コンテンツ再生方法およびコンテンツ再生装置
【課題】ユーザの体の動きをコンテンツの再生に反映させることによって、コンテンツ再生自体についての娯楽性や高揚感を促進することができるようにする。
【解決手段】歩行中のユーザの足の踏み込みタイミングや、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングなどを検出し、そのタイミングに、楽曲の拍または小節のタイミングや、動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングなどを合わせるように、楽曲や動画像などのコンテンツを再生する。
【解決手段】歩行中のユーザの足の踏み込みタイミングや、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングなどを検出し、そのタイミングに、楽曲の拍または小節のタイミングや、動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングなどを合わせるように、楽曲や動画像などのコンテンツを再生する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音楽や映像などのコンテンツを再生する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、CD(Compact Disc)プレーヤ、MD(Mini Disc:登録商標)プレーヤなどで音楽を再生する場合、決められた音楽を高音質に再生することが重要視されている。ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding:登録商標)やMP3(MPEG−1 Audio Layer−3)などによって圧縮された音楽を再生する場合も同じで、最終的には時系列の信号波形に変換されてユーザが楽しむことに変わりがない。
【0003】
これに対して、音楽などのコンテンツを、その場の状況に応じてリアルタイムに変化させる装置が考えられている。その場の状況に応じて、音楽のテンポやピッチを変更し、短いフレーズの音楽素材をつなぎ合わせて連続的な一つの音楽を奏でる、などである。これは、DJ(Disk Jockey)やVJ(Video Jockey)が既存の音楽を組み合わせながら即興で新しい音楽を創り出す役割を装置が担うものである。
【0004】
また、コンサート会場やディスコ会場などで観客が音楽に乗ってきているときには、観客は足を踏み鳴らし、頭を前後に振り、飛び上がったりする。人が音楽に合わせて体を揺らすことも、よく見られる。また、単に行進曲に合わせて歩くだけでも、気持ちがよく、気分が高揚するものである。これは、足の踏み込みや頭の動きなど、自分の体のリズムをコンテンツのリズムに同期させることによって、内部的な同調感や気持ちの良さを高めることができることを示している。
【0005】
また、特許文献1(特開2000−300838号公報)には、音楽に合わせてステップを踏んで得点を競う、「ダンス・ダンス・レボリューション」(商品名)などのステップゲーム(音楽指向ゲーム)で、遊技者の趣向に合わせたプレイ環境を提供することが示されている。
【0006】
さらに、特許文献2(特開2002−65891号公報)には、上記のステップゲームをリハビリテーションに利用し、利用者(患者)の心拍数を検出して、検出された心拍数が基準の心拍数を超えた場合には警報を出力することが示されている。
【0007】
上に挙げた先行技術文献は、以下のとおりである。
【特許文献1】特開2000−300838号公報
【特許文献2】特開2002−65891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した従来のコンテンツ再生方法は、再生される音楽に合わせてステップを踏むなど、人が再生されるコンテンツに合わせて行動するものであって、コンテンツの再生が人の体の動きに反応するものではなく、コンテンツ再生自体についての娯楽性や高揚感は、コンテンツ自体に依存し、必ずしも十分ではない。
【0009】
そこで、この発明は、ユーザの体の動きをコンテンツの再生に反映させることによって、コンテンツ再生自体についての娯楽性や高揚感を促進することができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明のコンテンツ再生方法は、ユーザの体動を検出し、その体動の特徴点、周期またはリズムにコンテンツのタイミングを合わせるようにコンテンツを再生するものである。
【0011】
上記のコンテンツ再生方法では、歩行中のユーザの足の踏み込みタイミングや、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングなどに、再生される楽曲の拍または小節のタイミングが合わせられ、再生される動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングが合わせられるなど、再生されるコンテンツのタイミングが合わせられるので、コンテンツを鑑賞または感知しながら体を動かすユーザの気持ちの良さが増進し、コンテンツ再生自体についての娯楽性や高揚感が促進する。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば、ユーザの体の動きをコンテンツの再生に反映させることによって、コンテンツ再生自体についての娯楽性や高揚感を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[1.コンテンツ再生装置の実施形態:図1〜図3]
図1は、この発明のコンテンツ再生装置の一例を示し、ポータブル型の音楽映像再生装置や携帯電話端末などとして構成されるものである。
【0014】
この例のコンテンツ再生装置10は、CPU11を備え、そのバス12に、各種のプログラムやデータが書き込まれたROM13、およびプログラムやデータが展開されるRAM14が接続される。
【0015】
また、バス12には、インターフェース16を介して、ハードディスクなどの内蔵固定の記録装置部15が接続され、インターフェース18を介して、CDやDVDなどのリムーバブルの記録メディア17が接続され、RF送受信回路などのRFインターフェース21を介して、送受信アンテナ22が接続されるとともに、インターネット24に接続するための外部インターフェース23が接続される。
【0016】
記録装置部15および記録メディア17は、音楽や映像などのコンテンツおよび後述のコンテンツ素材が記録再生されるものであり、RFインターフェース21および送受信アンテナ22は、無線によって、外部からコンテンツまたはコンテンツ素材を受信し、または外部にコンテンツまたはコンテンツ素材を送信するものであり、外部インターフェース23は、インターネット24を介して、外部からコンテンツまたはコンテンツ素材を受信し、または外部にコンテンツまたはコンテンツ素材を送信するものである。
【0017】
また、バス12には、映像処理部31を介して、液晶表示装置などからなる映像表示装置32が接続されるとともに、音声処理部33を介して、スピーカやヘッドフォンなどからなる音声出力装置34が接続される。映像表示装置32の表示画面には、コンテンツとしての映像や設定用または操作用などの画面が表示され、音声出力装置34からは、コンテンツとしての音楽や音声アナウンスなどの音声が出力される。
【0018】
また、バス12には、各種キーからなる操作部41が、インターフェース42を介して接続されるとともに、音声入力用のマイクロフォン43が、音声処理部44を介して接続される。
【0019】
さらに、バス12には、体動センサ51が、A/Dコンバータ52を介して接続され、ユーザ1の後述のような体動(体の動き)が、体動センサ51によって検出され、その体動検出信号が、A/Dコンバータ52によってアナログ信号からデジタルデータに変換されて、バス12に取り込まれる。
【0020】
この発明におけるコンテンツは、音楽、音楽以外の音声、動画像、静止画像(グラフィックス、図形、文字を含む)、振動、照明光などの光など、人が鑑賞または感知し得るものを全て含むが、図1の例では音楽または映像である。
【0021】
図1の例のコンテンツ再生装置10によるコンテンツ再生方法では、例えば、ユーザ1が歩行中に音楽を聴く場合について示すと、図2に示すように、体動センサ51として歩行中のユーザ1が履いている靴やユーザ1の足に取り付けられた歩行センサによって、走行中のユーザ1の足の踏み込み(接地)タイミングが検出され、後述のように楽曲の拍(beat)または小節(measure,bar)のタイミングをユーザ1の足の踏み込みタイミングに合わせるように、音楽が再生される。
【0022】
図3に、図1の例のコンテンツ再生装置10の機能構成を示す。体動検出部61は、体動センサ51およびA/Dコンバータ52によって構成され、ユーザの体動、例えば、走行中の足の動きや、音楽を聴いているときの頭の動きを検出する。
【0023】
体動分析部62は、CPU11、ROM13およびRAM14によって構成され、体動検出部61からバス12に取り込んだ体動検出データを分析することによって、ユーザの体動の特徴点、周期またはリズム(テンポ)を検出する。
【0024】
体動の特徴点は、体動の開始点(体を静止させている状態から動かし始める点)、終了点(体を動かしている状態から静止させる点)、極大点、極小点、最大ピーク点、または最小ピーク点のタイミングであり、具体的には、上記のような歩行中の足の踏み込みタイミングや、体を揺すっているときの揺れや振っているときの振りの折り返しタイミングなどである。
【0025】
この場合、体動の検出には、直前の幾つかの踏み込みタイミングや折り返しタイミングから次の踏み込みタイミングや折り返しタイミングを予測するように、直前の体動の検出結果から次の体動を予測することを含む。
【0026】
コンテンツ生成部63は、CPU11、ROM13、RAM14、および映像処理部31または音声処理部33によって構成され、上記の体動検出結果に基づいて、コンテンツ素材読み出し部64によって、コンテンツ素材データベース65からコンテンツ素材およびこれに付随するタイミング情報を読み出して、リアルタイムにコンテンツを生成する。
【0027】
コンテンツ素材読み出し部64は、CPU11、ROM13、RAM14、インターフェース16,18、RFインターフェース21、外部インターフェース23などによって構成され、コンテンツ素材データベース65は、コンテンツ素材データおよびタイミング情報が記録された記録装置部15や記録メディア17、またはコンテンツ素材データおよびタイミング情報の送信元のサーバに設けられたデータベースである。
【0028】
コンテンツ出力部66は、コンテンツ生成部63によって生成されたコンテンツを出力するもので、映像表示装置32や音声出力装置34によって構成される。
【0029】
コンテンツ素材は、最終的なコンテンツを生成するための素材であって、通常のコンテンツ(CDやDVDに記録された楽曲データや映像データ、またはMP3によって圧縮された楽曲データなど)そのものでもよいが、小節単位(数小節)の短い楽曲や、シーン単位またはカット単位の短い映像などであれば、より好適である。
【0030】
これらのコンテンツ素材は、それぞれのコンテンツ素材データに、拍タイミングやシーンチェンジタイミングなどのタイミングを示すタイミング情報がメタ情報として付加されて、記録または送信される。ただし、コンテンツ素材の読み出しと同時にタイミング情報が生成されるようにしてもよい。
【0031】
コンテンツ素材が小節単位の短い楽曲やシーン単位またはカット単位の短い映像などである場合には、それらコンテンツ素材を、時間的な前後関係を決めて、つなぎ合わせ、必要に応じてコンテンツ素材の再生時間長を伸縮することによって、最終的な一つのコンテンツをリアルタイムに生成する。
【0032】
[2.コンテンツ再生方法の実施形態:図4〜図8]
この発明のコンテンツ再生方法では、上記のタイミング情報をもとに、ユーザの体動の特徴点、周期またはリズムに、コンテンツのタイミングを合わせるように、コンテンツを再生する。
【0033】
上述したように、体動の特徴点は、体動の開始点、終了点、極大点、極小点、最大ピーク点、または最小ピーク点であり、具体的には、走行中の足の踏み込みタイミングや、体の揺れまたは振りの折り返しタイミングなどである。
【0034】
(2−1.音楽コンテンツの場合:図4〜図8)
音楽コンテンツの場合、コンテンツ再生にあたっては、例えば、図4に示すように、4つのコンテンツ素材A,B,C,Dとして、それぞれ1小節分の楽曲を用い、これらコンテンツ素材A,B,C,Dをつなぎ合わせて、一つの音楽コンテンツを生成する。
【0035】
コンテンツ素材A〜Dからなるフレーズは、MIDIでもPCM(パルス幅変調)データでもよいが、MIDIであれば、そのまま拍タイミング情報が得られるとともに、後述のコンテンツ生成にあたっての伸縮の計算量が少なくて済む。PCMデータである場合には、コンテンツ素材A〜Dは純粋な音の波形であり、それとは別にあらかじめ拍タイミング情報が生成され、コンテンツ素材A〜Dとともに記録または送信される。
【0036】
ただし、拍タイミング情報は、コンテンツ素材の再生直前にコンテンツ素材の波形から計算して求めることもできる。その計算方法としては、参考文献1(PDFファイルとして、Masataka Goto:An Audio−based Real−time Beat Tracking System for Music With or Without Drum−sounds,Journal of New Music Research,Vol.30,No.2,pp.159−171,June2001)または参考文献2(書籍として、後藤真孝:拍節認識(ビートトラッキング),bit別冊,コンピュータと音楽の世界…基礎からフロンティアまで…,pp.100−116,共立出版,August1998)に記載の方法を用いることができる。
【0037】
以下に、図4に示すようなコンテンツ素材A,B,C,Dをつなぎ合わせて一つの音楽コンテンツを生成する場合の例を示す。コンテンツ素材A,B,C,Dは、全て1小節分で、同じ間間Tmの長さを持つものとする。
【0038】
<第1の例:図5および図6>
図5に、歩行テンポにコンテンツのタイミングを合わせる方法の第1の例を示す。この例は、歩行テンポが一定の場合に適した方法で、コンテンツ素材を伸縮して各コンテンツ素材の開始タイミングを踏み込みタイミングに合わせるものである。
【0039】
具体的に、図4の例では各小節A〜Dの先頭に拍があるので、4歩ごとに各小節A〜Dの先頭を踏み込みタイミングに合わせる。小節を合わせる歩数は4歩でなくてもよいが、例えば、多くのマーチ(行進曲)は、テンポが120すなわち、1拍=1歩=0.5秒に対応し、4歩(4拍)で1小節になる。そのため、小節を合わせる歩数を4歩とすることによって、コンテンツ素材を大きく伸縮しなくても、各小節A〜Dの先頭を踏み込みタイミングに合わせることができる。
【0040】
この例では、時点t0でユーザがコンテンツ再生開始を指示することによって、まず、1番目の小節Aを、そのまま、すなわち時間Tmの長さで再生する。
【0041】
次に、コンテンツ再生開始時点t0の後に最初に検出された踏み込みを1歩目として5歩目の踏み込みが検出されたら、1歩目から5歩目までの4歩分の時間T1を計算する。
【0042】
次に、1番目の小節Aの再生終了時点taと5歩目の踏み込みが検出された時点との間の時間D1を計算して、時間T1と時間D1との差分(T1−D1)を求め、その差分(T1−D1)を2番目の小節Bの再生時間長とするように、小節Bを(T1−D1)/Tm倍に伸縮して再生する。
【0043】
図5は、5歩目の踏み込みが検出された時点の後に1番目の小節Aの再生が終了し、D1>0で、差分(T1−D1)が時間T1および時間Tmより短く、(T1−D1)/Tm<1で、小節Bが圧縮されて再生される場合である。
【0044】
逆に5歩目の踏み込みが検出される前に1番目の小節Aの再生が終了した場合には、その時点で再度、小節Aの再生を開始し、5歩目の踏み込みが検出された時点で、小節Aの再生を中止する。この場合には、D1<0で、差分(T1−D1)が時間T1より長くなり、さらには時間Tmより長くなる可能性がある。このように差分(T1−D1)が時間Tmより長く、(T1−D1)/Tm>1であるときには、小節Bが伸長されて再生される。
【0045】
以下同様に、差分(Tn−Dn)〔n=1,2,3,4…〕を次の(n+1)番目の小節の再生時間長とするように、各小節を順次再生する。4番目の小節Dを再生したら、1番目の小節Aに戻って再生を繰り返す。
【0046】
図5のように歩行テンポが変化しない場合には、T1=T2=T3=T4…であり、D1を除いてDn=0となって、小節の先頭が4歩ごとに踏み込みタイミングに一致するようになる。
【0047】
しかも、この例では、コンテンツ素材である小節を伸縮して再生するので、楽曲としての連続性を保つことができる。
【0048】
図6に、以上の例のコンテンツ再生方法を実施する場合の、図1のコンテンツ再生装置10のCPU11が実行するコンテンツ再生処理、すなわち図3のコンテンツ生成部63が実行するコンテンツ生成処理を示す。
【0049】
この例では、上記のようにユーザがコンテンツ再生開始を指示することによって処理を開始して、まずステップ101で、n=0,m=0とする。nは、図5に示したnとは異なり、歩数であり、mは、コンテンツ素材番号である。図5の例では、小節Aはm=1,5,9…であり、小節Bはm=2,6,10…であり、小節Cはm=3,7,11…であり、小節Dはm=4,8,12…である。
【0050】
次に、ステップ102に進んで、体動センサ51による歩行センシングを開始し、さらにステップ103に進んで、m=1とし、さらにステップ104に進んで、m=1のコンテンツ素材を読み込んで、その再生を開始する。
【0051】
次に、ステップ111に進んで、踏み込みが検出されたか否かを判断し、踏み込みが検出されたときには、ステップ112に進んで、歩数nを1だけインクリメントし、さらにステップ113に進んで、そのインクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しいか否かを、すなわち5歩目、9歩目、13歩目…の踏み込みであるか否かを判断する。
【0052】
そして、インクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しくない場合には、ステップ113からステップ111に戻って、さらに踏み込みが検出されたか否かを判断し、インクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しい場合には、ステップ113からステップ114に進んで、コンテンツ素材番号mを1だけインクリメントする。
【0053】
ステップ114でコンテンツ素材番号mを1だけインクリメントしたら、さらにステップ115に進んで、そのインクリメント後のコンテンツ素材番号mのコンテンツ素材を読み込み、(Tn−Dn)/Tm倍に伸縮して、その再生を開始する。
【0054】
次に、ステップ116に進んで、コンテンツの再生を終了するか否かを判断し、ユーザがコンテンツ再生終了を指示することによってコンテンツの再生を終了する場合には、当該のコンテンツ再生処理(コンテンツ生成処理)を終了し、コンテンツの再生を続行する場合には、ステップ116からステップ111に戻って、さらに踏み込みが検出されたか否かを判断する。
【0055】
なお、図5および図6では省略したが、あるコンテンツ素材(小節)の再生中にユーザがコンテンツ再生終了を指示することなく歩行を停止した場合には、例えば、以後、各コンテンツ素材(各小節)を、歩行停止時の再生時間長(Tn−Dn)で順次再生する。
【0056】
<第2の例:図7および図8>
図7に、歩行テンポにコンテンツのタイミングを合わせる方法の第2の例を示す。この例は、歩行テンポが大きく変化する場合に適した方法で、コンテンツ素材を伸縮することなく、各コンテンツ素材の開始タイミングを強制的に踏み込みタイミングに合わせるものである。
【0057】
具体的に、図4の例では各小節A〜Dの先頭に拍があるので、図5の例と同様に、4歩ごとに各小節A〜Dの先頭を踏み込みタイミングに合わせる。
【0058】
この例では、時点t0でユーザがコンテンツ再生開始を指示したら、その直後の最初の(1歩目の)踏み込みが検出された時点t1で小節Aの再生を開始し、小節Aを時間Tmの長さで再生する。
【0059】
図示するように、1歩目から5歩目までの時間が時間Tmより長く、5歩目の踏み込みが検出される前に小節Aの再生が終了したら、その時点t2で再度、小節Aの再生を開始し、5歩目の踏み込みが検出された時点t3で小節Aの再生を中止して、直ちに小節Bの再生を開始する。
【0060】
逆に1歩目から5歩目までの時間が時間Tmより短く、小節Aの再生が終了する前に5歩目の踏み込みが検出された場合には、その時点で小節Aの再生を中止して、直ちに小節Bの再生を開始する。
【0061】
小節Bも、伸縮することなく、9歩目の踏み込みが検出される時点まで再生する。すなわち、図示するように、5歩目から9歩目までの時間が時間Tmより短く、小節Bの再生が終了する前に9歩目の踏み込みが検出されたら、その時点で小節Bの再生を中止して、直ちに小節Cの再生を開始し、逆に5歩目から9歩目までの時間が時間Tmより長く、9歩目の踏み込みが検出される前に小節Bの再生が終了したら、その時点で再度、小節Bの再生を開始し、9歩目の踏み込みが検出された時点で小節Bの再生を中止して、直ちに小節Cの再生を開始する。
【0062】
以下同様に、各小節を伸縮することなく順次再生する。4番目の小節Dを再生したら、1番目の小節Aに戻って再生を繰り返す。
【0063】
図7は、歩行テンポが漸次早くなる場合で、2番目以降は各小節が最後まで再生されない場合である。
【0064】
この例では、各小節のつなぎ目部分で楽曲としての連続性が得られなくなるが、つなぎ目部分で前後の小節をフェードアウト・フェードインすることによって、違和感を軽減することができる。
【0065】
図8に、以上の例のコンテンツ再生方法を実施する場合の、図1のコンテンツ再生装置10のCPU11が実行するコンテンツ再生処理、すなわち図3のコンテンツ生成部63が実行するコンテンツ生成処理を示す。
【0066】
この例では、上記のようにユーザがコンテンツ再生開始を指示することによって処理を開始して、まずステップ121で、n=0,m=0とする。nは、歩数であり、mは、コンテンツ素材番号である。図7の例では、小節Aはm=1,5,9…であり、小節Bはm=2,6,10…であり、小節Cはm=3,7,11…であり、小節Dはm=4,8,12…である。
【0067】
次に、ステップ122に進んで、体動センサ51による歩行センシングを開始し、さらにステップ123に進んで、1歩目の踏み込みが検出されたか否かを判断し、1歩目の踏み込みが検出されたときには、ステップ124に進んで、n=1,m=1とし、さらにステップ125に進んで、m=1のコンテンツ素材を読み込んで、その再生を開始する。
【0068】
次に、ステップ131に進んで、踏み込みが検出されたか否かを判断し、踏み込みが検出されたときには、ステップ132に進んで、歩数nを1だけインクリメントし、さらにステップ133に進んで、そのインクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しいか否かを、すなわち5歩目、9歩目、13歩目…の踏み込みであるか否かを判断する。
【0069】
そして、インクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しくない場合には、ステップ133からステップ131に戻って、さらに踏み込みが検出されたか否かを判断し、インクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しい場合には、ステップ133からステップ134に進んで、コンテンツ素材番号mを1だけインクリメントする。
【0070】
ステップ134でコンテンツ素材番号mを1だけインクリメントしたら、さらにステップ135に進んで、そのインクリメント後のコンテンツ素材番号mのコンテンツ素材を読み込んで、その再生を開始する。
【0071】
次に、ステップ136に進んで、コンテンツの再生を終了するか否かを判断し、ユーザがコンテンツ再生終了を指示することによってコンテンツの再生を終了する場合には、当該のコンテンツ再生処理(コンテンツ生成処理)を終了し、コンテンツの再生を続行する場合には、ステップ136からステップ131に戻って、さらに踏み込みが検出されたか否かを判断する。
【0072】
なお、図7および図8では省略したが、あるコンテンツ素材(小節)の再生中にユーザがコンテンツ再生終了を指示することなく歩行を停止した場合には、例えば、以後、各コンテンツ素材(各小節)を、本来の時間Tmで順次再生する。
【0073】
(2−2.他のコンテンツの場合)
上述した例は、コンテンツが音楽(楽曲)の場合であるが、コンテンツが動画像または静止画像である場合にも、そのタイミングをユーザの体動に合わせるように動画像または静止画像を再生すると、好適である。
【0074】
具体的に、動画像の場合には、動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングを、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングに合わせるようにする。この場合、コンテンツ素材としては、1シーン単位または1カット単位の動画像を用いる。
【0075】
また、静止画像の場合には、例えば、スライドショー表示のように複数の静止画像を順次再生する場合に、一の静止画像から次の静止画像に切り替えるタイミングを、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングに合わせるようにする。この場合、コンテンツ素材としては、一枚単位(ファイル単位)の静止画像を用いる。
【0076】
さらに、コンテンツが振動や光である場合にも、この発明のコンテンツ再生方法を用いることができる。
【0077】
コンテンツが振動である場合には、例えば、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングに合わせて、振動の周波数(周期)や強度(振幅)を変える。この場合、コンテンツ素材としては、ある振動パターンの振動を発生させるデータを用いる。
【0078】
コンテンツが光である場合には、例えば、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングに合わせて、光の色(波長)や明度(照度)を変える。この場合、コンテンツ素材としては、ある色や明度の光を発生させるデータを用いる。
【0079】
[3.体動検出の方法:図9〜図15]
上述した例のように、ユーザの体動として歩行を検出し、体動の特徴点として歩行中の足の踏み込みタイミングを検出する場合、例えば、図9に示すように、ユーザが走行時に履く左右の靴2Lおよび2Rの踵部分に、またはユーザの左右の足の踵部分に、歩行センサ5Lおよび5Rを装着し、この歩行センサ5Lおよび5Rの出力信号を、増幅回路55Lおよび55Rで増幅した後、ハイパスフィルタ56Lおよび56Rに供給して、所定周波数以上の変化成分を取り出し、その変化成分の信号を、A/Dコンバータ57Lおよび57Rでデジタルデータに変換して、図1の例のコンテンツ再生装置10のバス12に送出する。
【0080】
歩行センサ5L,5Rは、歪みセンサとして構成することができる。具体的に、図10に示すように、燐青銅板などからなる一方の支持板71に、図11に示すような歪みゲージ75を取り付け、歪みゲージ75の端子76および77を補強材73で支持板71に固定した状態で、燐青銅板などからなる他方の支持板72を支持板71に貼り付けたものとする。
【0081】
歩行中の歩行センサ5L,5Rの出力信号は、AD値(A/Dコンバータ57L,57Rの出力データ値)でみて、図12に示すように変化し、足の踏み込みタイミングで所定のしきい値より大きくなり、足のけり出しタイミングで別のしきい値より小さくなる。したがって、歩行センサ5L,5Rの出力信号から、左右の足の踏み込みタイミングを検出することができる。
【0082】
図13に、靴3の踵部分の内側に歩行センサ6を配置する場合を示す。この場合の歩行センサ6としては、上記の歪みセンサ以外に、加速度センサ、曲げセンサ、圧力センサ、測距センサ、傾斜センサ、磁気センサ、電流センサ、帯電位センサ、静電容量センサ、電磁誘導センサなどを用いることができる。マイクロフォンで収音することによって、足の踏み込みタイミングを検出することも可能である。
【0083】
以上の例は、歩行を検出し、足の踏み込みタイミングを検出する場合であるが、頭や手の動きを検出し、頭や手の揺れや振りの折り返しタイミングを検出する場合などには、以下のように構成することができる。
【0084】
例えば、頭の動きを検出し、頭の揺れの折り返しタイミングを検出する場合には、図14に示すように、頭部に装着するヘッドフォンに加速度センサを取り付ければよい。加速度センサにより歩行を検出するには、センサ信号の自己相関を計算すればよい。
【0085】
図14(A)は、頭上型ヘッドフォンの、左右のスピーカ部81,82を連結するヘッドバンド部83に、加速度センサ7を取り付ける場合であり、図14(B)は、ネックバンド型ヘッドフォンの、左右のスピーカ部84,85を連結するネックバンド部86に、加速度センサ7を取り付ける場合であり、図14(C)は、インナーイヤー型ヘッドフォンの、左右の耳穴に挿入されるスピーカ部87,88に、加速度センサ7a,7bを取り付ける場合である。
【0086】
また、手の動きを検出し、手の振りの折り返しタイミングを検出する場合には、図15に示すように、手首に腕時計型の加速度センサ8を装着するようにすればよい。
【0087】
体動センサは、検出する体動の態様に応じて、上述した足、頭、首、手のほか、ふくらはぎ、膝、腿、腰、体幹部、上腕、肘などに取り付けることができ、足についても、踵のほか、足の指、足の甲、足首などに取り付けることができ、手についても、手首のほか、手の指、手の甲などに取り付けることができる。また、体動センサは、靴などのようにユーザが装着または携帯する物品に取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】この発明のコンテンツ再生装置の一例を示す図である。
【図2】図1のコンテンツ再生装置における動作の一例を示す図である。
【図3】図1のコンテンツ再生装置の機能構成を示す図である。
【図4】コンテンツ素材として小節単位の短い楽曲を用いる場合を示す図である。
【図5】音楽コンテンツの再生方法の第1の例を示す図である。
【図6】図5の方法を実行する場合の処理の一例を示す図である。
【図7】音楽コンテンツの再生方法の第2の例を示す図である。
【図8】図7の方法を実行する場合の処理の一例を示す図である。
【図9】体動検出部の一例を示す図である。
【図10】歩行センサの一例を示す図である。
【図11】歪みゲージの一例を示す図である。
【図12】歩行センサの出力信号の一例を示す図である。
【図13】歩行センサの別の配置例を示す図である。
【図14】頭の動きを検出する場合の一例を示す図である。
【図15】手の動きを検出する場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
主要部については図中に全て記述したので、ここでは省略する。
【技術分野】
【0001】
この発明は、音楽や映像などのコンテンツを再生する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、CD(Compact Disc)プレーヤ、MD(Mini Disc:登録商標)プレーヤなどで音楽を再生する場合、決められた音楽を高音質に再生することが重要視されている。ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding:登録商標)やMP3(MPEG−1 Audio Layer−3)などによって圧縮された音楽を再生する場合も同じで、最終的には時系列の信号波形に変換されてユーザが楽しむことに変わりがない。
【0003】
これに対して、音楽などのコンテンツを、その場の状況に応じてリアルタイムに変化させる装置が考えられている。その場の状況に応じて、音楽のテンポやピッチを変更し、短いフレーズの音楽素材をつなぎ合わせて連続的な一つの音楽を奏でる、などである。これは、DJ(Disk Jockey)やVJ(Video Jockey)が既存の音楽を組み合わせながら即興で新しい音楽を創り出す役割を装置が担うものである。
【0004】
また、コンサート会場やディスコ会場などで観客が音楽に乗ってきているときには、観客は足を踏み鳴らし、頭を前後に振り、飛び上がったりする。人が音楽に合わせて体を揺らすことも、よく見られる。また、単に行進曲に合わせて歩くだけでも、気持ちがよく、気分が高揚するものである。これは、足の踏み込みや頭の動きなど、自分の体のリズムをコンテンツのリズムに同期させることによって、内部的な同調感や気持ちの良さを高めることができることを示している。
【0005】
また、特許文献1(特開2000−300838号公報)には、音楽に合わせてステップを踏んで得点を競う、「ダンス・ダンス・レボリューション」(商品名)などのステップゲーム(音楽指向ゲーム)で、遊技者の趣向に合わせたプレイ環境を提供することが示されている。
【0006】
さらに、特許文献2(特開2002−65891号公報)には、上記のステップゲームをリハビリテーションに利用し、利用者(患者)の心拍数を検出して、検出された心拍数が基準の心拍数を超えた場合には警報を出力することが示されている。
【0007】
上に挙げた先行技術文献は、以下のとおりである。
【特許文献1】特開2000−300838号公報
【特許文献2】特開2002−65891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した従来のコンテンツ再生方法は、再生される音楽に合わせてステップを踏むなど、人が再生されるコンテンツに合わせて行動するものであって、コンテンツの再生が人の体の動きに反応するものではなく、コンテンツ再生自体についての娯楽性や高揚感は、コンテンツ自体に依存し、必ずしも十分ではない。
【0009】
そこで、この発明は、ユーザの体の動きをコンテンツの再生に反映させることによって、コンテンツ再生自体についての娯楽性や高揚感を促進することができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明のコンテンツ再生方法は、ユーザの体動を検出し、その体動の特徴点、周期またはリズムにコンテンツのタイミングを合わせるようにコンテンツを再生するものである。
【0011】
上記のコンテンツ再生方法では、歩行中のユーザの足の踏み込みタイミングや、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングなどに、再生される楽曲の拍または小節のタイミングが合わせられ、再生される動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングが合わせられるなど、再生されるコンテンツのタイミングが合わせられるので、コンテンツを鑑賞または感知しながら体を動かすユーザの気持ちの良さが増進し、コンテンツ再生自体についての娯楽性や高揚感が促進する。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば、ユーザの体の動きをコンテンツの再生に反映させることによって、コンテンツ再生自体についての娯楽性や高揚感を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[1.コンテンツ再生装置の実施形態:図1〜図3]
図1は、この発明のコンテンツ再生装置の一例を示し、ポータブル型の音楽映像再生装置や携帯電話端末などとして構成されるものである。
【0014】
この例のコンテンツ再生装置10は、CPU11を備え、そのバス12に、各種のプログラムやデータが書き込まれたROM13、およびプログラムやデータが展開されるRAM14が接続される。
【0015】
また、バス12には、インターフェース16を介して、ハードディスクなどの内蔵固定の記録装置部15が接続され、インターフェース18を介して、CDやDVDなどのリムーバブルの記録メディア17が接続され、RF送受信回路などのRFインターフェース21を介して、送受信アンテナ22が接続されるとともに、インターネット24に接続するための外部インターフェース23が接続される。
【0016】
記録装置部15および記録メディア17は、音楽や映像などのコンテンツおよび後述のコンテンツ素材が記録再生されるものであり、RFインターフェース21および送受信アンテナ22は、無線によって、外部からコンテンツまたはコンテンツ素材を受信し、または外部にコンテンツまたはコンテンツ素材を送信するものであり、外部インターフェース23は、インターネット24を介して、外部からコンテンツまたはコンテンツ素材を受信し、または外部にコンテンツまたはコンテンツ素材を送信するものである。
【0017】
また、バス12には、映像処理部31を介して、液晶表示装置などからなる映像表示装置32が接続されるとともに、音声処理部33を介して、スピーカやヘッドフォンなどからなる音声出力装置34が接続される。映像表示装置32の表示画面には、コンテンツとしての映像や設定用または操作用などの画面が表示され、音声出力装置34からは、コンテンツとしての音楽や音声アナウンスなどの音声が出力される。
【0018】
また、バス12には、各種キーからなる操作部41が、インターフェース42を介して接続されるとともに、音声入力用のマイクロフォン43が、音声処理部44を介して接続される。
【0019】
さらに、バス12には、体動センサ51が、A/Dコンバータ52を介して接続され、ユーザ1の後述のような体動(体の動き)が、体動センサ51によって検出され、その体動検出信号が、A/Dコンバータ52によってアナログ信号からデジタルデータに変換されて、バス12に取り込まれる。
【0020】
この発明におけるコンテンツは、音楽、音楽以外の音声、動画像、静止画像(グラフィックス、図形、文字を含む)、振動、照明光などの光など、人が鑑賞または感知し得るものを全て含むが、図1の例では音楽または映像である。
【0021】
図1の例のコンテンツ再生装置10によるコンテンツ再生方法では、例えば、ユーザ1が歩行中に音楽を聴く場合について示すと、図2に示すように、体動センサ51として歩行中のユーザ1が履いている靴やユーザ1の足に取り付けられた歩行センサによって、走行中のユーザ1の足の踏み込み(接地)タイミングが検出され、後述のように楽曲の拍(beat)または小節(measure,bar)のタイミングをユーザ1の足の踏み込みタイミングに合わせるように、音楽が再生される。
【0022】
図3に、図1の例のコンテンツ再生装置10の機能構成を示す。体動検出部61は、体動センサ51およびA/Dコンバータ52によって構成され、ユーザの体動、例えば、走行中の足の動きや、音楽を聴いているときの頭の動きを検出する。
【0023】
体動分析部62は、CPU11、ROM13およびRAM14によって構成され、体動検出部61からバス12に取り込んだ体動検出データを分析することによって、ユーザの体動の特徴点、周期またはリズム(テンポ)を検出する。
【0024】
体動の特徴点は、体動の開始点(体を静止させている状態から動かし始める点)、終了点(体を動かしている状態から静止させる点)、極大点、極小点、最大ピーク点、または最小ピーク点のタイミングであり、具体的には、上記のような歩行中の足の踏み込みタイミングや、体を揺すっているときの揺れや振っているときの振りの折り返しタイミングなどである。
【0025】
この場合、体動の検出には、直前の幾つかの踏み込みタイミングや折り返しタイミングから次の踏み込みタイミングや折り返しタイミングを予測するように、直前の体動の検出結果から次の体動を予測することを含む。
【0026】
コンテンツ生成部63は、CPU11、ROM13、RAM14、および映像処理部31または音声処理部33によって構成され、上記の体動検出結果に基づいて、コンテンツ素材読み出し部64によって、コンテンツ素材データベース65からコンテンツ素材およびこれに付随するタイミング情報を読み出して、リアルタイムにコンテンツを生成する。
【0027】
コンテンツ素材読み出し部64は、CPU11、ROM13、RAM14、インターフェース16,18、RFインターフェース21、外部インターフェース23などによって構成され、コンテンツ素材データベース65は、コンテンツ素材データおよびタイミング情報が記録された記録装置部15や記録メディア17、またはコンテンツ素材データおよびタイミング情報の送信元のサーバに設けられたデータベースである。
【0028】
コンテンツ出力部66は、コンテンツ生成部63によって生成されたコンテンツを出力するもので、映像表示装置32や音声出力装置34によって構成される。
【0029】
コンテンツ素材は、最終的なコンテンツを生成するための素材であって、通常のコンテンツ(CDやDVDに記録された楽曲データや映像データ、またはMP3によって圧縮された楽曲データなど)そのものでもよいが、小節単位(数小節)の短い楽曲や、シーン単位またはカット単位の短い映像などであれば、より好適である。
【0030】
これらのコンテンツ素材は、それぞれのコンテンツ素材データに、拍タイミングやシーンチェンジタイミングなどのタイミングを示すタイミング情報がメタ情報として付加されて、記録または送信される。ただし、コンテンツ素材の読み出しと同時にタイミング情報が生成されるようにしてもよい。
【0031】
コンテンツ素材が小節単位の短い楽曲やシーン単位またはカット単位の短い映像などである場合には、それらコンテンツ素材を、時間的な前後関係を決めて、つなぎ合わせ、必要に応じてコンテンツ素材の再生時間長を伸縮することによって、最終的な一つのコンテンツをリアルタイムに生成する。
【0032】
[2.コンテンツ再生方法の実施形態:図4〜図8]
この発明のコンテンツ再生方法では、上記のタイミング情報をもとに、ユーザの体動の特徴点、周期またはリズムに、コンテンツのタイミングを合わせるように、コンテンツを再生する。
【0033】
上述したように、体動の特徴点は、体動の開始点、終了点、極大点、極小点、最大ピーク点、または最小ピーク点であり、具体的には、走行中の足の踏み込みタイミングや、体の揺れまたは振りの折り返しタイミングなどである。
【0034】
(2−1.音楽コンテンツの場合:図4〜図8)
音楽コンテンツの場合、コンテンツ再生にあたっては、例えば、図4に示すように、4つのコンテンツ素材A,B,C,Dとして、それぞれ1小節分の楽曲を用い、これらコンテンツ素材A,B,C,Dをつなぎ合わせて、一つの音楽コンテンツを生成する。
【0035】
コンテンツ素材A〜Dからなるフレーズは、MIDIでもPCM(パルス幅変調)データでもよいが、MIDIであれば、そのまま拍タイミング情報が得られるとともに、後述のコンテンツ生成にあたっての伸縮の計算量が少なくて済む。PCMデータである場合には、コンテンツ素材A〜Dは純粋な音の波形であり、それとは別にあらかじめ拍タイミング情報が生成され、コンテンツ素材A〜Dとともに記録または送信される。
【0036】
ただし、拍タイミング情報は、コンテンツ素材の再生直前にコンテンツ素材の波形から計算して求めることもできる。その計算方法としては、参考文献1(PDFファイルとして、Masataka Goto:An Audio−based Real−time Beat Tracking System for Music With or Without Drum−sounds,Journal of New Music Research,Vol.30,No.2,pp.159−171,June2001)または参考文献2(書籍として、後藤真孝:拍節認識(ビートトラッキング),bit別冊,コンピュータと音楽の世界…基礎からフロンティアまで…,pp.100−116,共立出版,August1998)に記載の方法を用いることができる。
【0037】
以下に、図4に示すようなコンテンツ素材A,B,C,Dをつなぎ合わせて一つの音楽コンテンツを生成する場合の例を示す。コンテンツ素材A,B,C,Dは、全て1小節分で、同じ間間Tmの長さを持つものとする。
【0038】
<第1の例:図5および図6>
図5に、歩行テンポにコンテンツのタイミングを合わせる方法の第1の例を示す。この例は、歩行テンポが一定の場合に適した方法で、コンテンツ素材を伸縮して各コンテンツ素材の開始タイミングを踏み込みタイミングに合わせるものである。
【0039】
具体的に、図4の例では各小節A〜Dの先頭に拍があるので、4歩ごとに各小節A〜Dの先頭を踏み込みタイミングに合わせる。小節を合わせる歩数は4歩でなくてもよいが、例えば、多くのマーチ(行進曲)は、テンポが120すなわち、1拍=1歩=0.5秒に対応し、4歩(4拍)で1小節になる。そのため、小節を合わせる歩数を4歩とすることによって、コンテンツ素材を大きく伸縮しなくても、各小節A〜Dの先頭を踏み込みタイミングに合わせることができる。
【0040】
この例では、時点t0でユーザがコンテンツ再生開始を指示することによって、まず、1番目の小節Aを、そのまま、すなわち時間Tmの長さで再生する。
【0041】
次に、コンテンツ再生開始時点t0の後に最初に検出された踏み込みを1歩目として5歩目の踏み込みが検出されたら、1歩目から5歩目までの4歩分の時間T1を計算する。
【0042】
次に、1番目の小節Aの再生終了時点taと5歩目の踏み込みが検出された時点との間の時間D1を計算して、時間T1と時間D1との差分(T1−D1)を求め、その差分(T1−D1)を2番目の小節Bの再生時間長とするように、小節Bを(T1−D1)/Tm倍に伸縮して再生する。
【0043】
図5は、5歩目の踏み込みが検出された時点の後に1番目の小節Aの再生が終了し、D1>0で、差分(T1−D1)が時間T1および時間Tmより短く、(T1−D1)/Tm<1で、小節Bが圧縮されて再生される場合である。
【0044】
逆に5歩目の踏み込みが検出される前に1番目の小節Aの再生が終了した場合には、その時点で再度、小節Aの再生を開始し、5歩目の踏み込みが検出された時点で、小節Aの再生を中止する。この場合には、D1<0で、差分(T1−D1)が時間T1より長くなり、さらには時間Tmより長くなる可能性がある。このように差分(T1−D1)が時間Tmより長く、(T1−D1)/Tm>1であるときには、小節Bが伸長されて再生される。
【0045】
以下同様に、差分(Tn−Dn)〔n=1,2,3,4…〕を次の(n+1)番目の小節の再生時間長とするように、各小節を順次再生する。4番目の小節Dを再生したら、1番目の小節Aに戻って再生を繰り返す。
【0046】
図5のように歩行テンポが変化しない場合には、T1=T2=T3=T4…であり、D1を除いてDn=0となって、小節の先頭が4歩ごとに踏み込みタイミングに一致するようになる。
【0047】
しかも、この例では、コンテンツ素材である小節を伸縮して再生するので、楽曲としての連続性を保つことができる。
【0048】
図6に、以上の例のコンテンツ再生方法を実施する場合の、図1のコンテンツ再生装置10のCPU11が実行するコンテンツ再生処理、すなわち図3のコンテンツ生成部63が実行するコンテンツ生成処理を示す。
【0049】
この例では、上記のようにユーザがコンテンツ再生開始を指示することによって処理を開始して、まずステップ101で、n=0,m=0とする。nは、図5に示したnとは異なり、歩数であり、mは、コンテンツ素材番号である。図5の例では、小節Aはm=1,5,9…であり、小節Bはm=2,6,10…であり、小節Cはm=3,7,11…であり、小節Dはm=4,8,12…である。
【0050】
次に、ステップ102に進んで、体動センサ51による歩行センシングを開始し、さらにステップ103に進んで、m=1とし、さらにステップ104に進んで、m=1のコンテンツ素材を読み込んで、その再生を開始する。
【0051】
次に、ステップ111に進んで、踏み込みが検出されたか否かを判断し、踏み込みが検出されたときには、ステップ112に進んで、歩数nを1だけインクリメントし、さらにステップ113に進んで、そのインクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しいか否かを、すなわち5歩目、9歩目、13歩目…の踏み込みであるか否かを判断する。
【0052】
そして、インクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しくない場合には、ステップ113からステップ111に戻って、さらに踏み込みが検出されたか否かを判断し、インクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しい場合には、ステップ113からステップ114に進んで、コンテンツ素材番号mを1だけインクリメントする。
【0053】
ステップ114でコンテンツ素材番号mを1だけインクリメントしたら、さらにステップ115に進んで、そのインクリメント後のコンテンツ素材番号mのコンテンツ素材を読み込み、(Tn−Dn)/Tm倍に伸縮して、その再生を開始する。
【0054】
次に、ステップ116に進んで、コンテンツの再生を終了するか否かを判断し、ユーザがコンテンツ再生終了を指示することによってコンテンツの再生を終了する場合には、当該のコンテンツ再生処理(コンテンツ生成処理)を終了し、コンテンツの再生を続行する場合には、ステップ116からステップ111に戻って、さらに踏み込みが検出されたか否かを判断する。
【0055】
なお、図5および図6では省略したが、あるコンテンツ素材(小節)の再生中にユーザがコンテンツ再生終了を指示することなく歩行を停止した場合には、例えば、以後、各コンテンツ素材(各小節)を、歩行停止時の再生時間長(Tn−Dn)で順次再生する。
【0056】
<第2の例:図7および図8>
図7に、歩行テンポにコンテンツのタイミングを合わせる方法の第2の例を示す。この例は、歩行テンポが大きく変化する場合に適した方法で、コンテンツ素材を伸縮することなく、各コンテンツ素材の開始タイミングを強制的に踏み込みタイミングに合わせるものである。
【0057】
具体的に、図4の例では各小節A〜Dの先頭に拍があるので、図5の例と同様に、4歩ごとに各小節A〜Dの先頭を踏み込みタイミングに合わせる。
【0058】
この例では、時点t0でユーザがコンテンツ再生開始を指示したら、その直後の最初の(1歩目の)踏み込みが検出された時点t1で小節Aの再生を開始し、小節Aを時間Tmの長さで再生する。
【0059】
図示するように、1歩目から5歩目までの時間が時間Tmより長く、5歩目の踏み込みが検出される前に小節Aの再生が終了したら、その時点t2で再度、小節Aの再生を開始し、5歩目の踏み込みが検出された時点t3で小節Aの再生を中止して、直ちに小節Bの再生を開始する。
【0060】
逆に1歩目から5歩目までの時間が時間Tmより短く、小節Aの再生が終了する前に5歩目の踏み込みが検出された場合には、その時点で小節Aの再生を中止して、直ちに小節Bの再生を開始する。
【0061】
小節Bも、伸縮することなく、9歩目の踏み込みが検出される時点まで再生する。すなわち、図示するように、5歩目から9歩目までの時間が時間Tmより短く、小節Bの再生が終了する前に9歩目の踏み込みが検出されたら、その時点で小節Bの再生を中止して、直ちに小節Cの再生を開始し、逆に5歩目から9歩目までの時間が時間Tmより長く、9歩目の踏み込みが検出される前に小節Bの再生が終了したら、その時点で再度、小節Bの再生を開始し、9歩目の踏み込みが検出された時点で小節Bの再生を中止して、直ちに小節Cの再生を開始する。
【0062】
以下同様に、各小節を伸縮することなく順次再生する。4番目の小節Dを再生したら、1番目の小節Aに戻って再生を繰り返す。
【0063】
図7は、歩行テンポが漸次早くなる場合で、2番目以降は各小節が最後まで再生されない場合である。
【0064】
この例では、各小節のつなぎ目部分で楽曲としての連続性が得られなくなるが、つなぎ目部分で前後の小節をフェードアウト・フェードインすることによって、違和感を軽減することができる。
【0065】
図8に、以上の例のコンテンツ再生方法を実施する場合の、図1のコンテンツ再生装置10のCPU11が実行するコンテンツ再生処理、すなわち図3のコンテンツ生成部63が実行するコンテンツ生成処理を示す。
【0066】
この例では、上記のようにユーザがコンテンツ再生開始を指示することによって処理を開始して、まずステップ121で、n=0,m=0とする。nは、歩数であり、mは、コンテンツ素材番号である。図7の例では、小節Aはm=1,5,9…であり、小節Bはm=2,6,10…であり、小節Cはm=3,7,11…であり、小節Dはm=4,8,12…である。
【0067】
次に、ステップ122に進んで、体動センサ51による歩行センシングを開始し、さらにステップ123に進んで、1歩目の踏み込みが検出されたか否かを判断し、1歩目の踏み込みが検出されたときには、ステップ124に進んで、n=1,m=1とし、さらにステップ125に進んで、m=1のコンテンツ素材を読み込んで、その再生を開始する。
【0068】
次に、ステップ131に進んで、踏み込みが検出されたか否かを判断し、踏み込みが検出されたときには、ステップ132に進んで、歩数nを1だけインクリメントし、さらにステップ133に進んで、そのインクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しいか否かを、すなわち5歩目、9歩目、13歩目…の踏み込みであるか否かを判断する。
【0069】
そして、インクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しくない場合には、ステップ133からステップ131に戻って、さらに踏み込みが検出されたか否かを判断し、インクリメント後の歩数nが{(4の倍数)+1}に等しい場合には、ステップ133からステップ134に進んで、コンテンツ素材番号mを1だけインクリメントする。
【0070】
ステップ134でコンテンツ素材番号mを1だけインクリメントしたら、さらにステップ135に進んで、そのインクリメント後のコンテンツ素材番号mのコンテンツ素材を読み込んで、その再生を開始する。
【0071】
次に、ステップ136に進んで、コンテンツの再生を終了するか否かを判断し、ユーザがコンテンツ再生終了を指示することによってコンテンツの再生を終了する場合には、当該のコンテンツ再生処理(コンテンツ生成処理)を終了し、コンテンツの再生を続行する場合には、ステップ136からステップ131に戻って、さらに踏み込みが検出されたか否かを判断する。
【0072】
なお、図7および図8では省略したが、あるコンテンツ素材(小節)の再生中にユーザがコンテンツ再生終了を指示することなく歩行を停止した場合には、例えば、以後、各コンテンツ素材(各小節)を、本来の時間Tmで順次再生する。
【0073】
(2−2.他のコンテンツの場合)
上述した例は、コンテンツが音楽(楽曲)の場合であるが、コンテンツが動画像または静止画像である場合にも、そのタイミングをユーザの体動に合わせるように動画像または静止画像を再生すると、好適である。
【0074】
具体的に、動画像の場合には、動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングを、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングに合わせるようにする。この場合、コンテンツ素材としては、1シーン単位または1カット単位の動画像を用いる。
【0075】
また、静止画像の場合には、例えば、スライドショー表示のように複数の静止画像を順次再生する場合に、一の静止画像から次の静止画像に切り替えるタイミングを、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングに合わせるようにする。この場合、コンテンツ素材としては、一枚単位(ファイル単位)の静止画像を用いる。
【0076】
さらに、コンテンツが振動や光である場合にも、この発明のコンテンツ再生方法を用いることができる。
【0077】
コンテンツが振動である場合には、例えば、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングに合わせて、振動の周波数(周期)や強度(振幅)を変える。この場合、コンテンツ素材としては、ある振動パターンの振動を発生させるデータを用いる。
【0078】
コンテンツが光である場合には、例えば、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングに合わせて、光の色(波長)や明度(照度)を変える。この場合、コンテンツ素材としては、ある色や明度の光を発生させるデータを用いる。
【0079】
[3.体動検出の方法:図9〜図15]
上述した例のように、ユーザの体動として歩行を検出し、体動の特徴点として歩行中の足の踏み込みタイミングを検出する場合、例えば、図9に示すように、ユーザが走行時に履く左右の靴2Lおよび2Rの踵部分に、またはユーザの左右の足の踵部分に、歩行センサ5Lおよび5Rを装着し、この歩行センサ5Lおよび5Rの出力信号を、増幅回路55Lおよび55Rで増幅した後、ハイパスフィルタ56Lおよび56Rに供給して、所定周波数以上の変化成分を取り出し、その変化成分の信号を、A/Dコンバータ57Lおよび57Rでデジタルデータに変換して、図1の例のコンテンツ再生装置10のバス12に送出する。
【0080】
歩行センサ5L,5Rは、歪みセンサとして構成することができる。具体的に、図10に示すように、燐青銅板などからなる一方の支持板71に、図11に示すような歪みゲージ75を取り付け、歪みゲージ75の端子76および77を補強材73で支持板71に固定した状態で、燐青銅板などからなる他方の支持板72を支持板71に貼り付けたものとする。
【0081】
歩行中の歩行センサ5L,5Rの出力信号は、AD値(A/Dコンバータ57L,57Rの出力データ値)でみて、図12に示すように変化し、足の踏み込みタイミングで所定のしきい値より大きくなり、足のけり出しタイミングで別のしきい値より小さくなる。したがって、歩行センサ5L,5Rの出力信号から、左右の足の踏み込みタイミングを検出することができる。
【0082】
図13に、靴3の踵部分の内側に歩行センサ6を配置する場合を示す。この場合の歩行センサ6としては、上記の歪みセンサ以外に、加速度センサ、曲げセンサ、圧力センサ、測距センサ、傾斜センサ、磁気センサ、電流センサ、帯電位センサ、静電容量センサ、電磁誘導センサなどを用いることができる。マイクロフォンで収音することによって、足の踏み込みタイミングを検出することも可能である。
【0083】
以上の例は、歩行を検出し、足の踏み込みタイミングを検出する場合であるが、頭や手の動きを検出し、頭や手の揺れや振りの折り返しタイミングを検出する場合などには、以下のように構成することができる。
【0084】
例えば、頭の動きを検出し、頭の揺れの折り返しタイミングを検出する場合には、図14に示すように、頭部に装着するヘッドフォンに加速度センサを取り付ければよい。加速度センサにより歩行を検出するには、センサ信号の自己相関を計算すればよい。
【0085】
図14(A)は、頭上型ヘッドフォンの、左右のスピーカ部81,82を連結するヘッドバンド部83に、加速度センサ7を取り付ける場合であり、図14(B)は、ネックバンド型ヘッドフォンの、左右のスピーカ部84,85を連結するネックバンド部86に、加速度センサ7を取り付ける場合であり、図14(C)は、インナーイヤー型ヘッドフォンの、左右の耳穴に挿入されるスピーカ部87,88に、加速度センサ7a,7bを取り付ける場合である。
【0086】
また、手の動きを検出し、手の振りの折り返しタイミングを検出する場合には、図15に示すように、手首に腕時計型の加速度センサ8を装着するようにすればよい。
【0087】
体動センサは、検出する体動の態様に応じて、上述した足、頭、首、手のほか、ふくらはぎ、膝、腿、腰、体幹部、上腕、肘などに取り付けることができ、足についても、踵のほか、足の指、足の甲、足首などに取り付けることができ、手についても、手首のほか、手の指、手の甲などに取り付けることができる。また、体動センサは、靴などのようにユーザが装着または携帯する物品に取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】この発明のコンテンツ再生装置の一例を示す図である。
【図2】図1のコンテンツ再生装置における動作の一例を示す図である。
【図3】図1のコンテンツ再生装置の機能構成を示す図である。
【図4】コンテンツ素材として小節単位の短い楽曲を用いる場合を示す図である。
【図5】音楽コンテンツの再生方法の第1の例を示す図である。
【図6】図5の方法を実行する場合の処理の一例を示す図である。
【図7】音楽コンテンツの再生方法の第2の例を示す図である。
【図8】図7の方法を実行する場合の処理の一例を示す図である。
【図9】体動検出部の一例を示す図である。
【図10】歩行センサの一例を示す図である。
【図11】歪みゲージの一例を示す図である。
【図12】歩行センサの出力信号の一例を示す図である。
【図13】歩行センサの別の配置例を示す図である。
【図14】頭の動きを検出する場合の一例を示す図である。
【図15】手の動きを検出する場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
主要部については図中に全て記述したので、ここでは省略する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの体動を検出し、その体動の特徴点、周期またはリズムにコンテンツのタイミングを合わせるようにコンテンツを再生するコンテンツ再生方法。
【請求項2】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記特徴点は、体動の開始点、終了点、極大点、極小点、最大ピーク点、または最小ピーク点とすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項3】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記特徴点は、歩行中のユーザの足の踏み込みタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項4】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記特徴点は、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項5】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記コンテンツは楽曲であり、前記タイミングは楽曲の拍または小節のタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項6】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記コンテンツは動画像であり、前記タイミングは動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項7】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記コンテンツは静止画像であり、前記タイミングは静止画像の切り替えタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項8】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記タイミングを示す情報が、前記コンテンツに対応づけられて記録媒体に記録されていることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項9】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記コンテンツの再生は、コンテンツ素材をつなぎ合わせてコンテンツを生成することによって実行することを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項10】
ユーザの体動を検出する検出手段と、
この検出手段によって検出された体動の特徴点、周期またはリズムにコンテンツのタイミングを合わせるようにコンテンツを再生する再生手段と、
を備えるコンテンツ再生装置。
【請求項11】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記検出手段は、ユーザの体の一部、またはユーザが装着または携帯する物品に取り付けられるものであることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項12】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記再生手段は、前記コンテンツとしての楽曲の拍または小節のタイミングを、前記検出手段によって検出された体動の特徴点、周期またはリズムに合わせるように、前記コンテンツとしての楽曲を再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項13】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記再生手段は、前記コンテンツとしての動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングを、前記検出手段によって検出された体動の特徴点、周期またはリズムに合わせるように、前記コンテンツとしての動画像を再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項14】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記再生手段は、前記コンテンツとしての静止画像の切り替えタイミングを、前記検出手段によって検出された体動の特徴点、周期またはリズムに合わせるように、前記コンテンツとしての静止画像を再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項15】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記再生手段は、コンテンツ素材をつなぎ合わせてコンテンツを生成することによってコンテンツを再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項1】
ユーザの体動を検出し、その体動の特徴点、周期またはリズムにコンテンツのタイミングを合わせるようにコンテンツを再生するコンテンツ再生方法。
【請求項2】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記特徴点は、体動の開始点、終了点、極大点、極小点、最大ピーク点、または最小ピーク点とすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項3】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記特徴点は、歩行中のユーザの足の踏み込みタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項4】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記特徴点は、ユーザの体の揺れまたは振りの折り返しタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項5】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記コンテンツは楽曲であり、前記タイミングは楽曲の拍または小節のタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項6】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記コンテンツは動画像であり、前記タイミングは動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項7】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記コンテンツは静止画像であり、前記タイミングは静止画像の切り替えタイミングとすることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項8】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記タイミングを示す情報が、前記コンテンツに対応づけられて記録媒体に記録されていることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項9】
請求項1のコンテンツ再生方法において、
前記コンテンツの再生は、コンテンツ素材をつなぎ合わせてコンテンツを生成することによって実行することを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項10】
ユーザの体動を検出する検出手段と、
この検出手段によって検出された体動の特徴点、周期またはリズムにコンテンツのタイミングを合わせるようにコンテンツを再生する再生手段と、
を備えるコンテンツ再生装置。
【請求項11】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記検出手段は、ユーザの体の一部、またはユーザが装着または携帯する物品に取り付けられるものであることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項12】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記再生手段は、前記コンテンツとしての楽曲の拍または小節のタイミングを、前記検出手段によって検出された体動の特徴点、周期またはリズムに合わせるように、前記コンテンツとしての楽曲を再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項13】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記再生手段は、前記コンテンツとしての動画像のシーンチェンジまたはカットチェンジのタイミングを、前記検出手段によって検出された体動の特徴点、周期またはリズムに合わせるように、前記コンテンツとしての動画像を再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項14】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記再生手段は、前記コンテンツとしての静止画像の切り替えタイミングを、前記検出手段によって検出された体動の特徴点、周期またはリズムに合わせるように、前記コンテンツとしての静止画像を再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項15】
請求項10のコンテンツ再生装置において、
前記再生手段は、コンテンツ素材をつなぎ合わせてコンテンツを生成することによってコンテンツを再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−114174(P2006−114174A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302686(P2004−302686)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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