジンバル、等々)を有する他のガントリ式放射線治療システムと共に用いることもできる。
【0055】
ここに説明した方法および装置は、医療診断画像形成および治療にのみ用いるように限定されたものではないことに留意しなければならない。他の実施形態にあっては、ここに説明した方法および装置は、工業用画像形成、材料の非破壊試験(例、自動車産業のモーター・ブロック、航空産業の機体、建設産業の溶接、石油産業のドリル・コア)、および地震観測など、医療技術分野以外の適用業務に使用することができる。それらの適用業務にあっては、例えば、「治療あるいは処理」は、通常、ビームの使用(例、放射線、音響、等々)など処理計画立案システムによって制御される操作を行うことを意味し、「標的」は、解剖学的対象物または区域以外の対象物または区域を意味する。
【0056】
ここに述べた方法の操作は、特定の順序で示し説明したが、各方法の操作の順序を変更して、いくつかの操作は順序を逆にして行うことができるし、あるいは、いくつかの操作は、少なくともその一部を他の操作と平行して行うこともできる。他の一実施形態にあっては、個別の操作の命令の発布あるいは副次操作は、間歇的および/または交互に行われる場合がある。さらに、いくつかの操作は、特定の方法の反復の中で繰り返される場合がある。
【0057】
上に示した明細書では、本発明は、特定の例示的な実施形態を示して説明した。しかし、添付の請求の範囲に述べられる本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、それらの実施形態にさまざまな修正および変更を行えることは、明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく説明的な意味で考察されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線治療システムのコリメータ自動交換装置を備える装置において、
前記コリメータ自動交換装置は、前記放射線治療システムの一以上のコリメータを自動交換するように構成された装置。
【請求項2】
装置は、さらに
ロボット・アーム、および、
前記コリメータ自動交換装置ならびに前記ロボット・アームに連結されたリニア・アクセラレータを備え、
前記コリメータ自動交換装置は、
前記リニア・アクセラレータに連結されたコリメータ・ハウジング、および
前記一以上のコリメータの一つのコリメータを前記コリメータ・ハウジング中に固定するように構成される一次保持機構を備え、
前記コリメータ・ハウジング、前記一次保持機構、および、前記リニア・アクセラレータは、前記一以上のコリメータを自動的に交換するように構成される請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記一次保持機構は、ナットを備える請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記一次保持機構は、コリメータ・カラーを備える請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記一次保持機構は、前記コリメータ・ハウジングに取り外し自在に連結される請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記一次保持機構は、前記コリメータ・ハウジング上に能動的にロックされるように構成される請求項2記載の装置。
【請求項7】
装置は、さらに、
前記コリメータ・カラーがコリメータ・ハウジング中に固定されたときに、それを示す前記コリメータ・ハウジングに連結された少なくとも一つの近接スイッチを備える請求項4記載の装置。
【請求項8】
前記一次保持機構は、前記コリメータ・ハウジング上にネジ止めされるように構成される請求項2記載の装置。
【請求項9】
前記コリメータ自動交換装置は、前記コリメータを前記コリメータ・ハウジング中に固定するように構成された二次保持機構を備える請求項2記載の装置。
【請求項10】
前記二次保持機構は、ロック・ピンを備える請求項9記載の装置。
【請求項11】
装置は、さらに、
前記コリメータ・ハウジングの前端に配置された接触センサを備え、
前記接触センサは、該接触センサの周囲に配置された空洞を備え、また、
前記一次保持機構は、前記接触センサの前記空洞中に配置される請求項2記載の装置。
【請求項12】
前記一次保持機構は、ロック・ピン、ナット、および、コリメータ・カラーの少なくとも一つを備える請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記一次保持機構は、前記コリメータ・ハウジング上にネジ止めされるように構成される請求項11記載の装置。
【請求項14】
前記一次保持機構は、前記コリメータ・ハウジングの後端に配置される請求項2記載の装置。
【請求項15】
前記一次保持機構は、前記コリメータ・ハウジングの前端に配置される請求項2記載の装置。
【請求項16】
前記コリメータ自動交換装置は、前記コリメータを前記コリメータ・ハウジング中に固定するように構成された二次保持機構を備え、また、
前記二次保持機構は、前記コリメータ・ハウジングの後端に配置される請求項15記載の装置。
【請求項17】
装置は、さらに、
前記リニア・アクセラレータの届く範囲内に置かれた工具トレーを備え、また、
前記工具トレーは、前記一以上のコリメータを収容するように構成される請求項2記載の装置。
【請求項18】
前記工具トレーは、少なくとも一つのコリメータ容器を備える請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記一以上のコリメータは、12の円形の寸法固定コリメータを備え、また、
前記工具トレーは、12のコリメータ容器を備える請求項17記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも一つのコリメータ容器は、前記コリメータ・ハウジングの一つのロック・ピンの係合を外すように構成され誘導機構に連結される請求項18記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも一つのコリメータ容器は、該少なくとも一つのコリメータ容器中のコリメータの存在または不在を示す近接スイッチに連結される請求項18記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも一つのコリメータ容器は、前記リニア・アクセラレータに対する前記コリメータ容器中のコリメータの位置を較正するための方向センサに連結される請求項18記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも一つのコリメータ容器は、前記コリメータを収容するように構成されたキー付き空洞に連結され、また、
前記コリメータは、前記キー付き空洞に取り外し自在に連結されるように構成される請求項18記載の装置。
【請求項24】
装置は、さらに、
前記リニア・アクセラレータのフレーム中の前記工具トレーの位置を較正するために該工具トレーに連結された少なくとも一つの感光センサを備える請求項18記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも一つの感光センサは取り外し自在の感光センサである請求項24記載の装置。
【請求項26】
装置は、さらに、
前記工具トレーに連結された少なくとも一つの固定式クイックチェック・センサを備える請求項18記載の装置。
【請求項27】
装置は、さらに、
前記リニア・アクセラレータと前記工具トレーの間の接触を検出するために該工具トレーに連結された少なくとも一つの近接スイッチを備える請求項18記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも一つの近接スイッチは、前記工具トレーの下に配置される請求項27記載の装置。
【請求項29】
装置は、さらに、
前記リニア・アクセラレータと前記工具トレーが接触した場合に、該リニア・アクセラレータが損傷する前に該工具トレーが壊れるように、該工具トレー中に複数の応力点を備える請求項18記載の装置。
【請求項30】
前記工具トレーは、前記一次保持機構を前記コリメータ・ハウジングとの係合を外すための保持機構リムーバを備える請求項17記載の装置。
【請求項31】
前記コリメータ自動交換装置は、二次保持機構を有し、また
前記二次保持機構は、前記工具トレーの一つのコリメータ容器の誘導機構によって係合を外される請求項17記載の装置。
【請求項32】
装置は、さらに、
ロボット・アーム、および
前記コリメータ自動交換装置および前記ロボット・アームに連結されたリニア・アクセラレータを有し、
前記コリメータ自動交換装置は、前記リニア・アクセラレータに取り外し自在に連結された工具交換装置であり、前記放射線治療システムの前記一以上のコリメータを交換するように構成される請求項1記載の装置。
【請求項33】
前記工具交換装置は、空気圧式工具交換装置である請求項32記載の装置。
【請求項34】
前記工具交換装置は、能動的要素を有し、また、
前記能動的要素は、前記リニア・アクセラレータ上に配置される請求項33記載の装置。
【請求項35】
前記工具交換装置は、能動的要素を有し、また、
前記能動的要素は、前記ロボット・アーム上に配置される請求項33記載の装置。
【請求項36】
前記工具交換装置は、能動的要素を有し、また、
前記能動的要素は、工具トレー上に配置される請求項33記載の装置。
【請求項37】
装置は、さらに、
ジンバル付き放射線源ヘッド・アセンブリを有する放射線治療送出装置、および
前記コリメータ自動交換装置および前記ジンバル付き放射線源ヘッド・アセンブリに連結されたリニア・アクセラレータを備え、
前記コリメータ自動交換装置は、
前記リニア・アクセラレータに連結されたコリメータ・ハウジング、および
前記一以上のコリメータの一つのコリメータを前記コリメータ・ハウジング中に固定するように構成された一次保持機構を備え、
前記コリメータ・ハウジング、前記一次保持機構、および、前記リニア・アクセラレータは、前記一以上のコリメータを自動的に交換するように構成される請求項1記載の装置。
【請求項38】
前記一次保持機構は、ロック・ピン、ナット、およびコリメータ・カラーの少なくとも一つを備える請求項35記載の装置。
【請求項39】
放射線治療システム中に第一のコリメータを供給し、また
前記放射線治療システム中の前記第一のコリメータを自動的に交換する方法。
【請求項40】
前記第一のコリメータを自動的に交換することは、
工具トレーの第一のキー付き空洞中で前記第一のコリメータの係合を外すことを含み、また、
前記第一のキー付き空洞は空であり、また、前記第一のコリメータを収容するように構成され、また、
前記第一のキー付き空洞は、前記放射線治療システムのリニア・アクセラレータの届く範囲内にある請求項39記載の方法。
【請求項41】
方法は、さらに、
前記工具トレーの一以上の追加のキー付き空洞中に一以上の追加のコリメータを供給し、また、
前記一以上の追加のキー付き空洞は、前記一以上の追加のコリメータを収容するよう構成され、また、
前記工具トレーの前記一以上の追加のコリメータは、前記放射線治療システムのリニア・アクセラレータの届く範囲内にある請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記リニア・アクセラレータは、コリメータ・ハウジングに連結され、
前記第一のコリメータは、前記コリメータ・ハウジングに取り外し自在に連結された第一のコリメータ・カラーを有し、また
前記第一のコリメータの係合を外すことは、
前記第一のコリメータの前記第一のコリメータ・カラーを前記第一のキー付き空洞中に配置すること、および、
前記リニア・アクセラレータを回して前記コリメータ・ハウジングを前記第一のコリメータ・カラーとの係合から外し、前記第一のコリメータ・カラーを前記第一のキー付き空洞と係合させることからなる請求項40記載の方法。
【請求項43】
前記第一のコリメータの係合を外すことは、さらに
前記リニア・アクセラレータを前記工具トレーの前記第一のキー付き空洞から回収すること、および
前記第一のコリメータ・カラーを前記工具トレーの前記第一のキー付き空洞に残すことからなる請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記第一のコリメータを自動的に交換することは、さらに
前記工具トレーの第二のキー付き空洞からの第二のコリメータを係合させることからなる請求項40記載の方法。
【請求項45】
前記リニア・アクセラレータは、コリメータ・ハウジングに連結され、
前記第二のコリメータは、前記コリメータ・ハウジングに取り外し自在に連結されるようら構成された第二のコリメータ・カラーを有し、また
前記第二のコリメータを係合させることは、
前記リニア・アクセラレータを、前記第二のコリメータを収容した前記工具トレーの前記第二のキー付き空洞に向けて移動させること、および
前記第二のコリメータ・カラーを前記コリメータ・ハウジングと係合させることからなる請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記第二のコリメータ・カラーを係合させることは、前記リニア・アクセラレータを回して該第二のコリメータ・カラーを前記コリメータ・ハウジングに固定することからなる請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記第一のコリメータの係合を外すことは、さらに、
前記リニア・アクセラレータを前記工具トレーの前記第二のキー付き空洞から回収すること、および
前記工具トレーの該第二のキー付き空洞中の前記第二のコリメータ・カラーを取り除くことからなる請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記第二のコリメータ・カラーを係合させることは、
前記コリメータ・ハウジングのロック・ピンを前記第二のキー付き空洞の誘導機構と係合させることからなり、
前記誘導機構は、前記ロック・ピンを作動させて、前記第二のコリメータを前記工具トレーの前記第二のキー付き空洞から外すためのランプ(傾斜部)を備える請求項45記載の方法。
【請求項49】
前記コリメータ・ハウジングに連結された前記ロック・ピンは、前記第二のコリメータ・カラーを係合させるときには前記誘導機構とは係合していない請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記第一のコリメータを自動的に交換することは、工具交換装置を用いて一つの工具トレーの一つの第一のキー付き空洞中の前記第一のコリメータの係合を外すことからなり、
前記第一のキー付き空洞は、空であり、
該第一のキー付き空洞は、前記第一のコリメータを収容するように構成され、また、
該第一のキー付き空洞は、前記放射線治療システムの一つのリニア・アクセラレータの届く範囲内にある請求項39記載の方法。
【請求項51】
前記工具交換装置は、前記リニア・アクセラレータに取り外し自在に連結されており、また、
該工具交換装置を用いて前記第一のコリメータの係合を外すことは、
該工具交換装置を前記第一のキー付き空洞の上方に配置すること、および
該工具交換装置を作動させて、前記第一のコリメータを前記コリメータ・ハウジングから外し、前記第一のキー付き空洞に入れることからなる請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記第一のコリメータを自動的に交換することは、さらに、前記工具交換装置を用いて、前記工具トレーの第二のキー付き空洞からの第二のコリメータを係合させることからなる請求項50記載の方法。
【請求項53】
前記工具交換装置を用いて前記第二のコリメータを係合させることは、
該工具交換装置を、該第二のコリメータを収容した第二のキー付き空洞へ移動させること、および
該工具交換装置を作動させて、前記第二のキー付き空洞から該第二のコリメータを取り上げ、該第二のコリメータを前記コリメータ・ハウジングに取り付けることからなる請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記工具交換装置は、空気圧式工具交換装置である請求項50記載の方法。
【請求項55】
前記工具交換装置は、能動的要素を有し、また
前記能動的要素は、前記ロボット・アーム上に配置される請求項50記載の方法。
【請求項56】
前記工具交換装置は、能動的要素を有し、また
前記能動的要素は、リニア・アクセラレータ上に配置される請求項50記載の方法。
【請求項57】
前記工具交換装置は、能動的要素を有し、また
前記能動的要素は、前記工具トレー上に配置される請求項50記載の方法。
【請求項58】
放射線治療システムのコリメータ、および
前記放射線治療システムの前記コリメータを自動的に交換するための手段を備える装置。
【請求項59】
装置は、さらに
第一のコリメータの係合を外してコリメータ・ハウジングから第一のハウジングへ入れるための手段、および
第二のハウジングからの第二のコリメータを前記コリメータ・ハウジングへ自動的に係合させるための手段を備える請求項58記載の装置。
【請求項60】
装置は、さらに
前記コリメータを前記コリメータ・ハウジング中に固定させるための手段を備える請求項59記載の装置。
【請求項61】
装置は、さらに
前記放射線治療システムの放射線治療装置、および
前記コリメータを前記放射線治療装置へ連結するための手段を備える請求項58記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2010−508965(P2010−508965A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536231(P2009−536231)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/021653
【国際公開番号】WO2008/063303
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(505172824)アキュレイ インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】