説明

サウナマット

【課題】サウナマットについて、サウナ施設における維持経費の高騰を伴うことなく利用者の快適さを充分に確保できるようにする。
【解決手段】合成繊維の構成糸を使用して所定形状の織布にしたサウナマットにおいて、構成糸1a,1b,2a,2bの太さを毛番手で5番乃至7番とし、タテ糸1bがドビー織りにより上下に開口されて複数の凹凸構造からなる模様を表面側に形成し、その模様は複数の凸部3を平均的に配置したことによりその合計面積が表面全面積の50%乃至80%を占めるものとして、利用者が座った状態で凸部3,3間に形成した凹部4底面と臀部肌表面との間に隙間が形成される、ことを特徴とするものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサウナマットに関し、殊に、サウナルーム内で利用者が着座する部分に敷いて快適な座り心地を確保するためのサウナマットに関する。
【背景技術】
【0002】
サウナルームでは、利用者が座る木製の座面が高温になっていることから、その部分にサウナマットを敷いて座面の熱から利用者を保護している。このサウナマットの素材にはタオル生地を用いているのが一般的であるが、タオル生地は吸水と保水が一体になって行われることから、利用者の体表から流れ落ちる多量の水分を吸収することにより比較的短時間で濡れた状態となるため、ベタつき感が出て利用者に不快感を与えやすいものとなる。
【0003】
また、サウナマットが多量に水分を含むと熱を伝導しやすくなるため、その利用者がサウナルームを出た後に次の利用者が座るまでの間、タオル生地に含有した水分が座れないくらいに高温になることがある。更に、利用者はサウナマットの濡れた部分に不衛生な印象を覚えるため、その比較的濡れていない部分をわざわざ探す不便を強いることになり、結果として利用者サービスの低下に繋がることになる。
【0004】
これに加えて、斯かるサウナマットのタオル生地は綿糸から構成されているのが通常であるところ、綿繊維内部の空隙でも保水するために乾燥に時間を要してしまい、濡れた状態を維持することで雑菌が繁殖して悪臭を発生しやすい状態となる。そのため、利用者サービスの観点から総てのサウナマットが濡れた状態となる前に乾燥したものに交換することが好ましい。
【0005】
しかし、これを実現するには頻回の交換作業及び洗濯作業を要することから、交換のための人手と多額のリネン費用を要してサウナ施設の維持経費が嵩む結果となる。このような理由から、一般的なサウナ施設ではサウナマットの交換を充分に実施できていないのが現状である。また、綿製のタオル生地からなるサウナマットは、洗濯により痛みやすく比較的短期間で新品に交換する必要性が生じるため、更に維持経費を高騰させる原因となっている。
【0006】
これに対し、乾燥の手間を要さない樹脂製マットを配置することにより、交換作業を殆ど行わないようにして維持経費を低廉に抑えている施設もあるが、この場合は、利用者の座り心地・快適さを完全に犠牲する結果となっている。一方、浴室入口に配置する敷物(足拭きマット)の分野では、特開2006―167153号公報に提案されているように、レーヨン等の吸水性の高い部分とこれよりも吸水性の低いアクリル合成繊維等の撥水性の高い部分とを適宜配置することにより、マットの吸水性を確保するとともに肌が触れる部分は乾燥した感触を確保可能としたものが知られている。
【0007】
ところが、この敷物をサウナマットとして使用する場合には、利用者が座って臀部で荷重した状態が継続すると、吸水性の高い部分で多量に保持された水分が表面側に滲んで熱さを感じやすい状態となる。また、湿度の高いサウナルームでは、繊維内部でも保水する吸水性の高い部分の乾燥に長時間を要するため、サウナルーム特有の高温環境も影響して多量の雑菌が繁殖し、悪臭を生じやすくなるという問題がある。
【特許文献1】特開2006―167153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、サウナマットについて、サウナ施設における維持経費の高騰を伴うことなく利用者の快適さを充分に確保できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、合成繊維の構成糸を使用して所定形状の織布にしたサウナマットにおいて、その構成糸の太さを毛番手で5番乃至7番とし、タテ糸の一部がドビー織りにより上下に開口されて複数の凹凸構造からなる模様を表面側に形成し、その模様は複数の凸部を平均的に配置したことによりその合計面積が表面全面積の50%乃至80%を占めるものとして、利用者が座った状態で凸部間に形成した凹部底面と臀部肌表面との間に隙間が形成される、ことを特徴とするものとした。
【0010】
このように、ドビー織りで表面に凹凸構造を形成するように太番手の糸を織ってマットを構成したことにより、吸水した状態で平織り部分の表面となる凹部底面と肌との間に空間を形成して着座時のベタつき感を軽減することができ、これに加えて撥水性に優れる合成繊維を構成糸に使用したことで、繊維自体が吸水しにくく天然繊維やレーヨン等を使用した場合と比べて乾燥しやすいものとなり、且つ、着座時の圧縮力で凸部を中心とするポンプ作用を発揮することにより、吸収した水分が高温の木製マット載置面側に移動して水分の乾燥を促すことから、乾いた感触を長時間に亘って維持しやすいものとなり、その交換回数を大幅に削減することが可能となる。
【0011】
また、この場合、その表面側の凸部を、サウナマット載置面からの高さが少なくとも3.0mm以上となるようにするとともに、凸部間に形成した凹部底面との高低差をその凹部底面の幅よりも大きくなるようにすれば、肌表面と凹部底面との隙間が確実に形成されてベタつき感の解消に優れたものとなる。更に、その凸部をヨコ糸の長さ方向に複数並んで畝を形成しているとともにその畝がタテ糸の長さ方向に複数並列してストライプ模様を形成したものとし、そのストライプ模様のピッチを10cm当たり10〜14本としたものとすれば、乾いた肌触りを確保しながら凸部による弾力性で快適な座り心地を実現できるものとなる。
【0012】
更にまた、上述したサウナマットにおいて、その構成糸を形成する合成繊維をアクリル繊維とすれば、製造コストを安価に抑えながら耐久性に優れたものとなって、サウナ施設の維持経費をより低廉に抑えやすいものとなる。
【0013】
加えて、上述したサウナマットの端縁側に、織り耳または/及びバイヤステープを設けて周囲を補強したものとすれば、使用に伴い痛みやすい部分が保護されて更に耐久性に優れたものとなり、長期間の使用および多くの洗濯にも耐えやすいものとなる。更に加えて、上述したサウナマットの生地または構成糸に抗菌加工を施したものとすれば、防臭効果に優れてサウナルームをより快適な状態に維持しやすいものとなる。
【発明の効果】
【0014】
合成繊維製で太番手の構成糸からなり表面にトビー織りで凹凸構造を設けた本発明によると、サウナ施設の維持経費の高騰を伴うことなく利用者の快適さを充分に確保することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。尚、本発明において、構成糸はサウナマットの本体を基本的に構成する糸を指し、バイヤステープなどを縫いつけるための細い縫い糸等を含まないものとする。また、タテ方向とはタテ糸の長さ方向を指し、ヨコ方向とはヨコ糸の長さ方向を指すものとする。
【0016】
図1(A)は、本実施の形態のバスマットの一部分を拡大した平面図を示しており、図1(B)はそのX−X線に沿う断面図を示している。その構成糸として使用する糸は、乾燥性の観点から綿などの天然繊維やレーヨンなどの再生繊維と比べて吸水性の低いアクリルなどの合成繊維を撚ったものであり、その太さは、後述する凹凸構造の凸部の高さを適度に確保する観点から、毛番手で5番乃至7番のロープ状に撚った太番手のものを使用する。これは、4番以下の糸では凸部3の高さが不十分となりやすく、8番以上では構成糸の凸部3が肌に食い込んで感触が悪くなるからである。
【0017】
本実施の形態のサウナマットは、上述した構成糸をタテ糸及びヨコ糸に使用して織機で織ることにより本体部分を作成するものであるが、上述したバスマットのように吸水性の高い繊維とこれよりも吸水性の低い撥水性の高い繊維とを組み合わせたものとは異なり、サウナルームの環境特性を考慮して総て撥水性の高い合成繊維から構成した点を特徴としている。尚、サウナマットには抗菌加工を施すことが推奨され、これにより防臭効果をより優れたものとすることができる。
【0018】
図1(A)及びその断面図である図1(B)を参照して、1a,1bはタテ糸であり2a,2bはヨコ糸であって、これらは総て同一の合成繊維からなる同一番手の糸を使用することができる。図1(B)の断面図から分かるように、タテ糸1aとヨコ糸2aは平織り部分を構成する糸であり、タテ糸1bとヨコ糸2bとはドビー織り部分を構成する糸となっている。
【0019】
即ち、各タテ糸1bは特殊ドビー装置により上下に開口され、平織り部分を構成する面から持ち上げられてアーチを形成しており、そのアーチで形成される空間に3本のヨコ糸2bが挿通されており、サウナマットの本体表面にドビー織りによる凹凸構造を形成している。このタテ糸1bは、図1(A)に示すように2本一組で並列しながら同位置で開口して凸部3を形成し、平織り部分を構成するタテ糸1aを一本挟んでヨコ方向に連続しており、ヨコ方向に延びる凸部3の畝がタテ方向に並列してストライプ柄(ドビー柄)を形成している。尚、凸部3のアーチを潜るヨコ糸の本数は2〜4本程度が想定されるが、これは使用する糸の太さ等で適宜決定する。また、タテ糸1bの並ぶ本数も2本に限定されるものではない。
【0020】
そして、このタテ糸1bによる凸部3の載置面からの高さh1は、木製で高温の載置面から肌を保護するとともに載置面に所定量の水が溜まっても肌に触れない高さを確保する観点から、少なくとも3.0mm以上あることが好ましく、凸部3,3の間に形成される凹部4底面を含む平織り部分上面との高低差h2は、連続する凸部3,3間に形成される各凹部4の幅よりも大きいものであることが、肌と凹部4底面との間に空間を確保する観点で好ましい。
【0021】
また、凸部3,3が並ぶストライプ柄のタテ方向のピッチPを、10cm当たり10〜14本になるように構成することにより、凸部3を形成するアーチの大きさが適度なものとなってその弾力性と乾いた肌触りを確保しやすいものとなる。更に、図示は省略するが、サウナマットの端縁側に、織り耳または/及びバイヤステープを設けて周囲を補強することにより、より耐久性に優れたものとなって長期間の使用及び多数の洗濯に耐え得るようになる。
【0022】
次に、本実施の形態のサウナマットの作用について説明する。本実施の形態のサウナマット(乾燥状態)は、サウナルーム内で木製の板が階段状に形成された着座面に載置する。最初の利用者が座った際、繊維間・糸間に空気を含む本体部分は表面温度が50℃以上に上昇した載置面との間に空気の層を介在させて、利用者に過剰な熱さを感じさせない機能を発揮する。そして、利用者の体表から流れ落ちる汗などの水分はサウナマットで吸収されるが、ある程度の水分量まではサウナマット内で保持され、利用者の肌が各凸部3の上面のみに触れていること、及び肌に触れる部分を含んで撥水性に優れた繊維を使用している関係で、ベタつきによる不快感を利用者に殆ど与えることがない。
【0023】
その利用者がサウナルームを出た後に、次の利用者が同一のサウナマットの同一部分に座った場合は、繊維間・糸間に保持していた水分は利用者の体重で表面の凸部3を押しつぶすポンプ作用により容易に下方に移動して木製の載置面まで降りる。すると、木材からなる高温の載置面上の水分は比較的短時間で乾燥し、この利用者から流れ落ちる水分がサウナマットに加わってもその表面に水分が滲むことがない。
【0024】
即ち、従来のサウナマットのように吸水と保水が一体となっているものと異なり、構成糸が撥水性に富む合成繊維で構成されて繊維間・糸間のみで吸水して高い保水力を発揮しないものであり、且つ、アーチ状に形成され弾力性を有する凸部3の構造により体重由来の圧力で水を載置面まで移動させるポンプ機能を有している点を特徴としている。また、載置面側に点状に突出するタテ糸1bとヨコ糸2aによる交差部分は、ヨコ糸2bが3本表面側に並ぶ関係で、縦方向にヨコ糸3本分の間隔で載置面との間に高さh3の隙間を形成するため、載置面に降りた水がサウナマットに戻りにくくなっている。更に、連続的な使用により、載置面における水分の乾燥速度よりも水分の溜まる速度が勝った場合でも、表面の凹凸構造により利用者の肌表面と凹部4底面との間に空間が形成されやすいため、凹部4の底面の高さまで水が溜まった場合であっても、快適な使用感を維持することができる。
【0025】
従って、多数の利用者が連続的に座るような混雑した状況でも、乾いた肌ざわりを確保しやすく、且つ、サウナルームの高温環境を利用して効率的に乾燥を促進させることができるため、長時間に亘って快適な使用感を維持しやすいものである。尚、一般的な使用頻度では凹部4の底面より高く水が溜まることは少なく、大勢の利用者が連続的に使用するような状況であっても、一日に2回程度の交換で通常は充分である。
【0026】
また、従来の細い綿糸をタオル状に構成したサウナマットでは、使用・洗濯の繰り返しにより比較的短時間で痛みやすいのに対し、本実施の形態のサウナマットはロープ状にした太番手の糸をザックリと織り上げて構成したことにより、一本一本の構成糸の密度は確保されて強度の大きなものとなっており、極めて耐久性に優れたものとなっている。
【0027】
これに加えて、傷みやすい部分であるマット端縁側に織り耳または/及びバイヤステープを設けて周囲を補強したことにより、一層耐久性に優れたものとなっている。従って、本発明のサウナマットは、交換・洗濯に要するコストを大きく削減できることに加え、新品に交換する頻度も大きく削減できることから、サウナ施設の維持コスト低減化に極めて有効なものである。
【実施例】
【0028】
上述した実施の形態のサウナマットを実際に作成し、通常の綿製タオル地のサウナマットを対照例として乾燥性試験及び耐久性試験を実施し、両者の機能を比較した。尚、図3の写真は実際に作成したサウナマットの拡大部分正面写真を示しているが、図1のサウナマットと同様の構成であることに加え、端縁側に織り耳を設けて補強したものとなっている。
【0029】
(試験対象)
[本発明]図1のサウナマットと同様の構成である図3の写真に示すサウナマットを作成した。サイズ:70cm×130cm、乾燥時重量:720g、構成糸(タテ糸、ヨコ糸共通):アクリル糸、6番(毛番手)3本撚り、撚回数11回/1インチ、凸部の畝のピッチ(タテ方向):10cmで12山、凸部の高さ(載置面から):4.0mm、糸本数:タテ糸 17本/1インチ、ヨコ糸 13本/1インチ。
[対照例]綿糸をタオル状に織った市販サウナマット、サイズ:70cm×140cm、乾燥時重量:640g
【0030】
(試験1:乾燥性試験)
洗濯機に水深30cmまで水を溜めて試験対象の両サウナマットを入れ、各サウナマットが充分に吸水したことを確認してから3分間脱水を行い、脱水後各サウナマットを洗濯機から取り出し、屋内環境に載置した(温度18℃、湿度50%)。そして、取り出し直後、1時間後、2時間後、3時間後、10時間後の重量を各々測定した。以下の表1にその結果を示す。
【0031】
【表1】

【0032】
この表から、対照例が脱水直後の保水量410gから、1時間後に350g、2時間後に290g、3時間後に230g、10時間後に150gとなったのに対し、本発明は脱水直後の保水量160gから、1時間後に70g、2時間後には10gになり、3時間後以降は0gになって対照例と比べて極めて乾燥速度が早いことが確認された。これを水分残留量(湿重量に対する保水量の割合(%))の推移を示すグラフにしたのが図3である。このグラフから分かるように、本発明は脱水直後の保水量が対照例の約半分であり対照例の10時間後の保水量よりも少ないこと、及び、2時間後までの水分減少率(グラフの傾斜角度)が対照例の約2倍であることが分かった。
【0033】
(試験2:耐久性性試験)
また、上述した本発明と対照例のサウナマットについて、JIS L 0217による耐久性試験(耐洗濯性試験)を実施した。即ち、両試料を繰り返し洗濯し、10回毎に吊り干しを行って、タテ・ヨコの寸法変化率、及び外観変化を記録した。尚、対照例は傷みの進行が早かったために30回目で試験を終了し、本発明は100回目まで実施した。以下の表2が対照例の結果であり、表3が本発明の結果である。尚、表中の寸法変化率において、+は伸びを示し、−は縮みを示している。
【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
上記各表に示した通り、対照例ではタテ・ヨコの寸法変化率は本発明よりもわずかに小さかったものの、外観変化において1回目から毛羽の脱落が見られ、30回目では、生地の硬化及び毛羽の脱落が顕著であった。これに対し、本発明のサウナマットは100回の洗濯後においても外観変化が見られず高い耐久性を示した。
【0037】
その原因としては、対照例のサウナマットに使用している綿糸は元々繊維が短いものであり、殊にタオル地の場合は柔らかさを出すために撚糸を甘くしていることから、洗濯を重ねると繊維が切れ落ちて糸がやせ細る特性があり、しかも洗濯により柔軟性が失われて破れやすくなるのに対し、本発明のサウナマットに使用しているアクリルは繊維が長く撚回数も多いため、毛羽落ちが少なく洗濯を重ねても糸がやせることが少ないため、耐久性において優位を示したものと考えられる。
【0038】
また、両試料の生地の組成方法においても、対照例のタオル地はタオル織機で細番手の糸をタテ・ヨコの密度を比較的荒くしてパイル状に織り上げてソフトさを出しているのに対し、本発明の畝織りによる生地は、太番手の糸を使用してドビー織機で比較的密度の高い状態で織り上げたことも影響していると考えられる。
【0039】
以上の各試験結果から、本発明のサウナマットは極めて短時間で乾燥することが実証されたが、これに加えてサウナルームの高温環境では利用者から流れ落ちてサウナマットに吸収した水分が更に短時間で乾燥しやすくなることから、利用者の快適な使用感を確保しながら水分が肌に感じるまで貯まるのに長時間を要するものとなるため、その交換頻度を大幅に削減できることが明らかとなった。また、このことは従来のサウナマットよりも洗濯回数を削減できることに繋がるが、これに加えて上述した試験で実証されたその耐久性(耐洗濯性)により、更に長期間に亘る使用を可能としている。
【0040】
以上、述べたように、サウナルームで使用するサウナマットについて、本発明により、サウナ施設の維持経費の高騰を伴うことなく利用者の快適さを充分に確保できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(A)は本発明の実施の形態を示す正面部分図、(B)は(A)のX−X線に沿う断面図。
【図2】実施例の試験1による水分残留量の推移を示すグラフ。
【図3】実施例において作成したサウナマットの拡大部分正面写真。
【符号の説明】
【0042】
1a,1b タテ糸、2a,2b ヨコ糸、3 凸部、4 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成繊維の構成糸を使用して所定形状の織布にしたサウナマットにおいて、前記構成糸の太さが毛番手で5番乃至7番であり、タテ糸の一部がドビー織りにより上下に開口されて複数の凹凸構造からなる模様を表面側に形成し、該模様は複数の凸部を平均的に配置したことにより前記凸部の合計面積が表面全面積の50%乃至80%を占めるものとなっており、利用者が座った状態で前記凸部間に形成した凹部底面と臀部の肌表面との間に隙間が形成される、ことを特徴とするサウナマット。
【請求項2】
前記凸部は、載置面からの高さが少なくとも3.0mm以上であるとともに前記凸部間に形成した凹部底面との高低差が該凹部底面の幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載したサウナマット。
【請求項3】
前記凸部は、ヨコ糸の長さ方向に複数並んで畝を形成しているとともに該畝が前記タテ糸の長さ方向に複数並列してストライプ模様を形成しており、該ストライプ模様のピッチが10cm当たり10〜14本とされている、ことを特徴とする請求項1または2に記載したサウナマット。
【請求項4】
前記構成糸を形成する合成繊維が、アクリル繊維であることを特徴とする請求項1,2または3に記載したサウナマット。
【請求項5】
端縁側に織り耳または/及びバイヤステープが設けられて周囲を補強されている、ことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載したサウナマット。
【請求項6】
生地または構成糸に抗菌加工が施されていることを特徴とする、請求項1,2,3,4または5に記載したサウナマット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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