説明

コンクリート用遅延剤及びその製造方法

【課題】化学合成に係る手間や当該化学合成のための設備に係るコストを有効に削減し得るコンクリート用遅延剤、並びに当該コンクリート用遅延剤の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るコンクリート用遅延剤Xの製造方法は、有機不純物yを含む土砂たる山砂Yとアルカリ性溶液1とを接触させることにより有機不純物y中に存在する有機遅延物質yaをアルカリ性溶液1中に抽出する有機遅延物質抽出工程S1を少なくとも有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート材料に添加することによりセメントの硬化を遅延させるコンクリート用遅延剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート用の遅延剤が提案されている。当該遅延剤は、例えばセメントコンクリート材料に、遅延剤を所要の量を添加することによって、硬化までの時間を遅延させることによって、施工条件に応じた作業時間を確保するために用いられるものである。
【0003】
遅延剤はその殆どが、主に化学合成された有機化合物を主体としたものである。そして当該有機化合物の組成や組み合わせを種々検討することによって、作業性を好適に確保し得るものが開発され、開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−262718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような遅延剤はどのようなものにおいても、製造に際しては化合物の合成に係る種々の工程を経ることとなる。そして、化合物の合成には格別の設備が必要となる。そのため、このような化学合成を行うための種々の工程に費やされる費用や化合物の合成に必要とされる設備に費やされる費用は、遅延剤の生産コストに含まれることとなる。
【0005】
本発明は、このような点に着目したものであり、化学合成に係る手間や当該化学合成のための設備に係るコストを有効に削減し得るコンクリート用遅延剤、並びに当該コンクリート用遅延剤の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係るコンクリート用遅延剤の製造方法は、有機不純物を含む土砂とアルカリ性溶液とを接触させることにより前記有機不純物中に存在する有機遅延物質を前記アルカリ性溶液中に抽出する有機遅延物質抽出工程を少なくとも有することを特徴とするものである。
【0007】
ここで、特に山砂等の土砂に含まれる有機不純物にはコンクリートの硬化を遅延させることができる有機遅延物質が存在している事が知られており、当該有機遅延物質は、フミン酸を主体としている。フミン酸は、土壌や若い地質年代の堆積物に含まれており、分子量が数百〜数千または数万と言われ、分子構造は明らかになっていないが、タンパク質の分解生成物と炭化水素等の結合によって生成された高分子化合物であるといわれている。
【0008】
このようなものであれば、従来のように化学合成に係る種々の工程を経ることや化学合成のための格別の設備の利用を有効に回避して化学合成並びに設備に係るコストの招来を有効に可否し得るものとなる。そうすることにより、安価にコンクリート用遅延剤を製造することが可能である。さらに、山砂などの土砂に含まれる有機不純物中に通常存在する有機遅延物質を有効に利用することができる。
【0009】
有機遅延物質を好適に抽出するためには、アルカリ性溶液を、pH10〜14の水酸化ナトリウム水溶液とすることが望ましい。
【0010】
有機遅延物質抽出工程により前記有機遅延物質を抽出した抽出液を扱いやすい態様とするためには、抽出液を中和する中和工程をさらに設けることが望ましい。さらに、斯かるコンクリート用遅延剤を、均一な品質で製造するためには、前記抽出液を濃縮又は希釈する濃度調節工程をさらに設けることが望ましい。
【0011】
そして、斯かるコンクリート用遅延剤を固形状のものとして使用しやすいものとするためには、前記抽出液を多孔質材料に接触させて前記有機遅延物質を前記多孔質材料に吸着させる有機遅延物質吸着工程をさらに設けることが望ましい。
【0012】
そして前記多孔質材料として、活性炭又はケイ酸カルシウム水和物を採用すれば、有効に有機遅延物質を吸着させることができる。
【0013】
ここで、ケイ酸カルシウム水和物粉末としては公知の合成ケイ酸カルシウム水和物及び天然ケイ酸カルシウム水和物から選ばれる少なくとも1種の粉末を用いることができる。合成ケイ酸カルシウム水和物としては、例えば石灰原料とケイ酸原料とから水熱反応により得られたゾノトライト、トバモライト、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブタンライト、ローゼンハナイト、トラスコタイト、リエライト、カルシオコンドロダイト、アフィライト、準結晶質ケイ酸カルシウム水和物(C−S−Hn)等が挙げられる。
【0014】
ここで多孔質材料としては、BET比表面積値30m2/g以上のものを用いる必要があり、好ましくはBET比表面積値60m2/g以上のものを用いる。
【0015】
多孔質材料のBET比表面積値30m2/g以上とすることより粒子表面よりも粒子の空隙中に有機不純物を吸着させることができ、60m2/g以上のものとすることにより、更に多くの有機不純物を吸着させることが可能である。
【0016】
なお、本発明におけるBET比表面積は、窒素ガスの吸着量に基づいて求めたBET法による比表面積値を意味する。
【0017】
そして、本発明に係るコンクリート用遅延剤は、上述したコンクリート用遅延剤の製造方法によって製造されたものであることを特徴としている。
【0018】
すなわち、本発明に係る遅延剤は、土砂に含まれる有機不純物中に存在する有機遅延物質を少なくとも具備することを特徴している。
【0019】
このようなものであれば、化学合成のための種々の工程に係るコストや化学合成のための格別の設備に係るコストの招来を有効に可否して、安価に製造することができるコンクリート用遅延剤を提供することが可能である。さらに、山砂に含まれる有機不純物中に通常存在する有機遅延物質を有効に利用することができる。
【0020】
そして、液剤として好適に使用しうるものとするためには、有機遅延物質を溶解させ得る液体をさらに具備していることが望ましい。
【0021】
例えば粉剤といった固形状の態様として、扱いやすいものとするためには、有機遅延物質を吸着させ得る多孔質材料をさらに具備していることが望ましい。そして多孔質材料としては、上述の通り、活性炭又はケイ酸カルシウム水和物を採用することが望ましい。
【0022】
そして、前記土砂として山砂を採用したものとすれば、上述のフミン酸といった有機遅延物質を簡便に利用し得るものとなるのみならず、自然界に豊富に存在する山砂を有効に利用することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、化学合成のための種々の工程に係るコストや化学合成のための格別の設備に係るコストの招来を有効に可否して、安価に製造することができるコンクリート用遅延剤を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
本実施形態に係るコンクリート用遅延剤の製造方法における一連の工程を図1、図2及び図3に模式的に示す。
【0026】
ここで、本実施形態に係るコンクリート用遅延剤(以下、遅延剤と記す)Xの製造方法は、有機不純物yを含む土砂たる山砂Yとアルカリ性溶液1とを接触させることにより有機不純物y中に存在する有機遅延物質yaをアルカリ性溶液1中に抽出する有機遅延物質抽出工程S1を少なくとも有することを特徴としている。
【0027】
以下、製造方法における一連の工程について説明する。
【0028】
当該製造方法は、上述の有機遅延物質抽出工程S1と、中和工程S2と、濃度調節工程S3とを有している。また、遅延剤Xとして固形状遅延剤X2を製造する場合には、有機遅延物質吸着工程S4と乾燥工程S5とをさらに有しているものである。
【0029】
有機遅延物質抽出工程S1は、図1に示すように、有機不純物yの判定試験で有害となる山砂Yの重量に対して2倍の重量を有するアルカリ性溶液1、具体的には1N水酸化ナトリウム水溶液に6時間浸漬する浸漬手順S11と、浸漬手順S11の後に山砂Yを濾過する山砂濾過手順S12とを含んでいる。そして当該山砂濾過手順S12を経た後の濾液を抽出液1yとしてその後の各工程に供するものである。なお当該アルカリ性溶液1は1N水酸化ナトリウム水溶液に限られるものではなく、pH10〜14の水酸化ナトリウム水溶液や、他のアルカリ性を示す化合物の水溶液としても良い。
【0030】
ここで、山砂Yに含まれる有機不純物yにはコンクリートの硬化を遅延させることができる有機遅延物質yaが存在している事が知られており、当該有機遅延物質yaは、フミン酸を主体としている。フミン酸は、土壌や若い地質年代の堆積物に含まれており、分子量が数百〜数千または数万と言われ、分子構造は明らかになっていないが、タンパク質の分解生成物と炭化水素等の結合によって生成された高分子化合物であるといわれている。なお、1回の有機遅延物質抽出工程S1によって得た抽出液1yにおける有機不純物yのTOC(全有機体炭素)濃度は360ppmであった。
【0031】
中和工程S2は、図2に示すように、有機遅延物質抽出工程S1により有機遅延物質yaを抽出した抽出液1yを中和する濾液を、本実施形態では酸性を呈する液体である1N塩酸HClで中和することによって、中性を呈する中性抽出液1nyとする工程である。ここで当該中和工程S2に際しては、1N塩酸HClを用いる態様に限定されるものではなく、他の種々の酸性を呈する化合物を採用することができる。また中性抽出液1nyは正確に中性を呈する態様に限定されるものではない。例えば、以後の各工程において安全に取り扱いうるpHを呈し得るものとすればよい。
【0032】
濃度調節工程S3は、図2に示すように、中和工程S2によって中和した中性抽出液1nyを、本実施形態では有機遅延物質yaを含む有機不純物yのTOC濃度が50000ppm、或いは50000ppm以上になるまで濃縮することにより濃縮抽出液100nyとする濃縮手順S31と、当該濃縮手順S31を行う際に再結晶によって析出する塩化ナトリウムNaClを濾過により取り除く塩化ナトリウム除去手順S32とを含んでいる。ここで濃縮手順S31に係る具体的な手法は、既存の種々の手法を採用することができる。また、濃縮手順S31及び塩化ナトリウム除去手順S32とは別に、例えば有機不純物yのTOC濃度が所定濃度である50000ppmを超えてしまった場合には、必要に応じて水Whを加えることによって濃縮抽出液100nyを希釈する希釈手順S33を加えることにより、本実施形態では50000ppmへとTOC濃度を調節すればよい。
【0033】
このように、中性抽出液1nyを濃度調節工程S3によって有機遅延物質yaを含む有機不純物yのTOC濃度を50000ppmに調節した水溶液が本実施形態に係る液状遅延剤X1となる。言い換えれば、液状遅延剤X1は、有機遅延物質yaを含む有機不純物yと、上述した所定の濃度となる所定量の液体10nとを具備しているものとなっている。
【0034】
しかして本実施形態では、図3に示すように、有機遅延物質抽出工程S1を経た抽出液1yを多孔質材料Tに接触させることにより有機遅延物質yaを多孔質材料Tに吸着させる有機遅延物質吸着工程S4をさらに有するものとしている。
【0035】
有機遅延物質吸着工程S4は具体的には、多孔質材料Tを抽出液1y中に投入・撹拌して有機遅延物質yaを吸着させる吸着手順S41と、当該吸着手順S41により有機遅延物質yaを吸着させた多孔質物質を例えば濾過により取り出す取出手順S42とを含むものである。なお取出手順S42によって多孔質材料Tを取り出した後の濾液はそのまま、或いはpHを再調整することによって、アルカリ性溶液1として再度使用することが可能である。
【0036】
ここで多孔質材料Tとしては、本実施形態においてBET比表面積値30m2/g以上という特性を示す活性炭及びケイ酸カルシウム水和物を含むものとしている。また多孔質材料Tの種類としては有機遅延物質yaを好適に吸着し得るものであれば特に限定されることはないが、多孔質材料Tに十分量の有機遅延物質yaを吸着・保持させるために、BET比表面積値30m2/g以上のものとしている。なお有機遅延物質yaの吸着量をさらに増すために、BET比表面積値60m2/g以上のものを用いてもよい。また、ケイ酸カルシウム水和物粉末としては公知の合成ケイ酸カルシウム水和物及び天然ケイ酸カルシウム水和物から選ばれる少なくとも1種の粉末を用いることができる。合成ケイ酸カルシウム水和物としては、例えば石灰原料とケイ酸原料とから水熱反応により得られたゾノトライト、トバモライト、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブタンライト、ローゼンハナイト、トラスコタイト、リエライト、カルシオコンドロダイト、アフィライト、準結晶質ケイ酸カルシウム水和物(C−S−Hn)等が挙げられる。
【0037】
そして乾燥工程S5は、図3に示すように、有機遅延物質吸着工程S4を経ることにより有機遅延物質yaを吸着させた多孔質材料Tを、例えば天日によって乾燥させる工程である。ここで多孔質材料Tを乾燥させる方法は天日に限定されることはなく、加熱による方法や、専用の乾燥機或いは別異の乾燥機を流用しても良い。
【0038】
このようにして製造された固形状遅延剤X2は、図4に示すように、本実施形態では多孔質材料Tとして採用しているため、有機遅延物質yaはケイ酸カルシウム水和物の表面並びに粒子表面に形成された孔tに有効に有機遅延物質yaを保持し得るものとなっている。
【0039】
以上のように、本実施形態係るコンクリート用遅延剤Xの製造方法は、有機遅延物質yaをアルカリ性溶液1中に抽出する有機遅延物質抽出工程S1を少なくとも有することを特徴としているので、山砂Yに含まれる有機不純物y中に通常存在する有機遅延物質yaを有効に利用することができるとともに、化学合成に係る手間や設備に関するコストを含むことなく当該有機遅延物質yaから安価にコンクリート用遅延剤Xを製造し得るものとなっている。そして、アルカリ性溶液1として、pH10〜14の水酸化ナトリウム水溶液、具体的には1N水酸化ナトリウム水溶液を用いることによって、有機遅延物質yaを好適に抽出し得るものとなっている。さらに抽出液1yを中和する中和工程S2により、抽出液1yを作業者が扱いやすい態様である中性抽出液1nyとして、その後の工程が行いやすいものとなっている。加えて、濃度調節工程S3を経ることにより、斯かるコンクリート用遅延剤Xを、均一な品質の液状遅延剤X1として製造することができる。
【0040】
一方、有機遅延物質yaを前記多孔質材料Tに吸着させる有機遅延物質吸着工程S4によって、現場において扱いやすい例えば粒状・粉状といった固形状遅延剤X2を好適に製造することが可能にしている。そして具体的には多孔質材料Tを活性炭又はケイ酸カルシウム水和物を含むものとし、好適に有機遅延物質yaを吸着させ得るものとしている。詳細には、これら多孔質材料TのBET比表面積を、30m2/g以上とすることにより、多孔質材料Tに有効な量の有機遅延物質yaを吸着させるものとなっている。
【0041】
このように、本実施形態に係るコンクリート用遅延剤Xたる液状遅延剤X1並びに固形状遅延剤X2は、それぞれ上述の各工程を経て製造されるものであるが、その何れもが、土砂に含まれる有機不純物y中に存在する有機遅延物質yaを少なくとも具備することを特徴としている。
【0042】
液状遅延剤X1は、本実施形態では50000ppmのTOC濃度を呈する有機不純物yを、液体10n中に保持させた状態とすることにより一定の濃度で有機遅延物質が保持された状態となっているため、液状遅延剤X1の添加量の調節により正確に有機遅延物質yaの添加量を調整することができるものとなっている。
【0043】
固形状遅延剤X2は有機遅延物質yaとともに、多孔質材料Tをさらに具備することによって粒状或いは粉状といった固形状の態様をなしているため、運搬、施用の面で有利に扱いやすいものとなっている。
【0044】
そして、有機不純物yを含む土砂として山砂Yを採用することにより、自然界に豊富に存在する山砂Yを有効に利用することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0046】
例えば上記実施形態では多孔質材料をアルカリ性を呈する抽出液に対して導入したが、例えば中性抽出液や濃縮抽出液、或いは液状遅延剤に対して多孔質材料を導入することによって固形状遅延剤を製造してもよい。上述の有機遅延物質抽出工程は有機遅延物質を確実に抽出するために複数回繰り返し行うもので有っても良い。また多孔質材料を用いる有機遅延物質吸着工程に至っても、抽出液へ繰り返し導入するものとしても良い。
【0047】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンクリート用遅延剤の製造方法を示す説明図。
【図2】同上。
【図3】同上。
【図4】同実施形態に係る固形状遅延剤の構成を示す説明図。
【符号の説明】
【0049】
1…アルカリ性溶液
10n…液体
S1…有機遅延物質抽出工程
S2…中和工程
S3…濃度調節工程
S4…有機遅延物質吸着工程。
【0050】
Y…土砂、山砂(山砂)
T…多孔質材料
X…コンクリート用遅延剤(遅延剤)
X1…コンクリート用遅延剤(液状遅延剤)
X2…コンクリート用遅延剤(固形状遅延剤)
y…有機不純物
ya…有機遅延物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機不純物を含む土砂とアルカリ性溶液とを接触させることにより前記有機不純物中に存在する有機遅延物質を前記アルカリ性溶液中に抽出する有機遅延物質抽出工程を少なくとも有することを特徴とするコンクリート用遅延剤の製造方法。
【請求項2】
前記アルカリ性溶液を、pH10〜14の水酸化ナトリウム水溶液としている請求項1記載のコンクリート用遅延剤の製造方法。
【請求項3】
前記有機遅延物質抽出工程により前記有機遅延物質を抽出した抽出液を中和する中和工程をさらに有するものとしている請求項1又は2記載のコンクリート用遅延剤の製造方法。
【請求項4】
前記有機遅延物質抽出工程により前記有機遅延物質を抽出した抽出液を濃縮又は希釈する濃度調節工程をさらに有するものとしている請求項1、2又は3記載のコンクリート用遅延剤の製造方法。
【請求項5】
前記有機遅延物質抽出工程により前記有機遅延物質を抽出した抽出液を多孔質材料に接触させて前記有機遅延物質を前記多孔質材料に吸着させる有機遅延物質吸着工程をさらに有するものとしている請求項1、2、3又は4記載のコンクリート用遅延剤の製造方法。
【請求項6】
前記多孔質材料を、活性炭又はケイ酸カルシウム水和物を含むものとしている請求項5記載のコンクリート用遅延剤の製造方法。
【請求項7】
前記多孔質材料のBET比表面積を、30m2/g以上としている請求項5又は6記載のコンクリート用遅延剤の製造方法。
【請求項8】
前記土砂を、山砂としている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のコンクリート用遅延剤の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載のコンクリート用遅延剤の製造方法によって製造されたことを特徴とするコンクリート用遅延剤。
【請求項10】
土砂に含まれる有機不純物中に存在する有機遅延物質を少なくとも具備することを特徴とするコンクリート用遅延剤。
【請求項11】
前記土砂を、山砂としている請求項10記載のコンクリート用遅延剤。
【請求項12】
前記有機遅延物質を溶解させ得る液体をさらに具備している請求項10又は11記載のコンクリート用遅延剤。
【請求項13】
前記有機遅延物質を吸着させ得る多孔質材料をさらに具備している請求項10又は11記載のコンクリート用遅延剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−1559(P2008−1559A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172814(P2006−172814)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)