説明

コンテナブリッジを持つISOコンテナ用荷役システム

【課題】 簡素化された構造を有するが同時に優れた貨物荷役能力を有する、コンテナブリッジを持つISOコンテナ用荷役システムを提供する。
【解決手段】 本発明のISOコンテナ用荷役システムは、ガントリクレーン(6)と、該ガントリクレーンに隣接し、ISOコンテナ用の搬送車両(15)が進入および退出することができる積み降ろし区域(7)とを有する。ガントリクレーンは第1クレーンブーム(10a)を有する第1走行クレーン(10)を備え、第1荷受け手段(10e)を有する第1クレーントロリ(10b)は第1クレーンブーム上をその海側部分と陸側部分との間で走行することができる。ガントリクレーンは前記第1クレーンブームの陸側部分の下に配置された第2クレーンブーム(12a)を有する第2走行クレーン(12)を有し、第2荷受け手段(12c)を有する第2クレーントロリ(12b)が第2クレーンブーム上を走行することができ、ISOコンテナを第1走行クレーンと第2走行クレーンとの間で移載できる。ISOコンテナ(2)用の受動移載台(14)は第2クレーンブーム(12a)に配置され、ISOコンテナ(2)を移載台(14)と積み降ろし区域(7)に位置付けられた搬送車両(15)との間で移載することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナブリッジと、コンテナブリッジに隣接し、ISOコンテナ用搬送車両が進入および退去することができる積み降ろし区域とを持つISOコンテナ用荷役システムであって、コンテナブリッジが第1クレーンブームを持つ第1走行クレーンを有し、第1荷受け手段を持つ第1クレーントロリが第1クレーンブーム上をその海側部分と陸側部分との間で走行することができ、かつコンテナブリッジが、第1クレーンブームの陸側部分の下に配置された第2クレーンブームを持つ第2走行クレーンを有し、第2荷受け手段を持つ第2クレーントロリが第2クレーンブーム上を走行することができ、ISOコンテナが第1走行クレーンと第2走行クレーンとの間で移載することのできる、荷役システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許公開公報DE19958501A1から、ISOコンテナを陸と海との間で荷役するためのコンテナブリッジは公知である。従来の方法では、コンテナブリッジは、仮想矩形の隅に配置された支持体を持つガントリフレームから構成され、支持体のうちの2つは海側に、他の2つは陸側に配置される。ガントリフレームは、支持体の下端に配置された走行機構によって、岸壁に沿ってレール上を走行することができる。ガントリフレームは水平方向に、かつ岸壁に沿ったコンテナブリッジの走行方向に対して横断するように向けられた第1クレーンブームを支持する。第1クレーンブームは、岸壁に隣接する港湾泊地上および岸壁に横付けされ荷役作業が行なわれる船舶上に突出する海側部分を有し、かつガントリフレームおよび隣接する積み降ろし区域の領域で岸壁上に突出する陸側部分を有する。第1クレーントロリは第1クレーンブームに懸吊され、第1クレーンブームに沿って走行することができ、ISOコンテナ用の第1荷受け手段が昇降できるようにこのクレーントロリから懸吊される。さらに第2クレーントロリがコンテナブリッジに設けられ、第1クレーンブームと平行に向けられかつ第1クレーンブームの下に延在する第2クレーンブームに沿って走行することができる。このブームは、ガントリフレームの陸側および海側支持体の領域で始めおよび終わりを支持される。第1クレーントロリによって、船舶と積み降ろし区域との間、および船舶と第2クレーントロリとの間でISOコンテナを移送することができる。この目的のために、ISOコンテナが上から第2クレーントロリ内に移動することができ、かつISOコンテナを第2クレーントロリの第2荷受け手段に荷降ろしすることができるように、第2クレーントロリが形成される。第2荷受け手段は、ケーブルによってではなく、伸縮自在のガイドを介して、第2クレーントロリに懸吊される。ISOコンテナが第2荷受け手段に荷降ろしされた後、第2クレーントロリは第2クレーンブームに沿って、岸壁で待機している自動誘導車両の方向に移動し、ISOコンテナは第2荷受け手段によって誘導車両の荷台上に降ろされる。逆に、第2荷受け手段によってコンテナを荷台から取り出すこともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ特許公開公報DE19958501A1
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、コンテナブリッジを持つISOコンテナ用荷役システムであって、構成的に簡素化された構造を有するが同時に優れた貨物荷役能力を有するシステムを生み出すことである。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を持つ荷役システムによって達成される。本発明の有利な実施形態を従属請求項2ないし8に記載する。
【0006】
本発明によると、コンテナブリッジと、コンテナブリッジに隣接し、ISOコンテナ用搬送車両が進入および退去することができる積み降ろし区域とを持つISOコンテナ用荷役システムであって、コンテナブリッジが第1クレーンブームを持つ第1走行クレーンを有し、第1荷受け手段を持つ第1クレーントロリが第1クレーンブーム上をその海側部分と陸側部分との間で走行することができ、かつコンテナブリッジが、第1クレーンブームの陸側部分の下に配置された第2クレーンブームを持つ第2走行クレーンを有し、第2荷受け手段を持つ第2クレーントロリが第2クレーンブーム上を走行することができ、ISOコンテナが第1走行クレーンと第2走行クレーンとの間で移載することができるようにした荷役システムにおいて、ISOコンテナ用の受動移載ポイントが第2クレーンブームに配置され、ISOコンテナを移載ポイントと積み降ろし区域に停止している搬送車両との間で移載することができることから、構成的に簡素化された構造および同時に優れた貨物荷役能力が達成される。本発明に関して、受動移載ポイントとは、第2クレーンブームに懸吊されたISOコンテナ用の支持フレームのみから構成される移載ポイントであって、支持フレームが垂直方向に能動的に移動できない移載ポイントであると理解されたい。したがって、移載ポイントでは、第2荷受け手段を介して、または昇降要素が装着された搬送車両を介してのみ、ISOコンテナを移載ポイントから取り出し、またはそこに降ろすことができる。
【0007】
構成の観点から、移載ポイントが第2クレーンブームに懸吊されるI形支持アームから基本的に構成され、該I形支持アームが第2クレーンブームから離れたそれらの端部の領域に支承アームを有し、移載ポイントに降ろされたISOコンテナが該支承アーム上に載置されることは有利かつ便利である。したがって、移載ポイントは複雑な駆動装置を持たない。
【0008】
受動移載ポイントと協働できるようにするために、搬送車両は、ISOコンテナを移載ポイントから上昇させあるいは移載ポイント上に下降させることのできる昇降要素を有する。
【0009】
構成の観点から、昇降要素が昇降台として形成される場合、昇降要素が下降して空の状態で搬送車両が移載ポイントの下を走行することができ、あるいは昇降要素が上昇した状態で搬送車両によってISOコンテナを移載ポイントに移動させることができ、こうしてISOコンテナが支承アーム上に位置付けられることは有利かつ便利である。
【0010】
コンテナブリッジを岸壁の長手方向にレールに沿って走行可能にし、かつ移載ポイントがその長手方向の広がりを岸壁の長手方向に向けられるようにすることが有利である。
【0011】
ISOコンテナの荷役を改善するために、第2クレーンブームは、第1クレーンブームの海側部分に対面するガントリ側部分と、隣接する荷積み区域側部分とを有する。第2クレーンブームの荷積み区域側部分における移載ポイントは、第2クレーンブームに取り付けられる。移載ポイントで働く搬送車両はしたがってコンテナクレーンの走行区域外を走行することができ、かつしたがって、互いの経路を交差することなく岸壁上を走行することができる。
【0012】
貨物荷役能力を高めるために、複数の移載ポイントが岸壁の長手方向に見て互いに隣接して第2クレーンブームに懸吊される。
【0013】
2つの走行クレーンの搬送動作を切り離すために、かつしたがってコンテナクレーンの荷役能力をさらに高めるために、第2走行クレーンの領域、および第2クレーンブームの下に、ISOコンテナ用の少なくとも1つの中間貯蔵ポイントが配置され、第1走行クレーンおよび第2走行クレーンによってISOコンテナをそこに降ろしかつそこから取り出すことができることを確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明について、図面に示す実施形態の助けを借りて、以下でさらに詳しく説明する。
【図1】コンテナブリッジとコンテナブリッジに隣接する積み降ろし区域とを有する、本発明に係るISOコンテナ用荷役システムの概略図である。
【図2】図1の積み降ろし区域の領域の部分拡大図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図1の中間貯蔵ポイントの領域の部分拡大図である。
【図5】図4の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、ISOコンテナを岸壁3と岸壁3に位置する船舶4との間で移送することのできる、本発明に係るISOコンテナ2用の荷役システム1の略図を示す。従来の方法で、船舶4は、岸壁3に隣接する港湾泊地5に位置する。荷役システム1は基本的に、コンテナクレーン6と、岸壁3の領域でコンテナクレーン6に隣接する積み降ろし区域7とから構成される。
【0016】
従来の方法で、コンテナクレーン6は、岸壁3の長手方向に見てまたは岸壁6に沿ってコンテナクレーン6の走行方向に互いに離間する2つの海側支持体8aと、相応して同じく互いに離間しかつ仮想矩形の角隅位置に配置された陸側支持体8bとを持つガントリフレーム8を有する。海側および陸側支持体8a、8bの下端に走行機構8cが配置され、それによってガントリフレーム8およびしたがってコンテナクレーン6全体が、岸壁3上に配置された図示しないレール上を、岸壁3の長手方向に走行することができる。海側および陸側支持体8a、8bの上端の領域には、走行機構8cから離間して、略水平方向に向けられかつ岸壁3の長手方向に対して直角に延在する第1走行クレーン10の第1クレーンブーム10aが取り付けられる。第1クレーントロリ10bは第1クレーンブーム10aに沿って走行することができる。第1クレーンブーム10aは概念的に海側部分10cと陸側部分10dとに分けることができる。海側部分10cは、港湾泊地5およびしたがって岸壁3に位置し積み重ねられたISOコンテナ2から成る荷を持つ船舶4を跨ぐ。第1クレーンブーム10aの陸側部分10dは、ISOコンテナ2用の積み降ろし区域7および岸壁3上のコンテナクレーン6のガントリフレーム8の走行領域11を跨ぐ。レールもこの走行領域11に敷設される。
【0017】
従来の方法で、第1クレーントロリ10aは昇降機構(図示せず)を有し、そこに、ISOコンテナ2用のスプレッダの形の第1荷受け手段10eが昇降ケーブルを介して懸吊される。第1荷受け手段10eによって、ISOコンテナ2を取り出しかつ降ろすことができる。第1荷受け手段10eはしたがって、一方では、船舶3に収容されたISOコンテナ2に到達することができ、他方では、陸側で、ISOコンテナ2を搬送車両(図示せず)に直接積み込み、または搬送車両からISOコンテナを直接取り出すことができる。
【0018】
第1走行クレーン10に加えて、第2走行クレーン12が、コンテナクレーン6のガントリフレーム8の領域、およびしたがって第1クレーンブーム10aの陸側部分10dの下に配置される。この第2走行クレーン12もまた基本的に、岸壁3の長手方向に直角に向けられかつ水平方向に延在する第2クレーンブーム12aから構成される。第2クレーンブーム12aは、第1クレーンブーム10aの下でガントリフレーム8の海側および陸側支持体8a、8bに支持され、このフレームと平行に延在する。第2クレーントロリ12bは、この第2クレーンブーム12a上をその長手方向に走行することができる。次にこの第2クレーントロリ12bが昇降機構(図示せず)を有し、そこにISOコンテナ2を取り出しかつ降ろすためのスプレッダの形の第2荷受け手段12eが、昇降することができるようにケーブルを介して懸吊される。第2クレーンブーム12aは、ガントリフレーム8の走行領域11を跨ぎかつ海側および陸側支持体8a、8bの間に延在するガントリ側部分12cと、積み降ろし区域7を跨ぐ隣接荷積み区域側部分12dとに分けることができる。第2クレーンブーム12aのガントリ側部分12cの領域に海側支持体8bに隣接して、中間貯蔵ポイント13が第2クレーンブーム12aの下に配置される。この中間貯蔵ポイント13は、第1走行クレーン10と第2走行クレーン12との間、またはその逆の移送中のISOコンテナ2の中間貯蔵に役立つ。この中間貯蔵ポイント13は、海側支持体8bに、岸壁3より上に、岸壁から距離を置いて配置される。
【0019】
船舶4の荷降ろしのための手順は、例えば以下のようにして達成することができる。第1走行クレーン10が、その第1荷受け手段10eによって、40フィートISOコンテナまたは2つの20フィートISOコンテナ2を船舶4から取り出し、次いでその第1クレーントロリ10bを介してこのISOコンテナ2を第1クレーンブーム10aの方向に上昇させ、次いで第1クレーンブーム10aに沿って陸側部分10dの方向に走行する。第1クレーントロリ10bが中間貯蔵ポイント13の上に到着すると、第1荷受け手段10eは下降し、ISOコンテナ2は中間貯蔵ポイント13に降ろされる。中間貯蔵ポイント13の領域で、ISOコンテナ2の下面の角隅部に配置されたツイストロックを次いで手動で取り外すこともできる。次いで、荷受け手段10eが荷を降ろした後、第1荷受け手段10eは中間貯蔵ポイント13から離れ、次のISOコンテナ2を荷降ろしするために、船舶4の方向に移動する。この後に続いて、第2クレーントロリ12bはその第2荷受け手段12eと共に、今や中間貯蔵ポイント13に載置されているISOコンテナ2上を走行し、第2荷受け手段12eをこのISOコンテナ2の方向に下降させ、第2荷受け手段12eをISOコンテナ2に係止させる。ISOコンテナ2は次いで、第2荷受け手段12eによって中間貯蔵ポイント13から持ち上げられ、第2クレーンブーム12aに沿って荷積み区域側部分12dの方向に移動する。第2クレーンブーム12aの荷積み区域側部分12dでは、複数の移載ポイント14が、第2クレーンブーム12aの長手方向に見て互いに前後に配置される。これらの移載ポイント14は基本的に、全体がI形に形成されかつ第2クレーンブーム12aから離れたそれらの下端に水平方向に配向され内側に向けられた支承アーム14bを有する、垂直支持アーム14aから構成される。垂直支持アーム14aはしたがって移載ポイント14を横方向に画定し、かつ岸壁3の長手方向lに見て、互いにISOコンテナ2の幅よりわずかに大きい距離に位置する。したがって、20フィート、40フィート、および45フィートコンテナを受容できるようにするために、1つの移載ポイント14に、複数の対向する内向きの支承アーム14bが設けられる。ISOコンテナ2は次いで、第2荷受け手段10eによって移載ポイント14内に下降し、ISOコンテナ2がISOコンテナ2の長さに適した支承アーム14b上に載置されるまで、垂直方向に配向された剛性支持アーム14aに沿って支承アーム14bの方向に下降する。第2荷受け手段12eは次いでロックを解除され、支持アーム14aに沿って移載ポイント14から上方に移動する。対向する支持アーム14a間の距離は、ISOコンテナ2が昇降移動中に側方支持アーム14aに対して充分に離間するように選択される。移載ポイント14は受動的に形成される。すなわち、本発明に関して、それは支持アーム14aおよび支承アーム14bが垂直方向に上昇または下降することができないことを意味する。これらの移載ポイント14は、次いでこれらを第2走行クレーン12の搬送動作とは独立して、搬送車両15によって荷受けすることができるように、ISOコンテナ2用のさらなる中間貯蔵場所として働く。
【0020】
搬送車両15は、垂直方向に昇降することのできる昇降台の形の昇降要素15aを持つ自動誘導車両として形成することが好ましい。搬送車両15は、岸壁3の長手方向に積み降ろし区域7内に進入する。搬送車両15は自動であるという事実のため、これらは、移載ポイント14に載置されているISOコンテナ2の下に非常に正確に自動的に位置付けることができる。この位置で、搬送車両は次いで移載位置に停止する。昇降要素15aは次いで、ISOコンテナ2の方向に垂直に上昇する。昇降要素15aは内向きに突出する支承アーム14bより幅狭に形成され、したがってISOコンテナ2を支承アーム14bから上昇させることができる。次いで搬送車両は、上昇した昇降要素15aおよびその上に載置されているISOコンテナ2と共に、岸壁3の長手方向Lに、移載ポイント14からその長手方向の広がりの方向aに走行する。搬送車両15は、岸壁3の長手方向Lに見て互いに前後に配置された移載ポイント14の支持アーム14aに沿ってISOコンテナ2を移動させ、それらの間を通過させる。搬送車両15が移載ポイント14を退去した後、昇降要素14aは下降し、搬送車両15はISOコンテナ2が下降した状態でその走行を続ける。
【0021】
移載ポイント14におけるISOコンテナ2の荷積みは、相応する方法で、しかし逆の順序で実行される。したがって、搬送車両15は岸壁3の長手方向Lに移載ポイント14に移動する。移載ポイント14に到達する少し前に、搬送車両15は停止し、昇降要素14aおよびしたがってそこに載置されているISOコンテナ2は、ISOコンテナ2の下面が支持アーム14aの支承アーム14bの上に到着するまで、垂直方向に持ち上げられる。自動誘導搬送車両15は次いで移載ポイント14内に進入し、そこでISOコンテナ2は支承アーム14bの上に位置付けされる。搬送車両15が移載位置に到達すると、この車両は停止し、ISOコンテナ2は昇降要素15aを下降させることによって支承アーム14b上に降ろされる。船舶4の荷降ろし中または荷積み中に、移載ポイント14はコンテナクレーン6と共に、岸壁3に沿ってそれらの位置を変化させる。
【0022】
コンテナクレーン6は、荷降ろし手順または荷積み手順中に、岸壁3に沿って段階的に移動するので、積み降ろし区域7もまた岸壁3に沿って移動する。岸壁3上を走行することのできる搬送車両15は、変位した積み降ろし区域7に容易に適応することができる。
【0023】
図2は、図1の積み降ろし区域7の領域の部分拡大図を示す。岸壁3の長手方向に見て互いに隣接して配置された2つの移載ポイント14を見ることができる。これらの移載ポイントの垂直に配向された支持アーム14aの下方部分が示されており、それらの下端は、ISOコンテナ2を受容するために内側に向けられた支承アーム14bに隣接している。昇降要素15aが上昇した自動誘導車両15が両方の移載ポイント14内に進入している。それは、移載ポイント14の支承アーム14bの上の側縁および下縁領域により、ISOコンテナ2を容易に位置付けることができることを意味する。この位置にある昇降要素15aにより、搬送車両15はISOコンテナ2と共に、岸壁3の長手方向に見て移載ポイント14中を駆動することができる。搬送車両15が、上昇した昇降要素15aおよびしたがって同じく上昇したISOコンテナ2と共に、移載位置に到着したときに、昇降要素15aが下降するので、第1段階でISOコンテナ2は、その側縁領域が支承アーム14bに載置された状態で降ろされ、次いで搬送車両15の方向にさらに下降する。すなわちISOコンテナ2の下面または支承アーム14bと搬送車両15またはその昇降要素15aとの間に充分な空間が形成されるので、港湾内でさらなる輸送タスクを実行するために、搬送車両15は移載ポイント14の下を走行して退出することができる。この荷降ろし位置から、第2走行クレーン12によってISOコンテナ2をさらに荷役することができる。
【0024】
第2クレーンブーム1aに2つ以上の移載ポイント14または1つだけの移載ポイントを懸吊することも基本的に可能である。
【0025】
図3は、上昇位置にある搬送車両15上に長さ20フィートの2つのISOコンテナ2が各々位置する、図2の側面図を示す。移載ポイント14の支持アーム14aは、フレーム状構造により補強されることを見ることができる。さらに、この図3は、岸壁3の長手方向に見て、移載ポイント14の長さがISOコンテナ2の長さに適応されることを示す。同じことが、昇降要素15aを持つ搬送車両15にも当てはまる。搬送車両15は、それによって20フィート長さのISOコンテナ2を互いに独立して荷役することができるようにするために、車両の走行方向に見て互いに前後に配置された2つの昇降要素15aを有する。長さ40フィートまたは長さ45フィートの長いISOコンテナ2の場合、2つの昇降要素15aが同期して昇降される。
【0026】
図4は、図1の中間貯蔵ポイント13の領域の部分拡大図を示す。基壇状支承要素13aは、ガントリフレーム8の海側支持体8aに片持ち梁状に配置された中間貯蔵ポイント13に配置されていることが分かる。支承要素の上部支承面は、搬送車両15の昇降要素15aと同様に、そこに降ろされたISOコンテナの側縁および角隅が支承要素13a上に載置されないように、これらがISOコンテナ2より幅狭になる寸法に作られる。したがって作業者は、ISOコンテナ2を積み重ねるために、ISOコンテナ2の下角隅部にツイストロックを取り付けまたは取り外すことができる。
【0027】
図5は図4の側面図を示す。これは再び、ISOコンテナ2が中間貯蔵のためにその上に降ろされる立方形の支承要素13aを示す。
【符号の説明】
【0028】
1 荷役システム
2 ISOコンテナ
3 岸壁
4 船舶
5 港湾泊地
6 コンテナクレーン
7 積み降ろし区域
8 ガントリフレーム
8a 海側支持体
8b 陸側支持体
8c 走行機構
10 第1走行クレーン
10a 第1クレーンブーム
10b 第1クレーントロリ
10c 海側部分
10d 陸側部分
10e 第1荷受け手段
11 走行領域
12 第2走行クレーン
12a 第2クレーンブーム
12b 第2クレーントロリ
12c ガントリ側部分
12d 荷積み区域側部分
12e 第2荷受け手段
13 中間貯蔵区域
13a 支承要素
14 移載ポイント
14a 支持アーム
14b 支承アーム
15 搬送車両
15a 昇降要素
a 移載ポイント14の長手方向の広がり
l 第2クレーンブーム12aの長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナクレーンブリッジ(6)と、前記コンテナクレーンブリッジ(6)に隣接し、ISOコンテナ(2)用搬送車両(15)が進入および退去することができる積み降ろし区域(7)とを持つISOコンテナ(2)用荷役システムであって、前記コンテナクレーンブリッジ(6)が第1クレーンブーム(10a)を持つ第1走行クレーン(10)を有し、第1荷受け手段(10e)を持つ第1クレーントロリ(10b)が前記第1クレーンブーム(10a)上をその海側部分(10c)と陸側部分(10d)との間で走行することができ、かつ前記コンテナクレーンブリッジ(6)が、前記第1クレーンブーム(10a)の陸側部分(10d)の下に配置された第2クレーンブーム(12a)を持つ第2走行クレーン(12)を有し、第2荷受け手段(12e)を持つ第2クレーントロリ(12b)が前記第2クレーンブーム(12a)上を走行することができ、ISOコンテナ(2)が前記第1走行クレーン(10)と前記第2走行クレーン(12)との間で移載することができるようにしたISOコンテナ(2)用荷役システムにおいて、ISOコンテナ(2)用の受動移載ポイント(14)が前記第2クレーンブーム(12a)に配置され、ISOコンテナ(2)を前記移載ポイント(14)と前記積み降ろし区域(7)に停止している搬送車両(15)との間で移載することができ、前記移載ポイント(14)が基本的に、前記第2クレーンブーム(12a)に懸吊されたI形支持アーム(14a)から構成され、前記I形支持アームが前記第2クレーンブーム(12a)から離れたそれらの端部領域に支承アーム(14b)を有し、移載ポイント(14)で降ろされるISOコンテナ(2)が前記支承アーム上に載置され、前記搬送車両(15)が昇降要素(15a)を有し、それによりISOコンテナ(2)を移載ポイント(14)から上昇させ、または移載ポイント(14)上に下降させることができることを特徴とする荷役システム。
【請求項2】
前記昇降要素(15a)が昇降台として形成され、昇降要素(15a)が下降し空の状態の前記搬送車両(15)が移載ポイント(14)の下を走行することができ、あるいは昇降要素(15a)が上昇した状態の搬送車両(15)によってISOコンテナ(2)を移載ポイント(14)に移動させることができ、こうしてISOコンテナ(2)が支承アーム(14b)の上に位置付けられることを特徴とする、請求項1に記載の荷役システム。
【請求項3】
前記コンテナクレーンブリッジ(6)がレールに沿って岸壁(3)の長手方向に走行することができ、前記移載ポイント(14)がその長手方向の広がり(a)を岸壁(3)の長手方向に向き付けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の荷役システム。
【請求項4】
前記第2クレーンブーム(12a)が、前記第1クレーンブーム(10a)の海側部分(10c)に対面するガントリ側部分(12c)と、隣接する荷積み区域側部分(12d)とを有し、前記第2クレーンブーム(12a)の前記荷積み区域側部分(12d)における前記移載ポイント(14)が前記第2クレーンブーム(12a)に取り付けられることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の荷役システム。
【請求項5】
複数の移載ポイント(14)が、岸壁(3)の長手方向に見て互いに隣接して第2クレーンブーム(12a)に懸吊されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の荷役システム。
【請求項6】
前記第2走行クレーン(12)の領域で、前記第2クレーンブーム(12a)の下に、ISOコンテナ(2)用の少なくとも1つの中間貯蔵ポイント(13)が配置され、そこにまたはそこからISOコンテナ(2)を前記第1走行クレーン(10)および前記第2走行クレーン(12)によって降ろしまたは取り出すことができることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の荷役システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−510057(P2013−510057A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537384(P2012−537384)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066724
【国際公開番号】WO2011/054856
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(504346570)ゴットヴァルト ポート テクノロジー ゲーエムベーハー (14)
【氏名又は名称原語表記】GOTTWALD PORT TECHNOLOGY GMBH
【住所又は居所原語表記】Forststrasse 16,40597 Dusseldorf,Germany