説明

ゴルフクラブケース

【課題】肩に掛けた状態で人ごみの中で通行でき、また、使い勝手を向上させたゴルフクラブケースを提供すること。
【解決手段】本体部12に収納され開口20から突出する複数本のゴルフクラブのグリップをグリップ収納袋18に収納する。次に、左右のショルダーベルト片16Aを閉じてショルダーベルト16を構成し、挿通口32の内側に、開口20から突出する複数本のゴルフクラブの部分を位置させる。そして、ショルダーベルト16の開口30に腕を通してショルダーベルト16を肩に掛ける。本体部12の下端から後片14の上端までの高さは、アイアンクラブであるピッチングウェッジがそのクラブヘッドを下側にして本体部12に収容された状態で、挿通口32からピッチングウェッジのグリップの長さの1/2未満の部分が突出する寸法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少数本のゴルフクラブを収納するゴルフクラブケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフクラブケースは、練習場やショートコースで複数本のアイアンクラブと複数本のウッドクラブを使用する場合に用いられている。ゴルフクラブケースは、フルセットのゴルフクラブ14本の全てを収納するキャディバックに比べて軽量で小さい。
この種のゴルフクラブケースとして、ゴルフクラブのクラブヘッドを上にして収納するゴルフクラブケースと、ゴルフクラブのクラブヘッドを下にして収納するゴルフクラブケースが提供され、何れもショルダーベルトを備えている。
ゴルフクラブのクラブヘッドを上にして収納するゴルフクラブケースは、筒状で上部に開口を有する本体部と、本体部に収納され本体部から突出するゴルフクラブの部分を覆う袋部とで構成されている(特許文献1)。
また、ゴルフクラブのクラブヘッドを下にして収納するゴルフクラブケースは、筒状で上部に開口を有する本体部で構成されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−17920
【特許文献2】特開2002−204842
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゴルフクラブのクラブヘッドを上にして収納する従来のゴルフクラブケースは、ゴルフクラブの運搬時にショルダーベルトを肩に掛けると、ゴルフクラブはクラブヘッド側が重いため、ゴルフクラブケースが傾いてユーザーの前後に突出し、肩に掛けた状態でバスや電車に乗ったりするなど人ごみの中での通行ができない不具合がある。
また、ゴルフクラブのクラブヘッドを下にして収納する従来のゴルフクラブケースでは、本体部の開口が、複数本のゴルフクラブのシャフト部分が収納できる大きさで形成されているため、ゴルフクラブの出し入れの際に、その都度、線ファスナーを本体部の下端まで下す必要があり、使い勝手が悪い不具合がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、肩に掛けた状態で人ごみの中で通行でき、また、使い勝手を向上させたゴルフクラブケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため本発明は、底部が閉塞され上部に開口を有する筒状を呈し複数本のゴルフクラブをそれらのクラブヘッドを下にして収納可能で前記開口はそれらゴルフクラブのクラブヘッドが出し入れできる大きさで形成された本体部と、前記本体部の後部の上端から上方に突出する後片と、前方に凸の弓状に延在し前記後片の上部の左右側部と前記本体部の上部の左右側部とを接続する左右のショルダーベルト片と、前記後片の上部に取着されたグリップ収納袋と、前記左右のショルダーベルト片の上部を除いた箇所を着脱可能に取り付けることでそれらショルダーベルト片からショルダーベルトを構成する着脱手段とを備え、前記ショルダーベルトが構成された状態で、前記左右のショルダーベルト片の上部と前記後片の上部とで、前記開口から突出する前記複数本のゴルフクラブの部分を挿通させる挿通口が形成され、前記グリップ収納袋は、クラブヘッドを下にして前記本体部に収容され前記開口および前記挿通口から突出する複数本のゴルフクラブのグリップを収納可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数本のゴルフクラブを、それらのクラブヘッドを下にして開口から本体部に収納でき、また、開口から出し入れできる。
そして、ショルダーベルトを肩に掛けても、ゴルフクラブケースは、ゴルフクラブの重心により肩の背後で上下に延在した状態となるので、ゴルフクラブケースが傾いてユーザーの前後に突出することはなく、肩に掛けた状態でバスや電車に乗ったりするなど人ごみの中での通行が可能となる。
また、ゴルフクラブケースを壁などに立て掛ける場合であっても、重いクラブヘッドがゴルフクラブケースの底部に位置しているので、安定した状態で立て掛けられ、さらに、このように安定して立て掛けられたゴルフクラブケースの開口からゴルフクラブを出し入れでき、ゴルフクラブケースの使い勝手に優れる。
また、開口からゴルフクラブを出し入れでき、クラブヘッドを底部に位置させてゴルフクラブを収納する構造であるため、ゴルフコースにおいてカート道路から離れた箇所にゴルフボールを打ち込みゴルフボールの落下地点に複数本のゴルフクラブを持っていく際にこのゴルフケースを使用すると、ゴルフボールの落下地点で使用するゴルフクラブを抜き出し、残りのゴルフクラブをラフに置く場合、クラブヘッドが本体部の底部で覆われているため土が付着したり雨で濡れたりして汚れることがなく、また、ゴルフクラブの置き忘れを防止する上でも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ゴルフクラブケースを肩に掛けた状態の説明図である。
【図2】グリップ収納袋を本体部の内側に入れゴルフクラブケースを肩に掛けた状態の説明図である。
【図3】ゴルフクラブケースを壁に立て掛けた状態の斜視図である。
【図4】ゴルフクラブケースを壁に立て掛け、左右のショルダーベルト片を開いた状態の斜視図である。
【図5】グリップ収納袋を収納袋に収納し、挿通口からゴルフクラブの部分を突出させ、ゴルフクラブケースを壁に立て掛けた状態の斜視図である。
【図6】グリップ収納袋を収納袋に収納し、左右のショルダーベルト片を開き、本体部に収納したゴルフクラブごとゴルフクラブケースを壁に立て掛けた状態の斜視図である。
【図7】本体部の線ファスナーを開き、左右のショルダーベルト片を開いた状態のゴルフクラブケースの説明図である。
【図8】グリップ収納袋を収納袋に入れ、ショルダーベルトを掴んだ状態の斜視図である。
【図9】左右のショルダーベルト片を本体部の左右側部に垂れ下げ、後片を本体部の後部に垂れ下げ、手摺に立て掛けた状態のゴルフクラブケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、ゴルフクラブケース10は、本体部12と、後片14と、ショルダーベルト片16Aと、グリップ収納袋18と、着脱手段21(図7参照)とを備えている。
本体部12と、後片14と、ショルダーベルト片16Aと、グリップ収納袋18には、合成繊維などのような可撓可能な従来公知の様々な材料が使用可能である。
例えば、ショルダーベルト片16Aおよびこのショルダーベルト片16Aが接続される後片14の左右側部、この上下部に接続する本体部12の部分を、例えば、可撓可能で柔らかい素材を用い、後片14の残りの部分および本体部12の残りの部分に可撓可能なナイロン生地を使用するなど任意である。この場合の可撓可能で柔らかい素材として、ネオプレーン、ナイロン、ポリエステル、綿、デニム、生布,PU合皮、皮革などが挙げられる。
【0009】
図9に示すように、本体部12は、底部12Dが閉塞され上部に開口20を有する筒状を呈し複数本のゴルフクラブをそれらのクラブヘッドを下にして収納可能で開口20はそれらゴルフクラブのクラブヘッドが出し入れできる大きさで形成されている。したがって、本体部12の内部は収納部22となっている。
本体部12は、本実施の形態では、前後に細長い矩形の筒状に形成されている。
本体部12は、例えば、ドライバやフェアウェイウッドなどのようなクラブヘッドが大きいウッドクラブが安定した状態で収納されるように、前部12Aの下部が前方に突出し底部12Dの断面は、他の部分よりも大きな寸法で形成されている。
【0010】
また、開口20は、ドライバやフェアウェイウッドなどのようなクラブヘッドが大きいウッドクラブを出し入れできるように、最も大きいドライバのクラブヘッドよりも大きい寸法で形成されている。
本体部12の下端から開口20までの高さは、本体部12に収納されたゴルフクラブがアイアンクラブであるピッチングウェッジであり、そのクラブヘッドを下側にして前記本体部に収容された状態で、ピチングウェッジの長さの1/3以上1/2未満の部分が開口20から突出する寸法で形成されている。これにより、ゴルフ練習場においてゴルフクラブケース10からのゴルフクラブの出し入れが簡単になされ、また、ゴルフクラブケース10がゴルフクラごと椅子や手摺や壁などに安定した状態で起立し立て掛けられるように図られている。
【0011】
本実施の形態では、図7に示すように、本体部12の内部(収納部22)を左右2つに分ける仕切り片24が設けられている。
仕切り片24は、本体部12の後部12Bの上下にわたり左右幅方向の中央から前方に突出しており、仕切り片24の下縁は本体部12の下面に取着され、仕切り片24の前縁は、前部12Aの左右幅方向の中央の箇所に上下にわたって取着され、収納されたゴルフクラブ相互の接触による傷つきを低減するようにしている。
したがって、収納部22は仕切り片24により左右に仕切られた2つの小収納部22Aで構成されている。
また、仕切り片24が設けられることにより本体部12の開口20は、仕切り片24により左右に仕切られた2つの小開口20A(図7参照)から構成されている。
それら小収納部22Aと小開口20Aは、ドライバやフェアウェイウッドなどのようなクラブヘッドが大きいウッドクラブが出し入れでき収納できるように、それぞれ最も大きいドライバのクラブヘッドよりも大きい寸法で形成されている。
【0012】
本実施の形態では、本体部12を開閉可能とした線ファスナー28が設けられている。
線ファスナー28は、仕切り片24が接続された前部12Aの箇所の左右両側に、前部12Aの上端から下端にわたって延在し、仕切り片24により仕切られた2つの小収納部22Aをそれぞれ開閉するように2つ設けられている。
したがって、前部12Aは、それら2つの線ファスナー28と、それら線ファスナー28の間に位置する前片1202とを含んで構成されている。前片1202は均一幅で上端から下部に至り、下部では下端に至るにつれて次第に幅広になるように形成されている。
このようなファスナー28を設けることで、小収納部22Aの内部を清掃し易くし、あるいは、濡れた場合に乾かし易いようにしている。
【0013】
後片14は、本体部12の後部12Bの上部から後部12Bと連続状に上方に突出している。
本実施の形態では、本体部12の後部12Bの上部のみからではなく、後部12Bの上部および本体部12の左右の側部12Cの後部12B寄りの箇所の上部からも上方に突出している。
本体部12の内面、後片14の内面および仕切り片24の両面には、ボアなどのような厚く柔軟な材料からなる保護部材26が取着され、ゴルフクラブの出し入れを円滑に行なえ、また、持ち運び時に衝撃を受けた場合にクラブヘッドを保護するようにしている。
【0014】
ショルダーベルト片16Aは左右一対設けられ、それぞれ前方に凸の弓状に延在し、上下端が後片14の上部の左右側部と、後片14の下部の左右側部から本体部12の上部の左右側部12Cとに接続されている。
そして、ショルダーベルト16片と後片14の左右側部との間に、腕が挿入され肩に掛けられる上下に縦長の開口30が形成されている。
着脱手段21は、左右のショルダーベルト片16Aの上部を除いた前縁に設けられ、すなわち、左右のショルダーベルト片16Aの前縁の上下中間部から下部にわたって設けられ、それらを着脱可能に取り付けてショルダーベルト16を構成するものである。
この着脱手段21は、例えば、図7に示すように、一方の前縁に埋め込まれた複数の細長形状と磁石21Aと、他方の前縁に埋め込まれ磁石20Aに吸着可能な細長形状の磁性体21Bとで構成し、あるいは、双方の前縁に取着された着脱可能な面ファスナー、ボタン、線ファスナー、ハンドルカバー、テープで構成するなど、従来公知の様々な構造が採用可能である。
図2、図3、図5、図8に示すように、ショルダーベルト16が構成された状態で、左右のショルダーベルト片16Aの上部と後片14の上部とで、開口20から突出する複数本のゴルフクラブのシャフトまたはグリップを挿通させる挿通口32が形成される。
【0015】
開口30に腕を通してショルダーベルト16を肩に掛けると、開口30はショルダーベルト16と後片14の左右側部との間に形成され、ショルダーベルト16と後片14の左右側部とは共に可撓可能であるため、ゴルフクラブケース10のフィット感に優れる。この場合に、開口30の周囲の箇所であるショルダーベルト片16Aおよびこのショルダーベルト片16Aが接続される後片14の左右側部、この上下部に接続する本体部12の部分を上述の可撓可能で柔らかい素材(ネオプレーン、ナイロン、ポリエステル、綿、デニム、生布,PU合皮、皮革など)を用いると、フィット感をさらに向上する上で有利となる。
また、図2、図5、図8に示すように、本体部12の下端から後片14の上端までの高さは、アイアンクラブであるピッチングウェッジがそのクラブヘッドを下側にして本体部12に収容された状態で、挿通口32からピッチングウェッジのグリップの長さの1/2未満の部分が突出する寸法で形成され、ゴルフクラブを収納したゴルフクラブケース10をショルダーベルト10を介して肩に掛けた際に、頭部の上方にゴルフクラブが大きく突出することなく、ゴルフクラブケース10を安定した状態で、また、出入口にゴルフクラブを当てることなく通過できるように図られている。
【0016】
図3に示すように、グリップ収納袋18は、後片14の上部に取着されている。
グリップ収納袋18は、上下に縦長の筒状を呈し、クラブヘッドを下にして本体部12に収容され開口20および挿通口32から突出する複数本のゴルフクラブのグリップを収納可能に構成されている。
グリップ収納袋18が後部12Bから起立した状態でグリップ収納袋18の前面の上端から下端にわたり線ファスナー34が設けられ、グリップ収納袋18はこの線ファスナー34により開閉可能に構成され、グリップの収納を簡単に行えるようにしている。
なお、グリップ収納袋18の長さは、たとえば、47インチ程度のウッドクラブである長尺なドライバーのグリップを収納できる寸法で形成されている。
【0017】
また、後片14の挿通口32側に位置する内面には、グリップ収納袋18が折り畳んで収納される収納袋36が取着されている。この収納袋36も、合成繊維などのような可撓可能な従来公知の材料で構成されている。
さらに、図1、図2に示すように、挿通口32と反対側に位置する後片14の外面の上端には、手摺やフックに連結可能で、それらに連結することでゴルフクラブケース10を立て掛けた状態に維持する細長形状の連結片38が設けられている。
連結片38は、長手方向の一方の端部に雄型の面ファスナーが取着され、長手方向の他方の端部に雌型の面ファスナーが取着されている。そして、それら面ファスナーを合わせることで、連結片38は手摺の周囲を延在する環状となり、または、フックに掛止する環状となり、それらに掛止可能となる。なお、面ファスナーに換えてボタンにするなど任意である。
したがって、手摺やフックがある箇所では、このような連結片38を設けておくと、連結片38を手摺やフックに係止できるので、ゴルフクラブケース10を安定した状態で立て掛ける上で有利となる。
なお、図9に示すように、本体部12の左右側部12Cには、手袋やタオルなどの小物類を収納するポケット40が設けられ、ポケット40は線ファスナー42により開閉可能である。
【0018】
次に、ゴルフクラブケース10の使用方法について説明する。
(図1のように持ち運ぶ場合)
例えば、3本のアイアンクラブと、2本のウッドクラブを持ち運ぶ場合、図6に示すように、本体部12の線ファスナー28を閉じておき、また、左右のショルダーベルト片16Aを開いておき、それらクラブを2つに分け、クラブヘッド側を下にして小収納部22Aにそれぞれ収納する。
そして、グリップ収納袋18を収納袋36から出して線ファスナー34を開き、展開されたグリップ収納袋18の内側に、開口20から突出する複数本のゴルフクラブのグリップを位置させ、図4に示すように、線ファスナー34を閉じることでグリップ収納袋18に収納する。
次に、図3に示すように、左右のショルダーベルト片16Aを閉じてショルダーベルト16を構成し、挿通口32の内側に、開口20から突出する複数本のゴルフクラブの部分を位置させる。
そして、図1に示すように、ショルダーベルト16の開口30に腕を通してショルダーベルト16を肩に掛ける。これによりゴルフクラブケース10は、ゴルフクラブの重心により肩の背後で上下に延在した状態となる。
したがって、ゴルフクラブの運搬時に、ゴルフクラブケース10が傾いてユーザーの前後に突出することはなく、ゴルフクラブケース10を肩に掛けた状態でバスや電車に乗ったりするなど人ごみの中での通行が可能となる。
【0019】
(図2のように持ち運ぶ場合)
例えば、3本のアイアンクラブと2本のウッドクラブを持ち運ぶ場合、図6に示すように、本体部12の線ファスナー28を閉じておき、また、グリップ収納袋18を収納袋36に収納して後片14の内面に位置させておき、さらに、左右のショルダーベルト片16Aを開いておく。
そして、それら3本のアイアンクラブと2本のウッドクラブを2つに分け、クラブヘッド側を下にして小収納部22Aにそれぞれ収納し、図5に示すように、左右のショルダーベルト片16Aを閉じてショルダーベルト16を構成し、挿通口32の内側に、開口20から突出する複数本のゴルフクラブの部分を位置させる。
そして、図2に示すように、ショルダーベルト16の開口20に腕を通してショルダーベルト16を肩に掛ける。これによりゴルフクラブケース10は、ゴルフクラブの重心により肩の背後で上下に延在した状態となる。この収納状態では、挿通口32から上方にゴルフクラブのグリップ部分が露出している。
したがって、この収納状態でも、ゴルフクラブの運搬時に、ゴルフクラブケース10が傾いてユーザーの前後に突出することはなく、ゴルフクラブケース10を肩に掛けた状態でバスや電車に乗ったりするなど人ごみの中での通行が可能となる。
【0020】
(ゴルフクラブケース10を立て掛けたり、吊り下げる場合)
図3に示すように、複数本のゴルフクラブのグリップをグリップ収納袋18に収納した状態で、あるいは、図5に示すように、グリップ収納袋18を収納袋36に収納して後片14の内面に位置させ挿通口32からゴルフクラブの部分を露出させた状態で、あるいは、グリップ収納袋18を後片14の外面に垂らし挿通口32からゴルフクラブの部分を露出させた状態で、複数本のゴルフクラブが収納されたゴルフクラブケース10を壁などに立て掛けることができる。この場合、重いクラブヘッドがゴルフクラブケース10の底部12Dに位置しているので、安定した状態で立て掛けられる。
手摺やフックがある箇所では、連結片38を環状とし、手摺やフックに掛止させて壁や手摺などに立て掛け、あるいは、ゴルフクラブケース10を吊り下げる。したがって、ゴルフクラブケース10は安定した状態で立て掛けられ、あるいは、吊り下げられる。
したがって、ゴルフクラブケース10を安定した状態で立て掛けたり、吊り下げたりすることができ、使い勝手に優れる。
【0021】
(ゴルフクラブを使用する場合)
練習場でゴルフの練習をする場合には、図6に示すように、グリップ収納袋18を収納袋36に収納し、左右のショルダーベルト片16Aを開くと、本体部12の上部に開口20が露出する。この状態で、本体部12に収納されたゴルフクラブのグリップやシャフトをあるいは本体部12を、打席に設置された椅子や手摺44に係止させてゴルフクラブごとゴルフクラブケース10を立て掛ける。
あるいは、図9に示すように、グリップ収納袋18を収納袋36に収納し、左右のショルダーベルト片16Aを開き、後片14および収納袋36並びに左右のショルダーベルト片16Aを本体部12の外側に垂れ下げると、本体部12の上部に開口20の全域が露出する。この状態で、本体部12に収納されたゴルフクラブのグリップやシャフトをあるいは本体部12を、打席に設置された椅子や手摺44に係止させてゴルフクラブごとゴルフクラブケース10を立て掛ける。
ユーザーは、使用したいゴルフクラブを開口20から抜き出して使用し、使用後、クラブヘッド側を下にして開口20から小収納部22Aに収納する。
したがって、従来のように線ファスナーを開くことなくゴルフクラブケース10からゴルフクラブを出し入れでき、使い勝手に優れる。図9に示すように、後片14および収納袋36並びに左右のショルダーベルト片16Aを本体部12の外側に垂れ下げた場合には、本体部12の上部に開口20の全域が露出するため使い勝手により優れる。
練習の終了後、左右のショルダーベルト片16Aを閉じ、ショルダーベルト16を手で持って、あるいは、図2に示すように、ショルダーベルト16を肩に掛けてゴルフクラブケース10を持ち運ぶ。あるいは、図1に示すように、左右のショルダーベルト片16Aを閉じ、ゴルフクラブのグリップをグリップ収納袋18に収納して持ち運ぶ。
【0022】
(ゴルフコースで使用する場合)
ゴルフコースで使用する場合には、ゴルフカートの適宜箇所にゴルフクラブケース10を丸めて置いておき、あるいは、ゴルフカートに積まれたキャディバックの側部に、ショルダーベルト16や連結片38を掛けてゴルフクラブケース10を吊り下げておく。
カート道路から離れた箇所にゴルフボールを打ち込み、ゴルフボールの落下地点に複数本のゴルフクラブを持っていく際、それらゴルフクラブをゴルフクラブケース10に収納する。
この場合には、図6に示すように、グリップ収納袋18を収納袋36に収納して後片14の内面に位置させた状態で、あるいは、グリップ収納袋18を後片14の外面に垂らした状態で、左右のショルダーベルト片16Aを開き、持って行く複数本のゴルフクラブを、クラブヘッド側を下にして開口20から2つの小収納部22Aに収納する。そして、図5に示すように、左右のショルダーベルト片16Aを閉じ、ショルダーベルト16を手に持って、あるいは、肩に掛けてゴルフクラブケース10を持ち運び、ゴルフボール落下点に向かう。
ゴルフボールの落下点では、ライ(ゴルフボールが置かれた箇所の状況)や打つべき飛距離を考慮し、使用するゴルフクラブを決定する。ゴルフクラブを決定したならば、図6に示すように、左右のショルダーベルト片16Aを開き、開口20からそのゴルフクラブを抜き出し、残りの複数本のゴルフクラブが収納されたゴルフクラブケース10をラフやフェアウェイに寝かせておく。
【0023】
ゴルフボールを打ったならば、使用したゴルフクラブをゴルフクラブケース10に収納し、図5に示すように、左右のショルダーベルト片16Aを閉じ、ショルダーベルト16を手に持って、あるいは、肩に掛けてゴルフクラブケース10を持ち運び、次のゴルフボール落下地点に向かって歩いていく。あるいは、ゴルフカートに戻り、ゴルフクラブケース10に収納された複数本のゴルフクラブをキャディバックに戻す。
このようにカート道路から離れた箇所にゴルフボールを打ち込み、ゴルフボールの落下地点に複数本のゴルフクラブを持っていく場合に、ゴルフクラブケース10を持ち運んでいるので、よくありがちなゴルフボールの落下地点へのゴルフクラブの置き忘れを防止する上で有利となる。
また、ゴルフクラブケース10を使わずに複数本のゴルフクラブをゴルフボールの落下地点に持ち運んだ場合、ゴルフボールを打つ際には、使用しない残りの複数本のゴルフクラブをゴルフボールの落下地点の周辺にそのまま置くことになる。この場合、ライによっては地面がむき出しの場合もあり、この場合にはクラブヘッドに土が付着し、キャディバックに戻す際に、錆が発生しないようにクラブヘッドに付着した土を落とさなければならない。あるいは、雨天時には、錆が発生しないようにクラブヘッドに付着した雨をふき取る必要がある。本実施の形態では、クラブヘッドが本体部12の底部12Dに収納されたゴルフクラブケース10ごとおくので、使用しないゴルフクラブのクラブヘッドに土が付着したり、クラブヘッドが雨で濡れたりすることはなく、複数本のゴルフクラブをそのままキャディバックに戻すことができ便利となる。
したがって、ゴルフクラブケース10はゴルフコースで使用されても極めて便利となる。
【符号の説明】
【0024】
10……ゴルフクラブケース、12……本体部、14……後片、16A……ショルダーベルト片、16……ショルダーベルト、18……グリップ収納袋、20、30……開口、21……着脱手段、24……仕切り片、26……保護部材、28,34……線ファスナー、32……挿通口、38……連結片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部が閉塞され上部に開口を有する筒状を呈し複数本のゴルフクラブをそれらのクラブヘッドを下にして収納可能で前記開口はそれらゴルフクラブのクラブヘッドが出し入れできる大きさで形成された本体部と、
前記本体部の後部の上端から上方に突出する後片と、
前方に凸の弓状に延在し前記後片の上部の左右側部と前記本体部の上部の左右側部とを接続する左右のショルダーベルト片と、
前記後片の上部に取着されたグリップ収納袋と、
前記左右のショルダーベルト片の上部を除いた箇所を着脱可能に取り付けることでそれらショルダーベルト片からショルダーベルトを構成する着脱手段とを備え、
前記ショルダーベルトが構成された状態で、前記左右のショルダーベルト片の上部と前記後片の上部とで、前記開口から突出する前記複数本のゴルフクラブの部分を挿通させる挿通口が形成され、
前記グリップ収納袋は、クラブヘッドを下にして前記本体部に収容され前記開口および前記挿通口から突出する複数本のゴルフクラブのグリップを収納可能に構成されている、
ことを特徴とするゴルフクラブケース。
【請求項2】
前記挿通口側に位置する前記後片の内面には、前記グリップ収納袋が折り畳んで収納される収納袋が取着されている、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブケース。
【請求項3】
前記本体部の前部の左右幅方向の中央と前記本体部の後部の左右幅方向の中央とを接続し、本体部の内部を左右2つに分ける仕切り片が設けられ、
前記本体部の開口は、前記仕切り片により左右に仕切られた2つの小開口から構成され、
前記小開口は、それぞれゴルフクラブのクラブヘッドが出し入れできる大きさで形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブケース。
【請求項4】
前記仕切り片が接続された前記前部の箇所の左右両側に、前記前部の上端から下端にわたって延在し前記仕切り片により2つに仕切られた本体部の内部をそれぞれ開閉する線ファスナーが設けられている、
ことを特徴とする請求項3記載のゴルフクラブケース。
【請求項5】
前記本体部と、前記後片と、前記ショルダーベルト片と、前記グリップ収納袋とは、可撓可能な材料で形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載のゴルフクラブケース。
【請求項6】
前記本体部の内面およびこの内面に続く前記後片の内面に、可撓可能で柔軟性を有しゴルフクラブヘッドを保護する保護部材が取着されている、
ことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載のゴルフクラブケース。
【請求項7】
前記左右のショルダーベルト片を開き、前記後片および左右のショルダーベルト片を前記本体部の外側に垂れ下げると、前記本体部の上部に前記開口の全域が露出する、
ことを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載のゴルフクラブケース。
【請求項8】
前記本体部の下端から前記開口までの高さは、前記本体部に収納されたゴルフクラブがアイアンクラブであるピッチングウェッジであり、そのクラブヘッドを下側にして前記本体部に収容された状態で、前記ピッチングウェッジの長さの1/3以上1/2未満の部分が前記開口から突出する寸法で形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至7に何れか1項記載のゴルフクラブケース。
【請求項9】
前記挿通口と反対側に位置する前記後片の外面の上端に、細長形状を呈し、長手方向の一方の端部に雄型の面ファスナーが取着され、長手方向の他方の端部に雌型の面ファスナーが取着され、それら面ファスナーを合わせることで環状となり手摺やフックに係止可能となる連結片が取着されている、
ことを特徴とする請求項1乃至8に何れか1項記載のゴルフクラブケース。
【請求項10】
前記本体部の下端から前記後片の上端までの長さは、アイアンクラブであるピッチングウェッジがそのクラブヘッドを下側にして前記本体部に収容された状態で、前記挿通口から前記ピッチングウェッジのグリップの長さの1/2未満の部分が突出する寸法で形成されている、
請求項1乃至9に何れか1項記載のゴルフクラブケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−105775(P2012−105775A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256147(P2010−256147)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)