説明

コンテンツ再生システムおよび携帯機器

【課題】携帯機器に記憶されたコンテンツをコンテンツ出力機器から出力する際にユーザに操作負担がかかるのを抑制することが可能なコンテンツ再生システムを提供する。
【解決手段】このコンテンツ再生システム1は、位置情報を特定可能なGPS通信部17とBluetooth通信部18とを含む携帯電話機10と、Bluetooth通信部37とコンテンツを出力可能なスピーカ32とを含むホームシアターシステム30とを備える。携帯電話機10は、GPS通信部17により特定された携帯電話機本体11の位置がホームシアターシステム30の位置の所定の範囲内である場合に、コンテンツをBluetooth通信部18を介してホームシアターシステム30のスピーカ32から出力させる通信信号をホームシアターシステム30に送信する制御を行うCPU14をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツ再生システムおよび携帯機器に関し、特に、コンテンツを再生可能な携帯機器およびそれを備えるコンテンツ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツを再生可能な携帯機器およびそれを備えるコンテンツ再生システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、コンテンツのデータを外部に送信可能な通信部を備えるコンテンツを再生可能な携帯電話(携帯機器)と、操作部およびスピーカを備え、ユーザが操作部を操作することにより、携帯電話の通信部を介して送信されるコンテンツをスピーカから出力するオーディオ機器(コンテンツ出力機器)とからなるコンテンツ再生システムが開示されている。具体的には、上記特許文献1によるコンテンツ再生システムでは、ユーザが携帯電話に対して所定の操作を行うことによって、携帯電話の通信部を介して携帯電話に記憶されているコンテンツのリストデータがオーディオ機器に送信されるとともに、オーディオ機器側で携帯電話に記憶されているコンテンツのリストが表示される。そして、ユーザは、オーディオ機器に対して、リストから選択したコンテンツを再生させる操作を行うことによって、オーディオ機器のスピーカから携帯電話に記憶されたコンテンツを出力させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−123621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1によるコンテンツ再生システムでは、携帯電話(携帯機器)に記憶されているコンテンツをオーディオ機器(コンテンツ出力機器)のスピーカから出力させる際に、ユーザは、携帯電話に対して所定の操作を行うとともに、オーディオ機器に対してもコンテンツの再生操作を行う必要があるため、オーディオ機器(コンテンツ出力機器)から携帯電話(携帯機器)に記憶されたコンテンツを出力する際にユーザに操作負担がかかるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、携帯機器に記憶されたコンテンツをコンテンツ出力機器から出力する際にユーザに操作負担がかかるのを抑制することが可能なコンテンツ再生システムおよび携帯機器を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面によるコンテンツ再生システムは、携帯機器本体と、コンテンツを再生可能な再生部と、携帯機器本体の位置情報を特定可能な位置特定部と、外部と通信可能な第1通信部とを含む携帯機器と、携帯機器の第1通信部と通信可能な第2通信部と、コンテンツを出力可能な第1出力部とを含むコンテンツ出力機器とを備え、携帯機器は、位置特定部により特定された携帯機器本体の位置情報の位置がコンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内である場合に、再生部により再生されるコンテンツを第1通信部を介してコンテンツ出力機器の第1出力部から出力させる通信信号をコンテンツ出力機器に送信する制御を行う制御部をさらに含む。
【0008】
この第1の局面によるコンテンツ再生システムでは、上記のように、位置特定部により特定された携帯機器本体の位置情報の位置がコンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内である場合に、再生部により再生されるコンテンツを第1通信部を介してコンテンツ出力機器の第1出力部から出力させる通信信号をコンテンツ出力機器に送信させるように携帯機器の制御部を構成することによって、携帯機器がコンテンツ出力機器の所定の範囲内に存在する場合には、ユーザは携帯機器に対してコンテンツを再生させる操作を行うだけで、制御部により、コンテンツ出力機器からそのコンテンツを出力させる通信信号が自動的にコンテンツ出力機器に送信されるので、ユーザは、コンテンツ出力機器に対してコンテンツの再生操作を行う必要がない。これにより、携帯機器のコンテンツをコンテンツ出力機器から出力する際に、ユーザに操作負担がかかるのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面によるコンテンツ再生システムにおいて、好ましくは、携帯機器は、記憶部をさらに含み、携帯機器の制御部は、携帯機器の第1通信部とコンテンツ出力機器の第2通信部とが互いに通信可能なように設定されたときに、設定された位置における位置特定部により特定された位置情報を記憶部に記憶させるように構成されている。このように構成すれば、携帯機器の第1通信部とコンテンツ出力機器の第2通信部とが互いに通信可能なように設定された際の位置に基づいて、携帯機器がコンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内であるか否かを容易に判断することができる。
【0010】
上記第1の局面によるコンテンツ再生システムにおいて、好ましくは、携帯機器は、コンテンツ出力機器と通信可能な第3通信部をさらに含み、携帯機器の制御部は、再生部によりコンテンツを再生する制御が行われる場合において、位置特定部により特定された携帯機器本体の位置情報の位置がコンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内である場合に、第3通信部を介してコンテンツ出力機器をオフ状態からオン状態に切り替える通信信号をコンテンツ出力機器に送信する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、携帯機器のコンテンツをコンテンツ出力機器から出力する際に、コンテンツ出力機器がオフ状態であっても、ユーザがコンテンツ出力機器をオフ状態からオン状態に切り替える操作を行うことなく、コンテンツ出力機器がオン状態に切り替えられるので、ユーザに操作負担がかかるのをより抑制することができる。
【0011】
この場合において、好ましくは、携帯機器の制御部は、第3通信部を介してコンテンツ出力機器をオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、コンテンツ出力機器の第2通信部を起動させる通信信号をコンテンツ出力機器に送信する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、コンテンツ出力機器をオフ状態からオン状態に切り替える必要がないとともに、携帯機器の第1通信部と通信可能な第2通信部を起動させる操作も行う必要がないので、ユーザの操作負担をさらに抑制することができる。
【0012】
上記第1の局面によるコンテンツ再生システムにおいて、好ましくは、携帯機器は、コンテンツを出力可能な第2出力部をさらに含み、携帯機器の制御部は、再生部によりコンテンツを再生する制御が行われる場合において、位置特定部により特定された携帯機器本体の位置情報の位置がコンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内ではない場合に、コンテンツを第2出力部から出力させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、位置特定部により特定された携帯機器本体の位置情報の位置がコンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内ではない場合には、ユーザがコンテンツの出力先をコンテンツ出力機器から携帯機器に切り替える操作を行わなくても、自動的に携帯機器でコンテンツの出力を行うことができる。これにより、ユーザの操作負担をより抑制することができる。
【0013】
上記第1の局面によるコンテンツ再生システムにおいて、好ましくは、携帯機器の位置特定部は、GPS通信部を含む。このように構成すれば、GPS通信部により、容易に、携帯機器の位置情報を取得することができる。
【0014】
この発明の第2の局面による携帯機器は、携帯機器本体と、コンテンツを再生可能な再生部と、携帯機器本体の位置情報を特定可能な位置特定部と、所定のコンテンツ出力機器と通信可能な通信部と、位置特定部により特定された携帯機器本体の位置情報の位置が所定のコンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内である場合に、再生部により再生されるコンテンツを通信部を介して所定のコンテンツ出力機器から出力させる通信信号を所定のコンテンツ出力機器に送信する制御を行う制御部とを備える。
【0015】
この第2の局面による携帯機器では、上記のように、位置特定部により特定された携帯機器本体の位置情報の位置が所定のコンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内である場合に、再生部により再生されるコンテンツを第1通信部を介して所定のコンテンツ出力機器の第1出力部から出力させる通信信号を所定のコンテンツ出力機器に送信させることによって、携帯機器が所定のコンテンツ出力機器の所定の範囲内に存在する場合には、ユーザは携帯機器に対してコンテンツを再生させる操作を行うだけで、制御部により、所定のコンテンツ出力機器からそのコンテンツを出力させる通信信号が自動的にコンテンツ出力機器に送信されるので、ユーザは、所定のコンテンツ出力機器に対してコンテンツの再生操作を行う必要がない。これにより、携帯機器のコンテンツを所定のコンテンツ出力機器から出力する際に、ユーザに操作負担がかかるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態によるコンテンツ再生システムの全体構成を説明するための模式図である。
【図2】本発明の一実施形態によるコンテンツ再生システムの携帯電話機の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるコンテンツ再生システムのホームシアターシステムの構成を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるコンテンツ再生システムにおけるコンテンツの再生フローを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態によるコンテンツ再生システム1の構成について説明する。
【0019】
図1に示すように、コンテンツ再生システム1は、音楽または動画などのコンテンツを再生可能な携帯電話機10と、音楽または動画などのコンテンツを出力可能なホームシアターシステム(HTS)30とにより構成されている。なお、携帯電話機10は、本発明の「携帯機器」の一例であり、ホームシアターシステム30は、本発明の「コンテンツ出力機器」の一例である。このコンテンツ再生システム1は、携帯電話機10がホームシアターシステム30が配置されている位置から所定の範囲内に位置する場合において、ユーザが携帯電話機10のコンテンツを再生する操作を行った場合に、携帯電話機10のコンテンツをホームシアターシステム30で出力(再生)するシステムである。以下、コンテンツ再生システム1の構成について詳細に説明する。
【0020】
コンテンツ再生システム1の携帯電話機10は、図1および図2に示すように、携帯電話機本体11と、携帯電話機本体11に設けられたタッチパネル表示部12と、携帯電話機10により再生されるコンテンツの音声を出力可能なスピーカ13(図2参照)とを備えている。なお、携帯電話機本体11は、本発明の「携帯機器本体」の一例であり、スピーカ13は、本発明の「第2出力部」の一例である。
【0021】
また、携帯電話機10は、さらに、図2に示すように、携帯電話機10の制御を司るCPU14と、コンテンツデータを格納するメモリ15と、コンテンツの再生処理を行うコンテンツ処理部16と、携帯電話機本体11の位置情報を特定可能なGPS通信部17と、Bluetooth(登録商標)による無線通信が可能なBluetooth通信部18と、無線LAN通信が可能な無線LAN通信部19と、電話通信可能な3G回線通信部20とを備えている。なお、CPU14は、本発明の「制御部」の一例であり、メモリ15は、本発明の「記憶部」の一例である。また、コンテンツ処理部16は、本発明の「再生部」の一例であり、GPS通信部17は、本発明の「位置特定部」の一例である。また、Bluetooth通信部18は、本発明の「第1通信部」および「通信部」の一例であり、無線LAN通信部19は、本発明の「第3通信部」の一例である。
【0022】
メモリ15は、携帯電話機10を制御するプログラムや、音楽および動画などのコンテンツデータなどを格納するように構成されている。また、CPU14の制御に基づいて、メモリ15には、後述する携帯電話機10のBluetooth通信部18とホームシアターシステム30のBluetooth通信部37(図3参照)とがペアリング設定された際の、GPS通信部17により特定されたペアリング時の位置情報が記憶されるように構成されている。また、メモリ15には、携帯電話機10のBluetooth通信部18とホームシアターシステム30のBluetooth通信部37とがペアリング設定された際のペアリングパスキーが記憶されるように構成されている。なお、ペアリング設定とは、2つのBluetooth通信部を相互認証させることにより互いに自動的に通信可能とするためのパスキーを2つのBluetooth通信部に設定することである。
【0023】
コンテンツ処理部16は、メモリ15に記憶されているコンテンツを携帯電話機10のタッチパネル表示部12およびスピーカ13により出力するための処理を行う機能を有する。また、GPS通信部17は、複数のGPS衛星(図示せず)からの発信電波を受信するように構成されている。また、GPS通信部17は、受信した電波に基づいて、携帯電話機本体11の位置情報を取得するように構成されている。
【0024】
Bluetooth通信部18は、予めペアリング設定が行われているホームシアターシステム30のBluetooth通信部37(図3参照)などのBluetooth通信機能を有する機器と無線通信することが可能なように構成されている。また、携帯電話機10のBluetooth通信部18は、コンテンツ処理部16により処理されたコンテンツデータをペアリング済みのコンテンツ出力機器(ホームシアターシステム30など)にストリーミング送信することが可能なように構成されている。なお、本実施形態では、図1に示すように、携帯電話機10のBluetooth通信部18とホームシアターシステム30のBluetooth通信部37とは、互いに通信可能なように予めペアリング設定されているものとする。
【0025】
また、図2に示すように、無線LAN通信部19は、無線LANのスポット(図示せず)およびインターネット層(図1参照)を介して他のインターネット接続機器(ホームシアターシステム30など)とインターネット通信を行うことが可能なように構成されている。また、3G回線通信部20は、携帯電話キャリアの基地局(図示せず)を介して他の電話機(図示せず)などと電話通信およびインターネット通信を行うことが可能なように構成されている。また、3G回線通信部20は、他の電話機(図示せず)のみならず、インターネット接続機器(ホームシアターシステム30(図1参照)など)とインターネット通信を行うことが可能なように構成されている。
【0026】
ここで、本実施形態では、携帯電話機10のCPU14は、携帯電話機10のタッチパネル表示部12およびスピーカ13から再生されるコンテンツをホームシアターシステム30(図1参照)から出力させるように、通信信号をホームシアターシステム30に送信する制御を行うように構成されている。具体的には、CPU14は、タッチパネル表示部12の操作に基づいてコンテンツの再生ボタン12a(図1参照)がタッチされた場合に、タッチされた時点における位置情報をGPS通信部17から取得するように構成されている。そして、CPU14は、GPS通信部17により特定された携帯電話機本体11の位置情報の位置が予めペアリングされているホームシアターシステム30の位置の所定の範囲内の位置であるか否かを判断するように構成されている。なお、本実施形態では、CPU14は、メモリ15に記憶されているペアリング時の位置情報に基づいて、ペアリング時の位置情報の位置から半径約15メートル以内に位置していると判断した場合に、ペアリングされているホームシアターシステム30の位置の所定の範囲内の位置であると判断する制御を行うように構成されている。
【0027】
また、本実施形態では、CPU14は、特定された携帯電話機本体11の位置情報の位置が予め携帯電話機10とペアリングされているホームシアターシステム30(図1参照)の位置の所定の範囲内の位置である場合に、無線LAN通信部19を介して、ホームシアターシステム30をオフ状態からオン状態に切り替える通信信号をホームシアターシステム30に送信する制御を行うように構成されている。また、CPU14は、無線LAN通信部19を介して、ホームシアターシステム30をオフ状態からオン状態に切り替える通信信号とともに、ホームシアターシステム30のBluetooth通信部37(図3参照)を起動する通信信号も送信する制御を行うように構成されている。
【0028】
また、本実施形態では、CPU14は、無線LAN通信部19を介してホームシアターシステム30(図1参照)に上記2つの信号を送信した後に、Bluetooth通信部18を介して、コンテンツデータをホームシアターシステム30にストリーミング送信する制御を行うように構成されている。また、CPU14は、特定された携帯電話機本体11の位置情報の位置が予め携帯電話機10とペアリングされているホームシアターシステム30の位置の所定の範囲外の位置である場合に、コンテンツデータをホームシアターシステム30に送信せずに、携帯電話機10のスピーカ13からコンテンツ(音声コンテンツ)を出力する制御を行うように構成されている。
【0029】
また、ホームシアターシステム30は、図1および図3に示すように、ホームシアターシステム本体31と、ホームシアターシステム30または携帯電話機10により再生されるコンテンツの音声などを出力可能なスピーカ32(図3参照)とを備えている。なお、スピーカ32は、本発明の「第1出力部」の一例である。
【0030】
また、ホームシアターシステム30は、さらに、図3に示すように、ホームシアターシステム30の制御を司るCPU33と、コンテンツデータを格納するメモリ34と、コンテンツのデコード処理を行うAVデコーダ35と、AVデコーダ35により処理された映像コンテンツを外部に出力する映像出力インターフェース36と、Bluetooth(登録商標)による無線通信が可能なBluetooth通信部37と、有線LAN通信が可能なLAN通信部38と、DVDディスクおよびブルーレイ(登録商標)ディスクを読み取るディスクドライバー39と、外部から入力された音声信号を入力することが可能な音声入力インターフェース40とを備えている。なお、Bluetooth通信部37は、本発明の「第2通信部」の一例である。
【0031】
メモリ34には、携帯電話機10のBluetooth通信部18(図2参照)とホームシアターシステム30のBluetooth通信部37とがペアリング設定された際のペアリングパスキーが記憶されるように構成されている。また、LAN通信部38は、インターネット層(図1参照)を介して他のインターネット接続機器(携帯電話機10(図1参照)など)とインターネット通信を行うことが可能なように構成されている。
【0032】
また、ホームシアターシステム30のCPU33は、LAN通信部38を介して、ペアリング設定された携帯電話機10(図1参照)からホームシアターシステム30をオフ状態からオン状態に切り替える通信信号を受信したと判断した場合に、ホームシアターシステム30をオフ状態(スタンバイ状態)からオン状態に切り替える制御を行うように構成されている。また、CPU33は、LAN通信部38を介して、ペアリング設定された携帯電話機10からホームシアターシステム30のBluetooth通信部37を起動する通信信号を受信したと判断した場合に、Bluetooth通信部37を起動する制御を行うように構成されている。
【0033】
次に、図1〜図4を参照して、本実施形態によるコンテンツ再生システム1におけるコンテンツの再生フローについて説明する。
【0034】
まず、図4に示すように、ステップS1において、携帯電話機10のCPU14(図2参照)により、ユーザによるタッチパネル表示部12の操作に基づいて、タッチパネル表示部12に表示されている再生ボタン12aが押下されたか否かが判断される。そして、ステップS1において、タッチパネル表示部12に表示されている再生ボタン12aが押下されたと判断された場合には、ステップS2に進む。なお、タッチパネル表示部12に表示されている再生ボタン12aが押下されたと判断されるまで、ステップS1の判断が繰り返される。
【0035】
その後、ステップS2において、携帯電話機10のCPU14により、携帯電話機10のBluetooth通信部18(図2参照)とホームシアターシステム30のBluetooth通信部37(図3参照)とが予めペアリング設定されているか否かが判断される。そして、ステップS2において、携帯電話機10のBluetooth通信部18とホームシアターシステム30のBluetooth通信部37とが予めペアリング設定されていないと判断された場合には、ステップS3に進む。そして、ステップS3において、内部再生処理が行われる。すなわち、ステップS3において、コンテンツ処理部16により携帯電話機10のコンテンツの再生処理が行われるとともに、再生処理が行われたコンテンツが携帯電話機10のタッチパネル表示部12(図2参照)およびスピーカ13(図2参照)から出力され、コンテンツ再生システム1におけるコンテンツの再生フローが終了する。
【0036】
また、ステップS2において、携帯電話機10のBluetooth通信部18とホームシアターシステム30のBluetooth通信部37とが予めペアリング設定されていると判断された場合には、ステップS4に進む。そして、ステップS4において、携帯電話機本体11の位置が、予めBluetooth通信部18とBluetooth通信部37とがペアリング設定された位置から所定の範囲内(半径約15メートル以内)である(近い)か否かが判断される。すなわち、ステップS4において、CPU14により、GPS通信部17に現在位置を特定させる制御が行われるとともに、特定された現在位置がペアリング設定された位置から半径約15メートル以内か否かが判断される。そして、ステップS4において、携帯電話機本体11の位置がペアリング設定された位置から所定の範囲内ではない(遠い)と判断された場合には、上述したステップS3に進む。そして、ステップS3において、内部再生処理が行われ、その後、コンテンツ再生システム1におけるコンテンツの再生フローが終了する。また、ステップS4において、携帯電話機本体11の位置がペアリング設定された位置から所定の範囲内であると判断された場合には、ステップS5に進む。
【0037】
ステップS5においては、ホームシアターシステム30をオン状態にする通信信号(IP信号)およびホームシアターシステム30のBluetooth通信部37を起動する通信信号(IP信号)が送信される。これら2つの通信信号は、無線LAN通信部19およびインターネット層(図1参照)を介して、ホームシアターシステム30のLAN通信部38により受信される。
【0038】
これにより、ホームシアターシステム30では、ステップS11において、CPU33により、ホームシアターシステム本体31がオン状態であるか否かが判断される。そして、ステップS11において、ホームシアターシステム本体31がオン状態ではないと判断された場合には、ステップS12に進む。そして、ステップS12において、ホームシアターシステム本体31がオフ状態(スタンバイ状態)からオン状態に切り替えられ、ステップS13に進む。また、ステップS11において、ホームシアターシステム本体31がオン状態であると判断された場合には、ステップS13に進む。その後、ステップS13において、ホームシアターシステム30のBluetooth通信部37が起動される。また、ステップS13において、Bluetooth通信部37と通信するBluetooth通信部のペアリングパスキーの確認が行われる。
【0039】
その後、ステップS14において、ホームシアターシステム30のCPU33により、Bluetooth通信部37と通信するBluetooth通信部のペアリングパスキーが、予めペアリング設定されている携帯電話機10のBluetooth通信部18のペアリングパスキーであるか否かが判断される。そして、ステップS14において、Bluetooth通信部37と通信するBluetooth通信部のペアリングパスキーが、予めペアリング設定されている携帯電話機10のBluetooth通信部18のペアリングパスキーであると判断された場合には、ステップS15に進む。
【0040】
そして、ステップS15において、携帯電話機10のコンテンツ処理部16により再生処理されたコンテンツデータ(音響データや音声データ)が、携帯電話機10のBluetooth通信部18を介してBluetooth通信部37により受信され、ホームシアターシステム30のスピーカ32からコンテンツ(音声など)が出力され、コンテンツ再生システム1におけるコンテンツの再生フローが終了する。また、ステップS14において、Bluetooth通信部37と通信するBluetooth通信部のペアリングパスキーが、予めペアリング設定されている携帯電話機10のBluetooth通信部18のペアリングパスキーではないと判断された場合には、ホームシアターシステム30側でコンテンツの出力が行われることなく、コンテンツ再生システム1におけるコンテンツの再生フローが終了する。
【0041】
また、携帯電話機10では、ステップS5において2つの通信信号を送信した後に、ステップS6において、携帯電話機10のBluetooth通信部18が起動される。また、ステップS6において、Bluetooth通信部18と通信するBluetooth通信部のペアリングパスキーの確認が行われる。
【0042】
その後、ステップS7において、携帯電話機10のCPU14により、Bluetooth通信部18と通信するBluetooth通信部のペアリングパスキーが、予めペアリング設定されているホームシアターシステム30のBluetooth通信部37のペアリングパスキーであるか否かが判断される。そして、ステップS7において、Bluetooth通信部18と通信するBluetooth通信部のペアリングパスキーが、予めペアリング設定されているホームシアターシステム30のBluetooth通信部37のペアリングパスキーであると判断された場合には、ステップS8に進む。
【0043】
そして、ステップS8において、外部再生処理が行われる。具体的には、ステップS8において、コンテンツ処理部16により再生処理されたコンテンツデータが、Bluetooth通信部18を介してホームシアターシステム30のBluetooth通信部37にストリーミング送信(図1参照)される。そして、上述したように、ストリーミング送信されたコンテンツ(音響データや音声データ)がホームシアターシステム30のスピーカ32から出力され、コンテンツ再生システム1におけるコンテンツの再生フローが終了する。
【0044】
また、ステップS7において、Bluetooth通信部18と通信するBluetooth通信部のペアリングパスキーが、予めペアリング設定されているホームシアターシステム30のBluetooth通信部37のペアリングパスキーではないと判断された場合には、上述したステップS3に進む。そして、ステップS3において、内部再生処理が行われ、その後、コンテンツ再生システム1におけるコンテンツの再生フローが終了する。
【0045】
本実施形態では、上記のように、位置特定部により特定された携帯電話機本体11の位置情報の位置がホームシアターシステム30の位置の所定の範囲内である場合に、コンテンツ処理部16により再生されるコンテンツをBluetooth通信部18を介してホームシアターシステム30のスピーカ32から出力させる通信信号をホームシアターシステム30に送信させるように携帯電話機10のCPU14を構成することによって、携帯電話機10がホームシアターシステム30の所定の範囲内に存在する場合には、ユーザが携帯電話機10に対してコンテンツを再生させる操作を行うだけで、CPU14により、ホームシアターシステム30からそのコンテンツを出力させる通信信号が自動的にホームシアターシステム30に送信されるので、ユーザは、ホームシアターシステム30に対してコンテンツの再生操作を行う必要がない。これにより、携帯電話機10のコンテンツをホームシアターシステム30から出力する際に、ユーザに操作負担がかかるのを抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、携帯電話機10のCPU14を、携帯電話機10のBluetooth通信部18とホームシアターシステム30のBluetooth通信部37とが互いに通信可能なように設定されたときに、設定された位置におけるGPS通信部17により特定された位置情報をメモリ15に記憶させるように構成することによって、携帯電話機10のBluetooth通信部18とホームシアターシステム30のBluetooth通信部37とが互いに通信可能なように設定(ペアリング設定)された際の位置に基づいて、携帯電話機10がホームシアターシステム30の位置の所定の範囲内であるか否かを容易に判断することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、携帯電話機10のCPU14を、コンテンツ処理部16によりコンテンツを再生する制御が行われる場合において、GPS通信部17により特定された携帯電話機本体11の位置情報の位置がホームシアターシステム30の位置の所定の範囲内である場合に、無線LAN通信部19を介してホームシアターシステム30をオフ状態からオン状態に切り替える通信信号をホームシアターシステム30に送信する制御を行うように構成する。これにより、携帯電話機10のコンテンツをホームシアターシステム30から出力する際に、ホームシアターシステム30がオフ状態であっても、ユーザがホームシアターシステム30をオフ状態からオン状態に切り替える操作を行うことなく、ホームシアターシステム30がオン状態に切り替えられるので、ユーザに操作負担がかかるのをより抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、携帯電話機10のCPU14を、無線LAN通信部19を介してホームシアターシステム30をオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、ホームシアターシステム30のBluetooth通信部37を起動させる通信信号をホームシアターシステム30に送信する制御を行うように構成する。これにより、ユーザは、ホームシアターシステム30をオフ状態からオン状態に切り替える必要がないとともに、携帯電話機10のBluetooth通信部18と通信可能なBluetooth通信部37を起動させる操作も行う必要がないので、ユーザの操作負担をさらに抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、携帯電話機10のCPU14を、コンテンツ処理部16によりコンテンツを再生する制御が行われる場合において、GPS通信部17により特定された携帯電話機本体11の位置情報の位置がホームシアターシステム30の位置の所定の範囲内ではない場合に、コンテンツをタッチパネル表示部12およびスピーカ13から出力させる制御を行うように構成する。これにより、GPS通信部17により特定された携帯電話機本体11の位置情報の位置がホームシアターシステム30の位置の所定の範囲内ではない場合には、ユーザがコンテンツの出力先をホームシアターシステム30から携帯電話機10に切り替える操作を行わなくても、自動的に携帯電話機10でコンテンツの出力を行うことができる。その結果、ユーザの操作負担をより抑制することができる。
【0050】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0051】
たとえば、上記実施形態では、本発明の携帯機器の一例として、携帯電話機を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コンテンツを再生可能な携帯型コンテンツ再生プレーヤーなどの、コンテンツを再生可能な携帯機器を用いてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、本発明のコンテンツ出力機器の一例として、ホームシアターシステムを用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コンテンツを出力可能なテレビジョン装置、オーディオ機器およびパーソナルコンピュータなどの、ホームシアターシステム以外のコンテンツ出力機器を用いてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、本発明のコンテンツ出力機器(ホームシアターシステム)から、音声など(音響および音声データ)からなるコンテンツ(データ)を出力する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像および映像などの音声以外のコンテンツをコンテンツ出力機器から出力するようにしてもよいし、音声、画像および映像からなる複合コンテンツをコンテンツ出力機器から出力するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、Bluetooth通信部を用いることにより携帯電話機からホームシアターシステムにコンテンツデータを送信する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、携帯電話機の無線LAN通信部とホームシアターシステムのLAN通信部または無線LAN通信部などの、データ通信可能な通信モジュールを用いることにより、携帯電話機からホームシアターシステムにコンテンツデータを送信するようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、無線LAN通信部を用いることにより、携帯電話機からホームシアターシステムにオン状態に切り替える通信信号を送信した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、3G回線通信部を用いることにより、携帯電話機からホームシアターシステムにオン状態に切り替える通信信号を送信するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、本発明の位置特定部の一例として、GPS通信部を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、近隣の3G回線キャリアの基地局と3G回線通信部を用いて通信することにより、基地局の位置に基づいて位置情報を特定するなど、GPS通信部以外の位置特定部を用いてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 コンテンツ再生システム
10 携帯電話機(携帯機器)
11 携帯電話機本体(携帯機器本体)
13 スピーカ(第2出力部)
14 CPU(制御部)
15 メモリ(記憶部)
16 コンテンツ処理部(再生部)
17 GPS通信部(位置特定部)
18 Bluetooth通信部(第1通信部、通信部)
19 無線LAN通信部(第3通信部)
30 ホームシアターシステム(コンテンツ出力機器)
32 スピーカ(第1出力部)
37 Bluetooth通信部(第2通信部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器本体と、コンテンツを再生可能な再生部と、前記携帯機器本体の位置情報を特定可能な位置特定部と、外部と通信可能な第1通信部とを含む携帯機器と、
前記携帯機器の第1通信部と通信可能な第2通信部と、コンテンツを出力可能な第1出力部とを含むコンテンツ出力機器とを備え、
前記携帯機器は、前記位置特定部により特定された前記携帯機器本体の位置情報の位置が前記コンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内である場合に、前記再生部により再生されるコンテンツを前記第1通信部を介して前記コンテンツ出力機器の第1出力部から出力させる通信信号を前記コンテンツ出力機器に送信する制御を行う制御部をさらに含む、コンテンツ再生システム。
【請求項2】
前記携帯機器は、記憶部をさらに含み、
前記携帯機器の制御部は、前記携帯機器の第1通信部と前記コンテンツ出力機器の第2通信部とが互いに通信可能なように設定されたときに、設定された位置における前記位置特定部により特定された位置情報を前記記憶部に記憶させるように構成されている、請求項1に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項3】
前記携帯機器は、前記コンテンツ出力機器と通信可能な第3通信部をさらに含み、
前記携帯機器の制御部は、前記再生部によりコンテンツを再生する制御が行われる場合において、前記位置特定部により特定された前記携帯機器本体の位置情報の位置が前記コンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内である場合に、前記第3通信部を介して前記コンテンツ出力機器をオフ状態からオン状態に切り替える通信信号を前記コンテンツ出力機器に送信する制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項4】
前記携帯機器の制御部は、前記第3通信部を介して前記コンテンツ出力機器をオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、前記コンテンツ出力機器の第2通信部を起動させる通信信号を前記コンテンツ出力機器に送信する制御を行うように構成されている、請求項3に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項5】
前記携帯機器は、コンテンツを出力可能な第2出力部をさらに含み、
前記携帯機器の制御部は、前記再生部によりコンテンツを再生する制御が行われる場合において、前記位置特定部により特定された前記携帯機器本体の位置情報の位置が前記コンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内ではない場合に、前記コンテンツを前記第2出力部から出力させる制御を行うように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項6】
前記携帯機器の位置特定部は、GPS通信部を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項7】
携帯機器本体と、
コンテンツを再生可能な再生部と、
前記携帯機器本体の位置情報を特定可能な位置特定部と、
所定のコンテンツ出力機器と通信可能な通信部と、
前記位置特定部により特定された前記携帯機器本体の位置情報の位置が前記所定のコンテンツ出力機器の位置の所定の範囲内である場合に、前記再生部により再生されるコンテンツを前記通信部を介して前記所定のコンテンツ出力機器から出力させる通信信号を前記所定のコンテンツ出力機器に送信する制御を行う制御部とを備える、携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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