説明

サイドウォール用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

【課題】低燃費性、耐屈曲亀裂性を高い次元でバランスよく向上でき、操縦安定性、破壊強度も確保できるサイドウォール用ゴム組成物、及び該組成物をタイヤのサイドウォールに用いた空気入りタイヤの提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物変性ブタジエンゴムを含むゴム成分、シリカ、硫黄、式(2)で表される化合物を含むサイドウォール用ゴム組成物。


(R、R及びRは、分岐又は非分岐のアルキル基、分岐又は非分岐のアルコキシ基、分岐又は非分岐のシリルオキシ基、分岐又は非分岐のアセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、水素原子又は分岐又は非分岐のアルキル基を表す。nは整数を表す。)
−S−S−A−S−S−R(2)(Aは分岐若しくは非分岐の炭素数2〜10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドウォール用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タイヤの転がり抵抗を低減(転がり抵抗特性を向上)させることにより自動車の低燃費化が行なわれている。例えば、タイヤのトレッドを2層構造(内面層(ベーストレッド)及び表面層(キャップトレッド))とし、ベーストレッドに、優れた低発熱性を有するゴム組成物が使用されている。しかし、近年、低燃費化への要求が更に強くなり、タイヤにおける占有比率の高いトレッドだけでなく、トレッド以外の部材(例えばサイドウォール)に対しても、より優れた低発熱性が要求されている。
【0003】
サイドウォール用ゴム組成物においては、キャップトレッド用ゴム組成物と異なり、従来から粒子径の大きいカーボンブラックが使用されており、カーボンブラックをシリカに変更しても低発熱性の向上効果はそれほど大きくない。また、シリカを配合すると、サイドウォールに必要な耐屈曲亀裂性が劣るという欠点も併せ持つ。そこで、低発熱性と耐屈曲亀裂性を高い次元で両立できるゴム組成物が求められている。また、低発熱性の向上のためにフィラーの配合量を減らすと、強度が低下し、破壊強度が悪化してしまう。
【0004】
特許文献1には、イソプレン系ゴムにリバージョン防止剤を配合し、転がり抵抗の低減と、耐摩耗性の向上が可能なタイヤ用ゴム組成物が開示されている。しかし、ゴム強度と転がり抵抗のバランス向上については、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−45471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、耐屈曲亀裂性を高い次元でバランスよく向上でき、操縦安定性、破壊強度も確保できるサイドウォール用ゴム組成物、及び該サイドウォール用ゴム組成物をタイヤのサイドウォールに用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、硫黄と、下記式(2)で表される化合物とを含むサイドウォール用ゴム組成物に関する。
【化1】

(式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、分岐若しくは非分岐のアルキル基、分岐若しくは非分岐のアルコキシ基、分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基、分岐若しくは非分岐のアセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は分岐若しくは非分岐のアルキル基を表す。nは整数を表す。)
−S−S−A−S−S−R (2)
(式(2)において、Aは分岐若しくは非分岐の炭素数2〜10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
【0008】
上記サイドウォール用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、上記式(2)で表される化合物を0.2〜20質量部含むことが好ましい。
【0009】
上記ゴム成分がイソプレン系ゴムを含むことが好ましい。
【0010】
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有する空気入りタイヤに関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、硫黄と、上記式(2)で表される化合物とを含むサイドウォール用ゴム組成物であるので、低燃費性、耐屈曲亀裂性を高い次元でバランスよく向上でき、操縦安定性、破壊強度も確保できる。また、熱劣化後の耐屈曲亀裂性も向上できるため、耐久性にも優れている。よって、該ゴム組成物をタイヤのサイドウォールに使用することにより、低燃費性、耐屈曲亀裂性のバランスに優れ、操縦安定性、破壊強度も確保され、更に耐久性にも優れた空気入りタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のサイドウォール用ゴム組成物は、上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、硫黄と、上記式(2)で表される化合物とを含む。
【0013】
カーボンブラックをシリカに置換した場合、低燃費性を向上できるものの耐屈曲亀裂成長性、破壊強度、操縦安定性が低下してしまう。また、カーボンブラックをシリカに置換し、上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを配合することにより、カーボンブラックをシリカに置換したことに起因する破壊強度、操縦安定性の低下は抑制できるものの、耐屈曲亀裂成長性が低下してしまう。そこで、本発明では、カーボンブラックをシリカに置換し、上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムと共に、硫黄と、上記式(2)で表される化合物とを配合することにより、カーボンブラックをシリカに置換したことに起因する破壊強度、操縦安定性の低下を抑制すると共に、シリカ、上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムによる低燃費性の向上効果を維持しつつ、耐屈曲亀裂成長性を向上させることができる。これは、上記式(2)で表される化合物によりゴム分子間を架橋することにより、(a)従来のスルフィド結合による架橋(硫黄架橋)よりも架橋の結合力が向上した、(b)架橋鎖が長くなった(高分子量化された)ことにより、ゴム分子鎖のフレキシブル性が向上したためと推測される。また、従来のスルフィド結合による架橋(硫黄架橋)よりも架橋の結合力が向上したため、熱により結合が切れにくく、熱劣化後の耐屈曲亀裂性も向上でき、耐久性に優れるものと推測される。
【0014】
本発明では、ゴム成分として、下記式(1)で表される化合物により末端が変性されたブタジエンゴム(変性ブタジエンゴム(変性BR))を含む。変性BRを含むことにより、ポリマー末端のゴム中での動きを抑制でき、更に、シリカの分散性を向上できるため、低燃費性、耐屈曲亀裂性を両立できる。また、破壊強度、操縦安定性を向上できる。
【0015】
【化2】

【0016】
上記式(1)のR、R及びRは、同一若しくは異なって、分岐若しくは非分岐のアルキル基、分岐若しくは非分岐のアルコキシ基、分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基、分岐若しくは非分岐のアセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。上記分岐若しくは非分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。上記分岐若しくは非分岐のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)等が挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜8のシクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素数6〜8のアリールオキシ基等)も含まれる。
【0017】
上記分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
【0018】
上記分岐若しくは非分岐のアセタール基としては、例えば、−C(RR′)−OR″、−O−C(RR′)−OR″で表される基を挙げることができる。前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基等が挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基等を挙げることができる。R、R及びRとしては、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。これにより、低燃費性、耐屈曲亀裂性を両立できる。
【0019】
上記式(1)のR及びRの分岐若しくは非分岐のアルキル基としては、例えば、上記分岐若しくは非分岐のアルキル基と同様の基を挙げることができる。R及びRとしては、分岐若しくは非分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは炭素数1〜2)が好ましく、エチル基がより好ましい。これにより、低燃費性、耐屈曲亀裂性を両立できる。
【0020】
上記式(1)のn(整数)としては、1〜5が好ましい。これにより、低燃費性、耐屈曲亀裂性を両立できる。更には、nは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。nが0であると変性反応が阻害される場合があり、nが6以上であると変性剤としての効果が薄れる。
【0021】
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルブトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジエトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
変性BRのビニル含量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。ビニル含量が35質量%を超えると、低発熱性が損なわれる傾向にある。ビニル含量の下限は特に限定されない。
なお、ビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
【0023】
上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるブタジエンゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。例えば、ブタジエンゴムと変性剤とを接触させればよく、ブタジエンゴムを重合し、該重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加する方法、ブタジエンゴム溶液中に変性剤を添加して反応させる方法等が挙げられる。
【0024】
変性されるブタジエンゴム(BR)としては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。
【0025】
ゴム成分100質量%中の変性BRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。5質量%未満であると、低燃費性の向上効果が期待ほど得られないおそれがある。該変性ブタジエンゴムの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。70質量%を超えると、破壊強度が十分に得られず、また、加工性が悪化する傾向もある。
【0026】
変性BR以外に本発明で使用できるゴム成分としては、特に限定されず、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ジエン系ゴムは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、破壊強度、耐屈曲亀裂性を確保できるという理由から、イソプレン系ゴム、BR及び変性BRの組合せ、イソプレン系ゴム及び変性BRの組合せで用いることが好ましく、イソプレン系ゴム及び変性BRの組合せがより好ましい。
【0027】
イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。イソプレン系ゴムのなかでも、破壊強度、耐屈曲亀裂性をバランスよく確保できることから、NRが好ましい。
【0028】
イソプレン系ゴムの含有量は、ゴム成分100質量%中、20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。20質量%未満であると、十分な破壊強度と低発熱性を確保できないおそれがある。イソプレン系ゴムの含有量は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。80質量%を超えると、その他のポリマー(変性BR、BRなど)の割合が低下し、十分な低発熱効果が得られないおそれがある。
【0029】
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムと変性BRの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。80質量%未満であると、低燃費性、耐屈曲亀裂性を高い次元でバランスよく向上できないおそれがあり、操縦安定性、破壊強度も確保できないおそれがある。
【0030】
BR(非変性)としては、上述の変性されるBRと同様のものを使用できる。
【0031】
ゴム成分100質量%中のBR(非変性)の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、十分な低発熱性を確保できないおそれがある。上記BR(非変性)の含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。80質量%を超えると、その他のポリマー(変性BR、NRなど)の割合が低下し、十分な破壊強度が得られないおそれがある。
【0032】
本発明では、シリカが使用される。変性BRとともに、シリカを配合することにより、良好な低発熱性及び高いゴム強度が得られ、低燃費性及び破壊強度を両立できる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
【0033】
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、75m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。40m/g未満では、加硫後の破壊強度が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、220m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、125m/g以下が更に好ましい。220m/gを超えると、低発熱性、混練加工性が低下する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
【0034】
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。10質量部未満であると、シリカ配合による充分な効果が得られない傾向がある。上記シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは75質量部以下である。150質量部を超えると、シリカのゴムへの分散が困難になり、ゴムの加工性が悪化する傾向がある。
本発明では、低燃費性の向上のためにフィラー(シリカ)の配合量を減らす必要が無いため(シリカの含有量を上記量とできるため)、強度が低下し、破壊強度が悪化することを防止できる。
【0035】
本発明のゴム組成物では、更にシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤を配合することにより、転がり抵抗の低減(低燃費性の向上)と、加工性の改良を同時に達成できる。シランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系;などを挙げることができる。なかでも、加工性が良好である点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは6質量部以上、更に好ましくは8質量部以上である。2質量部未満では、転がり抵抗の低減効果(低燃費性の向上効果)が充分に得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、高価なシランカップリング剤を配合した量に見合った転がり抵抗の低減効果(低燃費性の向上効果)が得られないおそれがある。
【0037】
本発明では、硫黄が使用される。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられ、例えば、オイル処理した不溶性硫黄が好適に用いられる。
【0038】
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満であると、ゴム強度が悪化する傾向がある。硫黄の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以下、特に好ましくは1.0質量部以下である。20質量部を超えると、ゴムの破断伸び及び耐屈曲亀裂成長性が悪化する傾向がある。硫黄の含有量が1.0質量部以下の場合に、特に下記式(2)で表される化合物による耐屈曲亀裂成長性の向上効果が高くなる。
【0039】
本発明では、下記式(2)で表される化合物(架橋剤)が使用される。下記式(2)で表される化合物を配合することにより、結合エネルギーが高く、熱安定性が高いCC結合をゴム組成物に保有させることができる。そのため、カーボンブラックをシリカに置換したことに起因する破壊強度、操縦安定性の低下を抑制すると共に、シリカ、上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムによる低燃費性の向上効果を維持しつつ、耐屈曲亀裂成長性を向上させることができる。
−S−S−A−S−S−R (2)
(式(2)において、Aは分岐若しくは非分岐の炭素数2〜10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
Aのアルキレン基としては、非分岐のアルキレン基が好ましい。
【0040】
アルキレン基の炭素数は2〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。アルキレン基の炭素数が1では、熱的な安定性が悪く、アルキレン基を有することによる効果が得られない傾向があり、アルキレン基の炭素数が11以上では、−S−S−A−S−S−で表される架橋鎖の形成が困難になる傾向がある。
【0041】
上記条件を満たすアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などがあげられる。なかでも、ポリマー間に−S−S−A−S−S−で表される架橋がスムーズに形成され、熱的にも安定であるという理由から、ヘキサメチレン基が好ましい。
【0042】
及びRとしては、チッ素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されず、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子がジチオ基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものがより好ましい。
【0043】
及びRは、それぞれ同一でも、異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から、同一であることが好ましい。
【0044】
上記条件を満たす化合物としては、例えば、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンなどがあげられる。なかでも、熱的に安定であり、分極性に優れるという理由から、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。
【0045】
式(2)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.4質量部以上である。0.2質量部未満であると、耐屈曲亀裂性の向上について効果が見られないおそれがある。式(2)で表される化合物の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。20質量部を超えると、ゴム強度(破壊強度)、操縦安定性、耐屈曲亀裂性が悪化するおそれがある。
【0046】
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
【0047】
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いても良い。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマオイル)などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などが挙げられる。なかでも、ゴム成分との相溶性が良好であるという理由から、芳香族系プロセスオイルが好ましい。
【0048】
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満であると、加工性が悪化するおそれがある。オイルの含有量は、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。25質量部を超えると、ゴムが柔らかくなりすぎ、フィラーの分散が悪化し、低燃費性、耐屈曲亀裂性、操縦安定性、破壊強度が低下するおそれがある。
【0049】
加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられる。なかでも、加硫特性に優れ、加硫後のゴムの物性において、低発熱性に優れ、破壊強度向上の効果も大きいという理由から、TBBS、CBS、DZなどのスルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく、CBSがより好ましい。
【0050】
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
【0051】
本発明のゴム組成物は、タイヤのサイドウォールに好適に使用できる。
【0052】
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのサイドウォールの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
【0053】
また、本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ等として好適に用いられる。
【実施例】
【0054】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0055】
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
BR1:宇部興産(株)製のBR130B(シス含量:96質量%)
BR2:住友化学(株)製の変性ブタジエンゴム(変性BR)(ビニル含量:15質量%、上記式(1)のR、R及びR=−OCH、R及びR=−CHCH、n=3の化合物により変性)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックN550(NSA:42m/g)
シリカ:Rhodia社製のZeosil1115MP(チッ素吸着比表面積(NSA):115m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
プロセスオイル:ジャパンエナジー社製のプロセスX−140(芳香族系プロセスオイル)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノワックスN
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製の椿
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
KA9188:バイエル社製のVulcurenKA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
【0056】
実施例1〜4及び比較例1〜3
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄、加硫促進剤、及びKA9188以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤、及びKA9188を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をサイドウォール形状に成形して、他のタイヤ部材とはりあわせ、170℃で12分間25kgfの条件下で加硫することにより、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を作製した。
【0057】
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物、試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
【0058】
(熱劣化条件)
得られた加硫ゴム組成物を80℃のオーブンで168時間熱劣化(老化)させた。得られたものを熱劣化サンプル(熱劣化後の耐屈曲亀裂性テストサンプル)とした。
【0059】
(1)ムーニー粘度
JIS K6300に準じて、130℃で所定の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。測定結果を、比較例1を100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど粘度が低く、加工が容易であることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
【0060】
(2)転がり抵抗
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で、各配合の加硫ゴム組成物のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗特性(低燃費性)が優れている。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
【0061】
(3)破壊強度
加硫ゴム組成物について、JIS K6251に準じて3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断強度(TB)を破断時伸び(EB)(%)を測定した。TB×EB/2の数値を破壊強度とした。比較例1の破壊強度を100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど破壊強度に優れる。
(破壊強度指数)=(各配合の破壊強度)/(比較例1の破壊強度)×100
【0062】
(4)操縦安定性
試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。その際に、10点を満点とし、比較例1の操縦安定性を6点としてそれぞれ相対評価を行った。数値が大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
【0063】
(5)(耐屈曲亀裂性)
加硫ゴム組成物を用い、JIS−K−6260「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−デマッチャ屈曲亀裂試験方法」に基づいてサンプルを作製し、屈曲亀裂成長試験を行い、70%伸張を100万回繰り返してサンプルを屈曲させた後、発生した亀裂の長さを測定した。
そして、比較例1の測定値(長さ)を100とし、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど、亀裂の成長が抑制され、耐屈曲亀裂性に優れることを示す。
(耐屈曲亀裂性指数)=(比較例1の測定値)/(各配合の測定値)×100
また、熱劣化サンプルを用いて同様の試験を行い、下記計算式により指数表示した。
指数が大きいほど、亀裂の成長が抑制され、熱劣化後の耐屈曲亀裂性(耐久性)に優れることを示す。
(熱劣化後の耐屈曲亀裂性指数)=(比較例1の測定値)/(各配合の測定値)×100
【0064】
【表1】

【0065】
上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、硫黄と、上記式(2)で表される化合物とを含む実施例は、低燃費性、耐屈曲亀裂性、熱劣化後の耐屈曲亀裂性(耐久性)を高い次元でバランスよく向上でき、操縦安定性、破壊強度も確保できた。
【0066】
一方、カーボンブラックのみを配合した比較例1は、実施例と比較して、低燃費性、耐屈曲亀裂性、熱劣化後の耐屈曲亀裂性(耐久性)が劣っていた。上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物を配合しない比較例2は、実施例と比較して、低燃費性、破壊強度、操縦安定性、耐屈曲亀裂成長性、熱劣化後の耐屈曲亀裂性(耐久性)が劣っていた。上記式(2)で表される化合物を配合しない比較例3は、実施例と比較して、耐屈曲亀裂成長性、熱劣化後の耐屈曲亀裂性(耐久性)が劣っていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを含むゴム成分と、
シリカと、
硫黄と、
下記式(2)で表される化合物とを含むサイドウォール用ゴム組成物。
【化1】

(式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、分岐若しくは非分岐のアルキル基、分岐若しくは非分岐のアルコキシ基、分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基、分岐若しくは非分岐のアセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は分岐若しくは非分岐のアルキル基を表す。nは整数を表す。)
−S−S−A−S−S−R (2)
(式(2)において、Aは分岐若しくは非分岐の炭素数2〜10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
【請求項2】
ゴム成分100質量部に対して、前記式(2)で表される化合物を0.2〜20質量部含む請求項1記載のサイドウォール用ゴム組成物。
【請求項3】
前記ゴム成分がイソプレン系ゴムを含む請求項1又は2記載のサイドウォール用ゴム組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有する空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2012−1697(P2012−1697A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140857(P2010−140857)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】