コード式カードシステム
【課題】複数のカードの少なくとも特定の一部をコード表示領域を光透過材料で形成するとともに、各カードの当該領域に部分コードを記載し、カードを重ね合わせた状態で部分カードを合成した全体コードを読み取ることができるようにし、カードの組み合わせにより情報のバリエーションを広げることを可能としたカード玩具を提供する。
【解決手段】複数のカードを含み、各カードの対応箇所を遊戯用の情報を含むコード表示領域とし、残りのカード部分を遊戯のためのデザイン表示領域としたカード玩具において、
少なくとも各カードのコード表示領域6を光透過可能とし、この領域に表示した部分コード12が、一組のカードを正位置に重ねたときに重ね方向の視野内で全体コード14として合成されるように各部分コード12を配置した。
【解決手段】複数のカードを含み、各カードの対応箇所を遊戯用の情報を含むコード表示領域とし、残りのカード部分を遊戯のためのデザイン表示領域としたカード玩具において、
少なくとも各カードのコード表示領域6を光透過可能とし、この領域に表示した部分コード12が、一組のカードを正位置に重ねたときに重ね方向の視野内で全体コード14として合成されるように各部分コード12を配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード式カードシステム、例えば遊戯や教育に適したコード式カードシステム 特にカード玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
カード式玩具として、複数のカードの表面の一辺付近に色と数字とからなる情報表示部を、残りの箇所に質問文を描き、それらカードを二人の遊戯者に分配し、同じ色のカードを二人で出し合ってカードの数字の大小で勝ち負けを決定し、負けた人が勝った人のカードの質問文に答える義務が生ずるというものがある(特許文献1)。
【0003】
また遊戯カードに数値データを記録するバーコードを表示し、この数値データを利用して、攻撃側プレイヤの使用するカードと防禦側プレイヤの使用するカードを対戦させて、バーコード記録した数値データの優劣を競うカードシステムも知られている(特許文献2)。
【0004】
また、カードの表面に人物やモンスターなどのキャラクターの絵柄を描いた収集カードであって、カードの一部にキャラクターに応じたデータ記憶部を、残りの部分に絵柄表示部をそれぞれ形成し、データ読取り手段付き遊戯装置でそのデータを読み取って、そのキャラクターに応じた声を出したり、ミニゲームを発生させたりするように構成したカードシステムも知られている(特許文献3)。
【特許文献1】特開2003−205061
【特許文献2】特公平5−30475号
【特許文献3】特開2002−336399
【特許文献4】特開平08−299602
【特許文献5】特開平11−227367
【非特許文献1】「知っておきたいバーコード・二次元コードの知識」P3 平本純也 日本工業出版 平成3年11月10日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2及び特許文献3のカードシステムは、一枚のカードに描かれた特定の絵柄に対して、そのカードに記録された特定の情報を用いて遊ぶため、カードの枚数に応じた情報しか利用できず、変化に乏しかった。
【0006】
他方、コードを利用するものではないが、人物を描いた第1のシート状物と、その人物の衣装のデザイン及び形状を有する複数の第2のシート状物とからなり、第2のシート状物を第1のシート状物に着脱自在に形成した着せ替え玩具も知られている(特許文献4)。
【0007】
本発明の第1の目的は、複数のカードの少なくともの特定の一部をコード表示領域を光透過材料で形成するとともに、各カードの当該領域に部分コードを記載し、カードを重ね合わせた状態で部分カードを合成した全体コードを読み取ることができるようにし、カードの組み合わせにより情報のバリエーションを広げることを可能としたコード式カードシステムを提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、各カードのデザイン表示領域を透明とすることで上述の着せ替え遊びの手法を取り入れた絵合わせの可能なコード式カードシステムを提供することである。
【0009】
本発明の第3の目的は、そうしたコード合わせ或いは絵合わせを正確に行うためにカード相互の位置合わせの手段を備えたコード式カードシステムを提供することにある。
【0010】
本発明の第4の目的は、カード相互のズレによる読み取り誤差に対する許容度の大きいコード方式を備えたカードシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の手段は、複数のカードを含み、各カードの対応箇所を、情報をコード化したコード表示領域とし、残りのカード部分をデザイン表示領域としたコード式カードシステムにおいて、
少なくとも各カードのコード表示領域6を光透過可能とし、この領域に表示した部分コード12が、一組のカードを正位置に重ねたときに重ね方向の視野内で全体コード14として合成されるように各部分コード12を配置している。
【0012】
本手段では、従来一枚のカードに記録されていたコード情報(全体コード)を複数のカードに分散して記憶し、個々のカードの部分情報(部分コード)をカードを重ね合わせることにより合成できるようにしている。それらの部分コードはどのカードを組み合わせても遊戯に用いられる一定の情報を構成するようにすると望ましい。カードを重ね合わせた状態で部分コードを合成できるようにするために、少なくともコード表示領域を光透過材料で形成している。「透明」ではなく光透過可能というのは、可視光を透過する場合はもちろん、非可視光を透過するものも含む意味である。例えば透過型カードではないが、赤外線吸収インクを用いてコード情報をカードに記憶することは従来公知である(特許文献5)。
【0013】
「コード式カードシステム」は、複数のカードを含んでいる。「複数の」とは、コード式カードシステムを構成する一揃いのカードという程度の意味である。通常は絵合わせのための必要数のパーツに対応複数種のカードを含み、各種ごとに一又は2以上の同種類のカードを含む。他方「一組のカード」というときには、一揃いのカードから一つのカード遊びの動作(例えば一つのデザインを作る動作)のために選んだワンセットのカードをいうものとする。コード式カードシステムは、カードそのものの他、後述のカードホルダーを含んでもよく、更にカード読取手段付きの遊戯装置を包む遊戯システムとしてもよい。
【0014】
「カード」は、遊戯などに適したデザイン表示領域とコード表示領域とを含む。着せ替え遊びのような絵合わせを楽しむ型、コード情報として記録された得点の優劣を競う対戦型などさまざまなカード遊びに使用できる。こうしたカードは、同一形状であることが一般的であるが、少なくとも各カードを、コード情報の読取り可能な正しい位置に重ね合わせることができる形状又は構造を有していればよい。尚、カードの一部には、そうした位置合わせ手段を設けることが望ましい。例えばカードの透明部分に位置合わせ用のマーク(ドットや模様)を形成したり、位置合わせ用の孔を穿設したりすることも可能であるが、後述のようにカードの各辺又は各角を揃えることで位置があうようにするとよい。
【0015】
なお、本明細書において、「位置合わせ」とは、カードのデザイン表示領域及びコード表示領域の表示物が、カードを重ねた状態で重ね方向から観測して、製造者の意図に応じた位置関係にすることをいう。また、そうした関係にあることを、カードが「正位置」にあるというものとする。
【0016】
「デザイン表示領域」は、遊戯用の絵・文字・記号などを表す機能を有する。この領域は、絵合わせ遊びをするときには、絵の着色部分を可視光を透過するように設ける。もっとも必ずしもそうする必要はなく、例えば集めたカードにコード情報として記録されたポイントを集計するためだけの使い方をする場合には光を透過しなくても構わない。
【0017】
「コード表示領域」は、コード情報を表示する部分であり、各カードを重ね合わせて情報を合成できるように、カードが同一形状のときには同一の場所に、また完全に同一形状ではないときには対応する場所に形成するとよい。コード表示領域は、コード以外の部分は無地に形成する。コード以外の模様などがあると、読取のエラーが生ずるからである。
【0018】
「部分コード」とは、全体コードの情報の一部を有し、各部分コードを合成することで全体コードを構成するものをいう。ここで「合成」とは、部分コードが有する情報を損なわずに、他の部分コードの情報と合成することである。例えば着せ替え遊びでは、人物、衣服、帽子、持ち物などを表すカードを、また対戦型では、人物、戦闘服、武器などを表すカードをそれぞれ用意し、各カードに人物又はそのアイテムのポイントをコード情報として記憶し、カードを重ね合わせたときに、全体コードの各部分が表すポイントを合計して、点を競うなどという使い方が可能である。一揃いのカードのうち全部又は一部の部分コードを合成させて特許文献3のような遊戯装置に読み取らせることで、ゲームその他のアクションが遊戯装置において生ずるようにしてもよい。
【0019】
「コード」とは、本明細書においてドットや線の集合により情報を表すものをいい、いわゆるバーコードや二次元コードを含む。もっとも本発明では、各カードの部分コードを合成して読み取るので、カード相互にある程度のズレを生じ易い。本発明ではそのズレによる読取り誤差の小さいコード方式を提案している。なお、コードの読取り方法としては光を照射して透過光を測定する透過式及び反射光を測定する反射式のどちらでもよい。
【0020】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記カード4を透明材料で形成して、各カードのデザイン表示領域8のパーツ10を重ね或いは連続させて新たな一つのデザインを合成できるように構成している。
【0021】
本手段では、カードを透明としてデザインを重ね合わせ、絵合わせをすることができるコード式カードシステムを提案している。デザインの内容に対応したコード情報を記録することが好適である。
【0022】
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ
各カード4を略同形同寸の矩形カードとし、それらカードの少なくとも2辺を揃えることで、各カード4が正位置に重なるようにしている。
【0023】
本手段では、好ましい位置合わせの手段の一つを提案している。カードのサイズを同じとし、カードを揃えて重ねるということはカード遊びの中では当たり前のことであり、その当たり前の動作の中で、各カードの部分コードが正しく重ね合わされるということが重要である。それにより遊戯者は遊びに集中できるからである。
【0024】
第4の手段は、第3の手段を有し、かつ各カード4のデザイン表示領域8に、部分コード12に応じたデザインのパーツ10を描き、一組のカードを正位置で重ねることで正常なデザインが合成されるとともに、これらカードを正位置から外れて重ねたときに合成されたデザインが不正常な状態となるようにしている。
【0025】
本手段では、絵合わせの動作とともにカードの位置を合わせ、左右・上下の入れ違いを防止する手段である。例えば図2のような人物、衣装、帽子、靴というデザインパーツを重ねて、衣装、帽子、靴を装身した人物のデザインを合成するとき、例えば一枚のカードを左右逆に重ねると、図3のように帽子が人物の頭部の側方へ、上下逆に重ねると、図4のように物の足の方へそれぞれずれる。子供の目にも不自然な状態となるので、そのカードを正しく入れ替えようとするであろう。この絵合わせの動作が各部分コードの位置合わせにもなる。この位置合わせの方法を採用するための条件は、各パーツがカードの左右方向又は上下方向に非対照であることである。これについては後述する。
【0026】
第5の手段は、第1の手段から第4の手段の何れかを有し、かつ
コード表示領域6を、ほぼ同一形状かつ同一寸法で矩形とした各カードの一辺に沿って延長するとともに、
各コード表示領域6で、その辺方向と直交させて、少なくとも2本以上の、情報を太さとしてコード化したバー16を相互に間隔をおいて配置することで、各カード4の部分コード12を形成している。
【0027】
本手段は、いわゆるバーコードの構成要素である各バーを各カードに分散して設け、カードを重ね合わせることで、一連のバーコードが合成される方式を提案している。
【0028】
一般に「バーコード」とは、一般に「幅が変化する平行かつ長方形のバー又はスペースの配列によって情報をコード化したもの」をいうのであるが(非特許文献1)、本発明の場合には辺方向(バーと垂直な方向)にカード相互のズレを生じ易いので、バー相互の距離でコード化した情報は、誤差が大きい。そこで太さのみで情報をコード化している。
【0029】
一般のバーコードは、スタートキャラクタ、データキャラクタ、ストップキャラクタの他、これら一連のキャラクタを商品の他の要素と区別させるために空白部(クワイアットゾーン)をスタートキャラクタの前及びストップキャラクタの後ろに配置してなる(非特許文献1)。本発明の場合には、コード表示領域を無地とすることでクワイアットゾーンに代えている。また、ストップキャラクタは省略することができる。後述の好適な実施例では、スタートキャラクタを全てのバーの同じ位置に形成し、情報を持つデータキャラクタを各デザインに相当する部分コードとして分割して、各カードの対応する位置に分配している。
【0030】
本手段において重要なことの一つは、バーコードの各部分を複数のカードに分配するときに、元のコードで隣り合う2以上のバーを一つのブロックとして、各カードに分配したことである。そうすることでカードのズレによる読取エラーを少なくすることができるからである。
【0031】
第6の手段は、第5の手段のコード式カードシステムであって、
上記各コード領域に、第5の手段のバー16に代えて、線分、或いはその線方向に連なる線分又はドットの組み合わせとして構成される線状コード要素18を相互に間隙をおいて配置し、
かつ各線状コード要素は、その線分の長さやドットの配置により情報を表すように形成している。
【0032】
本手段では、いわゆるバーコードに似ているが、バーコードよりも本発明の用途に適したコード方式を提案している。前述の通り本発明ではカード相互が辺方向にずれる可能性があるため、辺と垂直な線分の長さ方向に、線分、或いは線分又はドットの組み合わせとして情報を蓄える方式を提案している。先の手段の「バー」に対して、「線状コード要素」という言葉を用いているのは、例えばドットの点列状のようなものも含む意味である。バーコードの場合には、バーの太さ又はバー同士の間隙で情報を表わし、長手方向には全てのバーが同じである(即ち情報を持たない)のに対して、本手段の線状コード要素は、長手方向に表れるドットや線分の配置、線分の長さなどで情報をコード化している。「線状」というのは、線方向に情報を配置しているという意味であり、実際には「バー」と同様にある程度の巾を有するものも含む。
【0033】
第7の手段は、第6の手段を有し、かつ
上記線状コード要素18は、各カードを正位置に重ねて全体コード14を合成したときに基準長又はその等倍の間隔を存して規則正しく配列されており、
各線状コード要素18は、情報読取のタイミングを示す基準部20により、或いはこの基準部と情報を表すデータ部22とにより構成されており、上記基準部は、上記カード4の一辺から等距離に位置している。
【0034】
本手段では、カードの一辺側のコード表示領域をカード読取り手段に対して走行させた情報を読み取るのに適したコード方式を提案している。前述の構成のうち、「基準部」は、デジタル回路の基準クロックに相当するものである。装置と装置とを同期させるために基準クロックを用いることは一般的に行われている。本発明の場合には、基準クロックに相当する基準部をカード自体に印刷し、各基準部と、情報を表すデータ部とを組み合わせることで、そのデータを読み取るタイミングを機械に知らせるようにしている。
【発明の効果】
【0035】
第1の手段に係る発明によれば次の効果を奏する。
○全体コードの情報を、部分コードとして複数のカードに分散させたから、例えば相手とのポイントの優劣を競う対戦型のゲームにおいては、カードの枚数分のポイントしか設定できない従来のカード遊戯と比べて、複数のカードを組み合わせることで非常に多数のポイントを設定し得るようにすることができる。
○カード4を光透過性とすることで、各カードの部分コードを重ねて合成するようにしたから、合成方法が単純であり、全体コード14を簡単に読み取ることができる。
【0036】
第2の手段に係る発明によれば、カードを透明としたから、衣装の着せ替えや対戦ゲームなどさまざまな遊戯方法に適用できる。
【0037】
第3の手段に係る発明によれば、カードを揃えるだけでカード同士の位置合わせが可能となり、コードの情報を正確に読み取ることができるので、便利である。
【0038】
第4の手段に係る発明によれば、一組のカードのうち少なくとも一枚を正しい位置から入れ替えたときに、合成されたデザインが不正常な状態になるようにしたから、カード遊びの中で正しくデザインを完成しようとする行為により、自然と部分コードの位置も正しく揃うので便利である。
【0039】
第5の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○矩形のカード4の各一辺に沿ってコード表示領域6をとるとともに、辺方向と直交する部分コード12を形成したから、コードの情報をカードリーダーで読み取り易い。
○各カードごとに少なくとも2本以上の部分コード12を相互に連ねて表示しており、同一カードにおいては部分コード相互の位置のズレを生じ得ないので、そのズレによるデータ読み取りエラーの可能性を少なくすることができる。
【0040】
第6の手段に係る発明によれば、第5の手段の構成中の部分コード12を、線状コード要素18に代えたので、第5の手段の発明の効果を奏するとともに、各線状要素の長手方向に線分の長さやドットの位置として情報を蓄えることができるので、カードの辺方向のズレに影響を受けにくい、という効果を奏する。
【0041】
第7の手段に係る発明によれば次の効果を奏する。
○線状コード要素18は、各カードを正位置に重ねて全体コード14を合成したときに基準長又はその等倍の間隔を存して規則正しく配列されているから、各カード間での多少の誤差があっても、正確にコード情報を読み取ることができる。
○各線状コード要素18は、情報読取のタイミングを示す基準部20により、或いはこの基準部と情報を表すデータ部22とにより構成されており、上記基準部は、上記カード4の一辺から等距離に位置しているから、カードリーダーでコード情報を読み取るときにこの基準部を利用して更に的確な読み取りが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
図1から図9は、本発明の第1の実施形態に係るコード式カードシステムに用いる。
【0043】
このコード式カードシステム2は、複数のカード4から構成される。これらのカードは、重ね合わせたときに各辺が揃うように同一の形状及びサイズに形成される。図1は、カードを重ね合わせた状態を示しており、また、図2は、各カードを個別に描いている。図示のカードは長方形であるが、その形状は適宜変更することができる。
【0044】
各カード4の一部はコード表示領域6に、残りの部分はデザイン表示領域8に形成している。各領域は、全てのカードの同じ場所に同じ大きさ・形状で形成される。図示例では、コード表示領域をカードの長辺に沿って帯状に形成しているが、カードの短辺側に設けてもよい。各カード4は、重ね合わせたときに、各表示領域6、8の表示物が重なって見えるように透明材料で形成されている。具体的には、PP材、PVC材、PET材、スチレン系樹脂で形成することができる。
【0045】
図2の下段に示すように、各カード4のデザイン表示領域8には、人物、帽子、衣服、靴などのデザインのパーツ10をそれぞれ描いている。これらパーツは、図2の上段のようにカードを重ね合わせることで合体され、帽子・衣装・靴を身に着けた人物像としてまとまった、一つのデザインとなる。図示例では、人物・帽子・衣服・靴の4種類のカードで一揃いのコード式カードシステムを構成しており、カードの各種類毎に、1又は2以上の異なるパーツのカードが存在する。
【0046】
また各カードのコード表示領域には、部分コード12を表示している。そのコードは、そのカードのデザイン表示領域に応じた情報を含むものとすることが望ましい。もっともそうした情報とともに、或いはその情報に代えて商品管理情報その他有用な情報を記録しても構わない。複数のカードを重ねたときに、それらのカードの部分コード12が合成されて全体コード14となる。コード形式については後で説明する。
【0047】
これら部分コードは、カードが不完全に重ねられたときには、ずれて読み取り誤差を生ずるが、本発明では、次のような手段でカードの位置決めを行う。
【0048】
第1に、カードの各辺方向のズレはその辺と隣接する辺を揃えることで防止する。例えば図示例のようにコードを長辺方向に配列したときには、カードの短辺を揃えればよい。カードの各短辺の端面を机の甲板上面などに当てて、比較的低年齢の子供でも小さな誤差範囲で(例えば1mm未満で)辺を揃えることが可能である。従って、後述のバーや線状コード要素で構成されるコードでは、バーなどの間隙を、予想される誤差範囲より大きく設定すればよい。
【0049】
第2に、カードを左右方向及び上下方向に入れ間違えた場合について説明する。図3及び図4に関連して既に説明したように、デザイン表示領域の各パーツ10が合体した状態で位置合わせの適・不適を判定することが出来る。この位置合わせを可能とするための条件は、左右方向の位置合わせに関しては、各カードのデザイン表示領域のパーツ10がカードの左右方向に非対照であることである。例えば図示例では、カードの左辺側にコード表示領域6を形成しているので、デザイン表示領域8の左右中心線L2は、カードの左右中心線L1よりも右にずれている。従ってデザイン表示領域の左右中心線L2を中心として各パーツ10を描けばよい。また人物の姿態を左右非対照とし、衣服や靴の位置もそれに対応させるようにしても良い。また、上下方向の位置合わせに関しては、各パーツが非対照なことである。人・衣服・靴などの着せ替え遊びのパーツは、上下対称であることがあまりなく、こうしたオブジェクトに対しては特別な工夫は不要である。
【0050】
次に図5〜図7を用いて、本発明のコード形式について説明する。まず図7は、一般的なバー16を用いたバーコード方式であり、図5及び図6は、本発明の線状コード要素18を利用したコード方式である。バー16は、細いバーが0、太いバーが1という情報をコード化している。線状コード要素18は、線方向の長さで情報を表わしている。これらバー16及び線状コード要素は、2値タイプであり、バーの場合には細いバーが0、太いバーが1のように、線状コード要素では短いものが0、長いものが1のように情報をコード化している。各図のコード表示領域の一番下に描いたバー又は線状コード要素は、一連のコードの始まりを表わすスタートキャラクターであり、全てのカードに設けている。そのようにした第1の理由は、特定のカードのみにスタートキャラクターを設けると、その特定のカードを含まないカードの組み合せでは、情報を読み取れないことになり、組み合せの自由度が損なわれるからである。第2の理由は、後述のように各カード単独でもコードの読取を可能とするためである。そしてその上方には各カードに関するデータをコード化したものを表示している。図5の例では、(1)〜(3)の三種類のカードを用いている。上記のスタートキャラクターを除くと、カード(1)ではコード表示領域6の下部に4本(4ビット)の線状コード要素18を、カード(2)ではコード表示領域6の中間部に8本の線状コード要素を、カード(3)では、コード表示領域6の上部に4本の線状コード要素をそれぞれ表示している。このように同じカードの線状コード要素は相互に隣接しており、これら要素同士の距離は不変である。図5の下段は、3種のカードのうち、二つ又は三つを重ねたときの合成された全体コードの様子を示している。ここで各線状コード要素の間隔は一定である。
【0051】
上記の構成において、このコード式カードシステムを利用して遊戯を行う具体例を説明する。
[実施例1]図5のようにカードの種類が比較的少ないときには、3種類のカードのうち、一枚を単独で、また任意の2枚を組み合わせて、或いは3枚全部を組み合わせて、遊戯装置のカードデータ読取手段に読み取らせることで異なるアクションが発生するように構成することができる。例えば従来公知のじゃんけん方式の対戦型カードゲームに応用することができる。また図6及び図7は、6種類のカードを利用し、全種類のカードを重ねたときだけ、有意の全体コードが合成され、遊戯装置により所定のアクションが発生するように構成している。図6と図7とはコードの種類が異なるだけである。
[実施例2]更に対戦型の遊び(いわゆるカードバトル)では、武器や防護手段のカードの組み合せで強さや勝敗を判定することができる。その強さも単に一律ではなく、じゃんけんの石・はさみ・紙のようにあるアイテムには強いが他のアイテムに弱いなどの複雑な強さのルールをコード化することで、変化に飛んだ対戦が可能となる。
[実施例3]着せ替え遊びでは、洋服・帽子・装身具などの違いでコードが変わるのでおしゃれ度の判定が可能となる。そのおしゃれ度も単純な各アイテムのおしゃれ度の総和ではなく、この洋服と帽子とはよく似合うが、別の帽子とは合わないなどという評価をすることで、より複雑な遊びに対応できる。尚、例2の武器の強弱、例3のアイテム相互のおしゃれ度の関係などは後述の遊戯装置に記憶させておくとよい。
[実施例4]コードが正しい組み合せであるときには、正解音を、また正しくない組み合せのときには不正解のブザー音を後述の遊戯装置に発生させることで、子供の教育に使用できる。
[実施例5]各部分コードは、表面をさまざまな色とし、裏面を光を透過しにくい色とすることで、子供にとって見た目に楽しい意匠とすることができる。
【0052】
図8は、本願の線状コード要素の説明図である。図示の例では、同図上半に長短2種類の線状コード要素が用いられており、長い要素の下半部は基準部20、上半部はデータ部22となっている。同図下半では、これら上下両半部を説明のために分離して描いている。基準部20は、同一の仮想線に沿ってその線方向にカードを走行させたときに機械が読み取り可能に配置している。この基準部は、カードデータ読取手段に、データ部のデータを読み取るタイミングを知らせるためのものである。データ部22は、データを表わしている。図示例の場合、長い線状コード要素はデータ部を有しているので「1」を、短い線状コード要素はデータ部を有していないので、「0」を表わすというようにすればよい。これは2値タイプのものであるが、データ部の長さが0、1、2…のように変化する多値タイプのものとすることもできる。また、基準部とデータ部とは連続している必要はなく、図8下段に表わすように分離していてもよい。また図示例の各線状コードは巾(太さ)が一定であるため、カードを重ねたときのズレに対する余裕度が大きく、従って読取精度が高い。又、基準部は全ビット分の数があるため、読取の誤りチェックが容易である。更にカードを手動で送ったときの送りスピードの変動にも強い。
【0053】
図9は、図1の図示例の変形例であり、コード表示領域に2次元コードを用いた例である。図1と同様にカードの長辺側に帯状のコード表示領域を形成して、そこにデザインのパーツの数に応じた2次元コードを帯の長手方向に配置している。もっとも各2次元コードの位置は適宜変化させることができる。尚、図面では2次元コードの細かい形状を省略して描いている。
【0054】
図10は、本発明の第2の実施形態に係るコード式カードシステムである。このコード式カードシステムは、第1の実施形態に係る一揃いのカードと、カードホルダー24と、カードデータ読取手段30とを包含している。
【0055】
カードホルダー24は、カードを内部に収容して、このホルダーごとカードデータ読取手段にかけてデータを読み取るためのものである。従ってカードホルダーは光透過材料(好ましくは透明材料)で形成している。カードホルダーは長方体状のものでその一面にカード挿入口26を形成し、かつこのカード挿入口を閉塞する蓋を付設している。図示例では、作図の都合上からカードホルダーをカードに比べてやや大きく描いているが、カード相互のズレを防止するために、カードの上下巾及び左右巾にフィットするようにカードホルダーの内面の対応する寸法を設計することが望ましい。
【0056】
カードデータ読取手段30は、開口部32を挿入してデータを読み取るように構成している。このカードデータ読取手段の原理は、図11に示すように、カードの走行路の両側にスリット36付きの遮光板34を配置し、この遮光板の更に両側にLEDなどの発光部38と、光センサーである受光部40とを設置する。そして、発光部38から発した光が第1のスリット36、カードのコード表示領域6、第2のスリット36を経て受光部40に入光することでデータを読み取るようにしている。
【0057】
上記スリットは、コードを構成するバー又は線状コード要素の巾よりも狭く設ける。また上記LED及び光センサーはコードの印刷条件により可視光又は赤外線光タイプのどちらかを使用する。
【0058】
図示の受光部は、第1の受光体40a及び第2の受光体40bを有し、発光部から第1の受光体40aへ至る光路が基準部20で遮られたときに、第2受光体40bが受けた光をデータとして図示しない制御部(メイン回路)に送るようにしている。これにより、カードの汚れなどに影響を受けず、的確な読取が可能となる。図示の装置全体をカードゲーム用遊戯装置とし、カードデータ読取手段を装置の一部とすることもできる。その場合には、遊戯装置は制御部及び記憶部を備え、前述の実施例1〜3で述べた遊びのルールを記憶させておくとよい。
【0059】
図示例の透過型コード読取手段の他に、従来公知の反射型のものをしようしてもよい。この場合には、カードの片側に発光部及び受光部を接地し、光の反射の有無を読み取る。しかし読取可能な透明カードの枚数が透過式に比べて少なくなるものと考えられる。更に、従来公知のイメージセンサー方式を採用してもよい。これは、複数の発光素子及び受光素子を一列に並べてコードの全ビットを一度に読み込むものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態にコード式カードシステムの正面図である。
【図2】図1のコード式カードシステムを構成する複数のカードを重ね合わせ状態及び展開状態で示す図である。
【図3】図1のコード式カードシステムのカードを不適切に重ねた状態の第1の説明図である。
【図4】図1のコード式カードシステムのカードを不適切に重ねた状態の第2の説明図である。
【図5】図1のコード式カードシステムの第1の使用例を示す図である。
【図6】図1のコード式カードシステムの第2の使用例を示す図である。
【図7】図1のコード式カードシステムの第3の使用例を示す図である。
【図8】図1のコード式カードシステムに使用されるコードの説明図である。
【図9】図1のコード式カードシステムの変形例の正面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態にコード式カードシステムの正面図である。
【図11】図10のコード式カードシステムに含まれるカードデータ読取手段の原理図である。
【符号の説明】
【0061】
2…コード式カードシステム 4…カード 6…コード表示領域 8…デザイン表示領域
10…パーツ 12…部分コード 14…全体コード 16…バー
18…線状コード要素 20…基準部 22…データ部
24…カードホルダー 26…カード挿入口
30…カードデータ読取手段 32…開口部 34…遮光板 36…スリット
38…発光部 40…受光部 40a…第1受光体 40b…第2受光体
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード式カードシステム、例えば遊戯や教育に適したコード式カードシステム 特にカード玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
カード式玩具として、複数のカードの表面の一辺付近に色と数字とからなる情報表示部を、残りの箇所に質問文を描き、それらカードを二人の遊戯者に分配し、同じ色のカードを二人で出し合ってカードの数字の大小で勝ち負けを決定し、負けた人が勝った人のカードの質問文に答える義務が生ずるというものがある(特許文献1)。
【0003】
また遊戯カードに数値データを記録するバーコードを表示し、この数値データを利用して、攻撃側プレイヤの使用するカードと防禦側プレイヤの使用するカードを対戦させて、バーコード記録した数値データの優劣を競うカードシステムも知られている(特許文献2)。
【0004】
また、カードの表面に人物やモンスターなどのキャラクターの絵柄を描いた収集カードであって、カードの一部にキャラクターに応じたデータ記憶部を、残りの部分に絵柄表示部をそれぞれ形成し、データ読取り手段付き遊戯装置でそのデータを読み取って、そのキャラクターに応じた声を出したり、ミニゲームを発生させたりするように構成したカードシステムも知られている(特許文献3)。
【特許文献1】特開2003−205061
【特許文献2】特公平5−30475号
【特許文献3】特開2002−336399
【特許文献4】特開平08−299602
【特許文献5】特開平11−227367
【非特許文献1】「知っておきたいバーコード・二次元コードの知識」P3 平本純也 日本工業出版 平成3年11月10日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2及び特許文献3のカードシステムは、一枚のカードに描かれた特定の絵柄に対して、そのカードに記録された特定の情報を用いて遊ぶため、カードの枚数に応じた情報しか利用できず、変化に乏しかった。
【0006】
他方、コードを利用するものではないが、人物を描いた第1のシート状物と、その人物の衣装のデザイン及び形状を有する複数の第2のシート状物とからなり、第2のシート状物を第1のシート状物に着脱自在に形成した着せ替え玩具も知られている(特許文献4)。
【0007】
本発明の第1の目的は、複数のカードの少なくともの特定の一部をコード表示領域を光透過材料で形成するとともに、各カードの当該領域に部分コードを記載し、カードを重ね合わせた状態で部分カードを合成した全体コードを読み取ることができるようにし、カードの組み合わせにより情報のバリエーションを広げることを可能としたコード式カードシステムを提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、各カードのデザイン表示領域を透明とすることで上述の着せ替え遊びの手法を取り入れた絵合わせの可能なコード式カードシステムを提供することである。
【0009】
本発明の第3の目的は、そうしたコード合わせ或いは絵合わせを正確に行うためにカード相互の位置合わせの手段を備えたコード式カードシステムを提供することにある。
【0010】
本発明の第4の目的は、カード相互のズレによる読み取り誤差に対する許容度の大きいコード方式を備えたカードシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の手段は、複数のカードを含み、各カードの対応箇所を、情報をコード化したコード表示領域とし、残りのカード部分をデザイン表示領域としたコード式カードシステムにおいて、
少なくとも各カードのコード表示領域6を光透過可能とし、この領域に表示した部分コード12が、一組のカードを正位置に重ねたときに重ね方向の視野内で全体コード14として合成されるように各部分コード12を配置している。
【0012】
本手段では、従来一枚のカードに記録されていたコード情報(全体コード)を複数のカードに分散して記憶し、個々のカードの部分情報(部分コード)をカードを重ね合わせることにより合成できるようにしている。それらの部分コードはどのカードを組み合わせても遊戯に用いられる一定の情報を構成するようにすると望ましい。カードを重ね合わせた状態で部分コードを合成できるようにするために、少なくともコード表示領域を光透過材料で形成している。「透明」ではなく光透過可能というのは、可視光を透過する場合はもちろん、非可視光を透過するものも含む意味である。例えば透過型カードではないが、赤外線吸収インクを用いてコード情報をカードに記憶することは従来公知である(特許文献5)。
【0013】
「コード式カードシステム」は、複数のカードを含んでいる。「複数の」とは、コード式カードシステムを構成する一揃いのカードという程度の意味である。通常は絵合わせのための必要数のパーツに対応複数種のカードを含み、各種ごとに一又は2以上の同種類のカードを含む。他方「一組のカード」というときには、一揃いのカードから一つのカード遊びの動作(例えば一つのデザインを作る動作)のために選んだワンセットのカードをいうものとする。コード式カードシステムは、カードそのものの他、後述のカードホルダーを含んでもよく、更にカード読取手段付きの遊戯装置を包む遊戯システムとしてもよい。
【0014】
「カード」は、遊戯などに適したデザイン表示領域とコード表示領域とを含む。着せ替え遊びのような絵合わせを楽しむ型、コード情報として記録された得点の優劣を競う対戦型などさまざまなカード遊びに使用できる。こうしたカードは、同一形状であることが一般的であるが、少なくとも各カードを、コード情報の読取り可能な正しい位置に重ね合わせることができる形状又は構造を有していればよい。尚、カードの一部には、そうした位置合わせ手段を設けることが望ましい。例えばカードの透明部分に位置合わせ用のマーク(ドットや模様)を形成したり、位置合わせ用の孔を穿設したりすることも可能であるが、後述のようにカードの各辺又は各角を揃えることで位置があうようにするとよい。
【0015】
なお、本明細書において、「位置合わせ」とは、カードのデザイン表示領域及びコード表示領域の表示物が、カードを重ねた状態で重ね方向から観測して、製造者の意図に応じた位置関係にすることをいう。また、そうした関係にあることを、カードが「正位置」にあるというものとする。
【0016】
「デザイン表示領域」は、遊戯用の絵・文字・記号などを表す機能を有する。この領域は、絵合わせ遊びをするときには、絵の着色部分を可視光を透過するように設ける。もっとも必ずしもそうする必要はなく、例えば集めたカードにコード情報として記録されたポイントを集計するためだけの使い方をする場合には光を透過しなくても構わない。
【0017】
「コード表示領域」は、コード情報を表示する部分であり、各カードを重ね合わせて情報を合成できるように、カードが同一形状のときには同一の場所に、また完全に同一形状ではないときには対応する場所に形成するとよい。コード表示領域は、コード以外の部分は無地に形成する。コード以外の模様などがあると、読取のエラーが生ずるからである。
【0018】
「部分コード」とは、全体コードの情報の一部を有し、各部分コードを合成することで全体コードを構成するものをいう。ここで「合成」とは、部分コードが有する情報を損なわずに、他の部分コードの情報と合成することである。例えば着せ替え遊びでは、人物、衣服、帽子、持ち物などを表すカードを、また対戦型では、人物、戦闘服、武器などを表すカードをそれぞれ用意し、各カードに人物又はそのアイテムのポイントをコード情報として記憶し、カードを重ね合わせたときに、全体コードの各部分が表すポイントを合計して、点を競うなどという使い方が可能である。一揃いのカードのうち全部又は一部の部分コードを合成させて特許文献3のような遊戯装置に読み取らせることで、ゲームその他のアクションが遊戯装置において生ずるようにしてもよい。
【0019】
「コード」とは、本明細書においてドットや線の集合により情報を表すものをいい、いわゆるバーコードや二次元コードを含む。もっとも本発明では、各カードの部分コードを合成して読み取るので、カード相互にある程度のズレを生じ易い。本発明ではそのズレによる読取り誤差の小さいコード方式を提案している。なお、コードの読取り方法としては光を照射して透過光を測定する透過式及び反射光を測定する反射式のどちらでもよい。
【0020】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記カード4を透明材料で形成して、各カードのデザイン表示領域8のパーツ10を重ね或いは連続させて新たな一つのデザインを合成できるように構成している。
【0021】
本手段では、カードを透明としてデザインを重ね合わせ、絵合わせをすることができるコード式カードシステムを提案している。デザインの内容に対応したコード情報を記録することが好適である。
【0022】
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ
各カード4を略同形同寸の矩形カードとし、それらカードの少なくとも2辺を揃えることで、各カード4が正位置に重なるようにしている。
【0023】
本手段では、好ましい位置合わせの手段の一つを提案している。カードのサイズを同じとし、カードを揃えて重ねるということはカード遊びの中では当たり前のことであり、その当たり前の動作の中で、各カードの部分コードが正しく重ね合わされるということが重要である。それにより遊戯者は遊びに集中できるからである。
【0024】
第4の手段は、第3の手段を有し、かつ各カード4のデザイン表示領域8に、部分コード12に応じたデザインのパーツ10を描き、一組のカードを正位置で重ねることで正常なデザインが合成されるとともに、これらカードを正位置から外れて重ねたときに合成されたデザインが不正常な状態となるようにしている。
【0025】
本手段では、絵合わせの動作とともにカードの位置を合わせ、左右・上下の入れ違いを防止する手段である。例えば図2のような人物、衣装、帽子、靴というデザインパーツを重ねて、衣装、帽子、靴を装身した人物のデザインを合成するとき、例えば一枚のカードを左右逆に重ねると、図3のように帽子が人物の頭部の側方へ、上下逆に重ねると、図4のように物の足の方へそれぞれずれる。子供の目にも不自然な状態となるので、そのカードを正しく入れ替えようとするであろう。この絵合わせの動作が各部分コードの位置合わせにもなる。この位置合わせの方法を採用するための条件は、各パーツがカードの左右方向又は上下方向に非対照であることである。これについては後述する。
【0026】
第5の手段は、第1の手段から第4の手段の何れかを有し、かつ
コード表示領域6を、ほぼ同一形状かつ同一寸法で矩形とした各カードの一辺に沿って延長するとともに、
各コード表示領域6で、その辺方向と直交させて、少なくとも2本以上の、情報を太さとしてコード化したバー16を相互に間隔をおいて配置することで、各カード4の部分コード12を形成している。
【0027】
本手段は、いわゆるバーコードの構成要素である各バーを各カードに分散して設け、カードを重ね合わせることで、一連のバーコードが合成される方式を提案している。
【0028】
一般に「バーコード」とは、一般に「幅が変化する平行かつ長方形のバー又はスペースの配列によって情報をコード化したもの」をいうのであるが(非特許文献1)、本発明の場合には辺方向(バーと垂直な方向)にカード相互のズレを生じ易いので、バー相互の距離でコード化した情報は、誤差が大きい。そこで太さのみで情報をコード化している。
【0029】
一般のバーコードは、スタートキャラクタ、データキャラクタ、ストップキャラクタの他、これら一連のキャラクタを商品の他の要素と区別させるために空白部(クワイアットゾーン)をスタートキャラクタの前及びストップキャラクタの後ろに配置してなる(非特許文献1)。本発明の場合には、コード表示領域を無地とすることでクワイアットゾーンに代えている。また、ストップキャラクタは省略することができる。後述の好適な実施例では、スタートキャラクタを全てのバーの同じ位置に形成し、情報を持つデータキャラクタを各デザインに相当する部分コードとして分割して、各カードの対応する位置に分配している。
【0030】
本手段において重要なことの一つは、バーコードの各部分を複数のカードに分配するときに、元のコードで隣り合う2以上のバーを一つのブロックとして、各カードに分配したことである。そうすることでカードのズレによる読取エラーを少なくすることができるからである。
【0031】
第6の手段は、第5の手段のコード式カードシステムであって、
上記各コード領域に、第5の手段のバー16に代えて、線分、或いはその線方向に連なる線分又はドットの組み合わせとして構成される線状コード要素18を相互に間隙をおいて配置し、
かつ各線状コード要素は、その線分の長さやドットの配置により情報を表すように形成している。
【0032】
本手段では、いわゆるバーコードに似ているが、バーコードよりも本発明の用途に適したコード方式を提案している。前述の通り本発明ではカード相互が辺方向にずれる可能性があるため、辺と垂直な線分の長さ方向に、線分、或いは線分又はドットの組み合わせとして情報を蓄える方式を提案している。先の手段の「バー」に対して、「線状コード要素」という言葉を用いているのは、例えばドットの点列状のようなものも含む意味である。バーコードの場合には、バーの太さ又はバー同士の間隙で情報を表わし、長手方向には全てのバーが同じである(即ち情報を持たない)のに対して、本手段の線状コード要素は、長手方向に表れるドットや線分の配置、線分の長さなどで情報をコード化している。「線状」というのは、線方向に情報を配置しているという意味であり、実際には「バー」と同様にある程度の巾を有するものも含む。
【0033】
第7の手段は、第6の手段を有し、かつ
上記線状コード要素18は、各カードを正位置に重ねて全体コード14を合成したときに基準長又はその等倍の間隔を存して規則正しく配列されており、
各線状コード要素18は、情報読取のタイミングを示す基準部20により、或いはこの基準部と情報を表すデータ部22とにより構成されており、上記基準部は、上記カード4の一辺から等距離に位置している。
【0034】
本手段では、カードの一辺側のコード表示領域をカード読取り手段に対して走行させた情報を読み取るのに適したコード方式を提案している。前述の構成のうち、「基準部」は、デジタル回路の基準クロックに相当するものである。装置と装置とを同期させるために基準クロックを用いることは一般的に行われている。本発明の場合には、基準クロックに相当する基準部をカード自体に印刷し、各基準部と、情報を表すデータ部とを組み合わせることで、そのデータを読み取るタイミングを機械に知らせるようにしている。
【発明の効果】
【0035】
第1の手段に係る発明によれば次の効果を奏する。
○全体コードの情報を、部分コードとして複数のカードに分散させたから、例えば相手とのポイントの優劣を競う対戦型のゲームにおいては、カードの枚数分のポイントしか設定できない従来のカード遊戯と比べて、複数のカードを組み合わせることで非常に多数のポイントを設定し得るようにすることができる。
○カード4を光透過性とすることで、各カードの部分コードを重ねて合成するようにしたから、合成方法が単純であり、全体コード14を簡単に読み取ることができる。
【0036】
第2の手段に係る発明によれば、カードを透明としたから、衣装の着せ替えや対戦ゲームなどさまざまな遊戯方法に適用できる。
【0037】
第3の手段に係る発明によれば、カードを揃えるだけでカード同士の位置合わせが可能となり、コードの情報を正確に読み取ることができるので、便利である。
【0038】
第4の手段に係る発明によれば、一組のカードのうち少なくとも一枚を正しい位置から入れ替えたときに、合成されたデザインが不正常な状態になるようにしたから、カード遊びの中で正しくデザインを完成しようとする行為により、自然と部分コードの位置も正しく揃うので便利である。
【0039】
第5の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○矩形のカード4の各一辺に沿ってコード表示領域6をとるとともに、辺方向と直交する部分コード12を形成したから、コードの情報をカードリーダーで読み取り易い。
○各カードごとに少なくとも2本以上の部分コード12を相互に連ねて表示しており、同一カードにおいては部分コード相互の位置のズレを生じ得ないので、そのズレによるデータ読み取りエラーの可能性を少なくすることができる。
【0040】
第6の手段に係る発明によれば、第5の手段の構成中の部分コード12を、線状コード要素18に代えたので、第5の手段の発明の効果を奏するとともに、各線状要素の長手方向に線分の長さやドットの位置として情報を蓄えることができるので、カードの辺方向のズレに影響を受けにくい、という効果を奏する。
【0041】
第7の手段に係る発明によれば次の効果を奏する。
○線状コード要素18は、各カードを正位置に重ねて全体コード14を合成したときに基準長又はその等倍の間隔を存して規則正しく配列されているから、各カード間での多少の誤差があっても、正確にコード情報を読み取ることができる。
○各線状コード要素18は、情報読取のタイミングを示す基準部20により、或いはこの基準部と情報を表すデータ部22とにより構成されており、上記基準部は、上記カード4の一辺から等距離に位置しているから、カードリーダーでコード情報を読み取るときにこの基準部を利用して更に的確な読み取りが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
図1から図9は、本発明の第1の実施形態に係るコード式カードシステムに用いる。
【0043】
このコード式カードシステム2は、複数のカード4から構成される。これらのカードは、重ね合わせたときに各辺が揃うように同一の形状及びサイズに形成される。図1は、カードを重ね合わせた状態を示しており、また、図2は、各カードを個別に描いている。図示のカードは長方形であるが、その形状は適宜変更することができる。
【0044】
各カード4の一部はコード表示領域6に、残りの部分はデザイン表示領域8に形成している。各領域は、全てのカードの同じ場所に同じ大きさ・形状で形成される。図示例では、コード表示領域をカードの長辺に沿って帯状に形成しているが、カードの短辺側に設けてもよい。各カード4は、重ね合わせたときに、各表示領域6、8の表示物が重なって見えるように透明材料で形成されている。具体的には、PP材、PVC材、PET材、スチレン系樹脂で形成することができる。
【0045】
図2の下段に示すように、各カード4のデザイン表示領域8には、人物、帽子、衣服、靴などのデザインのパーツ10をそれぞれ描いている。これらパーツは、図2の上段のようにカードを重ね合わせることで合体され、帽子・衣装・靴を身に着けた人物像としてまとまった、一つのデザインとなる。図示例では、人物・帽子・衣服・靴の4種類のカードで一揃いのコード式カードシステムを構成しており、カードの各種類毎に、1又は2以上の異なるパーツのカードが存在する。
【0046】
また各カードのコード表示領域には、部分コード12を表示している。そのコードは、そのカードのデザイン表示領域に応じた情報を含むものとすることが望ましい。もっともそうした情報とともに、或いはその情報に代えて商品管理情報その他有用な情報を記録しても構わない。複数のカードを重ねたときに、それらのカードの部分コード12が合成されて全体コード14となる。コード形式については後で説明する。
【0047】
これら部分コードは、カードが不完全に重ねられたときには、ずれて読み取り誤差を生ずるが、本発明では、次のような手段でカードの位置決めを行う。
【0048】
第1に、カードの各辺方向のズレはその辺と隣接する辺を揃えることで防止する。例えば図示例のようにコードを長辺方向に配列したときには、カードの短辺を揃えればよい。カードの各短辺の端面を机の甲板上面などに当てて、比較的低年齢の子供でも小さな誤差範囲で(例えば1mm未満で)辺を揃えることが可能である。従って、後述のバーや線状コード要素で構成されるコードでは、バーなどの間隙を、予想される誤差範囲より大きく設定すればよい。
【0049】
第2に、カードを左右方向及び上下方向に入れ間違えた場合について説明する。図3及び図4に関連して既に説明したように、デザイン表示領域の各パーツ10が合体した状態で位置合わせの適・不適を判定することが出来る。この位置合わせを可能とするための条件は、左右方向の位置合わせに関しては、各カードのデザイン表示領域のパーツ10がカードの左右方向に非対照であることである。例えば図示例では、カードの左辺側にコード表示領域6を形成しているので、デザイン表示領域8の左右中心線L2は、カードの左右中心線L1よりも右にずれている。従ってデザイン表示領域の左右中心線L2を中心として各パーツ10を描けばよい。また人物の姿態を左右非対照とし、衣服や靴の位置もそれに対応させるようにしても良い。また、上下方向の位置合わせに関しては、各パーツが非対照なことである。人・衣服・靴などの着せ替え遊びのパーツは、上下対称であることがあまりなく、こうしたオブジェクトに対しては特別な工夫は不要である。
【0050】
次に図5〜図7を用いて、本発明のコード形式について説明する。まず図7は、一般的なバー16を用いたバーコード方式であり、図5及び図6は、本発明の線状コード要素18を利用したコード方式である。バー16は、細いバーが0、太いバーが1という情報をコード化している。線状コード要素18は、線方向の長さで情報を表わしている。これらバー16及び線状コード要素は、2値タイプであり、バーの場合には細いバーが0、太いバーが1のように、線状コード要素では短いものが0、長いものが1のように情報をコード化している。各図のコード表示領域の一番下に描いたバー又は線状コード要素は、一連のコードの始まりを表わすスタートキャラクターであり、全てのカードに設けている。そのようにした第1の理由は、特定のカードのみにスタートキャラクターを設けると、その特定のカードを含まないカードの組み合せでは、情報を読み取れないことになり、組み合せの自由度が損なわれるからである。第2の理由は、後述のように各カード単独でもコードの読取を可能とするためである。そしてその上方には各カードに関するデータをコード化したものを表示している。図5の例では、(1)〜(3)の三種類のカードを用いている。上記のスタートキャラクターを除くと、カード(1)ではコード表示領域6の下部に4本(4ビット)の線状コード要素18を、カード(2)ではコード表示領域6の中間部に8本の線状コード要素を、カード(3)では、コード表示領域6の上部に4本の線状コード要素をそれぞれ表示している。このように同じカードの線状コード要素は相互に隣接しており、これら要素同士の距離は不変である。図5の下段は、3種のカードのうち、二つ又は三つを重ねたときの合成された全体コードの様子を示している。ここで各線状コード要素の間隔は一定である。
【0051】
上記の構成において、このコード式カードシステムを利用して遊戯を行う具体例を説明する。
[実施例1]図5のようにカードの種類が比較的少ないときには、3種類のカードのうち、一枚を単独で、また任意の2枚を組み合わせて、或いは3枚全部を組み合わせて、遊戯装置のカードデータ読取手段に読み取らせることで異なるアクションが発生するように構成することができる。例えば従来公知のじゃんけん方式の対戦型カードゲームに応用することができる。また図6及び図7は、6種類のカードを利用し、全種類のカードを重ねたときだけ、有意の全体コードが合成され、遊戯装置により所定のアクションが発生するように構成している。図6と図7とはコードの種類が異なるだけである。
[実施例2]更に対戦型の遊び(いわゆるカードバトル)では、武器や防護手段のカードの組み合せで強さや勝敗を判定することができる。その強さも単に一律ではなく、じゃんけんの石・はさみ・紙のようにあるアイテムには強いが他のアイテムに弱いなどの複雑な強さのルールをコード化することで、変化に飛んだ対戦が可能となる。
[実施例3]着せ替え遊びでは、洋服・帽子・装身具などの違いでコードが変わるのでおしゃれ度の判定が可能となる。そのおしゃれ度も単純な各アイテムのおしゃれ度の総和ではなく、この洋服と帽子とはよく似合うが、別の帽子とは合わないなどという評価をすることで、より複雑な遊びに対応できる。尚、例2の武器の強弱、例3のアイテム相互のおしゃれ度の関係などは後述の遊戯装置に記憶させておくとよい。
[実施例4]コードが正しい組み合せであるときには、正解音を、また正しくない組み合せのときには不正解のブザー音を後述の遊戯装置に発生させることで、子供の教育に使用できる。
[実施例5]各部分コードは、表面をさまざまな色とし、裏面を光を透過しにくい色とすることで、子供にとって見た目に楽しい意匠とすることができる。
【0052】
図8は、本願の線状コード要素の説明図である。図示の例では、同図上半に長短2種類の線状コード要素が用いられており、長い要素の下半部は基準部20、上半部はデータ部22となっている。同図下半では、これら上下両半部を説明のために分離して描いている。基準部20は、同一の仮想線に沿ってその線方向にカードを走行させたときに機械が読み取り可能に配置している。この基準部は、カードデータ読取手段に、データ部のデータを読み取るタイミングを知らせるためのものである。データ部22は、データを表わしている。図示例の場合、長い線状コード要素はデータ部を有しているので「1」を、短い線状コード要素はデータ部を有していないので、「0」を表わすというようにすればよい。これは2値タイプのものであるが、データ部の長さが0、1、2…のように変化する多値タイプのものとすることもできる。また、基準部とデータ部とは連続している必要はなく、図8下段に表わすように分離していてもよい。また図示例の各線状コードは巾(太さ)が一定であるため、カードを重ねたときのズレに対する余裕度が大きく、従って読取精度が高い。又、基準部は全ビット分の数があるため、読取の誤りチェックが容易である。更にカードを手動で送ったときの送りスピードの変動にも強い。
【0053】
図9は、図1の図示例の変形例であり、コード表示領域に2次元コードを用いた例である。図1と同様にカードの長辺側に帯状のコード表示領域を形成して、そこにデザインのパーツの数に応じた2次元コードを帯の長手方向に配置している。もっとも各2次元コードの位置は適宜変化させることができる。尚、図面では2次元コードの細かい形状を省略して描いている。
【0054】
図10は、本発明の第2の実施形態に係るコード式カードシステムである。このコード式カードシステムは、第1の実施形態に係る一揃いのカードと、カードホルダー24と、カードデータ読取手段30とを包含している。
【0055】
カードホルダー24は、カードを内部に収容して、このホルダーごとカードデータ読取手段にかけてデータを読み取るためのものである。従ってカードホルダーは光透過材料(好ましくは透明材料)で形成している。カードホルダーは長方体状のものでその一面にカード挿入口26を形成し、かつこのカード挿入口を閉塞する蓋を付設している。図示例では、作図の都合上からカードホルダーをカードに比べてやや大きく描いているが、カード相互のズレを防止するために、カードの上下巾及び左右巾にフィットするようにカードホルダーの内面の対応する寸法を設計することが望ましい。
【0056】
カードデータ読取手段30は、開口部32を挿入してデータを読み取るように構成している。このカードデータ読取手段の原理は、図11に示すように、カードの走行路の両側にスリット36付きの遮光板34を配置し、この遮光板の更に両側にLEDなどの発光部38と、光センサーである受光部40とを設置する。そして、発光部38から発した光が第1のスリット36、カードのコード表示領域6、第2のスリット36を経て受光部40に入光することでデータを読み取るようにしている。
【0057】
上記スリットは、コードを構成するバー又は線状コード要素の巾よりも狭く設ける。また上記LED及び光センサーはコードの印刷条件により可視光又は赤外線光タイプのどちらかを使用する。
【0058】
図示の受光部は、第1の受光体40a及び第2の受光体40bを有し、発光部から第1の受光体40aへ至る光路が基準部20で遮られたときに、第2受光体40bが受けた光をデータとして図示しない制御部(メイン回路)に送るようにしている。これにより、カードの汚れなどに影響を受けず、的確な読取が可能となる。図示の装置全体をカードゲーム用遊戯装置とし、カードデータ読取手段を装置の一部とすることもできる。その場合には、遊戯装置は制御部及び記憶部を備え、前述の実施例1〜3で述べた遊びのルールを記憶させておくとよい。
【0059】
図示例の透過型コード読取手段の他に、従来公知の反射型のものをしようしてもよい。この場合には、カードの片側に発光部及び受光部を接地し、光の反射の有無を読み取る。しかし読取可能な透明カードの枚数が透過式に比べて少なくなるものと考えられる。更に、従来公知のイメージセンサー方式を採用してもよい。これは、複数の発光素子及び受光素子を一列に並べてコードの全ビットを一度に読み込むものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態にコード式カードシステムの正面図である。
【図2】図1のコード式カードシステムを構成する複数のカードを重ね合わせ状態及び展開状態で示す図である。
【図3】図1のコード式カードシステムのカードを不適切に重ねた状態の第1の説明図である。
【図4】図1のコード式カードシステムのカードを不適切に重ねた状態の第2の説明図である。
【図5】図1のコード式カードシステムの第1の使用例を示す図である。
【図6】図1のコード式カードシステムの第2の使用例を示す図である。
【図7】図1のコード式カードシステムの第3の使用例を示す図である。
【図8】図1のコード式カードシステムに使用されるコードの説明図である。
【図9】図1のコード式カードシステムの変形例の正面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態にコード式カードシステムの正面図である。
【図11】図10のコード式カードシステムに含まれるカードデータ読取手段の原理図である。
【符号の説明】
【0061】
2…コード式カードシステム 4…カード 6…コード表示領域 8…デザイン表示領域
10…パーツ 12…部分コード 14…全体コード 16…バー
18…線状コード要素 20…基準部 22…データ部
24…カードホルダー 26…カード挿入口
30…カードデータ読取手段 32…開口部 34…遮光板 36…スリット
38…発光部 40…受光部 40a…第1受光体 40b…第2受光体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカードを含み、各カードの対応箇所を、情報をコード化したコード表示領域とし、残りのカード部分をデザイン表示領域としたコード式カードシステムにおいて、
少なくとも各カードのコード表示領域6を光透過可能とし、この領域に表示した部分コード12が、一組のカードを正位置に重ねたときに重ね方向の視野内で全体コード14として合成されるように各部分コード12を配置したことを特徴とするコード式カードシステム。
【請求項2】
上記カード4を透明材料で形成して、各カードのデザイン表示領域8のパーツ10を重ね或いは連続させて新たな一つのデザインを合成できるように構成したことを特徴とする、請求項1記載のコード式カードシステム。
【請求項3】
各カード4を略同形同寸の矩形カードとし、それらカードの少なくとも2辺を揃えることで、各カード4が正位置に重なることを特徴とする、請求項2記載のコード式カードシステム。
【請求項4】
各カード4のデザイン表示領域8に、部分コード12に応じたデザインのパーツ10を描き、一組のカードを正位置で重ねることで正常なデザインが合成されるとともに、これらカードを正位置から外れて重ねたときに合成されたデザインが不正常な状態となるようにしたことを特徴とする、請求項3記載のコード式カードシステム。
【請求項5】
コード表示領域6を、ほぼ同一形状かつ同一寸法で矩形とした各カードの一辺に沿って延長するとともに、
各コード表示領域6で、その辺方向と直交させて、少なくとも2本以上の、情報を太さとしてコード化したバー16を相互に間隔をおいて配置することで、各カード4の部分コード12を形成したことを特徴とする、請求項1から請求項4の何れかに記載のコード式カードシステム。
【請求項6】
請求項5のコード式カードシステムであって、
上記各コード領域に、請求項5のバー16に代えて、線分、或いはその線方向に連なる線分又はドットの組み合わせとして構成される線状コード要素18を相互に間隙をおいて配置し、
かつ各線状コード要素は、その線分の長さやドットの配置により情報を表すように形成したことを特徴とする、コード式カードシステム。
【請求項7】
上記線状コード要素18は、各カードを正位置に重ねて全体コード14を合成したときに基準長又はその等倍の間隔を存して規則正しく配列されており、
各線状コード要素18は、情報読取のタイミングを示す基準部20により、或いはこの基準部と情報を表すデータ部22とにより構成されており、上記基準部は、上記カード4の一辺から等距離に位置していることを特徴とする、請求項6に記載のコード式カードシステム。
【請求項1】
複数のカードを含み、各カードの対応箇所を、情報をコード化したコード表示領域とし、残りのカード部分をデザイン表示領域としたコード式カードシステムにおいて、
少なくとも各カードのコード表示領域6を光透過可能とし、この領域に表示した部分コード12が、一組のカードを正位置に重ねたときに重ね方向の視野内で全体コード14として合成されるように各部分コード12を配置したことを特徴とするコード式カードシステム。
【請求項2】
上記カード4を透明材料で形成して、各カードのデザイン表示領域8のパーツ10を重ね或いは連続させて新たな一つのデザインを合成できるように構成したことを特徴とする、請求項1記載のコード式カードシステム。
【請求項3】
各カード4を略同形同寸の矩形カードとし、それらカードの少なくとも2辺を揃えることで、各カード4が正位置に重なることを特徴とする、請求項2記載のコード式カードシステム。
【請求項4】
各カード4のデザイン表示領域8に、部分コード12に応じたデザインのパーツ10を描き、一組のカードを正位置で重ねることで正常なデザインが合成されるとともに、これらカードを正位置から外れて重ねたときに合成されたデザインが不正常な状態となるようにしたことを特徴とする、請求項3記載のコード式カードシステム。
【請求項5】
コード表示領域6を、ほぼ同一形状かつ同一寸法で矩形とした各カードの一辺に沿って延長するとともに、
各コード表示領域6で、その辺方向と直交させて、少なくとも2本以上の、情報を太さとしてコード化したバー16を相互に間隔をおいて配置することで、各カード4の部分コード12を形成したことを特徴とする、請求項1から請求項4の何れかに記載のコード式カードシステム。
【請求項6】
請求項5のコード式カードシステムであって、
上記各コード領域に、請求項5のバー16に代えて、線分、或いはその線方向に連なる線分又はドットの組み合わせとして構成される線状コード要素18を相互に間隙をおいて配置し、
かつ各線状コード要素は、その線分の長さやドットの配置により情報を表すように形成したことを特徴とする、コード式カードシステム。
【請求項7】
上記線状コード要素18は、各カードを正位置に重ねて全体コード14を合成したときに基準長又はその等倍の間隔を存して規則正しく配列されており、
各線状コード要素18は、情報読取のタイミングを示す基準部20により、或いはこの基準部と情報を表すデータ部22とにより構成されており、上記基準部は、上記カード4の一辺から等距離に位置していることを特徴とする、請求項6に記載のコード式カードシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−283995(P2008−283995A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128806(P2007−128806)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(591056846)株式会社東京ユニーク (15)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(591056846)株式会社東京ユニーク (15)
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