説明

コンパクト容器

【課題】中蓋を取り付ける際に収容部内に気流が発生するのを抑えることができる。
【解決手段】開口が形成された収容部を有する容器本体1と、容器本体1に螺着されて開口を覆いかつ収容部の内外を連通する貫通孔が形成された中蓋2と、中蓋2を覆う外蓋4とを備えるとともに、中蓋2に設けられ容器本体1の凹部13に係止されることで中蓋2および容器本体1の容器軸回りの相対的な回転移動を規制する規制部材3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば化粧料等を収容して利用されるコンパクト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
パウダー等の化粧料をパフ等の塗布具とともに収容するコンパクト容器が知られている。コンパクト容器は、化粧料及び塗布具を収容する容器本体と、当該容器本体と回転軸を介して連結された外蓋とを備えている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
容器本体には化粧料を収容する収容部が設けられている。この収容部は、例えば化粧料の通過孔を有する中蓋によって覆われている。中蓋は、例えば皿状に形成されており、外蓋を閉じた状態で当該外蓋との間に塗布具を収納する空間が形成される。
【0004】
このように構成されたコンパクト容器を用いる場合、外蓋と中蓋との間に塗布具を収納させた状態で外蓋を閉じ、コンパクト容器を倒立させる。この動作により、収容部内の化粧料が通過孔を通過し、化粧料を塗布具に付着する。化粧料を塗布具に付着させた後は、外蓋を開け、化粧料の付着した塗布具を用いれば良い。
【0005】
上記の構成においては、コンパクト容器を倒立させる際、あるいは、コンパクト容器をハンドバッグなどに入れて持ち運ぶ際などに中蓋が外れないようにするため、例えば中蓋が収容部内に圧入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3847874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記構成においては、中蓋の圧入時に収容部内の気圧が急激に高められることに起因して、収容部内の化粧料等が巻き上げられて収容部内から飛散してしまう可能性がある。
【0008】
上記のような事情に鑑み、本発明は、中蓋を取り付ける際に収容部内に気流が発生するのを抑えることができるコンパクト容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコンパクト容器は、開口が形成された収容部を有する容器本体と、前記容器本体に螺着されて前記開口を覆い、かつ前記収容部の内外を連通する連通孔が形成された中蓋と、前記中蓋を覆う外蓋と、を備えるとともに、前記中蓋に設けられ、前記容器本体の係止部に係止されることで前記中蓋および前記容器本体の容器軸回りの相対的な回転移動を規制する規制部材と、を備える。
【0010】
本発明によれば、容器本体と中蓋とが螺合によって固定される構成になっているため、中蓋の取り付け時には、圧入する必要が無い。これにより、収容部内の気圧が急激に高められるのを回避することができるため、収容部から外部へ抜ける気流の発生を抑制することができる。
【0011】
加えて、本発明によれば、規制部材が容器本体の係止部に係止されることによって中蓋および容器本体の容器軸回りの相対的な回転移動が規制されるため、螺合された状態が維持されることとなり、螺合状態の緩みを抑制することができる。これにより、中蓋と容器本体とを確実に固定することができる。
【0012】
さらに、本発明によれば、規制部材を係止部に係止させることで中蓋および容器本体の容器軸回りの相対的な回転移動が規制されるため、複雑な機構を用いることなく、前述の作用効果が奏功されることとなる。
【0013】
上記のコンパクト容器において、前記係止部は、前記規制部材が内部に配置される凹部である。
この構成によれば、規制部材を凹部内に配置することで、中蓋および容器本体の容器軸回りの相対的な回転移動を規制するため、簡単な操作で前述の作用効果が奏功されることとなる。
【0014】
上記のコンパクト容器において、前記規制部材は、前記凹部内に配置された状態で前記容器本体の表面と面一状態になるように形成されている。
この構成によれば、規制部材に外部の他部材が引っ掛かり、規制部材が凹部から外れるのを防ぐことができるとともに、規制部材を設けたことによりコンパクト容器の見映えが悪くなるのを抑えることができる。
【0015】
上記のコンパクト容器において、前記係止部は、前記規制部材の係止状態を保持する保持部を有する。
この構成によれば、中蓋と容器本体との間の相対的な回転移動が、規制部材及び保持部によって2重にロックされることになる。これにより、中蓋と容器本体との間をより強固に固定することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、中蓋を取り付ける際に、収容部内に気流が発生するのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係るコンパクト容器の構成を示す平面図。
【図2】図1におけるA−A断面に沿った構成を示す図。
【図3】図1におけるB−B断面に沿った構成を示す図。
【図4】図1に示すコンパクト容器の一部を拡大して示す図。
【図5】図4におけるC−C断面に沿った構成を示す図。
【図6】本発明の第2実施形態に係るコンパクト容器の構成を示す平面図。
【図7】図6に示すコンパクト容器の一部を拡大して示す図。
【図8】図7におけるD−D断面に沿った構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るコンパクト容器CPの構成を示す平面図である。図2は、図1におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。図3は、図1におけるB−B断面に沿った構成を示す図である。
【0019】
図1から図3に示すように、本実施形態に係るコンパクト容器CPは、容器本体1、中蓋2、規制部材3及び外蓋4を備えている。これらのうち容器本体1、中蓋2及び外蓋4はそれぞれ、筒状に形成されるとともに、容器軸と同軸に配設されている。以下、この容器軸を容器軸L1といい、容器軸L1方向に沿って外蓋4側を「上」側と表記し、容器軸L1方向に沿って容器本体1側を「下」側と表記し、容器軸L1に直交する方向を「径方向」と表記し、容器軸L1を中心に周回する方向を「周方向」と表記する。
【0020】
なお本実施形態では、コンパクト容器CPとしてパウダーなどの粉末化粧料の容器を例に挙げて説明するが、これに限られることは無く、例えば粉末の顔料や医療用薬剤等の収容容器であっても構わない。また、ファンデーションなど粉末以外の化粧料や他の薬剤などを収容する場合の容器であってもよい。
【0021】
容器本体1は、有底筒状に形成されており、平面視形状は角部が凸曲線を呈する矩形状となっている。容器本体1の内面は、上面視容器軸L1を中心とした円形状に形成されている。この容器本体1の内部空間が、収容部10となっている。収容部10には、例えばパウダー、ファンデーションなどの化粧料や、当該化粧料の詰め替え用容器などが収容されるようになっている。なお、収容部10の上端部が容器本体1の外部に連通する開口10aとなっている。
【0022】
容器本体1の上面1aには、容器軸L1と同軸に配置された円筒状の本体側接続部11が上方に向けて突設されている。本体側接続部11の内面11bは、上面視容器軸L1を中心とした円形状に形成されており、収容部10の内面10bと段差無く連続している。本体側接続部11の外面11aには、ネジ山11cが形成されている。
【0023】
容器本体1の上面1aのうち、本体側接続部11よりも径方向の外側に位置する縁部12は、径方向に沿って延びる平坦面となっている。本実施形態では、縁部12の4つの角部のうち、対角をなす2つの角部には、凹部13が形成されている。各凹部13は、平面視で例えば矩形に形成されており、当該矩形の対向する2辺が径方向に沿うように配置されている。
【0024】
図4は、コンパクト容器CPの縁部12の一部分(角部)を拡大して示す図である。図5は、図4におけるC−C断面に沿った構成を示す図である。
図4及び図5に示すように、各凹部13の内面のうち径方向の外側に位置しかつ径方向の内側を向く面13aには、径方向の内側に向けて突出する段部14が形成されている。凹部13の内面のうち径方向の内側に位置しかつ径方向の外側を向く面13bには、径方向の外側へ突出する凸部15が形成されている。凸部15は、断面視で例えば矩形に形成されている。
【0025】
凹部13の底部13cには、孔部16が形成されている。孔部16は、容器本体1の底面1bに開口している。このため、容器本体1の底面1bの下側の空間と凹部13の内部の空間とが当該孔部16を介して連通されている。孔部16の内面のうち径方向の内側に位置しかつ径方向の外側を向く部分16aが、凹部13の内面のうち径方向の内側に位置しかつ径方向の外側を向く面13bに段差無く連続している。
【0026】
図1から図3に示されるように、中蓋2は、容器本体1に固定され、収容部10の開口10aを塞ぐ蓋部材である。中蓋2は、例えば平面視で円形に形成されている。中蓋2は、筒状部20及び中蓋側接続部21を有している。
【0027】
筒状部20は有底筒状に形成され、筒状部20の下側が収容部10の開口10a内に挿入されている。筒状部20の外面20aと収容部10の内面10bとの間には隙間が形成されている。筒状部20の内面20b及び底部20cによって囲まれた空間は、例えば化粧料などを付着させる塗布具P等を収納可能な収納部22となっている。
【0028】
筒状部20の底部20cは、径方向に沿ってほぼ平行に延在している。底部20cには、複数の貫通孔23が形成されている。各貫通孔23は、平面視で例えば円形に形成されている。複数の貫通孔23は、塗布具Pの収容される領域に重なる位置、例えば平面視で底部20cの中央部に配置されている。複数の貫通孔23を介して容器本体1の収容部10と筒状部20の収納部22とが連通されている。
【0029】
中蓋側接続部21は、上端部が筒状部20の外面20aに接続されるとともに、下方に向けて延びる円筒状に形成されていて、本体側接続部11を上方および径方向の外側から覆っている。
【0030】
図5に示すように、中蓋側接続部21の内面21bには、ネジ山21cが形成されている。ネジ山21cは、容器本体1の本体側接続部11に形成されたネジ山11cに噛み合うように形成されている。中蓋側接続部21のネジ山21cと本体側接続部11のネジ山11cとを噛み合わせることにより、中蓋2は容器本体1に螺着されて固定されている。
【0031】
図5に示すように、本体側接続部11と中蓋側接続部21との間には、パッキン24が設けられている。本実施形態では、当該パッキン24は中蓋側接続部21と筒状部20との間に保持されている。本体側接続部11の上端がパッキン24に食い込んだ状態で当該パッキン24に密着している。これにより、中蓋側接続部21の内面21bと筒状部20の外面20aとの間が気密に保持されている。
【0032】
図1、図4及び図5に示されるように、規制部材3は、中蓋側接続部21の外面21aに接続され、容器本体1の凹部13内に着脱可能に配置されている。規制部材3は、接続部30及び嵌入部31を有している。
【0033】
接続部30は、中蓋2と嵌入部31とを接続する部分である。接続部30は、中蓋側接続部21の外面21aの下端部から径方向の外側に向けて一体に延設されており、その延在する方向に直交する方向に延びる溝30aが形成されている。接続部30は、当該溝30aが設けられた位置で上下方向に弾性的に折り曲げ可能に形成されている。
【0034】
嵌入部31は、縦断面視で概ねL字状、上面視で矩形状に形成されている。嵌入部31は、接続部30を溝30a回りに下方に向けて折り曲げることで容器本体1の凹部13内に配置されている。
【0035】
図5に示すように、嵌入部31の面のうち、平面視L字状をなし径方向に沿って延びる側面31s(図4参照)は、凹部13の内面のうち、径方向に沿って延びる側面13s(図4参照)に当接している。嵌入部31の側面31sと凹部13の側面13sとが当接していることにより、嵌入部31の容器本体1に対する容器軸L1回りの移動が規制されるようになっている。
【0036】
嵌入部31は、当接部32及び係合部33を有している。当接部32はL字の一方の直線部分に相当する部分であり、図5に示されるように、接続部30が溝30a回りに折り曲げられて嵌入部31が凹部13内に配置された状態で、径方向に沿って延在している。当接部32における径方向の外端部は、凹部13内の段部14上に配置されている。当接部32のうち段部14との当接面の反対側(図5では上側)の面は、容器本体1の上面1aから露出している。この露出した面は、容器本体1の上面1aに突出する部分が無いように、例えば平坦に形成されている。この露出した面は、容器本体1の上面1aとの間で例えば面一状態となるように形成されている。
【0037】
係合部33は、L字の他方の直線部分に相当する部分であり、図5に示されるように、接続部30が溝30a回りに折り曲げられて嵌入部31が凹部13内に配置された状態で、上下方向に沿って延在している。係合部33において径方向の内側を向く面には、凹部13の前記面13bに形成された凸部15が係合される凹部が形成されている。係合部33は、当該凹部を介して凸部15に係合されている。この係合により、嵌入部31が凹部13内に挿入された状態が保持されることになる。このように凸部15は、規制部材3と凹部13との係止状態を保持する保持部となっている。また、凸部15が係合部33に係合されることにより、中蓋2の上方向への移動が規制されるようにもなっている。このため、凸部15は、中蓋2と容器本体1との間の周方向への相対移動を間接的に規制していることにもなる。
【0038】
図5に示すように、上記凹部13の底部13cには戻り防止部17が突設されており、接続部30を溝30a回りに折り曲げて嵌入部31を凹部13内に進入させる過程で、係合部33の先端部が弾性変形させられつつ戻り防止部17を乗り越えるようになっている。
【0039】
具体的に説明すると、係合部33の先端部において、径方向の内側の角部が面取りされており、嵌入部31を溝30a回りに回動させて凹部13内に進入させる際、係合部33が戻り防止部17を引っ掛かり少なく乗り越えるようになっている。これに対して、係合部33の先端部における径方向外側の角部は、縦断面視でほぼ直角に形成されていて面取りされていないため、係合部33が溝30a回りに回動して凹部13内から外れようとしても、戻り防止部17に係合するようになっている。
【0040】
図1から図3に示されるように、外蓋4は、容器本体1に接続されており、中蓋2及び規制部材3を覆う蓋部材である。図1から図3では、外蓋4が閉じられた状態が示されている。図2において、外蓋4が開けられた状態を二点鎖線で示している。また、図1においては、外蓋4を二点鎖線で示している。外蓋4は、回転軸5を介して容器本体1に連結されている。回転軸5は、上面視矩形状をなす容器本体1の4つの辺部のうちの1つに設けられている。
【0041】
図2に示すように、容器本体1の前記4つの辺部のうち、容器軸L1を径方向で挟む回転軸5が設けられた辺部と反対側の辺部には、外蓋4の開閉機構6が設けられている。開閉機構6は、回転フック60及び軸部材61を有している。外蓋4は、回転フック60の上端62と当接させた状態で閉じられている。この開閉機構6は、回転フック60の下部を径方向の内側に押圧することで、軸部材61を中心に回転フック60が回動するようになっている。回転フック60が回動して傾斜することで、外蓋4が回転フック60の上端62によって押し上げられ、外蓋4が開かれるようになっている。
【0042】
このように構成されたコンパクト容器CPを用いる場合、外蓋4と中蓋2との間に塗布具Pを収納した状態で外蓋4を閉じ、コンパクト容器CPを倒立させる。この動作により、収容部10内の化粧料が貫通孔23を通過し、塗布具Pに付着する。化粧料を塗布具Pに付着させた後は、外蓋4を開け、化粧料の付着した塗布具Pを用いれば良い。
【0043】
例えば収容部10内の化粧料が消費され補充する必要が生じた場合など、中蓋2を開ける場合がある。この場合、規制部材3による移動規制を解除する必要がある。このような場合には、例えば容器本体1の底面1b側から孔部16内を見ると、凸部15と係合する係合部33が見える。そこで、例えば孔部16の内径よりも小さい外径を有する不図示の挿入部材を当該孔部16に挿入し、嵌入部31を上側へ押し込むことで、係合部33と凸部15との間の係合を外す。
【0044】
挿入部材などの外力によって押し込まれた係合部33は、戻り防止部17を乗り越えて凹部13の外部へ押し出されることになる。このように、嵌入部31を凹部13から押し出すことにより、規制部材3による移動規制が解除される。その後は、中蓋2を周方向に回転させて容器本体1との螺合を外せばよい。中蓋2を閉める場合には、まず中蓋2と容器本体1とを螺合させ、その後規制部材3の嵌入部31を容器本体1の凹部13に嵌入させれば良い。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、容器本体1と中蓋2とが螺合によって固定される構成になっているため、中蓋2の取り付け時には、圧入する必要が無い。これにより、収容部10内の気圧が急激に高められるのを回避することができるため、収容部10から収容部10の外へ抜ける気流の発生を抑制することができる。これにより、収容部10内にパウダーなどの粉状体が収容されている場合であっても、当該粉状体が巻き上げられて飛散するのを回避することができる。
【0046】
加えて、本実施形態によれば、規制部材3の嵌入部31が凹部13に嵌入されている状態において、当該規制部材3によって中蓋2と容器本体1との間における周方向への相対的な回転移動が規制されるため、螺合された状態が維持されることとなり、螺合状態の緩みを抑制することができる。これにより、中蓋2と容器本体1とを確実に固定することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、嵌入部31と凹部13との間が係合された状態において、嵌入部31の側面31sが凹部13の側面13sに当接する構成、及び、係合部33において径方向の内側を向く面に凸部15が係合される凹部が形成された構成、の両方の構成を備えた形態を説明したが、これら両者のうち少なくとも一方の構成を備えている形態であればよい。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
本実施形態では、規制部材の構成及び容器本体の縁部の構成が第1実施形態とは異なっているため、当該相違点を中心に説明する。また、当該相違点以外の構成要素については、第1実施形態と同一の構成となっている。第1実施形態と同一の構成要素については、当該第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0049】
図6は、本実施形態に係るコンパクト容器CP2の構成を示す平面図である。図7は、コンパクト容器CP2の縁部112の構成を拡大して示す図である。図8は、図7におけるD−D断面に沿った構成を示す図である。
【0050】
図6から図8に示すように、コンパクト容器CP2の規制部材103は、接続部130、本体部131及び嵌入部132を有している。接続部130は、中蓋側接続部21の外面21aの下端部から径方向の外側に向けて、弾性変形可能に延設されている。本体部131の平面視形状は角部が凸曲線を呈する矩形状となっている。本体部131の上面は、平坦に形成されている。嵌入部132は、本体部131の下面に突設されている。嵌入部132において径方向の外側を向く面132aの平面視形状は波形形状となっている。
【0051】
容器本体1の縁部112には、凹部113が形成されている。凹部113の径方向の外側の面113aは、嵌入部132の前記面132aに対応する波形に形成されている。嵌入部132を凹部113に嵌入させた状態で、嵌入部132の前記面132aと凹部113の前記面113aとが係合する。
このため、嵌入部132および凹部113の相対的な周方向の移動が規制されるようになっており、前記実施形態と同様の作用効果が奏功される。
【0052】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記各実施形態において、嵌入部の形状及び凹部の形状は、上記に挙げた例に限られることは無く、嵌入部と凹部とが係合する形状であれば、他の形状としても構わない。
【0053】
また、上記実施形態においては、外蓋4が容器本体1に対して回転軸5を介して連結されている構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば外蓋4を容器本体1に対して取り外すことができる構成としても構わない。
【0054】
また、例えば中蓋2の底部20c上に、貫通孔23を覆うようにシートを貼り付け、当該シート上に塗布具Pを配置する構成としても構わない。この場合、貼り付けたシートによって当該貫通孔23を閉塞させることができる。
【符号の説明】
【0055】
CP、CP2…コンパクト容器
1…容器本体
2…中蓋
3、103…規制部材
4…外蓋
10…収容部
10a…開口
11c、21c…ネジ山
12、112…縁部
13、113…凹部
23…貫通孔
30、130…接続部
31、132…嵌入部
32…当接部
33…係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成された収容部を有する容器本体と、
前記容器本体に螺着されて前記開口を覆い、かつ前記収容部の内外を連通する連通孔が形成された中蓋と、
前記中蓋を覆う外蓋と、を備えるとともに、
前記中蓋に設けられ、前記容器本体の係止部に係止されることで前記中蓋および前記容器本体の容器軸回りの相対的な回転移動を規制する規制部材と、を備えるコンパクト容器。
【請求項2】
前記係止部は、前記規制部材が内部に配置される凹部である
請求項1に記載のコンパクト容器。
【請求項3】
前記規制部材は、前記凹部内に配置された状態で前記容器本体の表面と面一状態になるように形成されている
請求項2に記載のコンパクト容器。
【請求項4】
前記係止部は、前記規制部材の係止状態を保持する保持部を有する
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のコンパクト容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−273977(P2010−273977A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131219(P2009−131219)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)