説明

コンタクトポイント・ナビゲーション・システム及びその方法又はその方法を記録した記録媒体及びその方法を伝送する伝送媒体

ブランド情報を生活者へ紹介しうるあらゆる機会を考慮した、広告効果の高い生活者接点の選択及び該接点への予算配分に関するナビゲーションを行うシステムの提供が求められている。本発明は、商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズを設定し、ターゲットへの接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定し、コンタクトポイントポテンシャル指数、コンタクトポイント別接触率指数及びコンタクトポンイトと気分の親和性指数等に基づいて算出されるフェーズ毎のコンタクトポイントパワーに基づいて、広告効果の高いコンタクトポンイトをフェーズ毎に選択することにより、これを実現する方法又はシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、コミュニケーション対象(ブランド)と生活者との最適なコンタクトポイントのナビゲーション方法及びそのシステム、並びにその方法を記録した記録媒体及びその方法を伝送する伝送媒体に関する。
ここで、「コンタクトポイントナビゲーション」には、コンタクトポイントの選択・決定に留まらず、選択・決定された各コンタクトポイントへのコミュニケーション予算(広告予算)の配分、さらには、ビークルの選択・決定及びその各ビークルへのコミュニケーション予算(広告予算)の配分も含まれる。
【背景技術】
これまでの広告枠選択は、広告代理店側の担当者の経験に負うところがほとんどで、こうした作業のほとんどは手作業にて行われてきた。しかしながら、近年、広告媒体自体の多様化が進んでいる上、それぞれの広告媒体のうちどのビークルに対して出稿すべきかの選択作業は、複雑を極めている。
こうした状況を反映して、広告代理店側の担当者の作業負担を緩和すべく、さまざま広告枠選択支援ツールが既に提案されている。例えば、特開2002−24525号公報には、複数の広告媒体に亘って横断的に広告枠を選択するためのシステムであって、消費者と各広告媒体との接触確率データに基づいて、広告媒体種毎に獲得費用の範囲内で順次広告枠を選択し、接触確率のトータルを広告枠の獲得費用で除した値が最大となるようにした、広告枠選択方法及びそのシステムが提案されている。
この特開2002−24525号公報に例示される広告枠選択手法は、いわば、消費者への到達効率を最優先した到達優先型の広告枠選択法ということができる。なるほど、広告の消費者への到達回数が増大すれば、間接的に特定のブランドについての相応の広告効果も向上することが期待できると考えられる。
一方、広告主側は、こうした到達優先型の広告枠選択法によって享受できる間接的な広告効果に飽きたらず、確実な広告効果が期待できる広告枠選択を指向する傾向が強い。
このため、広告代理店側は、広告主に対して、単に多くの視聴者に広告を視聴させる広告枠選択プランでなく、より広告効果が上がる広告枠選択プランを提示する必要がある。さらには、広告主に対する説得材料として、広告効果の裏付けとなるデータについても用意しておく必要がある。
【発明の開示】
しかしながら、前記特許文献1に例示される広告枠選択手法は、広告枠選択を実質的に接触確率に基づいて決定する構成となっているため、到達効率が最大になるように獲得費用を各広告枠に分配しているとはいえるものの、到達効率が最大であることと広告効果が最大であることとは必ずしも一致することではないため、こうした広告枠選択が本当に最も広告効果が期待できるものであるという保障を欠いている。
すなわち、ある広告が同様に消費者まで到達したとしても、広告の受け手である消費者個々に及ぼす広告効果は、その時々の消費者個々のおかれている状況や気分よって、大幅に変化することは経験の教えるとおりであって、広告効果を測る上で、接触確率は一つの重要な指標となるものの、それだけで単純に測れるものではない。
しかも、特開2002−24525号公報に例示される広告枠選択手法は、基本的には、広告媒体種単位で選択が行われており、最終段階で、総予算の範囲に収まるように、広告媒体種間の費用配分を微調整するものであるので、同一広告媒体種内での広告枠選択は、獲得費用当たりの接触確率は最大となるといえるものの、広告枠の選択が複数の広告媒体種に跨る場合には、獲得費用当たりの接触確率が最大であるという保障もない。
例えば、TVにおける視聴率とラジオの聴取率とでは、単純に比較できないように、選択基準とする接触確率自体が広告媒体毎にスケールの異なるものであることから、異なる広告媒体種における個々の広告ビークルの広告効果を、接触確率をもって同等に比較することができない。
したがって、特許文献1に例示された広告枠選択手法は、広告代理店担当者にとって、それ自体非常に有用なツールであったものの、広告効果優先型の広告枠選択が求められるこれからの時代にあっては、広告主が十分満足できる広告枠を選択できるか否かは、誠に心許ない。
まず、本発明者らは、広告が消費者個々に到達する際の「時間」、「場所」、「場面」、「気分」という4つの要因により、広告効果が影響を受けると分析した。そして、接触確率にこれら4つの要因の影響を加味した指標があれば、広告効果を評価する上で相当正確な指標となりえ、少なくとも、特開2002−24525号公報に例示される到達効率優先型の広告枠選択手法に比べ、より高い水準で広告主の要望に答えることができると考えた。
また、本発明者らは、広告が消費者個々に到達する「時間」、「場所」、「場面」、「気分」の如何によっては、いわゆるマスメディア型の広告媒体に遜色ない広告効果が上がる広告機会は十分有りうると考え、従来の広告媒体の概念に捉われない、幅広い顧客である生活者とブランドとの接触機会を積極的に考慮するために、「コンタクトポイント」という概念を導入した。
すなわち、この「コンタクトポイント」とは、いわゆるマスメディアといった広告媒体のみならず、店舗や携帯電話からの情報といった、生活者に広告対象であるブランドを紹介しうるあらゆる広告機会を含む概念である。
本発明は、こうした前提の下に、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、次の技術的事項により特定されるものである。
本発明(1)は、少なくとも演算機能と入出力機能を有し、生活者総合データベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、ブランドが属する商品種に応じたフェーズを設定するステップと、前記生活者総合データベースよりターゲットの生活者属性に該当する生活者を抽出するステップと、該抽出された生活者個々が属するフェーズを判定するステップと、該抽出された生活者への接触に適した時間帯をフェーズ毎に設定するステップと、各フェーズに属する前記生活者への情報伝達に適しかつ前記時間帯に前記生活者により多く接触しうるコンタクトポイントをフェーズ毎に少なくとも1つ以上選択するステップと、フェーズ毎に選択されたコンタクトポイントを出力するステップとを少なくとも実行させ、広告効果の高いコンタクトポイントに関するナビゲーションを行うことを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(2)は、生活者総合データベースと、商品情報データベースと、少なくとも演算機能と入出力機能を有しこれらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、少なくとも以下のステップを実行させ、広告効果の高いコンタクトポイントに関するナビゲーションを行うことを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
ブランドが属する商品種を入力するステップ、
ターゲットの生活者属性を入力するステップ、
前記商品情報データベースを用いて、前記商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズを設定するステップ、
前記生活者総合データベースから、前記生活者属性に該当する生活者を選択し、前記ブランドへの関与度に関する情報を少なくとも含む、該生活者にかかる情報を収集し対象母集団化するステップ、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するステップ、
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップ、
該各対象母集団における、コンタクトポイントポテンシャル指数、コンタクトポイント別接触率指数及びコンタクトポンイトと気分の親和性指数のうちの何れか1つ又はそれらの組み合わせに基づいて、フェーズ毎のコンタクトポイントパワーを算出するステップ、
該コンタクトポイントパワーの大きさの順に、コンタクトポンイトをフェーズ毎に少なくとも一つ以上選択するステップ、
フェーズ毎に選択されたコンタクトポイントを出力するステップ。
本発明(3)は、生活者総合データベースと、商品情報データベースと、少なくとも演算機能と入出力機能を有しこれらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、少なくとも以下のステップを実行させ、広告効果の高いコンタクトポイントに関するナビゲーションを行うことを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
ブランドが属する商品種を入力するステップ、
ターゲットの生活者属性を入力するステップ、
前記商品情報データベースを用いて、該商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズを設定するステップ、
前記生活者総合データベースから、前記生活者属性に該当する生活者を選択し、前記ブランドへの関与度に関する情報を少なくとも含む、該生活者にかかる情報を収集し対象母集団化するステップ、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するステップ、
該対象母集団への接触に適した時間帯(t、t)をフェーズ毎に決定するステップ、
各コンタクトポンイントについて、フェーズ毎のコンタクトポイントポテンシャルCP−Potential(p)を前記対象母集団データベースから入手するステップ、
各コンタクトポイントにいて、前記時間帯毎の行為者率指数(MCR(t))を前記対象母集団データベースから入手するステップ、
各コンタクトポイントについて、前記時間帯毎の気分親和性指数(MAI(t))を前記対象母集団データベースから入手するステップ、
各コンタクトポンイトについて、対象母集団に対する、フェーズ毎のコンタクトポイントパワーCP−Power(p)を、式(I)によりそれぞれ算出するステップ、
該コンタクトポイントパワーCP−Power(p)の大きさ順に、各フェーズに適したコンタクトポイントを少なくとも一つ以上選択するステップ、
フェーズ毎に選択されたコンタクトポイントを出力するステップ。

本発明(4)は、コミュニケーション予算を入力するステップ、
該各対象母集団における、フェーズ別の生活者数に応じて、前記コミュニケーション予算を各フェーズに配分するステップ、
前記フェーズに配分された予算を、前記選択された各コンタクトポイントに対し、そのコンタクトポイントパワーの値に応じて配分するステップ、
選択されたコンタクトポイントに配分する予算を出力するステップ、
をさらに含むことを特徴とする、本発明(2)又は(3)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(5)は、生活者総合データベースと、商品情報データベースと、少なくとも演算機能と入出力機能を有しこれらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、少なくとも以下のステップを実行させることを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
ブランドが属する商品種を入力するステップ、
ターゲットの生活者属性を入力するステップ、
コミュニケーション予算額を入力するステップ、
前記商品情報データベースを用いて、該商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズ区分を設定するステップ、
前記生活者総合データベースから、前記生活者属性に該当する生活者を選択し、前記ブランドへの関与度に関する情報を少なくとも含む、該生活者にかかる情報を収集し対象母集団化するステップ、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するステップ、
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップ、
該ターゲットとして収集された生活者のフェーズ毎の合計数に応じて、該コミュニケーション予算額を各フェーズに分配するステップ、
該フェーズ毎に分配された予算額に応じて、フェーズ毎のコンタクトポイント個数を決定するステップ、
該対象母集団における、コンタクトポイントポテンシャル指数、前記時間帯中の平均のコンタクトポイント別接触率指数、前記時間帯中の平均のコンタクトポンイトと気分の親和性指数の各指数をコンタクトポイント毎に算出するステップ、
該指数毎に、その値の大きさ順にコンタクトポイントのランキングを決定するステップ、
該決定されたランキングの上位に位置するコンタクトポイントから順に前記コンタクトポイント個数だけコンタクトポイントを、指数毎に選択するステップ、
全ての指数又は複数の指数に亘って選択されたコンタクトポイントのみを最終選択するステップ、
フェーズ毎に最終選択されたコンタクトポイントを出力するステップ。
本発明(6)は、生活者総合データベースと、商品情報データベースと、少なくとも演算機能と入出力機能を有しこれらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、少なくとも以下のステップを実行させることを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
ブランドが属する商品種を入力するステップ、
ターゲットの生活者属性を入力するステップ、
コミュニケーション予算額を入力するステップと、
前記商品情報データベースを用いて、該商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズ区分を設定するステップ、
前記生活者総合データベースから、前記生活者属性に該当する生活者を選択し、前記ブランドへの関与度に関する情報を少なくとも含む、該生活者にかかる情報を収集し対象母集団化するステップ、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するステップ、
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップ、
前記フェーズ毎の生活者数が前記対象母集団の生活者総数に占める比率に応じて、該コミュニケーション予算額を各フェーズへ分配するステップと、
該フェーズ毎に分配された予算額に応じて、フェーズ毎のコンタクトポイントの最終選択個数を決定するとともに、該最終選択個数に至るような一次絞込個数と二次絞込個数を設定するステップ、
該対象母集団における、コンタクトポイントポテンシャル指数、前記対象母集団に適した時間帯中の平均のコンタクトポイント別接触率指数、前記対象母集団に適した時間帯中の平均のコンタクトポンイトと気分の親和性指数の各指数をコンタクトポイント毎に算出するステップ、
該指数のうちの何れか1種を用いて、その指数の値が上位のコンタクトポイントから順にコンタクトポイントを前記一次個数選択するステップ、
前記一次絞込に用いられた指数以外の指数の何れか1種を用いて、一次絞込後のコンタクトポイントのうち、該指数の値が上位のコンタクトポイントから順にコンタクトポイントを前記二次絞込個数選択するステップ、
前記一次及び二次絞込に用いられた指数以外の指数を用いて、二次絞込後のコンタクトポイントのうち、該指数の値が上位のコンタクトポイントから順にコンタクトポイントを前記選択個数分選択するステップ、
フェーズ毎に選択されたコンタクトポイントを出力するステップ。
本発明(7)は、前記フェーズに配分された予算を、前記選択された各コンタクトポイントに対し、均等に配分するステップと、選択されたコンタクトポイントに配分する予算額を出力するステップとをさらに実行させることを特徴とする、本発明(4)〜(6)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(8)は、前記各コンタクトポイントに配分された予算の範囲内で、接触率指数(CR)順に前記選択されたコンタクトポイントにかかるビークルを一つ以上選択するステップ、
をさらに実行させることを特徴とする、本発明(4)又は(7)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(9)は、該選択されたコンタクトポイントにかかるビークルのうち前記接触率指数(CR)が閾値以上であるビークルに対して、その接触率指数の合計値に占める各接触率指数の割合に応じて、前記各コンタクトポイントに配分された予算を配分するステップ、
該各ビークルに配分された予算額を出力するステップ、
をさらに実行させることを特徴とする、本発明(4)又は(7)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(10)は、前記気分親和性指数MAI(t)は、前記対象母集団に関する気分類型別のシェア(share(t,m))と、メディアと気分(mode)の親和性指数(affinity(m))とに基づいて、以下の式(II)により、親和性指数の加重平均値を導出したものであることを特徴とする、本発明(2)〜(9)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。

本発明(11)は、前記コンタクトポイントポテンシャル(CP−Potential(p))は、前記対象母集団データベースから、各フェーズにおける商品情報認知手段としての各メディアの貢献度に関する情報を収集、集計することにより、決定するものであることを特徴とする、本発明(2)〜(10)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(12)は、前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップとは、
前記対象母集団に属する生活者が、該フェーズに応じた情報を受け取りうる状態にある人の比率が所定の閾値以上の時間帯を、前記対象母集団への接触に適した時間帯としてフェーズ毎に判定するものであることを特徴とする、本発明(2)〜(11)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(13)は、前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップとは、
前記対象母集団に属する生活者が、該フェーズに応じた情報を受け取りうる状態にある人の比率が所定の閾値以上の時間帯をフェーズ毎に表示するステップと、該表示された時間帯のうちから、フェーズ毎に任意に1つ以上の時間帯を選択して入力するステップを少なくとも含むことを特徴とする、本発明(2)〜(11)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(14)は、前記コミュニケーション予算額は、キャンペーン期間全期に亘る総コミュニケーション予算額を、複数の計画期間に分割した場合の各計画期間に分配する計画期間毎のコミュニケーション予算額であって、
該コミュニケーション予算額の前記フェーズ毎への配分は、当該計画期間がキャンペーン期間の初期に位置するほど、購買プロセスの前期フェーズの配分予算額を大きく、購買サイクルの後期フェーズの配分予算額を小さくし、一方、キャンペーン期間の終期に位置するほど、購買サイクルの前期フェーズの配分予算額を小さく、購買サイクルの後期フェーズの配分予算額を大きくなるように、各フェーズへの配分予算額が決定されるものであることを特徴とする、本発明(2)〜(13)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(15)は、前記コミュニケーション予算額は、キャンペーン期間全期に亘る総コミュニケーション予算額を、複数の計画期間に分割した場合の各計画期間に分配する計画期間毎のコミュニケーション予算額であって、
該各コミュニケーション予算額は、各計画期間中のフェーズ毎の前記生活者属性に該当する生活者数が、各計画期間中のフェーズ毎の前記生活者属性に該当する生活者数を全計画期間及び全フェーズに亘って合計した生活者数に占める割合に応じて、前記総コミュニケーション予算額分配し、前記購買プロセスの各フェーズに亘って集計したものであることを特徴とする、本発明(2)〜(13)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(16)は、前記コミュニケーション予算額は、キャンペーン期間全期に亘る総コミュニケーション予算額を、複数の計画期間に分割した場合の各計画期間に分配する計画期間毎のコミュニケーション予算額であって、
該各コミュニケーション予算額は、前記生活者属性に該当する生活者数の年中推移統計に基づいて、対応する計画期間における生活者数を推定し、その推定生活者数の全計画期間に亘っての推定生活者数の合計に占める割合に応じて、前記総コミュニケーション予算額を分配したものであることを特徴とする、本発明(2)〜(13)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法。
本発明(17)は、本発明(1)〜(16)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法をコンピュータにより読み取り可能に記録した記録媒体。
本発明(18)は、本発明(1)〜(16)の何れか1発明のコンタクトポイントナビゲーション方法をコンピュータにより実行可能に伝送する伝送媒体。
また、本発明(19)〜(33)は、本発明(2)〜(16)のコンタクトポイントナビゲーション方法にそれぞれ相当するコンタクトポイントナビゲーションシステムに関する発明である。
ここで、「生活者」とは、一般消費者と同義であるが、現実に、物品乃至サービスを消費しているか否かを問わない、普通人の総称である。
「ブランド」とは、消費を希望する物品乃至サービスについて、提供元や性能等を区別しうる単位として、その物品乃至サービスに付された名称(銘柄)である。
「メディア」とは、商品やサービスに関する情報を生活者に紹介する際の、情報伝達を媒介するものの総称である。本発明では、TV、ラジオ、新聞等のいわゆるマスメディアに限定されない。
「ビークル」とは、同一種類のメディア内で、媒体銘柄差によって区別を要する場合に、それら個々の銘柄についての総称である。(例えば、TVにおけるA局/aチャンネル、B局/bチャンネル等、新聞における、C紙、D紙等)
「コミュニケーション」とは、広告、宣伝、情報提供等、生活者に対して、自社ブランドを紹介する行為の総称である。
「コンタクトポイント」とは、ブランドを顧客である生活者に紹介しうる機会の総称であって、「マスメディア」に限定されず、またブランドを顧客に対して露出させるだけで、直接的な広告、宣伝活動をしない場合も含まれる。
「購買プロセス」とは、生活者が物品乃至サービスを消費するに当たって、当該物品乃至サービスのブランドを認知してから、購買等の意思決定を行うまでの一連の意識の流れを類型化したものである。物品やサービスによっては、リピータとなるに至るまでの経過を類型化する場合もある。「ブランド認知期」、「ブランド選好期」、「決定期」、「リテンション期」に大別できる。
「フェーズ」とは、前記購買プロセスにおける意識の高まりの程度を段階に区分した場合の各段階のことで、通常の商品乃至サービスの場合には、その商品種やブランドを認知する日常的な段階、商品種を購入する必要があるか否か、各ブランド間の優劣等について、主体的に検討する段階、実際に購入するか否かの判断を下す段階、さらには、一旦購入した後に、リピータとして再購入に動機を与えうるブランド等の記憶が保持されている段階がある。
「ブランドへの関与度」とは、生活者に対するSD法(semantic differentialmethod)に代表される測定手法によって調査される、生活者個々とブランドとの関係についての数量的な尺度のことである。場合によっては、ブランドの利用頻度、購入頻度、消費頻度等の指標によって、代替することもできる。この指標は、広告キャンペーンの進展に伴い、ブランドに対する意識の高まりを反映し、経時的に変動する指標である。
「商品種」とは、前記「購買プロセス」と密接に関連する事項で、通常は「耐久消費財型」か「日用品型」かに大別され、該商品種の標準的な購入頻度に応じて、消費者のフェーズ別人口比率が共通する傾向を備える商品又はサービスの種類についての類型である。
「ナビゲーション」とは、生活者にブランドに関する情報を効果的に伝達するに適したコンタクトポイントの選択、ビークルの決定、コミュニケーション予算の配分など、広告、宣伝活動の支援情報を提供することである。
「生活者総合データベース」とは、少なくとも、世相を判断するに十分な数の無作為抽出して選択された生活者について、各種情報へどういった媒体を通じて、どのくらいの量、接触しているかについてのデータと、何時どういった気分で生活しているかについてのデータ、さらに、どういった商品種に対して、どの程度の消費を行っているかについてのデータを、生活者の属性情報に基づいて検索可能に蓄積しているデータベースである。
「商品情報データベース」とは、商品種と購買プロセスの相関に関する情報と、該購買プロセスとフェーズ設定の相関に関する情報とを検索可能に蓄積し、商品種個々について、該商品種に対応する標準的な購買プロセスを特定でき、さらに該購買プロセス中のフェーズ区分をも特定しうるデータベースである。
「コンタクトポイントポテンシャル指数」とは、各フェーズにおける各メディアの情報源としての影響力を表す指数である。web調査や訪問調査等を通じて、購買プロセス中の各フェーズに該当する生活者個々が、情報源としてどのメディアを利用しているかの状況を集計、指標化したものである。
「コンタクトポイント別接触率指数」とは、時間毎の各コンタクトポイントに対して、生活者が接触(又は行為)している割合に関する指数である。TVにおける視聴率、ラジオにおける聴取率、雑誌等における閲読率等の総称である。
「コンタクトポンイトと気分の親和性指数」とは、各コンタクトポイントと気分の類型(10類型)との相性について調査した結果である。全気分類型の指数をコンタクトポイント毎に合計すると100%になる。
【図面の簡単な説明】
図1 本発明にかかるシステム構成の概略図
図2 商品種毎の購買プロセスについての説明図
図3 本発明にかかるコンタクトポテンシャルについてのランキングの一例を示す図
図4 本発明にかかるコンタクトポイントパワーの算出例を示す図
図5 本発明にかかるコンタクトポイントと気分の親和性指数の算出例を示す図
図6 本発明にかかるコンタクトポイントの選択と該接点への予算配分の一例を示す図
図7 本発明にかかる購買プロセスに応じたフェーズ毎の生活者比率を例示する図
図8 本発明にかかるキャンペーン通期での予算配分の一例を示す図
【符号の説明】
CPU ホストコンピュータ
DB1 生活者総合データベース
DB2 商品情報データベース
T.P.−DB 対象母集団データベース
BL バスライン
Terminal 操作端末
SU1〜SUn サンプルユーザ
【発明を実施するための最良の形態】
図1に本発明にかかるコンタクトポイントナビゲーションシステムの基本的システム構成を示す。ハードウェア構成としては、きわめて単純で、ホストコンピュータ(CPU)は、生活者総合データベース(DB1)、商品情報データベース(DB2)とバスライン(BL)を介して接続しているとともに、入出力機能を備えた端末(Terminal)とも接続している。入出力端末は、LAN等によって、同一構内や場合によっては建物の外部に設置された他の端末とも接続することができる。
また、ホストコンピュータ(CPU)は、インターネット等のネットワークとも接続し、サンプルユーザ(SU)に対するweb調査などを実施し、前記生活者総合データベース(DB1)並びに前記商品情報データベース(DB2)の蓄積情報をリアルタイムで更新できるように構成されていることが望ましい。
さらに、前記生活者総合データベース(DB1)や前記商品情報データベース(DB2)は、多岐にわたる情報を大規模に収集し、その他の目的を含め頻繁に利用されるため、処理効率向上のために、これらのデータベースとは別にコンタクトポイントナビゲーションを行うに必要なデータのみを収集して、新たに対象母集団についてのみのデータベース化(T.P.−DB)が可能に構成されていることが望ましい。
続いて、本発明にかかるコンタクトポイントナビゲーションシステムを用いて、広告効果の高いコンタクトポイント及びその配分予算を決定する過程について説明する。
(ステップ1)
まず、広告対象となるブランドの商品種に基づいて、購買プロセスを決定する。図2にその概略を示す。購買プロセスは、通常の「ブランド認知期」、「ブランド選好期」、「決定期」、「リテンション期」の4つのフェーズが考えられる。すなわち、一般消費者が、広告対象であるブランドを認知するところから始まり、続いて、競合するブランドの中から次第に選り好みが進み、その選ばれたブランドを購入決定し、さらにそうした最新購入日からしばらくの期間は、ブランドが消費者の記憶に留まる期間を経て、元の状態に戻ると考えられる。
しかし現実の多くの商品やサービスの場合、必ずしも4つのフェーズは、明確でなく、しかもこれら4つのフェーズを考慮しても広告効果の点でさして有効でない場合がほとんどである。そこで、本発明では、購買プロセスを1つに体系化せずに、「耐久消費財」型と「日用品」型に大別して、広告対象であるブランドがどちらの購買プロセスに合致するかによって使い分けする方式を採用した。
前者の典型例は自動車であり、後者の典型例はハンバーガーである。すなわち、前者の「耐久消費財型」の商品又はサービスの場合、4つめのフェーズであるリテンション期を考慮することは、最購入前にブランド自体が変更されることが普通であるため広告効果の点から現実的でない。
一方、後者の「日用品型」の商品又はサービスの場合、一々ブランドを相互に比較検討して熟慮をした上で購入することはほとんどなく、現実にはブランド選好期というフェーズを踏むことなく、場当たり的に購入に及ぶ。したがって、コンタクトポイントナビゲーションにおいて、このブランド選好期を考慮に入れるより、リピータの存在を踏まえてリテンション期を考慮することが現実的であろう。
通常、広告キャンペーン計画の立案に先立ち、生活者に対し商品種に対する関与度が調査され、数量化した指標データとして格納されていることから、ブランドの属する商品種を入力するだけで、該商品種についての関与度情報を収集することによって、何れの購買プロセスを踏むかは簡単に判断できる。なお、上述のように商品種を入力する形式に限られず、購買プロセス(及びそのフェーズ区分)自体を手入力によって入力できるように構成することもできる。また、SD法等による指標化された関与度情報が事前に格納されていない場合には、該商品種の購入頻度、利用頻度、消費頻度等のデータによって、該関与度を代替することもできる。
例えば、自動車等の耐久消費財の場合、頻繁に購入するものではなく、また高価であることから、購入決定までにはかなりの熟慮を要する商品である。この場合の購買プロセスを考えると、図2のとおり、「日常期」、「購入検討期」、「購入決定期」の3つのフェーズに分けられる。
ここで、「日常期」にあっては、広告対象であるブランドを認知させ、該ブランドに関心を持たせることが重要となる。一方、「購入検討期」にある者にとっては、消費者個々が購入を前提として、種々のブランドについての情報を収集し、好みのブランドを絞り込むフェーズであるから、ただ漫然と知らせるだけではあまり意味がなく、購入候補を絞り込みに際して必要となるブランドの詳細情報を含め、ブランドの優秀性を印象付けられる広告及びそうした広告を出稿するに適した媒体の選択が必要となる。さらに、「購入決定期」にある者にとっては、展示会や試乗会といった直接現物に触れられる機会の重要性が増大する一方で、専門家意見や値引き情報が掲載される専門誌といった情報源も重要性を増してくることから、こうした広告媒体に集中的に出稿されることが望ましい。
なお、自動車のような耐久消費財の場合、同一個人が、モデルチェンジ前に再購入するといったことは一般的に稀であるため、ブランドの広告、宣伝という観点から、リピータを考慮する必要性は低く、購買プロセスを3つのフェーズに分割した。
一方、ハンバーガーのような「日用品型」の商品やサービスの場合に想定される購買プロセスは、「耐久消費財型」の「日常期」、「購入検討期」、「購入決定期」は混然となり、ブランド認知のための「日常期」と、来店への直接的契機を付与する、購入直近の「購入期」に区分することが現実的であり、さらに、キャンペーン期間中に同一顧客がリピータとして再来店、再購入することも十分に想定されることから、直近購買日からほどない期間は、ブランドの記憶が保持され、一からブランド認知させる必要がない「再購入期」のフェーズを考慮することが重要となる。
以上のとおり、広告対象のブランドの商品種が、「耐久消費財型」であるか「日用品型」に属するかを判定することによって、フェーズの区分けが自動的に選択され、同時にその後の処理のためのワークエリアも確保される。
(ステップ2)
次に、広告主が宣伝を狙う生活者群を生活者総合データベースから選択する。ターゲットの具体的な選択基準としては、例えば、20歳代独身女性。30歳代妻子持ち男性等が考えられる。前記生活者データベースの情報収集項目であれば、この選択基準として採用できる。
この選択基準を入力し、その選択基準に合致した生活者をターゲットとして生活者総合データベースから抽出する。同時、該ターゲットの生活者にかかる情報も収集し、対象母集団データベースとして別途格納する。なお、場合によっては、前記生活者総合データベースより該商品種の購買層の属性を分析抽出し、その購買層の属性に該当する生活者をターゲットとして自動抽出することもできる。
(ステップ3)
続いて、前記フェーズ毎に該商品種に適した広告する「時間帯」(t〜t)を決定する。この時間帯とは、フェーズに応じた情報を提供しうる時間帯のことである。したがって、「日常期」を例にとってみるに、このフェーズに該当する生活者は、特段主体的に商品情報を入手しようとしていないことから、ブランドに関する詳細情報を伝えることはできないものの、該生活者が起床している時間帯であれば、ブランドを認知させる程度のことはできる。そこで、「日常期」の「時間帯」は、ターゲットである生活者の標準的な起床している時間帯(例えば、6時〜24時)が適している。
一方、例えば、「購入検討期」や「購入決定期」又は「購入期」等では、伝達した情報がより詳細となってくるため、ただターゲットとなる生活者が起床していればよいのではなく、かかるフェーズに提供される詳細情報の受け入れが可能な状態の時間帯が選ばれなければならない。例えば、自動車販売の場合、「購入検討期」では、ゆっくりカタログを比較したりすることが想定されるため、平日の夕方や土日といった在宅時間等が広告の「時間帯」として適しており、「購入決定期」では、ディーラ等で店舗毎の値引情報等の情報を受けられることが重要となることから、店舗が開店している「時間帯」等が適している。
ここで、この「時間帯」の選択は、通常、「ターゲット」の選択と並んで広告主の意向に依存する部分であるので、本システムでは、候補となる時間帯をフェーズ毎に出力し、一種の初期値として手動選択する態様に留まる。その候補となる「時間帯」は、ターゲットの生活者属性に合致する生活者群の標準的な生活習慣を統計的に導出し、そのフェーズに応じたレベルの情報を提供しうる時間帯を選択することによってなされる。なお、フルオートで「時間帯」までシステムが自動決定するように構成することも可能である。
ここで、前記標準的な生活習慣を求める際に、ターゲットの生活者属性に合致する生活者群全体に亘って一つの生活習慣を導出するよりも、フェーズ毎に生活者群をさらに細分類して、フェーズ毎に標準的な生活習慣を求めることもできる。
(ステップ4)
続いて、コンタクトポイントの選択の基準となる各種指数をコンタクトポイント別にフェーズ毎に算出する。本システムでは、(i)コンタクトポイントポテンシャル指数、(ii)コンタクトポイント別接触率指数、(iii)コンタクトポイントと気分の親和性指数という3種の組合せにより、コンタクトポイントパワーを算出している。
まず、コンタクトポイントポテンシャルとは、フェーズ毎の情報源としてのパワーを表した指標化したものである。web調査や訪問調査を通じて、あらゆるコンタクトポイントについて、ブランドを認知するに当たっての影響力、すなわち、情報源としての有効性をフェーズ毎に評価し、指数化したものである。図3に一例として、「日用品型」のブランドについてのフェーズ毎のコンタクトポイントポテンシャルの値をランキング表示した。
次に、「コンタクトポイント別接触率指数(MCR(t))」は、時間帯毎に集計された視聴率、聴取率、閲読率、行為者率等の指数であって、各コンタクトポイントを利用できる環境にある者の比率である。図4の上段にTVCM並びにwebの場合の接触率の値をそれぞれ例示した。
さらに、「コンタクトポイントと気分の親和性指数(MAI(t))」も、同様に、図4の上段(なお、図中では「気分(MAI(t))」と記載。)に例示した。この値は、次式(II)のようにして算出される。まず、コンタクトポイントのターゲットとなる生活者群の時間帯毎の気分のスコアが収集される(図5の上段)とともに、コンタクトポイントと気分の親和度ついてのスコアも収集される(図5の下段)。

ここで、生活者の気分(モード)は、一般に10のタイプに類型化されるといわれており、例えば、TVを見ているときの気分は、平均して20%の人々が「楽しい」と感じ、10%の人が「気晴らしになる」と感じている。このように、各コンタクトポイントに接触しているときの気分も、個人差があるので、事前に収集しておく必要がある。
また、この「気分(モード)」は、時間帯によっても変動するものである。例えば、平日の11:00〜11:59という時間帯についていえば、「楽しい」気分の人が25.0%、「何となくやる」という気分の人が22.9%いるということである。
そして、これら両スコアの加重平均(0.25×20+0.229×10+0.188×4+・・・)をとった値が、この「コンタクトポイントと気分の親和性指数(MAI(t))」である(図4の上段)。この親和性指数(MAI(t))と前記コンタクトポイント接触率指数(MCR(t))との積を前記「時間帯」(t〜t)に亘って積分し、さらに前述のコンタクトポイントポテンシャル(CP−potential)との積をとることにより、フェーズ毎のコンタクトポイントパワー(CP−Power)を積算する。具体的な算出式は、次の(I)式のとおりである。

なお、ここでは、できる限り忠実に気分等の要因を考慮するために、コンタクトポイントパワーの算出には式(I)を用いたが、必ずしもこの式に限るものではない。前記の各指数の何れか一つ又はそれ以上を用いて、フェーズ毎の各コンタクトポイントパワーを算出することもできる。こうして得られた、各コンタクトポイントについてのパワーの大きさの順のランキングを図6に示す。
(ステップ5)
次に、得られたコンタクトポイントパワーのランキングに基づいて、有効なコンタクトポイントを選択する。図6では、コミュニケーション予算額が6億円で、各フェーズに均等に予算を分配した場合を例示してある。各フェーズ2億円程度である場合、広告枠の獲得費用単価からみて、3種程度のコンタクトポイントを選択することになる。この例では、ランキングの上位から、「日常期」が「TVCM」と「web」と「TV番組」、「購入期」が「TVCM」と「交通広告」と「web」、「再購入期」が「TVCM」と「web」と「TV番組」が選択される。
ここで、どのコンタクトポイントを選択するかについては、種々の手法が考えうる。各フェーズに配分された予算規模に応じて、2億円以内であれば、3個、5億円以内であれば、6個、10億円以内であれば、9個といった具合に、パワーランキングの順にコンタクトポイントを選択することが、広告枠獲得費用単価を考慮すると現実的で簡便である。また、パワーランキングの上位のコンタクトポイントから、それぞれの獲得費用単価を各フェーズに配分された予算規模から順に控除して、該予算規模に収まる範囲のコンタクトポイントまで選択することも有効である。
一方、各フェーズへの予算の配分も均等配分に限るものではない。例えば、図7のとおり、フェーズに該当する生活者の割合は、比較的簡単に集計できる値である。すなわち、「耐久消費財型」の場合、どのフェーズに属するかは、ブランドの属する商品種の購入予定を、webや訪問によるアンケート調査によって調査すればよい。一方、「日用品型」の場合、例えば、「来店頻度」や「キャンペーン期間中の来店可能性」について事前調査を行えば、図7のように定義することによって、フェーズ毎の生活者数の比率は算定できる。
したがって、各フェーズに属する生活者数の割合(すなわち、人口比率)に応じて、コミュニケーション予算額を配分することが、計画期間が比較的短いときには、キャンペーンの進捗による生活者数の割合の変動が無視できるので、有効となる。そのほか、フェーズ毎にコンタクトポイントパワーの閾値を設定し、その閾値を超えるコンタクトポイントを選択するようにしてもよい。
こうして、図6のように、フェーズ毎のコンタクトポイントが選択される。そして、そのフェーズ単位で、そのパワー指数に比例して、各フェーズに分配された予算額を、各コンタクトポイントに配分する。
(ステップ6)
続いて、選ばれたコンタクトポイントにコミュニケーション予算を配分する。具体的には、それぞれのコンタクトポイントパワー値に応じて、当該計画期間の該フェーズへの配分額(2億円)を比例配分することが現実的である。例えば、「日常期」の「TVCM」は「1.0億円」(=2億円×8500/(8500+4900+3900))、同「web」は、「0.6億円(=2億円×4900/(8500+4900+3900))、そして「TV番組」は、「0.4億円(=2億円×3900/(8500+4900+3900))となる。
(ステップ7)
さらに、こうして選択されたコンタクトポイントについて、具体的なメディアの銘柄、すなわちビークルを選定する。例えば、メディア種として、「交通広告」が選択され、このメディア種に8000万円の予算が配分された場合を例にとると、該「交通広告」についての接触率ランキングは、「1山手線(獲得単価1100万円)、2営団丸の内線(獲得単価400万円)、3営団銀座線(獲得単価400万円)、・・・9西武新宿線(獲得単価400万円)、・・・」であるから、接触率ランキングの高いビークルから、予算額8000万円の範囲内で順に選択していくと、9位の西武新宿線までの9路線がビークルとして選択できる。
ここでは、該コンタクトポイントに配分された予算の範囲内で接触率ランキング順に単純にビークル選択したものであるが、予算額の範囲で接触率の和集合(同一のビークルへの集中出稿を含む。)が最大になるように選択することや、費用対効果を勘案して単位獲得費用当たりの接触率のランキングにより選択することもできる。
(キャンペーン通期での予算配分)
本システムでは、キャンペーン期間をいくつかの期間に区分し、その区分された期間毎にフェーズへの配分額比率を変更するように構成することもできる。ここでは、図8に例示するとおり、全キャンペーン期間を、「ティーザー期」と、「導入期」と、「展開期」の3期に区分した。なお、この期間とは、フェーズとは異なり、絶対的な時間軸に沿ったものであり、3ヶ月のキャンペーンを1月毎に区分するといったことである。
例えば、前述のステップ5〜7で例示した、各フェーズに2億円ずつ均等に配分する場合、キャンペーンの中間期である「導入期」においては、フェーズ毎の生活者数の割合(人口比率)が概ね大差ないことも想定されるので、十分な精度で予算配分が実行できるが、これが、キャンペーン初期の「ティーザー期」にあっては、ブランドの広告を始めたばかりで、消費者にブランドが浸透していないため、再購入させることにたくさん費用を配分することは、効率的でない。
そこで、本システムでは、キャンペーン通期で、フェーズ毎の配分比率を弾力的に変更できるようにした。例えば、「ティーザー期」には、キャンペーンが始まったばかりでは、広告対象であるブランドの認知度が低いことから、ブランド認知のための「日常期」のフェーズに重点的に配分し、ブランド記憶のための「再購入」のためのフェーズには配分しない。一方、「展開期」にあっては、既に多くの消費者の目にブランド広告が触れていると考えられることから、認知のための「日常期」のフェーズに予算は省いて、ブランド記憶の「再購入期」のフェーズに重点的に予算が配分することが望ましい。図8では、予算配分の一例として、「ティーザー期」が「日常期:購入期:再購入期=2:1:0」、「導入期」が「日常期:購入期:再購入期=1:1:1」、「展開期」が「日常期:購入期:再購入期=0:1:2」としたものについての配分予算額を例示した。
このほか、キャンペーン通期の「ティーザー期」〜「導入期」〜「展開期」の各期が暦年中のどの時期に該当するかにより、図7に相当するフェーズ毎の生活者数比率(人口比)は、通年各月の統計を事前に調査しておくことで、把握しておくことができることから、例えば、キャンペーン期間を具体的に指定することで(例えば4月〜6月)、その月々のフェーズ毎の人口比に応じて各月に配分する予算を決定することもできる。
さらには、当初はキャンペーン期間通期の詳細計画を立案することなく、「ティーザー期」のみの立案を行い、広告キャンペーンの成果をリアルタイムで調査集計しながら、その時点のフェーズ毎の人口比率に基づいて、次の計画期間の予算配分を決定していくこともできる。すなわち、逐次的に立案することも可能である。
【産業上の利用可能性】
本発明により、接触率といった単純化された指標でなく、より広告効果を忠実に反映しうる指標を用いて、コンタクトポイントの選択及び該コンタクトポイントへの予算配分が可能となった。
本発明で用いる指標としては、コンタクトポイントパワーや、行為者率、並びに気分との親和性も考慮した指数であることから、時間、場所、場面、気分といった広告効果に影響を及ぼす4つの要因を反映した値となっており、広告効果を十分な精度で評価でき、しかも、コンタクトポイントの選択の上に、その具体的ビークルまで決定できる。
さらに、キャンペーンの通期に亘っての出稿計画を立案することや、実際のキャンペーンの進捗に応じて、出稿計画を弾力的に変化させていくこともできる。
こうした機能を備えていることから、コミュニケーション対象(ブランド)と生活者との最適なコンタクトポイントをナビゲーションするシステムとして有用であり、広告キャンペーンのプランニングに際しての支援ツールとしての利用が期待される。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも演算機能と入出力機能を有し、生活者総合データベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、ブランドが属する商品種に応じたフェーズを設定するステップと、前記生活者総合データベースよりターゲットの生活者属性に該当する生活者を抽出するステップと、該抽出された生活者個々が属するフェーズを判定するステップと、該抽出された生活者への接触に適した時間帯をフェーズ毎に設定するステップと、各フェーズに属する前記生活者への情報伝達に適しかつ前記時間帯に前記生活者により多く接触しうるコンタクトポイントをフェーズ毎に少なくとも1つ以上選択するステップと、フェーズ毎に選択されたコンタクトポイントを出力するステップとを少なくとも実行させ、広告効果の高いコンタクトポイントに関するナビゲーションを行うことを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項2】
生活者総合データベースと、商品情報データベースと、少なくとも演算機能と入出力機能を有しこれらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、少なくとも以下のステップを実行させ、広告効果の高いコンタクトポイントに関するナビゲーションを行うことを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
ブランドが属する商品種を入力するステップ、
ターゲットの生活者属性を入力するステップ、
前記商品情報データベースを用いて、前記商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズを設定するステップ、
前記生活者総合データベースから、前記生活者属性に該当する生活者を選択し、前記ブランドへの関与度に関する情報を少なくとも含む、該生活者にかかる情報を収集し対象母集団化するステップ、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するステップ、
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップ、
該各対象母集団における、コンタクトポイントポテンシャル指数、コンタクトポイント別接触率指数及びコンタクトポンイトと気分の親和性指数のうちの何れか1つ又はそれらの組み合わせに基づいて、フェーズ毎のコンタクトポイントパワーを算出するステップ、
該コンタクトポイントパワーの大きさの順に、コンタクトポンイトをフェーズ毎に少なくとも一つ以上選択するステップ、
フェーズ毎に選択されたコンタクトポイントを出力するステップ。
【請求項3】
生活者総合データベースと、商品情報データベースと、少なくとも演算機能と入出力機能を有しこれらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、少なくとも以下のステップを実行させ、広告効果の高いコンタクトポイントに関するナビゲーションを行うことを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
ブランドが属する商品種を入力するステップ、
ターゲットの生活者属性を入力するステップ、
前記商品情報データベースを用いて、該商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズを設定するステップ、
前記生活者総合データベースから、前記生活者属性に該当する生活者を選択し、前記ブランドへの関与度に関する情報を少なくとも含む、該生活者にかかる情報を収集し対象母集団化するステップ、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するステップ、
該対象母集団への接触に適した時間帯(t、t)をフェーズ毎に決定するステップ、
各コンタクトポンイントについて、フェーズ毎のコンタクトポイントポテンシャルCP−Potential(p)を前記対象母集団データベースから入手するステップ、
各コンタクトポイントにいて、前記時間帯毎の行為者率指数(MCR(t))を前記対象母集団データベースから入手するステップ、
各コンタクトポイントについて、前記時間帯毎の気分親和性指数(MAI(t))を前記対象母集団データベースから入手するステップ、
各コンタクトポンイトについて、対象母集団に対する、フェーズ毎のコンタクトポイントパワーCP−Power(p)を、式(I)によりそれぞれ算出するステップ、
該コンタクトポイントパワーCP−Power(p)の大きさ順に、各フェーズに適したコンタクトポイントを少なくとも一つ以上選択するステップ、
フェーズ毎に選択されたコンタクトポイントを出力するステップ。

【請求項4】
コミュニケーション予算を入力するステップ、
該各対象母集団における、フェーズ別の生活者数に応じて、前記コミュニケーション予算を各フェーズに配分するステップ、
前記フェーズに配分された予算を、前記選択された各コンタクトポイントに対し、そのコンタクトポイントパワーの値に応じて配分するステップ、
選択されたコンタクトポイントに配分する予算を出力するステップ、
をさらに含むことを特徴とする、請求項2又は3の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項5】
生活者総合データベースと、商品情報データベースと、少なくとも演算機能と入出力機能を有しこれらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、少なくとも以下のステップを実行させることを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
ブランドが属する商品種を入力するステップ、
ターゲットの生活者属性を入力するステップ、
コミュニケーション予算額を入力するステップ、
前記商品情報データベースを用いて、該商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズ区分を設定するステップ、
前記生活者総合データベースから、前記生活者属性に該当する生活者を選択し、前記ブランドへの関与度に関する情報を少なくとも含む、該生活者にかかる情報を収集し対象母集団化するステップ、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するステップ、
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップ、
該ターゲットとして収集された生活者のフェーズ毎の合計数に応じて、該コミュニケーション予算額を各フェーズに分配するステップ、
該フェーズ毎に分配された予算額に応じて、フェーズ毎のコンタクトポイント個数を決定するステップ、
該対象母集団における、コンタクトポイントポテンシャル指数、前記時間帯中の平均のコンタクトポイント別接触率指数、前記時間帯中の平均のコンタクトポンイトと気分の親和性指数の各指数をコンタクトポイント毎に算出するステップ、
該指数毎に、その値の大きさ順にコンタクトポイントのランキングを決定するステップ、
該決定されたランキングの上位に位置するコンタクトポイントから順に前記コンタクトポイント個数だけコンタクトポイントを、指数毎に選択するステップ、
全ての指数又は複数の指数に亘って選択されたコンタクトポイントのみを最終選択するステップ、
フェーズ毎に最終選択されたコンタクトポイントを出力するステップ。
【請求項6】
生活者総合データベースと、商品情報データベースと、少なくとも演算機能と入出力機能を有しこれらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータに対し、少なくとも以下のステップを実行させることを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーション方法。
ブランドが属する商品種を入力するステップ、
ターゲットの生活者属性を入力するステップ、
コミュニケーション予算額を入力するステップと、
前記商品情報データベースを用いて、該商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズ区分を設定するステップ、
前記生活者総合データベースから、前記生活者属性に該当する生活者を選択し、前記ブランドへの関与度に関する情報を少なくとも含む、該生活者にかかる情報を収集し対象母集団化するステップ、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するステップ、
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップ、
前記フェーズ毎の生活者数が前記対象母集団の生活者総数に占める比率に応じて、該コミュニケーション予算額を各フェーズへ分配するステップと、
該フェーズ毎に分配された予算額に応じて、フェーズ毎のコンタクトポイントの最終選択個数を決定するとともに、該最終選択個数に至るような一次絞込個数と二次絞込個数を設定するステップ、
該対象母集団における、コンタクトポイントポテンシャル指数、前記対象母集団に適した時間帯中の平均のコンタクトポイント別接触率指数、前記対象母集団に適した時間帯中の平均のコンタクトポンイトと気分の親和性指数の各指数をコンタクトポイント毎に算出するステップ、
該指数のうちの何れか1種を用いて、その指数の値が上位のコンタクトポイントから順にコンタクトポイントを前記一次個数選択するステップ、
前記一次絞込に用いられた指数以外の指数の何れか1種を用いて、一次絞込後のコンタクトポイントのうち、該指数の値が上位のコンタクトポイントから順にコンタクトポイントを前記二次絞込個数選択するステップ、
前記一次及び二次絞込に用いられた指数以外の指数を用いて、二次絞込後のコンタクトポイントのうち、該指数の値が上位のコンタクトポイントから順にコンタクトポイントを前記選択個数分選択するステップ、
フェーズ毎に選択されたコンタクトポイントを出力するステップ。
【請求項7】
前記フェーズに配分された予算を、前記選択された各コンタクトポイントに対し、均等に配分するステップと、選択されたコンタクトポイントに配分する予算額を出力するステップとをさらに実行させることを特徴とする、請求項4〜6の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項8】
前記各コンタクトポイントに配分された予算の範囲内で、接触率指数(CR)順に前記選択されたコンタクトポイントにかかるビークルを一つ以上選択するステップ、
をさらに実行させることを特徴とする、請求項4又は請求項7の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項9】
該選択されたコンタクトポイントにかかるビークルのうち前記接触率指数(CR)が閾値以上であるビークルに対して、その接触率指数の合計値に占める各接触率指数の割合に応じて、前記各コンタクトポイントに配分された予算を配分するステップ、
該各ビークルに配分された予算額を出力するステップ、
をさらに実行させることを特徴とする、請求項4又は請求項7の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項10】
前記気分親和性指数MAI(t)は、前記対象母集団に関する気分類型別のシェア(share(t,m))と、メディアと気分(mode)の親和性指数(affinity(m))とに基づいて、以下の式(II)により、親和性指数の加重平均値を導出したものであることを特徴とする、請求項2〜9の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。

【請求項11】
前記コンタクトポイントポテンシャル(CP−Potential(p))は、前記対象母集団データベースから、各フェーズにおける商品情報認知手段としての各メディアの貢献度に関する情報を収集、集計することにより、決定するものであることを特徴とする、請求項2〜10の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項12】
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップとは、
前記対象母集団に属する生活者が、該フェーズに応じた情報を受け取りうる状態にある人の比率が所定の閾値以上の時間帯を、前記対象母集団への接触に適した時間帯としてフェーズ毎に判定するものであることを特徴とする、請求項2〜11の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項13】
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定するステップとは、
前記対象母集団に属する生活者が、該フェーズに応じた情報を受け取りうる状態にある人の比率が所定の閾値以上の時間帯をフェーズ毎に表示するステップと、該表示された時間帯のうちから、フェーズ毎に任意に1つ以上の時間帯を選択して入力するステップを少なくとも含むことを特徴とする、請求項2〜11の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項14】
前記コミュニケーション予算額は、キャンペーン期間全期に亘る総コミュニケーション予算額を、複数の計画期間に分割した場合の各計画期間に分配する計画期間毎のコミュニケーション予算額であって、
該コミュニケーション予算額の前記フェーズ毎への配分は、当該計画期間がキャンペーン期間の初期に位置するほど、購買プロセスの前期フェーズの配分予算額を大きく、購買サイクルの後期フェーズの配分予算額を小さくし、一方、キャンペーン期間の終期に位置するほど、購買サイクルの前期フェーズの配分予算額を小さく、購買サイクルの後期フェーズの配分予算額を大きくなるように、各フェーズへの配分予算額が決定されるものであることを特徴とする、請求項2〜13の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項15】
前記コミュニケーション予算額は、キャンペーン期間全期に亘る総コミュニケーション予算額を、複数の計画期間に分割した場合の各計画期間に分配する計画期間毎のコミュニケーション予算額であって、
該各コミュニケーション予算額は、各計画期間中のフェーズ毎の前記生活者属性に該当する生活者数が、各計画期間中のフェーズ毎の前記生活者属性に該当する生活者数を全計画期間及び全フェーズに亘って合計した生活者数に占める割合に応じて、前記総コミュニケーション予算額分配し、前記購買プロセスの各フェーズに亘って集計したものであることを特徴とする、請求項2〜13の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項16】
前記コミュニケーション予算額は、キャンペーン期間全期に亘る総コミュニケーション予算額を、複数の計画期間に分割した場合の各計画期間に分配する計画期間毎のコミュニケーション予算額であって、
該各コミュニケーション予算額は、前記生活者属性に該当する生活者数の年中推移統計に基づいて、対応する計画期間における生活者数を推定し、その推定生活者数の全計画期間に亘っての推定生活者数の合計に占める割合に応じて、前記総コミュニケーション予算額を分配したものであることを特徴とする、請求項2〜13の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項17】
請求項1〜16の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法をコンピュータにより読み取り可能に記録した記録媒体。
【請求項18】
請求項1〜16の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法をコンピュータにより実行可能に伝送する伝送媒体。
【請求項19】
生活者に関する情報を検索格納に格納した生活者情報総合データベースと、商品種と購買プロセス及びフェーズ設定との相関を検索可能に格納した商品情報データベースと、これらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータを少なくとも含むコンタクトポイントナビゲーションシステムにおいて、
前記コンピュータは、
ブランドが属する商品種、ターゲットの生活者属性を入力する入力手段、
コンタクトポイントに関するナビゲーション情報を出力する出力手段、
前記商品情報データベースを用いて、前記商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズを設定するフェーズ設定手段、
前記生活者属性に合致する生活者に関する情報を格納し、前記フェーズ毎の処理を可能とする領域を確保するためのワークエリア確保手段、
前記生活者総合データベースより、前記生活者属性に合致する生活者を検索し、少なくともブランドへの関与度に関する情報を含む、該生活者に関する情報を収集、前記ワークエリアに格納する対象母集団データベース化手段、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて、該対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するフェーズ判定手段、
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定する時間帯決定手段、
該対象母集団について、コンタクトポイントポテンシャル指数、前記時間帯中の平均のコンタクトポイント別接触率指数及び前記時間帯中の平均のコンタクトポンイトと気分の親和性指数のうちの何れか1つ又はそれらの組み合わせに基づいて、フェーズ毎のコンタクトポイントパワーを算出するコンタクトポイントパワー算出手段、
該コンタクトポイントパワーの大きさの順に、コンタクトポンイトをフェーズ毎に少なくとも一つ以上選択するコンタクトポイント選択手段、
を少なくとも備え、広告効果の高いコンタクトポイントに関するナビゲーションを行うことを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項20】
生活者に関する情報を検索格納に格納した生活者情報総合データベースと、商品種と購買プロセス及びフェーズ設定との相関を検索可能に格納した商品情報データベースと、これらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータを少なくとも含むコンタクトポイントナビゲーションシステムにおいて、
前記コンピュータは、
ブランドが属する商品種、ターゲットの生活者属性を入力する入力手段、
コンタクトポイントに関するナビゲーション情報を出力する出力手段、
前記商品情報データベースを用いて、前記商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズを設定するフェーズ設定手段、
前記生活者属性に合致する生活者に関する情報を格納し、前記フェーズ毎の処理を可能とする領域を確保するためのワークエリア確保手段、
前記生活者総合データベースより、前記生活者属性に合致する生活者を検索し、少なくともブランドへの関与度に関する情報を含む、該生活者に関する情報を収集、前記ワークエリアに格納する対象母集団データベース化手段、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて、前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するフェーズ判定手段、
前記対象母集団への接触に適した時間帯(t、t)をフェーズ毎に決定する時間帯決定手段、
各コンタクトポンイントについて、フェーズ毎のコンタクトポイントポテンシャルCP−Potential(p)を前記対象母集団データベースから入手するコンタクトポイントポテンシャル算出手段、
各コンタクトポイントにいて、前記時間帯毎の行為者率指数(MCR(t))を前記対象母集団データベースから入手する行為者率指数算出手段、
各コンタクトポイントについて、前記時間帯毎の気分親和性指数(MAI(t))を前記対象母集団データベースから入手する気分親和性指数算出手段、
各コンタクトポンイトについて、対象母集団に対する、フェーズ毎のコンタクトポイントパワーCP−Power(p)を、式(I)によりそれぞれ算出するコンタクトポイントパワー算出手段、
該コンタクトポイントパワーCP−Power(p)の大きさ順に、各フェーズに適したコンタクトポイントを少なくとも一つ以上選択するコンタクトポイント選択手段、
を少なくとも備え、広告効果の高いコンタクトポイントに関するナビゲーションを行うことを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーションシステム。

【請求項21】
前記入力手段は、コミュニケーション予算をさらに入力するものであり、前記出力手段は、決定されたコンタクトポイントに配分された予算額をさらに出力するものであるとともに、
前記各対象母集団データベースに収集された、フェーズ別のターゲットの数に応じて、前記コミュニケーション予算を各フェーズに配分するフェーズ別コミュニケーション予算配分手段、
前記フェーズに配分された予算を、前記選択された各コンタクトポイントに対し、そのコンタクトポイントパワーの値に応じて配分するコンタクトポイント別予算配分手段、
をさらに含むことを特徴とする、請求項19又は20の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項22】
生活者に関する情報を検索格納に格納した生活者情報総合データベースと、商品種と購買プロセス及びフェーズ設定との相関を検索可能に格納した商品情報データベースと、これらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータを少なくとも含むコンタクトポイントナビゲーションシステムにおいて、
前記コンピュータは、
ブランドが属する商品種、ターゲットの生活者属性を入力する入力手段、
コンタクトポイントに関するナビゲーション情報を出力する出力手段、
前記商品情報データベースを用いて、前記商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズを設定するフェーズ設定手段、
前記生活者属性に合致する生活者に関する情報を格納し、前記フェーズ毎の処理を可能とする領域を確保するためのワークエリア確保手段、
前記生活者総合データベースより、前記生活者属性に合致する生活者を検索し、少なくともブランドへの関与度に関する情報を含む、該生活者に関する情報を収集、前記ワークエリアに格納する対象母集団データベース化手段、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて、前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するフェーズ判定手段、
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定する時間帯決定手段、
前記対象母集団における、コンタクトポイントポテンシャル指数、前記時間帯中の平均のコンタクトポイント別接触率指数、前記時間帯中の平均のコンタクトポンイトと気分の親和性指数の各指数をコンタクトポイント毎に算出する指数算出手段、
該指数毎に、その値の大きさ順にコンタクトポイントのランキングを決定する指数別ランキング手段、
該決定されたランキングの上位に位置するコンタクトポイントから順に前記コンタクトポイント個数だけコンタクトポイントを、指標毎に選択する指標別コンタクトポイント選択手段、
全ての指数又は複数の指数に亘って選択されたコンタクトポイントのみを最終選択する最終コンタクトポイント選択手段、
を少なくとも備え、広告効果の高いコンタクトポイントに関するナビゲーションを行うことを特徴とする、コンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項23】
生活者に関する情報を検索格納に格納した生活者情報総合データベースと、商品種と購買プロセス及びフェーズ設定との相関を検索可能に格納した商品情報データベースと、これらのデータベースから情報を収集可能なコンピュータを少なくとも含むコンタクトポイントナビゲーションシステムにおいて、
前記コンピュータは、
ブランドが属する商品種、ターゲットの生活者属性を入力する入力手段、
コンタクトポイントに関するナビゲーション情報を出力する出力手段、
前記商品情報データベースを用いて、前記商品種に対応する購買プロセスを判定し、該購買プロセスに応じたフェーズを設定するフェーズ設定手段、
前記生活者属性に合致する生活者に関する情報を格納し、前記フェーズ毎の処理を可能とする領域を確保するためのワークエリア確保手段、
前記生活者総合データベースより、前記生活者属性に合致する生活者を検索し、少なくともブランドへの関与度に関する情報を含む、該生活者に関する情報を収集、前記ワークエリアに格納する対象母集団データベース化手段、
前記ブランドへの関与度に関する情報に基づいて、前記対象母集団中の生活者個々が属するフェーズを判定するフェーズ判定手段、
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定する時間帯決定手段、
前記フェーズ毎の生活者数が前記対象母集団の生活者総数に占める比率に応じて、該コミュニケーション予算額を各フェーズへ分配する予算分配手段、
該フェーズ毎に分配された予算額に応じて、フェーズ毎のコンタクトポイントの最終選択個数を決定するとともに、該最終選択個数に至るような一次絞込個数と二次絞込個数を設定する絞込個数設定手段、
該ターゲット集団における、コンタクトポイントポテンシャル指数、前記ターゲット時間帯中の平均のコンタクトポイント別接触率指数、前記ターゲット時間帯中の平均のコンタクトポンイトと気分の親和性指数の各指数をコンタクトポイント毎に算出するフェーズ別指数算出手段、
該指数のうちの何れか1種を用いて、その指数の値が上位のコンタクトポイントから順にコンタクトポイントを前記一次個数選択する一次絞込手段、
前記一次絞込に用いられた指数以外の指数の何れか1種を用いて、一次絞込後のコンタクトポイントのうち、該指数の値が上位のコンタクトポイントから順にコンタクトポイントを前記二次絞込個数選択する二次絞込手段、
前記一次及び二次絞込に用いられた指数以外の指数を用いて、二次絞込後のコンタクトポイントのうち、該指数の値が上位のコンタクトポイントから順にコンタクトポイントを前記選択個数分選択するコンタクトポイント最終選択手段。
【請求項24】
前記フェーズに配分された予算を、前記選択された各コンタクトポイントに対し、均等に配分するコンタクトポイント別予算配分手段をさらに含み、
前記出力手段により、選択されたコンタクトポイントに配分された予算も出力することを特徴とする、請求項21〜23の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項25】
前記各コンタクトポイントに配分された予算の範囲内で、接触率指数(CR)順に前記選択されたコンタクトポイントにかかるビークルを、一つ以上選択するビークル選択手段をさらに含むことを特徴とする、請求項21又は24の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項26】
該選択されたコンタクトポイントにかかるビークルのうち前記接触率指数(CR)が閾値以上であるビークルに対して、その接触率指数の合計値に占める各接触率指数の割合に応じて、前記各コンタクトポイントに配分された予算を配分するビークル別予算配分手段をさらに含み、
前記出力手段は、該各ビークルに配分された予算額をも出力することを特徴とする、請求項21又は請求項24の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項27】
前記気分親和性指数MAI(t)は、前記ターゲットに関する気分類型別のシェア(share(t,m))と、メディアと気分(mode)の親和性指数(affinity(m))とに基づいて、式(II)により、親和性指数の加重平均値を導出したものであることを特徴とする、請求項19〜26の何れか1項記載のるコンタクトポイントナビゲーションシステム。

【請求項28】
前記コンタクトポイントポテンシャル(CP−Potential(p))は、前記対象母集団データベースから、各フェーズにおける商品情報認知手段としての各メディアの貢献度に関する情報を収集、集計することにより、決定するものであることを特徴とする、請求項19〜27の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項29】
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定する時間帯決定手段は、前記生活者属性に合致するフェーズ毎の生活者が、前記生活者属性に合致する生活者全数に占める割合が閾値を超える時間帯を、前記対象母集団への接触に適した時間帯としてフェーズ毎に判定するものであることを特徴とする、請求項19〜28の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項30】
前記対象母集団への接触に適した時間帯をフェーズ毎に決定する時間帯決定手段は、
前記生活者属性に合致するフェーズ毎の生活者が、前記生活者属性に合致する全生活者数に占める割合が閾値を超える時間帯をフェーズ毎に表示する候補時間帯表示手段と、該表示された時間帯のうちから、フェーズ毎に任意に1つ以上の時間帯を選択入力する時間帯選択手段とを少なくとも含むことを特徴とする、請求項19〜28の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーション方法。
【請求項31】
前記コミュニケーション予算額は、キャンペーン期間全期に亘る総コミュニケーション予算額を、複数の計画期間に分割した場合の各計画期間に分配する計画期間毎の予算額であって、
前記フェーズ毎に配分された各コミュニケーション予算額は、当該計画期間がキャンペーン期間の初期に位置するほど、購買プロセスの前期フェーズの配分予算額を大きく、購買サイクルの後期フェーズの配分予算額を小さくし、一方、キャンペーン期間の終期に位置するほど、購買サイクルの前期フェーズの配分予算額を小さく、購買サイクルの後期フェーズの配分予算額を大きくなるように、各フェーズへの配分予算額が決定されること特徴とする、請求項19〜30の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項32】
前記コミュニケーション予算額は、キャンペーン期間全期に亘る総コミュニケーション予算額を、複数の計画期間に分割した場合の各計画期間に分配する計画期間毎のコミュニケーション予算額であって、
該各コミュニケーション予算額は、各計画期間中のフェーズ毎の前記生活者属性に該当する生活者数が、各計画期間中のフェーズ毎の前記生活者属性に該当する生活者数を全計画期間及び全フェーズに亘って合計した生活者数に占める割合に応じて、前記総コミュニケーション予算額分配し、前記購買プロセスの各フェーズに亘って集計したものであることを特徴とする、請求項19〜30の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーションシステム。
【請求項33】
前記コミュニケーション予算額は、キャンペーン期間全期に亘る総コミュニケーション予算額を、複数の計画期間に分割した場合の各計画期間に分配する計画期間毎のコミュニケーション予算額であって、
該各コミュニケーション予算額は、前記生活者属性に該当する生活者数の年中推移統計に基づいて、対応する計画期間における生活者数を推定し、その推定生活者数の全計画期間に亘っての推定生活者数の合計に占める割合に応じて、前記総コミュニケーション予算額を分配したものであることを特徴とする、請求項19〜30の何れか1項記載のコンタクトポイントナビゲーションシステム。

【国際公開番号】WO2004/107232
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−500201(P2005−500201)
【国際出願番号】PCT/JP2003/006666
【国際出願日】平成15年5月28日(2003.5.28)
【出願人】(000151092)株式会社電通 (57)