説明

ゴルフボール層に対するエンジニアリング熱可塑性加硫ゴムの使用

【課題】本発明の目的は、一般的にゴルフボールを提供することにあり、より詳しくは、改善された耐熱性、耐摩耗性、および衝撃強さを持つ、エンジニアリング熱可塑性加硫ゴム(ETPV)から作成した、少なくとも一つの成分、例えばゴルフボールカバー、コア、および中間層を持つゴルフボールを提供することにある。
【解決手段】ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマー、ポリアルキレンフタレートポリエステルコポリマー、またはこれらの混合物を含む熱可塑性成分;および架橋性ポリアクリレート加硫ゴム、ポリエチレンアクリレート加硫ゴム、ポリメタクリレート加硫ゴム、ポリエチレンメタクリレート加硫ゴムまたはこれらの組合せを含むゴム成分を含有するブレンド、遊離基開始剤、および有機ジエンを含む補助薬剤、を含む組成物で作成された、少なくとも一つの層を含むことを特徴とする、ゴルフボール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にゴルフボールに係り、およびより詳しくは、改善された耐熱性、耐摩耗性、および衝撃強さを持つ、エンジニアリング熱可塑性加硫ゴム(ETPV)から作成した、少なくとも一つの成分、例えばゴルフボールカバー、コア、および中間層を持つゴルフボールに係る。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールの統一性を維持するために、U.S.G.A.は、5つの規格値を規制しているが、ゴルフボールの製造業者は、常に該ボールの別の諸特性(即ち、スピン、感触、耐久性、飛距離、音、視認性、等)を改善すべく努力している。これは、典型的には使用する材料の型の変更および/または該ボール構造の改善によって達成される。例えば、該ボールのカバーおよびコア用の材料の適当な選択は、所定の飛距離、耐久性、およびレジリエンスおよび圧縮率を包含する競技特性を達成する上で重要である。ゴルフボールの性能を制御する他の重要な因子は、カバーの厚みおよび硬さ、コアの剛性(典型的には、圧縮率として測定される)、ボールのサイズ、および表面の形状、構造を含むが、これらに限定されない。
【0003】
事実、ゴルフボール性能を推進する主な特性の一つは、レジリエンスである。レジリエンスは、一般に高い降伏強さおよび低い弾性率によって、そのサイズを回復し、またその後の変形を生み出す、歪んだ物体の能力として定義される。簡単に言えば、レジリエンスは、該ボールがクラブによる打撃を受けた際に、失われるエネルギーに対する、維持されるエネルギーの尺度である。ゴルフボールは、部分的に、運動するゴルフクラブヘッドの運動エネルギーを、ゴルフボールに移すその能力の結果として機能し、またこの能力は、該ゴルフボールの上記成分を構成する様々なポリマー化合物の弾性率(該ゴルフクラブの材料特性に加えて)と直接関係している。しかし、該弾性率は、温度に伴って変動するので、温度の高低は、典型的に該ゴルフボールの性能に変化をもたらすであろう。外向きのまたは跳ね返り速度対内向きまたは到達速度の比である、反発計数(COR)は、少なくとも部分的に、様々な温度における性能の指標として使用できる。
【0004】
実際の目的に対して、最大の飛距離および「ソフト」な感触に対して最適な温度は、約15〜35℃(約59〜約95°F)である。季節および天候に依存して、ゴルフボールは、この最適な温度範囲を大幅に下回る可能性がある。一般に、所定範囲内の温度が高いほど、弾性率が高く、また逆に温度が低いほど、弾性率も低くなる。換言すれば、温度が低下すると、ゴルフボールは一般に堅くなり、また通常は、これらが温かい場合ほどには遠方に飛ばすことができない。事実、加熱されていない領域に保存したゴルフボールは、0℃(32°F)以下のボール温度を持つ可能性があり、これは該ゴルフボールの飛距離および感触に多大な影響を与える可能性がある。
【0005】
最適範囲外の温度を持つゴルフボールを用いた競技を回避する一つの方法は、定性的な温度指示器を持つゴルフボールを製造することである。このような温度指示器を持つゴルフボールの例は、米国特許出願第003/0109329号に記載されている。最適でないボール温度を補償するためのもう一つの方法は、携帯式のゴルフボール保温器、例えば米国特許第、915,373号に記載されているもの等を使用することである。最適でない温度の、飛距離およびゴルフボールの感触に及ぼす効果を減じるための、更に別の試みは、ゴルフボールの硬さにおける様々な変化を補償する、ゴルフクラブを使用することである。米国特許第5,899,818号は、高温においてより剛性となり、かつより低い競技温度においてより高弾性となる、形状記憶合金を用いた、温度-変動型耐衝撃性を持つゴルフクラブヘッドを開示している。これらの方法は、最適でない競技条件下において、競技者がゴルフボールを使用することを可能とし、またゴルフプレーヤーによる十分な飛距離の達成を可能とするが、そうするための特別な装置が必要となる。また、CORは、一般にゴルフボール成分の組成の関数であるから、望ましいCORを与える、従って最適でない温度における所定の性能を与える、特定の材料または材料のブレンドを見出すことが望ましい。
【0006】
更に、上に示したように、圧縮率は、ゴルフボールの総合的な性能に関与するもう一つの重要な特性である。ボールの圧縮率は、該ボールが適正に打撃を受けた際に発せられる音または「衝撃音」に影響を及ぼす。同様に圧縮率は、特にチップショットまたはパッティングの際における、該ボールの「感触」(即ち、硬いまたはソフトな応答的感触)に影響する可能性がある。更に、圧縮率自体は、ボールの飛距離特性に殆ど影響を与えないが、圧縮率は、打撃する際の該ボールの競技特性に影響を与える。
クラブフェースに対するボールの圧縮の程度および該カバーの柔軟性は、得られるスピン速度に強い影響を与える。例えば、より柔軟なカバーは、典型的により硬質のカバーよりも高いスピン速度を発生し、一方より硬質のコアは、より柔軟なコアよりも高いスピン速度を発生する。というのは、インパクトに際して、硬質のコアは、柔軟なコアよりも一層高度に、クラブフェースに対する該ボールのカバーを圧縮するように機能するからである。対照的に、より柔軟なコアを使用した場合、カバーは、より硬質のコアを使用した場合よりも、より一層低い圧縮応力の下に置かれ、結果的に密でないクラブフェースとの接触およびより低いスピン速度をもたらす。従って、最適の圧縮率を与えるような、ゴルフボールにおいて使用する材料の適正な組み合わせを見出すことが有利である。
【0007】
更に、カバーの硬さおよび厚みは、ゴルフボールの飛距離、競技性および耐久性を得る上で重要である。上記した如く、カバーの硬さは、ボールのレジリエンス、結果的に飛距離特性に直接影響を及ぼす。あらゆる事項が同一である場合には、より硬質のカバーは、より高いレジリエンスを与える。これは、軟質の材料が、打撃を受けた際に、該材料が圧縮されて、衝撃エネルギーの幾分かを吸収することによって、レジリエンスを低下させるからである。従って、ゴルフボールにおいて使用するための、層の硬さおよび厚みの最適な組合せを達成することを有利である。
例えば、イオノマー樹脂が、ゴルフボールにおける耐久性を達成するために使用されている。しかし、高い耐久性の下で得られる利点の幾つかは、該材料の硬さによる、競技性の低下によって、幾分か相殺されてしまう。結果として、改善された耐衝撃性および該「硬質」のイオノマー樹脂によってもたらされる飛距離特性のみならず、より熟練したゴルファーにより依然として望まれている特性である、従来の「柔軟」なバラタカバーと関連する競技特性(即ち、「スピン」、「感触」等)をも示す、ゴルフボール成分を開発するために、多数の研究が続けられている。さらに、評判の改善された光安定性かつ高耐久性の、様々なゴルフボール組成物が、開示されている。例えば、米国特許第6,458,307号は、光安定性、切断抵抗、および耐摩耗性において、報告された改善性を示す、熱可塑性カバー材料を意図している。米国特許第6,369,125号は、架橋性熱可塑性組成物に関連し、該組成物は溶融し、再度成型することができ、また従来のバラタカバーを超える、改善された耐擦り傷性および切断抵抗を持つことができる。しかし、イオノマー樹脂と同様に、これらの材料は、最適な性能特性を得る上で、幾つかの点において不十分であった。
【0008】
上で論じた諸特性に加えて、当分野には、高温度下での劣化に係る、公知材料の欠点を克服する必要性が、依然として存在する。例えば、該ゴルフボール成分の皺が、約50℃にて発生する。事実、最も進歩した光安定性のあるポリウレタンおよびポリウレア組成物でさえも、追加の加工段階、例えば被覆およびマーキング工程において、および最適でない温度において保存した際に、熱的な劣化に敏感であることが示されている。幾つかの製造業者等は、熱を適用した際の、あらゆるゴルフボールカバーの劣化を、収縮および膨張特性を持つ被覆を使用することによって、補償することを試みた。例えば、米国特許第5,816,943号は、被膜を適用する際の、ディンプル端部の鈍角化およびディンプル深さの低下を防止するために、カバー材料以上の高い耐熱性を持つ被膜を意図している。しかし、これら努力は、明らかに追加の段階および加工時間を必要とする。
要するに、製造業者等による過去の努力は、最適でない条件下におけるゴルフ競技と関連する多くの問題点を補償するが、如何なる方法も、該問題点の全てを一括して扱っていない。更に、極端な温度条件を補償するために使用される殆どの方法は、特別な指示器、クラブまたは保温器の使用を包含している。従って、従来製造されたゴルフボールおよびゴルフクラブの温度に関連する問題点、例えば最適でない温度におけるレジリエンスおよび材料の劣化を解決する、新規な組成物に対する、絶えることのない需要がある。特に、耐熱性および耐衝撃性、並びに改善されたレジリエンスを、結果として得られるゴルフボールおよびクラブ成分に付与する、材料を用いた組成物を提供することが有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、一般的にゴルフボールを提供することにあり、より詳しくは、改善された耐熱性、耐摩耗性、および衝撃強さを持つ、エンジニアリング熱可塑性加硫ゴム(ETPV)から作成した、少なくとも一つの成分、例えばゴルフボールカバー、コア、および中間層を持つゴルフボールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(a) ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマー、ポリアルキレンフタレートポリエステルコポリマー、またはこれらの混合物を含む熱可塑性成分;および架橋性ポリアクリレート加硫ゴム、ポリエチレンアクリレート加硫ゴム、ポリメタクリレート加硫ゴム、ポリエチレンメタクリレート加硫ゴムまたはこれらの組合せを含むゴム成分を含有するブレンド、(b) 遊離基開始剤、および(c) 有機ジエンを含む補助薬剤を含有する組成物から製造した、少なくとも一つの層を含むゴルフボールを意図する。
一態様において、該熱可塑性成分は、ポリブチレンテレフタレートの少なくとも一つのセグメントおよび長鎖ポリエーテルグリコールの少なくとも一つのセグメントを含む、ポリエーテルポリエステルを含有する、ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマーを含む。もう一つの態様において、該熱可塑性成分は、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンテレフタレートのポリエーテルエステル、ポリアルキレンテレフタレートコポリマー、ポリアルキレンテレフタレートコポリマーのポリエーテルエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0011】
該硬化剤の該有機ジエンが、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、N,N'-m-フェニレンジマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラアリルオキシエタン、テトラメチレンジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびこれらの混合物を含むことができる。
一態様において、該遊離基開始剤は、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、ジクミルパーオキシド、a,a-ビス(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、およびこれらの混合物を含む。
本発明の組成物における該成分の様々な量に関連して、一態様において、該熱可塑性成分は、該ブレンドの、約15〜約65質量%なる範囲の量で存在する。もう一つの態様において、該ゴム成分は、該ブレンドの、約35〜85質量%なる範囲の量で存在する。
本発明の組成物は、該ゴルフボールの任意の層に存在し得る。一態様において、該ゴルフボールは、コア、カバー層、および該コアおよび該カバー間に設けられた中間層を含み、ここで該中間層は、上記組成物を含む。
【0012】
本発明は、またコア、カバーおよび該コアとカバーとの間に設けられた中間層を含むゴルフボールに係り、ここで該中間層は、(a) (i) 約15〜65質量%の、ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマー、ポリアルキレンフタレートポリエステルコポリマー、またはこれらの混合物を含む熱可塑性成分、および(ii) 約35〜85質量%の、ポリアクリレートエラストマー、ポリエチレンアクリレートエラストマー、ポリメタクリレートエラストマー、ポリエチレンメタクリレートエラストマーまたはこれらの混合物を含むゴム成分のブレンド、を含有するブレンド;(b) 遊離基開始剤、および補助薬剤を含む硬化剤を含有する、第一の組成物で作られており、かつ該カバーは、ポリウレタン結合、ポリウレア結合、またはこれらの組合せを含む、第二の組成物で作られている。
本発明のこの局面において、該第二の組成物は、ウレア結合のみからなるものであっても良い。また、一態様において、該熱可塑性成分は、該ブレンドの、約20〜60質量%なる範囲の量で存在し、かつ該ゴム成分は、該ブレンドの、約40〜80質量%なる範囲の量で存在する。
該硬化剤は有機ジエンを含むことができる。一態様において、該有機ジエンは、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、N,N'-m-フェニレンジマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラアリルオキシエタン、テトラメチレンジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される。もう一つの態様において、該第一の組成物は、約55ショアA〜60ショアDなる範囲内の硬さを持つ。
【0013】
本発明は、また(a) コアを形成する工程;(b) (i) ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマー、ポリアルキレンフタレートポリエステルコポリマー、またはこれらの混合物を含む熱可塑性成分と、架橋性ポリアクリレート加硫ゴム、ポリエチレンアクリレート加硫ゴム、ポリメタクリレート加硫ゴム、ポリエチレンメタクリレート加硫ゴムまたはこれらの組合せを含むゴム成分を含有するブレンドを生成し、(ii) 遊離基開始剤および有機ジエンを含む補助薬剤を含有する硬化剤を生成し、(iii) 該ブレンドと該硬化剤とを混合して組成物を生成し、および(iv) 該組成物を成型して中間層を生成することによって、該コアの周りに設けられる中間層を生成する工程;および(c) 該中間層の周りに設けられるカバーを生成する工程を含む、ゴルフボールの製造方法をも意図する。
一態様において、該中間層を生成する工程は、該組成物を押出す工程を含む。もう一つの態様において、該中間層を生成する工程は、該組成物を射出成型する工程を含む。
本発明のこの局面において、該成型温度は、約45〜65℃なる範囲内であり得る。更に、該メルトの温度は、約240〜260℃なる範囲内にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の更なる特徴並びに利点は、添付図面との関連で以下に与えられる、詳細な説明から確認することができる。
本発明は、公知の組成物から製造した、ボールおよびクラブ構成部品に係る、温度に関連するおよび劣化と関連する問題点を克服する、ゴルフボールおよびゴルフクラブ用の組成物を目的とする。特に、本発明の組成物は、エンジニアリング熱可塑性加硫ゴム(ETPV)を用いて製造する。
本発明の組成物は、様々なゴルフボール構成、例えばワンピース、ツーピース、または多層ボール、並びにゴルフクラブ構成部品、例えばクラブヘッドインサート、および他のゴルフ関連物品、並びに、他のゴルフ道具構成部品、例えばシューズインサートにおいて使用できる。様々なゴルフボール構成部品、例えばゴルフボールカバーを製造するために使用した場合、本発明の組成物は、改善された機械特性、耐熱性、および弾性特性、並びに他の改善された物性の、特有の組合せを持つゴルフボールを製造する。
【0015】
本発明の組成物
本発明の組成物は、ETPVを含み、後者は熱可塑性マトリックスおよびエラストマー相の最適の組合せを与える。特に、ETPVは、高性能の熱可塑性エンジニアリングマトリックス中に分散された、高性能の架橋されたエラストマーである。例えば、本発明の組成物は、熱可塑性成分と、加硫ゴムとの混合物を含むことができる。一態様において、該組成物は、更に硬化剤をも含む。
適当な熱可塑性成分は、ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマー、コポリマー、およびブロックコポリマー、熱可塑性ブロックエラストマー、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該熱可塑性成分は、ブロックコポリマー、例えばエーテルアミド、エステルアミド、エーテル-ウレタン、エステル-ウレタン、エーテル-ウレア、エステル-ウレア、またはこれらの混合物である。
【0016】
もう一つの態様において、該熱可塑性成分は、1種またはそれ以上のジカルボン酸またはその等価物(そのエーテルまたはエステル生成性誘導体、例えば酸クロリド、無水物等)、1種またはそれ以上の線状長鎖グリコール、および1種またはそれ以上の低分子量グリコールを包含するコポリマーである。本発明において用いる該ジカルボン酸は、芳香族、脂肪族、または環式脂肪族ジカルボン酸であり得る。本発明のこの局面において使用するのに適した、芳香族ジカルボン酸の非-限定的な例は、テレフタール酸およびイソフタール酸、ジ安息香酸、ビス(p-カルボキシフェニル)メタン、p-オキシ(p-カルボキシフェニル)安息香酸、ナフタレンおよびアンスラレン(anthralene)ジカルボン酸、4,4'-スルホニルジ安息香酸、およびこれらの混合物を含む。更にヒドロキシ安息香酸も使用可能である。
本発明のこの局面において使用するのに適した、代表的な脂肪族および環式脂肪族酸は、セバシン酸、1,3-または1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、グルタル酸、琥珀酸、炭酸、シュウ酸、イタコン酸、アゼライン酸、ジエチルマロン酸、フマール酸、シトラコン酸、アリルマロネート酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート酸、ピメリン酸、スベリン酸、2,5-ジエチルアジピン酸、2-エチル琥珀酸、シクロペンタンジカルボン酸、2,2,3,3-テトラメチル琥珀酸、デカヒドロ-1,5-(または2,6-)ナフチレンジカルボン酸、4,4'-ビシクロヘキシルジカルボン酸、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルカルボン酸)、3,4-フランジカルボキシレート、1,1-シクロブタンジカルボキシレート、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0017】
本発明のこの局面において使用するのに適した、長鎖グリコールは、約600〜6,000なる範囲の重量平均分子量を持ち、またポリ(アルキレンオキシド)グリコール、ポリ(1,2-および1,3-プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンまたはペンタメチレンまたはヘキサメチレンまたはヘプタメチレンまたはオクタメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドと1,2-プロピレンオキシドとのランダムまたはブロックコポリマー、ホルムアルデヒドとグリコールとの反応により製造されるポリ-ホルマール、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明のこの局面において使用するための、適当な低分子量ジオールは、2〜15個の炭素原子を持つジオール、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、およびデカメチレングリコール、ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
当業者は、本発明の適当な熱可塑性成分を製造する方法については、認識しているはずである。例えば、本発明によるポリアルキレンフタレートポリエステルポリマーは、1種またはそれ以上のフタール酸の異性体、フタール酸無水物、または対応するエステルと、1種またはそれ以上のコモノマージオールとを重合することによって製造することができる。一態様において、該フタレート異性体は、テレフタレートであり、また該ジオールはエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、またはこれらの混合物である。特に、適当な熱可塑性成分は、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンテレフタレートポリエーテルエステル、およびこれらの混合物を含むことができる。
【0018】
同様に、ポリアルキレンフタレートポリエステルコポリマーは、該ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマーと、例えばジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸無水物のエステル、ジオール、ラクトン、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない、様々なコモノマーとを重合することによって、製造することができる。このようなコポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、PETまたはPBTであり得る。一態様において、本発明において使用するための、適当なポリアルキレンフタレートポリエステルコポリマーは、ポリブチレンテレフタレートの少なくとも一つのセグメントおよび長鎖ポリエーテルグリコールの少なくとも一つのセグメントを含む、ポリエーテルポリエステルである。特に、適当な熱可塑性成分は、ポリアルキレンテレフタレートコポリマー、ポリアルキレンテレフタレートコポリマーのポリエーテルエステル、およびこれらの混合物を含むことができる。
本発明の熱可塑性成分は、好ましくは該ブレンドの、約10〜約75質量%なる範囲、より好ましくは該ブレンドの約15〜約65質量%なる範囲、およびより一層好ましくは該ブレンドの約20〜約60質量%なる範囲の量で含まれる。
【0019】
本発明について使用するための、適当な加硫ゴムは、アクリレートゴム、例えば架橋性のポリ(メタ)アクリレートまたはポリエチレン/(メタ)アクリレート加硫ゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルおよびハロブチルゴム、エチレンプロピレンまたはエチレンプロピレンジエンゴム、フルオロカーボンゴム、溶融加工性ポリウレタンガムのゴム、フルオロシリコーンエラストマー、エチルアルキルアクリレート酸/アクリル酸コポリマーゴム(バマック(VamacTM))、ポリホスファゼンエラストマー、ポリスルフィドエラストマー、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。当業者は、本発明で使用するための適当な加硫ゴムの製造方法については、認識しているはずである。例えば、本発明で使用するための加硫ゴムは、1種を越えるアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、またはこれらの混合物を共重合して、ポリ(メタ)アクリレートコポリマーを製造することにより得ることができる。
【0020】
一態様において、適当な加硫ゴムは、エチレンと、1種またはそれ以上のアクリル酸、メタクリル酸のアルキルエステルまたはこれらの混合物とを共重合して、ポリエチレン/(メタ)アクリレートコポリマーを製造することにより得ることができる。あるいは、本発明による適当な加硫ゴムは、エチレンとアルキルアクリレートとのコポリマーである。このような態様において、該アクリレートは、約6.5モル%以上の量で含めることができる。別の態様では、該アクリレートは、約15モル%以上、好ましくは約20モル%以上、およびより好ましくは約25モル%以上の量で該加硫ゴム中に存在する。もう一つの態様において、エチレンは、該コポリマーの、約70質量%未満、好ましくは約60質量%未満、およびより好ましくは約50質量%未満の量で存在する。更に別の態様では、該アクリル酸エステルは、該コポリマー中に、約30%以上、好ましくは約40%以上、およびより好ましくは約50%以上の量で存在する。
本発明で使用するのに適した、他の型の加硫ゴムは、1,1-ジヒドロパーフルオロ-n-ブチルアクリレート等のモノマーを主成分とする、ポリパーフルオロアルキルアクリレート型の加硫ゴム、およびビニリデンフルオライドおよびヘキサフルオロプロピレンから誘導される、フッ素化コポリマーを含むが、これらに限定されない。このような材料の付随的な例は、米国特許出願第10/674,305号に記載されている。この特許出願の内容全体を、参考としてここに組入れる。
【0021】
該加硫ゴムは、好ましくは該ブレンド中に、その約25〜約90質量%なる範囲、好ましくは約35〜85質量%なる範囲、およびより好ましくは該ブレンドの約40〜約80質量%なる範囲の量で存在する。
該加硫ゴムは、官能化されたポリマーであっても、そうでなくてもよい。例えば、一態様において、該加硫ゴムは、官能化ターポリマーを含む。しかし、該加硫ゴムが官能基を含まない(あるいは比較的少量の、官能化ターポリマーを含む)場合には、本発明の組成物は、硬化剤を含むことができる。特に、上で論じた加硫ゴムは、本質的に線状のコポリマーであるから、その場で該硬化剤と架橋することができる。如何なる特別な理論にも拘泥するものではないが、硬化剤の使用は、ポリマーの形態学的特長および得られる組成物の物性の良好な調節、および結果として該組成物の良好な再現性をもたらすことができる。
【0022】
本発明による適当な硬化剤は、好ましくは有機パーオキシド遊離基開始剤および補助薬剤を含む。例えば、該遊離基開始剤は、該架橋温度において容易に分解するが、該熱可塑性成分および該加硫ゴムの融点においては分解しない、任意の開始剤であり得る。本発明で使用するのに適した、遊離基開始剤の非-限定的な例は、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、ジクミルパーオキシド、a,a-ビス(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、およびこれらの混合物を含む。
該補助薬剤は、好ましくは有機ジエンである。例えば、該補助薬剤は、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、N,N'-m-フェニレンジマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラアリルオキシエタン、テトラメチレンジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびこれらの混合物であり得る。本発明で使用するのに適した、追加の補助薬剤は、二官能性または三官能性ジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、金属モノマー、例えば亜鉛ジアクリレートまたは亜鉛ジメタクリレート、ポリブタジエンジアクリレートまたはポリブタジエンジメタクリレート、液状ポリマー、例えば高ビニル含有率、低分子量ポリブタジエンおよびスチレンブタジエンコポリマー、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0023】
上で論じた主な成分以外の追加の材料を、本発明の組成物に添加することも可能であり、該材料は、着色剤または染料、蛍光増白剤、架橋剤、白色体質顔料、例えばTiO2、およびZnO、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、消泡剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、耐衝撃性改良剤、フィラー、強化材、触媒、相溶化剤、香味成分、酸化防止剤、および他の公知の添加剤を含むが、これらに限定されない。当業者は、これら添加物の目的、またこれらの目的を満たすために使用すべきその量を認識しているはずである。
例えば、フィラーは、レオロジーおよび混合特性、比重(即ち、密度-改善フィラー)、モジュラス、引裂き強さ、補強等に影響を与えるために、本発明の組成物に添加することができる。これらのフィラーは、一般に無機フィラーであり、また適当なフィラーは、多数の金属、金属酸化物および塩、例えば酸化亜鉛および酸化錫、並びに硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、クレー、タングステン、炭化タングステン、一連のシリカ、リグラインド(典型的には、約30メッシュの粒子に粉砕された、再生コア材料)、高ムーニー粘度ゴムリグラインド(約55以上のムーニー粘度を持つ)、およびこれらの混合物を包含する。
【0024】
更に、本発明の組成物は、少なくとも1種の光安定化成分を含むことができる。ここで使用する光安定化剤は、ヒンダードアミン光安定化剤、紫外線(UV)吸収剤、および酸化防止剤を含むものと理解することができる。上記組成物の何れかに対する、UV吸収剤および光安定化剤の添加は、引張強さ、伸び、および色彩の安定性を維持し、並びに光劣化によるカバー表面の破壊防止を援助する。適当な光安定化剤は、チヌビン(TINUVINTM) 292、チヌビン328、チヌビン213、チヌビン765、チヌビン770およびチヌビン622を含むが、これらに限定されない。これらのチヌビン製品は、NY州、タリータウン(Tarrytown)のチバスペシャルティーケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から入手できる。
更に、上で論じたように、染料並びに蛍光増白剤および蛍光顔料を、本発明によって製造したポリマーを用いて作成したゴルフボールカバーに含めることができる。このような付随的な成分は、その所定の目的を達成し得る任意の量で添加することができる。例えば、本発明の組成物において、好ましくは該組成物の質量基準で、約0.5〜約10質量%なる範囲の量で、白色分散液を使用できる。一態様において、本発明の組成物は、該組成物の質量基準で、約2〜約8質量%なる範囲の量で、白色分散液を含む。もう一つの態様において、該白色分散液は、該組成物中に、その質量基準で、約3〜約6質量%なる範囲の量で存在する。更に別の態様では、該白色分散液は、該組成物中に、その質量基準で、約3.5〜約5質量%なる範囲の量で存在する。
【0025】
更に、安定化成分を含むことができ、これはポリアミドと酸化防止剤との組合せである。例えば、米国特許第3,896,078号は、本発明の組成物において使用するのに適した安定剤を開示している。この特許の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。特に、このような安定化成分は、該組成物中に、その質量基準で、約6.5%までのアミド結合を与えるような量で、含めることができる。
該組成物の製造方法
本発明の組成物は、射出成型法、押出法等を包含する様々な方法によって製造することができる。該組成物の製造方法に依存して、加工温度を変えることができる。例えば、本発明の組成物を、射出成型法によって製造する場合、その成型温度は、好ましくは約35〜約75℃なる範囲、好ましくは約45〜約65℃なる範囲およびより一層好ましくは約48〜約52℃なる範囲内にある。一態様において、該成型温度は、約50℃である。もう一つの態様において、該成型温度は、約30〜約60℃なる範囲、好ましくは約35〜約50℃なる範囲およびより一層好ましくは約35〜約45℃なる範囲内にある。メルト温度は、約230〜約275℃なる範囲、好ましくは約240〜約260℃なる範囲、およびより一層好ましくは約245〜約255℃なる範囲内であり得る。
【0026】
上で一般的に述べた如く、本発明の組成物は、また押出法で製造することもできる。本発明の組成物を押出法で製造する場合には、好ましくは、該組成物のメルト温度は、約175〜約275℃なる範囲、好ましくは約200〜約250℃なる範囲、およびより好ましくは約205〜約240℃なる範囲内にある。例えば、押出法で製造する場合に、本発明の組成物にとって適したメルト温度は、約215〜約230℃なる範囲であり得る。任意の型の押出機を用いて、本発明の組成物を製造するが、該装置は、均一温度の、均質なメルトを、一定量で放出するものであるべきである。一態様において、該押出機は、一軸スクリュウ押出機である。
本発明の組成物利点の一つは、上記成分が、低温にて低い硬化速度を有し、結果的に架橋前に該熱可塑性マトリックス中での、加硫ゴムの十分な混合並びに分散を可能とすることにある。特に、該熱可塑性成分および加硫ゴムが、混合されて、架橋を可能とすべく、温度を高める前に、高度の分散状態が達成される。該ゴム相のこの高度な分散状態は、耐熱性および耐衝撃性を高め、しかも諸特性の最適化を可能とする。得られる組成物は熱可塑性であるので、この組成物は、溶融加工性であり、熱成型性、かつリサイクル可能である。特に、得られる組成物は、該ゴム単独の場合に比して、一層熱可塑性であり、また該熱可塑性成分単独に比して、より一層高弾性であるという、有利な利点を持つ。
【0027】
一態様において、該ETPVは、ペレット状態で与えられ、また標準的な熱可塑性成型法で加工するのに適している。例えば、該ペレットの含水率は、好ましくは約0.1%未満である。一態様において、該ペレットの含水率は、約0.08%以下である。もう一つの態様において、該ペレットの含水率は、約0.05%以下である。特に、本発明の組成物が、射出成型法により成型される場合には、その最大含水率は、好ましくは約0.1%以下である。また、押出法を利用して、本発明の組成物を成型する場合には、該含水率は、好ましくは約0.05%以下、より好ましくは約0.4%以下、およびより一層好ましくは約0.3%以下である。
当業者は、ペレットの製法および生成するペレットの乾燥方法については認識しているであろう。例えば、バージンポリマーは、適当な乾燥機内で、約80℃にて約2〜3時間、上で論じた範囲内の含水率となるまで乾燥すべきである。
【0028】
組成物の諸特性
本発明の組成物は、好ましくは約180℃までの温度に耐えることができ、この温度は従来の熱可塑性エラストマーの耐熱温度よりも高い。一態様において、本発明の組成物は、好ましくは約170℃までの耐熱性を有する。もう一つの態様において、本発明の組成物は、約160℃までの耐熱性を有する。
更に、本発明の組成物の機械的抵抗性は、従来の熱可塑性エラストマーよりも改善されている。例えば、25℃における破断点機械的応力は、好ましくは少なくとも約20.7MPa(約3kpsi)、より好ましくは少なくとも約22.4MPa(3.25kpsi)およびより一層好ましくは少なくとも約24.1MPa(約3.5kpsi)である。該破断点機械的応力は、ISO 527に基いてテストされる。もう一つの態様において、23℃における該破断点機械的応力は、好ましくは少なくとも約3.45MPa(約0.5kpsi)、より好ましくは少なくとも約5.17MPa(約0.75kpsi)、およびより一層好ましくは少なくとも約5.86MPa(約0.85kpsi)である。もう一つの態様において、23℃における該破断点機械的応力は、約5.99MPa(約0.87kpsi)以上である。
【0029】
100℃における破断点機械的応力は、好ましくは少なくとも約0.69MPa(約0.1kpsi)、より好ましくは少なくとも約1.03MPa(約0.15kpsi)、およびより一層好ましくは少なくとも約1.38MPa(約0.2kpsi)である。一態様において、23℃における該破断点機械的応力は、約1.65MPa(約0.24kpsi)またはそれ以上である。該改善された機械的応力は、また150℃以上においても実現される。例えば、150℃以上における破断点機械的応力は、好ましくは約0.86MPa(約0.125kpsi)以上、より好ましくは約0.93MPa(約0.135kpsi)以上、およびより一層好ましくは少なくとも約1.00MPa(約0.145kpsi)以上である。
同様に、本発明の組成物の引張応力は、従来の熱可塑性エラストマーよりも改善されている。例えば、-25℃、10%/100%歪における引張応力は、ISO 527に従って測定した場合、約8.61/15.5MPa(約1.25/2.25kpsi)以上、好ましくは約9.30/17.2MPa(約1.35/2.5kpsi)以上、およびより好ましくは約10.0/18.9MPa(約1.45/2.75kpsi)以上である。一態様において、23℃、10%/100%歪における引張応力は、約0.861/1.72MPa(約0.125/0.25kpsi)以上、好ましくは約0.93/3.45MPa(約0.135/0.5kpsi)以上、およびより好ましくは約1.00/4.82MPa(約0.145/0.70kpsi)以上である。もう一つの態様において、100℃、10%歪における引張応力は、約0.172MPa(約0.025kpsi)以上、好ましくは約0.310MPa(約0.045kpsi)以上、およびより好ましくは約0.482MPa(約0.07kpsi)以上である。更に別の態様では、150℃における引張応力は、約0.069MPa(約0.01kpsi)以上、好ましくは約0.172MPa(約0.025kpsi)以上、およびより好ましくは約0.276MPa(約0.04kpsi)以上である。
【0030】
本発明の組成物の曲げ弾性率は、ISO 178に従って測定した場合、好ましくは約13.8MPa(約2.0kpsi)以上、好ましくは約18.9MPa(約2.75kpsi)以上、およびより好ましくは約22.4MPa(約3.25kpsi)以上である。一態様において、本発明の組成物の曲げ弾性率は、20℃において約24.1MPa(約3.5kpsi)以上、好ましくは約24.8MPa(約3.6 kpsi)以上である。もう一つの態様において、該曲げ弾性率は、23℃において、約10.3MPa(約1.5kpsi)以上、好ましくは約12.1MPa(約1.75kpsi)以上、およびより好ましくは約13.1MPa(約1.9kpsi)以上である。
本発明の組成物は、約50ショアA〜約60ショアDなる範囲の材料の硬さを持つ。一態様において、該材料の硬さは、約55ショアA〜約45ショアD(95ショアA)なる範囲にある。もう一つの態様において、該材料の硬さは、約55ショアA〜約75ショアAなる範囲にある。別の態様では、該ショアA硬さは、約58ショアA〜約68ショアAなる範囲にある。
本発明の組成物の比重は、約0.9〜約1.4なる範囲、好ましくは約1.0〜約1.3なる範囲、およびより好ましくは約1.1〜約1.25なる範囲にある。
【0031】
組成物ブレンド
本発明の組成物は、他の公知の材料とブレンドすることができる。例えば、一態様において、該組成物は、本発明の組成物を、約10%〜約90%なる範囲、好ましくは約10%〜約75%なる範囲で含み、および約90%〜約10%なる範囲、より好ましくは約90%〜約25%なる範囲の、以下に記載するような他のポリマーおよび/または他の材料を含む。ここで特に述べない限り、全ての%は、問題としているゴルフボールの層の、全組成物の質量を基準とする、質量%で与えられている。
本発明の組成物とブレンドするのに適した他のポリマー材料は、注型適正のある熱可塑性樹脂、カチオン性およびアニオン性ウレタンイオノマー(米国特許第5,692,974号に記載されているようなもの)、およびウレタンエポキシ樹脂(米国特許第5,908,358号に記載されているようなもの)、ポリウレタンイオノマー、ポリウレアイオノマー(米国特許第5,484,870号に記載されているようなもの)、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミドおよびポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリリン(polyacrylin)、シロキサンおよびエポキシ樹脂またはそのブレンド、およびこれらの混合物を包含する。当業者は、本発明の組成物とこれらポリマー材料とのブレンド法については、十分に認識しているであろう。上記特許の開示事項全体を、ここに参考として組入れる。
【0032】
ゴルフボールの構成
本発明の組成物は、任意の型のボール構成と共に使用することができる。例えば、本発明では、ワンピース、ツーピース、スリーピース、およびフォーピースゴルフボール設計を意図している。更に、二重コア、中間層、および/または二重カバーを持つゴルフボールも、本発明と共に利用するのに適している。当業者には公知の如く、製造されるゴルフボールの型、即ち二重コア、二重カバー等は、該ボールの所定の性能の型に依存する。ここで使用する用語「層」とは、ゴルフボールのあらゆる一般的に球状の部分、即ちゴルフボールコアまたは中心、中間層、および/またはゴルフボールカバーを包含する。ここで使用する用語「内側層」とは、該ゴルフボールの最も外側の構造層下部の、任意のゴルフボールの層を意味する。ここで使用する用語「構造層」とは、被覆層、トップコート、塗料層等を含まない。ここで使用する用語「多(重)層」とは、少なくとも2つの層を意味する。
【0033】
一態様において、本発明によるゴルフボール2は、(図1に示したように)コア4およびカバー6を含み、ここで該コア4およびカバー6の少なくとも一方には、本発明の組成物を含む少なくとも一つの層が組込まれている。同様に、図2は、中間層を組込んだ、本発明のゴルフボールを示す図である。ゴルフボール8は、コア10、カバー14、および該コア10と該カバー14との間に設けられた中間層12を含む。該コア10、カバー14、および中間層12の任意の一つには、本発明の組成物を含む少なくとも一つの層が組込まれている。図3は、大きなコア18、外側コア層、中間層、または内側カバー層20、および外側カバー層22を含む、本発明の多層ゴルフボール16を示す。該コア18、外側コア層、中間層、または内側カバー層20、および外側カバー層22の何れかは、本発明の組成物を含むことができる。図4は、本発明によるフォーピースゴルフボール24を示し、このボールは、コア26、外側コア層または中間層28、内側カバー層30、および外側カバー層32を含む。該コア26、外側コア層または中間層28、内側カバー層30、および外側カバー層32の何れかは、本発明の組成物を含むことができる。
【0034】
本発明において使用できるボール構成の適当な型の、その他の非限定例は、米国特許第6,056,842号、同第5,688,191号、同第5,713,801号、同第5,803,831号、同第5,885,172号、同第5,919,100号、同第5,965,669号、同第5,981,654号、同第5,981,658号および同第6,149,535号;並びに公開第US2001/0009310 A1号、同第US2002/0025862号、同第US2002/0028885号、同第US2002/0151380号に記載されているものを包含する。これら特許および公開特許出願の全開示事項を、ここに参考として組入れる。例えば、刊行物US2002/0151380号には、3またはそれ以上のカバー層を持つゴルフボールが開示されており、このゴルフボールの該層の任意のものは、本発明の組成物を使用して製造できる。更に、米国特許出願公開第US2001/0005699号に記載されているような、段階的に変動する硬さの勾配を持つ多層ゴルフボールの層において、本発明の組成物を使用することを意図する。この特許出願の開示事項全体を、参考としてここに組入れる。
既に論じたように、本発明のゴルフボールは、少なくとも一つの構造層を含み、この層は、本発明の組成物を含む。また、以下において更に詳しく論じるように、本発明のゴルフボールは、当業者には公知の材料から製造した、コア層、中間層、またはカバー層を含むことができる。これらの例は、網羅的なものではなく、当業者が認識しているように、様々な材料を使用して、所定の性能特性を持つ、本発明のゴルフボールを製造することができる。
【0035】
コア層
本発明によって作られるゴルフボールのコアは、中実(固体)、半-固体、中空、流体-充填、または粉末-充填式であり得るが、好ましくは中実であり、また本発明の組成物から製造される。ここで使用する用語「コア」とは、ゴルフボールの最も内側の部分を意味し、また1またはそれ以上の層を含むことができる。例えば、米国特許第6,180,040号および同第6,180,722号は、二重コア構成のゴルフボールの製法を記載している。これら特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。ここで使用する用語「半-固体」とは、ペースト、ゲル等を意味する。本発明のゴルフボールの該コアは、球状、立方体形状、ピラミッド-形状、ジオデシックドーム(geodesic)形状、または任意の3-次元、対称形状であり得る。
本発明のコアは、本発明の組成物によって製造できるが、公知の材料を使用して、該コアを製造することも可能である。適当なコア材料は、熱硬化性材料、例えばゴム、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ポリイソプレン、trans-イソプレン、およびポリウレタン、および熱可塑性材料、例えば公知のイオノマー樹脂、ポリアミド、ポリエステル、およびポリウレタンを含むが、これらに限定されない。一態様において、該コアの少なくとも一つの層は、ポリブタジエン反応生成物、例えば米国特許出願公開第2003/0119989号に記載されている反応生成物から製造することができる。この刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
【0036】
該コアは、また1またはそれ以上の糸巻き層(流体または固体中心を取巻く)を含むことができ、これは、該中心の回りに巻き付けられ、張力が掛けられた、少なくとも一つのエラストマー材料を含む。一態様において、該張力が掛けられた、エラストマー材料は、天然または合成エラストマーまたはこれらのブレンドを含み、そこで該合成エラストマーは、好ましくはLYCRAを含む。該張力が掛けられた、エラストマー材料は、また同時-継続中の米国特許出願公開第2003/0119989号、同第2003/0096936号および米国特許第6,149,535号に記載されているような、公知のポリイソプレン、ポリブタジエン反応生成物、ポリウレア組成物、および/または溶媒紡糸ポリエーテルウレアを配合することができる。これら刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
本発明のもう一つの局面において、本発明の組成物は、薄い、高度に充填されたコア層、例えば米国特許第6,494,795号に記載されているものを含む。この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。薄い、高度に充填されたコア層は、該ゴルフボールの重量または質量を、重心に関して動径方向に配分し、結果として該ボールの慣性モーメントを指定することを可能とする。該質量が、重心に向けて動径方向に配分された場合、該慣性モーメントは減少し、また該質量が、重心から離れるように配分された場合には、該慣性モーメントは増大する。
【0037】
中間層
ここで使用する用語「中間層」とは、該ゴルフボールの最も内側の層と、該ゴルフボールの最も外側の層との間の任意の層を含む。従って、該中間層は、また外側コア層、内側コア層等とも呼ぶことができる。本発明のゴルフボールが、中間層を含む場合、この層は、本発明の組成物から製造することができる。
該中間層は、また様々な熱硬化性および熱可塑性材料並びにこれらのブレンドを包含する、当業者には公知の材料で製造することも可能である。例えば、該中間層は、少なくとも部分的に、1種またはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマー材料、例えばビニル樹脂、低および高酸性イオノマー樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、アクリル樹脂、オレフィン系熱可塑性ゴム、スチレンとブタジエンとのブロックコポリマー、イソプレンまたはエチレン-ブチレンゴム、コポリ(エーテルアミド)、ポリフェニレンオキシド樹脂、熱可塑性ポリエステル、エチレン、プロピレン、1-ブテンまたは1-ヘキセンを主成分とするホモポリマーまたはコポリマー等から製造することができる。
【0038】
該中間層は、また高度に中和されたポリマー、例えば米国特許出願公開第2001/0018375号および同第2001/0019971号に記載されているもの(これら刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる);グラフト化されたおよびグラフト化されていない、メタロセン触媒によるポリオレフィンおよびポリアミド、ポリアミド/イオノマーブレンド、およびポリアミド/非-イオノマーブレンド、例えば米国特許出願公開第2003/0078348号に記載されているもの(この刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる);その他のポリマーから製造することができる。他の適当な中間層用材料の例は、上記材料の幾つかを含むブレンド、例えば米国特許第5,688,181号(この刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されているものを包含する。
該中間層は、また水分遮断層、例えば米国特許第5,820,488号(この刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されているものであってもよい。
【0039】
カバー層
該カバーは、該ボールとクラブとの間に界面を与える。ここで使用する用語「カバー」とは、ゴルフボール最も外側の部分を意味する。カバーは、典型的に少なくとも一つの層を含み、またディンプルおよび/またはリッジ等の窪みを含むことができる。塗料および/または積層体が、典型的に該カバーの回りに設けられて、ゴルフボールの使用中これを保護する。該カバーは、複数の層、例えばゴルフボール中心の回りに配置された内側カバー層およびその上に形成される外側カバー層を含むことができる。
内側および外側カバー層は、本発明の組成物から製造することができる。あるいはまた、本発明のゴルフボールの該内側および外側カバー層両者は、同時-継続中の米国特許出願公開第2003/0096936号および同第2003/0212240号に記載されているように、ポリウレア、ポリウレタン、またはこれらの混合物から作ることができる。これら刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
【0040】
更に、カバー層は、また1種またはそれ以上の、ホモポリマーまたはコポリマー材料、例えばビニル樹脂、ポリオレフィン、公知のポリウレタンおよびポリウレア、例えば米国特許第5,334,673号および同第5,484,870号に記載されているもの;ポリアミド、アクリル樹脂およびこれら樹脂とポリ塩化ビニル、エラストマー等とのブレンド、熱可塑性ウレタン、オレフィン系熱可塑性ゴム、スチレンとブタジエンとのブロックコポリマー、ポリフェニレンオキシド樹脂またはポリフェニレンオキシドと高耐衝撃性ポリスチレンとのブレンド、熱可塑性ポリエステル、官能性モノマーを含む、エチレン、プロピレン、1-ブテンまたは1-ヘキセンを主成分とするホモポリマーまたはコポリマー、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマーまたはコポリマー、低酸性イオノマー、高酸性イオノマー、高度に中和されたイオノマー、アロイまたはこれらの混合物から製造することができる。該カバーは、また少なくとも部分的に、米国特許出願公開第2003/0119989号に開示されているようなポリブタジエン反応生成物から製造することができる。
【0041】
本発明のゴルフボールのコアに関連して上で議論したように、薄い、高度に充填された層の使用は、該ゴルフボールの重量または質量を、重心に関して動径方向に配分し、結果として該ボールの慣性モーメントを指定することを可能とする。この概念は、ゴルフボールのカバー層について言い換えることができる。従って、該内側カバー層を、薄い高密度の層として、慣性モーメントの高いボールを製造することができる。本発明のこの局面において、該内側カバー層は、好ましくは1.2を越え、より好ましくは1.5を越え、より一層好ましくは1.8を越え、また最も好ましくは2.0を越える比重を持つ。該薄い高密度の層に適した材料は、上記の比重に関する要件を満たす任意の材料を含む。例えば、この薄い、高度に充填された内側カバー層は、本発明の放射線硬化性組成物から製造して、必要な比重を調節することができる。あるいはまた、該内側カバー層は、エポキシ樹脂、スチレン化ポリエステルポリウレタンまたはポリウレア、液状PBR、シリコーン、シリケートゲル、寒天ゲル等から作ることができる。
【0042】
追加の材料を、上で概説した、該コア、中間層、および/またはカバー層用の組成物中に含めることができる。例えば、触媒、着色剤、蛍光増白剤、架橋剤、TiO2およびZnO等の白色体質顔料、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定化剤、消泡剤、加工助剤、界面活性剤、および他の公知の添加剤を、本発明のカバー層用の組成物に添加することができる。更に、酸化防止剤、安定化剤、柔軟剤、内部および外部可塑剤を包含する可塑剤、耐衝撃性改良剤、発泡剤、密度-調節フィラー、強化材料、および相溶化剤を、該カバー層用の組成物の何れかに添加することもできる。当業者は、特定の添加剤の利点を実現するための、各型の添加剤に関する必要量については、認識しているはずである。
ゴルフボール成分の製造方法
本発明のゴルフボールは、特定の成分について使用される材料に依存して、圧縮成型法、フリップ成型法、射出成型法、格納式ピン射出成型法、反応射出成型(RIM)法、強化反応射出成型(RRIM)法、格納式ピン射出成型(RPIM)法、注入成型法、真空成型法、粉末塗布法、フローコーティング法、回転塗布法、浸漬法、噴霧法等の、様々な適用法を用いて製造できる。例えば、本発明の組成物は、特に射出成型および押出用途において有用である。従って、本発明の組成物を含むゴルフボール成分は、射出成型法等によって製造できる。
【0043】
しかし、当業者は、使用する成型法は、少なくとも部分的には、特定のゴルフボール成分を形成するために用いられる該組成物の諸特性によって、決定することができる。例えば、注入成型またはRIMは、該材料が熱硬化性である場合に好ましい方法であり得、一方圧縮成型または射出成型法は、熱可塑性組成物に対して好ましい方法であり得る。しかし、圧縮成型法は、熱硬化性の内側ボール材料に対して利用することも可能である。例えば、コアを熱硬化性の材料で製造する場合、圧縮成型法は、該コアを形成するための、特に適した方法であるが、該コアが、熱可塑性材料で作られている場合には、該コアは、射出成型することができる。更に、該中間層も、当業者には公知の任意の適当な方法を用いて、製造できる。例えば、中間層は、吹込成型法によって製造し、射出成型法、圧縮成型法、注入成型法、真空成型法、粉末塗布法等によって形成された、ディンプルのあるカバー層で覆うことができる。
本発明の組成物は、従来の熱可塑性エラストマーを越えて、改善された耐熱性を持つことから、高温加工性材料を、ETPVを含有する組成物から製造した層の上に、成型により設けることができる。例えば、中間層を、本発明の組成物で作成した場合には、該中間層において使用される従来の熱可塑性エラストマーおよびイオノマーの低い耐熱性のために、通常は使用することのできない、RPIM、RIM、または他の高温加工性材料を使用して、該中間層の上に、カバー層を設けることができる。
【0044】
本発明のゴルフボールの任意の内側層を、カバーの形成に先立って、表面処理に付して、該内側ボールの外部表面と、該カバーとの間の接着性を更に高めることができる。更に、本発明のゴルフボールの最も外側のカバーは、任意の被覆層の適用に先立って、表面処理に付すことができる。このような表面処理は、このサブアセンブリーの外側表面を、機械的または化学的に摩損させる工程を含むことができる。更に、該内側ボールは、その回りにカバーを形成する前に、コロナ放電、プラズマ処理、および/またはシラン浸漬処理に掛けることができる。該ボールの他の層、例えば該コアも、表面処理に付すことができる。これらおよび他の表面処理法の例は、米国特許第6,315,915号に見出すことができる。この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
本発明のゴルフボール成分を製造するために、ここで論じた方法および他の製造方法は、また米国特許第6,207,784号および同第5,484,870号にも記載されている。これら特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
【0045】
ディンプル
本発明のゴルフボールは、好ましくは幾分かの飛翔特性を念頭に設計されている。様々ナディンプルパターンおよびプロフィールの使用は、ゴルフボールの空気力学的な特徴を変更するのに比較的効果的な方法を与える。故に、該ボールの表面上に該ディンプルを配列する方法は、任意の利用可能な方法であり得る。例えば、該ボールは、例えば米国特許第4,560,168号に記載されているような、正二十面体を基本とするパターン、または米国特許第4,960,281号に記載されているような、八面体を基本とするパターンを持つことができる。あるいはまた、該ディンプルパターンは、米国特許第6,338,684号に記載されているような葉序パターン、または米国特許第6,290,615号に記載されているようなもの等の管状格子パターンに従って配置することも可能である。これら特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
【0046】
ディンプルパターンは、また切頭形八面体、大きなロンブキュブオクタヘドロン(rhombcuboctahedron)、切頭形十二面体、および大きなロンビコシドデカヘドロン(rhombicosidodecahedron)を包含する、アルキメデスパターンを基本とするものであり得、該パターンは、米国特許出願第10/078,417号に記載されているような、非線形の分離線を持つ。この刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる。本発明のゴルフボールは、また米国特許第6,409,615号に記載されているような、非-円形の形状をもつディンプル、即ち無定形の形状のディンプルで覆われていてもよい。この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
高率での表面被覆率を持つディンプルパターンが好ましく、また当分野において周知である。例えば、米国特許第5,562,552号、同第5,575,477号、同第5,957,787号、同第5,249,804号および同第4,925,193号は、ゴルフボール上にディンプルを配置するための幾何学的なパターンを開示している。一態様において、本発明のゴルフボールは、少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約65%、およびより好ましくは少なくとも約70%あるいはそれ以上の、表面積の、ディンプル被覆率を有する。より一層高いディンプル被覆率値を持つディンプルパターンも、本発明について使用することができる。従って、本発明のゴルフボールは、少なくとも約75%またはそれ以上、約80%またはそれ以上、あるいは更に約85%またはそれ以上の、ディンプル被覆率値を持つことができる。
【0047】
本発明のゴルフボールは、また米国特許第6,383,092号に記載されているように、該ボールの中間層上に配置された複数のピラミッド型の突出部を持つことができる。この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。該ゴルフボール上の該複数のピラミッド型突出部は、該中間層の約20〜約80%なる範囲の表面を覆うことができる。もう一つの態様において、該ゴルフボールは、非-平坦型の分離線を有し、これは、該複数のピラミッド型突出部の幾分かを、赤道部分に配置することを可能とする。
様々なサイズのディンプルを持つディンプルパターンの、幾つかの非-限定的な追加の例が、同様に米国特許第6,358,161号および同第6,213,898号に与えられている。これら特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
【0048】
該ボール上の全ディンプル数、あるいはディンプル数は、該ディンプルのサイズおよび選択されたパターン等の因子に依存して変動し得る。一般に、該ボール上の全ディンプル数は、好ましくは約100〜約1000ディンプルなる範囲にあるが、当業者は、この範囲内でディンプル数を変えることは、該ボールの飛翔特性を大幅に変更できることを認識するであろう。一態様において、該ディンプル数は、約380ディンプルまたはそれ以上、より好ましくは約400ディンプルまたはそれ以上、およびより一層好ましくは約420ディンプルまたはそれ以上である。一態様において、該ボール上のディンプル数は、約422ディンプルである。幾つかの場合において、該ボール上でのより低いディンプル数を持つことが望ましい可能性がある。従って、本発明の一態様においては、約380ディンプル以下のディンプル数を有し、またより好ましくは、該ディンプル数は、約350ディンプル以下である。
対称軸の回りのカテナリー曲線で回転するディンプルプロフィールは、空気力学的な効率を高め、該ディンプルパターンを変えることなく、ボール性能を調節するために、ディンプルを変更する便利な方法を与え、またあらゆるスイングスピードのゴルファーにとって均一に増大する飛距離をもたらす。従って、米国特許出願第2003/0114255号に記載されているような(この刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる)、カテナリー曲線のディンプルパターンを、本発明のゴルフボールについて使用することが意図されている。
【0049】
ゴルフボールの後処理
本発明のゴルフボールは、更なる利益を得るために、塗装され、被覆され、または表面処理される。例えば、本発明のゴルフボールは、下塗樹脂塗料組成物で処理することができ、あるいはカバー組成物は、所定の色彩特性を与えるために、幾つかの添加物を含むことができる。一態様において、該ゴルフボールカバー組成物は、改善された耐候性および光沢を与える目的で、蛍光性の白色体質顔料を含むことができる。このような蛍光性の白色体質顔料の例は、米国特許出願第2002/0082358号に記載されている(この刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる)。
保護並びに装飾用の被覆、並びにこのような材料をゴルフボールカバーの表面に適用する方法は、当ゴルフボールの技術分野においては周知である。一般に、このような被覆材料は、ウレタン、ウレタンハイブリッド、エポキシ樹脂、ポリエステルおよびアクリル樹脂を含む。望ましい場合には、2層以上の被覆層を使用することができる。該被覆層は、任意の適当な当業者には公知の方法で適用できる。例えば、該被覆層は、金型内での被覆法、例えば米国特許第5,849,168号(この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されている方法によって、該ゴルフボールカバーに適用することができる。該被覆層は、約0.10mm(約0.004 in)以下、より好ましくは約0.051mm(約0.002 in)以下の厚みを持つことができる。
【0050】
更に、本発明のゴルフボールは、米国特許第6,500,495号、同第6,248,804号、および同第6,099,415号(これら特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されているような方法並びに材料を用いて、紫外線硬化性/処理性インクで、塗装し、あるいは被覆することができる。
更に、商標または他の証印等を、該ゴルフボールカバーの表面上に、刻印、即ちパッド-印刷し、またこの刻印した外側表面を、次に少なくとも1種の透明コートで処理して、該ボールに光沢のある仕上げを付与し、また該カバー上に刻印した証印を保護することができる。
本発明のゴルフボールは、また染料昇華処理に付すことができ、ここでは、少なくとも1種のゴルフボール成分が、該外側表面のある深さまで移動して、証印を形成する、少なくとも1種の昇華性インクによる処理に付される。この少なくとも1種の昇華性インクは、好ましくは、米国特許出願第2003/0106442号(この刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されている、アゾ染料、ニトロアリールアミン染料、またはアンスラキノン染料の少なくとも1種を含む。
レーザー光による照射部分に色彩の変化を生じる、選択されたゴルフボール部分のレーザーマーキングも、本発明と共に利用することを意図している。米国特許第5,248,878号および同第6,075,223号は、一般にこのような方法を開示しており、これら特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。更に、該ゴルフボールは、消摩処理、即ちレーザー輻射ビームを、該カバーの一部に当て、該カバー部分を照射することができ、ここで該照射されたカバー部分は、消摩されて、検知可能なマークを形成し、これから該カバー部分の大幅な退色がもたらされることはない。消摩処理は、米国特許第6,462,3030号で議論されている。この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
【0051】
ゴルフボールの特性
本発明のゴルフボールの諸特性、例えば硬さ、モジュラス、コア径、および層の厚みは、本発明のゴルフボールの競技特性、例えばスピン、初期速度、および感触に影響を与えることが分かっている。例えば、該中間層の曲げ弾性率および/または引張弾性率は、本発明のゴルフボールの「感触」に影響を与えるものと考えられている。ここにおいて、範囲は相互に入り混じり、即ち一つの範囲の下端部は、他の範囲の上端部と結合できるものと理解すべきである。
成分の大きさ
ゴルフボール成分の大きさ、即ち厚みおよび径は、所定の特性に応じて変えることができる。本発明の目的にとって、任意の層の厚みを使用できる。上で概説した様々な態様の非-限定例を、層の大きさに関連してここに与える。
【0052】
本発明は、任意サイズのゴルフボールに関する。USGAの規格は、競技用ゴルフボールのサイズを、約4.27cm(1.68in)を越える径に制限しているが、レジャーゴルフ競技については任意サイズのゴルフボールが使用できる。ゴルフボールの好ましい径は、約4.27cm〜約4.57cm(約1.68〜約1.8in)なる範囲にある。より好ましい径は、約4.27cm〜約4.47cm(約1.68〜約1.76in)なる範囲にある。約4.27cm〜約4.42cm(約1.68〜約1.74in)なる範囲の径が、最も好ましい。しかし、約4.32cm〜約4.95cm(約1.7〜約1.95in)なる範囲内の任意の径を使用することができる。好ましくは、該コアおよび全中間層の全体としての径は、最終的なボールの全体としての径の約80〜約98%なる範囲にある。
該コアは、約0.229〜約4.19cm(約0.09〜約1.65in)なる範囲内の径を持つことができる。一態様において、本発明のコアの径は、約3.05〜約4.140cm(約1.2〜約1.630in) なる範囲にある。もう一つの態様において、該コアの径は、約3.30〜約4.06cm(約1.3〜約1.6in)なる範囲、好ましくは約3.53〜約4.06cm(約1.39〜約1.6in)およびより好ましくは約3.81〜約4.06cm(約1.5〜約1.6in)なる範囲にある。更に別の態様では、該コアは、約3.94〜約4.19cm(約1.55〜約1.65in)なる範囲にある。
該ゴルフボールコアは、また該ボールの残りに対して著しく大きくてもよく、例えば、一態様において、該コアは該ボールの約90〜約98%を占め、好ましくは該ボールの約94〜約96%を占める。この態様において、好ましくは、該コアの径は約3.91cm(約1.54in)以上であり、また好ましくは約3.94cm(約1.55in)以上である。一態様において、該コア径は、約4.04cm(約1.59in)以上である。もう一つの態様において、該コア径は、約4.17cm(約1.64in)以下である。
【0053】
該コアが、内側コア層および外側コア層を含む場合、該内側コア層は、好ましくは約2.29cm(約0.9in)以上であり、また該外側コア層は、好ましくは約0.254cm(約0.1in)以上の厚みを有する。一態様において、該内側コア層は、約0.229〜約3.05cm(0.09約〜約1.2in)なる範囲の径を有し、また該外側コア層は、約0.254〜約2.03cm(0.1約〜約0.8in)なる範囲の径を有する。更に別の態様では、該内側コア層は、約0.241〜約2.79cm(0.095約〜約1.1in)なる範囲の径を有し、また該外側コア層の厚みは、約0.508〜約0.076cm(0.20約〜約0.03in)なる範囲にある。
該カバーは、典型的に十分な強度、良好な性能特性、および耐久性を与える厚みを持つ。該外側カバー層の厚みは、約0.0127〜約0.254cm(約0.005〜約0.100in)なる範囲、好ましくは約0.0178〜約0.089cm(約0.007〜約0.035in)なる範囲にある。一態様において、該カバーの厚みは、約0.0508〜0.889cm(約0.02〜約0.35in)なる範囲にある。もう一つの態様において、該カバーは、好ましくは約0.0508〜0.305cm(約0.02〜約0.12in)なる範囲、好ましくは約0.254cm(約0.1in)以下、より好ましくは約0.178cm(約0.07in) 以下である。更に別の態様では、該外側カバー層は、約0.0508〜約0.178cm(約0.02〜約0.07in)なる範囲の厚みを持つ。更なる態様において、該カバーの厚みは、約0.127cm(0.05in)以下、好ましくは約0.0508〜0.127cm(約0.02〜約0.05in)なる範囲にある。例えば、該外側カバー層は、約0.0508〜0.114cm(約0.02〜約0.045in)なる範囲、好ましくは約0.0635〜0.102cm(約0.025〜約0.04in)なる範囲の厚みを持つ。一態様において、該外側カバー層の厚みは、約0.0762cm(約0.03in)である。
【0054】
ゴルフボール中間層に関する厚みの範囲は、中間層を使用した際の、即ち外側コア層、内側カバー層、糸巻き層、水分/蒸気遮断層として使用した際の、多大な可能性の故に、極めて大きい。本発明のゴルフボールにおいて使用した場合、該中間層、または内側カバー層は、約0.762cm(約0.3in)以下の厚みを持つことができる。一態様において、該中間層の厚みは、約0.00508〜0.254cm(約0.002〜約0.1in)なる範囲、好ましくは約0.0254cm(約0.01in)以上である。一態様において、該中間層の厚みは、約0.0229cm(約0.09in)以下、好ましくは約0.152cm(約0.06in)以下である。もう一つの態様において、該中間層の厚みは、約0.127cm(約0.05in)以下、より好ましくは約0.0254〜0.114cm(約0.01〜約0.045in)なる範囲にある。一態様において、該中間層の厚みは、約0.0508〜0.102cm(約0.02〜約0.04in)なる範囲にある。他の態様では、該中間層の厚みは、約0.0635〜0.0889cm(約0.025〜約0.035in)なる範囲にある。更に別の態様では、該中間層の厚みは、約0.089cm(約0.035in)である。更に他の態様では、該内側カバー層は、約0.0762〜0.089cm(約0.03〜約0.035in)なる範囲にある。該中間層および外側カバー層の厚みに関する範囲の様々な組み合わせは、本明細書に記載する他の態様との組合せで使用することができる。
好ましくは、中間層の厚み対該外側カバー層の厚みの比は、約10以下、好ましくは約3以下である。別の態様では、該中間層の厚み対該外側カバー層の厚みの比は、約1以下である。
【0055】
硬さ
多くのゴルフボールは、所定の性能特性を獲得するために、様々な硬さ、例えば硬さの勾配を持つ層からなる。本発明は、層間で硬さの勾配を持つゴルフボール、並びに同一の硬さを持つ層を有するこれらゴルフボールを意図している。
「材料の硬さ」と「ゴルフボールについて直接測定した硬さ」との間には基本的な差異があることを、特に当業者は理解すべきである。材料の硬さは、ASTM-D2240に示されている手順によって定義されており、また一般には硬さを測定すべき、平坦な「スラブ」または「ボタン」形状にある該材料の硬さを測定することを含む。ゴルフボール(またの球状の表面)について直接測定した場合の硬さは、全く異なる測定値であり、また結果的に異なる硬さの値をもたらす。この差は、ボールの構成(即ち、コアの型、コアおよび/またはカバー層の数等)、ボール(または球)の径、隣接層の材料組成を包含するがこれらに限定されない、多くの因子のためにもたらされる。これら2つの測定技術は、線形関係を持たず、また結果的に一方の硬さの値は、容易に他方の硬さ値と、相互に関連付けることはできない。
【0056】
本発明の該コアは、特定のゴルフボールの構成に依存して様々な硬さを持つことができる。一態様において、該コアの硬さは、形成された球に付き測定した値として、少なくとも約15ショアA、好ましくは約30ショアAである。一態様において、該コアは、約50ショアA〜約90ショアDなる範囲の硬さを持つ。更に別の態様では、該コアの硬さは約80ショアD以下である。好ましくは、該コアは、約30〜約65ショアDなる範囲の硬さを持ち、およびより好ましくは該コアは、約35〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ。
本発明の中間層も、該ボールの特定の構成に依存して、硬さにおける変化を示すことができる。一態様において、該中間層の固さは、約30ショアD以上である。もう一つの態様において、該中間層の固さは、約90ショアD以下、好ましくは約80ショアD以下、およびより好ましくは約70ショアD以下である。更に別の態様では、該中間層の固さは、約50ショアD以上、好ましくは約55ショアD以上である。一態様において、該中間層の固さは、約55ショアD〜約65ショアDなる範囲にある。該中間層の固さは、また約65ショアD以上であってもよい。
該中間層を、該コア層よりも固くしたい場合には、該中間層の固さ対該コアの硬さの比は、約2以下である。一態様において、この比は、約1.8以下である。更に別の態様では、この比は、約1.3以下である。
【0057】
該コアおよび中間層同様に、該カバーの硬さは、該ゴルフボールの構成および所定の特性に依存して変えることができる。該カバーの硬さ対内側ボールの硬さの比は、ボールの空気力学特性、特にボールのスピンを調節するために使用される主な変数である。一般に、内側ボールが硬いほど、ドライバーによるスピンが大きくなり、また該カバーが柔軟であるほど、該ドライバーによるスピンは大きくなる。
例えば、該中間層を、該ボールにおいて最も硬い、例えば約50ショアD〜約75ショアDを持つ点としたい場合には、該カバー材料は、該材料のスラブについて測定した値として、約20ショアD以上、好ましくは約25ショアD以上、およびより好ましくは約30ショアD以上を持つことができる。もう一つの態様において、該カバー自体は、約30ショアD以上の硬さを持つ。特に、該カバーの硬さは、約30ショアD〜約70ショアDなる範囲の値であり得る。一態様において、該カバーは、約40ショアD〜約65ショアDなる範囲の硬さを持ち、またもう一つの態様においては、約40ショアD〜約55ショアDなる範囲の硬さを持つ。本発明のもう一つの局面において、該カバーは、約45ショアD未満、好ましくは約40ショアD未満、およびより好ましくは約25ショアD〜約40ショアDなる範囲の固さを持つ。一態様において、該カバーは、約30ショアD〜約40ショアDなる範囲の固さを持つ。
【0058】
この態様において、該外側カバー層が、該中間層または内側カバー層よりも柔軟である場合には、該外側カバー層材料の硬さ対該中間層材料の硬さの比は、約0.8以下、好ましくは約0.75以下、より好ましくは0.7以下である。もう一つの態様において、この比は約0.5以下、好ましくは約0.45以下である。
更に別の態様では、この比は、該カバーおよび中間層材料が、実質的に同一の硬さを持つ場合には、約0.1以下である。該カバー層と、該中間層との間の固さの差を、大きくすることを意図していない場合には、該カバーは、約55ショアD〜約65ショアDなる範囲の固さを持つことができる。この態様において、該外側カバー対該中間層のショアD固さの比は、約1.0以下、好ましくは約0.9以下である。
もう一つの態様において、該カバー層は該中間層よりも固い。この設計において、該カバー対該中間層のショアD固さの比は、約1.33以下、好ましくは約1.14以下である。
更に、本発明は、また本発明の組成物を、本質的に同一の硬さの、多数のカバー層を持つ、ゴルフボールにおいて使用することを意図しており、ここで該層の少なくとも一つは、ある方法により、該ボールの性能に影響を与えるある特性を変更するように改良されている。このようなボール構成は、同時継続中の、2002年6月13日付けで出願された、「多重カバー層を持つゴルフボール(Golf Ball with Multiple Cover Layers)」と題する、米国特許出願第10/167,744号に記載されている。この刊行物の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
【0059】
圧縮
圧縮率値は、測定すべき構成部品の径に依存する。アッチ圧縮率は、典型的にゴルフボールの圧縮率を測定するために使用される。ここで使用する用語「アッチ圧縮率」とは、アッチ圧縮率ゲージを用いて測定された、較正されたバネの撓みに対する、ある対象または物質の撓みとして定義される。該アッチ圧縮率ゲージは、NJ州、ユニオンシティーのアッチエンジニアリング社(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手できる。
本発明に従って作られるゴルフボールの該コア、またはその一部のアッチ圧縮率は、好ましくは約80未満、より好ましくは約75未満である。もう一つの態様において、該コアの圧縮率は、約40〜約80なる範囲、好ましくは約50〜約70なる範囲内にある。更に別の態様では、該コアの圧縮率は、好ましくは約50以下、およびより好ましくは約25以下である。別の低圧縮率の態様では、該コアは、約20未満、より好ましくは約10未満、および最も好ましくは0なる圧縮率を持つ。しかし、当業者には公知の如く、本発明により製造した該コアは、該アッチ圧縮率ゲージの測定値以下であってもよい。
一態様において、本発明のゴルフボールは、好ましくは約55以上、好ましくは約60〜約120なる範囲のアッチ圧縮率を持つ。もう一つの態様において、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、少なくとも約40、好ましくは約50〜120なる範囲、およびより好ましくは約60〜100なる範囲内にある。更に別の態様では、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、約75以上、かつ約95以下である。例えば、本発明の好ましいゴルフボールは、約80〜約95なる範囲の圧縮率を持つことができる。
【0060】
初期速度およびCOR
ゴルフボールのCORに関する制限は、USGAにおいて、これまでは存在しなかったが、該ゴルフボールの初期速度は、約76.3±1.53m(250±5フィート/秒(ft/s))を越えることはできない。従って、一態様において、該初期速度は、約74.7m/s(250ft/s)以上かつ約77.8m/s(255ft/s)以上である。もう一つの態様において、該初期速度は、約76.3m/s(250ft/s)以上である。一態様において、該初期速度は、約77.2m/s(253ft/s)〜約77.5m/s(254ft/s)なる範囲にある。更に別の態様では、該初期速度は、約77.8m/s(255ft/s)である。初期速度に関する一般的な規則は、ゴルフボールの製造業者等が、この範囲内に留まることを要求するが、当業者は、本発明のゴルフボールが、この範囲外の初期速度を持つゴルフボールに、容易に変換されることを理解するであろう。例えば、本発明のゴルフボールは、約67.1m/s(220ft/s)以上、好ましくは約68.6m/s(225ft/s)以上を持つように設計することができる。
【0061】
USGAによって提示された、該初期速度の制限の結果として、目標は、該約77.8m/s(255ft/s)という限界を犯すことなしに、CORを最大にすることである。ボールのCORは、外向きのまたは跳ね返り速度対内向きのまたは到達速度の比をとることによって求められる。ワンピース型の中実ゴルフボールにおいて、該CORは、該ボールの、組成および硬さを含む、様々な特性に依存するであろう。与えられた組成に対して、CORは、一般に硬さが大きくなるにつれて、増大する。ツーピース型の中実ゴルフボール、例えばコアおよびカバーにおいて、該カバーの目的の一つは、該コアの値を超える、CORにおける利得を得ることにある。高いCORに対するコアの寄与が大きなものである場合、カバーからの寄与はそれ程必要とされない。同様に、該カバーが該ボールの高いCORに対して実質的に寄与する場合、より小さなコアからの寄与が必要とされる。
本発明は、約38.1m/s(125ft/s)なる到達速度において、約0.700〜約0.850なる範囲のCOR値を持つゴルフボールを目的とする。一態様において、該CORは、約0.750以上、好ましくは約0.780以上である。もう一つの態様において、該ボールは、約0.800以上のCORを持つ。更に別の態様では、本発明のゴルフボールの該CORは、約0.800〜約0.815なる範囲内にある。
【0062】
スピン速度
当業者には公知の如く、ゴルフボールのスピン速度は、該ゴルフボールの構成に依存して、変動するであろう。多層ボール、例えばコア、中間層、および本発明の組成物で形成されたカバーを含むボールにおいて、ドライバーショットによるボールのスピン速度(ドライバースピン速度)は、1,500rpm以上であり得る。一態様において、該ドライバースピン速度は、約2,000〜約3,500rpmなる範囲内にある。別の態様では、該ドライバースピン速度は、約2,200〜約3,400rpmなる範囲内にある。更に別の態様では、該ドライバースピン速度は、約1,500rpm未満であり得る。
本発明に従って製造した、ツーピースボールも、約1,500rpm以上のドライバースピン速度を持つことができる。一態様において、該ドライバースピン速度は、約2,000〜約3,300rpmなる範囲内にある。本発明に従って製造した、糸巻きボールは、好ましくは同様なスピン速度を持つ。
該スピン速度を測定する方法は、当業者には十分に理解されているはずである。該スピン速度を測定する方法の例は、米国特許第6,500,073号、同第6,488,591号、同第6,286,364号、および同第6,241,622号に記載されている。これら特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
【0063】
曲げ弾性率
従って、本発明のゴルフボールは、ASTM D-6272-98により測定した、約3.45MPa(約500psi)〜約3445MPa(約500,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つことが好ましい。より好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約6.89MPa(約1,000psi)〜約1723MPa(約250,000psi)なる範囲内にある。最も好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約13.8MPa(約2,000psi)〜約1378MPa(約200,000psi)なる範囲内にある。
該カバー層の曲げ弾性率は、好ましくは約13.8MPa(約2,000psi)以上、およびより好ましくは約34.45MPa(約5,000psi)以上である。一態様において、該カバー層の曲げ弾性率は、約68.9MPa(約10,000psi)〜約1034MPa(約150,000psi)なる範囲内にある。より好ましくは、該カバー層の曲げ弾性率は、約103.4MPa(約15,000psi)〜約826.8MPa(約120,000psi)なる範囲内にある。最も好ましくは、該カバー層の曲げ弾性率は、約124.0MPa(約18,000psi)〜約757.9MPa(約110,000psi)なる範囲内にある。他の態様では、該カバー層の曲げ弾性率は、約689MPa(約100,000psi)以下、好ましくは約551.2MPa(約80,000psi)以下、およびより好ましくは約482.3MPa(約70,000psi)以下である。例えば、該カバー層の曲げ弾性率は、約68.9MPa(約10,000psi)〜約482.3MPa(約70,000psi)なる範囲、約82.7MPa(約12,000psi)〜約413.4MPa(約60,000psi)なる範囲、あるいは約96.5MPa(約14,000psi)〜約344.5MPa(約50,000psi)なる範囲内にある。
一態様において、該カバー層が、約50ショアD〜約60ショアD硬さを持つ場合、該カバー層は、好ましくは約379MPa(約55,000psi)〜約447.9MPa(約65,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を有する。
【0064】
一態様において、該中間層の曲げ弾性率対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.003〜約50なる範囲にある。もう一つの態様において、該中間層の曲げ弾性率対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.006〜約4.5なる範囲にある。更に別の態様では、該中間層の曲げ弾性率対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.11〜約4.5なる範囲にある。
一態様において、本発明の組成物は、本質的に同一の硬さを持つが、曲げ弾性率において異なる多重カバー層を持つゴルフボールにおいて使用される。本発明のこの局面において、該2つのカバー層の曲げ弾性率間の差は、好ましくは約34.45MPa(約5,000psi)以下である。別の態様では、この曲げ弾性率の差は、約3.45MPa(約500psi)以上である。更に別の態様では、該2つのカバー層の曲げ弾性率(ここで、少なくとも一つは、強化されている)の差は、約3.45MPa(約500psi)〜約68.9MPa(約10,000psi)なる範囲、好ましくは約3.45MPa(約500psi)〜約34.45MPa(約5,000psi)なる範囲内にある。一態様において、強化されていないまたは変性されていない材料で作られた、該2つのカバー層の曲げ弾性率の差は、約6.89MPa(約1,000psi)〜約17.2MPa(約2,500psi)なる範囲内にある。
【0065】
比重
カバーまたは中間層の比重は、好ましくは少なくとも約0.7である。一態様において、該カバーまたは中間層の比重は、約0.8以上、好ましくは約0.9以上である。例えば、一態様において、該ゴルフボールは、約0.9以上の比重を持つ中間層および約0.95以上の比重を持つカバーを含む。もう一つの態様において、該中間層またはカバーは、約1.00以上の比重を持つ。更に別の態様では、該中間層またはカバーの比重は、約1.05以上、好ましくは約1.10以上である。更に別の態様において、該中間層またはカバーの比重は、約1.0〜約1.3なる範囲にある。
該コアは、約1.00以上、好ましくは1.05以上の比重を持つことができる。例えば、本発明のゴルフボールは、約1.10以上の比重を持つコアと、約0.95以上の比重をもつカバーとを含むことができる。
【実施例】
【0066】
以下の非-限定的な実施例は、本発明の好ましい態様の単なる例示であり、本発明を限定するものと理解すべきではなく、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によって規定される。「部」は、特に述べない限り質量部である。
実施例1:本発明の組成物
本発明に従って製造したゴルフボールは、ポリブタジエンコア、本発明の組成物から作成した中間層、およびポリウレタン材料から作成したカバーを含むことができる。該コアは、不飽和脂肪酸の金属塩で架橋されている、cis-1,4-ポリブタジエンゴムを含有する、公知の中実構成のものであり得る。該金属塩としては、例えば亜鉛ジアクリレートを使用して、コアを生成することができる。
該中間層は、エチレン/メタクリル酸ゴムおよび25%の熱可塑性ポリエステルエラストマー[ハイトレル(HytrelTM) 5526]の混合物から形成された、本発明のETPVを含有する組成物から製造することができる。3種の適当な(非-限定的)ETPVを以下に与える。このような材料は、デュポン(DuPont)社から市販品として入手できる。
【0067】
【表1】

【0068】
該ETPVを以下の表2に示す硬化剤を用いて硬化した。










【0069】
【表2】

【0070】
該内側ボール構造を、次に公知の圧縮成型または射出成型または注入成型法を使用して、ワンショット法またはプレポリマー法を利用することによって、本発明の熱可塑性シリコーン-ウレタンコポリマーを含有するカバー処方物で、被覆することができる。例えば、この方法は、ポリオールまたはポリアミドおよびイソシアネートから形成されるプレポリマーを調製し、また該プレポリマーをアミノ-末端またはヒドロキシル-末端を持つ成分で硬化して、ウレタン結合、ウレア結合、またはこれらの組合せを持つカバー組成物を生成する工程を含むことができる。この組成物を、次に該中間層上に配置して、ゴルフボールを生成する。このカバーの厚みは、約0.127cm(約0.05in)〜約0.254cm(0.10in)なる範囲内であり得る。
これら実施例以外に、特に明白に述べない限り、数値範囲、量、値および百分率の全て、例えば材料の量に関する数値、時間および反応温度、量の比、分子量に関する値(数平均分子量(Mn)であれ、重量平均分子量(Mw)であれ)、およびその他の本明細書の以下の部分に述べるものは、該値、量または範囲に明白には「約」なる用語が現れない場合にも、「約」なる用語が先行しているものとして読むべきである。従って、逆のことが述べてない限り、以下の明細書および添付した特許請求の範囲に示された数値的パラメータは、近似であり、本発明が得ようとしている所定の特性に依存して、変動し得るものである。せめて、各数値的パラメータは、少なくとも報告された有効数字の一番目の数値に照らして、通常の数値的な丸め技術によって、理解すべきである。
【0071】
本発明の広い範囲に渡って設定された数値範囲およびパラメータが近似であるにも拘らず、特定の実施例に示された数値は、出来る限り正確を期して報告されている。しかし、任意の数値は、必然的に各テストの測定値において見られる、標準偏差に起因する、ある種の誤差を本来的に含んでいる。更に、変動する範囲の数値範囲が、ここにおいて示されている場合、列挙したこれらの値の任意の組合せが使用可能であることを意図している。
ここに記載し特許請求した本発明は、ここに記載された特定の態様によって、その範囲が限定されるものではない。というのは、これらの態様は、本発明の幾つかの局面を例示するものであるからである。あらゆる等価な態様は、本発明の範囲内にあるものとする。例えば、本発明の組成物は、またパターのインサート、ゴルフクラブヘッド、およびその部品、ゴルフシューズの部品、およびゴルフバッグの部品等のゴルフ用具においても使用できる。事実、ここに記載し、提示したものに加えて、本発明の様々な改良が、上記説明から、当業者には明らかになるであろう。このような改良も、添付した特許請求の範囲に入るものとする。本明細書において上記した全ての特許および特許出願の、内容全体を、参考として、特にここに組入れる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】二層ボールの断面図であり、ここで該ゴルフボールの少なくとも一部は、本発明の組成物で作られている。
【図2】多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該ゴルフボールの少なくとも一部は、本発明の組成物で作られている。
【図3】大きなコア、中間層、およびその上に設けられた薄い外側カバー層を含む、多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該ゴルフボールの少なくとも一部は、本発明の組成物で作られている。
【図4】コア、外側カバー層、薄い内側カバー層、およびその上に設けられた薄い外側カバー層を含む、多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該ゴルフボールの少なくとも一部は、本発明の組成物で作られている。
【符号の説明】
【0073】
2、8・・・ゴルフボール;
4、10、26・・・コア;
6、14・・・カバー;
12・・・中間層;
16・・・多層ゴルフボール;
18・・・大きなコア;
20、30・・・内側カバー層;
22、32・・・外側カバー層;
22、24・・・フォーピースゴルフボール;
28・・・外側コア層または中間層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマー、ポリアルキレンフタレートポリエステルコポリマー、またはこれらの混合物を含む熱可塑性成分;および架橋性ポリアクリレート加硫ゴム、ポリエチレンアクリレート加硫ゴム、ポリメタクリレート加硫ゴム、ポリエチレンメタクリレート加硫ゴムまたはこれらの組合せを含むゴム成分を含有するブレンド、
遊離基開始剤、および
有機ジエンを含む補助薬剤、
を含む組成物で作成された、少なくとも一つの層を含むことを特徴とする、ゴルフボール。
【請求項2】
コア、カバーおよび該コアとカバーとの間に設けられた中間層を含むゴルフボールであって、該中間層が、
約15〜65質量%の、ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマー、ポリアルキレンフタレートポリエステルコポリマー、またはこれらの混合物を含む熱可塑性成分;および約35〜85質量%の、ポリアクリレートエラストマー、ポリエチレンアクリレートエラストマー、ポリメタクリレートエラストマー、ポリエチレンメタクリレートエラストマーまたはこれらの混合物を含む、ゴム成分を含有するブレンドを含有するブレンド、
遊離基開始剤、および補助薬剤を含む硬化剤、
を含む、第一の組成物で作られており、かつ
該カバーが、ポリウレタン結合、ポリウレア結合、またはこれらの組合せを含む、第二の組成物で作られていることを特徴とする、上記ゴルフボール。
【請求項3】
コアを形成する工程;
ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマー、ポリアルキレンフタレートポリエステルコポリマー、またはこれらの混合物を含む熱可塑性成分と;架橋性ポリアクリレート加硫ゴム、ポリエチレンアクリレート加硫ゴム、ポリメタクリレート加硫ゴム、ポリエチレンメタクリレート加硫ゴムまたはこれらの組合せを含むゴム成分を含有するブレンドを生成し;
遊離基開始剤および有機ジエンを含む補助薬剤を含有する硬化剤を生成し;および
該ブレンドと該硬化剤とを混合して組成物を生成することにより、該コアの周りに設けられる中間層を生成する工程;および
該中間層の周りに設けられるカバーを生成する工程を含む、
ことを特徴とする、ゴルフボールの製造方法。
【請求項4】
該熱可塑性成分が、ポリブチレンテレフタレートの少なくとも一つのセグメントおよび長鎖ポリエーテルグリコールの少なくとも一つのセグメントを含む、ポリエーテルポリエステルを含有する、ポリアルキレンフタレートポリエステルポリマーを含む、請求項1、2または3に記載のゴルフボールおよびその製造方法。
【請求項5】
該熱可塑性成分が、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンテレフタレートのポリエーテルエステル、ポリアルキレンテレフタレートコポリマー、ポリアルキレンテレフタレートコポリマーのポリエーテルエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1、2、3または4に記載のゴルフボールおよびその製造方法。
【請求項6】
該遊離基開始剤が、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、ジクミルパーオキシド、a,a-ビス(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、およびこれらの混合物を含む、請求項1、2または3に記載のゴルフボールおよびその製造方法。
【請求項7】
該熱可塑性成分が、該ブレンドの、約15〜約65質量%なる範囲の量で存在する、請求項1または3に記載のゴルフボールおよびその製造方法。
【請求項8】
該ゴム成分が、該ブレンドの、約35〜85質量%なる範囲の量で存在する、請求項1または3に記載のゴルフボールおよびその製造方法。
【請求項9】
該ゴルフボールが、コア、カバー層、および該コアと該カバーとの間に設けられた中間層を含み、かつ該中間層が、該組成物を含む請求項1記載のゴルフボール。
【請求項10】
該第二の組成物が、ウレア結合からなる、請求項2記載のゴルフボール。
【請求項11】
該熱可塑性成分が、該ブレンドの、約20〜60質量%なる範囲の量で存在し、かつ該ゴム成分が、該ブレンドの、約40〜80質量%なる範囲の量で存在する、請求項1、2、3、7、または8に記載のゴルフボール。
【請求項12】
該補助薬剤が、有機ジエンを含む、請求項2記載のゴルフボール。
【請求項13】
該有機ジエンが、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、N,N'-m-フェニレンジマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラアリルオキシエタン、テトラメチレンジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1、3または13に記載のゴルフボール。
【請求項14】
該第一の組成物が、約55ショアA〜60ショアDなる範囲の硬さを持つ、請求項2記載のゴルフボール。
【請求項15】
該中間層を生成する工程が、該組成物を押出す工程を含む、請求項2記載の方法。
【請求項16】
該中間層を生成する工程が、該組成物を射出成型する工程を含む、請求項3記載の方法。
【請求項17】
該成型温度が、約45〜65℃なる範囲内にある、請求項16記載の方法。
【請求項18】
メルト温度が、約240〜260℃なる範囲内にある、請求項16記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−136872(P2008−136872A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−323997(P2007−323997)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY