説明

ゴルフ用帽子、およびゴルフ用帽子の成形方法

【課題】本発明はゴルフ用帽子に関し、マーカが帽子の鍔部から脱落することなく、容易かつ確実に取付けが行え、取付性が向上し、使用時には取り外しが容易で直ちに使用に供せる等、操作性が良好であり、携行する時計への磁気的悪影響はなく、容易に製作、組付けが行え、デザイン性が優れている。
【解決手段】帽子本体1と鍔部2とよりなり、鍔部が、表部材3と、裏部材4と、可撓性の合成樹脂板の芯部材5とで形成され、芯部材の左右何れかの縁部2aの近傍にマーカ8のピン体部10が係入される挿入孔6と、前記表部材3にマーカのピン体部が挿通される挿通孔7が前記挿入孔に重合可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフ用帽子、およびゴルフ用帽子の成形方法に関し、ゴルフ競技等において使用されるマーカを帽子の鍔部に着脱可能に備え、そして、マーカが競技中に脱落することなく、容易かつ確実に取付けが行え、また自己のボールの代わりに位置を識別する使用時には鍔部からの取り外しが容易に行え、直ちに使用に供せる等、操作性が良好であり、携行する時計への磁気的悪影響はなく、また、帽子自体は大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行え、帽子へのデザイン性を優れたものにする。
【背景技術】
【0002】
従来、グリーン上で停止している自己のボールの代わりにその位置を識別するために使用されるマーカ、およびこのマーカを帽子の鍔部等に保持するためのゴルフマーカ用クリップとからなるゴルフマーカセットは、磁石による磁気的吸引力を利用してマーカを鍔部等に取付可能なクリップに着脱可能に取付けるようにしたものがある。このゴルフマーカセットは、円盤状の本体部材と、円盤状の蓋部材とに第1磁石を内蔵すると共に、少なくとも被接触面が磁性体により形成される全体形状が円盤状のマーカと、第1本体部材と第2本体部材との間にこのマーカと接触する接触面側に配置される第2磁石が内蔵され、少なくとも被接触面と接触する接触面が磁性体により形成されるゴルフマーカ用クリップと、から構成されたものがあった(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとからなるゴルフマーカセットは、円盤状の本体部材と、円盤状の蓋部材とよりなるマーカに内蔵される第1磁石と、帽子の鍔部等に保持されて第1本体部材と第2本体部材との間に第2磁石を内蔵したゴルフマーカ用クリップとの、前記第1磁石、および前記第2磁石による磁気的吸引力を利用してゴルフマーカをゴルフマーカ用クリップに着脱可能に取付け、このゴルフマーカ用クリップを帽子の鍔部に挟持するようにして取付けるものなので、ドライバーによりボールを打撃する時にスイング動作したり、ヘッドがボールを打撃する打撃時の衝撃によりゴルフ用マーカがクリップに対する接触面にて横滑りを生じて脱落し、紛失されしまうことがあった。また、コースを移動中に木の枝が帽子に触れることにより、ゴルフ用マーカがクリップから強制的に脱落されることもあった。従って、グリーン上で停止している自己のボールの代わりにその位置を識別するという肝心な使用時に役に立たない事態となることがあった。
【0005】
しかも、上記特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップは、第1磁石と、第2磁石との磁気的吸引力を利用してマーカをゴルフマーカ用クリップに吸着させるものなので、使用者が携行する時計が磁気的吸引力により狂い、正確な時刻を知ることが出来なくなる等の不都合を生じていた。
【0006】
さらには、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップは、マーカを構成する円盤状の本体部材と、円盤状の蓋部材と、第1磁石と、そして、クリップを構成する第1本体部材と、第2本体部材と、第2磁石とよりなる多くの部品が必要になるので、製作および組付けには多くの時間と手間がかかり、製作コストは高いものであった。
【0007】
本発明は上記従来の欠点を解決し、マーカが競技中等に帽子の鍔部から脱落することなく、容易かつ確実に取付けが行え、取付性が向上し、そして、使用時には鍔部からの取り外しが容易であり、直ちに使用に供せる等、操作性が良好であり、また、携行する時計への磁気的悪影響はなく、しかも、帽子自体は大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行え、さらには、帽子のデザイン性が優れたゴルフ用帽子、およびゴルフ用帽子の成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発明は、帽子本体と該帽子本体の前額部に取付けられる鍔部とよりなるゴルフ用帽子であって、前記鍔部が、布帛により形成される表部材と、布帛により形成される裏部材と、前記表部材および前記裏部材により被覆されて内装される可撓性を有する合成樹脂板の芯部材とで構成されているゴルフ用帽子において、
前記芯部材の左右何れかの縁部近傍の上面にはマーカのピン体部が係入可能な少なくとも1つの挿入孔が設けられ、
前記表部材には前記挿入孔に重合可能に前記マーカの前記ピン体部が挿通可能な挿通孔が設けられている、
ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、帽子本体と該帽子本体の前額部に取付けられる鍔部とよりなるゴルフ用帽子であって、前記鍔部が、布帛により形成される表部材と、布帛により形成される裏部材と、前記表部材および前記裏部材により被覆されて内装される可撓性を有する合成樹脂板の芯部材とで構成されているゴルフ用帽子において、
前記芯部材の左右何れかの縁部近傍の上面には挿入孔に合成樹脂よりなる内筒を内装した鳩目部材が嵌入して設けられ、
前記表部材には前記挿入孔に重合可能にマーカのピン体部が挿通可能な挿通孔が設けられ、
前記ピン体部が前記内筒内に係脱可能に設けられている、
ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記挿入孔の周囲には、該挿入孔に連通された分周的な複数個の切溝部と、これらの切溝部間に形成されて前記ピン体部に係脱可能にされる係止爪片と、が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1または3において、前記切溝部間の外周には、円弧溝が形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1、または3、4の何れか1項において、前記挿通孔の内縁が補強糸により縁絡げ処理されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項において、前記挿入孔と前記挿通孔とが重合する孔内に平坦な基盤部の裏面に係止部を有したピン体部を突設させて形成したマーカの前記ピン体部が、係脱可能に取付けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項において、前記マーカの周囲には、取外し時に前記鍔部に対し間隙を確保される薄肉部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項8に記載の発明は、
マーカの基盤部の裏面に突設された係止部を有するピン体部が係脱可能に係入される挿入孔を、可撓性を有する合成樹脂板の左右何れかの上面に、開設する工程と、
前記挿入孔に挿通孔を重合可能に表部材を芯部材の表面に配し、前記芯部材の裏面に裏部材を配して、前記表部材および前記裏部材で前記芯部材を被覆することにより、鍔部を形成する工程と、
前記鍔部を帽子本体の前記前額部に取り付ける工程と、
を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項9に記載の発明は、
平面視略三日月状をなしてその縁部を縫い合わした袋状の表面部材および裏面部材内に、少なくとも1つの挿入孔が左右何れかの縁部近傍の上面に開設された可撓性を有する合成樹脂板の芯部材を挿入して鍔部を形成する工程と、
前記挿入孔内に前記表部材に開設された挿通孔を介してマーカの基盤部の裏面に突設された係止部を有するピン体部が、係脱可能に係入される鳩目部材を嵌入する工程と、
前記鳩目部材内に合成樹脂製の内筒を嵌着する工程と、
前記鍔部を帽子本体の前記前額部に取り付ける工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、帽子本体と該帽子本体の前額部に取付けられる鍔部とよりなるゴルフ用帽子であって、前記鍔部が、布帛により形成される表部材と、布帛により形成される裏部材と、前記表部材および前記裏部材により被覆されて内装される可撓性を有する合成樹脂板の芯部材とで構成されているゴルフ用帽子において、前記芯部材の左右何れかの縁部近傍の上面にはマーカのピン体部が係入可能な少なくとも1つの挿入孔が設けられ、前記表部材には前記挿入孔に重合可能に前記マーカの前記ピン体部が挿通可能な挿通孔が設けられているので、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとからなるゴルフマーカセットのように、マーカに内蔵した第1磁石と、クリップに内蔵した第2磁石とによる磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるのとは異なり、平坦な基盤部の裏面に突設した係止部を有するピン体部を帽子の鍔部の芯部材の左右何れかの上面に開設した少なくとも1つの挿入孔内に係脱可能に係入して取付けられるため、マーカが競技中等に帽子の鍔部から脱落することなく、容易かつ確実に取付けが行え、取付性が向上する。そして、使用時にはマーカの鍔部からの取り外しが容易であり、直ちに使用に供せる等、操作性が良好になる。また、磁石による磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるものではないので、携行する時計の狂いは生ぜず、磁気的悪影響はない。しかも、帽子自体は合成樹脂板よりなる芯部材に挿入孔を開設するだけの簡単な取扱いで済むので、大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行える。さらには、マーカは、本来の使用目的としてグリーン上における自己のボールの位置を指示するのに用いるのに限らず、種々の図形、文字、数字、多種の色彩が施こされたり、種々の形状に形成されたり、また写真を印刷することも可能なので、デザイン的に変化があり、おしゃれを楽しむことができる。
【0018】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、帽子本体と該帽子本体の前額部に取付けられる鍔部とよりなるゴルフ用帽子であって、前記鍔部が、布帛により形成される表部材と、布帛により形成される裏部材と、前記表部材および前記裏部材により被覆されて内装される可撓性を有する合成樹脂板の芯部材とで構成されているゴルフ用帽子において、前記芯部材の左右何れかの縁部近傍の上面には挿入孔に合成樹脂よりなる内筒を内装した鳩目部材が嵌入して設けられ、前記表部材には前記挿入孔に重合可能にマーカのピン体部が挿通可能な挿通孔が設けられ、前記ピン体部が前記内筒内に係脱可能に設けられているので、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとからなるゴルフマーカセットのように、マーカに内蔵した第1磁石と、クリップに内蔵した第2磁石とによる磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるのとは異なり、平坦な基盤部の裏面に突設した係止部を有するピン体部を帽子の鍔部の芯部材の左右何れかの上面に開設した挿入孔に合成樹脂よりなる内筒が内装された鳩目部材を嵌入して設けられているため、マーカが競技中等に帽子の鍔部から脱落することなく、容易かつ確実に取付けが行え、取付性が向上する。そして、使用時にはマーカの鍔部からの取り外しが容易であり、直ちに使用に供せる等、操作性が良好になる。また、磁石による磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるものではないので、携行する時計の狂いは生ぜず、磁気的悪影響はない。しかも、帽子自体は合成樹脂板よりなる芯部材に挿入孔を開設するだけの簡単な取扱いで済むので、大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行える。さらには、マーカは、本来の使用目的としてグリーン上における自己のボールの位置を指示するのに用いるのに限らず、種々の図形、文字、数字、多種の色彩が施こされたり、種々の形状に形成されたり、また写真を印刷することも可能なので、デザイン的に変化があり、おしゃれを楽しむことができる。
【0019】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1において、前記挿入孔の周囲には、該挿入孔に連通された分周的な複数個の切溝部と、これらの切溝部間に形成されて前記ピン体部に係脱可能にされる係止爪片と、が設けられているので、帽子の鍔部に形成される係止爪片は分周的な複数個の切溝部間に設けられることにより半径方向の可撓性が十分に発揮され、マーカの裏面に突設されたピン体部が複数個の係止爪片により弾力的に係止される。また、使用時には挿入孔内にピン体部が係入されているマーカは、挿入孔に連通する切溝部により半径方向に可撓性が発揮される複数個の係止爪片から脱係させることにより、鍔部からの取り外しが容易に行え、直ちに使用に供せる等、操作性が良好になる。また、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとは異なり、磁石による磁気的吸引力を利用してマーカを帽子の鍔部に保持させるものではないので、携行する時計の狂いは生ぜず、磁気的悪影響はない。しかも、帽子自体は合成樹脂板よりなる芯部材に挿入孔を開設するだけで済むので、大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行える。さらには、マーカは、本来の使用目的としてグリーン上における自己のボールの位置を示すのに用いるのに限らず、種々の図形、文字、数字、多種の色彩が施されたり、種々の形状に形成されたり、また写真を印刷する等して形成されるので、デザイン的に変化があり、おしゃれを楽しむことができる。
【0020】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1または3において、前記切溝部間の外周には、円弧溝が形成されているので、帽子の鍔部に形成される係止爪片は挿入孔に連通して設けた切溝部間の外周に円弧溝が設けられることにより周方向の可撓性が十分に発揮されるため、マーカの裏面に突設されたピン体部を複数個の係止爪片により弾力的に係止する。また、使用時には切溝部が連通する挿入孔内にピン体部が係入されているマーカは、円弧溝が設けられることにより周方向に可撓性が発揮される複数個の係止爪片から脱係されるため、鍔部からの取り外しが容易に行え、直ちに使用に供せる等、操作性が良好になる。また、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとは異なり、磁石による磁気的吸引力を利用してマーカを帽子の鍔部に保持させるものではないので、携行する時計の狂いは生ぜず、磁気的悪影響はない。しかも、帽子自体は合成樹脂板よりなる芯部材に挿入孔を開設するだけで済むので、大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行える。さらには、マーカは、本来の使用目的としてグリーン上における自己のボールの位置を示すのに用いるのに限らず、種々の図形、文字、数字、多種の色彩が施されたり、種々の形状に形成されたり、また写真を印刷する等して形成されるので、デザイン的に変化があり、おしゃれを楽しむことができる。
【0021】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項1、または3、4の何れか1項において、前記挿通孔の内縁が補強糸により縁絡げ処理されているので、鍔部の表部材に設けられた挿通孔の内縁は補強糸により糸のほつれがなく、強固に補強される。従ってマーカのピン体部を鍔部の係止爪片の挿入孔に係脱する場合に、表部材に設けた挿通孔の内縁からほつれた糸が絡みつくことがなく、係脱操作が円滑かつ確実に行える。
【0022】
また、本発明の請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか1項において、
前記挿入孔と前記挿通孔とが重合する孔内に平坦な基盤部の裏面に係止部を有したピン体部を突設させて形成したマーカの前記ピン体部が、係脱可能に取付けられているので、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとからなるゴルフマーカセットのように、マーカに内蔵した第1磁石と、クリップに内蔵した第2磁石とによる磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるのとは異なり、平坦な基盤部の裏面に突設した係止部を有するピン体部を帽子の鍔部の芯部材の左右何れかの上面に開設した少なくとも1つの挿入孔内に係脱可能に係入して取付けられるため、マーカが競技中等に帽子の鍔部から脱落することなく、容易かつ確実に取付けが行え、取付性が向上する。そして、使用時にはマーカの鍔部からの取り外しが容易であり、直ちに使用に供せる等、操作性が良好になる。また、磁石による磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるものではないので、携行する時計の狂いは生ぜず、磁気的悪影響はない。しかも、帽子自体は合成樹脂板よりなる芯部材に挿入孔を開設するだけの簡単な取扱いで済むので、大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行える。さらには、マーカは、本来の使用目的としてグリーン上における自己のボールの位置を指示するのに用いるのに限らず、種々の図形、文字、数字、多種の色彩が施こされたり、種々の形状に形成されたり、また写真を印刷することも可能なので、デザイン的に変化があり、おしゃれを楽しむことができる。
【0023】
また、本発明の請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか1項において、前記マーカの周囲には、取外し時に前記鍔部に対し間隙を確保される薄肉部が形成されているので、マーカの使用時に、マーカのピン体部を帽子の鍔部に設けた挿入孔から脱係させる場合に、薄肉部と鍔部との間に爪先を差し込んで、マーカと鍔部との間の間隙を容易に拡大させ、挿入孔からピン体部を容易かつ確実に脱係させることができる。
【0024】
また、本発明の請求項8に記載の発明によれば、マーカの基盤部の裏面に突設された係止部を有するピン体部が係脱可能に係入される挿入孔を、可撓性を有する合成樹脂板の左右何れかの上面に、開設する工程と、前記挿入孔に挿通孔を重合可能に表部材を芯部材の表面に配し、前記芯部材の裏面に裏部材を配して、前記表部材および前記裏部材で前記芯部材を被覆することにより、鍔部を形成する工程と、前記鍔部を帽子本体の前記前額部に取り付ける工程と、を有するので、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとからなるゴルフマーカセットのように、マーカに内蔵した第1磁石と、クリップに内蔵した第2磁石とによる磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるものとは異なり、平坦な基盤部の裏面に突設した係止部を有するピン体部を帽子の鍔部の芯部材の左右何れかの上面に開設した少なくとも1つの挿入孔内に係脱可能に係入しているため、マーカが競技中等に帽子の鍔部から脱落することなく、容易かつ確実に取付けが行え、取付性が向上する。そして、使用時にはマーカの鍔部からの取り外しが容易であり、直ちに使用に供せる等、操作性が良好になる。また、磁石による磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるものではないので、携行する時計の狂いは生ぜず、磁気的悪影響はない。しかも、帽子自体は合成樹脂板よりなる芯部材に挿入孔を開設するだけで済むので、大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行える。さらには、マーカは、本来の使用目的としてグリーン上における自己のボールの位置を示すのに用いるのに限らず、種々の図形、文字、数字、多種の色彩が施されたり、種々の形状に形成されたり、また写真を印刷することも可能なので、デザイン的に変化があり、おしゃれを楽しむことができる。
【0025】
また、本発明の請求項9に記載の発明によれば、平面視略三日月状をなしてその縁部を縫い合わした袋状の表面部材および裏面部材内に、少なくとも1つの挿入孔が左右何れかの縁部近傍の上面に開設された可撓性を有する合成樹脂板の芯部材を挿入して鍔部を形成する工程と、前記挿入孔内に前記表部材に開設された挿通孔を介してマーカの基盤部の裏面に突設された係止部を有するピン体部が、係脱可能に係入される鳩目部材を嵌入する工程と、前記鳩目部材内に合成樹脂製の内筒を嵌着する工程と、前記鍔部を帽子本体の前記前額部に取り付ける工程と、を有することを特徴とするので、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとからなるゴルフマーカセットのように、マーカに内蔵した第1磁石と、クリップに内蔵した第2磁石とによる磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるものとは異なり、平坦な基盤部の裏面に突設した係止部を有するピン体部を帽子の鍔部の芯部材の左右何れかの上面に開設した挿入孔に嵌入された鳩目部材内に係脱可能に係入しているため、マーカが競技中等に帽子の鍔部から脱落することなく、容易かつ確実に取付けが行え、取付性が向上する。そして、使用時にはマーカの鍔部からの取り外しが容易であり、直ちに使用に供せる等、操作性が良好になる。また、磁石による磁気的吸引力を利用してマーカをクリップに保持させるものではないので、携行する時計の狂いは生ぜず、磁気的悪影響はない。しかも、帽子自体は合成樹脂板よりなる芯部材に挿入孔を開設するだけで済むので、大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行える。さらには、マーカは、本来の使用目的としてグリーン上における自己のボールの位置を示すのに用いるのに限らず、種々の図形、文字、数字、多種の色彩が施されたり、種々の形状に形成されたり、また写真を印刷することも可能なので、デザイン的に変化があり、おしゃれを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は本発明のゴルフ用帽子の実施形態1を示す斜視図である。
【図2】図2は同じく部分切欠拡大平面図である。
【図3】図3は同じくマーカを鍔部に取付けた状態の拡大断面図である。
【図4】図4は同じく本実施形態1のマーカを構成する拡大側面図である。
【図5】図5は同じく本実施形態1のマーカを構成する拡大裏面図である。
【図6】図6は同じく本実施形態1のマーカの変形例を示し、マーカを鍔部に取付けた状態の拡大断面図である。
【図7】図7は同じく拡大裏面図である。
【図8】図8は同じく本発明のゴルフ用帽子の実施形態2を示す部分切欠拡大平面図である。
【図9】図9は同じく本発明のゴルフ用帽子の実施形態3を示す部分切欠拡大平面図である。
【図10】図10は同じく本発明のゴルフ用帽子の実施形態4を示す分解斜視図である。
【図11】図11は同じくマーカを鍔部に取付けた状態の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
【0028】
<実施形態1>
図1乃至図7において、本実施形態1のゴルフ用帽子Aは、帽子本体1と該帽子本体1の前額部1aに取付けられる鍔部2とよりなるゴルフ用帽子であって、前記鍔部2が、布帛により形成される表部材3と、布帛により形成される裏部材4と、前記表部材3および前記裏部材4により被覆されて内装される可撓性を有する合成樹脂板の芯部材5とで構成されているゴルフ用帽子である。そして、前記表部材3、前記裏部材4、前記合成樹脂板は、その形状、および成形材料については従来のものと同様の構成である。
【0029】
しかしながら、本実施形態1では、前記芯部材5の左右何れかの縁部近傍の上面にはマーカ8のピン体部10が係入可能な少なくとも1つの挿入孔6が設けられ、前記表部材3には前記挿入孔6に重合可能に前記マーカ8の前記ピン体部10が挿通可能な挿通孔7が設けられている。図1では、芯部材5の左側の縁部2aの近くに1つの挿入孔6が設けられ、表部材3には前記挿入孔6に重合する1つの挿通孔7が設けられている。
【0030】
そして、前記挿入孔6と、前記挿通孔7とが重合する孔内に平坦な基盤部9の裏面に係止部10aを有したピン体部10が突設して形成されたマーカ8の前記ピン体部10が係脱可能に係入されることによりマーカ8は前記鍔部2に取付けられる。
【0031】
前記マーカ8は、合成樹脂または金属により形成され、図示する実施形態1では基盤部9が円盤状に形成されているが、マーカ8の形状は図示するものに限ることなく、その形状は平面視楕円、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、星形、ハート形等その形状が限定されるものではない。また、基盤部9には、種々の図形、文字、数字等が表示されたり、または多種の色彩が施こされたり、また写真を印刷することにより、デザイン的に変化があり、おしゃれを楽しむことができる。
【0032】
前記ピン体部10は、上方から下方に向かって次第に拡大される傾斜断面により図1、図3、図4に示されるように、前記係止部10aが形成されるが、ピン体部10の断面形状は図示は代表的な例示であり、これに限られない。要はピン体部10に挿入孔6と係脱可能になる形状であればよい。
【0033】
前記挿通孔7の内縁が補強糸11により縁絡げ処理されている。このように、挿通孔7の内縁が補強糸11により縁絡げ処理するのは、鍔部2の表部材3に設けられた挿通孔7の内縁を補強糸11により糸のほつれをなくし、補強するためである。
【0034】
本発明のゴルフ用帽子Aの実施形態1は以上の構成からなり、このゴルフ用帽子Aの成形方法を以下に述べる。
【0035】
先ず、マーカ8の基盤部9の裏面に突設された係止部10aを有するピン体部10が係脱可能に係入される挿入孔6を、鍔部2の芯部材5を構成する可撓性を有する合成樹脂板の左右何れかの上面に、開設する。図1に示す実施形態では、芯部材5の左側の縁部2aの近傍に1つの挿入孔6が設けられ、表部材3には前記挿入孔6に重合する1つの挿通孔7が設けられている。
【0036】
次いで、前記挿入孔6に挿通孔7を重合可能に表部材3が芯部材5の表面に配され、前記芯部材5の裏面に裏部材4を配して、前記表部材3および前記裏部材4で前記芯部材5を被覆することにより、鍔部2は形成される。
【0037】
それから、該鍔部2を帽子本体1の前記前額部1aに取り付ける工程と、を経てゴルフ用帽子Aは成形される。
【0038】
このようにして成形された本実施形態1のゴルフ用帽子Aは、鍔部2を形成する芯部材5の左右何れかの縁部2aの近傍の上面に少なくとも1つが設けられた挿入孔6と、前記表部材3には前記挿入孔6に重合可能に設けられた挿通孔7とに、マーカ8の平坦な基盤部9の裏面に突設された係止部10aを有するピン体部10が係脱可能に係入されることによりマーカ8が前記鍔部2に取付けられている。そして、使用者はこのゴルフ用帽子Aを被冠し、ゴルフコースに出向き、競技を行う。
【0039】
そして、ボールがグリーン・オンして競技するのに際し、停止している自己のボールの代わりにその位置を識別するためにマーカ8を使用する場合には、マーカ8を鍔部2から引き剥がすようにして挿入孔6内に係止されているピン体部10を引き抜く。
【0040】
この際、図6、図7に示す変形例のように、マーカ8の円盤状の基盤部9の周囲に、薄肉部12が形成されている場合には、マーカ8の使用時に、マーカ8のピン体部10をゴルフ用帽子Aの鍔部2に設けた挿入孔6から脱係させるのに、薄肉部12と鍔部2との間に爪先を差し込んで、マーカ8と鍔部2との間の間隙tを拡大させ、挿入孔6からピン体部10の係止部10aを容易かつ確実に脱係させることができる。この時、図示では円盤状の基盤部9の周囲に薄肉部12を形成することにより間隙tを増大するようにしているが、この間隙tを確保するのには図示されるような段差を設けるようにして間隙tを確保しても良いし、図には示さないがテーパを基盤部9の周囲に設けるようにして間隙tを確保しても良い。
【0041】
そして、鍔部2からマーカ8を取り外した後に、グリーン上で停止している自己のボールの代わりにその位置を識別するためにマーカ8を使用する。使用後には、ピン体部10を再び挿通孔7、および可撓性を発揮する合成樹脂板に設けられた挿入孔6内に弾性的に押し込んで係止し、マーカ8を鍔部2にワンタッチ操作により迅速かつ簡単に取付けることができ、取付性が向上する。
【0042】
この際、前記挿通孔7の内縁が補強糸11により縁絡げ処理されているので、鍔部2の表部材3に設けられた挿通孔7の内縁は補強糸11により糸のほつれがなく、補強される。従ってマーカ8のピン体部10を鍔部2の挿入孔6に係脱する場合に、表部材3に設けた挿通孔7の内縁からほつれた糸が絡みつくことがなく、係脱操作が円滑かつ確実に行える。
【0043】
このようにして、マーカ8は鍔部2に取付けられるので、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとからなるゴルフマーカセットのように、マーカに内蔵した第1磁石と、ゴルフマーカ用クリップに内蔵した第2磁石とによる磁気的吸引力を利用してマーカをゴルフマーカ用クリップに保持させるものとは異なり、平坦な基盤部9の裏面に突設した係止部10aを有するピン体部10がゴルフ用帽子Aの鍔部2の芯部材5の左右何れかの上面に開設した少なくとも1つの挿入孔6内に係脱可能に係入されているため、使用者がボールをドライバーシャフトのヘッドにより打撃するためのスイング操作時の衝撃を受けることによりマーカ8が鍔部2から脱落したり、コースを移動中に木の枝が帽子に触れることにより、挿入孔6からピン体部10が不用意に引き抜かれ、マーカ8が紛失することがなくなる。従って、グリーン上で停止している自己のボールの代わりにその位置を識別するためにマーカ8が必要になり、使用する場合に、役に立たないという、不都合は解消される。
【0044】
また、本実施形態1におけるマーカ8は、芯部材5の左右何れかの縁部2aの近くの上面に少なくとも1つが設けられた挿入孔6内に、この挿入孔6に重合可能に表部材3に設けられた挿通孔7を介してマーカ8の平坦な基盤部9の裏面に突設したピン体部10が係脱可能に係入されることによりマーカ8が前記鍔部2に取付けられるので、特許文献1に記載された従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップとからなるゴルフマーカセットとは異なり、携行する時計の狂いは生ぜず、磁気的悪影響はない。
【0045】
しかも、ゴルフ用帽子A自体は、合成樹脂板よりなる芯部材5に挿入孔6を開設するだけの加工で済むので、大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けを行うことができる。
【0046】
さらには、前述のように、マーカ8は、本来の使用目的としてグリーン上における自己のボールの位置を示すのに用いるのに限らず、種々の図形、文字、数字、多種の色彩が施こされたり、種々の形状に形成されたり、また写真を印刷することにより、デザイン的に変化があり、おしゃれを楽しむことができる。
【0047】
<実施形態2>
図8は本発明のゴルフ用帽子Aの実施形態2を示す。この実施形態2では、前記挿入孔6の周囲に、該挿入孔6に連通された分周的な複数個の切溝部13と、これらの切溝部13間に形成されて前記ピン体部10に係脱可能にされる係止爪片14と、が設けられている点が前記実施形態1とは異なる構成である。
【0048】
そして、本実施形態2では、ゴルフ用帽子Aの鍔部2に形成される係止爪片14は分周的な複数個の切溝部13間に設けられることにより半径方向Rの可撓性が十分に発揮され、マーカ8の裏面に突設されたピン体部10を複数個の係止爪片14により弾力的に係止する。また、使用時には切溝部13が連通されている挿入孔6内にピン体部10が係入されたマーカ8を、切溝部13が設けられることにより半径方向Rに可撓性が発揮される複数個の係止爪片14からピン体部10を脱係させると、マーカ8の鍔部2に対する取付および取り外しが容易に行え、直ちに使用に供せる等、操作性が良好になる。また、前記実施形態1では鍔部2に設けられた挿入孔6に重合可能に表部材3に設けられる挿通孔7の内縁を補強糸11により縁絡げ処理することにより糸の解れを防止しているが、この実施形態2では図には示していないが前記挿入孔6の内縁のみに限らず、この挿入孔6に連通する前記切溝部13に重合可能に前記表部材3に設けられる切欠孔の内縁を補強糸11により縁絡げ処理することにより糸の解れを防止できる等の作用・効果を奏する。
【0049】
<実施形態3>
図9は本発明のゴルフ用帽子Aの実施形態3を示す。この実施形態3では、前記鍔部2の前記切溝部13,13間の外周には、円弧溝15が形成されている点で前記実施形態1および実施形態2とは異なる構成である。
【0050】
そして、この実施形態3では、ゴルフ用帽子Aの鍔部2に形成される係止爪片14は挿入孔6に連通して設けた切溝部13,13間の外周に円弧溝15が設けられることにより周方向Sの可撓性が十分に発揮され、マーカ8の裏面に突設されたピン体部10を複数個の係止爪片14により弾力的に係止する。従って、特許文献1に記載の従来のマーカ、およびゴルフマーカ用クリップのように、磁石による磁気的吸引力を利用してマーカを帽子の鍔部に保持させるものではないので、競技中やコースを歩き回る等するうちに、マーカ8が紛失されることはない。そして、使用時には切溝部13が連通されている挿入孔6内にピン体部10が係入されたマーカ8を、円弧溝15が設けられることにより周方向Sに可撓性が発揮される複数個の係止爪片14から脱係させることにより、鍔部2からの取り外しや取付けが容易に行え、直ちに使用に供せる等、操作性が良好になる等の作用・効果を奏する。
【0051】
<実施形態4>
図10および図11に示すものは本発明のゴルフ用帽子Aの実施形態4を示し、この実施形態4では帽子本体1と該帽子本体1の前額部1aに取付けられる鍔部2とよりなるゴルフ用帽子であって、前記鍔部2が、布帛により形成される表部材3と、布帛により形成される裏部材4と、前記表部材3および前記裏部材4により被覆されて内装される可撓性を有する合成樹脂板の芯部材5とで構成されているゴルフ用帽子においける点は前記実施形態1と同様の構成である。
【0052】
しかしながら、本実施形態4では、前記芯部材5の左右何れかの縁部近傍の上面には挿入孔6に合成樹脂よりなる内筒21が内装された鳩目部材20を嵌入して設けられ、前記表部材3には前記挿入孔6に重合可能にマーカ8のピン体部10が挿通可能な挿通孔7が設けられ、前記ピン体部10が前記内筒21内に係脱可能に設けられている点が前記実施形態1とは異なる構成である。
【0053】
そして、本実施形態4のゴルフ用帽子の成形方法として、平面視略三日月状をなしてその縁部2aを縫い合わした袋状の表面部材3および裏面部材4内に、少なくとも1つの挿入孔6が左右何れかの縁部2a近傍の上面に開設された可撓性を有する合成樹脂板の芯部材5を挿入して鍔部2を形成する工程と、前記挿入孔6内に前記表部材3に開設された挿通孔7を介してマーカ8の基盤部9の裏面に突設された係止部10aを有するピン体部10が、係脱可能に係入される鳩目部材20を嵌入する工程と、前記鳩目部材20内に合成樹脂製の内筒21を嵌着する工程と、前記鍔部2を帽子本体1の前記前額部に取り付ける工程と、を備えることにより、本実施形態4のゴルフ用帽子Aは成形される。
【0054】
上記工程、手順を経て本実施形態4のゴルフ用帽子Aは成形され、平面視略三日月状をなしてその縁部2aを縫い合わした袋状の表面部材3および裏面部材4内に、少なくとも1つの挿入孔6が左右何れかの縁部2a近傍の上面に開設された可撓性を有する合成樹脂板の芯部材5を挿入することにより鍔部2は形成されるので、前記実施形態1において鍔部2を形成する場合よりも製作するのに作業能率が向上する。
【0055】
また、芯部材5の左右何れかの縁部2a近傍の上面に開設した挿入孔6内に、合成樹脂製の内筒21を嵌着した鳩目部材20が嵌入されるので、使用に際してマーカ8を鍔部2に取付けたり、または取外す場合に、この鳩目部材20内にマーカ8のピン体部10を係脱可能に係入できる。この時、鳩目部材20内には、合成樹脂製の内筒21が嵌着されているので、マーカ8のピン体部10を係脱操作する時に、合成樹脂製の内筒21が可撓性を発揮するのと、滑動に富み、マーカ8を鍔部2に取付後には確実な保持力によりピン体部10を係止されるという優れた作用・効果を発揮するほかは前記実施形態1,実施形態2,実施形態3と同様な効果を奏する。
【0056】
なお、図示する上記実施形態1乃至実施形態4の各実施形態では、前記芯部材5の左右何れかの縁部2aの近くの上面、即ち左側の縁部2aに1つの挿入孔6が設けられ、前記表部材3には前記挿入孔6に重合可能に1つの挿通孔7が設けられることにより、マーカ8の裏面に設けられたピン体部10が係脱可能になる構成になっているが、挿入孔6と挿通孔7との設置場所は上記説明に限らず、しかも、挿入孔6と挿通孔7との設置個数の増減変更は自由に行える。
【0057】
また、上記説明では、ゴルフ用帽子Aにつきマーカ8を鍔部2に着脱可能に取付ける場合を代表的に説明したけれども、上記説明は代表的例示であり、帽子の用途はゴルフに限らない。また、上記説明はマーカ8に代えてバッジであっても本発明範囲を逸脱するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、マーカが競技中等に帽子の鍔部から脱落することなく、容易かつ確実に取付けが行え、取付性が向上し、そして、使用時には鍔部からの取り外しが容易であり、直ちに使用に供せる等、操作性が良好であり、また、携行する時計への磁気的悪影響はなく、しかも、帽子自体は大幅な変更を要することなく容易に製作、組付けが行え、さらには、帽子のデザイン性が優れているという用途・機能に適する。
【符号の説明】
【0059】
1 帽子本体
1a 前頭部
2 鍔部
2a 縁部
3 表部材
4 裏部材
5 芯部材
6 挿入孔
7 挿通孔
8 マーカ
9 基盤部
10 ピン体部
10a 係止部
12 薄肉部
13 切溝部
14 係止爪片
15 円弧溝
20 鳩目部材
21 内筒
A ゴルフ用帽子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帽子本体と該帽子本体の前額部に取付けられる鍔部とよりなるゴルフ用帽子であって、前記鍔部が、布帛により形成される表部材と、布帛により形成される裏部材と、前記表部材および前記裏部材により被覆されて内装される可撓性を有する合成樹脂板の芯部材とで構成されているゴルフ用帽子において、
前記芯部材の左右何れかの縁部近傍の上面にはマーカのピン体部が係入可能な少なくとも1つの挿入孔が設けられ、
前記表部材には前記挿入孔に重合可能に前記マーカの前記ピン体部が挿通可能な挿通孔が設けられている、
ことを特徴とするゴルフ用帽子。
【請求項2】
帽子本体と該帽子本体の前額部に取付けられる鍔部とよりなるゴルフ用帽子であって、前記鍔部が、布帛により形成される表部材と、布帛により形成される裏部材と、前記表部材および前記裏部材により被覆されて内装される可撓性を有する合成樹脂板の芯部材とで構成されているゴルフ用帽子において、
前記芯部材の左右何れかの縁部近傍の上面には挿入孔に合成樹脂よりなる内筒を内装した鳩目部材が嵌入して設けられ、
前記表部材には前記挿入孔に重合可能にマーカのピン体部が挿通可能な挿通孔が設けられ、
前記ピン体部が前記内筒内に係脱可能に設けられている、
ことを特徴とするゴルフ用帽子。
【請求項3】
前記挿入孔の周囲には、該挿入孔に連通された分周的な複数個の切溝部と、これらの切溝部間に形成されて前記ピン体部に係脱可能にされる係止爪片と、が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のゴルフ用帽子。
【請求項4】
前記切溝部間の外周には、円弧溝が形成されていることを特徴とする請求項1または3に記載のゴルフ用帽子。
【請求項5】
前記挿通孔の内縁が補強糸により縁絡げ処理されていることを特徴とする請求項1、または3、4の何れか1項に記載のゴルフ用帽子。
【請求項6】
前記挿入孔と前記挿通孔とが重合する孔内に平坦な基盤部の裏面に係止部を有したピン体部を突設させて形成したマーカの前記ピン体部が、係脱可能に取付けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のゴルフ用帽子。
【請求項7】
前記マーカの周囲には、取外し時に前記鍔部に対し間隙を確保される薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のゴルフ用帽子。
【請求項8】
マーカの基盤部の裏面に突設された係止部を有するピン体部が係脱可能に係入される挿入孔を、可撓性を有する合成樹脂板の左右何れかの上面に、開設する工程と、
前記挿入孔に挿通孔を重合可能に表部材を芯部材の表面に配し、前記芯部材の裏面に裏部材を配して、前記表部材および前記裏部材で前記芯部材を被覆することにより、鍔部を形成する工程と、
前記鍔部を帽子本体の前記前額部に取り付ける工程と、
を有することを特徴とするゴルフ用帽子の成形方法。
【請求項9】
平面視略三日月状をなしてその縁部を縫い合わした袋状の表面部材および裏面部材内に、少なくとも1つの挿入孔が左右何れかの縁部近傍の上面に開設された可撓性を有する合成樹脂板の芯部材を挿入して鍔部を形成する工程と、
前記挿入孔内に前記表部材に開設された挿通孔を介してマーカの基盤部の裏面に突設された係止部を有するピン体部が、係脱可能に係入される鳩目部材を嵌入する工程と、
前記鳩目部材内に合成樹脂製の内筒を嵌着する工程と、
前記鍔部を帽子本体の前記前額部に取り付ける工程と、
を有することを特徴とするゴルフ用帽子の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−133072(P2010−133072A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43794(P2009−43794)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000195188)清原株式会社 (9)