説明

コンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法

【課題】簡易に精度よく、コンクリートの乾燥収縮ひずみを予測することができる方法を提供する。
【解決手段】粗骨材の乾燥収縮ひずみおよび/またはヤング率を用いて、該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出するコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法を提供する。また、粗骨材のヤング率を用いて、下記の(1)式から該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出するコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法等も提供する。
εc=A×Eg+B ……(1)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、Egは粗骨材のヤング率(kN/mm)を表す。また、Aは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は14.0、堆積岩以外の場合は5.3であり、Bは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は−1700、堆積岩以外の場合は−1035である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粗骨材の乾燥収縮ひずみおよび/またはヤング率を用いて、コンクリートの乾燥収縮ひずみを予測する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは、引張強度が低いため、乾燥収縮等の収縮によりひび割れ(収縮ひび割れ)が発生することがある。このひび割れは、コンクリート造建築物の美観を損なうとともに、コンクリートの水密性・気密性の低下や鉄筋の腐食などの、建築物の耐久性低下の原因ともなっている。
したがって、コンクリートの耐久性を確保するためには、収縮ひび割れを制御することが必要となる。
【0003】
収縮ひび割れの制御は、古くから取り組まれてきた重要なテーマであるが、平成11年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」等が公布されて以来、コンクリートの収縮ひび割れについて、社会的関心が高まってきた。この法律には、建築物の工事が完了し引渡した後、RC造建築物については少なくとも2年間、住宅については10年に亘り、瑕疵担保責任が定められており、瑕疵の判断基準のひとつとしてひび割れ幅が挙げられている。
【0004】
ところで、収縮ひび割れは、通常、コンクリートの収縮ひずみが大きくなるほどその発生リスクが高まる。したがって、コンクリートを製造しようとする場合には、ひび割れ抑制手段を講じるために、コンクリートの収縮ひずみを事前に把握する必要がある。
【0005】
コンクリートの収縮にはさまざまなものがあるが、主たる要因のひとつとして、乾燥による収縮がある。従来、乾燥下での収縮ひずみは、コンクリートの供試体を作製し、この収縮量を一定期間に亘って実測して求めていた。一般には、JIS A 1129−1〜3「モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法」および附属書A(参考)「モルタル及びコンクリートの乾燥による自由収縮ひずみ試験方法」に準じて、工事に用いようとしている配合に従い、100×100×400mmの角柱供試体を作製し、7日間20℃で水中養生した後、所定の温度(20±2℃)および湿度(60±5%)の環境下に置き、乾燥期間が6か月における供試体の収縮ひずみを求めていた。なお、本発明では、この収縮ひずみを、乾燥収縮ひずみと定義する。
【0006】
しかし、この方法では、工事に用いようとしているコンクリートが、目標とする乾燥収縮ひずみを満足するか否か判明するまで、6か月もの長期間を必要とし、コンクリートの品質管理に時間がかかることが課題となっていた。
【0007】
そこで、この問題に対処するために、コンクリートの乾燥収縮ひずみを、前記JIS等の試験手段に依らず、推測しうる予測式が、種々提案されている。
例えば、非特許文献1では、コンクリートの体積、外気に接する表面積、体積表面積比、相対湿度等のパラメータを含む式に、セメント等の種類の影響を表す修正係数を含む式を乗じてなる下記の予測式(以下「日本建築学会式」という。)が提案されている(182頁)。
【0008】
【数1】

【0009】
また、非特許文献2では、前記式と同様のパラメータを含む下記の予測式(以下「土木学会式」という。)が提案されている(46頁)。
【0010】
【数2】

【0011】
しかし、いずれの予測式も、コンクリートの構成材料である粗骨材等の材料特性が、ほとんど考慮されていないことなどから、これらの予測式の予測精度は十分とはいえず(非特許文献1の185頁の付図2.4と、後掲する図7を参照)、予測精度の面で改善が求められていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】「鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説」、日本建築学会編、2006年2月発行
【非特許文献2】「2007年制定コンクリート標準示方書[設計編]」、土木学会編、2008年3月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、簡易に精度よく、コンクリートの乾燥収縮ひずみを予測することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)コンクリートの構成材料の一つである粗骨材の、乾燥収縮ひずみおよびヤング率(ヤング係数)は、コンクリートの乾燥収縮ひずみと高い相関があること、そして、
(2)粗骨材の乾燥収縮ひずみおよび/またはヤング率のみを説明変数とし、コンクリートの乾燥収縮ひずみを目的変数として、回帰分析を行ったところ、決定係数(相関係数)が極めて高い回帰式(予測式)が得られたこと、さらに、
(3)この式は、単に粗骨材の乾燥収縮ひずみおよび/またはヤング率を代入するだけで、一般に乾燥収縮の判断基準となる乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみを精度よく予測できること、
等を見出し、本発明を完成した。
【0015】
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供する。
[1]粗骨材の乾燥収縮ひずみおよび/またはヤング率を用いて、該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出することを特徴とするコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
【0016】
[2]粗骨材のヤング率を用いて、下記の(1)式から該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出する前記[1]に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
εc=A×Eg+B ……(1)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、Egは粗骨材のヤング率(kN/mm)を表す。また、Aは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は14.0、堆積岩以外の場合は5.3であり、Bは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は−1700、堆積岩以外の場合は−1035である。)
【0017】
[3]粗骨材の乾燥収縮ひずみを用いて、下記の(2)式から該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出する前記[1]に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
εc=C×εg+D ……(2)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、εgは粗骨材の乾燥収縮ひずみ(×10−6)を表す。また、Cは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は0.9、堆積岩以外の場合は0.8であり、Dは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は−520、堆積岩以外の場合は−563である。)
【0018】
[4]粗骨材の乾燥収縮ひずみおよびヤング率を用いて、下記の(3)式から該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出する前記[1]に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
εc=0.7εg+4.3Eg−878 ……(3)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、εgは粗骨材の乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、Egは粗骨材のヤング率(kN/mm)を表す。)
【0019】
[5]岩種が堆積岩である粗骨材の乾燥収縮ひずみおよびヤング率を用いて、下記の(4)式から該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出する前記[1]に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
εc=0.6εg+6.1Eg−1007 ……(4)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、εgは粗骨材の乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、Egは粗骨材のヤング率(kN/mm)を表す。)
【0020】
[6]前記粗骨材の絶乾密度が1.5g/cm以上である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明の予測方法によれば、簡易に精度よく、コンクリートの乾燥収縮ひずみを予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】粗骨材の乾燥収縮ひずみの経時変化を示す模式図である。
【図2】粗骨材の縦ひずみと応力との関係を示す模式図であって、最大荷重の1/3以下の応力と縦ひずみとの関係を示す模式図である。
【図3】コンクリートの乾燥収縮ひずみの実測値と、本発明に係る予測式((1)式)を用いて算出した予測値との関係を示す図である。
【図4】コンクリートの乾燥収縮ひずみの実測値と、本発明に係る予測式((2)式)を用いて算出した予測値との関係を示す図である。
【図5】コンクリートの乾燥収縮ひずみの実測値と、本発明に係る予測式((3)式)を用いて算出した予測値との関係を示す図である。
【図6】コンクリートの乾燥収縮ひずみの実測値と、本発明に係る予測式((4)式)を用いて算出した予測値との関係を示す図である。
【図7】コンクリートの乾燥収縮ひずみの実測値と、日本建築学会式および土木学会式を用いて算出した予測値との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、上述したとおり、粗骨材の乾燥収縮ひずみおよび/またはヤング率を用いて、該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出する、コンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法である。以下に、本発明について詳細に説明する。
【0024】
[粗骨材]
本発明の予測方法の対象となるコンクリートに含まれる粗骨材の種類は、特に限定されない。該粗骨材としては、例えば、玄武岩、安山岩、流紋岩、斑レイ岩、石灰石、硬質砂岩、粘板岩、砂岩、花崗岩、角閃岩、凝灰岩および砂利等から選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられる。かかる粗骨材は、天然骨材でも再生骨材でもよい。なお、これらの粗骨材のうち、石灰石、硬質砂岩、粘板岩および凝灰岩は、堆積岩に包含される。
また、前記粗骨材の絶乾密度は、1.5g/cm以上が好ましく、2.0g/cm以上がより好ましく、2.5g/cm以上が更に好ましい。該値が1.5g/cm未満では、予測精度は低下する傾向にある。
【0025】
[粗骨材の乾燥収縮ひずみ]
粗骨材の乾燥収縮ひずみの測定方法は、以下のとおりである。
(1)粗骨材(15〜20mm程度の骨材粒)の一面を、研磨機(例えば、グラインダーやサンドペーパー)で研磨して滑面(平面)にした後、該滑面にひずみゲージ(例えば、検長2mm。東京測器研究所製 FLA−2)を貼り付ける。
(2)該貼り付け部の防水処理を行なった後、該防水処理を行った粗骨材を20±2℃の水中に7日間浸漬する。
(3)7日経過した後に粗骨材を取り出して、該粗骨材を温度20±3℃、相対湿度60±5%の室内に、12日間静置して乾燥させる。
(4)前記12日間における粗骨材のひずみの変化量を、粗骨材の乾燥収縮ひずみとする(図1参照)。
【0026】
[粗骨材のヤング率]
粗骨材のヤング率の測定方法は、以下のとおりである。
(1)粗骨材の原石から、直径32mm、長さ64mmのコアを抜き取った後、該粗骨材に圧縮載荷し、ひずみゲージ(例えば、検長30mm。東京測器研究所製 PFL−30)を用いて該粗骨材の縦ひずみを測定して、応力―縦ひずみ曲線を求める。
(2)前記応力―縦ひずみ曲線から、最大荷重の1/3に相当する応力と、縦ひずみが50×10−6の時の応力とを結ぶ線分の勾配(ヤング率)を求める(図2参照)。
【0027】
[本発明の予測方法の対象となるコンクリートの構成材料]
本発明の予測方法の対象となるコンクリートにおいて、使用可能なセメントは、特に限定されず、ポルトランドセメント、混合セメントおよびエコセメント等が挙げられる。また、前記使用可能な細骨材は、天然砂、砕砂、珪砂および再生砂等が挙げられる。また、前記使用可能な混和材(剤)は、収縮低減剤や膨張材を除く、減水剤、AE剤、フライアッシュ、高炉スラグ、石灰石微粉末等が挙げられる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
1.使用した粗骨材
使用した粗骨材は、玄武岩、安山岩、流紋岩、斑レイ岩、石灰石、硬質砂岩、粘板岩および砂利である。これらのうち、石灰石、硬質砂岩および粘板岩は、堆積岩に包含される。
これらの粗骨材の吸水率と絶乾密度を表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
2.各種粗骨材の乾燥収縮ひずみの測定
表1の粗骨材の端部を、グラインダーとサンドペーパーを用いて研磨して滑面にした後、該滑面にひずみゲージ(検長2mm。東京測器研究所製 FLA−2)を貼り付けた。
次に、該貼り付け部をブチルゴム系のコーティング剤で防水処理を行なった後、該粗骨材を20℃の水中に7日間浸漬した。次に、この浸漬した粗骨材を取り出し、該粗骨材を温度20℃、相対湿度60%の室内に、12日間静置して乾燥させた。そして、該期間における粗骨材のひずみを測定し、粗骨材の乾燥収縮ひずみを求めた。その結果を表3に示す。
【0032】
3.各種粗骨材のヤング率の測定
表1の粗骨材の原石から、直径32mm、長さ64mmのコアを抜き取って、粗骨材の供試体を作製した。次に、該供試体を載荷試験機に載置して圧縮載荷し、ひずみゲージ(検長30mm。東京測器研究所製 PFL−30)を用いて該粗骨材の縦ひずみを測定し、応力―縦ひずみ曲線を求めた。
次に、前記応力―縦ひずみ曲線から、最大荷重の1/3に相当する応力と、縦ひずみ50×10−6時の応力とを結ぶ線分の勾配(ヤング率)を求めた。その結果を表3に示す。
【0033】
4.各種粗骨材を用いたコンクリートの乾燥収縮ひずみの測定
該測定は、本発明に係る予測式の予測精度の確認に必要な実測値を得るため、JIS A 1129−2(コンタクトゲージ方法)および附属書A(参考)に準じて行った。
すなわち、表2に示す配合のコンクリートの供試体(100×100×400mm)を作製した後、該供試体を材齢7日まで、20℃の水中に浸漬して養生を行った。この養生後、引き続き、供試体を温度20℃、相対湿度60%の室内に、乾燥期間26週まで静置して乾燥させた。この乾燥させた供試体は、JIS A 1129−2(コンタクトゲージ方法)に準じて、長さ変化(乾燥収縮ひずみ)を測定した。その結果を表3に示す。
なお、表2のコンクリートの空気量は、3〜6%の範囲にあった。また、これらの材齢28日の圧縮強度は、31.7〜63.8N/mmであった。
【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
5.コンクリートの乾燥収縮ひずみの予測
表3に示す乾燥収縮ひずみの実測値と、本発明に係る予測式から算出した予測値との相関関係を、図3〜図6に示す。また、該実測値と、日本建築学会式および土木学会式を用いて算出した予測値との関係を、図7に示す。
【0037】
(1)式による予測値を掲載した図3や、(2)式による予測値を掲載した図4に示すように、特に、粗骨材の岩種が堆積岩の場合に、該粗骨材のヤング率や乾燥収縮ひずみを、それぞれパラメータとする(1)式や(2)式は、決定係数(R)が、それぞれ0.8407と0.8982であり、乾燥収縮ひずみを、精度よく予測することができる。
また、(3)式による予測値を掲載した図5に示すように、粗骨材の乾燥収縮ひずみおよびヤング率をパラメータとする(3)式は、決定係数が0.8921であり、粗骨材の種類に依らず、乾燥収縮ひずみを精度よく予測することができる。
【0038】
さらに、(4)式による予測値を掲載した図6に示すように、粗骨材の岩種が堆積岩の場合に、該粗骨材の乾燥収縮ひずみおよびヤング率をパラメータとする(4)式は、決定係数が0.9410であり、乾燥収縮ひずみを、極めて精度よく予測することができる。
これらに対し、図7に示すように、日本建築学会式や土木学会式では、決定係数が、それぞれ0.3227と6×10−5であり、実測値と予測値の相関は低い。
したがって、本発明の予測方法は、日本建築学会式等を用いた予測方法と比べ、予測精度が格段に高いといえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗骨材の乾燥収縮ひずみおよび/またはヤング率を用いて、該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出することを特徴とするコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
【請求項2】
粗骨材のヤング率を用いて、下記の(1)式から該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出する請求項1に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
εc=A×Eg+B ……(1)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、Egは粗骨材のヤング率(kN/mm)を表す。また、Aは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は14.0、堆積岩以外の場合は5.3であり、Bは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は−1700、堆積岩以外の場合は−1035である。)
【請求項3】
粗骨材の乾燥収縮ひずみを用いて、下記の(2)式から該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出する請求項1に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
εc=C×εg+D ……(2)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、εgは粗骨材の乾燥収縮ひずみ(×10−6)を表す。また、Cは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は0.9、堆積岩以外の場合は0.8であり、Dは、粗骨材の岩種が堆積岩の場合は−520、堆積岩以外の場合は−563である。)
【請求項4】
粗骨材の乾燥収縮ひずみおよびヤング率を用いて、下記の(3)式から該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出する請求項1に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
εc=0.7εg+4.3Eg−878 ……(3)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、εgは粗骨材の乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、Egは粗骨材のヤング率(kN/mm)を表す。)
【請求項5】
岩種が堆積岩である粗骨材の乾燥収縮ひずみおよびヤング率を用いて、下記の(4)式から該粗骨材を含むコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値を算出する請求項1に記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
εc=0.6εg+6.1Eg−1007 ……(4)
(式中、εcは乾燥期間26週におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、εgは粗骨材の乾燥収縮ひずみ(×10−6)を、Egは粗骨材のヤング率(kN/mm)を表す。)
【請求項6】
前記粗骨材の絶乾密度が1.5g/cm以上である請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−103057(P2012−103057A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250389(P2010−250389)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)