説明

ゴム組成物の製造システム及びゴム組成物の製造方法

【課題】生産性の低下を最小限に抑えつつエアイン不具合を解消できるゴム組成物の製造システム及びゴム組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造システムであって、混練中に所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により混練中に前記所定量のアルコールが揮発したと判断されたことを契機に混練を終了する混練終了手段とを備え、前記所定量が、前記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定されるゴム組成物の製造システムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造システム、及びシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からシリカを含むゴム組成物には、シリカとゴム成分を結合させるシランカップリング剤(例えば、アルコキシ基を有するシランカップリング剤)が配合されてきた。
【0003】
特許文献1では、混練温度が低い場合には、シリカとシランカップリング剤との反応が不充分となり、混練後に行われる押出し工程等において、ゴム中の水分と未反応のシランカップリング剤中のアルコキシ基が反応してアルコールが生成し、ゴム中にポーラスが生成するエアイン不具合が発生することが記載されている。
【0004】
一方、近年になって、シリカを含むゴム組成物の耐摩耗性を向上させるために、混練温度の高温化、混練時間の長時間化が行われるようになってきた。これに伴って、シランカップリング剤の反応率が向上し、上記エアイン不具合も発生しないものと予想されるが、実際にはエアイン不具合が発生する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−307044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記課題を解決し、生産性の低下を最小限に抑えつつエアイン不具合を解消できるゴム組成物の製造システム及びゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造システムであって、混練中に所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する判断手段と、上記判断手段により混練中に上記所定量のアルコールが揮発したと判断されたことを契機に混練を終了する混練終了手段とを備え、上記所定量が、上記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定されるゴム組成物の製造システムに関する。
【0008】
上記ゴム組成物の製造システムは、混練中に揮発したアルコール量を算出する算出手段を備え、上記判断手段が、上記算出手段により算出されたアルコール量に基づいて、上記所定量のアルコールが揮発したか否かを判断することが好ましい。
【0009】
上記ゴム組成物の製造システムは、上記算出手段が、混練中のゴム組成物の温度履歴と、予め取得しておいたシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の複数の温度における減量速度とに基づいて、混練中に揮発したアルコール量を算出することが好ましい。
【0010】
上記ゴム組成物の製造システムは、上記算出手段が、混練中のゴム組成物の温度履歴と、予め取得しておいたシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の複数の温度における減量速度を温度に対してプロットして得られる近似式とに基づいて、混練中に揮発したアルコール量を算出することが好ましい。
【0011】
上記ゴム組成物の製造システムは、上記近似式が1次式であることが好ましい。
【0012】
上記ゴム組成物の製造システムは、上記算出手段により算出されたアルコール量を積算する積算手段を備え、上記判断手段が、上記積算手段により積算されたアルコール量を、混練中のゴム組成物に配合したシランカップリング剤の量から算出される、混練中に生成し得るアルコール量の上限値で除した値である揮発アルコール割合が、所定値に達したか否かを判断し、上記所定値が、上記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定され、上記混練終了手段が、上記判断手段により上記揮発アルコール割合が上記所定値に達したと判断されたことを契機に混練を終了することが好ましい。
【0013】
上記ゴム組成物の製造システムは、上記ゴム組成物がタイヤ用ゴム組成物であることが好ましい。
【0014】
本発明はまた、シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法であって、混練中に所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する判断ステップと、上記判断ステップにより混練中に上記所定量のアルコールが揮発したと判断されたことを契機に混練を終了する混練終了ステップとを含み、上記所定量が、上記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定されるゴム組成物の製造方法に関する。
【0015】
上記ゴム組成物の製造方法は、混練中に揮発したアルコール量を算出する算出ステップを含み、上記判断ステップが、上記算出ステップにより算出されたアルコール量に基づいて、上記所定量のアルコールが揮発したか否かを判断することが好ましい。
【0016】
上記ゴム組成物の製造方法は、上記算出ステップが、混練中のゴム組成物の温度履歴と、予め取得しておいたシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の複数の温度における減量速度とに基づいて、混練中に揮発したアルコール量を算出することが好ましい。
【0017】
上記ゴム組成物の製造方法は、上記算出ステップが、混練中のゴム組成物の温度履歴と、予め取得しておいたシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の複数の温度における減量速度を温度に対してプロットして得られる近似式とに基づいて、混練中に揮発したアルコール量を算出することが好ましい。
【0018】
上記ゴム組成物の製造方法は、上記近似式が1次式であることが好ましい。
【0019】
上記ゴム組成物の製造方法は、上記算出ステップにより算出されたアルコール量を積算する積算ステップを含み、上記判断ステップが、上記積算ステップにより積算されたアルコール量を、混練中のゴム組成物に配合したシランカップリング剤の量から算出される、混練中に生成し得るアルコール量の上限値で除した値である揮発アルコール割合が、所定値に達したか否かを判断し、上記所定値が、上記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定され、上記混練終了ステップが、上記判断ステップにより上記揮発アルコール割合が上記所定値に達したと判断されたことを契機に混練を終了することが好ましい。
【0020】
上記ゴム組成物の製造方法は、上記ゴム組成物がタイヤ用ゴム組成物であることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造システムであって、混練中に所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により混練中に前記所定量のアルコールが揮発したと判断されたことを契機に混練を終了する混練終了手段とを備え、前記所定量が、前記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定されるゴム組成物の製造システムであるので、生産性の低下を最小限に抑えつつエアイン不具合を解消できる。
【0022】
また、本発明によれば、シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法であって、混練中に所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより混練中に前記所定量のアルコールが揮発したと判断されたことを契機に混練を終了する混練終了ステップとを含み、前記所定量が、前記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定されるゴム組成物の製造方法であるので、生産性の低下を最小限に抑えつつエアイン不具合を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、「押出し工程でのゴムの発熱」、「揮発アルコール割合」と、予想されるエアイン不具合発生の有無との関係を示した図である。
【図2】図2は、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度と、押出し工程でのゴムの発熱の関係の一例を示す図である。
【図3】図3は、「未加硫ゴム組成物のムーニー粘度」、「揮発アルコール割合」と、予想されるエアイン不具合発生の有無との関係を示した図である。
【図4】図4は、未加硫ゴム組成物の熱重量分析 (TGA)の結果の一例を示す図である。
【図5A】図5Aは、各温度で測定した減量速度を温度に対してプロットしたグラフの一例を示す図である。
【図5B】図5Bは、配合を変えて各温度で測定した減量速度を温度に対してプロットしたグラフの一例を示す図である。
【図6】図6は、混練中の温度(ゴム組成物の温度)と混練時間の関係を示す混練温度チャートの一例を示す図である。
【図7】図7は、混練温度チャートに基づいて、揮発したアルコール量を算出する方法の一例を示す図である。
【図8A】図8Aは、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度、揮発アルコール割合、エアイン不具合発生の有無の関係の一例をまとめた図である。
【図8B】図8Bは、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度、揮発アルコール割合、エアイン不具合発生の有無の関係の一例をまとめた図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に係る製造システムを構成するバンバリーミキサーの内部構成の一部を示すブロック図である。
【図10】図10は、バンバリーミキサーにおいて行われる入力受付処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、バンバリーミキサーにおいて行われる揮発アルコール量算出処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、揮発アルコール量積算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】図13は、混練終了判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】図14は、バンバリーミキサーにおいて行われる混練終了処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
まず、本発明の概要について説明する。
シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造において、混練温度の高温化、混練時間の長時間化を行う場合、経験から、更に高温で混練する(練り増しする)ことにより、エアイン不具合を解消できることが分かった。しかし、どれくらい練り増しを行えばエアイン不具合を解消できるとの明確な指標がなく、エアイン不具合の発生を恐れて混錬時間が過剰に長くなってしまい、生産性が低下するという新たな問題が生じた。
【0025】
そこで、本発明者は、エアイン不具合が発生する原因について詳細に検討した。まず、エアイン不具合は、以下の2つの要素が重なって発生しているとの仮説を立てた。
【0026】
(1)押出し工程での吐出温度が高いとエアイン不具合が発生する傾向がある。そのため、「押出し工程でのゴムの発熱」がエアイン不具合発生と関係のあるパラメータであると推測される。
【0027】
(2)混練温度の高温化、混練時間の長時間化を行うことにより、シランカップリング剤の反応率が向上し、生成するアルコール量も多くなり、混練中に揮発せずにゴム中に残存するアルコール量も多くなっていることが予測される。そして、このゴム中に残存するアルコールが原因となり、混練後に行われる押出し工程等において、エアイン不具合が発生するのではないかと推測される。そのため、混練中に揮発するアルコールの量がエアイン不具合発生と関係のあるパラメータの1つであると推測される。ここでは、ゴム組成物に配合したシランカップリング剤量から、混練中に生成し得るアルコール量の上限値である全アルコール発生量を算出可能であるため、混練中に揮発するアルコール量を示すパラメータとして、混練中に揮発したアルコール量を全アルコール発生量で除した「揮発アルコール割合」を用いることとする。すなわち、揮発アルコール割合は、混練中に生成し得るアルコールのうち、既に揮発したアルコールの割合を示す。なお、全アルコール発生量は、投入したシランカップリング剤種とその量から算出できる。
【0028】
図1は、上記2つのパラメータ(「押出し工程でのゴムの発熱」、「揮発アルコール割合」)と、予想されるエアイン不具合発生の有無との関係を示した図である。上記2つのパラメータにより、エアイン不具合発生の有無を明確に区分けできれば、上記2つのパラメータはエアイン不具合解消の明確な指標となることとなる。
【0029】
ここで、「押出し工程でのゴムの発熱」は、指標とするには一般的なパラメータではないので、「押出し工程でのゴムの発熱」を一般的なパラメータに変更する検討を行った。
【0030】
そこで、シリカとアルコキシ基を有するシランカップリング剤を含むゴム組成物を混練して未加硫ゴム組成物を調製した。同様に、配合を変更し、配合の異なる未加硫ゴム組成物を複数調製した。そして、得られた各未加硫ゴム組成物のムーニー粘度をJIS K 6300−1「未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に準じて、130℃の温度条件にて測定した。さらに、これらの未加硫ゴム組成物を押出し工程に供し、押出し工程での吐出温度(すなわち、押出し工程でのゴムの発熱)を測定し、更にエアイン不具合発生の有無も調査した。そして、得られた結果を図2に示した。図2により、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度と、押出し工程でのゴムの発熱には配合内容によらず、相関関係があることが分かった。なお、本明細書において単にムーニー粘度、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度と記載した場合には、JIS K 6300−1に準じて、130℃の温度条件にて測定した未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を意味する。
【0031】
これにより、図1の「押出し工程でのゴムの発熱」を「未加硫ゴム組成物のムーニー粘度」に置き換えることができる。すなわち、「揮発アルコール割合」と、「未加硫ゴム組成物のムーニー粘度」がエアイン不具合発生と関係があると予想されるパラメータとなる。これらのパラメータと、予想されるエアイン不具合発生の有無との関係を図3に示した。これらのパラメータにより、エアイン不具合発生の有無を明確に区分けできれば、これらのパラメータがエアイン不具合解消の明確な指標となることとなる。
【0032】
次に、混練中に揮発するアルコール量を直接測定することは困難であるため、混練中に揮発するアルコール量を推定できるようにするための検討を行った。
【0033】
まず、シリカとアルコキシ基を有するシランカップリング剤を含むゴム組成物を混練して未加硫ゴム組成物を調製した。そして、得られた未加硫ゴム組成物について、熱重量分析 (TGA)を行った。具体的には、得られた未加硫ゴム組成物の150℃における質量変化を測定した。そして、図4に示すように、結果を直線近似して、150℃における減量速度(すなわち、アルコールの揮発速度)を算出した。同様の実験を130℃、170℃においても実施した。なお、熱重量分析は、島津製作所社製のTGA−50を使用して行った。そして、各温度で測定した減量速度を温度に対してプロットしたグラフの一例を図5Aに示した。図5Aに示すように、近似線を引いたところ1次式により近似できた。また、シリカ量等の配合を変えて同様の実験を行い、各温度で測定した減量速度を温度に対してプロットしたところ、配合に関わらず、ほぼ同一の1次式により近似できた(図5B)。このように、配合を変えても上記近似式を変更する必要がないことを確認した。また、1次式により近似できるため、揮発するアルコール量の算出が容易である。
【0034】
本実験では、ゴム組成物を静置した静的条件で、各温度における減量速度(すなわち、アルコールの揮発速度)を測定したが、混練中という動的条件においてもアルコールの揮発速度に変化がなければ、この近似式を使用して、混練中に揮発するアルコール量を算出できることとなる。本発明者は、静的条件の結果と動的条件の結果に相関性のあることを確認し、上述の近似式を使用して混練中に揮発するアルコール量を算出できることを確認した。
【0035】
混練中に揮発するアルコール量は、具体的には、例えば、以下の手順で算出すればよい。図6は、混練中の温度(ゴム組成物の温度)と混練時間の関係を示す混練温度チャートの一例を示す図である。混練温度チャートは、混練中のゴム組成物の温度履歴を表す。この温度履歴を例えば10秒単位で区分けして(図7)、上述の近似式を使用して積分法により10秒間に揮発したアルコール量を算出できる。そして、算出したアルコール量を積算することにより、混練中に揮発したアルコール量の総量を示すアルコール総量を算出できる。この手法によれば、混練中にリアルタイムで揮発したアルコール量及び揮発したアルコール総量を把握できる。
【0036】
次に、シリカとアルコキシ基を有するシランカップリング剤を含むゴム組成物を実際に混練し、上記方法により混練中に揮発したアルコール総量を算出し、配合したシランカップリング剤量から揮発アルコール割合を算出した。そして、得られた各未加硫ゴム組成物のムーニー粘度をJIS K 6300−1に準じて、130℃の温度条件にて測定した。さらに、未加硫ゴム組成物を押出し工程に供し、エアイン不具合発生の有無を調査した。同様の実験をゴム組成物の配合を変えて実施した。
【0037】
得られた結果を基に、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度、揮発アルコール割合、エアイン不具合発生の有無を図8Aにまとめた。この結果から、図8Bに示すように、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度、揮発アルコール割合の2つのパラメータが、エアイン不具合解消の明確な指標となることが分かった。
【0038】
例えば、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度が60の場合、揮発アルコール割合(質量基準)が0.23以上となるまで混練することにより、エアイン不具合の発生を抑制できる。すなわち、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度が60の場合、所定値を例えば、0.23とすればよい。
【0039】
本発明者は、この手法を工場の実機でも適用できることを確認した。以上の検討結果より、製造するゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を予めラボスケールで測定しておくことにより、実機でシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物を製造する際に、エアイン不具合の発生を抑制できる混練目標が明らかとなるため、生産性を低下させることなく、エアイン不具合の発生を抑制できる。従って、ゴム組成物の配合を変更した場合であっても、ラボスケールで未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を予め測定しておくことにより、実機で製造する際の混練目標が明らかとなるため、配合を変更する際の労力を低減できる。また、本手法により、混練工程の解析を行うこともできる。また、本発明は、タイヤ用ゴム組成物に好適に適用できる。
【0040】
次に、本発明の実施形態について説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係る製造システムを構成するバンバリーミキサーの内部構成の一部を示すブロック図である。
バンバリーミキサー10は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、ハードディスク44と、タイマ45と、グラフィックボード47と、画像表示パネル48と、タッチパネル46と、温度センサ49とを備えている。なお、バンバリーミキサー10は、ローターやCPU41から出力される信号に基づいてローターの回転を制御するローター駆動回路等のバンバリーミキサーに従来から備えられている構成も備えているが、図9では説明を分かりやすくするために、従来から備えられているこれらの構成を省略している。
【0041】
ROM42は、バンバリーミキサーの動作を制御するためのシステムプログラムや恒久的なデータ等が記憶されている。
【0042】
タイマ45は時間の計時に用いるものであり、計時した時間を示すデータを所定の時間間隔ごとにCPU41に送信する。温度センサ49は、混練中の温度(ゴム組成物の温度)の測定に用いるものであり、測定した温度を示すデータを所定の時間間隔ごとにCPU41に送信する。
【0043】
グラフィックボード47は、CPU41から出力される制御信号に基づいて、画像表示パネル48における画像表示を制御する。画像表示パネル48には、配合したシランカップリング剤量やムーニー粘度の入力を促す画像等が表示される。
【0044】
タッチパネル46は、画像表示パネル48の前面に設けられており、バンバリーミキサー10のオペレーターは、タッチパネル46を操作して各種の指示を入力することができる。
【0045】
ハードディスク44には、タイマ45から受信したデータと温度センサ49から受信したデータとを関連付けて、混練中の温度の履歴を示す温度履歴データとしてRAM43に記憶するプログラム(温度履歴データ作成プログラム)、配合したシランカップリング剤量から全アルコール発生量を算出するプログラム(全アルコール発生量算出プログラム)、ムーニー粘度と混練目標となる揮発アルコール割合(所定値)との関係を規定するデータ、入力されたムーニー粘度データに基づいて所定値を決定するプログラム(所定値決定プログラム)、温度と減量速度(アルコールの揮発速度)との関係を近似する1次式を規定する近似式データ、温度履歴データと近似式データとから、揮発アルコール量を算出するプログラム(揮発アルコール量算出プログラム)等が記憶されている。これらのデータ及びプログラムは所定のタイミングでRAM43に読み出されて実行等される。
【0046】
温度履歴データに基づいた画像が画像表示パネル48に表示された場合、例えば、図6に示すような画像が表示される。また、ムーニー粘度と混練目標となる揮発アルコール割合(所定値)との関係を規定するデータとは、具体的には、図8Bに描かれている1次式を規定するデータである。温度と減量速度(アルコールの揮発速度)との関係を近似する1次式を規定する近似式データとは、具体的には、図5Aに描かれている1次式を規定するデータである。
【0047】
RAM43は、シランカップリング剤量を示すデータ(シランカップリング剤量データ)、ムーニー粘度の値を示すデータ(ムーニー粘度データ)、温度履歴データ、全アルコール発生量を示すデータ(全アルコール発生量データ)、所定値を示すデータ(所定値データ)、揮発アルコール量を示すデータ(揮発アルコール量データ)、アルコール総量を示すデータ(アルコール総量データ)、揮発アルコール割合を示すデータ(揮発アルコール割合データ)等の各種データ等を一時的に記憶する。
【0048】
図10は、バンバリーミキサーにおいて行われる入力受付処理を示すフローチャートである。
入力受付処理は、バンバリーミキサー10によりシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の混練が開始される前等の所定のタイミングで呼び出されて実行される。
【0049】
まず、CPU41は、入力受付画面を画像表示パネル48に表示する(ステップS1)。この処理では、CPU41は、グラフィックボード47に制御信号を送信して、画像表示パネル48において、入力受付画面を表示するように制御する。
入力受付画面には、配合したシランカップリング剤量、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度の入力を促す画像等が表示される。
【0050】
次に、CPU41は、配合したシランカップリング剤量の値が入力されたか否かを判断する(ステップS2)。この処理では、CPU41は、タッチパネル46から配合したシランカップリング剤量を示すデータ(シランカップリング剤量データ)を受信したか否かを判断する。配合したシランカップリング剤量の値が入力されていないと判断した場合、CPU41は、処理をステップS1に戻す。
【0051】
一方、配合したシランカップリング剤量の値が入力されたと判断した場合、CPU41は、これから混練されるゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度の値が入力されたか否かを判断する(ステップS3)。この処理では、CPU41は、タッチパネル46から未加硫ゴム組成物のムーニー粘度の値を示すデータ(ムーニー粘度データ)を受信したか否かを判断する。ムーニー粘度の値が入力されていないと判断した場合、CPU41は、処理をステップS1に戻す。
【0052】
一方、ムーニー粘度の値が入力されたと判断した場合、CPU41は、全アルコール発生量の算出を行う(ステップS4)。この処理では、CPU41は、ハードディスク44に記憶された全アルコール発生量算出プログラムをRAM43に読み出して実行し、タッチパネル46から受信したシランカップリング剤量データから、全アルコール発生量を算出する。そして、CPU41は、算出した全アルコール発生量を示すデータ(全アルコール発生量データ)をRAM43に記憶する(ステップS5)。
【0053】
次に、CPU41は、所定値を決定する(ステップS6)。この処理では、CPU41は、ハードディスク44に記憶された所定値決定プログラムをRAM43に読み出して実行し、タッチパネル46から受信したムーニー粘度データと、ムーニー粘度と混練目標となる揮発アルコール割合(所定値)との関係を規定するデータとに基づいて、所定値を決定する。そして、CPU41は、決定した所定値を示すデータ(所定値データ)をRAM43に記憶する(ステップS7)。
【0054】
次に、CPU41は、混練開始フラグをセットする(ステップS8)。混練開始フラグがセットされると、混練処理が実行される。この混練処理は、バンバリーミキサーにおいて従来から実行されている処理であるため、詳細な説明は省略するが、CPU41が、ローター駆動回路に信号を送信し、ローターの回転を制御し、ゴム組成物の混練が行われる。また、混練開始フラグがセットされると、タイマ45により時間の計時が開始される。さらに、温度履歴データ作成プログラムが実行され、タイマ45から受信したデータと温度センサ49から受信したデータとを関連付けて、混練中の温度の履歴を示す温度履歴データとしてRAM43に記憶する。CPU41は、ステップS8の処理を実行した後、入力受付処理を終了する。
【0055】
図11は、バンバリーミキサーにおいて行われる揮発アルコール量算出処理を示すフローチャートである。
揮発アルコール量算出処理は、本実施形態では、10秒毎に呼び出されて実行される。
【0056】
まず、CPU41は、前回揮発アルコール量算出処理が呼び出されてから今回の揮発アルコール量算出処理が呼び出されるまでの10秒間の間に揮発した揮発アルコール量を算出する(ステップS11)。この処理では、CPU41は、ハードディスク44に記憶された揮発アルコール量算出プログラムをRAM43に読み出して実行し、温度履歴データと近似式データとから、揮発アルコール量を算出する。具体的には、温度履歴データを10秒単位で区分けして、前回揮発アルコール量算出処理が呼び出されてから今回の揮発アルコール量算出処理が呼び出されるまでの10秒間に揮発したアルコール量を、近似式データを使用して積分法により算出する。そして、CPU41は、算出した揮発アルコール量を示すデータ(揮発アルコール量データ)をRAM43に記憶する(ステップS12)。ステップS11の処理を実行するとき、CPU41は、算出手段として機能する。
【0057】
次に、CPU41は、揮発アルコール量積算処理を実行する(ステップS13)。この処理では、ステップS11で算出した揮発アルコール量に基づいて、混練中に揮発したアルコール量の総量を示すアルコール総量を算出し、更に、揮発アルコール割合を算出する。揮発アルコール量積算処理については、後で図面を用いて説明する。CPU41は、ステップS13の処理を実行した後、揮発アルコール量算出処理を終了する。
【0058】
図12は、揮発アルコール量積算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU41は、積算処理を行う(ステップS21)。この処理では、CPU41は、RAM43に記憶されたアルコール総量を示すデータ(アルコール総量データ)が示す数値に、ステップS12によりRAM43に記憶された揮発アルコール量データが示す数値を加算する。なお、RAM43にアルコール総量データが記憶されていない場合は、0にステップS12によりRAM43に記憶された揮発アルコール量データが示す数値を加算する。そして、加算して得られた数値を、新たなアルコール総量データとしてRAM43に記憶する(ステップS22)。さらに、ステップS12によりRAM43に記憶された揮発アルコール量データをクリアする。ステップS21の処理を実行するとき、CPU41は、積算手段として機能する。
【0059】
次に、CPU41は、揮発アルコール割合を算出する(ステップS23)。この処理では、CPU41は、RAM43に記憶されたアルコール総量データが示す数値を、RAM43に記憶された全アルコール発生量データが示す数値で除して揮発アルコール割合を算出する。そして、CPU41は、算出した揮発アルコール割合を示すデータ(揮発アルコール割合データ)をRAM43に記憶する(ステップS24)。
【0060】
次に、CPU41は、混練終了判断処理を実行する(ステップS25)。この処理では、ステップS23で算出した揮発アルコール割合が所定値を超えたか否かを判断して、混練中に所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する。混練終了判断処理については、後で図面を用いて説明する。CPU41は、ステップS25の処理を実行した後、揮発アルコール量積算処理を終了する。
【0061】
図13は、混練終了判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU41は、揮発アルコール割合が、所定値よりも大きいか否かを判断する(ステップS31)。この処理では、CPU41は、ステップS24によりRAM43に記憶された揮発アルコール割合データが示す数値が、ステップS7によりRAM43に記憶された所定値データが示す数値よりも大きいか否かを判断する。揮発アルコール割合が、所定値よりも大きくないと判断した場合、CPU41は、混練終了判断処理を終了する。ステップS31の処理を実行するとき、CPU41は、判断手段として機能する。
【0062】
一方、揮発アルコール割合が、所定値よりも大きいと判断した場合、CPU41は、混練終了フラグをセットし(ステップS32)、混練終了判断処理を終了する。
【0063】
図14は、バンバリーミキサーにおいて行われる混練終了処理を示すフローチャートである。
混練終了処理は、バンバリーミキサー10によりゴム組成物の混練が開始された後、所定のタイミングで呼び出されて実行される。
【0064】
まず、CPU41は、混練終了フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS41)。混練終了フラグがセットされていないと判断した場合、CPU41は、混練終了処理を終了する。
【0065】
一方、混練終了フラグがセットされていると判断した場合、CPU41は、混練を終了する(ステップS42)。この処理では、CPU41は、ローター駆動回路に信号を送信し、ローターの回転を停止する。更に、CPU41は、アルコール総量データ、揮発アルコール割合データ、混練開始フラグ、混練終了フラグをクリアする。CPU41は、ステップS42の処理を実行した後、混練終了処理を終了する。ステップS41及びステップS42の処理を実行するとき、CPU41は、混練終了手段として機能する。
【0066】
以上、本実施形態における製造システム(バンバリーミキサー10)及び、製造方法によれば、シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造において、混練中に揮発したアルコール量の総量を示すアルコール総量を、混練中に生成し得るアルコール量の上限値である全アルコール発生量で除した値である揮発アルコール割合が、製造されるゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定される所定値に達したと判断されたことを契機に混練を終了する。すなわち、製造されるゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定される量のアルコールが、混練中に揮発したと判断されたことを契機に混練を終了する。従って、生産性の低下を最小限に抑えつつエアイン不具合を解消できる。
【0067】
本実施形態では、本発明をバンバリーミキサーに適用した場合について説明したが、本発明を他の混練機(例えば、ニーダー、押出機等)に適用することも可能である。
【0068】
本実施形態では、製造システムがバンバリーミキサー10から構成される場合について説明したが、製造システムが、混練機と、混練機と通信回線を介して接続された制御装置とから構成されていてもよい。
この場合には、例えば、制御装置100は、CPU141と、ROM142と、RAM143と、ハードディスク144とを備え、混練機であるバンバリーミキサー10は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、ハードディスク44と、タイマ45と、グラフィックボード47と、画像表示パネル48と、タッチパネル46と、温度センサ49とを備えている。そして、バンバリーミキサー10が備えるCPU41は、所定のタイミングで温度履歴データ等を制御装置100が備えるCPU141に送信する。そして、制御装置100が備えるCPU141は、受信した温度履歴データに基づいて、混練中に揮発したアルコール量の総量を示すアルコール総量を算出し、更に、揮発アルコール割合を算出し、揮発アルコール割合が所定値を超えたと判断した場合に、バンバリーミキサー10が備えるCPU41に混練の終了を知らせる信号を送信する。そして、該信号を受信したバンバリーミキサー10が備えるCPU41は、混練を終了する処理を行うこととすればよい。
【0069】
本実施形態では、揮発アルコール量を温度履歴データと近似式データとから算出する場合について説明したが、本発明では、揮発アルコール量を、温度履歴データと、複数の温度での減量速度(揮発速度)が各温度に関連付けられて記憶されたテーブルとから算出することとしてもよい。
【0070】
本実施形態では、揮発アルコール割合を混練の指標とする場合について説明したが、混練中に揮発したアルコール量の総量を示すアルコール総量を混練の指標とし、アルコール総量が所定量を超えたと判断したことを契機に、混練を終了することとしてもよい。混練の終了指標である所定量は、例えば、所定値と全アルコール発生量とから算出可能である。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0072】
10 バンバリーミキサー
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 ハードディスク
45 タイマ
46 タッチパネル
47 グラフィックボード
48 画像表示パネル
49 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造システムであって、
混練中に所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により混練中に前記所定量のアルコールが揮発したと判断されたことを契機に混練を終了する混練終了手段と
を備え、
前記所定量が、前記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定されるゴム組成物の製造システム。
【請求項2】
混練中に揮発したアルコール量を算出する算出手段を備え、
前記判断手段が、前記算出手段により算出されたアルコール量に基づいて、前記所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する請求項1記載のゴム組成物の製造システム。
【請求項3】
前記算出手段が、混練中のゴム組成物の温度履歴と、予め取得しておいたシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の複数の温度における減量速度とに基づいて、混練中に揮発したアルコール量を算出する請求項2記載のゴム組成物の製造システム。
【請求項4】
前記算出手段が、混練中のゴム組成物の温度履歴と、予め取得しておいたシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の複数の温度における減量速度を温度に対してプロットして得られる近似式とに基づいて、混練中に揮発したアルコール量を算出する請求項2又は3記載のゴム組成物の製造システム。
【請求項5】
前記近似式が1次式である請求項4記載のゴム組成物の製造システム。
【請求項6】
前記算出手段により算出されたアルコール量を積算する積算手段を備え、
前記判断手段が、前記積算手段により積算されたアルコール量を、混練中のゴム組成物に配合したシランカップリング剤の量から算出される、混練中に生成し得るアルコール量の上限値で除した値である揮発アルコール割合が、所定値に達したか否かを判断し、
前記所定値が、前記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定され、
前記混練終了手段が、前記判断手段により前記揮発アルコール割合が前記所定値に達したと判断されたことを契機に混練を終了する請求項2〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造システム。
【請求項7】
前記ゴム組成物がタイヤ用ゴム組成物である請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物の製造システム。
【請求項8】
シリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の製造方法であって、
混練中に所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより混練中に前記所定量のアルコールが揮発したと判断されたことを契機に混練を終了する混練終了ステップと
を含み、
前記所定量が、前記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定されるゴム組成物の製造方法。
【請求項9】
混練中に揮発したアルコール量を算出する算出ステップを含み、
前記判断ステップが、前記算出ステップにより算出されたアルコール量に基づいて、前記所定量のアルコールが揮発したか否かを判断する請求項8記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項10】
前記算出ステップが、混練中のゴム組成物の温度履歴と、予め取得しておいたシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の複数の温度における減量速度とに基づいて、混練中に揮発したアルコール量を算出する請求項9記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項11】
前記算出ステップが、混練中のゴム組成物の温度履歴と、予め取得しておいたシリカとシランカップリング剤を含むゴム組成物の複数の温度における減量速度を温度に対してプロットして得られる近似式とに基づいて、混練中に揮発したアルコール量を算出する請求項9又は10記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項12】
前記近似式が1次式である請求項11記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項13】
前記算出ステップにより算出されたアルコール量を積算する積算ステップを含み、
前記判断ステップが、前記積算ステップにより積算されたアルコール量を、混練中のゴム組成物に配合したシランカップリング剤の量から算出される、混練中に生成し得るアルコール量の上限値で除した値である揮発アルコール割合が、所定値に達したか否かを判断し、
前記所定値が、前記ゴム組成物と配合が同一の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度に基づいて決定され、
前記混練終了ステップが、前記判断ステップにより前記揮発アルコール割合が前記所定値に達したと判断されたことを契機に混練を終了する請求項9〜12のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項14】
前記ゴム組成物がタイヤ用ゴム組成物である請求項8〜13のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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