コンバイン
【課題】冷却用ファンの正回転と逆回転とに切り替えるベルトの摩耗等の課題と、エンジンの出力回転速度に対する冷却用ファンの回転速度を変更することができず、エンジンに負荷が掛かり、エンジンの主力回転が低下した場合、冷却用ファン13の回転速度もこれに伴って低下し、冷却用ファンによる冷却効率が悪化する問題がある。
【解決手段】エンジン12から冷却用ファン13への動力伝達経路中にモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21を設け、該正逆転機構21は、前記冷却用ファン13をエンジン12の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン13を前記エンジン12の駆動回転とモータ20の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【解決手段】エンジン12から冷却用ファン13への動力伝達経路中にモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21を設け、該正逆転機構21は、前記冷却用ファン13をエンジン12の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン13を前記エンジン12の駆動回転とモータ20の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行装置の前方に刈取装置を設け、走行装置の上方一側に脱穀装置を、上方他側にグレンタンクを設け、走行装置等を駆動するエンジンの外側には冷却用ファンと防塵ネットを有するラジエーターカバーを設け、前記冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献1)。
この冷却用ファンの回転を逆転させるのは、ラジエーターカバーの防塵ネットの表側の藁屑や塵埃等の付着物を吹散させて除去するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−36862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成のため、ベルトの摩耗等の課題がある。
また、公知例では、エンジンの出力回転速度に対する冷却用ファンの回転速度を変更することができず、エンジンに負荷が掛かり、エンジンの主力回転が低下した場合、冷却用ファン13の回転速度もこれに伴って低下し、冷却用ファンによる冷却効率が悪化する問題がある。
本願は、冷却用ファンの回転伝動機構を工夫し、簡単にラジエーターカバーの防塵ネットの付着物を除去するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、走行装置2の前方に刈取装置4を設け、走行装置2の上方一側に脱穀装置を、上方他側にグレンタンク5を設け、前記走行装置2と刈取装置4と脱穀装置を駆動するエンジン12を設け、該エンジン12の外側には冷却用ファン13と防塵ネット17を有するラジエーターカバー15とを設け、前記エンジン12から冷却用ファン13への動力伝達経路中にモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21を設け、該正逆転機構21は、前記冷却用ファン13をエンジン12の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン13を前記エンジン12の駆動回転とモータ20の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、通常ではモータ20を停止させ、エンジン12の駆動回転によって冷却用ファン13を正回転駆動して機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン12を冷却する。一方、モータ20を駆動させると、冷却用ファン13が逆回転して機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去する。
請求項2の発明は、前記正逆転機構21は、該正逆転機構21にエンジン12の回転を入力する入力軸24と、正逆転機構21から冷却用ファン13へ出力する正逆転出力軸29との間に、リングギヤ25とプラネタリギヤ26とサンギヤ27とからなる遊星ギヤ機構22を設けた構成とし、該遊星ギヤ機構22により前記冷却用ファン13をエンジン12の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン13を前記エンジン12の駆動回転とモータ20の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、通常ではモータ20を停止させ、エンジン12の駆動回転を正回転駆動して遊星ギヤ機構22を介して冷却用ファン13に出力し、冷却用ファン13を機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン12を冷却する。一方、モータ20を駆動させて遊星ギヤ機構22により冷却用ファン13を逆回転させて機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去する。
請求項3の発明は、前記正逆転機構21は、該正逆転機構21にエンジン12の回転を入力する入力軸24と、正逆転機構21から冷却用ファン13へ出力する正逆転出力軸29との間に、デファレンシャルケース41内に備えた複数の傘歯車46を有するデファレンシャル機構40とクラッチ機構50とを設けた構成とし、該デファレンシャル機構40およびクラッチ機構50により前記冷却用ファン13をエンジン12の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン13を前記エンジン12の駆動回転とモータ20の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、通常ではモータ20を停止させ、エンジン12の駆動回転をデファレンシャル機構40を介して冷却用ファン13に出力し、冷却用ファン13を正回転駆動して機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン12を冷却する。一方、クラッチ機構50による駆動回転の伝達を遮断し、モータ20を駆動させてデファレンシャル機構40により冷却用ファン13を逆回転させて機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去する。
請求項4の発明は、前記モータ20は駆動回転速度を無段階に変更可能とし、該モータ20の駆動回転速度を変更することにより前記正逆転機構21を介して前記冷却用ファン13の回転速度を変更しうる構成としたコンバインとしたものであり、モータ20の回転数を変更することにより冷却用ファン13の回転数を変更する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、モータ20により冷却用ファン13の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替え、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去することができる。また、エンジン12とモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21によって冷却用ファン13の回転方向を切り換えるので、切換機構の耐久性を高めることができる。
請求項2の発明では、モータ20と遊星ギヤ機構22により冷却用ファン13の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替え、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去することができる。また、エンジン12とモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21によって冷却用ファン13の回転方向を切り換えるので、切換機構の耐久性を高めることができる。
請求項3の発明では、モータ20とデファレンシャル機構40とクラッチ機構50により冷却用ファン13の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替え、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去することができる。また、エンジン12とモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21によって冷却用ファン13の回転方向を切り換えるので、切換機構の耐久性を高めることができる。
請求項4の発明は、モータ20の回転数を変更して冷却用ファン13の回転速度を変更できるので、エンジン12の回転速度が低下しても、冷却用ファン13による冷却効率を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】エンジンおよび正逆転機構の概略図。
【図3】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図4】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図5】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図6】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図7】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図8】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図9】走行装置の油圧回路図。
【図10】走行装置のミッションおよび操作レバーの概略図。
【図11】同他の実施例図。
【図12】操作レバーの側面図。
【図13】同拡大図。
【図14】操作レバーの操作機構の他の実施例図。
【図15】同拡大図。
【図16】操作レバーの操作機構の他の実施例図。
【図17】同拡大図。
【図18】同概略図。
【図19】操作レバーの操作機構の他の実施例図。
【図20】同概略図。
【図21】同拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置であり、走行装置2の上方の一側には脱穀装置(図示省略)を設け、該脱穀装置3の前側には刈取装置4を設ける。前記脱穀装置の側部には脱穀装置により脱穀および選別した穀粒を一次貯留するグレンタンク5を設け、グレンタンク5の前側には操縦部7を設けている(図1)。
操縦部7の運転座席10の下方(後側)付近には周囲を包囲されたエンジンルーム11を形成し、エンジンルーム11内にエンジン12を設ける。エンジン12の外側(右側)にはエンジン冷却用ファン13を設ける(図2)。ラジエーター14の外側にはラジエーターカバー15を設ける。ラジエーターカバー15に設けた開口部16には防塵ネット17を設ける。
前記冷却用ファン13はエンジン12の駆動回転により回転し、エンジン12から冷却用ファン13への伝達経路中にモータ20とエンジン12の回転を合成する正逆転機構21を設け、正逆転機構21により冷却用ファン13を正逆転させる構成とする。
【0009】
そのため、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
前記正逆転機構21は、所謂遊星ギヤ機構22により構成し、一例を示すと、23はエンジン12のエンジン出力軸、23Aは出力プーリ、24は正逆転機構21の入力軸、24Aは入力プーリ、24Bはベルト、25は入力軸24に遊嵌状態に設けたリングギヤ、26はリングギヤ25の内周の歯部(図示省略)とサンギヤ27とに噛み合うプラネタリギヤであり、サンギヤ27は入力軸24に固定状態に取付ける。
28はプラネタリギヤ26を取付けたプラネタリギヤホルダであり、入力軸24に遊嵌状態に設ける。29は正逆転機構21の正逆転出力軸であり、正逆転出力軸29に設けた中間ギヤ30をリングギヤ25の外周の歯部(図示省略)に噛み合わせる。また、プラネタリギヤホルダ28の外周の歯部(図示省略)には前記モータ20のモータ出力軸31に設けたモータ出力ギヤ32を噛み合わせる。
【0010】
したがって、通常作業時ではモータ20は停止しており、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、モータ20に通電すると、プラネタリギヤホルダ28を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
33は正逆転出力軸29に固定の出力プーリ、34は冷却用ファン13の回転軸35に設けた入力プーリ、36はベルト、37は入力軸24に設けたジェネレータ37である。
図3は、正逆転機構21を所謂デファレンシャル機構40により構成し、一例を示すと、デファレンシャル機構40のデファレンシャルケース41を正逆転出力軸29に軸装する。42はデファレンシャルケース41の入力軸であり、正逆転出力軸29に遊嵌状態に軸装する。入力軸42に設けた入力歯車43に入力軸24に設けた歯車44を噛み合わせる。
45はデファレンシャルケース41に軸装した傘歯車、46は正逆転出力軸29に固定の傘歯車、47は入力軸42に固定の傘歯車、48はケース歯車であり、ケース歯車48にはモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせる。
【0011】
したがって、通常作業時ではモータ20は停止しており、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、モータ20に通電すると、ケース歯車48を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
図4は、正逆転機構21を所謂クラッチ機構50により構成し、一例を示すと、入力軸24に摺動ギヤ51を遊嵌し、摺動ギヤ51と入力軸24との間に第一クラッチ52を設ける。摺動ギヤ51は正逆転出力軸29の歯車53に噛み合わせる。54は摺動ギヤ51を摺動させるシフタである。
また、摺動ギヤ51には別途第二クラッチ55を設け、第二クラッチ55のクラッチ歯車56にモータ20のモータ出力軸31のモータ出力ギヤ32を噛み合わせる。 57は第一クラッチ52を入り方向に付勢するバネである。
通常作業時ではモータ20は停止しており、第一クラッチ52が入りになって、摺動ギヤ51が歯車53を回転させ、冷却用ファン13はエンジン12により駆動させて、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
【0012】
一方、第一クラッチ52を切りにし、モータ20に通電し、第二クラッチ55を入りにすると、モータ20の駆動回転を第二クラッチ55により摺動ギヤ51を介して正逆転出力軸29を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
図5は、正逆転機構21を別のクラッチ機構50により構成し、入力軸24に摺動ギヤ51を遊嵌し、摺動ギヤ51と入力軸24との間にクラッチ52を設ける。入力軸24には、クラッチ52を入り方向に付勢するバネ57を設ける。
摺動ギヤ51にはモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせる。モータ出力ギヤ32のモータ出力軸31は正逆転出力軸29を兼用し、通常作業時ではモータ20は停止しており、クラッチ52が入りになって、冷却用ファン13はエンジン12により駆動させて、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、モータ20に通電し、クラッチ52を切りにすると、摺動ギヤ51を空転させて、モータ20によりモータ出力軸31(正逆転出力軸29)を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
なお、モータ20は通常作業時でエンジン12の駆動により回転するので、ジェネレータ37と兼用構成となる。
【0013】
図6は、正逆転機構21は、冷却用伝動経路と除塵用伝動経路との二系統の伝動経路を有し、二系統の伝動経路を切替える切替クラッチ60により構成し、一例を示すと、入力軸24に正転用歯車61と逆転用歯車62とを固定し、正転用歯車61に正逆転出力軸29の正転用出力歯車63を噛み合わせる。
一方、逆転用歯車62にカウンタ歯車64を噛み合わせ、カウンタ歯車64に正逆転出力軸29の逆転用出力歯車65を噛み合わせる。
正転用出力歯車63と逆転用出力歯車65は共に正逆転出力軸29に遊嵌し、正転用出力歯車63と逆転用出力歯車65の夫々と正逆転出力軸29との間に切替クラッチ60を設ける。
通常作業時では、切替クラッチ60を正転用出力歯車63と正逆転出力軸29とが入りになるように切替え、エンジン12からの回転を正逆転出力軸29に伝達して出力し、冷却用ファン13を機体外部から機体内部方向へ送風する正回転とする。
【0014】
一方、切替クラッチ60を逆転用出力歯車65が入りになるよう切替えると、モータ20の回転がカウンタ歯車64により逆転して逆転用出力歯車65に伝達し、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転とする。
この場合、入力軸24の入力プーリ24Aは正逆転機構21のケース67の外面側に位置させる。
そのため、入力プーリ24Aと出力プーリ33は何れも、ケース67の同一側面側となる外面側に配置され、ウォーターポンプ駆動ベルト68(24B)とファン駆動ベルト69(36)とを軸方向に対する交差方向において隣接させることができ、軸間距離を短くでき、コンパクトに構成できる。
また、モータ20(ジェネレータ37)は、ケース67の内面側に、入力軸24の入力プーリ24Aとによりケース67を挟むように配置する構成とする。
そのため、構成がコンパクトになり、入力軸24に掛かるモーメントの負荷が軽減され、入力プーリ24Aの剛性を向上させられる。
【0015】
図7は、前記デファレンシャル機構40の他の実施例であり、前記入力軸24にクラッチ機構50とブレーキ機構70を設け、摺動ギヤ51を回転状態と停止状態とに切り替える構成とし、摺動ギヤ51は正逆転出力軸29に設けたデファレンシャル機構40のデファレンシャルケース41のケース歯車48に噛み合わせ、クラッチ機構50の歯車71を正逆転出力軸29に遊嵌したデファレンシャル機構40の入力歯車43に噛み合わせる。
したがって、通常作業時ではクラッチ機構50が入りになって、クラッチ機構50の歯車71と摺動ギヤ51の両方の回転が入力され、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、クラッチ52を切ってブレーキ機構70を作動させて、デファレンシャル機構40のモータ20に通電すると、ケース歯車48を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
【0016】
図8は、前記正逆転機構21の他の実施例であり、前記入力軸24に遊星ギヤ機構22とブレーキ機構70を設ける。遊星ギヤ機構22のサンギヤ27とプラネタリギヤホルダ28との間にクラッチ機構50を設ける。
通常作業時では、クラッチ機構50が入りとなって、サンギヤ27とリングギヤ25は同一方向に一体回転し、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、クラッチ機構50を切ってブレーキ機構70を作動させて、プラネタリギヤホルダ28の回転を停止させ、その結果、リングギヤ25はサンギヤ27と逆回転させ、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
【0017】
図9は、走行装置2の油圧回路を示し、エンジン12の回転を無段変速装置(H.S.T)72の操作レバー(主変速レバー)73により変速して走行する。操作レバー73の操作は、その操作量をポジションセンサ74により検出し、操作レバー73の操作位置に応じた車速になるように、無段変速装置72のトラニオンアームまたはトラニオンギヤ75を油圧シリンダまたは電動モータ76により回動させる。
一方、ミッションケース77の所定位置に回転センサ78を設け、回転センサ78によりミッションケース77の実際の出力回転を検出する。
前記ポジションセンサ74が操作レバー73の中立位置への操作を検出し、回転センサ78が機体走行状態を検出すると、エンジン12を停止させる。
そのため、油圧系または電気系の不具合により操作レバー73の中立操作をしても機体停止できなくなることを回避できる。
【0018】
また、操作レバー73を中立位置へ操作しても、トラニオンアームまたはトラニオンギヤ75が中立位置まで戻っていないことを油圧シリンダまたは電動モータ76の作動位置により検出すると、エンジン12を停止させる。
そのため、油圧系または電気系の不具合により操作レバー73の中立操作をしても機体停止できなくなることを回避できる。
図11の実施例では、駐車ブレーキペダル79の操作を検出するブレーキ検出手段80を設ける。
駐車ブレーキペダル79の操作をブレーキ検出手段80が検出した状態で、ブレーキ検出手段80が機体走行状態を検出すると、エンジン12を停止させる。
そのため、電気的不具合により駐車ブレーキペダル79の操作をしても機体停止できなくなることを回避できる。
【0019】
前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する(図12)。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、ローラーアーム85にはバネ88を設け、レバーアーム81の操作方向のローラーアーム85の回動を補助するように付勢する。
そのため、操作レバー73の操作中では、バネ88の弾力により操作力を軽減させ、操作レバー73が走行抵抗により戻ろうとする荷重はブレーキ87により支持し、旋回時の操作レバー73の戻りを防止する。
【0020】
この場合、ローラーアーム85には中立位置のとき最も遠くなる頂点89と、該頂点89の両側に傾斜面90を形成すると、操作時にはバネ88を作用させ、戻り時にはブレーキ87を作用させられ、ブレーキ87とバネ88とを有効に作用させられて好適である。
図14,15の実施例では、前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、操向レバー(パワステレバー)100とブレーキ87のブレーキアーム91とをワイヤー92により連結する。
【0021】
そのため、操向レバー100の操作により旋回を行うと、旋回の走行抵抗により操作レバー73が中立位置に戻ろうとするが、操向レバー100の操作をワイヤー92により連動させてブレーキ87を作動させるので、操作レバー73が走行抵抗による旋回時の中立位置への戻りを防止する。
したがって、操向レバー100を操作していないときは、ブレーキ87は作動せず、操作レバー73の操作力を軽減でき、操作性を犠牲にせずに、走行抵抗による操作レバー73の中立位置への戻りを防止できる。
図16、17、18の実施例では、前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアームローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、ブレーキ87のブレーキアーム91とミッションケース77のサイドクラッチアーム93とをワイヤー92により連結する。
【0022】
そのため、操向レバー100を左右何れか一方に操作すると、サイドクラッチアーム93が回動してワイヤー92を牽引してブレーキ87を作動させ、旋回時の走行抵抗による操作レバー73の戻りを防止する。
図19の実施例では、前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアームローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、無段変速装置72の回路の圧力を検出する圧力センサ94を設けると共に、ブレーキ87とモータ95とをワイヤー92により連結する。
そのため、操作レバー73の操作時にはブレーキ87は作動せず、圧力センサ94による圧力増加を検出されたときのみ、モータ95が作動してワイヤー92を牽引してブレーキ87を作動させ、操作レバー73が走行抵抗による旋回時の操作レバー73の戻りを防止する。
【0023】
図21の実施例では、前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、無段変速装置72の回路の圧力が増加すると伸びるシリンダ96を設け、シリンダ96とブレーキ87とをワイヤー92により連結する。
そのため、操作レバー73の操作時にはブレーキ87は作動せず、圧力が増加してシリンダ96が伸びたときのみ、シリンダ96がワイヤー92を牽引してブレーキ87を作動させ、操作レバー73が走行抵抗による旋回時の操作レバー73の戻りを防止する。
【0024】
(実施例の作用)
エンジン12を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取装置4で刈取った穀稈を脱穀装置で脱穀する。
エンジン12を始動すると、冷却用ファン13が回転し、ラジエーターカバー15の防塵ネット17から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター14を通過してエンジン12の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン12の外周を冷却しながら吹き抜ける。
刈取脱穀作業を続けると、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の表側に藁屑や塵埃等の付着物が付着するので、冷却用ファン13を逆回転させて、機体内部から機体外部方向へ送風させ、吹散させて除去する。
そこで、本願では、冷却用ファン13はエンジン12の駆動回転により回転し、エンジン12から冷却用ファン13への伝達経路中にモータ20とエンジン12の回転を合成する正逆転機構21を設け、正逆転機構21により冷却用ファン13を正逆転させる構成としているので、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0025】
正逆転機構21を、例えば、所謂遊星ギヤ機構22により構成した場合、遊星ギヤ機構22を入力軸24に設け、入力軸24にリングギヤ25とプラネタリギヤホルダ28を遊嵌し、サンギヤ27を入力軸24に固定し、プラネタリギヤホルダ28にモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせ、正逆転出力軸29の中間ギヤ30に遊星ギヤ機構22のリングギヤ25を噛み合わせているので、通常作業時ではモータ20を停止させ、エンジン12の駆動回転が入力軸24に入力され、リングギヤ25とサンギヤ27とが逆方向に回転し、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、モータ20に通電して、モータ20によって、プラネタリギヤホルダ28とサンギヤ27とが同一方向に同一速度で回転させると、プラネタリギヤ26が一体となって回転し、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0026】
図3のデファレンシャル機構40により正逆転機構21を構成した例では、デファレンシャル機構40のデファレンシャルケース41を正逆転出力軸29に軸装し、正逆転出力軸29に遊嵌したデファレンシャルケース41の入力軸42の入力歯車43に入力軸24に設けた歯車44を噛み合わせ、デファレンシャルケース41のケース歯車48にモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせているので、通常作業時ではモータ20は停止しており、入力歯車43と正逆転出力軸29に固定の傘歯車46は同一速度で逆方向に回転し、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、モータ20に通電すると、モータ出力ギヤ32によりケース歯車48を入力歯車43と同一方向に同一速度で回転させ、ケース歯車48と各傘歯車46とが一体回転し、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0027】
図4の正逆転機構21をクラッチ機構50により構成した例では、入力軸24に摺動ギヤ51を遊嵌し、摺動ギヤ51と入力軸24との間に第一クラッチ52を設け、また、摺動ギヤ51には別途第二クラッチ55を設け、第二クラッチ55のクラッチ歯車56にモータ20のモータ出力軸31のモータ出力ギヤ32を噛み合わせているので、通常作業時ではモータ20は停止しており、第一クラッチ52が入りになって、摺動ギヤ51が歯車53を回転させ、冷却用ファン13はエンジン12により駆動させて、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、第一クラッチ52を切りにし、モータ20に通電し、第二クラッチ55を入りにすると、モータ20の駆動回転を第二クラッチ55により摺動ギヤ51を介して正逆転出力軸29を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0028】
図5の正逆転機構21をクラッチ機構50により構成した他の例では、入力軸24に摺動ギヤ51を遊嵌し、摺動ギヤ51と入力軸24との間にクラッチ52を設け、摺動ギヤ51にはモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせているので、モータ出力ギヤ32のモータ出力軸31は正逆転出力軸29を兼用し、通常作業時ではモータ20は停止しており、クラッチ52が入りになって、冷却用ファン13はエンジン12により駆動させて、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、モータ20に通電し、クラッチ52を切りにすると、摺動ギヤ51を空転させるので、モータ20によりモータ出力軸31(正逆転出力軸29)を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0029】
なお、モータ20は通常作業時でエンジン12の駆動により回転するので、ジェネレータ37と兼用構成となり、簡素な構成となる。
図6の正逆転機構21の例では、冷却用伝動経路と除塵用伝動経路との二系統の伝動経路を有し、二系統の伝動経路を切替える切替クラッチ60により構成し、切替クラッチ60は入力軸24に正転用歯車61と逆転用歯車62とを固定し、正転用歯車61に正逆転出力軸29の正転用出力歯車63を噛み合わせ、一方、正逆転出力軸29をジェネレータ37のモータ出力軸31を兼用すると共に、逆転用歯車62にカウンタ歯車64を噛み合わせ、カウンタ歯車64に正逆転出力軸29の逆転用出力歯車65を噛み合わせているので、通常作業時では、切替クラッチ60を正転用出力歯車63と正逆転出力軸29とが入りになるように切替え、エンジン12からの回転を正逆転出力軸29に伝達して出力し、冷却用ファン13を機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
【0030】
一方、切替クラッチ60を逆転用出力歯車65が入りになるよう切替えると、入力軸24の回転がカウンタ歯車64により逆転して逆転用出力歯車65に伝達し、冷却用ファン13が機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
この場合、入力軸24の入力プーリ24Aは正逆転機構21のケース67の外面側に位置させているので、入力プーリ24Aと出力プーリ33は何れも、ケース67の同一側面側となる外面側に配置され、ウォーターポンプ駆動ベルト68とファン駆動ベルト69とを軸方向に対する交差方向において隣接させることができ、軸間距離を短くでき、コンパクトに構成できる。
また、ジェネレータ37は、ケース67の内面側に、入力軸24の入力プーリ24Aとによりケース67を挟むように配置する構成としているので、構成がコンパクトになり、入力軸24に掛かるモーメントの負荷が軽減され、入力プーリ24Aの剛性を向上させられる。
【0031】
図7のデファレンシャル機構40の他の実施例では、入力軸24にクラッチ機構50とブレーキ機構70を設け、摺動ギヤ51を回転状態と停止状態とに切り替える構成とし、摺動ギヤ51は正逆転出力軸29に設けたデファレンシャル機構40のデファレンシャルケース41のケース歯車48に噛み合わせ、クラッチ機構50の歯車71を正逆転出力軸29に遊嵌したデファレンシャル機構40の入力歯車43に噛み合わせているので、通常作業時ではクラッチ機構50が入りになって、クラッチ機構50の歯車71と摺動ギヤ51の両方の回転が入力され、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、クラッチ52を切ってブレーキ機構70を作動させて、デファレンシャル機構40のモータ20に通電すると、ケース歯車48を回転させるので、冷却用ファン13が機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0032】
図8の正逆転機構21の他の実施例では、入力軸24に遊星ギヤ機構22とブレーキ機構70を設け、遊星ギヤ機構22のサンギヤ27とプラネタリギヤホルダ28との間にクラッチ機構50を設けているので、通常作業時では、クラッチ機構50が入りとなって、サンギヤ27とリングギヤ25は同一方向に一体回転し、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、クラッチ機構50を切ってブレーキ機構70を作動させて、プラネタリギヤホルダ28の回転を停止させ、その結果、リングギヤ25はサンギヤ27と逆回転となるので、冷却用ファン13が機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの各図の実施例は夫々種々組合せ可能であり、一部図示を他の実施例と共用している場合もあり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0033】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置4、5…グレンタンク、7…操縦部、10…座席、11…エンジンルーム、12…エンジン、13…冷却用ファン、14…ラジエーター、15…ラジエーターカバー、16…開口部、17…防塵ネット、20…モータ、21…正逆転機構、22…遊星ギヤ機構、23…エンジン出力軸、24…入力軸、24A…入力プーリ、25…リングギヤ、26…プラネタリギヤ、27…サンギヤ、28…プラネタリギヤホルダ、29…正逆転出力軸、30…中間ギヤ、31…モータ出力軸、32…モータ出力ギヤ、33…出力プーリ、34…入力プーリ、35…回転軸、37…ジェネレータ、40…デファレンシャル機構、41…デファレンシャルケース、42…入力軸、43…入力歯車、44…歯車、45、46、47…傘歯車、48…ケース歯車、50…クラッチ機構、51…摺動ギヤ、52…クラッチ、53…歯車、54…シフタ、55…第二クラッチ、56…クラッチ歯車、57…バネ、60…切替クラッチ、61…正転用歯車、62…逆転用歯車、63…正転用出力歯車、64…カウンタ歯車、65…逆転用出力歯車、67…ケース、68…ウォーターポンプ駆動ベルト、70…ブレーキ機構、71…歯車、72…無段変速装置、73…操作レバー(主変速レバー)、74…ポジションセンサ、75…トラニオン手段、76…油圧シリンダまたは電動モータ、77…ミッションケース、78…回転センサ、79…駐車ブレーキペダル、80…ブレーキ検出手段、81…レバーアーム、82…固定部、83…取付軸、84…ローラ、85…ローラーアーム、86…軸、87…ブレーキ、88…バネ、89…頂点、90…傾斜面、91…ブレーキアーム、92…ワイヤー、93…サイドクラッチアーム、94…圧力センサ、95…モータ、96…シリンダ、100…操向レバー(パワステレバー)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行装置の前方に刈取装置を設け、走行装置の上方一側に脱穀装置を、上方他側にグレンタンクを設け、走行装置等を駆動するエンジンの外側には冷却用ファンと防塵ネットを有するラジエーターカバーを設け、前記冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献1)。
この冷却用ファンの回転を逆転させるのは、ラジエーターカバーの防塵ネットの表側の藁屑や塵埃等の付着物を吹散させて除去するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−36862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成のため、ベルトの摩耗等の課題がある。
また、公知例では、エンジンの出力回転速度に対する冷却用ファンの回転速度を変更することができず、エンジンに負荷が掛かり、エンジンの主力回転が低下した場合、冷却用ファン13の回転速度もこれに伴って低下し、冷却用ファンによる冷却効率が悪化する問題がある。
本願は、冷却用ファンの回転伝動機構を工夫し、簡単にラジエーターカバーの防塵ネットの付着物を除去するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、走行装置2の前方に刈取装置4を設け、走行装置2の上方一側に脱穀装置を、上方他側にグレンタンク5を設け、前記走行装置2と刈取装置4と脱穀装置を駆動するエンジン12を設け、該エンジン12の外側には冷却用ファン13と防塵ネット17を有するラジエーターカバー15とを設け、前記エンジン12から冷却用ファン13への動力伝達経路中にモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21を設け、該正逆転機構21は、前記冷却用ファン13をエンジン12の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン13を前記エンジン12の駆動回転とモータ20の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、通常ではモータ20を停止させ、エンジン12の駆動回転によって冷却用ファン13を正回転駆動して機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン12を冷却する。一方、モータ20を駆動させると、冷却用ファン13が逆回転して機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去する。
請求項2の発明は、前記正逆転機構21は、該正逆転機構21にエンジン12の回転を入力する入力軸24と、正逆転機構21から冷却用ファン13へ出力する正逆転出力軸29との間に、リングギヤ25とプラネタリギヤ26とサンギヤ27とからなる遊星ギヤ機構22を設けた構成とし、該遊星ギヤ機構22により前記冷却用ファン13をエンジン12の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン13を前記エンジン12の駆動回転とモータ20の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、通常ではモータ20を停止させ、エンジン12の駆動回転を正回転駆動して遊星ギヤ機構22を介して冷却用ファン13に出力し、冷却用ファン13を機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン12を冷却する。一方、モータ20を駆動させて遊星ギヤ機構22により冷却用ファン13を逆回転させて機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去する。
請求項3の発明は、前記正逆転機構21は、該正逆転機構21にエンジン12の回転を入力する入力軸24と、正逆転機構21から冷却用ファン13へ出力する正逆転出力軸29との間に、デファレンシャルケース41内に備えた複数の傘歯車46を有するデファレンシャル機構40とクラッチ機構50とを設けた構成とし、該デファレンシャル機構40およびクラッチ機構50により前記冷却用ファン13をエンジン12の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン13を前記エンジン12の駆動回転とモータ20の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、通常ではモータ20を停止させ、エンジン12の駆動回転をデファレンシャル機構40を介して冷却用ファン13に出力し、冷却用ファン13を正回転駆動して機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン12を冷却する。一方、クラッチ機構50による駆動回転の伝達を遮断し、モータ20を駆動させてデファレンシャル機構40により冷却用ファン13を逆回転させて機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去する。
請求項4の発明は、前記モータ20は駆動回転速度を無段階に変更可能とし、該モータ20の駆動回転速度を変更することにより前記正逆転機構21を介して前記冷却用ファン13の回転速度を変更しうる構成としたコンバインとしたものであり、モータ20の回転数を変更することにより冷却用ファン13の回転数を変更する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、モータ20により冷却用ファン13の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替え、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去することができる。また、エンジン12とモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21によって冷却用ファン13の回転方向を切り換えるので、切換機構の耐久性を高めることができる。
請求項2の発明では、モータ20と遊星ギヤ機構22により冷却用ファン13の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替え、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去することができる。また、エンジン12とモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21によって冷却用ファン13の回転方向を切り換えるので、切換機構の耐久性を高めることができる。
請求項3の発明では、モータ20とデファレンシャル機構40とクラッチ機構50により冷却用ファン13の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替え、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の付着物を除去することができる。また、エンジン12とモータ20の回転駆動力を合成する正逆転機構21によって冷却用ファン13の回転方向を切り換えるので、切換機構の耐久性を高めることができる。
請求項4の発明は、モータ20の回転数を変更して冷却用ファン13の回転速度を変更できるので、エンジン12の回転速度が低下しても、冷却用ファン13による冷却効率を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】エンジンおよび正逆転機構の概略図。
【図3】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図4】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図5】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図6】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図7】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図8】正逆転機構の他の実施例の概略図。
【図9】走行装置の油圧回路図。
【図10】走行装置のミッションおよび操作レバーの概略図。
【図11】同他の実施例図。
【図12】操作レバーの側面図。
【図13】同拡大図。
【図14】操作レバーの操作機構の他の実施例図。
【図15】同拡大図。
【図16】操作レバーの操作機構の他の実施例図。
【図17】同拡大図。
【図18】同概略図。
【図19】操作レバーの操作機構の他の実施例図。
【図20】同概略図。
【図21】同拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置であり、走行装置2の上方の一側には脱穀装置(図示省略)を設け、該脱穀装置3の前側には刈取装置4を設ける。前記脱穀装置の側部には脱穀装置により脱穀および選別した穀粒を一次貯留するグレンタンク5を設け、グレンタンク5の前側には操縦部7を設けている(図1)。
操縦部7の運転座席10の下方(後側)付近には周囲を包囲されたエンジンルーム11を形成し、エンジンルーム11内にエンジン12を設ける。エンジン12の外側(右側)にはエンジン冷却用ファン13を設ける(図2)。ラジエーター14の外側にはラジエーターカバー15を設ける。ラジエーターカバー15に設けた開口部16には防塵ネット17を設ける。
前記冷却用ファン13はエンジン12の駆動回転により回転し、エンジン12から冷却用ファン13への伝達経路中にモータ20とエンジン12の回転を合成する正逆転機構21を設け、正逆転機構21により冷却用ファン13を正逆転させる構成とする。
【0009】
そのため、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
前記正逆転機構21は、所謂遊星ギヤ機構22により構成し、一例を示すと、23はエンジン12のエンジン出力軸、23Aは出力プーリ、24は正逆転機構21の入力軸、24Aは入力プーリ、24Bはベルト、25は入力軸24に遊嵌状態に設けたリングギヤ、26はリングギヤ25の内周の歯部(図示省略)とサンギヤ27とに噛み合うプラネタリギヤであり、サンギヤ27は入力軸24に固定状態に取付ける。
28はプラネタリギヤ26を取付けたプラネタリギヤホルダであり、入力軸24に遊嵌状態に設ける。29は正逆転機構21の正逆転出力軸であり、正逆転出力軸29に設けた中間ギヤ30をリングギヤ25の外周の歯部(図示省略)に噛み合わせる。また、プラネタリギヤホルダ28の外周の歯部(図示省略)には前記モータ20のモータ出力軸31に設けたモータ出力ギヤ32を噛み合わせる。
【0010】
したがって、通常作業時ではモータ20は停止しており、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、モータ20に通電すると、プラネタリギヤホルダ28を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
33は正逆転出力軸29に固定の出力プーリ、34は冷却用ファン13の回転軸35に設けた入力プーリ、36はベルト、37は入力軸24に設けたジェネレータ37である。
図3は、正逆転機構21を所謂デファレンシャル機構40により構成し、一例を示すと、デファレンシャル機構40のデファレンシャルケース41を正逆転出力軸29に軸装する。42はデファレンシャルケース41の入力軸であり、正逆転出力軸29に遊嵌状態に軸装する。入力軸42に設けた入力歯車43に入力軸24に設けた歯車44を噛み合わせる。
45はデファレンシャルケース41に軸装した傘歯車、46は正逆転出力軸29に固定の傘歯車、47は入力軸42に固定の傘歯車、48はケース歯車であり、ケース歯車48にはモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせる。
【0011】
したがって、通常作業時ではモータ20は停止しており、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、モータ20に通電すると、ケース歯車48を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
図4は、正逆転機構21を所謂クラッチ機構50により構成し、一例を示すと、入力軸24に摺動ギヤ51を遊嵌し、摺動ギヤ51と入力軸24との間に第一クラッチ52を設ける。摺動ギヤ51は正逆転出力軸29の歯車53に噛み合わせる。54は摺動ギヤ51を摺動させるシフタである。
また、摺動ギヤ51には別途第二クラッチ55を設け、第二クラッチ55のクラッチ歯車56にモータ20のモータ出力軸31のモータ出力ギヤ32を噛み合わせる。 57は第一クラッチ52を入り方向に付勢するバネである。
通常作業時ではモータ20は停止しており、第一クラッチ52が入りになって、摺動ギヤ51が歯車53を回転させ、冷却用ファン13はエンジン12により駆動させて、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
【0012】
一方、第一クラッチ52を切りにし、モータ20に通電し、第二クラッチ55を入りにすると、モータ20の駆動回転を第二クラッチ55により摺動ギヤ51を介して正逆転出力軸29を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
図5は、正逆転機構21を別のクラッチ機構50により構成し、入力軸24に摺動ギヤ51を遊嵌し、摺動ギヤ51と入力軸24との間にクラッチ52を設ける。入力軸24には、クラッチ52を入り方向に付勢するバネ57を設ける。
摺動ギヤ51にはモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせる。モータ出力ギヤ32のモータ出力軸31は正逆転出力軸29を兼用し、通常作業時ではモータ20は停止しており、クラッチ52が入りになって、冷却用ファン13はエンジン12により駆動させて、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、モータ20に通電し、クラッチ52を切りにすると、摺動ギヤ51を空転させて、モータ20によりモータ出力軸31(正逆転出力軸29)を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
なお、モータ20は通常作業時でエンジン12の駆動により回転するので、ジェネレータ37と兼用構成となる。
【0013】
図6は、正逆転機構21は、冷却用伝動経路と除塵用伝動経路との二系統の伝動経路を有し、二系統の伝動経路を切替える切替クラッチ60により構成し、一例を示すと、入力軸24に正転用歯車61と逆転用歯車62とを固定し、正転用歯車61に正逆転出力軸29の正転用出力歯車63を噛み合わせる。
一方、逆転用歯車62にカウンタ歯車64を噛み合わせ、カウンタ歯車64に正逆転出力軸29の逆転用出力歯車65を噛み合わせる。
正転用出力歯車63と逆転用出力歯車65は共に正逆転出力軸29に遊嵌し、正転用出力歯車63と逆転用出力歯車65の夫々と正逆転出力軸29との間に切替クラッチ60を設ける。
通常作業時では、切替クラッチ60を正転用出力歯車63と正逆転出力軸29とが入りになるように切替え、エンジン12からの回転を正逆転出力軸29に伝達して出力し、冷却用ファン13を機体外部から機体内部方向へ送風する正回転とする。
【0014】
一方、切替クラッチ60を逆転用出力歯車65が入りになるよう切替えると、モータ20の回転がカウンタ歯車64により逆転して逆転用出力歯車65に伝達し、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転とする。
この場合、入力軸24の入力プーリ24Aは正逆転機構21のケース67の外面側に位置させる。
そのため、入力プーリ24Aと出力プーリ33は何れも、ケース67の同一側面側となる外面側に配置され、ウォーターポンプ駆動ベルト68(24B)とファン駆動ベルト69(36)とを軸方向に対する交差方向において隣接させることができ、軸間距離を短くでき、コンパクトに構成できる。
また、モータ20(ジェネレータ37)は、ケース67の内面側に、入力軸24の入力プーリ24Aとによりケース67を挟むように配置する構成とする。
そのため、構成がコンパクトになり、入力軸24に掛かるモーメントの負荷が軽減され、入力プーリ24Aの剛性を向上させられる。
【0015】
図7は、前記デファレンシャル機構40の他の実施例であり、前記入力軸24にクラッチ機構50とブレーキ機構70を設け、摺動ギヤ51を回転状態と停止状態とに切り替える構成とし、摺動ギヤ51は正逆転出力軸29に設けたデファレンシャル機構40のデファレンシャルケース41のケース歯車48に噛み合わせ、クラッチ機構50の歯車71を正逆転出力軸29に遊嵌したデファレンシャル機構40の入力歯車43に噛み合わせる。
したがって、通常作業時ではクラッチ機構50が入りになって、クラッチ機構50の歯車71と摺動ギヤ51の両方の回転が入力され、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、クラッチ52を切ってブレーキ機構70を作動させて、デファレンシャル機構40のモータ20に通電すると、ケース歯車48を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
【0016】
図8は、前記正逆転機構21の他の実施例であり、前記入力軸24に遊星ギヤ機構22とブレーキ機構70を設ける。遊星ギヤ機構22のサンギヤ27とプラネタリギヤホルダ28との間にクラッチ機構50を設ける。
通常作業時では、クラッチ機構50が入りとなって、サンギヤ27とリングギヤ25は同一方向に一体回転し、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となる。
一方、クラッチ機構50を切ってブレーキ機構70を作動させて、プラネタリギヤホルダ28の回転を停止させ、その結果、リングギヤ25はサンギヤ27と逆回転させ、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となる。
【0017】
図9は、走行装置2の油圧回路を示し、エンジン12の回転を無段変速装置(H.S.T)72の操作レバー(主変速レバー)73により変速して走行する。操作レバー73の操作は、その操作量をポジションセンサ74により検出し、操作レバー73の操作位置に応じた車速になるように、無段変速装置72のトラニオンアームまたはトラニオンギヤ75を油圧シリンダまたは電動モータ76により回動させる。
一方、ミッションケース77の所定位置に回転センサ78を設け、回転センサ78によりミッションケース77の実際の出力回転を検出する。
前記ポジションセンサ74が操作レバー73の中立位置への操作を検出し、回転センサ78が機体走行状態を検出すると、エンジン12を停止させる。
そのため、油圧系または電気系の不具合により操作レバー73の中立操作をしても機体停止できなくなることを回避できる。
【0018】
また、操作レバー73を中立位置へ操作しても、トラニオンアームまたはトラニオンギヤ75が中立位置まで戻っていないことを油圧シリンダまたは電動モータ76の作動位置により検出すると、エンジン12を停止させる。
そのため、油圧系または電気系の不具合により操作レバー73の中立操作をしても機体停止できなくなることを回避できる。
図11の実施例では、駐車ブレーキペダル79の操作を検出するブレーキ検出手段80を設ける。
駐車ブレーキペダル79の操作をブレーキ検出手段80が検出した状態で、ブレーキ検出手段80が機体走行状態を検出すると、エンジン12を停止させる。
そのため、電気的不具合により駐車ブレーキペダル79の操作をしても機体停止できなくなることを回避できる。
【0019】
前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する(図12)。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、ローラーアーム85にはバネ88を設け、レバーアーム81の操作方向のローラーアーム85の回動を補助するように付勢する。
そのため、操作レバー73の操作中では、バネ88の弾力により操作力を軽減させ、操作レバー73が走行抵抗により戻ろうとする荷重はブレーキ87により支持し、旋回時の操作レバー73の戻りを防止する。
【0020】
この場合、ローラーアーム85には中立位置のとき最も遠くなる頂点89と、該頂点89の両側に傾斜面90を形成すると、操作時にはバネ88を作用させ、戻り時にはブレーキ87を作用させられ、ブレーキ87とバネ88とを有効に作用させられて好適である。
図14,15の実施例では、前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、操向レバー(パワステレバー)100とブレーキ87のブレーキアーム91とをワイヤー92により連結する。
【0021】
そのため、操向レバー100の操作により旋回を行うと、旋回の走行抵抗により操作レバー73が中立位置に戻ろうとするが、操向レバー100の操作をワイヤー92により連動させてブレーキ87を作動させるので、操作レバー73が走行抵抗による旋回時の中立位置への戻りを防止する。
したがって、操向レバー100を操作していないときは、ブレーキ87は作動せず、操作レバー73の操作力を軽減でき、操作性を犠牲にせずに、走行抵抗による操作レバー73の中立位置への戻りを防止できる。
図16、17、18の実施例では、前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアームローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、ブレーキ87のブレーキアーム91とミッションケース77のサイドクラッチアーム93とをワイヤー92により連結する。
【0022】
そのため、操向レバー100を左右何れか一方に操作すると、サイドクラッチアーム93が回動してワイヤー92を牽引してブレーキ87を作動させ、旋回時の走行抵抗による操作レバー73の戻りを防止する。
図19の実施例では、前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアームローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、無段変速装置72の回路の圧力を検出する圧力センサ94を設けると共に、ブレーキ87とモータ95とをワイヤー92により連結する。
そのため、操作レバー73の操作時にはブレーキ87は作動せず、圧力センサ94による圧力増加を検出されたときのみ、モータ95が作動してワイヤー92を牽引してブレーキ87を作動させ、操作レバー73が走行抵抗による旋回時の操作レバー73の戻りを防止する。
【0023】
図21の実施例では、前記操作レバー73の基部のレバーアーム81は操作部の固定部82に取付軸83により回動自在に軸装する。レバーアーム81にはローラ84を当接させる。ローラ84はローラーアーム85の先端に設け、ローラーアーム85の基部は固定部82に軸軸86により軸装する。ローラーアーム85にはブレーキ87により回動させるときに抵抗を与える。
一方、無段変速装置72の回路の圧力が増加すると伸びるシリンダ96を設け、シリンダ96とブレーキ87とをワイヤー92により連結する。
そのため、操作レバー73の操作時にはブレーキ87は作動せず、圧力が増加してシリンダ96が伸びたときのみ、シリンダ96がワイヤー92を牽引してブレーキ87を作動させ、操作レバー73が走行抵抗による旋回時の操作レバー73の戻りを防止する。
【0024】
(実施例の作用)
エンジン12を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取装置4で刈取った穀稈を脱穀装置で脱穀する。
エンジン12を始動すると、冷却用ファン13が回転し、ラジエーターカバー15の防塵ネット17から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター14を通過してエンジン12の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン12の外周を冷却しながら吹き抜ける。
刈取脱穀作業を続けると、ラジエーターカバー15の防塵ネット17の表側に藁屑や塵埃等の付着物が付着するので、冷却用ファン13を逆回転させて、機体内部から機体外部方向へ送風させ、吹散させて除去する。
そこで、本願では、冷却用ファン13はエンジン12の駆動回転により回転し、エンジン12から冷却用ファン13への伝達経路中にモータ20とエンジン12の回転を合成する正逆転機構21を設け、正逆転機構21により冷却用ファン13を正逆転させる構成としているので、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0025】
正逆転機構21を、例えば、所謂遊星ギヤ機構22により構成した場合、遊星ギヤ機構22を入力軸24に設け、入力軸24にリングギヤ25とプラネタリギヤホルダ28を遊嵌し、サンギヤ27を入力軸24に固定し、プラネタリギヤホルダ28にモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせ、正逆転出力軸29の中間ギヤ30に遊星ギヤ機構22のリングギヤ25を噛み合わせているので、通常作業時ではモータ20を停止させ、エンジン12の駆動回転が入力軸24に入力され、リングギヤ25とサンギヤ27とが逆方向に回転し、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、モータ20に通電して、モータ20によって、プラネタリギヤホルダ28とサンギヤ27とが同一方向に同一速度で回転させると、プラネタリギヤ26が一体となって回転し、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0026】
図3のデファレンシャル機構40により正逆転機構21を構成した例では、デファレンシャル機構40のデファレンシャルケース41を正逆転出力軸29に軸装し、正逆転出力軸29に遊嵌したデファレンシャルケース41の入力軸42の入力歯車43に入力軸24に設けた歯車44を噛み合わせ、デファレンシャルケース41のケース歯車48にモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせているので、通常作業時ではモータ20は停止しており、入力歯車43と正逆転出力軸29に固定の傘歯車46は同一速度で逆方向に回転し、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、モータ20に通電すると、モータ出力ギヤ32によりケース歯車48を入力歯車43と同一方向に同一速度で回転させ、ケース歯車48と各傘歯車46とが一体回転し、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0027】
図4の正逆転機構21をクラッチ機構50により構成した例では、入力軸24に摺動ギヤ51を遊嵌し、摺動ギヤ51と入力軸24との間に第一クラッチ52を設け、また、摺動ギヤ51には別途第二クラッチ55を設け、第二クラッチ55のクラッチ歯車56にモータ20のモータ出力軸31のモータ出力ギヤ32を噛み合わせているので、通常作業時ではモータ20は停止しており、第一クラッチ52が入りになって、摺動ギヤ51が歯車53を回転させ、冷却用ファン13はエンジン12により駆動させて、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、第一クラッチ52を切りにし、モータ20に通電し、第二クラッチ55を入りにすると、モータ20の駆動回転を第二クラッチ55により摺動ギヤ51を介して正逆転出力軸29を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0028】
図5の正逆転機構21をクラッチ機構50により構成した他の例では、入力軸24に摺動ギヤ51を遊嵌し、摺動ギヤ51と入力軸24との間にクラッチ52を設け、摺動ギヤ51にはモータ20のモータ出力ギヤ32を噛み合わせているので、モータ出力ギヤ32のモータ出力軸31は正逆転出力軸29を兼用し、通常作業時ではモータ20は停止しており、クラッチ52が入りになって、冷却用ファン13はエンジン12により駆動させて、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、モータ20に通電し、クラッチ52を切りにすると、摺動ギヤ51を空転させるので、モータ20によりモータ出力軸31(正逆転出力軸29)を回転させて、冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0029】
なお、モータ20は通常作業時でエンジン12の駆動により回転するので、ジェネレータ37と兼用構成となり、簡素な構成となる。
図6の正逆転機構21の例では、冷却用伝動経路と除塵用伝動経路との二系統の伝動経路を有し、二系統の伝動経路を切替える切替クラッチ60により構成し、切替クラッチ60は入力軸24に正転用歯車61と逆転用歯車62とを固定し、正転用歯車61に正逆転出力軸29の正転用出力歯車63を噛み合わせ、一方、正逆転出力軸29をジェネレータ37のモータ出力軸31を兼用すると共に、逆転用歯車62にカウンタ歯車64を噛み合わせ、カウンタ歯車64に正逆転出力軸29の逆転用出力歯車65を噛み合わせているので、通常作業時では、切替クラッチ60を正転用出力歯車63と正逆転出力軸29とが入りになるように切替え、エンジン12からの回転を正逆転出力軸29に伝達して出力し、冷却用ファン13を機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
【0030】
一方、切替クラッチ60を逆転用出力歯車65が入りになるよう切替えると、入力軸24の回転がカウンタ歯車64により逆転して逆転用出力歯車65に伝達し、冷却用ファン13が機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
この場合、入力軸24の入力プーリ24Aは正逆転機構21のケース67の外面側に位置させているので、入力プーリ24Aと出力プーリ33は何れも、ケース67の同一側面側となる外面側に配置され、ウォーターポンプ駆動ベルト68とファン駆動ベルト69とを軸方向に対する交差方向において隣接させることができ、軸間距離を短くでき、コンパクトに構成できる。
また、ジェネレータ37は、ケース67の内面側に、入力軸24の入力プーリ24Aとによりケース67を挟むように配置する構成としているので、構成がコンパクトになり、入力軸24に掛かるモーメントの負荷が軽減され、入力プーリ24Aの剛性を向上させられる。
【0031】
図7のデファレンシャル機構40の他の実施例では、入力軸24にクラッチ機構50とブレーキ機構70を設け、摺動ギヤ51を回転状態と停止状態とに切り替える構成とし、摺動ギヤ51は正逆転出力軸29に設けたデファレンシャル機構40のデファレンシャルケース41のケース歯車48に噛み合わせ、クラッチ機構50の歯車71を正逆転出力軸29に遊嵌したデファレンシャル機構40の入力歯車43に噛み合わせているので、通常作業時ではクラッチ機構50が入りになって、クラッチ機構50の歯車71と摺動ギヤ51の両方の回転が入力され、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、クラッチ52を切ってブレーキ機構70を作動させて、デファレンシャル機構40のモータ20に通電すると、ケース歯車48を回転させるので、冷却用ファン13が機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
【0032】
図8の正逆転機構21の他の実施例では、入力軸24に遊星ギヤ機構22とブレーキ機構70を設け、遊星ギヤ機構22のサンギヤ27とプラネタリギヤホルダ28との間にクラッチ機構50を設けているので、通常作業時では、クラッチ機構50が入りとなって、サンギヤ27とリングギヤ25は同一方向に一体回転し、冷却用ファン13は機体外部から機体内部方向へ送風する正回転となって、エンジン12を冷却する。
一方、クラッチ機構50を切ってブレーキ機構70を作動させて、プラネタリギヤホルダ28の回転を停止させ、その結果、リングギヤ25はサンギヤ27と逆回転となるので、冷却用ファン13が機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転となって、風向を逆転させることで、ラジエーターカバー15及びラジエーター14に付着した塵埃を除去する。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの各図の実施例は夫々種々組合せ可能であり、一部図示を他の実施例と共用している場合もあり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0033】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置4、5…グレンタンク、7…操縦部、10…座席、11…エンジンルーム、12…エンジン、13…冷却用ファン、14…ラジエーター、15…ラジエーターカバー、16…開口部、17…防塵ネット、20…モータ、21…正逆転機構、22…遊星ギヤ機構、23…エンジン出力軸、24…入力軸、24A…入力プーリ、25…リングギヤ、26…プラネタリギヤ、27…サンギヤ、28…プラネタリギヤホルダ、29…正逆転出力軸、30…中間ギヤ、31…モータ出力軸、32…モータ出力ギヤ、33…出力プーリ、34…入力プーリ、35…回転軸、37…ジェネレータ、40…デファレンシャル機構、41…デファレンシャルケース、42…入力軸、43…入力歯車、44…歯車、45、46、47…傘歯車、48…ケース歯車、50…クラッチ機構、51…摺動ギヤ、52…クラッチ、53…歯車、54…シフタ、55…第二クラッチ、56…クラッチ歯車、57…バネ、60…切替クラッチ、61…正転用歯車、62…逆転用歯車、63…正転用出力歯車、64…カウンタ歯車、65…逆転用出力歯車、67…ケース、68…ウォーターポンプ駆動ベルト、70…ブレーキ機構、71…歯車、72…無段変速装置、73…操作レバー(主変速レバー)、74…ポジションセンサ、75…トラニオン手段、76…油圧シリンダまたは電動モータ、77…ミッションケース、78…回転センサ、79…駐車ブレーキペダル、80…ブレーキ検出手段、81…レバーアーム、82…固定部、83…取付軸、84…ローラ、85…ローラーアーム、86…軸、87…ブレーキ、88…バネ、89…頂点、90…傾斜面、91…ブレーキアーム、92…ワイヤー、93…サイドクラッチアーム、94…圧力センサ、95…モータ、96…シリンダ、100…操向レバー(パワステレバー)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)の前方に刈取装置(4)を設け、走行装置(2)の上方一側に脱穀装置を、上方他側にグレンタンク(5)を設け、前記走行装置(2)と刈取装置(4)と脱穀装置を駆動するエンジン(12)を設け、該エンジン(12)の外側には冷却用ファン(13)と防塵ネット(17)を有するラジエーターカバー(15)とを設け、前記エンジン(12)から冷却用ファン(13)への動力伝達経路中にモータ(20)の回転駆動力を合成する正逆転機構(21)を設け、該正逆転機構(21)は、前記冷却用ファン(13)をエンジン(12)の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン(13)を前記エンジン(12)の駆動回転とモータ(20)の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記正逆転機構(21)は、該正逆転機構(21)にエンジン(12)の回転を入力する入力軸(24)と、正逆転機構(21)から冷却用ファン(13)へ出力する正逆転出力軸(29)との間に、リングギヤ(25)とプラネタリギヤ(26)とサンギヤ(27)とからなる遊星ギヤ機構(22)を設けた構成とし、該遊星ギヤ機構(22)により前記冷却用ファン(13)をエンジン(12)の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン(13)を前記エンジン(12)の駆動回転とモータ(20)の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1において、前記正逆転機構(21)は、該正逆転機構(21)にエンジン(12)の回転を入力する入力軸(24)と、正逆転機構(21)から冷却用ファン(13)へ出力する正逆転出力軸(29)との間に、デファレンシャルケース(41)内に備えた複数の傘歯車(46)を有するデファレンシャル機構(40)とクラッチ機構(50)とを設けた構成とし、該デファレンシャル機構(40)およびクラッチ機構(50)により前記冷却用ファン(13)をエンジン(12)の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン(13)を前記エンジン(12)の駆動回転とモータ(20)の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記モータ(20)は駆動回転速度を無段階に変更可能とし、該モータ(20)の駆動回転速度を変更することにより前記正逆転機構(21)を介して前記冷却用ファン(13)の回転速度を変更しうる構成としたコンバイン。
【請求項1】
走行装置(2)の前方に刈取装置(4)を設け、走行装置(2)の上方一側に脱穀装置を、上方他側にグレンタンク(5)を設け、前記走行装置(2)と刈取装置(4)と脱穀装置を駆動するエンジン(12)を設け、該エンジン(12)の外側には冷却用ファン(13)と防塵ネット(17)を有するラジエーターカバー(15)とを設け、前記エンジン(12)から冷却用ファン(13)への動力伝達経路中にモータ(20)の回転駆動力を合成する正逆転機構(21)を設け、該正逆転機構(21)は、前記冷却用ファン(13)をエンジン(12)の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン(13)を前記エンジン(12)の駆動回転とモータ(20)の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記正逆転機構(21)は、該正逆転機構(21)にエンジン(12)の回転を入力する入力軸(24)と、正逆転機構(21)から冷却用ファン(13)へ出力する正逆転出力軸(29)との間に、リングギヤ(25)とプラネタリギヤ(26)とサンギヤ(27)とからなる遊星ギヤ機構(22)を設けた構成とし、該遊星ギヤ機構(22)により前記冷却用ファン(13)をエンジン(12)の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン(13)を前記エンジン(12)の駆動回転とモータ(20)の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1において、前記正逆転機構(21)は、該正逆転機構(21)にエンジン(12)の回転を入力する入力軸(24)と、正逆転機構(21)から冷却用ファン(13)へ出力する正逆転出力軸(29)との間に、デファレンシャルケース(41)内に備えた複数の傘歯車(46)を有するデファレンシャル機構(40)とクラッチ機構(50)とを設けた構成とし、該デファレンシャル機構(40)およびクラッチ機構(50)により前記冷却用ファン(13)をエンジン(12)の駆動回転によって機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する状態と、前記冷却用ファン(13)を前記エンジン(12)の駆動回転とモータ(20)の駆動回転とによる機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する状態とに切り替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記モータ(20)は駆動回転速度を無段階に変更可能とし、該モータ(20)の駆動回転速度を変更することにより前記正逆転機構(21)を介して前記冷却用ファン(13)の回転速度を変更しうる構成としたコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−115175(P2012−115175A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266137(P2010−266137)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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