説明

コンタクトレンズの販売システム

【課題】コンタクトレンズの安全性を常時維持することができるコンタクトレンズの販売システムを提供する。
【解決手段】通信網と、該通信網を介して接続される複数の情報処理装置とからなり、複数の情報処理装置が第1〜3の情報処理装置からなり、第1の情報処理装置の送受信手段が、登録番号、指定眼科(眼科医)、CL代金およびケア用品代金および代金支払い期限に関する情報を第2の情報処理装置に転送する手段であり、かつ、登録番号および氏名に関する情報等を第3の情報処理装置に少なくとも1つ以上転送する手段であり、第2の情報処理装置の送受信手段が、契約の申し込みに関する情報を第1の情報処理装置に転送する手段であり、第3の情報処理装置の送受信手段が、登録番号、氏名、年令、性別、販売日、CL情報および眼科診断情報を第1の情報処理装置に少なくとも1つ以上転送する手段である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を介して接続される複数の情報処理装置を用いてコンタクトレンズ(以下、「CL」という)を販売するためのシステムに関する。さらに詳しくは、CLの安全性を常時維持することができるCLの販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
はじめに、従来のCLの販売方法の一例について説明する。
【0003】
CL使用者がCLを購入する際、まず、CLの選択が行なわれる。該CLにはさまざまな種類および規格があり、CL使用者ごとに選択する必要がある。なお、CLの種類は、硬質CLまたは軟質CLに区分され、ついで硬質CLは酸素透過性によってさらに分類され、軟質CLは、水分含有量(含水率)および素材がイオン性か非イオン性かによってさらに分類される。一方、CLの規格は、CLの内面曲率半径、CLの度数およびCLの直径などを基準に区分される。なお、前記CLの種類および規格に関する情報は「CL情報」と呼ばれる。
【0004】
CLの選択は、通常、CL使用者の眼球または屈折度数を診断および検査することによってえられた、たとえば角膜の曲率半径、角膜径、屈折度数、涙液量および角膜内皮細胞に関する情報(以下、「眼科診断情報」という)、使用目的、年齢、使用環境などに基づき行なわれる。
【0005】
CL使用者は、眼球を診察した医師に対して、診察料を支払うとともに、CL販売店でCLを受けとり、CL販売店にCLの代金およびCLのケア用品の代金を支払う。該ケア用品は、CLに付着した汚れを除去し、とくにレンズ材料に水を含む軟質CLではレンズ中に存在する菌を殺菌し、常にCLを清潔に保つことによって眼に害を与えないように、または常に良好な視力を維持するために必要とされる。なお、CLは、CL販売店があらかじめCL販売者から購入している。
【0006】
そして、CL購入後、ケア用品が消耗するたびに、CL使用者は前記CL販売店またはその他のケア用品取扱い店でケア用品を購入する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のCLの販売方法では、前述のようにCL販売店があらかじめCLをCL販売者から購入し、医師の選択したCLをCL使用者に販売する。したがって、CL販売者が、販売後のCLの使用状況を把握することは不可能であり、CLが交換時期を過ぎても継続して使用されるばあいがある。さらに、CL使用者は消耗品であるケア用品を随時購入する必要があり、ときには、購入したCLの材料の特性に合わない不適切なケア用品を誤って購入し使用するばあいがある。したがって、CLを清潔に保つことができなくなり眼に害を与えたり、CLが白濁し良好な視力を維持できなくなるという問題がある。
【0008】
本発明はかかる問題を解決するためになされたもので、販売後のCLの使用状況を把握することにより、CLの安全性を常時維持することができるCLの販売システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のCLの販売システムは、通信網と、該通信網を介して接続される複数の情報処理装置とからなり、前記複数の情報処理装置が、それぞれ演算処理手段、記憶手段および送受信手段を少なくとも1つ以上有し、前記複数の情報処理装置が、少なくとも第1の情報処理装置と第2の情報処理装置と第3の情報処理装置とからなり、前記第1の情報処理装置の送受信手段が、第1の情報処理装置から第2の情報処理装置に、登録番号、指定眼科(眼科医)、CL代金、ケア用品代金および代金支払い期限に関する情報を少なくとも1つ以上転送する手段であり、かつ、第1の情報処理装置から第3の情報処理装置に、登録番号および氏名、性別、年令、電話番号(FAX)に関する情報を少なくとも1つ以上転送する手段であり、前記第2の情報処理装置の送受信手段が、第2の情報処理装置から第1の情報処理装置に、少なくとも契約の申し込みに関する情報を転送する手段であり、前記第3の情報処理装置の送受信手段が、第3の情報処理装置から第1の情報処理装置に、登録番号、氏名、年令、性別、販売日、CL情報および眼科診断情報を少なくとも1つ以上転送する手段である。
【0010】
また、前記情報処理装置が表示手段をさらに有し、該表示手段がブラウン管および液晶表示装置のうちの1つである。
【0011】
また、前記情報処理装置が入力手段をさらに有し、該入力手段がキーボード、スキャナー、マウス、バーコード読み取り装置である。
【0012】
また、前記記憶手段が読みだし専用メモリおよびランダムアクセスメモリからなるものである。
【0013】
また、前記送受信手段が変復調装置である。
【0014】
本発明のコンタクトレンズの販売システムは、通信網と、該通信網を介して接続される複数の情報処理装置と、携帯可能な記録媒体とからなり、前記複数の情報処理装置が、前記携帯可能な記録媒体にデータを書き込む手段、前記携帯可能な記録媒体からデータを読み出す手段、演算処理手段、記憶手段および送受信手段を少なくとも1つ以上有し、前記複数の情報処理装置が、用途別に少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分けられ、前記第1のグループがCL販売者にかかわる施設に設置された情報処理装置からなり、前記第2のグループが指定眼科(眼科医)及び代理店に設置された情報処理装置からなり、前記第2のグループに含まれる情報処理装置が、第2のグループに含まれる情報処理装置が設置された眼科でのCL使用者の診察結果に基づきえられた、CL使用者の氏名、年令、性別、診察日、眼科診断情報、CL情報およびCLの販売日に関するデータを少なくとも1つ以上記憶するとともに、第1のグループに含まれる情報処理装置に通信網を介して前記データを少なくとも1つ以上送信するものであり、前記第1のグループに含まれる情報処理装置が、前記データを処理および管理し、データに基づき登録番号を決定し、前記携帯可能な記録媒体にデータおよび登録番号を記録し、前記診察日およびCLの販売日に基づきCLの交換時期を決定するとともに、前記CLの交換時期に、少なくともCLの交換時期に関する情報がCL使用者に供給されるようにするものである。
【0015】
また、前記第2のグループに含まれる情報処理装置のみが、CL情報及び眼科診断情報を修正する手段を有するものである。
【0016】
また、前記携帯可能な記録媒体が、特定のCL使用者によって使用可能な記録媒体である。
【0017】
また、前記携帯可能な記録媒体それぞれが1つのパスワードを有するものである。
【0018】
また、前記複数の情報処理装置が、すべての携帯可能な記録媒体からデータを読みだすこと、および、すべての携帯可能な記録媒体にデータを書き込むことが可能な情報処理装置である。
【0019】
また、前記情報処理装置が表示手段をさらに有し、該表示手段がブラウン管および液晶表示装置のうちの1つである。
【0020】
また、前記情報処理装置が入力手段をさらに有し、該入力手段がキーボード、スキャナー、マウス、バーコード読み取り装置である。
【0021】
また、前記記憶手段が読みだし専用メモリおよびランダムアクセスメモリからなるものである。
【0022】
また、前記送受信手段が変復調装置である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、販売後のCLの使用状況を把握することにより、CLの安全性を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
つぎに、本発明のCLの販売システムの実施の形態について説明する。
【0025】
実施の形態1
図面を参照しつつ、本発明のCLの販売システムの実施の形態1について説明する。
【0026】
図1〜2は、本発明のCLの販売システムの実施の形態1を示す説明図、図6は本発明の販売システムを会員制販売システムに適用した場合の契約関係の流れを示すブロック図、図7は図6の販売システムにおける金と商品の流れを示すブロック図である。図1〜2において、1は通信網、2は第1の情報処理装置、3は第2の情報処理装置、4は第3の情報処理装置を示す。
【0027】
通信網1の一例としては従来からのコンピュータネットワークがある。また、各情報処理装置間を専用の通信回線を用いて接続してもよい。さらに、第1の情報処理装置2および第3の情報処理装置4間のみを専用の通信回線を用いて接続し、第1の情報処理装置2および第2の情報処理装置3間ならびに第2の情報処理装置3および第3の情報処理装置4間を従来からのコンピュータネットワークを介して接続してもよい。
【0028】
第1の情報処理装置2、第2の情報処理装置3および第3の情報処理装置4は、それぞれ演算処理手段、記憶手段および送受信手段を少なくとも1つ以上有している。各情報処理装置は、表示手段および入力手段をさらに有するばあいもある。前記表示手段の一例としてはブラウン管または液晶表示装置があり、前記入力手段の一例としてはキーボード、スキャナー、マウス、バーコード読み取り装置がある。前記演算処理手段の一例としてはCPUがある。さらに、前記記憶手段の一例としては、読みだし専用メモリおよびランダムアクセスメモリがある。また、前記送受信手段の一例としては変復調装置がある。
【0029】
前記第1の情報処理装置2はCL販売者にかかわる施設に設置された情報処理装置である。第2の情報処理装置3はCL使用者が所有しているまたは使用可能な情報処理装置である。さらに、第3の情報処理装置4は指定眼科(眼科医)に設置された情報処理装置である。なお、前記指定眼科(眼科医)とは、あらかじめ第1の情報処理装置2に登録されている眼科(眼科医)である。登録とともに、指定眼科(眼科医)にはCL販売者からCLが供給される。
【0030】
また、図1、図2には、第2の情報処理装置3および第3の情報処理装置4はそれぞれ1つのみ示されるが、実際は、複数の情報処理装置が第2の情報処理装置または第3の情報処理装置として通信網1に接続されている。さらに、図1、図2には、第1の情報処理装置2は1つのみ示されるが、地域ごとに第1の情報処理装置が配置され、複数の第1の情報処理装置が1つの中央情報処理装置に接続されてもよい。このばあい、第1の情報処理装置を介して、第2の情報処理装置または第3の情報処理装置と中央情報処理装置とのあいだで情報を転送してもよい。
【0031】
前記第1の情報処理装置2の送受信手段は、矢印12、13で示される回線を介して、第1の情報処理装置2から第2の情報処理装置3に、登録番号、指定眼科(眼科医)、CL代金、ケア用品代金および代金支払い期限に関する情報を少なくとも1つ以上転送する。さらに、前記第1の情報処理装置2の送受信手段は、矢印12、14で示される回線を介して、第1の情報処理装置2から第3の情報処理装置4に、年令、性別、住所、電話番号(FAX)番号、登録番号および氏名に関する情報を少なくとも1つ以上転送する(図2参照)。
【0032】
また、前記第2の情報処理装置3の送受信手段は、矢印12、13で示される回線を介して、第2の情報処理装置3から第1の情報処理装置2に、契約の申し込みに関する情報を転送する。
【0033】
さらに、前記第3の情報処理装置4の送受信手段は、矢印12、14で示される回線を介して、第3の情報処理装置4から第1の情報処理装置2に、登録番号、年令、性別、氏名、販売日およびCL情報およびCL使用者の眼科診断情報を転送する(図2参照)。
【0034】
つぎに、本発明のCLの販売システムの実施の形態1を利用したCLの販売方法について図6および7を参照しつつ説明する。
【0035】
まず、第2の情報処理装置3から第1の情報処理装置2に会員制販売システムに係る会員契約(以下、契約という)の申し込みに関する情報が転送される。前記契約の申し込みに関する情報には、CL使用者の氏名、年令、性別、住所、電話番号(FAX番号)、第2の情報処理装置3のアドレスおよびCLの代金及びケア用品の代金の支払い方法等がある。
【0036】
第1の情報処理装置2の演算処理手段によって、登録番号が割り当てられ、第1の情報処理装置2の記憶手段に、前記契約の申し込みに関する情報および登録番号が記憶される。前記登録番号とは、販売システム内でCL使用者52を識別するために付けられる番号である。
【0037】
ついで、第1の情報処理装置2から第2の情報処理装置3に、登録番号と、CL使用者52の居住地域およびその周辺にある指定眼科(眼科医)53に関する情報が転送される。さらに、希望があれば全指定眼科(眼科医)53に関する情報が転送される。また、第1の情報処理装置2から第3の情報処理装置4に、契約の申し込みに関する情報および登録番号が転送される。前記指定眼科(眼科医)53に関する情報は、病院番号、CL販売店番号、住所(必要であれば地図)、電話番号(FAX番号)、休業日、診察時間に関する情報等がある。CL使用者52が必要とするときはいつでも、第1の情報処理装置または第3の情報処理装置から第2の情報処理装置に指定眼科(眼科医)53に関する情報が転送される。なお、当該転送には、登録番号が必要である。また、パスワードを設けてもよい。
【0038】
CL使用者52は、指定眼科(眼科医)53で診察を受けて眼科診断情報をうる。さらに、眼科診断情報、使用目的、年齢および使用環境などに基づきCLの選択が行なわれる。選択されたCLのCL情報、販売日および眼科診断情報は第3の情報処理装置4に入力される。このとき、CL使用者52が、登録番号を第3の情報処理装置4に提供してもよく、また、第3の情報処理装置4にCL使用者52の氏名および住所などを入力して登録番号を確認してもよい。なお、眼科診断情報の修正(書込み)は、指定眼科(眼科医)53に入力を委任された人又は、眼科医に限り、第3の情報処理装置4を用いて行なうことができる。さらに、眼科診断情報の読みとりは、指定眼科(眼科医)53に出力を委任された人又は眼科医と、CL販売者51のうち眼科診断情報の管理を行なう人とに限り、第1の情報処理装置2または第3の情報処理装置4を用いて行なうことができる。
【0039】
CL使用者52は、適切な種類および規格のCLおよび該CLに適切なケア用品Aを代理店から受けとり、指定眼科(眼科医)53に受診料M1を支払う(図7参照)。さらに、第3の情報処理装置4は、第1の情報処理装置2に、登録番号、年令、性別、氏名、販売日、CL情報および眼科診断情報、住所、電話番号(FAX番号)の少なくとも1つ以上を転送する。
【0040】
また、第1の情報処理装置2は、第2の情報処理装置3に、CL代金、ケア用品代金および代金支払い期限に関する情報を転送する。このとき、CL使用者52が、代金を口座振り込みにより支払うばあい、代金支払い用の口座に関する情報も合わせて転送してもよい。また、一般のクレジット会社54を介して代金を支払ってもよいが、このばあいは、一般に必要とされる所定の手続きが必要となる。また、従来のように代理店で代金を支払ってもよい。
【0041】
また、第1の情報処理装置2が販売日にもとづきケア用品Aの消耗時期を決定したり、CLの種類に応じて最適なケア用品を決定し該ケア用品Aの消耗時期に応じてケア用品Aが発送されてもよい。
【0042】
さらに、第1の情報処理装置2は、CLが交換時期を過ぎても継続して使用されないように、販売日にもとづき交換期限を決定してもよい。前記交換期限が近くなると、第1の情報処理装置2から第2の情報処理装置3に、CLの交換時期が近いことを示す情報を電子メール等で転送してもよい。
【0043】
また、CL購入時および購入後にCL代金およびケア用品代金が支払われる代わりに、第2の情報処理装置3から第1の情報処理装置2に契約の申し込みに関する情報が転送されたときにCL使用者52によって契約金が支払われるとともに、毎月、所定の額が支払われてもよい。また、前記所定の額が毎月支払われることにより、視力が変化したとき、CLを破損したときおよびCLにひどい汚れおよびキズが生じたときに、無償で新しいCLが提供されることが好ましい。さらに、CLの交換時期が近くなったときに、無償で新しいCLが提供されることが好ましい。
【0044】
実施の形態2
つぎに、本発明のCLの販売システムの実施の形態2について図面を参照しつつ説明する。
【0045】
図3〜4は、本発明のCLの販売システムの実施の形態2を示す説明図である。図3〜4において、1は通信網、22は第1のグループに含まれる情報処理装置(以下、「第1グループ情報処理装置」という)、23は携帯可能な記録媒体、24は第2のグループに含まれる情報処理装置(以下、「第2グループ情報処理装置」という)を示す。
【0046】
前記第1グループはCL販売者にかかわる施設に設置された情報処理装置からなる。図3〜4には第1グループ情報処理装置が1つしか示されていないが、地域ごとに情報処理装置が配置され、複数の情報処理装置が1つの中央情報処理装置に接続され、前記複数の情報処理装置および中央情報処理装置によって第1グループを構成してもよい。このばあい、前記複数の情報処理装置を介して、第2グループ情報処理装置および中央情報処理装置間で情報を転送してもよい。また、前記第2のグループは指定眼科(眼科医)に設置された情報処理装置からなり、図3〜4には第2グループ情報処理装置が1つしか示されていないが、実際は、複数の情報処理装置が第2グループ情報処理装置として通信網1に接続されている。
【0047】
実施の形態2において、CLの販売システムは、通信網1と、第1グループ情報処理装置22と、第2グループ情報処理装置24と、記録媒体23とからなる。第1グループ情報処理装置22と第2グループ情報処理装置24とは通信網1を介して接続される。
【0048】
通信網1の一例としては従来からのコンピュータネットワークがある。また、第1グループ情報処理装置22および第2グループ情報処理装置24間を専用の通信回線を用いて接続してもよい。
【0049】
第1グループ情報処理装置22は、記録媒体23にデータを書き込む手段、記録媒体23からデータを読み出す手段を有する点以外は、実施の形態1に示される第1の情報処理装置と同一のものである。同様に、第2グループ情報処理装置24は、記録媒体23にデータを書き込む手段、記録媒体23からデータを読み出す手段を有する点以外は、実施の形態1に示される第3の情報処理装置と同一のものである。
【0050】
また、記録媒体23の例としては、ICカード、IDカード、磁気テープ、フロッピーディスクおよび紙がある。さらに、記録媒体23は、CL使用者の顔写真が添付された本人確認が可能なものでもよい。
【0051】
前記第2グループ情報処理装置24は、第2グループ情報処理装置24が設置された指定眼科(眼科医)のCL使用者の診察結果に基づきえられた、少なくともCL使用者の氏名、年令、性別、診察日、眼科診断情報、CL情報およびCLの販売日に関するデータを記憶するとともに、第1グループ情報処理装置22に、矢印32、34で示される回線を介して、前記データを少なくとも1つ以上送信する(図4参照)。
【0052】
前記第1グループ情報処理装置22は、前記データを処理および管理し、データに基づき登録番号を決定し、前記記録媒体23にデータおよび登録番号を記録し、前記診察日およびCLの販売日およびCLの種類に基づきCLの交換時期を決定するとともに、前記CLの交換時期に、CLの交換時期を知らせる情報がCL使用者に供給されるようにする。また、有効期限付近(好ましくは有効期限の1カ月以内)には、前記情報処理装置で管理されているCL使用者の住所および電話(FAX)番号に交換時期を知らせる旨を郵送または電話(FAX)したり、CL使用者が希望するアドレスへ電子メールで知らせる。これらの有効期限をお知らせする手段は、CL購入時にユーザーが選択するのが好ましい。
【0053】
なお、複数のCL使用者に関する情報が1つの記録媒体に記憶されることを防ぐために、前記記録媒体23として、特定のCL使用者によってのみ使用可能な記録媒体が用いられる。したがって、複数のCL使用者が1つの記録媒体を使用することはできない。たとえば、記録媒体それぞれが1つのパスワードを有したり、記録媒体に写真を添付することにより、複数のCL使用者が1つの記録媒体を使用することを防止できる。前記パスワードは、CL使用者からの変更申請がCL販売者にあったばあいに限り、変更可能である。
【0054】
前記販売システムに含まれる情報処理装置は、すべての記録媒体からデータを読みだすこと、および、すべての記録媒体にデータを書き込むことが可能な情報処理装置である。したがって、毎回、異なる指定眼科(眼科医)で診察を受けることもできる。たとえば、通常は自宅近くの指定眼科(眼科医)で診察を受けているばあいでも、CLが破損したときなどに、もよりの指定眼科(眼科医)で速やかに新しいCLを受けとることができる。なお、眼科診断情報の修正(書込み)は、眼科医または指定眼科(眼科医)に入力を委任された人に限り、第2グループ情報処理装置24を用いて行なうことができる。さらに、眼科診断情報の読みとりは、眼科医または指定眼科(眼科医)に出力を委任された人と、CL販売者のうち眼科診断情報の管理を行なう人とに限り、第1グループ情報処理装置22または第2グループ情報処理装置24を用いて行なうことができる。
【0055】
つぎに、本発明のCLの販売システムの実施の形態2を利用したCLの販売方法について、図6および図7を参照しつつ説明する。
【0056】
まず、CL使用者52がCL販売者51に契約の申し込みを行なう。前記契約の申し込みの際に、CL使用者52の氏名、年令、性別、住所、電話番号(FAX番号)、CLの代金の支払い方法およびパスワードなどの情報がCL販売者51に供給される。同時に、第1グループ情報処理装置22に契約の申し込みに関する情報が入力され、第1グループ情報処理装置22の演算処理手段によって、登録番号が割り当てられ、第1グループ情報処理装置22の記憶手段に、前記契約の申し込みに関する情報および登録番号が記憶され、記録媒体23に契約の申し込みに関する情報および登録番号が記憶される。前記指定眼科(眼科医)53に関する情報は、病院番号、CL販売店番号、住所(必要であれば地図)、電話番号(FAX番号)、休業日、診察時間に関する情報を含む。CL使用者が必要とするときはいつでも、第1のグループの情報処理装置または第2のグループの情報処理装置からCL使用者52に指定眼科(眼科医)に関する情報が供給される。なお、当該転送には、登録番号および/またはパスワードが必要である。
【0057】
なお、契約の申し込みが第2グループ情報処理装置24によって行なわれてもよい。このばあい、矢印32、34で示される回線を介して第2グループ情報処理装置24から第1グループ情報処理装置22に契約の申し込みに関する情報が転送され、折り返し、第1グループ情報処理装置22から第2グループ情報処理装置24に登録番号が転送される。
【0058】
ついで、CL販売者51からCL使用者52に、記録媒体23およびCL使用者52の居住地域およびその周辺にある指定眼科(眼科医)53に関する情報が提供される。さらに、希望があれば全指定眼科(眼科医)53に関する情報が提出される。また、第1グループ情報処理装置22から第2グループ情報処理装置24に、矢印32、34で示される回線を介して、契約の申し込みに関する情報および登録番号が転送される。
【0059】
CL使用者52は、指定眼科(眼科医)53で診察を受けて眼科診断情報をうる。さらに、眼科診断情報、使用目的、年齢および使用環境などに基づきCLの選択が行なわれる。選択されたCLのCL情報および眼科診断情報が第2グループ情報処理装置24に入力され、同時に、記録媒体23に記憶される。
【0060】
CL使用者52は、適切な種類および規格のCLおよび該CLに適切なケア用品Aを代理店から受けとり、指定眼科(眼科医)53に受診料M1を支払う。さらに、第2グループ情報処理装置24は、第1グループ情報処理装置22に、矢印32、34で示される回線を介して、登録番号、氏名、年令、性別、販売日、CL情報および眼科診断情報を少なくとも1つ以上転送する。
【0061】
また、第1グループ情報処理装置22は、CL使用者52に、CL代金、ケア用品代金および代金支払い期限に関する情報を供給する。このとき、CL使用者が、代金を口座振り込みにより支払うばあい、代金支払い用の口座に関する情報も合わせて供給してもよい。また、一般のクレジット会社54を介して代金を支払ってもよいが、このばあいは、一般に必要とされる所定の手続きが必要となる。また、従来のように代理店で代金の支払いを行なってもよい。
【0062】
図5は、図3〜4のCLの販売システムに含まれる第1グループ情報処理装置の一例を示す説明図である。図5において、32aは入力手段であるキーボード、32bは表示手段であるCRT(ブラウン管)、32cは、演算処理手段、記憶手段および送受信手段を含んでいる端末機本体、32dは、携帯可能な記録媒体からデータを読みとる手段および携帯可能な記録媒体にデータを書き込む手段を含んでなる記憶媒体読みとり書き込み装置、33は記録媒体であるICカードを示す。なお、分かりやすくするために、ICカード33は図示されている他のものと比較して拡大して示されている。また、図3〜4の第2グループ情報処理装置も図5に示される第1グループ情報処理装置と同様のものである。
【0063】
また、第1グループ情報処理装置22によってケア用品の種類販売日等にもとづきケア用品Aの消耗時期を決定し、該ケア用品の消耗時期に応じてケア用品が発送されてもよい。また、CLの種類に応じて、最適なケア用品を決定するのが好ましい。
【0064】
さらに、第1グループ情報処理装置22によってCLの種類、眼科診断情報および販売日等にもとづきCLの交換時期を決定してもよい。CLが交換期限を過ぎても継続して使用されないように、前記交換時期が近くなると、CLの交換時期が近いことを示す情報をCL使用者52に発送してもよい。また、有効期限付近(好ましくは有効期限の1カ月以内)には、前記情報処理装置で管理されているCL使用者の住所および電話(FAX)番号に交換時期を知らせる旨を郵送または電話(FAX)したり、CL使用者が希望するアドレスへ電子メールで知らせる。これらの有効期限をお知らせする手段は、CL購入時にユーザーが選択するのが好ましい。
【0065】
また、CL購入時および購入後にCL代金およびケア用品代金が支払われる代わりに、契約の申し込みがあったときにCL使用者52によって契約金が支払われるとともに、毎月、所定の額が支払われてもよい。また、前記所定の額が毎月支払われることにより、視力が変化したとき、CLを破損したときおよびCLにひどい汚れおよびキズが生じたときに、無償で新しいCLが提供されることが好ましい。さらに、CLの交換時期が近くなったときに、無償で新しいCLが提供されることが好ましい。
【0066】
前述の実施の形態1および2によれば、CL使用者にCLが供給されるごとに、供給されたCLの種類および規格に関する情報がCL販売者に与えられる。したがって、各指定眼科のCLの在庫量がCLの種類および規格ごとに統計処理でき、必要とされる種類および規格のCLが過不足なく生産できる。
【0067】
実施の形態3
本発明の実施の形態1または2に係る販売システムを会員制販売システムに適用した場合のシステム全体の概要は、たとえば図9および10に示される。なお、本実施の形態においては、契約期間は1年としており、会員は1年後に解約してCLを返却するか、解約してレンズを買い取るか、契約を継続するかの選択をする(図8参照)。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1にかかわるCLの販売システムの一例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかわるCLの販売システムのさらなる詳細を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかわるCLの販売システムの一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかわるCLの販売システムのさらなる詳細を示す説明図である。
【図5】図4のCLの販売システムに含まれる第1グループ情報処理装置の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の販売システムを会員制販売システムに適用した場合の契約関係の流れを示すブロック図である。
【図7】図6の販売システムにおける金と商品の流れを示すブロック図である。
【図8】本発明の販売システムを会員制販売システムに適用した場合における契約期間満了後の処理の一例を示したブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態1または2にかかわる販売システムを会員制販売システムに適用した場合のシステム全体の一例を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態1または2にかかわる販売システムを会員制販売システムに適用した場合のシステム全体の他の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
1 通信網
2 第1の情報処理装置
3 第2の情報処理装置
4 第3の情報処理装置
22 第1グループ情報処理装置
23 記録媒体
24 第2グループ情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網と、該通信網を介して接続される複数の情報処理装置とからなり、前記複数の情報処理装置が、それぞれ演算処理手段、記憶手段および送受信手段を少なくとも1つ以上有し、前記複数の情報処理装置が、少なくとも第1の情報処理装置と第2の情報処理装置と第3の情報処理装置とからなり、前記第1の情報処理装置の送受信手段が、第1の情報処理装置から第2の情報処理装置に、登録番号、指定眼科(眼科医)、コンタクトレンズ代金、ケア用品代金および代金支払い期限に関する情報を少なくとも1つ以上転送する手段であり、かつ、第1の情報処理装置から第3の情報処理装置に、登録番号および氏名、年令、性別に関する情報を少なくとも1つ以上転送する手段であり、前記第2の情報処理装置の送受信手段が、第2の情報処理装置から第1の情報処理装置に、少なくとも契約の申し込みに関する情報を転送する手段であり、前記第3の情報処理装置の送受信手段が、第3の情報処理装置から第1の情報処理装置に、登録番号、氏名、年令、性別、販売日、コンタクトレンズ情報および眼科診断情報を少なくとも1つ以上転送する手段であるコンタクトレンズの販売システム。
【請求項2】
前記情報処理装置が表示手段をさらに有し、該表示手段がブラウン管および液晶表示装置のうちの1つである請求項1記載の販売システム。
【請求項3】
前記情報処理装置が入力手段をさらに有し、該入力手段がキーボード、スキャナー、マウス、バーコード読み取り装置である請求項1記載の販売システム。
【請求項4】
前記記憶手段が読みだし専用メモリおよびランダムアクセスメモリからなる請求項1記載の販売システム。
【請求項5】
前記送受信手段が変復調装置である請求項1記載の販売システム。
【請求項6】
通信網と、該通信網を介して接続される複数の情報処理装置と、携帯可能な記録媒体とからなり、前記複数の情報処理装置が、前記携帯可能な記録媒体にデータを書き込む手段、前記携帯可能な記録媒体からデータを読み出す手段、演算処理手段、記憶手段および送受信手段を少なくとも1つ以上有し、前記複数の情報処理装置が、用途別に少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分けられ、前記第1のグループがコンタクトレンズ販売者にかかわる施設に設置された情報処理装置からなり、前記第2のグループが指定眼科(眼科医)に設置された情報処理装置からなり、前記第2のグループに含まれる情報処理装置が、第2のグループに含まれる情報処理装置が設置された指定眼科(眼科医)及びコンタクトレンズ販売店でのコンタクトレンズ使用者の診察結果に基づきえられた、コンタクトレンズ使用者の氏名、年令、性別、診察日、眼科診断情報、コンタクトレンズ情報およびコンタクトレンズの販売日に関するデータを少なくとも1つ以上記憶するとともに、第1のグループに含まれる情報処理装置に通信網を介して前記データを少なくとも1つ以上送信するものであり、前記第1のグループに含まれる情報処理装置が、前記データを処理および管理し、データに基づき登録番号を決定し、前記携帯可能な記録媒体に前記データおよび登録番号を少なくとも1つ以上記録し、前記診察日およびコンタクトレンズの販売日及びコンタクトレンズの種類に基づきコンタクトレンズの交換時期を決定するとともに、前記コンタクトレンズの交換時期に、少なくともコンタクトレンズの交換時期に関する情報がコンタクトレンズ使用者に供給されるようにするものであるコンタクトレンズの販売システム。
【請求項7】
前記第2のグループに含まれる情報処理装置のみが、眼科診断情報およびコンタクトレンズ情報を修正する手段を有する請求項6記載の販売システム。
【請求項8】
前記携帯可能な記録媒体が、特定のコンタクトレンズ使用者によって使用可能な記録媒体である請求項6記載の販売システム。
【請求項9】
前記携帯可能な記録媒体それぞれが1つのパスワードを有する請求項6記載の販売システム。
【請求項10】
前記複数の情報処理装置が、すべての携帯可能な記録媒体からデータを読みだすこと、および、すべての携帯可能な記録媒体にデータを書き込むことが可能な情報処理装置である請求項6記載の販売システム。
【請求項11】
前記情報処理装置が表示手段をさらに有し、該表示手段がブラウン管および液晶表示装置のうちの1つである請求項6記載の販売システム。
【請求項12】
前記情報処理装置が入力手段をさらに有し、該入力手段がキーボード、スキャナー、マウス、バーコード読み取り装置である請求項6記載の販売システム。
【請求項13】
前記記憶手段が読みだし専用メモリおよびランダムアクセスメモリからなる請求項6記載の販売システム。
【請求項14】
前記送受信手段が変復調装置である請求項6記載の販売システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−70410(P2009−70410A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310662(P2008−310662)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【分割の表示】特願平10−348767の分割
【原出願日】平成10年12月8日(1998.12.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000138082)株式会社メニコン (150)