説明

コンクリート用無撤去急速固化仮枠

【課題】建設用仮枠は木製や金属製であった。建設作業量や建設期間の短縮が商業上や地域環境上で必要である事が最近の話題であった。また、木製であれば環境保護資源である材木の伐採。そして、金属製であれば、大量の熱源が必要となる。世界的環境保護と相俟って、異常気象など回避実現が叫ばれているなか、解決しなければならない事が建設界にも要求されている。
【解決手段】廃棄物としての廃材利用を成し、建設界のリサイクルの一環として発明したもので、撤去の必要が無く、しかも建築基準法上の建築強度計算に採用できる部材として、更に、工期短縮を大幅に実現できる。無撤去、高度吸水型の建設用(仮)枠を考え、環境、建設効率、リサイクルの総合解決の手段としてのコンクリート構造物の建設用枠として開発した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート用無撤去急速固化仮枠に関するものであり、コンクリートの固化速度の改善と建築強度計算参入部材として採用される為の無撤去利用と廃棄物の利用も可能な仮枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築仮枠はコンクリートの固化後に撤去しており、膨大な作業費が掛かっていた。また、固化までの時間が72〜150時間であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
撤去作業が建築工事全体の3〜5%を占め、固化までの取り合い時間や雨天による影響が著しく、建築期間のブレを生み出す最も影響の多い部門であった。また、仮枠部材は木製や金属製であり、生産に於ける資源やエネルギー問題は環境問題からも問題視されていた。
【課題を解決しようとする手段】
【0004】
この課題を解決する為の請求項1の発明は、廃棄コンクリート片や廃棄破砕石などを原料に成型したブロック板による吸水特性を生かした、主に建築用仮枠を目的に、建築強度の採用部材として無撤去処理が可能にした作業費削減、省力化を実現するを手段とした。
【0005】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明で製造される吸水仮枠の原料を廃棄コンクリートや石材業界が困窮する破砕残石廃棄物などの利用を可能にした製法を手段とした
【0006】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明で製造された吸水仮枠の建築工事施工に関して、建築基準法に適合する強度計算上の参入部材として採用される為の無撤去使用法を手段とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、低コスト大量製造が可能で、しかも、建築手法の大幅な改善が実行出来る事は、作業工程の各段の短縮と作業費の低減に繋がる。また、当吸水仮枠自体の生産においても、廃棄物利用が出来る事の環境問題改善に対する大きなメリットが存在する。200m/m厚の基礎に於いては75%の時間短縮が確認出来、構造や現場状況での誤差があったとしても10%程度の時間誤差に止どめる事が実証された。また、無撤去による作業費と作業時間の短縮は、建築費の激減をも実現出来るのである。更に、吸水仮枠の製造における原料として廃棄コンクリートを初めとする廃材が利用出来る事による総体的メリットは計り知れないものがあり、建築基準法の強度計算上の軽量ブロック種としての採用部材としても成立される事から、作業費、工期の短縮、廃材利用などを貴軸に、複数の大きな効果として更に期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、請求項1から請求項2を示すもので、金属製形に流し込む軽量、重量ブロックを製造する方法と同じ手法で廃材とポルトランドセメントを7〜9重量%使用で簡単に製造できる。
【0009】
この時の固化時間は軽量ブロックよりも早く、これは廃棄コンクリートのアルカリ反応進捗が原因で、廃棄コンクリートの使用が思わぬ最適さを合致しており、特段の製法的問題は無い。
【0010】
使用する廃棄コンクリ−ト等の粒度は5〜25m/mが良く、これは、従来の軽量ブロックよりも多く、外面に凹凸を持たせる事を設定している。
【0011】
図2は、実際の建築施工例を掲げたもので、一般枠と同様に保持パイプとホームタイを使用し作業する。
【0012】
この時、吸水仮枠の厚みが25〜50m/m程度に薄くても、投入コンクリートの水分を急速に吸収する為、枠自体の保持強度が従来よりも軽減され、保持金具の増加は必要ない。
【0013】
この無撤去仮枠は従来どおりのコンクリート投入速度で施工できる為、作業技術も特別に無く、現場施工が簡単であり、保持材の撤去も即実施出来る。
【0014】
無撤去を可能にし、しかも、建築強度に計算されるのであるから、土中基礎であれば固化時に即、埋め戻しが可能である。
【0015】
また、壁面に使用した時も基礎部と同様の特性があり、更に、中空構造のブロック形態は、保温断熱効果や遮音効果がある事、また、化粧タイルの張り付き特性が大きい為、使用の形態として、土中基礎以外の一般壁面施工に使用する価値が大きい。
【産業上の利用可能性】
【0016】
木造建築、軽量重量鉄骨、RC、SRCなど各種建築手法に使用でき、一般建築や要壁、橋梁など広範囲に及ぶ利用が可能である。
【0017】
一般建設には、壁面に応用出来る為、防音効果や断熱効果も期待でき、使用する範囲として、住居、工場などへの利用が特性を生かした利用法となる。
【0018】
また、表面の凹凸形状は、外壁の化粧タイル張りを成す場合の張り付き強度向上に導き、落下事故の防止にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 請求項1から請求項2の断面姿図である。
【0020】
【図2】 請求項3の施工例である。
【符号の説明】
1 廃棄コンクリート片、廃棄石材などである。
2 製造用形枠である。
3 当該発明品(無撤去吸水仮枠)である。
4 保持パイプである。
5 保持用ホームタイ等である。
6 建築用構造鉄筋である(一例)
7 生コンクリートである。
8 割ぐり等の基礎材である。
9 捨てコン等の基礎材である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート基礎、壁面などの建築工事に於ける吸水制仮枠部材使用に於ける短期間固化を成す為の仮枠の構造と製造法
【請求項2】
請求項1の仮枠製造に関する、廃棄コンクリートの使用に関する手法
【請求項3】
請求項1の仮枠使用に関する建築基準法に基づく強度計算上に参入部材として付加される無撤去使用に関する利点

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−91883(P2009−91883A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290153(P2007−290153)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(507368836)