説明

コンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信プログラム、及びコンテンツ配信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】ユーザのネットワーク利用状況に応じて無駄なく確実に情報を伝達することが可能なコンテンツ配信サーバを提供すること。
【解決手段】このコンテンツ配信サーバ1は、ユーザによって使用された通信手段を特定する通信手段情報と通信手段が使用された時刻を特定する時刻情報とを収集する通信情報収集部104と、当該収集された通信手段情報及び時刻情報に基づいて、所定の配信時刻の属する時間帯におけるユーザの使用時間の最も長い通信手段を、配信時刻におけるユーザに関する配信用通信手段として決定する通信手段決定部108と、当該決定された配信用通信手段を用いて、配信時刻にユーザの端末にコンテンツを配信するデータ配信手段112とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信プログラム、及びコンテンツ配信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンテンツ配信用のサーバからユーザ端末に対して音声、データ等のコンテンツを配信する際に、同時に異なる通信手段を利用して配信することが行われている。このように複数の通信手段を利用すれば、ユーザの情報取得確率が高められるとともに、情報配信範囲も拡大される。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の発明においては、車載端末の現在位置、移動方向、及び速度等の情報に応じて、車載端末の通信可能範囲にある複数の通信メディアの全基地局にサーバからコンテンツを送信させ、車載端末が複数の通信メディアを切り替えて使用しながらコンテンツを受信することが実現されている。
【特許文献1】特開2001−144814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術においては、同時に複数の通信メディアを用いてコンテンツを送信するために、重複したコンテンツデータがネットワークに流される。
【0005】
また、最近では、通信手段が、移動体パケットデータ通信、VoIP(Voice over IP)による音声通信、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)によるデータ送信等に多様化しており、これらの多様化する通信手段をユーザの利用状況に応じて適切に使い分けることは困難である。
【0006】
そこで、本発明はこれらの課題に鑑みて為されたものであり、ユーザのネットワーク利用状況に応じて無駄なく確実に情報を伝達することが可能なコンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信プログラム、及びコンテンツ配信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンテンツ配信サーバは、ユーザによって使用された通信手段を特定する通信手段情報と通信手段が使用された時刻を特定する時刻情報とを収集する通信情報収集手段と、当該収集された通信手段情報及び時刻情報に基づいて、所定の配信時刻の属する時間帯におけるユーザの使用時間の最も長い通信手段を、配信時刻におけるユーザに関する配信用通信手段として決定する通信手段決定手段と、通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じて、ユーザの端末に配信するコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段を用いて、配信時刻にユーザの端末にコンテンツ選択手段によって選択されたコンテンツを配信するデータ配信手段と、データ配信手段により、ユーザの端末に対して配信されたコンテンツに関するコンテンツ種別と、コンテンツが配信された時刻に関する配信時刻情報と、を格納する配信履歴格納手段と、当該格納されたコンテンツ種別及び配信時刻情報に基づいて、所定の配信時刻の属する時間帯におけるユーザの端末に対する配信時間の最も長いコンテンツ種別を、配信時刻におけるユーザに関する配信コンテンツ種別として決定するコンテンツ種別決定手段と、コンテンツを特定可能な特定情報とコンテンツのコンテンツ種別とを関連付けて格納する格納手段と、を備え、コンテンツ選択手段は、コンテンツ種別決定手段によって決定された配信コンテンツ種別と関連付けて格納手段によって格納された特定情報によって特定されるコンテンツの中から、通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じて、ユーザの端末に配信するコンテンツを選択することを特徴とする。
【0008】
本発明のコンテンツ配信プログラムは、コンピュータを、ユーザによって使用された通信手段を特定する通信手段情報と通信手段が使用された時刻を特定する時刻情報とを収集する通信情報収集手段、当該収集された通信手段情報及び時刻情報に基づいて、所定の配信時刻の属する時間帯におけるユーザの使用時間の最も長い通信手段を、配信時刻におけるユーザに関する配信用通信手段として決定する通信手段決定手段、通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じて、ユーザの端末に配信するコンテンツを選択するコンテンツ選択手段、通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段を用いて、配信時刻にユーザの端末にコンテンツ選択手段によって選択されたコンテンツを配信するデータ配信手段、データ配信手段により、ユーザの端末に対して配信されたコンテンツに関するコンテンツ種別と、コンテンツが配信された時刻に関する配信時刻情報と、を格納する配信履歴格納手段、当該格納されたコンテンツ種別及び配信時刻情報に基づいて、所定の配信時刻の属する時間帯におけるユーザの端末に対する配信時間の最も長いコンテンツ種別を、配信時刻におけるユーザに関する配信コンテンツ種別として決定するコンテンツ種別決定手段、コンテンツを特定可能な特定情報とコンテンツのコンテンツ種別とを関連付けて格納する格納手段、として機能させ、更に、コンテンツ選択手段は、コンテンツ種別決定手段によって決定された配信コンテンツ種別と関連付けて格納手段によって格納された特定情報によって特定されるコンテンツの中から、通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じて、ユーザの端末に配信するコンテンツを選択するように機能させるものである。
【0009】
本発明のコンテンツ配信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記のコンテンツ配信プログラムが記録されている。
【0010】
このようなコンテンツ配信サーバでは、通信情報収集手段がネットワークからユーザによって使用された通信手段とその使用時刻に関する情報を収集し、通信手段決定手段が特定の配信時刻の属する時間帯の使用時間が最も長い通信手段を配信用の通信手段として決定し、データ配信手段が決定された配信用の通信手段でその配信時刻にコンテンツを配信する。これにより、ユーザの時間帯毎の通信手段の利用状況に応じて、ユーザへの通知手段として確実性の高い通信手段を択一的に決定してコンテンツの配信が行われる。また、ユーザへの過去のコンテンツ配信履歴を格納し、その配信履歴から、配信時刻の属する時間帯における配信時間が最大である配信コンテンツ種別を決定して、決定された配信コンテンツ種別と関連付けて格納手段によって格納されたコンテンツから配信するコンテンツが選択され、配信が行われるので、ユーザのコンテンツ利用状況からユーザの趣向の時間的変化に対応した最適なコンテンツの配信が実現される。更に、配信用通信手段に応じたコンテンツを選択して配信するので、それぞれの通信手段に応じて確実にコンテンツが配信される。
【0011】
本発明のコンテンツ配信プログラム及び本発明の記録媒体に記録されたコンテンツ配信プログラムを用いてコンピュータを動作させた場合も同様である。
【0012】
また、コンテンツ配信サーバは、配信履歴格納手段は、更に配信に用いられた配信用通信手段を関連付けて格納し、格納手段は、更にコンテンツのデータサイズを関連付けて格納し、コンテンツ選択手段は、配信履歴格納手段に格納されたデータのうち、所定の配信時刻を時間帯に含み、且つ、通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段を含むデータの配信時間と、格納手段に格納されたコンテンツのデータサイズと、に基づいて、ユーザの端末に配信するコンテンツを選択することにより、通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じてコンテンツの選択を行うことも好ましい。
【0013】
この場合、通信手段及び配信時間に適したデータサイズのコンテンツを配信する等により、それぞれの通信手段に応じて確実にコンテンツが配信される。
【発明の効果】
【0014】
本発明のコンテンツ配信サーバによれば、ネットワークからユーザによって使用された通信手段とその使用時刻に関する情報を収集し、特定の配信時刻の属する時間帯の使用時間が最も長い通信手段を配信用の通信手段として決定し、決定された配信用の通信手段でその配信時刻にコンテンツを配信する。これにより、ユーザの時間帯毎の通信手段の利用状況に応じて、ユーザへの通知手段として確実性の高い通信手段を択一的に決定してコンテンツの配信が行われる。その結果、ユーザのネットワーク利用状況に応じて無駄なく確実に情報を伝達することが可能なコンテンツ配信サーバを提供することができる。また、ユーザへの過去のコンテンツ配信履歴を格納し、その配信履歴から、配信時刻の属する時間帯における配信時間が最大である配信コンテンツ種別を決定して、決定された配信コンテンツ種別と関連付けて格納手段によって格納されたコンテンツから配信するコンテンツが選択され、配信が行われるので、ユーザのコンテンツ利用状況からユーザの趣向の時間的変化に対応した最適なコンテンツの配信が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0016】
図1は本発明によるコンテンツ配信サーバの好適な一実施形態を示す概略構成図である。本実施形態にかかるコンテンツ配信サーバ1は、移動体通信ネットワーク301を介して携帯電話機201と、インターネット302を介してPDA(Personal Digital Assistants)端末202と、専用線ネットワーク303を介してタグリーダ装置40と、それぞれデータの送受信が可能なように構成されている。なお、タグリーダ装置40は、PHS(PersonalHandyphone System)端末203に内蔵されたRFID(Radio Frequency Identification)タグ204との間でデータの読み書きを行わせるためのものである。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0017】
携帯電話機201は、コンテンツの配信を受けるユーザの端末であり、移動体通信ネットワーク301の構成要素の1つである基地局(図示せず)と無線で接続されることにより、その移動体通信ネットワーク301に接続された他設備との間で、音声通話とともにパケットデータ通信による電子メールの送受信も可能な情報通信端末である。
【0018】
PDA端末202は、携帯電話機201を所持するユーザと同一のユーザが使用する端末であり、いわゆる可搬型の小型パーソナルコンピュータである。PDA端末202は、赤外線通信によるLANアクセス機能及び無線LANアクセス機能を有しており、これにより無線LAN親機を介してインターネット302と接続され、インターネット302に接続された他設備との間でIP(Internet Protocol)によるパケットデータ通信を行う。また、PDA端末202は、パケットデータの送受を行うことにより、VoIPを利用した音声通話及び電子メールの送受信も可能なように構成されている。
【0019】
さらに、携帯電話機201及びPDA端末202には、それぞれWEBブラウザが搭載されており、パケットデータ通信を利用したHTTPによるデータ通信が可能である。この場合、携帯電話機201及びPDA端末202は、コンテンツ配信サーバ1からの擬似的なプッシュ方式のコンテンツ配信を実現するために、コンテンツ配信サーバ1に対して、定期的にコンテンツ配信の要求データ(詳細は、後述する。)を自動送信する機能も有する。
【0020】
PHS端末203は、同様に、携帯電話機201を所持するユーザと同一のユーザが使用する端末であり、内部にRFIDタグ204が内蔵されている。このRFIDタグ204には、PHS端末203を特定するためのID情報が記録されている。このID情報は、近距離での非接触型無線通信を利用して、タグリーダ装置40により読み取りが可能とされている。また、PHS端末203は、タグリーダ装置40からデータが書き込まれた場合は、そのデータの示す情報をディスプレイに表示するように動作する。
【0021】
タグリーダ装置40は、非接触型無線通信によりRFIDタグ204からのデータの読み取り、及びRFIDタグ204へのデータの書き込みを行うための装置である。タグリーダ装置40は、PHS端末203が近づけられることによりRFIDタグ204からID情報を読み取ると、タグリーダ装置40を特定するリーダID情報を付加してコンテンツ配信サーバ1に送信する機能を有する。また、タグリーダ装置40は、コンテンツ配信サーバ1の通信I/F103(詳細は、後述する。)からデータを受信すると、RFIDタグ204にそのデータを書き込むように動作する。
【0022】
無線LAN親機50は、いわゆるアクセスポイントと呼ばれる無線送受信機であり、PDA端末202と無線を送受することにより、PDA端末202をインターネット302に接続させるためのものである。
【0023】
コンテンツ配信サーバ1は、ネットワークを介してユーザの端末にコンテンツを配信するサーバシステムである。コンテンツ配信サーバは、物理的には、CPU(中央処理装置)、メモリ、マウスやキーボードなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置、ハードディスクなどの格納装置などを備えたコンピュータシステムとして構成されている。
【0024】
コンテンツ配信サーバ1の機能的構成要素としては、通信I/F101,102,103と、通信情報収集部104(通信情報収集手段)と、通信特性算出部105と、要求受信部106と、配信管理部107と、通信手段決定部108(通信手段決定手段)と、コンテンツ種別決定部109(コンテンツ種別決定手段)と、コンテンツ選択部110(コンテンツ選択手段)と、データ変換部111と、データ配信手段112と、プロトコル変換部113と、ユーザ情報格納部121と、配信履歴格納部122(配信履歴格納手段)と、通信履歴格納部123と、通信特性格納部124と、スケジュール情報格納部125と、コンテンツ格納部126とを含んで構成されている。以下、これらの構成要素について詳細に説明する。
【0025】
通信I/F101,102,103は、それぞれ、移動体通信ネットワーク301、インターネット302、及び専用線ネットワーク303との間で、直接データを送受信する部分である。通信I/F101,102,103は、それぞれのネットワークにおいて扱われるデジタル信号とコンテンツ配信サーバ1内で扱われるデジタル信号との間の変換を行う。
【0026】
通信情報収集部104は、移動体通信ネットワーク301及びインターネット302から、ユーザによって使用された通信手段を特定する通信手段情報と、その通信手段が使用された時刻を特定する時刻情報と、その通信手段が使用された場所情報とを含む通信情報を収集する部分である。ここでの、「使用」とは、ユーザが携帯電話機201あるいはPDA端末202により、移動体通信ネットワーク301又はインターネット302に接続された他設備とデータの送受信を行うことを意味する。通信情報収集部104は、移動体通信ネットワーク301から、通信I/F101を介して、携帯電話機201によって行われた通信に関する通信情報を収集する。この場合の通信情報には、さらに、携帯電話機201を特定する電話番号が含まれている。なお、この通信情報に含まれる場所情報としては、携帯電話機201と無線通信を行う基地局を特定する情報が収集され、通信情報収集部104が基地局の設置場所に関する場所情報に変換する。携帯電話機201が、通信中に複数の基地局の通信エリアを跨いだ場合は、それぞれの基地局との通信部分に分離されて通信情報が収集される。
【0027】
また、通信情報収集部104は、インターネット302から、通信I/F102を介して、PDA端末202によって行われた通信に関する通信情報を収集する。この場合の通信情報には、PDA端末202を特定するためのIP電話番号あるいは製造装置番号が含まれている。なお、この通信情報に含まれる場所情報としては、PDA端末202を収容する無線LAN親機50、あるいはPDA端末202を収容する無線LANのゲートウェイ設備(図示せず)を特定する情報等が収集され、通信情報収集部104がそれらの設置場所に関する場所情報に変換する。PDA端末202が、通信中に複数の無線LAN親機の通信エリアを跨いだ場合は、それぞれの無線LAN親機との通信部分に分離されて通信情報が収集される。
【0028】
通信情報収集部104が収集する通信手段情報における「通信手段」とは、ユーザが携帯電話機201又はPDA端末202を利用して通信を行う際に使用する、ネットワークの種類と端末アプリケーションとの組み合わせを意味する。例えば、ユーザによって使用される通信手段の例としては、「移動体通信ネットワーク+WEBブラウザ」、「移動体通信ネットワーク+電子メール送受信機能」、「移動体通信ネットワーク+音声通話機能」、「インターネット+WEBブラウザ」、「インターネット+電子メール送受信機能」、「インターネット+VoIP音声通話機能」等が挙げられる。以下、「移動体通信ネットワーク+WEBブラウザ」を「携帯WEB」、「移動体通信ネットワーク+電子メール送受信機能」を「携帯メール」、「移動体通信ネットワーク+音声通話機能」を「携帯音声」、「インターネット+WEBブラウザ」を「インターネットWEB」、「インターネット+電子メール送受信機能」を「インターネットメール」、「インターネット+VoIP音声通話機能」を「インターネット音声」として説明する。
【0029】
なお、これらの通信情報は、通信情報収集部104が、携帯電話機201及びPDA端末202から操作ログを受信したり、移動体通信ネットワーク301及びインターネット302内の交換機、ゲートウェイ等の設備から通信ログを受信したりすることにより収集される。
【0030】
さらに、通信情報収集部104は、通信I/F103を介して、タグリーダ装置40がRFIDタグ204から読み取ったID情報と、読み取った時刻を特定する読取時刻情報と、タグリーダ装置40を特定するリーダID情報とを含むRFID情報を収集する。通信情報収集部104は、このリーダID情報からタグリーダ装置40の設置場所に関する場所情報に変換する。そして、通信情報収集部104は、収集した携帯電話機201及びPDA端末202に関する通信情報と、タグリーダ装置40によって読み取られたRFID情報とを通信履歴格納部123に格納する。
【0031】
図2には、このようにして通信履歴格納部123に格納されたデータの構成図の一例を示す。図2の例によれば、ユーザID「12345」で特定される携帯電話機201のユーザの通信情報として、時刻情報である通信開始時刻「2003/5/30 20:11:40」及び通信終了時刻「2003/5/3020:12:50」と、通信手段情報であるイベント「携帯WEB」と、場所情報である通信場所「C区近傍」とを含むデータが格納されている。このようなデータにより、コンテンツ配信サーバ1は、ユーザの過去の通信手段利用状況を把握する。同時に、ユーザID「12345」で特定されるPHS端末203のユーザのRFID情報として、読取時刻情報である通信開始時刻「2003/5/2910:12:20」と、RFID情報であることを示すイベント「RFIDタグ検知」と、場所情報である通信場所「B駅西改札口」とを含むデータが格納されている。このようなデータにより、コンテンツ配信サーバ1は、ユーザの移動履歴を把握する。
【0032】
なお、通信情報収集部104は、通信情報に含まれる携帯電話機201の電話番号からユーザIDを特定するために、コンテンツ配信サーバ1の利用ユーザの情報を格納するユーザ情報格納部121を参照する。図3に、ユーザ情報格納部121に格納されたデータの構成図の一例を示す。図3に示すように、ユーザ情報格納部121には、コンテンツ配信サーバ1を利用するユーザの情報として、携帯電話機201の携帯電話番号「090-XXXX-XXXX」と、PDA端末202のIP電話番号「050-XXXX-XXXX」と、RFIDタグ204のID情報としてのRFIDタグID「XXXXXXXX」と、PHS端末203の電話番号「070-XXXX-XXXX」と、携帯電話機201のメールアドレス「XXX1@XX.XX」と、PDA端末202のメールアドレス「XXX2@XX.XX」とが、ユーザID「12345」に関連づけて格納されている。例えば、通信情報収集部104は、電話番号「090-XXXX-XXXX」を含む通信情報を受信後、ユーザ情報格納部121のデータを参照して、この通信情報をユーザID「12345」で特定されるユーザのものと判定し、その通信情報をユーザIDとともに通信履歴格納部123に格納する。同様に、通信情報収集部104は、RFID情報がどのユーザのものであるかを判定する。
【0033】
通信特性算出部105は、通信履歴格納部123に格納されたユーザの通信手段情報及び時刻情報とに基づいて、時間帯毎にそのユーザがそれぞれの通信手段を使用する確率を算出する部分である。より詳細には、通信特性算出部105は、時間帯毎に、通信履歴格納部123に格納された通信情報を抽出し、合計通信時間T1totを計算する。その後、抽出した通信情報を、通信手段情報であるイベント毎にグルーピングする。そして、グルーピングした通信情報毎に、通信開始時刻と通信終了時刻から計算される通信時間T1を用いて、下記式(1)によりその通信手段の該当時間帯での使用確率P1を算出する。このようにして、特定のユーザについて、全ての時間帯、及びイベント毎に使用確率P1を算出する。ここで、使用確率P1の算出は、ユーザ情報格納部121に格納されたデータが示す全ユーザについて行っても良いし、コンテンツを配信しようとするユーザについてのみ行っても良い。
【数1】



【0034】
また、通信特性算出部105は、配信履歴格納部122に格納されたユーザのコンテンツ配信履歴に含まれるコンテンツ種別と、コンテンツが配信された時刻に関する配信時刻情報である配信開始時刻及び配信終了時刻とに基づいて、時間帯毎にそのユーザの端末に対して配信されたコンテンツが属するコンテンツ種別毎の配信確率を算出する。図4は、配信履歴格納部122に格納されたデータの構成図の一例を示す。図4の例によれば、ユーザID「12345」で特定されるユーザからの通信手段「携帯WEB」を利用したコンテンツ配信の要求に対して、そのユーザの端末に対して、配信開始時刻「2003/5/3020:11:40」から配信終了時刻「2003/5/30 20:12:50」の間にコンテンツ種別「ゲーム情報」に属するコンテンツが、通信手段「携帯音声」を利用して配信されたことを意味している。通信特性算出部105は、時間帯毎に、配信履歴格納部122に格納されたコンテンツ配信履歴を抽出し、合計配信時間T2totを計算する。その後、抽出したコンテンツ配信履歴を、コンテンツ種別毎にグルーピングする。そして、グルーピングしたコンテンツ配信履歴毎に、配信開始時刻と配信終了時刻から計算される通信時間T2を用いて、下記式(2)によりそのコンテンツ種別の配信確率P2を算出する。このようにして、特定のユーザについて、全ての時間帯、及びコンテンツ種別毎に配信確率P2を算出する。ここで、配信確率P2の算出は、ユーザ情報格納部121に格納されたデータが示す全ユーザについて行っても良いし、コンテンツを配信しようとするユーザについてのみ行っても良い。
【数2】



【0035】
通信特性算出部105は、ユーザ及び時間帯毎に、使用確率P1が最大である通信手段、P1が2番目に大きい通信手段、及び配信確率P2が最大であるコンテンツ種別を、候補通信手段、次候補通信手段、及び候補コンテンツ種別として通信特性格納部124に格納する。図5には、このようにして通信特性格納部124に格納されたデータの構成図の一例を示す。図5の例によれば、使用確率「30%」の候補通信手段「携帯メール」と、使用確率「20%」の次候補通信手段「インターネットメール」と、配信確率「10%」の候補コンテンツ種別「株価情報」とが、ユーザID「12345」及び時間帯「6:00〜7:00」に関連づけて格納されている。これらのデータにより、コンテンツ配信サーバ1は、ユーザの使用頻度の高い通信手段、及び配信頻度の高いコンテンツの種類が何であるかを判断する。なお、通信情報、又はコンテンツ配信履歴のデータが存在しない時間帯に関しては、使用確率と候補通信手段と次候補通信手段のデータ、又は配信確率と候補コンテンツ種別のデータがNULLに設定される。
【0036】
要求受信部106は、プロトコル変換部113を介して携帯電話機201及びPDA端末202から、コンテンツ配信の要求データを受信する部分である。この要求データは、通信手段「携帯音声」を使用した移動体通信による音声データ、通信手段「インターネット音声」を使用したVoIPによる音声データ、通信手段「インターネットWEB」又は「携帯WEB」を使用したHTTPによるテキストデータとして、いったんプロトコル変換部113により受信される。要求受信部106は、プロトコル変換部113により読み取り可能なプロトコルに変換された要求データを受信して、その要求データからコンテンツ配信を要求したユーザを識別する。要求受信部106は、要求データを受信後、ユーザを識別するユーザIDを通信手段決定部108に出力する。
【0037】
配信管理部107は、いわゆるプッシュ方式でコンテンツ配信サーバ1が能動的にコンテンツを配信するスケジュールを管理する部分である。そのために、配信管理部107は、継続的にスケジュール情報格納部125を参照する。図6には、スケジュール情報格納部125に格納されたデータの構成図の一例を示す。図6に示すように、スケジュール情報格納部125には、ユーザID「12345」に対する配信時刻「6:30」のデータが格納されている。配信管理部107は、このようなデータを継続的に参照して、現在時刻が配信時刻である場合、通信手段決定部108に対して、ユーザIDを出力する。
【0038】
ここで、コンテンツ配信サーバ1が、携帯電話機201あるいはPDA端末202に対して、通信手段「携帯WEB」又は「インターネットWEB」を使用して擬似的なプッシュ方式のコンテンツ配信を行う場合には、以下のように動作する。まず、要求受信部106が、携帯電話機201あるいはPDA端末202のWEBブラウザから自動送信される定期的な要求データを受信する。その受信タイミングで、配信管理部107が、スケジュール情報格納部125を参照して、上述した方法で配信スケジュールを管理する。これにより、携帯電話機201あるいはPDA端末202のユーザの操作を必要とせずに、コンテンツ配信サーバ1から端末に対して能動的にコンテンツが配信されることになる。
【0039】
通信手段決定部108は、通信情報収集部104によって収集された通信手段情報及び時刻情報に基づいて、配信時刻の属する時間帯におけるユーザの使用時間の最も長い通信手段を、配信時刻におけるユーザに関する配信用通信手段として決定する部分である。ここでの配信時刻は、要求受信部106又は配信管理部107からユーザIDが出力された時刻であるとして判断する。より詳細には、通信手段決定部108は、要求受信部106又は配信管理部107からユーザIDが出力されると、そのユーザIDに基づいて通信特性格納部124を検索して、配信時刻を時間帯に含むそのユーザに関する候補通信手段及び次候補通信手段を取得する。そして、通信手段決定部108は、ユーザIDで特定されるユーザに関して、配信時刻を含む時間帯における使用確率が最も高い通信手段である候補通信手段を配信用通信手段として決定して、次候補通信手段及びユーザIDとともにコンテンツ種別決定部109に出力する。なお、該当時間帯における候補通信手段及び次候補通信手段がNULLの場合は、処理を中止し、次回のコンテンツ配信の処理まで待機する。
【0040】
また、通信手段決定部108は、決定した配信用通信手段の情報を通信I/F103を介してタグリーダ装置40に送信することも行う。その後、タグリーダ装置40が、非接触型無線通信を用いて、この配信用通信手段の情報をRFIDタグ204に書き込んで、PHS端末203のディスプレイに表示されることにより、ユーザが適時にコンテンツの配信される通信手段を知ることが可能となる。
【0041】
コンテンツ種別決定部109は、配信履歴格納部122に格納されたコンテンツ種別及び配信時刻情報に基づいて、配信時刻の属する時間帯におけるユーザの端末に対する配信時間の最も長いコンテンツ種別を、配信時刻におけるユーザに関する配信コンテンツ種別として決定する部分である。より具体的には、コンテンツ種別決定部109は、通信手段決定部108からユーザIDが出力されると、そのユーザIDに基づいて通信特性格納部124を検索して、配信時刻を時間帯に含むそのユーザに関する候補コンテンツ種別を取得する。そして、コンテンツ種別決定部109は、取得した候補コンテンツ種別を、ユーザIDで特定されるユーザに関する配信時刻における配信コンテンツ種別として決定して、配信用通信手段、次候補通信手段及びユーザIDとともにコンテンツ選択部110に出
力する。なお、該当時間帯における候補コンテンツ種別がNULLの場合は、該当ユーザに関して予め設定されたデフォルトのコンテンツ種別を配信コンテンツ種別として取得する。
【0042】
コンテンツ選択部110は、通信手段決定部108によって決定された配信用通信手段及び配信コンテンツ種別に応じて、ユーザの端末に配信するコンテンツのコンテンツ種別及びデータサイズを選択する部分である。コンテンツ選択部110は、まずコンテンツ格納部126に格納されたコンテンツの見出しに関するインデックスデータを参照する。図7には、コンテンツ格納部126に格納されたインデックスデータの構成図の一例を示す。図7に示す例によれば、コンテンツの種別を示すコンテンツ種別「株価情報」と、コンテンツのデータ形式を示す「テキスト」と、コンテンツのデータサイズ「20MB」とが、コンテンツのファイル名「コンテンツA」に関連づけて格納されている。コンテンツ選択部は、このようなデータの中から、配信コンテンツ種別に対応するインデックスデータを抽出する。例えば、配信コンテンツ種別が「株価情報」の場合は、コンテンツ種別が「株価情報」のインデックスデータを抽出する。そして、コンテンツ選択部110は、通信履歴格納部123を参照して、配信時刻を時間帯に含む該当ユーザのデータから配信用通信手段をイベントとして含むデータを検索して、そのデータから平均配信時間を算出する。さらに、コンテンツ選択部110は、その平均配信時間に収まるようなデータサイズのインデックスデータを抽出する。データサイズから配信時間を算出する際の配信ビットレートは、配信用通信手段から適切な値を予測する。コンテンツ選択部110は、抽出されたインデックスデータのファイル名のコンテンツをコンテンツ格納部126から取得して、配信用通信手段、次候補通信手段及びユーザIDとともにデータ変換部111に出力する。
【0043】
データ変換部111は、コンテンツ選択部110から出力されたコンテンツを、配信用通信手段に応じたデータ形式に変換する部分である。例えば、配信用通信手段が「携帯メール」であり、コンテンツのデータ形式が「音声」である場合には、そのコンテンツを「テキスト」のデータ形式に変換する。具体的には、データ変換部111は、コンテンツのデータ形式を、配信用通信手段が「携帯メール」又は「インターネットメール」であれば「テキスト」に、配信用通信手段が「携帯WEB」又は「インターネットWEB」であれば「WEBページ形式」に、配信用通信手段が「携帯音声」又は「インターネット音声」であれば「音声」に、それぞれ変換する。データ変換部111は、変換したコンテンツを、配信用通信手段、次候補通信手段及びユーザIDとともにデータ配信手段112に出力する。
【0044】
データ配信手段112は、データ変換部111からユーザIDが出力された時刻を配信時刻として、通信手段決定部108によって決定された配信用通信手段を用いて、コンテンツ種別決定部109によって決定された配信コンテンツ種別に属するコンテンツをユーザの端末に配信する部分である。データ配信手段112は、音声応答部112aと、メール応答部112bと、WEBサーバ部112cとから成る。音声応答部112aは、配信用通信手段が、「携帯音声」、「インターネット音声」等の音声データによる通信手段である場合に、ユーザの端末である携帯電話機201又はPDA端末202に対して、音声データ形式のコンテンツを送信する。メール応答部112bは、配信用通信手段が、「携帯メール」、「インターネットメール」等の電子メールによる通信手段である場合に、ユーザの端末である携帯電話機201又はPDA端末202に対して、テキストデータ形式のコンテンツを電子メールとして送信する。WEBサーバ部112cは、配信用通信手段が、「携帯WEB」、「インターネットWEB」等のHTTPによる通信手段である場合に、ユーザの端末である携帯電話機201又はPDA端末202に対して、テキストデータ、画像データ、又はこれらの複合データであるWEBページ形式のコンテンツを送信する。なお、コンテンツの送信先は、データ変換部111から出力されたユーザIDに基づいてユーザ情報格納部121を参照して取得する。また、データ配信手段112は、配信用通信手段が電子メール以外であって、コンテンツの送信後の一定時間内に携帯電話機201又はPDA端末202から受信応答が返信されない場合には、次候補通信手段について、コンテンツの選択及び配信の処理を再度繰り返す機能も有する。データ配信手段112は、コンテンツの配信後に受信応答を受け取ると、コンテンツの配信履歴を配信履歴格納部122に格納する。
【0045】
プロトコル変換部113は、データ配信手段112から送信されたコンテンツを、配信用通信手段に適合するプロトコルに変換して通信I/F101,102を介して移動体通信ネットワーク301及びインターネット302側に送信する部分である。また、プロトコル変換部113は、携帯電話機201及びPDA端末202から送信されたコンテンツ配信の要求データを受信して、コンテンツ配信サーバ1において読み取り可能なプロトコルに変換して要求受信部106に出力することも行う。
【0046】
続いて、本実施形態にかかるコンテンツ配信サーバ1の動作について説明し、併せて、本発明の実施形態にかかるコンテンツ配信方法について説明する。図8は、本実施形態にかかるコンテンツ配信サーバ1の通信特性算出時の動作を示すシーケンス図、図9は、本実施形態にかかるコンテンツ配信サーバ1が能動的にコンテンツ配信を行う際の動作を示すシーケンス図、図10は、本実施形態にかかるコンテンツ配信サーバ1が端末からの要求に応じてコンテンツ配信を行う際の動作を示すシーケンス図である。
【0047】
まず、図8を用いてコンテンツ配信サーバの通信特性算出時の動作について説明する。
【0048】
まず、定期的に、移動体通信ネットワーク301及びインターネット302からコンテンツ配信サーバ1に対して、ユーザに関する通信情報が送信される。また、タグリーダ装置40によりID情報が読み取られた場合には、タグリーダ装置40からコンテンツ配信サーバ1に対して、RFID情報が送信される(ステップS01)。
【0049】
通信情報収集部104は、送信された通信情報及びRFID情報を収集する(ステップS02)。そして、これらのデータにユーザIDを付加して通信履歴格納部123に格納する(ステップS03)。
【0050】
その後、以下のようにして、通信特性算出部105がユーザの通信手段毎の使用確率及びコンテンツ種別毎の配信確率を算出する(ステップS04〜S10)。まず、通信特性算出部105は、通信履歴格納部123に格納されたそのユーザに関する通信情報を抽出して、時間帯毎の通信時間を集計する(ステップS04)。そして、抽出した通信情報から、通信手段に関する情報であるイベント毎、時間帯毎の通信時間を集計する(ステップS05)。上記の集計結果から、そのユーザの通信手段及び時間帯毎の使用確率を算出する(ステップS06)。
【0051】
さらに、通信特性算出部105は、配信履歴格納部122に格納されたそのユーザに関する配信履歴を抽出して、時間帯毎の配信時間を集計する(ステップS07)。そして、抽出した配信履歴から、コンテンツの種別に関する情報であるコンテンツ種別毎、時間帯毎の配信時間を集計する(ステップS08)。上記の集計結果から、そのユーザのコンテンツ種別及び時間帯毎の配信確率を算出する(ステップS09)。
【0052】
そして、通信特性算出部105は、使用確率及び配信確率の算出が全てのユーザについて行われたか否かを判定し(ステップS10)、全てのユーザについて行われていない場合には(ステップS10;NO)、ステップS04〜ステップS09の動作を繰り返す。上記判定の結果、全てのユーザについて算出が行われた場合には(ステップS10;YES)、算出した使用確率及び配信確率に基づいて、ユーザIDと時間帯毎に、候補通信手段、次候補通信手段、及び配信コンテンツ種別を特定して、通信特性格納部124に格納する(ステップS11)。
【0053】
次に、図9を用いて、コンテンツ配信サーバ1が能動的にコンテンツ配信を行う際の動作について説明する。
【0054】
まず、コンテンツ配信サーバ1の配信管理部107が、定期的にスケジュール情報格納部125を参照してユーザに関するコンテンツ配信スケジュールを取得する(ステップS21)。そして、配信管理部107は、現在時刻が、そのスケジュールにおける配信時刻であるか否かを判定する(ステップS22)。その結果、現在時刻が配信時刻でない場合には(ステップS22;NO)、処理を終了し、次のタイミングの処理まで処理を中断する。一方、現在時刻が配信時刻である場合には(ステップS22;YES)、そのユーザのユーザIDが通信手段決定部108に出力され、通信手段決定部108は、そのユーザIDに基づいて、通信特性格納部124を参照する(ステップS23)。
【0055】
そして、通信手段決定部108は、配信時刻を時間帯に含む候補通信手段を配信用通信手段として決定する(ステップS24)。通信手段決定部108は、決定した配信用通信手段の情報を、タグリーダ装置40を介してRFIDタグ204に送信することによりPHS端末203のユーザに通知する(ステップS25)。次に、コンテンツ種別決定部109が、ユーザIDに基づいて通信特性格納部124を参照して配信時刻を時間帯に含む配信コンテンツ種別を取得して、それを配信するコンテンツに関する配信コンテンツ種別として決定する(ステップS26)。その後、コンテンツ選択部110が、配信用通信手段及び配信コンテンツ種別に応じて、コンテンツ種別が配信コンテンツ種別であり、データサイズが平均配信時間に収まるようなコンテンツを選択して、取得する(ステップS27)。そして、データ変換部111は、取得されたコンテンツのデータ形式を、配信用通信手段に応じたデータ形式に変換する(ステップS28)。
【0056】
次に、データ配信手段112は、変換されたコンテンツを、配信用通信手段を用いて携帯電話機201又はPDA端末202に送信する(ステップS29)。これに対して、コンテンツが正常に送信された場合には、携帯電話機201又はPDA端末202により、コンテンツの受信応答が返信される(ステップS30)。データ配信手段112は、受信応答を受信した後、配信履歴格納部122に、送信したコンテンツの配信履歴を格納する
(ステップS31)。
【0057】
ここで、データ配信手段112は、携帯電話機201又はPDA端末202から一定時間内に受信応答が返信されているかを判定し(ステップS32)、返信されていない場合には(ステップS32;NO)、上述したステップS27〜S31の処理を、次候補通信手段に関して繰り返す。一方、受信応答が返信されている場合には(ステップS32;YES)、処理を終了し、次回の配信時刻まで処理を中断する。
【0058】
次に、図10を用いて、コンテンツ配信サーバ1が端末からの要求に応じてコンテンツ配信を行う際の動作について説明する。
【0059】
まず、携帯電話機201又はPDA202から、コンテンツの配信を要求する要求データが、コンテンツ配信サーバ1に対して送信される(ステップS41)。コンテンツ配信サーバ1の要求受信部106が、要求データを受信して、ユーザを特定するユーザIDを通信手段決定部108に出力する(ステップS42)。以下、図9におけるステップS23〜S32における動作と全く同様にしてコンテンツが配信される(ステップS43〜ステップS52)。
【0060】
次に、本発明の実施形態にかかるコンテンツ配信プログラムおよび、当該コンテンツ配信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(以下、単に記録媒体という)について説明する。ここで、記録媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読み取り装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読み取り装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。かかる記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、CD−ROM、コンピュータに内蔵されるメモリなどが該当する。
【0061】
図11は、実施形態にかかる記録媒体の構成図である。記録媒体9は、図11に示すように、プログラムを記録するプログラム領域91を備えている。このプログラム領域91には、コンテンツ配信プログラム90が記録されている。このコンテンツ配信プログラム90は、処理を統括するメインモジュール901と、通信I/Fモジュール902と、通信情報収集モジュール903と、通信特性算出モジュール904と、要求受信モジュール905と、配信管理モジュール906と、通信手段決定モジュール907と、コンテンツ種別決定モジュール908と、コンテンツ選択モジュール909と、データ変換モジュール910と、データ配信モジュール911と、プロトコル変換モジュール912とを備えて構成される。ここで、通信I/Fモジュール902、通信情報収集モジュール903、通信特性算出モジュール904、要求受信モジュール905、配信管理モジュール906、通信手段決定モジュール907、コンテンツ種別決定モジュール908、コンテンツ選択モジュール909、データ変換モジュール910、データ配信モジュール911、プロトコル変換モジュール912のそれぞれを動作させることによって実現する機能は、上記コンテンツ配信サーバ1の通信I/F101,102,103、通信情報収集部104、通信特性算出部105、要求受信部106、配信管理部107、通信手段決定部108、コンテンツ種別決定部109、コンテンツ選択部110、データ変換部111、データ配信手段112、プロトコル変換部113それぞれの機能と同様である。尚、この場合、上記コンテンツ配信サーバ1のユーザ情報格納部121、配信履歴格納部122、通信履歴格納部123、通信特性格納部124、スケジュール情報格納部125、及びコンテンツ格納部126のそれぞれは、記録媒体9のデータ領域92にユーザ情報格納部921、配信履歴格納部922、通信履歴格納部923、通信特性格納部924、スケジュール情報格納部925、及びコンテンツ格納部926として格納されていても良いし、別の記録媒体に格納されていても良い。
【0062】
以下、本発明の実施形態にかかるコンテンツ配信サーバ1の作用効果について説明する。上述のように構成されたコンテンツ配信サーバ1によれば、通信情報収集部104が移動体通信ネットワーク301及びインターネット302からユーザによって使用された通信手段とその使用時刻に関する情報を収集し、通信手段決定部108が配信時刻の属する時間帯の使用時間が最も長い通信手段を配信用の通信手段として決定し、データ配信手段112が決定された配信用の通信手段でその配信時刻にコンテンツを配信する。これにより、ユーザの時間帯毎の通信手段の利用状況に応じて、ユーザへの通知手段として確実性の高い通信手段を択一的に決定してコンテンツの配信が行われる。
【0063】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、本実施形態にかかるコンテンツ配信サーバ1における通信手段決定部108は、配信用通信手段として使用確率が高いものを使用していたが、これは、より通信料金が低くなるような通信手段を配信用通信手段として使用する方法を併用するようにしても良い。
【0064】
また、本実施形態におけるPHS端末203には、ユーザの位置捕捉手段として、RFIDタグ204が内蔵されていたが、PHS端末203を特定可能なものであればこれに限られるものではなく、例えば、バーコードを付したり、赤外線通信機器等を内蔵したりして、コンテンツ配信サーバ1によって、そこからID情報が受信されるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明によるコンテンツ配信サーバの好適な一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の通信履歴格納部に格納されたデータの構成図である。
【図3】図1のユーザ情報格納部に格納されたデータの構成図である。
【図4】図1の配信履歴格納部に格納されたデータの構成図である。
【図5】図1の通信特性格納部に格納されたデータの構成図である。
【図6】図1のスケジュール情報格納部に格納されたデータの構成図である。
【図7】図1のコンテンツ格納部に格納されたインデックスデータの構成図である。
【図8】コンテンツ配信サーバの通信特性算出時の動作を示すシーケンス図である。
【図9】コンテンツ配信サーバが能動的にコンテンツ配信を行う際の動作を示すシーケンス図である。
【図10】コンテンツ配信サーバが端末からの要求に応じてコンテンツ配信を行う際の動作を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の実施形態にかかる記録媒体の構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1…コンテンツ配信サーバ、101,102,103…通信I/F、104…通信情報収集部、105…通信特性算出部、106…要求受信部、107…配信管理部、108…通信手段決定部、109…コンテンツ種別決定部、110…コンテンツ選択部、111…データ変換部、112…データ配信手段、112a…音声応答部、112b…メール応答部、112c…WEBサーバ部、113…プロトコル変換部、121…ユーザ情報格納部、122…配信履歴格納部、123…通信履歴格納部、124…通信特性格納部、125…スケジュール情報格納部、126…コンテンツ格納部、201…携帯電話機、202…PDA端末、203…PHS端末、204…RFIDタグ、301…移動体通信ネットワーク、302…インターネット、303…専用線ネットワーク、40…タグリーダ装置、50…無線LAN親機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって使用された通信手段を特定する通信手段情報と前記通信手段が使用された時刻を特定する時刻情報とを収集する通信情報収集手段と、
当該収集された通信手段情報及び時刻情報に基づいて、所定の配信時刻の属する時間帯における前記ユーザの使用時間の最も長い通信手段を、前記配信時刻における前記ユーザに関する配信用通信手段として決定する通信手段決定手段と、
前記通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じて、前記ユーザの端末に配信するコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、
前記通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段を用いて、前記配信時刻に前記ユーザの端末に前記コンテンツ選択手段によって選択されたコンテンツを配信するデータ配信手段と、
前記データ配信手段により、前記ユーザの端末に対して配信されたコンテンツに関するコンテンツ種別と、前記コンテンツが配信された時刻に関する配信時刻情報と、を格納する配信履歴格納手段と、
当該格納されたコンテンツ種別及び配信時刻情報に基づいて、所定の配信時刻の属する時間帯における前記ユーザの端末に対する配信時間の最も長いコンテンツ種別を、前記配信時刻における前記ユーザに関する配信コンテンツ種別として決定するコンテンツ種別決定手段と、
コンテンツを特定可能な特定情報とコンテンツのコンテンツ種別とを関連付けて格納する格納手段と、
を備え、
前記コンテンツ選択手段は、前記コンテンツ種別決定手段によって決定された配信コンテンツ種別と関連付けて前記格納手段によって格納された特定情報によって特定されるコンテンツの中から、前記通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じて、前記ユーザの端末に配信するコンテンツを選択することを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項2】
前記配信履歴格納手段は、更に、配信に用いられた配信用通信手段を関連付けて格納し、
前記格納手段は、更に、コンテンツのデータサイズを関連付けて格納し、
前記コンテンツ選択手段は、前記配信履歴格納手段に格納されたデータのうち、前記所定の配信時刻を時間帯に含み且つ前記通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段を含むデータの配信時間と、前記格納手段に格納されたコンテンツのデータサイズと、に基づいて、前記ユーザの端末に配信するコンテンツを選択することにより、前記通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じてコンテンツの選択を行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項3】
コンピュータを、
ユーザによって使用された通信手段を特定する通信手段情報と前記通信手段が使用された時刻を特定する時刻情報とを収集する通信情報収集手段、
当該収集された通信手段情報及び時刻情報に基づいて、所定の配信時刻の属する時間帯における前記ユーザの使用時間の最も長い通信手段を、前記配信時刻における前記ユーザに関する配信用通信手段として決定する通信手段決定手段、
前記通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じて、前記ユーザの端末に配信するコンテンツを選択するコンテンツ選択手段、
前記通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段を用いて、前記配信時刻に前記ユーザの端末に前記コンテンツ選択手段によって選択されたコンテンツを配信するデータ配信手段、
前記データ配信手段により、前記ユーザの端末に対して配信されたコンテンツに関するコンテンツ種別と、前記コンテンツが配信された時刻に関する配信時刻情報と、を格納する配信履歴格納手段、
当該格納されたコンテンツ種別及び配信時刻情報に基づいて、所定の配信時刻の属する時間帯における前記ユーザの端末に対する配信時間の最も長いコンテンツ種別を、前記配信時刻における前記ユーザに関する配信コンテンツ種別として決定するコンテンツ種別決定手段、
コンテンツを特定可能な特定情報とコンテンツのコンテンツ種別とを関連付けて格納する格納手段、
として機能させ、
更に、前記コンテンツ選択手段は、前記コンテンツ種別決定手段によって決定された配信コンテンツ種別と関連付けて前記格納手段によって格納された特定情報によって特定されるコンテンツの中から、前記通信手段決定手段によって決定された配信用通信手段に応じて、前記ユーザの端末に配信するコンテンツを選択するように機能させるコンテンツ配信プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載されたコンテンツ配信プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−299420(P2007−299420A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180257(P2007−180257)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【分割の表示】特願2003−365152(P2003−365152)の分割
【原出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)