説明

ゴルフプレイ用のコインセット

【課題】野外で使用されても汚れにくく、損傷しにくい、ゴルフに付随するゲームに用いることができるゴルフプレイ用のコインセットを提供する。
【解決手段】円板状の形態を備え、少なくとも一面に、ゴルフのプレイに応じた図柄および文字が設けられ、すぐれたプレイをしたときに与えられるプラスの点数が規定されているプラスコイン11と、トラブルなどを生じたときに与えられるマイナスの点数が規定されているマイナスコイン12とからなるコインセット10。各コインは、金属製あるいは合成樹脂製の円板に図柄および文字を印刷し、あるいは刻印し、その表面に透明な保護層を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフプレイ用のコインセットに関する。さらに詳しくは、ゴルフプレイに付随するゲームとして楽しむことができるゴルフゲーム用のコインセットに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2000−126357号公報
【特許文献2】登録実用新案第3052316号公報
【0003】
特許文献1には、OBカード、バンカーカード、池ポチャカード、3パットカードおよびロストボールカードからなるゴルフゲームカードが開示されている。これらの各カードは、プラスチックか、強靱な薄い紙などを材質としており、表面にプレイ中のトラブルの様子をおもしろく描かれている。そしてOBカードは1ペナルティ、バンカーカードは2ペナルティ、ロストボールは3ペナルティなどと、カード毎にペナルティの点数を変えている。
【0004】
このカードの使用方法は、該当するプレイをしたプレイヤーに与え、つぎに同じプレイをした者に手渡していく。そして最後に各プレイヤーが持っているカードのペナルティを合計し、チョコレートなどのペナルティを払うか、ゴルフのゲームの打数に加える。それによりゴルフゲームの楽しみが増加する。
【0005】
特許文献2には、OB(アウトオブバウンズ)、クロスバンカー(もしくは池への打ち込み)、ガードバンカーへの打ち込みおよび3パットに対応し、マイナスの得点が付された「ペナカード」のほか、ニアピン、ドラコン、パーおよび1パットに対応し、プラスの得点が付された「ヤッターカード」を加え、かつ、全カードの合計得点の和が零になるようにした複数枚セットのゲーム用カードが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来のゴルフゲームカードは、軽量でかさばらず、携帯に便利である半面、ゴルフという野外スポーツの場で用いるので、汚れたり損傷することが多く、耐久性に乏しい。本発明は野外スポーツの場で何回使用されても汚れにくく、損傷しにくい、ゴルフに付随するゲームに用いることができるゴルフプレイ用のコインセットを提供することを技術的な課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゴルフプレイ用のコインセット(請求項1)は、円板状の形態を備え、少なくとも一面に、ゴルフのプレイに応じた表示が設けられ、前記ゴルフのプレイに応じてプラスあるいはマイナスの点数が規定されていることを特徴としている。
【0008】
このようなコインセットでは、各コインの径が30〜50mmであり、厚さが2〜5mmであり、前記表示がプレイを暗示ないし明示する図柄とプレイの名称を示す文字とからなるものが好ましい(請求項2)。また、前記表示の上に、透明の保護層が設けられているものが好ましい(請求項3)。さらに各コインが金属または合成樹脂で形成されており、前記表示が凹または凸の線で形成されているものが一層好ましい。前記いずれの場合でも、各コインがボールマーカーを兼ねるものであるのがとくに好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
つぎに図面を参照しながら本発明のコインセットの実施の形態を説明する。図1は本発明のコインセットの一実施形態を示す平面図、図2a、図2bおよび図2cはそれぞれそのコインセットの1個のコインの平面図、側面図および背面図、図2dは1個のコインの他の実施形態を示す背面図、図3は複数枚のコインを積み重ねた状態を示す側面図、図4は本発明に関わるコインの他の実施形態を示す平面図である。
【0010】
図1に示すコインセット10は、優れたプレイに対応する4枚のプラスコイン11と、失敗プレイあるいはトラブルに対応する6枚のマイナスコイン12とから構成されている。なお、これより少なくても多くてもよい。プラスコイン11は、ドラコンコイン13、ニアピンコイン14、バーディコイン15およびイーグルコイン16からなる。マイナスコイン12は、オービーコイン17、バンカーコイン18、ウォーターコイン19、きつつきコイン20、スリーパットコイン21、ダブルスコアコイン22からなる。ウォーターコイン19はいわゆる池ポチャに該当するコインであり、きつつきコイン20は、林の中に打ち込んだり、木の根元に転がって打てない状態になったときのコインで、いずれもドロップしてプレイを継続する場合に用いる。
【0011】
各コインは円板状を呈し、その一面に各プレイをイメージする擬人化した動物が描かれ、さらにその下方に円周に沿って円弧状に各プレイの名称をアルファベットで記載されている。すなわちプラスコイン11の一種であるドラコンコイン13には、発音から連想されるドラゴンの首部分の図柄24が描かれ、下方に「Doracon」の文字25が記載されている。ただし図柄24だけとすることもでき、文字25だけにすることもできる。
【0012】
ニアピンコイン14には、ホール26から首を出したモグラの図柄27が描かれ、下方に「Near pin」の文字25が記載されている。同様にバーディコイン15には歌を歌う小鳥の図柄と「Bardy」の文字が記載され、イーグルコイン16には鷲の図柄と「Eagle」の文字が記載されている。
【0013】
他方、マイナスコイン12の一種であるオービーコイン17には、直接はプレイのイメージと関連しないが、口をあけた、あるいは笑っているカバの図柄と「Out of bounds」の文字が記載されている。同様に、バンカーコイン18には、砂地にいるガラガラヘビの図柄と「Bunker」の文字が記載され、ウォーターコイン19には池から首を出しているカエルの図柄と「Water」の文字が記載されている。
【0014】
また、きつつきコイン20には、木をつついているきつつきの図柄と「Woodey」の文字が期さされ、スリーパットコイン21には、親亀の上に子亀が乗り、その上に孫亀が乗っている図柄と「Three pat」の文字が記載され、ダブルスコアコイン22には、ドラミングをしているゴリラの図柄と「Double score」の文字が記載されている。
【0015】
上記のプラスコイン11にはそれぞれプレイの価値に応じたプラスの点数が規定され、たとえばドラコンコイン13は+3点、ニアピンコイン14は+3点、バーディコイン15は+6点、イーグルコイン16は+12点が規定されている。ゴルフゲームではバーディとイーグルは単に1打の差であるが、困難度を考慮して、6点の差を与えている。他方、マイナスコイン12はすでにゴルフゲームに打数のペナルティが課されているので、過酷にならないように、いずれも−3点だけ規定されている。
【0016】
図2aに示すように、各コイン30の径Dは、図柄31や文字32が鮮明に見えるように、30〜50mm程度とする。しかしこれより大きくても小さくてもよい。30〜50mmの径にする場合は、図2bに示すように厚さtは2〜5mm程度が好ましい。図2cに示すように、コイン30の裏面33には、点数を表す「+3」などの文字が記載されている。ただし何も記載しなくてもよく、表面と同じ図柄および文字を記載するようにしてもよい。さらに図4dに示す模様など、トランプと同様に各コイン共、同一の図柄としてもよい。コインは通常はすべて同じ大きさにするが、プラスコインとマイナスコインとで大きさを変えたえり、プレイの内容に応じて変えることもできる。
【0017】
コイン30の地金は通常は鋼、鉄などの耐久性が高い金属で構成する。金属加工のときに打ち抜いた円形のスクラップを利用する場合は、安価に製造できると共に、環境保護に資する。耐久性を一層向上するべく、ステンレス鋼板を採用してもよい。軽量化を意図する場合は、アルミニウム、チタンなどの軽金属、それらを主体とする合金などを採用することもできる。より豪華なコインとする場合は、銅、真鍮、ブロンズ、さらには銀、金などの貴金属も使用することができる。
【0018】
また、金属に変えて、ポリアセタール、ナイロン、ポリ塩化ビニルなどの硬質の合成樹脂を採用してもよく、その場合は一層軽量になる。合成樹脂の場合は、表面に金属蒸着層などのメッキ層を設けるのが好ましい。また、陶器、磁器、ファインセラミックス、木、ガラス、石などを用いてもよい。
【0019】
コイン30の図柄31や文字32は、コインの地金に印刷などで施すことができる。さらに印刷した上に、透明な合成樹脂などからなるオーバーコートないし保護層を設けるのが好ましい。それにより図柄31や文字32が消えにくくなる。オーバーコートや保護層は、艶消しにしておくほうが豪華な印象が得られる。コインの地金が金属の場合は、合成樹脂などからなる艶消しの下地層を設けた上に図柄や文字を印刷するのが好ましい。それにより図柄31や文字32が見やすくなる。地金の材質あるいは色、さらには下地層、オーバーコートや保護層の色を、プラスコインかマイナスコインかによって、あるいはプレイの内容ごとに変えるようにしてもよい。
【0020】
図柄31や文字32を凸または凹のレリーフないし刻印とする場合は、より豪華なコインとすることができる。その場合はコイン30の周縁34を内部より厚くするのが好ましく、それにより、図3に示すようにコイン30同士を重ねたときに、図柄31や文字32がこすれることが防止され、消えにくくなる。金属製のコイン30の場合は、レリーフないし刻印とする場合もオーバーコートないし保護層を設けるのが好ましい。
【0021】
上記のように構成されるコインセット10は、従来のゴルフゲームカードと同様に、所定のプレイを行ったプレイヤーに、そのプレイに該当するコイン30を手渡し、つぎに同じプレイを行ったプレーヤーに、そのコインを所持しているプレーヤーから手渡す。このようにコイン30を持ち回りにして移動させていく。たとえば1番ホールでAプレイヤーがフェアウエイバンカーにつかまると、この時点でAプレイヤーにバンカーコイン(図1の符号18)を渡す。2打目にBプレイヤーがグリーンバンカーにつかまると、Aプレーヤーが、所持していたバンカーコインをBプレーヤーに手渡す。
【0022】
そして最後に点数を計算し、その点数独自の商品を与えたり、ペナルティを課したりして楽しむことができる。点数の計算は、1ホールごとに、あるいは3ホールまたは9ホールごとに行うようにしてもよい。表1に、点数計算の一例を示す。
【表1】

【0023】
特定のホールで該当者が2名以上出た場合、たとえばバーディコイン(図1の符号15)をもらうプレイヤーが2名以上いる場合でも、ボールがホールから遠いプレイヤーの順にパットを行うので、ホールに近いプレイヤーがバーディコインを取得することになる。したがって不公平感は生じない。ただし、プレイヤー同士の話し合いで、あらかじめジャンケンやコイントスなど、他の方法でそのホールでの取得者を選定するようにすることもできる。
【0024】
なお、スリーパットコイン(図1の符号21)は、それを超えるプレイ、すなわちフォーパット以上の場合にも該当することとする。スリーパットの該当者が2名以上いる場合も、最もパット数が多いプレイヤーが最後にパットするので、不公平感は生じない。イーグルコイン、ダブルスコアコインについても、それらを超えるプレイも該当することとする。
【0025】
プレイの最初は、たとえば幹事がすべてのコインを所持し、該当するプレーが出るごとにそのプレイヤーにコインを手渡していけばよい。ただし、コインであることを利用して、すべてのコインを袋あるいは帽子などの中に入れておき、まあるいは図2dのように裏面が同じ模様の場合は裏返しにして並べておき、くじ引きの要領で交互にコインを取らせ、それらのコインを始めの持ち点とすることもできる。その場合は、該当するプレイヤーが現れなかったときは、最初にそのコインを取ったプレイヤーが獲得または負担することになる。そのため、くじ引きの楽しみも増える。
【0026】
さらに本発明のコインセットは、コインで有ることを利用して、プレイ中にボールがバンカーや池、木の根元に入ったときに、ボールマーカーとして使用することができる。これらの場合は、打罰つき、あるは無打罰で、ボールをドロップしてプレイを続けることになるが、元のボールの位置、あるいはボールが池に入ったときに通過したポイントなどにコイン30を置き、ドロップするときの目印にする。
【0027】
とくにウォーターコイン、きつつきコインなどのトラブルに関連するコインは、それらが生じたとき、ボールのドロップによりプレイを継続することがあるので、そのプレイヤーに該当するコインを手渡し、ボールマーカーとして使用してもらえばよい。このコインはグリーン上で用いられる一般的なボールマーカー(径約20mm)より大きいため、見やすく、また、すぐに回収するので、見失いにくい利点がある。
【0028】
前記実施形態ではプラスコインとしてドラコンコイン、ニアピンコイン、バーディコインおよびイーグルコインの4種類を採用しているが、これらに代えて、あるいはこれらに追加して、パーコイン、1パットコイン、アルバトロスコイン、ホールインワンコインなどのプラスコインを採用してもよい。ホールインワンコインやアルバトロスコインは、点数をつけず、金メッキあるいは銀メッキなどの貴金属メッキ製とし、該当者の賞品とすることもできる。また、マイナスコインとしてオービーコイン、バンカーコイン、ウォーターコイン、きつつきコイン、スリーパットコイン、ダブルスコアコインの6種類のコインを示したが、これらに代えて、あるいはこれらに追加して、ロストボールコイン、チョロコインなどを採用することもできる。
【0029】
また、図4に示すように、コイン30の周縁近辺で図柄31の上部に貫通孔35をあけ、その貫通孔35にリボン36やひもを通すようにしてもよい。それによりプレイ中にプレイヤーがリボン36によってコインを首に掛けたり、ベルトに吊したりすることができ、自分あるいは他のプレイヤーがどのコインを所有しているか、容易にわかる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のコインセットの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図2a、図2bおよび図2cはそれぞれそのコインセットの1個のコインの平面図、側面図および背面図、図2dは1個のコインの他の実施形態を示す背面図である。
【図3】複数枚のコインを積み重ねた状態を示す側面図である。
【図4】本発明に関わるコインの他の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0031】
10 コインセット
11 プラスコイン
12 マイナスコイン
13 ドラコンコイン
14 ニアピンコイン
15 バーディコイン
16 イーグルコイン
17 オービーコイン
18 バンカーコイン
19 ウォーターコイン
20 きつつきコイン
21 スリーパットコイン
22 ダブルスコアコイン
24 図柄
25 文字
26 ホール
27 図柄
30 コイン
31 図柄
32 文字
33 裏面
34 周縁
35 貫通孔
36 リボン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の形態を備え、少なくとも一面に、ゴルフのプレイに応じた表示が設けられ、前記ゴルフのプレイに応じてプラスあるいはマイナスの点数が規定されている、ゴルフプレイ用のコインセット。
【請求項2】
各コインの径が30〜50mmであり、厚さが2〜5mmであり、前記表示がプレイを暗示ないし明示する図柄とプレイの名称を示す文字とからなる請求項1記載のゴルフプレイ用のコインセット。
【請求項3】
前記表示の上に、透明の保護層が設けられている請求項1または2記載のゴルフプレイ用のコインセット。
【請求項4】
各コインが金属または合成樹脂で形成されており、前記表示が凹または凸の線で形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフプレイ用のコインセット。
【請求項5】
各コインがボールマーカーを兼ねるものである請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフプレイ用のコインセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−202990(P2007−202990A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28889(P2006−28889)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(597107593)株式会社タナック (8)