コールセンターの自動化方法およびコールセンターシステム
【課題】顧客データに応じて,顧客への応対内容を変更できるコールセンターシステムを提供する。
【解決手段】コールセンター10は、PHPを用いて記述されたアンケート調査実行ファイル3を解釈・実行することで、アンケート調査を行う。このアンケート調査実行ファイル3には、SQLサーバ17に設けられた顧客テーブル6から顧客データを読み取り、顧客データに応じて、アンケート調査に利用するVoiceXML文書を動的に生成するコードが記述されている。コールセンターサーバ10は、アンケート調査で得られた回答データを回答データファイル5に記憶する。分析サーバ12は、スキーマ2を利用して回答データファイル5の構造を解析し、テンプレート7に従った手順で回答データの集計・分析を行う。
【解決手段】コールセンター10は、PHPを用いて記述されたアンケート調査実行ファイル3を解釈・実行することで、アンケート調査を行う。このアンケート調査実行ファイル3には、SQLサーバ17に設けられた顧客テーブル6から顧客データを読み取り、顧客データに応じて、アンケート調査に利用するVoiceXML文書を動的に生成するコードが記述されている。コールセンターサーバ10は、アンケート調査で得られた回答データを回答データファイル5に記憶する。分析サーバ12は、スキーマ2を利用して回答データファイル5の構造を解析し、テンプレート7に従った手順で回答データの集計・分析を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客と音声通話することでアンケート調査などの回答データを蓄積するコールセンターの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
CRM(CRM: Customer Relationship Management)を構築するために、商品に対する顧客満足度調査や新商品のキャンペーンなどを実施するとき、企業は、コールセンターを利用することが多くなった。従来、コールセンターには、自動音声応答装置(IVR: Interactive Voice Response)を利用する形態と、オペレータが顧客に対応する形態とがあり、いずれの形態においても、コールセンターでは、顧客から得られた回答データを蓄積し、蓄積した顧客の回答データを分析する作業が実施される。
【0003】
コールセンターのアウトソーシング会社では、数多くのコールセンター業務を処理するため、ユーザから回答データを得て、回答データを分析するまでの工程を自動化できることが望ましいが、コールセンター業務を自動化するためには様々な課題がある。
【0004】
コールセンター業務を自動化するときの一つ目の課題は、回答データ取得の自動化がある。オペレータが顧客に対応する形態のコールセンターでは、オペレータは定められたシナリオに従い顧客と対話し、オペレータが顧客の回答から回答データを判断するため、回答データの入力作業が人手になってしまう。
【0005】
オペレータが回答を入力する作業を無くすために、特許文献1で開示されている発明のように、顧客の回答を音声録音しておくことも考えられるが、コールセンターの効果を分析するときに、録音した顧客の音声を加工処理が必要となってしまう。
【0006】
一方、自動音声応答装置を利用したコールセンターでは、特許文献2で開示されているように、自動音声応答装置(広告CTIサーバ)は、電話機(顧客端末)から受信した広告識別コードに応じ、音声ガイダンスを顧客端末に送信し、DTMF (Dual-Tone Multi-Frequency)を利用して、顧客端末から送信された数値や記号などを回答データとして自動的にメモリに蓄積する。
【0007】
しかしながら、自動音声応答装置を利用したコールセンターでは、顧客は、サーバから送信される音声ガイダンスに対し、DTMFを用いて回答するため、顧客と対話する形態のコールセンターを実現できない。
【0008】
特に、CRMでは、新規の顧客の獲得よりも、既存の顧客のつながりを重要視するため、CRMに係わるコールセンター業務では、既存の顧客と音声対話する形態で、音声対話する顧客の購買履歴などの顧客データに応じ、OnetoOneのコールセンター業務を行いたい要望が企業側にあるが、これらの発明には、音声対話する顧客の購買履歴などの顧客データに応じて、自動的にコールセンター業務を実施する旨は記載されていない。
【0009】
また、コールセンター業務を自動化するときの二つ目の課題は、回答データを分析する作業の自動化がある。コールセンター業務で得られた回答データの分析を自動化する発明としては、特許文献3で開示されているような、アンケートの集計を自動化するアンケート分析支援システムなどを利用することができるが、特許文献3は、アンケートの集計結果の表示方法に主眼を置いた発明で、アンケートの集計を自動化する具体的な内容については述べられていない。
【特許文献1】特開2002−44260号公報
【特許文献2】特開2007−174354号公報
【特許文献3】特開2003−288461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、上述した様々な問題を解決するために、本発明は、顧客と音声対話するコールセンターにおいて、音声対話する顧客の顧客データに応じて、顧客への応対内容を動的に変化させることができ、更に、コールセンターで顧客から得られた回答データの分析をも自動化することのできるコールセンターの自動化方法よびコールセンターシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決する第1の発明は、コールセンター業務を自動化する方法であって、コールセンターに設置されるサーバ(コールセンターサーバ)が、前記コールセンターサーバと接続しているデータベース内の指定されたテーブルから、コールセンター業務で利用する参照データを取得し、前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用するVoiceXML文書を動的に生成し、生成した前記VoiceXML文書を実行することで、前記コールセンターサーバが、前記VoiceXML文書に記述された質問メッセージを音声で音声端末装置に送信し、前記音声端末装置から受信した音声を認識して回答データを取得するステップa、スクリプト言語で記述され、前記回答データを記憶する回答データファイルの構造を定義したスキーマに沿った形式で、前記音声端末装置から得られた前記回答データを前記回答データファイルに記憶するステップb、を含むコールセンター工程と、前記コールセンター工程で得られた回答データを分析するために設置されるサーバ(分析サーバ)が、前記スキーマを参照することで前記回答データファイルの構造を解析し、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析する分析工程を、含むことを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0012】
更に、第2の発明は、第1の発明に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記コールセンターサーバは、前記VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述されたプログラムを解釈・実行することで、前記データベースから前記参照データを取得すると共に、前記VoiceXML文書を動的に生成することを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0013】
更に、第3の発明は、第2の発明に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記データベースには、前記テーブルとして、コールセンター業務の対象となる顧客データが記憶された顧客テーブルが設けられ、前記ステップaで前記コールセンターサーバが解釈・実行するプログラムには、前記参照データとして、前記データベースの前記顧客テーブルから、音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた前記顧客データを少なくとも取得するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0014】
更に、第4の発明は、第3の発明に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データを前記回答データとして使用するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0015】
更に、第5の発明は、第3の発明または第4の発明のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行するプログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含ませる前記質問メッセージを変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0016】
更に、第6の発明は、第3の発明から第5の発明のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行するプログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに応じて、前記VoiceXML文書に含まれ、前記質問メッセージの音声に係わる属性値を変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0017】
更に、第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記データベースには、前記テーブルとして、前記VoiceXML文書で利用する音声認識辞書で利用される辞書データが記憶された音声認識辞書テーブルが設けられ、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記音声認識辞書テーブルから前記辞書データを取得し、前記音声端末装置から送信された音声から前記回答データを得るときに利用する前記音声認識辞書を動的に生成するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0018】
更に、第8の発明は、第1の発明から第7の発明のいずれか一つに記載のコールセンターの自動化方法であって、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレートが用意され、前記分析サーバは、指示された前記テンプレートで示される処理に従い、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析することを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0019】
更に、第9の発明は、コールセンター業務を自動で実行するコールセンターサーバと、コールセンター業務の結果を自動で分析する分析サーバとから構成されるコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバは、前記コールセンターサーバと接続しているデータベース内の指定されたテーブルから、コールセンター業務で利用する参照データを取得し、前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用するVoiceXML文書を動的に生成するVoiceXML文書生成手段と、生成した前記VoiceXML文書を解釈・実行することで、前記VoiceXML文書に記述された質問メッセージを音声で音声端末装置に送信し、前記音声端末装置から受信した音声を認識して回答データを取得するVoiceXML実行手段と、スクリプト言語で記述され、前記回答データを記憶する回答データファイルの構造を定義したスキーマに沿った形式で、前記音声端末装置から得られた前記回答データを前記回答データファイルに記憶する回答データ記憶手段と、を備え、前記分析サーバは、前記スキーマを参照することで前記回答データファイルの構造を解析し、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析する分析手段を備えている、ことを特徴とするコールセンターシステムである。
【0020】
更に、第10の発明は、第9の発明に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段は、前記VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述されたプログラムを解釈・実行することで、前記データベースから前記参照データを取得すると共に、前記VoiceXML文書を動的に生成することを特徴とするコールセンターシステムである。
【0021】
更に、第11の発明は、第10の発明に記載のコールセンターシステムであって、前記データベースには、前記テーブルとして、コールセンター業務の対象となる前記顧客データが記憶された前記顧客テーブルが設けられ、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記データベースの顧客テーブルから、音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた顧客データを少なくとも取得するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0022】
更に、第12の発明は、第11の発明に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データを前記回答データとして使用するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0023】
更に、第13の発明は、第11の発明または第12の発明に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含ませる前記質問メッセージを変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0024】
更に、第14の発明は、第11の発明から第13の発明のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含まれ、前記質問メッセージの音声に係わる属性値を変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0025】
更に、第15の発明は、第9の発明から第14の発明のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記データベースには、前記テーブルとして、前記VoiceXML文書で利用する音声認識辞書で利用される辞書データが記憶された音声認識辞書テーブルが設けられ、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記音声認識辞書テーブルから前記辞書データを取得し、前記音声端末装置から送信された音声から前記回答データを得るときに利用する前記音声認識辞書を動的に生成するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0026】
更に、第16の発明は、第9の発明から第15の発明のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレートが用意され、前記分析サーバは、指示された前記テンプレートで示される処理に従い、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析することを特徴とするコールセンターシステムである。
【0027】
上述した第1の発明によれば、前記VoiceXML文書を利用することで、前記音声端末装置を利用する顧客と前記コールセンターサーバが音声対話しながら、アンケート調査などのコールセンターの業務を自動化することができる。または、顧客から得られる前記回答データを記憶する前記回答データファイルの構造を予め前記スキーマで定義しておけば、前記回答データファイルの構造は、実施するコールセンター業務に係わらず共通になるため、前記回答データファイルを集計するために、前記回答データファイル毎に専用のプログラムを用意する必要はなくなる。
【0028】
加えて、第1の発明によれば、前記コールセンターサーバと接続した前記データベースに設けられた前記テーブルに記憶された前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用する前記VoiceXML文書を動的に生成することで、コールセンター業務で実施する内容を変更することが可能になる。
【0029】
なお、コールセンター業務で利用する前記VoiceXML文書を動的に生成する手法としては、第2の発明のように、VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述された前記プログラムを利用するとよい。
【0030】
第3の発明のように、前記コールセンターサーバと音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた前記顧客データを前記参照データとして前記データベースから取得すれば、前記顧客データに応じて、顧客への応対内容を動的に変化させることができるようになり、OnetoOneのコールセンター業務を実現することができるようになる。
【0031】
例えば、第4の発明のように、前記コールセンターサーバが解釈・実行する前記プログラムに、前記データベースから得られた前記顧客データを前記回答データとして使用するコードを記述すれば、コールセンター業務において前記顧客データを取得するトランザクションの実行が不必要になるため、一人の顧客に対するコールセンター業務の時間を減らすことができるようになる。
【0032】
また、第5の発明のように、この前記プログラムに、前記データベースから得られた前記顧客データに従い、前記質問メッセージの音声に係わる属性を変更するコードを記述することで、顧客に応じて音声を変更することができるようになる。なお、ここで、前記質問メッセージの音声に係わる属性とは、音声の速さや音量などを意味している。
【0033】
また、第6の発明のように、この前記プログラムに、前記データベースから得られた前記顧客データに従い、前記音声端末装置に音声で送信する前記質問メッセージを変更するコードを記述することで、顧客に応じて、前記質問メッセージを変更することができるようになる。
【0034】
加えて、第7の発明のように、前記VoiceXML文書で利用する前記音声認識辞書の内容となる前記辞書データを前記参照データとして前記データベースから取得すれば、前記VoiceXML文書で利用する前記音声認識辞書を動的に生成することができるようになり、前記音声認識辞書を予め用意しておく必要はなくなる。
【0035】
加えて、第8の発明によれば、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述された前記テンプレートを用意しておけば、前記分析サーバは、この前記テンプレートを参照することで、前記回答データを集計・分析処理作業を自動的に実施することができし、前記回答データファイルを分析するために、前記回答データファイル毎に専用のプログラムを用意する必要はなくなる。
【0036】
なお、第9の発明から第16の発明によれば、上述した第1の発明から第8の発明と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0037】
このように、上述した本発明によれば、顧客と対話するコールセンターにおいて、顧客の顧客データに応じて、顧客への応対内容を動的に変化させることができ、更に、コールセンターで顧客から得られた回答データの分析をも自動化することのできるコールセンターの自動化方法よびコールセンターシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
ここから、本発明に係わるコールセンターシステムおよびコールセンターの自動化方法について、図を参照しながら詳細に説明する。図1は、コールセンターシステム1の構成を説明する図である。
【0039】
図1で図示したコールセンターシステム1は、コールセンター業務として、CRM(CRM: Customer Relationship Management)に係わるアンケート調査を実施するシステムで、コールセンターシステム1は、顧客が利用する音声端末装置13と、VoiceXML文書を動的に生成する機能を備え、VoiceXML文書を利用してコールセンターの業務を自動で実行するコールセンターサーバ10と、コールセンターサーバ10が顧客から得た回答データが記憶されるDWHサーバ11(DWH: DataWareHouser)と、顧客から得られた回答データを集計・分析し、アンケート調査結果が記述されたレポートを出力する分析サーバ12と、顧客の属性(例えば、性別や年齢)など顧客データが記憶されているSQLサーバ17と、VoIPゲートウェイサーバ16とから少なくとも構成され、顧客が操作する音声端末装置13とコールセンターサーバ10は、VoIPゲートウェイサーバ16を介して、PSTN14(PSTN: Public Switched Telephone Networks)で接続される。
【0040】
図2は、図1で図示したコールセンターシステム1で実行されるコールセンター業務の自動化方法の手順を示したフロー図で、コールセンターシステム1では、コールセンターサーバ10が、アンケート調査の内容を音声端末装置13に送信し、音声端末装置13から得られた回答データをDWHサーバ11に記憶するコールセンター工程(S1)と、分析サーバ12が、アンケート調査で得られた回答データを集計・分析する分析工程(S2)が実行される。
【0041】
コールセンター工程(S1)で作動する装置は、顧客が操作する音声端末装置13、アンケート調査で利用するVoiceXML文書を動的に生成する機能を備え、生成したVoiceXML文書を用いて自動でアンケート調査を実施するコールセンターサーバ10、アンケート調査で利用する顧客データが記憶されているデータベースサーバであるSQLサーバ17、および、アンケート調査結果が記憶されるDWHサーバ11である。
【0042】
SQLサーバ17には顧客テーブル6が設けられ、顧客テーブル6には、DM(DM: Direct Mail)を顧客に発送したときに利用されたときの顧客データが記憶されている。コールセンターサーバ10は、アンケート調査の内容が記述されたアンケート調査実行ファイル3と、音声端末装置13から得られる回答データを記憶する回答データファイル5の構造を定義するスキーマ2と、アンケート調査を実施する顧客の電話番号が列挙された電話番号リスト4を記憶している。
【0043】
コールセンターサーバ10が記憶しているアンケート調査実行ファイル3には、プログラミング言語の一つであるPHP(PHP: Hypertext Preprocessor)を用いて、アンケート調査の対象となる顧客データの内容に基づき、アンケート調査で実行するVoiceXML文書を動的に生成するためのコードが記述されている。
【0044】
コールセンターサーバ10は、アンケート調査実行ファイル3に記述されたPHPのコードを解釈実行することで、VoiceXML文書を動的に生成し、生成したVoiceXML文書を実行することで、音声端末装置13を利用する顧客と音声対話しながら自動でアンケート調査を行う。なお、アンケート調査実行ファイル3を記述するプログラミング言語は、Java(登録商標)やC言語など、PHP以外のプログラミング言語であってもよい。
【0045】
コールセンターサーバ10はアンケート調査を実行開始すると、アンケート調査結果を記憶する回答データファイル5をDWHサーバ11に設け、動的に生成したVoiceXML文書を利用し、一人の顧客に対してアンケート調査を実行する毎に、顧客が操作する音声端末装置13から得た回答データを、DWHサーバ11の回答データファイル5に記憶させる。
【0046】
なお、DWHサーバ11に記憶される回答データファイル5は、スクリプト言語であるXML(XML: eXtensible Markup Language)で記述され、回答データファイル5の構造は、実行するアンケート調査に係わらず共通で、予め、コールセンターサーバ10に記憶されたスキーマ2によって定義されている。このスキーマ2は、コールセンターサーバ10と分析サーバ12に記憶されている。
【0047】
コールセンターサーバ10が、VoiceXMLをアンケート調査に利用することで、対話形態のコールセンター業務を自動化でき、加えて、アンケート調査の内容を変更するときは、PHPを用いて記述されたアンケート調査実行ファイル3の内容を書き換えれば事足りるため、アンケート調査の内容を変更する作業を軽減することができるようになる。
【0048】
また、アンケート調査実行ファイル3に、SQLサーバ17に設けられた顧客テーブル6に記憶された顧客データを取得するPHPコードを記述しておけば、SQLサーバ17から得られた顧客データを回答データとして利用したり、SQLサーバ17から得られた顧客データに応じて、VoiceXML文書を動的に変更することが可能になる。
【0049】
分析工程(S2)で作動する装置は分析サーバ12で、分析サーバ12は、アンケート調査で得られた回答データファイル5を集計・分析処理する指示を受けると、スキーマ2を参照して、回答データファイル5の構造を把握し、回答データファイル5に含まれる回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレート7に従い、自動で回答データを集計・分析処理し、アンケート調査の結果を定められた形式(電子メールや印刷物)でレポート15に出力する。
【0050】
回答データを記憶する回答データファイル5の構造を予め定めておくことで、例えば、アンケート調査で実施する質問項目の順番が異なっていたとしても、回答データファイル5の構造は同一であるため、分析サーバ12は、スキーマ2を参照することで、回答データファイル5の構造を自動的に解釈することができるようになる。
【0051】
また、回答データを集計・分析処理する手順が記述されたテンプレート7を用意しておけば、分析サーバ12は、このテンプレート7を参照することで、回答データを集計・分析処理作業を自動的に実施することができる。
【0052】
ここから、図1で図示したコールセンターシステム1を構成する音声端末装置13、コールセンターサーバ10、SQLサーバ17およびDWHサーバ11について詳細に説明する。図3は、図1で図示したコールセンターシステム1のブロック図である。
【0053】
図3で図示したように、顧客が利用する音声端末装置13は、コールセンターサーバ10と顧客が音声対話するためのボイスインターフェース130が備えられた端末で、図1では、顧客が利用する音声端末装置13を電話器として図示しているが、顧客が利用する音声端末装置13は、ボイスインターフェース130としてボイスブラウザ(voice browser)がインストールされたパーソナルコンピュータであってもよい。
【0054】
図3で図示したように、SQLサーバ17には、顧客データを記憶するためのテーブルである顧客テーブル6が設けられる。図4は、SQLサーバ17に設けられた顧客テーブル6を説明する図である。図4に図示したように、SQLサーバ17に設けられた顧客テーブル6はレコードとカラムとから構成され、それぞれのカラムには、カラムを識別するためのカラム名が付与されている。
【0055】
図4において、顧客テーブル6には、カラムとして、顧客に割り振られたシリアル番号である顧客コードを記憶するカラム「code」、顧客の電話番号を記憶するカラム「telephone」、顧客の性別を記憶するカラム「gender」、顧客の年齢を記憶するカラム「age」、そして、顧客の購買履歴を記憶するカラム「purchase」が少なくとも設けられている。
【0056】
DWHサーバ11には、DWHが設けられ、このDWHには、アンケート調査で得られた回答データが記憶される回答データファイル5が記憶され、回答データファイル5の構造は、コールセンターサーバ10が記憶しているスキーマ2によって定義されている。回答データファイル5およびスキーマ2については後述する。
【0057】
ここから、コールセンターサーバ10について説明する。コールセンターサーバ10は、CPU、RAMや大容量のデータ記憶装置を備えた汎用的なWebサーバに、本発明に係わるコールセンターサーバ10として機能するためのプログラムが実装されることで実現される。
【0058】
図3に図示したように、コールセンターサーバ10には、本発明に係わるVoiceXML実行手段を実現するためのプログラムとして、VoiceXML文書に記述された自然言語(ここでは、日本語)を音声で読み上げるための音声合成エンジン103と、顧客の発音(音声)を認識する音声認識エンジン102と、VoiceXML文書を解釈し実行するVoiceXMLインタプリタ101を備え、本発明に係わるVoiceXML文書生成手段を実現するためのプログラムとして、PHPのコードを解釈実行する機能を備え、自動でアンケート調査を実行するWebサーバプログラム100が備えられ、これらのプログラムのプログラムコードは、コールセンターサーバ10のデータ記憶装置104に記憶されている。
【0059】
また、図3に図示したように、コールセンターサーバ10のデータ記憶装置104には、アンケート調査に利用するアンケート調査実行ファイル3と、アンケート調査を実施する顧客の電話番号が列挙された電話番号リスト4と、DWHサーバ11に記憶する回答データファイル5の構造を定義したスキーマ2を記憶している。
【0060】
なお、図3では、コールセンターサーバ10が記憶しているアンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4は一つとしているが、実際は、アンケート調査ごとにアンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4が記憶される。複数のアンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4をコールセンターサーバ10に記憶させるときは、アンケート調査の識別データを用いて、アンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4のファイル名を記述する。なお、回答データファイル5の構造は、アンケート調査に係わらず共通であるため、コールセンターサーバ10が記憶しているスキーマ2は一つである。
【0061】
図5は、コールセンターサーバ10に記憶されるアンケート調査実行ファイル3を説明する図である。上述しているように、アンケート調査実行ファイル3は、プログラミング言語の一つであるPHPを用いて記述されている。コールセンターサーバ10のWebサーバプログラム100は、アンケート調査実行ファイル3に含まれ、「<?php」と「?>」で囲まれたコードをPHPのコードとして解釈して実行し、その他のコードはVoiceXMLのコードとして出力する。
【0062】
図5で図示したアンケート調査実行ファイル3では、VoiceXML文書のprolog要素を作成するコード30の後に、アンケート調査の内容を定義するコード31が、VoiceXMLのform要素間に記述される。なお、VoiceXMLのform要素3aの開始タグに記述されるID属性の属性値は、アンケート調査の識別データで、このID属性からもアンケート調査実行ファイル3が対応しているアンケート調査を識別できる。
【0063】
更に、図5において、アンケート調査を定義するコード31には、アンケート調査の対象となる顧客の顧客データを取得するコード32と、アンケート調査を実施する顧客の顧客データに基づき、VoiceXML文書を動的に生成するコード33が含まれている。
【0064】
図6は、VoiceXML文書のprolog要素を作成するコード30を説明する図で、このコードには、PHPの出力する文字コードなど定義するコード30aと、VoiceXMLの規格などを定義するprolog要素を出力するコード30bと、アンケート調査の挨拶のメッセージを出力するVoiceXMLのコード30cが記述されている。
【0065】
図7は、アンケート調査の対象となる顧客の顧客データを取得するコード32を説明する図である。SQLサーバ17から顧客データを取得するためのコード32は、アンケート調査を実施する顧客データに基づいてVoiceXML文書を動的に生成するために、アンケート調査実行ファイル3に含まれている。
【0066】
図7で図示したコードには、まず、顧客データを取得するSQLサーバ17に接続するPHPのコード32aが記述され、その次に、SQLサーバ17の仕様に適したSQL文を用いて、SQLサーバ17のテーブル(ここでは、顧客テーブル6)から、アンケート調査を行う顧客データを取得するPHPのコード32bが記述される。
【0067】
なお、図7では、顧客データを取得するレコードは、電話をかけた音声端末装置13の電話番号(ここでは、「TEL#No」)を利用して特定され、特定したレコードから、顧客の性別を示すカラム「gender」の値、顧客の年齢を示すカラム「age」、顧客の購買履歴を示すカラム「purchase」の値を取得し、カラム「gender」の値は変数「customer#gender」に代入され、カラム「age」の値は変数「customer #age」に代入され、カラム「purchase」の値は変数「customer #purchase」に代入される。
【0068】
また、図7には、SQLサーバ17から顧客データが得られないときに対応すべく、VoiceXMLを利用して顧客データを得るためのコード32cが記述されている。このコードでは、顧客データを得るためのVoiceXML文書が記憶されたファイルで、ファイル名が「VoiceXML#uset#attribute.xml」であるファイルを読み出し、PHPのecho関数によって、このVoiceXML文書の内容を出力するPHPのコードが記述されている。
【0069】
図8は、顧客データを音声端末装置13から取得するVoiceXML文書34を説明する図である。図8(a)は、顧客データを音声端末装置13から取得するVoiceXML文書34で、VoiceXMLのfield要素34aは、VoiceXMLのインプットアイテムである。field要素34aのname属性は、顧客から得られた回答データを代入する変数の変数名を示し、field要素34aの子要素であるprompt要素34bの要素データには、顧客に対する質問メッセージが記述される。
【0070】
prompt要素34bの要素データ(ここでは、質問メッセージ)は、コールセンターサーバ10の音声合成エンジン103によって音声に変換されて音声端末装置13に送信され、コールセンターサーバ10は、顧客からの音声の入力待ちになる。
【0071】
grammar要素34cは、顧客から得られる発話と、field要素34aのname属性で示される変数に代入する回答データを関連付けた音声認識辞書34gを指定する要素で、grammar要素34cの要素データで利用する音声認識辞書34gが指定される。
【0072】
図8(b)は、性別を顧客に問い合わせる時に利用される音声認識辞書34gの一例で、この音声認識辞書34gには、音声合成エンジン103が質問メッセージ「あなたの性別を教えてください」を音声に変換した後に有効となる顧客の発音と、顧客の発音に応じた回答データが記述されている。
【0073】
例えば、顧客の発音(音声)を音声認識エンジン102が認識して得られる顧客の発音(テキスト)が「だん」または「だんせい」であるとき、顧客の性別を代入する変数「customer#gender」に回答データとして「男性」が代入される。
【0074】
なお、顧客から得た回答データが代入される変数名、すなわち、field要素34aのname属性の属性値に記述される変数名は、スキーマ2で回答データを記憶する要素の要素名が用いられる。
【0075】
更に、図8(a)では、option要素34dを用いて、顧客は音声やトーン信号で回答ができるようにされている。更に、図8(a)で図示したVoiceXMLでは、filled要素34eおよびif要素34fを用いて、顧客から得られた回答データに応じて、顧客に返信する。図8に従えば、顧客の性別を問い合わせるとき、コールセンターサーバ10から音声端末装置13に「あなたの性別を教えてください」との音声が通知され、顧客が自分の性別を回答(ここでは、「男性」)すると、コールセンターサーバ10から音声端末装置13に「男性の方ですね」との音声が通知され、コールセンターサーバ10と顧客間でインタラクティブな対話がされながら、アンケート調査が実施される。
【0076】
なお、図8(a)で説明したVoiceXML文書34には、実際は、顧客の性別と同様に、顧客の年齢と購買履歴を取得するコードが含まれる。
【0077】
図9は、アンケート調査を実施する顧客データに応じて、VoiceXML文書を動的に生成するためのコード33を説明する図である。図9に図示したコードには、顧客の年齢に応じて、VoiceXML文書の音声出力を変更するために、顧客の年齢に応じて、VoiceXML文書の音声出力を制御するprosbody要素の属性を変更するコード33aが、PHPのif構文を用いて記述されている。
【0078】
図9では、顧客の年齢が代入される変数「customer #age」が「65」以上であるとき、音声出力の速さを定めるprosbody要素の属性「rate」の値は「slow」に設定され、音声出力の音量を定めるprosbody要素の属性「volume」は「loud」に設定される。
【0079】
また、else以降のコードで、顧客の年齢が代入される変数「customer #age」が「65」以下であるとき、音声出力の速さを定めるprosbody要素の属性「rate」の値は「medium」に設定され、音声出力の音量を定めるprosbody要素の属性「volume」は「medium」に設定される。
【0080】
顧客データは、VoiceXML文書の音声出力を制御する以外にも、質問メッセージの実施を制御するためにも利用できる。図9では、商品を購買した顧客に対して、すなわち、顧客の購買履歴を示す変数「customer #purchase」の値が「true」(購入経験有り)であるとき、購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコード35が実行され、SQLサーバ17から取得した変数「customer #purchase」の値が「false」(購入経験無し)であるとき、「Question#01」の内容は実行されずに、商品に対する印象を尋ねる「Question#02」のコード36が実行される。
【0081】
図10は、購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコード35を説明する図である。図10(a)は、購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコード35で、顧客データに応じて購買理由を顧客に尋ねるために、購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコードはPHPを用いて記述され、図10(a)で図示したPHPのコード35aでは、if構文の条件(customer #purchase=true)が成立したとき、echo以下に記述されているテキストがVoiceXML文書35bとして出力される。
【0082】
このVoiceXML文書35bには、購買理由を顧客に尋ね、ユーザから回答データとして購買理由を取得するためのfield要素35cが含まれ、このfield要素35cの子要素であるprompt要素35d間には、属性「rate」および属性「volume」を有するprosbody要素35eが記述され、これらの属性の値は、顧客の年齢から決定された値になる。
【0083】
図10(a)のPHPのコード35をWebサーバプログラム100が解釈することで出力されるVoiceXML文書35bは、VoiceXMLインタプリタ101によって解釈され、購買理由を顧客に尋ねる処理が実行される。なお、購買理由として得られる回答データは、図10(b)で図示した音声認識辞書35fによって定義されている。
【0084】
図11は、商品に対する印象を尋ねる「Question#02」のコード36を説明する図である。図11(a)は、商品に対する印象を尋ねる「Question#02」のコード36で、顧客データの内容に係わらず実行される「Question#02」の内容は、VoiceXMLのコード36aを用いて記述される。また、このとき得られる回答データは、図11(b)の音声認識辞書36bによって定義される。
【0085】
ここから、コールセンターサーバ10に実装されたソフトウェアで実現される機能について説明する。図12は、コールセンターサーバ10におけるデータフローを説明する図である。アンケート調査を実施する指示を受けると、コールセンターサーバ10のWebサーバプログラム100が起動し、指定されたアンケート調査の識別データで特定されるアンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4を選択し、電話番号リスト4に列挙されている順に電話をかけ、音声端末装置13と通話すると、アンケート調査実行ファイル3を解釈実行することでアンケート調査を開始する。
【0086】
上述しているように、アンケート調査実行ファイル3は、PHPを利用して記述され、Webサーバプログラム100は、PHPの構文を解釈して実行するPHPパーサの機能を備えている。Webサーバプログラム100は、アンケート調査実行ファイル3に記述されたPHPの構文を解釈することで出力されるVoiceXML文書をVoiceXMLインタプリタ101に引き渡す。
【0087】
コールセンターサーバ10のVoiceXMLインタプリタ101は、VoiceXML文書の文法や意味を解釈し実行する機能を備えたソフトウェアで、顧客にメッセージを音声で通知するとき、すなわち、VoiceXMLファイル内のprompt要素の要素データとして記述されているメッセージを音声で音声端末装置13に送信するとき、VoiceXMLインタプリタ101は、音声合成エンジン102を利用し、テキストで記載されているメッセージを音声に変換し、変換した音声を音声端末装置13に送信する。
【0088】
また、顧客から音声で回答データを得るとき、すなわち、field要素のprompt要素に記述された質問メッセージを送信した後、VoiceXMLインタプリタ101は、音声認識エンジン103に顧客の発音(音声)を認識させて顧客の発音(テキスト)を取得する。
【0089】
そして、VoiceXMLインタプリタ101は、grammar要素で指定された音声認識辞書を参照することで、顧客の発音(テキスト)に対応する回答データを得て、実行したprompt要素の親要素であるfield要素のname属性の属性値を変数名に持つ変数の変数値に、顧客から得た回答データを代入する。
【0090】
アンケート調査実行ファイル3を解釈することで出力されるVoiceXML文書を、VoiceXMLインタプリタ101がすべて実行すると、Webサーバプログラム100は、VoiceXMLファイルに記述されている変数名とその変数値、すなわち、field要素のname属性の属性値に記述されている変数名とその変数値や、PHPの構文で利用されている変数名やその変数値を、DWHサーバ11から読み出したスキーマ2に従い、一人の顧客に対して実行したアンケート調査の内容を回答データファイル5に追記する。
【0091】
そして、Webサーバプログラム100は、DWHサーバ11から読み出した電話番号リスト4に記載されている次の電話番号に電話をかけ、アンケート調査を続けて実施し、電話番号リスト4に記載されている電話番号すべてに対しアンケート調査を実行すると、Webサーバプログラム100はアンケート調査を終了する。
【0092】
図13は、DWHサーバ11に記憶される回答データファイル5を説明する図である。回答データファイル5はXMLで記述され、アンケート調査に係わらず、回答データファイル5の構造はスキーマ2によって予め定義されている。
【0093】
回答データファイル5には、VoiceXMLの規格など定義されるprolog要素5aに加え、実施したアンケート調査の内容が記述されるform要素5bが含まれる。一人に対して実施したアンケート調査の内容は、form要素5bの子要素であるtransaction要素5cで記述され、transaction要素5cは子要素であるcustomer要素5dとanswer要素5eをもつ。アンケート調査を実施する前は、回答データファイル5に記述されたtransaction要素5cの数は0個で、一人の顧客に対してアンケート調査を実施する毎に、一つのtransaction要素5cが回答データファイル5に追加される。
【0094】
図13では、customer要素5dの子要素として、顧客の年齢を示すgendar要素5f、顧客の年齢を示すage要素5g、そして、顧客の購買履歴を示すpurchase要素5hが記述されている。SQLサーバ17の顧客テーブル6に顧客データが記憶されていれば、customer要素5dの子要素の要素値は、顧客テーブル6から得た顧客データになる。
【0095】
また、当然のことながら、図13に図示していない他の子要素、例えば、会員番号や住所など、コールセンターサーバ10で実行されるすべてのアンケート調査で顧客から得る顧客データを記憶する子要素がcustomer要素5dに含まれる。
【0096】
また、answer要素5eの子要素として、商品の購買理由を示すans_motivation要素5i、商品に対する印象を示すans_impression要素5jが記述されているが、当然のことながら、他の子要素、例えば、他社の商品との比較など、コールセンターサーバ10で実行されるアンケート調査で顧客から得られる回答データを記憶するためのすべての子要素がanswer要素5eに含まれる。
【0097】
回答データファイル5のform要素内には、アンケート調査を実行した人数だけtransaction要素が記述され、データをもつ、customer要素5dとanswer要素5eの子要素は、アンケート調査の内容によって決定される。
【0098】
例えば、図9と図10を用いて説明したように、商品を購入している顧客に対してのみ、商品の購買理由を尋ねる質問が実施されるため、商品を購入していない顧客に対応するtransaction要素5cにおいて、ans_motivation要素5jは空要素になる。
【0099】
図14は、図13で図示した回答データファイル5のツリー構造を説明する図である。上述しているように、回答データファイル5のルートとなる要素はform要素5bで、このform要素5bは、1つ以上のtransaction要素5cを持つ。transaction要素5cはcustomer要素5dとanswer要素5eを持ち、customer要素5dとanswer要素5eはそれぞれ子要素をもつ。
【0100】
コールセンターサーバ10に記憶され、回答データファイル5の構造を定義するスキーマ2には、図14で図示したツリー構造が、XMLのスキーマ言語によって記述されている。図15は、回答データファイル5の構造を定義するスキーマ2を説明する図である。
【0101】
回答データファイル5の構造を定義するスキーマ2には、スキーマ言語の規格を定義するprolog要素2aに加え、回答データファイル5の各々の要素を定義するxsd:element要素2bが記述される。
【0102】
一つのxsd:element要素2bで、回答データファイル5の一つの要素が定義され、回答データファイル5で利用される要素名は、xsd:element要素2bのname属性の属性値に記述される。
【0103】
図5で図示した回答データファイル5のtransaction要素5cは、「transaction」をname属性の属性値にもつxsd:element要素2bで定義され、maxoccurs属性によって、その出現回数が無制限に設定されている。
【0104】
更に、「transaction」をname属性の属性値にもつxsd:element要素2b間では、回答データファイル5のcustomer要素5dおよびanswer要素5eが定義されている。また、customer要素5dを定義するxsd:element要素2b間でcustomer要素5dの子要素(例えば、customer_gender要素5f)が定義され、answer要素5eを定義するxsd:element要素2b間でanswer要素5eの子要素(ans_motivation要素5i)が定義される。
【0105】
すべてのカテゴリーに係わるアンケート調査を網羅するように、customer要素5dおよびanswer要素5eの子要素を定義することはできないが、コールセンターサーバ10で実施されるアンケート調査のカテゴリー、例えば、商品に係わるアンケート調査や、CSR(CSR: Corporate Social Responsibility)を目的としたアンケート調査のみに限定すれば、顧客への質問事項は定められるため、customer要素5dおよびanswer要素5eの子要素を定義することは可能で、customer要素5dおよびanswer要素5eの子要素は、顧客から得る回答データを記憶するために利用される。
【0106】
次に、アンケートの効果検証を行う機能を備えた分析サーバ12について説明する。図16は、分析サーバ12のブロック図である。
【0107】
図16に図示したように、分析サーバ12は、アンケートの効果を検証するときのシナリオが記述されたテンプレート7が記憶されているテンプレートデータベース122と、DWHサーバ11に記憶されている回答データファイル5を集計・分析するときに作動する分析プログラム120を備え、更に、回答データファイル5を集計・分析する分析モジュール121として、クラスタリング分析を実行するときに利用する分析モジュール121と、ロジスティック回帰分析を実行するときに利用する分析モジュール121と、そして、アソシエーション分析を実行するときに利用する分析モジュール121を備えている。
【0108】
回答データファイル5を集計・分析するときのシナリオが記述されたテンプレート7は、好ましくは、アンケート調査のカテゴリーごとに作成され、テンプレートデータベース122に記憶される。このテンプレート7には、集計・分析に利用する回答データファイル5や回答データファイル5に含まれる回答データを指示するデータと、集計・分析のシナリオとして、回答データファイル5を集計・分析するとき利用する分析モジュール121とその実行順序が記述され、このシナリオを出力するレポート15に応じて決定される。
【0109】
例えば、分析サーバ12のレポートに3つの出力結果A〜Cを出力するとき、出力結果A〜Cそれぞれを得るための処理内容がテンプレート7に記述される。出力結果Aが、回答データファイル5に含まれる幾つかのanswer要素5eで似たような回答をしている顧客の部分集合を作成し、それぞれの部分集合についてアソシエーション分析したときの分析結果であるとき、テンプレート7には、分析に利用する回答データファイル5を特定するデータ(例えば、アンケート調査の識別データ)と、クラスタリング分析の対象となるanswer要素5eの子要素を特定するデータ(ここでは、要素名)が入力となり、分析に利用される分析モジュール121とその順序(ここでは、クラスタリング分析の分析モジュールを実行させた後に、アソシエーション分析の分析モジュールを実行)がテンプレート7に記述される。
【0110】
このとき、分析サーバ12の分析プログラム120は、テンプレート7に従い、スキーマ2を参照し、回答データファイル5の構造を解析し、クラスタリング分析の分析モジュール121を用いて、指定された回答データファイル5から指定されたanswer要素5eの子要素に関してクラスタリング分析し、クラスタリング分析で得られる部分集合それぞれについて、アソシエーション分析の分析モジュールを用いてアソシエーション分析した結果を、出力結果Aとしてレポート15に出力する。
【0111】
このように、アンケート調査で顧客から得られる回答データを記憶する回答データファイル5の構造を予めスキーマ2で定義しておけば、DWHサーバ11に記憶される回答データファイル5の構造は共通になるため、DWHサーバ11に記憶される回答データファイル5を集計するために、回答データファイル5毎に、回答データファイル5を解析するためのプログラムを用意する必要はなくなる。
【0112】
また、回答データファイル5に含まれる回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレート7を用意しておけば、DWHに記憶される回答データファイル5を分析する作業を自動化できる。
【0113】
なお、本発明は、これまで説明した実施の形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、上述した実施形態においては、VoiceXMLで利用される音声認識辞書は予め定義され、grammar要素で利用する音声認識辞書が指定されていたが、SQLサーバ17に音声認識辞書に利用する辞書データが記憶された辞書テーブルを設けておき、この辞書テーブルを利用して音声認識辞書を動的に作成することもできる。
【0114】
図17は、SQLサーバ17を利用して音声認識辞書を動的に作成する内容を説明する図で、図17(a)は音声認識辞書を動的に作成するPHPのコードの一例で、図17(b)はSQLサーバ17に設けられたテーブルの一例で、図17(c)は、図17(a)のPHPコードが実行されることで生成される音声認識辞書を説明する図である。
【0115】
図17(c)に図示したように、動的に生成される音声認識辞書は、音声認識辞書を指定するgrammar要素37aと、rule要素37bと、One−of要素37cと、音声認識辞書の内容が記述されるitem要素37dから構成される。
【0116】
item要素37d内に記述されるtoken要素37eの属性で、顧客の音声などが定義される。token要素37eのsym属性の値によって顧客の音声(例えば、「いち」)が定義され、token要素37eのsolt属性で、顧客の音声から得られる回答データを代入する変数名(ここでは、「customer#impression」)が定義され、value属性で変数に代入する回答データ(例えば、「よい」)が定義される。
【0117】
図17(a)に図示したように、図17(c)の音声認識辞書を生成するPHPのコード37fには、pq_query関数を利用して、item要素37dで使用するデータが記憶された辞書テーブル(ここでは、「Tbl_impression」)の内容を読み取り、echo関数を利用して、音声認識辞書のitem要素37dを出力するコードが記述されている。
【0118】
図17(b)で図示した辞書テーブル37gには、カラム「onsei」とカラム「answer」が設けられ、3つのレコードが設けられている。カラム「onsei」から読み出したデータは、item要素37d内に記述されるtoken要素37eのsym属性の値に用いられ、カラム「answer」から読み出したデータは、item要素37d内に記述されるtoken要素37eのvalue属性の値に用いられる。
【0119】
また、本実施形態では、コールセンターサーバ10は電話番号リスト4を利用してアンケート調査を実施するが、コールセンターサーバ10が公開しているWebページにアンケート調査用のフリーダイヤルを表示しておき、フリーダイヤルに電話してきた顧客に対して、アンケート調査を行うようにしてもよい。なお、フリーダイヤルを利用する時、コールセンターサーバ10は、フリーダイヤルに電話してきた音声端末装置13の電話番号を利用して、SQLサーバ17から顧客データを取得する。
【0120】
加えて、本実施形態で説明したアンケート調査実行ファイル3、回答データファイル5およびスキーマ2は任意に設定可能で、当然のことながら、回答データファイル5の構造すなわちスキーマ2の内容は、コールセンターシステムで実施されるアンケート調査の内容に従い決定される。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】コールセンターシステムの構成を説明する図。
【図2】コールセンター業務の自動化方法の手順を示したフロー図。
【図3】コールセンターシステムのブロック図。
【図4】SQLサーバに設けられた顧客テーブルを説明する図。
【図5】ンケート調査実行ファイルを説明する図。
【図6】VoiceXML文書のprolog要素を作成するコードを説明する図。
【図7】顧客の顧客データを取得するコードを説明する図。
【図8】顧客データを音声端末装置から取得するVoiceXML文書を説明する図。
【図9】VoiceXML文書を動的に生成するためのコードを説明する図。
【図10】購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコードを説明する図。
【図11】商品に対する印象を尋ねる「Question#02」のコードを説明する図。
【図12】コールセンターサーバにおけるデータフローを説明する図。
【図13】回答データファイルを説明する図。
【図14】回答データファイルのツリー構造を説明する図。
【図15】回答データファイルの構造を定義するスキーマを説明する図。
【図16】分析サーバのブロック図。
【図17】SQLサーバを利用して音声認識辞書を動的に作成する内容を説明する図。
【符号の説明】
【0122】
1 コールセンターシステム
10 コールセンターサーバ
100 Webサーバプログラム
101 VoiceXMLインタプリタ
102 音声認識エンジン
103 音声合成エンジン
11 DWHサーバ
12 分析サーバ
13 音声端末装置
14 PSTN
15 レポート
16 VoIPゲートウェイサーバ
17 SQLサーバ
2 スキーマ
3 アンケート調査実行ファイル
4 電話番号リスト
5 回答データファイル
6 顧客テーブル
7 テンプレート
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客と音声通話することでアンケート調査などの回答データを蓄積するコールセンターの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
CRM(CRM: Customer Relationship Management)を構築するために、商品に対する顧客満足度調査や新商品のキャンペーンなどを実施するとき、企業は、コールセンターを利用することが多くなった。従来、コールセンターには、自動音声応答装置(IVR: Interactive Voice Response)を利用する形態と、オペレータが顧客に対応する形態とがあり、いずれの形態においても、コールセンターでは、顧客から得られた回答データを蓄積し、蓄積した顧客の回答データを分析する作業が実施される。
【0003】
コールセンターのアウトソーシング会社では、数多くのコールセンター業務を処理するため、ユーザから回答データを得て、回答データを分析するまでの工程を自動化できることが望ましいが、コールセンター業務を自動化するためには様々な課題がある。
【0004】
コールセンター業務を自動化するときの一つ目の課題は、回答データ取得の自動化がある。オペレータが顧客に対応する形態のコールセンターでは、オペレータは定められたシナリオに従い顧客と対話し、オペレータが顧客の回答から回答データを判断するため、回答データの入力作業が人手になってしまう。
【0005】
オペレータが回答を入力する作業を無くすために、特許文献1で開示されている発明のように、顧客の回答を音声録音しておくことも考えられるが、コールセンターの効果を分析するときに、録音した顧客の音声を加工処理が必要となってしまう。
【0006】
一方、自動音声応答装置を利用したコールセンターでは、特許文献2で開示されているように、自動音声応答装置(広告CTIサーバ)は、電話機(顧客端末)から受信した広告識別コードに応じ、音声ガイダンスを顧客端末に送信し、DTMF (Dual-Tone Multi-Frequency)を利用して、顧客端末から送信された数値や記号などを回答データとして自動的にメモリに蓄積する。
【0007】
しかしながら、自動音声応答装置を利用したコールセンターでは、顧客は、サーバから送信される音声ガイダンスに対し、DTMFを用いて回答するため、顧客と対話する形態のコールセンターを実現できない。
【0008】
特に、CRMでは、新規の顧客の獲得よりも、既存の顧客のつながりを重要視するため、CRMに係わるコールセンター業務では、既存の顧客と音声対話する形態で、音声対話する顧客の購買履歴などの顧客データに応じ、OnetoOneのコールセンター業務を行いたい要望が企業側にあるが、これらの発明には、音声対話する顧客の購買履歴などの顧客データに応じて、自動的にコールセンター業務を実施する旨は記載されていない。
【0009】
また、コールセンター業務を自動化するときの二つ目の課題は、回答データを分析する作業の自動化がある。コールセンター業務で得られた回答データの分析を自動化する発明としては、特許文献3で開示されているような、アンケートの集計を自動化するアンケート分析支援システムなどを利用することができるが、特許文献3は、アンケートの集計結果の表示方法に主眼を置いた発明で、アンケートの集計を自動化する具体的な内容については述べられていない。
【特許文献1】特開2002−44260号公報
【特許文献2】特開2007−174354号公報
【特許文献3】特開2003−288461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、上述した様々な問題を解決するために、本発明は、顧客と音声対話するコールセンターにおいて、音声対話する顧客の顧客データに応じて、顧客への応対内容を動的に変化させることができ、更に、コールセンターで顧客から得られた回答データの分析をも自動化することのできるコールセンターの自動化方法よびコールセンターシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決する第1の発明は、コールセンター業務を自動化する方法であって、コールセンターに設置されるサーバ(コールセンターサーバ)が、前記コールセンターサーバと接続しているデータベース内の指定されたテーブルから、コールセンター業務で利用する参照データを取得し、前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用するVoiceXML文書を動的に生成し、生成した前記VoiceXML文書を実行することで、前記コールセンターサーバが、前記VoiceXML文書に記述された質問メッセージを音声で音声端末装置に送信し、前記音声端末装置から受信した音声を認識して回答データを取得するステップa、スクリプト言語で記述され、前記回答データを記憶する回答データファイルの構造を定義したスキーマに沿った形式で、前記音声端末装置から得られた前記回答データを前記回答データファイルに記憶するステップb、を含むコールセンター工程と、前記コールセンター工程で得られた回答データを分析するために設置されるサーバ(分析サーバ)が、前記スキーマを参照することで前記回答データファイルの構造を解析し、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析する分析工程を、含むことを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0012】
更に、第2の発明は、第1の発明に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記コールセンターサーバは、前記VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述されたプログラムを解釈・実行することで、前記データベースから前記参照データを取得すると共に、前記VoiceXML文書を動的に生成することを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0013】
更に、第3の発明は、第2の発明に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記データベースには、前記テーブルとして、コールセンター業務の対象となる顧客データが記憶された顧客テーブルが設けられ、前記ステップaで前記コールセンターサーバが解釈・実行するプログラムには、前記参照データとして、前記データベースの前記顧客テーブルから、音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた前記顧客データを少なくとも取得するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0014】
更に、第4の発明は、第3の発明に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データを前記回答データとして使用するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0015】
更に、第5の発明は、第3の発明または第4の発明のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行するプログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含ませる前記質問メッセージを変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0016】
更に、第6の発明は、第3の発明から第5の発明のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行するプログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに応じて、前記VoiceXML文書に含まれ、前記質問メッセージの音声に係わる属性値を変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0017】
更に、第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記データベースには、前記テーブルとして、前記VoiceXML文書で利用する音声認識辞書で利用される辞書データが記憶された音声認識辞書テーブルが設けられ、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記音声認識辞書テーブルから前記辞書データを取得し、前記音声端末装置から送信された音声から前記回答データを得るときに利用する前記音声認識辞書を動的に生成するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0018】
更に、第8の発明は、第1の発明から第7の発明のいずれか一つに記載のコールセンターの自動化方法であって、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレートが用意され、前記分析サーバは、指示された前記テンプレートで示される処理に従い、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析することを特徴とするコールセンター業務の自動化方法である。
【0019】
更に、第9の発明は、コールセンター業務を自動で実行するコールセンターサーバと、コールセンター業務の結果を自動で分析する分析サーバとから構成されるコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバは、前記コールセンターサーバと接続しているデータベース内の指定されたテーブルから、コールセンター業務で利用する参照データを取得し、前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用するVoiceXML文書を動的に生成するVoiceXML文書生成手段と、生成した前記VoiceXML文書を解釈・実行することで、前記VoiceXML文書に記述された質問メッセージを音声で音声端末装置に送信し、前記音声端末装置から受信した音声を認識して回答データを取得するVoiceXML実行手段と、スクリプト言語で記述され、前記回答データを記憶する回答データファイルの構造を定義したスキーマに沿った形式で、前記音声端末装置から得られた前記回答データを前記回答データファイルに記憶する回答データ記憶手段と、を備え、前記分析サーバは、前記スキーマを参照することで前記回答データファイルの構造を解析し、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析する分析手段を備えている、ことを特徴とするコールセンターシステムである。
【0020】
更に、第10の発明は、第9の発明に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段は、前記VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述されたプログラムを解釈・実行することで、前記データベースから前記参照データを取得すると共に、前記VoiceXML文書を動的に生成することを特徴とするコールセンターシステムである。
【0021】
更に、第11の発明は、第10の発明に記載のコールセンターシステムであって、前記データベースには、前記テーブルとして、コールセンター業務の対象となる前記顧客データが記憶された前記顧客テーブルが設けられ、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記データベースの顧客テーブルから、音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた顧客データを少なくとも取得するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0022】
更に、第12の発明は、第11の発明に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データを前記回答データとして使用するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0023】
更に、第13の発明は、第11の発明または第12の発明に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含ませる前記質問メッセージを変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0024】
更に、第14の発明は、第11の発明から第13の発明のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含まれ、前記質問メッセージの音声に係わる属性値を変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0025】
更に、第15の発明は、第9の発明から第14の発明のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記データベースには、前記テーブルとして、前記VoiceXML文書で利用する音声認識辞書で利用される辞書データが記憶された音声認識辞書テーブルが設けられ、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記音声認識辞書テーブルから前記辞書データを取得し、前記音声端末装置から送信された音声から前記回答データを得るときに利用する前記音声認識辞書を動的に生成するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステムである。
【0026】
更に、第16の発明は、第9の発明から第15の発明のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレートが用意され、前記分析サーバは、指示された前記テンプレートで示される処理に従い、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析することを特徴とするコールセンターシステムである。
【0027】
上述した第1の発明によれば、前記VoiceXML文書を利用することで、前記音声端末装置を利用する顧客と前記コールセンターサーバが音声対話しながら、アンケート調査などのコールセンターの業務を自動化することができる。または、顧客から得られる前記回答データを記憶する前記回答データファイルの構造を予め前記スキーマで定義しておけば、前記回答データファイルの構造は、実施するコールセンター業務に係わらず共通になるため、前記回答データファイルを集計するために、前記回答データファイル毎に専用のプログラムを用意する必要はなくなる。
【0028】
加えて、第1の発明によれば、前記コールセンターサーバと接続した前記データベースに設けられた前記テーブルに記憶された前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用する前記VoiceXML文書を動的に生成することで、コールセンター業務で実施する内容を変更することが可能になる。
【0029】
なお、コールセンター業務で利用する前記VoiceXML文書を動的に生成する手法としては、第2の発明のように、VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述された前記プログラムを利用するとよい。
【0030】
第3の発明のように、前記コールセンターサーバと音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた前記顧客データを前記参照データとして前記データベースから取得すれば、前記顧客データに応じて、顧客への応対内容を動的に変化させることができるようになり、OnetoOneのコールセンター業務を実現することができるようになる。
【0031】
例えば、第4の発明のように、前記コールセンターサーバが解釈・実行する前記プログラムに、前記データベースから得られた前記顧客データを前記回答データとして使用するコードを記述すれば、コールセンター業務において前記顧客データを取得するトランザクションの実行が不必要になるため、一人の顧客に対するコールセンター業務の時間を減らすことができるようになる。
【0032】
また、第5の発明のように、この前記プログラムに、前記データベースから得られた前記顧客データに従い、前記質問メッセージの音声に係わる属性を変更するコードを記述することで、顧客に応じて音声を変更することができるようになる。なお、ここで、前記質問メッセージの音声に係わる属性とは、音声の速さや音量などを意味している。
【0033】
また、第6の発明のように、この前記プログラムに、前記データベースから得られた前記顧客データに従い、前記音声端末装置に音声で送信する前記質問メッセージを変更するコードを記述することで、顧客に応じて、前記質問メッセージを変更することができるようになる。
【0034】
加えて、第7の発明のように、前記VoiceXML文書で利用する前記音声認識辞書の内容となる前記辞書データを前記参照データとして前記データベースから取得すれば、前記VoiceXML文書で利用する前記音声認識辞書を動的に生成することができるようになり、前記音声認識辞書を予め用意しておく必要はなくなる。
【0035】
加えて、第8の発明によれば、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述された前記テンプレートを用意しておけば、前記分析サーバは、この前記テンプレートを参照することで、前記回答データを集計・分析処理作業を自動的に実施することができし、前記回答データファイルを分析するために、前記回答データファイル毎に専用のプログラムを用意する必要はなくなる。
【0036】
なお、第9の発明から第16の発明によれば、上述した第1の発明から第8の発明と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0037】
このように、上述した本発明によれば、顧客と対話するコールセンターにおいて、顧客の顧客データに応じて、顧客への応対内容を動的に変化させることができ、更に、コールセンターで顧客から得られた回答データの分析をも自動化することのできるコールセンターの自動化方法よびコールセンターシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
ここから、本発明に係わるコールセンターシステムおよびコールセンターの自動化方法について、図を参照しながら詳細に説明する。図1は、コールセンターシステム1の構成を説明する図である。
【0039】
図1で図示したコールセンターシステム1は、コールセンター業務として、CRM(CRM: Customer Relationship Management)に係わるアンケート調査を実施するシステムで、コールセンターシステム1は、顧客が利用する音声端末装置13と、VoiceXML文書を動的に生成する機能を備え、VoiceXML文書を利用してコールセンターの業務を自動で実行するコールセンターサーバ10と、コールセンターサーバ10が顧客から得た回答データが記憶されるDWHサーバ11(DWH: DataWareHouser)と、顧客から得られた回答データを集計・分析し、アンケート調査結果が記述されたレポートを出力する分析サーバ12と、顧客の属性(例えば、性別や年齢)など顧客データが記憶されているSQLサーバ17と、VoIPゲートウェイサーバ16とから少なくとも構成され、顧客が操作する音声端末装置13とコールセンターサーバ10は、VoIPゲートウェイサーバ16を介して、PSTN14(PSTN: Public Switched Telephone Networks)で接続される。
【0040】
図2は、図1で図示したコールセンターシステム1で実行されるコールセンター業務の自動化方法の手順を示したフロー図で、コールセンターシステム1では、コールセンターサーバ10が、アンケート調査の内容を音声端末装置13に送信し、音声端末装置13から得られた回答データをDWHサーバ11に記憶するコールセンター工程(S1)と、分析サーバ12が、アンケート調査で得られた回答データを集計・分析する分析工程(S2)が実行される。
【0041】
コールセンター工程(S1)で作動する装置は、顧客が操作する音声端末装置13、アンケート調査で利用するVoiceXML文書を動的に生成する機能を備え、生成したVoiceXML文書を用いて自動でアンケート調査を実施するコールセンターサーバ10、アンケート調査で利用する顧客データが記憶されているデータベースサーバであるSQLサーバ17、および、アンケート調査結果が記憶されるDWHサーバ11である。
【0042】
SQLサーバ17には顧客テーブル6が設けられ、顧客テーブル6には、DM(DM: Direct Mail)を顧客に発送したときに利用されたときの顧客データが記憶されている。コールセンターサーバ10は、アンケート調査の内容が記述されたアンケート調査実行ファイル3と、音声端末装置13から得られる回答データを記憶する回答データファイル5の構造を定義するスキーマ2と、アンケート調査を実施する顧客の電話番号が列挙された電話番号リスト4を記憶している。
【0043】
コールセンターサーバ10が記憶しているアンケート調査実行ファイル3には、プログラミング言語の一つであるPHP(PHP: Hypertext Preprocessor)を用いて、アンケート調査の対象となる顧客データの内容に基づき、アンケート調査で実行するVoiceXML文書を動的に生成するためのコードが記述されている。
【0044】
コールセンターサーバ10は、アンケート調査実行ファイル3に記述されたPHPのコードを解釈実行することで、VoiceXML文書を動的に生成し、生成したVoiceXML文書を実行することで、音声端末装置13を利用する顧客と音声対話しながら自動でアンケート調査を行う。なお、アンケート調査実行ファイル3を記述するプログラミング言語は、Java(登録商標)やC言語など、PHP以外のプログラミング言語であってもよい。
【0045】
コールセンターサーバ10はアンケート調査を実行開始すると、アンケート調査結果を記憶する回答データファイル5をDWHサーバ11に設け、動的に生成したVoiceXML文書を利用し、一人の顧客に対してアンケート調査を実行する毎に、顧客が操作する音声端末装置13から得た回答データを、DWHサーバ11の回答データファイル5に記憶させる。
【0046】
なお、DWHサーバ11に記憶される回答データファイル5は、スクリプト言語であるXML(XML: eXtensible Markup Language)で記述され、回答データファイル5の構造は、実行するアンケート調査に係わらず共通で、予め、コールセンターサーバ10に記憶されたスキーマ2によって定義されている。このスキーマ2は、コールセンターサーバ10と分析サーバ12に記憶されている。
【0047】
コールセンターサーバ10が、VoiceXMLをアンケート調査に利用することで、対話形態のコールセンター業務を自動化でき、加えて、アンケート調査の内容を変更するときは、PHPを用いて記述されたアンケート調査実行ファイル3の内容を書き換えれば事足りるため、アンケート調査の内容を変更する作業を軽減することができるようになる。
【0048】
また、アンケート調査実行ファイル3に、SQLサーバ17に設けられた顧客テーブル6に記憶された顧客データを取得するPHPコードを記述しておけば、SQLサーバ17から得られた顧客データを回答データとして利用したり、SQLサーバ17から得られた顧客データに応じて、VoiceXML文書を動的に変更することが可能になる。
【0049】
分析工程(S2)で作動する装置は分析サーバ12で、分析サーバ12は、アンケート調査で得られた回答データファイル5を集計・分析処理する指示を受けると、スキーマ2を参照して、回答データファイル5の構造を把握し、回答データファイル5に含まれる回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレート7に従い、自動で回答データを集計・分析処理し、アンケート調査の結果を定められた形式(電子メールや印刷物)でレポート15に出力する。
【0050】
回答データを記憶する回答データファイル5の構造を予め定めておくことで、例えば、アンケート調査で実施する質問項目の順番が異なっていたとしても、回答データファイル5の構造は同一であるため、分析サーバ12は、スキーマ2を参照することで、回答データファイル5の構造を自動的に解釈することができるようになる。
【0051】
また、回答データを集計・分析処理する手順が記述されたテンプレート7を用意しておけば、分析サーバ12は、このテンプレート7を参照することで、回答データを集計・分析処理作業を自動的に実施することができる。
【0052】
ここから、図1で図示したコールセンターシステム1を構成する音声端末装置13、コールセンターサーバ10、SQLサーバ17およびDWHサーバ11について詳細に説明する。図3は、図1で図示したコールセンターシステム1のブロック図である。
【0053】
図3で図示したように、顧客が利用する音声端末装置13は、コールセンターサーバ10と顧客が音声対話するためのボイスインターフェース130が備えられた端末で、図1では、顧客が利用する音声端末装置13を電話器として図示しているが、顧客が利用する音声端末装置13は、ボイスインターフェース130としてボイスブラウザ(voice browser)がインストールされたパーソナルコンピュータであってもよい。
【0054】
図3で図示したように、SQLサーバ17には、顧客データを記憶するためのテーブルである顧客テーブル6が設けられる。図4は、SQLサーバ17に設けられた顧客テーブル6を説明する図である。図4に図示したように、SQLサーバ17に設けられた顧客テーブル6はレコードとカラムとから構成され、それぞれのカラムには、カラムを識別するためのカラム名が付与されている。
【0055】
図4において、顧客テーブル6には、カラムとして、顧客に割り振られたシリアル番号である顧客コードを記憶するカラム「code」、顧客の電話番号を記憶するカラム「telephone」、顧客の性別を記憶するカラム「gender」、顧客の年齢を記憶するカラム「age」、そして、顧客の購買履歴を記憶するカラム「purchase」が少なくとも設けられている。
【0056】
DWHサーバ11には、DWHが設けられ、このDWHには、アンケート調査で得られた回答データが記憶される回答データファイル5が記憶され、回答データファイル5の構造は、コールセンターサーバ10が記憶しているスキーマ2によって定義されている。回答データファイル5およびスキーマ2については後述する。
【0057】
ここから、コールセンターサーバ10について説明する。コールセンターサーバ10は、CPU、RAMや大容量のデータ記憶装置を備えた汎用的なWebサーバに、本発明に係わるコールセンターサーバ10として機能するためのプログラムが実装されることで実現される。
【0058】
図3に図示したように、コールセンターサーバ10には、本発明に係わるVoiceXML実行手段を実現するためのプログラムとして、VoiceXML文書に記述された自然言語(ここでは、日本語)を音声で読み上げるための音声合成エンジン103と、顧客の発音(音声)を認識する音声認識エンジン102と、VoiceXML文書を解釈し実行するVoiceXMLインタプリタ101を備え、本発明に係わるVoiceXML文書生成手段を実現するためのプログラムとして、PHPのコードを解釈実行する機能を備え、自動でアンケート調査を実行するWebサーバプログラム100が備えられ、これらのプログラムのプログラムコードは、コールセンターサーバ10のデータ記憶装置104に記憶されている。
【0059】
また、図3に図示したように、コールセンターサーバ10のデータ記憶装置104には、アンケート調査に利用するアンケート調査実行ファイル3と、アンケート調査を実施する顧客の電話番号が列挙された電話番号リスト4と、DWHサーバ11に記憶する回答データファイル5の構造を定義したスキーマ2を記憶している。
【0060】
なお、図3では、コールセンターサーバ10が記憶しているアンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4は一つとしているが、実際は、アンケート調査ごとにアンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4が記憶される。複数のアンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4をコールセンターサーバ10に記憶させるときは、アンケート調査の識別データを用いて、アンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4のファイル名を記述する。なお、回答データファイル5の構造は、アンケート調査に係わらず共通であるため、コールセンターサーバ10が記憶しているスキーマ2は一つである。
【0061】
図5は、コールセンターサーバ10に記憶されるアンケート調査実行ファイル3を説明する図である。上述しているように、アンケート調査実行ファイル3は、プログラミング言語の一つであるPHPを用いて記述されている。コールセンターサーバ10のWebサーバプログラム100は、アンケート調査実行ファイル3に含まれ、「<?php」と「?>」で囲まれたコードをPHPのコードとして解釈して実行し、その他のコードはVoiceXMLのコードとして出力する。
【0062】
図5で図示したアンケート調査実行ファイル3では、VoiceXML文書のprolog要素を作成するコード30の後に、アンケート調査の内容を定義するコード31が、VoiceXMLのform要素間に記述される。なお、VoiceXMLのform要素3aの開始タグに記述されるID属性の属性値は、アンケート調査の識別データで、このID属性からもアンケート調査実行ファイル3が対応しているアンケート調査を識別できる。
【0063】
更に、図5において、アンケート調査を定義するコード31には、アンケート調査の対象となる顧客の顧客データを取得するコード32と、アンケート調査を実施する顧客の顧客データに基づき、VoiceXML文書を動的に生成するコード33が含まれている。
【0064】
図6は、VoiceXML文書のprolog要素を作成するコード30を説明する図で、このコードには、PHPの出力する文字コードなど定義するコード30aと、VoiceXMLの規格などを定義するprolog要素を出力するコード30bと、アンケート調査の挨拶のメッセージを出力するVoiceXMLのコード30cが記述されている。
【0065】
図7は、アンケート調査の対象となる顧客の顧客データを取得するコード32を説明する図である。SQLサーバ17から顧客データを取得するためのコード32は、アンケート調査を実施する顧客データに基づいてVoiceXML文書を動的に生成するために、アンケート調査実行ファイル3に含まれている。
【0066】
図7で図示したコードには、まず、顧客データを取得するSQLサーバ17に接続するPHPのコード32aが記述され、その次に、SQLサーバ17の仕様に適したSQL文を用いて、SQLサーバ17のテーブル(ここでは、顧客テーブル6)から、アンケート調査を行う顧客データを取得するPHPのコード32bが記述される。
【0067】
なお、図7では、顧客データを取得するレコードは、電話をかけた音声端末装置13の電話番号(ここでは、「TEL#No」)を利用して特定され、特定したレコードから、顧客の性別を示すカラム「gender」の値、顧客の年齢を示すカラム「age」、顧客の購買履歴を示すカラム「purchase」の値を取得し、カラム「gender」の値は変数「customer#gender」に代入され、カラム「age」の値は変数「customer #age」に代入され、カラム「purchase」の値は変数「customer #purchase」に代入される。
【0068】
また、図7には、SQLサーバ17から顧客データが得られないときに対応すべく、VoiceXMLを利用して顧客データを得るためのコード32cが記述されている。このコードでは、顧客データを得るためのVoiceXML文書が記憶されたファイルで、ファイル名が「VoiceXML#uset#attribute.xml」であるファイルを読み出し、PHPのecho関数によって、このVoiceXML文書の内容を出力するPHPのコードが記述されている。
【0069】
図8は、顧客データを音声端末装置13から取得するVoiceXML文書34を説明する図である。図8(a)は、顧客データを音声端末装置13から取得するVoiceXML文書34で、VoiceXMLのfield要素34aは、VoiceXMLのインプットアイテムである。field要素34aのname属性は、顧客から得られた回答データを代入する変数の変数名を示し、field要素34aの子要素であるprompt要素34bの要素データには、顧客に対する質問メッセージが記述される。
【0070】
prompt要素34bの要素データ(ここでは、質問メッセージ)は、コールセンターサーバ10の音声合成エンジン103によって音声に変換されて音声端末装置13に送信され、コールセンターサーバ10は、顧客からの音声の入力待ちになる。
【0071】
grammar要素34cは、顧客から得られる発話と、field要素34aのname属性で示される変数に代入する回答データを関連付けた音声認識辞書34gを指定する要素で、grammar要素34cの要素データで利用する音声認識辞書34gが指定される。
【0072】
図8(b)は、性別を顧客に問い合わせる時に利用される音声認識辞書34gの一例で、この音声認識辞書34gには、音声合成エンジン103が質問メッセージ「あなたの性別を教えてください」を音声に変換した後に有効となる顧客の発音と、顧客の発音に応じた回答データが記述されている。
【0073】
例えば、顧客の発音(音声)を音声認識エンジン102が認識して得られる顧客の発音(テキスト)が「だん」または「だんせい」であるとき、顧客の性別を代入する変数「customer#gender」に回答データとして「男性」が代入される。
【0074】
なお、顧客から得た回答データが代入される変数名、すなわち、field要素34aのname属性の属性値に記述される変数名は、スキーマ2で回答データを記憶する要素の要素名が用いられる。
【0075】
更に、図8(a)では、option要素34dを用いて、顧客は音声やトーン信号で回答ができるようにされている。更に、図8(a)で図示したVoiceXMLでは、filled要素34eおよびif要素34fを用いて、顧客から得られた回答データに応じて、顧客に返信する。図8に従えば、顧客の性別を問い合わせるとき、コールセンターサーバ10から音声端末装置13に「あなたの性別を教えてください」との音声が通知され、顧客が自分の性別を回答(ここでは、「男性」)すると、コールセンターサーバ10から音声端末装置13に「男性の方ですね」との音声が通知され、コールセンターサーバ10と顧客間でインタラクティブな対話がされながら、アンケート調査が実施される。
【0076】
なお、図8(a)で説明したVoiceXML文書34には、実際は、顧客の性別と同様に、顧客の年齢と購買履歴を取得するコードが含まれる。
【0077】
図9は、アンケート調査を実施する顧客データに応じて、VoiceXML文書を動的に生成するためのコード33を説明する図である。図9に図示したコードには、顧客の年齢に応じて、VoiceXML文書の音声出力を変更するために、顧客の年齢に応じて、VoiceXML文書の音声出力を制御するprosbody要素の属性を変更するコード33aが、PHPのif構文を用いて記述されている。
【0078】
図9では、顧客の年齢が代入される変数「customer #age」が「65」以上であるとき、音声出力の速さを定めるprosbody要素の属性「rate」の値は「slow」に設定され、音声出力の音量を定めるprosbody要素の属性「volume」は「loud」に設定される。
【0079】
また、else以降のコードで、顧客の年齢が代入される変数「customer #age」が「65」以下であるとき、音声出力の速さを定めるprosbody要素の属性「rate」の値は「medium」に設定され、音声出力の音量を定めるprosbody要素の属性「volume」は「medium」に設定される。
【0080】
顧客データは、VoiceXML文書の音声出力を制御する以外にも、質問メッセージの実施を制御するためにも利用できる。図9では、商品を購買した顧客に対して、すなわち、顧客の購買履歴を示す変数「customer #purchase」の値が「true」(購入経験有り)であるとき、購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコード35が実行され、SQLサーバ17から取得した変数「customer #purchase」の値が「false」(購入経験無し)であるとき、「Question#01」の内容は実行されずに、商品に対する印象を尋ねる「Question#02」のコード36が実行される。
【0081】
図10は、購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコード35を説明する図である。図10(a)は、購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコード35で、顧客データに応じて購買理由を顧客に尋ねるために、購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコードはPHPを用いて記述され、図10(a)で図示したPHPのコード35aでは、if構文の条件(customer #purchase=true)が成立したとき、echo以下に記述されているテキストがVoiceXML文書35bとして出力される。
【0082】
このVoiceXML文書35bには、購買理由を顧客に尋ね、ユーザから回答データとして購買理由を取得するためのfield要素35cが含まれ、このfield要素35cの子要素であるprompt要素35d間には、属性「rate」および属性「volume」を有するprosbody要素35eが記述され、これらの属性の値は、顧客の年齢から決定された値になる。
【0083】
図10(a)のPHPのコード35をWebサーバプログラム100が解釈することで出力されるVoiceXML文書35bは、VoiceXMLインタプリタ101によって解釈され、購買理由を顧客に尋ねる処理が実行される。なお、購買理由として得られる回答データは、図10(b)で図示した音声認識辞書35fによって定義されている。
【0084】
図11は、商品に対する印象を尋ねる「Question#02」のコード36を説明する図である。図11(a)は、商品に対する印象を尋ねる「Question#02」のコード36で、顧客データの内容に係わらず実行される「Question#02」の内容は、VoiceXMLのコード36aを用いて記述される。また、このとき得られる回答データは、図11(b)の音声認識辞書36bによって定義される。
【0085】
ここから、コールセンターサーバ10に実装されたソフトウェアで実現される機能について説明する。図12は、コールセンターサーバ10におけるデータフローを説明する図である。アンケート調査を実施する指示を受けると、コールセンターサーバ10のWebサーバプログラム100が起動し、指定されたアンケート調査の識別データで特定されるアンケート調査実行ファイル3および電話番号リスト4を選択し、電話番号リスト4に列挙されている順に電話をかけ、音声端末装置13と通話すると、アンケート調査実行ファイル3を解釈実行することでアンケート調査を開始する。
【0086】
上述しているように、アンケート調査実行ファイル3は、PHPを利用して記述され、Webサーバプログラム100は、PHPの構文を解釈して実行するPHPパーサの機能を備えている。Webサーバプログラム100は、アンケート調査実行ファイル3に記述されたPHPの構文を解釈することで出力されるVoiceXML文書をVoiceXMLインタプリタ101に引き渡す。
【0087】
コールセンターサーバ10のVoiceXMLインタプリタ101は、VoiceXML文書の文法や意味を解釈し実行する機能を備えたソフトウェアで、顧客にメッセージを音声で通知するとき、すなわち、VoiceXMLファイル内のprompt要素の要素データとして記述されているメッセージを音声で音声端末装置13に送信するとき、VoiceXMLインタプリタ101は、音声合成エンジン102を利用し、テキストで記載されているメッセージを音声に変換し、変換した音声を音声端末装置13に送信する。
【0088】
また、顧客から音声で回答データを得るとき、すなわち、field要素のprompt要素に記述された質問メッセージを送信した後、VoiceXMLインタプリタ101は、音声認識エンジン103に顧客の発音(音声)を認識させて顧客の発音(テキスト)を取得する。
【0089】
そして、VoiceXMLインタプリタ101は、grammar要素で指定された音声認識辞書を参照することで、顧客の発音(テキスト)に対応する回答データを得て、実行したprompt要素の親要素であるfield要素のname属性の属性値を変数名に持つ変数の変数値に、顧客から得た回答データを代入する。
【0090】
アンケート調査実行ファイル3を解釈することで出力されるVoiceXML文書を、VoiceXMLインタプリタ101がすべて実行すると、Webサーバプログラム100は、VoiceXMLファイルに記述されている変数名とその変数値、すなわち、field要素のname属性の属性値に記述されている変数名とその変数値や、PHPの構文で利用されている変数名やその変数値を、DWHサーバ11から読み出したスキーマ2に従い、一人の顧客に対して実行したアンケート調査の内容を回答データファイル5に追記する。
【0091】
そして、Webサーバプログラム100は、DWHサーバ11から読み出した電話番号リスト4に記載されている次の電話番号に電話をかけ、アンケート調査を続けて実施し、電話番号リスト4に記載されている電話番号すべてに対しアンケート調査を実行すると、Webサーバプログラム100はアンケート調査を終了する。
【0092】
図13は、DWHサーバ11に記憶される回答データファイル5を説明する図である。回答データファイル5はXMLで記述され、アンケート調査に係わらず、回答データファイル5の構造はスキーマ2によって予め定義されている。
【0093】
回答データファイル5には、VoiceXMLの規格など定義されるprolog要素5aに加え、実施したアンケート調査の内容が記述されるform要素5bが含まれる。一人に対して実施したアンケート調査の内容は、form要素5bの子要素であるtransaction要素5cで記述され、transaction要素5cは子要素であるcustomer要素5dとanswer要素5eをもつ。アンケート調査を実施する前は、回答データファイル5に記述されたtransaction要素5cの数は0個で、一人の顧客に対してアンケート調査を実施する毎に、一つのtransaction要素5cが回答データファイル5に追加される。
【0094】
図13では、customer要素5dの子要素として、顧客の年齢を示すgendar要素5f、顧客の年齢を示すage要素5g、そして、顧客の購買履歴を示すpurchase要素5hが記述されている。SQLサーバ17の顧客テーブル6に顧客データが記憶されていれば、customer要素5dの子要素の要素値は、顧客テーブル6から得た顧客データになる。
【0095】
また、当然のことながら、図13に図示していない他の子要素、例えば、会員番号や住所など、コールセンターサーバ10で実行されるすべてのアンケート調査で顧客から得る顧客データを記憶する子要素がcustomer要素5dに含まれる。
【0096】
また、answer要素5eの子要素として、商品の購買理由を示すans_motivation要素5i、商品に対する印象を示すans_impression要素5jが記述されているが、当然のことながら、他の子要素、例えば、他社の商品との比較など、コールセンターサーバ10で実行されるアンケート調査で顧客から得られる回答データを記憶するためのすべての子要素がanswer要素5eに含まれる。
【0097】
回答データファイル5のform要素内には、アンケート調査を実行した人数だけtransaction要素が記述され、データをもつ、customer要素5dとanswer要素5eの子要素は、アンケート調査の内容によって決定される。
【0098】
例えば、図9と図10を用いて説明したように、商品を購入している顧客に対してのみ、商品の購買理由を尋ねる質問が実施されるため、商品を購入していない顧客に対応するtransaction要素5cにおいて、ans_motivation要素5jは空要素になる。
【0099】
図14は、図13で図示した回答データファイル5のツリー構造を説明する図である。上述しているように、回答データファイル5のルートとなる要素はform要素5bで、このform要素5bは、1つ以上のtransaction要素5cを持つ。transaction要素5cはcustomer要素5dとanswer要素5eを持ち、customer要素5dとanswer要素5eはそれぞれ子要素をもつ。
【0100】
コールセンターサーバ10に記憶され、回答データファイル5の構造を定義するスキーマ2には、図14で図示したツリー構造が、XMLのスキーマ言語によって記述されている。図15は、回答データファイル5の構造を定義するスキーマ2を説明する図である。
【0101】
回答データファイル5の構造を定義するスキーマ2には、スキーマ言語の規格を定義するprolog要素2aに加え、回答データファイル5の各々の要素を定義するxsd:element要素2bが記述される。
【0102】
一つのxsd:element要素2bで、回答データファイル5の一つの要素が定義され、回答データファイル5で利用される要素名は、xsd:element要素2bのname属性の属性値に記述される。
【0103】
図5で図示した回答データファイル5のtransaction要素5cは、「transaction」をname属性の属性値にもつxsd:element要素2bで定義され、maxoccurs属性によって、その出現回数が無制限に設定されている。
【0104】
更に、「transaction」をname属性の属性値にもつxsd:element要素2b間では、回答データファイル5のcustomer要素5dおよびanswer要素5eが定義されている。また、customer要素5dを定義するxsd:element要素2b間でcustomer要素5dの子要素(例えば、customer_gender要素5f)が定義され、answer要素5eを定義するxsd:element要素2b間でanswer要素5eの子要素(ans_motivation要素5i)が定義される。
【0105】
すべてのカテゴリーに係わるアンケート調査を網羅するように、customer要素5dおよびanswer要素5eの子要素を定義することはできないが、コールセンターサーバ10で実施されるアンケート調査のカテゴリー、例えば、商品に係わるアンケート調査や、CSR(CSR: Corporate Social Responsibility)を目的としたアンケート調査のみに限定すれば、顧客への質問事項は定められるため、customer要素5dおよびanswer要素5eの子要素を定義することは可能で、customer要素5dおよびanswer要素5eの子要素は、顧客から得る回答データを記憶するために利用される。
【0106】
次に、アンケートの効果検証を行う機能を備えた分析サーバ12について説明する。図16は、分析サーバ12のブロック図である。
【0107】
図16に図示したように、分析サーバ12は、アンケートの効果を検証するときのシナリオが記述されたテンプレート7が記憶されているテンプレートデータベース122と、DWHサーバ11に記憶されている回答データファイル5を集計・分析するときに作動する分析プログラム120を備え、更に、回答データファイル5を集計・分析する分析モジュール121として、クラスタリング分析を実行するときに利用する分析モジュール121と、ロジスティック回帰分析を実行するときに利用する分析モジュール121と、そして、アソシエーション分析を実行するときに利用する分析モジュール121を備えている。
【0108】
回答データファイル5を集計・分析するときのシナリオが記述されたテンプレート7は、好ましくは、アンケート調査のカテゴリーごとに作成され、テンプレートデータベース122に記憶される。このテンプレート7には、集計・分析に利用する回答データファイル5や回答データファイル5に含まれる回答データを指示するデータと、集計・分析のシナリオとして、回答データファイル5を集計・分析するとき利用する分析モジュール121とその実行順序が記述され、このシナリオを出力するレポート15に応じて決定される。
【0109】
例えば、分析サーバ12のレポートに3つの出力結果A〜Cを出力するとき、出力結果A〜Cそれぞれを得るための処理内容がテンプレート7に記述される。出力結果Aが、回答データファイル5に含まれる幾つかのanswer要素5eで似たような回答をしている顧客の部分集合を作成し、それぞれの部分集合についてアソシエーション分析したときの分析結果であるとき、テンプレート7には、分析に利用する回答データファイル5を特定するデータ(例えば、アンケート調査の識別データ)と、クラスタリング分析の対象となるanswer要素5eの子要素を特定するデータ(ここでは、要素名)が入力となり、分析に利用される分析モジュール121とその順序(ここでは、クラスタリング分析の分析モジュールを実行させた後に、アソシエーション分析の分析モジュールを実行)がテンプレート7に記述される。
【0110】
このとき、分析サーバ12の分析プログラム120は、テンプレート7に従い、スキーマ2を参照し、回答データファイル5の構造を解析し、クラスタリング分析の分析モジュール121を用いて、指定された回答データファイル5から指定されたanswer要素5eの子要素に関してクラスタリング分析し、クラスタリング分析で得られる部分集合それぞれについて、アソシエーション分析の分析モジュールを用いてアソシエーション分析した結果を、出力結果Aとしてレポート15に出力する。
【0111】
このように、アンケート調査で顧客から得られる回答データを記憶する回答データファイル5の構造を予めスキーマ2で定義しておけば、DWHサーバ11に記憶される回答データファイル5の構造は共通になるため、DWHサーバ11に記憶される回答データファイル5を集計するために、回答データファイル5毎に、回答データファイル5を解析するためのプログラムを用意する必要はなくなる。
【0112】
また、回答データファイル5に含まれる回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレート7を用意しておけば、DWHに記憶される回答データファイル5を分析する作業を自動化できる。
【0113】
なお、本発明は、これまで説明した実施の形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、上述した実施形態においては、VoiceXMLで利用される音声認識辞書は予め定義され、grammar要素で利用する音声認識辞書が指定されていたが、SQLサーバ17に音声認識辞書に利用する辞書データが記憶された辞書テーブルを設けておき、この辞書テーブルを利用して音声認識辞書を動的に作成することもできる。
【0114】
図17は、SQLサーバ17を利用して音声認識辞書を動的に作成する内容を説明する図で、図17(a)は音声認識辞書を動的に作成するPHPのコードの一例で、図17(b)はSQLサーバ17に設けられたテーブルの一例で、図17(c)は、図17(a)のPHPコードが実行されることで生成される音声認識辞書を説明する図である。
【0115】
図17(c)に図示したように、動的に生成される音声認識辞書は、音声認識辞書を指定するgrammar要素37aと、rule要素37bと、One−of要素37cと、音声認識辞書の内容が記述されるitem要素37dから構成される。
【0116】
item要素37d内に記述されるtoken要素37eの属性で、顧客の音声などが定義される。token要素37eのsym属性の値によって顧客の音声(例えば、「いち」)が定義され、token要素37eのsolt属性で、顧客の音声から得られる回答データを代入する変数名(ここでは、「customer#impression」)が定義され、value属性で変数に代入する回答データ(例えば、「よい」)が定義される。
【0117】
図17(a)に図示したように、図17(c)の音声認識辞書を生成するPHPのコード37fには、pq_query関数を利用して、item要素37dで使用するデータが記憶された辞書テーブル(ここでは、「Tbl_impression」)の内容を読み取り、echo関数を利用して、音声認識辞書のitem要素37dを出力するコードが記述されている。
【0118】
図17(b)で図示した辞書テーブル37gには、カラム「onsei」とカラム「answer」が設けられ、3つのレコードが設けられている。カラム「onsei」から読み出したデータは、item要素37d内に記述されるtoken要素37eのsym属性の値に用いられ、カラム「answer」から読み出したデータは、item要素37d内に記述されるtoken要素37eのvalue属性の値に用いられる。
【0119】
また、本実施形態では、コールセンターサーバ10は電話番号リスト4を利用してアンケート調査を実施するが、コールセンターサーバ10が公開しているWebページにアンケート調査用のフリーダイヤルを表示しておき、フリーダイヤルに電話してきた顧客に対して、アンケート調査を行うようにしてもよい。なお、フリーダイヤルを利用する時、コールセンターサーバ10は、フリーダイヤルに電話してきた音声端末装置13の電話番号を利用して、SQLサーバ17から顧客データを取得する。
【0120】
加えて、本実施形態で説明したアンケート調査実行ファイル3、回答データファイル5およびスキーマ2は任意に設定可能で、当然のことながら、回答データファイル5の構造すなわちスキーマ2の内容は、コールセンターシステムで実施されるアンケート調査の内容に従い決定される。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】コールセンターシステムの構成を説明する図。
【図2】コールセンター業務の自動化方法の手順を示したフロー図。
【図3】コールセンターシステムのブロック図。
【図4】SQLサーバに設けられた顧客テーブルを説明する図。
【図5】ンケート調査実行ファイルを説明する図。
【図6】VoiceXML文書のprolog要素を作成するコードを説明する図。
【図7】顧客の顧客データを取得するコードを説明する図。
【図8】顧客データを音声端末装置から取得するVoiceXML文書を説明する図。
【図9】VoiceXML文書を動的に生成するためのコードを説明する図。
【図10】購買理由を顧客に尋ねる「Question#01」のコードを説明する図。
【図11】商品に対する印象を尋ねる「Question#02」のコードを説明する図。
【図12】コールセンターサーバにおけるデータフローを説明する図。
【図13】回答データファイルを説明する図。
【図14】回答データファイルのツリー構造を説明する図。
【図15】回答データファイルの構造を定義するスキーマを説明する図。
【図16】分析サーバのブロック図。
【図17】SQLサーバを利用して音声認識辞書を動的に作成する内容を説明する図。
【符号の説明】
【0122】
1 コールセンターシステム
10 コールセンターサーバ
100 Webサーバプログラム
101 VoiceXMLインタプリタ
102 音声認識エンジン
103 音声合成エンジン
11 DWHサーバ
12 分析サーバ
13 音声端末装置
14 PSTN
15 レポート
16 VoIPゲートウェイサーバ
17 SQLサーバ
2 スキーマ
3 アンケート調査実行ファイル
4 電話番号リスト
5 回答データファイル
6 顧客テーブル
7 テンプレート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コールセンター業務を自動化する方法であって、コールセンターに設置されるサーバ(コールセンターサーバ)が、前記コールセンターサーバと接続しているデータベース内の指定されたテーブルから、コールセンター業務で利用する参照データを取得し、前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用するVoiceXML文書を動的に生成し、生成した前記VoiceXML文書を実行することで、前記コールセンターサーバが、前記VoiceXML文書に記述された質問メッセージを音声で音声端末装置に送信し、前記音声端末装置から受信した音声を認識して回答データを取得するステップa、スクリプト言語で記述され、前記回答データを記憶する回答データファイルの構造を定義したスキーマに沿った形式で、前記音声端末装置から得られた前記回答データを前記回答データファイルに記憶するステップb、を含むコールセンター工程と、前記コールセンター工程で得られた回答データを分析するために設置されるサーバ(分析サーバ)が、前記スキーマを参照することで前記回答データファイルの構造を解析し、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析する分析工程を、含むことを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記コールセンターサーバは、前記VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述されたプログラムを解釈・実行することで、前記データベースから前記参照データを取得すると共に、前記VoiceXML文書を動的に生成することを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項3】
請求項2に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記データベースには、前記テーブルとして、コールセンター業務の対象となる顧客データが記憶された顧客テーブルが設けられ、前記ステップaで前記コールセンターサーバが解釈・実行するプログラムには、前記参照データとして、前記データベースの前記顧客テーブルから、音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた前記顧客データを少なくとも取得するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項4】
請求項3に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データを前記回答データとして使用するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項5】
請求項3または請求項4のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行するプログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含ませる前記質問メッセージを変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行するプログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに応じて、前記VoiceXML文書に含まれ、前記質問メッセージの音声に係わる属性値を変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記データベースには、前記テーブルとして、前記VoiceXML文書で利用する音声認識辞書で利用される辞書データが記憶された音声認識辞書テーブルが設けられ、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記音声認識辞書テーブルから前記辞書データを取得し、前記音声端末装置から送信された音声から前記回答データを得るときに利用する前記音声認識辞書を動的に生成するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載のコールセンターの自動化方法であって、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレートが用意され、前記分析サーバは、指示された前記テンプレートで示される処理に従い、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析することを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項9】
コールセンター業務を自動で実行するコールセンターサーバと、コールセンター業務の結果を自動で分析する分析サーバとから構成されるコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバは、前記コールセンターサーバと接続しているデータベース内の指定されたテーブルから、コールセンター業務で利用する参照データを取得し、前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用するVoiceXML文書を動的に生成するVoiceXML文書生成手段と、生成した前記VoiceXML文書を解釈・実行することで、前記VoiceXML文書に記述された質問メッセージを音声で音声端末装置に送信し、前記音声端末装置から受信した音声を認識して回答データを取得するVoiceXML実行手段と、スクリプト言語で記述され、前記回答データを記憶する回答データファイルの構造を定義したスキーマに沿った形式で、前記音声端末装置から得られた前記回答データを前記回答データファイルに記憶する回答データ記憶手段と、を備え、前記分析サーバは、前記スキーマを参照することで前記回答データファイルの構造を解析し、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析する分析手段を備えている、ことを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段は、前記VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述されたプログラムを解釈・実行することで、前記データベースから前記参照データを取得すると共に、前記VoiceXML文書を動的に生成することを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のコールセンターシステムであって、前記データベースには、前記テーブルとして、コールセンター業務の対象となる前記顧客データが記憶された前記顧客テーブルが設けられ、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記データベースの顧客テーブルから、音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた顧客データを少なくとも取得するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データを前記回答データとして使用するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含ませる前記質問メッセージを変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項14】
請求項11から請求項13のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含まれ、前記質問メッセージの音声に係わる属性値を変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項15】
請求項9から請求項14のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記データベースには、前記テーブルとして、前記VoiceXML文書で利用する音声認識辞書で利用される辞書データが記憶された音声認識辞書テーブルが設けられ、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記音声認識辞書テーブルから前記辞書データを取得し、前記音声端末装置から送信された音声から前記回答データを得るときに利用する前記音声認識辞書を動的に生成するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項16】
請求項9から請求項15のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレートが用意され、前記分析サーバは、指示された前記テンプレートで示される処理に従い、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析することを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項1】
コールセンター業務を自動化する方法であって、コールセンターに設置されるサーバ(コールセンターサーバ)が、前記コールセンターサーバと接続しているデータベース内の指定されたテーブルから、コールセンター業務で利用する参照データを取得し、前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用するVoiceXML文書を動的に生成し、生成した前記VoiceXML文書を実行することで、前記コールセンターサーバが、前記VoiceXML文書に記述された質問メッセージを音声で音声端末装置に送信し、前記音声端末装置から受信した音声を認識して回答データを取得するステップa、スクリプト言語で記述され、前記回答データを記憶する回答データファイルの構造を定義したスキーマに沿った形式で、前記音声端末装置から得られた前記回答データを前記回答データファイルに記憶するステップb、を含むコールセンター工程と、前記コールセンター工程で得られた回答データを分析するために設置されるサーバ(分析サーバ)が、前記スキーマを参照することで前記回答データファイルの構造を解析し、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析する分析工程を、含むことを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記コールセンターサーバは、前記VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述されたプログラムを解釈・実行することで、前記データベースから前記参照データを取得すると共に、前記VoiceXML文書を動的に生成することを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項3】
請求項2に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記データベースには、前記テーブルとして、コールセンター業務の対象となる顧客データが記憶された顧客テーブルが設けられ、前記ステップaで前記コールセンターサーバが解釈・実行するプログラムには、前記参照データとして、前記データベースの前記顧客テーブルから、音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた前記顧客データを少なくとも取得するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項4】
請求項3に記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データを前記回答データとして使用するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項5】
請求項3または請求項4のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行するプログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含ませる前記質問メッセージを変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行するプログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに応じて、前記VoiceXML文書に含まれ、前記質問メッセージの音声に係わる属性値を変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のコールセンター業務の自動化方法であって、前記データベースには、前記テーブルとして、前記VoiceXML文書で利用する音声認識辞書で利用される辞書データが記憶された音声認識辞書テーブルが設けられ、前記コールセンター工程の前記ステップaにおいて、前記ステップaで前記コールセンターサーバが実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記音声認識辞書テーブルから前記辞書データを取得し、前記音声端末装置から送信された音声から前記回答データを得るときに利用する前記音声認識辞書を動的に生成するコードが記述されていることを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載のコールセンターの自動化方法であって、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレートが用意され、前記分析サーバは、指示された前記テンプレートで示される処理に従い、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析することを特徴とするコールセンター業務の自動化方法。
【請求項9】
コールセンター業務を自動で実行するコールセンターサーバと、コールセンター業務の結果を自動で分析する分析サーバとから構成されるコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバは、前記コールセンターサーバと接続しているデータベース内の指定されたテーブルから、コールセンター業務で利用する参照データを取得し、前記参照データを用いて、コールセンター業務で利用するVoiceXML文書を動的に生成するVoiceXML文書生成手段と、生成した前記VoiceXML文書を解釈・実行することで、前記VoiceXML文書に記述された質問メッセージを音声で音声端末装置に送信し、前記音声端末装置から受信した音声を認識して回答データを取得するVoiceXML実行手段と、スクリプト言語で記述され、前記回答データを記憶する回答データファイルの構造を定義したスキーマに沿った形式で、前記音声端末装置から得られた前記回答データを前記回答データファイルに記憶する回答データ記憶手段と、を備え、前記分析サーバは、前記スキーマを参照することで前記回答データファイルの構造を解析し、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析する分析手段を備えている、ことを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段は、前記VoiceXML文書を動的に生成するコードが記述され、前記参照データが代入される変数を有し、所定のプログラミング言語で記述されたプログラムを解釈・実行することで、前記データベースから前記参照データを取得すると共に、前記VoiceXML文書を動的に生成することを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のコールセンターシステムであって、前記データベースには、前記テーブルとして、コールセンター業務の対象となる前記顧客データが記憶された前記顧客テーブルが設けられ、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記データベースの顧客テーブルから、音声通信する前記音声端末装置に関連付けられた顧客データを少なくとも取得するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データを前記回答データとして使用するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含ませる前記質問メッセージを変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項14】
請求項11から請求項13のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして取得した前記顧客データに従い、前記VoiceXML文書に含まれ、前記質問メッセージの音声に係わる属性値を変更するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項15】
請求項9から請求項14のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記データベースには、前記テーブルとして、前記VoiceXML文書で利用する音声認識辞書で利用される辞書データが記憶された音声認識辞書テーブルが設けられ、前記コールセンターサーバの前記VoiceXML文書生成手段が実行する前記プログラムには、前記参照データとして、前記音声認識辞書テーブルから前記辞書データを取得し、前記音声端末装置から送信された音声から前記回答データを得るときに利用する前記音声認識辞書を動的に生成するコードが記述されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項16】
請求項9から請求項15のいずれか一つに記載のコールセンターシステムであって、前記回答データファイルに含まれる前記回答データの集計・分析する処理の手順が記述されたテンプレートが用意され、前記分析サーバは、指示された前記テンプレートで示される処理に従い、指定された前記回答データファイルに含まれる前記回答データを集計・分析することを特徴とするコールセンターシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−267469(P2009−267469A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110987(P2008−110987)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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