説明

コンテンツ表示装置およびコンテンツ表示方法

【課題】ライフログの閲覧性に優れたコンテンツ表示装置およびコンテンツ表示方法を提供すること。
【解決手段】コンテンツ表示装置1は、記憶手段にライフログデータベース101と優先度データベース102とが記憶され、制御手段の機能構成として、活動の優先度を設定する優先度設定手段11と、ライフログを期間単位に階層化するライフログ階層化手段12と、指定された階層を特定する階層特定手段13と、表示対象となるライフログを取得するライフログ取得手段14と、対象階層とその下の階層に属するライフログのうち代表ライフログを抽出する代表抽出手段15と、ライフログを画面表示させるライフログ表示手段16と、図示しない入力手段により為された画面操作を受け付ける画面操作受付手段17と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの活動記録であるライフログを表示するコンテンツ表示装置およびコンテンツ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの日常生活の中では、様々なライフログが発生している。ライフログとしては、例えば、メール、ブログ等の日記、撮影した画像、電気代やガス代等の光熱費、歩数や体重等の計測値、および移動履歴が挙げられる。これらのライフログを蓄積するとその情報量が膨大となるため、後からその内容を確認するときの閲覧性が悪く、内容を把握しづらい。
そこで、時間によってデータを階層化することで、指定された期間ごとにデータを閲覧できる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、画像ファイルに付加された撮影日時に基づいて階層化されたグループを作成し、指定された時間軸に対応するグループに属する画像ファイルを抽出して表示領域に表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−304735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、対象となるデータの種類は画像ファイルのみであるため時間軸の階層で表示することも可能であるが、上述したような多種のライフログを扱う場合は、表示が煩雑になってしまう。特に、ライフログの種類によって発生頻度が異なるため、特許文献1のように時間軸の階層でデータを表示する場合は、発生頻度の高いライフログが大量に表示されてしまい、発生頻度の低いライフログが埋もれてしまって閲覧性が悪いという問題が発生する。
【0006】
本発明の目的は、ライフログの閲覧性に優れたコンテンツ表示装置およびコンテンツ表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンテンツ表示装置は、ユーザの活動記録であるライフログを表示するコンテンツ表示装置であって、前記ユーザの活動が発生した日時と前記活動の種類とを関連付けて記憶するライフログ記憶手段と、前記活動の種類と、前記活動の種類に応じて設定された優先度と、を関連付けて記憶する優先度記憶手段と、前記ライフログ記憶手段に記憶されたライフログを期間単位に階層化するライフログ階層化手段と、前記ユーザによって指定された期間に対応する前記階層を対象階層とする階層特定手段と、前記対象階層とその下層に含まれるライフログを取得するライフログ取得手段と、前記取得したライフログを前記活動の種類ごとに分類し、この種類ごとのライフログの中から、当該種類に対応付けられた前記優先度に対応した数の代表ライフログを抽出する代表抽出手段と、前記代表抽出手段で抽出した前記代表ライフログを画面表示させるライフログ表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明では、ライフログ記憶手段に記憶されたライフログを期間単位で階層化し、階層化された複数の階層のうちユーザによって指定された期間に対応する階層を対象階層として特定する。ここで、期間単位で階層化するというのは、例えば、時間ごと、日ごと、週ごと、月ごと、…の単位で時間軸に沿って階層化することを意味する。また、指定期間に対応する階層とは、指定期間の長さに対応する階層を意味する。そして、対象階層とその下層に含まれるライフログを活動の種類ごとに分類し、これらの中から代表ライフログを抽出する。表示させるライフログの数は、活動ごとに設定された優先度に基づいて決定される。したがって、ユーザに指定された期間において、表示対象となるライフログは対象階層とその下層に含まれるライフログであるため、対象階層に含まれるライフログの優先度を最も高くすると、対象階層のライフログは優先的に表示され、対象階層より下層に含まれるライフログの表示数が制限される。このように、ライフログの数を制限して表示させるため、大量のライフログが表示されることはない。したがって、ライフログの数が少ない活動のデータの優先度を高くすることで優先的に表示され、他のデータに埋もれてしまうことがなく、閲覧性が向上する。
【0009】
本発明のコンテンツ表示装置において、前記代表抽出手段は、前記対象階層に含まれる前記代表ライフログの数と予め定められた全表示数とから前記対象階層より下層に含まれるライフログの表示数を下層表示数として算出し、前記下層表示数と前記優先度とに基づいて前記下層に含まれるライフログの活動ごとの表示数を設定し、前記下層に含まれるライフログを前記活動ごとの表示数に応じた集合に分類し、各集合の代表ライフログを抽出することが好ましい。
【0010】
この発明では、対象階層より下層に含まれるライフログの表示数(下層表示数)を算出し、さらにこの下層表示数に基づいて、下層に含まれるライフログの活動ごとの表示数を決定している。下層表示数は、予め定められた画面表示可能なライフログの全表示数から対象階層の代表ライフログの数を引いた値である。すなわち、対象階層の代表ライフログの表示数を確保した上で、下層表示数が決定する。また、下層表示数と各活動に対応付けられた優先度とに基づいて下層に属するライフログの各活動の表示数を決定する。このように、下層のライフログの表示数を制限し、さらに制限された表示数の中でも優先度の高い活動を優先的に表示させることができるため、画面全体の閲覧性が向上する。
【0011】
本発明のコンテンツ表示装置において、前記ライフログが表示された画面上で前記ユーザにより行われた操作を受け付ける画面操作受付手段をさらに備え、前記階層特定手段は、前記操作が拡大操作である場合は、前記対象階層より1つ下の階層を前記対象階層とし、前記操作が縮小操作である場合は、前記対象階層より1つ上の階層を前記対象階層として特定することが好ましい。
【0012】
この発明では、ライフログが表示された画面上において、ユーザが拡大操作または縮小操作を行うと、画面操作受付手段がこれらの入力操作を受け付け、階層特定手段が入力操作に応じて対象階層を特定する。拡大操作の場合は、現在指定されている期間の階層より1つ下の階層を対象階層として特定し、縮小操作の場合は、現在指定されている期間の階層より1つ上の階層を対象階層として特定する。対象階層が新しく特定されるということは、指定期間が新しく設定されるということであり、これ以降は、上述と同様の処理により新しい指定期間のライフログが抽出され、抽出されたライフログが画面表示される。
したがって、拡大操作または縮小操作を行うことで、時間軸に沿ってライフログを閲覧することができるので、階層構造を容易に把握することができ、ユーザインターフェースの利便性を向上させることができる。
【0013】
本発明のコンテンツ表示装置において、前記ライフログ記憶手段に記憶されたライフログの前記活動の種類ごとの発生頻度に基づいて、前記活動の種類ごとの前記優先度を設定して前記優先度記憶手段に記憶させる優先度設定手段をさらに備えることが好ましい。
【0014】
この発明では、優先度設定手段は、ライフログ記憶手段に記憶されたライフログの発生頻度から、各活動の優先度を設定している。このように、ライフログ記憶手段に記憶された実データに基づいて設定するため、より現実的な優先度を設定することができる。このように、優先度が自動的に設定されるため、ユーザにとって利便性が高い。
【0015】
本発明のコンテンツ表示方法は、ユーザの活動が発生した日時と前記活動の種類とを関連付けて記憶するライフログ記憶手段と、前記活動の種類と、前記活動の種類に応じて設定された優先度と、を関連付けて記憶する優先度記憶手段と、を備えたコンテンツ表示装置において前記ユーザの活動記録であるライフログを表示するコンテンツ表示方法であって、前記ライフログ記憶手段に記憶されたライフログを期間単位に階層化するステップと、前記ユーザによって指定された期間に対応する前記階層を対象階層とするステップと、前記対象階層とその下層に含まれるライフログを取得するステップと、前記取得したライフログを前記活動の種類ごとに分類し、この種類ごとのライフログの中から、当該種類に対応付けられた前記優先度に対応した数の代表ライフログを抽出するステップと、前記抽出した前記代表ライフログを画面表示させるステップと、を備えることを特徴とする。
【0016】
この発明では、前述したように、対象階層に含まれるライフログの優先度を最も高くすると、対象階層のライフログは優先的に表示され、対象階層より下層に含まれるライフログの表示数が制限される。このように、ライフログの数を制限して表示させるため、大量のライフログが表示されることはない。したがって、ライフログの数が少ない活動のデータの優先度を高くすることで優先的に表示され、他のデータに埋もれてしまうことがなく、閲覧性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコンテンツ表示装置の機能構成を示すブロック図。
【図2】前記コンテンツ表示装置で表示される画面を示す図。
【図3】前記コンテンツ表示装置で表示される画面を示す図。
【図4】前記コンテンツ表示装置で表示される画面を示す図。
【図5】前記コンテンツ表示装置の動作を示すフローチャート。
【図6】画像表示が階層構造を持って実行されることを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
コンテンツ表示装置1は、ライフログを管理し表示させる装置である。コンテンツ表示装置1としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、モバイルコンピュータ、パーソナルコンピュータなどを使用することができ、各種プログラムや各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶手段と、各種演算を実施するCPU(Central Processing Unit)等の制御手段と、を備えている。また、コンテンツ表示装置1は、図示しないが、ディスプレイ等の出力手段と、キーボード、タッチパネル等の入力手段と、を備えている。
【0019】
コンテンツ表示装置1は、図1に示すように、記憶手段にライフログデータベース101と優先度データベース102とが記憶されている。
ライフログデータベース101は、例えば、以下の表1に示すように、ユーザの活動が発生した日時と活動の種類と活動により作成されたデータとが関連付けられて1つのレコードとして記憶されたテーブル構造となっている。ここで、活動の種類としては、メール、ブログ等の日記、撮影した画像、電気代やガス代等の光熱費、歩数や体重等の計測値、および移動履歴等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。データは、例えば、活動の種類が画像である場合は画像ファイルであり、活動の種類に応じたファイルが記憶されている。以下の表1では、便宜的にデータ1、データ2…と表記する。なお、項目はここに列挙したものに限られず、その他の項目を適宜追加してもよい。
コンテンツ表示装置1では、例えば、ユーザの活動が発生するたびにその日時と活動の種類と生成されたデータとが関連付けられてライフログデータベース101に記憶される。
【0020】
【表1】

【0021】
優先度データベース102は、例えば、以下の表2に示すように、活動の種類とその活動の優先度とが関連付けられて1つのレコードとして記憶されたテーブル構造となっている。活動の種類は、上述したライフログデータベース101に記憶された活動の種類である。優先度は、ライフログの発生頻度に応じて設定される値であり、その活動の発生頻度が少ないほど優先度は高い。具体的に、ライフログデータベース101に記憶されたライフログのうち、活動の種類ごとに発生頻度を算出し、算出した発生頻度の低い方から1,2,3,4、…と優先度が設定される。本実施形態では、時間単位で発生する活動の優先度を1、日単位で発生する活動の優先度を2、週単位で発生する活動の優先度を3、2週単位で発生する活動の優先度を4、月単位で発生する活動の優先度を5、半年単位で発生する活動の優先度を6、年単位で発生する活動の優先度を7とする。なお、項目はここに列挙したものに限られず、その他の項目を適宜追加してもよい。
【0022】
【表2】

【0023】
また、コンテンツ表示装置1は、制御手段の機能構成として、活動の優先度を設定する優先度設定手段11と、ライフログを期間単位に階層化するライフログ階層化手段12と、ユーザによって指定された期間に対応する階層を特定する階層特定手段13と、表示対象となるライフログを取得するライフログ取得手段14と、特定された階層より下の階層に属するライフログのうち代表ライフログを抽出する代表抽出手段15と、ライフログを画面表示させるライフログ表示手段16と、図示しない入力手段により為された画面操作を受け付ける画面操作受付手段17と、を備えている。
【0024】
優先度設定手段11は、ライフログデータベース101に蓄積されたライフログに基づいて各活動の発生頻度を算出し、発生頻度に応じた優先度を設定する。そして、活動の種類と優先度とを関連付けて優先度データベース102に記憶させる。優先度は、算出した発生頻度に応じて優先度を1,2,3,…と設定する。優先度は、発生頻度が高いほど小さい。具体的には、上述した表2に示すように、発生頻度が時間単位であった「画像」「メール」「移動履歴」にはそれぞれ「1」を設定し、発生頻度が日単位であった「歩数」には「2」を設定し、発生頻度が週単位であった「体重」には「3」を設定し、発生頻度が月単位であった「給与」「電気代」には「5」を設定し、発生頻度が半年単位であった「賞与」には「6」を設定する。
【0025】
ライフログ階層化手段12は、ライフログデータベース101に記憶されたライフログを、同じ活動が発生した期間単位でグループ分けし、階層化する。同じ活動のライフログは、所定の期間ごと、例えば時間ごと、日ごと、週ごと、月ごと…に発生するため、このような期間単位の各グループにライフログを分類できる。そして、期間単位のグループを時間軸に沿って階層化する。本実施形態では、時間ごとのグループが最下層となり、このグループには時間単位で発生するライフログを分類し、時間ごとのグループの1つ上の階層となる日ごとのグループには、日単位で発生するライフログを分類する。同様にして、さらに上の階層も期間単位に応じた各グループにライフログを分類する。
ライフログ階層化手段12は、このようにして生成した階層構造を、RAM等の記憶領域に記憶させておく。
【0026】
階層特定手段13は、ユーザの入力操作によって指定された期間に応じて、対象となる階層(以後、対象階層ということもある。)を特定する。例えば、ユーザによって「2011年2月15日〜21日」の期間が指定された場合、この期間は週単位であるため、週単位で発生するグループの階層を対象階層として特定する。
【0027】
ライフログ取得手段14は、ユーザが指定した期間に発生したライフログのうち、対象階層に属するライフログと、対象階層より下の階層に属するライフログと、を取得する。
【0028】
代表抽出手段15は、対象階層とその下の階層に属するライフログのうち、各活動の優先度に対応した数分のライフログを抽出する。ここで抽出したライフログは画面表示されるもので、代表ライフログとする。代表抽出手段15は、対象階層より下層に属する代表ライフログの数(以降、下層表示数ということもある。)を算出する表示数算出部151と、活動ごとの集合を生成する集合生成部152と、各集合に属するライフログから代表ライフログを1つ抽出する代表抽出部153と、を有している。
【0029】
表示数算出部151は、各活動に対応付けられた優先度に対応した表示数を算出する。各階層には、活動ごとのライフログが活動の期間単位に応じて分類されている。画面表示できるライフログの総数は予め設定されているため、優先度が最も高い対象階層に属するライフログが最優先で画面表示される。ここで、対象階層の代表ライフログの表示数は、対象階層に属するライフログの活動の種類の数Aである。対象階層の代表ライフログを優先して表示させることで、対象階層より下層に属するライフログはその表示数が制限される。具体的に、画面表示できるライフログの総数をCとすると、下層表示数Bを以下の式で求めることができる。なお、画面表示できるライフログの総数Cは、指定期間が長いほど多く設定することが好ましく、例えば、月単位で指定された場合は総数Cを12、週単位または日単位で指定された場合は総数Cを8に設定する。一般に、総数Cは、取得したライフログに該当する活動の種類数よりも大きく設定される。
【0030】
[数式1]
B=C−A…(1)
【0031】
また、対象階層とその下層に属するライフログの各活動に優先度が設定されているため、この優先度に基づいて各活動の表示数を決定する。対象階層のライフログの表示数は、前述のように活動の種類の数Aとなるため、ここでは対象階層より下層に属するライフログの表示数の決定方法について説明する。下層表示数Bに応じて、優先度の高い活動ほど表示数を多く、優先度の低い活動ほど表示数を少なく調整する。例えば、対象階層の期間単位が週単位である場合、対象階層に属するライフログの活動の種類は「体重」であり、優先度は「3」である(表2参照)。この対象階層より下層に属するライフログの活動の種類としては、「画像」「メール」「移動履歴」「歩数」があるので、下層表示数Bを「画像」「メール」「移動履歴」「歩数」に振り分ける。これらの中で優先度が高い「歩数」の表示数が最も多くなるように調整される。下層表示数Bが7であるとすると、「歩数」の表示数を3、「画像」の表示数を2、「メール」および「移動履歴」の表示数をそれぞれ1、に設定する。
【0032】
集合生成部152は、ライフログ取得手段14で取得した対象階層に属するライフログをA個の集合に分類し、対象階層より下の階層に属するライフログをB個の集合に分類する。対象階層より下の階層については、表示数算出部151により設定された各活動の表示数に応じて活動の特徴ごとに分類する。分類の方法としては、例えば、画像の場合は日付、色等で分類でき、メールの場合は日付、差出人、差出人のグループ等で分類でき、移動履歴の場合は日付、場所等で分類することができる。これらの分類方法により、各活動に設定された表示数となるように調整する。
代表抽出部153は、生成されたA+B個の集合から、各集合を代表する代表ライフログをそれぞれ1つランダムに抽出する。
【0033】
ライフログ表示手段16は、代表抽出手段15で抽出した代表ライフログを出力手段に画面表示させる。ライフログ表示手段16は、表示画像生成部161と、表示部162と、を有している。
表示画像生成部161は、ユーザに提示するライフログの画面表示を、ライフログの活動の種類に応じて生成する。活動の種類が画像の場合はその画像の縮小画像を生成し、メールの場合は件名や差出人名が表示された画像を生成し、移動履歴の場合は移動経路をマーキングした地図画像を生成し、ガス代、電気代、歩数、体重の場合はその数値が表示された画像を生成する。なお、図2、図3、および図4に各指定期間での表示画面を示すが、各ライフログには活動の名称のみを表記している。
【0034】
表示部162は、図2、図3、および図4に示すように、生成した表示画像をC個の表示領域にそれぞれ表示させる。表示順は、ライフログの発生順に表示してもよいし、ライフログの活動の種類ごとに表示してもよい。図2に月単位のライフログ表示画面を示す。図2において、ライフログ311が対象階層の代表ライフログであり、その他のライフログが下層の代表ライフログである。また、図3に週単位のライフログ表示画面を示す。図3において、ライフログ321が対象階層の代表ライフログであり、その他のライフログが下層の代表ライフログである。また、図4に日単位のライフログ表示画面を示す。図4において、ライフログ331が対象階層の代表ライフログであり、その他のライフログが下層の代表ライフログである。
【0035】
画面操作受付手段17は、出力手段に出力された画面において、ユーザが入力手段を用いて行った入力操作を受け付けるとともに、入力操作によって指定された期間を取得する。入力手段としてタッチパネルが用いられ、例えば、ユーザが期間を指定してライフログの一覧を表示させる入力操作や、ライフログの一覧が表示された画面上で行われた拡大操作や縮小操作を受け付ける。また、ライフログの一覧を表示させる入力操作を受け付ける場合は、ユーザによって指定された期間を取得し、拡大操作や縮小操作を受け付ける場合は、これらの操作により新たに指定される期間を取得する。具体的には、現在表示中のライフログ一覧の指定期間に基づいて、当該指定期間に対応する階層より1つ上の階層または1つ下の階層の指定期間を特定する。これにより、拡大操作の場合は現在表示されている階層より1つ下の階層のライフログを表示させることができ、縮小操作の場合は現在表示されている階層より1つ上の階層のライフログを表示させることができる。
【0036】
[コンテンツ表示装置1の動作]
次に、コンテンツ表示装置1の動作を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
ライフログデータベース101には、ユーザの活動に基づくライフログが蓄積されている状態である。
画面操作受付手段17は、ユーザによって指定された期間と、ライフログの一覧を表示させる入力操作を受け付ける(ステップS1)。
優先度設定手段11は、ライフログデータベース101に記憶されたデータに基づいて各活動に対する優先度を設定し、優先度データベース102に記憶させる(ステップS2)。優先度の設定方法は、上述した通りである。
【0037】
次に、ライフログ階層化手段12は、ライフログデータベース101に記憶されたライフログを発生頻度の期間単位でグループ分けし、これらのグループを時間軸に沿って階層化する(ステップS3)。具体的に、上述した表1に示すライフログをグループ分けすると、時間単位のグループは「画像」「メール」「移動履歴」であり、日単位のグループは「歩数」であり、週単位のグループは「体重」であり、月単位のグループは「電気代」「ガス代」「給与」である。そして、これらのグループは、時間軸に沿って、時間単位、日単位、週単位、月単位の順に階層化される。ここで階層化されたライフログは、RAMなどの記憶領域に記憶させておく。
【0038】
次に、階層特定手段13は、ユーザによって指定された期間に応じた階層を対象階層として特定する(ステップS4)。具体的に、指定期間が「2011年2月15日〜21日」である場合は、週単位のグループを対象階層として特定する。
次に、ライフログ取得手段14は、ユーザによって指定された期間に発生したライフログのうち、対象階層に属するライフログと対象階層より下の階層に属するライフログとを取得する(ステップS5)。
【0039】
次に、表示数算出部151は、対象階層に属するライフログを活動の種類で分類した場合の分類の数Aを取得する(ステップS6)。具体的に、対象階層となる週単位のグループに属するライフログは、上述した表2では「体重」の1個であるので、A=1である。
そして、表示数算出部151は、対象階層より下の階層のライフログの下層表示数Bを上述の式(1)により算出し、下層表示数Bと各活動の優先度とに基づいて、下の階層に属するライフログの活動の種類ごとの表示数を設定する(ステップS7)。ここで、週単位の場合のライフログの表示総数Cは8と予め設定されているため、B=8−1=7個となる。また、下層のライフログの活動の種類は「画像」「メール」「移動履歴」「歩数」の4種類であり、「歩数」に対応付けられた優先度が最も高いため表示数を3に設定し、「画像」「メール」「移動履歴」の優先度は同じため表示数をそれぞれ2,1,1に調整する。
【0040】
集合生成部152は、対象階層に属するライフログを1個の集合とし、対象階層より下の階層に属するライフログを7個の集合に分類する(ステップS8)。ここでは、週単位のグループが対象階層であるため、これより下の階層、すなわち時間単位および日単位のグループに属するライフログが対象となる。これらのグループに属するライフログは、「画像」「メール」「移動履歴」「歩数」であるので、各活動のライフログをS7で設定された表示数の集合になるように特徴別に分類する。例えば、「歩数」を歩数別に分類したり、「画像」を色別に分類することができる。
【0041】
次に、代表抽出部153は、8個の集合から、各集合の代表ライフログをそれぞれ1つ抽出する(ステップS9)。本実施形態では、対象階層に属するライフログは1つしか存在しないため、そのライフログが代表ライフログとなる。また、下層に属するライフログの抽出方法としては、発生した日時が最も早いデータを抽出してもよいし、ランダムに抽出してもよいし、当該期間の中心(平均日時)に最も近いデータを抽出してもよい。また、あらかじめユーザが「重要」とチェックしているデータ(例えば、重要なスケジュールデータ)を抽出してもよい。また、位置データを持つデータであれば、当該期間の複数のデータの中での重心位置に最も近いデータを抽出してもよい。また、歩数や体重等の計測データであれば、最も大き(小さ)な数値(例えば、歩数や体重)を持つデータを抽出してもよい。
【0042】
次に、ライフログ表示手段16は、S9で抽出した代表ライフログを、図3に示すように、出力手段に画面表示させる(ステップS10)。具体的には、表示画像生成部161が各ライフログの活動の種類に応じた表示画像を生成し、表示部162が生成された表示画像を8つの表示領域にそれぞれ表示させる。
【0043】
このように、出力手段にライフログが画面表示された状態において、ユーザが入力手段を用いて画面操作を行うと、画面操作受付手段17は、当該操作を受け付ける(ステップS11)。なお、ユーザが行う画面操作としては、画面表示された複数のライフログのうち1つのライフログに対して拡大操作を行う場合と、画面の任意の位置で縮小操作を行う場合とがある。
【0044】
画面操作受付手段17は、当該操作が拡大操作であるか否かを判定する(ステップS12)。
拡大操作である場合は、Yesとなり、画面操作受付手段17は、拡大操作の対象となったライフログの日時を取得する(ステップ13)。そして、階層特定手段13は、現在の対象階層より1つ下の階層を対象階層として特定し(ステップS14)、ステップS5に戻る。本実施形態では、週単位のグループが対象階層となっていたため、1つ下の階層である日単位のグループが新しい対象階層となり、指定期間は取得した日時の日付となる。そして、新しい対象階層と新しい指定期間に基づいて、ステップS5からS16までの処理を行う。
【0045】
一方、拡大操作でない場合は、Noとなり、画面操作受付手段17は、当該操作が縮小操作であるか否かを判定する(ステップS15)。
縮小操作である場合は、Yesとなり、階層特定手段13は、現在の対象階層より1つ上の階層を対象階層として特定し(ステップS16)ステップS5に戻る。本実施形態では、週単位のグループが対象階層となっていたため、1つ上の階層である月単位のグループが新しい対象階層となり、指定期間は指定されていた期間の月となり、上述したステップS5から同様に動作する。なお、縮小操作でない場合は、Noとなり、処理を終了する。
【0046】
ここで、拡大操作および縮小操作した場合の画面の遷移状態を図6に基づいて説明する。
上述したコンテンツ表示装置1の動作では、まず、「2011年2月15日〜21日」の期間が指定され、週単位画面32が表示される。週単位画面32では、8個のライフログが表示され、週単位の階層に属する「体重」と、週単位より下の階層に属するライフログのうち7つの代表ライフログが表示されている。
この週単位画面32に表示された複数のライフログのうち画像322に対してユーザが拡大操作を行うと、画像322の撮影日時に基づいて、現在表示されている階層の1つ下の階層の期間が新しい指定期間となる。例えば、画像322の撮影日時が2011年2月21日であれば、この日付が新しい指定期間となり、上述した動作により、日単位画面33が表示される。日単位画面33では、8個のライフログが表示され、日単位の階層に属する「歩数」と、日単位より下の階層に属するライフログのうち7つの代表ライフログが表示される。
【0047】
一方、週単位画面32の任意の位置でユーザが縮小操作を行うと、現在表示されている階層の1つ上の階層の期間が新しい指定期間となる。週単位画面32の指定期間「2011年2月15日〜21日」より1つ上の階層は「2011年2月」であるので、この期間が新しい指定期間となる。そして、上述した動作により、月単位画面31が表示される。月単位画面31では、12個のライフログが表示され、月単位の階層に属する「電気代」「ガス代」と、月単位より下の階層に属するライフログのうち10個の代表ライフログが表示される。
なお、月単位画面31に表示された複数のライフログのうちメール312に対してユーザが拡大操作を行うと、メール312の日付を含む1週間の期間が新しい指定期間となる。すなわち、メール312の日付が2011年2月20日であれば、この日付を含む「2011年2月15日〜21日」の期間が新しい指定期間となり、週単位画面32が画面表示される。
【0048】
[第1実施形態の作用効果]
上述した第1実施形態では、以下に示す作用効果を奏することができる。
コンテンツ表示装置1は、ライフログデータベース101に蓄積されたライフログを活動の種類ごとに分類するとともに、各活動の発生頻度に応じた期間単位のグループに分類し、時間軸に沿ってグループを階層化する。また、優先度設定手段11により、各活動には発生頻度に応じた優先度が設定される。そして、ユーザによって指定された期間に基づいて対象階層を特定する。ユーザに指定された期間内で、対象階層に属するライフログの各活動に設定された優先度は最も高いため、対象階層に属するライフログを優先して画面表示させる。また、対象階層より下層に属するライフログの各活動に設定された優先度は低いため、対象階層に属する代表ライフログの数に応じて対象階層より下の階層に属するライフログの表示数を制限し、この表示数分の代表ライフログを抽出して画面表示させている。
【0049】
このように、対象階層に属するライフログを優先的に表示させ、対象階層より下の階層に属するライフログの表示数を制限して表示させるため、大量のライフログが表示されることはない。したがって、ライフログの発生頻度が少ない活動のデータが他のデータに埋もれてしまうことがないため、閲覧性が向上する。
【0050】
また、対象階層より下の階層の代表ライフログの抽出は、対象階層より下の階層に属する指定期間内のライフログを、活動の種類ごと、およびデータの特徴ごとの集合に分類し、各集合からそれぞれ代表ライフログを抽出する。活動の種類が画像の場合は、撮影日時、色等で分類が可能であり、活動の種類がメールの場合は、メールの日時、差出人等で分類が可能であり、活動の種類が移動履歴の場合は、移動した日、場所等で分類が可能である。このように、特徴ごとの集合には、それぞれ類似したライフログが分類されるため、ユーザは、これらの集合から抽出された代表ライフログを見れば、他にどのようなライフログがあるかをある程度予測することができる。したがって、各集合の代表ライフログのみを画面表示させるだけでよいので、表示するライフログの数が少なくなり、閲覧性に優れる。
【0051】
ライフログデータベース101に蓄積されたライフログを期間単位で階層化し、拡大操作および縮小操作により時間軸の階層に沿ったライフログを表示させる。このように、時間軸に沿ってライフログを閲覧することができるので、階層構造を容易に把握することができ、ユーザインターフェースの利便性を向上させることができる。
【0052】
また、上記実施形態では、一度階層化したライフログを記憶領域に記憶させ、拡大操作や縮小操作により新しい期間が指定された場合は、この記憶領域に記憶された階層構造を読み出してライフログを表示させている。したがって、再度階層化の処理を行う必要がないため、処理の高速化を図ることができる。
【0053】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形をも含むものである。
例えば、上記実施形態では、優先度設定手段11がライフログデータベース101に蓄積されたライフログに基づいて各活動の優先度を設定する構成であったが、優先度をユーザに設定させてもよい。優先度の設定の仕方によっては、画面表示されるライフログの種類を自由に変えることができるため、ユーザインターフェースを向上させることができる。
【0054】
また、上記実施形態では、ユーザによって期間が指定されるとライフログを階層化したが(例えば、図5のステップS3)、予め年月日に応じて、ライフログデータを階層化して保存しておき、これをユーザ操作に応じて提示することとしてもよい。また、表示する期間分類があらかじめ決まっている場合(2010年、2010年4月、2010年5月第3週など)は、予め階層化しておいたほうが、効率的に処理することができる。
【0055】
また、上記実施形態では、各階層において、活動の種類毎に分類して代表ライフログを抽出したが、この活動の種類による分類をユーザが設定可能としてもよい。例えば、画像と動画という別の種類のライフログを、一つのグループとして纏めるように設定したり、メールとブログ投稿とメッセンジャー投稿を一つのグループとして、それらのグループ単位で、代表ライフログを抽出して、表示してもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、ライフログの表示の変更について、階層の上下移動の操作についてのみ述べたが、同じ階層内での移動、つまり現在表示しているデータの、前の月や次の月の表示、前の日や次の日のデータを表示したい場合は、指によるフリック(スライド)や「前」ボタンや「後ろ」ボタンの操作、あるいは時間軸のスクロールなどで、所望の期間を設定可能してもよい。これにより、上階層から下階層までの間の階層の深さ方向への移動と、同階層内での移動との両方を実現することができる。
【0057】
また、上記実施形態では、画面上で拡大操作または縮小操作を行うことで上の階層や下の階層のライフログを表示させることとしたが、拡大操作または縮小操作に限られるものではない。例えば、画面上に時間軸のスクロールを表示させ、スクロールを移動させることで所望の期間を設定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ライフログを管理して表示させるコンテンツ表示装置およびコンテンツ表示方法として利用できる。
【符号の説明】
【0059】
1…コンテンツ表示装置
11…優先度設定手段
12…ライフログ階層化手段
13…階層特定手段
14…ライフログ取得手段
15…代表抽出手段
16…ライフログ表示手段
17…画面操作受付手段
101…ライフログデータベース
102…優先度データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの活動記録であるライフログを表示するコンテンツ表示装置であって、
前記ユーザの活動が発生した日時と前記活動の種類とを関連付けて記憶するライフログ記憶手段と、
前記活動の種類と、前記活動の種類に応じて設定された優先度と、を関連付けて記憶する優先度記憶手段と、
前記ライフログ記憶手段に記憶されたライフログを期間単位に階層化するライフログ階層化手段と、
前記ユーザによって指定された期間に対応する前記階層を対象階層とする階層特定手段と、
前記対象階層とその下層に含まれるライフログを取得するライフログ取得手段と、
前記取得したライフログを前記活動の種類ごとに分類し、この種類ごとのライフログの中から、当該種類に対応付けられた前記優先度に対応した数の代表ライフログを抽出する代表抽出手段と、
前記代表抽出手段で抽出した前記代表ライフログを画面表示させるライフログ表示手段と、を備える
ことを特徴とするコンテンツ表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ表示装置において、
前記代表抽出手段は、
前記対象階層に含まれる前記代表ライフログの数と予め定められた全表示数とから前記対象階層より下層に含まれるライフログの表示数を下層表示数として算出し、前記下層表示数と前記優先度とに基づいて前記下層に含まれるライフログの活動ごとの表示数を設定し、前記下層に含まれるライフログを前記活動ごとの表示数に応じた集合に分類し、各集合の代表ライフログを抽出する
ことを特徴とするコンテンツ表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のコンテンツ表示装置において、
前記ライフログが表示された画面上で前記ユーザにより行われた操作を受け付ける画面操作受付手段をさらに備え、
前記階層特定手段は、
前記操作が拡大操作である場合は、前記対象階層より1つ下の階層を前記対象階層とし、前記操作が縮小操作である場合は、前記対象階層より1つ上の階層を前記対象階層として特定する
ことを特徴とするコンテンツ表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンテンツ表示装置において、
前記ライフログ記憶手段に記憶されたライフログの前記活動の種類ごとの発生頻度に基づいて、前記活動の種類ごとの前記優先度を設定して前記優先度記憶手段に記憶させる優先度設定手段をさらに備える
ことを特徴とするコンテンツ表示装置。
【請求項5】
ユーザの活動が発生した日時と前記活動の種類とを関連付けて記憶するライフログ記憶手段と、前記活動の種類と、前記活動の種類に応じて設定された優先度と、を関連付けて記憶する優先度記憶手段と、を備えたコンテンツ表示装置において前記ユーザの活動記録であるライフログを表示するコンテンツ表示方法であって、
前記ライフログ記憶手段に記憶されたライフログを期間単位に階層化するステップと、
前記ユーザによって指定された期間に対応する前記階層を対象階層とするステップと、
前記対象階層とその下層に含まれるライフログを取得するステップと、
前記取得したライフログを前記活動の種類ごとに分類し、この種類ごとのライフログの中から、当該種類に対応付けられた前記優先度に対応した数の代表ライフログを抽出するステップと、
前記抽出した前記代表ライフログを画面表示させるステップと、を備える
ことを特徴とするコンテンツ表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−215929(P2012−215929A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78912(P2011−78912)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)