説明

コンパクト容器

【課題】ストラップ体の操作性を向上させたコンパクト容器を提供すること。
【解決手段】内容物を収容する容器本体2と、容器本体2にヒンジ3を介して連結された開閉自在な蓋体4と、容器本体2に出没自在に収容されたストラップ体5と、を備え、ストラップ体5の両端部のうち少なくとも一方が、容器本体2から露出すると共に容器本体に沿ってスライド自在な操作片51に連結されており、操作片51のスライドに伴ってストラップ体5のうち両端部を除く少なくとも一部が容器本体2に対して出没する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンパクト容器として、化粧料を収容する容器本体と、容器本体にヒンジを介して連結された開閉自在な蓋体と、を備え、容器本体の側面にストラップ体を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなコンパクト容器では、ストラップ体を設けることで、コンパクト容器の落下を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−197929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなコンパクト容器では、ストラップ体を容易に容器本体に出没させることに改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ストラップ体の操作性を向上させたコンパクト容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明のコンパクト容器は、内容物を収容する容器本体と、前記容器本体にヒンジを介して連結された開閉自在な蓋体と、前記容器本体に出没自在に収容されたストラップ体と、を備え、前記ストラップ体の両端部のうち少なくとも一方が、前記容器本体から露出すると共に前記容器本体に沿ってスライド自在な操作片に連結されており、前記操作片のスライドに伴って前記ストラップ体のうち両端部を除く少なくとも一部が前記容器本体に対して出没することを特徴とする。
【0007】
この発明では、ストラップ体の不使用時に、ストラップ体が容器本体内に収容されており、ストラップ体を使用する際に、操作片を容器本体に沿ってスライドさせると、操作片に連結されているストラップ体の両端部のうち少なくとも一方が容器本体の外部に向けて移動され、この移動に伴ってストラップ体が容器本体の外部に繰り出される。これにより、ストラップ体と容器本体の側面との間に指などを掛ける空間が画定される。そして、操作片を逆方向にスライドさせると、上述とは逆に、ストラップ体のうち繰り出された部分が容器本体内に収容される。このように、操作片を容器本体に沿ってスライドさせることでストラップ体を出没できるので、ストラップ体の操作性を向上させつつ不使用時におけるコンパクト容器の取扱性を改善することができる。
【0008】
また、本発明のコンパクト容器では、前記ストラップ体の一端部が前記操作片に連結され、他端部が前記容器本体に対して固定されてもよい。
この場合では、ストラップ体の一端部のみを容器本体に対してスライドさせるため、コンパクト容器の構成が簡略化される。
【0009】
また、本発明のコンパクト容器では、前記操作片が、蓋体によって覆われてもよい。
この場合では、蓋体を閉じた状態で操作片がコンパクト容器の外部に露出しないので、操作片の誤動作を防止できる。また、操作片を設けたことによるコンパクト容器の外観の悪化を防止できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明にかかるコンパクト容器によれば、ストラップ体を使用しないときにストラップ体を容器本体内に収容でき、さらに、ストラップ体を使用するときに操作片をスライドさせるだけでストラップ体を容器本体の外部に繰り出すことができるので、ストラップ体の操作性を向上させつつ不使用時におけるコンパクト容器の取扱性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態における蓋体を開いたコンパクト容器を示す平面図である。
【図2】図1の蓋体を閉じた状態におけるA−A矢視断面図である。
【図3】図1の蓋体を閉じた状態におけるB−B矢視断面図である。
【図4】図1の蓋体を開いた状態におけるC−C矢視断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態におけるコンパクト容器を示す横方向断面図である。
【図6】図5のD−D矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明におけるコンパクト容器の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0013】
本実施形態におけるコンパクト容器1は、図1から図4に示すように、例えば化粧料などの内容物を収容する携帯用の蓋付容器であり、平面視矩形状の扁平容器である。このコンパクト容器1は、内容物が充填された中皿F及び塗布具Pそれぞれを収容する容器本体2と、容器本体2にヒンジ3を介して開閉自在に連結された蓋体4と、容器本体2に出没自在に収容されたストラップ体5と、を備えている。そして、コンパクト容器1におけるヒンジ3の反対側の端部には、蓋体4を容器本体2に対して閉じた状態に保持する係合部6が設けられている。
【0014】
なお、本実施形態では、蓋体4側を上側とし、容器本体2側を下側とする。また、上下方向に直交する方向において、ヒンジ3側を後側とし、係合部6側を前側とする。さらに、上下方向及び前後方向双方に直交する方向を横方向とする。
【0015】
容器本体2は、図1及び図2に示すように、中皿Fを収容保持する第1凹部11と塗布具Pを収容する第2凹部12それぞれが内部に形成された収容部であり、平面視矩形状の箱体である外装体13と、外装体13の内側に嵌合されて第1及び第2凹部11、12それぞれを画定する内装体14と、を備えている。
【0016】
外装体13は、図1から図4に示すように、横方向に長い平面視矩形状の底壁部21と、底壁部21の外周縁から上方に向けて立設された平面視矩形環状の周壁部22と、を備えている。
底壁部21の右側縁部のうち前後両縁部には、図1及び図4に示すように、ストラップ体5を保持する2対の固定壁部23a、23bが上方に向けて立設されている。この固定壁部23a、23bは、横方向に沿って延在しており、外装体13の底壁部21及び周壁部22と内装体14とによって画定される空間内に配設されている。
【0017】
周壁部22は、図1に示すように、後壁部24、前壁部25、右側壁部26及び左側壁部27を備えている。
後壁部24の横方向中央部には、ヒンジ3を構成するヒンジ凹部24Aが設けられている。
前壁部25における横方向中央部には、凹状の切欠部25Aが形成されており、この切欠部25A内には、係合部6が配置されている。また、前壁部25における切欠部25Aよりも右側には、後述する操作片51を容器本体2の外部に露出させるスライド溝部28が形成されている。
【0018】
このスライド溝部28は、前壁部25における切欠部25Aの右側から右端部に向けて横方向に延在しており、スライド溝部28の上下方向中央部には、前壁部25を貫通するスライドスリット部28Aが形成されている。スライドスリット部28Aは、スライド溝部28と同様に、前壁部25における切欠部25Aの右側において右端部に向けて横方向に延在しており、このスライドスリット部28Aを介して容器本体2の内部と外部とが連通する。
右側壁部26の横方向の厚さは、左側壁部27の横方向の厚さよりも厚くなっており、右側壁部26には、ストラップ体5を収容する収容溝部26Aが前後方向のほぼ全長にわたって延在している。
【0019】
内装体14は、図1に示すように、第1及び第2凹部11、12それぞれを画定する第1及び第2枠部31、32と、第1及び第2枠部31、32それぞれの上端から外側に向けて張り出すフランジ部33と、を備えている。
第1及び第2枠部31、32は、四隅が弧状に形成された平面視矩形環状をなしており、仕切壁部34を介して横方向に一体に連結されている。また、第1及び第2枠部31、32は、中皿F及び塗布具Pそれぞれを収容する大きさに形成されている。
【0020】
仕切壁部34の前後方向の中央部には、図1及び図2に示すように、下方に向けて陥没する陥没部34Aが形成されており、仕切壁部34の左側面のうちこの陥没部34Aの前後方向の両側には、左側に向けて突出すると共に中皿Fの係合溝部FAと係合する第1係合突部34Bが形成されている。
また、第1枠部31の左側面には、仕切壁部34と同様に、右側に向けて突出すると共に中皿Fの係合溝部FAと係合する第2係合突部31Aが形成されている。
フランジ部33は、図1に示すように、第1及び第2枠部31、32それぞれの上端同士を連結しており、その外周縁は、外装体13における周壁部22の上端縁に係止されている。また、フランジ部33の前端部の横方向中央部において前壁部25の切欠部25Aに対応する位置には、係合部6が配置される開口部33Aが形成されている。
【0021】
蓋体4は、図1から図4に示すように、天壁部41と、天壁部41の外周縁から下方に向けて連設された外壁部42と、を備えている。
天壁部41は、容器本体2の底壁部21と同様に横方向に長い平面視矩形状の板部材であり、蓋体4を閉じた状態において底壁部21の上方に対向して配置されている。また、天壁部41の下面には、鏡体43が接合されている。
外壁部42は、図1に示すように、容器本体2の周壁部22と同様の平面視矩形環状をなしており、その後壁部には、ヒンジ3を構成するヒンジ軸壁44が設けられている。
ヒンジ軸壁44は、ヒンジ凹部24Aの横方向内側に配設されており、ヒンジ軸壁44の横方向の外側端部とヒンジ凹部24Aとは、軸部45を介して連結されている。これにより、容器本体2に対して蓋体4を回動自在に支持するヒンジ3が構成される。
【0022】
ストラップ体5は、図1に示すように、断面円形状をなす弾性を有する紐状部材であり、平面視C字状をなしている。このストラップ体5は、例えば樹脂材料で形成されている。ストラップ体5の両端部には、外径が一対の固定壁部23a、23bそれぞれの間の間隙よりも大きい大径部5A、5Bが形成されている。そして、ストラップ体5の一端部側の大径部5Aは、一対の固定壁部23aに係止されることによって右側への移動が規制される。そして、大径部5Aには、スライドスリット部28Aを介して容器本体2の外部に露出する操作片51が被着されている。
一方、ストラップ体5の他端部側の大径部5Bは、一対の固定壁部23bに係止されて容器本体2に対して固定されることによって右側への移動が規制される。
また、ストラップ体5のうち右側壁部26に沿って延在する部分は、収容溝部26A内に収容されている。
【0023】
操作片51は、矩形箱状をなしてストラップ体5の大径部5Aに被着される被着箱部52と、スライド溝部28に沿って横方向にスライドするスライド部53と、スライドスリット部28Aを介して被着箱部52とスライド部53とを連結する連結部54と、を有する。
なお、操作片51は、図1に示すように、スライド溝部28の左端部に位置しており、ストラップ体5の一端部は、外装体13と内装体14とによって画定される空間内に引き込まれている。そのため、ストラップ体5全体は、容器本体2内に収容されている。
【0024】
係合部6は、図1及び図3に示すように、コンパクト容器1の前端部の横方向中央部において切欠部25Aの内側に配設されており、容器本体2側に設けられた第1フック61と、蓋体4側に設けられると共に第1フック61と係合する第2フック62と、第1及び第2フック61、62間の係合を解除するプッシュピース63と、を備えている。
【0025】
第1フック61は、底壁部21から上方に向けて立設されたガイド壁部64を備えている。ガイド壁部64は、横方向で容器本体2の開口部33Aと切欠部25Aとに対応する位置において、容器本体2の前壁部25よりも内側に配置され、その前端面が上方に向かうにしたがって後側に向けて傾斜する傾斜面64Aとなっている。そして、ガイド壁部64の上部には、第1爪部64Bが突設されている。さらに、ガイド壁部64の下部には、前後方向に延在するガイド穴部64Cが形成されている。
【0026】
第2フック62は、天壁部41から下方に向けて垂下された縦壁部65を備えている。縦壁部65は、蓋体4を閉じた状態において、平面視で第1フック61と重なる位置に配設されている。また、縦壁部65の下部には、蓋体4を閉じた状態において、容器本体2の開口部33A内に挿通されて第1フック61の第1爪部64Bに係合する第2爪部65Aが形成されている。
【0027】
プッシュピース63は、切欠部25Aの内側において容器本体2に支持されている押圧壁部66と、押圧壁部66の中間部に形成された突起部67と、押圧壁部66の下部に形成されたベース部68と、を備えている。
押圧壁部66の前後方向の位置は、容器本体2の前壁部25と同等の位置となっている。突起部67は、第1フック61の傾斜面64Aに当接し、ベース部68は、第1フック61のガイド穴部64C内に挿通されている。
【0028】
次に、以上のような構成のコンパクト容器1の使用方法について説明する。まず、コンパクト容器1を使用しない状態では、図1に示すように、操作片51がスライド溝部28の左端部に位置しており、ストラップ体5のうち右側壁部26に沿って延在する部分が収容溝部26A内に収容されている。これにより、ストラップ体5全体は、容器本体2内に収容されている。
【0029】
コンパクト容器1を使用する際には、まず、コンパクト容器1からストラップ体5を繰り出す。ここでは、操作片51をスライド溝部28内で右側に向けてスライドさせる。操作片51が右側に向けて移動すると、操作片51に接続されているストラップ体5の一端部も操作片51と共に右側に向けて移動する。そして、ストラップ体5のうち外装体13と内装体14との間の空間に収容されている部分は、ストラップ体5の一端部が右側に向けてスライドするにしたがって、右側部分から順に容器本体2の外部に繰り出される。また、ストラップ体5のうち右側壁部26の収容溝部26A内に収容されている部分は、ストラップ体5の一端部側が容器本体2の外部に繰り出されるにしたがって、例えば前側部分から順に容器本体2の外部に繰り出される。その後、操作片51をスライド溝部28の右端部までスライドさせると、ストラップ体5と右側壁部26とによって例えば指を掛ける空間が画定される。
【0030】
次に、係合部6の押圧壁部66を後方に押し込んで、蓋体4を開く。押圧壁部66を後方に押し込むと、プッシュピース63の突起部67がガイド壁部64の傾斜面64A上を摺動することで、第2フック62の第2爪部65Aが上方に押し上げられ、第1フック61の第1爪部64Bと第2フック62の第2爪部65Aとの係合が解除される。そして、蓋体4を引き上げると、蓋体4がヒンジ3の軸部45回りに回動し、容器本体2が開放される。
そして、容器本体2に収容された中皿Fの内容物及び塗布具Pを適宜使用した後、蓋体4を閉じる。
【0031】
続いて、ストラップ体5を容器本体2内に収容する。ここでは、上述とは逆に、操作片51をスライド溝部28内で左側に向けてスライドさせ、操作片51に接続されているストラップ体5の一端部を操作片51と共に左側に向けて移動させる。ストラップ体5は、ストラップ体5の一端部が左側に向けてスライドするにしたがって、一端部側から順に外装体13と内装体14との間の空間内に引き込まれる。その後、操作片51をスライド溝部28の左端部までスライドさせると、ストラップ体5のうち右側壁部26に沿って延在する部分は、右側壁部26の収容溝部26A内に収容される。これにより、ストラップ体5全体は、容器本体2内に収容される。
【0032】
このとき、ストラップ体5の他端部は、一対の固定壁部23bに係止されているので、ストラップ体5を出没させるときに操作片51を横方向にスライドさせても、容器本体2に対して移動しない。
なお、ストラップ体5を繰り出してから蓋体4を開いているが、蓋体4を開いてからストラップ体5を繰り出してもよく、ストラップ体5を収容してから蓋体4を閉じてもよい。
【0033】
以上のような構成のコンパクト容器1によれば、ストラップ体5を使用しないときにストラップ体5を容器本体2内に収容でき、さらに、ストラップ体5を使用するときに操作片51をスライドさせるだけでストラップ体5のうち大径部5A、5Bを除く部分を容器本体2の外部に繰り出すことができるので、ストラップ体5の操作性を向上させつつ不使用時におけるストラップ体5の取扱性を改善できる。
また、ストラップ体5の大径部5Bを容器本体2内に固定しており、ストラップ体5の大径部5Aのみをスライドさせる構成とすることで、ストラップ体5を容器本体2に対して出没させる構成を簡略化できる。
【0034】
次に、本発明によるコンパクト容器の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、ここで説明する実施形態は、その基本的構成が上述した第1実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図5及び図6においては、図1から図4と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
本実施形態におけるコンパクト容器100では、図5及び図6に示すように、容器本体101内でストラップ体102の両端部がスライド自在となっている。
容器本体101の外装体110を構成する底壁部111、右側壁部112及び左側壁部113には、ストラップ体5を挿通させる挿通経路110A、110Bが形成されている。
内装体120を構成するフランジ部115のうち係合部6の左右両側の部分それぞれには、後述する操作片137、138を容器本体101の外部に露出させるスライドスリット部121、122が形成されている。
なお、容器本体101の右側壁部112の横方向の厚さは、左側壁部113の厚さと同等となっている。また、前壁部(図示略)には、第1実施形態における前壁部25のスライド溝部28が形成されていない。
【0036】
ストラップ体102は、断面円形状をなす弾性を有する紐状部材であり、正面視C字状をなしている。そして、ストラップ体102のうち底壁部111の下面に沿って延在する部分は、容器本体101の外部に露出している。
ストラップ体102には、6つの節部131〜136が設けられており、ストラップ体102は、これら節部131〜136において他の部分よりも屈曲変形が容易になっている。
【0037】
節部131、136は、ストラップ体102を容器本体101から繰り出した状態においてストラップ体102が底壁部111の横方向両縁部それぞれに位置する部分に形成されており、節部132、135は、ストラップ体102を容器本体101内に収容した状態においてストラップ体102が底壁部111の横方向両縁部それぞれに位置する部分に形成されており、節部133、134は、ストラップ体102を容器本体101内に収容した状態においてストラップ体102が挿通経路110A、110Bそれぞれから容器本体101の外部に露出する部分のうち底壁部111に近接する部分に形成されている。
【0038】
そのため、ストラップ体102のうち節部133、134間の部分は、ストラップ体102が節部133、134において屈曲変形しやすくなっているので、底壁部111の下面に沿って延在し、底壁部111から下方に向けて撓むことが防止されている。
また、ストラップ体102の両端部には、外径がストラップ体102の両端部を除く他の部分よりも大きい大径部102A、102Bが形成されている。これら大径部102A、102Bそれぞれには、スライドスリット部121、122を介して容器本体101の外部に露出する操作片137、138が被着されている。
【0039】
以上のような構成のコンパクト容器100からストラップ体102を繰り出す場合には、上述した第1実施形態と同様に、操作片137をスライドスリット部121に沿って右側に向けてスライドさせると共に、操作片138をスライドスリット部122に沿って左側に向けてスライドさせる。ストラップ体102のうち外装体110と内装体120との間の空間に収容されている部分は、操作片137、138をスライドさせるにしたがって、容器本体101の外部に繰り出される。
【0040】
ストラップ体102を容器本体101内に収容する場合には、上述とは逆に、操作片137、138それぞれを横方向中央部側に向けてスライドさせる。操作片137、138をスライドさせるにしたがって、ストラップ体102が外装体110と内装体120との間の空間内に引き込まれる。このとき、ストラップ体102が節部133、134において屈曲するため、ストラップ体102のうち節部133、134間の部分は、底壁部111の下面に沿って延在し、底壁部111から下方に向けて撓むこと防止されている。
【0041】
以上のような構成のコンパクト容器100においても、上述した第1実施形態と同様の作用、効果を奏するが、蓋体4を閉じた状態において操作片137、138がコンパクト容器100の外部に露出していないため、例えばコンパクト容器100を鞄の中などに入れた状態で、操作片137、138が誤動作することを防止できる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、容器本体には、中皿を収容保持する第1凹部と塗布具を収容する第2凹部とが横方向に並設されているが、前後方向に並設させてもよく、第1凹部または第2凹部のみ設けてもよい。
ストラップ体は、第1実施形態において第2実施形態と同様に節部を有する構成であってもよく、同様に、第2実施形態において第1実施形態と同様に節部を有さない構成であってもよく、他の構成であってもよい。また、ストラップ体は、紐状に限らず、帯状など、他の形状をなしてもよい。さらに、節部は、節部においてストラップ体が屈曲しやすくなっていればよく、例えば他の部分よりも薄肉とすることによって屈曲変形が容易である構成など、他の構成であってもよい。
また、ストラップ体は、少なくとも一部が容器本体内に収容されればよく(ただし、収容されない部分は容器本体に近接あるいは当接させることが好ましい)、例えば第1実施形態において右側壁部に収容溝部を形成しなくてもよく、第2実施形態において底壁部に収容溝部を形成してもよい。
操作片は、第1実施形態において容器本体の前壁部から露出しているが、第2実施形態と同様に内装体のフランジ部から露出させてもよく、同様に、第2実施形態において容器本体の前壁部から露出させてもよく、他の構成であってもよい。
ストラップ体の両端部の少なくとも一方に操作片を被着しているが、ストラップ体と操作片とを一体成形してもよい。
ストラップ体及び操作片の配設位置は、上述した実施形態に限らず、他の部分であってもよく、ストラップ体を複数配設してもよい。
ストラップ体を容器本体に収容する収容位置と容器本体に対するストラップ体の繰出量が最大になる繰出位置とのそれぞれにおいて操作片を位置決めすることを容易にするため、例えば操作片と容器本体とに収容位置と繰出位置とのそれぞれにおいて係合する係脱可能な各種係止手段を設けてもよい。同様に、収容位置と繰出位置との間で操作片を位置決めしてストラップ体の繰出量の調整を容易にするため、例えば操作片や容器本体に上述した係止手段を複数設けてもよい。
コンパクト容器の形状は、平面視矩形状に限らず、平面視円形や三角形など、他の形状であってもよい。また、容器本体及び蓋体は、少なくとも一方がドーム状に膨出した形状など、他の形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
この発明によれば、ストラップ体の操作性を向上させたコンパクト容器に関して、産業上の利用可能性が認められる。
【符号の説明】
【0044】
1,100 コンパクト容器、2,101 容器本体、3 ヒンジ、4 蓋体、5,102 ストラップ体、51,137,138 操作片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する容器本体と、前記容器本体にヒンジを介して連結された開閉自在な蓋体と、前記容器本体に出没自在に収容されたストラップ体と、を備え、
前記ストラップ体の両端部のうち少なくとも一方が、前記容器本体から露出すると共に前記容器本体に沿ってスライド自在な操作片に連結されており、前記操作片のスライドに伴って前記ストラップ体のうち両端部を除く少なくとも一部が前記容器本体に対して出没することを特徴とするコンパクト容器。
【請求項2】
前記ストラップ体の一端部が前記操作片に連結され、他端部が前記容器本体に対して固定されていることを特徴とする請求項1に記載のコンパクト容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−13451(P2013−13451A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146598(P2011−146598)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)