説明

コンテンツ発行システムおよびプログラム

【課題】顧客にとって利便性の高いサービスを提供し得るコンテンツ発行システム等を提
供する。
【解決手段】記録媒体にコンテンツを記録して発行する発行端末204を複数の有するコ
ンテンツ発行システムSYであって、顧客が注文内容を入力するための注文内容入力部6
10と、注文内容に応じて、複数の発行端末204の中から、処理対象となり得る1以上
の発行端末204を抽出する発行端末抽出部420と、抽出された1以上の発行端末20
4について、注文内容に応じたコンテンツの発行に要する所要時間を算出する算出部55
0と、算出された1以上の発行端末204における所要時間を表示する表示部620と、
表示された1以上の発行端末204の中から、処理対象となる発行端末204を指定する
ための発行端末指定部630と、を備え、指定された発行端末204でコンテンツを記録
するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記録媒体にコンテンツを記録して発行するコンテンツ発行システムおよびプログラムに
関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客の注文を受けて、記録媒体に対し、コンテンツの記録およびレーベル面への
印刷を行い得る無人情報端末が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の端末
では、記録処理および印刷処理の完了までに数十分程度の時間を要するため、その間、顧
客の待ち時間が発生する。また、予約注文を受け付けられる端末の場合であって、既に予
約が入っている場合は、さらに長い待ち時間が必要となる。
【特許文献1】特開2007−128130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、顧客の待ち時間短縮を図り、複数の無人情報端末を設置することが考えられる
。このような場合、通常顧客は、待ち時間が最も少ない端末に対して注文を行いたいと考
える。しかしながら、どの端末の待ち時間が少ないかは、各端末に対して実際に注文操作
を行ってみないと分からない。したがって、複数の無人情報端末を設置しても、顧客の利
便性に欠けるといった問題があった。
【0004】
一方、顧客によっては、その時(注文を行った時)、その場所での発行を希望しないこ
とも考えられる。例えば、端末が各駅に設置されている場合、勤務先近くの駅で予約をし
て、その日の帰りに自宅近くの駅で受け取りを希望する、といったパターンもあり得る。
これが実現できれば、顧客にとっては、待ち時間を必要としないといったメリットがある
。また、端末側(サービスを提供する側)にとっても、端末の非稼働時間を有効に利用で
きるといったメリットがある。ところが、このようなサービスは未だ存在しない。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑み、顧客にとって利便性の高いサービスを提供し得る
コンテンツ発行システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテンツ発行システムは、顧客の注文に応じ、記録媒体にコンテンツを記録
して発行する複数の発行端末を有するコンテンツ発行システムであって、顧客が、注文内
容を入力するための注文内容入力部と、注文内容に応じて、複数の発行端末の中から、処
理対象となり得る1以上の発行端末を抽出する発行端末抽出部と、抽出された1以上の発
行端末について、注文内容に応じたコンテンツの発行に要する所要時間および発行予定時
刻の少なくとも一方を算出する算出部と、算出部により算出された、1以上の発行端末に
おける所要時間および発行予定時刻の少なくとも一方を表示する表示部と、表示部に表示
された1以上の発行端末の中から、処理対象となる発行端末を指定するための発行端末指
定部と、発行端末指定部により指定された発行端末により、記録媒体にコンテンツを記録
して発行する処理済み記録媒体発行部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、処理対象となり得る1以上の発行端末について、注文内容に応じた
コンテンツの発行に要する所要時間および発行予定時刻の少なくとも一方を表示するため
、顧客は、所要時間等を考慮して、これら1以上の発行端末の中から、処理対象となる発
行端末を指定することができる。これにより、複数の発行端末が存在する場合、顧客は、
所要時間(待ち時間)の少ない発行端末を指定することができ、利便性が良い。また、発
行端末側(コンテンツ発行サービスを提供する側)にとっても、複数の発行端末を効率よ
く稼動させることができるといったメリットがある。
【0008】
上記に記載のコンテンツ発行システムにおいて、注文内容入力部は、注文内容として、
発行希望日時を入力可能であり、複数の発行端末のそれぞれについて、未処理の記録媒体
に関する未処理情報を記憶する未処理情報記憶部と、をさらに備え、発行端末抽出部は、
発行希望日時を含む注文内容と、未処理情報記憶部に記憶されている各発行端末の未処理
情報と、に応じて、処理対象となり得る1以上の発行端末を抽出することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、顧客は、発行希望日時を入力することができるため、待ち時間を必
要としない(注文後、その場で発行を待つ必要がない)。また、発行端末側にとっても、
非稼働時間を有効に利用できるといったメリットがある。
【0010】
上記に記載のコンテンツ発行システムにおいて、複数の発行端末のそれぞれについて、
発行場所を示す場所情報を記憶する場所情報記憶部をさらに備え、表示部は、1以上の発
行端末における所要時間および発行予定時刻の少なくとも一方と共に、各発行端末の場所
情報を表示することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、顧客は、表示された1以上の場所情報(1以上の発行端末に対応し
た場所情報)に基づいて、処理対象となる発行端末を指定することができる。つまり、複
数の発行端末が各地に点在しているような場合、所要時間や発行予定時刻だけでなく、発
行場所も考慮して、処理対象となる発行端末を指定することができる。
【0012】
上記に記載のコンテンツ発行システムにおいて、複数の発行端末は、記録媒体への印刷
および記録媒体を覆うジャケットの印刷の少なくとも一方が可能であり、算出部は、記録
媒体への印刷およびジャケットの印刷の少なくとも一方に要する時間を含めて、所要時間
および発行予定時刻の少なくとも一方を算出することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、顧客は、コンテンツが記録されているだけでなく、印刷が施された
記録媒体やジャケット付きの記録媒体など、完成度の高い製品を入手することができる。
また、印刷処理に要する時間も含めた正確な所要時間や発行予定時刻を把握することがで
きる。
【0014】
上記に記載のコンテンツ発行システムにおいて、注文内容入力部は、注文内容として、
記録媒体への印刷およびジャケットの印刷の少なくとも一方に関する印刷要否を入力可能
であり、複数の発行端末のそれぞれについて、記録処理および印刷処理が実行可能な状態
であるか否かに関する実行可否情報を記憶する実行可否情報記憶部をさらに備え、発行端
末抽出部は、印刷要否を含む注文内容と、記憶部に記憶されている各発行端末の実行可否
情報と、に応じて、複数の発行端末の中から、処理対象となり得る1以上の発行端末を抽
出することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、顧客のニーズや好みに応じて、印刷要否を選択することができる。
また、印刷要否を含む注文内容と、実行可否情報とに応じて、処理対象となり得る1以上
の発行端末が抽出されるため、印刷「要」を選択したにも関わらず、実行不能な発行端末
が、処理対象となり得る1以上の発行端末として誤って抽出されることがない。
なお、「実行可否情報」には、印刷機能の有無に関する情報も含む。つまり、複数の発
行端末の中に、印刷機能を搭載していない発行端末が存在する場合であって、印刷「要」
と選択された場合、印刷機能を搭載していない発行端末を避けた残りの発行端末の中から
、1以上の発行端末が抽出されることとなる。
【0016】
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記に記載のコンテンツ発行システムにおけ
る各部として機能させるためのものであることを特徴とする。
【0017】
このプログラムを実行させることにより、顧客にとって利便性の高いサービスを提供し
得るコンテンツ発行システムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係るコンテンツ発行システムおよびプログラムについて、
添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明のコンテンツ発行システムは、顧客の注
文に応じて、記録媒体にコンテンツを記録し、さらに当該記録媒体のレーベル面に印刷を
行うものである。また、これら記録処理および印刷処理を完了した処理済み記録媒体の発
行に要する所要時間を算出し、これを顧客に提示することを特徴とするものである。以下
、フランチャイズ展開されているコンビニエンスストア等の小売店において、本システム
を適用した場合を例示する。また、記録媒体としては、光ディスクを例示する。
【0019】
図1は、コンテンツ発行システムSYのシステム構成図である。同図に示すように、コ
ンテンツ発行システムSYは、映像コンテンツや音楽コンテンツなど各種コンテンツを提
供する1台以上のコンテンツサーバ101(図1では、1台のみ図示)と、コンテンツの
認証を行う認証サーバ102と、フランチャイズの本部に設置されるエリアサーバ201
と、フランチャイズ加盟店舗にそれぞれ設置される1台以上の店舗サーバ202(図1で
は、202a、202b、202nの3台を図示)と、当該店舗サーバ202に接続され
て用いられる端末群203,204と、店舗外に存在する1台以上の店舗外発注端末20
5(図1では、1台のみ図示)と、当該1台以上の店舗外発注端末205を統括するWe
bサーバ206と、から成り、1台以上のコンテンツサーバ101、認証サーバ102、
エリアサーバ201、1台以上の店舗サーバ202およびWebサーバ206は、インタ
ーネット等のネットワークNTを介して接続されている。
【0020】
コンテンツサーバ101は、光ディスクD(図2参照)に記録するためのコンテンツと
、当該光ディスクDのレーベル面に印刷するためのレーベル画像とを提供する。また、認
証サーバ102は、CSS(Content Scramble System)等のコンテンツ暗号化システム
(コピーガードシステム)において、CSSスクランブルの解除に用いられる鍵(CSS
キー)を提供する。また、エリアサーバ201は、接続された各店舗サーバ202および
端末群203,204を統括管理する。
【0021】
店舗サーバ202は、不図示の店内ネットワークを介し、発注端末203および発行端
末204と、それぞれ接続されている。発注端末203は、顧客がコンテンツの注文操作
を行うための端末であり、店内に配置されている。また、発行端末204は、光ディスク
Dに対して記録処理および印刷処理を行うと共に、これらの処理が完了した光ディスクD
(以下、「処理済みディスクDe,図2参照」と称する)を発行するための端末であり、
店員が常駐している場所(レジカウンタ廻りなど)に配置されている。発行端末204に
より発行(排出)された処理済みディスクDeは、発行後、店員によってケースに組み込
まれ、製品(商品)として販売される。
【0022】
一方、店舗外発注端末205は、顧客が所有する携帯電話やパーソナルコンピュータ、
若しくは店舗外に設置された発注用のキオスク端末等を指すものである。つまり、本実施
形態のコンテンツ発行システムSYは、顧客がわざわざ店舗に赴かなくとも、これらの店
舗外発注端末205によって、注文操作を行うことが可能となっている。
【0023】
ここで、コンテンツ発行システムSYにおける一連の処理について簡単に説明する。ま
ず、顧客が、店舗外発注端末205により注文操作(クレジットカードによる精算処理を
含む)を行った場合、当該店舗外発注端末205を統括するWebサーバ206は、信販
会社が運営する不図示のクレジット認証サーバに取引の認証を要求する。ここで、取引が
許可された場合、Webサーバ206は、エリアサーバ201に対して発行要求を行う。
また、顧客が、発注端末203により注文操作(クレジットカード、電子マネー、現金に
よる精算処理を含む)を行った場合は、店舗サーバ202を介してエリアサーバ201に
対し、発行要求を行う。また、顧客に対し、引換証を印刷・発行する。エリアサーバ20
1は、店舗外発注端末205または発注端末203に入力された注文内容に基づいて、処
理対象となる発行端末204を特定し、該当する店舗サーバ202に発行を指示する。店
舗サーバ202は、注文されたコンテンツと、当該コンテンツに対応するレーベル印刷画
像とを、コンテンツサーバ101から取得し、さらに注文されたコンテンツのCSSキー
を認証サーバ102から取得する。
【0024】
発行端末204は、店舗サーバ202からコンテンツ(CSSスクランブルが解除され
たもの)とレーベル印刷画像とを取得し、光ディスクDへの記録処理および印刷処理を行
って、処理済みディスクDeを発行する。その後、店員は、処理済みディスクDeをケー
スに収容して梱包し、引換証との交換により、製品を受け渡す。なお、製品の配送を希望
する顧客に対しては、指定された住所に配送する。また、発注端末203が、精算機能を
有していない場合、当該製品の受け渡し時に、店員が精算処理を行う。
【0025】
次に、図2ないし図4を参照し、発行端末204の装置構成について説明する。図2は
、発行端末204の全体構成を示す簡易ブロック図である。同図に示すように、発行端末
204は、供給側スタッカ41と、記録装置20(第1記録装置20a,第2記録装置2
0b)と、中間スタッカ42と、印刷装置30と、排出側スタッカ50と、搬送装置60
と、を備えている。搬送装置60は、供給側スタッカ41から光ディスクDをピックアッ
プして、記録装置20(第1記録装置20aおよび第2記録装置20bのいずれか)に搬
送し、記録処理後、必要に応じて光ディスクDを中間スタッカ42に収容する。また、記
録装置20(または中間スタッカ42)から印刷装置30に搬送し、印刷処理後、処理済
みディスクDeを印刷装置30から排出側スタッカ50に搬送して収容する。なお、印刷
装置30は、インクジェット方式にて印刷を行うものとする。
【0026】
ここで、図3および図4を参照し、発行端末204の構成についてさらに詳述する。図
3は、発行端末204の正面図であり、図4は、発行端末204の筐体内部を示す上面図
である。図4に示すように、発行端末204の筐体10は、仕切部11により筐体上部1
2と筐体下部13とに仕切られており、筐体上部12には、状態報知部70、第1記録装
置20a、第2記録装置20b、印刷装置30、搬送装置60、供給側スタッカ41およ
び中間スタッカ42が配置されている。
【0027】
状態報知部70は、発行端末204の各種状態(電源状態、インク残量、スタッカ状態
など)を示す複数のLEDが設けられている。また、記録装置20および印刷装置30は
、図4に示す背面側12Aに、上下に並べて配置され、供給側スタッカ41および中間ス
タッカ42は、前面側12Bに、上下に並べて配置されている。また、供給側スタッカ4
1および中間スタッカ42の後方に位置する空間には、搬送装置60のアーム部61を支
持するガイド62が配置される。また、記録装置20および印刷装置30の前面に位置す
る空間の下部、すなわち筐体下部13には、排出側スタッカ50が配置される。排出側ス
タッカ50は、筐体下部13の前面側13Bに形成された引出口17から引出自在に設け
られている(両矢印A参照)。
【0028】
第1記録装置20aおよび第2記録装置20bは、それぞれ記録装置本体21a,21
bと、ドライブトレイ22a,22bと、を有する。ドライブトレイ22a,22bは、
記録装置本体21a,21bから引出自在に設けられ、光ディスクDが載置される略円形
の凹部23a,23bが形成されている。
【0029】
印刷装置30は、印刷装置本体31と、プリンタトレイ32と、を有する。プリンタト
レイ32は、印刷装置本体31から引出自在に設けられ、光ディスクDが載置される略円
形の凹部(図示省略)が形成されている。
【0030】
搬送装置60は、アーム部61と、仕切部11の上面に立設された円柱状のガイド62
と、駆動部63と、を有する。駆動部63は、ガイド62の軸方向(高さ方向)に沿って
摺動可能であり、ガイド62の軸を中心に回動する。また、アーム部61は、駆動部63
の回動に伴って回動し、その先端には、光ディスクDの中央部に形成されたクランプ領域
を把持するハンドリング部64が設けられている。
【0031】
供給側スタッカ41は、数十枚程度の光ディスクDを積載状態で収容する円筒形状のス
タッカ収容部41Aと、筐体10に固定され、スタッカ収容部41Aを着脱自在に支持す
るスタッカベース41Bと、を有する。スタッカ収容部41Aの外壁の一部には、アーム
部61がスタッカ収容部41Aの下部まで進行できるように、下方に向かって切り欠かれ
た切欠部41Cが形成されている。
【0032】
中間スタッカ42は、供給側スタッカ41と略同一の構成を有している(スタッカ収容
部42A,スタッカベース42B,切欠部42C)。なお、発行端末204は、動作アル
ゴリズム(図6(a)参照)等に応じて、当該中間スタッカ42を省略した構成としても
良い。また、当該中間スタッカ42を供給側スタッカとして用いても良いし、処理が未完
了の光ディスクDを収容するためのスタッカとして用いても良い。
【0033】
排出側スタッカ50は、引出口17に連通するスタッカ収容部51に収容され、数枚程
度の処理済みディスクDeを積載状態で収容する略円形の凹部52と、排出側スタッカ5
0の前面に形成された排出側スタッカ50を引き出すための把持部54と、を有する。
【0034】
ここで、上記の構成を有する発行端末204の基本的な動作について説明する。なお、
便宜上、記録装置20から印刷装置30への搬送は、中間スタッカ42を介さずに行われ
るものとする。発行端末204は、店舗サーバ202から発行指示を受けると、搬送装置
60の動作を開始する。まず、ハンドリング部64が供給側スタッカ41のスタッカ収容
部41Aの上方まで移動すると、切欠部41Cを通過しながらアーム部61が下方に移動
し、ハンドリング部64によりスタッカ収容部41Aに収容された光ディスクDを保持す
る。その後、記録装置20(第1記録装置20aおよび第2記録装置20bのいずれか)
のドライブトレイ22が引き出される。搬送装置60は、このドライブトレイ22まで光
ディスクDを搬送し、凹部23に光ディスクDを載置して、所定の退避位置まで退避する
。ドライブトレイ22の凹部23に光ディスクDが載置されると、ドライブトレイ22が
記録装置本体21に引き込まれ、記録処理が開始される。
【0035】
記録装置20において、記録処理が完了すると、ドライブトレイ22が引き出される。
搬送装置60のハンドリング部64は、所定の退避位置からドライブトレイ22まで移動
し、光ディスクDを保持する。その後、ドライブトレイ22が記録装置本体21に引き込
まれると共に、印刷装置30のプリンタトレイ32が印刷装置本体31から引き出される
。ハンドリング部64は、光ディスクDを保持したまま印刷装置30のプリンタトレイ3
2まで移動し、プリンタトレイ32の凹部に光ディスクDを載置して、所定の退避位置ま
で退避する。プリンタトレイ32の凹部に光ディスクDが載置されると、プリンタトレイ
32が印刷装置本体31に引き込まれ、印刷処理が開始される。
【0036】
印刷装置30において、印刷処理が完了すると、プリンタトレイ32が引き出される。
搬送装置60のハンドリング部64は、所定の退避位置からプリンタトレイ32まで移動
し、処理が完了した処理済みディスクDeを保持する。その後、プリンタトレイ32が印
刷装置本体31に引き込まれ、ハンドリング部64は、処理済みディスクDeを保持した
まま排出側スタッカ50の上方まで移動し、その保持を解除して、排出側スタッカ50の
スタッカ収容部51に処理済みディスクDeを収容(排出)する。
【0037】
次に、図5を参照し、コンテンツ発行システムSYの機能構成について説明する。同図
は、コンテンツ発行システムSYの主な機能構成を示すブロック図である。まず、エリア
サーバ201は、発行端末情報記憶部410と、発行端末抽出部420と、を備えている

【0038】
発行端末情報記憶部410は、発行端末情報として、各発行端末204の実行可否情報
と、発行場所を示す場所情報とを記憶する(実行可否情報記憶部,場所情報記憶部)。実
行可否情報とは、各発行端末204について、記録処理および印刷処理がそれぞれ実行可
能な状態であるか否かを示す情報である。したがって、例えば記録装置20が故障してい
る場合や、印刷装置30がインク切れの場合、それらの発行端末204の実行可否情報と
しては、記録処理または印刷処理が実行不能である旨が記憶される。また、エリアサーバ
201の管理下にある複数の発行端末204の中で、印刷装置30を有していないもの(
記録装置20のみを搭載しているもの)が存在する場合、当該発行端末204の実行可否
情報としては、常に印刷処理が実行不能である旨が記憶されることとなる。一方、場所情
報とは、各発行端末204の設置場所を示すものである。場所情報としては、例えば、「
A店」、「B店」といった店名や、住所が記憶される。
【0039】
発行端末抽出部420は、発注端末203において入力された注文内容(発行要求)に
応じて、エリアサーバ201の管理下にある複数の発行端末204の中から、処理対象と
なり得る1以上の発行端末204を抽出する。例えば、注文内容として、発行希望日時が
入力された場合、各店舗サーバ202から各発行端末204において未処理の光ディスク
Dに関する未処理情報を取得し、発行希望日時と照らし合わせて、その日時までに処理が
可能な発行端末204を抽出する。また、注文内容として、レーベル印刷が指定された場
合(印刷要否として「要」が選択された場合)、上記の発行端末情報記憶部410に記憶
されている各発行端末204の実行可否情報に応じて、印刷処理が実行可能な発行端末2
04を抽出する。なお、当該発行端末抽出部420で抽出された1以上の発行端末204
は、顧客が処理対象となる発行端末204を指定するための候補として、発注端末203
の表示部620に表示される。
【0040】
続いて、店舗サーバ202の機能構成について説明する。店舗サーバ202は、アルゴ
リズム記憶部510と、パラメータ記憶部520と、処理情報記憶部530と、情報取得
部540と、算出部550と、を備えている。アルゴリズム記憶部510は、発行端末2
04により、1の発行要求に基づいて処理済みディスクDeを発行するまでの所要時間T
1を算出するためのアルゴリズム(第1アルゴリズム:図7の計算式(1)参照)を記憶
する。また、Req番目の発行要求に対する処理が完了するまでの所要時間T2を算出す
るためのアルゴリズム(第2アルゴリズム:図7の計算式(2),(3)参照)も記憶し
ている。詳細については後述する。
【0041】
パラメータ記憶部520は、上記のアルゴリズムを用いて所要時間T1,T2を算出す
るために必要なパラメータ(図6(b)参照)のうち、固定値を記憶する。具体的には、
記録装置20への搬送時間IN、記録装置20からの取り出し時間D、印刷装置30への
搬送時間B、印刷装置30からの排出時間OUを記憶する。
【0042】
処理情報記憶部530は、未処理情報記憶部531と、作成状況記憶部532と、を有
する。未処理情報記憶部531は、未処理情報として、対応する(店舗サーバ202の制
御下にある)発行端末204で処理すべき発行要求を記憶する。未処理情報は、2種類の
リストから成り、一方は、即時実行すべき発行要求を列記した処理リストL1、他方は、
待機中の発行要求を列記した待機リストL2である。各発行要求には、注文内容として入
力された、発行要求された発行枚数nと、記録モードおよび印刷モードと、が含まれる。
なお、エリアサーバ201からの未処理情報の問い合わせに対しては、発行希望日時以前
の発行要求を、処理リストL1および待機リストL2から読み出し、エリアサーバ201
に返答する。一方、作成状況記憶部532は、対応する発行端末204における光ディス
クDの作成状況を記憶する。作成状況としては、「作成完了」、「作成開始済み(作成中
)」、「作成開始直前」、「未作成」のいずれかを記憶する。
【0043】
情報取得部540は、所要時間T1,T2の算出に必要なパラメータを特定するための
パラメータ特定情報を取得する。例えば、パラメータ特定情報の一部として、固定値のパ
ラメータをパラメータ記憶部520から読み出す。また、他のパラメータ特定情報を、処
理情報記憶部530、エリアサーバ201および発行端末204から取得する。詳細につ
いては後述するが、所要時間T1,T2の算出には、上記の固定値としてのパラメータ以
外に、発行枚数n、未処理枚数nw、記録装置20の台数Drv、記録時間A1および印
刷時間C1が必要となる。発行枚数nについては、注文内容の一部としてエリアサーバ2
01から取得する。また、未処理枚数nwについては、処理情報記憶部530から読み出
した発行枚数nによって特定可能である。また、記録装置20の台数Drvは、発行端末
204の状態に応じて変化する。つまり、2台の記録装置20a,20bのうち、いずれ
か一方が故障した場合、台数Drvが「1」となる。したがって、記録装置20の台数D
rvを特定するパラメータ特定情報は、発行端末204から取得する。また、所要時間T
1を算出するために必要な記録時間A1および印刷時間C1は、注文内容の一部としてエ
リアサーバ201から取得したパラメータ特定情報(記録モードおよび印刷モード)によ
って特定可能である。記録モードと記録時間A1は、不図示のテーブルによって1:1の
関係となるように対応付けられている。印刷モードと印刷時間C1についても同様である
。なお、発行枚数nおよび未処理枚数nw以外のパラメータは、全て固定値としてパラメ
ータ記憶部520から読み出すようにしても良い(この場合、注文内容として入力された
記録モードおよび印刷モード、並びに記録装置20の故障については、所要時間T1,T
2の算出に考慮されない)。
【0044】
算出部550は、アルゴリズム記憶部510に記憶された第1アルゴリズムおよび第2
アルゴリズムと、情報取得部540によって取得されたパラメータ特定情報(当該パラメ
ータ特定情報によって特定されるパラメータ)と、に基づいて、所要時間T1,T2を算
出する。具体的な算出方法については後述する。なお、算出部550は、店舗サーバ20
2の制御下にある発行端末204の所要時間T1,T2を算出するものである。つまり、
店舗サーバ202aの算出部550は、発行端末204aの所要時間T1,T2を算出し
、店舗サーバ202bの算出部550は、発行端末204bの所要時間T1,T2を算出
することとなる(図1参照)。
【0045】
続いて、発注端末203の機能構成について説明する。発注端末203は、注文内容入
力部610と、表示部620と、発行端末指定部630と、を備えている。注文内容入力
部610は、顧客が、注文内容として、コンテンツ名(コンテンツID)、発行枚数n、
発行希望日時、印刷要否(レーベル印刷を行うか否か)、記録モードおよび印刷モード等
を入力(または選択)するためのものである。
【0046】
表示部620は、各店舗サーバ202の算出部550により算出された各発行端末20
4における所要時間T2を表示する。また、同時に、各発行端末204の発行場所(例え
ば、店舗名)も表示する。つまり、表示部620は、処理対象となり得る1以上の発行端
末204の、発行場所と所要時間T2とを対応付けて表示する。
【0047】
発行端末指定部630は、顧客が、表示部620に表示された1以上の発行端末204
(発行場所)の中から、処理対象となる発行端末204(発行場所)を指定するためのも
のである。ここで指定された発行端末204によって、実際にディスク作成処理が実施さ
れる。
【0048】
なお、発注端末203の、注文内容入力部610および発行端末指定部630は、キー
ボード、操作ボタンおよびタッチパネル等で構成される。また、表示部620は、液晶デ
ィスプレイ等で構成される。また、注文内容入力部610、表示部620および発行端末
指定部630を、表示機能付きタッチパネルで構成しても良い。
【0049】
続いて、発行端末204の機能構成について説明する。発行端末204は、収容部71
0と、記録部720と、印刷部730と、搬送部740と、を備えている。収容部710
は、処理前の光ディスクDを収容しておくものであり、供給側スタッカ41を主要部とす
る。記録部720は、光ディスクDにコンテンツを記録するものであり、記録装置20を
主要部とする。印刷部730は、光ディスクDのレーベル面にレーベル画像を印刷するも
のであり、印刷装置30を主要部とする。また、搬送部740は、各部に光ディスクDを
搬送するものであり、搬送装置60を主要部とする。なお、記録部720、印刷部730
および搬送部740は、店舗サーバ202のアルゴリズム記憶部510に記憶されている
算出アルゴリズムに対応した動作アルゴリズムにしたがって稼動されるものである。また
、請求項における「処理済み記録媒体発行部」は、発行端末204によって実現される。
【0050】
次に、図6および図7を参照し、算出部550による所要時間T1,T2の算出方法に
ついて説明する。図6(a)は、所要時間T1を算出するための原理を示すモデル図であ
る。また、同図(b)は、モデル図に記載された各符号(パラメータ)の説明図である。
さらに、図7は、所要時間T1,T2の算出アルゴリズム(計算式)を示す図である。
【0051】
図6(a)のモデル図は、2台の記録装置20a,20bと、1台の印刷装置30と、
を備えた発行端末204において、4枚の処理済みディスクDeを発行する場合について
例示したものである。最上段のチャートは、第1記録装置20aに関する処理を示し、2
段目のチャートは、第2記録装置20Bに関する処理を示している。また、3段目のチャ
ートは、印刷装置30に関する処理を示し、最下段のチャートは、所要時間T1を示して
いる。
【0052】
図6(a)に示すように、4枚の処理済みディスクDeを発行するための所要時間T1
は、第1記録装置20aにおける1枚目の光ディスクDへの記録に要する記録処理時間A
、1枚目の光ディスクDを第1記録装置20aから印刷装置30へ搬送するために要する
搬送時間B、第1記録装置20aにおける2枚目(合計では3枚目)の光ディスクDへの
記録に要する記録処理時間A、印刷装置30における3枚目の光ディスクDへの印刷に要
する印刷処理時間C、第2記録装置20bから2枚目(合計では4枚目)の光ディスクD
を取り出すために要する取り出し時間D、印刷装置30における4枚目の光ディスクDへ
の印刷に要する印刷処理時間C、の合計で表される。これを計算式で表現したものが、図
7(a)に示す計算式(1)「T1=int((n+Drv−1)÷Drv)×A+in
t((n+Drv−1)÷Drv−1)×B+(Drv−n%Drv)×C+(Drv−
1−n%Drv)×D」であり、任意の1の発行要求に対する処理時間(顧客の待ち時間
)が算出できる。なお、当該計算式(1)は、A≧C×Drv+D×(Drv−1)であ
ることが前提である。つまり、少なくとも1枚の光ディスクDへの記録時間A1が、記録
装置20の台数枚分の印刷時間C1よりも長いことが前提である。
【0053】
続いて、注目する1の要求(Req番目の要求)に対する処理が開始されるまでの所要
時間Twを算出する。注目する要求より先に作成すべき光ディスクDの枚数が、記録装置
20の台数(本実施形態では2台)未満の場合は、記録装置20に空きがあるため、所要
時間Twは「0」となる。一方、注目する要求より先に作成すべき光ディスクDの枚数が
、記録装置20の台数以上の場合は、図6(a)のモデル図に示すように、第1記録装置
20aにおける1枚目の光ディスクDへの記録に要する記録処理時間A、1枚目の光ディ
スクDを第1記録装置20aから印刷装置30へ搬送するために要する搬送時間B、第1
記録装置20aにおける2枚目(合計では3枚目)の光ディスクDへの記録に要する記録
処理時間A、2枚目の光ディスクDを第1記録装置20aから印刷装置30へ搬送するた
めに要する搬送時間B、の合計で表される。これを計算式で表現したものが、図7(b)
に示す計算式(2)「Tw=int((nw+Drv−1)÷Drv)×(A+B)」で
ある。
【0054】
続いて、注目する1の要求(Req番目の要求)に対する処理が完了するまでの所要時
間T2を算出する。当該所要時間T2は、上記計算式(1)および計算式(2)に基づき
、図7(c)に示す計算式(3)「T2=Tw+T1」で表現できる。
【0055】
なお、図6(b)に示したパラメータのうち、「IN:記録装置への搬送時間」とは、
駆動部63の駆動が開始して、ハンドリング部64により、供給側スタッカ41のスタッ
カ収容部41Aに収容された光ディスクDを保持し、ハンドリング部64が光ディスクD
を保持したままドライブトレイ22まで移動し、ドライブトレイ22に光ディスクDを載
置して、所定の退避位置まで退避すると共に、ドライブトレイ22が記録装置本体21に
引き込まれるまでの時間」を指す。また、「D:記録装置からの取り出し時間」とは、「
ハンドリング部64が所定の退避位置からドライブトレイ22まで移動し、光ディスクD
を保持すると共に、ドライブトレイ22が記録装置本体21に引き込まれるまでの時間」
を指す。また、「B:印刷装置への搬送時間」とは、「ハンドリング部64が光ディスク
Dを保持したままプリンタトレイ32まで移動し、プリンタトレイ32に光ディスクDを
載置して、所定の退避位置まで退避すると共に、プリンタトレイ32が印刷装置本体31
に引き込まれるまでの時間」を指す。
【0056】
また、「A1:記録時間」には、コンテンツサーバ101からコンテンツをダウンロー
ドするために要するダウンロード時間、ドライブトレイ22の開閉に要する開閉時間、お
よび光ディスクDの認識に要する認識時間が含まれる。さらに、「C1:印刷時間」には
、インクの乾燥に要する乾燥時間、およびプリンタトレイ32の開閉に要する開閉時間が
含まれる。
【0057】
次に、図8ないし図11のフローチャートを参照し、コンテンツ発行システムSYの発
行処理について説明する。図8は、そのメイン処理の手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、顧客が発注端末203(若しくは、店舗外発注端末205)にて発行
要求(コンテンツ名、発行枚数n、発行希望日時、印刷要否、記録モードおよび印刷モー
ド等の注文内容)を入力すると(S301)、当該発注端末203が設置された店舗(以
下、「発注店舗」と称する)の近隣店を含む所要時間T2(注目する要求に対する処理が
完了するまでの時間)を表示する(S302:所要時間の表示処理,図9参照)。ここで
、「近隣店」とは、フランチャイズ加盟店舗のうち、発注店舗から半径所定キロメートル
以内に存在する店舗を指す。但し、S302において、フランチャイズ加盟店舗全店にお
ける所要時間T2を表示しても良いし、表示する店舗の範囲を顧客が指定できるようにし
ても良い。また、S302では、エリアサーバ201の発行端末抽出部420(図5参照
)で抽出された1以上の発行端末204における所要時間T2を表示する。
【0058】
S302において、発注店舗および近隣店における所要時間T2を顧客が確認した上で
発行要求をキャンセルした場合は(S303:Yes)、処理を終了する。また、キャン
セル操作が行われなかった場合は(S303:No)、顧客により、発行店舗(受け取り
場所)が指定される(S304)。また、S301で入力された注文内容に基づいて、当
日受け取りか否かを判別し(S305)、顧客が当日受け取りを希望した場合(発行希望
日時が入力されなかった場合)は(S305:Yes)、即時発行処理を行う(S306
:即時発行処理,図10参照)。一方、顧客が当日受け取りを希望しなかった場合(発行
希望日時が入力された場合)は(S305:No)、日時指定発行処理を行う(S307
:日時指定発行処理,図11参照)。
【0059】
図9は、所要時間の表示処理の手順を示すフローチャートである。顧客が発行要求を行
うと(図8のS301参照)、発注端末203は、発注店舗の店舗サーバ202に対して
所要時間取得を要求する(S401)。これを受けた店舗サーバ202は、エリアサーバ
201に対して所要時間取得を要求し(S402)、エリアサーバ201は、各店舗サー
バ202で算出された各発行端末204における所要時間T2を返答する(S403)。
発注店舗の店舗サーバ202は、エリアサーバ201の返答を受けて、発注端末203へ
所要時間T2を返答し(S404)、発注端末203は、これを表示部620に表示する
(S405)。
【0060】
なお、エリアサーバ201が、管理下にある各店舗サーバ202から所要時間T2を取
得する方法としては、取得要求を受けるたびに各店舗サーバ202に問い合わせても良い
し、定期的に各店舗サーバ202に問い合わせを行ってその結果を内部に保持しておいて
も良い。また、店舗サーバ202側で状況が変化したとき、または定期的に、最新の所要
時間算出結果を通知させるようにしても良い。
【0061】
図10は、即時発行処理の手順を示すフローチャートである。顧客が、当日受け取りを
希望した場合(図8のS305参照)、発注端末203は、発行店舗に対して即時発行を
要求する(S501)。発行店舗の店舗サーバ202は、新規に受け付けた即時発行要求
を、処理リストL1の最後尾へ登録する(S502:図5の処理情報記憶部530参照)
。そして、注目する要求が処理リストL1の先頭に達したとき、光ディスクDの作成が実
施(開始)される(S503)。
【0062】
図11は、日時指定発行処理の手順を示すフローチャートである。顧客が、当日受け取
りを希望しなかった場合(図8のS305参照)、発注端末203は、発行店舗に対して
日時指定発行を要求する(S601)。発行店舗の店舗サーバ202は、受け付けた日時
指定発行要求と、現在の処理リストL1の状況から、注目する日時指定発行要求を待機さ
せるべきか否かを判別する(S602)。ここで、注目する日時指定発行要求よりも先に
少なくとも一つの新たな即時発行要求を受け付ける余地がない場合は待機させるべきでな
いと判断し(S602:No)、新規に受け付けた日時指定発行要求を、処理リストL1
の最後尾に登録する(S603)。その後、当該日時指定発行要求が処理リストL1の先
頭に達したとき、光ディスクDの作成が実施(開始)される(S610)。
【0063】
一方、注目する日時指定発行要求よりも先に少なくとも一つの新たな即時発行要求を受
け付ける余地がある場合は待機させるべきと判断し(S602:Yes)、新規に受け付
けた日時指定発行要求を、待機リストL2の適切な位置に登録する(S604)。待機リ
ストL2内では、各発行要求が発行希望日時順に整列されている。続いて、発行店舗の店
舗サーバ202は、内部に保持する待機リストL2の状態を確認し、待機リストL2に少
なくとも一つの要求が登録されていれば(S605:No)、同じく内部に保持する処理
リストL1の状態を確認し、処理リストL1に少なくとも一つの要求が登録されていれば
(S606:No)、所定時間に達したか否かを判別する(S607)。所定時間に達し
たか否かは、「所定時刻(例えば、午前0時)を過ぎて指定された日になった、または「
発行希望日時に発行するためには、新規の即時発行要求を受け付ける余地がなくなった」
のいずれかによって判定される。
【0064】
S606において、処理リストL1が空になった場合(S606:Yes)、すなわち
発行端末204が待機状態にある場合、若しくは所定時間に達した場合(S607:Ye
s)、すなわち待機中の要求を処理対象へ切り替える時間に達した場合、待機リストL2
の先頭にある要求を取り出して、処理リストL1の最後尾へ追加する(S608)。ここ
で、処理リストL1へ追加した要求が注目する要求か否かを判別し(S609)、注目す
る要求である場合は(S609:Yes)、その注目する要求が処理リストL1の先頭に
達したとき、光ディスクDの作成が実施(開始)される(S610)。また、S607に
おいて所定時間に達していないと判定された場合(S607:No)、若しくはS609
において追加した要求が注目する要求でないと判定された場合、S605以降の工程を繰
り返す。
【0065】
次に、図12ないし図14のフローチャートを参照し、光ディスクDの作成状況を確認
するための作成状況確認処理について説明する。図12は、そのメイン処理の手順を示す
フローチャートである。同図に示すように、顧客の操作により、発注端末203に対し作
成状況(「作成完了」、「作成開始済み(作成中)」、「作成開始直前」、「未作成」な
ど)の確認が依頼されると(S701)、発注端末203は、エリアサーバ201に対し
、店舗サーバ202を介して作成状況の取得を要求する(S702)。これを受けてエリ
アサーバ201は、該当する店舗(発行店舗)の店舗サーバ202から作成状況を取得し
(S703)、発注端末203に対して、作成状況を返答する(S704)。発注端末2
03は、取得した作成状況を表示する(S705)。
【0066】
ここで、作成状況が「作成開始直前」または「作成開始済み」の場合は(S706:Y
es)、そのまま処理を終了する(変更処理やキャンセル処理は受け付けられない)。一
方、「作成開始直前」または「作成開始済み」でない場合は(S706:No)、顧客に
より、変更が指示されたか否かを判別し(S707)、変更が指示された場合は(S70
7:Yes)、変更処理を行う(S708:変更処理,図13参照)。また、変更が指示
されていない場合は(S707:No)、キャンセルが指示されたか否かを判別し(S7
09)、キャンセルが指示された場合は(S709:Yes)、キャンセル処理を行う(
S710:キャンセル処理,図14参照)。また、キャンセルも指示されていない場合は
(S709:No)、処理を終了する。
【0067】
なお、作成状況の確認は、発注端末203からではなく、店舗外発注端末205から行
っても良い。また、発行端末204に、作成状況の確認機能(作成状況の確認を依頼する
ための操作部など)が搭載されている場合は、発行端末204から行っても良い。また、
発行店舗の発注端末203または発行端末204から作成状況の確認が行われた場合は、
エリアサーバ201を介することなく(店舗サーバ202から直接)、作成状況を取得し
ても良い。
【0068】
図13は、変更処理の手順を示すフローチャートである。顧客の操作により、発注端末
203に対して発行要求の変更が依頼されると(S801)、発注端末203は、エリア
サーバ201に対し、発行要求の変更を依頼する(S802)。これを受けてエリアサー
バ201は、該当する店舗(発行店舗)の店舗サーバ202に、発行要求の変更を依頼し
(S803)、当該店舗サーバ202は、該当する要求に対して、変更点を反映する(S
804)。変更内容としては、コンテンツID、発行枚数、発行希望日時、印刷要否、記
録モードおよび印刷モード等の変更が考えられる。
【0069】
該当する店舗の店舗サーバ202は、エリアサーバ201に対し、変更処理の完了を通
知し(S805)、エリアサーバ201は、依頼があった発注端末203に対して、変更
処理の完了を通知する(S806)。発注端末203は、表示部620への表示によって
、顧客に対し、変更処理の完了を通知する(S807)。
【0070】
なお、上記のフローチャートには記載していないが、変更内容として、発行枚数の増加
や、発行希望日時の変更が依頼された場合は、S804において、後述するキャンセル処
理(図14参照)と日時指定発行処理(図11参照)が実行される。また、大幅な発行枚
数の増加や、発行希望日時の繰上げなど、対応が難しい場合は、変更依頼に対し、変更が
不可能な旨が通知される。
【0071】
図14は、キャンセル処理の手順を示すフローチャートである。顧客の操作により、発
注端末203に対して発行要求のキャンセルが依頼されると(S901)、発注端末20
3は、エリアサーバ201に対し、発行要求のキャンセルを依頼する(S902)。これ
を受けてエリアサーバ201は、該当する店舗(発行店舗)の店舗サーバ202に、発行
要求のキャンセルを依頼し(S903)、当該店舗サーバ202は、該当する要求を処理
リストL1または待機リストL2から削除する(S904)。
【0072】
該当する店舗の店舗サーバ202は、エリアサーバ201に対し、キャンセル処理の完
了を通知し(S905)、エリアサーバ201は、依頼があった発注端末203に対して
、キャンセル処理の完了を通知する(S906)。発注端末203は、表示部620への
表示によって、顧客に対し、キャンセル処理の完了を通知する(S907)。
【0073】
以上、説明したとおり、本実施形態のコンテンツ発行システムSYによれば、顧客の発
行要求に対し、処理対象となり得る1以上の発行端末204における所要時間T2を表示
するため、顧客は、これら1以上の発行端末204の中から、処理対象となる発行端末2
04を指定することができる。これにより、フランチャイズ契約等により、複数の発行端
末204がネットワークNTで接続されている場合、顧客は、所要時間(待ち時間)の少
ない発行端末204を指定することができ、利便性が良い。また、店舗側にとっても、発
行端末204を効率よく稼動させることができるといったメリットがある。さらに、所要
時間T2は、各発行端末204の場所情報(店舗名など)と共に表示されるため、顧客は
、場所情報を考慮して、処理対象となる発行端末204を指定することができる。
【0074】
また、顧客は、注文内容として、日時指定発行要求を選択できる(発行希望日時を入力
することができる)ため、待ち時間を必要としない(注文後、その場で発行を待つ必要が
ない)。また、店舗側にとっても、発行端末204の非稼働時間を有効に利用できるとい
ったメリットがある。
【0075】
また、顧客は、注文内容として、レーベル印刷の印刷要否を選択できるため、顧客のニ
ーズや好みに対応することができる。また、エリアサーバ201は、印刷要否を含む注文
内容と、各発行端末204における実行可否情報とに応じて、処理対象となり得る1以上
の発行端末204を抽出するため、顧客が、発注端末203において、実行不能な発行端
末204を誤って処理対象として指定することがない。
【0076】
また、店舗サーバ202のアルゴリズム記憶部510(図5参照)には、第1アルゴリ
ズムおよび第2アルゴリズムを記憶しているため、Drv台の記録装置20と1台の印刷
装置30とを備えた発行端末204をできるだけ効率良く稼動させた場合の、処理済みデ
ィスクDeの発行に要する所要時間T1,T2を正確且つ容易に算出することができる。
また、各発行端末204は、第1アルゴリズムおよび第2アルゴリズムに対応した動作ア
ルゴリズムにしたがって稼動されるため、顧客の待ち時間を短くすることができ、ひいて
は顧客の利便性を高めることができる。
【0077】
なお、上記の実施形態では、所要時間の表示処理(図9参照)において、Req番目の
発行要求に対する処理が完了するまでの所要時間T2を、顧客に提示するものとしたが、
当該所要時間T2に代えて、発行予定時刻(Req番目の発行要求に対する処理が完了す
る時刻)を提示しても良い。この場合、発行予定時刻は、現在時刻に所要時間T2を加算
することで算出可能である。この構成によれば、顧客は、あとどの位かかるかではなく、
発行予定時刻を直接確認できるため、誤認を防ぐことができる。
【0078】
さらに、所要時間T2、および当該所要時間T2に基づく当該発行予定時刻のいずれか
ではなく、両方を提示しても良い。また、所要時間T2と共に、所要時間T1(その顧客
の発行要求に対する処理時間)や所要時間Tw(Req番目の要求に対する処理が開始さ
れるまでの時間)を提示するようにしても良い。
【0079】
また、上記の実施形態では、発行端末204において、光ディスクDへの記録およびそ
のレーベル面への印刷を行い得るものとしたが、さらに光ディスクDを覆うジャケットの
印刷を行い得る構成としても良い。この構成によれば、顧客は、コンテンツが記録されて
いるだけでなく、レーベル面への印刷が施され、且つジャケットが付属された完成度の高
い製品を入手することができる。なお、この場合、ジャケット(印刷物)の、ケースへの
組み込みは、店員によって行われる。つまり、ケース内に処理済みディスクDeとジャケ
ットとを収容したものが、製品として顧客に手渡される。また、この場合、注文内容に含
まれる印刷要否として、レーベル面への印刷とジャケットの印刷と、のそれぞれについて
選択できることが好ましい。さらに、この場合、ジャケットは、印刷装置30を用いて印
刷しても良いし、他の印刷装置を用いて印刷しても良い。
【0080】
また、所要時間T1,T2に、ジャケットの印刷時間を組み込むようにしても良い。こ
の構成によれば、印刷装置30を用いてジャケットの印刷を行う場合、並びに他の印刷装
置を用いる場合であっても、ジャケットの印刷にコンテンツの記録と同等の時間を要する
場合(ジャケットの一部として、コンテンツガイド(映画コンテンツの場合におけるあら
すじ、音楽コンテンツの場合における歌詞カードなど)や広告等を印刷する場合など)に
、有効である。
【0081】
また、上記の実施形態では、各店舗に設置された発行端末204は、いずれも、2台の
記録装置20と1台の印刷装置30を備えた構成であるものとしたが、記録装置20の数
は任意である。つまり、店舗Aの発行端末204aは、2台の記録装置20を備えており
、店舗Bの発行端末204bは、4台の記録装置20を備えている、といった構成でも良
い。この構成によれば、各店舗に設置された発行端末204の構成(記録装置20の数)
に応じて、正確な所要時間T1,T2を算出することができる。
【0082】
また、上記の実施形態では、固定値のパラメータについては、パラメータそのものがパ
ラメータ記憶部520(図5参照)に記憶されているものとしたが、これに代えて、パラ
メータ特定情報を記憶しておいても良い。例えば、パラメータ:搬送時間INについて、
搬送経路(搬送長さ)や搬送方法(搬送パターン)など記憶しておき、算出部550では
、所定のアルゴリズムやテーブルを参照して、搬送時間INを特定するようにしても良い

【0083】
また、上記の実施形態では、各店舗サーバ202において、自身の制御下にある発行端
末204の所要時間T1,T2を算出するものとしたが(図5参照)、エリアサーバ20
1内に、店舗サーバ202の各構成要素(アルゴリズム記憶部510、パラメータ記憶部
520、処理情報記憶部530、情報取得部540および算出部550)を備え、エリア
サーバ201にて、管理下にある全ての発行端末204の所要時間T1,T2を算出する
ようにしても良い。この構成によれば、店舗サーバ202の制御負荷を軽減でき、全体と
してシステム構築費用の削減を図ることができる。
【0084】
また、店舗サーバ202、発注端末203および発行端末204の各構成要素を、1の
端末(キオスク端末)で実現するようにしても良い。この場合、製品の組み立ては、顧客
自身で行うこととなる。この構成によれば、各店舗には、1台のキオスク端末を配置すれ
ば良いため、システム構築費用や設置領域の削減を図ることができる。また、人件費を削
減できるため、コンテンツ発行料金のコストダウンも期待できる。
【0085】
また、上記の実施形態では、各店舗に1台ずつ発行端末204を設置するものとしたが
、1つの店舗内に複数の発行端末204を設置した場合にも、本発明を適用可能である。
この場合、場所情報としては、フロア番号、販売コーナー名、レジカウンタ番号、等を用
いることが考えられる。
【0086】
また、上記の実施形態に示した、コンテンツ発行システムSYの各構成要素をプログラ
ムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−RO
M、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピュー
タを、コンテンツ発行システムSYの各構成要素として機能させるためのプログラム、お
よびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。その他、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】コンテンツ発行システムのシステム構成図である。
【図2】発行端末の簡易ブロック図である。
【図3】発行端末の正面図である。
【図4】発行端末の上面図である。
【図5】コンテンツ発行システムの機能ブロック図である。
【図6】所要時間を算出するための原理を示すモデル図である。
【図7】所要時間を算出するための算出アルゴリズムを示す図である。
【図8】コンテンツ発行システムの発行処理(メイン処理)を示すフローチャートである。
【図9】図8のサブルーチン(所要時間の表示処理)である。
【図10】図8のサブルーチン(即時発行処理)である。
【図11】図8のサブルーチン(日時指定発行処理)である。
【図12】コンテンツ発行システムの作成状況確認処理(メイン処理)を示すフローチャートである。
【図13】図12のサブルーチン(変更処理)である。
【図14】図12のサブルーチン(キャンセル処理)である。
【符号の説明】
【0088】
20…記録装置 20a…第1記録装置 20b…第2記録装置 30…印刷装置 4
1…供給側スタッカ 42…中間スタッカ 50…排出側スタッカ 60…搬送装置 1
01…コンテンツサーバ 102…認証サーバ 201…エリアサーバ 202…店舗サ
ーバ 203…発注端末 204…発行端末 205…店舗外発注端末 206…Web
サーバ D…光ディスク De…処理済みディスク L1…処理リスト L2…待機リス
ト SY…コンテンツ発行システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の注文に応じ、記録媒体にコンテンツを記録して発行する複数の発行端末を有する
コンテンツ発行システムであって、
前記顧客が、注文内容を入力するための注文内容入力部と、
前記注文内容に応じて、前記複数の発行端末の中から、処理対象となり得る1以上の発
行端末を抽出する発行端末抽出部と、
抽出された1以上の発行端末について、前記注文内容に応じたコンテンツの発行に要す
る所要時間および発行予定時刻の少なくとも一方を算出する算出部と、
前記算出部により算出された、前記1以上の発行端末における前記所要時間および前記
発行予定時刻の少なくとも一方を表示する表示部と、
前記表示部に表示された1以上の発行端末の中から、処理対象となる発行端末を指定す
るための発行端末指定部と、
前記発行端末指定部により指定された前記発行端末により、前記記録媒体に前記コンテ
ンツを記録して発行する処理済み記録媒体発行部と、を備えたことを特徴とするコンテン
ツ発行システム。
【請求項2】
前記注文内容入力部は、前記注文内容として、発行希望日時を入力可能であり、
前記複数の発行端末のそれぞれについて、未処理の記録媒体に関する未処理情報を記憶
する未処理情報記憶部と、をさらに備え、
前記発行端末抽出部は、前記発行希望日時を含む前記注文内容と、前記未処理情報記憶
部に記憶されている各発行端末の未処理情報と、に応じて、処理対象となり得る前記1以
上の発行端末を抽出することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ発行システム。
【請求項3】
前記複数の発行端末のそれぞれについて、発行場所を示す場所情報を記憶する場所情報
記憶部をさらに備え、
前記表示部は、前記1以上の発行端末における前記所要時間および前記発行予定時刻の
少なくとも一方と共に、各発行端末の前記場所情報を表示することを特徴とする請求項1
または2に記載のコンテンツ発行システム。
【請求項4】
前記複数の発行端末は、前記記録媒体への印刷および前記記録媒体を覆うジャケットの
印刷の少なくとも一方が可能であり、
前記算出部は、前記記録媒体への印刷および前記ジャケットの印刷の少なくとも一方に
要する時間を含めて、前記所要時間および前記発行予定時刻の少なくとも一方を算出する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコンテンツ発行システム。
【請求項5】
前記注文内容入力部は、前記注文内容として、前記記録媒体への印刷および前記ジャケ
ットの印刷の少なくとも一方に関する印刷要否を入力可能であり、
前記複数の発行端末のそれぞれについて、記録処理および印刷処理が実行可能な状態で
あるか否かに関する実行可否情報を記憶する実行可否情報記憶部をさらに備え、
前記発行端末抽出部は、前記印刷要否を含む注文内容と、前記実行可否情報記憶部に記
憶されている各発行端末の実行可否情報と、に応じて、前記複数の発行端末の中から、処
理対象となり得る前記1以上の発行端末を抽出することを特徴とする請求項4に記載のコ
ンテンツ発行システム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のコンテンツ発行システムに
おける各部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−122937(P2010−122937A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296389(P2008−296389)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】