説明

コンバインの脱穀装置

【課題】扱胴を軸支する共に扱室の一側に回動可能に支持した上部構造体を、人為的な操作力よらず自動的に開閉可能に構成して、非力なお年寄りや女性でも当該開閉作業が楽に行えるようにする。
【解決手段】上部構造体20を開閉作動させるアクチュエータ47と、該アクチュエータ47を作動させる操作手段42,43によって、当該上部構造体20を人為的な操作力よらず自動的に開閉可能に構成すると共に、上部構造体20が閉塞位置になると自動的に固定する固定手段31,31と、上部構造体20の閉塞状態を検出する検出手段55を設け、更に該検出手段55が上部構造体20の閉塞状態を検出すると、上部構造体20が前記固定手段31,31により固定された状態で、上部構造体20を開放させる方向へのアクチュエータ47の所定量の作動が許容される融通手段46aを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米麦等の穀稈を脱穀する扱室の上方を覆う開閉可能なカバー体を備えたコンバインの脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインにおいては、扱室の上部を形成すると共に扱胴を回転可能に支持する上部構造体を、扱胴の回転軸と平行な扱室の他部を形成する構造体の軸心周りに上昇開き位置と下降閉じ位置とに上下揺動自在に支持し、且つ前記上部構造体を開閉操作するための開閉スイッチ及び油圧シリンダ等を備える駆動機構を設けた脱穀装置が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−190136号公報(第3−5頁、図4−図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した従来の脱穀装置では、上部構造体を上昇開き位置から下降閉じ位置まで閉じる際、扱室内における工具等の置き忘れを確認することができるように、上部構造体の下降設定ストローク手前の開き位置までは、閉スイッチ及び油圧シリンダ等の駆動機構を介して自動的に閉じ操作され、この開き位置において扱室内を確認できるようにしてあるが、扱室内における工具等の置き忘れの確認は、当該閉じ操作の直前の上部構造体が開放位置において行うほうが確実であり、また上部構造体を前記開き位置から下降閉じ位置までは、人為的にガススプリングの上方への付勢力以上の下降操作力を与えて閉じ操作を行わなければならず、非力なお年寄りや女性にとっては楽な作業ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、扱胴を軸支した上部構造体を扱室の一側に回動可能に支持し、且つ上部構造体を開閉作動させるアクチュエータと、該アクチュエータを作動させる操作手段と、上部構造体が閉塞位置になると自動的に固定する固定手段とを備えたコンバインの脱穀装置において、上部構造体(20)が前記固定手段によって固定された状態で、当該上部構造体を開放させる方向へのアクチュエータの所定量の作動を許容する融通手段を設けたことを第1の特徴としている。
【0005】
そして、上部構造体の閉塞状態を検出する検出手段を設け、該検出手段により上部構造体の閉塞状態を検出すると、上部構造体が前記固定手段によって固定された状態で、当該上部構造体を開放させる方向へのアクチュエータの所定量の作動が許容されるように構成したことを第2の特徴としている。
【0006】
更に、上部構造体を開放方向に付勢する付勢手段を設け、該付勢手段の付勢力に抗して上部構造体をアクチュエータにより閉作動させるように構成し、固定手段を解除すると、当該上部構造体が融通手段による許容量だけ付勢手段の付勢力により上方回動することを第3の特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1及び請求項2の発明によれば、上部構造体を開閉作動させるアクチュエータと、該アクチュエータを作動させる操作手段と、上部構造体が閉塞位置になると自動的に固定する固定手段によって、当該上部構造体を人為的な操作力によらずに開閉することができるので、非力なお年寄りや女性でも楽に作業が行える。また、上部構造体の閉塞状態を検出する検出手段を設け、該検出手段によって上部構造体の閉塞状態を検出すると、当該上部構造体が前記固定手段により固定された状態で、上部構造体を開放させる方向へのアクチュエータの所定量の作動を許容する融通手段が設けてあり、この融通手段によって前記固定手段による上部構造体の閉塞状態の解除操作がスムーズに行える。
【0008】
そして、請求項3の発明によれば、上部構造体を開放方向に付勢する付勢手段を設け、該付勢手段の付勢力に抗して上部構造体をアクチュエータにより閉作動させるように構成し、固定手段を解除すると、当該上部構造体が融通手段による許容量だけ付勢手段の付勢力により上方回動するので、上述した固定手段の解除操作が更にスムーズに行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、コンバイン10は、穀稈を刈取る前処理部11と、刈取穀稈から穀粒を脱穀し、この穀粒を選別する脱穀装置12と、選別済みの穀粒を貯留する穀粒タンク13と、脱穀済みの排稈を排出処理する後処理部14と、各種の操作具が設けられる操作部15と、この操作部15を覆うキャビン16と、左右一対のクローラ走行装置17L,17R(右側のクローラ走行装置17Rは不図示)を備えている。
【0010】
そして、穀粒タンク13に貯留された穀粒は、穀粒タンク13の後面下端部に固設される固定パイプ(不図示)と、この固定パイプに回動可能に接続される縦パイプ18と、該縦パイプ18の上端に一体回動可能で、且つ、上下方向に起伏可能(上下昇降可能)に接続される穀粒排出オーガ19とを経由して機外に排出できるようになっている。
【0011】
また、脱穀装置12は、図3〜図5に示すように、上方をカバー体21にて覆われて穀稈を脱穀する扱胴22を有しており、該扱胴22の外周には複数の扱歯22aが植設されると共に、その下方に受網(不図示)を張設した扱室23を構成している。
【0012】
そして、カバー体21は、扱室23の上方を覆うと共に扱室23の一側で扱胴22の回転軸24と平行なパイプ軸(軸心)25周りに回動自在に支持してある。また、扱胴22の回転軸24は、カバー体21と一体形成された扱室23の前側板23a(不図示)と後側板23bに軸支してあり、前記カバー体21、前側板23a、後側板23b、及び扱胴22等からなる上部構造体20を構成している。したがって、前記上部構造体20の開閉動作に伴って扱胴22とカバー体21とが一体に回動するようになっている。
【0013】
尚、31,31は、上部構造体20が閉塞位置になると自動的に固定する固定手段である開閉(ロック)レバー31,31であり、この開閉レバー31,31は支点軸32に回動可能に支持されると共に、当該開閉レバー31,31の基端部に連結するロッド33,33を介して、機体内方側の支点軸34に回動可能に支持したフック35,35に連結してある。
【0014】
そして、図3に示すように閉塞状態にある上部構造体20の開閉レバー31,31を図4に示す如く上動操作すると、当該操作に連係して扱室の固定枠体36,36側に設けたピン37,37に係合しているフック35,35の係止が解除されると共に、上部構造体20を開放方向に付勢する付勢手段であるガススプリング38,38にアシストされて、上部構造体20と排藁搬送装置30が一体的にやや上方に回動するようになっている。即ち、上部構造体20と排藁搬送装置30とは、上述したパイプ軸25を共通の回動軸として一体的に上下回動可能に軸支されている。
【0015】
また、機体左側の脱穀フィードチェン40を覆うフィードチェンカバー41の略中央部には、後述するアクチュエータ47を作動させる手動操作手段としての上昇(開)スイッチ42と下降(閉)スイッチ43が設けてあり、該上昇スイッチ42を押し「ON」操作することによって、上部構造体20及び排藁搬送装置30を開放位置まで上昇回動させることができる一方、同じく下降スイッチ43を押し「ON」操作することによって、上部構造体20及び排藁搬送装置30を閉塞位置まで下降回動させることができるようになっている。尚、手動操作手段である両スイッチ42,43は、押し「ON」操作した時のみアクチュエータ47を作動させることができる、所謂モーメンタリスイッチを採用している。
【0016】
更に詳しくは、上部構造体20を構成するカバー体21と一体形成された扱室23の前側板23a(不図示)と後側板23bの回動支点側(機体内方側)、即ち扱胴22の回転軸24と平行な軸心であるパイプ軸25には回動アーム45,45が固設してあり、この回動アーム45,45によって上部構造体20及び排藁搬送装置30が回動可能に支持されると共に、両回動アーム45,45の前後方向略中間部には、後述するシリンダ49の終端部を連結するための上方に向く連結アーム46を、その回動軸であるパイプ軸25に固設してある。
【0017】
そして、前記上昇スイッチ42または下降スイッチ43を押し「ON」操作することにより作動するアクチュエータとしての昇降(電動)モータ47と、この昇降モータ47の出力軸に連結して正逆回転するスクリューシャフト48、及びこのスクリューシャフト48に螺合して進退作動するシリンダ49を備えており、該シリンダ49の終端部を連結アーム46の先端側に連結すると共に、スクリューシャフト48の基端部側を機体内方側の扱室固定枠体36の上部に取付けることによって、上昇スイッチ42または下降スイッチ43の押し「ON」操作に応動するアクチュエータとしての昇降(電動)モータ47、スクリューシャフト48、及びシリンダ49を介して、上部構造体20及び排藁搬送装置30を一体的に上方回動または下方回動させることができるようになっている。
【0018】
尚、シリンダ49の終端部に突設したピン49aを連結アーム46の先端側の長孔46aに連結(挿通)してあって、上述の如く開閉レバー31,31を上動操作して扱室の固定枠体36,36側に設けたピン37,37に係合しているフック35,35の係止を解除した際、前記長孔46aに対するピン49aの揺動可能量に相当する上部構造体20及び排藁搬送装置30の上方への回動が融通されるようになっている。即ち、連結アーム46の先端側に設けた長孔46aは、上部構造体20及び排藁搬送装置30が固定手段である開閉レバー31,31により固定された状態(閉塞状態)で、上部構造体20及び排藁搬送装置30を開放させる方向への昇降モータ47の所定量の作動を許容する融通手段として作用するようになっている。
【0019】
また、図6に示すように、コンバイン10には、マイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM等を含む)を用いて構成された制御部51を備えている。そして、制御部51の入力側には、アクチュエータである昇降モータ47を作動させる手動操作手段としての上昇スイッチ42と下降スイッチ43、上部構造体20及び排藁搬送装置30の回動上昇限を検出する上限位置検出手段である上昇リミットスイッチ54、上部構造体20及び排藁搬送装置30が下降回動して閉塞状態(位置)にあることを検出する下降リミットスイッチ55、及び上部構造体20及び排藁搬送装置30が閉塞状態で固定されているか否かを検出するコンポロック解除スイッチ56等を接続してある。
【0020】
尚、前記コンポロックスイッチ56は、上述した開閉レバー31,31に連係して回動する前後一側のフック35の下方に設けてあって、本実施例においては、前記フック35の回動に伴ってON・OFF作動するノーマルクローズスイッチを採用している。
【0021】
一方、出力側には、音による報知手段であるホーン61、前記上昇スイッチ42または下降スイッチ43に内装されたモニターランプである上昇ランプ42a及び下降ランプ42b、上昇スイッチ42または下降スイッチ43を押し「ON」操作することにより作動するアクチュエータである昇降モータ47等を接続してある。
【0022】
そして、本発明においては、上述した上昇スイッチ42または下降スイッチ43を押し「ON」操作することによって、上部構造体20及び排藁搬送装置30を人為的な操作力によらずアクチュエータである昇降モータ47を介して開閉することができ、非力なお年寄りや女性でも当該開閉作業を楽に行うことができるようになっている。
【0023】
次に、上述した上昇スイッチ42または下降スイッチ43を押し「ON」操作することにより実行される、上部構造体20及び排藁搬送装置30の上昇または下降回動制御について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0024】
先ず、ステップS1では、開閉レバー31,31によって上部構造体20及び排藁搬送装置30が閉塞状態で固定されているか否か、即ちノーマルクローズスイッチであるコンポロックスイッチ56がOFF状態であるかON状態であるかを判断する。ここで、コンポロックスイッチ56がOFF状態、即ち、開閉レバー31,31によって上部構造体20及び排藁搬送装置30が閉塞状態で固定されていればステップS2に進む。一方、コンポロックスイッチ56がON状態、即ち開閉レバー31,31による上部構造体20及び排藁搬送装置30の閉塞状態における固定が解除された状態であればステップS3に進む。この時、上部構造体20を開放方向に付勢する付勢手段であるガススプリング38,38にアシストされて、上部構造体20と排藁搬送装置30が一体的にやや上方に回動する。
【0025】
そして、ステップS2では、下限フラグを0として元に戻る。
【0026】
ステップS3では、下限フラグが0であるか1であるかを判断し、1であればステップS4に進み、0であればステップS6に進む。
【0027】
ステップS4では、遅延タイマーが0になっているか否かを判断し、YESであればステップS2に進み、NOであればステップS5に進む。
【0028】
ステップS5では、上部構造体20及び排藁搬送装置30を開放(上昇)させる方向への昇降モータ47の所定量の作動(駆動)がなされる。この時、上述した連結アーム46の先端側に設けた長孔46aによって、前記昇降モータ47の所定量の駆動が許容される。即ち、融通手段である前記長孔46aによって図3に示すA矢印方向へのシリンダ49の退動が許容される。
【0029】
一方、ステップS6では、上昇スイッチ42がOFF状態であればステップS7に進み、上昇スイッチ42がON状態であればステップS8に進む。
【0030】
ステップS7では、下降スイッチ43がON状態であればステップS9に進み、OFF状態であれば元に戻る。
【0031】
そして、ステップS9では、上部構造体20及び排藁搬送装置30の回動下降限、即ち上部構造体20と排藁搬送装置30の閉塞状態を検出する下降リミットスイッチ55がOFFになっていればステップ10に進み、ONであればステップ11に進む。
【0032】
ステップ10では、上部構造体20及び排藁搬送装置30を下降回動させる方向に昇降モータ47を作動(駆動)させると共に、下降ランプ42bの点灯出力がなされて元に戻る。
【0033】
また、ステップ11では、上部構造体20及び排藁搬送装置30が閉塞状態になったことを、音による報知手段であるホーン61に単音出力と、モニターランプである下降ランプ42bの点滅出力と、所定時間の遅延タイマーがON(セット)されると共に、下限フラグを1として元に戻る。
【0034】
一方、ステップS8では、下降スイッチ43がON状態であれば元に戻り、OFF状態であればステップS12に進む。
【0035】
ステップS12では、上部構造体20及び排藁搬送装置30の回動上昇限を検出する上昇リミットスイッチ54がONになっていればステップS13に進み、OFFであればステップS14に進む。
【0036】
ステップS13では、上部構造体20及び排藁搬送装置30が回動上昇限に達したことを、音による報知手段であるホーン61に単音出力すると共に、モニターランプである上昇ランプ42aの点滅出力がなされて元に戻る。
【0037】
また、ステップS14では、上部構造体20及び排藁搬送装置30を上昇回動させる方向に昇降モータ47を作動(駆動)させると共に、上昇ランプ42aの点灯出力がなされて元に戻る。
【0038】
即ち、上述の如く構成した上部構造体20及び排藁搬送装置30の開閉制御と装置構造によって、当該上部構造体20及び排藁搬送装置30を人為的な操作力によらずアクチュエータ47を介して開閉することができるので、非力なお年寄りや女性でも楽に作業が行える。
【0039】
また、上部構造体20の閉塞状態を検出する検出手段55を設け、該検出手段55によって上部構造体20の閉塞状態を検出すると、当該上部構造体20が固定手段31,31により固定された状態で、上部構造体20を開放させる方向へのアクチュエータ47の所定量の作動を許容する融通手段46aが設けてあり、この融通手段46aによって前記固定手段31,31による上部構造体20の閉塞状態の解除操作がスムーズに行える。
【0040】
そして、上部構造体20を開放方向に付勢する付勢手段38,38を設け、該付勢手段38,38の付勢力に抗して上部構造体20をアクチュエータ47により閉作動させるように構成してあり、固定手段31,31を解除すると、当該上部構造体20が融通手段46aによる許容量だけ付勢手段38,38の付勢力により上方回動するので、上述した固定手段31,31による解除操作が更にスムーズに行える。
【0041】
尚、上述した上限リミットスイッチ54及び下限リミットスイッチ55は、スクリュウシャフト48上に併設したブラケット66に対向して取付けられると共に、スクリュウシャフト48に螺合して進退作動するシリンダ49の外周に固設したプレート49bが、両リミットスイッチ54,55の何れかに接当してON状態になると、上部構造体20の回動上昇限または回動下降限の何れかを検出することができるようになっている。
【0042】
そして、上述した実施例においては、上部構造体20及び排藁搬送装置30の回動上昇限を検出する上限位置検出手段として上限リミットスイッチ54、また回動下降限を検出する下限位置検出手段として下限リミットスイッチ55を用いて説明したが、両リミットスイッチ54、55に換えて、上部構造体20の回動支点であるパイプ軸25等にポテンショメータ71(図8参照)を併設して、当該上部構造体20の回動上昇限から回動下降限に亘る範囲を検出してもよく、その場合の制御部のブロック図を図8に、上部構造体20の開閉制御を示すフローチャートを図9に示すが、上述したブロック図(図6)及びフローチャート(図7)と大差ないので説明を省略する。尚、図中記載のコンポとは、一体的に開閉する上部構造体20と排藁搬送装置30を略称で表現したものである。
【0043】
ところで、上部構造体20及び排藁搬送装置30の閉塞状態(位置)を検出する下降リミットスイッチ55やポテンショメータ71等を設けない場合は、アクチュエータ47が下降作動を終了すると自動的に開放方向へ所定量作動する構成としてもよい。即ち下降スイッチ43にモーメンタリスイッチを採用し、上部構造体20及び排藁搬送装置30が下降回動して閉塞状態となってから、当該下降スイッチ43の押し「ON」操作を解除すると、上部構造体20及び排藁搬送装置30を開放させる方向へアクチュエータ47が所定量作動するように構成してもよい。
【0044】
また、下降スイッチ43にノーマルオープンスイッチを採用した時は、当該下降スイッチ43を押し「ON」操作すると同時に、アクチュエータ47を介して上部構造体20及び排藁搬送装置30を設定時間閉作動させるタイマーを設け、このタイマーの設定時間が経過して上部構造体20及び排藁搬送装置30が閉塞状態まで下降すると上部構造体20及び排藁搬送装置30を開放させる方向へアクチュエータ47が所定量作動するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】コンバインの平面図。
【図3】閉塞姿勢状態の脱穀装置の背面図。
【図4】開閉レバーのロックを解除した状態の脱穀装置の背面図。
【図5】開放姿勢状態の脱穀装置の背面図。
【図6】制御部のブロック図。(第一実施例)
【図7】上部構造体の開閉制御を示すフローチャート。(第一実施例)
【図8】制御部のブロック図。(第二実施例)
【図9】上部構造体の開閉制御を示すフローチャート。(第二実施例)
【符号の説明】
【0046】
12 脱穀装置
20 上部構造体
22 扱胴
23 扱室
31 固定手段(開閉レバー)
38 付勢手段(ガススプリング)
42 操作手段(上昇スイッチ)
43 操作手段(下降スイッチ)
46a 融通手段(長孔)
47 アクチュエータ(昇降モータ)
55 検出手段(下降リミットスイッチ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴(22)を軸支した上部構造体(20)を扱室(23)の一側に回動可能に支持し、且つ上部構造体(20)を開閉作動させるアクチュエータ(47)と、該アクチュエータ(47)を作動させる操作手段(42,43)と、上部構造体(20)が閉塞位置になると自動的に固定する固定手段(31,31)とを備えたコンバインの脱穀装置(12)において、上部構造体(20)が前記固定手段(31,31)によって固定された状態で、当該上部構造体(20)を開放させる方向へのアクチュエータ(47)の所定量の作動を許容する融通手段(46a)を設けたことを特徴とするコンバインの脱穀装置。
【請求項2】
上部構造体(20)の閉塞状態を検出する検出手段(55)を設け、該検出手段(55)により上部構造体(20)の閉塞状態を検出すると、上部構造体(20)が前記固定手段(31,31)によって固定された状態で、当該上部構造体(20)を開放させる方向へのアクチュエータ(47)の所定量の作動が許容されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの脱穀装置。
【請求項3】
上部構造体(20)を開放方向に付勢する付勢手段(38,38)を設け、該付勢手段(38,38)の付勢力に抗して上部構造体(20)をアクチュエータ(47)により閉作動させるように構成し、固定手段(31,31)を解除すると、当該上部構造体(20)が融通手段(46a)による許容量だけ付勢手段(38,38)の付勢力により上方回動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバインの脱穀装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−129709(P2006−129709A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−318901(P2004−318901)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】