説明

コンテンツを媒介としたユーザ属性情報拡張装置、ユーザ属性情報拡張方法及びユーザ属性情報拡張システム

【課題】属性が把握されていないユーザの属性情報を自動的に拡張して付加することにより、当該ユーザへのコンテンツの配信の精度を向上させることを可能とし、当該ユーザの閲覧行動を、より高い寄与度でコンテンツの需要の分析に用いることを可能とすること。
【解決手段】ユーザ属性情報拡張装置(3)は、コンテンツを選択した一のユーザについて設定されたユーザ属性情報を取得し、当該ユーザ属性情報を、選択されたコンテンツに対するユーザ属性情報として設定するユーザ属性情報付与手段(35)と、ユーザ属性情報付与手段によってユーザ属性情報が設定されたコンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、当該コンテンツに設定されているユーザ属性情報を設定するユーザ属性情報還流手段(36)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを媒介としたユーザ属性情報拡張装置、ユーザ属性情報拡張方法及びユーザ属性情報拡張システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Webサイトからコンテンツを提供するシステム等、ネットワークを介してユーザにニュースや実用情報等のコンテンツを配信するシステムが知られている。
このようなシステムでは、ユーザに対し、そのユーザの属性(性別、年齢、購入した商品の履歴、興味のある分野等)が設定されていると共に、配信されるコンテンツにも、そのコンテンツに応じた属性(コンテンツのカテゴリ、想定される配信対象者等)が設定されている。
このようなコンテンツの配信システムについては、例えば、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載のシステムは、自分専用のポータルサイトを構築することができるサービスをユーザに提供するポータルサイト提供システムにおいて、ポータルサイトの情報出力領域に出力するコンテンツをユーザの属性及びコンテンツの属性に基づいて選択するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−318179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術を含め、ネットワークを介してユーザにコンテンツを配信する従来のシステムでは、ユーザ毎に設定された属性情報を利用することを前提としているものの、ユーザの全てに属性情報が設定されているとは限らず、コンテンツにアクセスしたユーザの属性が必ずしも把握できない場合がある。そのため、属性が把握されていないユーザについてはコンテンツの配信に当該属性情報を利用することができないため、コンテンツの配信の精度を上げることができない。さらに、このようなユーザの閲覧行動については、コンテンツの需要の分析における寄与度が低いものとなっていた。
【0005】
本発明は、属性が把握されていないユーザの属性情報を自動的に拡張して付加することにより、当該ユーザへのコンテンツの配信の精度を向上させることを可能とし、当該ユーザの閲覧行動を、より高い寄与度でコンテンツの需要の分析に用いることを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) ユーザ毎に設定されたユーザ属性情報を拡張するユーザ属性情報拡張装置であって、
コンテンツを選択した一のユーザについて設定された前記ユーザ属性情報を取得し、当該ユーザ属性情報を、選択された前記コンテンツに対する前記ユーザ属性情報として設定するユーザ属性情報付与手段と、
前記ユーザ属性情報付与手段によって前記ユーザ属性情報が設定された前記コンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、当該コンテンツに設定されている前記ユーザ属性情報を設定するユーザ属性情報還流手段と、
を備えるユーザ属性情報拡張装置。
【0007】
(1)のユーザ属性情報拡張装置によれば、コンテンツが選択された場合に、選択したユーザのユーザ属性情報が参照される。そして、そのユーザ属性情報が、選択されたコンテンツのユーザ属性情報として設定される。さらに、そのコンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、選択されたコンテンツに設定されたユーザ属性情報が設定される。
したがって、属性が把握されていないユーザについても属性を設定することにより、当該ユーザへのコンテンツの配信の精度を向上させることが可能となり、当該ユーザの閲覧行動を、より高い寄与度でコンテンツの需要の分析に用いることが可能となる。
【0008】
(2) 前記ユーザ属性情報還流手段は、前記ユーザ属性情報付与手段によって前記ユーザ属性情報が設定された前記コンテンツを、ユーザ属性情報が設定されていない他のユーザが選択した場合に、当該選択した前記コンテンツに設定されている前記ユーザ属性情報を当該他のユーザについてのユーザ属性情報として設定する(1)に記載のユーザ属性情報拡張装置。
(2)のユーザ属性情報拡張装置によれば、ユーザ属性情報が未知のユーザに対して、ユーザ属性情報が既知のユーザのユーザ属性情報を拡張することができる。
【0009】
(3) 前記ユーザを識別するユーザ識別情報に対応付けられた前記ユーザ属性情報を記憶するユーザデータ記憶手段と、
前記コンテンツを識別するコンテンツ識別情報に対応付けられた前記ユーザ属性情報を記憶するコンテンツ・ユーザ属性情報記憶手段と、
をさらに備え、
前記ユーザ属性情報付与手段は、前記コンテンツを選択した前記ユーザの前記ユーザ属性情報を前記ユーザデータ記憶手段から取得し、取得した前記ユーザ属性情報を、前記コンテンツ・ユーザ属性情報記憶手段において、選択された前記コンテンツの前記ユーザ属性情報として設定し、
前記ユーザ属性情報還流手段は、前記ユーザ属性情報付与手段によって設定された前記ユーザ属性情報を前記コンテンツ・ユーザ属性情報記憶手段から取得し、取得した前記ユーザ属性情報を、前記ユーザデータ記憶手段において、前記コンテンツを選択した前記ユーザの前記ユーザ属性情報として設定する(1)または(2)に記載のユーザ属性情報拡張装置。
(3)のユーザ属性情報拡張装置によれば、ユーザに設定されたユーザ属性情報及びコンテンツに設定されたユーザ属性情報をそれぞれ記憶手段に記憶して管理する構成において、ユーザによるコンテンツの選択行動に対応して、それらの記憶手段における記憶内容を更新することができる。
したがって、当該ユーザへのコンテンツの配信の精度を向上させることが可能となり、当該ユーザの閲覧行動を、より高い寄与度でコンテンツの需要の分析に用いることが可能となる。また、各記憶手段に記憶された情報に対して、ユーザ属性情報付与手段の処理及びユーザ属性情報還流手段の処理をバッチ処理として実行することが可能となるため、処理の起動回数を削減することができ、処理効率を向上させることができる。
【0010】
(4) 前記ユーザ属性情報付与手段は、一の前記コンテンツを選択した複数の前記ユーザに設定されている前記ユーザ属性情報に共通する属性を、前記選択されたコンテンツの前記ユーザ属性情報として設定する(1)から(3)のいずれかに記載のユーザ属性情報拡張装置。
(4)のユーザ属性情報拡張装置によれば、コンテンツを選択した複数のユーザに共通するユーザ属性情報が、そのコンテンツのユーザ属性情報として設定されるため、コンテンツにより適合するユーザ属性情報を設定することができる。
【0011】
(5) ユーザ毎に設定されたユーザ属性情報を拡張するためのユーザ属性情報拡張方法であって、
コンピュータが、コンテンツを選択した一のユーザについて設定された前記ユーザ属性情報を取得し、当該ユーザ属性情報を、選択された前記コンテンツに対する前記ユーザ属性情報として設定するユーザ属性情報付与ステップと、
コンピュータが、前記ユーザ属性情報付与ステップにおいて前記ユーザ属性情報が設定された前記コンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、当該コンテンツに設定されている前記ユーザ属性情報を設定するユーザ属性情報還流ステップと、
を含むユーザ属性情報拡張方法。
(5)のユーザ属性情報拡張方法によれば、コンテンツが選択された場合に、選択したユーザのユーザ属性情報が参照される。そして、そのユーザ属性情報が、選択されたコンテンツのユーザ属性情報として設定される。さらに、そのコンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、選択されたコンテンツに設定されたユーザ属性情報が設定される。
したがって、属性が把握されていないユーザについても属性を設定することにより、当該ユーザへのコンテンツの配信の精度を向上させることが可能となり、当該ユーザの閲覧行動を、より高い寄与度でコンテンツの需要の分析に用いることが可能となる。
【0012】
(6) ユーザによるコンテンツの選択が行われるユーザ端末と、前記ユーザ端末とネットワークを介して接続され、前記コンテンツの選択を受け付けるユーザ属性情報拡張装置とを含み、前記ユーザ毎に設定されたユーザ属性情報を拡張するユーザ属性情報拡張システムであって、
前記ユーザ端末は、選択された前記コンテンツを識別するコンテンツ識別情報及び当該コンテンツを選択した前記ユーザを識別するユーザ識別情報を前記ユーザ属性情報拡張装置に送信し、
前記ユーザ属性情報拡張装置は、
前記ユーザ端末から送信された前記コンテンツ識別情報及び前記ユーザ識別情報に基づいて、前記コンテンツを選択した前記ユーザに設定されている前記ユーザ属性情報を取得し、当該ユーザ属性情報を、選択された前記コンテンツに対する前記ユーザ属性情報として設定するユーザ属性情報付与手段と、
前記ユーザ属性情報付与手段によって前記ユーザ属性情報が設定された前記コンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、当該コンテンツに設定されている前記ユーザ属性情報を設定するユーザ属性情報還流手段と、
を備えるユーザ属性情報拡張システム。
(6)のユーザ属性情報拡張システムによれば、ユーザ端末によってコンテンツが選択された場合に、選択したユーザのユーザ属性情報が参照される。そして、そのユーザ属性情報が、選択されたコンテンツのユーザ属性情報として設定される。さらに、そのコンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、選択されたコンテンツに設定されたユーザ属性情報が設定される。
したがって、属性が把握されていないユーザについても属性を設定することにより、当該ユーザへのコンテンツの配信の精度を向上させることが可能となり、当該ユーザの閲覧行動を、より高い寄与度でコンテンツの需要の分析に用いることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、属性が把握されていないユーザについても属性を設定することにより、当該ユーザへのコンテンツの配信の精度を向上させることが可能となり、当該ユーザの閲覧行動を、より高い寄与度でコンテンツの需要の分析に用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ユーザ属性情報拡張システム1を説明するための全体構成を示す図である。
【図2】ユーザ端末2に表示されるトップページの表示画面例を示す図である。
【図3】クリックログデータベース32が記憶するクリックログを示す図である。
【図4】ユーザデータベース33が記憶するユーザ情報を示す図である。
【図5】コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34が記憶するコンテンツ・ユーザ属性情報を示す図である。
【図6】ユーザ属性情報拡張装置3のユーザ属性情報付与部35により行われるユーザ属性情報付与処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】ユーザ属性情報還流部36により行われるユーザ属性情報還流処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るユーザ属性情報拡張システム1を説明するための全体構成を示す図である。
以下の説明において、コンテンツを選択する動作の代表的な形態として、「クリック」を例に挙げて説明するものとする。ただし、コンテンツを選択する手法としては、クリックを含む種々の形態を用いることができる。
ユーザ属性情報拡張システム1は、ユーザ端末2に表示されたコンテンツがクリックの動作によって選択された場合に、ユーザ端末2からユーザ属性情報拡張装置3にユーザID及びコンテンツIDが送信され、ユーザIDに係るユーザの属性情報が参照される。そして、コンテンツの属性情報として、クリックしたユーザの属性情報が追加される。また、そのコンテンツをクリックした他のユーザの属性情報として、クリックによって選択されたコンテンツに設定されている属性情報が追加される。
【0016】
このような処理が繰り返されることにより、一のユーザの属性情報がコンテンツの属性情報を経由し、他のユーザの属性情報に伝搬することで、例えば、ユーザの属性情報が既知のユーザから、ユーザの属性情報が未知のユーザに対して、ユーザの属性情報が拡張される。
したがって、属性が把握されていないユーザについても属性を設定することにより、当該ユーザへのコンテンツの配信の精度を向上させることが可能となり、当該ユーザの閲覧行動を、より高い寄与度でコンテンツの需要の分析に用いることが可能となる。
【0017】
図1において、ユーザ端末2は、ブラウザ機能を有するノート型PC等の情報処理端末によって構成され、不図示のネットワークを介してユーザ属性情報拡張装置3から提供されるコンテンツを表示する。そして、ユーザ端末2は、表示されたコンテンツのうち、クリック等により選択されたコンテンツを識別するコンテンツIDを、ユーザを識別するユーザIDと共に、ユーザ属性情報拡張装置3に送信する。本実施形態において、ユーザ端末2として、異なるユーザそれぞれによって使用される複数のユーザ端末2が含まれるものとし、これらのユーザの一部はユーザ属性情報が既知であり、残りのユーザはユーザ属性情報が未知あるいは未設定であるものとする。
【0018】
図2は、ユーザ端末2に表示されるトップページの表示画面例を示す図である。
図2に示すように、ユーザ端末2に表示されるトップページは、ポータルサイトのトップページ等として構成されるものであり、ニュースの見出し、実用情報のタイトル、商品の紹介記事のタイトル、ツイッター等のストリーミングコンテンツ等、各種コンテンツにリンクされたテキスト情報あるいは画像の表示領域を含んでいる。
これらテキスト情報や画像からリンクされたコンテンツは、多数の提供可能なコンテンツの中から、ポータルサイト側(ここではユーザ属性情報拡張装置3の運営者)によってランダムに選択されたものである。
【0019】
ユーザ属性情報拡張装置3は、不図示のネットワークを介してユーザ端末2と接続され、各種コンテンツを提供するサーバによって構成される。ユーザ属性情報拡張装置3は、コンテンツ選択受付部31と、クリックログデータベース32と、ユーザデータベース33と、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34と、ユーザ属性情報付与部35と、ユーザ属性情報還流部36とを備えている。
コンテンツ選択受付部31は、ユーザ端末2から送信されたコンテンツID及びユーザIDを受信し、後述するクリックログデータベース32に格納する。そして、コンテンツ選択受付部31は、コンテンツID及びユーザIDを受信したことをユーザ属性情報付与部35に通知する。
【0020】
クリックログデータベース32は、ユーザによるコンテンツのクリックに関する履歴(以下、「クリックログ」と呼ぶ。)を記憶する。具体的には、クリックログデータベース32は、ユーザ端末2から送信されたコンテンツID及びユーザIDを対応付けて記憶する。また、クリックログデータベース32は、そのコンテンツID及びユーザIDを受信した時刻を、コンテンツのクリック時刻として記憶する。なお、クリックログデータベース32には、ユーザの閲覧行動に関するその他の各種情報が適宜記憶される。
【0021】
図3は、クリックログデータベース32が記憶するクリックログを示す図である。
図3において、クリックログには、ユーザ端末2から送信されたコンテンツIDと、クリック時刻(コンテンツIDを受信した時刻)と、コンテンツをクリックしたユーザのユーザIDとが対応付けて記憶されている。
例えば、クリックログの第1行には、コンテンツID「A777」、ユーザID「U001」が記憶されている。このコンテンツID「A777」で示されるコンテンツは、近時、新しく配信されたコンテンツであり、ユーザID「U001」のユーザによって2011年5月23日の11時11分11秒にクリックされたことが示されている。
【0022】
また、クリックログの第3行を参照すると、コンテンツID「A777」で示されるコンテンツは、ユーザID「U123」のユーザによっても、2011年5月23日11時11分13秒にクリックされたことが示されている。
さらに、クリックログの第4行を参照すると、コンテンツID「A777」で示されるコンテンツは、ユーザID「U211」のユーザによっても、2011年5月23日11時11分15秒にクリックされたことが示されている。
一方、クリックログの第2行を参照すると、コンテンツID「A002」で示されるコンテンツは、ユーザID「U999」のユーザによって、2011年5月23日11時11分12秒にクリックされたことが示されている。
また、クリックログの第5行を参照すると、コンテンツID「A002」で示されるコンテンツは、ユーザID「U300」のユーザによって、2011年5月23日11時11分20秒にクリックされたことが示されている。
なお、ユーザID「U300」のユーザは、後述するように、ユーザ属性情報が設定されていないユーザである。
ユーザデータベース33は、ユーザを識別するユーザIDと、そのユーザに対応付けられた属性であるユーザ属性情報とを含むユーザ情報を記憶する。ユーザ情報には、ユーザによって入力されたユーザの性別や年齢等、ユーザに関する情報が適宜記憶される。
【0023】
図4は、ユーザデータベース33が記憶するユーザ情報を示す図である。
図4において、ユーザ情報には、ユーザIDとユーザ属性情報とが対応付けて記憶されている。ユーザ属性情報は、ユーザがクリックしたコンテンツのカテゴリ(興味分野)を表しており、このカテゴリは、ユーザ登録時等、ユーザ自らの設定によって付される場合と、ユーザが閲覧したコンテンツに設定されているユーザ属性情報が、そのユーザのユーザ属性情報に設定される場合との2つのパターンで設定されたものである。なお、ユーザが閲覧したコンテンツに設定されているユーザ属性情報が、そのユーザのユーザ属性情報に設定された場合のユーザ属性情報を、以下、「還流追加ユーザ属性情報」と呼ぶ。図4において、還流追加ユーザ属性情報には、アスタリスク(*)が付されて識別されている。
【0024】
例えば、ユーザ情報の第1行には、ユーザID「U001」、ユーザ属性情報「携帯電話、車、旅行、ティーンズ」が記憶されている。ユーザ属性情報のうち、「携帯電話、車、旅行」については、ユーザID「U001」のユーザ自らによって設定されたものである。一方、ユーザ属性情報「ティーンズ」については、クリックログデータベース32において、ユーザID「U001」のユーザがクリックしたコンテンツ(A777)を共にクリックしたユーザID「U123」、「U211」のユーザに設定されているユーザ属性情報がコンテンツ(A777)のユーザ属性情報を介して、還流追加ユーザ属性情報として設定されたものである。なお、ユーザID「U123」、「U211」のユーザに設定されているユーザ属性情報のうち、コンテンツID「A777」のコンテンツに追加されたユーザ属性情報は、後述するように「ティーンズ」のみであるため、還流追加ユーザ属性情報として、ここでは「ティーンズ」が追加されている。
【0025】
また、ユーザ情報の第4行には、ユーザID「U300」、ユーザ属性情報「映画、音楽、演劇」が記憶されている。ユーザID「U300」のユーザについては、ユーザ自身によってユーザ属性情報が設定されておらず、ユーザID「U300」のユーザがユーザID「U999」のユーザと同一のコンテンツ(A002)をクリックしたことにより、ユーザID「U999」のユーザのユーザ属性情報が、コンテンツ(A002)のユーザ属性情報を介して、還流追加ユーザ属性情報として設定されたものである。
このように、共通するコンテンツをクリックしたユーザ間において、ユーザ属性情報が還流追加ユーザ属性情報として伝搬することにより、ユーザ属性情報が拡張される。
【0026】
コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34は、コンテンツを識別するコンテンツIDと、そのコンテンツIDが表すコンテンツに対応付けられたユーザ属性情報と、コンテンツIDに対応するコンテンツのデータ(具体的にはデータファイル名)とを含むコンテンツ・ユーザ属性情報を記憶する。
【0027】
図5は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34が記憶するコンテンツ・ユーザ属性情報を示す図である。
図5において、コンテンツ・ユーザ属性情報には、コンテンツIDと、ユーザ属性情報と、コンテンツのデータ(ファイル名)とが対応付けて記憶されている。コンテンツIDは、ユーザ属性情報拡張装置3が提供するコンテンツそれぞれを識別する情報である。また、ユーザ属性情報は、それぞれのコンテンツIDに対応するコンテンツに設定されているユーザ属性情報を示している。このユーザ属性情報は、後述するように、ユーザ属性情報付与部35によって更新される。コンテンツのデータは、コンテンツIDに対応するコンテンツを表すデータであり、具体的には、画像データファイル名や文書データファイル名等である。なお、ユーザ属性情報付与部35によってコンテンツに追加されたユーザ属性情報を、以下、「自動追加ユーザ属性情報」と呼ぶ。図5において、自動追加ユーザ属性情報には、シャープ(#)が付されて識別されている。
【0028】
例えば、コンテンツ・ユーザ属性情報の第1行には、コンテンツID「A001」、ユーザ属性情報「携帯電話、通信」、コンテンツのデータ(ファイル名)「file0001」とが記憶されている。また、コンテンツ・ユーザ属性情報の第3行には、コンテンツID「A777」、ユーザ属性情報「携帯電話、通信、ティーンズ」、コンテンツのデータ(ファイル名)「file0123」とが記憶されている。この第3行のコンテンツ・ユーザ属性情報における「ティーンズ」のユーザ属性情報は、ユーザデータベース33において、ユーザID「U123」及び「U211」に対応するユーザ属性情報に含まれていたものが、後述するように、ユーザ属性情報付与部35によって、コンテンツID「A777」の自動追加ユーザ属性情報として追加されたものである。
【0029】
また、コンテンツ・ユーザ属性情報の第2行には、コンテンツID「A002」、ユーザ属性情報「映画、音楽、演劇」、コンテンツのデータ(ファイル名)「file0002」とが記憶されている。このユーザ属性情報は、ユーザデータベース33において、ユーザID「U999」に対応するユーザ属性情報が自動追加ユーザ属性情報として追加されたものである。
【0030】
ユーザ属性情報付与部35は、コンテンツ選択受付部31からユーザID及びコンテンツIDを受信したことが通知されると、ユーザ属性情報付与処理(後述)を実行し、コンテンツをクリックしたユーザのユーザ属性情報を、コンテンツのユーザ属性情報に設定する。
即ち、ユーザ属性情報付与部35は、クリックログデータベース32から、クリックされたコンテンツのコンテンツID(以下、「クリックコンテンツID」と呼ぶ。)と、そのコンテンツをクリックしたユーザのユーザID(以下、「クリックユーザID」と呼ぶ。)とを取得する。
【0031】
また、ユーザ属性情報付与部35は、ユーザデータベース33から、クリックユーザIDに対応するユーザ属性情報を取得する。
さらに、ユーザ属性情報付与部35は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から、クリックコンテンツIDに対応するコンテンツ・ユーザ属性情報を取得する。
そして、ユーザ属性情報付与部35は、ユーザデータベース33から取得したユーザ属性情報をコンテンツ・ユーザ属性情報のユーザ属性情報に自動追加ユーザ属性情報として追加し、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34を更新する。このとき、ユーザ属性情報付与部35は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34に自動追加ユーザ属性情報を追加したことをユーザ属性情報還流部36に通知する。
【0032】
なお、ユーザ属性情報付与部35は、クリックログデータベース32に、同一のクリックコンテンツIDで、異なるクリックユーザIDのクリックログが含まれている場合、それらのクリックユーザIDに対応するユーザ属性情報において、共通するユーザ属性情報のみをコンテンツ・ユーザ属性情報に反映させたり、双方のクリックユーザIDに対応するユーザ属性情報の全てをコンテンツ・ユーザ属性情報に反映させたりすることができる。また、ユーザ属性情報付与部35は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34を参照した結果、ユーザ属性情報が設定されていないコンテンツである場合には、そのコンテンツのユーザ属性情報として、クリックユーザIDに対応するユーザ属性情報全てを、そのコンテンツの自動追加ユーザ属性情報として設定する。
【0033】
ユーザ属性情報還流部36は、ユーザ属性情報付与部35からコンテンツ・ユーザ属性情報データベース34に自動追加ユーザ属性情報を追加したことが通知されると、ユーザ属性情報還流処理(後述)を実行し、コンテンツに設定されたユーザ属性情報をそのコンテンツをクリックしたユーザのユーザ属性情報に設定する。
即ち、ユーザ属性情報還流部36は、クリックログデータベース32を参照し、クリックコンテンツID及びクリックユーザIDを取得する。
また、ユーザ属性情報還流部36は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から、クリックコンテンツIDに対応するユーザ属性情報を取得する。
さらに、ユーザ属性情報還流部36は、ユーザデータベース33から、クリックユーザIDに対応するユーザ属性情報を取得する。
【0034】
そして、ユーザ属性情報還流部36は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から取得したユーザ属性情報に含まれ、ユーザデータベース33から取得したユーザ属性情報に含まれていない内容を、ユーザデータベース33のユーザ属性情報に還流追加ユーザ属性情報として追加する。このとき、ユーザ属性情報還流部36は、ユーザデータベース33を参照した結果、クリックユーザIDに対応するユーザのユーザ属性情報が設定されていない場合、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34におけるクリックコンテンツIDに対応するユーザ属性情報全てを、ユーザデータベース33において、そのユーザのユーザ属性情報として設定する。
ユーザ属性情報還流部36は、還流追加ユーザ属性情報を追加した場合に、そのユーザ属性情報によってユーザデータベース33のユーザ属性情報を更新する。
【0035】
[ユーザ属性情報拡張システム1の構成]
以上説明したユーザ属性情報拡張システム1を構成するユーザ端末2のハードウェアは、1または複数の一般的なコンピュータによって構成することができる。一般的なコンピュータは、例えば、制御装置として、中央処理装置(CPU)を備える他、記憶装置として、メモリ(RAM、ROM)、ハードディスク(HDD)及び光ディスク(CD、DVDなど)を、ネットワーク通信装置として、各種有線及び無線LAN装置を、表示装置として、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの各種ディスプレイを、入力装置として、例えば、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボールなど)を適宜備え、これらは、バスラインにより接続されている。このような一般的なコンピュータにおいて、CPUは、ユーザ端末2を統括的に制御し、各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0036】
また、以上説明したユーザ属性情報拡張システム1を構成するユーザ属性情報拡張装置3のハードウェアは、1または複数の一般的なコンピュータによって構成することができる。一般的なコンピュータは、例えば、コンテンツ選択受付部31、ユーザ属性情報付与部35及びユーザ属性情報還流部36として、中央処理装置(CPU)を備える他、クリックログデータベース32、ユーザデータベース33及びコンテンツ・ユーザ属性情報データベース34として、メモリ(RAM、ROM)、ハードディスク(HDD)及び光ディスク(CD、DVDなど)を、ネットワーク通信装置として、各種有線及び無線LAN装置を、表示装置として、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの各種ディスプレイを、入力装置として、例えば、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボールなど)を適宜備え、これらは、バスラインにより接続されている。このような一般的なコンピュータにおいて、CPUは、ユーザ属性情報拡張装置3を統括的に制御し、各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0037】
[ユーザ属性情報拡張システム1の処理]
続いて、図6,7を参照して、ユーザ属性情報拡張システム1の処理の流れについて説明する。
[ユーザ属性情報付与処理]
初めに、図6を参照して、ユーザ属性情報付与処理の流れについて説明する。
図6は、ユーザ属性情報拡張装置3のユーザ属性情報付与部35により行われるユーザ属性情報付与処理の流れを示すフローチャートである。
【0038】
ユーザ属性情報付与処理は、コンテンツ選択受付部31がユーザ端末2からコンテンツID及びユーザIDを受信したことが通知された場合に実行される。
ステップS1において、ユーザ属性情報付与部35は、クリックログデータベース32から、クリックログ(クリックコンテンツID及びクリックユーザID等)を取得する。
例えば、ユーザ属性情報付与部35は、クリックログデータベース32から、第1行のクリックログ(コンテンツID「A777」、ユーザID「U001」)と、同一のコンテンツIDのクリックログ(コンテンツID「A777」、ユーザID「U123」及びコンテンツID「A777」、ユーザID「U211」)とを取得する。
また、ユーザ属性情報付与部35は、クリックログデータベース32から、第2行のクリックログ(コンテンツID「A002」、ユーザID「U999」)と、同一のコンテンツIDのクリックログ(コンテンツID「A002」、ユーザID「U300」)とを取得する。
【0039】
ステップS2において、ユーザ属性情報付与部35は、ユーザデータベース33から、クリックユーザIDに対応するユーザ属性情報を取得する。
例えば、ユーザ属性情報付与部35は、ユーザID「U001」のユーザのユーザ属性情報「携帯電話、車、旅行」、ユーザID「U123」のユーザのユーザ属性情報「コスメ、芸能、ティーンズ」及びユーザID「U211」のユーザのユーザ属性情報「スポーツ、ファッション、ティーンズ」を取得する。
また、ユーザ属性情報付与部35は、ユーザID「U300」のユーザのユーザ属性情報「−」(未設定)及びユーザID「U999」のユーザのユーザ属性情報「映画、音楽、演劇」を取得する。なお、ユーザ属性情報「−」(未設定)は、ユーザの属性情報が未設定であることを表すものとする。
【0040】
ステップS3において、ユーザ属性情報付与部35は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から、クリックコンテンツIDに対応するコンテンツ・ユーザ属性情報を取得する。
例えば、ユーザ属性情報付与部35は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から、コンテンツID「A777」に対応するユーザ属性情報「携帯電話、通信」を取得する。
また、ユーザ属性情報付与部35は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から、コンテンツID「A002」に対応するユーザ属性情報「−」(未設定)を取得する。
【0041】
ステップS4において、ユーザ属性情報付与部35は、ユーザデータベース33から取得したユーザ属性情報をコンテンツ・ユーザ属性情報のユーザ属性情報に自動追加ユーザ属性情報として追加する。
例えば、ユーザ属性情報付与部35は、コンテンツ・ユーザ属性情報におけるコンテンツID「A777」に対応するユーザ属性情報に、ユーザデータにおけるユーザ属性情報の中の「ティーンズ」を自動追加ユーザ属性情報として追加する。なお、「ティーンズ」は、コンテンツID「A777」のコンテンツをクリックした複数のユーザ(ユーザID「U123」及び「U211」のユーザ)のユーザ属性情報に共通に含まれる属性である。
【0042】
また、ユーザ属性情報付与部35は、コンテンツ・ユーザ属性情報におけるコンテンツID「A002」に対応するユーザ属性情報に、ユーザ属性情報「映画、音楽、演劇」を自動追加ユーザ属性情報として追加する。
これにより、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34においては、コンテンツに対して、そのコンテンツをクリックしたユーザのユーザ属性情報が追加される。
ステップS4の処理の後、ユーザ属性情報付与処理は終了する。
【0043】
[ユーザ属性情報還流処理]
続いて、図7を参照して、ユーザ属性情報還流処理の流れについて説明する。
図7は、ユーザ属性情報還流部36により行われるユーザ属性情報還流処理の流れを示すフローチャートである。
ユーザ属性情報還流処理は、ユーザ属性情報付与部35からコンテンツ・ユーザ属性情報データベース34に自動追加ユーザ属性情報を追加したことが通知された場合に実行される。
【0044】
ステップS11において、ユーザ属性情報還流部36は、クリックログデータベース32から、クリックログ(クリックコンテンツID及びクリックユーザID等)を取得する。
例えば、ユーザ属性情報還流部36は、クリックログデータベース32から、第1行のクリックログ(コンテンツID「A777」、ユーザID「U001」)を取得する。また、ユーザ属性情報還流部36は、クリックログデータベース32から、第5行のクリックログ(コンテンツID「A002」、ユーザID「U300」)を取得する。
【0045】
ステップS12において、ユーザ属性情報還流部36は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から、クリックコンテンツIDに対応するユーザ属性情報を取得する。
例えば、ユーザ属性情報還流部36は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から、コンテンツID「A777」に対応するユーザ属性情報「携帯電話、通信、ティーンズ」を取得する。
また、ユーザ属性情報還流部36は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から、コンテンツID「A002」に対応するユーザ属性情報「映画、音楽、演劇」を取得する。
【0046】
ステップS13において、ユーザ属性情報還流部36は、ユーザデータベース33から、クリックユーザIDに対応するユーザ属性情報を取得する。
例えば、ユーザ属性情報還流部36は、ユーザID「U001」のユーザのユーザ属性情報「携帯電話、車、旅行」を取得する。
また、ユーザ属性情報還流部36は、ユーザID「U300」のユーザのユーザ属性情報「−」(未設定)を取得する。
【0047】
ステップS14において、ユーザ属性情報還流部36は、ユーザデータベース33のユーザ属性情報に還流追加ユーザ属性情報を追加する。なお、ステップS14の処理は、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34から取得したユーザ属性情報に含まれ、ユーザデータベース33から取得したユーザ属性情報に含まれていない内容が存在する場合にのみ実行される。
【0048】
例えば、ユーザ属性情報還流部36は、ユーザID「U001」のユーザのユーザ属性情報「携帯電話、車、旅行」に、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34内の自動追加ユーザ属性情報である「ティーンズ」を還流追加ユーザ属性情報として追加する。
また、ユーザ属性情報還流部36は、ユーザID「U300」のユーザのユーザ属性情報「−」(未設定)に、コンテンツ・ユーザ属性情報データベース34内の自動追加ユーザ属性情報である「映画、音楽、演劇」を還流追加ユーザ属性情報として追加する。
【0049】
これにより、ユーザデータベース33においては、ユーザ端末2において、コンテンツをクリックしたユーザのユーザ属性情報に、クリックしたコンテンツに設定されているユーザ属性情報が追加される。
ステップS14の後、ユーザ属性情報還流処理は終了する。
【0050】
以上のように、本実施形態に係るユーザ属性情報拡張システム1では、ユーザ端末2に表示されたコンテンツがクリックされた場合に、ユーザ端末2からユーザ属性情報拡張装置3にユーザID及びコンテンツIDが送信され、ユーザIDに係るユーザ属性情報が参照される。そして、クリックしたユーザに設定されているユーザ属性情報がコンテンツに対して、自動追加ユーザ属性情報として追加される。さらに、そのコンテンツをクリックした他のユーザのユーザ属性情報に、クリックしたコンテンツに設定された自動追加ユーザ属性情報が還流追加ユーザ属性情報として追加される。
このような処理が繰り返されることにより、一のユーザの属性情報がコンテンツの属性情報を経由し、他のユーザの属性情報に伝搬することで、ユーザの属性情報が拡張される。
したがって、属性が把握されていないユーザについても属性を設定することにより、当該ユーザへのコンテンツの配信の精度を向上させることが可能となり、当該ユーザの閲覧行動を、より高い寄与度でコンテンツの需要の分析に用いることが可能となる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したものに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、ユーザ端末2とユーザ属性情報拡張装置3とがネットワークを介して接続されたシステムであるものとして説明したが、ユーザ属性情報拡張装置3に対して、ユーザがコンテンツの選択を直接入力する構成(即ち、入力装置を有する単体のコンピュータ)として、本発明を実施することもできる。一方、ユーザ属性情報拡張装置3の機能を複数のサーバに分散し、より多くの装置によってシステムを構成することもできる。例えば、クリックログデータベース32、ユーザデータベース33及びコンテンツ・ユーザ属性情報データベース34のいずれか又は全てをユーザ属性情報拡張装置3とは別の装置に実装し、ユーザ属性情報拡張装置3は、ユーザ属性情報付与処理及びユーザ属性情報還流処理を実行する機能のみを備えることとしても良い。
【0052】
また、本実施形態では、ユーザ端末2からコンテンツID及びユーザIDを受信した場合に、ユーザ属性情報拡張装置3がユーザ属性情報付与処理及びユーザ属性情報還流処理を順次実行するものとして説明した。これに対し、ユーザ端末2から受信したコンテンツID及びユーザIDの履歴を記憶しておき、夜間の設定したタイミング等で、履歴に記憶されている複数のコンテンツID及びユーザIDを基に、ユーザ属性情報付与処理及びユーザ属性情報還流処理をまとめて実行する(バッチ処理)することも可能である。
これにより、各データベースにアクセスする頻度や処理の起動回数を削減することができ、処理効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、ユーザ属性情報拡張システム1におけるユーザ端末2及びユーザ属性情報拡張装置3としてコンピュータを例にとって説明したが、本発明はコンピュータに限られるものではなく、コンピュータが各種機能を実行する方法、コンピュータに各種機能を実行させるためのプログラム及びこのプログラムを記憶した記憶媒体にも適用可能である。
【0053】
なお、上記実施形態は、Webによるコンテンツの配信システムを始め、ユーザの属性情報を取得するための各種システムに適用することが可能であり、ユーザを特定することなく、ランダムに配信したコンテンツを介して、そのコンテンツをクリックしたユーザ間でユーザ属性情報を拡張することを可能とするものである。
【符号の説明】
【0054】
1 ユーザ属性情報拡張システム
2 ユーザ端末
3 ユーザ属性情報拡張装置
31 コンテンツ選択受付部
32 クリックログデータベース
33 ユーザデータベース
34 コンテンツ・ユーザ属性データベース
35 ユーザ属性情報付与部
36 ユーザ属性情報還流部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ毎に設定されたユーザ属性情報を拡張するユーザ属性情報拡張装置であって、
コンテンツを選択した一のユーザについて設定された前記ユーザ属性情報を取得し、当該ユーザ属性情報を、選択された前記コンテンツに対する前記ユーザ属性情報として設定するユーザ属性情報付与手段と、
前記ユーザ属性情報付与手段によって前記ユーザ属性情報が設定された前記コンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、当該コンテンツに設定されている前記ユーザ属性情報を設定するユーザ属性情報還流手段と、
を備えるユーザ属性情報拡張装置。
【請求項2】
前記ユーザ属性情報還流手段は、前記ユーザ属性情報付与手段によって前記ユーザ属性情報が設定された前記コンテンツを、ユーザ属性情報が設定されていない他のユーザが選択した場合に、当該選択した前記コンテンツに設定されている前記ユーザ属性情報を当該他のユーザについてのユーザ属性情報として設定する請求項1に記載のユーザ属性情報拡張装置。
【請求項3】
前記ユーザを識別するユーザ識別情報に対応付けられた前記ユーザ属性情報を記憶するユーザデータ記憶手段と、
前記コンテンツを識別するコンテンツ識別情報に対応付けられた前記ユーザ属性情報を記憶するコンテンツ・ユーザ属性情報記憶手段と、
をさらに備え、
前記ユーザ属性情報付与手段は、前記コンテンツを選択した前記ユーザの前記ユーザ属性情報を前記ユーザデータ記憶手段から取得し、取得した前記ユーザ属性情報を、前記コンテンツ・ユーザ属性情報記憶手段において、選択された前記コンテンツの前記ユーザ属性情報として設定し、
前記ユーザ属性情報還流手段は、前記ユーザ属性情報付与手段によって設定された前記ユーザ属性情報を前記コンテンツ・ユーザ属性情報記憶手段から取得し、取得した前記ユーザ属性情報を、前記ユーザデータ記憶手段において、前記コンテンツを選択した前記ユーザの前記ユーザ属性情報として設定する請求項1または2に記載のユーザ属性情報拡張装置。
【請求項4】
前記ユーザ属性情報付与手段は、一の前記コンテンツを選択した複数の前記ユーザに設定されている前記ユーザ属性情報に共通する属性を、前記選択されたコンテンツの前記ユーザ属性情報として設定する請求項1から3のいずれか1項に記載のユーザ属性情報拡張装置。
【請求項5】
ユーザ毎に設定されたユーザ属性情報を拡張するためのユーザ属性情報拡張方法であって、
コンピュータが、コンテンツを選択した一のユーザについて設定された前記ユーザ属性情報を取得し、当該ユーザ属性情報を、選択された前記コンテンツに対する前記ユーザ属性情報として設定するユーザ属性情報付与ステップと、
コンピュータが、前記ユーザ属性情報付与ステップにおいて前記ユーザ属性情報が設定された前記コンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、当該コンテンツに設定されている前記ユーザ属性情報を設定するユーザ属性情報還流ステップと、
を含むユーザ属性情報拡張方法。
【請求項6】
ユーザによるコンテンツの選択が行われるユーザ端末と、前記ユーザ端末とネットワークを介して接続され、前記コンテンツの選択を受け付けるユーザ属性情報拡張装置とを含み、前記ユーザ毎に設定されたユーザ属性情報を拡張するユーザ属性情報拡張システムであって、
前記ユーザ端末は、選択された前記コンテンツを識別するコンテンツ識別情報及び当該コンテンツを選択した前記ユーザを識別するユーザ識別情報を前記ユーザ属性情報拡張装置に送信し、
前記ユーザ属性情報拡張装置は、
前記ユーザ端末から送信された前記コンテンツ識別情報及び前記ユーザ識別情報に基づいて、前記コンテンツを選択した前記ユーザに設定されている前記ユーザ属性情報を取得し、当該ユーザ属性情報を、選択された前記コンテンツに対する前記ユーザ属性情報として設定するユーザ属性情報付与手段と、
前記ユーザ属性情報付与手段によって前記ユーザ属性情報が設定された前記コンテンツを選択した他のユーザのユーザ属性情報として、当該コンテンツに設定されている前記ユーザ属性情報を設定するユーザ属性情報還流手段と、
を備えるユーザ属性情報拡張システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−77262(P2013−77262A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218090(P2011−218090)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】