説明

コンバイン

【課題】 。
【解決手段】 刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部と、同脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部と、同選別部や脱穀部等を駆動するエンジンとを具備するコンバインにおいて、上記エンジンに温風供給手段を連動連結し、同温風供給手段により前記脱穀部と選別部に温風を供給可能とした。従って、穀稈が雨露等により濡れた状態で刈取作業を行った場合でも、穀粒や穀稈に温風を供給することにより、穀粒や穀稈が互いに付着するのを防止することができて、穀粒の脱穀性能や選別性能を良好に確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインの一形態として、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部と、同脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部と、同選別部や脱穀部等を駆動するエンジンとを具備するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−50918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記コンバインでは、穀稈が雨露等により濡れた状態で刈取作業を行った場合には、穀粒や穀稈が互いに付着して脱穀性能や選別性能が低下するという不具合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明では、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部と、同脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部と、同選別部や脱穀部等を駆動するエンジンとを具備するコンバインにおいて、上記エンジンに温風供給手段を連動連結し、同温風供給手段により前記脱穀部と選別部に温風を供給可能としたことを特徴とするコンバインを提供するものである。
【0005】
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
【0006】
(1)温風供給手段は、エンジンに設けたファン駆動軸に温風ファンを取り付けて、同温風ファンによりエンジンの排風を脱穀部と選別部に温風として供給可能としたこと。
【0007】
(2)脱穀部の直下方位置に選別部を配設すると共に、同選別部の後部上方位置でかつ脱穀部の後方位置にエンジンを配設し、同エンジンより下方へ向けてファン駆動軸を突出させて、同ファン駆動軸に温風ファンを取り付けて、同温風ファンによりエンジンの排風を脱穀部と選別部に温風として供給可能としたこと。
【発明の効果】
【0008】
(1)請求項1記載の本発明では、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部と、同脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部と、同選別部や脱穀部等を駆動するエンジンとを具備するコンバインにおいて、上記エンジンに温風供給手段を連動連結し、同温風供給手段により前記脱穀部と選別部に温風を供給可能としている。
【0009】
このようにして、温風供給手段により脱穀部と選別部に温風を供給可能としているため、穀稈が雨露等により濡れた状態で刈取作業を行った場合でも、穀粒や穀稈に温風を供給することにより、穀粒や穀稈が互いに付着するのを防止することができて、穀粒の脱穀性能や選別性能を良好に確保することができる。
【0010】
(2)請求項2記載の本発明では、温風供給手段は、エンジンに設けたファン駆動軸に温風ファンを取り付けて、同温風ファンによりエンジンの排風を脱穀部と選別部に温風として供給可能としている。
【0011】
このようにして、温風ファンによりエンジンの排風を脱穀部と選別部に温風として供給可能としているため、特別に熱源を設ける必要性や、同熱源を設けるためのスペースを確保する必要性がなく、エンジンの排風を有効利用することができる。
【0012】
その結果、構造簡易にして低コストにて穀粒の脱穀性能や選別性能を良好に確保することができる。
【0013】
(3)請求項3記載の本発明では、脱穀部の直下方位置に選別部を配設すると共に、同選別部の後部上方位置でかつ脱穀部の後方位置にエンジンを配設し、同エンジンより下方へ向けてファン駆動軸を突出させて、同ファン駆動軸に温風ファンを取り付けて、同温風ファンによりエンジンの排風を脱穀部と選別部に温風として供給可能としている。
【0014】
このようにして、脱穀部の直下方位置に選別部を配設すると共に、同選別部の後部上方位置でかつ脱穀部の後方位置にエンジンを配設し、同エンジンより下方へ向けてファン駆動軸を突出させて、同ファン駆動軸に温風ファンを取り付けているため、同温風ファンによりエンジンの排風を確実に取り込むと共に、同排風を温風として脱穀部と選別部に効率よく供給することができる。
【0015】
その結果、この点からも構造簡易にして低コストにて穀粒の脱穀性能や選別性能を良好に確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の最良の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1に示すAは、本発明に係るコンバインとしての汎用コンバインを示しており、同汎用コンバインAは、機体フレーム1の下部に左右一対のクローラ式の走行部2,2を配設すると共に、機体フレーム1の前端部に刈取部3を搬送部4を介して昇降自在に取り付け、同搬送部4の直後方位置に脱穀部5を配設し、同脱穀部5の直下方位置に選別部6を配設している。
【0018】
また、汎用コンバインAは、機体フレーム1の前部であって、搬送部4の直上方位置に運転部8を配設し、同運転部8の直後方位置であって、脱穀部5の直上方位置に穀粒貯留部9を配設し、同穀粒貯留部9に穀粒搬出部10を連通連設すると共に、同穀粒貯留部9の直後方位置に原動機部11を配設している。
【0019】
以下に、汎用コンバインAの各部の構造について説明する。
【0020】
〔走行部〕
走行部2は、図1に示すように、機体フレーム1の下部に走行フレーム12を取付け、同走行フレーム12の前端部に駆動輪14を連動連結する一方、走行フレーム12の後端部に遊動輪15を回転自在に軸支し、これら駆動輪14と遊動輪15との間に履帯16を巻回している。図中、17は転動輪である。
【0021】
〔刈取部〕
刈取部3は、図1に示すように、搬送部4の先端部にプラットホーム18を連設し、同プラットホーム18内に左右方向に軸線を向けた横送りオーガ19を回動可能に横架し、同横送りオーガ19の直前方位置に刈刃装置(図示せず)を横架し、同刈刃装置の直前方位置にディバイダー21を配置し、同ディバイダー21の上方位置に昇降機構23を介して掻き込みリール22を配置している。
【0022】
このようにして、圃場に植立した穀稈を掻き込みリール22により掻き込むと共に、刈刃装置により穀稈の根元部分を刈り取り、その後、横送りオーガ19により同横送りオーガ19の略中央部に刈り取った穀稈を寄せ集めて、後方の搬送部4へ受け渡すようにしている。
【0023】
〔搬送部〕
搬送部4は、図1に示すように、機体フレーム1の前端部に前後方向に伸延するフィーダハウス24を上下回動自在に取り付け、同フィーダハウス24の内部に搬送コンベア25を配設する一方、機体フレーム1の前端上部に前部搬送ビータ26を回動可能に横架している。図中、27は、フィーダハウス24を介して刈取部3を昇降させる昇降用シリンダーである。
【0024】
このようにして、刈取部3の横送りオーガ19により寄せ集められた穀稈を搬送コンベア25と前部搬送ビータ26とで後方の脱穀部5へ搬送するようにしている。
【0025】
〔脱穀部〕
脱穀部5は、図1に示すように、搬送部4の直後方位置に扱室42を形成し、同扱室42の内部に略同一外径を有する円筒状の第1扱胴28と第2扱胴29とを回動軸線を左右幅方向に向けた状態で前後に間隔を開けて配設し、第1扱胴28の直下方位置に第1コンケーブ30を第1扱胴28の下半部周面に沿わせて周方向に連続的に張設すると共に、第2扱胴29の直下方位置に第2コンケーブ31を第2扱胴29の下半部周面に沿わせて周方向に連続的に張設している。
【0026】
このようにして、搬送部4によって搬送された穀稈は、第1扱胴28と第1コンケーブ30との間に形成される脱穀空間内において、同第1扱胴28の作用によって第1扱胴28の左側端部から右側端部へ移送されながら脱穀処理され、その後、第2扱胴29と第2コンケーブ31との間に形成される脱穀空間内において、同第2扱胴29の作用によって第2扱胴29の右側端部から左側端部へ移送されながら脱穀処理されて、穀粒は自重により各コンケーブ30,31を通過して下方の選別部6へ落下するようにしている。
【0027】
〔選別部〕
選別部6は、図1に示すように、第1扱胴28と第2扱胴29の直下方位置に揺動機構33を介して揺動選別体32を上下方向に揺動可能に配設している。39は、左右方向に伸延して一番穀粒を受ける一番穀粒受樋、40は、左右方向に伸延して二番穀粒を受ける二番穀粒受樋、41は唐箕である。
【0028】
また、一番穀粒受樋39内には左右方向に伸延する一番穀粒搬送コンベア43を配置し、同一番穀粒搬送コンベア43の左側端部に上下方向に伸延する揚穀コンベア44の下端部を連設する一方、同揚穀コンベア44の上端部を前記した穀粒貯留部9に連設して、一番穀粒受樋39内の一番穀粒を一番穀粒搬送コンベア43→揚穀コンベア44→穀粒貯留部9へ搬送するようにしている。
【0029】
そして、二番穀粒受樋40内には左右方向に伸延する二番搬送コンベア45を配置し、同二番搬送コンベア45の左側端部に前後方向に伸延する還元コンベア(図示せず)の後端部を連設する一方、同還元コンベアの前端部を前記した扱室42に連設して、二番穀粒受樋40内の二番穀粒を扱室42に還元して、再度脱穀するようにしている。
【0030】
〔運転部〕
運転部8は、機体フレーム1の前端中央上部に略矩形箱型状のキャビン50を配設し、同キャビン50内の平面視中央後部に座席51を配設し、同座席51の前方位置にフロントコラム52を配設し、同フロントコラム52の上端部にステアリングホイール53を設けている。54は、変速レバーである。
【0031】
〔穀粒貯留部〕
穀粒貯留部9は、前記した脱穀部5に設けた第1扱胴28と第2扱胴29の直上方位置にグレンタンク55を配設し、同グレンタンク55に前記した選別部6に設けた一番穀粒受樋39を揚穀コンベア44を介して連通連結している。
【0032】
〔穀粒搬出部〕
穀粒搬出部10は、グレンタンク55内の右側下部に横搬出用スクリューコンベア(図示せず)を前後方向に軸線を向けて横架し、同横搬出用スクリューコンベアの後端部に下端部を連通連結した縦搬出用スクリューコンベア57を原動機部11の右側方位置にて上下方向に軸線を向けて配置し、同縦搬送用スクリューコンベア57の上端部に後端部を連通連結した搬出オーガ58を前方へ向けて伸延させ、かつ、後端部を中心に旋回及び上下回動自在としている。58aは、搬出オーガ58の搬出口である。
【0033】
〔原動機部〕
原動機部11は、機体の上側後部にエンジンEを配設し、同エンジンEを前記刈刃装置やミッション(図示せず)等の各動力機構部に伝動機構(図示せず)を介して連動連結している。
【0034】
そして、エンジンEを駆動させることによって、脱穀部5や選別部6等の各動力機構部が連動して作動するようにしている。
【0035】
〔本発明の要旨〕
上記のような構成において、本発明の要旨は、前記エンジンEに温風供給手段80を連動連結し、同温風供給手段80により前記脱穀部5と選別部6に温風を供給可能としたことにある。
【0036】
すなわち、温風供給手段80は、図1及び図2に示すように、エンジンEより直下方へ向けてファン駆動軸81を突出させて設け、同ファン駆動軸81に温風ファン82を取り付けて、同温風ファン82を揺動選別体32の後部の直上方位置に配置し、同温風ファン82によりエンジンEの排風を脱穀部5と選別部6に温風Woとして供給可能としている。
【0037】
このようにして、温風ファン82により脱穀部5と選別部6に温風Woを供給可能としているため、穀稈が雨露等により濡れた状態で刈取作業を行った場合でも、穀粒や穀稈に温風Woを供給することにより、穀粒や穀稈が互いに付着するのを防止することができて、穀粒の脱穀性能や選別性能を良好に確保することができる。
【0038】
この際、脱穀部5の直下方位置に選別部6を配設すると共に、同選別部6の揺動選別体32の後部上方位置でかつ脱穀部5の後方位置にエンジンEを配設し、同エンジンEより下方へ向けてファン駆動軸81を突出させて、同ファン駆動軸81に温風ファン82を取り付けて、同温風ファン82によりエンジンEの排風を脱穀部5と選別部6に温風Woとして供給可能としているため、同温風ファン82によりエンジンEの排風を確実に取り込むと共に、同排風を温風Woとして脱穀部5と選別部6に効率よく供給することができる。
【0039】
しかも、温風ファン82によりエンジンEの排風を脱穀部5と選別部6に温風Woとして供給可能としているため、特別に熱源を設ける必要性や、同熱源を設けるためのスペースを確保する必要性がなく、エンジンEの排風を有効利用することができる。
【0040】
その結果、構造簡易にして低コストにて穀粒の脱穀性能や選別性能を良好に確保することができる。
【0041】
次に、本実施の形態における他の特徴的構造について、図面を参照しながら説明する。
【0042】
すなわち、前記した選別部6の揺動選別体32は、図2に示すように、支持枠体85の前部にフィードパン86を配設し、同フィードパン86の後方位置に穀粒漏下量を調節自在とした前側チャフシーブ87を配設して、上記フィードパン86の後端部により前側チャフシーブ87の前部直上方位置に向けて第1篩い線88を突出させ、同第1篩い線88の下方位置にグレンパン89を配設し、同グレンパン89の後方位置にグレンシーブ90を配設し、同グレンシーブ90の後端縁部と流穀板83との間に第2篩い線84を配設し、同第2篩い線84の後上方位置でかつ上記前側チャフシーブ87の後下方位置に穀粒漏下量を調節自在とした後側チャフシーブ91を配設して構成している。
【0043】
そして、図3に示すように、フィードパン86の下面には複数(本実施の形態では三個)の振動素子92を前後方向に間隔を開けて取り付け、各振動素子92をコントローラ等の制御手段93の出力側に接続している。
【0044】
このようにして、制御手段93で発生させた高周波の印加電圧をフィードパン86に取り付けた振動素子に与えて、揺動選別体32を微細に振動させることができるようにしている。
【0045】
従って、高水分の作物を収穫した際に、揺動選別体32に塵や葉くず等が付着すると選別性能が低下するが、振動素子92により揺動選別体32に高周波で微細な振動を与えることにより、同揺動選別体32への塵等の付着を抑制することができて、高水分の作物でも選別性能を良好に確保することができる。
【0046】
また、図3及び図4(a)に示すように、前側チャフシーブ87は、前後方向に伸延させて形成した左右一対のチャフシーブ支持体94,94間に、左右方向に伸延させて形成した多数のチャフシーブ形成片95を横架しており、各チャフシーブ形成片95は、左右側上端部に設けた枢軸96,96を介してチャフシーブ支持体94,94に左右方向の軸線回りに揺動自在に枢支して、全てのチャフシーブ形成片95を一体的に前後方向に揺動させて、前後方向に隣接するチャフシーブ形成片95,95同士の前後間隔、すなわち、チャフシーブ開度を調節することができるようにしている。
【0047】
ここで、チャフシーブ開度は、図3に示すチャフシーブ開度調節手段97により調節することができるようにしており、同チャフシーブ開度調節手段97は、前記制御手段93の出力側に接続する一方、同制御手段93の入力側にフィードパン86上に漏下した穀粒量を検出する穀粒量検出手段を接続している。
【0048】
このようにして、穀粒量検出手段98がフィードパン86上に漏下した穀粒量を検出し、その検出結果に基づいて制御手段93がチャフシーブ開度調節手段97を適度に駆動させることにより、チャフシーブ開度が自動的に調節されるようにしている。
【0049】
また、前側チャフシーブ87の直下方位置に配置した前記グレンシーブ90は、後端縁部を左右方向に軸線を向けた支軸片99により支持枠体85に枢支して、同グレンシーブ90を図3に示す姿勢変更手段100により前高後低の傾斜姿勢(イ)(図4(b)参照)と前低後高の傾斜姿勢(ロ)(図4(c)参照)とに姿勢変更可能としている。Kは穀粒である。
【0050】
しかも、グレンシーブ90は、前記した前側チャフシーブ87のチャフシーブ開度が閉状態に制御された場合に、前高後低の傾斜姿勢(イ)となるように制御されると共に、チャフシーブ開度が開状態に制御された場合に、前低後高の傾斜姿勢(ロ)となるように制御されるようにしている。
【0051】
このようにして、刈取作業の始め時や刈取作業の終わり時のように、フィードパン86上に漏下した穀粒量が少量の場合には、チャフシーブ開度が閉状態となるように制御して、グレンシーブ90への漏下量を少なくすると共に、同グレンシーブ90が前高後低の傾斜姿勢(イ)となるように制御して、同グレンシーブ90上における稈切れの送りが早くなるようにしている。
【0052】
従って、グレンシーブ90の漏下分布も前から後ろまで緩やかとなり、グレンシーブ90の全面を有効利用することができて、稈切れや枝梗付き穀粒の混入を低減させることができる。
【0053】
また、フィードパン86上に漏下した穀粒量が多量の場合には、チャフシーブ開度が開状態となるように制御して、グレンシーブ90への漏下量を多くすると共に、同グレンシーブ90が前低後高の傾斜姿勢(ロ)となるように制御して、同グレンシーブ90の前端縁部とグレンパン89の後端縁部との間に開口部101を形成することができる。
【0054】
従って、唐箕41から送風される選別風Wの一部である分流選別風Waを開口部101を通してグレンシーブ90上に流入させて、同グレンシーブ90上の穀粒を風選することができる。その結果、稈切れ等も確実に風選することができて、選別効率を向上させることができる。
【0055】
また、前記した第2篩い線84は、図5に示すように、グレンシーブ90の後端縁部を支持している支軸片99に基端縁部(前端縁部)84aを枢支して、図5(a)に示すように、略水平状態の使用位置(ハ)と、上方へ跳ね上げた不使用位置(ニ)との間で回動自在となしている。
【0056】
そして、第2篩い線84の基部(前部)の左側部には、図5(a)(b)に示すように、仮止めボール収容ケース102を設け、同仮止めボール収容ケース102内に仮止めボール103を押圧スプリング104により左側外方へ押圧状態に弾性付勢して収容する一方、支持枠体85の左側壁85aに係合用凹部105を形成して、同係合用凹部105に仮止めボール103を係合させることにより、第2篩い線84を略水平状態の使用位置(ハ)に仮止めすることができるようにしている。
【0057】
このようにして、選別作業を行う際には、第2篩い線84を使用位置(ハ)に仮止め状態にしておき、流穀板83の掃除等を行う際には、かかる仮止め状態から、第2篩い線84を不使用位置(ニ)まで上方に跳ね上げて仮止め状態を解除した状態となすことにより、流穀板83の掃除等を楽に行うことができる。
【0058】
図6は、他の実施形態としてのグレンシーブ清掃手段110を示しており、同グレンシーブ清掃手段110は、左右方向に伸延してグレンシーブ90の左右幅と略同一幅に形成したブラシ支軸111と、同ブラシ支軸111の外周面に左右幅の全副にわたって突設したブラシ112と、上記ブラシ支軸111を回転させながらグレンシーブ90の上面上を前後方向に移動させる移動ベルト113と、同移動ベルト113を支持する従動プーリ114及び駆動プーリ115と、同駆動プーリ115を駆動させる電動モータ116とを具備している。117は従動プーリ支軸、118は駆動プーリ支軸、119は出力軸、120は出力プーリ、121は入力プーリ、122は駆動ベルトである。
【0059】
このようにして、電動モータ116により駆動ベルト122を介して駆動プーリ115を正・逆回動させることにより、ブラシ112をグレンシーブ90上にて前後方向に回転させながら移動させることができる。
【0060】
この際、ブラシ112が、グレンシーブ90上を回転しながら移動するため、同グレンシーブ90に目詰まりしている塵や葉等を確実に取り除くことができて、同グレンシーブ90を適正に機能させることができる。
【0061】
また、ブラシ112によるグレンシーブ90の清掃作業は、任意の時間に作業者が電動モータ116を駆動させて行うことも、また、電動モータ116を制御手段93により制御して、あらかじめ設定した時間に、一定時間だけ自動的に駆動させて行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るコンバインの一部切欠側面説明図。
【図2】同コンバインの脱穀部と選別部と原動機部の拡大側面説明図。
【図3】選別部の拡大側面説明図。
【図4】(a)はチャフシーブとグレンシーブの側面説明図、(b)はグレンシーブの前高後低の傾斜姿勢の説明図、(c)はグレンシーブの前低後高の傾斜姿勢の説明図。
【図5】(a)は第2篩い線の側面説明図、(b)は同第2篩い線の平面説明図。
【図6】(a)はグレンシーブ清掃手段の側面説明図、(b)は同グレンシーブ清掃手段の平面説明図。
【符号の説明】
【0063】
A 汎用コンバイン
1 機体フレーム
2 走行部
3 刈取部
4 搬送部
5 脱穀部
6 選別部
7 排藁処理部
8 運転部
9 穀粒貯留部
10 穀粒搬出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部と、同脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部と、同選別部や脱穀部等を駆動するエンジンとを具備するコンバインにおいて、
上記エンジンに温風供給手段を連動連結し、同温風供給手段により前記脱穀部と選別部に温風を供給可能としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
温風供給手段は、エンジンに設けたファン駆動軸に温風ファンを取り付けて、同温風ファンによりエンジンの排風を脱穀部と選別部に温風として供給可能としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
脱穀部の直下方位置に選別部を配設すると共に、同選別部の後部上方位置でかつ脱穀部の後方位置にエンジンを配設し、同エンジンより下方へ向けてファン駆動軸を突出させて、同ファン駆動軸に温風ファンを取り付けて、同温風ファンによりエンジンの排風を脱穀部と選別部に温風として供給可能としたことを特徴とする請求項1又は2記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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